説明

冷凍冷蔵庫

【課題】外部の空気の流入を抑制し、冷却エネルギーを有効活用できる冷凍冷蔵庫を提供すること。
【解決手段】前面に商品取出口が開口し、後面に商品補充口が開口した冷凍冷蔵庫本体と、冷凍冷蔵庫本体の内部に設置され、前面が商品取出口に臨むとともに後面が商品補充口に臨み、後方領域において補充された商品を前方領域において取り出し可能とする棚板を上下方向に複数段備えた棚装置とを備えた冷凍冷蔵庫において、冷凍冷蔵庫本体2の内部後方域に棚板31の後端との間に流路を確保する態様で棚板31ごとに設けられ、開放した場合に対応する棚板31に商品の補充が可能となる扉体6を備えたので、扉体6が開放されても大きく開口することがない。これにより、外部の空気の流入が抑制され、冷却エネルギーを有効活用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の温度域で保冷した冷凍商品、冷蔵商品のピッキングに好適な冷凍冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
所望の温度域で保冷した冷凍商品、冷蔵商品のピッキングに好適な冷凍冷蔵庫は、断熱材によって箱型に形成され、作業領域との境界となる前面に商品取出口が開口している。また、冷凍冷蔵庫の内部には、商品取出口に臨むように棚装置が設置してある。棚装置には、上下方向に複数段の棚板が架設してある。棚板は、その上面が後方から前方に向けて漸次低くなるように傾斜する態様で架設してあり、棚装置の後方から補充された商品は、棚板の上面を移動することにより、前方に送られ、前方から後方に向けて順次集積される。そして、棚装置に集積された商品は商品取出口を介して冷凍冷蔵庫の前方から取り出し可能となる。また、冷凍冷蔵庫の内部には、棚装置のほか、商品搬入装置、商品移載装置、冷凍装置が設置してある。商品搬入装置は、倉庫から冷凍冷蔵庫の内部に延在しており、商品は冷凍冷蔵庫の内部に搬入される。商品移載装置は、商品搬入装置と上述した棚装置との間に設けられ、冷凍冷蔵庫の内部に搬送された商品は上述した棚装置に移載される(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、断熱材によって箱型に形成され、前面に商品取出口が開口し、後面に商品補充口が開口した冷凍冷蔵庫が提案されている。この冷凍冷蔵庫の内部には、前面が商品取出口に臨み後面が商品補充口に臨むように棚装置が設置してあり、商品補充口を介して冷凍冷蔵庫の後方から棚装置に商品が補充され、商品取出口を介して冷凍冷蔵庫の前方から商品が取り出される。棚装置には、上下方向に複数段の棚板が架設してある。棚板は、その上面が後方から前方に向けて漸次低くなるように傾斜する態様で架設してあり、商品補充口から補充された商品は、棚板の上面を移動することにより、前方に送られ、前方から後方に向けて順次集積される。また、冷凍冷蔵庫の後面には、棚列ごとに扉体を備えており、商品を補充する場合には商品を補充する棚板が属する棚列に対応する扉体を開放する(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−90619号公報
【特許文献2】特開平3−31102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に記載された冷凍冷蔵庫は、棚装置に収納した商品を保冷するだけでなく、冷凍冷蔵庫の内部に設置した商品搬入装置や商品移載装置が占める領域をも保冷することになる。これにより、冷凍装置は大型のものとなり、多大な電力を消費することになる。
【0006】
一方、上述した特許文献2に記載された冷凍冷蔵庫は、上述した特許文献1に記載された冷凍冷蔵庫のように、商品搬入装置や商品移載装置が占める領域を保冷する必要がない。
【0007】
しかしながら、扉体は棚列ごとに設けてあるため、扉体が開放されると、大きく開口し、外部の空気が大量に流入することになり、多大な冷却エネルギーが失われることになる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、外部の空気の流入を抑制し、冷却エネルギーを有効活用できる冷凍冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、前面に商品取出口が開口し、後面に商品補充口が開口した冷凍冷蔵庫本体と、前記冷凍冷蔵庫本体の内部に設置され、前面が前記商品取出口に臨むとともに後面が前記商品補充口に臨み、後方領域において補充された商品を前方領域において取り出し可能とする棚板を上下方向に複数段備えた棚装置と、前記棚装置の前方上方域に設けた吹出口から下方に向けて空気を吹き出す吹出装置と、前記吹出口に対向して設けた吸込口から前記冷凍冷蔵庫本体の内部に空気を吸い込む吸込装置とを備えた冷凍冷蔵庫において、前記冷凍冷蔵庫本体の内部後方域に棚板の後端との間に流路を確保する態様で棚板ごとに設けられ、開放した場合に対応する棚板に商品の補充が可能となる扉体を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記冷凍冷蔵庫本体の内部に設けられ、奥方から前方に向けて延在する通気ダクトと、前記通気ダクトの内部に設置され、前記冷凍冷蔵庫本体の内部から前記通気ダクトの内部に空気を取り込む送風装置と、前記通気ダクトの下面に設けられ、通気ダクトの下方に設けられた収納領域の後端を閉鎖する第2の扉体とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記冷凍冷蔵庫本体の内部天井に設けられ、奥方から前方に向けて延在する通気ダクトと、前記通気ダクトの内部に設置され、前記冷凍冷蔵庫本体の内部から前記通気ダクトの内部に空気を取り込む送風装置と、棚板に対して着脱可能に設けられ、装着された場合に棚板の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖することにより、当該収納領域をほかの収納領域よりも温度の高い第1の低温領域とする第2の扉体とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記棚装置は、棚板の上面に設けられた収納領域の後方域から前方域への空気の流通量を規制する規制手段を前記棚板ごとに備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記規制部材は、前記後方域と前記前方域とを遮断するカーテン部材であって、空気の流通量は、前記カーテン部材に設けた通気口の開口面積によって規制することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、棚板ごとに設けられ、前記後方域から前記前方域に吹き出す空気を案内するダクトを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、棚板の前方に間隔を開けてフェンスを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記商品補充口は、棚板ごとに設けられ、その下縁部に前記流路を流れる空気の抵抗となる風向板を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記扉体は、前記商品補充口の上縁部に開閉可能に支承され、前記扉体が前記商品補充口を閉塞する際に押し退けられ、前記扉体が閉塞した場合に前記扉体と前記風向板との間を遮蔽する遮蔽部材を前記風向板の上面に設けたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記扉体は、前記商品補充口の上縁部に設けられた軸に開閉可能に支承された左右一対をなす開閉扉体と、前記軸に支承され、前記冷凍冷蔵庫本体の庫内側において、一方の開閉扉体の側縁部と他方の開閉扉体の側縁部に跨って設けられた閉鎖扉体とを有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、前記扉体は、前記商品補充口の上縁部に設けられた軸に開閉可能に支承され、前記商品補充口の上縁部と前記扉体の上縁部とに跨って設けられたカバー部材を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、前記商品補充口は、棚板ごとに設けられ、前記扉体の庫外側に前記商品補充口を遮蔽するカーテン部材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる冷凍冷蔵庫は、冷凍冷蔵庫本体の内部後方域に棚板の後端との間に流路を確保する態様で棚板ごとに設けられ、開放した場合に対応する棚板に商品の補充が可能となる扉体を備えたので、扉体が開放されても大きく開口することがない。これにより、外部の空気の流入が抑制され、冷却エネルギーを有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図2】図2は、棚板ごとに設けた扉体を示す図であって、棚板ごとに一つの扉体を設けた例を示す図である。
【図3】図3は、棚板ごとに設けた扉体を示す図であって、棚板ごとに上下対となる扉体を設けた例を示す図である。
