説明

冷却装置およびそれを備えた空気調和機

【課題】空気調和機の制御部品が収容された制御ボックス内の空気と冷媒との熱交換によって制御部品を冷却し、結露水によって制御部品が濡れることを抑制し運転効率の低下を防止した空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機の室外機内に圧縮機12と室外熱交換器14と室外ファンと空気調和機の運転を制御する制御ボックス32と制御ボックス32内に収容された制御部品30とを備え、制御ボックス30内に、配置され冷媒との熱交換によって制御ボックス30内の空気を冷却する冷却ユニット34と、制御基板から発する熱を制御ボックス30の外部へ放熱するフィン構造体42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の制御部品を冷却する冷却装置およびそれを備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、圧縮機、室外熱交換器、減圧装置、室内熱交換器、およびこれらを接続して冷媒が流れる配管を有する空気調和機において、制御基板などの制御部品を、例えば粉塵や水などから保護することができる制御ボックス内に収容することが行われている。
【0003】
制御部品を制御ボックス内に収容する場合、制御部品の安定動作を保証するために、制御部品の冷却を考慮する必要がある。例えば特許文献1に記載する空気調和機においては、制御部品(発熱素子を備える基板)が制御ボックス(電装品箱)内に収容され、電装品箱内の空気を冷却する冷却部材(ヒートシンク)が電装品箱内に設けられている。
【0004】
この特許文献1に記載の空気調和機は、具体的には、自然対流を利用することにより、ヒートシンクによって発熱素子を間接的に冷却する。電装品箱内において、ヒートシンクが発熱素子の上方に離れて位置し、ヒートシンクによって冷却された空気が発熱素子に向かって降下する。一方、発熱素子によって暖められた空気はヒートシンクに向かって上昇する。これにより、電装品箱内において自然対流が発生し、発熱素子がその上方に位置するヒートシンクによって間接的に冷却される。
【0005】
また、この種の空気調和機の室外機は、内部に風路と機械室に分割する仕切り板を備え、分割された風路側の空間に室外熱交換器および室外ファン、また機械室側に圧縮機等の冷凍サイクル部品を配置し、仕切り板の上部に風路と機械室に跨るように制御ボックスを配置した構成が一般的であり、特に発熱量の大きい制御部品を制御ボックス内でヒートシンクに接触させて配置し、ヒートシンクのフィンを風路側に突出するように配置して、室外ファンにより発生する風によりヒートシンクを冷却するように構成されている。(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−2120号公報
【特許文献2】特許第3535843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の空気調和機の場合、ヒートシンクが発熱素子の上方に位置するため、使用環境によってはヒートシンクの表面に結露水が発生し、その結露水が滴下することにより発熱素子が濡れ、発熱素子がショートする可能性があるとともに、制御ボックス内が閉空間であり、内部で発熱素子から発生する熱を、空気を介して冷却部材により間接的に冷却する構成であるので、発熱素子から発生する熱量をすべて冷却部材の冷却能力によって賄う必要があり、発熱量の大きい制御部品がある場合には、冷却部材を大型化する必要が生じたり、あるいは空気調和機の冷却能力を一部利用する場合においては、空気調和機の運転効率を低下させたりする課題があった。
【0008】
また、制御ボックス内に収納される制御部品には、耐熱性に優れ高温でも正常動作する部品や、高温下では著しく信頼性を損なうような耐熱性の低い部品が混在する場合がある

【0009】
そのような状態においては、冷却部材により空気を介して間接的に冷却する構成では、制御ボックス内の空気温度を耐熱性の低い部品に合わせた低い温度に保つ必要があるので、さらに冷却部材の大型化や、空気調和機の運転効率の低下を招くことになる。
【0010】
そこで、本発明は、空気調和機の制御部品を制御ボックス内に収容して保護するとともに冷却し、且つ結露水によって制御部品が濡れることを抑制し高い信頼性を備えるとともに、冷却部材の大型化によるコストアップや、空気調和機の運転効率の低下を招くことのない合理的な空気調和機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明の冷却装置によれば、空気調和機の室外機内に圧縮機と室外熱交換器と室外ファンと前記空気調和機の運転を制御する制御ボックスと前記制御ボックス内に収容された制御部品とを備え、前記制御ボックス内に、配置され冷媒との熱交換によって制御ボックス内の空気を冷却する冷却ユニットと、制御基板から発する熱を前記制御ボックスの外部へ放熱するフィン構造体とを備えた冷却装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、結露水によって制御部品が濡れることを抑制し高い信頼性を備えるとともに、ヒートシンクの大型化によるコストアップや、空気調和機の運転効率の低下を招くことのない合理的な空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る空気調和機の概略的構成図
