説明

凍結医療器具の安全装置

【課題】プローブにガス漏れが発生した場合に、患者の体内へ漏れ出すのを防止した凍結医療器具の安全装置を提供する。
【解決手段】患部に穿刺したプローブ1に凍結ガスと解凍ガスを交互に供給して、患部の凍結と解凍を繰り返すことにより、患部を壊死させる凍結療法に使用する凍結医療器具の安全装置であって、プローブ1にガス漏れが発生した場合に、患者の体内にガスが漏れ出すのを防止する外套管2と、ガス漏れを検知するガス漏れ検知手段14と、ガス漏れ検知手段14が検知したガス漏れ信号によりプローブ1へのガスの供給を停止する制御手段とから構成したもので、凍結治療中にプローブ1よりガス漏れが発生した場合、外套管2により患者の体内にガスが漏れ出すのを防止することができるため、凍結治療が安全に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温治療を行う凍結医療器具(クライオサージェリ)の安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年例えばアルゴンガス等の超低温流体を使用して、患者の患部を治療する凍結療法が実施されている。
この凍結療法により例えば肺癌を治療する場合、先端が肺癌組織に達するよう、医療器具のプローブを患者の体内へ穿刺し、この状態でまずプローブにアルゴンガスのような極低温の凍結ガスを供給して肺癌組織を凍結させ、その後プローブにヘリウムガスのような解凍ガスを供給して凍結した肺癌組織を解凍することにより、肺癌組織を壊死させて肺癌の治療を行うもので、この凍結療法は非特許文献1に、また凍結療法に使用する医療器具等は非特許文献2等に開示されている。
【0003】
前記非特許文献2には、第10ページの右欄から第11ページに「穿刺方法と凍結療法の実際」として、先端が鋭利な二重管(コアキシャルニードル)を患者の体表面に当てがった状態で、二重管の中心軸に沿って長く細い誘導針を挿入し、誘導針を患部まで穿刺する。
その後誘導針に沿って二重管を患部まで進行させ、さらに腫瘍に貫通させたら、誘導針を抜いて、代りに凍結端子(プローブ)を二重管内の中空軸に沿って挿通装填する。
そして凍結端子に凍結ガスである高圧アルゴンガスと解凍ガスである高圧ヘリウムガスを交互に供給して、短時間で患部の凍結と解凍を繰り返すことにより、患部を壊死させる凍結療法が記載されている。
【非特許文献1】雑誌「医学のあゆみ」(Vol.206No.3,2003.7.19)。川村他著「肺癌の凍結融解壊死療法」(P229〜P231)。
【非特許文献2】雑誌「低温医学」(30巻、2004)。中塚、川村他著「CT透視を用いた肺悪性腫瘍に対する経皮的凍結療法の実際」(P9〜P15)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の凍結療法に使用されている医療器具は、ステンレス等の金属管よりなるプローブ内に凍結ガスと解凍ガスを交互に送り込んで、患部を壊死させる構造となっている。
しかし凍結ガス及び解凍ガスは、何れも高圧ガスを使用しているため、繰り返し使用するプローブの取り扱い方が悪かったり、材料の欠陥等の原因でプローブに微細な傷や亀裂が発生した場合、高圧ガスの一部がプローブより患者の体内へ漏れ出す問題がある。
本発明はかかる問題を改善するためになされたもので、プローブにガス漏れが発生した場合に、患者の体内へ漏れ出すのを防止した凍結医療器具の安全装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の凍結医療器具の安全装置は、患部に穿刺したプローブに凍結ガスと解凍ガスを交互に供給して、患部の凍結と解凍を繰り返すことにより、患部を壊死させる凍結療法に使用する凍結医療器具の安全装置であって、プローブにガス漏れが発生した場合に、患者の体内にガスが漏れ出すのを防止する外套管と、ガス漏れを検知するガス漏れ検知手段と、ガス漏れ検知手段が検知したガス漏れ信号によりプローブへのガスの供給を停止する制御手段とから構成したものである。
【0006】