【図4】図4は、棚板ごとに設けた扉体を示す図であって、棚板ごとに左右対となる扉体を設けた例を示す図である。
【図5】図5は、棚板ごとに設けた扉体を示す図であって、棚板ごとに左右対となる扉体を設けた例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図7】図7は、棚板ごとに設けた扉体と、棚板の上面に設けられた収納領域を閉鎖する扉体を示す図である。
【図8】図8は、棚板ごとに設けた扉体と、棚板の上面に設けられた収納領域を閉鎖する扉体を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態4である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態5である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態6である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図13】図13は、図12に示したスリットカーテンを示す正面図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態7である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図15】図15は、図14に示したダクトとスリットカーテンを示す正面図である。
【図16】図16は、図14に示したダクトとスリットカーテンを示す縦断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態8である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図18】図18は、図17に示したダクトとスリットカーテンを示す正面図である。
【図19】図19は、図17に示したダクトとスリットカーテンとを示す縦断面図である。
【図20】図20は、本発明の実施の形態9である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。
【図21】図21は、図20に示したダクトとスリットとを示す縦断面図である。
【図22】図22は、本発明の実施の形態10である冷凍冷蔵庫に設けられた商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例1を示す側断面図である。
【図23】図23は、本発明の実施の形態10である冷凍冷蔵庫に設けられた商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例2を示す側断面図である。
【図24】図24は、本発明の実施の形態10である冷凍冷蔵庫に設けられた商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例3を示す斜視図である。
【図25】図25は、本発明の実施の形態10である冷凍冷蔵庫に設けられた商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例4を示す側断面図である。
【図26−1】図26−1は、本発明の実施の形態10である冷凍冷蔵庫に設けられた商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例5を示す正面図である。
【図26−2】図26−2は、本発明の実施の形態10である冷凍冷蔵庫に設けられた商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例5を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明にかかる冷凍冷蔵庫の実施の形態を詳細に説明する。本発明の実施の形態である冷凍冷蔵庫は、所望の温度域で保冷した冷凍商品、冷蔵商品のピッキングに好適な冷凍冷蔵庫であって、物流拠点や配送拠点に建設された倉庫の内部に設置される。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1である冷凍冷蔵庫1は、商品を陳列した状態で収納するものであって、後方から商品が補充され、前方から商品が取り出される。
【0025】
図1に示すように、冷凍冷蔵庫1は、冷凍冷蔵庫本体2(以下、「本体2」という)を備えている。本体2は、断熱材によって箱形に構成してあり、その後面に商品補充口21が開口し、その前面に商品取出口22が開口している。これにより、商品補充口21から商品が補充され、商品取出口22から商品が取り出される。
【0026】
本体2の内部には、複数台の棚装置3が横並びに設置してある。棚装置3は、商品を陳列した状態で収納するピッキング用の棚装置であって、前面が商品取出口22に臨み、後面が商品補充口21に臨んでいる。また、棚装置3には、上下方向に複数段(本実施の形態1の棚装置3は4段)の棚板31が架設してある。棚板31は、その上面が後方から前方に向けて漸次低くなるように傾斜する態様で架設してあり、後方から投入された商品は、棚板31の上面を移動することにより、前方に送られ、前方から後方に向けて順次集積される。
【0027】
一つの棚板31には、複数種類(本実施の形態1の棚板は6種類)の商品が陳列可能であって、その前縁には、商品種類に対応するように、LED表示パネル32が配設してある。したがって、本実施の形態1の棚装置3は、一台当たり24個(6列×4段)のLED表示パネル32が配設してある。
【0028】
LED表示パネル32は、棚板31の後方から投入された商品を受け止め、商品を集積させるとともに、取り出す商品が陳列されている陳列位置を明示するものである。したがって、LED表示パネル32は、フェンスとして機能するとともに、ピッキング指示パネルとしても機能する。
【0029】
また、商品取出口22の前方上方域には、吹出装置4が設けてある。吹出装置4は、吹出口(図示せず)から床面に向けて空気を吹き出すものであり、後述する吸込装置5と協働して、商品取出口22の前面にエアカーテンAを生成する。
【0030】
また、商品取出口22の前方下方域には、リターングリル50が設けてある。リターングリル50には、上述した吹出装置4の吹出口と対向する吸込口(図示せず)が形成してあり、本体2の床面に立設したフロントパネル23に支持されている。これにより、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気は、商品取出口22の前面を通り、リターングリル50の吸込口から吸い込まれる。
【0031】
本体2の内部下方域には、吸込装置5が設けてある。吸込装置5は、リターングリル50の吸込口から空気を吸い込むためのものであり、上述した吹出装置4と協働して、商品取出口22の前面にエアカーテンAを生成する。
【0032】
吸込装置5は、リターンダクト51を備えている。リターンダクト51は、棚装置3の脚部間に配設され、リターングリル50の下方域から本体2の内部奥方に延在している。リターンダクト51の内部には、ファン52が設置してある。ファン52は、前面が前方斜め上方を向くように傾斜する態様で設置してあり、リターングリル50の吸込口から吸い込んだ空気を本体2の内部奥方に送出する。
【0033】
また、リターンダクト51の内部には、熱交換器(蒸発器)53が設置してある。熱交換器53は、リターングリル50の吸込口からリターンダクト51に吸い込んだ空気を冷却し、冷却した空気を本体2の内部奥方に供給するためのもので、リターングリル50の吸込口から吸い込まれた空気は、熱交換器53の周囲を通過する際に冷却される。
【0034】
本体2の内部後方域には、棚板31の後端との間に流路を確保する態様で、棚板31ごとに扉体6が設けてある。棚板31ごとに設けた扉体6は、本体2の後面に開口した商品補充口21を閉塞する。そして、すべての扉体6を閉塞した場合には、棚板31の後端と扉体6との間に流路が確保され、本体2の内部下方域から上方域に向けて空気が流れる。一方、扉体6を開放した場合には、当該扉体6に対応する棚板31に商品の補充が可能となる。
【0035】
図2〜図5は、棚板ごとに設けた扉体の例を示す図である。図2は、棚板31ごとに一つの扉体6を設けた例であり、扉体6の上端部はヒンジ61により支承されている。この扉体6は、自重により垂れ下がり、補充する商品により扉体6が押し開かれ、補充が完了すると扉体6は自重により閉じられる。なお、扉体6は、自動操作により開閉するものとしてもよい。
【0036】
図3は、棚板31ごとに上下対となる扉体6を設けた例であり、上側となる扉体6の上端部がヒンジ61により支承され、下側となる扉体6の下端部がヒンジ62により支承されている。また、上側となる扉体6と下側となる扉体6とは、バネなどの弾性体(図示せず)により閉鎖方向に復元力が作用しており、商品を補充する場合には復元力に抗して扉体6が押し開かれ、補充が完了した場合には復元力により扉体6が閉じられる。なお、扉体6は、自動操作により開閉するものとしてもよい。
【0037】
