説明

冷媒組成物

本発明は、静置の及び可動性の冷凍及び空調の用途で使用するための、新規な冷媒/潤滑剤の組合せについて記載する。これらの用途において、冷媒及び潤滑剤は、圧縮器から凝縮器、膨張装置及び蒸発器を通って圧縮器に戻る適度に潤滑な循環を確実なものとするため、互いに溶解性(例えば混和性)でなければならない。潤滑性が不十分な循環は圧縮器の故障をもたらす。低温の蒸発器を通る潤滑剤の流れを確実なものとするためには、低温溶解性が特に重要である。更に、潤滑剤と冷媒の組合せは、鋼、アルミニウム及び銅含有金属の存在下で安定であるべきである。本発明は、R−134aの「差し替え」代替品として使用されうる、冷媒のジフルオロエタン(R−152a)及び、極性の、酸素化された潤滑剤、特にポリアルキレングリコール(PAG)及びポリオールエステル(POE)の組合せについて記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年10月21日に出願された米国仮出願第60/512,975号の優先権を主張するものであり、この仮出願は引用によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、冷却又は冷凍(cooling or refrigeration)をする装置で用いられる改良された組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
1980年代終わりから1990年代初めにかけて、冷却(又は冷凍)及び空調の産業界では、冷媒をR−12(CFC−12)からR−134a(HFC−134a)に切り替えられたが、これは、後者にオゾン枯渇能がないからであった。R−12と共に用いられていた鉱油潤滑剤はR−134aには不溶であった。より極性の高い潤滑剤が必要とされ、PAG及びPOE系の潤滑剤が開発された。
【0004】
オゾン枯渇能のないことはもとよりのこと、地球温暖化についての懸念のため、R−134aより地球温暖化能が小さい冷媒を開発する努力がなされている。事実、R−134aは、新たに提案された地球温暖化能に関する厳しい環境基準には合格できない。
【0005】
冷媒としてCO2を用いた幾多の研究がなされているが、CO2冷凍システムの操作圧はR−134aで経験された操作圧よりも5〜10倍高い。これらの高い操作圧は安全性と機械的信頼性の両方の懸念を提示する。事実、CO2の使用には、高圧を取り扱うため冷却装置の完全な再設計が必要となる。従ってCO2は、R−134aの実施可能な「差し替え」(‘drop-in’)代替品ではない。即ち、現行の冷凍システムでは、冷媒としてCO2を使用することはできない。再設計の費用がCO2を魅力のないR−134a代替品としている。
【0006】
ジフルオロエタン又はR−152aが別の代替冷媒である。それはオゾン枯渇能がなく、その地球温暖化能はR−134aのそれより遥かに低く、これがR−152aを魅力的なものにしている。しかしながら、R−134aが本質的に不燃性であるのに対して、R−152aはやや可燃性であるため、R−134aの代替品としては追求されなかった。この障害は、「差し替え」代替品としてR−152aの使用を阻むのには極めて十分なものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、これらの問題の1つ又はそれ以上の解決を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、静置の及び可動性の冷凍及び空調の用途で使用するための、新規な冷媒/潤滑剤の組合せについて記載する。これらの用途において、冷媒及び潤滑剤は、圧縮器から凝縮器、膨張装置及び蒸発器を通って圧縮器に戻る適度に潤滑な循環を確実なものとするため、互いに溶解性(例えば混和性)でなければならない。不十分な潤滑剤の循環は圧縮器の故障をもたらす。低温の蒸発器を通る潤滑剤の流れを確実なものとするためには、低温溶解性が特に重要である。更に、潤滑剤と冷媒との組合せは、鋼、並びにアルミニウム及び銅含有金属の存在下で安定であるべきである。本発明は、R−134aの「差し替え」代替品として使用されうる、冷媒のジフルオロエタン(R−152a)及び、極性の、酸素化された潤滑剤、特にポリアルキレングリコール(PAG)及びポリオールエステル(POE)の組合せについて記載する。
【発明の効果】
【0009】
