説明

処理装置

【課題】直感的でスピーディーでありながら、誤認識の少ない入力操作をしたい。
【解決手段】保持部130は、複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンと照合される参照データとすべきリズムパターンと、特定の処理内容との組を保持する。受付部122は、保持部130に登録されるべき、特定のリズムパターンと特定の処理内容との組を受け付ける。登録判定部124は、受け付けられた組を保持部130に登録するか否かを、保持部130に既に登録されているリズムパターンを参照して、判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザからの入力操作を直接または間接に受ける、処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機や携帯型音楽プレーヤーなどの携帯機器の小型化が進んできており、その筐体に操作部を設置するスペースが狭くなってきている。また、携帯電話機を筆頭に、携帯機器の多機能化も進んできており、その操作が複雑になってきている。このような状況下、様々な入力形態の携帯機器が実用化されている。たとえば、QWERTY配列のキーボードを搭載したもの、タッチパネル入力が可能なもの(たとえば、特許文献1参照)、音声入力が可能なもの、などが実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−282380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯機器に搭載されるQWERTY配列のキーボードは、そのキー間隔が非常に狭くなってしまうため、操作性があまり高くない。また、もともと直感的な入力ではないため、PCに不慣れなユーザにとって操作が難しい面もある。現状のタッチパネル入力は、目的の操作を達成するまでに多くのタッチ回数を必要とするものが多く、スピーディーに操作することが難しい。また、画面を見ながらでないと操作が難しいという面もある。音声入力は、直感的な操作であるが、現状ではあまり精度が高くなく、誤入力が多く発生してしまう。
【0005】
このような状況下、本発明者はリズムパターンと特定の処理内容との組をあらかじめ保持し、複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンと、保持されているリズムパターンとを照合することにより、その処理内容を実行させる入力形態に想到した。この入力形態をより洗練されたものにするには、認識精度の向上が求められる。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、直感的でスピーディーでありながら、誤認識の少ない入力操作を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様の処理装置は、複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンと照合される参照データとすべきリズムパターンと、特定の処理内容との組を保持する保持部と、保持部に登録されるべき、特定のリズムパターンと特定の処理内容との組を受け付ける受付部と、受け付けられた組を保持部に登録するか否かを、保持部に既に登録されているリズムパターンを参照して、判定する登録判定部と、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、直感的でスピーディーでありながら、誤認識の少ない入力操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記リズムパターンの記述方法を説明するための図である。
【図3】図2に示したリズムパターンと照合されるべき、入力時の実際のユーザ入力操作により形成されたリズムパターンを示す図である。
【図4】保持部に保持されるデータ構造の第1例を示す図である。
【図5】保持部に保持されるデータ構造の第2例を示す図である。
【図6】保持部に保持されるデータ構造の第3例を示す図である。
【図7】上記タッチ位置パターンを説明するための図である。
【図8】実際のユーザ入力操作により形成されたタッチ位置パターンを示す図である。
【図9】保持部に保持されるデータ構造の第4例を示す図である。
【図10】実施の形態1に係る処理装置の登録判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】実施の形態1に係る処理装置の入力認証処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態2に係る処理システムの構成を示すブロック図である。
【図13】既に登録されたリズムパターンの位置およびその排他領域を二次元空間上に描いた画像の例を示す図である。
【図14】既に登録されたリズムパターンの位置およびその排他領域を三次元空間上に描いた画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る処理装置100の構成を示すブロック図である。実施の形態1の説明では、処理装置100として、携帯電話機、PDA、スマートフォン、携帯型音楽プレーヤーなどの携帯機器を想定する。とくに、一つの携帯機器を複数のユーザでシェアして使用する形態を想定する。
【0012】
当該処理装置100は、操作部110、生成部120、受付部122、登録判定部124、保持部130、取得部140、照合部150、処理部160、表示制御部170および表示部180を備える。これらの構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0013】
