説明

冗長構成コンピュータシステム、その運転制御方法、及びプログラム

【課題】冗長構成コンピュータシステムの消費電力を低減することを可能にすることである。
【解決手段】アプリケーションを実行するための第一の装置と、第二の装置と、冗長運転制御部とを具備する冗長構成コンピュータシステムによって解決することができる。第二の装置は、起動すると第一の装置と冗長状態で動作し、停止すると第一の装置と非冗長状態に縮退する。冗長運転制御部は、所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照し、その縮退属性に応じて、第二の装置の起動及び停止を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冗長構成コンピュータシステム、その運転制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
冗長構成コンピュータシステムは、冗長化された二以上の装置とこれらを制御する手段を有するが、一般にシステムの起動時より、冗長状態で運用される。さらに、起動後も、常時、装置故障等の不測の時に備えて冗長状態を維持し、システムの継続運用を実現している。しかし、結果的に、装置故障等が発生していない間は、冗長化されている全ての装置が動作しているので、消費電力が大きくなる。
【0003】
冗長構成コンピュータシステム等について開示する特許文献としては、特開2002−215597号公報(特許文献1参照)、特開2003−162515号公報(特許文献2参照)、特開平09−091254号公報(特許文献3参照)、特表2004−530181号公報(特許文献4参照)などを挙げることができる。しかし、これらの特許文献には、アプリケーションの属性に応じて、低消費電力化を図ることについては記載されていない。
【0004】
【特許文献1】特開2002−215597号公報
【特許文献2】特開2003−162515号公報
【特許文献3】特開平09−091254号公報
【特許文献4】特表2004−530181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、冗長構成コンピュータシステムの消費電力を低減することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つ目のアスペクトによる冗長構成コンピュータシステムは、アプリケーションを実行するための第一の装置と、第二の装置と、冗長運転制御部とを具備する。第二の装置は、起動すると第一の装置と冗長状態で動作し、停止すると第一の装置と非冗長状態に縮退する。冗長運転制御部は、所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照し、その縮退属性に応じて、第二の装置の起動及び停止を制御する。
【0007】
本発明の二つ目のアスペクトによる冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法は、アプリケーションを実行するための第一の装置の起動及び停止を行うことと、第二の装置の起動及び停止を行うことと、冗長運転の制御を行うこととを具備する。第二の装置は、起動すると第一の装置と冗長状態で動作し、停止すると第一の装置と非冗長状態に縮退する。冗長運転の制御を行うことは、所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照し、その縮退属性に応じて、第二の装置の起動及び停止を制御する。
【0008】
本発明の三つ目のアスペクトによるプログラムは、アプリケーションを実行するための第一の装置の起動及び停止を行う手順と、第二の装置の起動及び停止を行う手順と、冗長運転の制御を行う手順とをコンピュータに実行させる。第二の装置は、起動すると第一の装置と冗長状態で動作し、停止すると第一の装置と非冗長状態に縮退する。冗長運転の制御を行う手順は、所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照し、その縮退属性に応じて、第二の装置の起動及び停止を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冗長構成コンピュータシステムの消費電力を低減することを可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
冗長構成コンピュータシステムは、個別の部品交換をシステム動作中に行うこと、不測の部品故障が生じたときでも継続運用を行うことなどを可能とし、システムとしての長期連続稼動を実現するものである。しかし、冗長構成を持つコンピュータシステムにおいても、冗長化された個別の装置、例えば、単体のプロセッサモジュールの信頼性は維持向上されている。よって、冗長構成を縮退できる時間帯があれば、一部モジュールの縮退により、消費エネルギーを削減することができる。縮退後は、必要に応じて、冗長状態に復帰させることで、所期の高可用性を達成することができる。
【0011】
例えば、ソフトウェアによる復旧方法などがある場合には、あえて冗長構成で運用を継続する必要は無い。そのようなサービス要求に対しては、冗長化されていない状態で運用することで、システム全体の消費電力を下げることができる。また、不要な装置を停止するので、個々の部品の稼働時間が短くなり、装置寿命を延ばすことも可能と考えられる。
