説明

冷菓製造機用の原料供給装置およびそれを備えた冷菓製造機

原料タンク10内の原料Mの液面L付近に浮かぶ浮き子41が、原料液面Lの高さが下がるに応じて下降する。この下降運動を、二重筒部51の外筒部の回転運動に変換する。この回転運動により、二重筒部51の内筒部に設けられた流通孔と外筒部に設けられた流通孔の重なり部分である連通孔の大きさが自動的に変化する。この変化は、流通孔の形状により最適化でき、原料タンク10からシリンダ部20に供給される原料Mと垂直管61からシリンダ部20に供給される空気との比率を、必要範囲内で一定とできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷菓製造機用の原料供給装置およびそれを備えた冷菓製造機に関する。さらに詳しくは、ソフトクリームやシェークといった冷菓を製造する冷菓製造機用の原料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図19は、従来の冷菓製造機を示す側面側から見た概略構成断面図である。図20は、従来の冷菓製造機に使用される材料供給バルブの構造を説明する断面図である。図21は、従来の冷菓製造機に使用される材料供給バルブの横断面図である。
ソフトクリームやシェーク等の冷菓を製造する従来の冷菓製造機としては、特開2002−65171号公報に記載された機械がある。図19に示すように、この冷菓製造機は、液状の冷菓用原料Mを貯蔵する原料タンク1と、冷菓原料Mを空気と共に攪拌冷却して冷菓Sにするためのシリンダ部2と、原料タンク1およびシリンダ部2を冷却する冷却部と、原料タンク1内に設けられて原料Mをシリンダ部2へ供給可能な材料供給バルブ3とを備えている。
当該技術分野において、「液状の冷菓用原料」は「ミックス」と呼ばれ、「材料供給バルブ」は「ミックスバルブ」と呼ばれる。
【0003】
原料タンク1は、底部に原料導入路1aを有する。原料導入路1aはシリンダ部2に接続されており、この原料導入路1aに材料供給バルブ3が取り付けられている。また、原料タンク1の底部には、モータによって回転して原料タンク1内の原料Mを攪拌する図示しないインペラが設けられている。
また、シリンダ部2は、シリンダ部2の内部に供給された原料Mと空気とを攪拌混合する螺旋状のダッシャ2aと、ダッシャ2aを回転駆動するモータ2cと、シリンダ部2の内部で製造された冷菓Sを取り出す取出部2bとを有する。シリンダ部2内の冷菓Sは、取出部2bの抽出路の開放およびダッシャの回転によって取り出される。
冷却部は、蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁などが相互に管路を介してループ状に連結された冷凍サイクルである。
【0004】
材料供給バルブ3は、図19ないし図21に示すように、外筒4と内筒5との二重構造を有している。
外筒4は、原料タンク1内の前記原料導入路1aと接続されると共に、原料タンク1の底付近に流通孔4aを有している。
外筒4の上部開口から挿入される内筒5は、外筒4の流通孔4aと連通可能な大きさの異なる複数(図においては2個)の流通孔5a、5bを下部に有している。流通孔4aと流通孔5aまたは5bが連通孔を形成する。
さらに、外筒4は上端に位置決め用の切欠き溝4b、4cを有し、内筒5は上端に位置決め用の切欠き溝4b、4cに引っ掛けられる突片5cを有している。また、材料供給バルブ3は、上端が開口しているため、原料タンク1内の空気を開口から原料Mと共にシリンダ部2内に導入させる空気導入管を兼ねている。
【0005】
このような構成を有する材料供給バルブ3は、外筒4と内筒5との位置関係を変化させることができる。各筒の内外を連通する前記流通孔4a、5aおよび5bの位置を重ねたり、ずらしたりすることにより、連通孔を開閉することができる。
さらに、内筒5の小さい流通孔5aと大きい流通孔5bのいずれかを選択して外筒4の流通孔4aと重ねることにより、原料タンク1とシリンダ部2とを連通する連通孔の大きさを調整することができる。この連通孔の大きさの調整により、原料タンク1内の原料Mの液面Lの高さが変化しても、シリンダ部2へ流入する原料Mの流量を所定範囲内に調整することができ、それによってシリンダ部2における原料Mと空気との混合比を所定範囲内に調整する。
【0006】
シリンダ部2から冷菓Sを取り出す時に、空気と、原料タンク1からの原料Mとが、材料供給バルブ3を介してシリンダ部2に補給される。
つまり、連通孔の大きさを一定とした場合、原料タンク1内の原料Mの液面Lが低くなるにつれて連通孔にかかる原料押し込み圧力は低下する。この結果、連通孔を通ってシリンダ部2内へ流入する原料Mの流量が低下する。
【0007】
それに加えてシリンダ部2に導入される材料供給バルブ3内の原料Mの量も低下するため、シリンダ部2内での原料Mと空気の混合比率は所定範囲内よりも空気の割合が高くなり、冷菓Sの品質が許容範囲から逸脱してしまう。そのため、原料液面Lが低下するにつれて連通孔の大きさを段階的に大きくして、シリンダ部2内に供給される原料Mの量が大きく変化しないように調整する。これにより、シリンダ部2内での原料Mと空気との混合比率を所定範囲内に維持することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の冷菓製造機では、操作者が原料の液面高さを監視し、液面高さに応じて内筒の適切な大きさの流通孔を手動選択する必要があった。つまり、操作者が原料タンク1からシリンダ部2への原料の供給量を調節する必要があった。したがって、このような操作の煩雑さが生じると共に、原料に操作者の手を近づけることによる衛生面に懸念があった。
さらに、上述のように原料液面Lが低下するにつれて連通孔の大きさを段階的に大きくして、シリンダ部2内での原料Mと空気との混合比率を所定範囲内に維持するようにしている。しかしながら、次のような問題がある。
図22に示すように、連通孔を次の大きさに変えるまでの間、材料供給バルブ3内に流入する原料Mの流量は、原料タンク1内の原料Mの液面Lが降下するに伴って低下する。その結果、シリンダ部2内に供給される原料Mと空気との混合比率は空気が増加していく。また、連通孔の大きさを変えるタイミングも操作者によってばらつきがある。そのため、図22中の破線で示したように、タイミングが大幅にずれると原料Mと空気との混合比率が所定範囲内から逸脱する場合もある。
このように、従来の冷菓製造機では、連通孔の大きさを段階的に変えることと、操作者が手動で連通孔の大きさを変えることにより、シリンダ部2内に供給される原料Mと空気との混合比率が安定しないという問題もある。
【0009】
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、原料の液面高さに応じた操作者によるバルブ操作を不要とし、操作の簡素化と衛生面の向上を図ることができる冷菓製造機用の原料供給装置およびそれを備えた冷菓製造機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かくして、本発明によれば、液状の冷菓用原料を貯蔵する原料タンクと、冷菓用原料を空気と共に攪拌冷却して冷菓にするためのシリンダ部と、前記原料タンクおよびシリンダ部を冷却する冷却部とを備えた冷菓製造機に設けられて、前記原料タンクからシリンダ部に供給される冷菓用原料の供給量を調節する原料供給装置であって、原料タンク内の冷菓用原料の液面を自動的に検出する液面検出手段と、検出された液面高さと連動して冷菓用原料のシリンダ部への供給量を調節する供給量調節手段と、シリンダ部へ空気を導入する空気導入手段とを備え、前記液面検出手段は、原料タンク内の冷菓用原料液面に浮上する浮き子であり、前記供給量調節手段は、第1流通孔を有する外筒部および前記第1流通孔と連通可能な第2流通孔を有する前記外筒部に相対的に回転可能な内筒部を有してなる二重筒部と、前記浮き子の上下の変位を前記二重筒部に伝達して前記外筒部と内筒部とを相対的に回転させ、前記第1流通孔と第2流通孔の重なり部分により形成される連通孔の大きさを変化させて原料のシリンダ部への供給量を調整する変位伝達手段とを備えた冷菓製造機用の原料供給装置が提供される。
