説明

冷やし金を用いた鋳物の製造方法

【課題】 冷やし金を用いた鋳物の製造方法において、鋳造物の大きさや形状によらず冷やし金の冷却効果を確実にすることである。
【解決手段】 鋳型内に溶湯と直接接するかもしくは近接して常温での熱伝導率が0.06cal/cm・s・℃以上である冷やし金を埋設し、かつ、該冷やし金の両端に常温での熱伝導率が冷やし金の0.3〜2倍である熱伝導材ブロックを溶湯とは接しないように連結させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳型内に設置した冷やし金の冷却効果により、引け巣の防止、組織の緻密化を図る鋳物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷やし金は押し湯と同様に、鋳物の引巣防止する手段の一つとして用いられることが多い。押し湯が凝固に伴って不足する溶湯を補給して引け巣の発生を防止するのに対して、冷やし金は鋳物の高温部分から熱を奪うことにより冷却速度の均一化を計り、引け巣の発生を防止する。また、冷やし金は鋳造品の組織の微細化などにも用いられる。一般に冷やし金の素材には鋳鉄、鋳鋼、銅、黒鉛など熱伝導性が良い物が用いられ、引け巣が発生し易い鋳物の肉厚部に接した状態や離した状態で設置される。例えば、肉厚部に対して冷やし金を中子として用いる方法(特許文献1)や、鋳物体積の30%以上の直接冷やし金を配置した砂型に鋳込む方法(特許文献2)などがある。
【特許文献1】特開平10−263794
【特許文献2】特開2002−292453
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら鋳造しようとする鋳物によっては、形状などの制限により必要とする大きさの冷やし金を設置できない場合がある。例えば、周囲を鋳物で囲まれた中子のような場所では、埋設できる冷やし金は必然的に大きさの制限を受ける。このような場合には、その体積に見合った以上の熱量を冷やし金が受けるために温度が上昇し、冷やし金としての冷却能が低下してしまうことがある。その結果、溶湯から熱を奪う冷やし金の効果が薄れ、鋳物に引け巣等が発生することがある。また、冷やし金に鋳鉄や鋳鋼、銅などを用いると、溶湯からの熱によって冷やし金が溶けてしまうことさえある。
【0004】
そこで従来は、冷やし金を鋳型外と通じさせることによって空冷したり、水の気化熱などを利用した水冷却などによって冷やし金の温度上昇を防ぐことにより冷却能を保つようにしたものもあるが(特開2001−179392)、何れも効果が不十分だったり、冷やし金の設置や取り扱いが不便だったりした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では上記課題を解決するために、鋳物に対して常温での熱伝導率が0.06cal/cm・s・℃以上の熱伝導性の良い物質からなる冷やし金を連結し、この冷やし金が暖まらないように凝固までの間、連続的に冷却することを目的として、常温での熱伝導率が冷やし金の0.3〜2倍である熱伝導材ブロックを溶湯とは接しないように冷やし金の両端に連結する。すなわち、冷やし金の両端を鋳物砂中に延長し、この端を冷やし金冷却用の熱伝導ブロックと連結させることにより、冷やし金が吸熱した熱量を熱伝導材ブロックへと移動させて冷やし金自体の温度が上昇するのを防ぐようにする。なお、熱伝導率は温度によって変化するため、常温での熱伝導率を基準とした。
【0006】
冷やし金の両端に熱伝導材ブロックを連結する理由は、冷やし金の冷却能力を高める目的もあるが、片側のみに熱伝導材ブロックを連結すると引け巣が発生する最終凝固部がブロックの反対側へ移動するのみで、引け巣をなくすことができないことを発見したからである。
【0007】
また、熱伝導材ブロックの熱伝導性が良すぎると、ブロック自体が暖まりすぎて、冷やし金を冷却する効果がなくなってしまうことを発見した。言い換えるならば、ブロックと冷やし金に温度勾配がなくなると、冷やし金の冷却効果が急激に低下し、冷やし金の効果がなくなってしまうことを発見した。このために、常温での熱伝導材ブロックの熱伝導性は冷やし金の0.3〜2倍でなくてはならないことを発見した。
