説明

冷却服

【課題】素肌に直接着用し体表面を冷却するための冷却服であって、体表面を長時間に及び冷却が可能で、冷却部位を自由に変更することが可能な冷却服を提供する。
【解決手段】メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管とを具備し、冷却管が、生地のメッシュ開口部を通して、生地の表裏に交互に織り込まれて固定された冷却服。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体を冷却するための冷却服に関する。
【背景技術】
【0002】
ごみ焼却炉内の補修や清掃作業は、人間の手作業によって行われている。しかし、ごみ焼却炉内には、人間にとって有害なダイオキシン等の物質や粉塵等が残存する。したがって、作業者の健康障害を防止するために、作業者は防塵服やマスク等を装着しごみ焼却炉内で作業を実施する。当然ながら、防塵服は、頭部を含めた全身を覆うものである。また、防塵服は、防塵服内への粉塵等の侵入を抑制した生地で作られており、通気性がよいものとは言えない。また、ごみ焼却炉内は、稼働時の熱が残存している場合や夏季の場合は、高温雰囲気の状態となる。したがって、作業者は、非常に暑さを感じながら作業に従事しなければならない。
【0003】
作業者は、暑さを緩和するために肌着に保冷剤を装着して、体表面を冷やすことを行う場合がある。ただし、保冷剤が重たいことや、保冷剤が一定時間しか冷却効果を発揮しない等の理由から、作業時間が限られる。
【0004】
特許文献1に、着衣者から熱を奪って外部に放熱する冷却機能を有する冷却服において、潜熱として熱を輸送する作動流体を封入したループ型ヒートパイプが衣服部の布面に沿って取り付けられるとともに、作動流体を強制循環させるポンプがループ型ヒートパイプに介在させられ、さらに、作動流体が封入された複数のヒートパイプが、それぞれの一部を前記ループ型ヒートパイプに熱交換可能に取付けられ、このループ型ヒートパイプから衣服部の各部へ延びて、それぞれ布地部分に織込みあるいは縫刺しされていることを特徴とする冷却服が開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献2に、身体を冷やすために冷却ガスを吹き出す冷却パイプ体と該冷却パイプ体に冷却ガスを供給する冷却ガス供給部とを備えたクーリングベストが開示されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平6−127487号公報
【特許文献2】特開2002−242007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、素肌に直接着用し体表面を冷却するための冷却服を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、体表面を長時間に及び冷却が可能で、冷却部位を自由に変更することが可能な冷却服を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、(発明を実施するための最良の形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための最良の形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0010】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、冷却管(18)が、生地のメッシュ開口部(20)を通して、生地の表裏に交互に織り込まれて固定されている。
【0011】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、冷却管(18)が、生地のメッシュ開口部(20)を通して、生地の表裏に交互に織り込まれて固定され、上体部(2c)のみで構成されている。
【0012】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、冷却管(18)が、生地のメッシュ開口部(20)を通して、生地の表裏に交互に織り込まれて固定され、下体部(3)のみで構成されている。
【0013】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、冷却管(18)が、生地のメッシュ開口部(20)を通して、生地の表裏に交互に織り込まれて固定され、上体部(2c)と下体部(3)が一体となって構成されている。
【0014】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、冷却管(18)が、生地のメッシュ開口部(20)を通して、生地の表裏に交互に織り込まれて固定され、上体部(2c)に加え、頭部(2a)を有し、上体部(2c)と頭部(2a)は一体である。
