説明

冷暖房システム

【課題】構築の手間及びコストの増大を抑制しつつ区画材全体を満遍なく冷却又は加熱することが可能な冷暖房システムを提供すること。
【解決手段】冷暖房システムは、所定の長さのリップ溝形鋼11と、リップ溝形鋼11の長手方向の開口11hを塞ぐように取り付けられた平板12と、リップ溝形鋼11の内部に供給される気体SAの温度を調節する温度調節機器とを備えている。平板12には、リップ溝形鋼11の内部の気体SAを導出する導出口12hがリップ溝形鋼11の長手方向に間隔を空けて複数形成されている。リップ溝形鋼11に取り付けられた平板12が、冷房又は暖房の対象となる被冷暖房室Rの境界を形成する区画材15の裏面15bに対向するように、リップ溝形鋼11及び平板12が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷暖房システムに関し、特に輻射熱で冷暖房を行う冷暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーと快適性とを両立する冷暖房方式として、輻射熱で冷暖房を行う輻射冷暖房システムが注目されている。輻射冷暖房システムは、天井面や床面等を、冷房時は冷やし暖房時は温めて、冷却又は加熱した天井面や床面等からの輻射熱により冷暖房室の温度を調整するシステムである。輻射熱による冷暖房は、室内に極端な温度ムラが生じないため快適であると共に、天井面や床面等を冷却又は加熱するのに必要な熱量がいわゆる対流方式の冷暖房システムに比べて少ない。このため、輻射冷暖房システムは、より省エネルギーなシステムと言える。
【0003】
輻射冷暖房システムの一例として、冷暖房が行われる対象室を形成する区画面の裏側の適宜の位置に、ダクトを介して複数の熱媒体拡散部材を設置し、この熱媒体拡散部材が有する気流方向変換器の作用により、区画面の裏面に対して略垂直に流れてきた気体の熱媒体を区画面に沿った流れに変換することで、熱媒体を区画面に沿って広範囲に拡散させて効率よく冷暖房対象室の区画面に熱を伝達させ、熱が伝わった区画面からの輻射熱によって冷暖房対象室の冷房又は暖房を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−155207号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の輻射冷暖房システムによれば良好な輻射効果を得られるが、床仕上材の全面を満遍なく冷却又は加熱するには、多数の気流方向変換器を必要とし、システム構築の手間及びコストが増大してしまっていた。
【0006】
本発明は上述の課題に鑑み、構築の手間及びコストの増大を抑制しつつ区画材全体を満遍なく冷却又は加熱することが可能な冷暖房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る冷暖房システムは、例えば図1に示すように、所定の長さのリップ溝形鋼11と;リップ溝形鋼11の長手方向の開口11hを塞ぐように取り付けられた平板12であって、リップ溝形鋼11の内部の気体SAを導出する導出口12hがリップ溝形鋼11の長手方向に間隔を空けて複数形成された平板12と;リップ溝形鋼11の内部に供給される気体SAの温度を調節する温度調節機器21(例えば図2参照)とを備え;リップ溝形鋼11に取り付けられた平板12が、冷房又は暖房の対象となる被冷暖房室Rの境界を形成する区画材15の裏面15bに対向するように、リップ溝形鋼11及び平板12が配設されている。
【0008】
このように構成すると、既製のリップ溝形鋼をダクトとして利用することができ、これに導出口が複数形成された平板を取り付けることで、区画材の裏面の複数の箇所に温度が調節された気体を接触させて区画材の温度を調節して輻射による冷暖房をすることが可能になり、製造及び施工を省力化できる冷暖房システムとなる。
【0009】
また、本発明の第2の態様に係る冷暖房システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る冷暖房システムにおいて、導出口12hが、開口となる輪郭12rの一部を接続部12sとして残して平板12を切断したうえで(切り込みを入れたうえで)、平板12の切断された部分12pを接続部12sからリップ溝形鋼11の外側へ折り曲げることにより形成され;平板12の折り曲げられた折曲片12pは、導出口12hから導出された気体SAが区画材15の裏面15bに90度以外の第1の所定の角度で接触するように案内する部材として構成されている。
【0010】
このように構成すると、導出口から導出された気体が区画材の裏面に所定の角度で接触するため、区画材の裏面に垂直に接触するよりも気体を区画材の裏面に沿って拡散させることができる。
【0011】