本発明には、冷却(cooling)及び/又は冷凍(refrigeration)に関する改良された組成物、方法及びシステムが含まれる。その組成物及び方法は、冷却を生じさせる静置又は可動性のシステムで使用することができる。例えばその組成物及び方法は、商用、工業用又は居住用の建造物の空調システムに使用することができる。その組成物及び方法はまた、商用、工業用又は居住用のいずれかの冷蔵庫又は冷凍庫(静置又は可動性の)に使用することができる。本発明は、自動車の空調システム及びその他のポータブル冷却システムにそれらの好ましい用途を見出している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明には、少なくとも1種の冷媒及び少なくとも1種の潤滑剤を含む組成物を、冷凍装置を通して循環させることが含まれる。その冷凍装置には、圧縮器、凝縮器(condenser)及び蒸発器が含まれ、その凝縮器と蒸発器の間には、膨張装置、例えば毛管、オリフィス又は熱膨張バルブなどを含む液状冷媒ラインが設けられている。操作に際して、圧縮器は冷媒蒸気を圧縮し、次いでそれは凝縮器中で液体状態になり、液体ライン及び膨張装置を経て蒸発器中に送られる。その冷媒は蒸発器中で蒸発し、それにより周囲の環境からその蒸発潜熱を吸収して、それにより冷却を提供する。
【0011】
前記冷媒は、1種又はそれ以上のフッ素化炭化水素(ヒドロフルオロカーボン)(hydrofluorocarbons)、例えばCH3CHF2、C2HF5、CH22、C233、CHF3及びC224であることができ、それらは、一般に、それぞれR−152a、R−125、R−32、R−143a、R−23及びR−134aとして知られている。好ましい冷媒は単独で使用されるR−152aであるが、冷媒の全体としての特性を変性するために、例えば沸点又は蒸気圧を所望の範囲に保持するために、その他の冷媒と組合せることができる。炭化水素、例えばプロパン及びブタンを、フッ素化炭化水素冷媒と組み合わせて使用される二次冷媒として使用することができる。
【0012】
前記潤滑剤はポリアルキレングリコール(PAG)としても知られるポリアルキレンオキサイド及びポリオールエステル(POE)を含む、1種又はそれ以上の、極性の、酸素化された化合物であることができる。好ましいPAG潤滑剤には、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、メチルエーテル封止(capped)化合物、エステル封止化合物及びモノオールが含まれる。ジオール及びトリオールもまた適している。POE潤滑剤は、脂肪酸と多価アルコール、例えばジオール、トリオール及びポリオール並びに/又は多価ポリエステル(polyhydric polyesters)とのエステルである。脂肪酸には、炭素原子2〜20を有する直鎖及び分枝鎖脂肪酸が含まれ、また炭素原子4〜36を有する多酸(polyacidic)(例えば二酸)脂肪酸も含まれる。ポリオールエステル潤滑剤は、1種又はそれ以上の脂肪酸と、多価アルコール又は多価ポリエステルとのエステル化により誘導することができる。潤滑剤は、40℃で約10〜約460cStの間、好ましくは40℃で約22〜約220cStの間、最も好ましくは40℃で約40〜約150cStの間の粘度を有するように選択する。
【0013】
潤滑剤は、潤滑剤が蒸発器から圧縮器に確実に戻れるように、冷媒中で十分な溶解性を有している必要がある。更にまた冷媒及び潤滑剤の組成物は、潤滑剤が低温の圧縮器を通ることができるような低温粘度を有している必要がある。1つの好ましい態様において、冷媒と潤滑剤は広い温度範囲に亘って混和性である。
【0014】
前記組成物中の冷媒及び潤滑剤の割合(portions)は、圧縮器を潤滑にするのに十分な潤滑剤が存在するように決定される。典型的には、潤滑剤は、組成物をシステム中に充填する時点で、組成物の約1重量%から約50重量%より多い量まで;好ましくは約5重量%と約30重量%の間に調合する。潤滑剤の重量%は、典型的には、冷媒及び潤滑剤の相互の溶解性に影響し、従って冷凍装置の利用できる操作温度に影響する。
【0015】