また、本発明に係る別の観点によれば、液状の冷菓用原料を貯蔵する原料タンクと、冷菓用原料を空気と共に攪拌冷却して冷菓にするためのシリンダ部と、前記原料タンクおよびシリンダ部を冷却する冷却部と、前記冷菓製造機用の原料供給装置とを備えた冷菓製造機が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、液面検出手段により原料タンク内の原料の液面高さが検出され、供給量調節手段によって検出された液面高さと連動して原料のシリンダ部への供給量を調節することができるため、シリンダ部内での原料と空気との混合比率を所定範囲内に自動調整して所望の冷菓を製造することができる。この結果、操作者が原料の液面高さを監視し、液面高さに応じて原料のシリンダ部への供給量を手動でバルブ調節するといった煩雑な操作が不要となる。また、操作者がバルブを操作するためにタンク内へ手を入れる必要がなくなり、衛生面を向上することができる。
さらに、前記液面検出手段は、原料タンク内の原料液面に浮上する浮き子であり、電気的な手段を用いず構造を簡素化し低コストで作製できる。
さらに、供給量調節手段によれば、原料タンク内での浮き子の変位を変位伝達手段にて二重筒部に機械的に伝達して外筒部と内筒部とを相対的に回転させる機構を構成することができる。つまり、外筒部と内筒部とを相対的に回転させるモータといった動力源を用いずに、原料タンク内の原料の液面高さの変位に伴って変位する浮き子の動きを動力として利用することができる。そのため、供給量調節手段を低コストにて作製することができる。
液面検出手段および供給量調節手段は後述の各種タイプのものを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明に係る冷菓製造機の実施の形態1を示す側面側から見た概略構成断面図である。
【図2】図2は実施の形態1における液面検出手段と供給量調節手段と空気導入手段とが組み立てられてユニット化した原料供給装置を示す側面図である。
【図3】図3は実施の形態1における原料供給装置を分解した状態を示す分解図である。
【図4】図4(a)および図4(b)は実施の形態1における連通孔の大きさが小さい状態を示す説明図である。
【図5】図5(a)および図5(b)は実施の形態1における連通孔の大きさが大きい状態を示す説明図である。
【図6】図6は実施の形態1における浮き子が降下した状態を示す側面図である。
【図7】図7(a)および図7(b)は実施の形態1におけるシリンダ部へ原料が供給される状態を示す説明図である。
【図8】図8(a)および図8(b)は実施の形態1におけるシリンダ部へ原料および空気が供給される状態を示す説明図である。
【図9】図9は実施の形態1の冷菓製造機において、原料タンク内の原料の液面降下と、シリンダ部に供給される原料と空気の混合比率との関係を説明する図である。
【図10】図10(a)ないし図10(f)は実施の形態1の変形例1を示す図である。
【図11】図11は実施の形態1の変形例2を示す図である。
【図12】図12は実施の形態1の変形例3を示す図である。
【図13】図13は実施の形態1の変形例3における原料供給装置を示す側面図である。
【図14】図14は実施の形態2の原料供給装置を示す説明図である。
【図15】図15は実施の形態2において、ピンが降下することにより第1流通孔が回転して連通孔が徐々に大きくなることを説明する概念図である。
【図16】図16は実施の形態3の原料供給装置を示す説明図である。
【図17】図17は実施の形態5の原料供給装置を示す説明図である。
【図18】図18は実施の形態5において、ピンが降下することにより外筒部が回転して連通孔が徐々に大きくなることを説明する概念図である。
【図19】図19は従来の冷菓製造機を示す側面側から見た概略構成断面図である。
【図20】図20は図19の材料供給バルブの構造を説明する断面図である。
【図21】図21は図19の材料供給バルブの横断面図である。
【図22】図22は従来の冷菓製造機において、原料タンク内の原料の液面降下と、シリンダ部に供給される原料および空気の量に対する空気の混合比率との関係を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る冷菓製造機用の原料供給装置は、液状の冷菓用原料を貯蔵する原料タンクと、冷菓用原料を空気と共に攪拌冷却して冷菓にするためのシリンダ部と、前記原料タンクおよびシリンダ部を冷却する冷却部とを備えた冷菓製造機に設けられて、前記原料タンクからシリンダ部に供給される冷菓用原料の供給量を調節する原料供給装置であって、原料タンク内の冷菓用原料の液面を自動的に検出する液面検出手段と、検出された液面高さと連動して冷菓用原料のシリンダ部への供給量を調節する供給量調節手段と、シリンダ部へ空気を導入する空気導入手段とを備え、前記液面検出手段は、原料タンク内の冷菓用原料液面に浮上する浮き子であり、前記供給量調節手段は、第1流通孔を有する外筒部および前記第1流通孔と連通可能な第2流通孔を有する前記外筒部に相対的に回転可能な内筒部を有してなる二重筒部と、前記浮き子の上下の変位を前記二重筒部に伝達して前記外筒部と内筒部とを相対的に回転させ、前記第1流通孔と第2流通孔の重なり部分により形成される連通孔の大きさを変化させて原料のシリンダ部への供給量を調整する変位伝達手段とを備えている。
本発明に係る冷菓製造機は、冷却下で原料と空気とを所定範囲内の混合比率で攪拌混合して、微細な気泡が分散したソフトクリームやシェークと呼ばれる飲み物等の冷菓を製造する冷菓製造機である。
【0014】
以下、本発明に係る冷菓製造機用の原料供給装置およびそれを備えた冷菓製造機の各種実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る原料供給装置およびこれを用いた冷菓製造機の実施の形態1を示す側面側から見た概略構成断面図である。
この冷菓製造機は、液状の冷菓用原料Mを貯蔵する原料タンク10と、冷菓用原料Mを空気と共に攪拌冷却して冷菓にするためのシリンダ部20と、原料タンク10およびシリンダ部20を冷却する冷却部とを備え、さらに、前記原料タンク10からシリンダ部20に供給される冷菓用原料Mの供給量を調節する原料供給装置F1とを備える。
【0016】
原料タンク10は、蓋体10aによって開閉される上方開口部を有すると共に、底部に原料導入路11を有し、原料導入路11がシリンダ部20に接続されている。また、原料タンク10の底部の底面上に、モータによって回転して原料タンク10内の原料Mを攪拌する図示しないインペラが設けられている。
また、シリンダ部20は、内部に供給された原料Mと空気とを攪拌混合する螺旋状の攪拌羽根を有するダッシャ21と、ダッシャ21を回転駆動するモータ22と、内部で製造された冷菓Sを取り出す取出部23とを有する。シリンダ部20内の冷菓Sは、ダッシャ21が回転した状態で取出部23の抽出路を開放することにより取り出される。
