再締結可能サイドシーム及び湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品
着用者の排泄しつけを容易にする機構を含む使い捨て吸収性物品。湿潤感知部材は、排尿の際、着用者の皮膚上に濡れた感覚を与える。物品の身体側を向く面を見た際に視認される強調部は、排泄しつけの概念と連想的に相関されてもよく、物品内の湿潤感知部材の存在を示す一方、排泄しつけに関する視覚的基準及び話題を提供する。再締結可能サイドシームは、一対のトレーニングパンツ又はおむつとしての物品の構成、適用、取外しを可能にする一方、物品が着用者されたときにトレーニングパンツのような外観を提供し、物品を引き下げる必要なく物品の内部を容易に調べることを許容する。1以上のその他の機構と組み合わされた各機構の相乗効果は、排泄しつけの際に物品の有用性を高める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンおむつ、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収性挿入物、おむつホルダー及びライナーなどを含む使い捨て吸収性物品に適用可能である。本発明は、特に排尿しつけで用いるために特に適合した使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の現代の使い捨て吸収性物品を着用するとき、1回以上の排尿の後でさえも子供の皮膚は乾燥していることがある。その結果、子供はほとんど又は全く不快を感じないことがあり、また排尿したことにさえ気付かないことも多い。しかし、子供に排尿後に「パンツ」内で不快感を感じさせることにより、自発的に尿を留めることを習得する動機を学習及び/又は提供するのを援助してもよい。皮膚をぬれた状態のままにするとともに、その高い通気性により、皮膚の蒸発冷却を促してさらに不快感を高める、布のトレーニングパンツを使用することが可能である。しかし、布のトレーニングパンツは、尿の封じ込め力に乏しく、衣類を濡らし、また周囲、例えば、敷物類、家具などを濡らすことが多い。
【0003】
使い捨て吸収性トレーニングパンツは、着用者の衣類及び周囲の汚れ防止の必要性に首尾よく対応する。これらの製品は、パンツが非常に肌着に似た外見を有しているので、特に介護者にとって魅力的であり、排泄しつけプロセスにおいて有用である。子供は、使い捨て吸収性物品製品と乳児を同一視しており、乳児と同一視されること又は乳児として見なされることを好まないことが多い。従って、排泄しつけ年齢の子供は、乳児用使い捨て吸収性物品を着用したがらず、その代わりに、成人用下着のように見えるトレーニングパンツを着用するのを好むことが多い。故に、従来の使い捨て吸収性物品から、より衣類に似た又は下着に似たトレーニングパンツへの切り替えは、排泄しつけプロセスにおいて重要なステップとなり得る。
【0004】
現行のトレーニングパンツは、サイドシームが恒久的に固着されているので、典型的には一対のパンツのようにプルオンされることに限られる。しかし、排泄しつけの状況において、サイドシームで開放及び再締結できる製品が特に有用であることがあるが、その理由は、この能力は製品を引き下げずに製品の内部を簡単に調べることを許容するからである。故に、介護者は、簡単且つ迅速に濡れを確認できる一方、子供に排泄しつけの意図を気付かせるために子供がしていることを子供に説明するか、あるいは子供の現在の活動を妨げずに確認するかのどちらかを選択することができる。子供を関与させることを選択して物品の内部がまだ乾いていたとき、介護者は、「乳児のように」使い捨て吸収性物品を濡らさなかったこと、その代わりに「成長した子供のように」振舞ったことについて子供を褒めることができる。
【0005】
介護者はまた、乾いた内部が望ましいという観念を強める方法として、子供に物品の内部を観察及び/又は感知するよう促すことができる。加えて、物品が排尿時に濡れた感覚を与えるとともに物品の内部で可視的に強調された機構を含む場合、介護者は、排泄しつけの概念をさらに強めるべく内部を調べるときに子供に対して可視的強調部を指し示すことができる。故に、再締結可能サイドシームは、排泄しつけの際の物品の使用に関するその他の機構、特に湿潤感知機構及びとりわけ可視的に強調された機構と組み合わされて、著しい相乗利益をもたらすことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
故に、着用者に排尿から生じる不快な濡れた感覚を感じさせて排尿が起きたという着用者の認識を高めることにより、排尿しつけを容易にできる物品を提供することが望ましい。この濡れた感覚を与える機構が物品内に存在することを可視的に強調して、排尿しつけの機会を容易にすることも望ましい。加えて、トレーニングパンツの肌着のような外見を提供するとともに再締結可能サイドシームを含む使い捨て吸収性物品を提供して、物品を引き下げてアクセスする必要なく物品の内部を容易に調べられることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
着用者の排泄しつけを容易にする機構を含む使い捨て吸収性物品が提供される。湿潤感知部材は、排尿時に着用者の皮膚に濡れた感覚を与える。物品の身体側を向く面を見た際に視認される強調部は、排泄しつけの概念と連想的に相関されてもよく、物品内の湿潤感知部材の存在を示す一方、排泄しつけに関する視覚的基準及び話題を提供する。再締結可能サイドシームは、一対のトレーニングパンツ又はおむつとしての物品の構成、適用、取外しを可能にする一方、物品が着用されたときにトレーニングパンツのような外観を提供し、物品を引き下げる必要なく物品の内部を容易に調べることを許容する。1以上のその他の機構と組み合わされた各機構の相乗効果は、排泄しつけの際に物品の有用性を高める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付図面中、同じ参照数字は同じ要素を示し、描かれる幾つかの代表的な実施形態において、同一であっても、又は同一でなくてもよい。図には、他の要素をより明確に示す目的のために、選択された要素を省略して簡略化されたものがある。幾つかの図における要素のそのような省略は、対応する文章による説明で明確に表されるとき以外、代表的な実施形態の幾つかにおいて特定の要素が存在するか又は存在しないことを必ずしも示すものではない。
【0009】
定義
本明細書で使用するとき、次の用語は、次の意味を有する。
【0010】
用語「吸収性物品」は、液体を吸収して収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接触して又は近接して配置され、身体から排泄される様々な排出物を吸収して収容する装置を指す。
【0011】
用語「使い捨て」は、洗濯する、あるいは吸収性物品として復元するか再利用されることを一般に意図しない吸収性物品、即ち、一回の使用後に廃棄する、好ましくはリサイクルする、堆肥化する、あるいは環境に適合する方法で処理することを意図する吸収性物品を指す。
【0012】
用語「単一の」は、別個のホルダー及びライナーのような別個の操作部分を必要としないために、結合した別個の部分から形成され、調和した統一体を形成している吸収性物品を指す。
【0013】
用語「おむつ」は、一般に乳幼児及び失禁症者により胴体下部周りで着用されるとともに、シートの一般形態を有し、その異なる部分が互いに締結されて着用者の腰及び脚を取り囲む吸収性物品を指す。
【0014】
用語「トレーニングパンツ」とは、一般に乳幼児及び失禁症者によって胴体下部周りで着用されるとともに、緩めずに着用者に適用できるか又は着用者から取り外しできる一対のショートパンツの一般形態を有する吸収性物品を指す。
【0015】
用語「再締結可能な」は、ほぼ恒久的に変形又は断裂することなく、2つの要素を解放可能に取り付け、分離できる特性、またその後に解放可能に再取り付けできる特性を指す。
【0016】
用語「解放可能に取り付けられた」、「解放可能に係合された」、及びその異形は、2つの要素を、該要素の一方若しくは両方に加わる分離力がないときに結合し続ける傾向があるように結合すること又は結合できること、また該要素を、ほぼ恒久的な変形又は裂断なしに分離できることを指す。必要とされる分離力は、通常は、吸収性衣類の装用中に遭遇する分離力を超えるものである。
【0017】
用語「排泄しつけ」は、自発的に尿及び糞便を留める能力である抑制力を育成することを指す。抑制できない者は、身体排泄物を自発的に留めることができずに反射的に排尿や排便をする。例えば、新生児は抑制することができない。抑制力の育成と同時に、子供は、通常は自発的に排尿や排便する能力を伸ばして、反射的に排泄しなくなる。介護者が連想的な方法及び条件付けの方法を通じて子供をしつけることにより、反射的な排泄の代わりに、この抑制力及び自発的な排泄の育成を加速及び/又は誘導することがある。本発明の目的上、用語「排泄しつけ」は、抑制力そのもの、及び抑制力に関連した自発的な排泄の両方のしつけを示すために使用される。用語「排泄しつけ」は、用語「おまるのしつけ」と同義であることも留意される。
【0018】
用語「長手方向」は、物品の最長直線の長さに平行に走る方向を指し、長手方向の±45°以内の方向を含む。
【0019】
用語「横方向」又は「横断方向」は、長手方向に対して90度の角度で走る方向を指し、横方向の±45°以内の方向を含む。
【0020】
用語「x−y平面」は、その長さと幅とにより画定されたシート材の概ね平面的な構造を指し、シート材が平坦であるか湾曲しているか否かにかかわらず、シート材の2つの主要表面の間にある。
【0021】
用語「z−方向」は、シート材の厚みを通る方向を指し、x−y平面に概ね直交する。
【0022】
用語「設けられた」は、他の要素と一体構造で特定の場所又は位置に取り付けられ、配置された要素を指す。
【0023】
用語「取り付けられた」は、合わせて取り付けられる要素及びそれらの構成材料に適した任意の方法により、締結、接着、結合などにより接続された又は一体化された要素を指す。要素を合わせて取り付けるのに適した多くの方法が周知であり、接着剤結合、圧力接着、熱接着、機械的締結などが含まれる。かかる取り付け方法は、特定領域で連続的に又は断続的に要素を合わせて取り付けるために使用されてもよい。
【0024】
用語「貼着性」は、それ自体には膠着するが、他の材料には有意な程度に膠着しない材料の特性を指す。
【0025】
用語「近位」及び「遠位」は、各々、構造の中央に比較的近い要素又は遠い要素の位置を指し、例えば、長手方向に伸びる要素の近位縁は、同じ要素の遠位縁が同じ長手方向軸線に対して位置するよりも、長手方向軸線の近くに位置する。
【0026】
用語「内部」及び「外部」は、各々、吸収性物品が着用されるときに着用者の身体に接して又は向って配置されることを意図する要素の位置、及び吸収性物品の上に着用されるいずれかの衣類に接して又は向かって配置されることを意図する要素の位置を指す。「内部」及び「外部」の類義語としては、各々、「内方」及び「外方」、並びに「内側」及び「外側」が挙げられる。また類義語としては、吸収性物品の内部が上方に面するように配向されるとき、例えば、吸収性物品の上部に着用者を配置する準備をして吸収性物品を展開するとき、各々、「上方」及び「下方」、並びに「上部」及び「底部」が挙げられる。
【0027】
用語「透水性」及び「非透水性」は、使い捨て吸収性物品の意図される用途に関する材料の浸透性を指す。特に、用語「透水性」は、押しつける圧力がないときに液状の水がその厚さを通過するのを許容する孔、開口部、及び/又は結合された空隙を有する層又は層状構造体を指す。逆に、用語「非透水性」は、押しつける圧力がないときに液状の水がその厚さを通過できない層又は層状構造体を指す。この定義に従う非透水性である層又は層状構造体は、水蒸気に対して透過性であってもよい、すなわち、「水蒸気透過性」であってもよい。かかる水蒸気透過性の層又は層状構造は、一般に、当該技術分野において「通気性」として既知である。当該技術分野において周知であるように、吸収性物品において典型的に使用される材料の、水への透過性を測定するための一般的な方法は、静水圧試験であり、静水頭試験又は単に「水頭試験」とも呼ばれる。水頭試験に適した周知の簡潔な方法は、INDA(元国際不織布・使い捨て用品協会(International Nonwovens and Disposables Association)、現在の不織布工業協会(Association of the Nonwoven Fabrics Industry))及びEDANA(欧州使い捨て用品・不織布協会(European Disposables And Nonwovens Association))によって承認されている。
【0028】
用語「遅らせる」は、液体水の流動の妨害又は阻止を指す。用語「流動制御層」に関して、両用語はともに、層状構造における異なる層は透水性であるが、液体水、及び同様に本質的に水性である体外排泄物をそれぞれの厚みに通過させる各々の流量の点で異なってもよいという事実を指す。例えば、毛管チャネルを含み、いかなる押しつける圧力がなくてもその厚みを通って液体水がウィッキングする層は、透水性であるとみなされる。しかし、液体水がかかる層の厚みを通過できる流量は、液体水が、毛管チャネルとしての役目を果たすにはあまりにも大きすぎる穴を含む層の厚みを通過できる流量より少なくてもよい。同様に、どちらも毛管チャネルを含むとともに、いかなる押しつける圧力がなくてもその厚みを通って液体水がウィッキングする2つの層は、どちらも透水性であるとみなされる。しかし、複数層のうち1層における毛管チャネルは、他の層におけるそれらとは寸法が異なってもよく、あるいは他の層におけるそれらより数が多くてもよく、結果として、1層を通る液体水のウィッキング流量は、他の層を通るそれより多くてもよい。従って、層状構造において、流動制御層として機能する1つの層は、流動制御層のない別の層がその厚みを通じて液体水を通過させるより多い流量に比べて、層状構造の厚みを通る液体水の通過を遅らせてもよい。流動制御層が不透水性であるとき、流動制御層は、押しつける圧力がないときに液体水がその厚みを通過するのを効果的に防ぎ、すなわち、液体水の通過の防止は、用語「遅らせる」の意味の中に含まれることが留意される。
【0029】
用語「可視的」は、通常の室内照明又は昼間の自然光の条件の下、裸眼で見える特質を指す。「可視度が向上」又は「可視度が低下」するとは、ほぼ一定の又は同等の照明の条件下で見たとき、目立つ程度まで可視度が変化することを意味する。
【0030】
用語「可視的強調部」は、例えば、配色、色相、又は色調が異なることによって、明るさ、暗さ、又はコントラストが異なることによって、図柄又はべた一色の色形態の有無により区別することによって、又は目に見える著しい区別を生じさせる働きをする他のいずれかの変形によって、その周囲よりも著しく目立つように対象を可視的に区別することを指す。
【0031】
用語「着色」は、対象物若しくは対象物の一部の中及び/又は上に色をつけることあるいは色を組み合わせることによって生み出された効果を指す。
【0032】
用語「配色」は、特に対象物を可視的に強調する目的で対象物又は対象物の一部を目に見えて区別するために使用された場合、着色の配合又は程度を指す。
【0033】
用語「べた一色」は、幾つかの図柄の分離した線状の形とは対照的に、中断されていない、即ち途切れていない区域の着色を指す。
【0034】
用語「図柄」は、絵の形態におけるグラフィックアート又は図柄的表現の生成を指す。
【0035】
用語「連想的な相関関係」は、可視的強調部と可視的強調部が連想的に相関しているものとの間に相互的又は相補的な関係を確立し、二者の間に連想即ち心的繋がり又は結び付きを形成することを指す。この用語は、吸収性物品の中又は上で、可視的強調部のそれぞれの可視的形態と外から見える印とを連想的に相関させる状況において、並びに可視的強調部と排尿しつけの概念とを連想的に相関させる状況において使用される。例えば、連想的に相関した図柄は、着用前に吸収性物品を見るときに協調して排尿しつけの機会に関心を引き付け、着用中に吸収性物品の内部にある湿潤感知部材の存在を外から見て思い出させるなどの働きをしてもよい。同様に、排尿しつけに関する話題(乾燥、湿り気、又は湿り気からの保護など)を視覚的に引用する可視的強調部は、可視的強調部を排尿しつけの概念と連想的に相関させる働きをして、それにより排尿しつけの機会を容易にしてもよい。
【0036】
用語「相互作用的に相関した」、「相互作用的に関連のない」、「主題において関連した」、「主題において関連のない」、及び「一般的な物語の筋書きにより関連付けられた」は、米国特許第6,297,424号(オルソン(Olson)ら、2001年10月2日発行)、米国特許第6,635,797号(オルソン(Olson)ら、2003年10月21日発行)、及び米国特許第6,307,119号(カマロタ(Cammarota)ら、2001年10月23日発行)と同じ意味を有することを意図する。
【0037】