操作部110は、ユーザの入力操作を受け付ける。ここでの入力操作とは、ユーザが与える、操作部110に対する有形力または無形力の行使をいう。したがって、当該入力操作は、必ずしもユーザの指またはユーザが持つペンなどの道具で押圧されることにより実行される形態に限らない。光、音、磁気または気圧の変化が非接触で、操作部110に与えられることにより実行される形態であってもよい。また、筐体自体をユーザが振ることにより発生する加速度成分の変化により、当該入力操作が実行される形態であってもよい。この場合、筐体表面に操作部110を設けない構成も可能となる。いずれの場合も、一回のタッチに対応する、光などの変化量をあらかじめ設定しておけば実現可能である。
【0014】
操作部110には、上記入力操作を受け付けるための、タッチパネル、タッチパッドまたはセンサが設けられる。ここではそれが設けられる面積は問わない。たとえば、指一本が接触可能な程度の小さな面積の、タッチバッドであってもよい。また、ユーザの足によって踏まれるフッドスタンプ型のタッチパッドであってもよい。
【0015】
生成部120は、操作部110に対する複数回のユーザ入力操作に応じてリズムパターンを生成する。このリズムパターンは、隣接する拍の時間間隔の連なりとして記述される。拍は操作部110に対する一回の入力操作(たとえば、一回のタッチ)に対応する。ここで、各時間間隔は、1拍目と2拍目との時間間隔との比率で記述されてもよい。その際、1拍目と2拍目との時間間隔は常に1になるため、その時間間隔を省略してもよい。リズムパターンの具体例は後述する。
【0016】
保持部130は、複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンと照合される参照データとすべきリズムパターンと、特定の処理内容との組を保持する。保持部130に保持される組は、登録判定部124により登録許可と判定された、特定のリズムパターンと特定の処理内容との組である。
【0017】
受付部122は、保持部130に登録されるべき、特定のリズムパターンと特定の処理内容との組を受け付ける。実施の形態1では、操作部110により複数回のユーザ入力操作が受け付けられ、生成部120によりその入力操作に応じて生成されたリズムパターンと、操作部110に対するユーザ操作に起因して特定される処理内容との組を受け付ける。
【0018】
登録判定部124は、受付部122により受け付けられた組を保持部130に登録するか否かを、保持部130に既に登録されているリズムパターンを参照して、判定する。たとえば、登録判定部124は、受け付けられたリズムパターンとの差異を示す値(以下、登録時差異値という)が所定の登録時設定値より小さいリズムパターンが保持部130に保持されている場合、登録不可と判定し、登録時差異値が登録用設定値より小さいリズムパターンが保持部130に保持されていない場合、登録許可と判定してもよい。当該登録時設定値は実験やシミュレーションを通して得られる統計値にもとづき、設定されることが可能である。
【0019】
また、登録判定部124は、同じ拍数のリズムパターンごとに設定された、登録を許可する上限数を参照し、受け付けられたリズムパターンが登録されると、対応する拍数の上限数を超える場合、登録不可と判定してもよい。この上限数は、拍数が多くなるにしたがい、多くなるように設定されてもよい。また、処理装置100を使用するユーザごとに、当該上限数が設定されてもよい。
【0020】
取得部140は、複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンを取得する。実施の形態1では、操作部110によりユーザ入力操作を受け、生成部120により生成されたリズムパターンを取得する。
【0021】
照合部150は、取得部140により取得されるリズムパターンと、保持部130に保持されるリズムパターンとを照合する。より具体的には、取得部140により取得されるリズムパターンと、保持部130に保持されるすべてまたは一部の組に含まれるリズムパターンとをそれぞれ照合する。さらに具体的には、取得部140により取得されるリズムパターンと、保持部130に保持されるすべてのリズムパターンとを順番に照合し、最も近似するリズムパターンを特定してもよい。また、つぎに説明するような手法を用いてもよい。あらかじめ保持部130に保持されるすべてのリズムパターンを、近似する複数のリズムパターンごとに分類し、各グループごとに、属している複数のリズムパターンを代表するインデックスパターンを設ける。そして、取得部140により取得されるリズムパターンと、当該インデックスパターンとを照合して最も近似するインデックスパターンを特定する。つぎに、取得部140により取得されるリズムパターンと、そのインデックスパターンに属する複数のリズムパターンのそれぞれとを照合して、最も近似するリズムパターンを特定する。詳細な照合処理の具体例は後述する。
【0022】
処理部160は、照合部150による照合の結果、取得部140により取得されるリズムパターンに対応するリズムパターンが保持部130に保持されている場合、そのリズムパターンと組をなす処理内容を実行する。より具体的には、取得されるリズムパターンとの差異を示す値(以下、入力時差異値という)が所定の入力時設定値より小さいリズムパターンが保持部130に保持されている場合、そのリズムパターンと組をなす処理内容を実行する。当該入力時設定値は実験やシミュレーションを通して得られる統計値にもとづき、設定されることが可能である。
【0023】
保持部130は、特定のリズムパターンと、接触検出領域に対して入力操作としてなされる複数回のタッチにより形成されるタッチ位置パターンと、特定の処理内容との組を複数、保持することもできる。当該接触検出領域は、タッチパネルであってもよいし、タッチバッドであってもよいし、入力ボタンであってもよい。この場合、受付部122は、保持部130に登録されるべき、特定のリズムパターンと特定のタッチ位置パターンと特定の処理内容との組を受け付ける。登録判定部124は、受け付けられた組を保持部130に登録するか否かを、保持部130に既に登録されている組のリズムパターンとタッチ位置パターンを参照して、判定する。