図4は、棚板31ごとに左右対となる扉体6を設けた例であり、左右対となる扉体6を左方あるいは右方に移動することにより左側あるいは右側を開放する。なお、扉体6は、手動操作により開閉するが、自動操作により開閉するものとしてもよい。
【0038】
図5は、棚板31ごとに左右対となる扉体6を設けた例であり、扉体6を上方に移動することにより開放され、扉体6を下方に移動することにより閉塞する。なお、扉体6は、手動操作により開閉するが、自動操作により開閉するものとしてもよい。
【0039】
また、図1に示すように、本体2の内部天井には、庫内温度センサ7が設置してある。庫内温度センサ7は、本体2の内部温度を計測するためのもので、計測した温度に基づいて、ファン52の回転数(回転速度)を増減制御するとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を増減制御することにより、本体2の内部温度を所望の温度域に制御する。
【0040】
上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫1の運転を開始すると、吹出装置4、ファン52が駆動され、熱交換器53に冷媒が供給される。そして、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気は、商品取出口22の前面を通り、リターングリル50の吸込口から吸い込まれ、本体2の内部に供給される。そして、熱交換器53の周囲を通過する際に冷却される。
【0041】
熱交換器53の周囲を通過する際に冷却された空気は、棚板31の後端と扉体6との間に確保された流路を通り、各棚板31に供給される。各棚板31に供給された空気は、棚板上に陳列された商品を冷却し、その後、棚板31の前面から棚装置3の前方域に吹き出され、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気とともに商品取出口22の前面にエアカーテンAを生成する。これにより、冷凍冷蔵庫1の本体2の内部は冷却され、商品取出口22の前面はエアカーテンAで覆われる。
【0042】
そして、庫内温度センサ7が計測した温度が設定した所望の温度域よりも高い場合には、ファン52の回転数を増大させるとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を増大させる。これにより、本体2の内部温度が所望の温度域まで低下する。一方、庫内温度センサ7が計測した温度が設定した所望の温度域よりも低い場合には、ファン52の回転数を減少させるとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を減少させる。これにより、本体2の内部温度が所望の温度域まで上昇する。
【0043】
また、ピッキング作業が開始され、図示せぬ管理装置が実施の形態1である冷凍冷蔵庫1に取り出す商品を指示すると、冷凍冷蔵庫1は当該商品が陳列している棚のLED表示パネル32を点灯させ、作業者にピッキングする商品を指示する。作業者がLED表示パネル32が点灯した棚板の商品収納領域から商品を取り出すと、LED表示パネル32が消灯し、管理装置が冷凍冷蔵庫1に取り出す商品を指示するまで、作業者は待機する。
【0044】
一方、冷凍冷蔵庫1に商品を補充する場合には、商品を投入する棚板31に対応する扉体6を開放する。そして、開放された商品補充口21から棚装置3に商品を補充する。その後、開放した扉体6を閉塞し、商品の補充が完了する。
【0045】
上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫1は、棚板31の後端との間に空気の流路を確保する態様で、棚板31ごとに扉体6が設けてあり、棚板31ごとに設けた扉体6は、本体2の後面に開口した商品補充口21を閉塞する。そして、すべての扉体6を閉塞した場合には、棚板31の後端と扉体6との間に流路が確保され、本体2の内部下方域から上方域に向けて空気が流れる。一方、扉体6を開放した場合には、当該扉体6に対応する棚板31に商品の補充が可能となる。これにより、実施の形態1である冷凍冷蔵庫1は、外部の空気の流入を抑制し、冷却エネルギーを有効活用できる。
【0046】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。なお、上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図6に示すように、本発明の実施の形態2である冷凍冷蔵庫201は、本体2の内部天井に通気ダクト208を設けるとともに、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖する扉体209を備えている。
【0047】
図6に示すように、通気ダクト208は、奥方から前方に向けて延在しており、その内部に気流分岐ファン(送風装置)281が設置してある。気流分岐ファン281は、本体2の内部奥方から通気ダクト208に空気を取り込むためのもので、気流分岐ファン281の回転数(回転速度)を増減制御することにより、本体2の内部から通気ダクト208に取り込まれる空気量が増減する。
【0048】
通気ダクト208の前端は、僅かな隙間282を残して閉鎖してあり、通気ダクト208に取り込まれた空気は、この隙間282から前方斜め下方に吹き出される。そして、吹き出された空気は、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気と合流し、床面に向けて流れる。
【0049】
扉体209は、通気ダクト208の下面に開閉可能に取り付けられ、扉体209を閉じた場合に最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖する。また、この扉体209の上端部は、ヒンジ291により支承され、上述した棚板31ごとに設けられ、商品補充口21(一部)を閉鎖する扉体6と連動して開閉され、図7に二点鎖線で示すように、補充する商品により商品補充口21を閉鎖する扉体6を押し開いた場合に、収納領域を閉鎖する扉体209が連動して開放される。一方、図7に実線で示すように、棚板31の上面に商品を補充すると、扉体209が収納領域を閉鎖するとともに、扉体6が商品補充口21(一部)を閉鎖する。
【0050】
また、扉体209は、上下対となる扉体で構成され、図8に二点鎖線で示すように、補充する商品により商品補充口21を閉鎖する扉体6を押し開いた場合に、収納領域を閉鎖する扉体209が連動して開放され、図8に実線で示すように、棚板31の上面に商品を補充すると、扉体209が収納領域を閉鎖するとともに、扉体6が商品補充口(一部)を閉鎖するものとしてもよい。
【0051】
また、図6に示すように、通気ダクト208の下面には、第1の庫内温度センサ271が設置してある。第1の庫内温度センサ271は、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度を計測するためのもので、計測した温度に基づいて気流分岐ファン281の回転数(回転速度)を増減制御することにより、収納領域の温度を所望の温度域に制御する。
【0052】
また、図6に示すように、最上段となる棚板31の下面には、第2の庫内温度センサ272が設置してある。第2の庫内温度センサ272は、本体の内部温度(上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度)を計測するためのもので、計測した温度に基づいて、ファン52の回転数(回転速度)を増減制御するとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を増減制御することにより、本体2の内部温度を所望の温度域に制御する。
【0053】
上述した実施の形態2である冷凍冷蔵庫201の運転を開始すると、吹出装置4、ファン52、気流分岐ファン281が駆動され、熱交換器53に冷媒が供給される。そして、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気は、商品取出口22の前面を通り、リターングリル50の吸込口から吸い込まれ、本体2の内部に供給される。そして、熱交換器53の周囲を通過する際に冷却される。
【0054】
熱交換器53の周囲を通過する際に冷却された空気は、棚板31の後端と扉体6との間に確保された流路を通り、通気ダクト208と各棚板31(図6に示す冷凍冷蔵庫では、上から二段目となる棚板31、最下段となる棚板31)に供給される。
【0055】
通気ダクト208に供給された空気は、通気ダクト208を通り、上述した隙間282から前方斜め下方に吹き出される。そして、吹き出された空気は、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気と合流し、床面に向かって流れることになる。そして、床面に向かって流れる途中で最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域を第1の低温領域とし、最上段となる棚板上に陳列された商品を冷却する。
【0056】
