説明

再生装置およびその制御方法、記憶媒体、プログラム

【課題】 動画の再生において、例えば前回再生を停止した位置を覚えておき、次回の再生では、こ覚えておいた停止位置から再生を再開する再生レジューム機能が知られている。ユーザによって、好みのシーンや大事なシーンをすぐに再生するために、その大事なシーンの直前に再生レジューム位置を設定することが多い。
しかし、不用意な操作や、内容を把握するために短時間だけ再生してしまった場合には、ちょうどいい位置に設定されている再生レジューム位置が更新されてしまう。このため、次回の再生では、再度再生レジューム位置を設定し直さなければならない手間が生じてしまう。
【解決手段】 このような課題を解決するため、本願の再生装置では、動画を再生する場合、短い時間で再生を停止した動画についてはすでに設定されている再生レジューム位置を更新しないように制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画の再生レジューム機能の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
動画プレーヤーには再生レジューム機能を持つものが出ている。再生レジューム機能とは、再生が停止した箇所を記憶しておき、次回の再生ではその続きから再生する機能である。
動画の再生における再生レジューム機能の使い勝手をよくする工夫が行われている。その方法として、動画の先頭からわずかな時間しか動画を見なかった場合、再生レジューム機能をOFFにし、次回の再生では先頭から再生するようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−164766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動画には再生レジューム位置が設定されていて、再生レジューム機能のあるプレーヤで複数の動画を再生する。再生レジューム位置は大事なシーンの直前に設定されてることもある。このような場合、再生レジューム位置を記憶している動画を再生レジューム位置から少し再生することで重要な場面を即座に確認できる点で使い勝手がよい。
【0005】
しかし、従来のレジューム機能では、短時間の再生であっても、ちょうどいい位置に設定されている再生レジューム位置が更新されてしまう。次回の再生では、再度再生レジューム位置を設定し直さなければならない手間が生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本願の再生装置では、動画ファイルを再生レジューム機能を使って再生する再生手段と、再生レジューム位置から動画ファイルの再生を開始してから再生停止までの再生時間を計測する計測手段と、計測手段で計測した再生時間と所定の閾値とを比較する比較手段と、比較の結果、再生時間が所定の閾値よりも長い場合、再生レジューム位置を再生が停止した位置に更新し、再生時間が所定の閾値よりも短い場合、再生レジューム位置を更新しない再生レジューム位置制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
短い時間しか再生しなかった動画については、すでに設定されていた再生レジューム位置を維持できる。その結果、再生レジューム位置を戻すことなくユーザが見たい位置から動画を再生することができる。特にユーザが好みの場面の直前に設定したレジューム位置が、わずかな時間の再生では位置が更新されず、再度好みの位置から再生をする場合に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】再生装置の構成を示した図である
【図2】ブラウザアプリの画面を示した図である
【図3】動画プレーヤーの画面を示した図である
【図4】1フレーム分の動画データの構造を示した図である
【図5】動画データの構造を示した図である
【図6】ボタン操作における処理手順を示した図である
【図7】再生しているときの処理手順を示した図である
【図8】再生が停止するときの処理手順を示した図である
【図9】第2の実施形態での動画プレーヤーの画面を示した図である
【図10】第2の実施形態での再生レジューム位置を取得するときの処理手順を示した図である
【図11】第2の実施形態での再生が停止するときの処理手順を示した図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態で使用する再生装置の構成を示す図である。
【0011】
演算装置(CPU)101は、入力信号やプログラムに基づき、再生装置100全体の制御を行う。
【0012】
