説明

再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラム

【課題】ユーザの手間をかけることなく副データを適切に再生する。
【解決手段】再生装置(1)は、主データ及び第1副データ、並びに第2副データを読み取る読取手段(11)と、主データと第1副データ及び第2副データの少なくとも一方とを組み合わせて再生する再生手段(14、15)と、第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとを比較する比較手段(12)と、第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとが一致する場合に、第2副データを主データと組み合わせて再生するように再生手段を制御する制御手段(12)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば映像データ等のコンテンツデータを再生する再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(DVD−Video)に記録されたコンテンツデータは、MPEG−2方式で圧縮されている。コンテンツデータが映画等の場合には、当該コンテンツデータには、映像データの他に、音声データや字幕データが含まれている。そのため、DVD(DVD−Video)を再生する再生装置は、コンテンツデータの再生時に出力する音声や画面に表示させる字幕を選択する機能を備えている。
【0003】
一方で、MPEG2方式よりもさらに圧縮率の高いDivX(登録商標)方式が開発され、このDivX方式で圧縮されたコンテンツデータが記録されているCDやDVDを再生可能な再生装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。DivX方式のコンテンツデータが記録されたCDやDVDには、DVD(DVD−Video)のコンテンツデータと同様、映像データの他に音声データや字幕データが記録されている。また、DivX方式では、コンテンツデータの本体ファイルに対して、ユーザが作成又は編集した字幕情報が入った外部字幕ファイルを添付しておくことが可能である。そのため、DivX方式に対応した再生装置では、映画等のコンテンツデータの再生時に、外部字幕ファイルを表示させるように設定しておくことで、この外部字幕をコンテンツデータの映像に重ね合わせて表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−324668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、DivX方式では、外部字幕ファイルは、そのファイル名に基づいて本体ファイルとの対応付けが判定される。例えば、DivX方式では、外部字幕ファイルは、拡張子を除くファイル名が同一となる本体ファイルに対応していると判定される。このため、DivX方式では、外部字幕ファイルは、そのファイル名がコンテンツデータの本体ファイルのファイル名と同じでなければ、当該本体ファイルに含まれるコンテンツデータと共に再生することができないという技術的な問題点があった。
【0006】
一方で、外部字幕ファイルのファイル名をユーザが適切に変更すれば、上述の技術的な問題点は解消されるとも考えられる。しかしながら、全ての外部字幕ファイルのファイル名を逐次変更することは非常に手間がかかり、ユーザにとって利用しやすい状況であるとは言い難い。
【0007】
また、外部字幕ファイルに限らず、何らかの追加的なファイルを本体ファイルに適用する場合にも同様の技術的な問題が生じかねない。つまり、ある主データを含む本体ファイルに対して、追加的な(又は、外部の)副データを適用する場合にも同様の技術的な問題が生じかねない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、ユーザの手間をかけることなく副データを適切に再生することが可能な再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、再生装置は、(i-1)主データ及び(i-2)当該主データと共に再生される第1副データ、並びに(ii)前記主データと共に再生され且つ前記第1副データとは異なる第2副データを読み取る読取手段と、前記主データと前記第1副データ及び前記第2副データの少なくとも一方とを組み合わせて再生する再生手段と、再生時における前記第1副データの出力タイミングと再生時における前記第2副データの出力タイミングとを比較する比較手段と、前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとが一致する場合に、前記第1副データに代えて前記第2副データを前記主データと組み合わせて再生するように前記再生手段を制御する制御手段とを備える。
【0010】
上記課題を解決するために、再生方法は、(i-1)主データ及び(i-2)当該主データと共に再生される第1副データ、並びに(ii)前記主データと共に再生され且つ前記第1副データとは異なる第2副データを読み取る読取工程と、前記主データと前記第1副データ及び前記第2副データの少なくとも一方とを組み合わせて再生する再生工程と、再生時における前記第1副データの出力タイミングと再生時における前記第2副データの出力タイミングとを比較する比較工程と、前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとが一致する場合に、前記第1副データに代えて前記第2副データを前記主データと組み合わせて再生するように前記再生工程を制御する制御工程とを備える。
【0011】
上記課題を解決するために、コンピュータプログラムは、コンピュータが上述した再生装置として動作するように前記コンピュータを制御するコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記読取手段、前記再生手段、前記比較手段及び前記制御手段として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例のコンテンツ再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】光ディスク上に記録される動画ファイル及び字幕ファイルのデータ構造を示すデータ構造図である。
【図3】本実施例のコンテンツ再生装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】本実施例のコンテンツ再生装置の変形動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムの実施形態について順に説明する。
【0014】
(再生装置の実施形態)