【0012】
冗長構成コンピュータシステムに対して、サービス要求を行うアプリケーションの動作状況により、非冗長状態での動作が可能な間は、冗長状態を縮退することができる場合がある。装置単独ではシステムの可用性を低下させても、アプリケーションによって、システム全体の可用性を維持できる場合には、冗長状態を縮退することで消費電力や発熱の低減を図ることができる。縮退後は、必要に応じて、例えば、新たなアプリケーションを起動する時に、自動で冗長状態に復帰することで、システムの可用性を維持することができる。
【0013】
非冗長状態で実行可能なアプリケーションとしては、ログファイルやジャーナルなどを挙げることができる。これらは、システムダウンが発生したときでも業務の復旧と再実行が可能なアプリケーションである。また、データベースの参照動作のみで、その参照要求が完了しない場合でも、要求元からの再試行により復旧が可能なアプリケーションなども非冗長状態で実行可能である。なお、非冗長状態で動作中に部品故障などによりシステムダウンとなった場合は、通常の非冗長構成のサーバと同様に、アプリケーションの再実行やデータベースの再読み込みなどの操作にてシステムの復旧を行うなどすればよい。
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態の一つについて詳細に説明する。本実施の形態では、冗長構成コンピュータシステムに対して起動要求を行うアプリケーションごとに、縮退属性を持たせる。縮退属性は、冗長状態での実行を必須とするか否かに関する情報を示すものであり、アプリケーション自体での復旧機能の有無等を示す。冗長構成コンピュータシステムにおいては、冗長化された装置を制御する制御部が、アプリケーションの縮退属性を参照し、冗長状態を自動的に制御する。このとき、制御部は、システム全体で必要とされる可用性を維持した上で冗長化された装置を縮退し、消費エネルギーや発熱量の低減と、装置寿命の延長を実現する。
【0015】
本実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本実施の形態は、冗長化された複数の装置により冗長構成をとることが可能な冗長構成コンピュータシステムに関するものである。図1において、冗長構成コンピュータシステム10は、冗長化された装置、ここでは、複数のプロセッサモジュール11,12を有している。一つ目のプロセッサモジュール11が稼動系として動作している場合、二つ目のプロセッサモジュール12は待機系として動作する。また、プロセッサモジュール12が稼動系として動作している場合には、プロセッサモジュール11は待機系として動作することができる。これらのプロセッサモジュール11,12は、稼動系として動作している場合も、待機系として動作している場合も相当の電力を消費する。
【0016】
冗長運転制御部13は、冗長構成をとるプロセッサモジュール11,12の状態を監視し、プロセッサモジュール11,12の起動や停止を制御する。起動しているプロセッサモジュール11,12を停止した場合、プロセッサモジュール11,12は低消費電力モードに移行する。また、停止しているプロセッサモジュール11,12を起動した場合、プロセッサモジュール11,12は通常消費電力モードに移行する。プロセッサモジュール11,12はハードウェアであるが、冗長運転制御部13は、プログラムを実行することにより機能するソフトウェアにて実現されている。冗長構成コンピュータシステム10においては、不図示の記憶装置なども冗長化されているが、その他の冗長化装置の制御も、プロセッサモジュール11,12の制御と同様であるので、ここでは理解を容易にするために、その他の冗長化装置の説明は省略する。
【0017】
図1における冗長構成コンピュータシステム10は、ネットワーク層及びトランスポート層の通信プロトコルを処理しているものとする。ここでは、下位のデータリンク層からサービス要求を受け付け、上位のプロトコル層へそのサービス要求を送出する。アプリケーション層、プレゼンテーション層、セッション層といった上位のプロトコル層に位置するアプリケーション20はプログラムであり、実行に際してプロセッサモジュール11,12を使用する。アプリケーション20は、起動するときに、冗長構成コンピュータシステム10に対して、アプリケーション起動要求を発行する。このアプリケーション起動要求は、冗長運転制御部13によって捕捉される。
【0018】
アプリケーション20には、縮退属性21が設定されている。本実施の形態における縮退属性21には、「非冗長状態での動作可否」と「冗長化待機の要否」とがあり、各々「”可”又は”否”」と「”要”又は”否”」が設定されている。これらの設定内容は、アプリケーション20が起動するときに発行されるアプリケーション起動要求に付帯して、冗長構成コンピュータシステム10に対して送出される。それから、冗長運転制御部13は、受け取った設定内容を保持することもでき、また、アプリケーション20に対し、必要に応じて、これらの設定内容を問い合わせることができる。
【0019】