本実施の形態において、冷却部は、特定の構成を要するものに限定されず、例えば、原料タンク10およびシリンダ部20の周囲に配設された蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁などにより構成された冷凍サイクルである。
なお、原料タンク10、シリンダ部20および冷却部は、図19で説明した従来の冷菓製造機と同様の構成とすることができる。
【0017】
原料タンク10内に設けられた原料供給装置F1は、タンク内の原料Mの液面Lを自動的に検出する液面検出手段40と、検出された液面高さと連動して原料Mのシリンダ部20への供給量を調節する供給量調節手段50と、シリンダ部20へ空気を導入する空気導入手段60とを備えている。
【0018】
図2は、液面検出手段40と供給量調節手段50と空気導入手段60とが組み立てられてユニット化した原料供給装置F1を示す側面図である。図3はこの原料供給装置F1を分解した状態を示す分解図である。
図1ないし図3に示すように、空気導入手段60は、上部に外気取入口61aを有し、この外気取入口61aから原料タンク10内を通ってシリンダ部20内まで連通した垂直管61である。この垂直管61は、その下端が原料タンク10の原料導入路11に差し込まれる。垂直管61は、Oリング9を嵌合するための凹周溝61bを有すると共に、凹周溝61bよりも少し上に原料タンク10の底部に当接する外フランジ61cを有している。Oリング9は、原料タンク10内の原料Mが、後述の連通孔以外からシリンダ部20に供給されるのを防止する。
【0019】
液面検出手段40は、原料タンク10内の原料液面Lに浮上する浮き子41である。浮き子41は、前記垂直管61を挿通させる穴を有するリング状であり、円い容器状の浮き子本体42と、浮き子本体42に嵌め込まれて上方開口部を施蓋する蓋体43とからなる。
浮き子本体42は、中心に垂直管61を挿通させるための円筒部42aを有すると共に、底面には円筒部42aを横切る方向に形成された凹所42bを有している。
また、浮き子本体42の外周面における凹所42bの上方位置で、かつ同一軸心上には、第1水平軸156aが一対設けられている。この一対の第1水平軸156aは、後述のリンク機構155の第1アーム157を浮き子41に揺動可能に取り付けるための軸である。
また、蓋体43は、短円筒部43aと外周壁部43bを有している。短円筒部43aは、蓋体43の中心に垂直管61を挿通させかつ円筒部42aと嵌合する。外周壁部43bは、蓋体43の外周縁に沿って垂設されて浮き子本体42の外周上縁と嵌合する。
【0020】
供給量調節手段50は、図1および図2に示すように、二重筒部51と変位伝達手段であるリンク機構155とを備えて構成されている。
二重筒部51は、図1ないし図3に示すように、第2流通孔53aを有する内筒部53と、第2流通孔53aと連通可能な第1流通孔52aを有する外筒部52とを備える。外筒部52は、内筒部53が外筒部52に相対的に回転可能に嵌め込まれる。
この二重筒部51は、その一端が開口して前記垂直管61と連通して原料タンク10内の底部付近に水平方向に延びる。さらに、二重筒部51は、その他端は閉口している。
【0021】
さらに詳しく説明すると、内筒部53は、その一端が垂直管61に連通連結されると共に、他端は開口している。また、内筒部53は、下部に第2流通孔53aが配置されると共に、上部外周面には軸心方向に突条53bを有している。
一方、外筒部52は、開口した一端側から内筒部53に嵌め込まれ、他端は閉口しており、その外筒部52の閉口した端部に第2水平軸156bが一体状に設けられている。
この第2水平軸156bは、後述のリンク機構155の第2アーム158を外筒部52に取り付け、かつリンク機構155からの伝達力を外筒部52に伝達するための軸である。そのため、第2水平軸156bは、円い軸ではなく、例えば二等辺三角柱状に形成されている。
また、外筒部52は、内筒部53の第2流通孔53aと連通可能なように下部に第1流通孔52aを有すると共に、第1流通孔52aと反対側の内周面に凹部52bを有している。凹部52bは、内筒部53の前記突条53bを受け入れると共に、周方向に所定範囲で形成されている。
このように構成された二重筒部51は、外筒部52が内筒部53の外側にほぼ隙間無く、かつ回転可能に嵌めこまれている。
【0022】
また、第2水平軸156bから垂直管61の反対側には、垂直管61の外周面から水平方向に支持杆159が延設される。さらに、支持杆159の端部には、第2水平軸156bの軸心と一致する軸心を有する副第2水平軸1156bが設けられている。この副第2水平軸1156bは、リンク機構155の前記第2アーム158を揺動可能に支持するための軸である。
【0023】
図4は本実施の形態における連通孔の大きさが小さい状態を示す説明図であり、図5は
本実施の形態における連通孔の大きさが大きい状態を示す説明図である。
図4に示すように、内筒部53の第2流通孔53aは軸心方向に延びる長孔状に形成されており、一方、外筒部52の第1流通孔52aは略三角形状に形成されている。このように構成された二重筒部51は、外筒部52の第1流通孔52aと内筒部53の第2流通孔53aとが重なって形成された連通孔51aを有している。
この二重筒部51によれば、図4に示した状態から外筒部52が矢印A方向に回転することにより、第1流通孔52aの位置が移動して、図5に示すように、前記連通孔51aの大きさが変化する。このとき、第2流通孔53aに対する第1流通孔52aの移動は、外筒部52の凹部52bの周方向端面が内筒部53の突条53bに当ることにより規制される。
【0024】
図1に示すように、原料タンク10内の原料Mの液面Lが高い状態のときには、第1流通孔52aと第2流通孔53aとの位置関係は、図4に示すように、連通孔51aの大きさが小さい状態となる。一方、液面が原料タンクの底部付近まで降下した状態のときには、図5に示すように、連通孔51aの大きさが大きい状態となる。
したがって、原料液面Lの高さに応じた第1流通孔52aと第2流通孔53aとの位置関係および連通孔51aの大きさが上述のようになるよう、内筒部53における第2流通孔53aの形状、大きさおよび突条53bの幅、外筒部52における第1流通孔52aの形成位置、形状、大きさおよび凹部52bの大きさ等が考慮される。
【0025】
図1ないし図3に示すように、供給量調節手段50において、変位伝達手段である前記リンク機構155は、浮き子1の原料液面Lの高さに応じて上下する運動を、外筒部52と内筒部53との相対的な水平軸心廻りの回転運動に変換し、それによって二重筒部51の連通孔51a(図4および図5参照)の大きさを上述のように変化させる。つまり、リンク機構155は、原料Mのシリンダ部20への供給量を調整するように、上述のように連通孔51aの大きさを変化させるよう構成されている。
【0026】
このリンク機構155は、図3に示すように、両端に枢着部を有する第1アーム157と、両端に枢着部を有する第2アーム158とを備える。前記第1アーム157の一端の前記枢着部と前記第2アーム158の一端の前記枢着部とが相互に揺動可能に枢着する。第1アーム157の他端の前記枢着部は前記第1水平軸156aに揺動可能に枢着する。第2アーム158の他端の前記枢着部は前記外筒部52を回動可能として前記第2水平軸156bに取り付けられている。
【0027】
第1アーム157は、一端側に二股部157aを有する略Y字状に形成されており、他端側には直角に折れ曲った屈曲部157bを有している。そして、二股部157aの両端に一対の第1水平軸156aを相対的に回転可能に挿入する枢着部としての軸孔157cが形成されている。また、屈曲部157bの端部に軸状の枢着部156cが一体的に形成されている。