本実施形態の再生装置は、(i-1)主データ及び(i-2)当該主データと共に再生される第1副データ、並びに(ii)前記主データと共に再生され且つ前記第1副データとは異なる第2副データを読み取る読取手段と、前記主データと前記第1副データ及び前記第2副データの少なくとも一方とを組み合わせて再生する再生手段と、再生時における前記第1副データの出力タイミングと再生時における前記第2副データの出力タイミングとを比較する比較手段と、前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとが一致する場合に、前記第1副データに代えて前記第2副データを前記主データと組み合わせて再生するように前記再生手段を制御する制御手段とを備える。
【0015】
本実施形態の再生装置によれば、読取手段の動作により、主データと、第1副データと、第2副データが読み取られる。主データは、再生の基準となるデータであって、例えば、後述するDivx方式の動画データ等を含む。第1副データは、主データと共に再生されるデフォールトの(言い換えれば、初期設定で主データと組み合わせられている)副データであって、例えば、後述するDivx方式の動画データに組み込まれている字幕ストリームデータ等を含む。第2副データは、主データと共に再生される追加的な(言い換えれば、初期設定で主データと組み合わせられていない)副データであって、例えば、後述するDivx方式の動画データとは別個に容易される又は当該動画データに対して外部から追加される字幕テキストデータ等を含む。主データ及び第1副データ、並びに第2副データは、例えば光ディスク等の記録媒体上に記録されていてもよい。従って、読取手段は、記録媒体から主データ及び第1副データ、並びに第2副データを読み取ってもよい。
【0016】
読取手段に読み取られた主データは、再生手段の動作により、読取手段により読み取られた第1副データと組み合わせて再生される。言い換えれば、読取手段に読み取られた主データは、再生手段の動作により、読取手段により読み取られた第1副データと共に又は当該第1副データと合成された状態で再生される。その結果、組み合わせて再生される主データ及び第1副データは、例えば、ディスプレイやスピーカ等の出力機器から、映像や音声として出力される。或いは、読取手段に読み取られた主データは、再生手段の動作により、読取手段により読み取られた第2副データと組み合わせて再生される。言い換えれば、読取手段に読み取られた主データは、再生手段の動作により、読取手段により読み取られた第2副データと共に又は当該第2副データと合成された状態で再生される。その結果、組み合わせて再生される主データ及び第2副データは、例えば、ディスプレイやスピーカ等の出力機器から、映像や音声として出力される。従って、第1副データに代えて第1主データと共に再生される第2副データを別個に用意することで、主データを様々な形式で再生する(言い換えれば、出力機器から出力する)ことができる。例えば、主データが動画を示すデータであり且つ第1及び第2副データが字幕を示すデータである場合には、様々な字幕を表示させながら動画を表示することができる。
【0017】
本実施形態では、比較手段の動作により、第1副データの出力タイミング(例えば、出力機器によって出力されるタイミング等)と第2副データの出力タイミングとが比較される。
【0018】
比較手段による比較の結果、第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとが一致する場合には、第1副データと第2副データとは、同一の主データに対応する副データである可能性が高いと推測される。従って、この場合には、制御手段の動作により、第1副データと主データとを組み合わせて再生することに代えて、第2副データと主データと組み合わせて再生するように再生手段が制御されてもよい。その結果、再生手段は、実際に第2副データと主データと組み合わせて再生してもよい。或いは、再生手段は、第2副データと主データと組み合わせて再生するように制御手段による制御を受けた後であっても、第1副データと主データと組み合わせて再生してもよい。つまり、第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとが一致する場合には、第1副データ及び第2副データの夫々が主データと組み合わせて再生されることが許可される。
【0019】
尚、ここでの「一致」とは、文字通り第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとが完全に一致する状態のみならず、実質的には一致していると同視し得る程度の誤差ないしはマージンを考慮した状態をも含む広い趣旨である。
【0020】
以上説明したように、本実施形態の再生装置によれば、第2副データの出力タイミングに基づいて、当該第2副データを主データと組み合わせて再生することができるか否かが判定される。つまり、第2副データのファイル名(或いは、データ名)を主データのファイル名(或いは、データ名)と一致させなくとも、第2副データと主データとの対応付けを適切に判定することができる。従って、第2副データのファイル名を主データのファイル名と一致させる作業をユーザが行わなくとも、第2副データを主データと組み合わせて適切に再生することができる。
【0021】
本実施形態の再生装置の一の態様では、前記制御手段は、前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとが一致しない場合に、前記第1副データに代えて前記第2副データを前記主データと組み合わせて再生しないように前記再生手段を制御する。
【0022】
この態様によれば、第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとが一致しない場合には、第1副データと第2副データとは、同一の主データに対応する副データである可能性が低いと推測される。従って、この場合には、制御手段の動作により、第1副データと主データとを組み合わせて再生することに代えて、第2副データと主データと組み合わせて再生するように再生手段が制御されなくともよい。その結果、再生手段は、第2副データと主データと組み合わせて再生しなくともよい。この場合、再生手段は、第1副データと主データと組み合わせて再生しなくともよい。つまり、第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとが一致しない場合には、第1副データが主データと組み合わせて再生されることが許可される一方で、第2副データが主データと組み合わせて再生されることが許可されない。
【0023】
本実施形態の再生装置の他の態様では、前記比較手段は、前記再生手段による前記主データ及び前記第1副データの再生が行われている間に、前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとを比較する。
【0024】
この態様によれば、再生手段による主データ及び第1副データの再生と並行して、比較手段による比較が行われる。このため、比較手段は、実際の第1副データの出力タイミングを適切に把握することができるため、第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとを適切に比較することができる。
【0025】
再生手段による主データ及び第1副データの再生が行われている間に第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとを比較する再生装置の態様では、前記比較手段による比較が行われている間は、前記再生手段による再生によって、前記主データ及び前記第1副データが出力機器から出力されているように構成してもよい。