本発明の別の側面において、圧縮器内の温度は、通常、蒸発器内の温度よりも相当に高いので、冷媒中の潤滑剤の溶解性は温度依存性である。好ましくは、圧縮器中では、潤滑剤及び冷媒は互いに分離しており溶解性がなく、潤滑剤は液体であり、冷媒は圧縮された気体である。これに対して蒸発器中では、好ましくは、潤滑剤及び冷媒は相互に溶解性である。この理想的な状態は、冷媒による希釈が最小のため、圧縮器中の潤滑剤の粘度低下が最小になるように導く。このことが、次に、よりよい潤滑性に導き、圧縮器からの潤滑剤の排出を少なくする。同時に、低温溶解性の助けによって、低温潤滑剤を希釈してその粘度を低く保つことにより、圧縮器から排出されるいくらかの潤滑剤が確実に戻されるようにする。従って、一つの態様においては、低温溶解性及び高温非溶解性を示す潤滑剤が望ましい。好ましい態様において、約−40℃と約100℃の間、より好ましくは約−40℃と約40℃の範囲の温度で、潤滑剤は冷媒中に溶解する。別の態様では、圧縮器中に潤滑剤を保持しようとする試みは優先的なものではなく、従って高温非溶解性は好ましくない。この態様においては、約80℃より高い温度、より好ましくは約90℃より高い温度、最も好ましくは約100℃より高い温度で潤滑剤は溶解する。
【実施例】
【0016】
幾つかの潤滑剤を、R−152aと組合せて使用することの適切さについて試験した。テストした潤滑剤は、表Iにまとめるが、幾つかのPAG及びPOE潤滑剤と共に、比較のための鉱油潤滑剤を含んでいる。潤滑剤の粘度も40℃で記録した。
【0017】
【表1】

【0018】
それぞれのPAG潤滑剤について、R−152aとの4種類の組成物を作製し、一方、POE潤滑剤及び比較の鉱油とはそれぞれ2種類の組成物を作製した。それぞれの組成物は、組成物が冷媒と潤滑剤のみを含む組成物中における潤滑剤の重量%を変えた。これらの組成物は、次いで様々な温度又は温度範囲に亘って、試験した。これらの組成物は、組成物がその成分の部分に分離しているか否か、また何℃で分離するかを目視により検査した。その他の視覚上の特性もまた適宜記載した。
【0019】
【表2】

【0020】
この試験結果から、PAG及びPOE潤滑剤は両方とも、R−152a中で温度及び重量百分率の広い範囲に亘って優秀な溶解性を示すことが認められうるのに対して、鉱油は、温度又は重量百分率に拘らず、決して溶解しなかった。またRL−488は、好都合な温度依存溶解特性、即ち低温溶解性及び高温非溶解性を示した。
【0021】
同様に、3種類のPAG潤滑剤のR−134aに対する溶解性を、上記と同じ手法を用い、R−152aをR−134aに変えて試験した。上記のように、3種類の試験したPAG潤滑剤のそれぞれについて、R−134aとの4種類の組成物を作製した。それぞれの組成物は潤滑剤の重量%を変えた。それらの組成物は、次いで温度の範囲に亘って試験した。それらの組成物は、組成物がその成分の部分に分離しているか否か、また何度で分離するかを目視により検査した。その他の視覚上の特性もまた適宜記載した。
【0022】
【表3】

【0023】
R−152a及びR−134aの両方の中での潤滑剤の溶解性試験は、R−134aについての上限温度がR−152aについてのそれよりも低いという点で異なっている。高温でのR−134aの非溶解性は単一相ではない組成物を創り出すことになり、このことが、冷凍システムの凝縮器を経て一緒に運ばれるという組成物の能力を阻害するおそれがある。ある種のシステムでは、凝縮器中では単一相の組成物が望ましいことがある。
【0024】
次に、冷媒及び潤滑剤の組成物の長期間の安定性を検討した。潤滑剤50重量%及びR−152a50重量%の混合物を、鋼、アルミニウム及び銅を含む金属と共に、高圧ガラス管中に封入した。その管は、次いでオーブン中で175℃で2週間加熱した。この組成物は相の数及び曇りの度合について目視により検査した。更に金属も目視により検査した。結果は表IVに示す。表から明らかなように、冷媒及び潤滑剤は、冷凍システムで見受けられると同様に、金属の存在下で長期間に亘り溶解性を維持し、且つ安定であった。
【0025】
【表4】

【0026】
次に、R−152a/潤滑剤組成物及びR−134a/潤滑剤組成物の潤滑性を、ASTM D3233修正法Aに従って試験した。この試験法は、ピン上のV型ブロックの力をインクレメント的に増加させるピンとV型ブロック装置の使用を含む。この試験については、潤滑剤の試料(95mL)はR−134a又はR−152aで飽和させた。荷重破壊(lord failure)として測定する潤滑性は約24℃で試験した。
【0027】
【表5】

【0028】
この試験は、R−152a組成物がR−134a組成物と同様の潤滑性を有しており、金属に対して良好な親和性を有することを示している。
【0029】
