説明

冷凍機

【課題】圧縮機への潤滑剤の供給を維持するとともに、自然環境にやさしく、かつ、簡略な構成の冷凍機を提供する。
【解決手段】冷却水ポンプ18を有し、凝縮器6内の冷媒を冷却する水が流れる冷却水ライン14と、冷却水ライン14における冷却水ポンプ18の下流側と圧縮機とを接続し、冷却水ライン14を流れる水を潤滑剤として圧縮機4に供給する潤滑水供給ライン32と、冷却水ポンプ18の非駆動時に、冷却水ライン14からの水の供給に代えて潤滑水供給ライン32に水を供給するバックアップ手段60とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蒸発器と、圧縮機と、凝縮器とを有する冷凍機が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、前記のような冷凍機に用いられる圧縮機として、例えば特許文献2には、図3に示すような圧縮機が知られている。この特許文献2の圧縮機は、フロンガス等の冷媒ガスを2段階で圧縮する2段形スクリュ圧縮機であり、一対の第1段スクリュロータ101,102と、一対の第2段スクリュロータ103,104とを備えている。これら各スクリュロータ101〜104は、ケーシング106内に収容されている。
【0004】
第1段スクリュロータ101,102は、ケーシング106内の第1圧縮室106aにおいて互いに噛み合うように配設されており、第2段スクリュロータ103,104は、ケーシング106内の第2圧縮室106bにおいて互いに噛み合うように配設されている。各スクリュロータ101〜104のロータ軸は、対応する各軸受108によってそれぞれ軸支されている。
【0005】
そして、第1圧縮室106aにおいて第1段スクリュロータ101,102が互いに噛み合いながら回転することにより冷媒ガスの1段階目の圧縮が行われる。その圧縮された冷媒ガスは、第2圧縮室106bに導入され、その第2圧縮室106bにおいて第2段スクリュロータ103,104が互いに噛み合いながら回転することにより冷媒ガスの2段階目の圧縮が行われる。この2段階目の圧縮が行われた冷媒ガスは、圧縮機から吐出される。
【0006】
前記各軸受108には、潤滑油が供給されるようになっており、この供給された潤滑油の一部は、冷媒ガスに含まれて圧縮機内を流れ、冷媒ガスとともに圧縮機から吐出される。この一緒に吐出された冷媒ガスと潤滑油は、油分離器110に送られ、その油分離器110によって冷媒ガスと潤滑油が分離される。分離された冷媒ガスは、凝縮器へ送られる一方、分離された潤滑油は、油冷却器111によって冷却され、油フィルタ112によって不純物が除去された後、圧縮機に戻されて各軸受108に再度供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−72619号公報
【特許文献2】特開平9−268988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記の圧縮機を用いた冷凍機では、圧縮機から一緒に吐出される冷媒ガスと潤滑油を分離するために油分離器110が必要となり、圧縮機の構成が複雑になるという問題点がある。また、この冷凍機では、冷媒ガスとしてフロンガスを用いているため、その廃棄により地球温暖化等の自然環境への悪影響が懸念される。また、前記圧縮機では、潤滑油を用いて各軸受108の潤滑を行っているため、その潤滑油の廃棄時には煩雑な廃油処理が必要となるという問題点もある。また、潤滑油の供給が停止した状態で圧縮機のスクリュロータが回転し続けると、軸受等にて焼きつけを起こすという問題もある。
【0009】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、潤滑剤を圧縮機へ確実に供給して圧縮機の損傷を防止しつつ、この潤滑剤の廃棄を容易に行えるとともに、自然環境にやさしく、かつ、簡略な構成の冷凍機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明による冷凍機は、冷媒としての水蒸気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮された液冷媒を蒸発させる蒸発器と、冷却水ポンプを有し、前記凝縮器内の冷媒を冷却する水が流れる冷却水ラインと、前記冷却水ラインにおける前記冷却水ポンプの下流側と前記圧縮機とを接続し、前記冷却水ラインを流れる水を潤滑剤として前記圧縮機に供給する潤滑水供給ラインと、前記冷却水ポンプの非駆動時に、前記冷却水ラインからの水の供給に代えて前記潤滑水供給ラインに水を供給するバックアップ手段とを備えている。
【0011】