【0026】
このように構成すれば、比較手段による比較が行われる間にも、主データ及び第1副データの出力機器(例えば、ディスプレイ等)からの出力(例えば、表示)が行われる。従って、再生装置のユーザに対して比較手段による比較が行われていることを殆ど意識させることなく、比較手段による比較及び制御手段による制御が実行される。
【0027】
再生手段による主データ及び第1副データの再生が行われている間に第1副データの出力タイミングと第2副データの出力タイミングとを比較する再生装置の態様では、前記比較手段による比較が行われている間は、前記再生手段による再生によっても、前記主データ及び前記第1副データが出力機器から出力されない。
【0028】
このように構成すれば、比較手段による比較が行われる間には、主データ及び第1副データの出力機器(例えば、ディスプレイ等)からの出力(例えば、表示)が行われない。従って、主データと共に再生される副映像が第1副データになるのか又は第2副データになるのかが決定するまでの暫定的な主データ等の出力が実際に行われることなく、当該決定した後の確定的な主データ等の出力が行われる。
【0029】
本実施形態の再生装置の他の態様では、前記主データは、動画データであり、前記第1副データは、前記動画データに付随する字幕ストリームデータであり、前記第2副データは、前記動画データに追加される字幕テキストデータである。
【0030】
この態様によれば、字幕を適宜変更しながら動画を再生する(或いは、出力機器から出力する)ことができる。
【0031】
主データが動画データである再生装置の態様では、前記比較手段は、(i)前記字幕ストリームデータのデコードを行うように前記再生手段を制御し、(ii)前記字幕ストリームデータが前記再生手段によってデコードされるタイミングと前記字幕テキストデータが前記再生手段によって表示されるタイミングとを比較するように構成してもよい。
【0032】
このように構成すれば、第1副データが字幕ストリームデータであり且つ第2副データが字幕テキストデータである場合であっても、比較手段は、第1副データの出力タイミング(つまり、字幕ストリームデータのデコードタイミング)と第2副データの出力タイミング(つまり、字幕テキストデータの表示タイミング)とを好適に比較することができる。
【0033】
比較手段が字幕ストリームデータのデコードを行うように再生手段を制御する再生装置の態様では、前記比較手段は、前記字幕テキストデータに含まれる最初の字幕又は所定の字幕が表示される時間を起点として、前記字幕ストリームデータのデコードを開始するように前記再生手段を制御する。
【0034】
このように構成すれば、字幕テキストデータ中に実際に字幕が現れる時間帯に着目した上で、第1副データの出力タイミング(つまり、字幕ストリームデータのデコードタイミング)と第2副データの出力タイミング(つまり、字幕テキストデータの表示タイミング)とを比較することができる。例えば、字幕ストリームデータを最初からデコードする場合には、冒頭のしばらくの間は字幕が現れない場合がある。この場合には、比較手段による比較に相対的に長い時間を要するという技術的な不都合が生じかねない。しかるに、この態様によれば、このような技術的な不都合の発生を好適に抑制することができる。つまり、比較手段による比較に要する時間を相対的に短縮することができる。
【0035】
(再生方法の実施形態)
本実施形態の再生方法は、(i-1)主データ及び(i-2)当該主データと共に再生される第1副データ、並びに(ii)前記主データと共に再生され且つ前記第1副データとは異なる第2副データを読み取る読取工程と、前記主データと前記第1副データ及び前記第2副データの少なくとも一方とを組み合わせて再生する再生工程と、再生時における前記第1副データの出力タイミングと再生時における前記第2副データの出力タイミングとを比較する比較工程と、前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとが一致する場合に、前記第1副データに代えて前記第2副データを前記主データと組み合わせて再生するように前記再生工程を制御する制御工程とを備える。
【0036】
本実施形態の再生方法によれば、上述した本実施形態の再生装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
【0037】
尚、上述した本実施形態の再生装置が取り得る各種態様に対応して、本実施形態の再生方法も各種態様を取ることができる。
【0038】
(コンピュータプログラムの実施形態)
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータが上述した本実施形態の再生装置(但し、その各種態様を含む)として動作するように前記コンピュータを制御するコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記読取手段、前記再生手段、前記比較手段及び前記制御手段として機能させる。
【0039】
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本実施形態の再生装置を比較的簡単に実現できる。
【0040】
尚、上述した本実施形態の再生装置における各種態様に対応して、本実施形態のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
【0041】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の再生装置は、読取手段と、再生手段と、比較手段と、制御手段とを備える。本実施形態の再生方法は、読取工程と、再生工程と、比較工程と、制御工程とを備える。本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータを本実施形態の再生装置として動作させる。従って、ユーザの手間をかけることなく副データ(例えば、第2副データ)を適切に再生することができる。
【実施例】
【0043】
以下、図面を参照しながら、再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムの実施例について説明する。
【0044】
(1)コンテンツ再生装置の構成
図1を参照して、本実施例のコンテンツ再生装置1の構成の一例について説明する。図1は、本実施例のコンテンツ再生装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
図1に示すように、コンテンツ再生装置1は、光ディスク10と、「読取手段」の一具体例であるデータ読取部11と、「比較手段」及び「制御手段」の一具体例である制御部12と、記憶部13と、「再生手段」の一具体例であるデコーダ部14と、「再生手段」の一具体例であるOSD(On Screen Display)処理部15とを備える。また、コンテンツ再生装置1には、夫々が「出力機器」の一具体例であるディスプレイ2とスピーカ3とが接続されている。