【0024】
また、取得部140は、複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンとともに、その入力操作により形成されるタッチ位置パターンを取得する。照合部150は、リズムパターンの照合とともに、取得されたタッチ位置パターンと、保持部130に保持されているタッチ位置パターンとを照合する。処理部160は、照合部150による照合の結果、取得されるリズムパターンとの入力時差異値がリズムパターン用の入力時設定値より小さいリズムパターンと、取得されるタッチ位置パターンとの入力時差異値がタッチ位置パターン用の入力時設定値より小さいタッチ位置パターンとを持つ組が保持部130に保持されている場合、その組に含まれる処理内容を実行する。当該タッチ位置パターンは、特定の指(たとえば、中指)のタッチ位置からの、位置間隔の連なりで記述されてもよい。当該タッチ位置パターンの詳細および当該保持部130の具体例は後述する。
【0025】
保持部130は、特定のリズムパターンと、特定の地域と、特定の処理内容との組を複数、保持することもできる。処理装置100に図示しないGPS受信部が設けられ、GPS受信部はGPS衛星からの信号をもとに位置情報を生成する。この場合、受付部122は、保持部130に登録されるべき、特定のリズムパターンと特定の地域と特定の処理内容との組を受け付ける。登録判定部124は、受け付けられた組を保持部130に登録するか否かを、保持部130に既に登録されているリズムパターンと地域を参照して、判定する。
【0026】
また、取得部140は、複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンとともに、上記GPS受信部により、GPS衛星からの信号にもとづいて生成される、その入力操作を行うユーザの位置情報を取得する。照合部150は、リズムパターンの照合とともに、取得された位置情報と、保持部130に保持されている複数の地域とを照合する。処理部160は、照合部150による照合の結果、取得されるリズムパターンとの入力時差異値が入力時設定値より小さいリズムパターンと、取得された位置情報により特定される位置が属する地域とを持つ組が保持部130に保持されている場合、その組に含まれている処理内容を実行する。当該保持部130の具体例は後述する。なお、位置情報は、GPS衛星からの信号にもとづいて生成される形態に限るものではなく、ユーザ入力など、他の形態により生成されてもよい。
【0027】
保持部130は、特定のリズムパターンと、特定の時間帯と、特定の処理内容との組を複数、保持することもできる。この場合、受付部122は、保持部130に登録されるべき、特定のリズムパターンと特定の時間帯と特定の処理内容との組を受け付ける。登録判定部124は、受け付けられた組を保持部130に登録するか否かを、保持部130に既に登録されているリズムパターンと時間帯を参照して、判定する。
【0028】
また、取得部140は、複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンとともに、その入力操作が行われる時刻情報を取得する。照合部150は、リズムパターンの照合とともに、取得された時刻情報と、保持部130に保持されている複数の時間帯とを照合する。処理部160は、照合部150による照合の結果、取得されるリズムパターンとの入力時差異値が入力時設定値より小さいリズムパターンと、取得された時刻情報により特定される時刻が属する時間帯とを持つ組が保持部130に保持されている場合、その組に含まれる処理内容を実行する。当該保持部130の具体例は後述する。
【0029】
なお、保持部130は、特定のリズムパターンおよび特定の処理内容を必須項目としつつ、特定の地域、特定の時間帯および特定のタッチ位置パターンの任意の組み合わせを含む組を保持することもできる。
【0030】
表示制御部170は、リズムパターンを組成するそれぞれの時間間隔を割り当てるべき軸をそれぞれ形成するとともに、それらの軸により多次元空間を形成する。そして、その多次元空間のそれぞれの時間軸に、既に登録されたリズムパターンを組成するそれぞれの時間間隔を座標として割り当てることにより、多次元空間に当該リズムパターンをプロットすべき位置を特定する。かつ、そのリズムパターンの位置を含み、別のリズムパターンの登録を禁止すべき排他領域を特定する。このようにして生成されたリズムパターンの位置とその排他領域を示す画像を表示部180に表示させる。この画像の例は後述する。
【0031】
上述したように、リズムパターンが、隣接する拍の時間間隔の連なりとして記述され、かつ各時間間隔が1拍目と2拍目との時間間隔との比率で記述される場合、4拍のリズムパターンは2次元空間に、5拍のリズムパターンは3次元空間で記述される。1拍目と2拍目との時間間隔は常に1になるため、それに対応する軸が省略されて記述されるためである。
【0032】
なお、当該多次元空間を形成する軸は、リズムパターンを組成するそれぞれの時間間隔を割り当てるべき軸に限らず、地域を割り当てるべき軸、時間帯を割り当てるべき軸、およびタッチ位置パターンを組成するそれぞれの位置間隔を割り当てるべき軸であってもよい。
【0033】
図2は、上記リズムパターンの記述方法を説明するための図である。ここでは、5拍により形成されるリズムパターンを示している。このリズムパターンを、隣接する拍間の時間間隔の連なりとして記述する。このリズムパターンを生の時間間隔の連なりで記述すると、「1.5秒、1.5秒、1.5秒、0.75秒」となる。以下、簡略化のため単位表記を省略する。1拍目と2拍目との時間間隔が1となるように、データを正規化する。ここでは、「1、1、1、0.5」となる。この正規化後の時間間隔の連なりで、リズムパターンを表現する。また、正規化すると1拍目と2拍目との時間間隔が常に1になるため、その時間間隔を省略して表現することができる。ここでは、「1、1、0.5」(図2で点線枠で囲われている)となる。