一方、各棚板31に供給された空気は、棚板31の上面に設けられた収納領域(上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域、最下段となる棚板31の上面に設けられた収納領域)を上述した第1の低温領域よりもさらに温度の低い第2の低温領域とし、棚板上に陳列された商品を冷却する。そして、商品を冷却した空気は、棚板31の前面から棚装置3の前方域に吹き出され、吹出装置4から吹き出された空気とともに商品取出口22の前面にエアカーテンAを生成する。
【0057】
そして、第2の庫内温度センサ272が計測した温度が設定した所望の温度域よりも高い場合には、ファン52の回転数を増大させるとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を増大させる。これにより、本体2の内部温度が所望の温度域まで低下する。一方、第2の庫内温度センサ272が計測した温度が設定した所望の温度域よりも低い場合には、ファン52の回転数を減少させるとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を減少させる。これにより、本体2の内部温度が所望の温度域まで上昇する。
【0058】
また、第1の庫内温度センサ271が計測した温度が設定した温度域よりも高い場合には、気流分岐ファン281の回転数を増大させる。すると、通気ダクト208に取り込まれる空気量が増大し、隙間282から吹き出される空気量が増大する。これにより、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度が所望の温度域まで低下する。一方、第1の庫内温度センサ271が計測した温度が設定した温度域よりも低い場合には、気流分岐ファン281の回転数を減少させる。すると、通気ダクト208に取り込まれる空気量が減少し、隙間282から吹き出される空気量が減少する。これにより、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度が所望の温度域まで上昇する。
【0059】
上述した実施の形態2である冷凍冷蔵庫201は、本体2の内部天井に通気ダクト208を設けるとともに、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域を閉鎖する扉体209を備えたので、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域と、これ以外の収納領域(上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域、最下段となる棚板31の上面に設けられた収納領域)との温度を異ならしめることができる。
【0060】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。なお、上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図9に示すように、本発明の実施の形態3である冷凍冷蔵庫301は、本体2の内部天井と、最上段となる棚板31の下面とに通気ダクト308A,308Bを設けるとともに、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖する扉体309Aと、上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖する扉体309Bとを備えている。
【0061】
図9に示すように、通気ダクト308A,308Bは、奥方から前方に向けて延在しており、その内部に気流分岐ファン(送風装置)381A,381Bが設置してある。気流分岐ファン381A,381Bは、本体2の内部奥方から通気ダクト308A,308Bに空気を取り込むためのもので、気流分岐ファン381A,381Bの回転数を増減制御することにより、本体2の内部から通気ダクト308A,308Bに取り込まれる空気量が増減する。
【0062】
通気ダクト308A,308Bの前端部は、僅かな隙間382A,382Bを残して閉鎖してあり、通気ダクト308A,308Bに取り込まれた空気は、この隙間382A,382Bから前方斜め下方に吹き出される。そして、吹き出された空気は、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気と合流し、床面に向かって流れる。
【0063】
扉体309A,309Bは、通気ダクト308A,308Bの下面に開閉可能に取り付けられ、扉体309A,309Bを閉じた場合に通気ダクト308A,308Bのすぐ下に位置する棚板31の上面に設けられた収納領域を閉鎖する。
【0064】
また、図9に示すように、通気ダクトの下面中程には、第1の庫内温度センサ371と第2の庫内温度センサ372が設置してある。第1の庫内温度センサ371と第2の庫内温度センサ372は、通気ダクト308A,308Bのすぐ下に位置する棚板31の上面に設けられた収納領域の温度を計測するためのもので、計測した温度に基づいて気流分岐ファン381A,381Bの回転数(回転速度)を増減制御することにより、収納領域の温度を所望の温度域に制御する。
【0065】
また、上から二段目となる棚板31の下面には、第3の庫内温度センサ373が設置してある。第3の庫内温度センサ373は、本体2の内部温度(上から三段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域)の温度を計測するためのもので、計測した温度に基づいて、ファン52の回転数(回転速度)を増減制御するとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を増減制御することにより、本体2の内部温度を所望の温度域に制御する。
【0066】
上述した実施の形態3である冷凍冷蔵庫301の運転を開始すると、吹出装置4、ファン52、気流分岐ファン381A,381Bが駆動され、熱交換器53に冷媒が供給される。そして、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気は、商品取出口22の前面を通り、リターングリル50の吸込口から吸い込まれ、本体2の内部に供給される。そして、熱交換器53の周囲を通過する際に冷却される。
【0067】
熱交換器53の周囲を通過する際に冷却された空気は、棚板31の後端と扉体6との間に確保された流路を通り、通気ダクト308A,308Bと各棚板31(図9に示す冷凍冷蔵庫では、上から三段目となる棚板31、最下段となる棚板31)に供給される。
【0068】
通気ダクト308A,308Bに供給された空気は、通気ダクト308A,308Bを通り、上述した隙間382A,382Bから前方に吹き出される。そして、吹き出された空気は、吹出装置4から吹き出された空気と合流し、床面に向かって流れることになる。そして、床面に向かって流れる途中で最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域を第1の低温領域とし、最上段となる棚板上に陳列された商品を冷却する。また、最上段となる棚板31の下面に設けた通気ダクト308Bから吹き出された空気は、床面に向かって流れる途中で上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域を上述した第1の低温領域よりも温度の低い第2の低温領域とし、上から二段目となる棚板上に陳列された商品を冷却する。
【0069】
一方、各棚板31に供給された空気は、棚板31の上面に設けられた収納領域(上から三段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域、最下段となる棚板31の上面に設けられた収納領域)を上述した第2の低温領域よりもさらに温度の低い第3の低温領域とし、棚板上に陳列された商品を冷却する。そして、商品を冷却した空気は、棚板31の上面から棚装置3の前方域に吹き出され、吹出装置4から吹き出された空気とともに商品取出口22の前面にエアカーテンAを生成する。
【0070】
そして、第3の庫内温度センサ373が計測した温度が設定した所望の温度域よりも高い場合には、ファン52の回転数を増大させるとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を増大させる。これにより、本体2の内部温度が所望の温度域まで低下する。一方、第3の庫内温度センサ373が計測した温度が設定した所望の温度域よりも低い場合には、ファン52の回転数を減少させるとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を減少させる。これにより、本体2の内部温度が所望の温度域まで上昇する。
【0071】