本実施の形態では、縮退属性21として次の二つの属性を設定する。そのひとつは、「非冗長状態での動作可否」である。実行状態にある全てのアプリケーションについて、「非冗長状態での動作可否」の縮退属性が「可」であった場合、冗長構成コンピュータシステム10の冗長運転制御部13は、冗長状態にある冗長化装置があれば冗長化装置の停止を行って非冗長状態に縮退し、低消費電力状態でシステムを運用する。一方、実行状態にあるいずれかのアプリケーションについて、「非冗長状態での動作可否」の縮退属性が「否」であった場合、冗長構成コンピュータシステム10の冗長運転制御部13は、縮退している冗長化装置があればこれを起動し、冗長状態に戻してシステムを運用する。
【0020】
本実施の形態におけるもうひとつの縮退属性は、「冗長化待機の要否」である。あるアプリケーションの起動要求があった場合、冗長構成コンピュータシステム10の冗長運転制御部13は、「冗長化待機の要否」の縮退属性を参照する。「冗長化待機の要否」の縮退属性が、「要」と設定されている場合、冗長運転制御部13は、縮退して低消費電力状態にある冗長化装置があれば、これを起動する。その後、システムが冗長状態に戻るのを待って、アプリケーションの起動を許可する。一方、「冗長化待機の要否」の縮退属性が「否」とされていれば、即座にアプリケーションの起動を許可する。
【0021】
まず、「非冗長状態での動作可否」の縮退属性の使い方について、図1のブロック図および図2のフローチャートを参照して詳細に説明する。冗長構成コンピュータシステム10の冗長運転制御部13は、所定のタイミングで、図2の冗長運用監視処理を実行する。図2における冗長運用監視処理では、まず、プロセッサモジュール11,12の冗長状態を確認する(S20)。その結果、非冗長状態であれば、そのまま冗長運用監視処理を終了する。
【0022】
一方、プロセッサモジュール11,12が冗長状態であった場合は、動作中の全てのアプリケーションの縮退属性を確認する(S21)。一つでも「非冗長状態での動作可否」を「否」とするアプリケーションがあれば、そのまま冗長運用監視処理を終了する。
【0023】
動作中のすべのアプリケーションが「非冗長状態での動作可否」を「可」としている場合は、動作中のプロセッサモジュールのうち一部を停止させて(S22)、監視処理を終了する。本実施の形態では、プロセッサモジュール11,12が2つあるので、双方とも動作中で冗長状態にあった場合には、プロセッサモジュール11の動作をそのまま継続し、プロセッサモジュール12の動作を停止することができる。このとき、プロセッサモジュール11は通常消費電力モードを維持し、プロセッサモジュール12は低消費電力モードへ移行する。若しくは、プロセッサモジュール12の動作をそのまま継続し、プロセッサモジュール11の動作を停止することができる。このとき、プロセッサモジュール12は通常消費電力モードを維持し、プロセッサモジュール11は低消費電力モードへ移行する。
【0024】
以上の監視処理を、例えば一定時間間隔で行うことで、非冗長状態での動作が可能な状態になった場合に、冗長化された装置による冗長運用を縮退することができる。
【0025】
次に、図3のフローチャートを参照して、「非冗長状態での動作可否」の縮退属性の別の使い方について詳述する。アプリケーション20を起動する際は、その起動要求を冗長運転制御部13が受ける。冗長運転制御部13は、冗長化された装置の冗長状態を確認し(S30)、冗長状態であればアプリケーション20の起動要求を受け入れ、即座にアプリケーション20の起動を許可する(S31)。
【0026】
非冗長状態であった場合は、「非冗長状態での動作可否」の縮退属性を参照し、処理を判断する。「非冗長状態での動作可否」が「可」の場合は、即座にアプリケーションの起動を許可することができる(S32)。「非冗長状態での動作可否」が「否」の場合は、非冗長状態から冗長状態へ移行するため、停止しているコンピュータモジュールを起動する(S33)。
【0027】
次に、図3のフローチャートを参照して、「冗長化待機の要否」の縮退属性の使い方の具体例について説明する。コンピュータモジュール11,12が非冗長状態にあって(S30:非冗長状態)、「非冗長状態での動作可否」の縮退属性が”否”であったとき(S32:否)、停止しているコンピュータモジュールを起動すると共に(S33)、「冗長化待機の要否」の縮退属性を用いて、アプリケーション20の起動を制御することができる。
【0028】
冗長運転制御部13は、停止しているモジュールの起動要求を発行した後、「冗長化待機の要否」の縮退属性を確認する(S34)。「冗長化待機の要否」が「否」の場合、すなわち待機が不要な場合には、そのままアプリケーション20の起動を許可する(S31)。一方、「冗長化待機の要否」が「要」の場合は、コンピュータモジュール11,12が冗長化状態になるまで待機し(S35)、その後、アプリケーション20の起動を許可する(S31)。
【0029】
図3のフローチャートにより、新規にアプリケーション20を起動する際に、「非冗長状態での動作可否」の縮退属性、及び、「冗長化待機の要否」の縮退属性を用いることによって、必要に応じて、コンピュータモジュール11,12を非冗長化状態から冗長状態へ復帰させることができる。同時に、アプリケーション20を含めた全体の信頼性を保ちながら、冗長化されたコンピュータモジュール11,12の低消費電力化を図ることができる。