【0046】
光ディスク10には、映画等の動画ファイルと、当該動画ファイルのためにユーザ等が作成した外部の字幕ファイルが記録されている。
【0047】
ここで、図2を参照して、光ディスク10上に記録される動画ファイル及び字幕ファイルのデータ構造について説明する。図2は、光ディスク10上に記録される動画ファイル及び字幕ファイルのデータ構造を示すデータ構造図である。
【0048】
図2(a)に示すように、光ディスク10上には、動画ファイルであるDivXファイル(つまり、拡張子が“divx”となるファイル)又はAVIファイル(つまり、拡張子が“avi”となるファイル)と、字幕ファイルであるSRTファイル(つまり、拡張子が“srt”となるファイル)とが記録されている。図2(a)は、動画ファイルとして、「AAA.divx」と「BBB.divx」と「CCC.avi」とが記録される例を示している。また、図2(a)は、字幕ファイルとして、「ABC.srt」と「BCD.srt」と「CDE.srt」とが記録される例を示している。
【0049】
図2(b)に示すように、動画ファイルの一例であるDivXファイルは、一又は複数の映像ストリームと、一又は複数の音声ストリームと、一又は複数の字幕ストリームとを含んでいる。AVIファイルもまた、DivXファイルと同様に、一又は複数の映像ストリームと、一又は複数の音声ストリームと、一又は複数の字幕ストリームとを含んでいる。尚、映像ストリーム又は音声ストリームは、「主データ」の一具体例となる。字幕ストリームは、「第1副データ」の一具体例となる。
【0050】
図2(c)に示すように、字幕ファイルの一例であるSRTファイルは、テキストデータ列である字幕テキストと当該字幕テキストが表示される表示時間(より具体的には、動画ファイルに含まれる映像ストリームの表示時間を基準に設定される表示時間)とが組になったレコードを複数含んでいる。図2(c)に示す字幕ファイルは、00分00秒から00分03秒という表示時間に、「ああああああああああああああああああ」という字幕テキストが表示される例を示している。同様に、図2(c)に示す字幕ファイルは、00分03秒から00分05秒という表示時間に、「いいいいいいいいいいいい」という字幕テキストが表示される例を示している。図2(c)に示す字幕ファイルは、00分05秒から00分07秒という表示時間に、「ううううううううう」という字幕テキストが表示される例を示している。尚、各SRTファイルは、「第2副データ」の一具体例となる。
【0051】
再び図1において、データ読取部11は、光ディスク10に対してレーザ光を照射することで、光ディスク10に記録されている動画ファイルや字幕ファイルを読み取る。
【0052】
制御部12は、データ読取部11が読み取った動画ファイルをデコーダ部14に対して出力する。また、制御部12は、データ読取部11が読み取った字幕ファイルを分析することで、指定された表示時間に指定された字幕テキストが表示されるよう、指定された字幕テキストをOSD処理部15に対して出力する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置である。
【0053】
加えて、後に詳述するように、制御部12は、動画ファイルに含まれる字幕ストリームが字幕デコーダ142によってデコードされるタイミングを検出する。尚、動画ファイルに含まれる字幕ストリームが字幕デコーダ142によってデコードされるタイミングは、実質的には、動画ファイルに含まれる字幕ストリームがディスプレイ2によって表示タイミングと一致し得る。従って、制御部12は、動画ファイルに含まれる字幕ストリームが字幕デコーダ142によってデコードされるタイミングを検出することで、実質的には、動画ファイルに含まれる字幕ストリームがディスプレイ2によって表示タイミングを検出しているとも言える。制御部12は、検出したタイミングを記憶部13に記憶させる。
【0054】
更に、制御部12は、字幕ファイルに含まれる字幕テキストがOSD処理部15の制御の下でディスプレイ2上に表示されるタイミングを検出する。制御部12は、検出したタイミングを記憶部13に記憶させる。
【0055】
記憶部13は、動画ファイルに含まれる字幕ストリームが字幕デコーダ142によってデコードされるタイミング及び字幕ファイルに含まれる字幕テキストがOSD処理部15によって表示されるタイミングの夫々を記憶する。記憶部13は、例えばRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリである。
【0056】
デコーダ部14は、映像デコーダ141と、字幕デコーダ142と、音声デコーダ143とを備えている。映像デコーダ141は、動画ファイルに含まれる映像ストリームをデコードする。映像デコーダ141は、デコードした映像ストリーム(つまり、映像データ)をOSD処理部15に出力する。字幕デコーダ142は、動画ファイルに含まれる字幕ストリームをデコードする。字幕デコーダ142は、デコードした字幕ストリーム(つまり、字幕データ)をOSD処理部15に出力する。音声デコーダ143は、動画ファイルに含まれる音声ストリームをデコードする。音声デコーダ143は、デコードした音声ストリーム(つまり、音声データ)をスピーカ3に出力する。その結果、スピーカ3から音声が出力される。
【0057】
OSD処理部15は、制御部12からの制御の下で、字幕デコーダ142から出力される字幕データ(つまり、字幕ストリームに基づく字幕データ)及び制御部12から出力される字幕データ(つまり、字幕ファイルに基づく字幕データ)のいずれかを、映像デコーダ141から出力される映像データと合成する。その結果、OSD処理部15は、映像と字幕が組み合わせられた合成映像(つまり、字幕付きの動画)を生成する。OSD処理部15は、生成した合成映像をディスプレイ2に出力する。その結果、ディスプレイ2には、合成映像(つまり、字幕付きの動画)が表示される。
【0058】
(2)再生装置の動作
図3を参照して、本実施例のコンテンツ再生装置1の動作の流れについて説明する。図3は、本実施例のコンテンツ再生装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図3に示すように、コンテンツ再生装置1は、光ディスク10をローディングする(ステップS101)。その後、データ読取部11は、光ディスク10に対してレーザ光を照射することで、光ディスク10に記録されている動画ファイルや字幕ファイルを検索する(ステップS102)。つまり、データ読取部11は、光ディスク10にどのような動画ファイルが記録されているのか及びどのような字幕ファイルが記録されているのかを確認する。
【0060】
その後、ユーザの指示等を受けて、光ディスク10に記録されている動画ファイルのうち実際に再生される動画ファイルが決定される(ステップS103)。加えて、制御部12は、データ読取部11による読取結果に基づいて、光ディスク10に字幕ファイルが記録されているか否かを判定する(ステップS104)。
【0061】