【0034】
図3は、図2に示したリズムパターンと照合されるべき、入力時の実際のユーザ入力操作により形成されたリズムパターンを示す図である。このリズムパターンの、正規化後の時間間隔の連なりは「0.9、1.1、0.4」となる。
以下、この例にしたがい照合部150によるリズムパターンの照合方法の一例を説明する。なお、上記入力時設定値は0.4に設定されていることを前提とする。
【0035】
照合部150は、取得されたリズムパターンを組成する各時間間隔と、参照されるべきリズムパターンを組成する各時間間隔との差分の絶対値をそれぞれ算出する。つぎに、算出された各差分の絶対値をすべて加算して入力時差異値を求める。最後に、この入力時差異値と上記入力時設定値とを比較し、前者が後者未満であれば適合と判定し、それ以外であれば不適合と判定する。上述した例では、
入力時差異値=|1−0.9|+|1−1.1|+|0.5−0.4|=0.3
0.3(入力時差異値)<0.4(入力時設定値)
となるため、両リズムパターンは適合と判定される。
【0036】
この手法は、登録時のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンと、保持部130に既に登録されているリズムパターンとの照合処理にも利用することができる。すなわち、登録判定部124は、受け付けられたリズムパターンを組成する各時間間隔と、参照されるべきリズムパターンを組成する各時間間隔との差分の絶対値をそれぞれ算出する。つぎに、算出された各差分の絶対値をすべて加算して登録時差異値を求める。最後に、この登録時差異値と上記登録時設定値とを比較し、前者が後者未満であれば登録不可と判定し、それ以外であれば登録許可と判定する。なお、入力時設定値と登録時設定値は、同じ値が設定されてもよいし、それぞれ別の値が設定されてもよい。後者の値のほうを大きく設定してもよい。その場合、登録判定をより厳しく行うことができる。
【0037】
なお、照合部150によるリズムパターンの照合方法は、この例に限るものではない。たとえば、上記差分の絶対値と、所定の設定値(たとえば、0.12)とを、各時間間隔ごとにそれぞれ比較して、すべての時間間隔で、差分の絶対値が設定値未満であるとき、適合と判定してもよい。また、リズムパターンを組成するすべての時間間隔を複数のグループ(たとえば、前半と後半)に分類し、各グループごとに上記差異値(すなわち、差分絶対値和)を求め、各グループの差異値と、各グループの設定値とをそれぞれ比較し、すべてのグループで差異値が設定値未満のとき、適合と判定してもよい。ここで、後ろのグループほど設定値を大きな値に設定してもよい。長いリズムパターンでは、後ろにいくにしたがって、ユーザ操作によるリズムパターン形成の再現性が低下するケースが多い。グループごとに差異値と設定値とを比較すれば、それを調整することができ、照合判定をより最適化することができる。なお、上記差分の絶対値の代わりに、差分の二乗値を用いてもよい。
【0038】
実施の形態1の以下の説明では、処理装置100として携帯電話機を想定し、特定の処理内容が特定のウェブページにアクセスするための処理である場合を説明する。
図4は、保持部に保持されるデータ構造の第1例を示す図である。このデータ構造130aでは、一つの組は、組ID131、リズムパターン132および処理内容136の項目を持つ。
組1は、「1.3、0.4、2」のリズムパターンが入力されると、URLがhhtp://www.aaaa.jpのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。
組2は、「0.7、2、1.3」のリズムパターンが入力されると、URLがhhtp://www.bbbb.jpのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。
組3は、「2、1.1、1.6」のリズムパターンが入力されると、URLがhhtp://www.cccc.jpのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。
このように、ユーザは訪問回数の高いウェブページへアクセスするための操作を、特定のリズムパターンの入力操作に置き換えることができる。
【0039】
図5は、保持部130に保持されるデータ構造の第2例を示す図である。このデータ構造130bでは、一つの組は、組ID131、リズムパターン132、地域133および処理内容136の項目を持つ。ここでは小売業や飲食業のウェブページにアクセスすることを想定する。
組1は、処理装置100が東京に位置している場合にて、「2、1.1、1.6」のリズムパターンが入力されると、URLがhhtp://www.cccc.jp/tokyoのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。このページは東京店舗のページである。
組2は、処理装置100が埼玉に位置している場合にて、「2、1.1、1.6」のリズムパターンが入力されると、URLがhhtp://www.cccc.jp/saitamaのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。このページは埼玉店舗のページである。
組3は、処理装置100の現在位置に関係なく、URLがhhtp://www.aaaa.jpのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。このページはその店のトップページである。
ここで、組1と組2のリズムパターンは同じである。したがって、ユーザが同じリズムで入力操作を行った場合でも、処理装置100の現在位置により、異なったウェブページへのアクセス処理を実行することが可能である。たとえば、現在位置に近い店舗のページにアクセスすることが可能である。
【0040】