図1は、その平らに展開した非収縮状態、すなわち、伸縮性により生じる収縮のない状態における代表的な使い捨て吸収性物品20の平面図であり、構造体の部分は、使い捨て吸収性物品20の下層構造をより明瞭に示すために切り取られ、着用者に接触する使い捨て吸収性物品20の部分は、見る人に向いている。使い捨て吸収性物品20は、長手方向軸線42と横断方向軸線44とを有する。使い捨て吸収性物品20の一末端部は、使い捨て吸収性物品20の第1腰部区域36として構成されている。反対側の末端部は、使い捨て吸収性物品20の第2腰部区域38として構成されている。腰部区域36及び38は、一般に、着用時に着用者の腰を取り囲む使い捨て吸収性物品20の部分を含む。腰部区域36及び38は弾性要素を含み、着用者の腰周りで縮んで改善されたフィットと封入性を提供してもよい。使い捨て吸収性物品20の中間部分は、第1及び第2腰部区域36及び38の間で長手方向に延びる股区域37として構成されている。股区域37は、使い捨て吸収性物品20が着用されたときに着用者の脚の間に概ね配置される、使い捨て吸収性物品20の部分である。使い捨て吸収性物品20は、第1腰部区域36内の横方向に延びる第1腰部縁部136と、第2腰部区域38内の長手方向に対向するとともに横方向に延びる第2腰部縁部138とを有する。使い捨て吸収性物品20は、第1側縁部137と、横方向に対向する第2側縁部139とを有し、両側縁部は、第1腰部縁部136と第2腰部縁部138との間で長手方向に延びる。第1腰部区域36内における第1側縁部137の部分は137aで示され、股区域37内における部分は137bで示され、第2腰部区域38内における部分は137cで示される。第2側縁部139の対称部位は、各々、139a、139b、及び139bで示される。
【0038】
使い捨て吸収性物品20は、好ましくは、透水性トップシート24と、不透水性バックシート26と、トップシート24とバックシート26との間に入れられた吸収性コア28とを備える。トップシート24は、トップシート24とコア28との間に隙間を与えるために、及び/又は湿潤感知部材50を引き寄せて着用者の皮膚に接触させる傾向を有するために、完全に又は部分的に伸縮性であってもよく、あるいは収縮性であってもよい。伸縮性の又は収縮されたトップシートを含む代表的な構造は、米国特許第4,892,536号(デマレーズ(Des Marais)ら、1990年1月9日発行)、米国特許第4,990,147号(フリーランド(Freeland)、1991年2月5日発行)、米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら、1991年8月6日発行)、及び米国特許第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら、1993年12月14日発行)にさらに詳細に説明される。
【0039】
使い捨て吸収性物品20は、外側レッグカフ、バリアレッグカフ、前側及び後側耳パネル、ウエストキャップ機構、ゴム、及び同種のものなどの当該技術分野において既知の種々の機構を含んで、望ましいフィット、封入性、及び審美的特徴を提供してもよい。かかる追加的機構は、当該技術分野において周知であり、特に米国特許第3,860,003号及び米国特許第5,151,092号に記載されている。
【0040】
使い捨て吸収性物品20は、以下にさらに詳細に記載するとおり、腰部区域をサイドで互いに締結して物品をおむつのように適用するために使用できるとともに、物品を一対のプルオントレーニングパンツのように構成するためにも使用できる、再締結可能サイドシーム40を含む。
【0041】
使い捨て吸収性物品20は、湿潤感知部材を含む。湿潤感知部材用に適した幾つかの構造体は、米国特許第6,627,786号(ロー(Roe)らの名前で2003年9月30日発行)に記載されている。代表的な湿潤感知部材が図2に示されている。湿潤感知部材50は、身体に面する透水性層(上方の層)52と、該透水性層52と向かい合わせの構成で設けられた流動制御層54とを備える。流動制御層は、好ましくは、液体水に対しては不浸透性であり、蒸気に対しては浸透性であり、結果として通気性である。必ずしも必要ではないが、好ましくは、湿潤感知部材の幾つかの部分及び/又は湿潤感知部材が取り付けられている層は、例えば、弾性的に収縮、形成されて、相対的に外側に配置された別の層よりも短い長さを有するなどにより、湿潤感知部材を着用者の皮膚の方に引き寄せるように構成される。
【0042】
排尿中、透水性層は尿をz−方向に浸透させるとともに、ウィッキングにより尿をx−y平面に流すための媒体も提供する。流動制御層は、湿潤感知部材をz−方向に通る尿の通過を遅らせ、それにより湿潤感知部材の濡れた領域を拡大し、湿潤感知部材は、好ましくは着用者の皮膚と接触した状態に保持される。z−方向における制限された浸透とx−y平面におけるウィッキングとを組み合わせることにより、尿は、吸収性コアに吸収される前に広がって効果的に広い領域を湿らし、それによって着用者が経験する濡れの合図を最大化する。
【0043】
本発明の湿潤感知部材での使用に適する代表的な透水性層としては、不織布、発泡体、織布材などが挙げられる。透水性層は、親水性であるのが好ましい。本発明の湿潤感知部材での使用に適する代表的な流動制御層として、ポリオレフィンフィルム、微小多孔性又は通気性フィルム、その他のフィルム、及び疎水性不織布が挙げられる。好適な疎水性不織布には、SM(スパンボンドメルトブローン)、SMS(スパンボンドメルトブローンスパンボンド)、及びSMMS(スパンボンドメルトブローンメルトブローンスパンボンド)複合物が挙げられる。
【0044】
本発明の吸収性物品において、可視的強調部を物品の内部に設けて1つ又は複数の湿潤感知部材の存在を示し、それにより物品着用者の排尿しつけの機会を容易にしてもよい。かかる可視的強調部は、同一出願人による同時係属中の米国特許出願10/697,225(デイヴィス(Davis)らの名前で2003年10月30日出願)に記載されている。この可視的強調部のない湿潤感知部材は、はっきりとした濡れの合図を着用者に提供することに関しては十分に機能的であるけれども、吸収性物品の身体に面する部分が概ね均一の外観、例えば、吸収性物品内の身体側を向く面上の概ね均一な白い外観を呈している場合、介護者が、排尿しつけのための各機会を利用する可能性を見落としたり忘れたりすることがある。
【0045】
その上、一旦介護者が着用者に排尿しつけの話をすると決めたら、可視的強調部は、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、次に来る機会の説明に取り入れられることができる。従って、可視的強調部は、介護者と着用者の間に排尿しつけに関する話題を提供することができ、同様に着用者が呼ぶための名指しできる対象物を提供することができ、トイレに行く必要性を伝えたり、湿潤感知部材がもたらす濡れの合図に対する認識が改善されていることを伝えたりしたいと望む、着用者が必要とする精神的な作業を大いに単純化する。
【0046】
可視的強調部の簡素なべた一色の形態でさえ、色又は着色形態の幾らかの認識を持っている着用者が使用する場合は特に、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることができる。加えて、単色又は複数色の形態の可視的強調部は、色及び色の差異の認識の教育を容易にすることがあり、連合学習は次に、排尿しつけのプロセスを向上させることがある。
【0047】
湿潤感知部材は、吸収性物品の横方向の一般に中央領域と呼ばれる領域に位置しているので、湿潤感知部材を可視的に強調することにより、着用者が成し遂げる習得に関する付加利益をもたらすことがある。例えば、可視的に強調された湿潤感知部材は、2つの脚開口部の視覚的な分離に関する基準線を提供することがあるが、それぞれの足を対応する脚開口部に入れるよう左脚開口部と右脚開口部に分化されている。同様に、長手方向に向けられている可視的強調部は、介護者が行う場合は物品を付けさせる前に、あるいは着用者が行う場合は物品を着用する前に、どちらも物品の向きを合わせるために、前後方向に関する視覚的基準としての機能を果たしてもよい。この長手方向に向けられた視覚的基準はまた、トイレを使った後、長手方向の動作を用いて自分できれいに拭くといった技能の教育を支援することがある。可視的強調部に視覚的な注意を向けることにより、中央又は「真中」にあるものの概念を教育及び学習してもよく、次にこの概念を、尿の出口の解剖学的部位及びトイレの上に座るための対応する適切な位置など、関連する事項に適用してもよい。従って、上記の方法及び同様の方法において、着用者は、自分自身の体をさらに認識することができ、これにより排尿しつけの経験が向上したり容易になる傾向がある。
【0048】
加えて、可視的強調部は、着用者が排尿しつけに関わるほど十分に成熟していることを思い出させることにより、着用者の自尊心を高める働きをすることができる。着用者がトイレに行く必要性を理解することに成功し、次に、物品を引き下げた後に、物品内にある可視的に強調された湿潤感知部材の乾いた状態を見るとき、この効果を強めることができる。
【0049】
可視的強調部は、湿潤感知部材の表面上又はその複数層のうち一層に印刷する手段により設けられてもよい。例えば、透水性層の下にある流動制御層の表面上にべた一色又は図柄を印刷してもよい。別の例として、二層のどちらの表面上にも接着剤又はゲルを印刷してもよい。かかる接着剤又はゲルは、周囲の区域とは異なるように着色されてもよい。あるいは、接着剤又はゲルは、着色されなくてもよいし、又は周囲の区域と同じ色を有してもよいが、区別を示す隆起区域若しくは模様を形成することによって、及び/又は区別を示す凹み区域若しくは模様を取り囲むことによって、可視的強調部を尚も提供してもよい。
【0050】
可視的強調部はまた、例えば、着色された繊維を含む繊維層、分散又は固定した着色剤を含む一体層、その初期状態において着色されている未漂白の材料の層など、着色された材料の湿潤感知部材の1層以上の層を形成することによって設けられてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、湿潤感知部材若しくはその複数層のうち一層を型押し又はエンボス加工することにより設けられてもよい。湿潤感知部材の型押し、エンボス加工、又は接着された部分は、湿潤感知部材の存在及び位置を可視的に強調することに加えて、触感を提供してもよい。例えば、隆起区域若しくは凹み区域、又は互いに隣接した隆起区域と凹み区域との組み合わせは、手で感じられることがあり、また幾つかの実施形態では、物品の着用中に着用者により感じられることがある。同様に、上述したような印刷された接着剤又はゲルにより形成された隆起区域又は模様が、そのような触感を提供してもよい。可視的強調部のみの場合と全く同じように、可視的強調部とこの触感との組み合わせは、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、次に来る排尿しつけの機会の説明に取り入れられることができる。
【0052】
加えて、可視的強調部は、区別を示す繊維若しくはフィラメントを湿潤感知部材の一層又は両方の層に組み込むことにより、又はこれら複数層のうち一層の中に繊維若しくはフィラメントを区別を示すように配向することにより設けられてもよい。例えば、区別を示す色の繊維又はフィラメントを流量制御材の中に組み込んで、物品内におけるその存在とその位置を可視的に強調してもよい。同様に、二層のうち一層の中に区別を示すように厚い繊維又はフィラメントを埋め込んで、それにより区別を示す隆起区域又は模様を形成してもよい。
【0053】
湿潤感知部材を取り囲む吸収性物品の構造の部分が単色である場合、可視的強調部は、別の色を使用することにより、コントラストを使用することにより、同じ色若しくは類似の色の異なる模様を使用することにより、又は湿潤感知部材を周囲の構造要素から可視的に区別するあらゆる他の方法により、設けることができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、1を超える色、1を超えるコントラストの差異、1を超える模様、1を超える図柄、べた一色の1を超える区域などを含んでもよく、可視的強調部の形態の単数形を指すこの説明のあらゆる部分は、複数形を含むことを意図しており、逆もまた同様である。
【0055】
可視的強調部は、開いた又は閉じた幾何学的図形、三次元の物体の第2元的表現、一般的に名付けられた又は名付け得る形状若しくは物体の表現、遊戯において使用される認識可能な対象物の表現、及び/又はテディベアなどの着用者が知っている可能性のあるキャラクターの表現、子供向けテレビ番組に登場するキャラクター、子供向けゲーム若しくは物語本などに登場するキャラクターなどを含んでもよい。可視的強調部が種々の図形、物体、及び/又はキャラクターを含む実施形態において、可視的強調部の様々な要素は、主題により関係付けられて、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関係付けられて、相互作用的に相関してもよい。逆に、様々な要素は、主題により関連付けられず、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関係付けられず、相互作用的に関連しなくてもよい。
【0056】
べた一色を使用する場合、それは図柄の輪郭によって仕切られた区域を部分的若しくは完全に満たし、そのような図柄の輪郭の内側若しくは外側に漸次的な変化として現れ、それ自身が「充填された」図柄を形成し、又は単に途切れずに区域を占め、例えば、対応する長さの全体若しくは一部分にわたって湿潤感知部材の層の幅全体を占めてもよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、湿潤感知部材が濡れたときに可視度が向上又は低下してもよい。加えて、可視的強調部は、湿潤感知部材が濡れたときに色を変化させてもよい。これらの効果のいずれかは、尿によって濡れたときに化学反応に耐える、あるいは分散又は集中するインク若しくは染料若しくは他の作用剤を使用して生み出されてもよい。一般に、可視的強調部のこれらの変形に関して、外から見える湿り度インジケータ(濡れた時に可視度が向上又は低下するようになることがある、いわゆる「現れる」又は「消える」湿り度インジケータなど)において、及び濡れた時に色が変化することがある湿り度インジケータにおいて一般に使用される湿り度インジケータ組成物のいずれかを使用してもよい。
【0058】
湿潤感知部材の可視的強調部に使用されるあらゆる湿り度インジケータ組成物は、吸収性物品の外側から見える湿り指示部を設ける方法で構造的に配置されるのではなく、吸収性物品の身体側を向く面から見ることができなければならないことに留意することが重要である。この異なる配置により、物品の外側から見える湿り度インジケータのみを有する吸収性物品を使用するのに比べて、介護者は、本発明の吸収性物品を使用するときに排尿しつけの作業に異なる方法を適用することができる。例えば、外部の湿り度インジケータにおける変化は誰にでも見えるが、一方、内部の湿潤感知部材の可視的強調部におけるあらゆる変化は、介護者若しくは着用者のどちらかが吸収性物品の中を覗き込むか、又はそれを取り外すまで「隠れた」ままである。従って、何らかの吸収性物品の濡れが生じたか否かに関わらず、それ自身がゲームに似た遊戯的活動の焦点となることができ、介護者と着用者がゲームを終了することに同意する時だけ「秘密」が明らかになる。着用者が濡れた感覚に気付く場合、又は単に「隠れた」指示部の状態を確認したい場合、着用者は、簡単に吸収性物品の内側を見ることができる。可視的強調部の外観が変化した場合、着用者は、トイレに行くことを求める状況において、介護者の注意を可視的強調部に向けさせることを選ぶことができる。加えて、可視的強調部は、「隠れた」指示部としての働きをするので、着用者は、いずれかの外から見える湿り度インジケータの外観が変化する前にその外観の変化を見つけることができ、それによりトイレに行く話題について最初に言及する人物となり得る。その上、視覚的及び触覚的感覚の両方を着用者に提供することは、湿り気の感覚を強化する働きをし、それにより湿潤感知部材のしつけ効果を高めることがある。濡れた感覚と可視的強調部の外観における目に見える変化の両方により濡れを示す吸収性物品は、故に、着用者側でのより早い学習を手助けすることがある。
【0059】
可視的強調部の外観は、介護者若しくは着用者のどちらかが吸収性物品の中を覗き込むか又はそれを取り外すまでは「隠れた」ままであるが、吸収性物品の中又は上の他の場所に位置して吸収性物品の外側から見える印と可視的強調部を可視的形態で連想的に相関させてもよい。この外から見える印は、永続的であってもよく、又は吸収性物品が着用されている間に外観が変化してもよい。例えば、外から見える印は、外から見える湿り度インジケータであってもよい。湿潤感知部材の可視的強調部に、外から見える印の可視的形態に類似する可視的形態を与えることにより、排尿しつけの機会を向上させてもよい。例えば、介護者は、外から見える印と湿潤感知部材の「隠れた」可視的強調部との類似点を指摘し、外から見える印に気付く度に隠れた可視的強調部を思い出すよう着用者に求めることができる。
【0060】
可視的強調部の外観が濡れることによる影響を受けない実施形態においてさえ、外から見える印と可視的強調部のそれぞれの可視的形態の連想的な相関関係は、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることがある。例えば、外から見える印と可視的強調部の両方が類似する図柄の可視的形態を有する場合、外から見える印は、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、進行中の排尿しつけの機会の説明に取り入れられることができる。
【0061】
それぞれの可視的形態が類似していなくても、それぞれの可視的形態が認識可能な方法で相互に関係している限り、外から見える印と可視的強調部のそれぞれの可視的形態のそのような連想的な相関関係を達成することができる。例えば、可視的形態は、主題の中で関連付けられてもよく、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関連付けられてもよく、及び/又は相互作用的に相関してもよい。外から見える印の簡素なべた一色形態と可視的強調部の類似するべた一色形態の連想的な相関関係でさえ、色又は着色された形の幾らかの認識を持つ着用者に使用された場合は特に、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることができる。