ステップS104の判定の結果、光ディスク10に字幕ファイルが記録されていないと判定される場合には(ステップS104:No)、光ディスク10には、動画ファイルのみが記録されていると推測される。従って、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム、音声ストリーム及び字幕ストリームの再生を行う(ステップS110)。つまり、ディスプレイ2には、動画ファイルに含まれる字幕ストリームと動画ファイルに含まれる映像ストリームとを合成することで得られる合成画像が表示される。
【0062】
具体的には、データ読取部11は、ステップS103で選択された動画ファイルを光ディスク10から読み取る。映像デコーダ141は、データ読取部11が読み取った動画ファイルに含まれる映像ストリームをデコードし、デコードした映像ストリーム(つまり、映像データ)をOSD処理部15に出力する。字幕デコーダ142は、データ読取部11が読み取った動画ファイルに含まれる字幕ストリームをデコードし、デコードした字幕ストリーム(つまり、字幕データ)をOSD処理部15に出力する。その後、OSD処理部15は、字幕デコーダ142から出力される字幕データ(つまり、動画ファイルに含まれる字幕ストリームに基づく字幕データ)を、映像デコーダ141から出力される映像データ(つまり、動画ファイルに含まれる映像ストリームに基づく映像データ)と合成する。その結果、ディスプレイ2には、動画ファイルに含まれる字幕ストリームと動画ファイルに含まれる映像ストリームとを合成することで得られる合成映像が表示される。また、音声デコーダ143は、データ読取部11が読み取った動画ファイルに含まれる音声ストリームをデコードし、デコードした音声ストリーム(つまり、音声データ)をスピーカ3に出力する。その結果、スピーカ3からは、動画ファイルに含まれる音声ストリームに基づく音声が出力される。
【0063】
一方で、ステップS104の判定の結果、光ディスク10に字幕ファイルが記録されていると判定される場合には(ステップS104:Yes)、制御部12は、ミュート状態で動画ファイルに含まれる映像ストリーム、音声ストリーム及び字幕ストリームがデコードされるようにデコーダ部14及びOSD処理部15を制御する(ステップS105)。その結果、映像デコーダ141による映像ストリームのデコード、字幕デコーダ142による字幕ストリームのデコード及び音声デコーダ143による音声ストリームのデコードが行われている一方で、ディスプレイ2には合成映像が表示されず且つスピーカ3からは音声が出力されない。このとき、ディスプレイ2には、「字幕を選択しています」という通知文等が表示されてもよい。その結果、ユーザは、動画ファイルの表示が開始されない理由が、コンテンツ再生装置1によって字幕を選択するための動作が行われていることであると認識することができる。
【0064】
その後、制御部12は、字幕デコーダ142のデコード状況を監視することで、動画ファイルに含まれる字幕ストリームが字幕デコーダ142によってデコードされるタイミングを検出する(ステップS106)。尚、上述したように、字幕デコーダ142によって字幕ストリームがデコードされるのは、実質的には、当該字幕ストリームが示す字幕が実際にディスプレイ2に表示されるタイミングと一致する。従って、制御部12は、動画ファイルに含まれる字幕ストリームが字幕デコーダ142によってデコードされるタイミングを検出することで、実質的には、動画ファイルに含まれる字幕ストリームがディスプレイ2に表示されるタイミングを検出していると言える。例えば、制御部12は、字幕ストリームがデコードされることで、00分00秒から00分03秒という表示時間に表示される「AAAAAA」という字幕データが取得された場合には、「00分00秒から00分03秒」というタイミングを、字幕ストリームがデコードされるタイミングとして検出する。尚、制御部12は、デコードされるタイミングを一つだけ検出してもよいし、複数検出してもよい。
【0065】
その後、制御部12は、検出したタイミングを記憶部13に記憶させる(ステップS106)。
【0066】
ステップS105からステップS106の動作と並行して、制御部12は、字幕ファイルに含まれる字幕テキストがOSD処理部15の制御の下でディスプレイ2によって表示されるタイミングを検出する(ステップS107)。例えば、上述したように、字幕ファイルは、字幕テキストと表示時間とが組になったレコードを含んでいる。従って、制御部12は、表示時間を抽出することで、字幕ファイルに含まれる字幕テキストがOSD処理部15の制御の下でディスプレイ2によって表示されるタイミングを検出する。より具体的には、図2(c)に示す字幕ファイルを対象としてステップS107の動作が行われる場合には、制御部12は、00分00秒から00分03秒という表示時間、00分03秒から00分05秒という表示時間及び00分05秒から00分07秒という表示時間を、表示されるタイミングとして検出する。尚、制御部12は、表示されるタイミングを一つだけ検出してもよいし、複数検出してもよい。
【0067】
その後、制御部12は、検出したタイミングを記憶部13に記憶させる(ステップS107)。
【0068】
尚、ステップS105からステップS107に示す動作は、動画ファイル及び字幕ファイルの最初から(つまり、00分00秒という表示時間から)順に行われてもよい。つまり、動画ファイルを最初から再生しながらステップS105からステップS107の動作が行われてもよい。或いは、ステップS105からステップS107に示す動作は、動画ファイル及び字幕ファイルの途中から(例えば、05分30秒という表示時間から)行われてもよい。つまり、動画ファイルを途中の時間帯から再生しながらステップS105からステップS107の動作が行われてもよい。動画ファイル及び字幕ファイルの途中から行われる場合には、字幕ファイルに含まれている表示時間を参照することで、字幕が実際に表示される可能性が高い時間帯に注目してステップS105からステップS107に示す動作が行われてもよい。このように構成することで、ステップS105からステップS107に示す動作を迅速に完了させることができる。より具体的には、ステップS105からステップS107の動作は、字幕が実際に現れる時間帯に遭遇しなければ完了しないところ、動画ファイルの最初に字幕が含まれていない場合には無駄にステップS105からステップS107の動作が行われてしまいかねない。しかるに、字幕が実際に表示される可能性が高い時間帯に注目してステップS105からステップS107に示す動作が行われることで、ステップS105からステップS107に示す動作を迅速に完了させることができる。
【0069】
その後、制御部12は、ステップS106で記憶したタイミング(つまり、字幕ストリームがデコードされるタイミング)と、ステップS107で記憶したタイミング(つまり、字幕テキストが表示されるタイミング)とが一致するか否かを判定する(ステップS108)。
【0070】