前記構成により、凍結治療中にプローブよりガス漏れが発生した場合、外套管により患者の体内にガスが漏れ出すのを防止することができるため、凍結治療が安全に行える。
【0007】
本発明の凍結医療器具の安全装置は、患部に穿刺したプローブに凍結ガスと解凍ガスを交互に供給して、患部の凍結と解凍を繰り返すことにより、患部を壊死させる凍結療法に使用する凍結医療器具の安全装置であって、プローブを患部へ誘導する誘導針を挿通するための誘導孔が形成された外套管と、外套管内に挿脱自在に収容され、かつ基端部に外套管に密嵌自在な端子が設けられたプローブと、外套管より押し出されたプローブからプローブのガス漏れを検知するガス漏れ検知手段と、ガス漏れ検知手段が検知したガス漏れ信号によりプローブへのガスの供給を停止する制御手段とから構成したものである。
【0008】
前記構成により、凍結治療中にプローブよりガス漏れが発生した場合、外套管により患者の体内にガスが漏れ出すのを防止することができるため、凍結治療が安全に行えると共に、プローブの取り扱い方が悪かったり、材料の欠陥によりプローブに生じた微細な傷や亀裂等が原因で発生するガス漏れによる患者への影響を未然に防止することができる。
【0009】
本発明の凍結医療器具の安全装置は、ガス漏れ検知手段を、端子に設けられ、かつ前記外套管により短絡閉成された複数の接点と、接点が開成されたのを検知することによりプローブのガス漏れを検知するガス漏れ検知手段とから構成したものである。
【0010】
前記構成により、プローブに発生したガス漏れを確実に検知することができる上、微弱な電流を各接点間に流すだけでよいため、安全性も高い。
【0011】
本発明の凍結医療器具の安全装置は、プローブより漏れたガスの圧力により誘導孔を閉鎖する先端部材をプローブの先端に設けたものである。
【0012】
前記構成により、先端部材が漏れたガスの圧力により外套管の先端部内面に押し付けられて、先端部材の先端部が外套管の先端に開口された誘導孔を完全に閉鎖するため、プローブより漏れたガスが患者の体内に漏れ出すのを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の凍結医療器具の安全装置によれば、凍結治療中にプローブよりガス漏れが発生した場合、外套管により患者の体内にガスが漏れ出すのを防止することができるため、凍結治療が安全に行えると共に、プローブの取り扱い方が悪かったり、材料の欠陥によりプローブに生じた微細な傷や亀裂等が原因で発生するガス漏れによる患者への影響を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1は、凍結医療器具の全体的な構成図、図2はプローブを外套管に挿入した状態の断面図、図3はプローブ先端の拡大図、図4はガス漏れ検出手段の拡大斜視図、図5はガス漏れ時の作用説明図である。
図1に示す凍結医療器具は、プローブ1と、プローブ1を嵌挿する外套管2と、プローブ1へ高圧ガスを供給するガス供給手段10と、プローブ1を患部へ誘導する誘導針(図示せず)とからなる。
プローブ1は外径が例えば3mm以下のステンレス管により形成されていて、内部に高圧ガスの往路1aと復路1bが形成されており、先端側は鋭利な錐状となっていて、この錐状先端部に、プローブ1の先端部とほぼ同一形状に成形された先端部材3が着脱自在に嵌着されている。
【0015】
プローブ1の先端部は、図3に示すように胴部よりやや薄肉に形成されていて、この先端部に密着するように先端部材3が嵌着されており、先端部材3の最大径部は、プローブ1の胴部と同一径となっていて、これらの間に段差が生じないようになっていると共に、先端部材3は、比較的軟質の樹脂により一体成形されている。
プローブ1内の往路1aは、プローブ1の中心軸を通る細い金属管1cにより形成されていて、金属管1cの一端側は、プローブ1の先端側内部に設けられた熱交換器4に接続されている。
熱交換器4よりプローブ1の先端部内へ突出された往路1aの先端には、先端ノズル1dが形成されていて、この先端ノズル1dより噴出された凍結ガスによりプローブ1の先端側が極低温に冷却され、また解凍ガスにより加熱されるようになっている。