この冷凍機では、冷媒および圧縮機用潤滑剤として水が用いられているので、冷媒としてフロンガス等の化学物質が用いられる場合および潤滑剤として油が用いられる場合に比べて廃棄時に自然環境に与える影響を小さく抑えることができる。また、圧縮機から吐出された潤滑剤と冷媒とを分離する必要がなくこれらを分離するための分離器を省略することができる。しかも、冷却水ポンプの吐出圧を利用して凝縮器の冷媒を冷却するための冷却水の一部が潤滑剤として圧縮機に供給されているので、別途潤滑剤を圧縮機に供給するための経路を構築することなく潤滑剤としての水を圧縮機にスムーズに供給することができる。さらに、この冷凍機では、冷却水ポンプの非駆動時に対応したバックアップ手段が設けられているので、仮に冷却水ポンプの故障等が発生した場合であっても潤滑剤としての水を圧縮機に供給することができる。このことは、冷凍機の構成の簡素化を実現しつつ、圧縮機の故障をより確実に回避させる。
【0012】
前記冷凍機において、前記バックアップ手段は、前記蒸発器の水を前記潤滑水供給ラインに供給可能な非常用潤滑水供給ラインを有するのが好ましい。
【0013】
この構成によれば、蒸発器の水が潤滑剤として流用可能となるため、前記潤滑水供給ラインに水を供給するための水源を別途設ける必要がなく、冷凍機の構成を簡素化することができる。
【0014】
この場合において、前記冷凍機は、循環ポンプを有し、前記蒸発器内の水を利用側熱交換器との間で循環させる利用側回路を備え、前記非常用潤滑水供給ラインは、前記利用側回路における前記循環ポンプの下流側と前記潤滑水供給ラインとを接続しているのが好ましい。
【0015】
この構成によれば、循環ポンプの下流側に前記非常用潤滑水供給ラインが接続されているので、この循環ポンプの吐出圧によって蒸発器の水を前記潤滑水供給ライン側にスムーズに供給することができる。
【0016】
また、前記バックアップ手段は、水が前記蒸発器側から前記潤滑水供給ライン側に向かって前記非常用潤滑水供給ラインを流れるのを許容する一方、水が前記潤滑水供給ライン側から前記蒸発器側に向かって前記非常用潤滑水供給ラインを流れるのを規制する規制部を有するのが好ましい。
【0017】
この構成によれば、冷却水ポンプの駆動時等に、潤滑水供給ラインを流れる水が非常用潤滑水供給ラインを通じて蒸発器側に流れ込むのを回避することができ、潤滑水供給ラインを流れる水を圧縮機に確実に供給することができる。
【0018】
さらに、前記非常用潤滑水供給ラインでは、前記冷却水ポンプの駆動時における前記潤滑水供給ライン側の圧力に対する前記冷却水ポンプの駆動時における前記蒸発器側の圧力の差圧が所定値未満となるように設定されており、前記規制部は、前記差圧が前記所定値未満の場合に、水が前記蒸発器側から前記潤滑水供給ライン側に向かって流れるのを規制するのが好ましい。
【0019】
この構成によれば、冷却水ポンプの駆動時に非常用潤滑水供給ラインにおける潤滑水供給ライン側の部分と蒸発器側の部分とで生じた差圧によって、蒸発器の水が非常用潤滑水供給ラインを通じて潤滑水供給ラインに流れ込むのを回避することができる。
【0020】
また、前記冷凍機は、前記潤滑水供給ラインに設けられて、前記非常用潤滑水供給ラインから供給された水が前記冷却水ラインに流れ込むのを規制する逆流規制部を備えるのが好ましい。
【0021】
この構成によれば、非常用潤滑水供給ラインから潤滑水供給ラインに供給された水が冷却水ラインに流れ込むのが回避されるので、非常用潤滑水供給ラインから供給された水を圧縮機に確実に供給することができる。
【0022】
また、前記バックアップ手段として、水が貯留されるとともにこの貯留水を前記潤滑水供給ラインに供給する貯留タンクを有するものが挙げられる。
【0023】
この構成によれば、冷却水ポンプの非駆動時に、貯留タンクに貯留された水を潤滑水供給ラインひいては圧縮機に供給することができ、水経路を複雑化することなく圧縮機の故障を回避することができる。
【0024】
この場合において、前記貯留タンクと前記冷却水ラインとが接続されており、前記冷却水ラインから前記貯留タンクに水が供給されるのが好ましい。
【0025】
この構成によれば、貯留タンクに水を供給するための水源を別途設ける必要がないので、構成を簡素化することができる。
【0026】
また、前記バックアップ手段は、前記貯留タンク内の貯留水量を検出する貯留量検出手段と、前記貯留タンクに供給される水量を調節可能な調節手段とを有し、前記調節手段は、前記貯留量検出手段で検出された前記貯留水量に応じて前記貯留タンクに水を供給するのが好ましい。
【0027】
このようにすれば、貯留タンク内に圧縮機の故障を回避可能な潤滑水量を確保することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、圧縮機への潤滑剤の供給を確保しつつ、自然環境にやさしく、かつ、簡略な構成の冷凍機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態による冷凍機の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態による冷凍機の構成を示す図である。