【0015】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、冷却管(18)が、生地のメッシュ開口部(20)を通して、生地の表裏に交互に織り込まれて固定され、上体部(2c)に加え、頭部(2a)を有し、上体部(2c)と頭部(2a)は一体であって、首部分のしまり具合を調整する脱着自在具(2d)を備えている。
【0016】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面に冷却管(18)を配置し、生地のメッシュ開口部に通して冷却管(18)を生地に固定する結束バンド(24)とを備えている。
【0017】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、冷却管(18)が、生地のメッシュ開口部を通して、生地の表裏に交互に織り込まれ、メッシュ開口部に通して冷却管(18)を生地に固定する結束バンド(24)とを備えている。
【0018】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面に冷却管(18)を配置し、生地のメッシュ開口部を通して冷却管(18)を生地に固定する結束バンド(24)とを備えて、上体部(2c)のみで構成されている。
【0019】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、生地のメッシュ開口部を通して冷却管(18)を生地に固定する結束バンド(24)とを備えて、下体部(3)のみで構成されている。
【0020】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、生地のメッシュ開口部を通して冷却管(18)を生地に固定する結束バンド(24)とを備えて、上体部(2c)と下体部(3)が一体となって構成されている。
【0021】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、生地のメッシュ開口部を通して冷却管(18)を生地に固定する結束バンド(24)とを備えて、上体部(2c)に加え、頭部(2a)を有し、上体部(2c)と頭部(2a)は一体である。
【0022】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、生地のメッシュ開口部を通して冷却管(18)を生地に固定する結束バンド(24)とを備えて、上体部(2c)に加え、頭部(2a)を有し、上体部(2c)と頭部(2a)は一体であって、首部分のしまり具合を調整する脱着自在具(2d)を備えている。
【0023】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面に冷却管(18)を配置し、冷却管(18)を覆うように被せた固定カバー(26)と、固定カバー(26)を前記メッシュ本体部(22)に固定するための固定カバー止め具(28)とを備えている。
【0024】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、冷却管(18)が、生地のメッシュ開口部を通して、生地の表裏に交互に織り込まれ、冷却管(18)を覆うように被せた固定カバー(26)と、固定カバー(26)を前記メッシュ本体部(22)に固定するための固定カバー止め具(28)とを備えている。
【0025】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、冷却管(18)を覆うように被せた固定カバー(26)と、固定カバー(26)を前記メッシュ本体部(22)に固定するための固定カバー止め具(28)とを備えて、上体部(2c)のみで構成されている。
【0026】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、冷却管(18)を覆うように被せた固定カバー(26)と、固定カバー(26)を前記メッシュ本体部(22)に固定するための固定カバー止め具(28)とを備えて、下体部(3)のみで構成されている。
【0027】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、冷却管(18)を覆うように被せた固定カバー(26)と、固定カバー(26)を前記メッシュ本体部(22)に固定するための固定カバー止め具(28)とを備えて、上体部(2c)と下体部(3)が一体となって構成されている。
【0028】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、冷却管(18)を覆うように被せた固定カバー(26)と、固定カバー(26)を前記メッシュ本体部(22)に固定するための固定カバー止め具(28)とを備えて、上体部(2c)に加え、頭部(2a)を有し、上体部(2c)と頭部(2a)は一体である。
【0029】
