説明

凹凸模様を有する化粧板の製造方法

【課題】壁材はもちろん、ハードな環境で使用される床材にも適用できる耐摩耗性、耐汚染性、耐荷重性等の優れた物性を備えた、意匠性の高い凹凸模様を有する化粧板の製造方法を提供する。
【解決手段】基材の表面に紫外線硬化型透明性塗料を塗布し、紫外線を照射して加熱変形可能な透明性塗膜層を形成し、次いで該透明性塗膜層の表面を熱圧エンボスして、基材表面に凹凸模様を形成するとともに透明性塗膜層を該凹凸模様に沿って加熱変形させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の壁材や床材に好適に使用することのできる、特に意匠性に優れた凹凸模様を有する化粧板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に凹凸模様を有する化粧板は、建築物の壁材や床材として用いられている。そして、このような化粧板は、例えば、特許文献1や特許文献2に示すように、基材の表面にエンボス型板等により凹凸模様を刻設し、この表面に塗装仕上げが施されている。
【特許文献1】特開昭58−170573号公報
【特許文献2】特開平10−323942号公報
【0003】
すなわち、特許文献1には、エンボス型板等で凹凸模様を形成した基板表面に下塗り塗料を塗布し、乾燥後、下塗り塗料とは異なる上塗り塗料を塗布し、凸部の上塗り塗料をかきとり乾燥する凹凸模様化粧板の製造方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、凹凸模様が施された木質繊維板系基板上に、合成樹脂からなるエンボス凹部復元層を設け、その上からエンボス加工を施し、さらにその上から着色塗料層や保護層を設けることができることが開示されている。
【0005】
しかしながら、このような方法によると、基板表面にエンボス模様を施した後に、塗料を塗布するものであるため、図6に示すように凹凸模様22の凹部22aに低粘度の塗料が溜まり、凹凸模様22の表面全体に均質な透明性塗膜層30を形成することができない。また、凹部22aに溜まった塗料によりシャープなエンボス感が消失し、凹凸模様の意匠外観が損なわれるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、壁材はもちろん、ハードな環境で使用される床材にも適用できる耐摩耗性、耐汚染性、耐荷重性等の優れた物性を備えた、シャープなエンボス感を有する意匠性の高い凹凸模様を有する化粧板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の凹凸模様を有する化粧板の製造方法は、請求項1の発明によると、基材の表面に紫外線硬化型透明性塗料を塗布し、紫外線を照射して加熱変形可能な透明性塗膜層を形成し、次いで該透明性塗膜層の表面を熱圧エンボスして、基材表面に凹凸模様を形成するとともに透明性塗膜層を該凹凸模様に沿って加熱変形させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明によると、請求項1に記載の凹凸模様を有する化粧板の製造方法において、加熱変形可能な透明性塗膜層が、基材の表面に紫外線硬化型透明性塗料を塗布し、紫外線を照射して加熱変形可能な第一透明性塗膜層を形成した後、該第一透明性塗膜層の上に紫外線硬化型透明性塗料を塗布し、紫外線を照射して加熱変形可能な第二透明性塗膜層を形成することにより形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明によると、請求項1または請求項2に記載の凹凸模様を有する化粧板の製造方法において、加熱変形可能な透明性塗膜層を形成した後、該透明性塗膜層の表面全面をサンディングし、次いで該透明性塗膜層の表面を熱圧エンボスすることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明によると、請求項1〜請求項3に記載の凹凸模様を有する化粧板の製造方法において、基材が、比重0.4〜1.0の木質繊維板の表面に、厚さ0.15〜0.4mmの化粧突板を貼着したものである。
【0011】