一次記憶装置(DRAM)102は、動画の再生処理やCPU101の各種処理を行うために一時的に情報を記憶するためになどに利用される。
【0013】
二次記憶装置103は、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置であり、静止画データや動画データ、各種パラメータなどが記憶される。
【0014】
外部記憶装置104は、外部記憶媒体を扱うための装置である。外部記憶媒体には、DVD、CD、USBメモリや各種のメモリーカードなどを利用できる。
【0015】
操作部材105は、キーボード、マウスなどであり、ユーザが再生装置100に各種指示を与えるためのものである。
【0016】
表示部材106は、静止画や動画、操作画面やメニュー画面などのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するための部材であり、例えばLCDなどが用いられる。
【0017】
スピーカー107は、動画データとともに記録されている音声や、警告音などを出力するための部材である。
【0018】
読み出し専用メモリ(ROM)108は、本願の特徴的な動作を制御するためのプログラムを始め、CPU101が動作するための各種の制御プログラムを記憶する。
109はCPUバスであり、アドレスバス、データバスおよびコントロールバスを含む。
【0019】
情報処理装置100には、ブラウザアプリケーションや動画プレーヤーのプログラムがインストールされており、それらのプログラムが、二次記憶装置103または読み出し専用メモリ(ROM)108に格納されているものとする。これらのプログラムに従って演算装置(CPU)101が機能し、ブラウザアプリの画面と動画プレーヤーの画面は情報処理装置100の表示部材105に表示される。
【0020】
ブラウザアプリには、複数の動画のサムネイルが表示されている。ユーザは画像ブラウザに表示されている動画のサムネイルを選択することで、動画プレーヤーを起動させて選択した動画を再生することができる。
【0021】
以下では図2を使用して、再生レジューム機能を有する再生装置が提供するブラウザアプリの画面について説明する。
【0022】
ブラウザアプリ200には、複数の動画のサムネイル203から206が表示されている。ブラウザアプリ200は、この再生装置が再生することができる動画ファイルの一覧を提供し、この画面で選択されたサムネイルを再生対象の動画とすることができる。図2では、動画のサムネイルが4つ表示されているが、表示される動画のサムネイルの数は4つに限定される必要はない。
【0023】
ボタン201は再生ボタンである。再生対象として動画のサムネイルを選択し、ボタン201を押すと後述の動画プレーヤー300を起動して、選択された動作の再生を実行することができる。
【0024】
ボタン202は停止ボタンである。ボタン202を押すと、動画プレーヤー300で再生中の動画を停止することができる。
【0025】
動画プレーヤーは、動画の再生や停止、動画の切り替えなどの再生制御をおこなうことができる。また、動画に設定されている再生レジューム位置から再生する機能を備えている。後述の図3でも説明するが、動画プレーヤー300は、動画の再生や停止を制御したり、次の動画の再生に移行した、前の動画の生成に移行したりすることができる。また、動画プレーヤーは、再生レジューム位置から再生された時間の計測を行う。計測された時間が所定の閾値よりも短い場合、動画に設定されている再生レジューム位置を更新しない。計測された時間が所定の閾値よりも長い場合、再生が終了した位置に動画に設定されている再生レジューム位置を更新する。
【0026】
以下では図3を使用して、動画プレーヤーの画面について説明する。動画プレーヤー300は、ボタン302とボタン303を備えている。動画の再生が開始すると301に動画が表示される。
【0027】
ボタン302は、ブラウザ200で選択されている動画の前の動画を再生するボタンで、「戻るボタン」と呼ぶこととする。
【0028】
ボタン303は、ブラウザ200で選択されている動画の次の動画を再生するボタンで、「次へボタン」と呼ぶこととする。動画の再生中にボタン302あるいは303が押されると、再生中の動画の再生は、ボタンが押された時点で停止され、ブラウザ200で選択されている動画の前のあるいは次の動画の再生が開始される。以下では、ボタン302および303をまとめて「切り替えボタン」と呼ぶことにする。
【0029】
301は、動画を表示するためのウィンドウである。
ボタン304は、動画の再生を開始するボタンである。
ボタン305は、動画の再生を停止するボタンである。
