再生装置及び再生方法
【課題】本発明は、スキャンモードを切り換える際の操作性を一段と向上できるようにする。
【解決手段】本発明は、CD25に記録されている複数の楽曲データを再生するCDプレーヤ1において、複数の楽曲データを通常の再生モードで再生する通常再生処理と、複数種類のスキャンモードのうちの1つに従って当該複数の楽曲データを一部分ずつ再生するスキャン再生処理とにより当該複数の楽曲データを再生する信号処理部23と、CD25に記録されている所定のフォルダ内の楽曲データのみを全て一部分ずつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードが含まれた複数種類のスキャンモードを押下操作によってトグル切換可能なスキャンスイッチ10とを具えることにより、スキャンスイッチ10に対する押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができる。
【解決手段】本発明は、CD25に記録されている複数の楽曲データを再生するCDプレーヤ1において、複数の楽曲データを通常の再生モードで再生する通常再生処理と、複数種類のスキャンモードのうちの1つに従って当該複数の楽曲データを一部分ずつ再生するスキャン再生処理とにより当該複数の楽曲データを再生する信号処理部23と、CD25に記録されている所定のフォルダ内の楽曲データのみを全て一部分ずつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードが含まれた複数種類のスキャンモードを押下操作によってトグル切換可能なスキャンスイッチ10とを具えることにより、スキャンスイッチ10に対する押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再生装置及び再生方法に関し、例えば車載用CD(Compact Disc)プレーヤに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用CDプレーヤにおいては、CDに記録されている複数の楽曲における先頭部分だけを例えば10秒間ずつ順次再生することによりいわゆるスキャン再生を実行し、これにより当該CDに格納されている複数の楽曲の内容を短時間で全てユーザに認識させ得るようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2924207号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでかかる構成の車載用CDプレーヤにおいては、CDチェンジャに複数枚のCDを格納することができるようになされているため、当該複数枚のCD全部に格納されている楽曲の内容を確認するためには、複数の楽曲における先頭部分だけを例え10秒間ずつ再生したとしても多大な時間を要してしまう。
【0004】
そのような点から車載用CDプレーヤでは、複数枚のCD全部に格納されている複数の楽曲における先頭部分だけを10秒間ずつ全CD分再生する全スキャン以外にも、いずれか一つ選択されたCDに格納されている楽曲の先頭部分を10秒間ずつ再生するディスク内スキャンモード、さらに各ディスクに格納されている最初の楽曲における先頭部分を10秒間ずつ再生するディスクスキャンモードといった複数種類のスキャンモードを有しており、操作パネルに設けられたメニューボタンからこれらのスキャンモードを呼び出して設定を切り換えるようになされている。
【0005】
しかしながら車載用CDプレーヤでは、運転中にメニューボタンからスキャンモードを呼び出して設定を切り換えることは、操作が煩雑であって運転中のユーザにとっては使い勝手が非常に悪いという問題があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、スキャンモードを切り換える際の操作性を一段と向上した再生装置及び再生方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生装置において、複数のコンテンツを通常の再生モードで再生する通常再生処理と、複数種類のスキャンモードのうちの1つに従って当該複数のコンテンツを一部分づつスキャン再生するスキャン再生処理とにより当該複数のコンテンツを再生する再生手段と、複数種類のスキャンモードを押下操作によってトグル切換可能なスキャンモード切換操作手段とを具え、複数種類のスキャンモードは、記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含むようにしたことにより、スキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができるので、操作性を向上すると共にユーザの使い勝手を一段と向上することができる。
【0008】
また本発明においては、所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生方法において、所定のスキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作によりトグル切り換えされる複数種類のスキャンモードのうちの1つに従い、複数のコンテンツの一部分をスキャン再生する再生ステップを具え、複数種類のスキャンモードは、記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含むようにしたことにより、スキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができるので、操作性を向上すると共にユーザの使い勝手を一段と向上することができる。
【発明の効果】
【0009】
上述のように本発明によれば、所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生装置において、複数のコンテンツを通常の再生モードで再生する通常再生処理と、複数種類のスキャンモードのうちの1つに従って当該複数のコンテンツを一部分づつスキャン再生するスキャン再生処理とにより当該複数のコンテンツを再生する再生手段と、複数種類のスキャンモードを押下操作によってトグル切換可能なスキャンモード切換操作手段とを具え、複数種類のスキャンモードは、記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含むようにしたことにより、スキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができるので、操作性を向上すると共にユーザの使い勝手を一段と向上し得る再生装置を実現することができる。
【0010】
また本発明によれば、所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生方法において、所定のスキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作によりトグル切り換えされる複数種類のスキャンモードのうちの1つに従い、複数のコンテンツの一部分をスキャン再生する再生ステップを具え、複数種類のスキャンモードは、記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含むようにしたことにより、スキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができるので、操作性を向上すると共にユーザの使い勝手を一段と向上し得る再生方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)CDプレーヤの全体構成
図1において、1は全体として本発明の再生装置としての車載用CD(Compact Disc)プレーヤを示し、正面に設けられた操作パネル2にCDを複数枚収納するためのCD挿入口3を有し、その下に液晶ディスプレイでなる表示部4、指示決定用の円形状でなる操作ボタン5、CD/AUX切換ボタン6、メニューボタン7、AM/FM切換ボタン8、DSPボタン9、スキャンスイッチ10及びテンキーボタン11等が設けられている。
【0013】
図2に示すようにCDプレーヤ1は、機構部21及び信号処理部23を有し、当該機構部21及び信号処理部23を制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)33によって統括制御するようになされている。
【0014】
因みにCPU33は、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有し、当該ROMに予め格納されている基本プログラム及びアプリケーションプログラムであるスキャンモード切換プログラムをRAMに展開することにより、通常再生処理及びスキャンモード切換プログラムに従って後述するスキャンモード切換処理(後述する)を実行するようになされている。
【0015】
機構部21は、CD挿入口3(図1)から装填された複数枚(この場合、例えば5枚)のCD25を格納するための格納部を有すると共にローディング機構を有するCDチェンジャ24、当該CDチェンジャ24によってローディングされたCD25を所定の回転速度で回転駆動するディスク回転モータ26、CD25の信号記録面から再生信号S1を読み取る光ピックアップ27及びCPU33の制御に従って指定のトラック又はファイルにアクセスするべく光ピックアップ27を移動させる駆動部28によって構成されている。
【0016】
信号処理部23は、光ピックアップ27によって読み取られた再生信号S1を2値化することによりディジタルの再生データD2を生成するRF(Radio Frequency)部29、再生データD2に対して所定の復調処理、誤り訂正処理等の各種ディジタル信号処理を施すディジタルシグナルプロセッサ(DSP)30、及び当該DSP30によって復調処理等が行われた結果得られるオーディオデータD4をディジタルアナログ変換処理するディジタルアナログ変換回路31によって構成されている。
【0017】
実際上、CDプレーヤ1は、通常再生処理を行う場合、CD挿入口3から装填されてCDチェンジャ24によってローディングされたCD25をディスク回転モータ26によって所定の回転速度で回転駆動し、光ピックアップ27によって当該CD25の信号記録面から読み取った再生信号S1をRF部29へ送出する。
【0018】
RF部29は、再生信号S1を2値化することにより再生データD2を得、これを後段のDSP30へ送出する。
【0019】
DSP30は、再生データD2のうちリードインエリアのTOC(Table Of Contents)に書き込まれている属性情報D3についてはCPU33へ送出すると共に、再生データD2のうちオーディオデータD4については後段のD/Aコンバータ31へ送出する。
【0020】
CPU33は、DSP30から供給された属性情報D3に基づいて当該CD25の種類(例えばMP3(MPEG Audio Layer-3)方式で圧縮符号化されたCDであるか若しくは通常のCDであるか)を判別すると共に、当該CD25に記録されている楽曲の曲数や曲名及び再生時間等の各種情報を表示部4に表示する。
【0021】
なおCPU33は、操作パネル2から指定された各種命令として例えば再生時のシャッフル命令やリピート命令等をDSP30へ与え、シャッフル再生やリピート再生を実行し得るようになされている。
【0022】
D/Aコンバータ31は、オーディオデータD4をアナログのオーディオ信号S5に変換した後、これをスピーカ32を介して出力する。
【0023】
ところでCDプレーヤ1においては、MP3方式で圧縮符号化されたCD又は通常のCDに対する複数種類のスキャンモードをスキャンスイッチ10のみの押下操作に応じて瞬時に切り換えるスキャンモード切換処理をそれぞれ実行し得るようになされているが、その説明に入る前にMP3方式で圧縮符号化されたCD又は通常のCDに格納されている楽曲に対する複数種類のスキャンモードについて説明する。
【0024】
(2)MP3方式で圧縮符号化されたCDに対するスキャンモード切換処理手順
図3に示すようにMP3方式で圧縮符号化されたCD25では、当該CD25がCDチェンジャ24に装填されていた場合、このCD25には例えばフォルダ1にFile.1〜File.20の楽曲データが記録され、フォルダ2にはFile.21〜File.40の楽曲データが記録され、……、フォルダ5にはFile.81〜File.100の楽曲データが記録されている。
【0025】
このようにMP3方式で圧縮符号化されたCD25では、1枚のディスクに非常に多くの楽曲データを記録することができるので、それぞれフォルダ毎にファイル形式の楽曲データが記録されている。
【0026】
このようなMP3方式で圧縮符号化されたCD25のスキャンモードとしては、例えば全スキャンモード、フォルダ内スキャンモード及びフォルダスキャンモードと呼ばれる3種類のスキャンモードが考えられ、次にこれらのスキャンモードについて説明する。
【0027】
図4(A)に示すように全スキャンモードでは、CD25のフォルダ1〜フォルダ5に記録されている全てのFile.1〜File.100の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、当該CD25に記録されている楽曲データに関する内容を全てユーザに認識させるようになされたモードである。
【0028】
図4(B)に示すようにフォルダ内スキャンモードでは、例えばCD25におけるフォルダ1がユーザによって選択された場合に、当該フォルダ1に収録されているFile.1〜File.20の楽曲データをそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、当該フォルダ1にのみ収録された楽曲データに関する内容を全てユーザに認識させるようになされたモードである。
【0029】