【図2】図1に示す制御ボックスの内部を示す概略的構成図
【図3】図1に示す冷却ユニットの斜視図
【図4】本発明の別の実施形態に係る空気調和機の制御ボックスの内部を示す概略的構成図
【図5】本発明の実施の形態に係る空気調和機の概略的斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の発明は、空気調和機の室外機内に圧縮機と室外熱交換器と室外ファンと前記空気調和機の運転を制御する制御ボックスと前記制御ボックス内に収容された制御部品とを備え、前記制御ボックス内に、配置され冷媒との熱交換によって制御ボックス内の空気を冷却する冷却ユニットと、制御基板から発する熱を前記制御ボックスの外部へ放熱するフィン構造体とを備えたので、発熱素子から発生する熱はフィン構造体によって制御ボックス外部の空気に放熱する一方、発熱量は小さいが耐熱性が低い部品は冷却ユニットにおいて冷媒と熱交換して冷却された制御ボックス内の空気により冷却されるので、冷却部材を必要以上に大型化することなく、また空気調和機の運転効率を低下させたりすることもない。
【0015】
第2の発明は、前記制御ボックスは、熱伝導性の良い素材で構成され、前記フィン構造体の一方は制御ボックスの前記制御部品を実装する。
【0016】
この構成によれば、熱伝導性の良い素材で構成され制御ボックスを貫通するように配置され、片方は制御ボックス内部に在り発熱量の大きい制御部品を実装するとともに、他方は制御ボックス外側でかつ風のあたる位置に配置されたフィン構造体とを有する、これにより、冷却ユニットの表面に発生した結露水によって制御部品が濡れることが抑制されるとともに、発熱量が大きく、比較的耐熱性に優れた発熱素子から発生する熱はフィン構造
体によって制御ボックス外部の空気に放熱する一方、発熱量は小さいが耐熱性が低い部品は冷却ユニットにおいて冷媒と熱交換して冷却された制御ボックス内の空気により冷却されるので、冷却部材を必要以上に大型化することなく、また空気調和機の運転効率を低下させたりすることもない。
【0017】
第3の発明の冷却装置は、冷却ユニットが、制御ボックス内に配置されて冷媒が流れる制御ボックス内配管と、複数のフィンを備えて制御ボックス内配管に取り付けられたフィン構造体とを有する。これにより、制御ボックス内の空気と制御ボックス内配管を流れる冷媒との間の熱交換が効率よく行なわれる。
【0018】
第4の発明の冷却装置は、冷却ユニットの制御ボックス内配管が、減圧装置と室内熱交換器とを接続する配管の一部である。減圧装置と室内熱交換器とを接続する配管を有効的に利用することにより、制御ボックス内の空気の冷却のためだけに新たな配管を設ける必要がなくなる。
【0019】
第5の発明の冷却装置は、冷却ユニットの下方に結露水を受ける水受け皿を有する。これにより、冷却ユニットの下方に位置する空気調和機の構成要素が冷却ユニットの表面に発生した結露水によって濡れることを防止することができる。
【0020】
第6の発明の冷却装置は、制御ボックスの内部空間を断熱する断熱材を有する。これにより、制御ボックス内への外部からの熱の移動が抑制される。その結果、冷却ユニットによる制御部品の冷却効果が、断熱材がない場合に比べて向上する。
【0021】
第7の発明の冷却装置は、断熱材が真空断熱材である。真空断熱材により、制御ボックス内への外部からの熱の移動が、断熱材に比べて、さらに抑制される。その結果、冷却ユニットによる制御部品の冷却効果がさらに向上する。
【0022】
第8の発明は、第1〜第7の発明の冷却装置を備える空気調和機である。これにより、高い信頼性を備える空気調和機を実現することができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る空気調和機の構成を概略的に示す図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る制御ボックスの内部構成を概略的に示す図である。
【0025】
図1に示すように、空気調和機10は、圧縮機12、室外熱交換器14、減圧装置16、室内熱交換器18、およびこれらを接続する冷媒配管20〜26を有する。減圧装置16としては、膨張弁や銅製の毛細管であるキャピラリーチューブを採用することができる。なお、空気調和機10は、圧縮機12、室外熱交換器14、および減圧装置16を収容する室外機と、室内熱交換器18を収容する室内機とに分かれている。