本発明による冷却服(2)は、メッシュ構造を有する生地と、冷媒を通すための冷却管(18)とを具備し、生地の片面あるいは生地のメッシュ開口部に織り込んで冷却管(18)を配置し、冷却管(18)を覆うように被せた固定カバー(26)と、固定カバー(26)を前記メッシュ本体部(22)に固定するための固定カバー止め具(28)とを備えて、上体部(2c)に加え、頭部(2a)を有し、上体部(2c)と頭部(2a)は一体であって、首部分のしまり具合を調整する脱着自在具(2d)を備えている。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、素肌に直接着用し体表面を冷却するための冷却服が提供される。
【0031】
本発明によれば、体表面を長時間に及び冷却が可能で、冷却部位を自由に変更することが可能な冷却服が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
添付図面を参照して、本発明による冷却服を実施するための最良の形態を以下に説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の構成を示す。冷却服2は、冷却服頭部2a及び冷却服上体部2cで構成されている。冷却服頭部2aは、冷却服顔面開口部2bを有する。つまり、冷却服2を着用する者は、頭部から首および上体部にかけて、冷却服2を着用することになり、顔面部分だけを露出する。なお、冷却服2は、ごみ焼却炉の内部の補修や清掃作業を行う作業者が、素肌に着用することを想定する。作業者は、冷却服2を着用し、その上に防塵服を着用する。
【0034】
冷却服2の材質は、汗を吸収する特性を有し、肌着として適した材質であればよい。したがって、綿やポリエステル等が例示される。
【0035】
さらに、冷却服2は、着脱自在具2dを有しており、首部分のしまり具合を調整することができる。着脱自在具2は、何回もつけ外しが可能なテープや、ひも、ベルト等が例示される。
【0036】
冷却服2の全体には、冷却管18がはりめぐらされ、冷却管18に冷媒を通す。冷媒入りカートリッジ6に流量調整弁4を接続し、流量調整弁4には注入管10を接続する。さらに、注入管10は冷却管18に接続される。冷媒入りカートリッジ6は、冷媒入りカートリッジカバー8に入れられる。冷却管18は、排出管12に接続され、排出管12の先端から循環した冷媒が大気に放出される。冷却管18や注入管10、排出管12の配置の詳細については後述する。
【0037】
注入管10及び排出管12、冷却管18は、材質がシリコンゴムである。注入管10及び排出管12、冷却管18は、フレキシブル性を有し、冷媒を通しても硬化や脆化することがない材質であれば、シリコンゴムに限らず他の樹脂材料でもよい。
【0038】
流量調整弁4は、冷媒の流量を調整するための弁であって、弁の動作は手動でも電動も良い。流量調整弁4は、作業者が、体感する冷却度合いに応じて操作する弁である。したがって、作業者が、作業中に流量調整弁4を操作することができるように、流量調整弁4は、防塵服の外に出しておく。なお、図1では、冷媒入りカートリッジ6と流量調整弁4は、分離しているように図示しているが、流量調整弁4と冷媒入りカートリッジ6が一体となったものでもよい。
【0039】
冷媒入りカートリッジ6は、内容物である冷媒が消費されれば交換する。つまり、冷媒入りカートリッジ6は、使い捨てタイプである。したがって、長時間に及ぶ作業を行う場合は、冷媒入りカートリッジ6を交換しながら作業を行えば良い。なお、冷媒は、例えばフロン134aが用いられる。フロン134aは、不燃性であるため、ごみ焼却炉内等の環境では安全である。このような冷媒は、液体から気体に気化する際に、周囲の熱を吸収する。したがって、このような冷媒を冷却管18に通せば、冷媒が冷却管18を通る際に、冷却管18に触れた素肌は冷却され、冷却管18の周囲の空気も冷却される。
【0040】
冷媒入りカートリッジカバー8は、冷媒入りカートリッジ6を作業者の腰ベルトにぶら下げるために図示しないフックを備えている。冷媒入りカートリッジカバー8は、主に断熱材で構成されている。冷媒入りカートリッジカバー8は、冷媒入りカートリッジ6に充填されている液体の冷媒が周囲の熱を吸収して、冷媒入りカートリッジ6の内圧が上昇するのを防ぐ役目を果たす。したがって、ごみ焼却炉内のような高温雰囲気においては、冷媒入りカートリッジカバー8は必要であるが、常温雰囲気においては不要である。
【0041】
図2Aは、冷却服2に用いる冷却管18などのレイアウトの前面側を示す。注入管10aが、分岐部14に接続されている。注入管10aは、図1中に示した注入管10に接続されている。分岐部14は、冷却管18を冷却服2の左右の経路へと分岐するものである。また、集合部16には、冷却管18をまとめて集合し、循環した冷媒をまとめて排出するための排出管12aが接続されている。排出管12aは、図1中に示した排出管12に接続されている。冷却管18は、人間の胸部分、脇の下部分、首部分、頭部側面部分を冷却するように配置されている。
【0042】
図2Bは、冷却服2に用いる冷却管18などのレイアウトの背面側を示す。冷却管18は、人間の背中部分、脇の下部分、首部分、頭部後頭部分を冷却するように配置されている。
【0043】