【0028】
第2アーム158も第1アーム157と同様に、一端側に二股部158aを有する略Y字状に形成されており、二股部158aとは反対側の部分に一対の平行直線部158bを有している。
二股部158aの一方の端部に、二等辺三角柱形の前記第2水平軸156bと嵌合する枢着部としての三角孔158cが形成されると共に、二股部158aの他方の端部に、副第2水平軸1156bを二股部158aの他方の端部に対して回転可能に挿入する枢着部としての軸孔158dが形成されている。二股部158aは外筒部52が内筒部53から抜けることを防止している。
また、一対の平行直線部158bの端部には、軸状の枢着部156cを平行直線部158bの端部に対して回転可能に挿入する孔状の枢着部158eが形成されており、一対の平行直線部158bが第1アーム157の枢着部156cを枢支した状態で挟持する。また、一対の平行直線部158bにおける枢着部158eが設けられた端部対向面には、枢着部158eから平行直線部158bに対して垂直上方へ向かうにつれて深くなる一対のテーパ溝158fが形成されている。枢着部156cの軸先端を各テーパ溝158fに沿って移動させ、かつ一対の平行直線部158bの間が弾性変形により広がることにより、枢着部156cを枢着部158eに容易に差し込むことができる。
【0029】
このように構成されたリンク機構155によれば、図1および図2に示すように、原料タンク10内に原料Mが上部まで満たされて浮き子41が上方位置にあるときは、第1・第2アーム157、158がLの字形に折れ曲って相互に連結された姿勢を呈している。
原料タンク10内の原料Mがシリンダ部20に供給されると、液面Lが徐々に降下する。それに伴って、図6に示すように、浮き子41が徐々に降下していくことにより、第2アーム158が第2水平軸156bに対して下方(矢印A方向)へ揺動して、第1アーム157と第2アーム158とが互いに接近した状態となる。
第2アーム158が下方に揺動することにより、第2アーム158と連結された二重筒部51の外筒部52も矢印A方向に回転し、第1流通孔52aが第2流通孔53aに対して図4の状態から図5の状態に移動して連通孔51aの大きさが徐々に大きくなる。なお、図6は本実施の形態における浮き子が降下した状態を示す側面図である。
【0030】
また、図6に示すように、リンク機構155の屈曲部157bは、第1アーム157と第2アーム158とが相互に干渉するのを防止し、さらに、凹所42bは、浮き子41の底面が二重筒部51に当るのを防ぐために隙間を形成することにより、浮き子41が原料タンク10の底部付近乃至底部まで降下することが可能となる。
したがって、本実施の形態では、浮き子41の底面がフラットである場合と比較して、第2アーム158の揺動ストロークが大きくなり、それに伴って外筒部52の回転可能な範囲も広くなる。この結果、第2流通孔53aに対する第1流通孔52aの長い移動ストロークを確保することができるため、液面降下に伴う連通孔51aの大きさの変化量が急激にならず緩やかなものにし易くなる。
また、浮き子41が原料タンク10の底部付近乃至底部まで降下することが可能であることに加え、連通孔51aが二重筒部51の下部に配置されていることにより、原料タンク10内の原料の液面Lが底部付近まで降下してもシリンダ部20へ原料を供給することができる。
【0031】
このように構成された原料供給装置F1は、例えば、ポリアセタール等のプラスチック、あるいはステンレス等の金属にて形成することができる。
【0032】
次に、実施の形態1の冷菓製造機における原料タンク10からシリンダ部20へ原料が供給される状態を説明する。図7は、実施の形態1におけるシリンダ部へ原料が供給される状態を示す説明図であり、図8は、実施の形態1におけるシリンダ部へ原料および空気が供給される状態を示す説明図である。
図1に示す冷菓製造機において、シリンダ部20内には、冷却下で原料と空気とが所定範囲内の混合比率、例えばソフトクリームの場合は原料と空気とが体積比で7:3程度の割合で攪拌混合されて製造された冷菓Sが貯蔵される。さらに、図1に示す冷菓製造機において、原料Mが原料タンク10内に上限高さ付近まで貯蔵された状態にあるとき、図7(a)に示すように、垂直管61内には、原料タンク10内の液面Lの高さと同じ高さまで原料Mが流入している。このとき、二重筒部51における外筒部52の第1流通孔52aと内筒部53の第2流通孔53aとが重なって形成された連通孔51aは、図4に示すように小さいサイズを有している。
【0033】
取出部23の抽出路を開放し、シリンダ部20内のダッシャ21を回転させることにより、所定量の冷菓Sが取り出される。このとき、図7(b)に示すように、シリンダ部20内が負圧となるため、先ず垂直管61内の原料Mがシリンダ部20内に負圧による吸引作用で流入していく。これに伴い、垂直管61内の原料Mの液面L1が降下していく。
垂直管61内の原料Mの液面L1が降下していくと、原料タンク10内の原料Mの液面Lの高さと垂直管61内の原料Mの液面Lの高さとの差および原料Mの固有の比重等の関係から、二重筒部51内の原料Mにより連通孔51aにかかる圧力よりも、原料タンク10内の原料Mにより連通孔51aにかかる圧力が徐々に大きくなっていく。この結果、原料タンク10内の原料Mが二重筒部61の連通孔51aに流入していく(図8(a)参照)。
さらに冷菓Sが取り出されると、垂直管61内の原料Mの液面L1が下がってシリンダ部20内部に達する。これに伴って、図8(a)に示すように、原料タンク10から連通孔51aを流れる原料Mと垂直管61内の空気がシリンダ部20内に流入し、シリンダ部20内で原料Mと空気が冷却下で攪拌混合されて冷菓が形成される。このとき、シリンダ部20内に流入した空気は原料Mとの混合により冷菓中に取り込まれる。
【0034】
そして、冷菓Sの取り出しが終了すると、図8(b)に示すように、シリンダ部20内へ原料Mおよび空気が流入しなくなり、原料タンク10内の原料Mの液面Lと同じ高さになるまで垂直管61内に原料が流入する。
冷菓取出しの間、原料タンク10内の原料Mの液面Lが降下すると、図1に示す浮き子41も降下する。浮き子41が降下することにより、上述のようなリンク機構155の動作により第2アーム158の揺動量に相当する回転量で外筒部52が回転し、連通孔51aが連続的に大きくなっていく。
したがって、原料タンク10内の原料液面Lが連続的に降下し、それによって原料タンク10内の原料Mにより連通孔51aにかかる圧力が徐々に低下しても、連通孔51aを通る原料Mの流量は所定範囲から外れることがない。この結果、シリンダ部20内に流入する原料Mと空気の混合比率は所定範囲から外れることがない。
【0035】
このようにしてシリンダ部20から冷菓Sを所定量ずつ複数回で取り出していくことにより、原料タンク10内の原料Mの液面Lの高さは徐々に降下していく。この間の冷菓Sの取り出し停止時には、図8(b)を用いて説明したように、原料が垂直管61内に原料タンク10内の原料液面Lの高さと同じ高さまで流入するが、冷菓Sを取り出す毎に垂直管61内の原料液面L1の高さは減少する。つまり、冷菓Sを取り出す毎に、冷菓取出し時にシリンダ部20に導入される垂直管61内の原料Mの量は減少する。
本発明に係る原料供給装置は、このような垂直管61内の原料Mの量も考慮している。つまり、原料供給装置において、原料タンク10内の原料液面Lの高さ、および冷菓Sを取り出していない時の垂直管61内の原料液面L1の高さが冷菓取出し開始時毎に異なっていても、原料Mと空気が所定範囲内の混合比率となるような連通孔51aの大きさおよびその変化量で設計される。これにより、二重筒部51に流入する原料Mの流量を、シリンダ部20内に原料Mと空気が適切な割合で供給される流量に自動的に調整できる。