図4(C)に示すようにフォルダスキャンモードでは、CD25にそれぞれ記録されている全てのフォルダ1〜フォルダ5における最初のFile.1、File.21、……、File.81の楽曲データだけをそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、当該CD25にそれぞれ記録されている全てのフォルダ1〜フォルダ5に関する内容を全てユーザに認識させるようになされたモードである。
【0030】
これらの3種類のスキャンモードを操作パネル2のスキャンスイッチ10だけを用いて瞬時に切り換えるためのスキャンモード切換処理手順について図5のフローチャートを用いて説明する。
【0031】
CDプレーヤ1のCPU33は、ルーチンRT1の開始ステップから入ってステップSP1へ移る。ステップSP1においてCPU33は、CD25のリードインエリアのTOC(Table Of Contents)から読み取った属性情報D3に基づいてディスクの種類が例えばMP3方式で圧縮符号化されたものであることを認識し、次のステップSP2へ移る。
【0032】
ステップSP2においてCPU33は、CD25の実データ記録領域の通常再生処理を開始し、次のステップSP3へ移る。このときCPU33は、ユーザによって何ら指示がされていない場合には、当該CD25におけるフォルダ1の楽曲データをFile.1、File.2 、File.3 、……と再生して出力し、その後フォルダ2、フォルダ3、……と再生処理を続けることにより通常再生処理を実行する。
【0033】
このときCPU33は、File.1の楽曲データを再生中であれば、表示部4に通常再生処理中のFile.1の楽曲データに関するファイル番号及び再生時間を例えば「File.1 0:01:16」のように表示する。
【0034】
ステップSP3においてCPU33は、CD25の通常再生処理を行っている最中に、操作パネル2のスキャンスイッチ10がユーザによって押下操作されたか否かを判定し、否定結果を得るとステップSP2に戻って通常再生処理を継続する。
【0035】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことはCD25の通常再生処理中にスキャンスイッチ10が押下されたことを表しており、このときCPU33は次のステップSP4へ移る。
【0036】
ステップSP4においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回であるか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP5へ移る。
【0037】
ステップSP5においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回であるので、ユーザから全スキャンの要求があったと判断し、CD25のフォルダ1〜フォルダ5に記録されている全てのFile.1〜File.100の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生を行う全スキャンを実行し、次のステップSP6へ移る。
【0038】
実際上、図6(A)に示すように、CPU33は表示部4に「全スキャン」の文字を約2秒間表示した後、図6(B)に示すように例えばFile.1の楽曲データを10秒間再生すると共に、当該File.1の楽曲データに関するファイル番号及び再生時間を例えば「File.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0039】
そしてCPU33は、File.1の楽曲データに対する10秒間再生処理を終了した後、次のFile.2の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生すると共に、図6(C)に示すように次のFile.2の楽曲データに関するファイル番号及び再生時間を例えば「File.2 0:0:01」のように点滅表示する。
【0040】
以下、同様にCPU33は、全スキャンを行うと共に10秒間再生処理を行っているファイルの楽曲データに関してファイル番号及び再生時間を同様に点滅表示する。これによりCPU33は、各ファイルの楽曲データの内容を10秒間の再生出力を通してユーザに聴覚的に認識させることができると共に、いずれのファイルの楽曲データを再生しているかを表示部4を介してユーザに目視確認させ得るようにもなされている。
【0041】
ステップSP6においてCPU33は、全スキャンの実行中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得ると全スキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0042】
これに対してステップSP6で肯定結果が得られると、このことは操作ボタン5が押下されたときのファイルがユーザの再生希望の楽曲データであることを表しており、このときCPU33は次のステップSP7へ移る。
【0043】
ステップSP7においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたファイルの楽曲データに対する通常再生処理を開始し、ステップSP2へ戻る。この場合、CPU33は全スキャンの最中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、そのファイル以降の全ファイルを順次通常再生処理するようになされている。
【0044】
実際上CPU33は、図6(D)に示すように例えばFile.5の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのFile.5の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、ファイル番号及び再生時間を例えば「File.5 0:00:03」のように通常表示し、File.6以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にファイル番号及び再生時間を継続して表示する。
【0045】
一方、ステップSP4で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が1回ではないことを表しており、このときCPU33は次のステップSP8に移る。
【0046】
ステップSP8においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が連続して2回行われたか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP9へ移る。
【0047】
ステップSP9においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が2回連続して行われたので、ユーザからフォルダ内スキャンの要求があったと判断し、例えばフォルダ1内のFile.1〜File.20の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生処理を行うフォルダ内スキャンを実行し、次のステップSP10へ移る。
【0048】
実際上、図7(A)に示すように、CPU33は表示部4に「フォルダ内スキャン」の文字を約2秒間表示した後、図7(B)に示すようにフォルダ1内のFile.1の楽曲データを10秒間再生すると共に、当該File.1の楽曲データに関するフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder1 File.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0049】
そしてCPU33は、File.1の楽曲データに対する10秒間再生処理が終了した後、次のFile.2の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生すると共に、図7(C)に示すように次のFile.2の楽曲データに関してフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を「Folder1 File.2 0:00:01」のように点滅表示する。
【0050】
以下、同様にCPU33は、フォルダ内スキャンにより10秒間再生処理を行っている当該フォルダ1における各ファイルの楽曲データに関してフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を同様に点滅表示する。
【0051】
ステップSP10においてCPU33は、フォルダ内スキャンの実行中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得るとフォルダ内スキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0052】
これに対してステップSP10で肯定結果が得られると、このことは操作ボタン5が押下されたときのファイルがユーザの再生希望の楽曲データであることを表しており、このときCPU33は次のステップSP11へ移る。
【0053】
ステップSP11においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたファイルの楽曲データに対して通常再生処理を開始し、ステップSP2へ戻る。この場合、CPU33はフォルダ内スキャンの最中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、以後そのフォルダ1内のファイルを順次通常再生処理するようになされている。
【0054】
実際上CPU33は、図7(D)に示すように例えばFile.5の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのFile.5の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、フォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder1 File.5 0:00:03」のように通常表示し、File.6以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を継続して表示する。
【0055】
一方、ステップSP8で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が2回連続して行われたものではないことを表しており、このときCPU33は次のステップSP12へ移る。
【0056】
ステップSP12においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が連続して3回行われたか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP13へ移る。
【0057】
ステップSP13においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が3回連続して行われたので、ユーザからフォルダスキャンの要求があったと判断し、フォルダ1内のFile.1の楽曲データ、フォルダ2内のFile.21の楽曲データ、……、File5内のFile.81の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生処理を行うフォルダスキャンを実行し、次のステップSP14へ移る。
【0058】
実際上、図8(A)に示すように、CPU33は表示部4に「フォルダスキャン」の文字を約2秒間表示した後、図8(B)に示すようにフォルダ1内のFile.1の楽曲データを10秒間だけ再生すると共に、当該File.1の楽曲データに関するフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder1 File.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0059】
そしてCPU33は、フォルダ1内のFile.1の楽曲データに対する10秒間再生処理が終了した後、次のフォルダ2内のFile.21の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生すると共に、図8(C)に示すように次のフォルダ2内のFile.21の楽曲データに関してフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder2 File.21 0:0:01」のように点滅表示する。
【0060】
以下、同様にCPU33は、フォルダスキャンを行うと共に10秒間再生処理を行っている当該各フォルダにおける先頭ファイルの楽曲データに関してフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を同様に点滅表示する。
【0061】
ステップSP14においてCPU33は、各フォルダの先頭ファイルの楽曲データを再生中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得るとフォルダスキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0062】
これに対してステップSP14で肯定結果が得られると、このことは各フォルダの先頭ファイルの楽曲データを再生中に操作ボタン5が押下されたことを表しており、このときCPU33は次のステップSP15へ移る。
【0063】
