説明

凝縮装置及び燃料電池発電装置

【課題】装置の外部から給水せずに、また、装置の外部に排水せずに、水の貯留量を調整できるようにする。
【解決手段】水を含む高温の排ガスを排出する上流側装置9の排気口に接続され、前記排ガスの熱を低温の外部媒体に放出する熱交換手段11と、
前記熱交換手段11の交換熱量を調節する交換熱量調節手段12,13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気を凝縮して液体を得るための凝縮装置及びその凝縮装置を備える燃料電池発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電解質を挟んだ二つの電極のうち一方の電極に水素を、他方の電極に酸素を供給して電気化学反応を起こすことによりエネルギーを発生させる装置である。この電気化学反応の際に水素と酸素が化合して水が生成する。生成した生成水は水蒸気となって排出される。
水蒸気を含む排気ガスは更に熱エネルギーとしても利用される。従来の定置型燃料電池の場合、排気ガスを熱交換器に通して冷却水と熱交換を行い、温められた冷却水は貯湯タンクに貯めて温水として利用している。また、排気ガスに含有される生成水は熱交換時に凝縮して液体となる。この生成水を装置内に一定量貯留し、燃料電池の加湿や燃料の改質反応の際に必要な水分として再利用している。
また、定置型燃料電池であれば、回収された生成水を外部に排水することで貯水量を調節できる。(特許文献段落0025参照)
【特許文献1】特開2004−342443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、電子機器等に内蔵する形で用いられる小型燃料電池においては、装置の外部に排水したり、装置の外部から給水したりすることができないため、その対策が必要である。
【0004】
本発明の課題は、装置の外部から給水せずに、また、装置の外部に排水せずに、水の貯留量を調整できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明によれば、水を含む高温の排ガスを排出する上流側装置の排気口に接続され、前記排ガスの熱を低温の外部媒体に放出する熱交換手段と、前記熱交換手段の交換熱量を調節する交換熱量調節手段と、を備えることを特徴とする凝縮装置が提供される。
【0006】
好ましくは、前記熱交換手段が、前記上流側装置の排気口に接続された複数の熱交換器を有し、前記交換熱量調節手段が、前記上流側装置の排気口と前記複数の熱交換器との間又は前記複数の熱交換器の下流に設けられ、前記複数の熱交換器のうち、前記上流側装置の排気口から排出された排ガスの送り先の数を切り替える切替部を有する。
好ましくは、前記複数の熱交換器の下流に接続され、水を貯留する水回収器と、前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記上流側装置から排出された排ガスの送り先の数を前記切替部によって減らし、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記上流側装置から排出された排ガスの送り先の数を前記切替部によって増やす制御部と、を更に備える。
好ましくは、前記熱交換手段が、前記上流側装置の排気口に接続された第1及び第2の熱交換器を有し、前記交換熱量調節手段は、前記上流側装置の排気口と前記第1の熱交換器との間又は前記第1熱交換器の下流に設けられた開閉バルブを有する。
好ましくは、前記熱交換手段が、前記上流側装置の排気口に接続された第1、第2及び第3の熱交換器を有し、前記交換熱量調節手段は、前記上流側装置の排気口と前記第1の熱交換器との間又は前記第1の熱交換器の下流に設けられた第1の開閉バルブと、前記上流側装置の排気口と前記第3の熱交換器との間又は前記第3の熱交換器の下流に設けられた第2の開閉バルブと、を有する。
好ましくは、前記第1の開閉バルブがノーマリーオープン型の開閉バルブであり、前記第2の開閉バルブがノーマリークローズ型の開閉バルブである。
好ましくは、前記第1、第2及び第3の熱交換器の下流に接続され、水を貯留する水回収器と、前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉じ、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを開き、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値と前記下限値との間である場合、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブのどちらか一方を開き他方を閉じる制御部と、を更に備える。
好ましくは、前記交換熱量調節手段は、前記熱交換手段の周囲に外部媒体の強制対流を起こすとともに、その強制対流の強さを調節する強制対流手段を有する。
好ましくは、前記熱交換手段の下流に接続され、水を貯留する水回収器と、前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記強制対流手段による外部媒体の強制対流を弱め、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記強制対流手段による外部媒体の強制対流を強め制御部と、を更に備える。
好ましくは、前記強制対流手段が、外部媒体として空気を前記熱交換手段に送風する送風機である。
好ましくは。前記空気は、前記熱交換手段に接続される他の装置を冷却した後に、前記熱交換手段に供給される。
好ましくは、前記熱交換手段の下流側に設けられた水回収器を更に備え、前記上流側装置と前記熱交換手段との間で二手に分岐した2つの分岐路のうち一方が前記水回収器に接続され、他方が前記熱交換手段を介して前記水回収器に接続され、前記交換熱量調節手段が、前記一方の分岐路又は前記他方の分岐路に設けられ、前記上流側装置から前記一方の分岐路を流れる排ガスの割合と前記上流側装置から前記他方の分岐路に流れる排ガスの割合を調整する流量制御弁を有する。
好ましくは、前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記一方の分岐路に流れる排ガスの割合を前記流量制御弁によって増やし、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記他方の分岐路に流れる排ガスの割合を前記流量制御弁によって増やす制御部と、を更に備える。
好ましくは、前記熱交換手段の下流に接続され、水を貯留する水回収器と、前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、前記貯水量検出部による検出貯水量に基づいて前記交換熱量調節手段の制御を行う制御部と、を更に備える。
好ましくは、前記制御部は、前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記交換熱量調節手段によって前記熱交換手段の交換熱量を減少させ、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記交換熱量調節手段によって前記熱交換手段の交換熱量を増加させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱交換器の交換熱量を調節することにより、生成水の回収量を増減させることができる。すなわち、貯留している生成水が過剰なときには、交換熱量を減少させて水分の回収量を減らすことができる。反対に、生成水が不足するときには、交換熱量を増加させて水分の回収量を増やすことができる。従って、装置内部に水分を過不足無く貯留しておくことができ、過剰な生成水が生じなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0009】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池発電装置100を示すブロック図である。この燃料電池発電装置100は、ノート型PC、PDA、電子手帳、デジタルカメラ、携帯電話機、腕時計、ゲーム機器等といった携帯型の電子機器に搭載されている。図1に示された構成要素のうち燃料カートリッジ1が電子機器に対して着脱可能とされ、他の構成要素は電子機器に内蔵される。燃料カートリッジ1が電子機器に装着されると燃料カートリッジ1と燃料供給ポンプ2が接続される。