さらに、請求項5の発明によると、請求項1〜請求項4で得られた凹凸模様を有する化粧板の製造方法において、得られた化粧板の表面に、紫外線硬化型透明性塗料により、薄膜の透明性仕上塗装を施し、透明性仕上塗膜層を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、基材表面に紫外線硬化型透明性塗料を塗布し、紫外線照射をして加熱変形可能な透明性塗膜層を形成し、次いで該透明性塗膜層の表面を熱圧エンボスしているので、紫外線の照射によって未だ完全硬化の状態に至っていない透明性塗膜層が熱圧エンボス時の熱により柔軟になり、同時に基板表面に形成される凹凸模様に沿って加熱変形して、この凹凸模様に均質性を持って密着されるので、透明性塗膜層に亀裂を生じることなく、シャープなエンボス感を有する意匠性の高い凹凸模様を有する化粧板を製造することができる。
【0013】
ここにおいて、紫外線を照射した透明性塗膜層は、完全硬化にはいたらないまでも硬化が進み、加熱変形可能な状態にあるので、取り扱いやすく、製造作業を行いやすい。さらに、熱圧エンボスによる凹凸模様成型後も、通風ドライヤー等による乾燥作業がなくとも経時とともに硬化が進むため、短い製造プロセスで効率よく製造することが可能である。さらに、紫外線硬化型透明性塗料を使用しているため、有機溶剤や熱硬化性樹脂の縮合反応等によるVOCの気散が少ない。
【0014】
そして、凹凸模様の表面に均質に設けられた透明性塗膜層は、優れた耐摩耗性、表面硬度、耐汚染性、耐荷重性等の物性を備えているので、床材等のハードな用途にも好適に使用することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、透明性塗膜層が第一透明性塗膜層と第二透明性塗膜層の2層の塗膜層で形成されているので、優れた意匠性を確保しつつ、表面全体に均質な塗膜を形成することが可能になり、より一層優れた物性を有する凹凸模様を有する化粧板を製造することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、透明性塗膜層を形成してから研削し、熱圧エンボスしているので、得られた凹凸模様を有する化粧板の表面にさらに薄い透明性仕上塗膜層を形成する場合に、透明性塗膜層と透明性仕上塗膜層の密着性を向上させることができる。さらに、熱圧エンボス時の微細な傷が目立たない、より一層意匠性に優れた凹凸模様を有する化粧板を製造することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、基材として最も好適な例を示したもので、木質繊維板内部に至るまで凹凸模様を形成することにより、透明性塗膜層に凹凸模様を形成する熱圧エンボス時に、基材に凹凸模様が施され、該凹凸模様に沿うように木質単板が積層一体化され、さらに該木質単板と積層一体化された透明性塗膜層を有する木質感に優れた、より一層意匠性に優れた凹凸模様を有する化粧板を製造することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によると、上記したように、熱圧エンボス時の微細な傷が目立たない、より一層意匠性に優れた凹凸模様を有する化粧板を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下には、もっとも好適な実施例の一つについて、図2に基づいて、化粧板10の製造方法を説明する。本実施例の「化粧板の製造方法」では、「(A)積層工程」、「(B)積層一体化工程」、「(C)透明性塗膜形成工程」、「(D)凹凸模様形成工程」をこの順に実行する。
【0020】
「積層工程」では、図2の(A)に示すとおり、木質繊維板12の表面に接着層13を介して、厚さ0.15〜0.40mmの天然木質材からなる化粧突板14を積層し、積層体を得る。
【0021】
木質繊維板12は、比重0.4〜1.0且つ厚さ0.8〜6.0mm程度が好ましく、化粧突板14と一体になって化粧突板14を補強するとともに、凹凸模様22を安定的に製造するための基材として使用される。この場合、一般的な中質木質繊維板(以下、「MDF」という。)又は硬質木質繊維板(以下、「HDF」という。)等が使用される。
【0022】
「MDF」及び「HDF」には、ユリアメラミン系樹脂を結合剤として用いた「Uタイプ」、メラミン系樹脂を結合剤として用いた「Mタイプ」、フェノール系樹脂を結合剤として用いた「Pタイプ」の他、イソシアネート系樹脂やポリオール系樹脂を用いた木質繊維板等が用いられる。さらに、「広葉樹系木質繊維」や「針葉樹系木質繊維」を用いたものがあり、これらの木質繊維と結合剤を任意に組み合わせて使用することが出来る。優れた「形態安定性」を実現するためには、結合剤としては「Uタイプ」以外、木質繊維としては「広葉樹系繊維」を用いることが好ましい。