また、本発明の第3の態様に係る冷暖房システムは、例えば図1及び図3に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る冷暖房システムにおいて、導出口12hからリップ溝形鋼11の内部に挿入され、リップ溝形鋼11の内部を流れる内部気体流(気体SAの流れ)を導入する導入開口面31fが形成された筒状の動圧取出部材30であって、前記内部気体流に対して導入開口面31fが第2の所定の角度Dで対向して配設された動圧取出部材30を備える。
【0012】
このように構成すると、導出口から導出される気体の流量を、動圧取出部材を設けない場合に比べて増大させることができる。
【0013】
また、本発明の第4の態様に係る冷暖房システムは、例えば図1及び図4に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る冷暖房システムにおいて、導出口12hからリップ溝形鋼11の内部に挿入され、リップ溝形鋼11の内部を流れる内部気体流(気体SAの流れ)を導入して導出口12h側に導く気体流路41rが形成された筒状の全圧取出部材40を備え;気体流路41rが、第1の気体流路41raと第2の気体流路41rbとに分割され;第1の気体流路41raに前記内部気体流を導入する第1の導入開口面41faが、前記内部気体流の流れ方向に対向して形成され;第2の気体流路41rbに前記内部気体流を導入する第2の導入開口面41fbが、前記内部気体流の流れ方向に対向しない向きに形成されている。
【0014】
このように構成すると、第1の気体流路を介して動圧を取り出し、第2の気体流路を介して静圧を取り出し、両者合わせて全圧を取り出すことができることとなり、導出口から導出される気体の到達距離を長くすることができて、気体を区画材の裏面の広範囲に接触させることが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、既製のリップ溝形鋼をダクトとして利用することができ、これに導出口が複数形成された平板を取り付けることで、区画材の裏面の複数の箇所に温度が調節された気体を接触させて区画材の温度を調節して輻射による冷暖房をすることが可能になり、製造及び施工を省力化できる冷暖房システムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る冷暖房システムの構成の一部を説明する図である。(a)は断面図、(b)は冷暖房システムを構成するスタッドダクトの部分斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る冷暖房システムの概略構成を示す斜視図である。
【図3】動圧取出部材を説明する図である。(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図4】全圧取出部材を説明する図である。(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0018】
図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態に係る冷暖房システム1を説明する。図1は、冷暖房システム1の構成の一部を説明する図であり、(a)は断面図、(b)は冷暖房システム1を構成するスタッドダクト10の部分斜視図である。図2は、冷暖房システム1の概略構成を示す斜視図であり、図1には示してある区画材としての床材15を外した様子を表している。冷暖房システム1は、スタッドダクト10を構成するリップ溝型鋼(いわゆるC形鋼であり、以下「Cチャン」という。)11及び平板12と、スタッドダクト10に温度が調節された気体である温調空気SAを供給する第1のチャンバーとしての順流チャンバー25A及び第2のチャンバーとしての逆流チャンバー25Bと、温調空気SAを生成する温度調節機器としての温調機器21とを備えている。
【0019】
Cチャン11は、基本形として断面矩形(長方形又は正方形)の中空筒の一つの側面に、長手方向に沿って帯状の開口である長手開口11hが形成され、軸直角断面が角張ったC型に形成された、長い部材である。Cチャン11は、典型的には、工場において、細長い鋼板(例えば溶融亜鉛めっき鋼板)が、長手方向に沿って折り曲げられて量産される。Cチャン11は、本実施の形態では、厚さ1.6mmの鋼板が、軸直角断面において、長手開口11hに対向する長辺11aの長さが100mm、長辺11aの両端から直角に伸びる短辺11bの長さが50mm、長手開口11hの両脇に位置して短辺11bに連なる脇辺11cの長さが20mm(これにより長手開口11hの幅は60mmとなる)、長さが4mの状態に工場で生産されたものを、構築する冷暖房システム1に適合するように(所定の長さに)適宜切断して用いられる。なお、Cチャン11の寸法及び材質等の特性はこれに限られるものではなく、構築する冷暖房システム1に応じて適宜選定すればよい。
【0020】