図6は、保持部に保持されるデータ構造の第3例を示す図である。このデータ構造130cでは、一つの組は、組ID131、リズムパターン132、時間帯134および処理内容136の項目を持つ。ここでは飲食業のウェブページにアクセスすることを想定する。
組1は、14時以前に、「0.7、2、1.3」のリズムパターンが入力されると、URLがhhtp://www.cccc.jp/lunchのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。このページはランチメニューのページである。
組2は、14時以降に、「0.7、2、1.3」のリズムパターンが入力されると、URLがhhtp://www.cccc.jp/dinnerのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。このページはディナーメニューのページである。
組3は、時刻に関係なく、「1.3、0.4、2」のリズムパターンが入力されると、URLがhhtp://www.aaaa.jpのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。このページはその店のトップページである。
ここで、組1と組2のリズムパターンは同じである。したがって、ユーザが同じリズムで入力操作を行った場合でも、時間帯により、異なったウェブページへのアクセス処理を実行することが可能である。たとえば、その時間帯のメニューのページにアクセスすることが可能である。
【0041】
つぎに、上記タッチ位置パターンについて説明する。
図7は、上記タッチ位置パターンを説明するための図である。操作部110に設けられるタッチパネル110aに、親指のタッチ位置を示す親指用タッチゾーン111、人差し指のタッチ位置を示す人差し指用タッチゾーン112、中指のタッチ位置を示す中指用タッチゾーン113、薬指のタッチ位置を示す薬指用タッチゾーン114および子指のタッチ位置を示す子指用タッチゾーン115が表示される。これらのゾーンは背景と異なる色で表示されてもよいし、各ゾーンの枠が表示されてもよい。
【0042】
ユーザは、上記リズムパターンを形成するための複数回のタッチ操作を行う際、各タッチを行う指を指定された指で行う。その際、タッチする指を、その指の種類に対応するタッチゾーン111〜115にタッチする。なお、操作部110にあらかじめ、五種類の指に対応する五つのボタンが設けられてもよい。
【0043】
また、操作部110に設けられるタッチパネル110aにタッチゾーン111〜115を表示しない構成も可能である。この場合、最初のタッチを中指で行う、タッチパネルまたはタッチパッドにタッチする場合の、五本指の並ぶ方向を常に一致または略一致させる、の二つのルールを前提とする。これらのルールにしたがえば、処理装置100は2回目以降のタッチが行われた指を、1回目のタッチのタッチ位置との距離にもとづいて特定することができる。図7では、親指のタッチ位置を中指のタッチ位置から−4.5cm、人指し指のタッチ位置を中指のタッチ位置から−2cm、薬指のタッチ位置を中指のタッチ位置から+2cm、および子指のタッチ位置を中指のタッチ位置から+4cmに設定している。以下、簡略化のため単位表記を省略する。なお、ユーザの指の太さに応じて、これらの距離をカスタマイズする機能が設けられてもよい。
【0044】
図8は、実際のユーザ入力操作により形成されたタッチ位置パターンを示す図である。ここでは、4拍により形成されるタッチ位置パターンを示している。より具体的には、1泊目が中指、2泊目が薬指、3泊目が人差し指および4泊目が親指でタッチされた例を示している。このタッチ位置パターンを、最初にタッチされた中指のタッチ位置との位置間隔の連なりとして記述する。このタッチ位置パターンの場合、「+2.2、−1.9、−4.8」となる。
【0045】
タッチ位置パターンの照合も、リズムパターンの照合と同様の手法を用いることができる。すなわち、照合部150は、取得されたタッチ位置パターンを組成する各位置間隔と、参照されるべきタッチ位置パターンを組成する各位置間隔との差分の絶対値をそれぞれ算出する。つぎに、算出された各差分の絶対値をすべて加算して入力時差異値を求める。最後に、この入力時差異値と、タッチ位置パターン用の入力時設定値とを比較し、前者が後者未満であれば適合と判定し、それ以外であれば不適合と判定する。登録時差異値も同様に算出し、登録判定部124は、登録時差異値と、タッチ位置パターン用の登録時設定値とを比較し、前者が後者未満であれば登録不可と判定し、それ以外であれば登録許可と判定する。
【0046】
また、タッチ位置パターンは、一つ前のタッチ位置に対する方向性を規定したデータの連なりで記述されてもよい。たとえば、現在のタッチ位置が一つ前のタッチ位置に対して右側であれば、「+」、左側であれば「−」と記述されてもよい。図8に示したタッチ位置パターンの場合、「+、−、−」と記述される。
【0047】
図9は、保持部に保持されるデータ構造の第4例を示す図である。このデータ構造130dでは、一つの組は、組ID131、リズムパターン132、タッチ位置パターン135および処理内容136の項目を持つ。
組1は、「1.3、0.4、2」のリズムパターンが、「−2、+2、−4.5」のタッチ位置パターンで入力されると、URLがhhtp://www.aaaa.jpのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。
組2は、「1.3、0.4、2」のリズムパターンが、「−2、+2、−4.5」のタッチ位置パターンで入力されると、URLがhhtp://www.dddd.jpのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。
組3は、「0.7、2、1.3」のリズムパターンが入力されると、各タッチがどの指で行われるかに関係なく、URLがhhtp://www.bbbb.jpのウェブページへのアクセス処理を実行するためのデータである。