【0062】
あるいは、可視的強調部は、外から見えるいかなる印とも連想的に相関していなくてもよい。連想的な相関関係の欠如は、全面的であっても特定的であってもよく、例えば、可視的強調部と外から見える印のそれぞれの可視的形態は、主題の点で無関係であり、一般的な物語の筋書きによって関連付けられず、及び/又は相互作用的に関連していないが、一方、別の方法で尚も連想的に相関していてもよい。
【0063】
湿潤感知部材の可視的強調部の可視的形態は、排尿しつけの概念と連想的に相関している必要はない。しかし、幾つかの実施形態では、可視的強調部の可視的形態は、例えば、湿り気、乾燥、湿り気からの保護、液体の流れ、水などの排尿しつけの液体に関する本質を視覚的に引用することにより、排尿しつけの概念と連想的に相関してもよく、故に、排尿しつけの機会を容易にする働きをしてもよい。
【0064】
可視的強調部は、太陽、天気雲、晴れた日などを描写することにより、乾燥を強調してもよく、一方、水たまり、雲と落下する雨などの描写により、湿り気について触れてもよい。湿り気からの保護について視覚的に引用するには、着用者が濡れた環境における乾燥維持の概念で連想する可能性のある、傘、レインコート、レインハット、防水用オーバーシューズ(galoshes)、潜水艦、又は他の何らかの物体を描写してもよい。
【0065】
排尿しつけの概念と連想的に相関した可視的強調部のこれらの可視的形態のいずれにおいても、可視的強調部に人の形及び/又は認識可能なキャラクターを描写してもよい。例えば、子供を無生物と併せて示してもよいし、幼児用便座に座っている子供を示してもよいし、及び/又は子供の物語本若しくは子供のテレビ番組からのキャラクターを類似する姿勢などで示してもよい。
【0066】
本発明による湿潤感知部材は、多種多様な構成にて吸収性物品に配置することもできる。更に、吸収性物品は、単一の湿潤感知部材又は複数の湿潤感知部材を含むことも可能である。いずれにしても、一つ以上の湿潤感知部材は、好ましくは、トップシートなどの要素若しくはウェブの一部であるか、又はそれに取り付けられ、着用者の皮膚に接触して確実に保持される。湿潤感知部材は、物品の長さの半分未満にわたる使い捨て吸収性物品の一部上に延びてもよく、あるいは物品の長さの半分よりも長くにわたる物品のかなりの部分上に延びてもよい。加えて、一つ以上の湿潤感知部材が、吸収性物品内に配置され、尿で濡らされる確率を増すことが好ましい。
【0067】
トップシート24とともに設けられた湿潤感知部材50を含む使い捨て吸収性物品20の代表的な実施形態が、図3a及び図3bに例示されている。この実施形態における湿潤感知部材は、トップシートに取り付けられた別々の複合部材である。湿潤感知部材は、身体に面する透水性層52と、該身体に面する層と向かい合わせの構成で設けられた流動制御層54とを備える。可視的強調部200は、図3aにおいて、波線及び円の代表的な模様として示されている。
【0068】
図4に例示される実施形態では、湿潤感知部材50は、弾性特性を有し、第一腰部区域36に取り付けられた第一長手方向末端部70と、第二腰部区域38に取り付けられた第二長手方向末端部72とを含む。加えて、部材50の中心部分74は、好ましくは、該部材を安定させて着用者への物品の適合を容易にし、排便を妨げるのを防ぐとともに、着用者の皮膚との良好な接触を確実にすべく、股部区域37に取り付けられる。
【0069】
図5a及び図5bに示される代替実施形態において、湿潤感知部材50の流動制御層54は、トップシート24の一部が湿潤感知部材50の透水性層52としての働きをするようにトップシート24の内面に取り付けられる。この実施形態では、トップシート24は、好ましくは弾性的に収縮され、湿潤感知部材50を偏向させて着用者の皮膚と接触させる。あるいは、この実施形態は、バックシートよりも長さが短く、該バックシートの長手方向末端部と隣接するトップシートの長手方向末端部を有するトップシートを含んでもよく、該トップシートは、使い捨て吸収性物品が着用者の周囲に適合されるときに押しつけられて着用者の皮膚と接触する。可視的強調部200は、図5aにおいて、ハート形の代表的な模様として示されている。
【0070】
本発明に従う吸収性物品は、物品の身体に面する表面上に設けられた複数の湿潤感知部材を含んでもよい。複数の湿潤感知部材を提供する実施形態の例が、図6a及び図6bに示されている。2つの流動制御層54a及び54bがトップシート24の底面に取り付けられ、2つの湿潤感知部材50a及び50bを形成する。この実施形態に関して、流動制御層54a及び54bは、トップシートが湿潤感知部材の透水性層52としての働きをすべく、トップシートと吸収性コア28との間に配置される。2つの流動制御層54a及び54bは、使い捨て吸収性物品20の長手方向中心線42に平行に離間して設けられている。この空隙は、十分な液体が、排尿中の吸収性物品の漏れに繋がり得る溢出を防止するためにコアへ通り抜けると同時に、十分な液体が、湿潤感知部材を形成する流動制御層に向かって流動及びウィッキングするように決定される。流動制御層間の空隙は、約10mmであり得るが、約5mm〜約15mm及び約8mm〜約12mmの範囲であり得る。図6a及び図6bに示される実施形態は、2つの湿潤感知部材のみを有するが、3つ以上の湿潤感知部材を有する他の吸収性物品の実施形態も考えられる。可視的強調部200は、図6aにおいて、細長い卵形の代表的な模様として示されている。
【0071】
図6a及び図6bに示されるように、流動制御層の空隙は、トップシート24における細長いスリット開口部80のための空間を提供する。細長いスリット開口部80は、着用者からの糞便を受け取りそれを着用者の皮膚から隔離するように適合されている。スリット開口部80に隣接して位置する伸縮性区域82a及び82bは、使用中にスリット開口部を着用者の肛門と位置整合して維持する。伸縮性区域はまた、湿潤感知部材を着用者の皮膚に向かって偏向させて、使用中にそれらの接触を維持してもよい。細長いスリット開口部を含む代表的な伸縮性トップシートが、米国特許第6,482,191号(ロー(Roe)らの名前で2002年11月19日に発行)に開示されている。あるいは、湿潤感知部材の流動制御層54a及び54bは、弾性的に収縮されて、トップシートに設けられた伸縮性区域により提供されるものに類似した利益を提供してもよい。
【0072】
図7a及び図7bに示される別の代替実施形態では、トップシート24は、先の実施形態と同様に透水性層52としての働きをする。しかし、流動制御層54a及び54bは、トップシート24内で使い捨て吸収性物品20の長手方向長さに沿って形成された、向かい合って面する2つの平行なZ形折り畳み部90a及び90b内に設けられ、こうして2つの湿潤感知部材50a及び50bを形成する。Z形に折り畳まれたトップシートは、トップシート24の長手方向縁部に沿って下地層に取り付けられ、したがって、トップシートのZ形折り畳み部の間の部分を自由に浮かせるようにしてもよい。長手方向に延びる弾性要素92a及び92bは、Z形に折り畳まれたトップシートの中心部分を吸収性コア28から離して偏向させるべく、流動制御層54a及び54bに沿って配置される。弾性要素は、図7bに示すように流動制御層54a及び54bの外縁部に沿って設けられてもよく、あるいは、流動制御層と向かい合わせの配置で設けられてもよい。Z形に折り畳まれたトップシートと弾性要素の組み合わせは、使い捨て吸収性物品が着用者の周囲で弛むか又は緩くフィットする場合に、湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触させて維持する。可視的強調部200は、図7aにおいて、星形の代表的な模様として示されている。
【0073】
Z形折り畳み部間のトップシートの部分が、臀部の溝に押し込まれること、及び図7a又は図7bに図示されないバリアレッグカフに干渉することを防ぐべく、Z形折り畳み部間の空隙は、約65mmであり得、また約50mm〜約90mmの範囲であり得る。さらに、Z形折り畳み部間のトップシート部分の偏向を制御するべく、接着剤、超音波結合、高周波結合又は偏向を制御する他の好適な手段を使用して第一腰部区域、第二腰部区域及び股部区域のZ形折り畳み部間に横断方向の結合が形成されてもよい。これらの横断方向の結合により、Z形に折り畳まれた区分をトップシートの身体に面する表面に取り付け、Z形折り畳み部間の区分を下にあるコアに取り付けてもよい。
【0074】
湿潤感知部材の層としての働きをするトップシートの部分に代わるものとして、バリアレッグカフなどの使い捨て吸収性物品の、その他の構成要素が、かかる層としての働きをしてもよい。バリアレッグカフは、透水性材料又は不透水性材料のどちらから作ってもよい。いずれの場合でも、バリアレッグカフ材料が湿潤感知部材の層のうち一層としての働きをしてもよい。このような代表的な実施形態では、バリアレッグカフの構造は、好ましくは湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触して保持し、着用者の脚及び/又は股のひだに対して湿り気の感覚を与える。
【0075】
バリアレッグカフが湿潤感知部材の層としての働きをする代表的な実施形態が、図8a及び図8bに示されている。この実施形態に関する使い捨て吸収性物品20は、不透水性材料から作られたバリアレッグカフ100a及び100bを含んでおり、各バリアレッグカフの部分は、それぞれの湿潤感知部材の流動制御層としての働きをする。透水性層110は、バリアレッグカフの各々の長さに延び得、好ましくは、少なくとも股領域37及び前腰部領域36の長さに延びる。透水性層110は、好ましくは、使い捨て吸収性物品20の長手方向軸線42に最も近いカフの部分上に設けられて、排尿中に濡らされる可能性が増す。図8a及び図8bに示されるように、バリアレッグカフ100a及び100bは、レッグカフをトップシート24から離して着用者の皮膚の方へ偏向させる働きをする弾性要素108a及び108bを含む。可視的強調部200は、図8aにおいて、斜線の代表的な模様として示されている。
【0076】
バリアレッグカフが湿潤感知部材の層としての働きをする別の代表的な実施形態が、図9a及び図9bに示されている。この実施形態では、バリアレッグカフ100a及び100bは、透水性材料で作られ、その他の点では図8a及び図8bに示した実施形態と同様に構成されている。しかし、この実施形態では、バリアレッグカフ材料が湿潤感知部材150a及び150bの各々の身体に面する透水性層としての働きをするので、流動制御層54a及び54bは、吸収性コアと、バリアレッグカフ材料によって形成されたそれぞれの各透水性層との間に配置されている。可視的強調部200は、図9aにおいて、楕円形の代表的な模様として示されている。
【0077】
下記に開示される湿潤感知部材の実施形態は、着用者の皮膚と接触して保持されるときに最も効果的に機能する。湿潤感知部材の身体に面する部分は、使用中に着用者の皮膚と確実に接触すべく、使用中に湿潤感知部材を適所に保持するように作用する局所接着剤などの身体接着性組成物を含んでもよい。身体接着性組成物は、湿潤感知部材の身体に面する表面の少なくとも一部に塗布されてもよい。しかし、身体接着性組成物はまた、湿潤感知部材の身体に面する層を構成する材料と一体化させてもよい。さらに、身体接着性組成物は、線、縞、点などを含むがこれらに限定されない任意の模様又は構成で、着用者の皮膚に接触する湿潤感知部材のどの部分上に設けられてもよい。かかる身体接着性組成物は、米国特許第4,231,369号、第4,593,053号、第4,699,146号、第4,738,257号、第5,726,250号、第4,078,568号、第4,140,115号、第4,192,785号、第4,393,080号、第4,505,976号、第4,551,490号、第4,768,503号、第5,614,586号、及び第5,674,275号、並びにWO 94/13235A1として公開されたPCT特許出願に開示されたものなど、着用者の皮膚に解放可能に付着できる1以上の物質のいずれかを含んでもよい。
【0078】
先に述べたとおり、使い捨て吸収性物品20は、腰部区域をサイドにて互いに締結して物品を着用者の身体上におむつのように適用するために使用できるとともに、物品を一対のプルオントレーニングパンツのように構成するためにも使用できる再締結可能サイドシームを含む。これらの再締結可能サイドシームは、上記の排泄しつけの際の物品の使用に関する著しい相乗利益を含む、幾つかの利益を提供する。ユーザは、物品を着用者の身体上に適用する前に再締結可能サイドシームを締結することができ、次に、物品を一対のプルオントレーニングパンツのように適用することができる。物品の内部を調べるためにアクセスするには、及び/又は着用中にそのフィットを調整するには、物品を着用者の身体上に適用した後、再締結可能サイドシームを開放及び再締結する。当然ながら、サイドシームは、物品を一対のトレーニングパンツの形態のまま脚及び足を通して引き下げて取り外す代わりに、開かれて、物品を最終的に取り外して処分することもできる。
【0079】
再締結可能サイドシームはまた、製造業者、卸売り業者及び/又は小売業者がかかる予め締結された提示の仕方を望む場合、消費者に販売する時点より前に物品を一対のトレーニングパンツの形態に予め構成するのを容易にする一方、ユーザに、物品をおむつのように適用する準備をするためサイドシームを開く代替方法もまた提供する。例えば、本発明の使い捨て吸収性物品に似た幾つかは、輸送及びその後の販売のため、そのサイドシームを締結した後に一緒にパッケージすることによって予め構成されてもよい。パッケージは、いかなる望ましい形態、例えば、封止フィルムバッグ内に収容された折り畳まれた物品の積み重ね体、閉じたカートン内の折り畳まれた物品の積み重ね体、又は閉じた容器内に収容された多数の物品のその他いずれかの形態をとってもよい。ユーザが予め締結された各物品を包みから取り出して使用準備をするとき、ユーザは、サイドシームが締結されたままで、すなわち、一対のトレーニングパンツとして構成されたままで物品を適用するか、又はサイドシームを開いて物品を着用者の身体に対して適切に配置した後にサイドシームを再締結することにより物品をおむつとして適用するかを決めることができる。故に、包み内の物品が予め締結されているか否かにかかわらず、ユーザには、再締結可能サイドシームを有する各物品を一対のトレーニングパンツとして適用するか、又は後にサイドシームで締結されなければならない開いたおむつとして適用するかを選択する余地が与えられている。
【0080】
幾つかの既存の使い捨て吸収性物品は、再締結可能サイドシームを有している。しかし、排泄しつけ年齢の子供のように幾らか年上の子供は、従来の再締結可能サイドシームを開き、それにより使い捨て吸収性物品を取り外せることがある。子供は意図的に物品を取り外そうと試みることがあり、又は単に再締結可能サイドシームを操作して不注意に物品を取り外すことがある。したがって、子供がサイドシームを開くのを防ぐのを助ける一方、大人の介護者に随意にサイドシームを開いたり再び締結させる目的で、再締結可能サイドシームへのアクセスを制限する及び/又はサイドシームの開放を従来の再締結可能サイドシームの開放よりも比較的難しくする要素を含むのが望ましいことがある。
【0081】
再締結可能サイドシーム40の実施例が図10に示されている。この実施形態では、第1締結構成要素43は、第2腰部区域38内で第1側縁部の部分137cに隣接して使い捨て吸収性物品20の内部上に設けられており、別の第1締結構成要素43は、第2腰部区域にある第2側縁部の部分139cに隣接して使い捨て吸収性物品20の内部上に設けられている。側縁部の部分137cは、閉じて締結する前又は再び開いた後などの、開いた状態で示されている。対向する側縁部の部分139cは、締結されて、すなわち、パンツ形状を形成して示されている。図10では、第2腰部区域38は、互いに締結されたときに第1腰部区域36と重なり合う。あるいは、第1締結構成要素43は、第1腰部区域36内で物品20の内部上に設けられて、互いに締結されたときに第1腰部区域36が第2腰部区域38と重なり合ってもよい。加えて、第1締結構成要素43は、物品20の内部上ではなく外部上に設けられてもよい。
【0082】
第1締結構成要素は、対向する腰部区域の合わせ面に押しつけられたときに解放可能に固着する、いずれかの材料及びいずれかの形態で形成されてもよい。例えば、第1締結構成要素は、不織布シート状の繊維で形成されたループと係合する複数のフックを用いるなど、合わせ面と解放可能に係合する機械的締結具であってもよい。あるいは、第1締結構成要素は、合わせ面に解放可能に付着する接着剤であってもよい。
【0083】
以下にさらに詳細に記載されるように、第1締結構成要素はまた、別個の噛み合う締結構成要素と相互に作用してもよい。例えば、フックを含む機械的な第1締結構成要素が、ループを含む別個の噛み合う締結構成要素と係合してもよい。同様に、接着性の第1締結構成要素が、とりわけ良好な接着のために選択された別個の噛み合う締結シートに付着してもよい。さらに同様に、粘着性の第1締結構成要素が、噛み合う粘着性締結構成要素に粘着してもよい。締結構成要素の各々は、方形、円形、卵形、波形など、いずれかの好適な形状を有してもよい。形状は、締結構成要素の面積を最大化又は最小化すること、特有の外観を締結構成要素に付与すること、物品を特定の方法で着用するときに締結構成要素が受ける応力及び力を分散することなど、種々の基準に従って選択されてもよい。
【0084】