【0008】
鋳物に連結する冷やし金は、直接溶湯と接するようにした方が熱伝導性が良くなるが、金属系の冷やし金では溶湯と反応して冷やし金が除去できなくなるという問題がある。この問題を解決するために、冷やし金の材質を黒鉛もしくは黒鉛系混合物とした。このことにより、冷やし金と溶湯が直接連結できるようになり、熱拡散が容易となった。ただし、黒鉛系の冷やし金を使用しなくても、金属系冷やし金の周りに塗型などの耐火物を塗布してもよい。
【0009】
冷やし金の両端に連結させる熱伝導材ブロックの材質については、黒鉛、黒鉛系混合物、鉄系金属、銅系金属、アルミ系金属のいずれかであれば問題はない。しかしながら、熱伝導材ブロックを例えば純銅などで製作すると、熱伝導性が良すぎるためにブロックが早く暖まりすぎて、冷やし金とブロックの温度差がなくなり、結果として冷やし金の冷却効果がなくなることを発見した。種々の実験を行った結果、常温でのブロックの熱伝導率は、冷やし金の0.3〜2倍でなくてはならないことを発見した。
【0010】
溶湯との反応性や作業性および熱伝導材ブロックの冷却効果などを調べた結果、効果の高い冷やし金と熱伝導材ブロックの組み合わせは、冷やし金に黒鉛を用い、熱伝導材ブロックに鉄系金属を用いることであることを見出した。
【発明の効果】
【0011】
鋳物の近傍に設置した冷やし金は、注湯時に溶湯の熱を受けて冷やし金自体の温度が上昇するため、時間経過とともに鋳物との温度差が小さくなり、冷却効果が低下してくる。特に鋳物の形状的な制約により、小さな冷やし金しか連結できないような場合、冷やし金の冷却能が足りずに、引け巣の発生を招くことがある。そこで、このような場合、冷やし金の両端に同じ鋳型内に設置してはあるが溶湯とは直接接しない熱伝導材ブロックを連結させ、冷やし金が溶湯から受けた熱量をこのブロックに移動させる。熱伝導材ブロックが溶湯と直接接すると、この溶湯の熱によりブロック自体が暖まり、冷やし金を冷却する効果がなくなってしまう。冷やし金を冷却するためのブロックを冷やし金に連結することにより、冷やし金の冷却能が持続するとともに温度上昇が妨げられて、組織の緻密化や引け巣の発生を防止することができる。
【0012】
鋳物を冷却するための冷やし金と、これに連結させる熱伝導材ブロックについては、いずれも常温での熱伝導率0.06cal/cm・s・℃以上の物質を用いる。冷やし金とこれに連結させる熱伝導材ブロックの熱伝導率が0.06cal/cm・s・℃以下の物質であった場合、溶湯と冷やし金、冷やし金と熱伝導材ブロック間における熱量の移動が遅くなり過ぎる。その結果、冷やし金が暖まり、鋳物組織の緻密化や引け巣の発生を防止するために必要な冷却効果が得られなくなる。
【0013】
冷やし金と連結させる熱伝導材ブロックには、常温での熱伝導率が冷やし金の0.3〜2倍である材質を用いる。熱伝導材ブロックの熱伝導率が高すぎると、冷やし金からの熱伝達が速いためにブロックの温度は直ぐに上昇してしまい、冷やし金とブロックの温度差がなくなり、ブロックが冷やし金を冷却する効果が弱まってしまう。これに対して、常温での熱伝導材ブロックの熱伝導率が冷やし金の0.3〜2倍の材料の場合は、ブロックと冷やし金の温度差が十分大きくなるために、冷やし金の冷却効果を凝固終了までの間長時間に渡って持続させることができる。これにより冷やし金の冷却効果が常に維持され、鋳造品に引け巣が発生するのを防ぐことができる。
【0014】
冷やし金に対する熱伝導材ブロックは、必ず冷やし金の両端にこのブロックを連結させることが重要である。冷やし金の片端だけに熱伝導材ブロックを連結させた場合は、冷やし金からブロックに向かう熱量の流れが一方向のみとなり、冷やし金全体の熱量をスムーズに熱伝道材ブロックに移動させることができない。これに対して冷やし金の両端に熱伝導材ブロックを連結させた場合は、冷やし金からこのブロックに向かう熱量の流れは二方向に分散されるため、冷やし金とその両端で連結する熱伝導材ブロックとの間の熱量移動はスムーズに進み、冷やし金の冷却効果も維持される。