上に見られるように、R−152a/潤滑剤組成物は望ましい温度溶解特性を有しており、組成物は安定である。しかしながら、コスト及びわずかな可燃性のために、R−152aは以前にはR−134aの適当な代替品ではなかった。R−134aは、地球温暖化能に関する厳しい環境規制に合格できないので、R−152a/潤滑剤組成物は、その欠点にもかかわらず、R−134a/潤滑剤組成物の適切な代替品である。
【0030】
更に、R−152a/潤滑剤組成物は、R−152aがR−134aに対する「差し替え」代替品として使用できるのに対して、CO2はそれができないので、CO2を用いることよりも望ましい。従って、R−152a/潤滑剤組成物は、単に現在の冷媒を新たな組成物で置き換えるだけで、現在のシステムを改装又は改修して使用することができる。更にまた、R−152aのわずかな可燃性を監視し、又は制御するためのコストは、高圧CO2システムを設計し、製造し、使用するためのコストに比較して小さい。
【0031】
本発明の組成物はまた、必要に応じて、その他の添加剤、例えば米国特許第5,152,926号明細書(引用によりここに組み込む)に記載されたもののような潤滑助剤(lubricity additives)又は耐磨耗剤(antiwear additives)などを含むことができる。
【0032】
複数の成分もしくは工程の機能もしくは構造を、単一の成分もしくは工程に結合することができ、又は1つの工程もしくは成分の機能もしくは構造を、複数の工程もしくは成分に分割しうることも認識されたい。本発明はこれら全ての組合せについても考慮したものである。別段の記載がない限り、ここで述べられた様々な構造の寸法及び配置は、本発明を限定すること意図するものではなく、その他の寸法及び配置も可能である。複数の構造上の成分又は工程は、単一の集積された構造又は工程により提供することができる。或いは、単一の集積された構造又は工程は、別々の複数の成分又は工程に分割されてもよい。更に本発明の特徴は、ただ1つの例証された態様の文脈の中に記載されることが可能であったが、そのような特徴は、いずれか所期の適用のため、その他の態様の1つ又はそれ以上のその他の特徴と結合することができる。上記から、ここでの独特の構造の製造及びその操作もまた、本発明に従う方法を構成することもまた認識されるであろう。
【0033】
ここに提供された説明及び例示は、本発明の原理及びその実際の適用について当業者に熟知させることを意図したものである。当業者は、本発明をその多くの形体において、個々の用途の要求に最も適するように、適合させ応用することができる。従って、前述のような本発明の特定の態様は、本発明を網羅するものとして、又は限定するものとして意図したものではない。本発明の範囲は、従って、上記の記載に関連して決定されるものではなく、その代わりに、添付された特許請求の範囲と、それと共にそのような特許請求の範囲が権利を付与する均等物の全範囲とに関連して決定すべきである。特許文献及び刊行物を含む全ての論説及び引用例の開示は、あらゆる目的のために、引用により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジフルオロエタンを含む冷媒;及び
極性の、酸素化された潤滑剤を含む潤滑剤:
を含んでなる組成物を、冷凍装置中に循環させることを含んでなり、
前記潤滑剤が組成物中に約3重量%の量で存在し、且つ
前記冷媒及び潤滑剤が約−40℃より低い温度と約45℃より高い温度の間の温度で40℃で約75cStより高い粘度を有する潤滑剤に対する溶解性を維持するか、又は前記冷媒及び潤滑剤が約−40℃より低い温度と約80℃より高い温度の間の温度で40℃で約40〜約75cStの間の粘度を有する潤滑剤に対する溶解性を維持するものである冷却方法。
【請求項2】
前記循環工程が、極性の、酸素化された潤滑剤がポリアルキレングリコール(PAG)、ポリオールエステル(POE)及びそれらの組合せよりなる群から選ばれたものである組成物を循環させることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記潤滑剤がPAGモノオール、メチルエーテル封止PAG又はPOEを含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、少なくとも1種の金属の存在下で、高温で少なくとも2週間安定性を維持する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が、鋼、アルミニウム、銅又はそれらの組合せの存在下で、安定性を維持する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が耐磨耗剤又は潤滑助剤を更に含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ジフルオロエタンを含む冷媒;及び