再締結可能サイドシームの別の実施例が図11に示されている。この実施形態では、第1締結構成要素43は、第1腰部区域にあるそれぞれの側縁部の部分137a及び139aに隣接して使い捨て吸収性物品20の外部上に設けられている。別個の噛み合う締結構成要素45が、これに対応して、第2腰部区域38内でそれぞれの側縁部の部分137c及び139cに隣接して物品20の内部上に設けられている。加えて、第2締結構成要素46が、第1締結構成要素43に横方向に隣接して設けられている。
【0085】
第1締結構成要素と別個の噛み合う締結構成要素の両方が存在する場合、使い捨て吸収性物品の内部及び外部に対するそれらの配置は、一般に互換可能であり、すなわち、それらは図11に示されるように設けられてもよいし、又は第1締結構成要素が内部に設けられてもよいし、噛み合う締結構成要素が内部に設けられてもよい。同様に、第1腰部区域及び第2腰部区域に対するそれらの配置は、一般に互換可能であり、すなわち、それらは図11に示されるように互いに締結されたときに第2腰部区域38が第1腰部区域36と重なり合うよう設けられてもよいし、又は互いに締結されたときに第1腰部区域36が第2腰部区域38と重なり合うよう設けられてもよい。加えて、第2締結構成要素は、図11に示されるように、第1締結構成要素と同じ表面上で第1締結構成要素に隣接して設けられてもよいし、あるいは、合わせ面上に及び/又は別個の噛み合う締結構成要素に隣接して設けられてもよい。一般に、上記の説明から明白であるように、第1締結構成要素(単数又は複数)の当初の配置は、対向する腰部区域を重なり合った構成で互いに締結してそれらの間に締結構成要素(単数又は複数)を挟むことができる限り、重要ではない。
【0086】
図12に示される代表的な実施形態では、第2締結構成要素の各々は、隣接した噛み合う第1締結構成要素によって形成された解放可能な取り付け部に隣接して、重なり合った腰部区域の部分を互いに締結する働きをする。図12に示されるように、第2締結構成要素は、第1締結構成要素43と、締結されたサイドシーム40において外側に重なり合う側縁部の部分137cとの間に設けられた場合、第1締結構成要素に横方向に直接アクセスするのを制限及び/又は阻止することがあり、それにより使い捨て吸収性物品を着用している子供がサイドシームを開くことを防ぐのに役立つ。第2締結構成要素は、この防護性を高めるべく、第1締結構成要素と、外側に重なり合う側縁部との間に設けられていることに加え、第1締結構成要素と重なり合ってもよく、それにより、指が入り込んで重なり合う腰部区域から緩んだ重なり合う腰部区域をこじ上げ得る、2つの間で横方向に延びるいかなる隙間をも排除する。あるいは又は加えて、第2締結構成要素は、内側に重なり合った側縁部と、第1締結構成要素(すなわち、図12に示される第2締結構成要素に横方向に対称的に対応する)との間に設けられてもよい。
【0087】
あるいは又は加えて、第2締結構成要素は、第1締結構成要素と隣接した腰部縁部との間に、及び/又は第1締結構成要素と股区域との間に設けられてもよい。このように締結サイドシームにおいて第2締結構成要素が第1締結具に対して長手方向に隣接して設けられていることにより、単に横方向に隣接した配置に比べ、第1締結具へのアクセスをより効果的に制限してもよい。第2締結構成要素はまた、第1締結具に横方向に隣接するとともに長手方向に隣接して設けられてもよい。例えば、図13に示される第2締結構成要素46は、第1締結構成要素43の三方の周囲に延び、サイドシームが締結されるときに第1締結構成要素と、外側に重なり合う側縁部部分137c、隣接した腰部縁部136、及び股区域37の各々との間に配置される。図13に示されるような連続的に延びる第2締結構成要素に代わるものとして、1を超える別個の第2締結構成要素及び/又は部分に区切られた第2締結構成要素が設けられてもよい。例えば、図11のような別個の横方向に隣接した長手方向に延びる第2締結具が、1以上の別個の長手方向に隣接した横方向に延びる第2締結具(単数又は複数)と組み合わせて設けられて、図13の連続的な第2締結構成要素によって形成されたものに似た第2締結構成要素全体の模様を形成してもよい。
【0088】
第2締結構成要素は、第1締結構成要素に適したいかなる材料で形成されてもよい。幾つかの実施形態では、第2締結構成要素は、異なる材料の特異的性質の利点を生かすために第1締結構成要素とは異なる材料で形成されてもよい。例えば、使い捨て吸収性物品を着用するときに締結して、腰部区域が受けるフープ力に抵抗するときに十分な剪断強度を与えるべく、第1締結構成要素として機械的締結具を用いてもよい。機械的締結具は、ほぼ全ての剪断力に抵抗し、また第2締結構成要素に加わる唯一の力は、介護者が第1締結構成要素にアクセスしたいと望むときに加わる剥離力であるから、対応する第2締結構成要素として接着剤を使用してもよい。第2締結構成要素は、好ましくは開いた後に再締結可能であり、第1締結構成要素を開放及び再締結した後、第1締結構成要素へのアクセスを制限するために使い続けることができる。
【0089】
再締結可能サイドシームの別の実施例が図14、図15、及び図16に示されている。この実施形態では、第1締結構成要素43は、第2腰部区域38内で第1側縁部の部分137cに隣接して使い捨て吸収性物品20の内部上に設けられており、別の第1締結構成要素43は、第2腰部区域にある第2側縁部の部分139cに隣接して使い捨て吸収性物品20の内部上に設けられている。加えて、第2締結構成要素46が第1締結構成要素の各々に横方向に隣接して設けられている。これらの第2締結構成要素46は、第1腰部区域36内で第1側縁部の部分137aに隣接して、及び第1腰部区域にある第2側縁部の部分139aに隣接して、腰部区域を突縁付きの構成で互いに締結する働きをする。
【0090】
図14に示されるように、第1締結構成要素43を締結せず、第2締結構成要素46を使用して、腰部区域を突縁付きの構成で互いに締結することができる。次に、図15に示されるように、さらに第1締結構成要素を締結して再締結可能サイドシーム40を形成してもよく、再締結可能サイドシームにおいて、腰部区域は、それらが第1締結構成要素43によって互いに締結されている場所で重なり合い、第2締結構成要素46によって互いに締結される場所で突縁付きの形状で構成されている。最初に、腰部区域を第2締結構成要素46のみによって互いに締結し、かように使い捨て吸収性物品を一対のトレーニングパンツとして構成してもよい。次に、物品を脚を通して引き上げることにより着用者の身体上に適用した後、第1締結構成要素43を使用して、物品を適所にしっかりと固定してもよい。
【0091】
図15を参照して理解できるように、第1締結構成要素43は、重なり合った腰部区域上にいかなる選択位置で配置されてもよく、重なり合った腰部区域は、対向する腰部区域上にいかなる選択距離で重なってもよい。重なり部の距離は、所望どおりに、例えば、ゆるく、きつくなど、使い捨て吸収性物品を着用者上にフィットさせるよう選択されてもよい。例えば、図15に示されるように、第2腰部区域38は、第1腰部区域にある必要な幅の折り畳み部48を生み出すことにより、着用者の腰周りで望ましいきつさのフィットを生み出す距離で第1腰部区域36上に重なり合ってもよい。換言すれば、重なり合った腰部区域は、望む限りきつく締められ、次に、第1締結構成要素43によって重なり合う腰部区域に締結されて、こうして達成されたきつさを維持してもよい。詳細には、使い捨て吸収性物品は、第2締結構成要素は意図された寸法の着用者の腰周りのフィットが比較的ゆるくなるように配置された状態で締結されるとともに、第1締結構成要素は開いた状態でパッケージされてもよい。かかる形状は、ユーザに対し、物品を着用者の身体上に容易に適用できる一対のトレーニングパンツとして提示する。適用後、第1締結構成要素を用いて、ある期間にわたって着用するための望ましいフィットを達成することができる。
【0092】
図16では、第2腰部区域38内の側縁部の部分137cは、例えば、腰部を締めて第1締結構成要素43を第1腰部区域36に締結する前又は再び開いた後、開いた状態で示されている一方、隣接した第2締結構成要素46は、既に締結されて示されている。対向する側縁部の部分139cは、締結された状態、すなわち、第1締結構成要素43及び第2締結構成要素46の両方が第1腰部区域36及び第2腰部区域38を互いに締結している状態でパンツ形状を形成して示されている。
【0093】
上述の通り、第2締結構成要素は、第1締結構成要素に適したいかなる材料で形成されてもよく、及び/又は異なる材料の特異的性質の利点を生かすべく、第1締結構成要素とは異なる材料で形成されてもよい。加えて、少なくとも図14、図15、及び図16に示される実施形態では、例えば、使い捨て吸収性物品を一対のトレーニングパンツとして構成すること、及び再締結可能サイドシームを締め付け機構の形態で提供することが望ましい場合、第2締結構成要素は、結合、封止、又は別の方法で対向する腰部区域をそれらの共通の側縁部に隣接して互いに取り付けることによって形成されてもよい。例えば、第2締結構成要素は、着用者の意図された寸法の腰周りのフィットが比較的緩く、物品の内部を調べるために望ましい程度のアクセスを提供するように位置してもよい。次に、再締結可能な第1締結構成要素を使用して重なり合った腰部区域を締めて、着用者上で望ましいフィットを達成してもよい。物品の内部を調べることが望ましいときはいつでも、第1締結構成要素を緩め、調べ終えてから後に再締結してもよい。その上、結合、封止、若しくは別の方法で腰部区域を互いに取り付けることにより形成される第2締結構成要素は、脆くてもよく、例えば、腰開口部の寸法を大きくするために及び/又は使用後に物品を取り外すために緩めて、腰部区域を互いに分離することができる。かかる実施形態では、再締結可能な第1締結構成要素は、腰部区域を互いに締結するために尚も使用されてもよく、物品の内部を調べるために及び/又は使用後に物品を取り外すために尚も開かれてもよい。
【0094】
再締結可能サイドシーム、再締結可能サイドシームを形成する締結構成要素、及びそれらを形成するのに適した材料の幾つかの形態は、米国特許出願公開US 2003/0060794(オルソン(Olson)の名前で2003年3月27日公開)に記載されている。再締結可能なサイド締結具を形成する方法、並びに製造及びパッケージ中にそれらを保護する方法は、米国特許第6,428,526号(ハインデル(Heindel)らの名前で2002年8月6日発行)に記載されている。幾つかの代替物の中でもとりわけ、かかるサイドシーム、締結構成要素、材料、及び方法を使用して本発明の使い捨て吸収性物品を製造してもよい。
【0095】
すべての特許、特許出願、及びそれに基づいて発行された任意の特許、並びに関連して発行された任意の外国特許出願、並びに本出願において列挙及び/又は参照した全ての刊行物の開示内容は、参考として本明細書に組み込まれる。しかし、参考として本明細書に組み込まれた文献のいずれか又は文献のいかなる組み合わせも、本発明を教示又は開示することが認められないのは明らかである。
【0096】
本発明の特定の実施形態及び/又は個々の特徴について図示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。更に、このような実施形態及び特徴のすべての組み合わせが可能であり、またこれにより本発明を好ましく実施できることも明らかである。従って、添付の請求項は、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】使い捨て吸収性物品の平面図。
【図2】本発明による湿潤感知部材の断面図。
【図3a】身体に面する表面上に設けられた湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図3b】湿潤感知部材の層を例示する図3aに示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図4】湿潤感知部材の取り付けを例示するプルオン使い捨て吸収性物品の等角図。
【図5a】トップシートと一体化されている湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図5b】図5aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図6a】トップシートと一体化されるとともに、その間に細長いスリット開口部を挟んだ状態で長手方向軸線に平行に離間して設けられた、2つの湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図6b】図6aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図7a】Z形に折り畳まれたトップシートを有する使い捨て吸収性物品の平面図であり、2つの湿潤感知部材は、トップシートと一体化されるとともに、トップシートのZ形折り畳み部に設けられている。
【図7b】図7aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図8a】バリアレッグカフと一体化された湿潤感知部材を含むバリアレッグカフを有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図8b】図8aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図9a】バリアレッグカフと一体化されている湿潤感知部材を含むバリアレッグカフの代替形態を有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図9b】図9aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図10】代表的な使い捨て吸収性物品20の斜視図であり、その弛緩した収縮状態、すなわち、伸縮部材によって生じる収縮のある状態で示されている。図10において、着用者に向かって内側を向くとともに着用者に接触する物品20の内側部分は、上を向いて示されている。
【図11】同様に配向された別の斜視図。
【図12】図11において開いた状態で示される再締着可能なサイドシーム40の断面図であり、締結された状態のサイドシームを示している。
【図13】図10及び図11の図と同様に配向された別の斜視図であり、第2締結構成要素の代替形態を示している。
【図14】開いた状態で示される、代替的な再締結可能サイドシーム40の断面図。
【図15】締結された状態で示される、図14の再締結可能サイドシーム40の断面図。
【図16】代表的な使い捨て吸収性物品20の斜視図であり、その弛緩した収縮状態で、すなわち、弾性部材によって生じる収縮のある状態で示されている。図16において、着用者に向かって内側を向くとともに着用者に接触する物品20の内側部分は、上を向いて示されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンおむつ、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収性挿入物、おむつホルダー及びライナーなどを含む使い捨て吸収性物品に適用可能である。本発明は、特に排尿しつけで用いるために特に適合した使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の現代の使い捨て吸収性物品を着用するとき、1回以上の排尿の後でさえも子供の皮膚は乾燥していることがある。その結果、子供はほとんど又は全く不快を感じないことがあり、また排尿したことにさえ気付かないことも多い。しかし、子供に排尿後に「パンツ」内で不快感を感じさせることにより、自発的に尿を留めることを習得する動機を学習及び/又は提供するのを援助してもよい。皮膚をぬれた状態のままにするとともに、その高い通気性により、皮膚の蒸発冷却を促してさらに不快感を高める、布のトレーニングパンツを使用することが可能である。しかし、布のトレーニングパンツは、尿の封じ込め力に乏しく、衣類を濡らし、また周囲、例えば、敷物類、家具などを濡らすことが多い。
【0003】
使い捨て吸収性トレーニングパンツは、着用者の衣類及び周囲の汚れ防止の必要性に首尾よく対応する。これらの製品は、パンツが非常に肌着に似た外見を有しているので、特に介護者にとって魅力的であり、排泄しつけプロセスにおいて有用である。子供は、使い捨て吸収性物品製品と乳児を同一視しており、乳児と同一視されること又は乳児として見なされることを好まないことが多い。従って、排泄しつけ年齢の子供は、乳児用使い捨て吸収性物品を着用したがらず、その代わりに、成人用下着のように見えるトレーニングパンツを着用するのを好むことが多い。故に、従来の使い捨て吸収性物品から、より衣類に似た又は下着に似たトレーニングパンツへの切り替えは、排泄しつけプロセスにおいて重要なステップとなり得る。
【0004】
現行のトレーニングパンツは、サイドシームが恒久的に固着されているので、典型的には一対のパンツのようにプルオンされることに限られる。しかし、排泄しつけの状況において、サイドシームで開放及び再締結できる製品が特に有用であることがあるが、その理由は、この能力は製品を引き下げずに製品の内部を簡単に調べることを許容するからである。故に、介護者は、簡単且つ迅速に濡れを確認できる一方、子供に排泄しつけの意図を気付かせるために子供がしていることを子供に説明するか、あるいは子供の現在の活動を妨げずに確認するかのどちらかを選択することができる。子供を関与させることを選択して物品の内部がまだ乾いていたとき、介護者は、「乳児のように」使い捨て吸収性物品を濡らさなかったこと、その代わりに「成長した子供のように」振舞ったことについて子供を褒めることができる。
【0005】