【0015】
上述したように、熱伝導材ブロックを冷やし金の両端に連結すると、冷やし金から熱伝導材ブロックに向かう熱量の流れは二方向に分散されるため冷却効率が増す効果がある。本発明の特徴はこの冷却効率効果だけでなく、1カ所に集中した最終凝固部を2つに分割することにより、引け巣を防止する効果が含まれることにある。熱伝導材ブロックを冷やし金の片側のみに連結した場合、最終凝固部は一端のブロックと反対側の方向に移動するだけで、最終凝固部を2つに分割することができない。冷やし金の両端にブロックを連結することにより、最終凝固部を2つに分割することができる。その結果、引け巣の発生を防止することができるようになる。
【0016】
本発明の冷やし金を用いた鋳造方法によれば、溶湯より冷やし金が受けた熱量を熱伝導材ブロックに逃がすことにより、冷やし金自体の温度上昇を防ぎ、鋳物に対する冷却効果を連続的に継続させることができるため、引け巣のない良好な鋳物を形成することができる。
【0017】
冷やし金は熱伝導材ブロックにより連続的に冷却される条件になっているため、冷やし金自体は小さくても十分に冷却効果を発揮することができる。このため、従来は鋳造品の形状要因より製品に対して大きな冷やし金が設置できず、十分な冷却ができなかった鋳造品に対しても、小さな冷やし金により効率良く冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0019】
図1に本発明による鋳造方法の一実施形態を示す。
【0020】
図1に示すように、鋳型1は、鋳枠2の内部に鋳物砂3が充填され、鋳造品形状である空間(キャビティー)4が鋳物砂3内に形成されている。キャビティー4には湯口5からの湯道6が連通し、またキャビティー4の中央には鋳造品の形状により、肉厚部を上下に貫通する穴4aが開いている。この穴4aには内壁面に連結して熱伝導率0.06cal/cm・s・℃以上の冷やし金7が埋設してあり、その両端には熱伝導材ブロック8、9がそれぞれ冷やし金7と連結し、かつキャビティー4とは連結しないように埋設してある。熱伝導材ブロック8、9は、常温での熱伝導率が冷やし金7の0.3〜2倍の材料からなる。なお、キャビティー4は、消失性模型でもよい。
【0021】
溶湯を湯口5から注湯すると、湯道6を通ってキャビティー4の内部に充填される。このとき、冷やし金7が設置してある穴4aの内壁面では、冷やし金7により溶湯が他の箇所よりも早く冷却される。しかし、冷やし金7が設置してある穴4aの部分が肉厚であるため、冷やし金7のみでは冷却効果が足りずに引け巣が発生してしまう。本発明では冷やし金7の両端に熱伝導材ブロック8、9が連結してあるため、冷やし金7の熱はこのブロック8、9に移動し、注湯により上昇した冷やし金7の温度が低下する。従って、冷やし金7が溶湯の熱を吸熱する作用が持続し、冷やし金7の高い冷却効果により引け巣の発生を防止することができる。
【0022】
次に、本発明に至るまでの鋳造実験として、冷やし金と熱伝導材ブロックの連結の仕方を変更して行った鋳造実験の一例を示す。
【0023】
実験では図2に示すように、一辺が300mmの立方体で直径50mmの穴4aが上下面の中心を縦に貫通しているキャビティー4を鋳型内に形成し、温度計10を穴4aの部分の鋳造品の表面温度が計測できるように設置した。冷やし金7は直径50mmの黒鉛棒とし、この穴4aの上下面より50mmずつはみ出すように通した。熱伝導材ブロック8,9は何れも重量約30kgの鋳鉄とし、キャビティー4の上下面よりはみ出した冷やし金7の片側7aもしくは両側7a、7bに連結するように設置した。実験ではこの鋳型に合金系ダクタイルの溶湯を鋳込み、鋳込み後の鋳造品の温度推移を比較するとともに、内部に発生する引け巣の有無を調査した。また、各実験についての凝固解析を合わせて行い、実験結果との整合性を図った。
【0024】
冷やし金と熱伝導材ブロックとの組み合わせについては、
A:冷やし金を設置しない場合(図2において7、8、9がない場合)
