説明

冷菓取出装置および冷菓製造装置

【課題】簡単な構成で、冷菓の溢れ出しを防止する。
【解決手段】冷菓ベース取込口162から冷菓ベースが供給され、シロップ取込口164a・164bからシロップが供給される貫通穴161および貫通穴163により形成される空間と、上記空間に嵌入され、冷菓ベースおよびシロップの上記空間への供給を調節するプランジャー151と、プランジャー151に対して回転可能なようにプランジャー151に貫通して嵌入される軸部57b、並びに上記空間に供給された冷菓ベースおよびシロップを撹拌する撹拌羽根57aにより構成されるアジテーター57とを備え、冷菓ベースにシロップが混合されて製造された冷菓が上記空間の冷菓取出口165から取り出される冷菓取出装置50において、アジテーター57の軸部57bに、軸部57bの回転方向とは逆のネジ方向にらせんが形成されたらせん溝70が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷菓ベースとシロップとを混合して製造した冷菓として、シェイクなどを取り出す冷菓取出装置、およびそれを備える冷菓製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、アイスクリーム、ソフトアイスクリーム、またはシェイクなどの冷菓を製造する冷菓製造装置があり、加えるシロップの種類に応じて、多種の冷菓が製造可能となっている。
【0003】
この種の冷菓製造装置としては、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されているように、冷却シリンダにて製造された例えばソフトアイスクリームと、シロップタンクに収容されたシロップとを混合室にそれぞれ供給し、混合室において両者を撹拌することにより冷菓を製造した後、冷菓を混合室に形成された取出し口から取り出すようにしたものがある。
【0004】
図4〜6を参照しながら、このような冷菓製造装置100の構成について説明する。なお、冷菓製造装置100では本発明に関連する構成を主に挙げ、冷菓製造装置100にて特に説明しない構成は従来の一般的な構成で実現可能であり、その説明は適宜省略する。
【0005】
図4は、従来の冷菓製造装置100の概略構成を示す斜視図である。図5は、従来の冷菓製造装置100に備えられる冷菓取出装置150の構成を示す分解斜視図である。図6は、従来の冷菓取出装置150を冷菓製造装置100に取り付けた際の構成を示す断面図である。
【0006】
冷菓製造装置100は、図4に示すように、ミックスタンク105に貯蔵された冷菓原料である冷菓ミックスを撹拌冷却することによりソフトアイスクリームやシェイクなどの冷菓ベースを製造する冷却シリンダ101、シロップを貯蔵するシロップタンク102、冷菓製造装置100の内部に取り付けられているチューブによりシロップタンク102に接続されているシロップコネクタ103、冷却シリンダ101の開口方向に略平行な方向に取り付けられたスタッドボルト104、並びに、シロップタンク102に貯蔵されているシロップを上記チューブを介してシロップコネクタ103に向かって供給するシロップポンプ106を備えている。なお、シロップタンク102が、特許請求の範囲に記載のシロップ収容部に相当する。
【0007】
また、冷菓製造装置100には、図5に示す冷菓取出装置150が取り付けられる。
【0008】
冷菓取出装置150は、冷却シリンダ101から供給される冷菓ベース、およびシロップタンク102から供給されるシロップを混合して製造した冷菓を冷菓取出口から取り出す装置であり、図5および図6に示すように、プランジャー151、Oリング152、ハンドル153、フロント154、サムナット155、フロントプラグ156、およびアジテーター157を備えている。そして、プランジャー151、Oリング152、ハンドル153、フロントプラグ156、およびアジテーター157がフロント154に取り付けられ、そのアセンブリが、サムナット155によってスタッドボルト104に固定されることにより、冷菓取出装置150は冷菓製造装置100に取り付けられる。
【0009】
フロント154には、貫通穴161、および、貫通穴161の軸方向と略垂直な方向に形成された冷菓ベース取込口162が形成されている。貫通穴161は、その軸方向が、フロント154が冷菓製造装置100に固定された際、地面に対して略垂直な方向になるように形成されている。
【0010】
フロントプラグ156には、フロント154の貫通穴161と略等しい直径を有する貫通穴163、並びに、貫通穴163の軸方向と略垂直な方向に形成されたシロップ取込口164aおよび164bが形成されている。また、フロントプラグ156は、貫通穴163がフロント154の貫通穴161と同軸になるように、フロント154に図示しないOリングを介して固定される。これにより、フロント154の貫通穴161とフロントプラグ156の貫通穴163とにより円筒状の空間が形成される。そして、貫通穴163が開口している側が、製造した冷菓を取り出す冷菓取出口165となる。