【0010】
燃料電池発電装置100は、燃料カートリッジ1、燃料供給ポンプ2、水供給ポンプ3、空気供給ポンプ4、蒸発器5、反応装置6、加湿器7a、7b、燃料電池8、排ガス用触媒燃焼器9及び凝縮装置10等を備えている。
【0011】
燃料カートリッジ1には、液体燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル)が貯留されている。
【0012】
燃料供給ポンプ2は、燃料カートリッジ1から液体燃料を吸い上げて蒸発器5へ送液するものである。燃料供給ポンプ2は、電気駆動式ポンプである。
【0013】
水供給ポンプ3は、水回収器15に貯留された水を吸い上げて、蒸発器5及び加湿器7a、7bへと送液するものである。水供給ポンプ3も、燃料供給ポンプ2と同様の電気駆動式ポンプである。燃料供給ポンプ2から送出されてきた液体燃料は、水供給ポンプ3から送出された水と混合されて蒸発器5へと供給される。
【0014】
空気供給ポンプ4は、外部の空気を取り込んで一酸化炭素除去器62、熱供給用触媒燃焼器64、加湿器7b、排ガス用触媒燃焼器9に供給するものである。空気供給ポンプ4は、電気駆動式ポンプである。
【0015】
蒸発器5は、燃料供給ポンプ2から送出されてきた液体燃料と水の混合液を気化させるものである。蒸発器5には、電熱材からなり、温度センサも兼ねたヒータ51が設けられ、燃料供給ポンプ2及び水供給ポンプ3から蒸発器5に送られた混合液はヒータ51の熱により蒸発する。蒸発器5で気化した水と燃料の混合気は反応装置6へと送出される。
【0016】
反応装置6は、燃料改質器61と、一酸化炭素除去器62と、ヒータ63と、熱供給用触媒燃焼器64とから概略構成される。燃料改質器61、一酸化炭素除去器62、ヒータ63及び熱供給用触媒燃焼器64は断熱容器内に収容されている。断熱容器内は真空状態となっており、断熱容器内の熱が外部に放散し難くなっている。
【0017】
反応装置6の構成要素について具体的に説明していく。燃料改質器61は、蒸発器5から送出されてきた混合気を改質して水素や一酸化炭素を含む生成ガスを生成するものである。燃料改質器61の内部には微細な反応流路が形成され、反応流路の壁面には改質触媒(例えば、Cu/ZnO触媒やPd/ZnO触媒)が担持されている。蒸発器5から送出されてきた混合気は、空気供給ポンプ4より供給される外部の空気と混合された状態で燃料改質器61の反応流路を流れる。そして、改質触媒によって燃料と水が改質反応を起こす。燃料カートリッジ1内の燃料がメタノールである場合には、反応流路内で(1)、(2)のような化学反応が起こる。これにより水素、一酸化炭素及び二酸化炭素等を含む生成ガスが生成する。生成ガスは一酸化炭素除去器へと送出される。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
2+CO2→H2O+CO …(2)
【0018】
一酸化炭素除去器62は、燃料改質器61で生成した生成ガスに含まれる一酸化炭素を選択的に除去するものである。一酸化炭素除去器62の内部にも微細な反応流路が形成され、反応流路の壁面には選択酸化触媒(例えば、Pt触媒)が担持されている。燃料改質器61から送出されてきた生成ガスは、空気供給ポンプ4より供給される外部の空気と混合された状態で一酸化炭素除去器62の反応流路を流れる。そして選択酸化触媒によって生成ガスに含まれる一酸化炭素は反応流路内で次式(3)のように優先的に酸化される。これにより二酸化炭素が生成され、一酸化炭素が除去される。なお、このとき空気供給ポンプ4から供給される空気中の酸素により、改質器で生成した水素が(4)のように僅かに酸化され水を生成する。生成した水は、一酸化炭素が除去された生成ガスと共に加湿器7aへと送出される。
2CO+O2→2CO2 …(3)
2H2+O2→2H2O …(4)
【0019】
ヒータ63は、燃料改質器61、一酸化炭素除去器62及び熱供給用触媒燃焼器64を加熱するものである。ヒータ63は薄膜状の電熱材からなり、温度センサも兼ねている。ヒータ63の加熱によって燃料改質器61、一酸化炭素除去器62及び熱供給用触媒燃焼器64は各々での反応に必要な熱を得ることができる。
【0020】
熱供給用触媒燃焼器64は、水素を燃焼させて、燃料改質器61及び一酸化炭素除去器62を加熱するものである。燃焼に用いられる水素は、燃料電池8のアノード81で電気化学反応せずに残ったものを用いる。熱供給用触媒燃焼器64の内部には反応流路が形成され、その反応流路の壁面に燃焼触媒(例えば、Pt触媒)が担持されている。アノード81から送出されてきた水素ガス等は、空気供給ポンプ4より供給される外部の空気と混合された状態で熱供給用触媒燃焼器64の反応流路を流れる。そして、混合気がヒータ63により加熱され、混合気のうち水素が燃焼触媒により燃焼する。水素の燃焼により燃焼熱が発生し、この燃焼熱は燃料改質器61における改質反応や一酸化炭素除去器62における一酸化炭素酸化反応を促進するための反応熱として用いられる。また、水素の燃焼に伴い生成した水は、燃焼せずに僅かに残った水素等と共に排ガス用触媒燃焼器9へと送出される。
【0021】
加湿器7aは、水供給ポンプ3より供給される水を用いて、一酸化炭素除去器62から送出されてきた生成ガスを加湿するものである。加湿された生成ガスは燃料電池8のアノード81に送出される。また、加湿器7bは、水供給ポンプ3より供給される水を用いて空気供給ポンプから送出されてきた空気を加湿するものである。加湿された空気は燃料電池のカソード82へと送出される。加湿器7a,7bに送られた水が水回収器15に戻り、これにより水が加湿器7a,7bと水回収器15との間を循環する。
【0022】
燃料電池8は、アノード81と、カソード82と、アノード81とカソード82の間に挟まれた電解質膜83とを有する。加湿器7aから送出されてきた生成ガスはアノード81に導入され、加湿器7bから送出されてきた空気はカソード82に導入される。アノード81に導入された生成ガス中の水素が、電解質膜83を介して、カソード82に導入された空気中の酸素と電気化学反応することによって、アノード81とカソード82との間で電力が生じる。
【0023】
電解質膜83は固体高分子電解質膜である。そのため、アノード81では次式(5)のような反応が起き、アノード81で生成された水素イオンが電解質膜83を透過し、カソード82では次式(6)のような反応が起こり、水が生成する。
2→2H++2e- …(5)
2H++1/2O2+2e-→H2O …(6)
なお、電解質膜83が固体酸化物電解質膜であり、燃料電池8が固体酸化物型燃料電池であってもよい。
【0024】
アノード81とカソード82との間で生じた電力はDC/DCコンバータ20に供給される。DC/DCコンバータ20は燃料電池8により生成された電気を適切な電圧に変換したのちに電子機器の内部回路に供給するためのものである。反応に寄与しなかった水素等はアノード81から熱供給用触媒燃焼器64へと送出され、反応により生成した水は空気とともにカソード82から排ガス用触媒燃焼器9へと送出される。
【0025】
熱供給用触媒燃焼器64では、前述したように燃料電池8のアノード81で反応せずに残った水素が燃焼して水が生成される。生成した水は、燃焼せずに僅かに残った水素等と共に排ガス用触媒燃焼器9へと送出される。
【0026】
排ガス用触媒燃焼器9は、熱供給用触媒燃焼器64の燃焼を経ても僅かに残る水素を除去するものである。排ガス用触媒燃焼器9の内部にも反応流路が形成され、その反応流路の壁面に燃焼触媒(例えば、Pt触媒)が担持されている。触媒燃焼器64から送出されてきた水素を含む混合気は、燃料電池8のカソード82から供給される空気と混合された状態で排ガス用触媒燃焼器9の反応流路を流れる。そして、混合気中に含まれる微量な水素が燃焼し、水となって除去される。生成した水は、二酸化炭素などの排ガスと共に凝縮装置10へと送出される。
【0027】
なお、排ガス用触媒燃焼器9から凝縮装置10へと送出される水には、一酸化炭素除去器62、カソード82及び熱供給用触媒燃焼器64で生成した水も含まれている。すなわち、燃料電池発電装置100の稼動により生成する全ての水が排ガス用触媒燃焼器9で集められ、水蒸気として凝縮装置10へと送出される。
【0028】
凝縮装置10は、排ガス用触媒燃焼器9から送出されてきた水蒸気を含む排ガスから燃料電池発電装置100の稼動に必要な水分を得るためのものである。凝縮装置10は、熱交換器集合体11、第1バルブ12、第2バルブ13、送風機14、水回収器15等から概略構成される。