冷却服2の前面側で左右の経路に分岐した冷却管18は、頭部や背面に一筆書きのように配置され、つながっている。具体的な冷却管18のつながりを図2A及び図2Bを参照して説明する。まず、作業者が、冷却服2を着用した時、作業者からみて右側に向かって、分岐部14から分岐された冷却管18のつながりから説明する。冷却管18は、AからA’につながる。さらに、冷却管18は、脇の下部分を通って、B’からBへとつながる。次に、冷却管18は首部分を通って、CからC’へとつながりD’からDへとつながる。次に、冷却管18は、頭部側面部分を通って、EからE’へとつながり、背中部分を通る。次に、冷却管18は、脇の下部分を通って、F’からFへとつながる。そして、胸部分を通って、集合部16に戻る。
【0044】
次に、作業者が、冷却服2を着用した時、分岐部14から左側に向かって分岐された冷却管18のつながりについて説明する。冷却管18は、aからa’につながる。さらに、冷却管18は、脇の下部分を通って、b’からbへとつながる。次に、冷却管18は首部分を通って、cからc’へとつながりd’からdへとつながる。次に、冷却管18は、頭部側面部分を通って、eからe’へとつながり、背中部分を通る。次に、冷却管18は、脇の下部分を通って、f’からfへとつながる。そして、胸部分を通って、集合部16に戻ってくる。
【0045】
左右の経路から戻ってきた冷却管18は、集合部16で排出管12aとして一つにまとめられる。なお、作業者は、冷却服2の上に防塵服を着用している。上着とズボンが一体となった防塵服である場合、排出管12aは、ズボンの裾から外に出すようにする。
【0046】
なお、冷却管18をズボン形状の服に配置したズボン状冷却服3を用意すれば、下半身を冷却することもできる。図6Aにズボン状冷却服3に用いる冷却管18のレイアウトの前面側、図6Bにズボン状冷却服3に用いる冷却管18のレイアウトの背面側を示す。
【0047】
ズボン状冷却服3は、冷却服2のように単独でも使用できるが、冷却服2と同時に使用、あるいは一体化した物とすることもできる。そのような場合、排出管12aをズボン状冷却服3の冷却管18のGに接続する。冷却管18は、GからHにつながり、太腿部から膝下に通る。さらに、冷却管18は、HからH’へとつながり、I’につながる。次に冷却管18は、I’からIへとつながりJにつながり、腰部を通る。そして、冷却管18は、JからJ’につながりK’からKにつながり、太腿部から膝下、腰部を経由しLに到達する。Lは、ズボン状冷却服3の裾から外に出すようにする。
【0048】
次に、冷却管18を冷却服2あるいはズボン状冷却服3に固定する形態について説明する。図3は、第1の実施形態にかかる冷却管18の冷却服2あるいはズボン状冷却服3への固定方法を説明する図である。冷却服2あるいはズボン状冷却服3の生地は、メッシュ構造となっており、メッシュ開口部20とメッシュ本体部22で構成されている。メッシュ開口部20の形状は、正方形でも矩形でも円形でもよい。冷却管18の断面の外形形状も、正方形でも矩形でも円形でもよい。ただし、メッシュ開口部20は、冷却管18を通すことができる大きさであることが必要である。さらに、冷却管18の冷却管断面18aの内側形状も正方形、矩形、円形のいずれであっても構わない。
【0049】
冷却管18は、図2Aや図2Bで示したように、直線や曲線を描いて冷却服2の全体に配置される。従って、冷却管18をメッシュ開口部20に通して、冷却管18を曲線に配置する際は、図3に示す冷却管曲部18’のように配置する。
【0050】
図3中のA−A’断面に示すように冷却服2あるいはズボン状冷却服3の生地の表裏に交互に冷却管18を織り込むことによって、冷却管18を固定する。このように、冷却服2あるいはズボン状冷却服3に冷却管18を固定することによって、そのまま冷却服2あるいはズボン状冷却服3を洗濯しても冷却管18が外れることがない。また、冷却管18が、シリコンゴム等であることと、冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ構造の生地を利用して冷却管18を固定することから、冷却服2あるいはあるいはズボン状冷却服3に任意のレイアウトで冷却管18を配置することができる。作業者の体型や好みに応じて冷却管18の配置を変更することが容易に行うことができる。さらに、冷却管18が老朽化したり、破れるような損傷を受けた場合でも、冷却管18は、冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ構造の生地のメッシュ開口部20に通して固定しているだけなので、容易に冷却管18を抜き去り、交換することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