介護者はまた、乾いた内部が望ましいという観念を強める方法として、子供に物品の内部を観察及び/又は感知するよう促すことができる。加えて、物品が排尿時に濡れた感覚を与えるとともに物品の内部で可視的に強調された機構を含む場合、介護者は、排泄しつけの概念をさらに強めるべく内部を調べるときに子供に対して可視的強調部を指し示すことができる。故に、再締結可能サイドシームは、排泄しつけの際の物品の使用に関するその他の機構、特に湿潤感知機構及びとりわけ可視的に強調された機構と組み合わされて、著しい相乗利益をもたらすことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
故に、着用者に排尿から生じる不快な濡れた感覚を感じさせて排尿が起きたという着用者の認識を高めることにより、排尿しつけを容易にできる物品を提供することが望ましい。この濡れた感覚を与える機構が物品内に存在することを可視的に強調して、排尿しつけの機会を容易にすることも望ましい。加えて、トレーニングパンツの肌着のような外見を提供するとともに再締結可能サイドシームを含む使い捨て吸収性物品を提供して、物品を引き下げてアクセスする必要なく物品の内部を容易に調べられることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
着用者の排泄しつけを容易にする機構を含む使い捨て吸収性物品が提供される。湿潤感知部材は、排尿時に着用者の皮膚に濡れた感覚を与える。物品の身体側を向く面を見た際に視認される強調部は、排泄しつけの概念と連想的に相関されてもよく、物品内の湿潤感知部材の存在を示す一方、排泄しつけに関する視覚的基準及び話題を提供する。再締結可能サイドシームは、一対のトレーニングパンツ又はおむつとしての物品の構成、適用、取外しを可能にする一方、物品が着用されたときにトレーニングパンツのような外観を提供し、物品を引き下げる必要なく物品の内部を容易に調べることを許容する。1以上のその他の機構と組み合わされた各機構の相乗効果は、排泄しつけの際に物品の有用性を高める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付図面中、同じ参照数字は同じ要素を示し、描かれる幾つかの代表的な実施形態において、同一であっても、又は同一でなくてもよい。図には、他の要素をより明確に示す目的のために、選択された要素を省略して簡略化されたものがある。幾つかの図における要素のそのような省略は、対応する文章による説明で明確に表されるとき以外、代表的な実施形態の幾つかにおいて特定の要素が存在するか又は存在しないことを必ずしも示すものではない。
【0009】
定義
本明細書で使用するとき、次の用語は、次の意味を有する。
【0010】
用語「吸収性物品」は、液体を吸収して収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接触して又は近接して配置され、身体から排泄される様々な排出物を吸収して収容する装置を指す。
【0011】
用語「使い捨て」は、洗濯する、あるいは吸収性物品として復元するか再利用されることを一般に意図しない吸収性物品、即ち、一回の使用後に廃棄する、好ましくはリサイクルする、堆肥化する、あるいは環境に適合する方法で処理することを意図する吸収性物品を指す。
【0012】
用語「単一の」は、別個のホルダー及びライナーのような別個の操作部分を必要としないために、結合した別個の部分から形成され、調和した統一体を形成している吸収性物品を指す。
【0013】
用語「おむつ」は、一般に乳幼児及び失禁症者により胴体下部周りで着用されるとともに、シートの一般形態を有し、その異なる部分が互いに締結されて着用者の腰及び脚を取り囲む吸収性物品を指す。
【0014】
用語「トレーニングパンツ」とは、一般に乳幼児及び失禁症者によって胴体下部周りで着用されるとともに、緩めずに着用者に適用できるか又は着用者から取り外しできる一対のショートパンツの一般形態を有する吸収性物品を指す。
【0015】
用語「再締結可能な」は、ほぼ恒久的に変形又は断裂することなく、2つの要素を解放可能に取り付け、分離できる特性、またその後に解放可能に再取り付けできる特性を指す。
【0016】
用語「解放可能に取り付けられた」、「解放可能に係合された」、及びその異形は、2つの要素を、該要素の一方若しくは両方に加わる分離力がないときに結合し続ける傾向があるように結合すること又は結合できること、また該要素を、ほぼ恒久的な変形又は裂断なしに分離できることを指す。必要とされる分離力は、通常は、吸収性衣類の装用中に遭遇する分離力を超えるものである。
【0017】
用語「排泄しつけ」は、自発的に尿及び糞便を留める能力である抑制力を育成することを指す。抑制できない者は、身体排泄物を自発的に留めることができずに反射的に排尿や排便をする。例えば、新生児は抑制することができない。抑制力の育成と同時に、子供は、通常は自発的に排尿や排便する能力を伸ばして、反射的に排泄しなくなる。介護者が連想的な方法及び条件付けの方法を通じて子供をしつけることにより、反射的な排泄の代わりに、この抑制力及び自発的な排泄の育成を加速及び/又は誘導することがある。本発明の目的上、用語「排泄しつけ」は、抑制力そのもの、及び抑制力に関連した自発的な排泄の両方のしつけを示すために使用される。用語「排泄しつけ」は、用語「おまるのしつけ」と同義であることも留意される。
【0018】
用語「長手方向」は、物品の最長直線の長さに平行に走る方向を指し、長手方向の±45°以内の方向を含む。
【0019】
用語「横方向」又は「横断方向」は、長手方向に対して90度の角度で走る方向を指し、横方向の±45°以内の方向を含む。
【0020】
用語「x−y平面」は、その長さと幅とにより画定されたシート材の概ね平面的な構造を指し、シート材が平坦であるか湾曲しているか否かにかかわらず、シート材の2つの主要表面の間にある。
【0021】
用語「z−方向」は、シート材の厚みを通る方向を指し、x−y平面に概ね直交する。
【0022】
用語「設けられた」は、他の要素と一体構造で特定の場所又は位置に取り付けられ、配置された要素を指す。
【0023】
用語「取り付けられた」は、合わせて取り付けられる要素及びそれらの構成材料に適した任意の方法により、締結、接着、結合などにより接続された又は一体化された要素を指す。要素を合わせて取り付けるのに適した多くの方法が周知であり、接着剤結合、圧力接着、熱接着、機械的締結などが含まれる。かかる取り付け方法は、特定領域で連続的に又は断続的に要素を合わせて取り付けるために使用されてもよい。
【0024】
用語「貼着性」は、それ自体には膠着するが、他の材料には有意な程度に膠着しない材料の特性を指す。
【0025】
用語「近位」及び「遠位」は、各々、構造の中央に比較的近い要素又は遠い要素の位置を指し、例えば、長手方向に伸びる要素の近位縁は、同じ要素の遠位縁が同じ長手方向軸線に対して位置するよりも、長手方向軸線の近くに位置する。
【0026】
用語「内部」及び「外部」は、各々、吸収性物品が着用されるときに着用者の身体に接して又は向って配置されることを意図する要素の位置、及び吸収性物品の上に着用されるいずれかの衣類に接して又は向かって配置されることを意図する要素の位置を指す。「内部」及び「外部」の類義語としては、各々、「内方」及び「外方」、並びに「内側」及び「外側」が挙げられる。また類義語としては、吸収性物品の内部が上方に面するように配向されるとき、例えば、吸収性物品の上部に着用者を配置する準備をして吸収性物品を展開するとき、各々、「上方」及び「下方」、並びに「上部」及び「底部」が挙げられる。
【0027】
用語「透水性」及び「非透水性」は、使い捨て吸収性物品の意図される用途に関する材料の浸透性を指す。特に、用語「透水性」は、押しつける圧力がないときに液状の水がその厚さを通過するのを許容する孔、開口部、及び/又は結合された空隙を有する層又は層状構造体を指す。逆に、用語「非透水性」は、押しつける圧力がないときに液状の水がその厚さを通過できない層又は層状構造体を指す。この定義に従う非透水性である層又は層状構造体は、水蒸気に対して透過性であってもよい、すなわち、「水蒸気透過性」であってもよい。かかる水蒸気透過性の層又は層状構造は、一般に、当該技術分野において「通気性」として既知である。当該技術分野において周知であるように、吸収性物品において典型的に使用される材料の、水への透過性を測定するための一般的な方法は、静水圧試験であり、静水頭試験又は単に「水頭試験」とも呼ばれる。水頭試験に適した周知の簡潔な方法は、INDA(元国際不織布・使い捨て用品協会(International Nonwovens and Disposables Association)、現在の不織布工業協会(Association of the Nonwoven Fabrics Industry))及びEDANA(欧州使い捨て用品・不織布協会(European Disposables And Nonwovens Association))によって承認されている。
【0028】
用語「遅らせる」は、液体水の流動の妨害又は阻止を指す。用語「流動制御層」に関して、両用語はともに、層状構造における異なる層は透水性であるが、液体水、及び同様に本質的に水性である体外排泄物をそれぞれの厚みに通過させる各々の流量の点で異なってもよいという事実を指す。例えば、毛管チャネルを含み、いかなる押しつける圧力がなくてもその厚みを通って液体水がウィッキングする層は、透水性であるとみなされる。しかし、液体水がかかる層の厚みを通過できる流量は、液体水が、毛管チャネルとしての役目を果たすにはあまりにも大きすぎる穴を含む層の厚みを通過できる流量より少なくてもよい。同様に、どちらも毛管チャネルを含むとともに、いかなる押しつける圧力がなくてもその厚みを通って液体水がウィッキングする2つの層は、どちらも透水性であるとみなされる。しかし、複数層のうち1層における毛管チャネルは、他の層におけるそれらとは寸法が異なってもよく、あるいは他の層におけるそれらより数が多くてもよく、結果として、1層を通る液体水のウィッキング流量は、他の層を通るそれより多くてもよい。従って、層状構造において、流動制御層として機能する1つの層は、流動制御層のない別の層がその厚みを通じて液体水を通過させるより多い流量に比べて、層状構造の厚みを通る液体水の通過を遅らせてもよい。流動制御層が不透水性であるとき、流動制御層は、押しつける圧力がないときに液体水がその厚みを通過するのを効果的に防ぎ、すなわち、液体水の通過の防止は、用語「遅らせる」の意味の中に含まれることが留意される。
【0029】
用語「可視的」は、通常の室内照明又は昼間の自然光の条件の下、裸眼で見える特質を指す。「可視度が向上」又は「可視度が低下」するとは、ほぼ一定の又は同等の照明の条件下で見たとき、目立つ程度まで可視度が変化することを意味する。
【0030】
用語「可視的強調部」は、例えば、配色、色相、又は色調が異なることによって、明るさ、暗さ、又はコントラストが異なることによって、図柄又はべた一色の色形態の有無により区別することによって、又は目に見える著しい区別を生じさせる働きをする他のいずれかの変形によって、その周囲よりも著しく目立つように対象を可視的に区別することを指す。
【0031】
用語「着色」は、対象物若しくは対象物の一部の中及び/又は上に色をつけることあるいは色を組み合わせることによって生み出された効果を指す。
【0032】
用語「配色」は、特に対象物を可視的に強調する目的で対象物又は対象物の一部を目に見えて区別するために使用された場合、着色の配合又は程度を指す。
【0033】
用語「べた一色」は、幾つかの図柄の分離した線状の形とは対照的に、中断されていない、即ち途切れていない区域の着色を指す。
【0034】
用語「図柄」は、絵の形態におけるグラフィックアート又は図柄的表現の生成を指す。
【0035】
用語「連想的な相関関係」は、可視的強調部と可視的強調部が連想的に相関しているものとの間に相互的又は相補的な関係を確立し、二者の間に連想即ち心的繋がり又は結び付きを形成することを指す。この用語は、吸収性物品の中又は上で、可視的強調部のそれぞれの可視的形態と外から見える印とを連想的に相関させる状況において、並びに可視的強調部と排尿しつけの概念とを連想的に相関させる状況において使用される。例えば、連想的に相関した図柄は、着用前に吸収性物品を見るときに協調して排尿しつけの機会に関心を引き付け、着用中に吸収性物品の内部にある湿潤感知部材の存在を外から見て思い出させるなどの働きをしてもよい。同様に、排尿しつけに関する話題(乾燥、湿り気、又は湿り気からの保護など)を視覚的に引用する可視的強調部は、可視的強調部を排尿しつけの概念と連想的に相関させる働きをして、それにより排尿しつけの機会を容易にしてもよい。
【0036】
用語「相互作用的に相関した」、「相互作用的に関連のない」、「主題において関連した」、「主題において関連のない」、及び「一般的な物語の筋書きにより関連付けられた」は、米国特許第6,297,424号(オルソン(Olson)ら、2001年10月2日発行)、米国特許第6,635,797号(オルソン(Olson)ら、2003年10月21日発行)、及び米国特許第6,307,119号(カマロタ(Cammarota)ら、2001年10月23日発行)と同じ意味を有することを意図する。
【0037】
図1は、その平らに展開した非収縮状態、すなわち、伸縮性により生じる収縮のない状態における代表的な使い捨て吸収性物品20の平面図であり、構造体の部分は、使い捨て吸収性物品20の下層構造をより明瞭に示すために切り取られ、着用者に接触する使い捨て吸収性物品20の部分は、見る人に向いている。使い捨て吸収性物品20は、長手方向軸線42と横断方向軸線44とを有する。使い捨て吸収性物品20の一末端部は、使い捨て吸収性物品20の第1腰部区域36として構成されている。反対側の末端部は、使い捨て吸収性物品20の第2腰部区域38として構成されている。腰部区域36及び38は、一般に、着用時に着用者の腰を取り囲む使い捨て吸収性物品20の部分を含む。腰部区域36及び38は弾性要素を含み、着用者の腰周りで縮んで改善されたフィットと封入性を提供してもよい。使い捨て吸収性物品20の中間部分は、第1及び第2腰部区域36及び38の間で長手方向に延びる股区域37として構成されている。股区域37は、使い捨て吸収性物品20が着用されたときに着用者の脚の間に概ね配置される、使い捨て吸収性物品20の部分である。使い捨て吸収性物品20は、第1腰部区域36内の横方向に延びる第1腰部縁部136と、第2腰部区域38内の長手方向に対向するとともに横方向に延びる第2腰部縁部138とを有する。使い捨て吸収性物品20は、第1側縁部137と、横方向に対向する第2側縁部139とを有し、両側縁部は、第1腰部縁部136と第2腰部縁部138との間で長手方向に延びる。第1腰部区域36内における第1側縁部137の部分は137aで示され、股区域37内における部分は137bで示され、第2腰部区域38内における部分は137cで示される。第2側縁部139の対称部位は、各々、139a、139b、及び139bで示される。
【0038】
使い捨て吸収性物品20は、好ましくは、透水性トップシート24と、不透水性バックシート26と、トップシート24とバックシート26との間に入れられた吸収性コア28とを備える。トップシート24は、トップシート24とコア28との間に隙間を与えるために、及び/又は湿潤感知部材50を引き寄せて着用者の皮膚に接触させる傾向を有するために、完全に又は部分的に伸縮性であってもよく、あるいは収縮性であってもよい。伸縮性の又は収縮されたトップシートを含む代表的な構造は、米国特許第4,892,536号(デマレーズ(Des Marais)ら、1990年1月9日発行)、米国特許第4,990,147号(フリーランド(Freeland)、1991年2月5日発行)、米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら、1991年8月6日発行)、及び米国特許第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら、1993年12月14日発行)にさらに詳細に説明される。
【0039】
使い捨て吸収性物品20は、外側レッグカフ、バリアレッグカフ、前側及び後側耳パネル、ウエストキャップ機構、ゴム、及び同種のものなどの当該技術分野において既知の種々の機構を含んで、望ましいフィット、封入性、及び審美的特徴を提供してもよい。かかる追加的機構は、当該技術分野において周知であり、特に米国特許第3,860,003号及び米国特許第5,151,092号に記載されている。
【0040】
使い捨て吸収性物品20は、以下にさらに詳細に記載するとおり、腰部区域をサイドで互いに締結して物品をおむつのように適用するために使用できるとともに、物品を一対のプルオントレーニングパンツのように構成するためにも使用できる、再締結可能サイドシーム40を含む。
【0041】
使い捨て吸収性物品20は、湿潤感知部材を含む。湿潤感知部材用に適した幾つかの構造体は、米国特許第6,627,786号(ロー(Roe)らの名前で2003年9月30日発行)に記載されている。代表的な湿潤感知部材が図2に示されている。湿潤感知部材50は、身体に面する透水性層(上方の層)52と、該透水性層52と向かい合わせの構成で設けられた流動制御層54とを備える。流動制御層は、好ましくは、液体水に対しては不浸透性であり、蒸気に対しては浸透性であり、結果として通気性である。必ずしも必要ではないが、好ましくは、湿潤感知部材の幾つかの部分及び/又は湿潤感知部材が取り付けられている層は、例えば、弾性的に収縮、形成されて、相対的に外側に配置された別の層よりも短い長さを有するなどにより、湿潤感知部材を着用者の皮膚の方に引き寄せるように構成される。
【0042】
排尿中、透水性層は尿をz−方向に浸透させるとともに、ウィッキングにより尿をx−y平面に流すための媒体も提供する。流動制御層は、湿潤感知部材をz−方向に通る尿の通過を遅らせ、それにより湿潤感知部材の濡れた領域を拡大し、湿潤感知部材は、好ましくは着用者の皮膚と接触した状態に保持される。z−方向における制限された浸透とx−y平面におけるウィッキングとを組み合わせることにより、尿は、吸収性コアに吸収される前に広がって効果的に広い領域を湿らし、それによって着用者が経験する濡れの合図を最大化する。