平板12は、Cチャン11の長手開口11hを全体にわたって塞ぎ、風導として機能するスタッドダクト10を構成するための部材である。平板12は、典型的にはCチャン11の長辺11aと同じ幅を有し、Cチャン11と同じ長さの鋼板が用いられる。しかし、平板12の幅は、長手開口11hを塞ぐことができれば長辺11aよりも短くてもよい。平板12には、スタッドダクト10を構成したときに内部を流れる温調空気SAをスタッドダクト10の外に導出する導出口12hが複数形成されている。導出口12hは、長手方向に間隔を空けて多数形成されている。さらに、長手方向に沿って多数形成された導出口12hの列が、幅方向に間隔を空けて2列形成されている。各導出口12hは、平板12の長手方向の辺と平行な辺を持つ矩形の輪郭12rを有し、切断前に罫書いた輪郭12rの内側の1辺(平板12の幅方向内側であって、隣の列に最も近い辺)を接続部となる接続辺12sとして残して3つの辺が切断され(切り込みが入れられ)、切断された3辺の内部に形成された折曲片12pを、接続辺12sからCチャン11の外側に折り曲げることで形成されている。2列に形成された導出口12hの、平板12の幅方向における、一方の導出口12hの外側の辺(接続辺12sに対向する辺)と他方の導出口12hの外側の辺との距離は、Cチャン11の長手開口11hの幅以下となっている。
【0021】
上述のCチャン11と平板12とが、各導出口12hが長手開口11h上に位置するように平板12の長手方向に伸びる両縁部を両脇辺11c上に載置して、Cチャン11と平板12とが重なる部分を適宜タッピングビス等で締結することにより、スタッドダクト10が構成されている。このように、スタッドダクト10は、既製のCチャン11を工場又は現場(冷暖房システム1の構築場所)で所定の長さに切断し、これに接続辺12s以外の3辺の輪郭12rがあらかじめ切断された平板12を取り付けるだけで構成することができるので、製造が容易になるだけでなく、Cチャン11と平板12とを別々に加工することが可能になって加工精度が向上する。なお、折曲片12pの折り曲げは、平板12をCチャン11に取り付ける前に行ってもよく、取り付けた後に行ってもよい。折曲片12pの曲げる角度を調節することにより、導出口12hから導出される温調空気SAの吹出方向を調節することができる。
【0022】
上述のように構成されたスタッドダクト10は、スラブSL上に設置された支持台18に取り付けられた載置台19に支持されている。支持台18は、床材15を受ける床受18aと、冷房又は暖房(以下「冷暖房」という。)が行われる対象となる冷暖房室Rの床高を調節する支持ボルト18bと、床受18a及び支持ボルト18bのスラブSL上における位置を固定する支持脚18cとを有している。床材15は、冷暖房室Rの床における区画材となる部材である。床受18aは、典型的には四角錐状に加工されて形成され、四角錐の底面が床材15の区画裏面15bに接するように構成されている。支持脚18cは、縁の部分にアンカーを挿通する孔が形成されており、アンカーでスラブSLに固定することができるように構成されている。支持ボルト18bは、全ねじが床高に適合する所定の長さに切断されて形成されており、一端が床受18aの四角錐状の頂部に螺合され、他端が支持脚18cの中心部に挿通されてナットで固定されている。支持ボルト18bを支持脚18cに挿通する度合いを調節することにより、床受18aの高さ、ひいては床材15のレベルを調節することができる。載置台19は、支持ボルト18bに挿通されており、支持ボルト18bに螺合されたナットにより下方への移動が制限されている。載置台19に接するナットの高さを調節することにより、載置台19の高さ、ひいてはスタッドダクト10のレベルを調節することができる。
【0023】
スタッドダクト10を建物に設置する際は、まず、スラブSL上に、支持ボルト18bが取り付けられた支持脚18cをアンカーで固定する。支持脚18cの割付は、敷設される床材15に対応して碁盤目状に配置される。次に、支持ボルト18bに載置台19支持用のナットを螺合してから、載置台19を支持ボルト18bに挿通する。載置台19のレベルは、ナットの高さを調節することにより適切な位置に決定される。そして、載置台19の上に、平板12が上面になるようにスタッドダクト10を載置する。このために、平板12及び平板12に対向するCチャン11の面に、支持ボルト18bを挿通するための挿通孔(不図示)が形成されている。この挿通孔(不図示)の形成は、加工容易の観点から、スタッドダクト10を構成する前に(Cチャン11と平板12とに分離している状態で)形成するのが好ましく、特にあらかじめ工場で形成されていることがより好ましい。載置台19にスタッドダクト10が載置されたら、平板12の折曲片12pがCチャン11の外側へ折り曲げられていない場合は、折り曲げる。折曲片12pは、導出口12hから導出される温調空気SAの方向を決定づけるガイドの役割を持つため、床材15の区画裏面15bに沿ってできるだけ遠くに到達する角度で温調空気SAを吹き出せるように、折曲片12pと平板12の面とのなす角を決定するとよい。折曲片12pを折り曲げたら、床受18aを支持ボルト18bに取り付ける。なお、折曲片12pの折り曲げは、スタッドダクト10が載置台19に載置される前に行われていてもよく、床受18aが支持ボルト18bに取り付けられた後に行われていてもよい。