【0029】
熱交換器集合体11は、排ガス用触媒燃焼器9から送出されてきた水蒸気を含む排ガスと、送風機15から送られてくる排ガスよりも低温の空気とを熱交換させることで、排ガス中の水蒸気を凝縮させるものである。本実施形態においては、熱交換器集合体11が熱交換手段に相当する。
【0030】
送風機14は、熱交換集合体11の周囲の外部媒体の強制対流を起こす強制対流手段である。すなわち、送風機14は、熱交換器集合体11に向けて外部媒体となる空気を送るものである。送風機14は電動式のファンである。送風機14から送られる空気は熱交換器集合体11に接触し、熱交換器集合体11内を流れる排ガスと空気との間で熱交換が行われる。送風機14からの空気は、熱交換器集合体11に直接接触させるようにしてもよいし、装置内に流路を設けて他の構成装置を冷却した後に熱交換器集合体11に送るようにしてもよい。他の構成装置も共に冷却するようにすれば送風機を複数設ける必要が無くなる。
【0031】
水回収器15は、熱交換器集合体11で熱交換により凝縮した水を貯留しておくものである。熱交換器集合体11から送出されてきた排ガス及び水のうち、液状の水は水回収器15に集められ、排ガスは気液分離膜15aを通って外部へと放出される。また、水回収器15には貯水量検出部である水面検出センサ15aが取り付けられている。水面検出センサ15aは光センサであり、水面の高さによって水回収器15内の貯水量を検知することができる。
【0032】
熱交換器集合体11は複数の熱交換器を一体化したものである。以下、熱交換器集合体11についてより具体的に説明する。図2は熱交換器集合体11の断面図である。熱交換器集合体11は、分岐部である入口側マニホールド11a及び合流部である出口側マニホールド11bと、熱交換部である複数のフィン11cとを有する。入口側マニホールド11aは側部に複数の孔が設けられた中空の部材で、端部に排ガスの流入口11dが設けられ、側部の孔には複数のフィン11cの一端が取り付けられている。出口側マニホールド11bも入口側マニホールド11aと同様の中空部材で、端部に排ガスの流出口11eが設けられ、側部の孔にはフィン11cの他端が取り付けられている。フィン11cは管状の部材であり、入口側マニホールド11aと出口側マニホールド11bは複数のフィン11cによって連通した状態となっている。また、フィン11cは一定間隔を空けて並べて取り付けられているので、フィン11cとフィン11cの間にスリット11fができ、熱交換を行うための空気や液体が通り抜けできるようになっている。流入口11dは排ガス用触媒燃焼器9に接続され、流出口11eは水回収器15へと接続されている。従って、排ガス用触媒燃焼器9から流入口11dを通って入口側マニホールド11aに流入した排ガスは、矢印で示すように入口側マニホールド11a内で分岐して各フィン11cを通り抜けながら熱交換を行う。熱交換後の排ガス及びフィン11c内で凝縮した水は出口側マニホールド11bで合流し、流出口11eを通って水回収器15へと送出される。
【0033】
また、入口側マニホールド11aには、二つのバルブが取り付けられている。第1バルブ12は、入口側マニホールド11aの流入口11d側に取り付けられ、第2バルブ13は、流入口11dよりも奥側に取り付けられている。第1バルブ12及び第2バルブ13の取り付け位置は、入口側マニホールド11a内の流路をほぼ3等分する箇所である。即ち、図2において、第1バルブ12よりも流入口11d寄りにあるフィン11cの数と、第1バルブ12と第2バルブ13の間にあるフィン11cの数と、第2バルブ12よりも奥側にあるフィン11cの数とが等しい。
【0034】
図3及び図4は第1バルブ12を示す拡大断面図である。図3及び図4に示される第1バルブ12は、ノーマリーオープン型の開閉バルブである。第1バルブ12は、入口側マニホールド11aの上部に設けられた中空部材の筒部12a、筒部12aの内壁に沿って上下動可能に取り付けられた鉄製のプランジャー12b及び弁体12c、プランジャー12bと弁体12cを連結するロッド12d、ロッド12dに巻きつけるように取り付けられたスプリング12e、筒部12aの周面を囲むように設けられたコイル12f等から構成されている。筒部12aの下端は開口しており、入口側マニホールド11aの流路と連通している。また、筒部12a内には仕切り12gが設けられていて、仕切り12gとプランジャー12bの間にスプリング12eを取り付けることで、プランジャー12b及び弁体12cはスプリング12eによって上方向に付勢されている。このため、コイル12fに通電していない状態では、図3に示すようにプランジャー12b及び弁体12cが上に持ち上げられた状態となり、弁体12cの下面と入口側マニホールド11aの内壁とがほぼ面一となる。そのため、入口側マニホールド11aの流路が開放されている。
【0035】
コイル12fに通電されると、コイル12f内に磁界が生じ、プランジャー12bに下向きの磁力がかかる。するとプランジャー12bはスプリング12eを収縮させながら下方向に移動する。弁体12cもプランジャー12bの動きに合わせて下方向へ移動し、図4に示す状態となる。このとき、弁体12cによって入口側マニホールド11a内の流路が遮断される。
【0036】
なお、第1バルブ12がノーマリーオープン型の開閉バルブであってもよい。弁体12cは、非通電時に開放状態であるが、逆に非通電時に閉鎖状態のバルブを用いることもできる。すなわち、プランジャー12b及び弁体12cを下向きに付勢すべく、コイル12dの取り付け位置を仕切り12gと弁体12cとの間に変更するか、コイル12dを引張バネに変更する。こうすることで、非通電時は弁が下に下がった状態で流路を遮断し、通電時に弁体12cが上がって流路を開放するようにすることもできる。
【0037】
第2バルブ13は、取付位置を除いて、第1バルブ12と同様に設けられている。
【0038】
このようにバルブ12,13が熱交換器集合体11に取り付けられることで、熱交換器集合体11が、第1バルブ12よりも流入口11d寄りにあるフィン11cを有する熱交換器11pと、第1バルブ12と第2バルブ13の間にあるフィン11cを有する熱交換器11qと、第2バルブ12よりも奥側にあるフィン11cを有する熱交換器11rとに分けられる。従って、熱交換器11pが排ガス用触媒燃焼器9の排気口に通じ、熱交換器11qが第1バルブ12を介して排ガス用燃焼器9の排気口に通じ、熱交換器11rがバルブ12,13を介して排ガス用燃焼器9の排気口に通じている。
【0039】
第1バルブ12及び第2バルブ13の組合せが、熱交換器集合体11の交換熱量を調節する交換熱量調節手段に相当する。具体的には、排ガス用燃焼器9の排気口から排出された排ガスの送り先が、バルブ11,12の開閉によって、複数の熱交換器11p,11q,11rの中から定まる。すなわち、第1バルブ12及び第2バルブ13の組合せが、複数の熱交換器11p,11q,11rのうち、排ガス用燃焼器9の排気口から排出された排ガスの送り先の数を切り替える切替部に相当する。
【0040】
ここで、図2に示すように第1バルブ12が開かれ、第2バルブ13が閉じた状態では、排ガス用燃焼器9の排気口から排出された排ガスが矢印で示すように第2バルブ13によって堰き止められることで、第2バルブ13よりも流入口11d側に位置する2つの熱交換器11p及び熱交換器11qに排ガスが流れ込む。
【0041】
また、第1バルブ12及び第2バルブ13が開いた状態では、図5に示すように、第1バルブ12、第2バルブ13が共に入口側マニホールド11aの流路を遮断した状態となる。そのため、排ガス用燃焼器9の排気口から排出された排ガスが矢印で示すように第1バルブ12によって堰き止められ、第1バルブ12よりも流入口11d側に位置する1つの熱交換器11pに排ガスが流れ込む。
また、図6に示すように第1バルブ12、第2バルブ13が共に開かれた状態では、排ガス用燃焼器9の排気口から排出された排ガスは堰き止められることなく3つの熱交換器11p,11q、11rに流れ込む。
以上のように第1バルブ12及び第2バルブ13の開閉によって、排ガス用燃焼器9の排気口から排出された排ガスの送り先の数が切り替わる。
【0042】