ステップSP15においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたファイルの楽曲データから通常再生処理を開始し、ステップSP2へ戻る。この場合、CPU33はフォルダスキャンにより例えばフォルダ5のFile.81の楽曲データをスキャン再生処理中に操作ボタン5が押下操作されたのであれば、以後そのフォルダ5内のファイルを順次通常再生処理するようになされている。
【0064】
実際上CPU33は、図8(D)に示すように例えばフォルダ5内のFile.81の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのフォルダ5内のFile.81の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、フォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder5 File.81 0:00:03」のように通常表示し、フォルダ5内におけるFile.82以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を継続して表示する。
【0065】
一方、ステップSP12で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が1回、2回又は3回行われたものでもないことを表しており、このときCPU33はステップSP3に戻って上述の処理を繰り返す。
【0066】
このようにCPU33は、ユーザのスキャンスイッチ10に対する押下回数を判断するだけで全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャンのいずれのスキャンモードをユーザが希望しているかを認識し、当該認識したスキャンモード(全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャン)を実行するようになされている。
【0067】
(3)通常のCDに対するスキャンモード切換処理手順
一方、通常のCDでは、図9に示すように例えば5種類のディスクNo.1 〜ディスクNo.5 で示されるCDがCDチェンジャ24に装填されていた場合であって、ディスクNo.1 のCDにはTrack.1〜Track.10の楽曲データが記録され、ディスクNo.2 のCDにはTrack.1〜Track.10の楽曲データが記録され、……、ディスクNo.5 のCDにはTrack.1〜Track.10の楽曲データが記録されている場合を想定して以下説明する。
【0068】
このような通常のCD25に対するスキャンモードとしては、例えば全スキャンモード、ディスク内スキャンモード及びディスクスキャンモードと呼ばれる3種類のスキャンモードが考えられ、次にこれらのスキャンモードについて説明する。
【0069】
図10(A)に示すように全スキャンモードでは、ディスクNo.1 のCDに記録されているTrack.1〜Track.10 、ディスクNo.2 のCDに記録されているTrack.1〜Track.10 、……、ディスクNo.5 のCDに記録されているTrack.1〜Track.10 の楽曲データ全てに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、ディスクNo.1 〜ディスクNo.5 の全CDに記録されている楽曲データに関する内容を全てユーザに認識させるようになされたモードである。
【0070】
図10(B)に示すようにディスク内スキャンモードでは、例えばディスクNo.1 のCDがユーザによって選択された場合に、当該ディスクNo.1のCDに収録されているTrack.1〜Track.10の楽曲データをそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、当該ディスクNo.1のCDにのみ収録された全部の楽曲データに関する内容をユーザに認識させるようになされたモードである。
【0071】
図10(C)に示すようにディスクスキャンモードでは、ディスクNo.1 のCDに記録されている最初のTrack.1、ディスクNo.2 のCDに記録されている最初のTrack.1、……、ディスクNo.5 のCDに記録されている最初のTrack.1の楽曲データだけをそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、ディスクNo.1 〜ディスクNo.5 のCDに関する内容を最初のTrack.1 の楽曲データだけを介してユーザに認識させるようになされたモードである。
【0072】
これらの3種類のスキャンモードを操作パネル2のスキャンスイッチ10だけを用いて瞬時に切り換えるための通常のCD25に対するスキャンモード切換処理手順について図11のフローチャートを用いて説明する。
【0073】
CDプレーヤ1のCPU33は、ルーチンRT2の開始ステップから入ってステップSP21へ移る。ステップSP21においてCPU33は、CDチェンジャ24によってローディングされた例えばディスクNo.1のCD25におけるリードインエリアのTOCから読み取った属性情報D3に基づいてディスクの種類が通常のCDであることを認識し、次のステップSP22へ移る。
【0074】
ステップSP22においてCPU33は、CD25の実データ記録領域の通常再生処理を開始し、次のステップSP23へ移る。このときCPU33は、ユーザによって何ら指示がされていない場合には、当該ディスクNo.1のCD25におけるTrack.1、Track.2、Track.3、……と再生処理を続けることにより通常再生処理を実行する。
【0075】
このときCPU33は、Track.1の楽曲データを再生中であれば、表示部4に現在再生中のTrack.1の楽曲データに関するトラック番号及び再生時間を例えば「Track.1 0:01:16」のように表示する。
【0076】
ステップSP23においてCPU33は、当該CD25の通常再生処理を行っている最中に、操作パネル2のスキャンスイッチ10がユーザによって押下操作されたか否かを判定し、否定結果を得るとCPU33はステップSP22に戻って通常再生処理を継続する。
【0077】
これに対してステップSP23で肯定結果が得られると、このことはCD25の通常再生処理中にスキャンスイッチ10が押下されたことを表しており、このときCPU33は次のステップSP24へ移る。
【0078】
ステップSP24においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回であるか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP25へ移る。
【0079】
ステップSP25においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回であるので、ユーザから全スキャンの要求があったと判断し、ディスクNo.1 〜ディスクNo.5 の各CDに記録されている全てのTrack.1〜Track.10の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生処理を行う全スキャンを実行し、次のステップSP26へ移る。
【0080】
実際上、図12(A)に示すように、CPU33は表示部4に「全スキャン」の文字を約2秒間表示した後、図12(B)に示すように例えばTrack.1の楽曲データを10秒間再生すると共に、Track.1の楽曲データに関するトラック番号及び再生時間を例えば「Track.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0081】
そしてCPU33は、Track.1の楽曲データに対する10秒間再生処理を終了した後、次のTrack.2の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生すると共に、図12(C)に示すように次のTrack.2の楽曲データに関するトラック番号及び再生時間を「Track.2 0:00:01」のように点滅表示する。
【0082】
以下、同様にCPU33は、全スキャンを行うと共に10秒間再生処理を行っているトラックの楽曲データに関してトラック番号及び再生時間を同様に点滅表示する。これによりCPU33は、各トラックの楽曲データの内容を10秒間の再生出力を通してユーザに聴覚的に認識させることができると共に、いずれのトラックの楽曲データを再生しているかを表示部4を介してユーザに目視確認させ得るようにもなされている。
【0083】
ステップSP26においてCPU33は、全スキャンの実行中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得ると全スキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0084】
これに対してステップSP26で肯定結果が得られると、このことは操作ボタン5が押下されたときのトラックがユーザの再生希望の楽曲データであることを表しており、このときCPU33は次のステップSP27へ移る。
【0085】
ステップSP27においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたトラックの楽曲データに対して通常再生処理を開始し、ステップSP22へ戻る。この場合、CPU33は全スキャンの最中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、そのトラック以降の全トラックを順次通常再生処理するようになされている。
【0086】
実際上CPU33は、図12(D)に示すように例えばTrack.5の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのTrack.5の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、当該Track.5の楽曲データに関するトラック番号及び再生時間を例えば「Track.5 0:00:03」のように通常表示し、Track.6以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にトラック番号及び再生時間を継続して表示する。
【0087】
一方、ステップSP24で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が1回ではないことを表しており、このときCPU33は次のステップSP28に移る。
【0088】
ステップSP28においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が連続して2回行われたか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP29へ移る。
【0089】
ステップSP29においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が2回連続して行われたので、ユーザからディスク内スキャンの要求があったと判断し、例えばディスクNo.1 のCD25におけるTrack.1〜Track.10の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生処理を行うディスク内スキャンを実行し、次のステップSP30へ移る。
【0090】
実際上、図13(A)に示すように、CPU33は表示部4に「ディスク内スキャン」の文字を約2秒間表示した後、図13(B)に示すようにディスクNo.1内のTrack.1の楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を例えば「Disc1 Track.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0091】
そしてCPU33は、Track.1の楽曲データに対する10秒間再生処理が終了した後、次のTrack.2の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生処理を行うと共に、図13(C)に示すように次のTrack.2の楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を「Disc1 Track.2 0:00:01」のように点滅表示する。
【0092】
以下、同様にCPU33は、ディスク内スキャンにより10秒間再生処理を行っている当該ディスクNo.1における各トラックの楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を同様に点滅表示する。
【0093】
ステップSP30においてCPU33は、ディスク内スキャンの実行中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得るとディスク内スキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0094】
これに対してステップSP30で肯定結果が得られると、このことは操作ボタン5が押下されたときのトラックがユーザの再生希望の楽曲データであることを表しており、このときCPU33は次のステップSP31へ移る。
【0095】
ステップSP31においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたトラックの楽曲データに対して通常再生処理を開始し、ステップSP22へ戻る。この場合、CPU33はディスク内スキャンの最中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、以後そのディスクNo.1 内のトラックを順次通常再生処理するようになされている。
【0096】