【図3】従来の一例による圧縮機の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0031】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による冷凍機1の構成を示す図である。この冷凍機1は、例えば空調機等の冷却装置として構成されている。この冷凍機1では、水が冷媒として用いられる。
【0032】
前記冷凍機1は、冷媒が循環する冷媒回路と、冷媒を冷却するための冷却水が循環する冷却回路と、冷媒と熱交換される水が循環する利用側回路と、圧縮機の潤滑材として用いられる潤滑水が循環する潤滑水回路とを備える。
【0033】
前記冷媒回路は、蒸発器2と、圧縮機4と、凝縮器6と、冷媒ガス導入ライン8と、冷媒ガス導出ライン9と、冷媒供給ライン10とを備えている。
【0034】
前記冷却回路は、凝縮器6と、冷却水ライン14と、冷却塔16と、冷却水ポンプ18とを備えている。
【0035】
前記利用側回路は、蒸発器2と、室内機50と、室内循環ライン54と、循環ポンプ56とを備えている。
【0036】
前記潤滑水回路は、凝縮器6と、冷却水ライン14と、冷却塔16と、冷却水ポンプ18に加えて、潤滑水ポンプ11と、潤滑水供給ライン32と、圧縮機4と、潤滑水排出ライン34とによって構成されている。
【0037】
前記圧縮機4は、蒸発器2で蒸発した冷媒ガスとしての水蒸気を圧縮するものである。この圧縮機4は、図示しない回転軸およびこの回転軸を軸支する軸受とこの回転軸に取り付けられた複数の羽根車(圧縮部)とを有している。そして、この圧縮機4は、これら羽根車が回転することによって水蒸気を圧縮する。これら羽根車および回転軸は、冷凍機1が稼動されてから、この冷凍機1が通常停止あるいは故障等により緊急停止されまで回転し続ける。なお、これら羽根車および回転軸は、前記冷凍機1の停止に伴う停止信号を受けても即座に停止することはできず、前記停止信号を受けてからいくらかの時間(数分等)後に停止する。
【0038】
前記圧縮機4は、冷媒ガス導入ライン8を介して蒸発器2と接続されているとともに、冷媒ガス導出ライン9を介して凝縮器6と接続されている。この圧縮機4では、蒸発器2から冷媒ガス導入ライン8を通じて送られた水蒸気が圧縮された後、冷媒ガス導出ライン9を通じて前記凝縮器6へ送られる。
【0039】
前記凝縮器6は、冷媒ガス導出ライン9を通じて圧縮機4から送られた冷媒ガスとしての水蒸気を冷却水を用いて冷却し、これにより水蒸気を復水させるものである。この凝縮器6は、直接熱交換式のものである。すなわち、凝縮器6は、冷媒ガスとしての水蒸気を冷却水と接触させることによって冷却し、凝縮させる。
【0040】
前記凝縮器6は、冷媒供給ライン10を介して蒸発器2と接続されている。この凝縮器6において生成された凝縮水の一部は、液冷媒(以下、水冷媒という)としてこの冷媒供給ライン10を通じて蒸発器2に送られる。具体的には、凝縮器6内の圧力は、蒸発器2内の圧力に比べて高く、これらの圧力差によって凝縮水の一部は蒸発器2へと流れる。一方、凝縮水の残りの水は、後述するように、冷却水として、この凝縮器6に設けられた冷却水排出口6bから排出される。
【0041】
前記蒸発器2は、冷媒供給ライン10を通じて凝縮器6から送られた水冷媒を蒸発させ、その気化熱により室内機50の後述する熱交換器52から導入された水を冷却するものである。この蒸発器2は、直接熱交換式のものである。すなわち、この蒸発器2は、前記熱交換器52から導入された水を水冷媒と接触させることによって冷却する。
【0042】
前記蒸発器2は、前述のように、冷媒ガス導入ライン8を介して圧縮機4と接続されている。この蒸発器2において蒸発した冷媒ガスとしての水蒸気は、この冷媒ガス導入ライン8を通じて圧縮機4に送られる。
【0043】
このようにして、本冷凍機1では、冷媒ガスとしての水蒸気が冷媒ガス導出ライン9を通じて圧縮機4から凝縮器6に供給され、この凝縮器6から排出された水冷媒が冷媒供給ライン10を通じて蒸発器2に供給され、その後、蒸発した冷媒ガスとしての水蒸気が冷媒ガス導入ライン8を通じて圧縮機4に戻る冷媒回路が構成されている。
【0044】
前記室内機50には熱交換器(利用側熱交換器)52が設けられている。この熱交換器52は、蒸発器2から供給された水と室内の空気との間で熱交換を行なわせ、これにより室内の空気を冷却するものである。
【0045】