【0036】
本発明に係る原料供給装置およびこれを用いた冷菓製造機では、このように冷菓Sを取り出していくことにより原料タンク10内の原料Mが減少し、原料液面Lが連通孔51aよりも下がると、原料Mはシリンダ部20内に供給されなくなる。そのため、液面Lが連通孔51aよりも上の時点、例えば二重筒部51が空気中に液面Lよりも上で露出した時点で、操作者が原料タンク10内に原料Mを補給することが好ましい。なお、原料Mを補給することにより、浮き子41が上昇し、それに伴って供給量調節手段50は浮き子41の降下時とは反対の動作をして連通孔51aの大きさは図5に示す大きい状態から図4に示す小さい状態に戻る。
【0037】
また、一般に、この種の冷菓製造機では、冷却部を冷凍サイクルとは逆の加熱サイクルで作動させて原料タンク10およびシリンダ部20を原料Mが変質しない温度で加熱することにより、原料Mおよび冷菓Sを加熱殺菌することができる。このとき、例えば、上端に外鍔を有する遮蔽筒を垂直管61に挿入して二重筒部51と垂直管61との連通を遮断する。この遮断は、シリンダ部20内の冷菓Sが溶けて原料Mと空気に分離し、そのためシリンダ部20内にスペースが形成されても連通孔51aを介して原料タンク10内の原料Mをシリンダ部20内へ流入させないようにするためである。
【0038】
このように構成された実施の形態1の原料供給装置F1によれば、以下の効果を奏する。
(効果1−1)
浮き子41により原料タンク10内の原料Mの液面Lの高さが検出され、リンク機構155が検出された液面Lの高さと連動する。さらに、外筒部52が内筒部53に対して回転して連通孔51aの大きさが調整されることにより、原料Mのシリンダ部20への供給量が調節される。これにより、シリンダ部20内での原料Mと空気との混合比率が所定範囲内に自動調整され、所望の冷菓を製造することができる。
それに加え、操作者が原料Mの液面Lの高さを監視し、液面Lの高さに応じて原料Mのシリンダ部20への供給量を手動でバルブ調節するといった煩雑な操作が不要となる。さらに、操作者がバルブを操作するために原料タンク10内へ手を入れる必要がなくなり、衛生面を向上することができる。
また、図9に示すように、原料タンク10内の原料Mの液面Lが低下するにつれて連通孔の大きさが自動的かつ連続的に大きく変化するため、二重筒部51内に流入する原料Mの流量は安定している。したがって、シリンダ部2内に供給される原料Mと空気との混合比率が所定範囲内から逸脱することが防止される。なお、図9において、混合比率を示すグラフ線は、説明を容易とするために一定比率の直線で示しているが、所定範囲内であれば直線以外でも問題はない。
【0039】
(効果1−2)
また、液面検出手段は、原料タンク10内の原料液面Lに浮上する浮き子41であるため、電気的な手段を用いず構造を簡素化し低コストで作製できる。
さらに、供給量調節手段としては、原料タンク10内での浮き子41の変位を変位伝達手段にて二重筒部61に機械的に伝達して外筒部52と内筒部53とを相対的に回転させる機構を用い、外筒部52と内筒部53とを相対的に回転させるモータといった動力源を用いない。つまり、供給量調節手段としては、原料タンク10内の原料液面Lの高さの変位に伴って変位する浮き子41の動きを動力として利用することができる機構を構成することが可能である。したがって、供給量調節手段を電気的な手段を用いず構造を簡素化し低コストにて作製することができる。
【0040】
(効果1−3)
また、変位伝達手段はリンク機構155であることにより、浮き子41の上下変位を回転方向の力にスムーズに変換して外筒部52に確実に伝達することができる。
さらに、浮き子41の穴に垂直管61を挿通させて浮き子41を原料液面L上で自由に浮遊させず、第1水平軸156aを第2水平軸156bの略直上位置に維持させることができる。これによって、外筒部52が原料液面Lの上下変位に応じた回転量で高精度に回転することができるようリンク機構155を動作させることができる。
(効果1−4)
空気導入手段として垂直管61を用いることにより、空気をシリンダ部20へ導入する手段を別に設ける必要がなく、原料供給装置F1の構造を簡素化することができる。
(効果1−5)
連通孔51aが二重筒部51の下部に配置されていることにより、原料タンク10内の原料の液面Lが底部付近まで降下しても安定してシリンダ部へ原料を供給することができる。
【0041】
本実施の形態1は、以下のように変更することができる。
(実施の形態1の変形例1)
図10は、実施の形態1の変形例1を示す図である。実施の形態1における二重筒部の第1および第2流通孔は、例えば図10(a)〜10(f)に示すような形状としてもよい。
図10(a)は、外筒部152の第1流通孔152aと内筒部153の第2流通孔153aがともに同じ二等辺三角形で、かつ各三角形が同じ向きに配置された場合を例示している。なお、各流通孔の形状は二等辺三角形以外にも、正三角形、直角三角形等に適宜変更できる。
図10(b)は、外筒部252の第1流通孔252aと内筒部253の第2流通孔253aがともに同じ二等辺三角形で、かつ各三角形が逆向きに配置された場合を例示している。
図10(c)は、外筒部352の第1流通孔352aと内筒部353の第2流通孔353aがともに周方向に延びる同じ長円形の場合を例示している。なお、各流通孔の形状は長円形以外にも、楕円形、液滴形等に適宜変更できる。
【0042】
図10(d)は、外筒部452の第1流通孔452aと内筒部453の第2流通孔453aがともに同じ正方形の場合を例示している。なお、各流通孔の形状は正方形以外にも、長方形、ひし形、五角形、六角形等の多角形に適宜変更できる。
図10(e)は、外筒部552の第1流通孔552aと内筒部553の第2流通孔553aがともに同じ円形の場合を例示している。
図10(f)は、外筒部652の第1流通孔652aと内筒部653の第2流通孔653aがともに周方向に延びる同じ長孔で、かつ筒軸方向に2つずつ並んで配置された場合を例示している。なお、各流通孔の数は3つ以上に適宜変更でき、また各孔の大きさを異ならせてもよい。
【0043】
また、図示省略するが、第1および第2流通孔は、二重筒部の端面に配置してもよい。この場合、内筒部の端部を外筒部と同様に閉口し、その閉口した内筒部および外筒部の端壁における第2水平軸の周囲に第1および第2流通孔を形成する。第1および第2流通孔の形状は、前記のような三角形、四角形、円形等に加え円弧状とすることができる。
なお、第1および第2流通孔の形状および組み合わせは前記に限定されず、第1流通孔と第2流通孔は異なる形状および数で組み合わせてもよい。
【0044】
(実施の形態1の変形例2)
図11は、実施の形態1の変形例2を示す図である。実施の形態1におけるリンク機構の第2水平軸156bは、図11に示すように、二重筒部の内筒部753に設けてもよい。この場合、開口した両端を有する外筒部752の一端を垂直管と連通連結する。また、内筒部753は、その一端を外筒部752の内径よりも大きい外径の端壁753aで閉口し、この端壁753aに第2水平軸156bを一体的に形成する。そして、内筒部753の開口した端部を外筒部752に挿入して取り付ける。なお、外筒部752および内筒部753の下部には第1流通孔752aおよび第2流通孔753aが形成されている。また、内筒部753の回転範囲を規定するために、外筒部752の開口部側および内筒部753の端壁753a側に、図3を用いて説明したような凹部および突条を設けることが好ましい。