【0011】
アジテーター157は、撹拌羽根157aと軸部157bとにより構成されている。アジテーター157は、軸部157bがフロント154の貫通穴161と同軸となり、かつ、撹拌羽根157aが冷菓取出口165側に位置するように、フロント154の貫通穴161およびフロントプラグ156の貫通穴163に挿入される。このとき、軸部157bは、フロント154の貫通穴161から突出しており、冷菓取出装置150が冷菓製造装置100に取り付けられる際、冷菓製造装置100に備えられたモータなどの駆動装置に取り付けられる。なお、上記駆動装置が、特許請求の範囲に記載の駆動手段に相当する。
【0012】
プランジャー151は、フロント154の貫通穴161と略等しい直径を有する略円柱形状の部材である。軸方向の中央付近にはOリング166が装着されている。また、プランジャー151は、アジテーター157の軸部157bと略等しい直径を有する貫通穴167を備えている。プランジャー151は、フロント154の貫通穴161に摺動自在に嵌め入れられると同時に、アジテーター157の軸部157bを、Oリング152を介して貫通穴167に摺動自在に嵌め入れる。つまり、プランジャー151は、フロント154の貫通穴161の軸方向に沿って往復運動することが可能となっている。さらにこの嵌合では、アジテーター157の軸部157bは、プランジャー151の貫通穴167に対して回転自在となっている。なお、各々の嵌合はゆるみバネ程度となっている。また、プランジャー151は、フロント154の貫通穴161の軸方向に沿った往復運動により、シロップポンプ106のポンプ動作が連動するように構成されている。
【0013】
ハンドル153は、冷菓取出装置150が冷菓製造装置100に固定されたときに、垂直方向に近い斜め方向に取っ手があるようにフロント154に取り付けられる。ハンドル153は、フロント154の貫通穴161およびアジテーター157の軸部157bに対するプランジャー151の上下運動を与えるように取り付けられており、ハンドル153を手前に引くと、プランジャー151は上昇し、ハンドル153を戻すと、プランジャー151は元の位置まで下降する。
【0014】
次いで、上記構成を備える冷菓取出装置150が固定された冷菓製造装置100において、冷却シリンダ101に冷菓ベース、およびシロップタンク102にシロップが準備されている状態から、製造されたソフトアイスクリームやシェイクなどの冷菓を取り出すまでの動作について説明する。
【0015】
冷菓取出装置150を取り付ける際、冷菓ベース取込口162は冷却シリンダ101に接続される。冷菓取出装置150を取り付けた後、シロップコネクタ103と、フロントプラグ156のシロップ取込口164aおよび164bとを、それぞれチューブにより接続する。また、アジテーター157の軸部157bは駆動装置に接続される。そして、電源を投入し、冷却シリンダ101内に冷菓ベースが作られると、ハンドル153を操作し、プランジャー151を上昇させ、駆動装置によりアジテーター157を回転させる。なお、シロップが冷菓ベースに十分に混ざるように、アジテーター157を3600rpm付近で回転させる。
【0016】
図6は、ハンドル153を操作しておらず、プランジャー151が基本の位置にあるときを示している。図6に示すようなプランジャー151が基本の位置にある場合、フロント154の冷菓ベース取込口162は、プランジャー151が壁となって塞がれている。
【0017】
続いて、ハンドル153を手前に引くと、プランジャー151は、プランジャー151の底面がフロント154の冷菓ベース取込口162が設けられている位置よりも上に位置するように上昇する。このとき、フロント154の冷菓ベース取込口162が開口した状態となり、フロント154の貫通穴161およびフロントプラグ156の貫通穴163に、冷菓ベース取込口162から冷菓ベースが供給される。また同時に、ハンドル153を手前に引くことによってプランジャー151が上昇すると、シロップポンプ106のポンプ動作により、シロップコネクタ103に向かってシロップの供給が開始される。これにより、フロント154の貫通穴161およびフロントプラグ156の貫通穴163には、シロップ取込口164aおよび164bからシロップも供給される。そして、アジテーター157の回転により、冷菓ベースとシロップとが混合されて製造された冷菓が、冷菓取出口165から取り出される。
【0018】