図4は、本実施形態にかかる冷却管18の冷却服2あるいはズボン状冷却服3への固定方法を説明する図である。本実施形態は、第1の実施形態と異なる方法によって、冷却管18を冷却服2あるいはズボン状冷却服3に固定するものである。冷却服2あるいはズボン状冷却服3及び冷却管18は、第1の実施形態と異なる物ではない。結束バンド24を冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ開口部20に通して、冷却管18を冷却服2の生地に縛るようにして固定する。結束バンド24は、樹脂や繊維であればよく、素肌に傷をつけないような処理がなされている金属であってもよい。このように、冷却服2あるいはズボン状冷却服3に冷却管18を固定することによって、そのまま冷却服2あるいはズボン状冷却服3を洗濯しても冷却管18が外れることがない。また、冷却管18は、シリコンゴム等であることと、冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ構造の生地を利用して冷却管18を固定することから、冷却服2あるいはズボン状冷却服3に任意のレイアウトで冷却管18を配置することができる。作業者の体型や好みに応じて冷却管18の配置を変更することが容易に行うことができる。さらに、冷却管18が老朽化したり、破れるような損傷を受けた場合でも、結束バンド24を冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ構造の生地に通して冷却管18を固定しているだけなので、結束バンド24を切断する等して容易に冷却管18を交換することができる。また、結束バンド24はそのままにしておいて、冷却管18を抜き去ることによっても、冷却管18を交換することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、冷却服2あるいはズボン状冷却服3の生地の片面に冷却管18が配置されることになる。したがって、冷却管18が配置されたほうの面が素肌に接するように冷却服2あるいはズボン状冷却服3を着用しても良いが、冷却服2あるいはズボン状冷却服3の生地を通して素肌を冷却することも可能であるので、冷却管18が配置された面の反対側が素肌に接するように冷却服2あるいはズボン状冷却服3を着用しても良い。また、冷却管18は、冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ構造の生地の表裏に交互に冷却管18を織り込むことによって、冷却管18を固定してもよい。
【0053】
(第3の実施形態)
図5は、本実施形態にかかる冷却管18の冷却服2あるいはズボン状冷却服3への固定方法を説明する図である。本実施形態は、第1の実施形態あるいは第2の実施形態と異なる方法によって、冷却管18を冷却服2あるいはズボン状冷却服3に固定するものである。冷却服2あるいはズボン状冷却服3及び冷却管18は、第1の実施形態あるいは第2の実施形態と異なる物ではない。固定カバー26を冷却管18に被せて、固定カバー26を冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ本体部22に縫い合わせて、冷却管18を冷却服2あるいはズボン状冷却服3に固定する。固定カバー26は、樹脂や繊維であればよい。固定カバー26は、固定カバー止め具28を用いてメッシュ本体部22に数箇所固定される。固定カバー止め具28は、繊維であって、固定カバー26とメッシュ本体部22を縫い合わせるものでよい。また、固定カバー止め具28は、樹脂製のリベット形状のものであってもよい。さらには、図示しない接着剤を用いて固定カバー26をメッシュ本体部22に接着してもよい。このように、冷却服2あるいはズボン状冷却服3に冷却管18を固定することによって、そのまま冷却服2あるいはズボン状冷却服3を洗濯しても冷却管18が外れることがない。また、冷却管18が、シリコンゴム等であることから、冷却服2あるいはズボン状冷却服3に任意のレイアウトで冷却管18配置することができる。作業者の体型や好みに応じて冷却管18の配置を変更することが容易に行うことができる。さらに、冷却管18が老朽化したり、破れるような損傷を受けた場合でも、固定カバー26を冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ構造の生地のメッシュ本体部22に縫い合わせているだけなので、固定カバー26を切断する等して容易に冷却管18を交換することができる。また、固定カバー26及び固定カバー止め具28はそのままにしておいて、冷却管18を抜き去ることによっても、冷却管18を交換することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、冷却服2あるいはズボン状冷却服3の生地の片面に冷却管18が配置されることになる。したがって、冷却管18が配置されたほうの面が素肌に接するように冷却服2あるいはズボン状冷却服3を着用しても良いが、冷却服2あるいはズボン状冷却服3の生地を通して素肌を冷却することも可能であるので、冷却管18が配置された面の反対側が素肌に接するように冷却服2あるいはズボン状冷却服3を着用しても良い。また、冷却管18は、冷却服2あるいはズボン状冷却服3のメッシュ構造の生地の表裏に交互に冷却管18を織り込むことによって、冷却管18を固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、第1の実施形態の構成を示す。