【0045】
(実施の形態1の変形例3)
図12は、実施の形態1の変形例3を示す図である。図13は、実施の形態1の変形例3における原料供給装置を示す側面図である。
図12に示すように、リンク機構は複数対の第1水平軸156aが上下方向に設けられていてもよい。このようにすれば、図13に示すように、上下位置が異なる複数の第1水平軸156aのうちから一対の第1水平軸156aを選択して第1アーム157を枢着することにより、浮き子41に対する軸孔157c(図3参照)の高さを変更することができ、リンク機構155における第1アーム157と第2アーム158とがなす取付角度を変更することができる。
この結果、浮き子41が同じ高さ位置であっても、選択した第1水平軸156aの位置によって二重筒部51の連通孔の大きさを異ならせることができる。例えば、使用する原料Mの粘度が高い場合、粘度が低い場合よりも連通孔の大きさを幾分大きくするといった対応ができる。それに加え、選択した第1水平軸156aの位置によって、浮き子の下降量に対する連通孔の大きさの変化量も変化させることが可能である。
【0046】
(実施の形態1の変形例4)
図1、図2等に示した浮き子41は、垂直管61から水平方向に離脱しない程度の穴を有していればよい。そのため、浮き子41はリング状に限らず、C字形や馬蹄形等とすることができる。また、浮き子41は、例えば発泡プラスチックなどの発泡体にて形成してもよい。
また、原料タンク10内の原料液面Lに浮上する浮き子41の浮力は、浮き子41の重量および浮き子41内の空気量等によって決る。そのため、浮き子41に浮力調整用の錘を装着すること、あるいは浮き子本体42に水を入れるなどにより、前記変形例3と同様の効果、すなわち原料液面Lに対する第1水平軸156aの位置を変更することが可能である。
【0047】
(実施の形態1の変形例5)
図1ないし図3および図6では、リンク機構155の第1アーム157に屈曲部157bを設けた場合を例示したが、第2アーム158に屈曲部を設けてもよく、あるいは第1アーム157と第2アーム158の両方に屈曲部を設けてもよい。また、屈曲部は直角な折曲り形状でなくとも湾曲状であってもよい。
【0048】
(実施の形態1の変形例6)
図1ないし図3および図6では、リンク機構として第1アーム157および第2アーム158を用いる場合を示したが、単一のアームを用いてもよい。この場合、単一のアームはその長さ方向の両端に軸孔157cおよび軸孔158c、158dが設けられ、両端間の長さが、第3水平軸156cから軸孔157cまでの距離と、軸孔158c、158dから軸孔158eまでの距離との合計に略等しい。この場合、浮き子41が降下する際には垂直管61に摺動せず、垂直管61から離れる。そのため、浮き子41は円筒部42aおよび凹所42bを有する必要はない。
【0049】
(実施の形態2)
実施の形態2は、冷菓製造機の原料供給装置が、液面検出手段と供給量調節手段と空気導入手段とを備える点では実施の形態1と同様であるが、その構造が前記実施の形態1とは異なる。以下、実施の形態2が実施の形態1とは異なる点を主として説明する。
【0050】
図14は、実施の形態2の原料供給装置F2を示す説明図であり、図15は、実施の形態2において、ピン85が降下することにより第1流通孔81aが回転して連通孔86が徐々に大きくなることを説明する概念図である。
この原料供給装置F2において、液面検出手段は、原料タンク10内の冷菓用原料液面に浮上するリング状の浮き子241である。浮き子241は扁平な底部を有し、実施の形態1の浮き子41の凹所42bを有さない(図1及び図3参照)。
【0051】
供給量調節手段は、図14および図15に示すように、二重筒部80と変位伝達手段とを備える。
二重筒部80は、第1流通孔81aを有する外筒部81および第1流通孔81aと連通可能な第2流通孔82aを有する外筒部81に相対的に回転可能な内筒部82を有してなる。連通孔86は、第1流通孔81aと第2流通孔82aとが相互に重なった部分から形成される。
変位伝達手段は、浮き子241の上下の変位を二重筒部80に伝達して、外筒部81と内筒部82とを相対的に回転させ、前記連通孔86の大きさを変化させて原料のシリンダ部への供給量を調整する。
なお、図14は、内筒部82から外筒部81を抜き取った状態を示しており、内筒部82の下端は原料タンク10の底部の原料導入路に液密状態に接続される。
【0052】
さらに詳しく説明すると、外筒部81は、原料タンク10の底部から上部まで延びる垂直管である。内筒部82も垂直管であって、下端に原料タンク10の底部に当接する外フランジを有すると共に、外フランジよりも下部には原料タンク10の原料導入路に差し込まれた際にシールするOリングを嵌め込むための凹周溝を有している。
内筒部82を外筒部81に挿入して組み立てられる二重筒部80は、上部に外気取入口を有し、原料タンク10内に垂直方向に取り付けられる。原料タンク10内に取り付けられた二重筒部80において、外気取入口はシリンダ部内に連通接続され、それによって二重筒部80は空気導入手段としての役目をする。
【0053】
また、実施の形態2における変位伝達手段は、浮き子241が原料液面高さに応じて上下する運動を、外筒部81と内筒部82との相対的な回転運動に変換する運動方向変換機構である。
この運動方向変換機構は、外筒部81および内筒部82の周壁に形成された各々異なるガイドスリットと、浮き子241に取り付けられて各ガイドスリットに挿入された金属製または硬質プラスチック製のピン85とを備える。
外筒部81に形成されたガイドスリットは、例えば、筒長手方向に延びる縦ガイドスリットであって前記第1流通孔81aを兼ねる。内筒部82に形成されたガイドスリット84は、例えば、螺旋ガイドスリットであって前記第2流通孔82aを兼ねている。換言すると、第1流通孔81aおよび第2流通孔82aはピン85の移動方向をガイドする機能も有している。
【0054】
ピン85の浮き子241への取り付けは、浮き子241の底面に設けたL字片形の取付部87にネジ孔を形成すると共に、雄ネジを有するピン85をネジ孔に螺着することにより着脱可能に取り付けることができる。このようにすれば、浮き子241の穴に二重筒部80を挿入した後、ピン85を取付部87に取り付けて第1および第2流通孔81a、82aに挿入させて組み立てることができる。
【0055】
さらに、図14および図15に示すように、第2流通孔82aは、下方に向かうにつれて広くなる幅を有している。浮き子241の降下に伴って前記ピン85が第1流通孔81aおよび第2流通孔82aに沿って降下することにより、外筒部81と内筒部83とが相対的に回転する。これにより、ピン85が挿入されている第1流通孔81aと第2流通孔82aの重なり部分により形成される連通孔86の大きさが徐々に大きくなる。
実施の形態2において、図14および図15に示すように、内筒部82は原料タンク10に固定されているので、浮き子241の降下に伴って、ピン85が取り付けられた浮き子241と共に外筒部81が回転する。外筒部81の回転に伴って、連通孔86の位置が降下すると共に、連通孔86が徐々に大きくなる。
【0056】
このように構成された実施の形態2では、図1、図14および図15を参照しながら説明すると、原料タンク10内の原料液面Lからピン85が存在する位置である連通孔86までの距離は、原料液面Lの高さが変化しても一定となる。したがって、原料液面Lの高さが変化しても、連通孔86は、連通孔86から原料液面L付近までの距離をほぼ一定に維持する位置にある。
