説明

処理装置及び処理装置の操作方法

【課題】コンテナブランク用の処理装置を提供する。
【解決手段】処理装置は、機械ベッドと、コンテナブランクを供給するための供給装置と、コンテナブランクを除去するための排出装置と、回転可能に取り付けられた回転式作業台と、半径方向において回転式作業台の反対側に位置する幾つかの操作装置と、少なくとも1つのコンベヤとを備える。コンベヤのコンポーネントマウントは、第2の円セグメント形状の表面セクションに配置され、第2の円セグメント形状の表面セクションは、円軌道セクション形状の搬送路によって規定された第1の表面セクションを補完して、完全な円を描くと規定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテナブランク用の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
該処理装置は、機械ベッドと、コンテナブランクを供給するための供給装置と、コンテナブランクを除去するための排出装置と、回転可能に取り付けられた回転式作業台と、幾つかの操作装置と、少なくとも1つのコンベヤとを備えている。回転式作業台は、コンテナブランクの一時的配置のために設計され且つ供給装置と排出装置との間の円軌道セクション形搬送路に沿ってコンテナブランクを搬送するために設計された幾つかの配置装置を有している。搬送路は第1の円セグメント形状の表面セクションを規定する。操作装置は、半径方向において回転作業台の反対側に位置し、回転式作業台上にあるコンテナブランクを処理するために設計されている。コンベヤは、コンテナブランクのコンポーネントを搬送するため且つ/或いはコンポーネントマウントと割り当てられた操作装置との間のコンベヤセクションに沿ってコンテナブランクのために設計されている。本発明はまた、処理装置の操作方法に関する。
【0003】
出願人にとっては既知であるが書面では示されていない従来技術による処理装置は、コンテナブランク上の1つ或いは複数の処理操作を行うために使用されるものである。コンテナブランクは、実質的に中空円筒状の形状で、例えば金属のエアゾール缶、或いは金属又はプラスチック製のチューブブランクである。これらのコンテナブランクは、処理装置において各種の処理を受けることができる。頻繁に行われる処理操作は、コンテナブランクの両端のいずれかに対するクロージャの適用、具体的にはねじ込みクロージャである。この結果、コンテナブランクは、下流側処理工程、例えばガソリンスタンドで、製品を充填され、その後、第2の端部を封止されることができる。
【0004】
このような処理操作を実行するために、処理装置は、コンテナブランクの供給のための供給装置が取り付けられた機械ベッド或いはベースフレームを含んでいる。 供給装置は、例えばベルトコンベヤ、チェーンコンベヤ或いは雑誌収納ユニットなどの上流側搬送装置に接続されており、その上を、処理対象のコンテナブランクが、上流処理ステーションから処理ユニットへ搬送される。 また、回転自在に機械ベッド上に取り付けられているのは回転式作業台であり、その上には、コンテナブランクを一時的に配置するための幾つかの配置装置が取り付けられている。コンテナブランクは、供給装置によって上流側搬送装置から配置装置へ、例えば配置装置に向かって押し出されるように、供給される。コンテナブランクはその後、コンテナブランクのパルス円運動を引き起こす、回転式作業台の回転ステップ運動によって機械ベッドに取り付けられた操作装置に供給される。所望の処理操作は、回転作業台に対して、半径方向に機械ベッドの外側に配置される操作装置によって行われる。配置装置上で保持され且つ処理されたコンテナブランクの円軌道セクション形搬送路の終端で、コンテナブランクは、排出装置の助けを借りて、各配置装置から除去され、下流側搬送装置に供給される。下流側搬送装置は、コンベヤベルト、チェーンコンベヤ或いは雑誌収納ユニットであってもよい。回転式作業台の運動中に、コンテナブランクは、円軌道セクション形搬送路上の供給装置と排出装置との間を移動する。搬送路において、放射状に外側を向いたコンテナブランクの長手軸でカバーされる表面を、第1の円セグメント形状の表面セクションと見なしてもよい。既知の処理装置も、少なくとも1つのコンベヤを含み、コンベヤは、コンテナブランクのコンポーネントを搬送するため且つ/或いはコンポーネントマウントと割り当てられた操作装置との間のコンベヤセクションに沿ってコンテナブランクのために設計されている。