【0016】
往路1aの先端ノズル1dより噴出された高圧ガスは、プローブ1内に形成された復路1bより熱交換器4を経てプローブ1の基端側へ流通するようになっていて、熱交換器4を通過する際、往路1aを流通する高圧ガスと熱交換されるようになっており、これによってエネルギーの有効利用が図れるようになっている。
プローブ1の基端側には、栓体を兼ねた端子5が設けられている。
端子5は耐低温性を有する電気絶縁材料により短筒状に形成されていて、外径が外套管2の内径とほぼ同径に形成されており、外套管2の基端部に密嵌できるようになっている。
端子5の中心部には、往路1aを形成する金属管1cの一端が気密に嵌着された吸気口5aが開口されており、金属管1cの周辺部には、復路1bを流通してきた高圧ガスをプローブ1外へ排出する排気口5bが1個ないし複数個開口されている。
【0017】
プローブ1の外側に設けられた外套管2は、プローブ1と同様に、例えばステンレス管により形成されていて、内径はプローブ1の外径より僅かに大径となっており、外套管2の先端側は、プローブ1と同様鋭利な錐状となっていて、先端部に誘導針を挿通するための誘導孔2aが穿設されており、この誘導孔2aに先端部材3の先端部が内側より密着するようになっている。
外套管2の基端側は、プローブ1の基端部に設けられた端子5の長さ分だけ長く形成されていて、外套管2の基端側開口部にプローブ1の端子5が密嵌できるようになっており、プローブ1が繰り返し使用されるのに対して、外套管2は注射針と同様に一度使用したら廃棄する使い捨て仕様となっている。
【0018】
またプローブ1の端子5には、プローブ1にガス供給手段10を接続するコネクタ6が着脱自在に嵌合されている。
コネクタ6は端子5と同様な耐低温性及び電気絶縁性を有する材料により、端子5とほぼ同大の筒状に形成されていて、端子5の端面に形成された嵌合凹部5cに嵌合自在な嵌合凸部6aが形成されている。
端子5の嵌合凹部5cとコネクタ6の嵌合凸部6aには、嵌合位置を位置決めする例えば二面幅のような位置決め手段5d、6bが形成されており、この位置決め手段5d、6bによりコネクタ6側に設けられた給気口6c及び排気口6dが端子5側の給気口5a及び排気口5bに気密に接続できるようになっている。
コネクタ6に形成された給気口6cは、チューブのような可撓管よりなるガス供給管7を介してガス供給手段10の切換え弁8に接続されており、排気口6dには、可撓管よりなるガス排出管9が接続されている。
【0019】
ガス供給手段10は図1に示すように、高圧アルゴンガスよりなる凍結ガスを供給する凍結ガス供給源10aと、高圧ヘリウムガスよりなる解凍ガスを供給する解凍ガス供給源10bを備えていて、これら凍結ガス供給源10a及び解凍ガス供給源10bは、電磁弁等よりなる開閉弁12、13を介して切換え弁8に接続されている。
切換え弁8は、図示しない制御手段により一定の周期で切換えられるようになっており、これによってガス供給管7を介してプローブ1に、凍結ガスと解凍ガスが交互に供給できるようになっている。
【0020】
一方外套管2内に収容されたプローブ1の外周面には、軸線方向に1本ないし複数本の凹溝1fが形成されていて、これら凹溝1fの一端はプローブ1の先端付近に達しており、また他端は端子5の端面に達していると共に、端子5の外周面には、ガス漏れを検知するガス漏れ検知手段14の接点14aが設けられている。
ガス漏れ検知手段14の接点14aは、図4に示すように端子5の周囲方向に離間する一対の接点により形成されていて、端子5を外套管2の基端部へ密嵌すると、金属管よりなる外套管2により各接点14aが電気的に短絡閉成されるようになっている。
各接点14aは、端子5に形成された嵌合凹部5cの内周面に露出していて、嵌合凹部5cにコネクタ6の嵌合凸部6aを嵌合すると、嵌合凸部6aの外周面に設けられた接点14bに接点14aが電気的に接続されるようになっている。
【0021】
コネクタ6側の接点14bは、平行2線よりなる信号線15により変圧器17の2次コイル17aに接続されており、2次コイル17aの中点17bは接地されている。