スライダ306は、動画に設定されている再生レジューム位置を示すスライダである。動画のレジューム再生時にはこの位置から始められることを示す。
スライダ307は、再生している動画の現在位置を示すスライダである。
【0030】
309は、左端が動画ファイルの最初、右端が動画ファイルの最後を示す帯状の表示部であり、現在の再生位置のスライダ307の背面位置している。スライダ308は、再生レジューム位置が更新されるまでの残り時間を示すスライダである。再生の開始時はスライダ308が左端にあり、時間経過とともに右に移動し、右端に辿り着くと再生レジューム位置を更新するまでの時間が経過したことを示すので、レジューム位置更新表示手段として機能する。なお、スライダ308は表示専用のスライダであり、ユーザが操作することはできない。スライダ308が右端にたどり着かない間に再生を停止させた場合、次回の再生では動画に設定されている再生レジューム位置を更新しないことを示す。スライダ308が右端にたどり着いて再生を停止させた場合、次回の再生では動画に設定されている再生レジューム位置を再生が停止した位置に更新することを示す。なお、ここでは再生レジュームが更新されるまでの残り時間をスライダ308という形式で表示されているが、再生レジュームが更新されるまでの残り時間を示す数字で表示するなど、残り時間の表示の形式は問わない。
【0031】
<動画データの構造について>
ここで、1フレーム分の動画データ(記録フレームデータと呼ぶ)の構造について説明する。
【0032】
記録フレームデータの構造について、図4に示す。図4に示すように、記録フレームデータは、フレーム情報と、圧縮フレームデータからなる。圧縮フレームデータは圧縮した画像データそのものであり、記録フレームデータはその付加情報となる。
本実施形態ではフレーム情報として、次の情報を持つ。
●フレーム情報のバイト数(2バイト)
●圧縮フレームデータのバイト数(8バイト)
●タイムコード(8バイト)
●撮影日時(8バイト)
●予約領域(6バイト)
それぞれの情報の領域は、上記のカッコ内に示すようなデータサイズとなる。
「フレーム情報のバイト数」の値は固定となり、つねに32となる。
「圧縮フレームデータのバイト数」はフレームデータごとに異なり、圧縮フレームデータのデータサイズが設定される。
「タイムコード」は撮影開始時からの時間情報を1ms単位で記録される。
「撮影日時」は、動画を撮影した日時情報を1ms単位で記録される。
「予約領域」は現在使用していないが、将来のために予約している領域である。本実施形態では、予約領域は全て0を設定する。
【0033】
動画データは図5で示すように連続したフレームデータ(#0、#1、…#N)として保存される。図5の先頭には、ヘッダ501がある。ヘッダは動画データの付加情報である。ヘッダ501に次回の再生開始位置を示す再生レジューム位置を8バイトで記録する。再生レジューム位置は動画の先頭からの時間で、ms単位で記録される。
【0034】
なお、本実施形態で使用される動画データは、再生レジューム位置などの付加情報を付加できる形式であれば、図4、図5に示した形式に限定されない。
【0035】
以下では、図6を使用して、演算装置(CPU)101による、動画プレーヤー300の各ボタンが押されたときの動作について説明する。
【0036】
ステップS601で、再生ボタンが押されたかどうか判断する。ステップS601で再生ボタンが押された場合、ステップS602に移る。ステップS601で再生ボタンが押されなかった場合、ステップS603に移る。
【0037】
ステップS602で、動画を二次記憶装置103から読み出し、動画が圧縮されたデータであれば解凍処理を行いステップS605に移る。
【0038】
ステップS603で、前述の「次へボタン」または「戻るボタン」が押されたかどうか判断する。ステップS603で「次へボタン」または「戻るボタン」が押された場合、ステップS604に移る。ステップS603で「次へボタン」が押されなかった場合、ステップS601に移る。この場合は動画の再生に関わるボタンが押されていないことを意味する。
【0039】
ステップS604で、ボタン操作に応じた次の動画または前の動画を、二次記憶装置103から読み出す。
【0040】
ステップS605で、再生レジューム位置取得処理を行う。この実施形態では、図5のヘッダ501からこの動画に設定されている再生レジューム位置を読み出すことで、再生レジューム位置を取得する。
【0041】
ステップS606で、読み出した動画データから再生レジューム位置の動画を取得する。
【0042】