【0023】
木質繊維板12の比重としては、「耐傷性」「耐荷重性」及び「エンボス加工性」等に配慮して選択され、具体的には、比重0.4〜1.0の木質繊維板が選択され、好適には比重0.6〜0.8の木質繊維板が選択される。比重が0.4より小さい場合は「耐傷性」及び「耐荷重性」に劣る化粧板となり、比重が1.0より大きくなると、「エンボス加工性」に劣る。
【0024】
さらに、木質繊維12の厚みは、「エンボス加工性」を考慮して設定され、具体的には、0.8〜6.0mmの木質繊維板が選択され、好適には0.8〜3.0mm程度の木質繊維板が選択される。厚みが0.8mmよりも薄い場合は、エンボス加工の際に化粧突板14のみが潰れて、木質繊維板12に所望の凹凸模様22を形成するのが難しい。また、6.0mmを超えると、木質繊維板12のみが優先的に厚み方向に圧縮されやすく、所望の凹凸模様22を形成するのが難しくなる。
【0025】
そして、木質繊維板12の表面には、接着層13を介して化粧突板14が積層一体化される。このとき、接着剤としては、一般的な木材用の接着剤が使用され、例えば、尿素メラミン系樹脂、酢ビ系樹脂、ラテックス系樹脂、水性ビニルウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、イソシアネート系樹脂及びこれらの変性物等が単独又は混合して使用される。
【0026】
「積層一体化工程」では、図2の(B)に示すとおり、熱圧プレス機によって、前記積層体を熱圧一体化し、基材が積層一体化され、積層板が得られる。積層一体化工程に使用される熱圧プレス条件は、木質繊維板12と化粧突板14を確実に積層一体化するために設定され、プレス温度は100〜130℃、プレス圧力は0.8〜1.0MPa、プレス時間は、30〜90秒に設定されるのが好ましい。
【0027】
「透明性塗膜形成工程」では、図2の(C)に示すとおり、前工程で得られた積層板の表面に、少なくとも紫外線硬化特性を有する紫外線硬化型透明性塗料が、ロールコーターやフローコーター、スプレー等で塗布された後、紫外線照射されることにより、積層板の表面に略均等な厚みの透明性塗膜層30が形成される。
【0028】
これらの透明性塗膜層30は、木材の表面塗装に使用される一般的な紫外線硬化型透明性塗料が使用される。これらの紫外線硬化型透明性塗料は、下塗塗料(本発明における「第一透明性塗膜層32」に該当)、中塗塗料(本発明における「第二透明性塗膜層34」に該当)、上塗塗料(本発明における「透明性仕上塗膜層(図示せず)」に該当)からなるのが一般的である。下塗塗料は、突板の目止めを行うとともに化粧突板14と中塗塗料との密着性を向上させる。中塗塗料は、所定厚みを有することにより「耐汚染性」「耐荷重性」「表面硬度の向上」等に寄与し、実質的な透明性塗膜層の性能に寄与する。上塗塗料は、表面に平滑性を付与するとともに艶調整を行い、「意匠性」を向上させる。
【0029】
紫外線硬化型透明性塗料としては、例えば、樹脂としては、無溶剤のアクリレート系樹脂やメタクリレート系樹脂のモノマー、オリゴマー等が好適に使用される。これらの樹脂に適量の光開始剤が添加され、紫外線硬化型透明性塗料として使用される。紫外線硬化型透明性塗料としては、好適には無溶剤型が用いられる。塗装時の粘度調整を行うに際し、有機溶剤の替わりにアクリレートモノマーやメタクリレートモノマー等のモノマー成分を使用するため、製造時および製造後のVOCの気散が少ない。これらの塗料については、一般的な3層構成の塗装ではなく、2層構成や1層構成、さらに、4層以上の層構成を有する塗料を使用してもよい。
【0030】
好適には、図4に示すように、透明性塗膜層30を第一透明性塗膜層32と第二透明性塗膜層34により形成する。第一透明性塗膜層32は、一般的な紫外線硬化特性を有する下塗塗料を1.5g〜5.0g/尺2程度の塗布量で塗布した後に紫外線照射により形成される。第二透明性塗膜層34には、一般的な紫外線硬化特性を有する中塗塗料や上塗塗料等が使用される。この場合、具体的には、第二透明性塗膜層34は、一般的な紫外線硬化特性を有する塗料を2.0g〜15.0g/尺2程度の塗布量で塗布した後に紫外線照射により形成される。
【0031】
