説明

出力装置および出力方法

【課題】 入力した単語に関連する変化形などの関連単語を確認することができるだけでなく、入力した単語およびその関連単語の発音も確認することができる、高い学習効果を使用者に発揮させることができる出力装置および出力方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 キー入力部12により単語が入力されると、CPU13は、単語とその単語に関連する関連単語と単語および関連単語に対応する音声情報とが記憶されているROM14に基づいて、入力された単語とその入力された単語に関連する関連単語とを表示器11に表示させる。さらに、CPU13は、入力された単語およびその入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報をスピーカ18から出力させ、現在出力されている音声情報の単語または関連単語を、表示手段に表示されている他の単語および関連単語と識別できるように表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時制変化および比較変化などの語形変化する英単語などを学習するために用いる出力機器およびその出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の情報を出力することができる出力装置が数多く開発されており、より使いやすい便利な機能を備えたものが求められている。たとえば、英和辞典の機能を有する電子辞書の場合、英単語を入力すると、その入力された英単語の意味が表示されるとともに、入力された英単語の語形が変化した変化形などが表示される。
【0003】
典型的な従来の技術としては、特許文献1に記載されている。特許文献1記載の電子辞書は、まず、入力された単語が、規則変化語であるか不規則変化語であるかを判定する。そして、不規則変化語であると判定された場合、あらかじめ記憶されている変化形を抽出して表示する。また、規則変化語であると判定された場合、変化規則にしたがって語形を変形させて変化形を表示する。そうすることによって、単語に対する変化形をすべて記憶させていなくても、入力した単語の変化形を表示することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−248682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示されている電子辞書は、上記のように、入力した単語の変化形を表示することができる。しかし、入力した単語およびその単語の変化形の発音を容易に確認する工夫がされていない。したがって、英単語を学習するために、このような電子辞書を用いると、表示される単語および変化形の綴字を表示するだけでは発音の変化がわからない場合などがあるので、入力した単語の語形変化に基づく情報が充分に得られず、学習効果が充分あるとはいえない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、入力した単語に関連する変化形などの関連単語を確認することができるだけでなく、入力した単語およびその関連単語の発音も確認することができる、高い学習効果を使用者に発揮させることができる出力装置および出力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、単語入力を行う入力手段と、
単語と前記単語に関連する関連単語と前記単語および前記関連単語に対応する音声情報とが記憶されている記憶手段と、
前記単語および前記関連単語を表示する表示手段と、
前記音声情報を出力する音声出力手段と、
前記入力手段によって単語が入力されたときに、入力された単語と前記入力された単語に関連する関連単語とを表示手段に表示させる制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記入力された単語および前記入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報を出力させるとともに、現在出力されている音声情報の単語または関連単語を、表示手段に表示されている他の単語および関連単語と識別できるように表示させる出力制御を行うことを特徴とする出力装置である。
【0008】
また本発明は、前記制御手段は、前記出力制御を行う際に、前記入力された単語および前記入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報を、あらかじめ定められた順番にしたがって連続的に出力させることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記入力された単語が、不規則変化語であるか否かを判定する判定手段を有し、
前記制御手段は、前記判定手段によって、前記入力された単語が不規則変化語であると判定された場合、前記出力制御を行うことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記記憶手段は、前記単語と前記単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報とを関連して記憶しており、
前記判定手段は、前記不規則変化語情報に基づいて判定することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報が記憶されている不規則変化語記憶手段から前記不規則変化語情報を取得可能に構成され、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている単語と前記不規則変化語記憶手段から取得した前記不規則変化語情報とに基づいて判定することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている単語と前記単語に関連する関連単語とに基づいて判定することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記判定手段によって、前記入力された単語が不規則変化語であると判定された場合、前記入力された単語が不規則変化語であることを使用者に知らせる報知手段を有することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記記憶手段は、前記単語と前記単語が不規則変化語であることを示すマークとを関連して記憶しており、
前記報知手段は、前記マークを前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、単語が不規則変化語であることを示すマークが記憶されているマーク記憶手段から前記マークを取得可能に構成され、
前記報知手段は、前記マーク記憶手段から取得した前記マークを前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0016】
また本発明は、単語入力を行う入力手段と、単語と前記単語に関連する関連単語と前記単語および前記関連単語に対応する音声情報とが記憶されている記憶手段と、前記単語および前記関連単語を表示する表示手段と、前記音声情報を出力する音声出力手段と、前記入力手段によって単語が入力されたときに、入力された単語と前記入力された単語に関連する関連単語とを表示手段に表示させる制御手段とを有する出力装置による出力方法であって、
前記制御手段が、前記入力された単語および前記入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報を出力させ、現在出力されている音声情報の単語または関連単語を、表示手段に表示されている他の単語および関連単語と識別できるように表示させることを特徴とする出力方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、入力手段により単語を入力すると、制御手段は、単語とその単語に関連する関連単語と単語および関連単語に対応する音声情報とが記憶されている記憶手段に基づいて、入力された単語とその入力された単語に関連する関連単語とを表示手段に表示させる。