ステップS607で、再生レジューム位置からの再生開始から再生停止までの時間tpを0にリセットする。
【0043】
ステップS608で、再生処理を行う。再生処理は図7で説明する。
【0044】
ステップS609で、停止ボタンが押されたかどうか判断する。ステップS609で停止ボタンが押されていないと判断した場合、ステップS610に移る。ステップS609で停止ボタンが押されたと判断した場合は、ステップS613に移る。
【0045】
ステップS610で、「次へボタン」が押されたかどうか判断する。ステップS610で「次へボタン」または「戻るボタン」が押されたと判断した場合、ステップS611に移る。ステップS610で「次へボタン」または「戻るボタン」が押されていないと判断した場合、ステップS608に移り再生処理を継続する。
【0046】
ステップS611で、再生停止時処理を行う。この処理は、現在再生している動画の再生を停止させるための処理である。再生停止時処理は図8で説明する。
【0047】
ステップS611の処理終了後、ステップS604に移る。
【0048】
ステップS613で、再生停止時処理を行い処理を終了する。再生停止時処理は図8で説明する。
【0049】
以下では、図7を使用して、演算装置(CPU)101による、S608の動画の再生をしているときの処理について説明する。
【0050】
ステップS701で、動画を表示する。
【0051】
ステップS702で、再生レジューム位置での再生から現在の再生位置までの時間tpをカウントする。
【0052】
ステップS703で、tpと所定の閾値Thとを比較して、tpがThよりも短いかどうか判定する。ステップS703での比較の結果、tpが所定の閾値Thよりも短い場合、ステップS704に進む。ステップS703で、tpが所定の閾値Thよりも長い場合、処理を終了する。
【0053】
ステップS704で、再生レジューム位置を更新する閾値までの残り時間tsを計算する。tsはThからtpを引いた時間である。
【0054】
ステップS705で、tsを動画プレーヤー300に表示しS609へ移行する。ここでは、スライダ308という形式で表示する。なお、tsを数値として動画プレーヤーに表示してもよく、tsを表示する形式は問わない。
【0055】
なお、この閾値Thは30秒程度を想定しているが、数分など、設計者の都合により適宜変更可能である。
【0056】
以下では、図8を使用して、演算装置(CPU)101による、S608のS613,S611の動画の再生を停止するときの手順について説明する。この演算装置(CPU)101は、このフローに基づき、再生レジュームの位置を更新したりしなかったりを制御する再生レジューム位置制御手段として機能する。
【0057】
ステップS801で、表示中の動画を停止する。
【0058】
ステップS802で、再生レジューム位置での再生から再生停止までの時間tpを取得する。
【0059】
ステップS803で、tpが所定の閾値Thよりも短いかどうか判断する。tpがThよりも長いと判断された場合、ステップS804に移る。tpがThよりも短いと判断された場合、ステップS805に移る。
【0060】
ステップS804で、再生レジューム位置を再生が停止した位置に更新する。この実施形態では、図5のヘッダ501に、今回の停止位置を新たなレジューム位置として更新する。
【0061】
以上のフローを実行することにより、例えば動画プレーヤー300の再生ボタン304を押して、ある動画(動画1とする)を再生レジューム位置から再生してから、所定の閾値よりも短い時間で停止ボタン305を押した場合に、レジューム位置を更新しない。具体的な処理は図6、図8を参照する。
【0062】
動画プレーヤー300の再生ボタン304を押すと、ステップS601で再生ボタンが押されたと判断され、ステップS602に移りその時に選択していた動画を記憶媒体から読み出す。ステップS605、S606で動画1の再生レジューム位置を取得し再生レジューム位置から動画1を読み出す。ステップS607で再生レジューム位置での再生から再生停止までの時間tpを0にリセットする。ステップS608で再生処理を行う。動画1の再生中、ステップS609では、停止ボタンが押されていないと判断されるので、ステップS610に移る。「次へボタン」または「戻るボタン」は押されていないので、ステップS610では、「次へボタン」または「戻るボタン」は押されていないと判断され、ステップS608に移り動画1の再生処理を継続する。つまり、この例では、ステップS609に移ってからの処理では、再生停止ボタン305が押されない限り、ステップS608の再生処理を繰り返す。ステップS608での処理で、動画1が再生され、現在の再生位置を示すスライダ307および、再生レジューム更新までの残り時間を示すスライダが308が再生レジューム位置から再生された時間に応じて移動する。