実際上CPU33は、図13(D)に示すように例えばTrack.5の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのTrack.5の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、ディスク番号、トラック番号及び再生時間を例えば「Disc1 Track.5 0:00:03」のように通常表示し、Track.6以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にディスク番号、トラック番号及再生時間を継続して表示する。
【0097】
一方、ステップSP28で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が2回連続して行われたものではないことを表しており、このときCPU33は次のステップSP32へ移る。
【0098】
ステップSP32においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が連続して3回行われたか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP33へ移る。
【0099】
ステップSP33においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が3回連続して行われたので、ユーザからディスクスキャンの要求があったと判断し、ディスクNo.1 内のTrack.1の楽曲データ、ディスクNo.2 内のTrack.1の楽曲データ、……、ディスクNo.5 内のTrack.1の楽曲データに対してのみ最初の10秒間ずつ再生を行うディスクスキャンを実行し、次のステップSP34へ移る。
【0100】
実際上、図14(A)に示すように、CPU33は表示部4に「ディスクスキャン」の文字を約2秒間表示した後、図14(B)に示すように現在再生中のディスクNo.1内のTrack.1の楽曲データを10秒間だけ再生すると共に、Track.1の楽曲データに関するディスク番号、トラック番号及び再生時間を「Disc1 Track.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0101】
そしてCPU33は、ディスクNo.1のTrack.1の楽曲データに対する10秒間再生処理が終了した後、次のディスクNo.2のTrack.1の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生を行うと共に、図14(C)に示すように次のディスクNo.2のTrack.1の楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を「Disc2 Track.1 0:0:01」のように点滅表示する。
【0102】
以下、同様にCPU33は、ディスクスキャンを行うと共に10秒間再生処理を行っている当該各ディスクにおける先頭トラックの楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を同様に点滅表示する。
【0103】
ステップSP34においてCPU33は、上述のように各ディスクの先頭トラックの楽曲データを再生中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得るとディスクスキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0104】
これに対してステップSP34で肯定結果が得られると、このことは各ディスクの先頭トラックの楽曲データを再生中に操作ボタン5が押下されたことを表しており、このときCPU33は次のステップSP35へ移る。
【0105】
ステップSP35においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたトラックの楽曲データから通常再生処理を開始し、ステップSP22へ戻る。
【0106】
この場合、CPU33はディスクスキャンにより例えばディスク5内のTrack.8の楽曲データをスキャン再生処理中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、以後そのディスクNo.5内のトラックを順次通常再生処理するようになされている。
【0107】
実際上CPU33は、図14(D)に示すように例えばディスクNo.5内のTrack.8の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのヂスク5内のTrack.8の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、ディスク番号、トラック番号及び再生時間を例えば「Disc5 Track.8 0:00:01」のように通常表示し、File.9以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にディスク番号、トラック番号及び再生時間を継続して表示する。
【0108】
一方、ステップSP32で否定結果が得られると、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回、2回又は3回行われたものでもないことを表しており、このときCPU33はステップSP23に戻って上述の処理を繰り返す。
【0109】
このようにCPU33は、ユーザのスキャンスイッチ10に対する押下回数を判断するだけで全スキャン、ディスク内スキャン又はディスクスキャンのいずれのスキャンモードをユーザが希望しているかを認識し、当該認識したスキャンモード(全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャン)を実行するようになされている。
【0110】
(4)動作及び効果
以上の構成において、CDプレーヤ1のCPU33は、操作パネル2のスキャンスイッチ10の押下回数が1回の場合には全スキャンを行い、スキャンスイッチ10の押下回数が2回連続のときはフォルダ内スキャン又はディスク内スキャンを行い、スキャンスイッチ10の押下回数が3回連続のときはフォルダスキャン又はディスクスキャンを行う。
【0111】
これによりCDプレーヤ1のCPU33は、スキャンモードの切り換えをユーザによるスキャンスイッチ10の押下回数に応じて行うことができるので、運転中のユーザに対してメニューボタン7からスキャンモードを順次切り換えるための設定を行う等の煩雑な操作をさせることなく、スキャンスイッチ10の押下回数を変化させるだけの単純な操作でスキャンモードの切り換え操作を実行することができる。
【0112】
またCDプレーヤ1のCPU33は、全スキャン、フォルダ内スキャン又はディスク内スキャン、フォルダスキャン又はディスクスキャンのいずれかのスキャン再生中に操作ボタン5が押下されたことを検出すると、そのファイル又はそのトラックから楽曲データの通常再生処理を開始することができるので、運転中のユーザに10秒間の再生出力を通じて楽曲データの内容が認識できた時点で所望の楽曲データを瞬時に選定させることもできる。
【0113】
以上の構成によれば、CDプレーヤ1のCPU33はスキャンスイッチ10のみの押下回数に応じてMP3方式で圧縮符号化されたCD又は通常のCDに対する複数のスキャンモードを切り換えることができるので、複数のボタン操作やスイッチ操作をユーザに強いることなくスキャンスイッチ10だけの単純な押下操作だけでスキャンモードを切り換えることができる。
【0114】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明の再生装置を車載用のCDプレーヤに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、家庭用のCDプレーヤ、DVDを記録媒体として用いたDVDプレーヤ、ハードディスクを記録媒体として用いた再生装置、半導体メモリを記録媒体として用いた他の種々の再生装置に適用するようにしても良い。
【0115】
例えばDVDプレーヤにおいては、全スキャン、ディスク内スキャン又はディスクスキャンをチャプター単位で行う場合に適用することもできる。
【0116】
また上述の実施の形態においては、スキャンスイッチ10の押下回数に応じて複数種類のスキャンモードを切り換えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、スキャンスイッチ10を短い時間押下する場合と長い時間押下する場合等の押下時間に応じて複数種類のスキャンモードを切り換えたり、スキャンスイッチ10を浅く押下する場合と深く押下する場合等の押下深度に応じて複数種類のスキャンモードを切り換えるようにしても良い。
【0117】
さらに上述の実施の形態においては、MP3方式で圧縮符号化された1枚のCD25について全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャンを切り換えて行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CDチェンジャ24を用いてMP3方式で圧縮符号化された複数枚のCDを用いて全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャンを切り換えて行うようにしても良い。
【0118】
さらに上述の実施の形態においては、MP3方式で圧縮符号化されたCD又は通常のCDを対象としたCDプレーヤ1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばATRACK(Adaptive Transform Acoustic Coding)等の他の種々の方式で圧縮符号化されたCDを対象としたCDプレーヤに適用するようにしても良い。
【0119】
さらに上述の実施の形態においては、切換手段として用いられるスキャンスイッチ10を操作パネル2上に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、リモートコントローラ上にスキャンスイッチ10を設けて複数種類のスキャンモードを切り換えるようにしても良い。
【0120】
さらに上述の実施の形態においては、再生装置としてのCDプレーヤ1を、スキャン再生手段としての光ピックアップ27及び信号処理部23、切換手段としてのスキャンスイッチ10、制御手段としてのCPU33によって構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなるスキャン再生手段、切換手段及び制御手段によって再生装置を構成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明のCDプレーヤの全体構成を示す略線的斜視図である。
【図2】CDプレーヤの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】MP3方式によりファイル単位で記録されたCDを示す略線図である。
【図4】MP3方式で記録されたCDのスキャン方式の説明に供する略線図である。
【図5】MP3CDに対するスキャンモード切換処理手順を示すフローチャートである。
【図6】全スキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図7】フォルダ内スキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図8】フォルダスキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図9】トラック単位で記録された通常のCDを示す略線図である。
【図10】通常のCDのスキャン方式の説明に供する略線図である。
【図11】通常CDに対するスキャンモード切換処理手順を示すフローチャートである。
【図12】全スキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図13】ディスク内スキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図14】ディスクスキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【符号の説明】
【0122】
1……CDプレーヤ、2……操作パネル、3……CD挿入口、4……表示部、5……操作ボタン、7……メニューボタン、10……スキャンスイッチ、21……機構部、23……信号処理部、25……CD、27……光ピックアップ、28……駆動部、30……DSP、33……CPU。
【技術分野】
【0001】
本発明は再生装置及び再生方法に関し、例えば車載用CD(Compact Disc)プレーヤに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用CDプレーヤにおいては、CDに記録されている複数の楽曲における先頭部分だけを例えば10秒間ずつ順次再生することによりいわゆるスキャン再生を実行し、これにより当該CDに格納されている複数の楽曲の内容を短時間で全てユーザに認識させ得るようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2924207号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでかかる構成の車載用CDプレーヤにおいては、CDチェンジャに複数枚のCDを格納することができるようになされているため、当該複数枚のCD全部に格納されている楽曲の内容を確認するためには、複数の楽曲における先頭部分だけを例え10秒間ずつ再生したとしても多大な時間を要してしまう。
【0004】