【0024】
上述のようにして、典型的には、1つの方向における支持台18の設置間隔でスタッドダクト10が配設される。床材15に温調空気SAを満遍なく接触させる観点から、支持台18の配置に対応させたスタッドダクト10の数で不足する場合は、支持台18に取り付けられた載置台19に載置された、隣り合う2つのスタッドダクト10の間にも、支持台18に支持されないスタッドダクト10を設置するとよい。この場合、床転がし配管を行う際に利用するフロアバンド等を用いてスタッドダクト10を設置するとよい。あるいは、設置するすべてのスタッドダクト10を、載置台19を用いずにフロアバンド等で固定することとしてもよい。このようにすると、スタッドダクト10に対して支持ボルト18bを挿通する挿通孔(不図示)を形成しなくて済むので、スタッドダクト10の加工が容易になる。他方、載置台19上にスタッドダクト10を載置することとなると、床材15とスラブSLとの間の床下空間SPを広く確保することができ、有効に活用することができる。なお、スタッドダクト10の長手方向に形成された導出口12hの間隔も、床材15に温調空気SAを満遍なく接触させつつ導出口12hの数を極力少なくする観点から決定されることが好ましい。
【0025】
上述のように構成されたスタッドダクト10の一端10a(図2参照)には、温調空気SAをスタッドダクト10内に分配供給する順流チャンバー25Aが接続されている。順流チャンバー25Aは、典型的には矩形ダクトで構成されている。順流チャンバー25Aは、亜鉛鉄板で形成されていてもよく、グラスウール板を加工して形成されていてもよい。順流チャンバー25Aは、各スタッドダクト10の一端10aに接触して配設されている。順流チャンバー25Aは、各スタッドダクト10の一端10aと接触する部分が開口され、順流チャンバー25A内からスタッドダクト10内へ温調空気SAを供給することができるように構成されている。順流チャンバー25Aは、複数敷設されたスタッドダクト10のうちの一方の最外部に敷設されたスタッドダクト10の外側で塞がれている。順流チャンバー25A内への温調空気SAの供給は、塞がれた方とは反対側の端部から行われるように構成されている。
【0026】
逆流チャンバー25Bは、典型的には順流チャンバー25Aと同様の材料で同様の形状及び同様の長さに形成され、各スタッドダクト10の他端10bに接続されている。逆流チャンバー25Bは、各スタッドダクト10の他端10bに接触して配設されている。逆流チャンバー25Bは、各スタッドダクト10の他端10bと接触する部分が開口され、逆流チャンバー25B内からスタッドダクト10内へ温調空気SAを供給することができるように構成されている。逆流チャンバー25Bは、順流チャンバー25Aの塞がれた端部の直近のスタッドダクト10とは反対側の最外部に敷設されたスタッドダクト10の外側で塞がれている。逆流チャンバー25B内への温調空気SAの供給は、塞がれた方とは反対側の端部から行われるように構成されている。このように構成されることにより、平面視において、順流チャンバー25A内を流れる温調空気SAの流れ方向と、逆流チャンバー25B内を流れる温調空気SAの流れ方向とが逆向きになるようになっている。
【0027】
温調機器21は、冷暖房室Rの輻射冷暖房を行うことができる温度に調節した温調空気SAを生成する機器である。温調機器21は、典型的にはパッケージ型空調機が用いられるが、エアハンドリングユニット等が用いられることとしてもよい。温調機器21は、冷暖房室Rが形成される部分の外側に設置される。温調機器21は、冷暖房室Rに隣接した部屋あるいは冷暖房室Rから離れた部屋に設置されてもよい。温調機器21は、順流チャンバー25Aの開口端部及び逆流チャンバー25Bの開口端部にそれぞれ設置してもよく、1台の温調機器21を設置して温調機器21から順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bのそれぞれの開口端部に温調空気SAを導く分配ダクト(不図示)を併せて設けることとしてもよい。分配ダクト(不図示)を設ける場合は、適宜ダンパ等を設けて順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bのそれぞれの開口端部における静圧が等しくなるようにすることが好ましい。
【0028】