ここで、組1と組2のリズムパターンは同じであるが、タッチ位置パターンが異なる。直感的に覚えやすい単純なリズムパターンの数には限りがあるが、タッチ位置パターンと組み合わせることにより、その数を大幅に増やすことができる。また、リズムパターンが他人にコピーされた場合に備えた、セキュリティ強化にも効果がある。
【0048】
図10は、実施の形態1に係る処理装置100の登録判定処理を説明するためのフローチャートである。受付部122は、特定のリズムパターンと特定の処理内容との組を受ける付ける(S100)。登録判定部124は、そのリズムパターンと、保持部130に既に登録されているリズムパターンとを照合する(S101)。両者の登録時差異値が登録設定値より小さいリズムパターンが保持部130にあるとき(S101のY)、登録判定部124は、受け付けられた組を登録不可と判定する(S102)。両者の登録時差異値が登録時設定値より小さいリズムパターンがないとき(S101のN)、登録判定部124は、受け付けられた組を登録許可と判定する(S103)。
【0049】
図11は、実施の形態1に係る処理装置100の入力認証処理を説明するためのフローチャートである。取得部140は、複数回のユーザ入力操作に応じて生成されたリズムパターンを取得する(S200)。照合部150は、保持部130に保持されているリズムパターンと、取得部140により取得されたリズムパターンとを照合する(S201)。両者の入力時差異値が入力時設定値より小さいリズムパターンが保持部130にあるとき(S201のY)、処理部160は、そのリズムパターンと組をなす処理を実行する(S202)。両者の入力時差異値が入力時設定値より小さいリズムパターンがないとき(S201のN)、ステップS200に遷移する。リズムパターンによる入力機能がOFFになると(S203のY)、その機能に係る全体処理を終了する。その機能がONの間は(S203のN)、ステップS200に遷移する。
【0050】
以上説明したように実施の形態1によれば、受け付けられた特定リズムパターンと特定の処理内容との組を登録するか否かを、既に登録されたリズムパターンを参照して、判定することにより、近似するリズムパターンが登録されることを抑制することができる。したがって、入力時のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンと近似する、別のリズムパターンと組をなす処理内容が誤って実行される可能性を低減することができる。よって、直感的でスピーディーでありながら、誤認識の少ない入力形態を実現することができる。
【0051】
また、同じ拍数のリズムパターンごとに、登録が許可されるべき上限数を設けることにより、近似するまたは競合するリズムパターンの登録をさらに抑制することができる。とくに、拍数が少ないリズムパターンでは、上限数を低く設定することが望ましい。また、リズムパターンと、それ以外のパラメータ(地域、時間帯など)とを組み合わせることにより、入力操作の手間を増やさずに、よりきめ細かい処理を実行することができる。また、タッチ回数を増やさずに、登録可能数を増やすことができる。
また、上記多次元空間の画像を表示することにより、既に登録されたリズムパターンの位置づけ、および登録ができない範囲を視覚的に、より直感的に把握することができる。
【0052】
(実施の形態2)
図12は、本発明の実施の形態2に係る処理システム500の構成を示すブロック図である。処理システム500は、処理装置100および端末装置200を含む。処理装置100と端末装置200とはネットワーク300を介して通信可能な構成である。このネットワーク300には、複数の情報提供装置400(図12では、情報提供装置A400A、情報提供装置B400B)および複数の閲覧装置450(図12では、閲覧装置A450A、閲覧装置B450B)が接続されている。
【0053】
実施の形態2の説明では、処理装置100としてサーバまたはPC、端末装置200としてPC、情報提供装置400としてサーバまたはPC、閲覧装置450として携帯電話機、PDA、スマートフォン、携帯型音楽プレーヤーなどの携帯機器を想定する。さらに、端末装置200は、商品やサービスを販売している権利主体(主に、企業)が自己の商品やサービスの販売を促進するため、自己のウェブページに誘導するためのリズムパターンを処理装置100に登録することとする。そのリズムパターンは、テレビやラジオでのCM放送、または街頭や自店舗での放送を通じて、ユーザに伝達されることとする。ユーザは、所持する閲覧装置450に対してそのリズムパターンを形成するための複数回の入力操作を行うことにより、その閲覧装置450からその権利主体のウェブページにアクセスして、そのウェブページを閲覧することとする。このウェブページは情報提供装置400に構築されることとする。
【0054】
当該処理装置100は、生成部120、受付部122、登録判定部124、保持部130、取得部140、照合部150、処理部160および表示制御部170を備える。以下、実施の形態1に係る処理装置100と同じ機能を担う構成要素の説明を適宜、省略する。
【0055】
実施の形態2では、生成部120は、ネットワーク300を介して端末装置200または閲覧装置450から、複数回のユーザ入力操作のタイミング情報を受信し、その入力操作に応じた上記リズムパターンを生成する。なお、その装置側に上記リズムパターンの生成機能が備わっている場合、生成部120による生成処理はスキップされる。
【0056】
実施の形態2では、登録判定部124は、リリズムパターンを登録しようとしている権利主体が、属する業界または販売する商品もしくはサービスと、保持部130に既に登録されたリズムパターンを保有している権利主体が、属する業界または販売する商品もしくはサービスとが一致または隣接している場合、それ以外のときに使用する登録時設定値より、大きな値の登録時設定値で判定することができる。
【0057】