そのような点から車載用CDプレーヤでは、複数枚のCD全部に格納されている複数の楽曲における先頭部分だけを10秒間ずつ全CD分再生する全スキャン以外にも、いずれか一つ選択されたCDに格納されている楽曲の先頭部分を10秒間ずつ再生するディスク内スキャンモード、さらに各ディスクに格納されている最初の楽曲における先頭部分を10秒間ずつ再生するディスクスキャンモードといった複数種類のスキャンモードを有しており、操作パネルに設けられたメニューボタンからこれらのスキャンモードを呼び出して設定を切り換えるようになされている。
【0005】
しかしながら車載用CDプレーヤでは、運転中にメニューボタンからスキャンモードを呼び出して設定を切り換えることは、操作が煩雑であって運転中のユーザにとっては使い勝手が非常に悪いという問題があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、スキャンモードを切り換える際の操作性を一段と向上した再生装置及び再生方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生装置において、複数のコンテンツを通常の再生モードで再生する通常再生処理と、複数種類のスキャンモードのうちの1つに従って当該複数のコンテンツを一部分づつスキャン再生するスキャン再生処理とにより当該複数のコンテンツを再生する再生手段と、複数種類のスキャンモードを押下操作によってトグル切換可能なスキャンモード切換操作手段とを具え、複数種類のスキャンモードは、記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含むようにしたことにより、スキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができるので、操作性を向上すると共にユーザの使い勝手を一段と向上することができる。
【0008】
また本発明においては、所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生方法において、所定のスキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作によりトグル切り換えされる複数種類のスキャンモードのうちの1つに従い、複数のコンテンツの一部分をスキャン再生する再生ステップを具え、複数種類のスキャンモードは、記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含むようにしたことにより、スキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができるので、操作性を向上すると共にユーザの使い勝手を一段と向上することができる。
【発明の効果】
【0009】
上述のように本発明によれば、所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生装置において、複数のコンテンツを通常の再生モードで再生する通常再生処理と、複数種類のスキャンモードのうちの1つに従って当該複数のコンテンツを一部分づつスキャン再生するスキャン再生処理とにより当該複数のコンテンツを再生する再生手段と、複数種類のスキャンモードを押下操作によってトグル切換可能なスキャンモード切換操作手段とを具え、複数種類のスキャンモードは、記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含むようにしたことにより、スキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができるので、操作性を向上すると共にユーザの使い勝手を一段と向上し得る再生装置を実現することができる。
【0010】
また本発明によれば、所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生方法において、所定のスキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作によりトグル切り換えされる複数種類のスキャンモードのうちの1つに従い、複数のコンテンツの一部分をスキャン再生する再生ステップを具え、複数種類のスキャンモードは、記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含むようにしたことにより、スキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作に応じて複数種類のスキャンモードを瞬時に切り換えることができるので、操作性を向上すると共にユーザの使い勝手を一段と向上し得る再生方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)CDプレーヤの全体構成
図1において、1は全体として本発明の再生装置としての車載用CD(Compact Disc)プレーヤを示し、正面に設けられた操作パネル2にCDを複数枚収納するためのCD挿入口3を有し、その下に液晶ディスプレイでなる表示部4、指示決定用の円形状でなる操作ボタン5、CD/AUX切換ボタン6、メニューボタン7、AM/FM切換ボタン8、DSPボタン9、スキャンスイッチ10及びテンキーボタン11等が設けられている。
【0013】
図2に示すようにCDプレーヤ1は、機構部21及び信号処理部23を有し、当該機構部21及び信号処理部23を制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)33によって統括制御するようになされている。
【0014】
因みにCPU33は、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有し、当該ROMに予め格納されている基本プログラム及びアプリケーションプログラムであるスキャンモード切換プログラムをRAMに展開することにより、通常再生処理及びスキャンモード切換プログラムに従って後述するスキャンモード切換処理(後述する)を実行するようになされている。
【0015】
機構部21は、CD挿入口3(図1)から装填された複数枚(この場合、例えば5枚)のCD25を格納するための格納部を有すると共にローディング機構を有するCDチェンジャ24、当該CDチェンジャ24によってローディングされたCD25を所定の回転速度で回転駆動するディスク回転モータ26、CD25の信号記録面から再生信号S1を読み取る光ピックアップ27及びCPU33の制御に従って指定のトラック又はファイルにアクセスするべく光ピックアップ27を移動させる駆動部28によって構成されている。
【0016】
信号処理部23は、光ピックアップ27によって読み取られた再生信号S1を2値化することによりディジタルの再生データD2を生成するRF(Radio Frequency)部29、再生データD2に対して所定の復調処理、誤り訂正処理等の各種ディジタル信号処理を施すディジタルシグナルプロセッサ(DSP)30、及び当該DSP30によって復調処理等が行われた結果得られるオーディオデータD4をディジタルアナログ変換処理するディジタルアナログ変換回路31によって構成されている。
【0017】
実際上、CDプレーヤ1は、通常再生処理を行う場合、CD挿入口3から装填されてCDチェンジャ24によってローディングされたCD25をディスク回転モータ26によって所定の回転速度で回転駆動し、光ピックアップ27によって当該CD25の信号記録面から読み取った再生信号S1をRF部29へ送出する。
【0018】
RF部29は、再生信号S1を2値化することにより再生データD2を得、これを後段のDSP30へ送出する。
【0019】
DSP30は、再生データD2のうちリードインエリアのTOC(Table Of Contents)に書き込まれている属性情報D3についてはCPU33へ送出すると共に、再生データD2のうちオーディオデータD4については後段のD/Aコンバータ31へ送出する。
【0020】
CPU33は、DSP30から供給された属性情報D3に基づいて当該CD25の種類(例えばMP3(MPEG Audio Layer-3)方式で圧縮符号化されたCDであるか若しくは通常のCDであるか)を判別すると共に、当該CD25に記録されている楽曲の曲数や曲名及び再生時間等の各種情報を表示部4に表示する。
【0021】
なおCPU33は、操作パネル2から指定された各種命令として例えば再生時のシャッフル命令やリピート命令等をDSP30へ与え、シャッフル再生やリピート再生を実行し得るようになされている。
【0022】
D/Aコンバータ31は、オーディオデータD4をアナログのオーディオ信号S5に変換した後、これをスピーカ32を介して出力する。
【0023】
ところでCDプレーヤ1においては、MP3方式で圧縮符号化されたCD又は通常のCDに対する複数種類のスキャンモードをスキャンスイッチ10のみの押下操作に応じて瞬時に切り換えるスキャンモード切換処理をそれぞれ実行し得るようになされているが、その説明に入る前にMP3方式で圧縮符号化されたCD又は通常のCDに格納されている楽曲に対する複数種類のスキャンモードについて説明する。
【0024】
(2)MP3方式で圧縮符号化されたCDに対するスキャンモード切換処理手順
図3に示すようにMP3方式で圧縮符号化されたCD25では、当該CD25がCDチェンジャ24に装填されていた場合、このCD25には例えばフォルダ1にFile.1〜File.20の楽曲データが記録され、フォルダ2にはFile.21〜File.40の楽曲データが記録され、……、フォルダ5にはFile.81〜File.100の楽曲データが記録されている。
【0025】
このようにMP3方式で圧縮符号化されたCD25では、1枚のディスクに非常に多くの楽曲データを記録することができるので、それぞれフォルダ毎にファイル形式の楽曲データが記録されている。
【0026】
このようなMP3方式で圧縮符号化されたCD25のスキャンモードとしては、例えば全スキャンモード、フォルダ内スキャンモード及びフォルダスキャンモードと呼ばれる3種類のスキャンモードが考えられ、次にこれらのスキャンモードについて説明する。
【0027】
図4(A)に示すように全スキャンモードでは、CD25のフォルダ1〜フォルダ5に記録されている全てのFile.1〜File.100の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、当該CD25に記録されている楽曲データに関する内容を全てユーザに認識させるようになされたモードである。
【0028】
図4(B)に示すようにフォルダ内スキャンモードでは、例えばCD25におけるフォルダ1がユーザによって選択された場合に、当該フォルダ1に収録されているFile.1〜File.20の楽曲データをそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、当該フォルダ1にのみ収録された楽曲データに関する内容を全てユーザに認識させるようになされたモードである。
【0029】
図4(C)に示すようにフォルダスキャンモードでは、CD25にそれぞれ記録されている全てのフォルダ1〜フォルダ5における最初のFile.1、File.21、……、File.81の楽曲データだけをそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、当該CD25にそれぞれ記録されている全てのフォルダ1〜フォルダ5に関する内容を全てユーザに認識させるようになされたモードである。
【0030】
これらの3種類のスキャンモードを操作パネル2のスキャンスイッチ10だけを用いて瞬時に切り換えるためのスキャンモード切換処理手順について図5のフローチャートを用いて説明する。
【0031】
CDプレーヤ1のCPU33は、ルーチンRT1の開始ステップから入ってステップSP1へ移る。ステップSP1においてCPU33は、CD25のリードインエリアのTOC(Table Of Contents)から読み取った属性情報D3に基づいてディスクの種類が例えばMP3方式で圧縮符号化されたものであることを認識し、次のステップSP2へ移る。
【0032】
ステップSP2においてCPU33は、CD25の実データ記録領域の通常再生処理を開始し、次のステップSP3へ移る。このときCPU33は、ユーザによって何ら指示がされていない場合には、当該CD25におけるフォルダ1の楽曲データをFile.1、File.2 、File.3 、……と再生して出力し、その後フォルダ2、フォルダ3、……と再生処理を続けることにより通常再生処理を実行する。
【0033】
このときCPU33は、File.1の楽曲データを再生中であれば、表示部4に通常再生処理中のFile.1の楽曲データに関するファイル番号及び再生時間を例えば「File.1 0:01:16」のように表示する。
【0034】
ステップSP3においてCPU33は、CD25の通常再生処理を行っている最中に、操作パネル2のスキャンスイッチ10がユーザによって押下操作されたか否かを判定し、否定結果を得るとステップSP2に戻って通常再生処理を継続する。
【0035】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことはCD25の通常再生処理中にスキャンスイッチ10が押下されたことを表しており、このときCPU33は次のステップSP4へ移る。
【0036】
ステップSP4においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回であるか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP5へ移る。
【0037】
ステップSP5においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回であるので、ユーザから全スキャンの要求があったと判断し、CD25のフォルダ1〜フォルダ5に記録されている全てのFile.1〜File.100の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生を行う全スキャンを実行し、次のステップSP6へ移る。