このように、冷菓取出装置150では、ハンドル153を手前に引くように操作することによって、プランジャー151が上昇し、冷菓ベースおよびシロップが投入される。すなわち、プランジャー151の昇降により、フロント154の冷菓ベース取込口162が開閉されるようになっているとともに、シロップポンプ106のポンプ動作が開始されるようになっている。そして、投入された冷菓ベースおよびシロップをアジテーター157でよく混ぜることにより製造した冷菓を、冷菓取出口165の下に設置したコップに入れ提供することができる。
【特許文献1】特開平2−113858号公報(1990年4月26日公開)
【特許文献2】特許第2953757号明細書(1992年3月26日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記従来の冷菓製造装置100において、冷菓ベースとシロップとを混合し、冷菓としてシェイクを製造する場合、従来の冷菓取出装置150では、プランジャー151とアジテーター157との嵌合部分から、フロント154の貫通穴161およびフロントプラグ156の貫通穴163に供給された、冷菓ベースやシロップの半固体状の食品が溢れ出してくるという問題がある。
【0020】
ソフトアイスクリームの場合、ソフトアイスクリームは冷却シリンダ101にて−10〜−15℃に管理され、冷菓ベース取込口162に送出される。一方、シェイクの場合、シェイクは冷却シリンダ101にて−5℃付近に管理され、冷菓ベース取込口162に供給される。また、ソフトアイスクリームとシェイクとでは、ミックスタンク105に投入する冷菓ミックスの主原料も異なっている。
【0021】
このため、ソフトアイスクリームの粘度とシェイクの粘度とが異なり、シェイクの方がソフトアイスクリームよりもはるかに流動性が高い。これにより、プランジャー151の摺動やアジテーター157の回転も伴って、プランジャー151とアジテーター157との嵌合部分から上側に向かって、フロント154の貫通穴161およびフロントプラグ156の貫通穴163に供給された、冷菓ベースやシロップの半固体状の食品が溢れ出してくるという衛生上の問題が生じる。
【0022】
また、冷菓取出装置150では、食品衛生を維持するために、分解洗浄する頻度が高い。それゆえ、分解および組立が容易な、簡単な構成であることが望まれる。
【0023】
しかし、従来の冷菓取出装置150では、プランジャー151とアジテーター157との嵌合部分には、Oリング152が備えられていたり、アジテーター157の高速回転に耐え得るための複雑な構成となっている。
【0024】
しかも、アジテーター157は高速回転しているため、ゴムからなるOリング152が破損しやすいという問題がある。Oリング152が切れてしまった場合は、アジテーター157の撹拌羽根157aにより冷菓ベースおよびシロップと一緒に混合され、Oリング152が混入した冷菓が冷菓取出口165から取り出される可能性が大変高い。この場合、誤飲してしまうという重大な問題に発展する。
【0025】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、簡単な構成で、冷菓の溢れ出しを防止することができる冷菓取出装置および冷菓製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の冷菓取出装置は、上記課題を解決するために、冷菓ベース取込口およびシロップ取込口が形成され、上記冷菓ベース取込口およびシロップ取込口から冷菓ベースおよびシロップがそれぞれ供給される筒状の混合室と、上記混合室に嵌入され、上記混合室の軸方向に沿って往復運動することにより、上記冷菓ベースおよびシロップの混合室への供給を調節する開閉部材と、上記開閉部材に対して回転可能なように上記開閉部材に貫通して嵌入される軸部、並びに上記混合室に供給された冷菓ベースおよびシロップを撹拌する撹拌羽根により構成される撹拌部材とを備え、上記冷菓ベースに上記シロップが混合されて製造された冷菓が上記混合室の冷菓取出口から取り出される冷菓取出装置において、上記撹拌部材の軸部に、当該軸部の回転方向とは逆のネジ方向にらせんが形成されたらせん溝が設けられていることを特徴としている。
【0027】
また、本発明の冷菓製造装置は、冷菓原料を冷却攪拌することにより冷菓ベースを製造する冷却シリンダと、シロップを貯蔵するシロップ収容部と、上記冷却シリンダから供給される冷菓ベースおよび上記シロップ収容部から供給されるシロップを、撹拌部材により混合して製造した冷菓を冷菓取出口から取り出す冷菓取出装置として上記冷菓取出装置と、上記撹拌部材を回転駆動する駆動手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
本発明の冷菓取出装置は、簡単な構成で、冷菓の溢れ出しを効果的に防止することができるという効果を奏する。
【0029】