登録判定部124は、同じ拍数のリズムパターンごとに設定された、登録を許可する上限数を参照し、受け付けられたリズムパターンが登録されると、その上限数を超える場合、登録不可と判定することができる。実施の形態2では、この上限数を、業界、または商品もしくはサービスごとに設定することができる。たとえば、同じ拍数ごとに、一業界一つの上限数が設定されてもよい。この場合、ある食品会社が、拍数が3のリズムパターンを保有している場合、別の食品会社は拍数が3のリズムパターンを登録できる可能性がないが、自動車会社は拍数が三のリズムパターンを登録できる可能性がある。
実施の形態2では、表示制御部170は、上述したリズムパターンの位置とその排他領域を示す画像を、端末装置200の表示部230に表示されるよう制御する。
【0058】
端末装置200は、操作部210、申込部220および表示部230を備える。
操作部210は、複数回のユーザ入力操作を受け付ける。実施の形態1に係る処理装置100の操作部110と基本的に同じ機能である。申込部220は、その入力操作により形成されるリズムパターンと、そのリズムパターンの入力に起因して誘導されるべきウェブページのURLとの組の登録を、ネットワーク300を介して処理装置100に申し込む。表示部230は、処理装置100の表示制御部170により生成された画像を表示する。
【0059】
図13は、既に登録されたリズムパターンの位置およびその排他領域を二次元空間上に描いた画像の例を示す図である。この画像230aは、拍数が4、そのリズムパターンが「1、0.9、1.1」、およびそのタッチ位置パターンが「+、+、−」のリズムパターンを描いた図である。当該二次元空間は、2拍目と3拍目との時間間隔の軸および3拍目と4拍目との時間間隔の軸で形成される。ここでは、タッチ位置パターンは独立した軸で記述されず、対応する拍間の正負で記述される。1拍目と2拍目との時間間隔は1に正規化されるため無視する。それに対応して1拍目と2拍目との方向性も無視する。
【0060】
点171aは、当該リズムパターンの当該二次元空間上の位置を示す。基本排他領域172aは業界、商品、サービスを問わず、他のリズムパターンの登録を排除可能な領域を示す。ここでは0.4に設定してある。同業排他領域173aは、業界、商品またはサービスが一致または隣接する、同業または隣接業の権利主体から受け付けられる、他のリズムパターンの登録を排除可能な領域を示す。ここでは0.8に設定してある。
【0061】
図14は、既に登録されたリズムパターンの位置およびその排他領域を三次元空間上に描いた画像の例を示す図である。この画像230bは、拍数が5、そのリズムパターンが「1、0.9、1.1、1.1」、およびそのタッチ位置パターンが「+、+、−、+」のリズムパターンを描いた図である。当該三次元空間は、2拍目と3拍目との時間間隔の軸、3拍目と4拍目との時間間隔の軸、および4拍目と5拍目との時間間隔の軸で形成される。
【0062】
点171bは、当該リズムパターンの当該三次元空間上の位置を示す。基本排他領域172bは業界、商品、サービスを問わず、他のリズムパターンの登録を排除可能な領域を示す。ここでは0.4に設定してある。同業排他領域173bは、業界、商品またはサービスが一致または隣接する、同業または隣接業の権利主体から受け付けられる、他のリズムパターンの登録を排除可能な領域を示す。ここでは0.8に設定してある。
【0063】
四次元空間以上の画像も同様に表示することができる。四次元空間以上は、三次元以内の空間の組み合わせで表示されてもよい。たとえば、六次元空間を表示する際、最初の上記パラメータ三つで形成された三次元空間上で、ある点が選択されると、下位パラメータ三つで形成される三次元空間が表示されるといった処理であってもよい。
【0064】
実施の形態2でも、実施の形態1で説明した様々なオプション的な処理を適宜、組み合わせて実施することができる。
以上説明したように実施の形態2も、実施の形態1と同様の効果を奏する。また、同業界、同商品または同サービス内では、受け付けられたリズムパターンを登録するか否かを、通常より厳しく判定することにより、誤認識の発生をより抑制することができる。また、上記多次元空間の画像を表示することにより、各業者は同業他社のリズムパターンの保有状況を視覚的に、より直感的に把握することができ、自社のリズムパターンの取得戦略に活用することができる。
【0065】
実施の形態2に係る処理システム500は、企業が自社のウェブページに誘導するための処理に適用することが有効である。企業は自社のウェブページへのアクセス数を増やすために様々な手法を用いている。たとえば、テレビやラジオのCM放送で、自社のウェブサイトのURLを告知したり、ポスターにQRコードを貼付したりする手法が用いられている。
【0066】
テレビやラジオ放送でURLを告知する手法は、短い時間しか告知することができないため、視聴者が覚えきれない、書き写しまたは打ち込みきれないという問題がある。この点、本実施の形態では、文字情報ではなくリズムパターンで自社ウェブページへのアクセス手段を告知することができるため、視聴者が覚えてくれる可能性が高くなる。また、人間は文字列より、リズムのほうが記憶に残りやすいという傾向がある。テレビCMで特徴的なメロディを多数回、放送すれば、視聴者の記憶に残る可能性をより強く高めることができる。また、URLを端末に打ち込む操作より、パネルやパッドにタッチする操作のほうが簡単でスピーディーに行うことができる。よって、目的のウェブページに、より早く到達することができる。
【0067】
QRコードをカメラ付き携帯電話機などに撮影させる手法は、カメラ機能を搭載した装置が必要である、カメラ機能を立ち上げるための時間ロスが発生する、などの問題がある。この点、本実施の形態ではカメラ機能を搭載した装置を所持していない状況でも、十分な告知効果を得ることができる。
【0068】
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0069】