冷暖房システム1を構築する際は、上述の要領で設置されるスタッドダクト10が設置される前あるいは設置された後に、温調機器21を設置する。温調機器21及びスタッドダクト10を設置したら、各スタッドダクト10の一端10aに順流チャンバー25Aを接続して設置し、各スタッドダクト10の他端10bに逆流チャンバー25Bを接続して設置する。そして、必要に応じて分配ダクト(不図示)を、温調機器21と順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bのそれぞれとを接続して設置する。その後、床受18aの上に床材15を敷設する。
【0029】
また、床材15には、平板12の導出口12hから床下空間SPに導出された温調空気SAを冷暖房室Rに流入させる連通口17(図2参照)が形成されている。連通口17を介して温調空気SAを冷暖房室R内に導入することにより、対流による冷暖房効果を享受することが可能になる。連通口17は、典型的には、冷暖房室Rの隅部に2〜4箇所形成されている。連通口17は、冷暖房室Rの床面において、物の落下を防ぐための格子(不図示)が設けられている。さらに、冷暖房室Rの壁面又は天井面には、冷暖房室Rに流入した温調空気SA分の空気を冷暖房室R外に導出する排気口(不図示)が形成されている。排気口(不図示)には、典型的には冷暖房室R内の空気を温調機器21に導く還気ダクト(不図示)が接続されている。
【0030】
引き続き図1及び図2を参照して、冷暖房システム1の作用(運転状況)を説明する。温調機器21では、冷暖房室Rを輻射冷暖房するのに適した温度(設定温度に依存するが、例えば、冷房時18〜23℃、暖房時30〜35℃)に調節された温調空気SAが生成される。輻射冷暖房は、一般に、対流のみによる冷暖房(温度調節された空気を冷暖房室内に供給して行う冷暖房)に比べて、温度調節された空気の温度と冷暖房室R内の空気の温度との差が小さくなるように設計されるため、温調空気SAを生成するためのエネルギーが少なくて済む。温調機器21で生成された温調空気SAは、必要に応じて分配ダクト(不図示)を介して順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bに供給される。
【0031】
順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bに供給された温調空気SAは、それぞれ塞がれた端部に向かって流れ、途中で順番に接続されたスタッドダクト10に順次流入する。順流チャンバー25Aからスタッドダクト10の一端10aに、及び逆流チャンバー25Bからスタッドダクト10の他端10bにそれぞれ流入した温調空気SAは、それぞれ反対側の端部10b、10aに向かってスタッドダクト10内を流れつつ、途中で順番に現れる導出口12hから床下空間SPに導出される。スタッドダクト10の両端10a、10bからそれぞれ流入した温調空気SAは、スタッドダクト10内で出会うが(以下、温調空気SAが出会う点を「出会点」という。)、スタッドダクト10の端部から温調空気SAの出会点までの距離は、複数配設されたスタッドダクト10に対して温調空気SAが到達する順序が順流チャンバー25A側と逆流チャンバー25B側とで逆になっており、各スタッドダクト10により端部10a、10bから静圧が等しい部分までの距離が異なるので、各スタッドダクト10によって異なる。複数配設されたスタッドダクト10に対して温調空気SAが到達する順序が順流チャンバー25A側と逆流チャンバー25B側とで逆になっていることにより、冷暖房室R内における温度分布が一方に偏ってしまうことを低減することができる。
【0032】
導出口12hから導出された温調空気SAは、床材15の区画裏面15bに対して90度以外の第1の所定の角度で接触し、区画裏面15bに沿って拡散しながら隣のスタッドダクト10に向かって流れる。このとき、温調空気SAは、区画裏面15bに接触しながら流れて床材15に冷熱(冷房時)又は温熱(暖房時)を伝達する。このことにより、床材15は冷やされ又は温められる。そして、冷やされ又は温められた床材15から冷暖房室Rに冷熱又は温熱が輻射され、冷暖房室Rの冷房又は暖房が行われる。床材15に冷熱又は温熱を伝達した温調空気SAは、冷房時は温度が上昇して暖房時は温度が低下している。床材15と熱交換して床下空間SPに存在する温調空気SAは、連通口17を介して冷暖房室R内に流入し、冷暖房室R内を対流する。冷暖房室R内に流入した温調空気SAは、床材15の温度と同等あるいは冷房時は床材15よりも低温で暖房時は床材15よりも高温であるので、冷暖房室Rの冷暖房に寄与することとなる。冷暖房室Rに流入した温調空気SAは、その後、温調機器21に還されて温度が調節された後に再び順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bに供給され、あるいは外気に放出されて新たな空気が温調機器21で温度調節された後に順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bに供給される。
【0033】