実施の形態2の冷菓製造機から冷菓Sを取り出すことにより、まず、二重筒部80内の原料Mがシリンダ部20内のスペースに流入する。それから、二重筒部80内の原料液面Lが降下して連通孔86に達すると、原料タンク10内の原料Mが連通孔86を通って二重筒部80内へ流入し始める。原料導入路11内の原料液面Lがシリンダ部20内に達すると、シリンダ部20内に空気も供給され、原料Mと空気が攪拌冷却される。そして、冷菓Sの取り出しが終了すると、二重筒部80内に流入し続けている原料Mの液面Lが原料タンク10内の原料液面Lと同じ高さまで上昇する。
【0057】
この間、原料タンク10内の原料液面Lの降下に伴って、ピン85が螺旋状の第2流通孔82aおよびストレートな第1流通孔81aに沿って降下しながら回転するため、連通孔86の大きさが徐々に大きくなり、二重筒部80内に流入する原料タンク10内の原料Mの流量も徐々に大きくなっている。
実施の形態2の場合、原料タンク10内の原料液面Lから連通孔86までの距離はほとんど変化しないため、原料タンク10内の原料液面Lの高さが変化しても、原料タンク10内の原料Mにより連通孔86にかかる圧力は概ね一定に維持される。しかしながら、二重筒部80内の原料Mの量は、原料タンク10内の原料液面Lの高さによって変動する。つまり、冷菓取出し時毎に原料タンク10内の原料液面Lの高さが低くなると、シリンダ部20内へ流入する二重筒部80内の原料Mの量は減少する。
【0058】
このような二重筒部80内の原料Mの減少を補うために、実施の形態2では、第2流通孔86の幅を下方に向かうにつれて広くし、それによって二重筒部80内に流入する原料タンク10内の原料Mの流量を増加させ、それによってシリンダ部20内に供給される原料Mと空気の混合比率を所定範囲内に維持するようにしている。
したがって、実施の形態2において、螺旋ガイドスリットである第2流通孔82aの幅の増加率、第1流通孔81aの幅、ピン85の直径等は、シリンダ部20内に供給される原料Mと空気の混合比率が所定範囲内に維持されることを考慮して設計される。
【0059】
実施の形態2によれば、実施の形態1の前記効果1−1および1−2と同様の効果を奏すると共に、以下の効果を奏する。
(効果2−1)
二重筒部80が空気導入手段を兼ねている。それに加え、変位伝達手段が、浮き子241に取り付けられたピン85と、外筒部81および内筒部82の周壁に形成された各々異なるガイドスリットとによって構成される。そのため、部品点数が少なく簡素な構成で低コストにて原料供給装置を作製することができる。
【0060】
本実施の形態2は、以下のように変更することができる。
(実施の形態2の変形例1)
ピン85を浮き子241に取り付けるL字片形の取付部87に上下複数のネジ孔を形成することができ、ピン85の取付高さ位置を変更することができる。
このようにすれば、浮き子241が同じ高さ位置であっても、選択されたピン85の取付高さ位置によって二重筒部80の連通孔86の大きさを異ならせることができる。例えば、原料Mの粘度が高い場合、粘度が低い場合よりも連通孔86の大きさをある程度大きくするといった対応ができる。
あるいは、実施の形態1の変形例4のように、浮き子241内に錘または水を入れて浮力を調節することにより、原料タンク10内の原料液面Lに対するピン85の位置を変更するようにしてもよい。
【0061】
(実施の形態2の変形例2)
ピンをコイルスプリングにて構成する、あるいはゴムや弾性プラスチック等からなる弾性材料にて形成し、浮き子241に固定することができる。このようにすれば、浮き子241の二重筒部80への組み付けおよび取り外しにおいて、ピンが弾性変形して邪魔とならない。
さらにこの場合、外筒部81に第1流通孔81aと同じ流通孔を180°の対向位置にもう1つ形成すると共に、内筒部82に第2流通孔82aと同じ流通孔を180°の対向位置にもう1つ形成し、かつピンも180°の対向位置に一対設けることができる。このようにすれば、1つのピンにかかる負荷を低減することが可能となる。あるいは、内筒部82に追加する流通孔の代りに、内筒部82の周壁を貫通しないピン案内用溝を用いてもよい。なお、この構成は金属製や硬質プラスチック製のピンにも適用可能である。
【0062】
(実施の形態2の変形例3)
内筒部82の第2流通孔82aの幅を一定とし、外筒部81の第1流通孔81aの幅を下方へ向かうにつれて広くすることができる。
あるいは、第2流通孔82aの幅および第1流通孔81aの幅を共に下方へ向かうにつれて広くすることができる。
【0063】
(実施の形態3)
図16は、実施の形態3の原料供給装置F3を示す説明図である。
この実施の形態3は、二重筒部180における外筒部181に、ガイドスリットを兼ねる螺旋状の第1流通孔181aを形成し、内筒部182に、ガイドスリットを兼ねるストレートな第2流通孔182aを形成した点が実施の形態2とは異なり、その他の構成は実施の形態2と概ね同様である。なお、図16において、実施の形態2と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0064】
この場合、図16に示すように、少なくとも第1流通孔181aと第2流通孔182aのいずれか一方を下方へ向かうにつれて幅広く形成する。
実施の形態3の原料供給装置F3では、ピン85が内筒部182の第2流通孔182aに沿って真っ直ぐ降下し、ピン85に摺接する第1流通孔181aの縁部が周方向の力を受けることにより、外筒部181が回転する。そして、ピン85が挿入された連通孔86(図15参照)が徐々に大きくなり、実施の形態2と同様に、原料タンク10内から二重筒部180へ流入する原料Mの流量が増加していく。
実施の形態3によれば、実施の形態1の前記効果1−1、1−2および実施の形態2の前記効果2−1と同様の効果を奏する。
【0065】
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3は、実施の形態2の変形例1、2および3を適用することができる。
【0066】
(実施の形態4)
実施の形態4は、二重筒部を原料タンクの原料導入路に接続する構造が図14および図16で示した実施の形態2および3とは異なる以外は、実施の形態2および3と同じである。
つまり、例えば実施の形態2を用いて説明すると(実施の形態3も同様)、実施の形態2では、二重筒部80における内筒部82を原料タンク10の原料導入路11に接続固定し、外筒部81を回転させるように構成したが、実施の形態4では、外筒部81を原料タンク10の原料導入路11に接続固定し、内筒部82を回転させる。
この実施の形態4では、原料タンク10の底部と当接する外フランジおよびOリング用の凹周溝を外筒部81の下部に形成する。なお、外筒部および内筒部にそれぞれ形成する流通孔81aおよび82aや、浮き子241へのピン85の取付構造等は実施の形態2と同様である。
実施の形態4によれば、実施の形態1の前記効果1−1、1−2および実施の形態2の前記効果2−1と同様の効果を奏する。
また、実施の形態4では、実施の形態2の変形例1ないし3を適用することができる。
【0067】
(実施の形態5)
図17は、実施の形態5の原料供給装置F5を示す説明図である。
この実施の形態5は、浮き子241およびピン85を備える実施の形態2および3と類似する構成であるが、浮き子241が原料液面Lの高さに応じて上下する運動を外筒部281と内筒部282との相対的な回転運動に変換する運動方向変換機構と、二重筒部280の第1流通孔281aおよび第2流通孔282aが実施の形態2および3とは異なる。なお、図17において、実施の形態2および3と同一の構成要素には同一の符号を付している。