コンベヤの助けを借りて、コンポーネントマウントと割り当てられた操作装置との間で、例えば処理の過程でコンテナブランクに取り付けるためのクロージャコンポーネントの供給、及び/或いはコンテナブランクのカットオフエッジセクション等の処理残留物の除去、のための準備を行なうことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、異なる生産要件に対する順応性を改善する処理装置及び処理装置の操作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題は、上記のタイプの処理装置では、請求項1の特徴によって解決される。ここでは、コンベヤのコンポーネントマウントは、第2の円セグメント形状の表面セクションに配置され、第2の円セグメント形状の表面セクションは、円軌道セクション形の搬送路によって規定された第1の表面セクションを補完して完全な円を描くように規定されている。このようにして、コンポーネントの供給及び/或いは除去用に設計可能なコンポーネントマウントを、操作装置から独立して新しいコンポーネントの供給を受けることができ且つ/或いは廃棄コンポーネントを除去することができるように省スペース的な方法で処理装置に取り付けることが可能である。この結果、処理装置の関連設計が、機械オペレータが観察義務を実行する処理領域と、処理装置への供給及び処理装置からの除去が行われる供給/処分領域との分離を予め規定するため、処理装置での連続した操作を改善することができる。処理装置が、例えばプラスチックや金属材料のエアゾール缶やチューブの生産のために設計され、生産ラインへの統合が意図されている場合、これは特に重要である。そのような生産ラインでは、所望の製品品質を伴う安定した生産工程を保証するのに責任がある機械オペレータがすべての生産機に正面からアクセス可能であれば、有利で??ある。一方で、例えば処理対象のコンポーネントの持ち込み及び処分対象のコンポーネントの除去のような、必要な活動を行う際に、生産工程に干渉するのを避けるために、保全、供給及び処分は、正面に背を向けた後側から生産ライン全体に沿って行われるべきである。通常、操作装置は、コンテナブランク、特にそれらの放射状に外側に向かって位置合わせされる長手軸が、供給装置と排出装置との間の回転作業台の回転ステップ運動中に約180度から約330度の角度範囲をカバーするように機械ベッド上に配置される。この角度範囲は、第1の円セグメント形状の表面セクションを規定し、第1の円セグメント形状の表面セクションは、処理装置の正面を向く。その結果、第2の表面セクションは、約180度と30度との間の角度範囲をカバーし、処理装置の背面を向く。
【0007】
本発明の有利な展開を従属請求項に記載する。
回転式作業台の回転軸が垂直方向に位置合わせされると、処理装置の構造、特に機械ベッドの構成、を簡素化するので好都合である。これは、回転可能に取り付けられた回転式作業台の重量が軽量化されることにより、垂直に位置合わせされた回転軸を備える回転式作業台を、同等の精度及びより単純な手段で支持できるという事実によるものである。
【0008】
回転作業台に取り付けられた配置装置の長手軸が、回転軸に垂直なコンテナブランクの少なくとも1つの搬送面を規定するのが好ましい。配置装置の長手軸は、配置装置上に配置されるコンテナブランクの長手軸の配置を予め規定する。長手軸が、回転作業台の回転軸に垂直な半径方向、或いはこの半径方向と平行に、位置合わせされるのが好ましい。これにより、このような方法で設計された処理装置の生産ラインの統合が簡素化され、コンテナブランクは、通常水平に位置合わせされるコンテナ長手軸と共に搬送される。上流側搬送装置から供給装置へ、及び供給装置から配置装置へのコンテナブランクの引渡しにおいて、垂直方向へのコンテナ長手軸の旋回は不要である。同じように、このことは、回転式作業台から排出装置及び下流側搬送装置へのコンテナブランクの引渡しに適用される。これまでのところ、例えば形状の異なる操作装置に対するコンテナブランクの有利な位置決めを容易にするために、必要に応じ、配置装置は、回転軸に平行な垂直方向へのコンテナブランクの一時的な、並進運動的な移動用に設計されてもよい。この場合、幾つかの搬送面は、配置装置の長手軸によって規定される。
【0009】