この熱交換器52は、室内循環ライン54を介して蒸発器2と接続されている。この熱交換器52には、この室内循環ライン54を通じて蒸発器2から水が供給される。具体的には、熱交換器52は循環ポンプ56の下流に設けられている。そのため、この循環ポンプ56が蒸発器2から室内循環ライン54に排出された水に圧力をかけることによって、熱交換器52に水が供給される。そして、この熱交換器52に供給された水は、室内の空気と熱交換を行なった後、再び、室内循環ライン54を通じて蒸発器2に戻される。
【0046】
このようにして、本冷凍機1では、水が循環ポンプ56によって室内循環ライン54を通じて蒸発器2から熱交換器52に供給され、その後、この熱交換器52から排出された水が室内循環ライン54を通じて蒸発器2に戻る利用側回路が構成されている。
【0047】
前記凝縮器6には、凝縮器6の外部に水を排出する冷却水排出口6bと、凝縮器6の内部に水を導入する冷却水導入口6aとが設けられている。この冷却水排出口6bと冷却水導入口6aとは冷却水ライン14により接続されている。
【0048】
前記冷却水ライン14には、冷却塔16が設けられている。この冷却塔16は、前記冷却水排出口6bから冷却水ライン14に排出された凝縮水を冷却水として冷却するものである。この冷却塔16は、開放式である。すなわち、この冷却塔16の上部には、外気を取り入れるための開口部が設けられているとともに、この開口部を通じて冷却塔16の内部へ外気を送り込むためのファンが設けられている。そして、この冷却塔16では、その内部において、冷却水ライン14を通じて送られてきた冷却水がシャワー状に降らせられるとともに、ファンの送風によってその冷却水が冷却される。このようにして冷却塔16で冷却された冷却水は、再び、前記冷却水ライン14を通じて前記冷却水導入口6aから凝縮器6に戻される。具体的には、冷却塔16と冷却水導入口6aとの間には冷却水ポンプ18が設けられている。そのため、この冷却水ポンプ18が冷却水排出口6bから排出された水に圧力をかけることによって、冷却塔16ひいてはその先の冷却水導入口6aに水が送られる。
【0049】
このようにして、本冷凍機1では、水が前記冷却水ポンプ18によって冷却水ライン14を通じて凝縮器6から冷却塔16に供給され、その後、この冷却塔16から排出された水が冷却水ライン14を通じて凝縮器6に戻る冷却水回路が構成されている。
【0050】
前記圧縮機4には、前記冷媒ガス導入ライン8および冷媒ガス導出ライン9に加えて、潤滑水供給ライン32および潤滑水排出ライン34が接続されている。
【0051】
前記潤滑水供給ライン32は、圧縮機4の軸受等に潤滑剤を供給するためのものである。この潤滑水供給ライン32は、圧縮機4と冷却水ライン14とを接続している。より詳細には、この潤滑水供給ライン32は、圧縮機4の軸受等と冷却水ライン14における冷却塔16の下流部分とを接続している。そして、冷却塔16から冷却水ライン14を通じて凝縮器6に戻される冷却水の一部がこの潤滑水供給ライン32を通じて潤滑水として圧縮機4に供給される。
【0052】
このように、本冷凍機1では、圧縮機4の潤滑剤として廃棄処理が容易な水が用いられている。そして、凝縮器6に供給される冷却水の一部が潤滑剤として流用されている。そのため、冷凍機1全体の構成が簡素化されている。また、冷却塔16で冷却された水が圧縮機4の軸受等に供給されている。そのため、この冷却水による圧縮機4の軸受等の冷却効果も得られるようになっている。
【0053】
前記潤滑水供給ライン32には、潤滑水ポンプ11が設けられている。この潤滑水ポンプ11は、潤滑水供給ライン32を流れる水に圧力をかけて圧縮機4へ送るものである。本実施形態では、冷却水ライン14において冷却水ポンプ18の吐出圧により凝縮器6から冷却塔16に送られた冷却水の一部が、さらにこの潤滑水ポンプ11によって圧縮機4に送られる。
【0054】
前記潤滑水排出ライン34は、圧縮機4から排出された潤滑水を凝縮器6に排出するためのものであり、この圧縮機4と凝縮器6とを接続している。前記圧縮機4の軸受等から排出された潤滑水はこの潤滑水排出ライン34を通じて凝縮器6に排出される。そして、この潤滑水は、凝縮器6の冷却水排出口6bから冷却水とともに冷却水ライン14に排出される。
【0055】
このようにして、本冷凍機1では、水が冷却水ポンプ18および潤滑水ポンプ11によって冷却水ライン14および潤滑水供給ライン32を通じて凝縮器6から冷却塔16を介して圧縮機4に供給され、その後、この圧縮機4から排出された水が潤滑水排出ライン34を通じて凝縮器6に戻る潤滑水回路が構成されている。そして、この潤滑水回路により潤滑水が圧縮機4に供給されることで圧縮機4の焼きつき等の損傷が回避されている。
【0056】
ここで、圧縮機4に潤滑水が供給される経路が前記潤滑水回路のみでは、仮に冷却水ポンプ18が故障等により緊急停止した場合には、凝縮器6から潤滑水供給ライン32に水が供給されず圧縮機4への潤滑水の供給が停止してしまう。前述のように、停止指令を受けてから圧縮機4が実際に停止するまでにはいくらかの時間を要する。そのため、潤滑水回路のみの場合では、冷却水ポンプ18の緊急停止時に潤滑水のない状態で圧縮機4が稼動して圧縮機4が損傷するおそれがある。