【0063】
再生レジューム位置からの再生時間tpが所定の閾値Thよりも短いうちに停止ボタン305が押されると、ステップS609で停止ボタンが押されたと判断され、ステップS613の再生停止時処理を行う。ステップS613の再生停止時処理は図8の通り行われる。
【0064】
ステップS801で表示中の動画1を停止する。ステップS802で再生レジューム位置での再生から再生停止までの時間tpを取得する。
【0065】
ステップS803で再生レジューム位置からの再生時間tpが所定の閾値Thよりも短いかどうかの判断を行う。ここでは、動画1の再生をThよりも短い時間で停止させたので、ステップS804を経ることなく「停止時処理の終了」に移る。
【0066】
このようにでは、動画1の再生レジューム位置からの再生時間が短い場合には、動画1の再生レジューム位置の更新を行わずに、次回の再生処理でも、同じレジューム位置から再生することができる。
【0067】
また、動画プレーヤー300でまず再生ボタンを押して再生レジューム位置から動画2の再生を開始させてからすぐに、303の「次へボタン」を押して次の動画3の再生を開始する場合の説明を行う。さらに、この状況で動画3の再生中に、再生開始からの時間が所定の閾値よりも短い時間で停止ボタンを押して動画3の再生を停止する場合についても説明する。処理の手順については、図6、図8を参照する。
【0068】
動画2の再生までの手順については、ステップS608で動画2の再生処理をした後は、ステップS608で動画2の再生処理を繰り返すので、先で説明した動画1での再生手順と同じである。
【0069】
動画2についてステップS608の再生処理をしている状態で、動画プレーヤー300の「次へボタン」303を押すと、ステップS610で「次へボタン」が押されたと判断され、ステップS611で動画2の再生停止時処理を行う。ステップS609の再生停止時処理は図8の通り行われる。
【0070】
ステップS801で表示中の動画2を停止する。ステップS802で再生レジューム位置での再生から再生停止までの時間tpを取得する。
【0071】
ステップS803で再生レジューム位置からの再生時間tpが所定の閾値Thよりも短いかどうかの判断を行う。この例では、動画2の再生を短時間で停止させたとして、動画2の再生停止時処理を終了する。
【0072】
動画2の再生停止時処理が終了したとき、短い時間しか再生されなかった動画2の再生レジューム位置は再生前と同じ位置を維持できる。
【0073】
ステップS604で次の動画である動画3を記憶媒体から読み出す。ステップS605、S606で動画3の再生レジューム位置を取得し、再生レジューム位置から動画3を読み出す。ステップS608で動画3の再生処理を行う。ステップS608の再生処理は停止ボタン305が押されるか、再生が動画データの最後にたどりつくまで行われる。ステップS608での処理の間、動画3が再生され、現在の再生位置を示すスライダ307および、再生レジューム更新までの残り時間を示すスライダが308が再生レジューム位置から再生された時間に応じて動く。
【0074】
停止ボタン305が押されると、ステップS609で停止ボタンが押されたと判断され、ステップS613の再生停止時処理を行う。ステップS613の再生停止時処理は図8の通り行われる。
【0075】
ステップS801で動画3の再生を停止する。ステップS802で再生レジューム位置での再生から再生停止までの時間tpを取得する。
【0076】
ステップS803で再生レジューム位置からの再生時間tpが所定の閾値Thよりも短いかどうかの判断を行う。ここで、動画3の再生をThよりも短い時間で停止させた場合、S804を経ることなく、つまりレジューム位置を更新することな「停止時処理の終了」となる。一方、動画3の再生をThよりも長い時間で停止させた場合、S804で、図5のヘッダ501に、今回の停止位置を新たなレジューム位置として更新して停止時処理が終了する。
【0077】
この例のように再生中の動画を次々と切り替えて別の動画を自動的に再生する場合でも、短い時間しか再生されなかった動画の再生レジューム位置を維持できる。
【0078】
以上により、再生ボタンと停止ボタンによる動画の再生を操作する場合も、再生中の動画を別の動画に切り替えながら再生する場合のどちらの場合にも、短い時間しか再生されなかった動画については、再生レジューム位置を維持することができる。
【0079】