【0043】
本発明の湿潤感知部材での使用に適する代表的な透水性層としては、不織布、発泡体、織布材などが挙げられる。透水性層は、親水性であるのが好ましい。本発明の湿潤感知部材での使用に適する代表的な流動制御層として、ポリオレフィンフィルム、微小多孔性又は通気性フィルム、その他のフィルム、及び疎水性不織布が挙げられる。好適な疎水性不織布には、SM(スパンボンドメルトブローン)、SMS(スパンボンドメルトブローンスパンボンド)、及びSMMS(スパンボンドメルトブローンメルトブローンスパンボンド)複合物が挙げられる。
【0044】
本発明の吸収性物品において、可視的強調部を物品の内部に設けて1つ又は複数の湿潤感知部材の存在を示し、それにより物品着用者の排尿しつけの機会を容易にしてもよい。かかる可視的強調部は、同一出願人による同時係属中の米国特許出願10/697,225(デイヴィス(Davis)らの名前で2003年10月30日出願)に記載されている。この可視的強調部のない湿潤感知部材は、はっきりとした濡れの合図を着用者に提供することに関しては十分に機能的であるけれども、吸収性物品の身体に面する部分が概ね均一の外観、例えば、吸収性物品内の身体側を向く面上の概ね均一な白い外観を呈している場合、介護者が、排尿しつけのための各機会を利用する可能性を見落としたり忘れたりすることがある。
【0045】
その上、一旦介護者が着用者に排尿しつけの話をすると決めたら、可視的強調部は、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、次に来る機会の説明に取り入れられることができる。従って、可視的強調部は、介護者と着用者の間に排尿しつけに関する話題を提供することができ、同様に着用者が呼ぶための名指しできる対象物を提供することができ、トイレに行く必要性を伝えたり、湿潤感知部材がもたらす濡れの合図に対する認識が改善されていることを伝えたりしたいと望む、着用者が必要とする精神的な作業を大いに単純化する。
【0046】
可視的強調部の簡素なべた一色の形態でさえ、色又は着色形態の幾らかの認識を持っている着用者が使用する場合は特に、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることができる。加えて、単色又は複数色の形態の可視的強調部は、色及び色の差異の認識の教育を容易にすることがあり、連合学習は次に、排尿しつけのプロセスを向上させることがある。
【0047】
湿潤感知部材は、吸収性物品の横方向の一般に中央領域と呼ばれる領域に位置しているので、湿潤感知部材を可視的に強調することにより、着用者が成し遂げる習得に関する付加利益をもたらすことがある。例えば、可視的に強調された湿潤感知部材は、2つの脚開口部の視覚的な分離に関する基準線を提供することがあるが、それぞれの足を対応する脚開口部に入れるよう左脚開口部と右脚開口部に分化されている。同様に、長手方向に向けられている可視的強調部は、介護者が行う場合は物品を付けさせる前に、あるいは着用者が行う場合は物品を着用する前に、どちらも物品の向きを合わせるために、前後方向に関する視覚的基準としての機能を果たしてもよい。この長手方向に向けられた視覚的基準はまた、トイレを使った後、長手方向の動作を用いて自分できれいに拭くといった技能の教育を支援することがある。可視的強調部に視覚的な注意を向けることにより、中央又は「真中」にあるものの概念を教育及び学習してもよく、次にこの概念を、尿の出口の解剖学的部位及びトイレの上に座るための対応する適切な位置など、関連する事項に適用してもよい。従って、上記の方法及び同様の方法において、着用者は、自分自身の体をさらに認識することができ、これにより排尿しつけの経験が向上したり容易になる傾向がある。
【0048】
加えて、可視的強調部は、着用者が排尿しつけに関わるほど十分に成熟していることを思い出させることにより、着用者の自尊心を高める働きをすることができる。着用者がトイレに行く必要性を理解することに成功し、次に、物品を引き下げた後に、物品内にある可視的に強調された湿潤感知部材の乾いた状態を見るとき、この効果を強めることができる。
【0049】
可視的強調部は、湿潤感知部材の表面上又はその複数層のうち一層に印刷する手段により設けられてもよい。例えば、透水性層の下にある流動制御層の表面上にべた一色又は図柄を印刷してもよい。別の例として、二層のどちらの表面上にも接着剤又はゲルを印刷してもよい。かかる接着剤又はゲルは、周囲の区域とは異なるように着色されてもよい。あるいは、接着剤又はゲルは、着色されなくてもよいし、又は周囲の区域と同じ色を有してもよいが、区別を示す隆起区域若しくは模様を形成することによって、及び/又は区別を示す凹み区域若しくは模様を取り囲むことによって、可視的強調部を尚も提供してもよい。
【0050】
可視的強調部はまた、例えば、着色された繊維を含む繊維層、分散又は固定した着色剤を含む一体層、その初期状態において着色されている未漂白の材料の層など、着色された材料の湿潤感知部材の1層以上の層を形成することによって設けられてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、湿潤感知部材若しくはその複数層のうち一層を型押し又はエンボス加工することにより設けられてもよい。湿潤感知部材の型押し、エンボス加工、又は接着された部分は、湿潤感知部材の存在及び位置を可視的に強調することに加えて、触感を提供してもよい。例えば、隆起区域若しくは凹み区域、又は互いに隣接した隆起区域と凹み区域との組み合わせは、手で感じられることがあり、また幾つかの実施形態では、物品の着用中に着用者により感じられることがある。同様に、上述したような印刷された接着剤又はゲルにより形成された隆起区域又は模様が、そのような触感を提供してもよい。可視的強調部のみの場合と全く同じように、可視的強調部とこの触感との組み合わせは、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、次に来る排尿しつけの機会の説明に取り入れられることができる。
【0052】
加えて、可視的強調部は、区別を示す繊維若しくはフィラメントを湿潤感知部材の一層又は両方の層に組み込むことにより、又はこれら複数層のうち一層の中に繊維若しくはフィラメントを区別を示すように配向することにより設けられてもよい。例えば、区別を示す色の繊維又はフィラメントを流量制御材の中に組み込んで、物品内におけるその存在とその位置を可視的に強調してもよい。同様に、二層のうち一層の中に区別を示すように厚い繊維又はフィラメントを埋め込んで、それにより区別を示す隆起区域又は模様を形成してもよい。
【0053】
湿潤感知部材を取り囲む吸収性物品の構造の部分が単色である場合、可視的強調部は、別の色を使用することにより、コントラストを使用することにより、同じ色若しくは類似の色の異なる模様を使用することにより、又は湿潤感知部材を周囲の構造要素から可視的に区別するあらゆる他の方法により、設けることができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、1を超える色、1を超えるコントラストの差異、1を超える模様、1を超える図柄、べた一色の1を超える区域などを含んでもよく、可視的強調部の形態の単数形を指すこの説明のあらゆる部分は、複数形を含むことを意図しており、逆もまた同様である。
【0055】
可視的強調部は、開いた又は閉じた幾何学的図形、三次元の物体の第2元的表現、一般的に名付けられた又は名付け得る形状若しくは物体の表現、遊戯において使用される認識可能な対象物の表現、及び/又はテディベアなどの着用者が知っている可能性のあるキャラクターの表現、子供向けテレビ番組に登場するキャラクター、子供向けゲーム若しくは物語本などに登場するキャラクターなどを含んでもよい。可視的強調部が種々の図形、物体、及び/又はキャラクターを含む実施形態において、可視的強調部の様々な要素は、主題により関係付けられて、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関係付けられて、相互作用的に相関してもよい。逆に、様々な要素は、主題により関連付けられず、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関係付けられず、相互作用的に関連しなくてもよい。
【0056】
べた一色を使用する場合、それは図柄の輪郭によって仕切られた区域を部分的若しくは完全に満たし、そのような図柄の輪郭の内側若しくは外側に漸次的な変化として現れ、それ自身が「充填された」図柄を形成し、又は単に途切れずに区域を占め、例えば、対応する長さの全体若しくは一部分にわたって湿潤感知部材の層の幅全体を占めてもよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、可視的強調部は、湿潤感知部材が濡れたときに可視度が向上又は低下してもよい。加えて、可視的強調部は、湿潤感知部材が濡れたときに色を変化させてもよい。これらの効果のいずれかは、尿によって濡れたときに化学反応に耐える、あるいは分散又は集中するインク若しくは染料若しくは他の作用剤を使用して生み出されてもよい。一般に、可視的強調部のこれらの変形に関して、外から見える湿り度インジケータ(濡れた時に可視度が向上又は低下するようになることがある、いわゆる「現れる」又は「消える」湿り度インジケータなど)において、及び濡れた時に色が変化することがある湿り度インジケータにおいて一般に使用される湿り度インジケータ組成物のいずれかを使用してもよい。
【0058】
湿潤感知部材の可視的強調部に使用されるあらゆる湿り度インジケータ組成物は、吸収性物品の外側から見える湿り指示部を設ける方法で構造的に配置されるのではなく、吸収性物品の身体側を向く面から見ることができなければならないことに留意することが重要である。この異なる配置により、物品の外側から見える湿り度インジケータのみを有する吸収性物品を使用するのに比べて、介護者は、本発明の吸収性物品を使用するときに排尿しつけの作業に異なる方法を適用することができる。例えば、外部の湿り度インジケータにおける変化は誰にでも見えるが、一方、内部の湿潤感知部材の可視的強調部におけるあらゆる変化は、介護者若しくは着用者のどちらかが吸収性物品の中を覗き込むか、又はそれを取り外すまで「隠れた」ままである。従って、何らかの吸収性物品の濡れが生じたか否かに関わらず、それ自身がゲームに似た遊戯的活動の焦点となることができ、介護者と着用者がゲームを終了することに同意する時だけ「秘密」が明らかになる。着用者が濡れた感覚に気付く場合、又は単に「隠れた」指示部の状態を確認したい場合、着用者は、簡単に吸収性物品の内側を見ることができる。可視的強調部の外観が変化した場合、着用者は、トイレに行くことを求める状況において、介護者の注意を可視的強調部に向けさせることを選ぶことができる。加えて、可視的強調部は、「隠れた」指示部としての働きをするので、着用者は、いずれかの外から見える湿り度インジケータの外観が変化する前にその外観の変化を見つけることができ、それによりトイレに行く話題について最初に言及する人物となり得る。その上、視覚的及び触覚的感覚の両方を着用者に提供することは、湿り気の感覚を強化する働きをし、それにより湿潤感知部材のしつけ効果を高めることがある。濡れた感覚と可視的強調部の外観における目に見える変化の両方により濡れを示す吸収性物品は、故に、着用者側でのより早い学習を手助けすることがある。
【0059】
可視的強調部の外観は、介護者若しくは着用者のどちらかが吸収性物品の中を覗き込むか又はそれを取り外すまでは「隠れた」ままであるが、吸収性物品の中又は上の他の場所に位置して吸収性物品の外側から見える印と可視的強調部を可視的形態で連想的に相関させてもよい。この外から見える印は、永続的であってもよく、又は吸収性物品が着用されている間に外観が変化してもよい。例えば、外から見える印は、外から見える湿り度インジケータであってもよい。湿潤感知部材の可視的強調部に、外から見える印の可視的形態に類似する可視的形態を与えることにより、排尿しつけの機会を向上させてもよい。例えば、介護者は、外から見える印と湿潤感知部材の「隠れた」可視的強調部との類似点を指摘し、外から見える印に気付く度に隠れた可視的強調部を思い出すよう着用者に求めることができる。
【0060】
可視的強調部の外観が濡れることによる影響を受けない実施形態においてさえ、外から見える印と可視的強調部のそれぞれの可視的形態の連想的な相関関係は、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることがある。例えば、外から見える印と可視的強調部の両方が類似する図柄の可視的形態を有する場合、外から見える印は、着用者の興味を引く働きをすることができ、又は介護者により指し示されて、進行中の排尿しつけの機会の説明に取り入れられることができる。
【0061】
それぞれの可視的形態が類似していなくても、それぞれの可視的形態が認識可能な方法で相互に関係している限り、外から見える印と可視的強調部のそれぞれの可視的形態のそのような連想的な相関関係を達成することができる。例えば、可視的形態は、主題の中で関連付けられてもよく、及び/又は一般的な物語の筋書きにより関連付けられてもよく、及び/又は相互作用的に相関してもよい。外から見える印の簡素なべた一色形態と可視的強調部の類似するべた一色形態の連想的な相関関係でさえ、色又は着色された形の幾らかの認識を持つ着用者に使用された場合は特に、排尿しつけの機会を容易にする働きをすることができる。
【0062】
あるいは、可視的強調部は、外から見えるいかなる印とも連想的に相関していなくてもよい。連想的な相関関係の欠如は、全面的であっても特定的であってもよく、例えば、可視的強調部と外から見える印のそれぞれの可視的形態は、主題の点で無関係であり、一般的な物語の筋書きによって関連付けられず、及び/又は相互作用的に関連していないが、一方、別の方法で尚も連想的に相関していてもよい。
【0063】
湿潤感知部材の可視的強調部の可視的形態は、排尿しつけの概念と連想的に相関している必要はない。しかし、幾つかの実施形態では、可視的強調部の可視的形態は、例えば、湿り気、乾燥、湿り気からの保護、液体の流れ、水などの排尿しつけの液体に関する本質を視覚的に引用することにより、排尿しつけの概念と連想的に相関してもよく、故に、排尿しつけの機会を容易にする働きをしてもよい。
【0064】
可視的強調部は、太陽、天気雲、晴れた日などを描写することにより、乾燥を強調してもよく、一方、水たまり、雲と落下する雨などの描写により、湿り気について触れてもよい。湿り気からの保護について視覚的に引用するには、着用者が濡れた環境における乾燥維持の概念で連想する可能性のある、傘、レインコート、レインハット、防水用オーバーシューズ(galoshes)、潜水艦、又は他の何らかの物体を描写してもよい。
【0065】
排尿しつけの概念と連想的に相関した可視的強調部のこれらの可視的形態のいずれにおいても、可視的強調部に人の形及び/又は認識可能なキャラクターを描写してもよい。例えば、子供を無生物と併せて示してもよいし、幼児用便座に座っている子供を示してもよいし、及び/又は子供の物語本若しくは子供のテレビ番組からのキャラクターを類似する姿勢などで示してもよい。
【0066】
本発明による湿潤感知部材は、多種多様な構成にて吸収性物品に配置することもできる。更に、吸収性物品は、単一の湿潤感知部材又は複数の湿潤感知部材を含むことも可能である。いずれにしても、一つ以上の湿潤感知部材は、好ましくは、トップシートなどの要素若しくはウェブの一部であるか、又はそれに取り付けられ、着用者の皮膚に接触して確実に保持される。湿潤感知部材は、物品の長さの半分未満にわたる使い捨て吸収性物品の一部上に延びてもよく、あるいは物品の長さの半分よりも長くにわたる物品のかなりの部分上に延びてもよい。加えて、一つ以上の湿潤感知部材が、吸収性物品内に配置され、尿で濡らされる確率を増すことが好ましい。
【0067】
トップシート24とともに設けられた湿潤感知部材50を含む使い捨て吸収性物品20の代表的な実施形態が、図3a及び図3bに例示されている。この実施形態における湿潤感知部材は、トップシートに取り付けられた別々の複合部材である。湿潤感知部材は、身体に面する透水性層52と、該身体に面する層と向かい合わせの構成で設けられた流動制御層54とを備える。可視的強調部200は、図3aにおいて、波線及び円の代表的な模様として示されている。
【0068】
図4に例示される実施形態では、湿潤感知部材50は、弾性特性を有し、第一腰部区域36に取り付けられた第一長手方向末端部70と、第二腰部区域38に取り付けられた第二長手方向末端部72とを含む。加えて、部材50の中心部分74は、好ましくは、該部材を安定させて着用者への物品の適合を容易にし、排便を妨げるのを防ぐとともに、着用者の皮膚との良好な接触を確実にすべく、股部区域37に取り付けられる。
【0069】
図5a及び図5bに示される代替実施形態において、湿潤感知部材50の流動制御層54は、トップシート24の一部が湿潤感知部材50の透水性層52としての働きをするようにトップシート24の内面に取り付けられる。この実施形態では、トップシート24は、好ましくは弾性的に収縮され、湿潤感知部材50を偏向させて着用者の皮膚と接触させる。あるいは、この実施形態は、バックシートよりも長さが短く、該バックシートの長手方向末端部と隣接するトップシートの長手方向末端部を有するトップシートを含んでもよく、該トップシートは、使い捨て吸収性物品が着用者の周囲に適合されるときに押しつけられて着用者の皮膚と接触する。可視的強調部200は、図5aにおいて、ハート形の代表的な模様として示されている。