【0026】
空気調和機10は、冷媒が、冷媒配管20〜26を介して、圧縮機12から順に、室外熱交換器14、減圧装置16、室内熱交換器18を経て再び圧縮機12に戻る冷凍サイクルを実現するように構成されている。
【0027】
冷凍サイクルにおいて、冷媒は、圧縮機12によって圧縮された後、気相状態で室外熱交換器14に向かって冷媒配管20内を流れる。次に、冷媒は、室外熱交換器14を介する室外空気との熱交換によって熱を奪われて液相状態になり、減圧装置16に向かって冷
媒配管22を流れる。続いて、冷媒は、減圧装置16によって膨張されて圧力が低下し、室内熱交換器18に向かって冷媒配管24を流れる。そして、冷媒は、室内熱交換器18を介して室内空気から熱を奪って気相状態になり、圧縮機12に向かって冷媒配管26を流れる。
【0028】
また、空気調和機10は、冷凍サイクルを制御する制御基板(すなわち制御部品)30と、制御基板30を保護する制御ボックス32とを有する。なお、制御ボックス32は、室外機に設けられている。
【0029】
なお、本発明で言う「制御部品」は、空気調和機10の制御に使用されるための部品、例えば圧縮機12の出力や減圧装置16としての膨張弁の絞り量を制御する電子部品であって、複数の電子部品が実装された制御基板に限定されず、部分的にまたは全体が発熱するために冷却が必要な部品を言う。
【0030】
制御基板30は、制御ボックス32内に収容されることにより、例えば粉塵や水などから保護されている。そのために、制御ボックス32は、その内部に粉塵や水が浸入しないように構成されている。
【0031】
例えば、制御ボックス32において、制御基板30から制御ボックス32の外部に延びるケーブル(図示せず)が通過する穴はシールされている。また、制御ボックス32は、上面が開口した本体と、本体の上面を覆う蓋とから構成されていることが、メンテナンス性の面から望ましく、さらに、本体と蓋との間もシールされていることが望ましい。なお、このようなシールには、EPTシートなどのスポンジ状の樹脂材料を用いることができる。
【0032】
制御基板30は、制御ボックス32内に収容されているため、冷却を必要とするが、制御基板30に実装され発熱する制御部品には、圧縮機12の出力に直接作用し、比較的耐熱性に優れた例えばパワートランジスタやダイオードブリッジ等の半導体素子61や、温度上昇により著しく信頼性が低下する恐れのある例えば電解コンデンサ62等の部品がある。
【0033】
発熱量、耐熱性の異なる制御部品が近接して配置されている状態では、耐熱性の低い制御部品、例えば電解コンデンサ62の信頼性が低下する限界温度以下に制御ボックス32内の空気温度を冷却する必要がある。一方、耐熱性に優れた制御部品、例えばパワートランジスタやダイオードブリッジ等の半導体素子61は発熱量が大きい反面、温度的には耐熱性の低い制御部品、例えば電解コンデンサ62の信頼性が低下する限界温度まで低下させる必要はない。
【0034】
すなわち、比較的耐熱性に優れた例えばパワートランジスタやダイオードブリッジ等の半導体素子61と、温度上昇により著しく信頼性が低下する恐れのある例えば電解コンデンサ62等の部品は、別の方法により冷却することが望ましい。
【0035】
そのために、制御ボックス32内に冷却ユニット34が設けられているとともに、熱伝導性の良い素材で作製され制御ボックスを貫通するように配置され、片方は制御ボックス32の内部に在り発熱量の大きい制御部品を実装するとともに、他方は制御ボックス外側でかつ風のあたる位置に配置されたフィン構造体42も設けてられている。具体的には、フィン構造体42は、冷却ユニット34のフィン構造体36と同様に、例えばアルミなどから作製されており、複数のフィン42aを備える。フィン構造体42のフィン42aは、制御ボックス32の外部に露出するように構成されている。
【0036】
また、フィン42aは、図5に示すように、室外熱交換器14まわりの空気を室外機の外部に排出するためのファン51の風下に位置するように設けられている。このようなフィン構造体42を介することにより、制御基板30に実装された発熱量が大きい半導体素子61のような制御部品は室外機のファン51によって冷却される。
【0037】
冷却ユニット34は、冷凍サイクルの冷媒との熱交換により制御ボックス32内の空気を冷却するように構成され、図2に示すように、冷媒配管24と、冷媒配管24に取り付けられたフィン構造体36とから構成される。
【0038】
具体的には、図1に示すように冷媒配管24の一部分が制御ボックス32内を通過し、図2に示すように制御ボックス32内の冷媒配管24の部分に板形状の複数のフィン36aを備えるフィン構造体36が取り付けられている。冷却ユニット34は、フィン構造体36を介して制御ボックス32内の空気と冷媒配管24内を流れる冷媒との間で熱交換することにより、制御ボックス32内の空気を冷却する。このような冷却ユニット34により、制御基板30は空気を介して冷却される。