コンポーネントマウントと割り当てられた操作装置との間のコンベヤセクションは、搬送面に平行なコンベヤ面に配置された少なくとも一部の領域にある、且つ/或いは搬送面と交差する、且つ/或いは回転作業台と少なくともほぼ完全に重なる、のが好ましい。これにより、処理装置上のコンポーネントマウントの配置をコンパクトにすることができ、且つ割り当てられた操作装置への及び/又は割り当てられた操作装置からの材料の流れが有利になる。
【0010】
回転軸に対して垂直に位置合わせされる断面平面において、機械ベッドが、少なくとも一部の領域で、具体的には半円及び/又は最大幅2.4メートルの、円セグメント形状の断面を有するのであれば有利である。このような断面及び回転作業台のセクション周りの操作装置の有利な放射状の配置により、機械ベッドをコンパクトに設計でき、且つ、調整、構成、監視及び保全目的のための操作装置へのアクセス可能性が有利に確保される。これは、機械ベッドが部分的に半円形の断面を有し、半円形の断面の半径が操作装置の放射状の空間によって回転式作業台の半径よりも大きくなるように選択されていて、両方の半径が、互いに同心に配置されている場合には特にそうである。半円形の断面に隣接するのは例えば正方形或いは長方形断面であり、その少なくとも1辺の長さは、機械ベッドの半円形の断面の半径に対応する。
【0011】
本発明の展開において、供給装置及び/又は排出装置は、その回転軸に平行な回転軸を有する回転台を備え、回転台には、コンテナブランク用の保持固定具が、特に回転軸に対して星型に配置されるように取り付けられていることが好ましい。回転台の助けを借りて、コンテナブランクの長手軸の向きを、具体的には180度、変更できる。これによりコンテナブランクを上流側搬送装置から配置装置へ或いは配置装置から下流側搬送装置に確実に引渡すことができる。保持固定具は、コンテナブランクの長手軸に沿って上流側搬送装置からコンテナブランクを除去し、配置装置上にコンテナブランクを滑らせるため、且つ/或いはコンテナブランクをコンテナブランクの長手軸に沿って配置装置から除去し、コンテナブランクを下流側搬送装置上に滑らせる或いは配置するために、コンテナブランクの端部を把持するように設計されるのが好ましい。
【0012】
本発明の有利な展開において、配置装置は、回転可能に取り付けられた配置マンドレルを含んでいる。配置マンドレルは、割り当てられた駆動ユニットに接続されており、水平に位置合わせされた長手軸周りにコンテナブランクを回転させるように設計されている。これは反対側に位置する操作装置の作業器具、特にツール、についてのコンテナブランクの回転を容易にする。コンテナブランクの回転は、連続或いは不連続であってもよい。連続回転は、例えばコーティング又は乾燥操作、或いは切削加工に関連して、例えばコンテナブランクの全周面を処理するために設けられてもよい。一方、不連続回転は、ねじ留め操作或いはコンテナブランクの局所処理用に提供される。必要に応じ、配置装置は、コンテナブランクの回転位置を検出するように設計されたセンサシステムを装備している。回転位置の検出後、コンテナブランクを作業器具に対して正しい位置に持って来るように回転させることができ、その後、コンテナブランク上での適切な局所作業工程が続く。
【0013】
配置装置の駆動ユニットが、具体的には電気同期サーボモータである直接駆動の形態であり、一体的に、或いは具体的には中空軸円錐クラッチであるクラッチ装置を介して、配置マンドレルに接続された駆動軸を含んでいるのが好ましい。直接駆動の場合には、空圧、液圧或いは電気回転駆動が含まれてよく、駆動軸が歯車機構を介在させずに配置マンドレルに接続される。ここでは、配置マンドレルと駆動軸とは一体に製造されてもよい。例えば寸法の異なるコンテナブランクの配置装置への適応を容易にするために、配置マンドレルを交換可能なクラッチ装置が、駆動軸に配置マンドレルを接続するために設けられるのが好ましい。クラッチ装置が、具体的にはDIN 69893に準拠した、中空軸円錐クラッチの形態であるのが特に好ましく、これにより、駆動軸に対し配置マンドレルはトルク耐性を有し且つ遊びの少ない接続が可能になる。
【0014】
本発明のさらなる展開において、回転式作業台と供給装置及び/又は排出装置それぞれには、回転運動を提供するための駆動ユニットが割り当てられる。これにより、互いに独立した動きで実際には結合せずに処理装置の可動コンポーネントの設定が可能性になる。これにより、コンテナブランクが供給される具体的な処理に応じた、回転作業台、配置装置、供給及び/又は排出装置の運動の最適化が容易になる。
【0015】