極性の、酸素化された化合物を含む潤滑剤約3重量%:
を含んでなる冷媒R−134aを含む冷媒の差し替え代替品として利用しうる組成物において、
前記冷媒及び潤滑剤が約−40℃より低い温度と約45℃より高い温度の間の温度で40℃で約75cStより高い粘度を有する潤滑剤に対する溶解性を維持するか、又は前記冷媒及び潤滑剤が約−40℃より低い温度と約80℃より高い温度の間の温度で40℃で約40〜約75cStの間の粘度を有する潤滑剤に対する溶解性を維持するものである冷媒組成物。
【請求項8】
前記極性の、酸素化された潤滑剤がPAG、POE及びそれらの組合せよりなる群から選ばれる請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記潤滑剤がPAGモノオール、メチルエーテル封止PAG又はPOEを含む請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が約750Lb.〜2500Lb.の潤滑性を有する請求項7〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、少なくとも1種の金属の存在下で、高温で少なくとも2週間安定性を維持する請求項7〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、鋼、アルミニウム、銅又はそれらの組合せの存在下で、安定性を維持する請求項7〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記冷媒組成物が耐磨耗剤又は潤滑助剤を更に含む請求項7〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
自動車に設置された、低圧蒸気を高圧高温蒸気に圧縮する圧縮器;
高圧高温蒸気から熱を除去し、凝縮させて高圧液体を生成させる凝縮器;
高圧液体の圧力を低下させて低圧液体を生成させる膨張装置;
低圧液体を蒸発させて低圧蒸気を生成させる蒸発器;並びに
ジフルオロエタン及び約3重量%の極性の、酸素化された潤滑剤を含む冷媒組成物
を含む空調システムにおいて、
前記ジフルオロエタン及び潤滑剤が約−40℃より低い温度と約45℃より高い温度の間の温度で40℃で約75cStより高い粘度を有する潤滑剤に対する溶解性を維持するか、又は前記冷媒及び潤滑剤が約−40℃より低い温度と約80℃より高い温度の間の温度で40℃で約40〜約75cStの間の粘度を有する潤滑剤に対する溶解性を維持するものである空調システム。
【請求項15】
前記極性の酸素化された潤滑剤がPAG、POE及びそれらの組合せよりなる群から選ばれる組成物を循環させることを含む請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記潤滑剤がPAGモノオール、メチルエーテル封止PAG又はPOEを含む請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項17】
前記組成物が、少なくとも1種の金属の存在下で、高温で少なくとも2週間安定性を維持する請求項14〜16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記組成物が、鋼、アルミニウム、銅又はそれらの組合せの存在下で、安定性を維持する請求項14〜17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記組成物が耐磨耗剤又は潤滑助剤を更に含む請求項14〜18のいずれか1項に記載のシステム。

【公表番号】特表2007−509227(P2007−509227A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536751(P2006−536751)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/034724
【国際公開番号】WO2005/042679
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(591123001)ユニオン・カーバイド・ケミカルズ・アンド・プラスティックス・テクノロジー・コーポレイション (85)
【Fターム(参考)】