【0038】
実際上、図6(A)に示すように、CPU33は表示部4に「全スキャン」の文字を約2秒間表示した後、図6(B)に示すように例えばFile.1の楽曲データを10秒間再生すると共に、当該File.1の楽曲データに関するファイル番号及び再生時間を例えば「File.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0039】
そしてCPU33は、File.1の楽曲データに対する10秒間再生処理を終了した後、次のFile.2の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生すると共に、図6(C)に示すように次のFile.2の楽曲データに関するファイル番号及び再生時間を例えば「File.2 0:0:01」のように点滅表示する。
【0040】
以下、同様にCPU33は、全スキャンを行うと共に10秒間再生処理を行っているファイルの楽曲データに関してファイル番号及び再生時間を同様に点滅表示する。これによりCPU33は、各ファイルの楽曲データの内容を10秒間の再生出力を通してユーザに聴覚的に認識させることができると共に、いずれのファイルの楽曲データを再生しているかを表示部4を介してユーザに目視確認させ得るようにもなされている。
【0041】
ステップSP6においてCPU33は、全スキャンの実行中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得ると全スキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0042】
これに対してステップSP6で肯定結果が得られると、このことは操作ボタン5が押下されたときのファイルがユーザの再生希望の楽曲データであることを表しており、このときCPU33は次のステップSP7へ移る。
【0043】
ステップSP7においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたファイルの楽曲データに対する通常再生処理を開始し、ステップSP2へ戻る。この場合、CPU33は全スキャンの最中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、そのファイル以降の全ファイルを順次通常再生処理するようになされている。
【0044】
実際上CPU33は、図6(D)に示すように例えばFile.5の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのFile.5の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、ファイル番号及び再生時間を例えば「File.5 0:00:03」のように通常表示し、File.6以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にファイル番号及び再生時間を継続して表示する。
【0045】
一方、ステップSP4で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が1回ではないことを表しており、このときCPU33は次のステップSP8に移る。
【0046】
ステップSP8においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が連続して2回行われたか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP9へ移る。
【0047】
ステップSP9においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が2回連続して行われたので、ユーザからフォルダ内スキャンの要求があったと判断し、例えばフォルダ1内のFile.1〜File.20の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生処理を行うフォルダ内スキャンを実行し、次のステップSP10へ移る。
【0048】
実際上、図7(A)に示すように、CPU33は表示部4に「フォルダ内スキャン」の文字を約2秒間表示した後、図7(B)に示すようにフォルダ1内のFile.1の楽曲データを10秒間再生すると共に、当該File.1の楽曲データに関するフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder1 File.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0049】
そしてCPU33は、File.1の楽曲データに対する10秒間再生処理が終了した後、次のFile.2の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生すると共に、図7(C)に示すように次のFile.2の楽曲データに関してフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を「Folder1 File.2 0:00:01」のように点滅表示する。
【0050】
以下、同様にCPU33は、フォルダ内スキャンにより10秒間再生処理を行っている当該フォルダ1における各ファイルの楽曲データに関してフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を同様に点滅表示する。
【0051】
ステップSP10においてCPU33は、フォルダ内スキャンの実行中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得るとフォルダ内スキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0052】
これに対してステップSP10で肯定結果が得られると、このことは操作ボタン5が押下されたときのファイルがユーザの再生希望の楽曲データであることを表しており、このときCPU33は次のステップSP11へ移る。
【0053】
ステップSP11においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたファイルの楽曲データに対して通常再生処理を開始し、ステップSP2へ戻る。この場合、CPU33はフォルダ内スキャンの最中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、以後そのフォルダ1内のファイルを順次通常再生処理するようになされている。
【0054】
実際上CPU33は、図7(D)に示すように例えばFile.5の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのFile.5の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、フォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder1 File.5 0:00:03」のように通常表示し、File.6以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を継続して表示する。
【0055】
一方、ステップSP8で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が2回連続して行われたものではないことを表しており、このときCPU33は次のステップSP12へ移る。
【0056】
ステップSP12においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が連続して3回行われたか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP13へ移る。
【0057】
ステップSP13においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が3回連続して行われたので、ユーザからフォルダスキャンの要求があったと判断し、フォルダ1内のFile.1の楽曲データ、フォルダ2内のFile.21の楽曲データ、……、File5内のFile.81の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生処理を行うフォルダスキャンを実行し、次のステップSP14へ移る。
【0058】
実際上、図8(A)に示すように、CPU33は表示部4に「フォルダスキャン」の文字を約2秒間表示した後、図8(B)に示すようにフォルダ1内のFile.1の楽曲データを10秒間だけ再生すると共に、当該File.1の楽曲データに関するフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder1 File.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0059】
そしてCPU33は、フォルダ1内のFile.1の楽曲データに対する10秒間再生処理が終了した後、次のフォルダ2内のFile.21の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生すると共に、図8(C)に示すように次のフォルダ2内のFile.21の楽曲データに関してフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder2 File.21 0:0:01」のように点滅表示する。
【0060】
以下、同様にCPU33は、フォルダスキャンを行うと共に10秒間再生処理を行っている当該各フォルダにおける先頭ファイルの楽曲データに関してフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を同様に点滅表示する。
【0061】
ステップSP14においてCPU33は、各フォルダの先頭ファイルの楽曲データを再生中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得るとフォルダスキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0062】
これに対してステップSP14で肯定結果が得られると、このことは各フォルダの先頭ファイルの楽曲データを再生中に操作ボタン5が押下されたことを表しており、このときCPU33は次のステップSP15へ移る。
【0063】
ステップSP15においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたファイルの楽曲データから通常再生処理を開始し、ステップSP2へ戻る。この場合、CPU33はフォルダスキャンにより例えばフォルダ5のFile.81の楽曲データをスキャン再生処理中に操作ボタン5が押下操作されたのであれば、以後そのフォルダ5内のファイルを順次通常再生処理するようになされている。
【0064】
実際上CPU33は、図8(D)に示すように例えばフォルダ5内のFile.81の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのフォルダ5内のFile.81の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、フォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を例えば「Folder5 File.81 0:00:03」のように通常表示し、フォルダ5内におけるFile.82以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にフォルダ番号、ファイル番号及び再生時間を継続して表示する。
【0065】
一方、ステップSP12で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が1回、2回又は3回行われたものでもないことを表しており、このときCPU33はステップSP3に戻って上述の処理を繰り返す。
【0066】
このようにCPU33は、ユーザのスキャンスイッチ10に対する押下回数を判断するだけで全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャンのいずれのスキャンモードをユーザが希望しているかを認識し、当該認識したスキャンモード(全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャン)を実行するようになされている。
【0067】
(3)通常のCDに対するスキャンモード切換処理手順
一方、通常のCDでは、図9に示すように例えば5種類のディスクNo.1 〜ディスクNo.5 で示されるCDがCDチェンジャ24に装填されていた場合であって、ディスクNo.1 のCDにはTrack.1〜Track.10の楽曲データが記録され、ディスクNo.2 のCDにはTrack.1〜Track.10の楽曲データが記録され、……、ディスクNo.5 のCDにはTrack.1〜Track.10の楽曲データが記録されている場合を想定して以下説明する。
【0068】
このような通常のCD25に対するスキャンモードとしては、例えば全スキャンモード、ディスク内スキャンモード及びディスクスキャンモードと呼ばれる3種類のスキャンモードが考えられ、次にこれらのスキャンモードについて説明する。
【0069】