B:冷やし金のみを設置した場合(図2において8、9がない場合)
C:冷やし金の片端のみにブロックを連結した場合(図2において9がない場合)
D:冷やし金の両端にブロックを連結した場合(図2に示したもの)
このとき、Cで連結した1個のブロックの体積はDで連結したブロック2個分と同
じ体積とした。
【0025】
鋳造品の温度測定結果を図3に示す。
【0026】
図3から、冷やし金を用いない場合Aや冷やし金のみを設置した場合Bと比較して、冷やし金に熱伝導材ブロックを組み合わせた場合C、Dはいずれも鋳造品の冷却が速くなっていることが分かる。また、冷やし金と熱伝導材ブロックの組み合わせでは、冷やし金の片端だけにブロックを連結した場合よりも、両端に連結した場合の方が冷却速度が大幅に速くなっている。
【0027】
鋳造品内部の引け巣の状況を表1に、凝固解析の結果を図4に示す。
【0028】
【表1】

表1から分かるように、鋳造品内部に引け巣の発生が認められなかったのは、冷やし金の両端にブロックを連結した場合Dだけであり、それ以外の場合には引け巣の発生が認められた。これは凝固解析の結果と概ね一致する結果となった。
【0029】
図4の凝固解析の結果を見ると、冷やし金を連結しない場合(a)や冷やし金22のみを連結した場合(b)には、鋳造品の中心である穴の表面付近に引け巣が発生する最終凝固部21が存在する。冷やし金22の片端のみに熱伝導材ブロック23を連結した場合(c)には、最終凝固部21は高さ方向でブロックを連結していない側へ移動するものの、横方向への変化はわずかであり、穴の表面付近からはほとんど移動していない。これに対して冷やし金22の両端に熱伝導材ブロック23を連結した場合(d)には、最終凝固部21は高さ方向には変化がないものの、横方向に対して変化が大きく、穴の表面付近より外側に向かって大きく移動している。また移動した最終凝固部21の大きさも他の場合(a)、(b)、(c)と比べると小さくなっており、引け巣の発生する可能性は極めて小さくなっていることが分かる。この結果から、冷やし金22に熱伝導材ブロック23を連結して冷却する場合には、冷やし金22の両端にブロック23を連結するのが効果的であることが分かる。
【0030】
次に、冷やし金の両端に連結させる熱伝導材ブロックの材質を変更して行った鋳造実験の一例を示す。
【0031】
実験は、図2に示すように、一辺が300mmの立方体で直径50mmの穴4aが上下面の中心を貫通しているキャビティー4を鋳型内に形成し、温度計10を穴4aの部分の鋳造品の表面温度が計測できるように設置した。冷やし金7は直径50mmの黒鉛棒とし、この穴4aに上下面より50mmずつはみ出すように通して、その両端に熱伝導材ブロック8、9を連結した。実験ではこの鋳型に合金系ダクタイルの溶湯を鋳込み、鋳込み後の鋳造品の温度推移を比較するとともに、内部に発生する引け巣の有無を調査した。また、各実験についての凝固解析を合わせて行い、実験結果との整合性を図った。
【0032】
冷やし金の両端に連結する熱伝導材ブロックは次の3種類とした。
A:黒鉛製ブロック(常温の熱伝導率0.31 cal/cm・s・℃、重量
約8kg/個)
B:鋳鉄製ブロック(常温の熱伝導率0.18 cal/cm・s・℃、重量
約30kg/個)
C:銅製ブロック(常温の熱伝導率0.95 cal/cm・s・℃、重量約
40kg/個)
このとき各材質のブロックとも同じ体積とした。
【0033】
鋳造品の温度測定結果を図5に、引け巣の発生状況を表2に示す。
【0034】
【表2】

図5から、鋳鉄製ブロックの場合Bが最も温度低下が速く、次いで黒鉛製ブロックB、銅製ブロックCの順になっていることが分かる。また、表2に示したように、冷やし金の両端に銅製ブロックを連結した場合Cには引け巣の発生が認められたが、黒鉛製ブロックと鋳鉄製ブロックの場合B、Aには引け巣の発生は認められなかった。
【0035】
実験に使用した各熱伝導材ブロックの熱伝導率を表3に示す。
【0036】
【表3】