第1バルブ12がノーマリーオープン型の開閉バルブであり、第2バルブ13がノーマリークローズ型の開閉バルブであると、稼働電力の節約を図ることができる。即ち、第1バルブ12及び第2バルブ13の両方が通電状態でなければ、図2のような状態になり、第1バルブ12と第2バルブ13のどちらか一方が通電状態であれば、図5又は図6のような状態になる。そのため、図2、図5、図6の3つの流れパターンを作り出すのに、第1バルブ12と第2バルブ13の両方を通電状態とすることがないため、稼動電力の節約を図ることができる。なお、バルブ12,13がともにノーマリーオープン型の開閉バルブであってもよいし、バルブ12,13がともにノーマリークローズ型の開閉バルブであってもよいし、バルブ12,13のうち一方がノーマリーオープン型の開閉バルブであって、他方がノーマリークローズ型の開閉バルブであってもよい。
【0043】
図7は、燃料電池発電装置100の回路構成を示したブロック図である。制御部30はマイクロコンピュータである。即ち、制御部30は、CPU、RAM、ROM等を有する。そして、制御部30は、ROMに格納されたプログラムに従って燃料供給ポンプ2、水供給ポンプ3、空気供給ポンプ4、蒸発器5のヒータ51、反応装置6のヒータ63、加湿器7a、7b、排ガス用触媒燃焼器のヒータ91、第1バルブ12、第2バルブ13、送風機14等を制御する。水面検出センサ15aによって検知された水面高さは制御部30へと出力される。
【0044】
制御部30は、ROMに格納されたプログラムによって、水面検出センサ15aによる検出水面高さが、ROMに記録されている所定の上限値または下限値に達したか否かを判定する判定機能を有する。ここで、所定の上限値とは、水回収器15内に存する水が満たされた状態におけるその水の水面高さに相当するものであり、所定の下限値とは、水回収器15内に存する水が不足した状態におけるその水の水面高さに相当するものである。
また、制御部30は、水面検出センサ15aによる検出水面高さに基づき第1バルブ12、第2バルブ13の開閉を制御する機能を有する。具体的には、制御部30は検出水面高さが上限値に達したと判定したら、第1バルブ12及び第2バルブ13を閉じる。制御部30は検出水面高さが下限値に達していないと判定したら、第1バルブ12及び第2バルブ13を開く。制御部30は検出水面高さが上限値と下限値の間にあると判定したら、第1バルブ12を開くと共に第2バルブ13を閉じる。なお、これらの機能は、プログラムによって実現されるのではなく、2つのコンパレータ等を有する論理回路によって実現されてもよい。
【0045】
続いて、制御部30による処理の流れ及び、それに伴う凝縮装置10及び燃料電池発電装置100の動作について説明する。まず、制御部30が蒸発器5のヒータ51、反応装置6のヒータ63及び排ガス用触媒燃焼器9のヒータ91に電力を供給して、ヒータ31、ヒータ63及びヒータ91を発熱させる。これにより、蒸発器5、反応装置6、排ガス用触媒燃焼器9が昇温する。
【0046】
次に、制御部30が空気供給ポンプ4を作動させる。これにより、空気が一酸化炭素除去器62、加湿器7b、カソード82、熱供給用触媒燃焼器64及び排ガス用触媒燃焼器9等に供給される。
【0047】
次に、制御部30が水供給ポンプ3を作動させる。これにより、水が水回収器15から吸い上げられ、蒸発器5及び加湿器7a、7bに供給される。
【0048】
次に、制御部30が加湿器7a、7bを作動させる。これにより、空気供給ポンプ4から送出されてくる空気が加湿される。また、この後一酸化炭素除去器62より送出されてくる生成ガスを加湿する準備ができる。
次に、制御部30は、送風機14を作動させる。これにより、熱交換器集合体11が送風され、熱交換器集合体11の周囲に強制対流が生じる。
【0049】
次に、制御部30が燃料供給ポンプ2を作動させる。これにより、燃料カートリッジ1内の燃料が、水供給ポンプ3より供給される水と混合されて蒸発器5へと送出される。燃料と水の混合液はヒータ51によって加熱されて気化する。気化した燃料と水の混合気は燃料改質器61へ導入されて改質触媒により水素を含む生成ガスを生成する。
【0050】
一酸化炭素除去器62に導入された生成ガスのうち一酸化炭素が選択酸化反応により除去される。そして、燃料電池8では水素と酸素の電気化学反応が起こり、熱供給用触媒燃焼器64では未反応水素が燃焼し、排ガス用触媒燃焼器9では残留水素が燃焼して除去される。こうして、排ガス用触媒燃焼器9から水蒸気を含む排ガスが排出される。熱交換器集合体11では、導入された水蒸気を含む排ガスが送風機14からの空気と熱交換される。熱交換された排ガス中の水蒸気の一部は凝縮して水となり、水回収器15に集められる。水回収器15に貯留された水は水供給ポンプ3により吸い上げられて、燃料電池発電装置100の稼動に用いられる。
【0051】
燃料電池発電装置100が稼動すると、制御部30は一定時間毎に図8に示すルーチンを実行する。ルーチンが開始されると、制御部30は、水面検出センサ15aにより検出された水面高さを入力する(ステップS1)。制御部30は、検出した水面高さを所定の上限値と比較する。(ステップS2)。比較の結果、検出水面高さが上限値以上になると制御部30によって認定されると(ステップS2:Yes)、制御部30が第1バルブ12及び第2バルブ13を閉じる(ステップS4)。反対に、検出水面高さが上限値未満になると制御部30によって認定されると(ステップS2:No)、制御部30は、検出した水面高さを所定の下限値と比較する(ステップS3)。比較の結果、検出水面高さが下限値以下になると制御部30によって認定されると(ステップS3:Yes)、制御部30が第1バルブ12、第2バルブ13を開く(ステップS5)。検出水面高さが下限値を超えていると制御部30によって認定されると(ステップS3:No)、制御部30が第1バルブ12を開き、第2バルブ13は閉じる(ステップS6)。
【0052】
以上の制御の結果、制御部30によって水回収器15内の水面が上限値と下限値の間であると認定され、第1バルブ12が開かれると共に第2バルブ13が閉じられると、図2に示すように、排ガスは第2バルブ13より流入口11d側のフィン11c(熱交換器11p及び熱交換器11r)にのみ流れる。このとき、熱交換器集合体11の通常時の稼動状態であり、熱交換器集合体11において凝縮される水の量と、燃料電池発電装置100の稼動に使用される水の量がほぼ等しくなっている。従って、水回収器15内の貯水量は現状に維持される。
【0053】
制御部30によって水回収器15内の水が上限値に達していると認定され、第1バルブ12及び第2バルブが閉じられると、図5に示すように、入口側マニホールド11a内の流路が遮断されて排ガスの流れが第1バルブ12によって堰き止められる。その結果、排ガスは全て第1バルブ12より流入口11d側のフィン11cにのみ流れる。発電量を途中で変更しない限り、排ガス用触媒燃焼器9から送り込まれてくる排ガスの量はほぼ一定である。従って、排ガスを流すことのできるフィン11cの数が図2に示す通常時よりも減少して、フィン11c内を通る排ガスの流速が通常時よりも速くなる。従って、排ガスはフィン11cで十分な熱交換を行わないまま熱交換器集合体11から送出されていくので、単位時間当たりに排ガスから空気へと移動する熱量、すなわち交換熱量は減少し水の凝縮量も少なくなる。その結果、熱交換器集合体11において凝縮される水の量が、燃料電池発電装置100の稼動に使用される水の量を下回り、水回収器15内の水の量が減少していく。やがて、水回収器15の貯水量は上限値を下回る。
【0054】
制御部30によって水回収器15内の水が下限値に達していないと認定され、第1バルブ12及び第2バルブ13が開かれると、図6に示すように、排ガスは全てのフィンに均等に流れる。従って、排ガスを流すことのできるフィン11cの数が通常時よりも増加して、フィン11c内の排ガスの流速が通常時よりも遅くなる。従って、排ガスはフィン11cで十分な熱交換を行った後に熱交換器から送出されていくので、交換熱量は増加し水の凝縮量も多くなる。その結果、熱交換器集合体11において凝縮される水の量が、燃料電池発電装置100の稼動に使用される水の量を上回り、水回収器15内の水の量が増加していく。やがて、水回収器15の貯水量は下限値を上回る。
【0055】
このように、熱交換器集合体11に設けた第1バルブ12、第2バルブ13によって、熱交換器集合体11による排ガスと空気の交換熱量を調節することにより、水回収器15内の貯水量を常に適正量に維持することができる。
【0056】