図10(A)に示すように全スキャンモードでは、ディスクNo.1 のCDに記録されているTrack.1〜Track.10 、ディスクNo.2 のCDに記録されているTrack.1〜Track.10 、……、ディスクNo.5 のCDに記録されているTrack.1〜Track.10 の楽曲データ全てに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、ディスクNo.1 〜ディスクNo.5 の全CDに記録されている楽曲データに関する内容を全てユーザに認識させるようになされたモードである。
【0070】
図10(B)に示すようにディスク内スキャンモードでは、例えばディスクNo.1 のCDがユーザによって選択された場合に、当該ディスクNo.1のCDに収録されているTrack.1〜Track.10の楽曲データをそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、当該ディスクNo.1のCDにのみ収録された全部の楽曲データに関する内容をユーザに認識させるようになされたモードである。
【0071】
図10(C)に示すようにディスクスキャンモードでは、ディスクNo.1 のCDに記録されている最初のTrack.1、ディスクNo.2 のCDに記録されている最初のTrack.1、……、ディスクNo.5 のCDに記録されている最初のTrack.1の楽曲データだけをそれぞれ最初の10秒間ずつ再生し、いずれかの楽曲データの再生中に決定ボタン5が押下されるまで繰り返し実行することにより、ディスクNo.1 〜ディスクNo.5 のCDに関する内容を最初のTrack.1 の楽曲データだけを介してユーザに認識させるようになされたモードである。
【0072】
これらの3種類のスキャンモードを操作パネル2のスキャンスイッチ10だけを用いて瞬時に切り換えるための通常のCD25に対するスキャンモード切換処理手順について図11のフローチャートを用いて説明する。
【0073】
CDプレーヤ1のCPU33は、ルーチンRT2の開始ステップから入ってステップSP21へ移る。ステップSP21においてCPU33は、CDチェンジャ24によってローディングされた例えばディスクNo.1のCD25におけるリードインエリアのTOCから読み取った属性情報D3に基づいてディスクの種類が通常のCDであることを認識し、次のステップSP22へ移る。
【0074】
ステップSP22においてCPU33は、CD25の実データ記録領域の通常再生処理を開始し、次のステップSP23へ移る。このときCPU33は、ユーザによって何ら指示がされていない場合には、当該ディスクNo.1のCD25におけるTrack.1、Track.2、Track.3、……と再生処理を続けることにより通常再生処理を実行する。
【0075】
このときCPU33は、Track.1の楽曲データを再生中であれば、表示部4に現在再生中のTrack.1の楽曲データに関するトラック番号及び再生時間を例えば「Track.1 0:01:16」のように表示する。
【0076】
ステップSP23においてCPU33は、当該CD25の通常再生処理を行っている最中に、操作パネル2のスキャンスイッチ10がユーザによって押下操作されたか否かを判定し、否定結果を得るとCPU33はステップSP22に戻って通常再生処理を継続する。
【0077】
これに対してステップSP23で肯定結果が得られると、このことはCD25の通常再生処理中にスキャンスイッチ10が押下されたことを表しており、このときCPU33は次のステップSP24へ移る。
【0078】
ステップSP24においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回であるか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP25へ移る。
【0079】
ステップSP25においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回であるので、ユーザから全スキャンの要求があったと判断し、ディスクNo.1 〜ディスクNo.5 の各CDに記録されている全てのTrack.1〜Track.10の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生処理を行う全スキャンを実行し、次のステップSP26へ移る。
【0080】
実際上、図12(A)に示すように、CPU33は表示部4に「全スキャン」の文字を約2秒間表示した後、図12(B)に示すように例えばTrack.1の楽曲データを10秒間再生すると共に、Track.1の楽曲データに関するトラック番号及び再生時間を例えば「Track.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0081】
そしてCPU33は、Track.1の楽曲データに対する10秒間再生処理を終了した後、次のTrack.2の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生すると共に、図12(C)に示すように次のTrack.2の楽曲データに関するトラック番号及び再生時間を「Track.2 0:00:01」のように点滅表示する。
【0082】
以下、同様にCPU33は、全スキャンを行うと共に10秒間再生処理を行っているトラックの楽曲データに関してトラック番号及び再生時間を同様に点滅表示する。これによりCPU33は、各トラックの楽曲データの内容を10秒間の再生出力を通してユーザに聴覚的に認識させることができると共に、いずれのトラックの楽曲データを再生しているかを表示部4を介してユーザに目視確認させ得るようにもなされている。
【0083】
ステップSP26においてCPU33は、全スキャンの実行中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得ると全スキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0084】
これに対してステップSP26で肯定結果が得られると、このことは操作ボタン5が押下されたときのトラックがユーザの再生希望の楽曲データであることを表しており、このときCPU33は次のステップSP27へ移る。
【0085】
ステップSP27においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたトラックの楽曲データに対して通常再生処理を開始し、ステップSP22へ戻る。この場合、CPU33は全スキャンの最中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、そのトラック以降の全トラックを順次通常再生処理するようになされている。
【0086】
実際上CPU33は、図12(D)に示すように例えばTrack.5の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのTrack.5の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、当該Track.5の楽曲データに関するトラック番号及び再生時間を例えば「Track.5 0:00:03」のように通常表示し、Track.6以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にトラック番号及び再生時間を継続して表示する。
【0087】
一方、ステップSP24で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が1回ではないことを表しており、このときCPU33は次のステップSP28に移る。
【0088】
ステップSP28においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が連続して2回行われたか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP29へ移る。
【0089】
ステップSP29においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が2回連続して行われたので、ユーザからディスク内スキャンの要求があったと判断し、例えばディスクNo.1 のCD25におけるTrack.1〜Track.10の楽曲データに対してそれぞれ最初の10秒間ずつ再生処理を行うディスク内スキャンを実行し、次のステップSP30へ移る。
【0090】
実際上、図13(A)に示すように、CPU33は表示部4に「ディスク内スキャン」の文字を約2秒間表示した後、図13(B)に示すようにディスクNo.1内のTrack.1の楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を例えば「Disc1 Track.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0091】
そしてCPU33は、Track.1の楽曲データに対する10秒間再生処理が終了した後、次のTrack.2の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生処理を行うと共に、図13(C)に示すように次のTrack.2の楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を「Disc1 Track.2 0:00:01」のように点滅表示する。
【0092】
以下、同様にCPU33は、ディスク内スキャンにより10秒間再生処理を行っている当該ディスクNo.1における各トラックの楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を同様に点滅表示する。
【0093】
ステップSP30においてCPU33は、ディスク内スキャンの実行中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得るとディスク内スキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0094】
これに対してステップSP30で肯定結果が得られると、このことは操作ボタン5が押下されたときのトラックがユーザの再生希望の楽曲データであることを表しており、このときCPU33は次のステップSP31へ移る。
【0095】
ステップSP31においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたトラックの楽曲データに対して通常再生処理を開始し、ステップSP22へ戻る。この場合、CPU33はディスク内スキャンの最中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、以後そのディスクNo.1 内のトラックを順次通常再生処理するようになされている。
【0096】
実際上CPU33は、図13(D)に示すように例えばTrack.5の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのTrack.5の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、ディスク番号、トラック番号及び再生時間を例えば「Disc1 Track.5 0:00:03」のように通常表示し、Track.6以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にディスク番号、トラック番号及再生時間を継続して表示する。
【0097】
一方、ステップSP28で否定結果が得られると、このことはスキャンスイッチ10に対する押下操作が2回連続して行われたものではないことを表しており、このときCPU33は次のステップSP32へ移る。
【0098】
ステップSP32においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が連続して3回行われたか否かを判定し、肯定結果を得たときには次のステップSP33へ移る。
【0099】
ステップSP33においてCPU33は、スキャンスイッチ10に対する押下操作が3回連続して行われたので、ユーザからディスクスキャンの要求があったと判断し、ディスクNo.1 内のTrack.1の楽曲データ、ディスクNo.2 内のTrack.1の楽曲データ、……、ディスクNo.5 内のTrack.1の楽曲データに対してのみ最初の10秒間ずつ再生を行うディスクスキャンを実行し、次のステップSP34へ移る。
【0100】
実際上、図14(A)に示すように、CPU33は表示部4に「ディスクスキャン」の文字を約2秒間表示した後、図14(B)に示すように現在再生中のディスクNo.1内のTrack.1の楽曲データを10秒間だけ再生すると共に、Track.1の楽曲データに関するディスク番号、トラック番号及び再生時間を「Disc1 Track.1 0:00:01」のように点滅表示する。
【0101】
そしてCPU33は、ディスクNo.1のTrack.1の楽曲データに対する10秒間再生処理が終了した後、次のディスクNo.2のTrack.1の楽曲データについて最初の10秒間だけ再生を行うと共に、図14(C)に示すように次のディスクNo.2のTrack.1の楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を「Disc2 Track.1 0:0:01」のように点滅表示する。
【0102】
以下、同様にCPU33は、ディスクスキャンを行うと共に10秒間再生処理を行っている当該各ディスクにおける先頭トラックの楽曲データに関してディスク番号、トラック番号及び再生時間を同様に点滅表示する。
【0103】
ステップSP34においてCPU33は、上述のように各ディスクの先頭トラックの楽曲データを再生中に操作ボタン5が押下されたか否かを判定し、否定結果を得るとディスクスキャンを継続して操作ボタン5が押下されるまで待ち続ける。
【0104】