【0030】
前述の実施の形態では、プロセッサモジュール11,12の双方とも低消費電力モードへ移行できるものとしたが、いずれかが低消費電力モードへ移行できるものとしても低消費電力化を実現できる。また、2台のプロセッサモジュール11,12を例示したが、本発明は、3台以上のプロセッサモジュールを保有する冗長構成コンピュータシステムにも適用可能である。3台以上のプロセッサモジュールを保有する冗長構成コンピュータシステムの場合、「非冗長状態での動作可否」を「可」とするプログラムだけが動作しているとき、冗長運転制御部は、所定のアルゴリズムに従って判断を行い、1台ないし複数台のプロセッサモジュールを停止することが可能である。このとき、冗長運転制御部は、少なくとも1台のプロセッサモジュールのみが動作している状態まで、冗長構成コンピュータシステムを縮退することができる。
【0031】
また、停止させるプロセッサモジュールをいずれのモジュールにするかを判断するときには、もっとも長く動作していたモジュールを優先して停止させる方法の採用が考えられる(モジュール動作に依る機器の消耗を均一にする方法)。また、もっとも動作時間が短いモジュールから停止させる方法も考えられる(長期動作しているモジュールの信頼性に依存する方法)。
【0032】
さらに、縮退属性を参照して、冗長化されたプロセッサモジュールを非冗長状態から冗長状態へ復帰させる場合において、複数のプロセッサモジュールが停止していた場合には、前述と同様に、いずれのプロセッサモジュールを優先して起動するかを選択可能である。また、1台のみのプロセッサモジュールが動作し、かつ、複数のプロセッサモジュールが停止している非冗長状態から、2台以上のプロセッサモジュールが動作する冗長状態へ復帰させる場合、1台のプロセッサモジュールを再度起動することにより、2台のプロセッサモジュールが動作した時点で復帰処理を終了することができる。その他、停止しているすべてのコンピュータモジュールを起動した時点で復帰処理を終了し、冗長化されたプロセッサモジュールが持てる最大の冗長状態で運用を継続することもできる。
【0033】
コンピュータシステムの冗長性に関するアプリケーションの縮退属性について、前述の実施の形態では、アプリケーション単位に静的に属性を設定している。しかし、この縮退属性は、動的に変更可能とすることができる。このとき、アプリケーションの実行中であっても、参照系の処理を行うアプリケーションが実行されている間は、「非冗長状態での動作可否」を「可」に設定し、更新系の処理を行うアプリケーションが実行されている間は、「非冗長状態での動作可否」を「否」に設定することができる。この機能を実現するには、例えば、アプリケーションから随時「非冗長状態での動作可否」を変更する機能を追加すればよい。そして、望ましくは、「非冗長状態での動作可否」の設定を変更する際にも、図3のアプリケーション起動時の処理を実行する機能を設ければよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明を実施するための最良の形態の一つを説明するブロック図である。
【図2】図2は、冗長運用監視処理を説明するフローチャートである。
【図3】図3は、アプリケーションの起動方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
10 冗長構成コンピュータシステム
11,12 プロセッサモジュール
13 冗長運転制御部
20 アプリケーション
21 縮退属性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを実行するための第一の装置と、
起動すると前記第一の装置と冗長状態で動作し、停止すると前記第一の装置と非冗長状態に縮退する第二の装置と、
所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照し、その縮退属性に応じて、前記第二の装置の起動及び停止を制御する冗長運転制御手段とを具備する
冗長構成コンピュータシステム。
【請求項2】
前記第二の装置は、
起動すると通常消費電力モードで動作し、停止すると低消費電力モードへ移行する
請求項1記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項3】
前記冗長運転制御手段は、
前記縮退属性として、アプリケーションの実行に際して非冗長状態での動作可否を示す第一の縮退属性を参照し、前記第一の縮退属性が可を示していた場合において、前記第二の装置が前記第一の装置と冗長状態にあったときには、前記第二の装置の停止を行う
請求項2記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項4】
前記冗長運転制御手段は、
アプリケーションの起動を制御し、
アプリケーションを新規に起動することを要求するアプリケーション起動要求を受けた場合には、このアプリケーションの前記第一の縮退属性を参照し、この第一の縮退属性が否を示していた場合において、前記第二の装置が停止していたときには、前記第二の装置の起動を行う
請求項3記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項5】
前記冗長運転制御手段は、