そして変圧器17の2次コイル17a間にガス漏れ検知手段14が接続されていて、2次コイル17a間の電圧変化によりガス漏れを検知するようになっており、ガス漏れ検知手段14が検出したガス漏れ信号は制御手段へ送られると共に、ガス漏れ検知手段14より送られてきたガス漏れ信号により制御手段は、開閉弁12、13を瞬時に閉鎖して、プローブ1へ送られる凍結ガスや解凍ガスを遮断するようになっている。
【0022】
次に前記構成された凍結医療器具の安全装置の作用を説明すると、凍結医療器具を使用して例えば肺癌を治療する場合、まず外套管2内に誘導針の先端側を挿入した状態で外套管2の先端を患者の体表面に当接し、この状態で先端が肺癌組織に達するように誘導針を患者の体内へ穿刺する。
次に誘導針をガイドにして外套管2を患者の体内へ穿刺し、外套管2の先端が肺癌組織を貫通したら、外套管2内より誘導針を引き抜き、この状態で外套管2内に図2に示すようにプローブ1を挿入するが、このとき外套管2内に少量の水を予め注入しておくことにより、外套管2の内周面とプローブ1の外周面との間に水膜が形成されて両者間の摩擦が軽減されるため、外套管2内にプローブ1が挿入しやすくなると共に、外套管2内の空気はプローブ1の外周面に形成された凹溝1fより外套管2外へ排出される。
外套管2内にプローブ1を挿入したら、プローブ1の基端側に設けられた端子5を外套管2の基端部へ密嵌して、凍結治療の準備を完了する。
【0023】
次に凍結治療を開始すると、制御手段により開閉弁12、13が開放された後、制御手段によりまず切換え弁8が凍結ガス供給源10a側へ切換えられるため、凍結ガス供給源10a側より凍結ガスがガス供給管7を介してプローブ1へ供給される。
プローブ1へ供給された凍結ガスは、プローブ1内の往路1aより熱交換器4を経て先端ノズル1dに達し、先端ノズル1dよりプローブ1の先端部へ噴出されるため、凍結ガスによりプローブ1及び外套管2の先端が極低温に冷却され、これによって患部、すなわち肺癌組織が凍結される。
【0024】
その後制御手段により切換え弁8が解凍ガス供給源10b側へ切換えられると、解凍ガス供給源10bより解凍ガスがガス供給管7を介してプローブ1へ供給される。
プローブ1へ供給された解凍ガスは、プローブ1内の往路1aにより熱交換器4を経て先端ノズル1dに達し、先端ノズル1dよりプローブ1の先端部へ噴出されるため、解凍ガスによりプローブ1及び外套管2の先端部が加熱されて、患部の凍結が解凍される。
以下制御手段により一定周期で切換え弁8が切換えられることにより、プローブ1に凍結ガスと解凍ガスが交互に供給されるため、ジュールトムソン効果により患部の肺癌組織が壊死し、これを繰り返すことにより凍結療法による治療効果が得られるようになる。
【0025】
一方前記凍結治療法中に何等かの理由でプローブ1や熱交換器4にガス漏れが発生することがある。
特にプローブ1の先端部は胴部より薄肉に形成されている上、先端ノズル1dより高圧ガスが噴出されるため、プローブ1の取り扱い方が悪かったり、材料の欠陥等の原因でプローブ1に微細な傷や亀裂が発生した場合、高圧ガスの一部がプローブ1の先端部より漏洩することがある。
プローブ1の先端部よりガス漏れが発生すると、図5に示すようにプローブ1の先端部に嵌着された先端部材3が高圧ガスの圧力により外套管2の内側から先端部内面に押し付けられる。
【0026】
先端部材3は比較的軟質な樹脂により形成されているため、先端部材3が高圧ガスの圧力により外套管2の先端部内面に押し付けられると、先端部材3の先端部が外套管2の先端に開口された誘導孔2aを完全に閉鎖すると同時に、漏れ出した高圧ガスは、プローブ1の外周面に形成された凹溝1fと外套管2の間を通って端子5側へと噴出し、外套管2の基端部に密嵌された端子5を押圧するため、プローブ1が外套管2内より押し出されて端子5が外套管2の基端部より外れる。
これによっていままで外套管2により短絡閉成されていたガス漏れ検知手段14の接点14aが開成されるため、ガス漏れ検知手段14の変圧器17の2次側コイル17a間の電圧に変化が生じる。