以下、実施の形態5が実施の形態2および3と異なる点を主として説明する。
【0068】
実施の形態5の運動方向変換機構は、外筒部281の周壁に形成された軸心方向の縦ガイドスリット283と、内筒部282の周壁に斜めに形成された斜めガイド溝285と、浮き子241に着脱可能に取り付けられたピン185とを備える。
ピン185は、縦ガイドスリット283に挿入され、かつその先端が斜めガイド溝285に沿ってスライドすることができる。
二重筒部280において、内筒部282に形成された斜めガイド溝285の周方向の範囲が、外筒部281と内筒部282との相対的な回転範囲となる。
また、第1流通孔281aは、外筒部281の周壁下部における縦ガイドスリット283の無い位置に、例えば周方向に長い長孔状に形成される。第2流通孔282aは、内筒部282の周壁下部における斜めガイド溝285の無い位置に、例えば周方向に長い長孔状に形成される。第1流通孔281aと第2流通孔282aは同じ高さ位置で、かつ外筒部281と内筒部282とが相対的に回転する範囲内で相互に重なる位置に配置されている。
【0069】
図18は、実施の形態5において、ピン185が降下することにより外筒部281が回転して連通孔286が徐々に大きくなることを説明する概念図である。
このように構成された実施の形態5によれば、図17および図18に示すように、浮き子241の降下に伴ってピン85が縦ガイドスリット283および斜めガイド溝285に沿って降下する際、ピン185が縦ガイドスリット283の側縁を周方向に押すため、それによって外筒部281が内筒部282に対して回転する。
これにより、第1流通孔281aが第2流通孔282aに対して周方向に移動し、第1流通孔281aと第2流通孔282aとが重なって形成された連通孔286が徐々に大きくなる。したがって、二重筒部80内に流入する原料タンク内の原料の流量が増加する。
実施の形態5によれば、実施の形態1の前記効果1−1、1−2および実施の形態2の前記効果2−1と同様の効果を奏する。
【0070】
(実施の形態6)
図17に示した実施の形態5では、二重筒部280における内筒部282を原料タンク10の原料導入路11に接続固定し、外筒部281を回転させるように構成したが、実施の形態6では、外筒部281を原料タンク10の原料導入路11に接続固定し、内筒部282を回転させる(図示省略)。
実施の形態6において、原料タンク10の底部と当接する外フランジおよびOリング用の凹周溝を外筒部281の下部に形成する。なお、外筒部281および内筒部282にそれぞれ形成するガイドスリットおよびガイド溝や、浮き子へのピンの取付構造等は実施の形態5と同様である。
実施の形態6によれば、実施の形態1の前記効果1−1、1−2および実施の形態2の前記効果2−1と同様の効果を奏する。
【0071】
(実施の形態5および6の変形例)
実施の形態5および6は、実施の形態2の変形例1および2を適用することができる。
また、実施の形態5および6における第1流通孔と第2流通孔の形状や組み合わせは、実施の形態1の変形例1のように適宜変更可能である。
また、実施の形態5および6において、外筒部に斜めガイドスリットを形成し、内筒部に縦ガイド溝を形成するようにしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の冷菓用原料を貯蔵する原料タンクと、冷菓用原料を空気と共に攪拌冷却して冷菓にするためのシリンダ部と、前記原料タンクおよびシリンダ部を冷却する冷却部とを備えた冷菓製造機に設けられて、前記原料タンクからシリンダ部に供給される冷菓用原料の供給量を調節する原料供給装置であって、
原料タンク内の冷菓用原料の液面を自動的に検出する液面検出手段と、検出された液面高さと連動して冷菓用原料のシリンダ部への供給量を調節する供給量調節手段と、シリンダ部へ空気を導入する空気導入手段とを備え、
前記液面検出手段は、原料タンク内の冷菓用原料液面に浮上する浮き子であり、
前記供給量調節手段は、第1流通孔を有する外筒部および前記第1流通孔と連通可能な第2流通孔を有する前記外筒部に相対的に回転可能な内筒部を有してなる二重筒部と、前記浮き子の上下の変位を前記二重筒部に伝達して前記外筒部と内筒部とを相対的に回転させ、前記第1流通孔と第2流通孔の重なり部分により形成される連通孔の大きさを変化させて原料のシリンダ部への供給量を調整する変位伝達手段とを備えた冷菓製造機用の原料供給装置。
【請求項2】
前記空気導入手段は、上部に外気取入口を有し、シリンダ部まで連通した垂直管であり、前記二重筒部は、その一端が前記垂直管と連通して原料タンク内の底部付近に水平方向に延び、
前記変位伝達手段は、前記浮き子が原料液面高さに応じて上下する運動を、前記二重筒部における外筒部と内筒部との相対的な水平軸心廻りの回転運動に変換するリンク機構である請求項1に記載の冷菓製造機用の原料供給装置。
【請求項3】
前記浮き子は、その外周面に第1水平軸を有し、
前記二重筒部は、その外筒部または内筒部の端部に一体状に設けられた第2水平軸を有し、
前記リンク機構は、両端に枢着部を有する第1アームと、両端に枢着部を有する第2アームとを備え、前記第1アームの一端の前記枢着部と前記第2アームの一端の前記枢着部とが揺動可能に枢着し、第1アームの他端の前記枢着部は前記第1水平軸に揺動可能に枢着し、第2アームの他端の前記枢着部は前記外筒部または内筒部を回動可能として前記第2水平軸に取り付けられた請求項2に記載の冷菓製造機用の原料供給装置。
【請求項4】
前記第1水平軸が、上下方向に複数設けられている請求項3に記載の冷菓製造機用の原料供給装置。
【請求項5】
前記浮き子は、前記垂直管を挿通させる穴を有する請求項2に記載の冷菓製造機用の原料供給装置。
【請求項6】
前記連通孔は、前記二重筒部の下部に配置されている請求項2に記載の冷菓製造機用の原料供給装置。
【請求項7】
前記二重筒部は、上部に外気取入口を有し、原料タンク内に垂直方向に設けられて空気導入手段を兼ねると共に、前記外気取入口が外筒部または内筒部を介してシリンダ部内まで連通接続され、
前記変位伝達手段は、前記浮き子が原料液面高さに応じて上下する運動を、外筒部と内筒部との相対的な回転運動に変換する運動方向変換機構であり、
前記運動方向変換機構は、外筒部および内筒部の周壁に形成された各々異なるガイドスリットと、前記浮き子に取り付けられて前記各ガイドスリットに挿入されたピンとを備えた請求項1に記載の冷菓製造機用の原料供給装置。
【請求項8】
前記浮き子は、前記ピンを上下複数箇所に着脱可能な取付部を有する請求項7に記載の冷菓製造機用の原料供給装置。
【請求項9】
液状の冷菓用原料を貯蔵する原料タンクと、冷菓用原料を空気と共に攪拌冷却して冷菓にするためのシリンダ部と、前記原料タンクおよびシリンダ部を冷却する冷却部と、前記請求項1に記載の冷菓製造機用の原料供給装置とを備えた冷菓製造機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2010−524429(P2010−524429A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525419(P2009−525419)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際出願番号】PCT/JP2008/057549
【国際公開番号】WO2008/133190
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000226895)日世株式会社 (24)
【Fターム(参考)】