紫外線硬化型透明性樹脂は、紫外線を照射されることにより、光開始剤よりラジカルを発生し、樹脂がラジカル反応し、瞬時に硬化し、ハンドリング可能な程度に樹脂は硬化される。しかし、樹脂の硬化後もラジカル反応は継続しており、透明性塗膜層30は紫外線照射後も徐々に硬化する。一般的には、常温(25℃) 条件下においては、完全に塗膜が硬化するまで、1週間〜10日程度を必要とする。従って、熱圧エンボスは、紫外線照射後できるだけ早い時間で熱圧エンボスするのが好ましく、好適には2〜3日、もっとも好適には、24時間以内に熱圧エンボスが行われる。
【0032】
また、本実施例に例示したアクリレート系樹脂やメタクリレート系樹脂以外にも、紫外線照射により形成された透明性塗膜層が加熱変形可能な塗膜については、本実施例と同様に使用することが可能である。特に、後述する透明性仕上塗膜層を設ける場合には、熱圧エンボス後の透明性塗膜層30による凹凸模様22と、透明性仕上塗膜層とが密着することが必須条件である。
【0033】
さらに、第一透明性塗膜層32に使用する下塗塗料に少量のイソシアネート系樹脂やポリオール系樹脂等の熱硬化性樹脂を添加することが好ましい。これにより、第一透明性塗膜層32と第二透明性塗膜層34を形成した後に熱圧エンボス機により熱圧エンボスを施し、表面に凹凸模様22を形成する時の熱で第一透明性塗膜層32が完全に熱硬化され、化粧突板14と第二透明性塗膜層34を強固に積層一体化させることが可能である。
【0034】
また、第一透明性塗膜層には目止め性を向上させるために、タルクや各種顔料を適宜添加することが一般的である。
【0035】
さらに、化粧突板14に透明性塗膜層30を設ける前に、着色顔料や染料等の着色剤により、化粧突板14の着色を行ってもよい。この場合、着色剤に少量のイソシアネート系樹脂やポリオール系樹脂等の熱硬化性樹脂を添加することが好ましい。これにより、表面に凹凸模様22を形成する熱圧エンボス時の熱で着色剤が完全に熱硬化され、化粧突板14と透明性塗膜層30を強固に積層一体化させることが可能である。
【0036】
図1は、本発明の製造方法が適用された化粧板10を示す断面図である。この化粧板10は、壁材はもちろん、ハードな環境で使用される床材にも適用できる耐摩耗性、耐汚染性、耐荷重性等の優れた物性を備えた、意匠性の高い凹凸模様を有する化粧板である。
【0037】
「凹凸模様形成工程」では、図2の(D)に示すとおり、透明性塗膜層30の表面から凹凸エンボス形状の表面を有する熱圧プレス機によって、熱圧エンボスし、深さ0.15〜0.40mmの凹凸模様22を形成し、化粧板10を得る。
【0038】
この場合、「凹凸模様形成工程」の前までに、含水率調整が行われるのが好ましい。本発明の製造方法においては、エンボス模様の形成が行われるための熱圧プレス機に投入される時に、含水率が7〜20%、好ましくは10〜15%であることが好ましい。この含水率調整は、「養生法」でもよいし、「吸水法」でもよい。
【0039】
「養生法」とは、例えば、本発明で最も好適な実施例である「比重0.7且つ厚みが2.7mmのMDF」からなる木質繊維板12に「厚み0.18mmのホワイトバーチ」からなる化粧突板14を組み合わせ、表面に透明性塗膜層を設けた実施例においては、温度23℃、湿度53%で2日間養生した場合は、「含水率12%」となることが確認されている。
【0040】
「吸水法」とは、木質繊維板12の裏面に噴霧やロール塗布等の手段により水を塗布し、吸水させる。この方法によっても、「3〜5%」であった含水率を「7〜20%」に高めることができる。
【0041】
含水率が7%より低いと熱圧エンボス時の加工性が劣り、美しい凹凸模様を形成できないだけでなく、形成された凹凸模様が、湿気や水濡れ等による「形態安定性」に劣る化粧板しか得ることができない。一方、含水率が20%を超えると、熱圧エンボス時にパンク(水蒸気爆発)が発生しやすくなる。
【0042】
もうひとつの別の実施例として、「積層工程」、「積層一体化工程」、「透明性塗膜形成工程」、「サンディング工程」、「凹凸模様形成工程」、「透明性塗膜形成工程」をこの順に行ってもよい。「サンディング工程」では、一般的なワイドベルトサンダーやハンドサンダーが好適に使用され、複層で構成される透明性塗膜層の密着性を向上させる効果がある。
【0043】