また、動画の再生中、再生レジューム位置が更新されるまでの再生時間の残り時間が示されるので、ユーザが再生レジューム位置が更新されるのかどうか再生処理を行いながら認識することができる。つまりレジューム位置が更新されたくない場合に、ユーザがあえて動画の停止や、別の動画の再生に移行を指示する指標にすることができる。
【0080】
<第2の実施形態>
第1の実施形態は、再生停止時に動画に設定されている再生レジューム位置を制御する例である。第2の実施形態は、動画を再生するときにユーザが自分で動画の再生位置を決める例である。
【0081】
以下では、図9を使用して第2の実施形態で使用する動画プレーヤーの画面について説明する。
【0082】
動画プレーヤー900には、動画の再生開始時に、前回の開始位置を示すスライダ906に対応する動画のサムネイル909、および前回の再生終了位置を示すスライダ907に対応する動画のサムネイル910が表示される。動画プレーヤー900には、動画の開始位置について、前回の再生開始位置あるいは前回の再生終了位置のどちらかに設定されており、この設定は二次記憶装置103に記憶するパラメータの一つとなっている。この設定に従い、再生時に前回の再生開始位置あるいは前回の再生終了位置から再生される。
【0083】
再生開始位置が気に入らない場合、ユーザが動画プレーヤー900を操作することにより、この設定を変えることができる。
【0084】
なお、前回の再生開始位置あるいは前回の再生終了位置の情報は、動画ファイルのヘッダ501に記録されており、前回の再生開始位置あるいは前回の再生終了位置の変更に応じて、ヘッダ501の情報を更新する。
【0085】
それ以外の動画プレーヤー900構成は、図2の動画プレーヤー200と同じである。また、第2の実施形態での動画プレーヤーのボタン操作時の処理手順は図6と同じである。なお、第2の実施形態での動画プレーヤーのボタン操作時の処理手順において、図6における再生レジューム位置取得処理および、再生停止時処理が第1の実施形態とは異なる。
【0086】
以下では、図10を使用して第2の実施形態における、演算装置(CPU)101による、S605の再生レジューム位置の設定処理の手順について説明する。
ステップS1001で、ヘッダ501から前回の再生開始位置を取得する。
ステップS1002で、前回の再生開始位置で動画を読み出し、その位置のサムネイルを表示する。サムネイルは動画プレーヤー900の909に表示される。
ステップS1003で、ヘッダ501前回の再生停止位置を取得する。
ステップS1004で、前回の再生停止位置で動画を読み出し、その位置のサムネイルを表示する。サムネイルは動画プレーヤー900の910に表示される。
ステップS1005で、二次記憶装置103に記憶されているパラメータを参照し、デフォルトの再生開始位置は前回再生の開始位置かどうかを判断する。デフォルトの再生開始位置が前回の再生開始位置である場合、ステップS1006に移る。デフォルトの再生開始位置が前回の再生開始位置でない場合は、前回の再生終了位置であるとしてステップS1007に移る。
ステップS1006で、今回の再生開始位置を前回の再生開始位置に設定する。ステップS1008に移る。
ステップS1007で、今回の再生開始位置を前回の再生終了位置に設定する。
【0087】
以下では、図11を使用して第2の実施形態における、動画プレーヤが停止ボタン905や次へボタン903、または戻るボタン902への操作を受け付けて、再生中の動画を停止する場合の演算装置101による再生停止時の処理手順について説明する。
ステップS1101で、表示中の動画を停止する。
ステップS1102で、再生レジューム位置での再生開始から再生停止までの時間tpを取得する。
ステップS1105で、デフォルトの再生開始位置が前回の再生停止位置かどうか判断する。ステップS1105で、デフォルトの再生開始位置が前回の再生停止位置である場合、ステップS1108に移る。ステップS1105で、デフォルトの再生開始位置が前回の再生停止位置でない場合、つまり前回の再生開始位置が設定されている場合は、ステップS1107に移る。
ステップS1108では、tpが所定の閾値Th
ステップS1106で、再生レジューム位置を更新して、次回の再生開始位置を今回の再生停止位置に変更するため、今回の再生停止位置の情報をヘッダ501に記録する。
ステップS1107で、tpを0にリセットする。
【0088】
以上により、再生時にユーザが望む位置から動画を再生することができる。また、再生時にユーザが再生開始位置の内容をサムネイルにより確認できる。さらに、再生時にサムネイルを見ながら再生開始位置を選択できるため、あらかじめ設定された動画の再生開始位置が気に入らない場合でも、ユーザが望む位置から動画を再生することができる。