【0057】
このため、本冷凍機1では、非常用潤滑水供給ライン60により室内循環ライン54と潤滑水供給ライン32とが接続されている。そして、冷却水ポンプ18の非駆動時(冷却水ポンプ18が駆動されていない時)で、かつ、圧縮機4の回転軸等が回転している場合に、室内循環ライン54を流れている水がこの非常用潤滑水供給ライン60を介して潤滑水供給ライン32ひいては圧縮機4に供給される非常用経路(バックアップ手段)が設けられている。
【0058】
前記非常用潤滑水供給ライン60の一端は、潤滑水供給ライン32における潤滑水ポンプ11の上流に接続されている。この接続部分の圧力は、冷却水ポンプ18が停止して冷却塔16の水量が低下するのに伴い、低下する。その結果、非常用潤滑水供給ライン60の両端すなわち非常用潤滑水供給ライン60における室内循環ライン54側の部分と潤滑水供給ライン32側の部分との間に差圧が生じるので、室内循環ライン54を流れる水は潤滑水供給ライン32に向かってこの非常用潤滑水供給ライン60を流れていく。このようにして、本冷凍機1では、前記差圧を利用することで簡単な構成で冷却水ポンプ18の非駆動時にも潤滑水供給ライン32に水が供給される。
【0059】
特に、本冷凍機1では、非常用潤滑水供給ライン60の他端は、室内循環ライン54における循環ポンプ56の下流に接続されている。この循環ポンプ56は、冷却水ポンプ18が故障等により緊急停止しても駆動されている。そのため、冷却水ポンプ18が停止しても、この循環ポンプ56の下流に接続された非常用潤滑水供給ライン60の一端の圧力は循環ポンプ56により加圧されることで比較的高い値に保たれる。これにより、冷却水ポンプ18の停止時に非常用潤滑水供給ライン60の両端に比較的大きい差圧が生じるので、前記室内循環ライン54を流れる水は潤滑水供給ライン32へスムーズに流れる。
【0060】
前記非常用潤滑水供給ライン60には、逆止弁(規制部)62が設けられている。この逆止弁62は、非常用潤滑水供給ライン60において室内循環ライン54側から潤滑水供給ライン32側への水の流れは許容する一方、その逆の流れは規制している。そのため、冷却水ポンプ18の駆動時に非常用潤滑水供給ライン60において室内循環ライン54側よりも潤滑水供給ライン32側の圧力の方が高くなったとしても、その差圧に基づいて潤滑水供給ライン32側から室内循環ライン54側に水が流れ込むのは規制され、潤滑水供給ライン32の水は確実に圧縮機4に供給される。
【0061】
また、本実施形態では、前記逆止弁62は、非常用潤滑水供給ライン60における潤滑水供給ライン32側の圧力に対する室内循環ライン54側の圧力の差圧が基準値未満の場合に、室内循環ライン54側から潤滑水供給ライン32側へ水が流れるのを規制している。この基準値は、冷却水ポンプ18の駆動時に非常用潤滑水供給ライン60における室内循環ライン54側と潤滑水供給ライン32側との間に生じる差圧の最大値である。従って、本冷凍機1では、冷却水ポンプ18が停止していないにも関わらず、非常用潤滑水供給ライン60において潤滑水供給ライン32側よりも室内循環ライン54側の圧力の方が高くなったとしても、その差圧に基づいて室内循環ライン54から潤滑水供給ライン32に水が流れ込むのが回避される。
【0062】
ここで、例えば、非常用潤滑水供給ライン60の流路を開閉する調節弁を設けるとともに冷却水ポンプ18の故障を検知する検知手段を設け、この検知手段により冷却水ポンプ18の故障が検知された場合に前記調節弁により非常用潤滑水供給ライン60の流路を開き潤滑水供給ライン32へ水を供給するよう構成してもよい。ただし、前記のように、前記冷却水ポンプ18が停止することで非常用潤滑水供給ライン60における室内循環ライン54側と潤滑水供給ライン32側との間に生じる差圧を利用することで、前記検知手段を設けずとも潤滑水供給ライン32への水の供給が実現される。そこで、本冷凍機1では、この検知手段や調節弁を省略して構成を簡素化している。
【0063】
前記潤滑水供給ライン32のうち非常用潤滑水供給ライン60との接続部分の上流には、逆止弁(逆流規制部)36が設けられている。この逆止弁36は、潤滑水供給ライン32において上流側すなわち冷却水ライン14側へ水が流れるのを規制している。この逆止弁36の規制により、非常用潤滑水供給ライン60を通じて潤滑水供給ライン32に流入した水は、冷却水ライン14側に流れ込むこむことなく圧縮機4に確実に供給される。
【0064】