以上で説明したように、冷暖房システム1は、温調空気SAで床材15を冷却又は加熱して輻射冷暖房を行うので、液体を熱媒体として用いて床面を温めるシステム(例えば温水床暖房)に起こりうる漏水等のトラブルが発生する心配がない。また、スタッドダクト10の製作が、既存の材料を有効に活用しているために簡便であるので、製造及び施工を省力化できる。また、床の工事が完了した時点で大部分のダクト工事が終了することとなり、施工上の手間(工数)を大幅に低減でき、システム構築コストを大幅に削減することができる。それでいて、スタッドダクト10を適切に配置すると共に平板12への導出口12hの形成を適切に行うことにより、床材15全体を満遍なく冷却又は加熱することができ、良好な輻射冷暖房効果を得ることができる。
【0034】
以上の説明では、導出口12hが、平板12に罫書いた矩形の輪郭12rの3つの辺を切断して折曲片12pを折り曲げただけの簡易な構成としたが、導出口12hから吹き出される温調空気SAの勢いを増大させるために、以下のように構成してもよい。
【0035】
図3は、動圧取出部材30を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。(a)の斜視図はスタッドダクト10(図1参照)内部に挿入される側から見たものであり、(b)の側面図はスタッドダクト10を長手方向に平行な面で切断した状態を示している。以下の説明において冷暖房システム1の構成に言及しているときは、適宜図1及び/又は図2を参照することとする。動圧取出部材30は、本体筒31と、側立板33と、鍔39とを有している。動圧取出部材30は、本体筒31の部分がスタッドダクト10の内部に挿入され、スタッドダクト10内を流れる温調空気SAの捕捉量を増大させるものである。
【0036】
本体筒31は、一端が斜めに切断された中空四角筒状を呈しており、その斜めに切断された端面が温調空気SAを導入する導入開口面31fとなっている。導入開口面31fとは反対側の、筒状の軸に対して直角に切断された端面は、温調空気SAを導出するノズル導出口31hとなっている。導入開口面31fは、スタッドダクト10内の温調空気SAの流れ方向(本実施の形態ではスタッドダクト10の長手方向と一致する)に直交する辺のうち、温調空気SAの流れの上流側の辺が下流側の辺よりもノズル導出口31hに近くなるように形成されていることで、本体筒31の軸直角断面に対して斜めになっている。本体筒31の軸直角断面と導入開口面31fとのなす角Dは、取り出す温調空気SAの流量に応じて適宜決定できるが、概ね15度〜60度、好ましくは30度あるいは45度の間の任意の角度とするとよい。この、なす角Dが第2の所定の角度に相当する。本体筒31の、軸直角断面における外周の大きさは、平板12の導出口12hに内嵌め可能で輪郭12rとの隙間ができるだけ小さくなる程度に導出口12hよりも一回り小さく形成されている。
【0037】
鍔39は、平板状の部材が本体筒31の外面と直交するように本体筒31のノズル導出口31hの周囲に設けられている。鍔39は、動圧取出部材30がスタッドダクト10に取り付けられたときの接続辺12sに対応するノズル導出口31hの辺を除いた3辺を囲うように、設けられている。鍔39が、接続辺12sに対応するノズル導出口31hの辺のまわりを除かれているのは、鍔39が折曲片12pと干渉するのを回避するためである。側立板33は、ノズル導出口31hの鍔39が設けられていない辺に直交する2つの辺から、本体筒31が伸びる方向とは反対側に伸びるように立設されている。換言すれば、側立板33は、動圧取出部材30がスタッドダクト10に取り付けられたときに、温調空気SAの流れに直交する本体筒31の面から連続して伸びている。側立板33は、本体筒31と一体に形成されていてもよい。側立板33が設けられていることで、ノズル導出口31hから導出された温調空気SAが、スタッドダクト10の長手方向にリークすることを防いでいる。
【0038】
上述のように構成された動圧取出部材30は、導入開口面31fがスタッドダクト10内を流れる温調空気SAの流れに対向する向きで、本体筒31がスタッドダクト10の導出口12hから挿入される。本体筒31が挿入され、鍔39がスタッドダクト10を構成する平板12上に載置された状態で止まる。動圧取出部材30が平板12の導出口12hに挿入される際、折曲片12pが一旦90度以上外側に折り曲げられ、動圧取出部材30の挿入後に、折曲片12pが2つの側立板33の間に位置するように戻される。
【0039】
上述のようにスタッドダクト10に取り付けられた動圧取出部材30は、スタッドダクト10内を流れる温調空気SAの一部を、導入開口面31fが捉えて本体筒31を介してノズル導出口31hに導くので、動圧取出部材30を設けずに静圧で温調空気SAを導出口12hから導出させる場合に比べて、ノズル導出口31hから導出される温調空気の流量が増大して流速が上がるため、区画裏面15bに沿って吹き出される温調空気SAの勢いを増大させることができ、これにより温調空気SAの到達距離が伸び、床材15の広範囲に冷熱又は温熱を伝達することが可能になる。なお、動圧取出部材30は、導出口12h(ノズル導出口31h)から導出される温調空気SAの動圧を、動圧取出部材30を設けない場合に比べて高くすることができる部材であるが、必ずしも動圧のみを取り出す部材であることを意味するものではない。