また、上記冷菓取出装置を備えることにより、本発明の冷菓製造装置は、食品衛生管理上、特に優れた冷菓製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0031】
図1は、本実施の形態の冷菓取出装置50を、図4に示した冷菓製造装置100に取り付けた際の構成を示す断面図である。
【0032】
本実施の形態の冷菓取出装置50において、特徴となる注目すべき構成はアジテーター57の構成である。つまりは、本実施の形態の冷菓取出装置50は、従来の冷菓取出装置150の構成のうちOリング152およびアジテーター157に替えて、アジテーター57を備えている。そして、本実施の形態の冷菓取出装置50においても、上述した従来の冷菓取出装置150と同様に冷菓製造装置100に固定される。
【0033】
なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、従来の冷菓製造装置100の構成、および従来の冷菓取出装置150の構成と同じである。また、説明の便宜上、上記背景技術にて参照した図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
本実施の形態の冷菓取出装置50は、プランジャー151、ハンドル153、フロント154、サムナット155、フロントプラグ156、およびアジテーター57を備えている。なお、図1ではハンドル153およびサムナット155を省略して図示している。なお、フロント154の貫通穴161およびフロントプラグ156の貫通穴163により形成される空間が、特許請求の範囲に記載の混合室に相当する。プランジャー151が、特許請求の範囲に記載の開閉部材に相当する。アジテーター57が、特許請求の範囲に記載の撹拌部材に相当する。
【0035】
アジテーター57は、撹拌羽根57aと軸部57bとにより構成されている。
【0036】
図2に、アジテーター57の一構成例を示す。
【0037】
撹拌羽根57aは、冷菓ベースとシロップとを撹拌する部材であり、流動性の高いシェイクのような半固体状の食品を撹拌可能な形状であればどのような形状でもよい。撹拌羽根57aは、軸部57bの一方の端部に設けられている。
【0038】
軸部57bは、駆動装置に接続され、回転動力が供給される部材である。駆動装置としてはモータが使用され、このモータは冷菓製造装置100に備えられる。ゆえに、軸部57bは、冷菓取出装置50を冷菓製造装置100に固定した際、冷菓製造装置100に備えられたモータに接続可能な長さとなっている。軸部57bには、モータに接続させるための接続部57cが設けられている。
【0039】
また、軸部57bには、撹拌羽根57aから距離A離れた位置と、接続部57cから距離B離れた位置との間の範囲にわたって、らせん溝70が設けられている。らせん溝70のらせんは、冷菓取出装置50においてアジテーター57が回転する方向とは逆のネジ方向に形成されている。図2では、一例として、アジテーター57の軸方向に沿って、軸部57bから撹拌羽根57aに向かう方向を見たとき、図中の回転方向Zに示すようにアジテーター57が軸を中心に右回転するように設定されていると、らせん溝70のらせんは、軸部57bから撹拌羽根57aに向かう軸方向に進みながら、左回りの方向に巻きつくように加工されている例を示している。この例では、図2に示すようにアジテーター57を側面から見ると、らせん溝70のらせんは、左上と右下とを結んでいるように見える。
【0040】
図3は、らせん溝70の溝形状の詳細を示す拡大図である。
【0041】
図3に示すように、軸部57bの直径D、溝深さk、溝ピッチP、溝断面形状R、および溝角度θにより、らせん溝70の溝形状は決定される。らせん溝70の溝形状は、なめらかであることが好ましい。
【0042】
一例として、軸部57bの直径Dが8mmの場合、溝深さkは0.3mm、溝ピッチPは7mm、溝断面形状Rは4mm、並びに、溝角度θは約66度で、らせん溝70は加工されることが好ましい。これにより、続いて述べる冷菓取出装置50の作用効果を十分に奏することができる。
【0043】
本実施の形態の冷菓取出装置50では、ハンドル153を手前に引くように操作することによって、プランジャー151が上昇し、フロント154の冷菓ベース取込口162が開くと同時に、シロップポンプ106がポンプ動作を開始する。このとき、フロント154の貫通穴161およびフロントプラグ156の貫通穴163により形成される空間に、冷菓ベース取込口162から冷菓ベースが供給され、シロップ取込口164aおよび164bからシロップが供給される。そして、アジテーター57の回転により、冷菓ベースとシロップとが混合され製造された冷菓が、冷菓取出口165から取り出される。
【0044】