このようにして、本冷凍機1では、冷却水ポンプ18の駆動時には、この冷却水ポンプ18および潤滑水ポンプ11によって、凝縮器6から排出される冷却水の一部が冷却水ライン14および潤滑水供給ライン32を通じて圧縮機4へ供給される。一方、冷却水ポンプ18の非駆動時には、潤滑水ポンプ11によって、蒸発器2の水が室内循環ライン54と非常用潤滑水供給ライン60および潤滑水供給ライン32を通じて圧縮機4へ供給される。ここで、潤滑水ポンプ11は圧縮機4の回転軸等が回転している間は常に駆動されている。例えば、この潤滑水ポンプ11は、圧縮機4に取り付けられた回転数センサで検出された回転信号に基づいて制御されており、この回転信号が検出されている間は駆動し続ける。
【0065】
なお、潤滑水ポンプ11の非駆動時に備え、非常用潤滑水供給ライン60と潤滑水ポンプ11の下流側とを接続するラインを設けても良い。この場合には、この非常用潤滑水供給ライン60と潤滑水ポンプ11の下流側とを接続するラインに、潤滑水ポンプ11稼働時において潤滑水ポンプ11の下流側から非常用潤滑水供給ライン60側への水の逆流を防ぐため逆止弁を設けるのが良い。
【0066】
以上のように、この第1実施形態による冷凍機1では、冷媒ガスとして水が用いられている。そのため、冷媒ガスの廃棄時に自然環境に与える影響をフロンガス等の化学物質からなる冷媒に比べて格段に小さく抑えられる。また、圧縮機4の潤滑剤として水が用いられている。そのため、この潤滑剤としての水を廃棄する際に煩雑な処理をしなくてもそのまま廃棄することができる。さらに、圧縮機4に供給された潤滑水が仮に圧縮機4内で冷媒ガスとしての水蒸気と混ざったとしても、同じ水であるので、圧縮機4から吐出された後、冷媒ガスから潤滑水を分離しなくてもよい。このため、従来のように圧縮機から一緒に吐出された冷媒ガスと潤滑油を油分離器によって分離させるものと異なり、冷媒ガスと潤滑水を分離するための分離器を設ける必要がなく、冷凍機1の構成を簡略化することができる。このように、本冷凍機1では、自然環境にやさしく、かつ、簡略な構成の冷凍機が実現される。
【0067】
そして、この冷凍機1では、冷却水ポンプ18の非駆動時であっても非常用潤滑水供給ライン60を通じて蒸発器2から潤滑水供給ライン32に水が供給されるため、冷却水ポンプ18の故障等においても潤滑剤としての水が圧縮機4に供給される。これにより、圧縮機4の焼きつき等が防止される。また、後述する第2実施形態のように貯留タンク260を設ける場合に比べて、冷凍機1の構成を簡素化および小型化することができる。
【0068】
また、この冷凍機1では、非常用潤滑水供給ライン60が循環ポンプ56の下流に接続されているので、この循環ポンプ56によって非常用潤滑水供給ライン60における室内循環ライン54側の圧力が高められて、非常用潤滑水供給ライン60における潤滑水供給ライン32側の圧力との間に差圧が生じる結果、非常用潤滑水供給ライン60を通じて水を潤滑水供給ライン側にスムーズに供給することができる。
【0069】
また、前記逆止弁62により、水が非常用潤滑水供給ライン60を通じて潤滑水供給ライン32から室内循環ライン54に向かって流れるのが規制されている。そのため、潤滑水供給ライン32を流れる水が非常用潤滑水供給ライン60側に分岐してしまい圧縮機4に供給される水が減少するという事態を回避することができる。また、この逆止弁62は、非常用潤滑水供給ライン60において室内循環ライン54側すなわち蒸発器2側の圧力の方が潤滑水供給ライン32側の圧力よりも基準値以上高い場合にのみ室内循環ライン54から潤滑水供給ライン32への水の流れを許容している。そのため、冷却水ポンプ18が停止していないにも関わらず室内循環ライン54から潤滑水供給ライン32に水が流れ込むのが回避され、室内循環ライン54を流れる水が確保される。また、前記逆止弁36により潤滑水供給ライン32から冷却水ライン14側へ水が逆流するのが規制されている。そのため、非常用潤滑水供給ラインから供給された水は確実に圧縮機4に供給される。
【0070】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態による冷凍機201の構成を示す図である。この第2実施形態では、前記非常用潤滑水供給ライン60に代えて潤滑水供給ライン32の途中に貯留タンク260が設けられている。そして、この貯留タンク260に貯留されている水が潤滑水供給ライン32に供給されることで、冷却水ポンプ18の非駆動時に潤滑水供給ライン32ひいては圧縮機4に水が供給される。
【0071】
前記貯留タンク260は、潤滑水供給ライン32の途中に設けられている。そのため、前記冷却水ライン14から潤滑水供給ライン32に分岐した冷却水は、この貯留タンク260を通過して圧縮機4に供給される。この貯留タンク260の下流には、第1の実施形態で用いられたものと同じ潤滑水ポンプ11が設けられている。貯留タンク260内の貯留水は、この潤滑水ポンプ11によって圧縮機4に供給される。
【0072】