【0040】
図4は、動圧取出部材30(図3参照)とは別の、導出口12hから吹き出される温調空気SAの勢いを増大させるための全圧取出部材40を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。(a)の斜視図はスタッドダクト10(図1参照)内部に挿入される側から見たものであり、(b)の側面図はスタッドダクト10を長手方向に平行な面で切断した状態を示している。以下の説明において冷暖房システム1の構成に言及しているときは、適宜図1及び/又は図2を参照することとする。全圧取出部材40は、本体筒41と、側立板43と、鍔49とを有している。全圧取出部材40は、本体筒41の部分が平板12の導出口12hからスタッドダクト10の内部に挿入され、スタッドダクト10内を流れる温調空気SAの全圧を取り出すものである。以下では、スタッドダクト10に取り付けられた状態を前提に説明する。
【0041】
本体筒41は、概ね中空の四角筒に形成されており、一端面に温調空気SAを導出する全圧ノズル導出口41hが形成されている。全圧ノズル導出口41hまわりには、側立板43及び鍔49が、動圧取出部材30(図3参照)のノズル導出口31hまわりに設けられている側立板33及び鍔39と同じ要領で、設けられている。したがって、本体筒41がスタッドダクト10の導出口12hから挿入されたとき、鍔49がスタッドダクト10を構成する平板12上に載置された状態で止まることとなる。なお、全圧取出部材40が平板12の導出口12hに挿入される際、折曲片12pが一旦90度以上外側に折り曲げられ、全圧取出部材40の挿入後に、折曲片12pが2つの側立板43の間に位置するように戻されるのは、動圧取出部材30(図3参照)を取り付ける場合と同様である。また、本体筒41の、軸直角断面における外周の大きさは、動圧取出部材30(図3参照)の本体筒31と同様に形成されている。
【0042】
本体筒41は、内部に平板状の中仕切板42が側立板43と平行な向きで取り付けられることにより、内部が2分割されている。本体筒41は、中仕切板42で仕切られることにより、第1の気体流路としての動圧流路41raと、第2の気体流路としての静圧流路41rbとが形成されている。つまり、全圧取出部材40の気体流路41rは、動圧流路41ra及び静圧流路41rbから構成されている。これにより、全圧ノズル導出口41hも、動圧流路41raの末端となる動圧導出口41haと、静圧流路41rbの末端となる静圧導出口41hbとに分かれている。動圧流路41raは温調空気SAの流れ方向上流側に形成され、静圧流路41rbは下流側に形成されている。
【0043】
本体筒41の、温調空気SAの流れ方向に対向する面(温調空気SAの流れ方向上流側の側立板43に連なる本体筒41の面であり、第1の導入開口面に相当する)の下部には、動圧流路41raに温調空気SAを導入する動圧導入口41faが形成されている。この面以外には、動圧流路41raに温調空気SAを導入する導入口が形成されていない。本体筒41の、温調空気SAの流れ方向下流側の面(温調空気SAの流れ方向下流側の側立板43に連なる本体筒41の面であり、第2の導入開口面に相当する)の下部及び底面には、静圧流路41rbに温調空気SAを導入する静圧導入口41fbが形成されている。静圧導入口41fbは、動圧流路41raには連通していない。
【0044】
上述の全圧取出部材40がスタッドダクト10に取り付けられた場合の作用は、次のようになる。スタッドダクト10の内部を流れる温調空気SAは、動圧導入口41faに衝突する分が動圧流路41raに取り込まれ、動圧導出口41haに向かって流れる。他方、動圧導入口41faから取り込まれなかった温調空気SAは、スタッドダクト10内を引き続き流れ、静圧導入口41fbの脇を通過する際の温調空気SAの静圧により一部が静圧導入口41fbから静圧流路41rbに流入し、静圧導出口41hbに向かって流れる。動圧導出口41haから導出された温調空気SAと、静圧導出口41hbから導出された温調空気SAとは、折曲片12pに案内されて区画裏面15bに向かう際に混合され、区画裏面15bに到達後は区画裏面15bに沿って流れる。この区画裏面15bに沿って流れる温調空気SAは、スタッドダクト10を流れる温調空気SAの動圧及び静圧の両方、すなわち全圧を取り出したものとなる。このように全圧取出部材40の全圧ノズル導出口41h(動圧導出口41ha及び静圧導出口41hb)から導出される温調空気SAは、全圧取出部材40を設けない場合に導出される温調空気SAに比べて流速が速く、区画裏面15bに沿って吹き出される温調空気SAの勢いを増大させることができ、これにより温調空気SAの到達距離が伸び、床材15の広範囲に冷熱又は温熱を伝達することが可能になる。