駆動ユニットが、駆動ユニットの回転運動の独立制御、特に同期制御、のために設計された制御ユニットに接続されている場合には、この接続で好都合である。これにより、制御ユニットは、回転作業台の回転ステップ運動、配置装置の配置マンドレルの連続或いは不連続回転、供給及び/又は排出装置の回転の連続運動の自由設計を容易にする。これらの運動は、互いに同期しているのが好ましい。
【0016】
配置装置のための少なくとも1つの駆動ユニットに、制御ユニットに関連付けられ且つ回転式作業台上に取り付けられた電源モジュールが割り当てられるのが好ましい。電源モジュールは、電気エネルギーの流れに影響を与え、適切な制御信号を用いて制御ユニットによって制御される。回転式作業台に電源モジュールを取り付けることにより、電源モジュールと配置装置との間の配線が簡素化される。すべての配置装置のための単一の電気エネルギーの流れしか、回転接続を介して供給される必要がなければ十分である。制御ユニットからの制御信号を、具体的には、事前設定可能なバスプロトコルの枠組みにおいても、制御線を介して及び/或いは光データリンク或いは無線リンクを介して電源モジュールに送信することができる。
【0017】
駆動ユニットのフィードバック制御の場合、制御ユニットと割り当てられた電力モジュールとの間の双方向通信もまた、上記の送信タイプのうちの少なくとも1つを介して提供可能である。
【0018】
本発明の有利な展開では、回転作業台には、配置装置の電源モジュールに制御ユニットからの電気エネルギーを供給し、制御信号を提供するように設計された、中心部に位置する多極電気回転接続が割り当てられる。制御信号のこの回転接続を通して、機械ベッド上で静止している制御ユニットから電源モジュールへの電気エネルギーの供給が行われる。一例として、回転接続は、スリップリングアセンブリ及び割り当てられた接触ブラシの組み合わせであってもよい。代替実施形態では、制御ユニットは分散化されているため、回転作業台の駆動ユニット及び機械ベッドに動かないよう取り付けられた操作装置の制御のために設けられた制御ユニットの第1の部分もまた、具体的には機械ベッドに、動かないように取り付けられている。一方、制御ユニットの第2の部分は回転式作業台に取り付けられ、電源モジュールに直接接続されている。制御ユニットの第1と第2の部分との間の通信は、回転接続を介して、或いは光電子及び/或いは無線電子接続を介した無線のいずれかにより保証される。制御ユニットの2つの部分はそれぞれ独立して動作することがあるので、すべての駆動ユニットの望ましい協調運動を確保するためのトリガ信号の送信だけが必要である。
【0019】
操作装置は、位置決め、分離、接合、装着、再形成、圧入、監視、コーティング、乾燥、表面活性化、の機能の少なくとも1つを提供するように設計されるのが好ましい。例えば、1つの操作装置は、例えばカッターやレーザービームなどの、接触或いは非接触の分離処理を使って、表面積、具体的にはコンテナブランクの端部、を切断するために設計される。追加的或いは代替的に、操作装置は、例えばレーザー溶接、超音波溶接、熱シール或いは摩擦溶接によって、コンテナブランクにコンポーネントを結合するように設計される。操作装置は、具体的には局所スタンピングを提供するために、コンテナの領域の一部或いはその全体の外周面上でコンテナを再形成するように追加的或いは代替的に設計されてもよい。操作装置はまた、例えばコンテナブランクにねじ込みクロージャなどのコンポーネントを装着するため、及び/或いは、例えばコーティング或いは印刷の質及び/或いは装着されたコンポーネントの位置についてコンテナブランクをチェックするように構成されてもよい。操作装置はまた、具体的には熱や紫外線を通じ、及び/或いは、例えばコンテナブランクの表面の火炎処理による、接合或いはコーティング処理を行う前の表面活性化のために、コンテナのコーティング、具体的には印刷、及び/或いは実施されたコーティングの乾燥、のために設計されてもよい。
【0020】
本発明の課題は、請求項7から14のいずれかに記載の処理装置の操作方法を提供する請求項16記載の特徴による第2の態様によって解決され、該操作方法は、自由に選択可能な回転ステップ角を使って自由に選択可能な回転ステップ時間に回転ステップ運動を行うために第1の制御信号によって回転式作業台の駆動ユニットを制御する工程と、自由に選択可能な処理時間に対し少なくとも1つの処理装置の駆動ユニットを制御する工程と、自由に選択可能な引渡し時間に対し供給装置及び/又は排出装置用の駆動ユニットを制御する工程とを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】エアゾール缶の製造のための生産ラインの統合のために設計された処理装置の概略平面図である。