前記貯留タンク260には、この貯留タンク260に貯留されている水の水位を検出するための水位計(貯留量検出手段)262が取り付けられている。また、潤滑水供給ライン32のうちこの貯留タンク260の上流には、貯留タンク260に導入される水の量を調節する調節バルブ(調節手段)264が設けられている。
【0073】
本冷凍機201では、前記水位計262で検出された貯留タンク260内の貯留水の水位が基準値以下とならないように、すなわち、貯留水の量が基準量以下とならないように、この水位に応じて調節バルブ264の開弁量が制御されている。この基準量とは、圧縮機4が停止指令を受けてから実際に停止するまでに圧縮機4の損傷を回避するために圧縮機4に供給せねばならない潤滑水の量以上の値である。これにより、本冷凍機201では、仮に冷却水ポンプ18が故障等により緊急停止し冷却水ライン14から潤滑水供給ライン32への水の供給が停止した場合であっても、この貯留タンク260内の貯留水により圧縮機4に十分な潤滑水が供給される。
【0074】
このようにして、本冷凍機201では、冷却水ポンプ18の駆動時には、貯留タンク260から圧縮機4へ潤滑水が供給されつつ、冷却水ポンプ18によって冷却水ライン14から分岐した冷却水の一部が貯留タンク260に供給される。このとき、貯留タンク260に供給される水量は、貯留タンク260内の貯留水量が所定範囲内に維持されるよう調節バルブ264によって調節される。具体的には、貯留タンク260内の貯留量が前記基準量より少ない場合は、貯留タンク260から圧縮機4へ供給される潤滑水量よりも多量の冷却水が貯留タンク260内に供給される。また、貯留タンク260内の貯留量が前記基準量の場合は、この貯留タンク260から圧縮機4へ供給される潤滑水量と同量の冷却水が貯留タンク260内に供給される。一方、貯留タンク260内の貯留量が前記基準量以上の場合は、貯留タンク260への冷却水の供給が停止される。
【0075】
一方、前記冷却水ポンプ18の非駆動時には、貯留タンク260への冷却水の供給が停止した状態で、貯留タンク260から圧縮機4へ潤滑水が供給される。
【0076】
この第2実施形態による前記以外の構成及び動作は、前記第1実施形態による構成及び動作と同様である。
【0077】
以上説明したように、この第2実施形態の冷凍機201では、水経路を複雑化することなく、かつ、潤滑水供給ライン32に貯留タンク260を接続するという簡単な構成で、冷却水ポンプ18の非駆動時であっても圧縮機4に潤滑水を供給することができる。なお、冷却水ポンプ18の非駆動時には、貯留タンク260から冷却塔16への水の逆流が起こる可能性があるが、例えば、調節バルブ264に逆止弁機能を持たせる、あるいは、冷却塔16を貯留タンク260よりも高い位置に設置することで、この逆流を回避することができる。
【0078】
また、この冷凍機201では、前記水位計262の検出結果に応じて調節バルブ264の開弁量が制御されて貯留タンク260へ供給される水量が調節されている。そのため、圧縮機の故障を回避可能な潤滑水量を確保することができる。また、前記冷却水ライン14から貯留タンク260に過剰な水が分岐するのが回避される。これにより、この冷却水ライン14を介して凝縮器6に供給される冷却水の減少を抑制することができる。
【0079】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0080】
例えば、前記第1実施形態おいて、冷却水ライン14で構成される冷却回路に代えて、別途設けられた水源から冷却水ポンプ18によって凝縮器6および潤滑水供給ライン32に水が供給されてもよい。
【0081】
また、前記第1実施形態において、非常用潤滑水供給ライン60が室内循環ライン54ではなく蒸発器2に直接接続されていてもよい。
【0082】
また、前記第1実施形態において、例えば、非常用潤滑水供給ライン60における室内循環ライン54側の圧力と潤滑水供給ライン32側の圧力とが冷却水ポンプ18の駆動時に同等に保たれており、かつ、冷却水ポンプ18の非駆動時にはこの室内循環ライン54側の圧力の方が潤滑水供給ライン32側の圧力よりも高くなる場合には、前記逆止弁62が省略されてもよい。すなわち、この場合には、冷却水ポンプ18の駆動時において非常用潤滑水供給ライン60を通じた水の流れは生じず、かつ、冷却水ポンプ18の非駆動時において非常用潤滑水供給ライン60を通じて潤滑水供給ライン32側から室内循環ライン54へ水が流れることはないので、逆止弁62を省略してもよい。
【0083】
また、前記第2実施形態においても、冷却水ライン14で構成される冷却回路に代えて、別途設けられた水源から冷却水ポンプ18によって凝縮器6に水が供給されるよう構成されてもよい。
【0084】
また、前記第2実施形態において、冷却水ライン14から貯留タンク260に冷却水が供給される構成に代えて、別途設けられた水源から貯留タンク260に水が供給されてもよい。
【0085】