これに対してステップSP34で肯定結果が得られると、このことは各ディスクの先頭トラックの楽曲データを再生中に操作ボタン5が押下されたことを表しており、このときCPU33は次のステップSP35へ移る。
【0105】
ステップSP35においてCPU33は、操作ボタン5が押下されたときに10秒間だけスキャン再生していたトラックの楽曲データから通常再生処理を開始し、ステップSP22へ戻る。
【0106】
この場合、CPU33はディスクスキャンにより例えばディスク5内のTrack.8の楽曲データをスキャン再生処理中に操作ボタン5が押下操作されたのであるから、以後そのディスクNo.5内のトラックを順次通常再生処理するようになされている。
【0107】
実際上CPU33は、図14(D)に示すように例えばディスクNo.5内のTrack.8の楽曲データをスキャン再生中に操作ボタン5が押下された場合には、そのヂスク5内のTrack.8の楽曲データに対して通常再生処理を行うと共に、ディスク番号、トラック番号及び再生時間を例えば「Disc5 Track.8 0:00:01」のように通常表示し、File.9以降の楽曲データについても通常再生処理を行うと共にディスク番号、トラック番号及び再生時間を継続して表示する。
【0108】
一方、ステップSP32で否定結果が得られると、スキャンスイッチ10に対する押下操作が1回、2回又は3回行われたものでもないことを表しており、このときCPU33はステップSP23に戻って上述の処理を繰り返す。
【0109】
このようにCPU33は、ユーザのスキャンスイッチ10に対する押下回数を判断するだけで全スキャン、ディスク内スキャン又はディスクスキャンのいずれのスキャンモードをユーザが希望しているかを認識し、当該認識したスキャンモード(全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャン)を実行するようになされている。
【0110】
(4)動作及び効果
以上の構成において、CDプレーヤ1のCPU33は、操作パネル2のスキャンスイッチ10の押下回数が1回の場合には全スキャンを行い、スキャンスイッチ10の押下回数が2回連続のときはフォルダ内スキャン又はディスク内スキャンを行い、スキャンスイッチ10の押下回数が3回連続のときはフォルダスキャン又はディスクスキャンを行う。
【0111】
これによりCDプレーヤ1のCPU33は、スキャンモードの切り換えをユーザによるスキャンスイッチ10の押下回数に応じて行うことができるので、運転中のユーザに対してメニューボタン7からスキャンモードを順次切り換えるための設定を行う等の煩雑な操作をさせることなく、スキャンスイッチ10の押下回数を変化させるだけの単純な操作でスキャンモードの切り換え操作を実行することができる。
【0112】
またCDプレーヤ1のCPU33は、全スキャン、フォルダ内スキャン又はディスク内スキャン、フォルダスキャン又はディスクスキャンのいずれかのスキャン再生中に操作ボタン5が押下されたことを検出すると、そのファイル又はそのトラックから楽曲データの通常再生処理を開始することができるので、運転中のユーザに10秒間の再生出力を通じて楽曲データの内容が認識できた時点で所望の楽曲データを瞬時に選定させることもできる。
【0113】
以上の構成によれば、CDプレーヤ1のCPU33はスキャンスイッチ10のみの押下回数に応じてMP3方式で圧縮符号化されたCD又は通常のCDに対する複数のスキャンモードを切り換えることができるので、複数のボタン操作やスイッチ操作をユーザに強いることなくスキャンスイッチ10だけの単純な押下操作だけでスキャンモードを切り換えることができる。
【0114】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明の再生装置を車載用のCDプレーヤに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、家庭用のCDプレーヤ、DVDを記録媒体として用いたDVDプレーヤ、ハードディスクを記録媒体として用いた再生装置、半導体メモリを記録媒体として用いた他の種々の再生装置に適用するようにしても良い。
【0115】
例えばDVDプレーヤにおいては、全スキャン、ディスク内スキャン又はディスクスキャンをチャプター単位で行う場合に適用することもできる。
【0116】
また上述の実施の形態においては、スキャンスイッチ10の押下回数に応じて複数種類のスキャンモードを切り換えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、スキャンスイッチ10を短い時間押下する場合と長い時間押下する場合等の押下時間に応じて複数種類のスキャンモードを切り換えたり、スキャンスイッチ10を浅く押下する場合と深く押下する場合等の押下深度に応じて複数種類のスキャンモードを切り換えるようにしても良い。
【0117】
さらに上述の実施の形態においては、MP3方式で圧縮符号化された1枚のCD25について全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャンを切り換えて行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CDチェンジャ24を用いてMP3方式で圧縮符号化された複数枚のCDを用いて全スキャン、フォルダ内スキャン又はフォルダスキャンを切り換えて行うようにしても良い。
【0118】
さらに上述の実施の形態においては、MP3方式で圧縮符号化されたCD又は通常のCDを対象としたCDプレーヤ1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばATRACK(Adaptive Transform Acoustic Coding)等の他の種々の方式で圧縮符号化されたCDを対象としたCDプレーヤに適用するようにしても良い。
【0119】
さらに上述の実施の形態においては、切換手段として用いられるスキャンスイッチ10を操作パネル2上に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、リモートコントローラ上にスキャンスイッチ10を設けて複数種類のスキャンモードを切り換えるようにしても良い。
【0120】
さらに上述の実施の形態においては、再生装置としてのCDプレーヤ1を、スキャン再生手段としての光ピックアップ27及び信号処理部23、切換手段としてのスキャンスイッチ10、制御手段としてのCPU33によって構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなるスキャン再生手段、切換手段及び制御手段によって再生装置を構成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明のCDプレーヤの全体構成を示す略線的斜視図である。
【図2】CDプレーヤの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】MP3方式によりファイル単位で記録されたCDを示す略線図である。
【図4】MP3方式で記録されたCDのスキャン方式の説明に供する略線図である。
【図5】MP3CDに対するスキャンモード切換処理手順を示すフローチャートである。
【図6】全スキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図7】フォルダ内スキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図8】フォルダスキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図9】トラック単位で記録された通常のCDを示す略線図である。
【図10】通常のCDのスキャン方式の説明に供する略線図である。
【図11】通常CDに対するスキャンモード切換処理手順を示すフローチャートである。
【図12】全スキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図13】ディスク内スキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【図14】ディスクスキャンモードにおける表示例を示す略線図である。
【符号の説明】
【0122】
1……CDプレーヤ、2……操作パネル、3……CD挿入口、4……表示部、5……操作ボタン、7……メニューボタン、10……スキャンスイッチ、21……機構部、23……信号処理部、25……CD、27……光ピックアップ、28……駆動部、30……DSP、33……CPU。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生装置において、
上記複数のコンテンツを通常の再生モードで再生する通常再生処理と、複数種類のスキャンモードのうちの1つに従って当該複数のコンテンツを一部分づつスキャン再生するスキャン再生処理とにより当該複数のコンテンツを再生する再生手段と、
上記複数種類のスキャンモードを押下操作によってトグル切換可能なスキャンモード切換操作手段と
を具え、
上記複数種類のスキャンモードは、上記記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含む
ことを特徴とする再生装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記スキャンモード切換操作手段に対する押下回数に応じて上記複数種類のスキャンモードを切り換える
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記スキャンモード切換操作手段に対する押下時間に応じて上記複数種類のスキャンモードを切り換える
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
上記制御手段は、上記スキャンモード切換操作手段に対する押下深度に応じて上記複数種類のスキャンモードを切り換える
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項5】
所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生方法において、
所定のスキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作によりトグル切り換えされる複数種類のスキャンモードのうちの1つに従い、上記複数のコンテンツの一部分をスキャン再生する再生ステップを具え、
上記複数種類のスキャンモードは、上記記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含む
ことを特徴とする再生方法。
【請求項1】
所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生装置において、
上記複数のコンテンツを通常の再生モードで再生する通常再生処理と、複数種類のスキャンモードのうちの1つに従って当該複数のコンテンツを一部分づつスキャン再生するスキャン再生処理とにより当該複数のコンテンツを再生する再生手段と、
上記複数種類のスキャンモードを押下操作によってトグル切換可能なスキャンモード切換操作手段と
を具え、
上記複数種類のスキャンモードは、上記記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含む
ことを特徴とする再生装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記スキャンモード切換操作手段に対する押下回数に応じて上記複数種類のスキャンモードを切り換える
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記スキャンモード切換操作手段に対する押下時間に応じて上記複数種類のスキャンモードを切り換える
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
上記制御手段は、上記スキャンモード切換操作手段に対する押下深度に応じて上記複数種類のスキャンモードを切り換える
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項5】
所定の記録媒体に記録されている複数のコンテンツを再生する再生方法において、
所定のスキャンモード切換操作手段に対するユーザの押下操作によりトグル切り換えされる複数種類のスキャンモードのうちの1つに従い、上記複数のコンテンツの一部分をスキャン再生する再生ステップを具え、
上記複数種類のスキャンモードは、上記記録媒体に記録されている所定のフォルダ内のコンテンツのみを全て一部分づつスキャン再生するフォルダ内スキャンモードを含む
ことを特徴とする再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−34102(P2008−34102A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274328(P2007−274328)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【分割の表示】特願2003−183125(P2003−183125)の分割
【原出願日】平成15年6月26日(2003.6.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【分割の表示】特願2003−183125(P2003−183125)の分割
【原出願日】平成15年6月26日(2003.6.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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