【図2】配置装置の配置マンドレル用の駆動ユニットの断面図である。
【図3】図1の処理装置の具体的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ペースト状の内容物を充填するために金属或いはプラスチック或いは複合材料で作られた、例えばエアゾール用缶ブランク又はドリンク缶或いはチューブブランクのようなコンテナブランクの処理のための処理装置1を概略的に示している。包装業界では、このような処理装置1はまた、ねじ留め機とも記載される。なぜなら、コンテナブランクが関わる処理の典型的なアプリケーションの1つが、ねじ込みクロージャの装着であるからである。
【0023】
処理装置1は、以下に詳細に説明する処理装置1のコンポーネントを運ぶ機械ベッド2を含んでいる。機械ベッド2は、例えば工場のフロア上などの、好ましくは滑らかで詳細に示されていない表面上への設置用に設けられている。一例として、機械ベッド2は、詳細に示されていないチューブ及びパネルを溶接した構造の形態である。
【0024】
機械ベッド2に隣接するのは、コンテナブランク4を供給するための上流側搬送装置3であり、図3に示された連続運動するコンベヤチェーン6に取り付けられた複数の支持ピン5を持つチェーンコンベヤの形態をしている。上流側搬送装置3は、生産過程において上流に位置する生産機からコンテナブランク4を取り込み、処理装置1が使用できるようにする。ここでは、コンテナブランク4は支持ピン5に向かって押し出され、上流側搬送装置3によって供給装置7に利用可能になる。
【0025】
コンテナブランク4は、一例として、第1の端部に一体型ねじセクションを持つ先細りクロージャセクションを備え、第2の端部に円形の穴埋め用の穴を備えた実質的に中空円筒状の形態のチューブブランクである。
【0026】
コンテナブランク4は、クロージャセクションが上流側搬送装置3に背を向けるような形で支持ピン5に向かって押し出されている。供給装置7は、第1の端部でコンテナブランク4を検出し、支持ピン5からコンテナブランク4を除去し、旋回運動を行った後、配置装置9の配置マンドレル8にコンテナブランク4を押し出す役割をする。一例として、配置装置9の配置マンドレル8は、それぞれペアで平行に位置合わせされているため、2つのコンテナブランク4のそれぞれを、供給装置7と配置装置9との間の並進運動によって配置マンドレル8に向かって押し出すことができる。
【0027】
この目的のために、供給装置7は、把持手段10を備え、把持手段10は、ペアで配置され且つコンテナブランク4の第1の端部を把持するように設計されている。所望の除去及び押出し操作を実行できるようにするために、把持手段10を、支持ピン5或いは反対側に位置する配置マンドレル8と平行に移動させてもよい。供給装置7は、図1の表示の面に対して垂直な回転軸11周りに、詳細に示されていない駆動ユニットによって回転させることができる。回転軸11を、図1において適切な記号で示す。供給装置7の好ましい回転方向を図1に矢印で示す。
【0028】
配置装置9は、機械ベッド2に回転可能に取り付けられた回転作業台14上に載置されており、回転式作業台14の回転軸12は、図1の表示の面に対して垂直且つ供給装置7の回転軸11に平行に位置合わせされている。回転式作業台14は、詳細に示されていない電動機の、好ましくはトルクモータとして設計された、例えばローターの形態である。電気エネルギー、及び必要に応じて、一例として機械ベッド2の端部に取り付けられた制御ユニット15から、この電動機への、適切な制御信号の提供を通じて、電動機を、好ましくは事前設定可能な回転ステップ間隔及び/又は実行される回転ステップ運動用の事前設定可能な加速度曲線を伴う、具体的にはパルス回転ステップ運動をさせる。よって、処理対象のコンテナブランク4を、機械ベッド2の半径方向外側に取り付けられた反対側の操作装置16〜20それぞれにおける回転ステップ運動の過程で配置することができる。
【0029】
図1及び図2に示す処理装置1の場合には、一例として5つの操作装置16〜20が取り付けられている。コンテナブランク4の処理要件に応じて、最大9つの異なる操作装置を、一例として示されている処理装置1上で、支持プレート21〜29に取り付けることができる。支持プレート21〜29は、それぞれ機械ベッド2に固定可能であり且つ簡単に交換可能である。