さらに、こうして得られた化粧板10の表面に、「透明性仕上塗装工程」により、透明性仕上塗膜層を設けてもよい。例えば、「積層工程」、「積層一体化工程」、「透明性塗膜形成工程」により基材に第二透明性塗膜層34まで形成した後に、ワイドベルトサンダーなどで表面全面を均一にサンディングし、然る後に「凹凸模様形成工程」により凹凸模様22を形成し、さらにこの表面の少なくとも凸部22bに、透明性仕上塗装により、薄膜の透明性仕上塗膜層を設ける。これにより、熱圧エンボス時の微細な傷が目立たない、より一層意匠性に優れた凹凸模様を有する化粧板を製造することができる。
【0044】
この場合、透明性仕上塗膜層は薄膜であり、一般的な上塗塗料が使用される。具体的には、塗布量は、0.6〜1.0g/尺2程度で透明性塗膜層が形成されるのが一般的である。
【0045】
一方、本発明が適用された化粧板10は、根太間に架橋されて使用されるような曲げ強度を必要とする化粧板として使用される場合は、例えば図5に示すように他の木質基材40と積層一体化されて使用される場合がある。
【0046】
他の木質基材40としては、一般的な合板やMDF、パーティクルボード等の木質基材が使用される。これらの木質基材40を化粧板10の裏面に接着剤を介して積層し、熱圧プレスや冷圧プレスにより積層一体化される。この場合、特に比重0.2〜0.4程度の軽比重な合板や繊維板を木質基材40に使用できるため、南洋材代替の観点からより好ましい使用形態である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の製造方法により得られた化粧板の断面図
【図2】実施例の製造方法を示す工程図(A)〜(D)
【図3】本発明の製造方法により得られた化粧板の拡大断面図
【図4】本発明の製造方法により得られた他の化粧板の拡大断面図
【図5】他の木質基材と積層一体化されて使用される化粧板の拡大断面図
【図6】従来の製造方法により得られた従来の化粧板
【符号の説明】
【0048】
10 化粧板
12 木質繊維板
13 接着剤層
14 化粧突板
22 凹凸模様
22a 凹部
22b 凸部
30 透明性塗膜層
32 第一透明性塗膜層
34 第二透明性塗膜層
40 他の木質基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に紫外線硬化型透明性塗料を塗布し、紫外線を照射して加熱変形可能な透明性塗膜層を形成し、次いで該透明性塗膜層の表面を熱圧エンボスして、基材表面に凹凸模様を形成するとともに透明性塗膜層を該凹凸模様に沿って加熱変形させることを特徴とする凹凸模様を有する化粧板の製造方法
【請求項2】
加熱変形可能な透明性塗膜層が、基材の表面に紫外線硬化型透明性塗料を塗布し、紫外線を照射して加熱変形可能な第一透明性塗膜層を形成した後、該第一透明性塗膜層の上に紫外線硬化型透明性塗料を塗布し、紫外線を照射して加熱変形可能な第二透明性塗膜層を形成することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の凹凸模様を有する化粧板の製造方法。
【請求項3】
加熱変形可能な透明性塗膜層を形成した後、該透明性塗膜層の表面全面をサンディングし、次いで該透明性塗膜層の表面を熱圧エンボスすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の凹凸模様を有する化粧板の製造方法。
【請求項4】
基材が、比重0.4〜1.0の木質繊維板の表面に、厚さ0.15〜0.4mmの化粧突板を貼着したものであることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の凹凸模様を有する化粧板の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4で得られた凹凸模様を有する化粧板の表面に、紫外線硬化型透明性塗料により、薄膜の透明性仕上塗装を施し、透明性仕上塗膜層を設けることを特徴とする凹凸模様を有する化粧板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−137028(P2009−137028A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312481(P2007−312481)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】