【0039】
なお、冷却ユニット34の一部を構成する冷媒配管は、減圧装置16と室内熱交換器18とを接続する冷媒配管24が好ましい。冷媒配管24を有効的に利用することにより、制御ボックス32内の空気の冷却のためだけに、制御ボックス32内を通過して冷媒が流れる配管を別途設ける必要がなくなる。
【0040】
また、冷媒配管24は、減圧装置16によって低圧にされた冷媒が流れるので、図1に示す他の冷媒配管20、22、26に比べて作用する圧力や発生する振動が小さい。そのため、冷媒配管24を、制御ボックス32内に配設した方が、他の冷媒配管20、22、26を配設する場合に比べて振動を抑制することができる。また、その結果として制御ボックス32内へ配設する配管を薄肉化することが可能となり、使用する材料を低減できてコストを抑えることができるという副次的なメリットも有する。さらに、別の理由としては、冷媒配管24を流れる冷媒は元々低圧であるため、制御ボックス32を経由することによる(長尺化による)圧力損失の影響が小さいことがある。
【0041】
冷却ユニット34のフィン構造体36は、例えば、図3に示すように、アルミなどの金属によって一体的に形成されている。板形状の複数のフィン36aが、フィン構造体36の本体部36bの一方の表面に、互いに平行に等間隔をあけて並んで設けられている。また、フィン構造体36は、フィン36aが設けられた表面と反対側の表面に、蛇行形状に成形された冷媒配管24の部分と係合する複数の溝36cを備えている。
【0042】
図3に示すように、フィン構造体36の複数の溝36cは、複数のフィン36aの並列方向と直交する方向に延びるように形成されている。これにより、フィン構造体36を、引き抜き成形または押し出し成形によって作製することができ、他の作製方法(例えば切削加工)に比べて安価に作製することができる。
【0043】
また、冷却ユニット34は、図2に示すように、制御基板30と離れた状態で且つ該制御基板30の下方に配置されている。これは、冷却ユニット34の表面(具体的にはフィン構造体36の表面と冷媒配管24の表面)に発生した結露水によって制御基板30が濡れないようにするためである。なお、図4に示すように、冷却ユニット34を、制御基板30と離れた状態で且つ制御基板30に対して水平方向の位置に配置してもよい。
【0044】
冷却ユニット34の表面に発生した結露水が滴下する場合に備えて、結露水を受ける皿形状の水受け皿38を冷却ユニット34の下方に設けるのが好ましい。これにより、冷却ユニット34の下方に位置する空気調和機10の構成要素が結露水によって濡れることを
防止することができる。
【0045】
なお、図2(または図4)に示すように、水受け皿38内の結露水を制御ボックス32の外部に排出するための排水管40を、水受け皿38の底に接続してもよい。
【0046】
また、制御ボックス32の空気を強制的に攪拌するファン44を、制御ボックス32内に設けてもよい。このファン44は、制御ボックス32内の空気を攪拌することにより、該制御ボックス32内の温度分布を一様にし、制御基板30の冷却効率を高める役割をする。
【0047】
ファン44はまた、制御ボックス32内の空気を強制的に攪拌することにより、冷却ユニット34の表面に結露水が発生することを抑制することができる。具体的に説明すると、ファン44によって冷却ユニット34周辺の空気が移動するため、ファン44が存在しない場合に比べて、冷却ユニット34の表面に結露水が発生し難く、また結露水が発生しても大きく成長し難い。
【0048】
なお、ファン44は、図2(または図4)に示すように、冷却ユニット34のフィン構造体36に向かって送風するように配置するのが好ましい。ファン44がフィン構造体36に向かって送風することにより、冷却ユニット34によって冷却された空気が制御ボックス32内全体に拡散する。また、冷却ユニット34まわりの空気の流れが速くなり、冷却ユニット34の表面に結露水がさらに発生し難くなる。
【0049】
さらに、制御ボックス32の内部への外部からの熱の移動を抑制するために、制御ボックス32の内部空間は断熱材46によって断熱されるのが好ましい。断熱材46は、例えば、図2に示すように制御ボックス32の外側表面に設けられる。この断熱材46により、冷却ユニット34による制御基板30に対する冷却効果が、断熱材46がない場合に比べて向上する。なお、断熱材46は、制御ボックス32の外側表面に設けられることが制御ボックス32内の空間の有効利用の点から望ましいが、制御ボックス32の内側表面に設けてもよい。
【0050】
なお、断熱材として、グラスウールなどの繊維系断熱材、ウレタンフォームなどの発泡系断熱材、真空断熱材などが挙げられる。断熱材に比べて断熱性能が高い真空断熱材を使用するのが好ましい。真空断熱材として、例えば、ガラス繊維をラミネートフィルムでパッキングし、その内部圧力を減圧してなるものが挙げられる。