また、第1の庫内温度センサ371が計測した温度が設定した温度域よりも高い場合には、気流分岐ファン381Aの回転数を増大させる。すると、通気ダクト308Aに取り込まれる空気量が増大し、隙間382Aから吹き出される空気量が増大する。これにより、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度が所望の温度域まで低下する。一方、第1の庫内温度センサ371が計測した温度が設定した温度域よりも低い場合には、気流分岐ファン381Aの回転数を減少させる。すると、通気ダクト308Aに取り込まれる空気量が減少し、隙間382Aから吹き出される空気量が減少する。これにより、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度が所望の温度域まで上昇する。
【0072】
同様に、第2の庫内温度センサ372が計測した温度が設定した温度域よりも高い場合には、気流分岐ファン381Bの回転数を増大させる。すると、通気ダクト308Bに取り込まれる空気量が増大し、隙間382Bから吹き出される空気量が増大する。これにより、上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度が所望の温度域まで低下する。一方、第2の庫内温度センサ372が計測した温度が設定した温度域よりも低い場合には、気流分岐ファン381Bの回転数を減少させる。すると、通気ダクト308Bに取り込まれる空気量が減少し、隙間382Bから吹き出される空気量が減少する。これにより、上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度が所望の温度域まで上昇する。
【0073】
上述した実施の形態3である冷凍冷蔵庫301は、本体2の内部天井と最上段となる棚板31の下面とに通気ダクト308A,308Bを設けるとともに、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖する扉体309Aと、上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収容領域の後端を閉鎖する扉体309Bとを備えたので、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域と、上から二段目となる棚板31の上面に設けたれた収納領域と、これら以外の収納領域(上から三段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域、最下段となる棚板31の上面に設けられた収納領域)との温度を異ならしめることができる。
【0074】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。なお、上述した実施の形態4である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図10に示すように、本発明の実施の形態4である冷凍冷蔵庫401は、本体2の内部天井に通気ダクト408を設けるとともに、任意の棚板31に対して着脱可能に取り付けられ、対応する棚板31の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖する扉体409を備えている。
【0075】
図10に示すように、通気ダクト408は、奥方から前方に向けて延在しており、その内部に気流分岐ファン481が設置してある。気流分岐ファン481は、本体2の内部奥方から通気ダクト408に空気を取り込むためのもので、気流分岐ファン481の回転数(回転速度)を増減制御することにより、本体2の内部から通気ダクト408に取り込まれる空気量が増減する。
【0076】
通気ダクト408の前端は、僅かな隙間482を残して閉鎖してあり、通気ダクト408に取り込まれた空気は、この隙間482から前方斜め下方に吹き出される。そして、吹き出された空気は、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気と合流し、床面に向けて流れる。
【0077】
扉体409は、上述したように、任意の棚板31に対して着脱可能に取り付けられ、取り付けられた扉体409に対応する棚板31の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖する。たとえば、図10に示す例では、最上段となる棚板31と上から二段目となる棚板31に対して取り付け、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の後端と上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖する。
【0078】
また、最上段となる棚板31の下面中程には、第1の庫内温度センサ471が設置してある。第1の庫内温度センサ471は、上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度を計測するためのもので、計測した温度に基づいて気流分岐ファン481の回転数(回転速度)を増減制御することにより、収納領域の温度を所望の温度域に制御する。
【0079】
また、上から二段目となる棚板31の下面中程には、第2の庫内温度センサ472が設置してある。第2の庫内温度センサ472は、本体2の内部温度(上から三段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度)を計測するためのもので、計測した温度に基づいてファン52の回転数(回転速度)を増減制御するとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を増減制御することにより、本体2の内部温度を所望の温度域に制御する。
【0080】
上述した実施の形態4である冷凍冷蔵庫401は、任意の棚板31に対して扉体409を取り付けて運転を開始する。なお、ここでは、最上段となる棚板31と上から二段目となる棚板31に対して扉体409を取り付けた場合を例に説明する。図10に示すように、最上段となる棚板31と上から二段目となる棚板31に対して扉体409を取り付けると、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の後端と上から二段目となる棚板の上面に設けられた収納領域の後端とが閉鎖する。
【0081】
冷凍冷蔵庫401の運転を開始すると、吹出装置4、ファン52、気流分岐ファン481が駆動され、熱交換器53に冷媒が供給される。そして、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気は、商品取出口22の前面を通り、リターングリル50の吸込口から吸い込まれ、本体2の内部に供給される。そして、熱交換器53の周囲を通過する際に冷却される。
【0082】
熱交換器53の周囲を通過する際に冷却された空気は、棚板31の後端と扉体6との間に確保された流路を通り、通気ダクト408と各棚板31(図10に示す例では、上から三段目となる棚板31、最下段となる棚板31)に供給される。
【0083】
通気ダクト408に供給された空気は、通気ダクト408を通り、上述した隙間482から前方に吹き出される。そして、吹き出された空気は、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気と合流し、床面に向かって流れる。そして、床面に向かって流れる途中で最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域と上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域とを第1の低温領域とし、最上段となる棚板上に陳列された商品と上から二段目となる棚板上に陳列された商品とを冷却する。
【0084】
一方、各棚板31に供給された空気は、棚板31の上面に設けられた収納領域(上から三段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域、最下段となる棚板31の上面に設けられた収納領域)を上述した第1の低温領域よりも温度の低い第2の低温領域とし、棚板上に陳列された商品を冷却する。そして、商品を冷却した空気は、棚板31の上面から棚装置3の前方域に吹き出され、吹出装置4から吹き出された空気とともに商品取出口22の前面にエアカーテンAを生成する。
【0085】
そして、第2の庫内温度センサ472が計測した温度が設定した所望の温度域よりも高い場合には、ファン52の回転数を増大させるとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を増大させる。これにより、本体2の内部温度が設定した所望の温度域まで低下する。一方、第2の庫内温度センサ472が計測した温度が設定した所望の温度域よりも低い場合には、ファン52の回転数を減少させるとともに、熱交換器53に供給する冷媒量を減少させる。これにより、本体2の内部温度が所望の温度域まで上昇する。
【0086】