例えば、字幕ストリームがデコードされるタイミングとして「00分00秒から00分03秒」という表示時間が記憶部13に記憶されており且つ字幕テキストが表示されるタイミングとして「00分00秒から00分03秒」という表示時間が記憶部13に記憶されている場合には、制御部12は、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致すると判定する。他方で、字幕ストリームがデコードされるタイミングとして「00分00秒から00分03秒」という表示時間が記憶部13に記憶されている一方で、字幕テキストが表示されるタイミングとして「00分00秒から00分03秒」という表示時間が記憶部13に記憶されていない場合には、制御部12は、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致しないと判定する。同様に、字幕テキストが表示されるタイミングとして「00分00秒から00分03秒」という表示時間が記憶部13に記憶されている一方で、字幕ストリームがデコードされるタイミングとして「00分00秒から00分03秒」という表示時間が記憶部13に記憶されていない場合には、制御部12は、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致しないと判定する。
【0071】
尚、ステップS108で判定の基準となる「一致」は、厳密な一致を常に要求する趣旨ではなく、所定の誤差ないしはマージンを加味した上での一致であってもよい。例えば、制御部12は、1秒未満の誤差であれば「一致している」と判定してもよい。或いは、制御部12は、1秒程度又は数秒程度の誤差であれば「一致している」と判定してもよい。この判定における誤差ないしはマージンは、一致の精度を厳しくするか否かという仕様等に応じて適宜設定又は調整されてもよい。
【0072】
また、字幕ストリームがデコードされるタイミングが複数記憶されており且つ字幕テキストが表示されるタイミングが複数記憶されている場合には、制御部12は、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致した回数が所定の閾値以上であるか否かを判定することで、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致するか否かを判定してもよい。例えば、制御部12は、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致した回数が所定の閾値以上である場合には、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致すると判定してもよい。他方で、例えば、制御部12は、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致した回数が所定の閾値未満である場合には、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致しないと判定してもよい。
【0073】
或いは、字幕ストリームがデコードされるタイミングが複数記憶されており且つ字幕テキストが表示されるタイミングが複数記憶されている場合には、制御部12は、離散的に分散した又はばらついた複数の時間帯の一部又は全てで字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致するか否かに応じて、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致するか否かを判定してもよい。例えば、制御部12は、時間的に離散的に分散した複数の時間帯の一部又は全てで字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致する場合には、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致すると判定してもよい。他方で、例えば、制御部12は、時間的に離散的に分散した複数の時間帯の一部又は全てで字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致しない場合には、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致しないと判定してもよい。
【0074】
ステップS108における判定の結果、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致しないと判定さる場合には、(ステップS108:No)、光ディスク10には、動画ファイルに対応する(つまり、組み合わせることができる)字幕ファイルが記録されていないと推測される。従って、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム、音声ストリーム及び字幕ストリームの再生を行う(ステップS110)。
【0075】
他方で、ステップS108における判定の結果、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致すると判定される場合には、(ステップS108:Yes)、光ディスク10には、動画ファイルに対応する(つまり、組み合わせることができる)字幕ファイルが記録されていると推測される。つまり、字幕ストリームがデコードされるタイミングと一致するタイミングで表示される字幕テキストを含む字幕ファイルは、当該字幕ストリームと組になっている映像ストリームと組み合わせて表示することができると推測される。従って、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム及び音声ストリーム、並びに字幕ファイルに含まれる字幕テキストの再生を行う(ステップS109)。つまり、ディスプレイ2には、字幕ファイルに含まれる字幕テキストと動画ファイルに含まれる映像ストリームとを合成することで得られる合成映像が表示される。
【0076】
具体的には、データ読取部11は、ステップS103で選択された動画ファイルを読み取る。映像デコーダ141は、データ読取部11が読み取った動画ファイルに含まれる映像ストリームをデコードし、デコードした映像ストリーム(つまり、映像データ)をOSD処理部15に出力する。一方で、制御部12は、字幕ファイルから抽出したテキストデータをOSD処理部15に出力する。その結果、OSD処理部15は、制御部12から出力される字幕データ(つまり、字幕ファイルに含まれる字幕テキスト)を、映像デコーダ141から出力される映像データ(つまり、動画ファイルに含まれる映像ストリームに基づく映像データ)と合成する。その結果、ディスプレイ2には、字幕ファイルに含まれる字幕テキストと動画ファイルに含まれる映像ストリームとを合成することで得られる合成映像が表示される。また、音声デコーダ143は、データ読取部11が読み取った動画ファイルに含まれる音声ストリームをデコードし、デコードした音声ストリーム(つまり、音声データ)をOSD処理部15に出力する。その結果、スピーカ3からは、動画ファイルに含まれる音声ストリームに基づく音声が出力される。
【0077】
尚、ステップS109で字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕テキストが表示されるタイミングとが一致すると判定される場合であっても、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム、音声ストリーム及び字幕ストリームの再生を行ってもよい。