ここで、シェイクは流動性が高いため、従来の冷菓取出装置150では、プランジャー151の摺動やアジテーター157の回転も伴って、プランジャー151とアジテーター157との嵌合部分から上側に向かって、フロント154の貫通穴161およびフロントプラグ156の貫通穴163に供給された、冷菓ベースやシロップの半固体状の食品が溢れ出してくるという問題がある。
【0045】
これに対し、本実施の形態の冷菓取出装置50では、アジテーター57の軸部57bに、アジテーター57が回転する方向とは逆のネジ方向にらせんが形成されたらせん溝70が設けられている。
【0046】
これにより、例えば、アジテーター57が軸方向に対して右回転する場合、プランジャー151とアジテーター57との嵌合部分から、上に向かって溢れようとする、冷菓としてほぼ製造されている冷菓ベースやシロップの半固体状の食品が、軸部57bの回転によるらせん溝70の作用により、右側に押しやられて、または、その場に止められて、上から溢れ出してくることを防止することが可能となる。
【0047】
また、本実施の形態の冷菓取出装置50では、アジテーター57を備えることにより、従来備えられていたOリング152を省くことが可能となっている。よって、ゴムからなるOリング152の破損に関連する問題を考える必要がない。
【0048】
さらに、本実施の形態の冷菓取出装置50は、従来の冷菓取出装置150と比較して、部品点数が削減された簡単な構成となっている。それゆえ、分解および組立が容易となり、洗浄の際の手間も低減される。
【0049】
したがって、冷菓取出装置50を備えることにより、食品衛生管理上、特に優れた冷菓製造装置100を提供することが可能となる。
【0050】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、シェイクなどの流動性が高い半固形状の冷菓を製造する冷菓製造装置に関する分野に好適に用いることができるだけでなく、冷菓製造装置の製造に関する分野、例えば、部品の製造に関する分野に好適に用いることができ、さらには、冷菓製造方法の分野にも広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明における冷菓取出装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】上記冷菓取出装置におけるアジテーターの構成を示す図である。
【図3】図2に示すアジテーターのらせん溝の詳細を示す拡大図である。
【図4】従来の冷菓製造装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】従来の冷菓取出装置の構成を示す分解斜視図である。
【図6】上記従来の冷菓取出装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
50 冷菓取出装置
57 アジテーター
57a 撹拌羽根
57b 軸部
70 らせん溝
100 冷菓製造装置
101 冷却シリンダ
102 シロップタンク
151 プランジャー
154 フロント
156 フロントプラグ
161 貫通穴
162 冷菓ベース取込口
163 貫通穴
164a,164b シロップ取込口
165 冷菓取出口
167 貫通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷菓ベース取込口およびシロップ取込口が形成され、上記冷菓ベース取込口およびシロップ取込口から冷菓ベースおよびシロップがそれぞれ供給される筒状の混合室と、上記混合室に嵌入され、上記混合室の軸方向に沿って往復運動することにより、上記冷菓ベースおよびシロップの混合室への供給を調節する開閉部材と、上記開閉部材に対して回転可能なように上記開閉部材に貫通して嵌入される軸部、並びに上記混合室に供給された冷菓ベースおよびシロップを撹拌する撹拌羽根により構成される撹拌部材とを備え、上記冷菓ベースに上記シロップが混合されて製造された冷菓が上記混合室の冷菓取出口から取り出される冷菓取出装置において、
上記撹拌部材の軸部に、当該軸部の回転方向とは逆のネジ方向にらせんが形成されたらせん溝が設けられていることを特徴する冷菓取出装置。
【請求項2】
冷菓原料を冷却攪拌することにより冷菓ベースを製造する冷却シリンダと、シロップを貯蔵するシロップ収容部と、上記冷却シリンダから供給される冷菓ベースおよび上記シロップ収容部から供給されるシロップを、撹拌部材により混合して製造した冷菓を冷菓取出口から取り出す冷菓取出装置と、上記撹拌部材を回転駆動する駆動手段とを備える冷菓製造装置において、
上記冷菓取出装置は、請求項1に記載の冷菓取出装置であることを特徴とする冷菓製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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