【0045】
以上の説明では、ダクトで形成された順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bからスタッドダクト10に温調空気SAが供給されることとしたが、床下空間SPの端部を間仕切って床下チャンバー(不図示)を形成し、スタッドダクト10をこの床下チャンバー(不図示)に接続して床下チャンバーから温調空気SAがスタッドダクト10に供給されることとしてもよい。
【0046】
以上の説明では、冷却又は加熱される床材15が冷暖房室Rの床面に設けられているとしたが、天井及び/又は壁も温調空気SAによって冷却又は加熱できるように構成してもよい。天井に採用する場合、例えば、スタッドダクト10を、梁に隣接して設けた順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bに接続することにより構成することができる。また、壁に採用する場合、例えば、所定の間隔で直立させて設けた順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bにスタッドダクト10を接続することにより構成することができる。天井及び/又は壁に採用する場合も、順流チャンバー25A及び逆流チャンバー25Bに代えて、天井チャンバーや壁内チャンバーを採用してもよい。
【0047】
以上の説明では、床下空間SPに放出された温調空気SAを、連通口17を介して冷暖房室Rに流入させることとしたが、床下空間SPから屋外に放出してもよく、あるいは床下空間SPからダクトを介して温調機器21に還気してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 冷暖房システム
11 Cチャン
11h 長手開口
12 平板
12h 導出口
12p 折曲片
12r 輪郭
12s 接続辺
15 区画材
15b 区画裏面
21 温調機器
30 動圧取出部材
31f 導入開口面
41r 気体流路
40 全圧取出部材
41fa 動圧導入口
41fb 静圧導入口
41ra 動圧流路
41rb 静圧流路
SA 温調空気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さのリップ溝形鋼と;
前記リップ溝形鋼の長手方向の開口を塞ぐように取り付けられた平板であって、前記リップ溝形鋼の内部の気体を導出する導出口が前記リップ溝形鋼の長手方向に間隔を空けて複数形成された平板と;
前記リップ溝形鋼の内部に供給される気体の温度を調節する温度調節機器とを備え;
前記リップ溝形鋼に取り付けられた前記平板が、冷房又は暖房の対象となる被冷暖房室の境界を形成する区画材の裏面に対向するように、前記リップ溝形鋼及び前記平板が配設された;
冷暖房システム。
【請求項2】
前記導出口が、開口となる輪郭の一部を接続部として残して前記平板を切断したうえで、前記平板の切断された部分を前記接続部から前記リップ溝形鋼の外側へ折り曲げることにより形成され;
前記平板の折り曲げられた折曲片は、前記導出口から導出された気体が前記区画材の裏面に90度以外の第1の所定の角度で接触するように案内する部材として構成された;
請求項1に記載の冷暖房システム。
【請求項3】
前記導出口から前記リップ溝形鋼の内部に挿入され、前記リップ溝形鋼の内部を流れる内部気体流を導入する導入開口面が形成された筒状の動圧取出部材であって、前記内部気体流に対して前記導入開口面が第2の所定の角度で対向して配設された動圧取出部材を備える;
請求項1又は請求項2に記載の冷暖房システム。
【請求項4】
前記導出口から前記リップ溝形鋼の内部に挿入され、前記リップ溝形鋼の内部を流れる内部気体流を導入して前記導出口側に導く気体流路が形成された筒状の全圧取出部材を備え;
前記気体流路が、第1の気体流路と第2の気体流路とに分割され;
前記第1の気体流路に前記内部気体流を導入する第1の導入開口面が、前記内部気体流の流れ方向に対向して形成され;
前記第2の気体流路に前記内部気体流を導入する第2の導入開口面が、前記内部気体流の流れ方向に対向しない向きに形成された;
請求項1又は請求項2に記載の冷暖房システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−223538(P2010−223538A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73442(P2009−73442)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(307018405)株式会社エコ・パワー (19)
【出願人】(000175803)三建設備工業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】