【0078】
以上説明したように、本実施例のコンテンツ再生装置1は、字幕ファイルに含まれる字幕テキストが表示されるタイミングと動画ファイルに含まれる字幕ストリームがデコードされるタイミングとに基づいて、当該字幕ファイルを動画ファイルと組み合わせて再生することができるか否かを判定することができる。つまり、本実施例のコンテンツ再生装置1は、字幕ファイルのファイル名が動画ファイルのファイル名と一致していない場合であっても、上述した判定結果に応じて、字幕ファイルを動画ファイルと組み合わせて再生することができる。言い換えれば、本実施例のコンテンツ再生装置1によれば、字幕ファイルのファイル名と動画ファイルのファイル名とを一致させなくとも、字幕ファイルと動画ファイルとの対応付けを適切に判定することができる。従って、字幕ファイルのファイル名を動画ファイルのファイル名と一致させるためのわずらわしい作業をユーザが手作業で行わなくとも、字幕ファイルを動画ファイルと組み合わせて適切に再生することができる。
【0079】
尚、本実施例のコンテンツ再生装置1は、字幕ファイルのファイル名といういわゆる字幕ファイルの外観的又は外部的特徴のみを判定基準として採用するだけでなく、字幕ファイルの内部的特徴(例えば、内部ファイルがその内部に含むデータ)を判定基準として採用している。従って、字幕ファイルのファイル名といういわゆる字幕ファイルの外観的又は外部的特徴のみを判定基準として採用するコンテンツ再生装置と比較して、字幕ファイルを動画ファイルと組み合わせて再生することができるか否かを適切に判定することができる。
【0080】
尚、上述した説明では、動画ファイルに含まれる字幕ストリームと字幕ファイルに含まれる字幕テキストとに着目した説明を行っている。しかしながら、動画ファイルに含まれる音声ストリームと動画ファイルとは別個に用意される外部の音声ファイルとに着目した場合に上述した動作を行ってもよい。この場合であっても、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0081】
(3)変形動作
図4を参照して、本実施例のコンテンツ再生装置1の変形動作の流れについて説明する。図4は、本実施例のコンテンツ再生装置1の変形動作の流れを示すフローチャートである。尚、上述の図3を用いて説明した動作と同様の動作については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明については省略する。
【0082】
図4に示すように、変形動作例では、上述した図3の動作と同様に、ステップS101からステップS104までの動作が行われる。具体的には、コンテンツ再生装置1は、光ディスク10をローディングする(ステップS101)。その後、データ読取部11は、光ディスク10に対してレーザ光を照射することで、光ディスク10に記録されている動画ファイルや字幕ファイルを検索する(ステップS102)。その後、ユーザの指示等を受けて、光ディスク10に記録されている動画ファイルのうち実際に再生される動画ファイルが決定される(ステップS103)。加えて、制御部12は、データ読取部11による読取結果に基づいて、光ディスク10に字幕ファイルが記録されているか否かを判定する(ステップS104)。
【0083】
ステップS104の判定の結果、光ディスク10に字幕ファイルが記録されていないと判定される場合には(ステップS104:No)、光ディスク10には、動画ファイルのみが記録されていると推測される。従って、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム、音声ストリーム及び字幕ストリームの再生を行う(ステップS110)。
【0084】
一方で、ステップS104の判定の結果、光ディスク10に字幕ファイルが記録されていると判定される場合には(ステップS104:Yes)、変形動作例では、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム、音声ストリーム及び字幕ストリームの再生(つまり、デコード)並びにディスプレイ2及びスピーカ3からの出力を開始する(ステップS201)。つまり、変形動作例では、制御部12は、ミュート状態にならないように、デコーダ部14及びOSD処理部15を制御する。その結果、ディスプレイ2での表示及びスピーカ3からの出力が実際に行われる。
【0085】
その後、変形動作例においても、制御部12は、字幕デコーダ142のデコード状況を監視することで、動画ファイルに含まれる字幕ストリームが字幕デコーダ142によってデコードされるタイミングを検出する(ステップS106)。その後、制御部12は、検出したタイミングを記憶部13に記憶させる(ステップS106)。同様に、変形動作例においても、ステップS105からステップS106の動作と並行して、制御部12は、字幕ファイルに含まれる字幕テキストがOSD処理部15の制御の下でディスプレイ2によって表示されるタイミングを検出する(ステップS107)。その後、制御部12は、検出したタイミングを記憶部13に記憶させる(ステップS107)。
【0086】
つまり、変形動作例では、ディスプレイ2での表示及びスピーカ3からの出力が実際に行われるように動画ファイルに含まれる映像ストリーム、音声ストリーム及び字幕ストリームの再生が行われた状態で、動画ファイルに含まれる字幕ストリームが字幕デコーダ142によってデコードされるタイミング及び字幕ファイルに含まれる字幕テキストがOSD処理部15によって表示されるタイミングの検出動作が行われる。
【0087】
その後、制御部12は、ステップS106で記憶したタイミング(つまり、字幕ストリームがデコードされるタイミング)と、ステップS107で記憶したタイミング(つまり、字幕ファイルに含まれる字幕テキストが表示されるタイミング)とが一致するか否かを判定する(ステップS108)。
【0088】
ステップS108における判定の結果、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕ファイルに含まれる字幕テキストが表示されるタイミングとが一致しないと判定さる場合には、(ステップS108:No)、光ディスク10には、動画ファイルに対応する(つまり、組み合わせることができる)字幕ファイルが記録されていないと推測される。従って、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム、音声ストリーム及び字幕ストリームの再生を行う(ステップS110)。
【0089】
他方で、ステップS108における判定の結果、字幕ストリームがデコードされるタイミングと字幕ファイルに含まれる字幕テキストが表示されるタイミングとが一致すると判定さる場合には(ステップS108:Yes)、光ディスク10には、動画ファイルに対応する(つまり、組み合わせることができる)字幕ファイルが記録されていると推測される。つまり、字幕ストリームがデコードされるタイミングと一致するタイミングで表示される字幕テキストを含む字幕ファイルは、当該字幕ストリームと組になっている映像ストリームと組み合わせて表示することができると推測される。