なお、バルブ12,13を出口側マニホールド11bに設けても、同様の効果が得られる。すなわち、第1バルブ12を熱交換器11pの下流と熱交換器11qの下流との間に設け、第2バルブ13を熱交換器11qの下流と熱交換器11rの下流との間の設けてもよい。
また、入口側マニホールド11a又は出口側マニホールド11bに設ける開閉バルブの数は2つに限定するものではなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。開閉バルブの数をn(nは正数)としたら、熱交換器集合体11が(n−1)の熱交換器にわけられることになる。
また、バルブ12,13が電磁式以外のバルブを用いてもよい。
また、光式以外のセンサによって水回収器15内の貯水量を検出するようにしてもよい。
【0057】
〔第2実施形態〕
図9は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池発電装置200を示すブロック図である。以下、第1実施形態における燃料電池発電装置100と第2の実施形態における燃料電池発電装置200との間で相違する点を主に説明する。
【0058】
第1実施形態では燃料電池発電装置100が凝縮装置10を有するのに対し、第2実施形態では燃料電池発電装置200が凝縮装置110を有する。そして、これら凝縮装置10,110が相違する。すなわち、第1実施形態における凝縮装置10では、熱交換器11p,11q,11rが一体化されていたのに対し、第2実施形態における凝縮装置110では、熱交換器111p,111q,111rが一体化されずに離れている。本実施形態においては、熱交換器111p,111q,111rの組合せが熱交換手段に相当する。
【0059】
熱交換器111p,111q,111rが別体となったことに伴い、本実施形態では、入口側マニホールド111aが排ガス用触媒燃焼器109の出口に接続されている。そして、入口側マニホールド111aが3つの流路R1、R2、R3に枝分かれして、流路R1、R2、R3が熱交換器111p,111q,111rの入口にそれぞれ接続されている。また、熱交換器111p,111q,111rの出口が出口側マニホールド111bによって一本に合流して水回収器115に接続されている。
【0060】
また、第1バルブ112が流路R2又は熱交換器111qの入口に第1バルブ111が設けられている。第2バルブ113が流路R3又は熱交換器111rの入口に設けられている。バルブ112,113自体の構造は第1実施形態におけるバルブ12,13と同様であり、取付位置が第1実施形態と異なる。なお、バルブ112,113がともにノーマリーオープン型の開閉バルブであってもよいし、バルブ112,113がともにノーマリークローズ型の開閉バルブであってもよいし、バルブ112,113のうち一方がノーマリーオープン型の開閉バルブであって、他方がノーマリークローズ型の開閉バルブであってもよい。
【0061】
第1バルブ112及び第2バルブ113の組合せが、複数の熱交換器111p,111q,111rのうち、排ガス用燃焼器109の排気口から排出された排ガスの送り先の数を切り替える切替部に相当する。すなわち、バルブ112,113がともに閉じた状態では、排ガス用燃焼器109の排気口から排出された排ガスが1つの熱交換器11pに流れ込む。バルブ112が開き、バルブ113が閉じた状態では、排ガス用燃焼器109の排気口から排出された排ガスが2つの熱交換器111p、111qに流れ込む。バルブ112が閉じ、バルブ113が開いた状態では、排ガス用燃焼器109の排気口から排出された排ガスが2つの熱交換器111p、111rに流れ込む。バルブ112,113がともに開いた状態では、排ガス用燃焼器109の排気口から排出された排ガスが3つの熱交換器111p、111q、111rに流れ込む。
【0062】
以上に説明したことを除いて第1実施形態における燃料電池発電装置100と第2の実施形態における燃料電池発電装置200との間で互いに対応する部分は同様に設けられている。
【0063】
本実施形態における制御部による制御方法と第1実施形態と同様である。
すなわち、燃料電池発電装置200が稼動し、制御部によるルーチンが実行された結果、制御部によって水回収器115内の水面が上限値と下限値との間にあると認定されると、第1バルブ112が開かれると共に第2バルブ113が閉じられる。そうすると、排ガスは熱交換器111p及び熱交換器111qにのみ流れる。この状態は、凝縮装置110の通常時の稼動状態であり、熱交換器111において凝縮される水の量と、燃料電池発電装置200の稼動に使用される水の量がほぼ等しくなる。従って、水回収器115内の貯水量は現状に維持される。
【0064】
制御部によって水回収器115内の水が上限値に達していると認定されると、第1バルブ112及び第2バルブ113が閉じられる。そうすると、排ガスは1つの熱交換器111pに流れる。発電量を途中で変更しない限り、排ガス用触媒燃焼器109から送り込まれてくる排ガスの量はほぼ一定である。従って、1つのみの熱交換器111p内の排ガスの流速は、2つの熱交換器111p,111qに流れている場合の流速よりも速くなる。従って、排ガスは十分な熱交換を行わないまま熱交換器111pから送出されていくので、交換熱量は通常時よりも減少し水の凝縮量も少なくなる。その結果、熱交換器111pにおいて凝縮される水の量が、燃料電池発電装置200の稼動に使用される水の量を下回り、水回収器115内の水の量が減少していく。やがて、水回収器115の貯水量は上限値を下回る。
【0065】
制御部によって水回収器115内の水が下限値に達していないと認定され、第1バルブ112及び第2バルブ113が開かれると、排ガスは3つ全ての熱交換器111p、111q、111rに均等に流れる。従って、3つの熱交換器111p、111q、111r内の排ガスの流速は、2つの熱交換器111p,111qにのみ流れている場合よりも遅くなる。その結果、排ガスは十分な熱交換を行った後に熱交換器111から送出されていくので、交換熱量は通常時よりも増加し水の凝縮量も多くなる。その結果、熱交換器111において凝縮される水の量が、燃料電池発電装置200の稼動に使用される水の量を上回り、水回収器115内の水の量が増加していく。やがて、水回収器115の貯水量は下限値を上回る。
【0066】
このように、第1バルブ112及び第2バルブ113の開閉動作によって、排ガスと空気の交換熱量を調節することにより、水回収器内の水の貯水量を常に適正量に維持することができる。
【0067】
なお、第1バルブ112を熱交換器111qと水回収器115の間に設け、第2バルブ113を熱交換器111rと水回収器115との間に設けても、同様の効果が得られる。また、熱交換器及びバルブの数を増減させてもよい。
【0068】
〔第3実施形態〕
図10は、本発明の第3実施形態に係る燃料電池発電装置300を示すブロック図である。以下、第1実施形態における燃料電池発電装置100と第3の実施形態における燃料電池発電装置300との間で相違する点を主に説明する。
【0069】
第1実施形態では燃料電池発電装置100が凝縮装置10を有するのに対し、第3実施形態では燃料電池発電装置300が凝縮装置210を有する。そして、これら凝縮装置10,210が相違する。すなわち、第1実施形態における凝縮装置10が3つの熱交換器11p,11q,11rを有していたのに対し、第3実施形態における凝縮装置210は1つの熱交換器211を有するが、バルブを有さない。そして、熱交換器211の入口が排ガス用触媒燃焼器209の出口に接続され、熱交換器211の出口が水回収器215の入口に接続されている。本実施形態においては、熱交換器211が熱交換手段に相当する。
【0070】
また、第1実施形態では交換熱量調節手段がバルブ12,13の組合せであったのに対し、第3実施形態では送風機214が交換熱量調節手段に相当する。すなわち、送風機214は、熱交換器211に送る送風の強さ、すなわち空気の強制対流の強さを調節するように設けられている。
【0071】
これに伴い、制御部230の機能も異なる。すなわち、第1実施形態では、制御部30がバルブ12,13を開閉することによって、熱交換器集合体11の交換熱量が調節されていたが、第3実施形態では、制御部230が送風機214の出力を制御することによって、熱交換器211の交換熱量が調節される。
【0072】