【0051】
本実施の形態によれば、制御ボックス32内の空気を冷却する冷却ユニット34が、制御基板30と離れた状態で該制御基板30の下方の制御ボックス32内の位置または該制御基板30に対して水平方向の制御ボックス32内の位置に配置される。これにより、冷却ユニット34の表面に発生した結露水によって制御基板30が濡れることが抑制され、高い信頼性を備える空気調和機10を実現することができる。
【0052】
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
【0053】
例えば、上述の実施の形態の場合、制御ボックス32内の空気を強制的に攪拌するためにファン44が制御ボックス32内に配置されているが、冷却ユニット34による制御基板30に対する冷却が十分であれば、ファン44を省略してもよい。
【0054】
また、上述では、冷媒が、圧縮機12、室外熱交換器14、減圧装置16、室内熱交換器18と順に流れる空気調和機10、すなわち冷房運転を実行する空気調和機10につい
て説明したが、本発明はこれに限らない。冷媒が、圧縮機12、室内熱交換器18、減圧装置16、室外熱交換器14と順に流れる空気調和機10、すなわち暖房運転を実行する空気調和機10に対しても、本発明は適用可能である。
【0055】
さらに、上述の実施の形態の場合、冷却ユニット34は、冷媒配管24内を流れる冷媒全てを利用して制御ボックス32内の空気を冷却するように構成されているが、本発明はこれに限らない。冷媒配管22〜26のいずれか1つに流れる冷媒の一部を、制御ボックス32内の空気の冷却に利用してもよい。
【0056】
例えば、減圧装置16の下流側近傍の冷媒配管24の部分から分枝し、制御ボックス32内を通過し、そして室内熱交換器18の上流側近傍の冷媒配管24の部分に至る、バイパスする配管を設け、このバイパス配管にフィン構造体を取り付けて、冷却ユニットを構成してもよい。この場合、上述の実施の形態に比べて、制御基板30に対する冷却能力は低下するものの、空気調和機10の冷房能力は向上する。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、冷媒を用いて制御ボックス内の空気を冷却するものであるため、空気調和機に限らず、例えば冷蔵庫などの冷媒を扱うものであれば適用可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 空気調和機
12 圧縮機
14 室外熱交換器
16 減圧装置
18 室内熱交換器
30 制御部品(制御基板)
32 制御ボックス
34 冷却ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機の室外機内に圧縮機と室外熱交換器と室外ファンと前記空気調和機の運転を制御する制御ボックスと前記制御ボックス内に収容された制御部品とを備え、前記制御ボックス内に、配置され冷媒との熱交換によって制御ボックス内の空気を冷却する冷却ユニットと、制御基板から発する熱を前記制御ボックスの外部へ放熱するフィン構造体とを備えたことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記制御ボックスは、熱伝導性の良い素材で構成され、前記フィン構造体の一方は制御ボックスの前記制御部品を実装する請求項1の冷却装置。
【請求項3】
冷却ユニットが、制御ボックス内に配置されて冷媒が流れる制御ボックス内配管と、
複数のフィンを備えて制御ボックス内配管に取り付けられたフィン構造体とを有する請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
冷却ユニットの制御ボックス内配管が、減圧装置と室内熱交換器とを接続する配管の一部である請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
冷却ユニットの下方に結露水を受ける水受け皿を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項6】
制御ボックスの内部空間を断熱する断熱材を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項7】
断熱材が真空断熱材である請求項6に記載の冷却装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の冷却装置を備える空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−15295(P2013−15295A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149812(P2011−149812)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】