【0089】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0090】
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0091】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【0092】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0093】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0094】
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
【符号の説明】
【0095】
101 演算装置(CPU)
102 一次記憶装置(DRAM)
103 二次記憶装置
104 外部記憶装置
105 操作部材
106 表示部材
107 スピーカー
108 読み出し専用メモリ(ROM)
109 CPUバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画ファイルを再生レジューム機能を使って再生する再生手段と、
再生レジューム位置から動画ファイルの再生を開始してから再生停止までの再生時間を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測した再生時間と所定の閾値とを比較する比較手段と、
前記比較の結果、前記再生時間が前記所定の閾値よりも長い場合、再生レジューム位置を再生が停止した位置に更新し、前記再生時間が所定の閾値よりも短い場合、再生レジューム位置を更新しない再生レジューム位置制御手段とを有することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
さらに、再生対象の動画ファイルを他の動画ファイルへ切り替えるための操作を受け付けたことに応じて、それまで再生していた動画の再生を停止する再生制御手段を有し、
前記再生レジューム位置制御手段は、再生対象の動画ファイルを他の動画ファイルへ切り替えるための操作を受け付けたことに応じて、再生レジューム位置を更新するかしないかを制御することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
さらに、動画ファイルの最初から最後までの間における再生中の位置を示すスライダとは別に、再生レジューム機能に基づく再生の開始から再生レジューム位置を更新するまでの経過を表示するレジューム位置更新表示手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の再生装置。
【請求項4】
さらに、動画ファイルの最初から最後までの間における再生中の位置を示すスライダとは別に、前回の再生停止位置を示す情報を表示する手段を有することを特徴とする請求項1または3に記載の再生装置。
【請求項5】
前回の再生停止位置を示す情報とともに、前回の再生停止位置のサムネイルを表示することを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
【請求項6】
動画ファイルを再生レジューム機能を使って再生する再生装置の制御方法であって、
再生レジューム位置から動画ファイルの再生を開始してから再生停止までの再生時間を計測する計測工程と、
前記計測工程で計測した再生時間と所定の閾値とを比較する比較工程と、
前記比較工程での比較の結果、前記再生時間が前記所定の閾値よりも長い場合は、再生レジューム位置を再生が停止した位置に更新し、前記再生時間が所定の閾値よりも短い場合、再生レジューム位置を更新しない再生レジューム位置制御手段とを有することを特徴とする再生装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項8】
コンピュータに取り込まれて実行されることで、請求項6に記載の制御方法をコンピュータに実行させることが可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−65102(P2012−65102A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206907(P2010−206907)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】