具体的には、本実施形態では、制御部230は、ROMに格納されたプログラムによって、水面検出センサ215aによる検出水面高さが、ROMに記録されている所定の上限値または下限値に達したか否かを判定する判定機能を有する。これに加えて、本実施形態の制御部230は、水面検出センサ215aによる検出水面高さが上限値と下限値の間にあると判定したら、送風機214の動作速度をROMに記録されている所定の速度(以下、標準速度という。)に調節する機能を有する。また、制御部230は、水面検出センサ215aによる検出水面高さが上限値に達したと判定したら、送風機214の動作速度を標準速度よりも低い速度(以下、低速度という。)に低下させる機能を有する。一方、制御部230は、水面検出センサ215aによる検出水面高さが下限値に達していないと判定したら、送風機214の速度を標準速度よりも高い速度(以下、高速度という。)に上昇させる機能を有する。
【0073】
以上に説明したことを除いて、第1実施形態における燃料電池発電装置100と第3の実施形態における燃料電池発電装置300との間で互いに対応する部分は同様に設けられ、制御部230の機能も第1実施形態における制御部30の機能と同様である。
【0074】
続いて、制御部230による処理の流れについて説明する。
燃料電池発電装置300の稼働の際には、第1実施形態の場合と同様に、制御部230がヒータ251、ヒータ263、ヒータ291、空気供給ポンプ204、水供給ポンプ203、送風機214及び燃料供給ポンプ202等を駆動する。ここで、制御部230は、標準速度で送付機214を作動させる。
【0075】
燃料電池発電装置300が稼動すると、制御部230は一定時間毎に図11に示すルーチンを実行する。ルーチンが開始されると、制御部230は、水面検出センサ15aによる検出水面高さを入力する(ステップS201)。制御部230は、検出した水面高さを所定の上限値と比較する。(ステップS202)。比較の結果、検出水面高さが上限値以上であると制御部230によって認定されると(ステップS202:Yes)、制御部230が送風機214の速度を低速度に低下させ(ステップS204)、処理を終了する。そのため、送風機214による送風の強さが減少する。反対に、検出水面高さが上限値に達していないと制御部230によって認定されると(ステップS202:No)、制御部230は、検出した水面高さを所定の下限値と比較する(ステップS203)。比較の結果、検出水面高さが下限値以下になったと制御部230によって認定されると(ステップS203:Yes)、制御部230が送風機214の速度を高速度に上昇させて(ステップS205)、処理を終了する。そのため、送風機214による送風の強さが増加する。検出水面高さが上限値と下限値の間である制御部230によって認定されると(ステップS203:No)、制御部230は送風機214の速度を標準速度にして(ステップS206)、処理を終了する。
【0076】
以上の制御の結果、制御部230によって水回収器215内の水が上限値と下限値の間にあると認定されると、送風機214は標準速度で運転される。この状態は、凝縮装置210の通常時の稼動状態であり、熱交換器211において凝縮される水の量と、燃料電池発電装置300の稼動に使用される水の量がほぼ等しくなる。従って、水回収器215内の貯水量は現状に維持される。
【0077】
制御部230によって水回収器215内の水が上限値に達していると認定され、送風機214の出力が標準出力値よりも低下すると、熱交換器211への送風量が減少する。従って、熱交換器211における交換熱量は減少し水の凝縮量も少なくなる。その結果、熱交換器211において凝縮される水の量が、燃料電池発電装置300の稼動に使用される水の量を下回り、水回収器215内の水の量が減少していく。やがて、水回収器215の貯水量は上限値を下回る。
【0078】
制御部230によって水回収器115内の水が下限値に達していないと認定され、送風機214の出力が標準出力値よりも上昇すると、熱交換器211への送風量が増加する。従って、熱交換器211による交換熱量は増加し水の凝縮量も多くなる。その結果、熱交換器211において凝縮される水の量が、燃料電池発電装置300の稼動に使用される水の量を上回り、水回収器215内の水の量が増加していく。やがて、水回収器15の貯水量は下限値を上回る。
【0079】
このように、送風機214による送風量の加減によって、排ガスと空気の交換熱量を調節することにより、水回収器内215の水の貯水量を常に適正量に維持することができる。
【0080】
なお、排ガスの冷却には空気以外の媒体を用いてもよいし、送風機以外の強制対流手段を用いてもよい。例えば、液体循環装置によって液体を循環させて、流動する循環液が直接又は間接的に熱交換器211に接するようにしてもよい。
また、制御部230によって送風機214の速度が3段階に制御されたが、2段階に制御されてもよいし、4段階以上に制御されてもよい。
【0081】
〔第4実施形態〕
図12は、本発明の第4実施形態に係る燃料電池発電装置400を示すブロック図である。以下、第1実施形態における燃料電池発電装置100と第4の実施形態における燃料電池発電装置400との間で相違する点を主に説明する。
【0082】
第1実施形態では燃料電池発電装置100が凝縮装置10を有するのに対し、第2実施形態では燃料電池発電装置400が凝縮装置310を有する。そして、これら凝縮装置10,310が相違する。すなわち、第1実施形態における凝縮装置10が3つの熱交換器11p,11q,11rを有していたのに対し、第4実施形態における凝縮装置310は1つの熱交換器411を有する。本実施形態においては、熱交換器311が熱交換手段に相当する。なお、熱交換器311にバルブは設けられていない。
【0083】
また、この凝縮装置310は、交換熱量調節手段としての流量制御弁312を有する。ここで、排ガス用触媒燃焼器309と熱交換器311との間では流路が分岐点313aで二手に分岐し、一方の分岐路313bが水回収器315に接続され、他方の分岐路313cが流量制御弁312及び熱交換器311を介して水回収器315に接続されている。流量制御弁312は、その弁開度を調整することで、排ガス用燃焼器309から熱交換器311に流れる排ガスの割合と排ガス用燃焼器309から水回収器315に流れる排ガスの割合とを調整する。なお、流量制御弁312は、分岐点313aから水回収路315までの分岐路313cであれば、熱交換器311と水回収器315との間に設けられていてもよい。
【0084】
流量制御弁312が設けられたことに伴い、制御部330の機能も異なる。すなわち、第1実施形態では、制御部30がバルブ12,13を開閉することによって、熱交換器集合体11の交換熱量が調節されていたが、第4実施形態では、制御部330が流量制御弁312を制御することによって、熱交換器311の交換熱量が調節される。
【0085】
具体的には、本実施形態では、制御部330は、ROMに格納されたプログラムによって、水面検出センサ315aによる検出水面高さが、ROMに記録されている所定の上限値または下限値に達したか否かを判定する判定機能を有する。具体的には、制御部330は、水面検出センサ315bによって検出された水面高さが上限値と下限値との間にあると判定したら、流量制御弁312の弁開度をROMに記録されている所定の開度(以下、標準開度という。)に調節する機能を有する。また、制御部330は、水面検出センサ315bによって検出された水面高さが上限値に達したと判定したら、流量制御弁312の開度を標準開度よりも低い開度(以下、低開度という。)にする。一方、制御部330は、水面検出センサ315bによる検出水面高さが下限値に達していないと判定したら、流量制御弁312の開度を標準開度よりも高い開度(以下、高開度という。)にする。
【0086】
以上に説明したことを除いて、第1実施形態における燃料電池発電装置100と第4の実施形態における燃料電池発電装置400との間で互いに対応する部分は同様に設けられ、制御部330の機能も第1実施形態における制御部30の機能と同様である。
【0087】
続いて、制御部330による処理の流れについて説明する。
【0088】
燃料電池発電装置400の稼働の際には、第1実施形態の場合と同様に、制御部330がヒータ351、ヒータ363、ヒータ391、空気供給ポンプ304、水供給ポンプ303、送風機314及び燃料供給ポンプ302等を駆動する。ここで、制御部330は、流量制御弁312の開度を標準開度にする。
【0089】