また、第1の庫内温度センサ471が計測した温度が設定した温度域よりも高い場合には、気流分岐ファン481の回転数を増大させる。すると、通気ダクト408に取り込まれる空気量が増大し、隙間482から吹き出される空気量が増大する。これにより、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域および上から二段目となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度が所望の温度域まで低下する。一方、第1の庫内温度センサ471が計測した温度が設定した温度域よりも低い場合には、気流分岐ファン481の回転数を減少させる。すると、通気ダクト408に取り込まれる空気量が減少し、隙間482から吹き出される空気量が減少する。これにより、最上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域の温度が所望の温度域まで上昇する。
【0087】
上述した実施の形態4である冷凍冷蔵庫401は、任意の棚板31に対して扉体409を取り付けることにより、取り付けられた棚板31の上面に設けられた収納領域を第1の低温領域とするので、第1の低温領域と第2の低温領域の割合(棚割合)を容易に変更できる。
【0088】
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。なお、上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すように、本発明の実施の形態である冷凍冷蔵庫501は、リターングリル50の吸込口から吸い込んだ空気の量に相当する量の空気が棚装置3を経由して棚装置3の前面に吹き出すものである。
【0089】
上述した実施の形態5である冷凍冷蔵庫501の運転を開始すると、吹出装置4、ファン52が駆動され、熱交換器53に冷媒が供給される。そして、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気は、商品取出口22の前面を通り、リターングリル50の吸込口から吸い込まれ、本体2の内部に供給される。そして、熱交換器53の周囲を通過する際に冷却される。
【0090】
熱交換器53の周囲を通過する際に冷却された空気は、棚板31の後端と扉体6との間に確保された流路を通り、各棚板31に供給される。各棚板31に供給された空気は、棚板上に陳列された商品を冷却し、その後、棚板31の前面から棚板31の前方域に吹き出される。そして、吹き出された空気は、ファン52の吸引力と密度差(冷却された空気のほうが重い)により、下方に導かれ、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気とともに商品取出口22の前面にエアカーテンAを生成する。これにより、冷凍冷蔵庫501の本体2の内部は冷却され、商品取出口22の前面はエアカーテンAで覆われる。
【0091】
上述した実施の形態5である冷凍冷蔵庫は、リターングリル50の吸込口から吸い込んだ空気に相当する量の空気が棚装置3を経由して棚装置3の前方域に吹き出される。この空気は、冷却されているので、棚装置3に収納した商品を冷却する。
【0092】
また、図11に示すように、上面が開口した箱Bに詰められた状態で商品が棚装置3に収納された場合には、冷却された空気が箱Bに溜まることになり、リターングリル50の吸込口から吸い込む空気の量を減らすことができる。
【0093】
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。図13は、図12に示したスリットカーテンを示す正面図である。なお、上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
図12に示すように、本発明の実施の形態6である冷凍冷蔵庫601の棚装置603は、棚板31ごとにスリットカーテン609が吊り下げてある。スリットカーテン609は、棚板31の上面に設けられた収納領域の前方域と後方域とを遮断するものであり、可撓性の素材で作成してある。スリットカーテン609は、空気の流通を遮断する一方、商品の通過を許容する。図13に示すように、スリットカーテン609には、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)691が設けてあり、商品が通過する際に商品によって押し退けられやすくなっている。
【0095】
また、スリットカーテン609は、棚板31の下面に沿って空気が流れるように、上部領域に空気が通る通気口692が設けてある。通気口692の開口面積は、棚装置603の上段から下段に向けて段階的に小さくなるように設定してある。これは、上段の棚板31ほど冷却された空気の供給が少なくなることに鑑みたものであって、下段のスリットカーテン609の通気口692の開口面積を上段のスリットカーテン609の通気口692の開口面積よりも小さくすることにより、上段の棚板31に供給する空気を増大させている。
【0096】
上述した実施の形態6である冷凍冷蔵庫601の棚装置603は、棚板31ごとに吊り下げたスリットカーテン609が収納領域の後方域から前方域への空気の流通を遮断する。一方、スリットカーテン609に設けた通気口692が収納領域の後方域から前方域への空気の通過を許容する。
【0097】
上述した実施の形態6である冷凍冷蔵庫601は、スリットカーテン609に設けた通気口692の開口面積を棚装置603の上段から下段に向けて段階的に小さくなるように設定してあるので、棚装置603の上段における温度と下段における温度との差を小さくできる。
【0098】
(実施の形態7)
図14は、本発明の実施の形態7である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。図15は、図14に示したダクトとスリットカーテンを示す正面図であり、図16は、図14に示したダクトとスリットカーテンを示す縦断面図である。なお、上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
図14に示すように、本発明の実施の形態7である冷凍冷蔵庫701の棚装置703には、棚板31ごとにダクト708が配設してある。ダクト708は、棚板31の上面に設けられた収納領域から棚装置703の前面に吹き出す空気を案内するためのもので、本体2の内部天井および上棚となる棚板31の下面に取り付けてある。ダクト708は、棚板31の前後方向中程から前端まで延在している。
【0100】
図15に示すように、ダクト708は、偏平な角筒形状を有しており、図16に示すように、後端および前端が開口している。ダクト708の前端部781は、下方に向かって傾いており、前端開口781aは、斜め下方を向いている。また、ダクト708の開口面積は、上段から下段に向けて段階的に小さくなるように設定してある。これは、上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域ほど冷却された空気の供給が少なくなることに鑑みたものであって、下段の棚板31に設けたダクト708の開口面積を上段の棚板31に設けたダクト708の開口面積よりも小さくすることにより、上段となる棚板31の上面に設けられた収納領域に供給する空気を増大させている。
【0101】
図16に示すように、ダクト708の後端には、スリットカーテン709が吊り下げてある。図14に示すように、スリットカーテン709は、棚板31の上面に設けられた収納領域の前方域と後方域とを遮断するものであり、可撓性の素材で作成してある。スリットカーテン709は、空気の流通を遮断する一方、商品の通過を許容する。スリットカーテン709は、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)791が設けてあり、商品が通過する際に商品によって押し退けられる。
【0102】
上述した実施の形態7である冷凍冷蔵庫701の棚装置703は、棚板31ごとに配設したダクト708が棚板上に設けられた収納領域から棚装置703の前面に冷却された空気を案内する一方、棚板31ごとに吊り下げたスリットカーテン709が棚板31の上面に設けられた収納領域の後方域から前方域への空気の流通を遮断する。
【0103】
上述した実施の形態7である冷凍冷蔵庫701は、棚装置703の棚板31ごとにダクト708を配設したので、棚板31の上面に設けられた収納領域から棚板31の前面への空気の吹き出しが促進される。また、棚板31ごとにスリットカーテン709を吊り下げることにより、収納領域の後方域と前方域との間における空気の流通を遮断する。
【0104】
また、ダクト708の前端開口781aが前方斜め下方を向いているので、ダクト708に案内された空気は前方斜め下方に吹き出し、吹出装置4の吹出口から吹き出された空気との干渉が抑制される。
【0105】
(実施の形態8)
図17は、本発明の実施の形態8である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。図18は、図17に示したダクトとスリットカーテンを示す正面図であり、図19は、図17に示したダクトとスリットカーテンとを示す縦断面図である。上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0106】