【0030】
操作装置16〜18で処理操作を実行するには、配置マンドレル8をそれぞれ長手軸(縦軸)13周りに回転させることができると有利である。この目的のために、配置装置9内で、それぞれの配置マンドレル8には、具体的には電気同期サーボモータの形態である、一例として直接駆動の形態の、駆動ユニット30が割り当てられている。直接駆動の場合には、駆動ユニット30によって提供される運動エネルギーは、配置マンドレル8が一体的に、又は図2から明らかなようにクラッチ装置39を介して、取り付けられた駆動軸38に直接利用可能になる。クラッチ装置は、具体的にはDIN 69893に準拠した、一例として市販の中空軸円錐クラッチであるため、これ以上の詳細な説明は不要である。クラッチ装置39により、駆動軸38に対する、遊びのない、配置マンドレル8のトルク耐性を有する結合が保証される。
【0031】
一例として、各駆動ユニット30には、図1に概略的に示した、電源モジュール31が割り当てられる。電源モジュール31は、制御接続33を介して制御ユニット15に接続され且つ駆動ユニット30への電気エネルギーの流れに影響を与える。制御接続33は、制御ユニット15からの制御信号の一方向受信用、或いは、制御ユニット15との制御信号及びセンサ信号、特に回転位置データ、の双方向交換用に設計されている。一例として、制御接続33は、図1に示すように、ケーブル接続の形態であってもよい。追加的に又は代替的に、制御ユニット15と各電源モジュール31との間のデータ転送を、無線リンク及び/又は光データリンクを介して提供してもよい。これはまた、回転作業台14及び供給装置7、また、排出装置47及び制御ユニット15を接続する制御接続35、36、56についても同様である。
【0032】
電源モジュール31は、また、機械ベッド2から、回転可能に取り付けられた回転式作業台14への電気エネルギーの伝達を容易にする電力供給装置に、詳細には示されていない方法で、接続されている。回転式作業台14に取り付けられている駆動ユニット30の電源モジュール31は、詳細には示されていない回転接続を介して、配置装置9の中心部に取り付けられている。このような回転接続は、例えば回転軸12に同心に位置合わせされ且つ機械ベッド2又は回転式作業台14に固定された1つ以上のスリップリングと、反対側に位置する接触ブラシとによって実現可能である。
【0033】
例示的に、操作装置16〜20はまた、制御ユニット15に制御接続32、34、52、53、54、55を介して接続されており、そのため、制御ユニット15は、処理装置1のあらゆる運動及び処理操作に影響を与える、具体的には調整する、ことが可能である。
【0034】
例えば、操作装置16から18は、コーティングステーションを形成し、そこでまず火炎処理を伴う表面活性化が操作装置16によって行われる。そして、印刷装置の形態の操作装置17で、コンテナブランク4に装飾が行われる、或いは、一般的な印刷プロセス、具体的にはフレキソ印刷或いはインクジェット印刷で、既存の装飾に対して追加装飾が行われる。操作装置18は、行われた装飾のための乾燥ステーションの形態であり、例示的にインクを乾燥させる紫外線を発する光源を備えている。
【0035】
操作装置19は、一例としてコンテナブランク4が図示されていないねじ込みクロージャを提供されるねじ留めステーションの形態である。ねじ込みクロージャは、コンベヤ40を介して操作装置19に供給され、そこで直線運動及び/又はねじ込みクロージャとコンテナブランク4との間の回転運動によってコンテナブランク4に装着される。コンベヤ40は、例示的に機械ベッド2に固定されたコンポーネントマウント41を含み且つ装着するねじ込みクロージャの貯蔵コンテナとして機能する。コンベヤ40はまた、コンベヤレール42を含む。コンベヤレール42は、配置装置9の上方で横方向に延在し、コンポーネントマウント41から関連操作装置19へねじ込みクロージャを運ぶ役割をする。コンベヤレール42はまた、図示していないベルトコンベヤのような搬送手段の他に、こちらも図示されない位置合わせ手段を含んでいてもよく、位置合わせ手段は、コンポーネントマウント41から取り込まれたねじ込みクロージャを正確な位置合わせで操作装置19に供給するのに使用可能である。
【0036】