燃料電池発電装置400が稼動すると、制御部330は一定時間経過する毎に図13に示すルーチンを実行する。ルーチンが開始されると、制御部330は、水面検出センサ315bによる検出水面高さを入力する(ステップS301)。制御部330は、検出した水面高さを所定の上限値及び下限値と比較する(ステップS302、S303)。比較の結果、検出水面高さが上限値と下限値の間にあると制御部330によって認定されると(ステップS302:Yes、ステップS303:Yes)、制御部330は流量制御弁312の開度を標準開度にする(ステップS306)。反対に、検出水面高さが上限値に達したと制御部330によって認定されると(ステップS302:No)、制御部330は流量制御弁312の開度を低開度にする(ステップS305)。また、検出水面高さが下限値に達していないと制御部330によって認定されると(ステップS303:Yes)、制御部330は流量制御弁312を高開度にする(ステップS304)。そして、制御部が処理を終了する。
【0090】
以上の制御の結果、制御部330によって水回収器315内の水が上限値と下限値の間にあると認定され、流量制御弁312が標準開度になる。この状態は、凝縮装置310の通常時の稼動状態であり、熱交換器311において凝縮される水の量と、燃料電池発電装置400の稼動に使用される水の量がほぼ等しくなり、水回収器315内の貯水量は適正範囲内で維持される。
【0091】
制御部330によって水回収器315内の水が上限値に達していると認定され、流量制御弁312が低開度になると、熱交換器311に流れ込む排ガスの量が減り、熱交換器311を経ずに水回収器315に流れ込む排ガスの量が増える。従って、熱交換器311における交換熱量は、流量制御弁312が標準開度の場合よりも低くなる。その結果、水回収器315の水は、燃料電池発電装置300の稼動に使用される一方となり、水回収器315内の水の量が減少していく。やがて水の量は上限値を下回る。
【0092】
制御部330によって水回収器315内の水が下限値に達していないと認定され、方向切替弁312が高開度になると、熱交換器311に流れ込む排ガスの量が増える。従って、熱交換器311における交換熱量は通常時(流量制御弁312が標準開度の場合)より増加し、水の凝縮量も多くなる。その結果、熱交換器311において凝縮される水の量が、燃料電池発電装置300の稼動に使用される水の量を上回り、水回収器315内の水の量が増加していく。やがて水回収器315内の水の量は下限値を上回る。
【0093】
このように、流量制御弁312によって、熱交換器312に流れる排ガスの流量を調節することにより、水回収器315内の水の貯水量を常に適正量に維持することができる。
【0094】
なお、流量制御弁312が分岐点313aと熱交換器311との間に設けられているのではなく、分岐点313aと水回収器315との間に設けられていてもよい。この場合、流量制御弁312が高開度になれば、熱交換器311を経ずに水回収器315に流れ込む排ガスの流量が増え、熱交換器312における交換熱量が減る一方、流量制御弁312が低開度になれば、熱交換器311に流れ込む排ガスの流量が増え、熱交換器312における交換熱量が増える。従って、制御部330はステップS305において流量制御弁312の開度を高開度にし、ステップS304において流量制御弁312を低開度にする。
【0095】
〔変形例〕
以下、変形例について説明する。
この変形例は、第1〜第4実施形態のいずれも採用する事が出来る。
図4は、第1〜第4実施形態に対して追加となる構成を示したブロック図である。ここで、制御部430は制御部30と、制御部130と、制御部230と、制御部330とのうちの何れかであり、交換熱量調節手段480はバルブ11,12と、バルブ111,112と、送風機214と、流量制御弁312とのうちの何れかである。以下、変形例を第1実施形態に採用した場合について説明する。
【0096】
外気温度センサ404aは、空気供給ポンプ4が取り込む外部の空気の温度を検知するものである。外気温度センサ404による検知温度は制御部430に出力される。
また、外気湿度センサ404bは、空気供給ポンプ4が取り込む外部の空気の湿度を検知するものである。外気湿度センサ404bによる検知湿度は制御部430に出力される。
また、排ガス温度センサ415bは、水回収器15内において熱交換器集合体11から送出されてきた排ガスの温度を検知するものである。排ガス温度センサ415bによる検知温度は制御部430に出力される。
【0097】
また、電力検出部420は、燃料電池8の出力電力を検出する。電力検出部420による検出電力は、制御部430に出力される。
【0098】
制御部430は、排ガス温度センサ415aによる検出温度に基づき交換熱量調節手段480をフィードバック制御する。これは、制御部30が水面検出センサ15bによる検出水面高さに基づきバルブ11,12を制御していたこと(図8)の代わりに行われるものである。
【0099】
以下、図15を用いて具体的に説明する。
燃料電池発電装置100が稼動すると、制御部430は一定時間経過する毎に図15に示すルーチンを実行する。ルーチンが開始されると、制御部430は、電力検出部420による検出電力から、装置の稼動に必要な水量(1)を算出する(ステップS401)。
次に、制御部430が、外気温度センサ404a、外気湿度センサ404bによる検出温度、検出湿度を入力する(ステップS402)。
次に、制御部430が、検出温度及び検出湿度から導入水量(2)を算出する(ステップS403)。導入水量(2)は、空気供給ポンプ4が取り込む外部の空気中に含まれる水の量を推量したものである。
次に、制御部430が、生成水量(3)を算出する(ステップS404)。生成水量(3)は、一酸化炭素除去器62及び燃料電池8で生成される水の量を推量したものである。
次に、制御部430が、生成水量(4)を算出する(ステップS405)。生成水量(4)は、熱供給用触媒燃焼器64及び排ガス用触媒燃焼器9で生成される水の量を推量したものである。
次に、制御部430が、水量(2)〜(4)の和から水量(1)を減じて得た量(以下、過剰水量Aという。)を算出する(ステップS406)。
次に、制御部430は、過剰水量Aが飽和水蒸気量となる温度を以下の式から求める(ステップS407)。以下の式で、Wに過剰水量Aを代入し、温度Tを求める。
ew=exp{-6096.9385×T-1+21.2409642-2.711193×10-2×T+1.673952×10-5×T2+2.433502×ln(T)} …(7)
nw=fw/(R×T) …(8)
W=nw×ew/(101325-ew)×18.016×60 …(9)
ew:飽和水蒸気圧(Pa)、T:温度(K)、nw:排気ガスモル流量(mol/min)、fw:排気ガス(ドライ)、流量(ml/min)、R:気体定数、W:排出水分量(g/h)
ここで求めた温度が設定温度になる。
【0100】
次に、制御部430は、排ガス温度センサ415aによる検出温度をフィードバックして交換熱量調節手段480による交換熱量を調節するフィードバック制御を行う(ステップS408)。このようなフィードバック制御が行われることで、ステップS407で求めた温度が設定温度となって、排ガスの温度が設定温度に保たれる。
【0101】
このような制御が行われることで、より正確に水回収器15内の水を適正量に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料電池発電装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態で使用する熱交換器を示す断面図である。
【図3】同実施形態で使用する熱交換器を示す断面図である。
【図4】同実施形態で使用する熱交換器を示す断面図である。
【図5】同実施形態で使用する熱交換器を示す断面図である。
【図6】同実施形態で使用する熱交換器を示す断面図である。
【図7】同実施形態における燃料電池発電装置の回路構成を示すブロック図である。
【図8】同実施形態における燃料電池発電装置の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る燃料電池発電装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る燃料電池発電装置の構成を示すブロック図である。
【図11】同実施形態における燃料電池発電装置の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4実施形態に係る燃料電池発電装置の構成を示すブロック図である。