【図2A】図2Aは、冷却服に用いる冷却管等のレイアウトの前面側を示す。
【図2B】図2Bは、冷却服に用いる冷却管等のレイアウトの背面側を示す。
【図3】図3は、第1の実施形態にかかる冷却管の冷却服への固定方法を説明する図である。
【図4】図4は、第2の実施形態にかかる冷却管の冷却服への固定方法を説明する図である。
【図5】図5は、第3の実施形態にかかる冷却管の冷却服への固定方法を説明する図である。
【図6A】図6Aは、ズボン状冷却服に用いる冷却管のレイアウトの前面側を示す。
【図6B】図6Bは、ズボン状冷却服に用いる冷却管のレイアウトの背面側を示す。
【符号の説明】
【0056】
2 :冷却服
2a :冷却服頭部
2b :冷却服顔面開口部
2c :冷却服上体部
2d :着脱自在具
3 :ズボン状冷却服
4 :流量調整弁
6 :冷媒入りカートリッジ
8 :冷媒入りカートリッジカバー
10 :注入管
10a:注入管
12 :排出管
12a:排出管
14 :分岐部
16 :集合部
18 :冷却管
18’:冷却管曲部
18a:冷却管断面
20 :メッシュ開口部
22 :メッシュ本体部
24 :結束バンド
26 :固定カバー
28 :固定カバー止め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ構造を有する生地と、
冷媒を通すための冷却管とを具備し、
前記冷却管が、前記生地のメッシュ開口部を通して、前記生地の表裏に交互に織り込まれて固定された
冷却服。
【請求項2】
前記冷却服が、上体部のみで構成された、
請求項1に記載の冷却服。
【請求項3】
前記冷却服が、下体部のみで構成された、
請求項1に記載の冷却服。
【請求項4】
前記冷却服は、上体部と下体部が一体となって構成された、
請求項1に記載の冷却服。
【請求項5】
請求項2又は4に記載の冷却服において、
更に、前記冷却服が頭部を有し、前記上体部と一体である
冷却服。
【請求項6】
請求項5に記載の冷却服において、
更に、首部分のしまり具合を調整する脱着自在具を
具備する
冷却服。
【請求項7】
メッシュ構造を有する生地と、
冷媒を通すための冷却管とを具備し、
前記生地の片面に前記冷却管を配置し、前記生地のメッシュ開口部に通して前記冷却管を前記生地に固定する結束バンドと
を具備する
冷却服。
【請求項8】
メッシュ構造を有する生地と、
冷媒を通すための冷却管とを具備し、
前記冷却管が、前記生地のメッシュ開口部を通して、前記生地の表裏に交互に織り込まれ、
前記メッシュ開口部に通して前記冷却管を前記生地に固定する結束バンドと
を具備する
冷却服。
【請求項9】
前記冷却服が、上体部のみで構成された、
請求項7又は8に記載の冷却服。
【請求項10】
前記冷却服が、下体部のみで構成された、
請求項7又は8に記載の冷却服。
【請求項11】
前記冷却服は、上体部と下体部が一体となって構成された、
請求項7又は8に記載の冷却服。
【請求項12】
請求項9又は11に記載の冷却服において、
更に、前記冷却服が頭部を有し、前記上体部と一体である
冷却服。
【請求項13】
請求項12に記載の冷却服において、
更に、首部分のしまり具合を調整する脱着自在具を
具備する
冷却服。
【請求項14】
メッシュ構造を有する生地と、
冷媒を通すための冷却管とを具備し、
前記生地の片面に前記冷却管を配置し、前記冷却管を覆うように被せた固定カバーと、
前記固定カバーを前記メッシュ本体部に固定するための固定カバー止め具と
を具備する
冷却服。
【請求項15】
メッシュ構造を有する生地と、
冷媒を通すための冷却管とを具備し、
前記冷却管が、前記生地のメッシュ開口部を通して、前記生地の表裏に交互に織り込まれ、
前記冷却管を覆うように被せた固定カバーと、
前記固定カバーを前記メッシュ本体部に固定するための固定カバー止め具と
を具備する
冷却服。
【請求項16】
前記冷却服が、上体部のみで構成された、
請求項14又は15に記載の冷却服。
【請求項17】
前記冷却服が、下体部のみで構成された、
請求項14又は15に記載の冷却服。
【請求項18】
前記冷却服は、上体部と下体部が一体となって構成された、
請求項14又は15に記載の冷却服。
【請求項19】
請求項16又は18に記載の冷却服において、
更に、前記冷却服が頭部を有し、前記上体部と一体である
冷却服。
【請求項20】
請求項19に記載の冷却服において、
更に、首部分のしまり具合を調整する脱着自在具を
具備する
冷却服。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2008−7877(P2008−7877A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178428(P2006−178428)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(501370370)三菱重工環境エンジニアリング株式会社 (175)
【出願人】(599051890)株式会社風船工房匠 (13)
【Fターム(参考)】