各材質の熱伝導率を比べると、銅が0.95cal/cm・s・℃と最も高く、次いで黒鉛が0.31cal/cm・s・℃、鋳鉄が0.18cal/cm・s・℃となっている。
【0037】
図5と表3から、冷やし金に熱伝導率の高いブロックを組み合わせた場合ほど鋳造品の冷却が遅くなっていることが分かる。これは冷やし金よりも熱伝導率が高いブロックを用いると、冷やし金からの熱移動が速いためにブロック自体が速く暖まってしまうため、短時間しか冷やし金を冷却する能力を維持できないことに原因がある。
【0038】
凝固解析の結果を図6に示す。
【0039】
図6から、引け巣が発生する最終凝固部の位置を比較すると、最終凝固部21が鋳造品の中心より最も離れているのが鋳鉄製ブロック23を用いた場合(b)であり、次いで黒鉛製ブロック24を用いた場合(a)、銅製ブロック25を用いた場合(c)の順である。特に銅製ブロック25を用いた場合(c)に至っては、最終凝固部21は鋳造品の中心より殆ど移動していないことが分かる。この結果は鋳造実験の結果とよく一致している。
【0040】
図5および図6から、冷やし金の両端に連結するブロック材は、冷やし金よりも熱伝導率が低い材料を用いる方が冷やし金との温度差が十分大きくなり、冷やし金の冷却効果を凝固終了までの間長時間に渡って持続させることができる。これにより冷やし金の冷却効果が常に維持され、鋳造品に引け巣が発生するのを防ぐことができることが分かる。ただし、冷やし金に連結する熱伝導材ブロックについては、必ずしも冷やし金より熱伝導率が低い必要はなく、常温での熱伝導率が冷やし金の0.3〜2倍の材料であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による鋳物の製造方法の一実施の形態を実施するための鋳型の断面図である。
【図2】本発明に至るまでの鋳造実験ための鋳型の断面図である。
【図3】熱伝導材ブロックの冷却効果を示す実験結果を示すグラフである。
【図4】(a)、(b)、(c)、(d)は本発明における冷却方法を用いた実験結果を比較する鋳物の断面図である。
【図5】冷やし金と組み合わせる熱伝導材ブロックの材質を変えて行った実験結果を示すグラフである。
【図6】(a)、(b)、(c)は本発明における冷却方法において熱伝導材ブロックの材質を変えて行った実験結果を比較する鋳物の断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 鋳型
2 鋳枠
3 鋳物砂
4 鋳造品形状
5 湯口
6 湯道
7 冷やし金
8、9 熱伝導材ブロック
10 温度計
21 最終凝固部
22 冷やし金(黒鉛)
23 鋳鉄製ブロック
24 黒鉛製ブロック
25 銅製ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳型内に溶湯と直接接するかもしくは近接して常温での熱伝導率が0.06cal/cm・s・℃以上である冷やし金を設置し、かつ、該冷やし金の両端に常温での熱伝導率が冷やし金の0.3〜2倍である熱伝導材ブロックを溶湯とは接しないように連結させることを特徴とする鋳物の製造方法。
【請求項2】
前記冷やし金が黒鉛もしくは黒鉛系混合物よりなり、前記熱伝導材ブロックが黒鉛もしくは黒鉛系混合物、鉄系金属、銅系金属、アルミ系金属のいずれかで作られたことを特徴とする、請求項1に記載の鋳物の製造方法。
【請求項3】
前記冷やし金の周囲を耐熱性の塗付物でコーティングしたことを特徴とする、請求項1または2に記載の鋳物の製造方法。
【請求項4】
前記熱伝導材ブロックが鉄系金属、黒鉛系混合物のいずれかで作られたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳物の製造方法。
【請求項5】
前記冷やし金が黒鉛もしくは黒鉛系混合物から作られ、前記熱伝導材ブロックが鉄系金属で作られたことを特徴とする、請求項1記載の鋳物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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