【図13】同実施形態における燃料電池発電装置の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】変形例における構成を示したブロック図である。
【図15】変形例における制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0103】
100〜500燃料電池発電装置
1〜401 燃料カートリッジ
2〜402 燃料供給ポンプ
3〜403 水供給ポンプ
4〜404 空気供給ポンプ
5〜405 蒸発器
6〜406 反応装置
61〜461 燃料改質器
62〜462 一酸化炭素除去器
64〜464 熱供給用触媒燃焼器
7a〜407a、7b〜407b 加湿器
8〜408 燃料電池
81〜481 アノード
82〜482 カソード
9〜409 排ガス用触媒燃焼器
10〜410 凝縮装置
11〜411 熱交換器
12〜412 第1バルブ
13〜413 第2バルブ
14〜414 送風機
15〜415 水回収器
15a〜415a 水面検出センサ
20〜420 DC/DCコンバータ
30〜430 制御部
R1〜R3 流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を含む高温の排ガスを排出する上流側装置の排気口に接続され、前記排ガスの熱を低温の外部媒体に放出する熱交換手段と、
前記熱交換手段の交換熱量を調節する交換熱量調節手段と、を備えることを特徴とする凝縮装置。
【請求項2】
前記熱交換手段が、前記上流側装置の排気口に接続された複数の熱交換器を有し、
前記交換熱量調節手段が、前記上流側装置の排気口と前記複数の熱交換器との間又は前記複数の熱交換器の下流に設けられ、前記複数の熱交換器のうち、前記上流側装置の排気口から排出された排ガスの送り先の数を切り替える切替部を有することを特徴とする請求項1に記載の凝縮装置。
【請求項3】
前記複数の熱交換器の下流に接続され、水を貯留する水回収器と、
前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、
前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記上流側装置から排出された排ガスの送り先の数を前記切替部によって減らし、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記上流側装置から排出された排ガスの送り先の数を前記切替部によって増やす制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の凝縮装置。
【請求項4】
前記熱交換手段が、前記上流側装置の排気口に接続された第1及び第2の熱交換器を有し、
前記交換熱量調節手段は、前記上流側装置の排気口と前記第1の熱交換器との間又は前記第1熱交換器の下流に設けられた開閉バルブを有することを特徴とする請求項1に記載の凝縮装置。
【請求項5】
前記熱交換手段が、前記上流側装置の排気口に接続された第1、第2及び第3の熱交換器を有し、
前記交換熱量調節手段は、前記上流側装置の排気口と前記第1の熱交換器との間又は前記第1の熱交換器の下流に設けられた第1の開閉バルブと、前記上流側装置の排気口と前記第3の熱交換器との間又は前記第3の熱交換器の下流に設けられた第2の開閉バルブと、を有することを特徴とする請求項1に記載の凝縮装置。
【請求項6】
前記第1の開閉バルブがノーマリーオープン型の開閉バルブであり、前記第2の開閉バルブがノーマリークローズ型の開閉バルブであることを特徴とする請求項5に記載の凝縮装置。
【請求項7】
前記第1、第2及び第3の熱交換器の下流に接続され、水を貯留する水回収器と、
前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、
前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉じ、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを開き、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値と前記下限値との間である場合、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブのどちらか一方を開き他方を閉じる制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の凝縮装置。
【請求項8】
前記交換熱量調節手段は、前記熱交換手段の周囲に外部媒体の強制対流を起こすとともに、その強制対流の強さを調節する強制対流手段を有することを特徴とする請求項1に記載の凝縮装置。
【請求項9】
前記熱交換手段の下流に接続され、水を貯留する水回収器と、
前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、
前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記強制対流手段による外部媒体の強制対流を弱め、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記強制対流手段による外部媒体の強制対流を強め制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の凝縮装置。
【請求項10】
前記強制対流手段が、外部媒体として空気を前記熱交換手段に送風する送風機であることを特徴とする請求項8又は9に記載の凝縮装置。
【請求項11】
前記空気は、前記熱交換手段に接続される他の装置を冷却した後に、前記熱交換手段に供給される事を特徴とする請求項10に記載の凝縮装置。
【請求項12】
前記熱交換手段の下流側に設けられた水回収器を更に備え、
前記上流側装置と前記熱交換手段との間で二手に分岐した2つの分岐路のうち一方が前記水回収器に接続され、他方が前記熱交換手段を介して前記水回収器に接続され、
前記交換熱量調節手段が、前記一方の分岐路又は前記他方の分岐路に設けられ、前記上流側装置から前記一方の分岐路を流れる排ガスの割合と前記上流側装置から前記他方の分岐路に流れる排ガスの割合を調整する流量制御弁を有することを特徴とする請求項1に記載の凝縮装置。
【請求項13】
前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、
前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記一方の分岐路に流れる排ガスの割合を前記流量制御弁によって増やし、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記他方の分岐路に流れる排ガスの割合を前記流量制御弁によって増やす制御部と、を更に備える請求項12に記載の凝縮装置。
【請求項14】
前記熱交換手段の下流に接続され、水を貯留する水回収器と、
前記水回収器に設けられ、前記水回収器に貯留された水の貯留量を検出する貯水量検出部と、
前記貯水量検出部による検出貯水量に基づいて前記交換熱量調節手段の制御を行う制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の凝縮装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記貯水量検出部による検出貯水量と上限値及びその上限値よりも低い下限値とを比較し、その比較の結果、前記貯水量検出部による検出貯水量が前記上限値以上である場合に、前記交換熱量調節手段によって前記熱交換手段の交換熱量を減少させ、前記貯水量検出部による検貯水量が前記下限値以下である場合に、前記交換熱量調節手段によって前記熱交換手段の交換熱量を増加させることを特徴とする請求項14に記載の凝縮装置。
【請求項16】
請求項1から15の何れか一項に記載の凝縮装置を備えることを特徴とする燃料電池発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−80319(P2010−80319A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248545(P2008−248545)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】