上述した説明では、リズムパターンと組み合わせて使用可能なパラメータとして、地域、時間帯、タッチ位置パターンを挙げた。このパラメータはこれらに限るものではない。たとえば、押下強度、温度、湿度、明るさ、などが用いられてもよい。筐体にそれぞれを検知するためのセンサが設ければ実現可能である。
【0070】
図7に示したタッチパネル110aに設けられるタッチゾーン111〜115は、力が抜けている状態の五本指の位置を想定して形成されたものである。この点、鍵盤状にタッチゾーンを設けてもよい。たとえば、親指を「ド」の鍵盤、人差し指を「レ」の鍵盤、中指が「ミ」を鍵盤、薬指を「ファ」の鍵盤および小指を「ソ」の鍵盤に対応させてもよい。
【0071】
これを、企業が自社のウェブページに誘導するための処理に適用した場合、企業はテレビCMで、画面の一領域に鍵盤を弾く五本指の映像を流すなどして、リズムパターンとタッチ位置パターンを同時に、直感的に視聴者に告知することができる。リズムパターンを組成する拍の音階を、その拍がタッチされる鍵盤の音階に合わせることもできる。この場合、鍵盤楽器を弾き慣れた視聴者にとって、そのCM告知は非常に記憶に残るものとなる。
【符号の説明】
【0072】
100 処理装置、 110 操作部、 120 生成部、 122 受付部、 124 登録判定部、 130 保持部、 140 取得部、 150 照合部、 160 処理部、 170 表示制御部、 180 表示部、 200 端末装置、 210 操作部、 220 申込部、 230 表示部、 300 ネットワーク、 400 情報提供装置、 400A 情報提供装置A、 400B 情報提供装置B、 450 閲覧装置、 450A 閲覧装置A、 450B 閲覧装置B、 500 処理システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数回のユーザ入力操作により形成されるリズムパターンと照合される参照データとすべきリズムパターンと、特定のウェブページへのアクセス処理との組を保持する保持部と、
前記保持部に登録されるべき、特定のリズムパターンと特定のウェブページへのアクセス処理との組を受け付ける受付部と、
受け付けられた組を前記保持部に登録するか否かを、前記保持部に既に登録されているリズムパターンを参照して、判定する登録判定部と、を備え、
前記保持部は、商品またはサービスの販売促進のためのCM放送でユーザに伝達されるべきリズムパターンと、その商品またはサービスのウェブページへのアクセス処理との組を保持することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記登録判定部は、受け付けられたリズムパターンとの差異を示す値が所定の設定値より小さいリズムパターンが前記保持部に保持されている場合、登録不可と判定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記登録判定部は、リズムパターンを登録しようとしている権利主体が、属する業界または販売する商品もしくはサービスと、前記保持部に既に登録されたリズムパターンを保有している権利主体が、属する業界または販売する商品もしくはサービスとが一致または隣接している場合、それ以外のときに使用する設定値より、大きな値の設定値で判定することを特徴とする請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記登録判定部は、同じ拍数のリズムパターンごとに設定された、登録を許可する上限数を参照し、受け付けられたリズムパターンが登録されると、その上限数を超える場合、登録不可と判定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の処理装置。
【請求項5】
前記上限数は、業界、または商品もしくはサービスごとに設定されることを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記保持部に保持される組には、接触検出領域に対して入力操作としてなされる複数回のタッチにより形成されるタッチ位置パターンと照合される参照データとすべきタッチ位置パターンがさらに含まれ、
前記受付部は、前記保持部に登録されるべき、特定のリズムパターンと特定のタッチ位置パターンと特定の処理内容との組を受け付け、
前記登録判定部は、受け付けられた組を前記保持部に登録するか否かを、前記保持部に既に登録されている組のリズムパターンとタッチ位置パターンを参照して、判定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項7】
リズムパターンは、隣接する拍の時間間隔の連なりとして記述され、
リズムパターンを組成するそれぞれの時間間隔を割り当てるべき軸をそれぞれ形成するとともに、それらの軸により多次元空間を形成し、その多次元空間のそれぞれの軸に、既に登録されたリズムパターンを組成するそれぞれの時間間隔を座標として割り当てることにより、前記多次元空間に当該リズムパターンをプロットすべき位置を特定し、かつ、そのリズムパターンの位置を含み、別のリズムパターンの登録を禁止すべき排他領域を特定し、
そのリズムパターンの位置とその排他領域を示す画像を、リズムパターンを登録しようとしているユーザが操作している端末装置に表示させるよう制御する表示制御部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−89160(P2012−89160A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287849(P2011−287849)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2009−41332(P2009−41332)の分割
【原出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】