図17に示すように、本発明の実施の形態8である冷凍冷蔵庫801の棚装置803には、棚板31ごとにダクト808が配設してある。ダクト808は、棚板31の上面に設けられた収納領域から棚装置803の前面に吹き出す空気を案内するためのもので、本体2の内部天井および上棚となる棚板31の下面に取り付けてある。ダクト808は、棚板31の前後方向中程から前端まで延在している。
【0107】
図18に示すように、ダクト808は、偏平な角筒形状を有しており、図19に示すように、後端および前端が開口している。ダクト808の前端部881は、下方に向かって傾いており、前端開口881aは、前方斜め下方を向いている。
【0108】
また、図19に示すように、ダクト808の後端部には、送風装置882が配設してある。送風装置882は、棚板31の上面に設けられた収納領域からダクト808の内部に空気を導入し、導入した空気を前端開口881aから吹き出させるものであり、風量調節が可能である。
【0109】
図19に示すように、ダクト808の後端には、スリットカーテン809が吊り下げてある。図17に示すように、スリットカーテン809は、棚板31の上面に設けられた収納領域の前方域と後方域とを遮断するものであり、可撓性の素材で作成してある。スリットカーテン809は、空気の流通を遮断する一方、商品の通過を許容する。スリットカーテン809には、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)891が設けてあり、商品が通過する際に商品によって押し退けられる。
【0110】
上述した実施の形態8である冷凍冷蔵庫801の棚装置803は、棚板31の上面に設けられた収納領域ごとに送風装置882を備えたダクト808を配設したので、収納領域ごとに風量調節が可能となり、棚装置803における温度差を小さくできる。
【0111】
(実施の形態9)
図20は、本発明の実施の形態9である冷凍冷蔵庫の要部を示す縦断面図である。図21は、図20に示したダクトとスリットを示す縦断面図である。なお、実施の形態1である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0112】
図20に示すように、本発明の実施の形態9である冷凍冷蔵庫901の棚装置903には、棚板31ごとにダクト908が配設してある。ダクト908は、棚板31の上面に設けられた収納領域から棚装置903の前面に吹き出す空気を案内するためのもので、本体2の内部天井および上棚となる棚板31の下面に取り付けてある。ダクト908は、棚板31の前後方向中程から前端まで延在している。
【0113】
ダクト908は、偏平は角筒形状を有しており、図21に示すように、後端および前端が開口している。ダクト908の前端部981は、下方に向かって傾いており、前端開口981aは、前方斜め下方を向いている。
【0114】
また、図21に示すように、ダクト908の後端部には、送風装置982が配設してある。送風装置982は、棚板31の上面に設けられた収納領域からダクト908の内部に空気を導入し、導入した空気を前端開口から吹き出させるものであり、風量調節が可能である。
【0115】
また、図21に示すように、棚板31の前方には、間隔を開けてフェンス983が配設してある。フェンス983は、ダクト908から吹き出された空気が吹出装置4の吹出口から吹き出された空気と干渉する事態を回避するためのもので、ダクト908から吹き出された空気は、フェンス983の内側を通って下方に流れることになる。なお、フェンスは、たとえば、棚板31からのガイド(図示せず)により取り付けてある。
【0116】
図21に示すように、ダクト908の後端には、スリットカーテン909が吊り下げて有る。図20に示すように、スリットカーテン909は、棚板31の上面に設けられた収納領域の前方域と後方域とを遮断するものであり、可撓性の素材で作成してある。スリットカーテン909は、空気の流通を遮断する一方、商品の通過を許容するものである。スリットカーテン909には、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)が設けてあり、商品が通過する際に商品によって押し退けられる。
【0117】
上述した実施の形態9である冷凍冷蔵庫901は、ダクト908から吹き出された空気がフェンス983の内側を通って下方に流れるので、吹出装置4の吹出口から吹き出した空気と干渉することがない。
【0118】
(実施の形態10)
図22〜図26は、本発明の実施の形態10である冷凍冷蔵庫に設けられた商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例1〜5を示す図である。なお、上述した実施の形態1である冷凍冷蔵庫と同一の構成については、説明を省略する。
【0119】
図22は、商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例1を示す側断面図である。図22に示すように、本発明の実施の形態10である冷凍冷蔵庫は、本体2の後面との間に流路を確保する態様で棚装置3が設置してある。また、棚装置3は、上下方向に複数段の棚板31が架設してあり、本体2の後面には、棚板31ごとに商品補充口211が設けてある。商品補充口211は、矩形形状を有しており、その上縁部には、扉体6が開閉可能に支承してある。扉体6は、自重により垂れ下がり、補充する商品より扉体6が押し開かれ、補充が完了すると扉体6は自重により閉じられる。
【0120】
また、商品補充口211の下縁部には、本体2の後面と棚装置3との間に確保された流路に流れる空気の抵抗となる風向板212が設けてある。風向板212は、流路を流れる冷却された空気が本体後面に対して略直角に案内されるように、基部から開放端部に向けてやや庫内下側に傾けて設けてある。そして、流路を流れる冷却された空気(気流a)は、風向板212に案内され、扉体6の庫内側表面を避けて流れることになる。一方、扉体6の庫内側表面の空気は、気流aに引っ張られ、小さな渦流(気流b)を生じさせる。ところで、気流bは、気流aにより生じるため、気流aよりも流速が遅く、気流aよりも温かい。したがって、風向板212を設けると、気流aよりも流速が遅く、気流aよりも温かい渦流(気流b)が扉体6の庫内側表面を流れるため、気流aが扉体6の庫内側表面を流れる場合よりもエネルギーロスが抑制され、省エネ効果を得ることができる。また、風向板212は、基部から開放端部に向けてやや庫内下側に傾けてあるので、その上面は、扉体6の当接面(戸当たり面)となり、密閉性が向上する。
【0121】
図23は、商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例2を示す側断面図である。構成例2は、上述した構成例1に示した風向板212の上面にさらに遮蔽部材(ゴムパッキン)213を設けたものである。
【0122】
遮蔽部材213は、風向板212の上面から上方に突出するように設けられた爪状の可撓性部材(たとえば、ゴム)である。遮蔽部材213は、扉体6が商品補充口211を閉塞する際に押し退けられて倒伏し、扉体6の通過を可能にする一方、扉体6が商品補充口211を閉塞した場合に元の位置に復帰して、扉体6と風向板212との間を遮蔽する。
【0123】
これにより、扉体6を閉塞した場合に流路を流れる空気が本体2の外部に漏れる場合には、遮蔽部材213を乗り越えて、扉体と風向板との間を通り抜けることになり(気流c)、流路を流れる空気が外部に漏れる事態を抑制できる。このため、エネルギーロスが抑制され、省エネ効果を得ることができる。なお、遮蔽部材213は、可撓性部材であるため、扉体6の開閉や商品の補充を妨げることはない。
【0124】
図24は、商品補充口を閉塞する扉体の構成例3を示す側断面図である。図24に示すように、構成例3において、扉体6は、商品補充口の上縁部に設けられたヒンジ軸611に開閉可能に支承された左右一対をなす開閉扉体64と、ヒンジ軸611に支承され、本体2の庫内側において、一方の開閉扉体64の側縁部と他方の開閉扉体64の側縁部に跨る閉鎖扉体65と有している。
【0125】
開閉扉体64と閉鎖扉体65とは、自重により垂れ下がり、補充する商品により一方の開閉扉体64が開放すると、当該一方の開閉扉体64に押されて閉鎖扉体65も開放することになる。そして、一方の開閉扉体64と他方の開閉扉体64の両方が閉塞すると、閉鎖扉体65も閉塞し、一方の開閉扉体64と他方の開閉扉体64との間に生じる隙間を塞ぐことになる。
【0126】
このように、一方の開閉扉体64と他方の開閉扉体64の両方が閉塞すると、閉鎖扉体65が一方の開閉扉体64と他方の開閉扉体64との間に生じる隙間を塞ぐので、本体2の庫内側と庫外側とにおける空気の移動が抑制される。これにより、エネルギーロスが抑制されて、省エネ効果を得ることができる。なお、閉鎖扉体65は、開閉扉体64が開放する場合に、開閉扉体64に押されて開閉扉体64とともに開放することになるので、商品の補充を妨げることはない。また、開閉扉体64をどのようなタイミングで開閉しても一方の開閉扉体64と他方の開閉扉体64との間に閉鎖扉体65が挟まることはない。
【0127】