前記縮退属性として、アプリケーション起動時における冗長化待機の要否を示す第二の縮退属性を参照し、前記第二の装置の前記起動を行うときに、新規に起動される前記アプリケーションの前記第二の縮退属性が要を示していた場合には、前記第二の装置が起動を開始し、前記第一の装置と冗長状態になるまで待機した後に、新規に起動される前記アプリケーションの起動を許可する
請求項4記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項6】
前記冗長運転制御手段は、
前記所定のタイミングで、前記第一の装置が、複数のアプリケーションを実行するために使用されていた場合には、前記複数のアプリケーションのそれぞれについて、前記第一の縮退属性を参照し、全ての前記第一の縮退属性が可を示し、かつ、前記第二の装置が起動されていたときに、前記第二の装置の停止を行う
請求項5記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項7】
前記第一の装置は、
起動すると前記第二の装置と冗長状態で動作し、停止すると前記第二の装置と非冗長状態に縮退し、
前記冗長運転制御手段は、
前記縮退属性に応じて、前記第一の装置の起動及び停止を制御する
請求項6記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項8】
前記第一の装置は、
起動すると通常消費電力モードで動作し、停止すると低消費電力モードへ移行する
請求項7記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項9】
前記冗長運転制御手段は、
前記所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照したときに、その縮退属性が冗長状態の縮退が可能であることを示しており、かつ、前記第一の装置及び前記第二の装置が冗長状態で動作していた場合には、所定のアルゴリズムに従って、前記第一の装置又は前記第二の装置のいずれかの停止を行う
請求項8記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項10】
起動すると前記第一の装置及び前記第二の装置と冗長状態で動作し、停止すると前記第一の装置及び前記第二の装置と非冗長状態に縮退する第三の装置をさらに具備し、
前記冗長運転制御手段は、
前記縮退属性に応じて、前記第三の装置の起動及び停止を制御する
請求項7記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項11】
前記第三の装置は、
起動すると通常消費電力モードで動作し、停止すると低消費電力モードへ移行する
請求項10記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項12】
前記冗長運転制御手段は、
前記所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照したときに、その縮退属性が冗長状態の縮退が可能であることを示しており、かつ、前記第一の装置、前記第二の装置、及び前記第三の装置が冗長状態で動作していた場合には、所定のアルゴリズムに従って、前記第一の装置、前記第二の装置、又は前記第三の装置のいずれか一つの装置を除くその他の装置のうち、少なくとも一つの装置の停止を行う
請求項11記載の冗長構成コンピュータシステム。
【請求項13】
アプリケーションを実行するための第一の装置の起動及び停止を行うことと、
起動すると前記第一の装置と冗長状態で動作し、停止すると前記第一の装置と非冗長状態に縮退する第二の装置の起動及び停止を行うことと、
所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照し、その縮退属性に応じて、前記第二の装置の起動及び停止を制御する冗長運転の制御を行うこととを具備する
冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項14】
前記第二の装置の起動及び停止を行うことは、
前記第二の装置の起動により、前記第二の装置が通常消費電力モードで動作することと、
前記第二の装置の停止により、前記第二の装置が低消費電力モードへ移行することとを具備する
請求項13記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項15】
前記冗長運転の制御を行うことは、
前記縮退属性として、アプリケーションの実行に際して非冗長状態での動作可否を示す第一の縮退属性を参照し、前記第一の縮退属性が可を示していた場合において、前記第二の装置が前記第一の装置と冗長状態にあったときには、前記第二の装置の停止を行うこととを含む
請求項14記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項16】
前記冗長運転の制御を行うことは、
アプリケーションの起動を制御することと、
アプリケーションを新規に起動することを要求するアプリケーション起動要求を受けた場合には、このアプリケーションの前記第一の縮退属性を参照し、この第一の縮退属性が否を示していた場合において、前記第二の装置が停止していたときには、前記第二の装置の起動を行うこととを更に含む