【0090】
この場合、変形動作例では、制御部12は、動画ファイルに対応する(つまり、組み合わせることができる)字幕ファイルが存在することを示す通知文等をディスプレイ2に表示する(ステップS202)。その後、当該通知文を見たユーザからの指示に応じて、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム及び音声ストリーム、並びに字幕ファイルに含まれる字幕テキストの再生を行ってもよい(ステップS109)。つまり、字幕ファイルに含まれる字幕テキストの表示を行う旨の指示がユーザから入力された場合には、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム及び音声ストリーム、並びに字幕ファイルに含まれる字幕テキストの再生を行ってもよい。このとき、動画ファイルを最初から再生し直す(つまり、表示し直す)旨の指示がユーザから入力された場合には、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム及び音声ストリーム、並びに字幕ファイルに含まれる字幕テキストの再生を、動画ファイル及び字幕ファイルの最初から行ってもよい。或いは、動画ファイルを最初から再生し直す(つまり、表示し直す)旨の指示がユーザから入力されていない場合には、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム及び音声ストリーム、並びに字幕ファイルに含まれる字幕テキストの再生を、動画ファイル及び字幕ファイルの途中から(例えば、それまで再生していた箇所から続けて)行ってもよい。或いは、字幕ファイルに含まれる字幕テキストの表示を行う旨の指示がユーザから入力されていない場合には、コンテンツ再生装置1は、動画ファイルに含まれる映像ストリーム、字幕ストリーム及び音声ストリームの再生をそのまま継続してもよい。
【0091】
以上説明したように、変形動作例によれば、上述した各種効果を好適に享受することができる。加えて、変形動作例によれば、映像等の実際の表示が行われた状態で制御部12によるタイミングの検出処理や判定処理等が行われる。従って、コンテンツ再生装置1は、字幕の選択のための動作(例えば、制御部12による比較動作等)が行われていることをユーザに殆ど意識させることなく、字幕の選択のための動作を適切に行うことができる。
【0092】
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 コンテンツ再生装置
10 光ディスク
11 データ読取部
12 制御部
13 記憶部
14 デコーダ部
15 OSD処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i-1)主データ及び(i-2)当該主データと共に再生される第1副データ、並びに(ii)前記主データと共に再生され且つ前記第1副データとは異なる第2副データを読み取る読取手段と、
前記主データと前記第1副データ及び前記第2副データの少なくとも一方とを組み合わせて再生する再生手段と、
再生時における前記第1副データの出力タイミングと再生時における前記第2副データの出力タイミングとを比較する比較手段と、
前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとが一致する場合に、前記第1副データに代えて前記第2副データを前記主データと組み合わせて再生するように前記再生手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとが一致しない場合に、前記第1副データに代えて前記第2副データを前記主データと組み合わせて再生しないように前記再生手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記比較手段は、前記再生手段による前記主データ及び前記第1副データの再生が行われている間に、前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとを比較することを特徴とする請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記比較手段による比較が行われている間は、前記再生手段による再生によって、前記主データ及び前記第1副データが出力機器から出力されていることを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
【請求項5】
前記比較手段による比較が行われている間は、前記再生手段による再生によっても、前記主データ及び前記第1副データが出力機器から出力されないことを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
【請求項6】
前記主データは、動画データであり、
前記第1副データは、前記動画データに付随する字幕ストリームデータであり、
前記第2副データは、前記動画データに追加される字幕テキストデータであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項7】
前記比較手段は、(i)前記字幕ストリームデータのデコードを行うように前記再生手段を制御し、(ii)前記字幕ストリームデータが前記再生手段によってデコードされるタイミングと前記字幕テキストデータが前記再生手段によって表示されるタイミングとを比較することを特徴とする請求項6に記載の再生装置。
【請求項8】
前記比較手段は、前記字幕テキストデータに含まれる最初の字幕又は所定の字幕が表示される時間を起点として、前記字幕ストリームデータのデコードを開始するように前記再生手段を制御することを特徴とする請求項7に記載の再生装置。
【請求項9】
(i-1)主データ及び(i-2)当該主データと共に再生される第1副データ、並びに(ii)前記主データと共に再生され且つ前記第1副データとは異なる第2副データを読み取る読取工程と、
前記主データと前記第1副データ及び前記第2副データの少なくとも一方とを組み合わせて再生する再生工程と、
再生時における前記第1副データの出力タイミングと再生時における前記第2副データの出力タイミングとを比較する比較工程と、
前記第1副データの出力タイミングと前記第2副データの出力タイミングとが一致する場合に、前記第1副データに代えて前記第2副データを前記主データと組み合わせて再生するように前記再生工程を制御する制御工程と
を備えることを特徴とする再生方法。
【請求項10】
コンピュータが請求項1に記載された再生装置として動作するように前記コンピュータを制御するコンピュータプログラムであって、
該コンピュータを、前記読取手段、前記再生手段、前記比較手段及び前記制御手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−249129(P2012−249129A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120020(P2011−120020)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】