図25は、商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例4を示す側断面図である。構成例4は、上述した構成例2において、商品補充口211の上縁部と扉体6の上縁部とに跨って設けられたカバー部材214を備えている。カバー部材214は、商品補充口211の上縁部と扉体6の上縁部との間から空気が漏れたり、空気が侵入したりする事態を防止するためのもので、ゴムなどの伸縮性に優れた材料により構成してある。これにより、エネルギーロスが抑制されて、省エネ効果を得ることができる。なお、カバー部材214は、伸縮性に優れた材料により構成してあるので、カバー部材214が扉体6の開閉に際して支障となることはない。
【0128】
図26は、商品補充口と商品補充口を閉塞する扉体の構成例5を示す図であって、図26−1は正面図であり、図26−2は側断面図である。構成例5は、上述した構成例2において、商品補充口211の庫外側に商品補充口211を遮蔽するカーテン部材215を備えている。
【0129】
カーテン部材215は、商品補充口211ごとに吊り下げられたスリットカーテンであり、可撓性の素材で作成してある。カーテン部材215は、空気の流通を遮断する一方、商品の通過を許容する。カーテン部材には、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)が設けてあり、商品を補充する際に商品によって押し退けられやすくなっている。
【0130】
このように、商品補充口211ごとにカーテン部材215を吊り下げると、商品補充口211から商品を補充する際にも商品の形状に合わせてカーテン部材215が変形するため、商品補充口211の開口面積を抑制することができ、エネルギーロスを抑制でき、省エネ効果を得ることができる。
【0131】
また、通常状態(商品を補充時以外)で、カーテン部材215と扉体6との間に空気層が形成され、断熱性能が向上し、省エネ効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0132】
1 冷凍冷蔵庫
2 冷凍冷蔵庫本体(本体)
21 商品補充口
211 商品補充口
212 風向板
213 遮蔽部材
214 カバー部材
215 カーテン部材
22 商品取出口
23 フロントパネル
3 棚装置
31 棚板
32 表示パネル
4 吹出装置
5 吸込装置
50 リターングリル
51 リターンダクト
52 ファン
53 熱交換器
6 扉体
61 ヒンジ
611 ヒンジ軸
62 ヒンジ
64 開閉扉体
65 閉鎖扉体
7 庫内温度センサ
201 冷凍冷蔵庫
271 第1の庫内温度センサ
272 第2の庫内温度センサ
208 通気ダクト
281 気流分岐ファン
282 隙間
209 扉体(第2の扉体)
291 ヒンジ
301 冷凍冷蔵庫
371 第1の庫内温度センサ
372 第2の庫内温度センサ
373 第3の庫内温度センサ
308A,308B 通気ダクト
309A,309B 扉体(第2の扉体)
381A,381B 気流分岐ファン
382A,382B 隙間
401 冷凍冷蔵庫
471 第1の庫内温度センサ
472 第2の庫内温度センサ
408 通気ダクト
481 気流分岐ファン
482 隙間
409 扉体(第2の扉体)
501 冷凍冷蔵庫
601 冷凍冷蔵庫
603 棚装置
609 スリットカーテン
691 切り込み(スリット)
692 通気口
701 冷凍冷蔵庫
703 棚装置
708 ダクト
781 前端部
781a 前端開口
709 スリットカーテン
791 切り込み(スリット)
801 冷凍冷蔵庫
803 棚装置
808 ダクト
881 前端部
881a 前端開口
882 送風装置
809 スリットカーテン
891 切り込み(スリット)
901 冷凍冷蔵庫
903 棚装置
908 ダクト
981 前端部
981a 前端開口
982 送風装置
983 フェンス
909 スリットカーテン
A エアカーテン
B 箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に商品取出口が開口し、後面に商品補充口が開口した冷凍冷蔵庫本体と、
前記冷凍冷蔵庫本体の内部に設置され、前面が前記商品取出口に臨むとともに後面が前記商品補充口に臨み、後方領域において補充された商品を前方領域において取り出し可能とする棚板を上下方向に複数段備えた棚装置と、
前記棚装置の前方上方域に設けた吹出口から下方に向けて空気を吹き出す吹出装置と、
前記吹出口に対向して設けた吸込口から前記冷凍冷蔵庫本体の内部に空気を吸い込む吸込装置と
を備えた冷凍冷蔵庫において、
前記冷凍冷蔵庫本体の内部後方域に棚板の後端との間に流路を確保する態様で棚板ごとに設けられ、開放した場合に対応する棚板に商品の補充が可能となる扉体を備えたことを特徴とする冷凍冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷凍冷蔵庫本体の内部に設けられ、奥方から前方に向けて延在する通気ダクトと、
前記通気ダクトの内部に設置され、前記冷凍冷蔵庫本体の内部から前記通気ダクトの内部に空気を取り込む送風装置と、
前記通気ダクトの下面に設けられ、通気ダクトの下方に設けられた収納領域の後端を閉鎖する第2の扉体と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項3】
前記冷凍冷蔵庫本体の内部天井に設けられ、奥方から前方に向けて延在する通気ダクトと、
前記通気ダクトの内部に設置され、前記冷凍冷蔵庫本体の内部から前記通気ダクトの内部に空気を取り込む送風装置と、
棚板に対して着脱可能に設けられ、装着された場合に棚板の上面に設けられた収納領域の後端を閉鎖することにより、当該収納領域をほかの収納領域よりも温度の高い第1の低温領域とする第2の扉体と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項4】
前記棚装置は、棚板の上面に設けられた収納領域の後方域から前方域への空気の流通量を規制する規制手段を前記棚板ごとに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項5】
前記規制部材は、前記後方域と前記前方域とを遮断するカーテン部材であって、空気の流通量は、前記カーテン部材に設けた通気口の開口面積によって規制することを特徴とする請求項4に記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項6】
棚板ごとに設けられ、前記後方域から前記前方域に吹き出す空気を案内するダクトを備えたことを特徴とする請求項5に記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項7】
棚板の前方に間隔を開けてフェンスを備えたことを特徴とする請求項6に記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項8】
前記商品補充口は、棚板ごとに設けられ、その下縁部に前記流路を流れる空気の抵抗となる風向板を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項9】
前記扉体は、前記商品補充口の上縁部に開閉可能に支承され、
前記扉体が前記商品補充口を閉塞する際に押し退けられ、前記扉体が閉塞した場合に前記扉体と前記風向板との間を遮蔽する遮蔽部材を前記風向板の上面に設けたことを特徴とする請求項8に記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項10】
前記扉体は、
前記商品補充口の上縁部に設けられた軸に開閉可能に支承された左右一対をなす開閉扉体と、
前記軸に支承され、前記冷凍冷蔵庫本体の庫内側において、一方の開閉扉体の側縁部と他方の開閉扉体の側縁部に跨って設けられた閉鎖扉体と
を有することを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項11】
前記扉体は、前記商品補充口の上縁部に設けられた軸に開閉可能に支承され、
前記商品補充口の上縁部と前記扉体の上縁部とに跨って設けられたカバー部材を備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項12】
前記商品補充口は、棚板ごとに設けられ、前記扉体の庫外側に前記商品補充口を遮蔽するカーテン部材を備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の冷凍冷蔵庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26−1】
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【図26−2】
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【公開番号】特開2012−117799(P2012−117799A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30249(P2011−30249)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】