コンベヤ40のコンポーネントマウント41の有利な空間配置を得るために、コンポーネントマウント41は、2本の直線44、45で区切られた第1の円セグメント形状の表面セクション43の側面に取り付けられている。これらの直線44は、45は、回転軸12から放射状に外側に広がり、コンテナブランク4が、処理装置1の供給装置7と、回転式作業台14と、下流側排出装置47との間でその円軌道セクション形搬送路46に沿って搬送される領域をそれぞれ区切っている。第1の円セグメント形状の表面セクション43は、第2の円セグメント形状の表面セクション48によって補完されて円形の表面を形成する。第2の円セグメント形状の表面セクション48の領域におけるコンポーネントマウント41の配置は、また、コンポーネント、具体的には処理対象のねじ込みクロージャのコンポーネントマウント41への装填及び/又は、必要に応じて、コンポーネントマウント41からの排出を、処理装置1の背面側49から可能にしている。これにより、機械オペレータにより、取付、設定、確認、及びコンテナブランクの処理に直接関連する他の操作が実行される処理装置1の正面側50の連続した操作との干渉を避けられる。 これに対応して、コンポーネントマウントに対する供給及び/または排出は、背面側49から中断することなく行うことができる。
【0037】
操作装置19を通過した後、コンテナブランク4は、回転式作業台14と、操作装置20での1つ以上のさらなる回転ステップ運動の過程で回転式作業台14に取り付けられた配置装置9と、により位置決めされる。操作装置20は、一例として光学検査ステーションの形態であり、一例として、ねじ込みクロージャがコンテナブランク4に正しく装着されていることを確認する。コンテナブランク4は、次に例示的には供給装置7と同一である排出装置47によってベルトコンベヤ51に引き渡される。
【0038】
処理装置1の具体的かつ例示的な設計は、コンポーネントマウントが明確化のために示されていない図3から推測可能である。特に、図3にも、チェーンコンベヤとしての上流側搬送装置3が示されている。上流側搬送装置3のコンベヤチェーン6は、実際は、図示されない上流側生産機に延びているため、部分的にしか示されていない。コンベヤチェーン6の搬送方向の例を、関連する矢印で示す。
【符号の説明】
【0039】
1…処理装置 2…機械ベッド 4…コンテナブランク
7…供給装置 9…配置装置 14…回転式作業台
16〜20…操作装置 40…コンベア
41…コンポーネントマウント 42…コンベアレール
43…第1の円セグメント形状の表面セクション
46…円軌道セクション形搬送路 47…排出装置
48…第2の円セグメント形状の表面セクション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナブランク用の処理装置であって、
該処理装置は、機械ベッドと、コンテナブランクを供給するための供給装置と、コンテナブランクを除去するための排出装置と、円軌道セクション形搬送路に沿ってコンテナブランクを搬送するために設計された幾つかの配置装置を備え、該搬送路が、第1の円セグメント形状の表面セクションを規定する、回転可能に取り付けられた回転式作業台と、半径方向において前記回転式作業台の反対側に位置する幾つかの操作装置と、コンテナブランクのコンポーネントを搬送するため且つ/或いはコンポーネントマウントと割り当てられた操作装置との間のコンベヤセクションに沿ってコンテナブランクのために設計された少なくとも1つのコンベヤとを備えた処理装置であって、前記コンベヤのコンポーネントマウントは、第2の円セグメント形状の表面セクションに配置され、該第2の円セグメント形状の表面セクションは、前記円軌道セクション形状の搬送路によって規定された第1の表面セクションを補完して、完全な円を描くことを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記回転式作業台の回転軸が垂直方向に位置合わせされていることを特徴とする、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記回転式作業台に取り付けられた配置装置の長手軸が、前記回転軸に垂直な、コンテナブランクの少なくとも1つの搬送面を規定することを特徴とする、請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記コンポーネントマウントと前記割り当てられた操作装置と間の前記コンベヤセクションが、前記搬送面に平行なコンベヤ面に配置された少なくとも一部の領域にある、且つ/或いは前記搬送面と交差する、且つ/或いは前記回転式作業台と少なくともほぼ完全に重なることを特徴とする、請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記回転軸に対して垂直に配置された断面平面において、前記機械ベッドが、少なくとも一部の領域に、円セグメント形状の断面及び/或いは最大2.4メートルの幅を有することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