【0027】
この電圧変化をガス漏れ検知手段14が検知して、ガス漏れ信号を制御手段へ送るため、制御手段は開閉弁12、13を瞬時に遮断して、凍結ガス及び解凍ガスの供給を停止する。
これによってプローブ1からのガス漏れを瞬時に停止することができる上、プローブ1より漏れた高圧ガスは、プローブ1の外側を覆う外套管1が患者の体内へ漏れ出すのを防止するため、ガス漏れによる患者への影響を未然に回避することができる。
なお前記実施の形態では、肺癌の凍結療法に適用した例について説明したが、凍結療法が有効な疾患に使用する凍結医療器具全般に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態になる安全装置を備えた凍結医療器具の全体的な構成図である。
【図2】本発明の実施の形態になる安全装置を備えた凍結医療器具の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態になる安全装置を備えた凍結医療器具のプローブ及び外套管先端の拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態になる凍結医療器具の安全装置を構成するガス漏れ検知手段の接点付近を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態になる凍結医療器具の安全装置の作用説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 プローブ
1b 先端ノズル
2 外套管
2a 誘導孔
3 先端部材
5 端子
10 ガス供給手段
10a 凍結ガス源
10b 解凍ガス源
14 ガス漏れ検知手段
14a 接点


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患部に穿刺したプローブに凍結ガスと解凍ガスを交互に供給して、前記患部の凍結と解凍を繰り返すことにより、前記患部を壊死させる凍結療法に使用する凍結医療器具の安全装置であって、前記プローブにガス漏れが発生した場合に、患者の体内にガスが漏れ出すのを防止する外套管と、前記ガス漏れを検知するガス漏れ検知手段と、前記ガス漏れ検知手段が検知したガス漏れ信号により前記プローブへのガスの供給を停止する制御手段とを具備したことを特徴とする凍結医療器具の安全装置。
【請求項2】
患部に穿刺したプローブに凍結ガスと解凍ガスを交互に供給して、前記患部の凍結と解凍を繰り返すことにより、前記患部を壊死させる凍結療法に使用する凍結医療器具の安全装置であって、前記プローブを前記患部へ誘導する誘導針を挿通するための誘導孔が形成された外套管と、前記外套管内に挿脱自在に収容され、かつ基端部に前記外套管に密嵌自在な端子が設けられたプローブと、前記外套管より押し出された前記プローブから前記プローブのガス漏れを検知するガス漏れ検知手段と、前記ガス漏れ検知手段が検知したガス漏れ信号により前記プローブへのガスの供給を停止する制御手段とを具備したことを特徴とする凍結医療器具の安全装置。
【請求項3】
前記ガス漏れ検知手段を、前記端子に設けられ、かつ前記外套管により短絡閉成された複数の接点と、前記接点が開成されたのを検知することにより前記プローブのガス漏れを検知するガス漏れ検知手段とから構成してなる請求項2に記載の凍結医療器具の安全装置。
【請求項4】
前記プローブより漏れたガスの圧力により前記誘導孔を閉鎖する先端部材を、前記プローブの先端に設けてなる請求項2または3に記載の凍結医療器具の安全装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−295953(P2007−295953A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123906(P2006−123906)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(595167292)株式会社デージーエス・コンピュータ (18)
【Fターム(参考)】