【0070】
本発明に従う吸収性物品は、物品の身体に面する表面上に設けられた複数の湿潤感知部材を含んでもよい。複数の湿潤感知部材を提供する実施形態の例が、図6a及び図6bに示されている。2つの流動制御層54a及び54bがトップシート24の底面に取り付けられ、2つの湿潤感知部材50a及び50bを形成する。この実施形態に関して、流動制御層54a及び54bは、トップシートが湿潤感知部材の透水性層52としての働きをすべく、トップシートと吸収性コア28との間に配置される。2つの流動制御層54a及び54bは、使い捨て吸収性物品20の長手方向中心線42に平行に離間して設けられている。この空隙は、十分な液体が、排尿中の吸収性物品の漏れに繋がり得る溢出を防止するためにコアへ通り抜けると同時に、十分な液体が、湿潤感知部材を形成する流動制御層に向かって流動及びウィッキングするように決定される。流動制御層間の空隙は、約10mmであり得るが、約5mm〜約15mm及び約8mm〜約12mmの範囲であり得る。図6a及び図6bに示される実施形態は、2つの湿潤感知部材のみを有するが、3つ以上の湿潤感知部材を有する他の吸収性物品の実施形態も考えられる。可視的強調部200は、図6aにおいて、細長い卵形の代表的な模様として示されている。
【0071】
図6a及び図6bに示されるように、流動制御層の空隙は、トップシート24における細長いスリット開口部80のための空間を提供する。細長いスリット開口部80は、着用者からの糞便を受け取りそれを着用者の皮膚から隔離するように適合されている。スリット開口部80に隣接して位置する伸縮性区域82a及び82bは、使用中にスリット開口部を着用者の肛門と位置整合して維持する。伸縮性区域はまた、湿潤感知部材を着用者の皮膚に向かって偏向させて、使用中にそれらの接触を維持してもよい。細長いスリット開口部を含む代表的な伸縮性トップシートが、米国特許第6,482,191号(ロー(Roe)らの名前で2002年11月19日に発行)に開示されている。あるいは、湿潤感知部材の流動制御層54a及び54bは、弾性的に収縮されて、トップシートに設けられた伸縮性区域により提供されるものに類似した利益を提供してもよい。
【0072】
図7a及び図7bに示される別の代替実施形態では、トップシート24は、先の実施形態と同様に透水性層52としての働きをする。しかし、流動制御層54a及び54bは、トップシート24内で使い捨て吸収性物品20の長手方向長さに沿って形成された、向かい合って面する2つの平行なZ形折り畳み部90a及び90b内に設けられ、こうして2つの湿潤感知部材50a及び50bを形成する。Z形に折り畳まれたトップシートは、トップシート24の長手方向縁部に沿って下地層に取り付けられ、したがって、トップシートのZ形折り畳み部の間の部分を自由に浮かせるようにしてもよい。長手方向に延びる弾性要素92a及び92bは、Z形に折り畳まれたトップシートの中心部分を吸収性コア28から離して偏向させるべく、流動制御層54a及び54bに沿って配置される。弾性要素は、図7bに示すように流動制御層54a及び54bの外縁部に沿って設けられてもよく、あるいは、流動制御層と向かい合わせの配置で設けられてもよい。Z形に折り畳まれたトップシートと弾性要素の組み合わせは、使い捨て吸収性物品が着用者の周囲で弛むか又は緩くフィットする場合に、湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触させて維持する。可視的強調部200は、図7aにおいて、星形の代表的な模様として示されている。
【0073】
Z形折り畳み部間のトップシートの部分が、臀部の溝に押し込まれること、及び図7a又は図7bに図示されないバリアレッグカフに干渉することを防ぐべく、Z形折り畳み部間の空隙は、約65mmであり得、また約50mm〜約90mmの範囲であり得る。さらに、Z形折り畳み部間のトップシート部分の偏向を制御するべく、接着剤、超音波結合、高周波結合又は偏向を制御する他の好適な手段を使用して第一腰部区域、第二腰部区域及び股部区域のZ形折り畳み部間に横断方向の結合が形成されてもよい。これらの横断方向の結合により、Z形に折り畳まれた区分をトップシートの身体に面する表面に取り付け、Z形折り畳み部間の区分を下にあるコアに取り付けてもよい。
【0074】
湿潤感知部材の層としての働きをするトップシートの部分に代わるものとして、バリアレッグカフなどの使い捨て吸収性物品の、その他の構成要素が、かかる層としての働きをしてもよい。バリアレッグカフは、透水性材料又は不透水性材料のどちらから作ってもよい。いずれの場合でも、バリアレッグカフ材料が湿潤感知部材の層のうち一層としての働きをしてもよい。このような代表的な実施形態では、バリアレッグカフの構造は、好ましくは湿潤感知部材を着用者の皮膚と接触して保持し、着用者の脚及び/又は股のひだに対して湿り気の感覚を与える。
【0075】
バリアレッグカフが湿潤感知部材の層としての働きをする代表的な実施形態が、図8a及び図8bに示されている。この実施形態に関する使い捨て吸収性物品20は、不透水性材料から作られたバリアレッグカフ100a及び100bを含んでおり、各バリアレッグカフの部分は、それぞれの湿潤感知部材の流動制御層としての働きをする。透水性層110は、バリアレッグカフの各々の長さに延び得、好ましくは、少なくとも股領域37及び前腰部領域36の長さに延びる。透水性層110は、好ましくは、使い捨て吸収性物品20の長手方向軸線42に最も近いカフの部分上に設けられて、排尿中に濡らされる可能性が増す。図8a及び図8bに示されるように、バリアレッグカフ100a及び100bは、レッグカフをトップシート24から離して着用者の皮膚の方へ偏向させる働きをする弾性要素108a及び108bを含む。可視的強調部200は、図8aにおいて、斜線の代表的な模様として示されている。
【0076】
バリアレッグカフが湿潤感知部材の層としての働きをする別の代表的な実施形態が、図9a及び図9bに示されている。この実施形態では、バリアレッグカフ100a及び100bは、透水性材料で作られ、その他の点では図8a及び図8bに示した実施形態と同様に構成されている。しかし、この実施形態では、バリアレッグカフ材料が湿潤感知部材150a及び150bの各々の身体に面する透水性層としての働きをするので、流動制御層54a及び54bは、吸収性コアと、バリアレッグカフ材料によって形成されたそれぞれの各透水性層との間に配置されている。可視的強調部200は、図9aにおいて、楕円形の代表的な模様として示されている。
【0077】
下記に開示される湿潤感知部材の実施形態は、着用者の皮膚と接触して保持されるときに最も効果的に機能する。湿潤感知部材の身体に面する部分は、使用中に着用者の皮膚と確実に接触すべく、使用中に湿潤感知部材を適所に保持するように作用する局所接着剤などの身体接着性組成物を含んでもよい。身体接着性組成物は、湿潤感知部材の身体に面する表面の少なくとも一部に塗布されてもよい。しかし、身体接着性組成物はまた、湿潤感知部材の身体に面する層を構成する材料と一体化させてもよい。さらに、身体接着性組成物は、線、縞、点などを含むがこれらに限定されない任意の模様又は構成で、着用者の皮膚に接触する湿潤感知部材のどの部分上に設けられてもよい。かかる身体接着性組成物は、米国特許第4,231,369号、第4,593,053号、第4,699,146号、第4,738,257号、第5,726,250号、第4,078,568号、第4,140,115号、第4,192,785号、第4,393,080号、第4,505,976号、第4,551,490号、第4,768,503号、第5,614,586号、及び第5,674,275号、並びにWO 94/13235A1として公開されたPCT特許出願に開示されたものなど、着用者の皮膚に解放可能に付着できる1以上の物質のいずれかを含んでもよい。
【0078】
先に述べたとおり、使い捨て吸収性物品20は、腰部区域をサイドにて互いに締結して物品を着用者の身体上におむつのように適用するために使用できるとともに、物品を一対のプルオントレーニングパンツのように構成するためにも使用できる再締結可能サイドシームを含む。これらの再締結可能サイドシームは、上記の排泄しつけの際の物品の使用に関する著しい相乗利益を含む、幾つかの利益を提供する。ユーザは、物品を着用者の身体上に適用する前に再締結可能サイドシームを締結することができ、次に、物品を一対のプルオントレーニングパンツのように適用することができる。物品の内部を調べるためにアクセスするには、及び/又は着用中にそのフィットを調整するには、物品を着用者の身体上に適用した後、再締結可能サイドシームを開放及び再締結する。当然ながら、サイドシームは、物品を一対のトレーニングパンツの形態のまま脚及び足を通して引き下げて取り外す代わりに、開かれて、物品を最終的に取り外して処分することもできる。
【0079】
再締結可能サイドシームはまた、製造業者、卸売り業者及び/又は小売業者がかかる予め締結された提示の仕方を望む場合、消費者に販売する時点より前に物品を一対のトレーニングパンツの形態に予め構成するのを容易にする一方、ユーザに、物品をおむつのように適用する準備をするためサイドシームを開く代替方法もまた提供する。例えば、本発明の使い捨て吸収性物品に似た幾つかは、輸送及びその後の販売のため、そのサイドシームを締結した後に一緒にパッケージすることによって予め構成されてもよい。パッケージは、いかなる望ましい形態、例えば、封止フィルムバッグ内に収容された折り畳まれた物品の積み重ね体、閉じたカートン内の折り畳まれた物品の積み重ね体、又は閉じた容器内に収容された多数の物品のその他いずれかの形態をとってもよい。ユーザが予め締結された各物品を包みから取り出して使用準備をするとき、ユーザは、サイドシームが締結されたままで、すなわち、一対のトレーニングパンツとして構成されたままで物品を適用するか、又はサイドシームを開いて物品を着用者の身体に対して適切に配置した後にサイドシームを再締結することにより物品をおむつとして適用するかを決めることができる。故に、包み内の物品が予め締結されているか否かにかかわらず、ユーザには、再締結可能サイドシームを有する各物品を一対のトレーニングパンツとして適用するか、又は後にサイドシームで締結されなければならない開いたおむつとして適用するかを選択する余地が与えられている。
【0080】
幾つかの既存の使い捨て吸収性物品は、再締結可能サイドシームを有している。しかし、排泄しつけ年齢の子供のように幾らか年上の子供は、従来の再締結可能サイドシームを開き、それにより使い捨て吸収性物品を取り外せることがある。子供は意図的に物品を取り外そうと試みることがあり、又は単に再締結可能サイドシームを操作して不注意に物品を取り外すことがある。したがって、子供がサイドシームを開くのを防ぐのを助ける一方、大人の介護者に随意にサイドシームを開いたり再び締結させる目的で、再締結可能サイドシームへのアクセスを制限する及び/又はサイドシームの開放を従来の再締結可能サイドシームの開放よりも比較的難しくする要素を含むのが望ましいことがある。
【0081】
再締結可能サイドシーム40の実施例が図10に示されている。この実施形態では、第1締結構成要素43は、第2腰部区域38内で第1側縁部の部分137cに隣接して使い捨て吸収性物品20の内部上に設けられており、別の第1締結構成要素43は、第2腰部区域にある第2側縁部の部分139cに隣接して使い捨て吸収性物品20の内部上に設けられている。側縁部の部分137cは、閉じて締結する前又は再び開いた後などの、開いた状態で示されている。対向する側縁部の部分139cは、締結されて、すなわち、パンツ形状を形成して示されている。図10では、第2腰部区域38は、互いに締結されたときに第1腰部区域36と重なり合う。あるいは、第1締結構成要素43は、第1腰部区域36内で物品20の内部上に設けられて、互いに締結されたときに第1腰部区域36が第2腰部区域38と重なり合ってもよい。加えて、第1締結構成要素43は、物品20の内部上ではなく外部上に設けられてもよい。
【0082】
第1締結構成要素は、対向する腰部区域の合わせ面に押しつけられたときに解放可能に固着する、いずれかの材料及びいずれかの形態で形成されてもよい。例えば、第1締結構成要素は、不織布シート状の繊維で形成されたループと係合する複数のフックを用いるなど、合わせ面と解放可能に係合する機械的締結具であってもよい。あるいは、第1締結構成要素は、合わせ面に解放可能に付着する接着剤であってもよい。
【0083】
以下にさらに詳細に記載されるように、第1締結構成要素はまた、別個の噛み合う締結構成要素と相互に作用してもよい。例えば、フックを含む機械的な第1締結構成要素が、ループを含む別個の噛み合う締結構成要素と係合してもよい。同様に、接着性の第1締結構成要素が、とりわけ良好な接着のために選択された別個の噛み合う締結シートに付着してもよい。さらに同様に、粘着性の第1締結構成要素が、噛み合う粘着性締結構成要素に粘着してもよい。締結構成要素の各々は、方形、円形、卵形、波形など、いずれかの好適な形状を有してもよい。形状は、締結構成要素の面積を最大化又は最小化すること、特有の外観を締結構成要素に付与すること、物品を特定の方法で着用するときに締結構成要素が受ける応力及び力を分散することなど、種々の基準に従って選択されてもよい。
【0084】
再締結可能サイドシームの別の実施例が図11に示されている。この実施形態では、第1締結構成要素43は、第1腰部区域にあるそれぞれの側縁部の部分137a及び139aに隣接して使い捨て吸収性物品20の外部上に設けられている。別個の噛み合う締結構成要素45が、これに対応して、第2腰部区域38内でそれぞれの側縁部の部分137c及び139cに隣接して物品20の内部上に設けられている。加えて、第2締結構成要素46が、第1締結構成要素43に横方向に隣接して設けられている。
【0085】
第1締結構成要素と別個の噛み合う締結構成要素の両方が存在する場合、使い捨て吸収性物品の内部及び外部に対するそれらの配置は、一般に互換可能であり、すなわち、それらは図11に示されるように設けられてもよいし、又は第1締結構成要素が内部に設けられてもよいし、噛み合う締結構成要素が内部に設けられてもよい。同様に、第1腰部区域及び第2腰部区域に対するそれらの配置は、一般に互換可能であり、すなわち、それらは図11に示されるように互いに締結されたときに第2腰部区域38が第1腰部区域36と重なり合うよう設けられてもよいし、又は互いに締結されたときに第1腰部区域36が第2腰部区域38と重なり合うよう設けられてもよい。加えて、第2締結構成要素は、図11に示されるように、第1締結構成要素と同じ表面上で第1締結構成要素に隣接して設けられてもよいし、あるいは、合わせ面上に及び/又は別個の噛み合う締結構成要素に隣接して設けられてもよい。一般に、上記の説明から明白であるように、第1締結構成要素(単数又は複数)の当初の配置は、対向する腰部区域を重なり合った構成で互いに締結してそれらの間に締結構成要素(単数又は複数)を挟むことができる限り、重要ではない。
【0086】
図12に示される代表的な実施形態では、第2締結構成要素の各々は、隣接した噛み合う第1締結構成要素によって形成された解放可能な取り付け部に隣接して、重なり合った腰部区域の部分を互いに締結する働きをする。図12に示されるように、第2締結構成要素は、第1締結構成要素43と、締結されたサイドシーム40において外側に重なり合う側縁部の部分137cとの間に設けられた場合、第1締結構成要素に横方向に直接アクセスするのを制限及び/又は阻止することがあり、それにより使い捨て吸収性物品を着用している子供がサイドシームを開くことを防ぐのに役立つ。第2締結構成要素は、この防護性を高めるべく、第1締結構成要素と、外側に重なり合う側縁部との間に設けられていることに加え、第1締結構成要素と重なり合ってもよく、それにより、指が入り込んで重なり合う腰部区域から緩んだ重なり合う腰部区域をこじ上げ得る、2つの間で横方向に延びるいかなる隙間をも排除する。あるいは又は加えて、第2締結構成要素は、内側に重なり合った側縁部と、第1締結構成要素(すなわち、図12に示される第2締結構成要素に横方向に対称的に対応する)との間に設けられてもよい。
【0087】
あるいは又は加えて、第2締結構成要素は、第1締結構成要素と隣接した腰部縁部との間に、及び/又は第1締結構成要素と股区域との間に設けられてもよい。このように締結サイドシームにおいて第2締結構成要素が第1締結具に対して長手方向に隣接して設けられていることにより、単に横方向に隣接した配置に比べ、第1締結具へのアクセスをより効果的に制限してもよい。第2締結構成要素はまた、第1締結具に横方向に隣接するとともに長手方向に隣接して設けられてもよい。例えば、図13に示される第2締結構成要素46は、第1締結構成要素43の三方の周囲に延び、サイドシームが締結されるときに第1締結構成要素と、外側に重なり合う側縁部部分137c、隣接した腰部縁部136、及び股区域37の各々との間に配置される。図13に示されるような連続的に延びる第2締結構成要素に代わるものとして、1を超える別個の第2締結構成要素及び/又は部分に区切られた第2締結構成要素が設けられてもよい。例えば、図11のような別個の横方向に隣接した長手方向に延びる第2締結具が、1以上の別個の長手方向に隣接した横方向に延びる第2締結具(単数又は複数)と組み合わせて設けられて、図13の連続的な第2締結構成要素によって形成されたものに似た第2締結構成要素全体の模様を形成してもよい。
【0088】