請求項15記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項17】
前記冗長運転の制御を行うことは、
前記縮退属性として、アプリケーション起動時における冗長化待機の要否を示す第二の縮退属性を参照することを更に含み、
前記第二の装置が停止していたときには、前記第二の装置の起動を行うことは、
新規に起動される前記アプリケーションの前記第二の縮退属性が要を示していた場合には、前記第二の装置が起動を開始し、前記第一の装置と冗長状態になるまで待機した後に、新規に起動される前記アプリケーションの起動を許可することを含む
請求項16記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項18】
前記冗長運転の制御を行うことは、
前記所定のタイミングで、前記第一の装置が、複数のアプリケーションを実行するために使用されていた場合には、前記複数のアプリケーションのそれぞれについて、前記第一の縮退属性を参照し、全ての前記第一の縮退属性が可を示し、かつ、前記第二の装置が起動されていたときに、前記第二の装置の停止を行うことを更に含む
請求項17記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項19】
前記第一の装置の起動及び停止を行うことは、
起動すると前記第二の装置と冗長状態で動作し、停止すると前記第二の装置と非冗長状態に縮退する前記第一の装置の起動及び停止を行うことを含み、
前記冗長運転の制御を行うことは、
前記縮退属性に応じて、前記第一の装置の起動及び停止を制御することを更に含む
請求項18記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項20】
前記第一の装置の起動及び停止を行うことは、
前記第一の装置の起動により、前記第一の装置が通常消費電力モードで動作することと、
前記第一の装置の停止により、前記第一の装置が低消費電力モードへ移行することとを更に具備する
請求項19記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項21】
前記冗長運転の制御を行うことは、
前記所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照したときに、その縮退属性が冗長状態の縮退が可能であることを示しており、かつ、前記第一の装置及び前記第二の装置が冗長状態で動作していた場合には、所定のアルゴリズムに従って、前記第一の装置又は前記第二の装置のいずれかの停止を行うことを更に含む
請求項20記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項22】
起動すると前記第一の装置及び前記第二の装置と冗長状態で動作し、停止すると前記第一の装置及び前記第二の装置と非冗長状態に縮退する第三の装置の起動及び停止を行うことを更に具備し、
前記冗長運転の制御を行うことは、
前記縮退属性に応じて、前記第三の装置の起動及び停止を制御することを更に含む
請求項21記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項23】
前記第三の装置の起動及び停止を行うことは、
前記第三の装置の起動により、前記第三の装置が通常消費電力モードで動作することと、
前記第三の装置の停止により、前記第三の装置が低消費電力モードへ移行することとを具備する
請求項22記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項24】
前記冗長運転の制御を行うことは、
前記所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照したときに、その縮退属性が冗長状態の縮退が可能であることを示しており、かつ、前記第一の装置、前記第二の装置、及び前記第三の装置が冗長状態で動作していた場合には、所定のアルゴリズムに従って、前記第一の装置、前記第二の装置、又は前記第三の装置のいずれか一の装置の停止を行うことなく、かつ、その他の装置のうち、少なくとも一つの装置の停止を行うことを更に含む
請求項23記載の冗長構成コンピュータシステムの運転制御方法。
【請求項25】
アプリケーションを実行するための第一の装置の起動及び停止を行う手順と、
起動すると前記第一の装置と冗長状態で動作し、停止すると前記第一の装置と非冗長状態に縮退する第二の装置の起動及び停止を行う手順と、
所定のタイミングでアプリケーションの縮退属性を参照し、その縮退属性に応じて、前記第二の装置の起動及び停止を制御する冗長運転の制御を行う手順とをコンピュータに実行させるための
プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−237622(P2009−237622A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79304(P2008−79304)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000213301)中部日本電気ソフトウェア株式会社 (56)
【Fターム(参考)】