また、前記第2実施形態において、前記水位計262および前記調節バルブ264が省略されてもよい。
【0086】
また、前記第1実施形態あるいは第2実施形態において、前記熱交換器52を省略して、室内循環ライン54を前記室内機50等の被冷却物に直接接続し、室内循環ライン54を通じて蒸発器2から供給された水によって被冷却物を直接冷却してもよい。
【0087】
また、前記第1実施形態あるいは第2実施形態において、前記冷却塔16として、その内部において冷却水を外気と接触させることなく冷却する密閉式の冷却塔が適用されてもよい。この構成では、冷却塔16内の冷却水に外部から異物が混入するのを防ぐことができる。
【0088】
また、前記第1実施形態あるいは第2実施形態において、圧縮機4として、スクリュロータを用いた圧縮機やその他の形態の圧縮機が適用されてもよい。
【0089】
また、前記第1実施形態あるいは第2実施形態において、冷凍機1,201は空調機以外の各種冷却装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1、201 冷凍機
2 蒸発器
4 圧縮機
6 凝縮器
14 冷却水ライン
18 冷却水ポンプ
32 潤滑水供給ライン
36 逆止弁(逆流規制部)
52 熱交換器(利用側熱交換器)
54 室内循環ライン
56 循環ポンプ
60 非常用潤滑水供給ライン
62 逆止弁(規制部)
260 貯留タンク
262 水位計(貯留量検出手段)
264 調節バルブ(調節手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒としての水蒸気を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮器によって凝縮された液冷媒を蒸発させる蒸発器と、
冷却水ポンプを有し、前記凝縮器内の冷媒を冷却する水が流れる冷却水ラインと、
前記冷却水ラインにおける前記冷却水ポンプの下流側と前記圧縮機とを接続し、前記冷却水ラインを流れる水を潤滑剤として前記圧縮機に供給する潤滑水供給ラインと、
前記冷却水ポンプの非駆動時に、前記冷却水ラインからの水の供給に代えて前記潤滑水供給ラインに水を供給するバックアップ手段とを備える、冷凍機。
【請求項2】
前記バックアップ手段は、前記蒸発器の水を前記潤滑水供給ラインに供給可能な非常用潤滑水供給ラインを有する、請求項1に記載の冷凍機。
【請求項3】
循環ポンプを有し、前記蒸発器内の水を利用側熱交換器との間で循環させる利用側回路を備え、
前記非常用潤滑水供給ラインは、前記利用側回路における前記循環ポンプの下流側と前記潤滑水供給ラインとを接続している、請求項2に記載の冷凍機。
【請求項4】
前記バックアップ手段は、水が前記蒸発器側から前記潤滑水供給ライン側に向かって前記非常用潤滑水供給ラインを流れるのを許容する一方、水が前記潤滑水供給ライン側から前記蒸発器側に向かって前記非常用潤滑水供給ラインを流れるのを規制する規制部を有する、請求項2または3に記載の冷凍機。
【請求項5】
前記非常用潤滑水供給ラインにおいて、前記冷却水ポンプの駆動時における前記潤滑水供給ライン側の圧力に対する前記冷却水ポンプの駆動時における前記蒸発器側の圧力の差圧が所定値未満となるように設定されており、
前記規制部は、前記差圧が前記所定値未満の場合に、水が前記蒸発器側から前記潤滑水供給ライン側に向かって流れるのを規制する、請求項4に記載の冷凍機。
【請求項6】
前記潤滑水供給ラインに設けられて、前記非常用潤滑水供給ラインから供給された水が前記冷却水ラインに導入されるのを規制する逆流規制部を備える、請求項2〜5のいずれかに記載の冷凍機。
【請求項7】
前記バックアップ手段は、水が貯留されるとともにこの貯留水を前記潤滑水供給ラインに供給する貯留タンクを有する、請求項1に記載の冷凍機。
【請求項8】
前記貯留タンクと前記冷却水ラインとが接続されており、
前記冷却水ラインから前記貯留タンクに水が供給される、請求項7に記載の冷凍機。
【請求項9】
前記バックアップ手段は、前記貯留タンク内の貯留水量を検出する貯留量検出手段と、前記貯留タンクに供給される水量を調節可能な調節手段とを有し、
前記調節手段は、前記貯留量検出手段で検出された前記貯留水量に応じて前記貯留タンクに水を供給する、請求項7または8に記載の冷凍機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−196185(P2011−196185A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60484(P2010−60484)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(507385785)ダニッシュ テクノロジカル インスティテュート (7)
【出願人】(507385796)
【Fターム(参考)】