第2締結構成要素は、第1締結構成要素に適したいかなる材料で形成されてもよい。幾つかの実施形態では、第2締結構成要素は、異なる材料の特異的性質の利点を生かすために第1締結構成要素とは異なる材料で形成されてもよい。例えば、使い捨て吸収性物品を着用するときに締結して、腰部区域が受けるフープ力に抵抗するときに十分な剪断強度を与えるべく、第1締結構成要素として機械的締結具を用いてもよい。機械的締結具は、ほぼ全ての剪断力に抵抗し、また第2締結構成要素に加わる唯一の力は、介護者が第1締結構成要素にアクセスしたいと望むときに加わる剥離力であるから、対応する第2締結構成要素として接着剤を使用してもよい。第2締結構成要素は、好ましくは開いた後に再締結可能であり、第1締結構成要素を開放及び再締結した後、第1締結構成要素へのアクセスを制限するために使い続けることができる。
【0089】
再締結可能サイドシームの別の実施例が図14、図15、及び図16に示されている。この実施形態では、第1締結構成要素43は、第2腰部区域38内で第1側縁部の部分137cに隣接して使い捨て吸収性物品20の内部上に設けられており、別の第1締結構成要素43は、第2腰部区域にある第2側縁部の部分139cに隣接して使い捨て吸収性物品20の内部上に設けられている。加えて、第2締結構成要素46が第1締結構成要素の各々に横方向に隣接して設けられている。これらの第2締結構成要素46は、第1腰部区域36内で第1側縁部の部分137aに隣接して、及び第1腰部区域にある第2側縁部の部分139aに隣接して、腰部区域を突縁付きの構成で互いに締結する働きをする。
【0090】
図14に示されるように、第1締結構成要素43を締結せず、第2締結構成要素46を使用して、腰部区域を突縁付きの構成で互いに締結することができる。次に、図15に示されるように、さらに第1締結構成要素を締結して再締結可能サイドシーム40を形成してもよく、再締結可能サイドシームにおいて、腰部区域は、それらが第1締結構成要素43によって互いに締結されている場所で重なり合い、第2締結構成要素46によって互いに締結される場所で突縁付きの形状で構成されている。最初に、腰部区域を第2締結構成要素46のみによって互いに締結し、かように使い捨て吸収性物品を一対のトレーニングパンツとして構成してもよい。次に、物品を脚を通して引き上げることにより着用者の身体上に適用した後、第1締結構成要素43を使用して、物品を適所にしっかりと固定してもよい。
【0091】
図15を参照して理解できるように、第1締結構成要素43は、重なり合った腰部区域上にいかなる選択位置で配置されてもよく、重なり合った腰部区域は、対向する腰部区域上にいかなる選択距離で重なってもよい。重なり部の距離は、所望どおりに、例えば、ゆるく、きつくなど、使い捨て吸収性物品を着用者上にフィットさせるよう選択されてもよい。例えば、図15に示されるように、第2腰部区域38は、第1腰部区域にある必要な幅の折り畳み部48を生み出すことにより、着用者の腰周りで望ましいきつさのフィットを生み出す距離で第1腰部区域36上に重なり合ってもよい。換言すれば、重なり合った腰部区域は、望む限りきつく締められ、次に、第1締結構成要素43によって重なり合う腰部区域に締結されて、こうして達成されたきつさを維持してもよい。詳細には、使い捨て吸収性物品は、第2締結構成要素は意図された寸法の着用者の腰周りのフィットが比較的ゆるくなるように配置された状態で締結されるとともに、第1締結構成要素は開いた状態でパッケージされてもよい。かかる形状は、ユーザに対し、物品を着用者の身体上に容易に適用できる一対のトレーニングパンツとして提示する。適用後、第1締結構成要素を用いて、ある期間にわたって着用するための望ましいフィットを達成することができる。
【0092】
図16では、第2腰部区域38内の側縁部の部分137cは、例えば、腰部を締めて第1締結構成要素43を第1腰部区域36に締結する前又は再び開いた後、開いた状態で示されている一方、隣接した第2締結構成要素46は、既に締結されて示されている。対向する側縁部の部分139cは、締結された状態、すなわち、第1締結構成要素43及び第2締結構成要素46の両方が第1腰部区域36及び第2腰部区域38を互いに締結している状態でパンツ形状を形成して示されている。
【0093】
上述の通り、第2締結構成要素は、第1締結構成要素に適したいかなる材料で形成されてもよく、及び/又は異なる材料の特異的性質の利点を生かすべく、第1締結構成要素とは異なる材料で形成されてもよい。加えて、少なくとも図14、図15、及び図16に示される実施形態では、例えば、使い捨て吸収性物品を一対のトレーニングパンツとして構成すること、及び再締結可能サイドシームを締め付け機構の形態で提供することが望ましい場合、第2締結構成要素は、結合、封止、又は別の方法で対向する腰部区域をそれらの共通の側縁部に隣接して互いに取り付けることによって形成されてもよい。例えば、第2締結構成要素は、着用者の意図された寸法の腰周りのフィットが比較的緩く、物品の内部を調べるために望ましい程度のアクセスを提供するように位置してもよい。次に、再締結可能な第1締結構成要素を使用して重なり合った腰部区域を締めて、着用者上で望ましいフィットを達成してもよい。物品の内部を調べることが望ましいときはいつでも、第1締結構成要素を緩め、調べ終えてから後に再締結してもよい。その上、結合、封止、若しくは別の方法で腰部区域を互いに取り付けることにより形成される第2締結構成要素は、脆くてもよく、例えば、腰開口部の寸法を大きくするために及び/又は使用後に物品を取り外すために緩めて、腰部区域を互いに分離することができる。かかる実施形態では、再締結可能な第1締結構成要素は、腰部区域を互いに締結するために尚も使用されてもよく、物品の内部を調べるために及び/又は使用後に物品を取り外すために尚も開かれてもよい。
【0094】
再締結可能サイドシーム、再締結可能サイドシームを形成する締結構成要素、及びそれらを形成するのに適した材料の幾つかの形態は、米国特許出願公開US 2003/0060794(オルソン(Olson)の名前で2003年3月27日公開)に記載されている。再締結可能なサイド締結具を形成する方法、並びに製造及びパッケージ中にそれらを保護する方法は、米国特許第6,428,526号(ハインデル(Heindel)らの名前で2002年8月6日発行)に記載されている。幾つかの代替物の中でもとりわけ、かかるサイドシーム、締結構成要素、材料、及び方法を使用して本発明の使い捨て吸収性物品を製造してもよい。
【0095】
すべての特許、特許出願、及びそれに基づいて発行された任意の特許、並びに関連して発行された任意の外国特許出願、並びに本出願において列挙及び/又は参照した全ての刊行物の開示内容は、参考として本明細書に組み込まれる。しかし、参考として本明細書に組み込まれた文献のいずれか又は文献のいかなる組み合わせも、本発明を教示又は開示することが認められないのは明らかである。
【0096】
本発明の特定の実施形態及び/又は個々の特徴について図示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。更に、このような実施形態及び特徴のすべての組み合わせが可能であり、またこれにより本発明を好ましく実施できることも明らかである。従って、添付の請求項は、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】使い捨て吸収性物品の平面図。
【図2】本発明による湿潤感知部材の断面図。
【図3a】身体に面する表面上に設けられた湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図3b】湿潤感知部材の層を例示する図3aに示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図4】湿潤感知部材の取り付けを例示するプルオン使い捨て吸収性物品の等角図。
【図5a】トップシートと一体化されている湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図5b】図5aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図6a】トップシートと一体化されるとともに、その間に細長いスリット開口部を挟んだ状態で長手方向軸線に平行に離間して設けられた、2つの湿潤感知部材を有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図6b】図6aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図7a】Z形に折り畳まれたトップシートを有する使い捨て吸収性物品の平面図であり、2つの湿潤感知部材は、トップシートと一体化されるとともに、トップシートのZ形折り畳み部に設けられている。
【図7b】図7aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図8a】バリアレッグカフと一体化された湿潤感知部材を含むバリアレッグカフを有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図8b】図8aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図9a】バリアレッグカフと一体化されている湿潤感知部材を含むバリアレッグカフの代替形態を有する使い捨て吸収性物品の平面図。
【図9b】図9aに例示される使い捨て吸収性物品の断面図。
【図10】代表的な使い捨て吸収性物品20の斜視図であり、その弛緩した収縮状態、すなわち、伸縮部材によって生じる収縮のある状態で示されている。図10において、着用者に向かって内側を向くとともに着用者に接触する物品20の内側部分は、上を向いて示されている。
【図11】同様に配向された別の斜視図。
【図12】図11において開いた状態で示される再締着可能なサイドシーム40の断面図であり、締結された状態のサイドシームを示している。
【図13】図10及び図11の図と同様に配向された別の斜視図であり、第2締結構成要素の代替形態を示している。
【図14】開いた状態で示される、代替的な再締結可能サイドシーム40の断面図。
【図15】締結された状態で示される、図14の再締結可能サイドシーム40の断面図。
【図16】代表的な使い捨て吸収性物品20の斜視図であり、その弛緩した収縮状態で、すなわち、弾性部材によって生じる収縮のある状態で示されている。図16において、着用者に向かって内側を向くとともに着用者に接触する物品20の内側部分は、上を向いて示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線と、身体側を向く面と、第1腰部区域にある横方向に延びる第1腰部縁部と長手方向に対向する第2腰部区域にある横方向に延びる第2腰部縁部との間を延びる2つの横方向に対向する物品の側縁部と、前記腰部区域の間に設けられた股区域と、を有する、着用者の胴体下部周りで着用するための使い捨て吸収性物品であって、
バックシートと、
前記バックシートに取り付けられたトップシートと、
少なくとも1つの流動制御層と、
前記バックシートと前記トップシートとの間に設けられ、少なくとも一部分が前記流動制御層と前記バックシートとの間に設けられた吸収性コアと、
対向する前記腰部区域を前記物品側縁部の1つにおいて又は隣接して互いに締結して脚開口部を形成する少なくとも1つの再締結可能サイドシームであって、前記腰部区域の1つに設けられるとともに対向する前記腰部区域に締結し得る少なくとも第1の締結構成要素を有する前記再締結可能サイドシームと、を備え、
前記流動制御層は、前記着用者により排出された尿がz方向に前記使い捨て吸収性物品内に流れ込むのを遅らせる、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記第1締結構成要素は機械的締結具である、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記再締結可能サイドシームは、前記第1締結構成要素と係合するようになされた、少なくとも1つの別個の噛み合う締結構成要素を有する、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記使い捨て吸収性物品内における前記流動制御層の存在を示すと共に、少なくとも前記身体側を向く面を見た際に視認される可視的強調部をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
長手方向軸線に平行に且つ長手方向軸線から離間して設けられるとともに、互いから離間して配置された複数の流動制御層を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記第1締結構成要素に隣接して設けられ、対向する前記腰部区域のそれぞれの部分を互いに締結するようになされた少なくとも1つの第2締結構成要素を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の複数の前記使い捨て吸収性物品を含むパッケージ。
【請求項8】
前記使い捨て吸収性物品のそれぞれは、前記再締結可能サイドシームが締結されて構成されている、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記再締結可能サイドシームが、前記第1締結構成要素に隣接して設けられた第2締結構成要素であって、対向する前記腰部区域のそれぞれの部分を互いに締結するようになされた少なくとも1つの第2締結構成要素をさらに有し、前記第2締結構成要素は締結され、前記第1締結構成要素は開放されている、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記第1締結構成要素は機械的締結具であり、前記第2締結構成要素が接着剤である、請求項9に記載のパッケージ。
【請求項1】
長手方向軸線と、身体側を向く面と、第1腰部区域にある横方向に延びる第1腰部縁部と長手方向に対向する第2腰部区域にある横方向に延びる第2腰部縁部との間を延びる2つの横方向に対向する物品の側縁部と、前記腰部区域の間に設けられた股区域と、を有する、着用者の胴体下部周りで着用するための使い捨て吸収性物品であって、
バックシートと、
前記バックシートに取り付けられたトップシートと、
少なくとも1つの流動制御層と、
前記バックシートと前記トップシートとの間に設けられ、少なくとも一部分が前記流動制御層と前記バックシートとの間に設けられた吸収性コアと、
対向する前記腰部区域を前記物品側縁部の1つにおいて又は隣接して互いに締結して脚開口部を形成する少なくとも1つの再締結可能サイドシームであって、前記腰部区域の1つに設けられるとともに対向する前記腰部区域に締結し得る少なくとも第1の締結構成要素を有する前記再締結可能サイドシームと、を備え、
前記流動制御層は、前記着用者により排出された尿がz方向に前記使い捨て吸収性物品内に流れ込むのを遅らせる、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記第1締結構成要素は機械的締結具である、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記再締結可能サイドシームは、前記第1締結構成要素と係合するようになされた、少なくとも1つの別個の噛み合う締結構成要素を有する、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記使い捨て吸収性物品内における前記流動制御層の存在を示すと共に、少なくとも前記身体側を向く面を見た際に視認される可視的強調部をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
長手方向軸線に平行に且つ長手方向軸線から離間して設けられるとともに、互いから離間して配置された複数の流動制御層を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記第1締結構成要素に隣接して設けられ、対向する前記腰部区域のそれぞれの部分を互いに締結するようになされた少なくとも1つの第2締結構成要素を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の複数の前記使い捨て吸収性物品を含むパッケージ。
【請求項8】
前記使い捨て吸収性物品のそれぞれは、前記再締結可能サイドシームが締結されて構成されている、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記再締結可能サイドシームが、前記第1締結構成要素に隣接して設けられた第2締結構成要素であって、対向する前記腰部区域のそれぞれの部分を互いに締結するようになされた少なくとも1つの第2締結構成要素をさらに有し、前記第2締結構成要素は締結され、前記第1締結構成要素は開放されている、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記第1締結構成要素は機械的締結具であり、前記第2締結構成要素が接着剤である、請求項9に記載のパッケージ。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2007−530228(P2007−530228A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506253(P2007−506253)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/009686
【国際公開番号】WO2005/097026
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/009686
【国際公開番号】WO2005/097026
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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