前記供給装置及び/又は排出装置が、前記回転軸に平行に位置合わせされた回転軸を備えた回転台を有しており、該回転台にはコンテナブランク用の保持固定具が取り付けられていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
コンテナブランク用の前記保持固定具が、前記回転台の回転軸に対して星形の配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項8】
前記配置装置が、回転可能に取り付けられた配置マンドレルを備え、該配置マンドレルが、割り当てられた駆動ユニットに接続されると共に、水平に位置合わせされた長手軸周りにコンテナブランクを回転させるために設計されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項9】
前記配置装置の駆動ユニットが、直接駆動の形態であり、一体的に或いはクラッチ装置を介して配置マンドレルに接続された駆動軸を含んでいることを特徴とする、請求項8に記載の処理装置。
【請求項10】
前記配置装置の駆動ユニットが、電動同期サーボモータの形態であり、且つ/或いはクラッチ装置を介して前記配置マンドレルに接続された前記駆動軸が、中空軸円錐クラッチを備えることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
【請求項11】
前記回転式作業台と供給装置及び/又は排出装置とに、それぞれ回転運動を提供するための駆動ユニットが割り当てられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項12】
前記駆動ユニットが、該駆動ユニットの回転運動を独立制御するために設計された制御ユニットに接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の処理装置。
【請求項13】
配置装置のための少なくとも1つの駆動ユニットに、前記制御ユニットに関連付けられ且つ前記回転式作業台に取り付けられた電源モジュールが割り当てられていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項14】
前記回転式作業台に、中心部に配置された多極電気回転接続部が割り当てられ、該接続部が、前記制御ユニットから前記配置装置の電源モジュールへ電気供給エネルギー及び制御信号を提供するように設計されていることを特徴とする、請求項13に記載の処理装置。
【請求項15】
前記操作装置が、位置決め、分離、接合、装着、再形成、圧入、監視、コーティング、乾燥、表面活性化、の機能の少なくとも1つを提供するように設計されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項16】
請求項7〜14のいずれか1項に記載の処理装置の操作方法であって、自由に選択可能な回転ステップ角を使って自由に選択可能な回転ステップ時間に回転ステップ運動を行うために第1の制御信号により、前記回転作業台の駆動ユニットを制御する工程と、自由に選択可能な処理時間に少なくとも一つの操作装置の駆動ユニットを制御する工程と、自由に選択可能な引渡し時間に対し供給装置及び/又は排出装置用の駆動ユニットを制御する工程とを含む操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−71244(P2013−71244A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−217093(P2012−217093)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(512252951)ヒンターコプフ ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】