【0018】
さらに、制御手段は、入力された単語およびその入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報を音声出力手段により出力させるとともに、現在出力されている音声情報の単語または関連単語を、表示手段に表示されている他の単語および関連単語と識別できるように表示させる出力制御を行う。
【0019】
これにより、使用者が単語を入力すると、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができるので、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0020】
また本発明によれば、現在出力されている音声情報の単語または関連単語を、表示手段に表示されている他の単語および関連単語と識別できるように表示させる出力制御を行う際に、制御手段は、入力された単語およびその関連単語に対応する音声情報を、あらかじめ定められた順番にしたがって連続的に出力させる。
【0021】
このように入力された単語およびその関連単語の表示と、入力された単語およびその関連単語に対応する音声情報の出力とを同期させることによって、使用者が単語を入力すると、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができるとともに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができる。したがって、より高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0022】
また本発明によれば、判定手段により、入力手段によって入力された単語が不規則変化語であると判定された場合、制御手段は、出力制御を行う。
【0023】
これにより、使用者が入力した単語が不規則変化語である場合、たとえば、入力した単語の語形変化が変化規則にしたがっていない場合および入力した単語の語形変化が変化規則にしたがっていても語形変化に伴う発音の変化が変化規則にしたがっていない場合などの使用者が特に学習すべき単語の場合に、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けてあらかじめ定められた順番で連続的に確認することができる。したがって、より高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0024】
また本発明によれば、単語とその単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報とが記憶手段に関連して記憶されており、判定手段は、その不規則変化語情報に基づいて判定する。
【0025】
これにより、使用者が入力した単語が不規則変化語か否かを容易に判定することができる。
【0026】
また本発明によれば、単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報が記憶されている不規則変化語記憶手段から不規則変化語情報を取得可能に構成されており、判定手段は、記憶手段に記憶されている単語と不規則変化語情報とに基づいて判定する。
【0027】
これにより、不規則変化語情報が記憶されていないような従来の記憶手段であっても、不規則変化語記憶手段から取得した不規則変化語情報を用いて、使用者が入力した単語が、不規則変化語か否かを判定することができる。
【0028】
また本発明によれば、判定手段は、記憶手段に記憶されている単語とその単語に関連する関連単語とに基づいて判定する。
【0029】
これにより、入力された単語とその入力された単語に関連する関連単語との関係が、変化規則にしたがうか否かで判定するので、使用者が入力した単語が不規則変化語か否かを従来の記憶手段を用いて判定することができる。
【0030】
また本発明によれば、入力された単語が不規則変化語であると判定手段によって判定された場合、報知手段により入力された単語が不規則変化語であることを使用者に知らせる。
【0031】
これにより、入力した単語が不規則変化語である場合に、入力した単語が不規則変化語であることを使用者に知らせることができるので、使用者は、入力した単語が不規則変化語であることを容易に確認することができ、より高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0032】
また本発明によれば、報知手段により、単語とその単語が不規則変化語であることを示すマークとが関連して記憶している記憶手段に基づいて、単語が不規則変化語であることを示すマークを表示手段に表示する。
【0033】
これにより、入力した単語が不規則変化語であるか否かが、使用者によりわかりやすくなり、より高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0034】
また本発明によれば、単語が不規則変化語であることを示すマークが記憶されているマーク記憶手段からマークを取得可能に構成され、報知手段は、マーク記憶手段から取得したマークを表示手段に表示する。
【0035】
これにより、記憶手段が、単語が不規則変化語であることを示すマークが記憶されていないような従来の記憶手段であっても、マーク記憶手段から取得したマークを報知手段により、表示手段に表示することができる。
【0036】
本発明によれば、入力手段により単語を入力すると、制御手段は、単語とその単語に関連する関連単語と単語および関連単語に対応する音声情報とが記憶されている記憶手段に基づいて、入力された単語とその入力された単語に関連する関連単語とを表示手段に表示させる。
【0037】
さらに、制御手段は、入力された単語およびその入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報を音声出力手段により出力させ、現在出力されている音声情報の単語または関連単語を、表示手段に表示されている他の単語および関連単語と識別できるように表示させる出力制御を行う。
【0038】
これにより、使用者が単語を入力すると、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができるので、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本実施形態では、出力装置の1つとして学習機について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である学習機1の電気的構成を示すブロック図である。学習機1は、表示器11、キー入力部12、CPU(Central Processing Unit)13、ROM(Read Only
Memory)14、RAM(Random Access Memory)15、表示コントローラ16、音声デコーダ17およびスピーカ18を含んで構成される。
【0040】
表示器11は、LCD(液晶表示装置)などで実現され、入力された単語およびその入力された単語に関連する関連単語などを表示する。関連単語については、後述する。
【0041】
キー入力部12は、単語などの入力および制御コマンドの入力などを行うために操作される入力手段であり、ONキー21、OFFキー22、ファンクションキー23、英数字キー24および戻るキー25などがこれに含まれる。ONキー21およびOFFキー22は、学習機1の電源をON/OFF(入/切)するときに操作される。ファンクションキー23は、たとえば変化形マーク選択キー26、単語学習キー、英和キーおよび和英キーなどを含み、学習機1の各種の動作モードを選択する際に操作される。変化形マーク選択キー26は、入力された単語およびその変化形が発音された音声の出力などを行う音声出力モードを選択する際に操作される。英数字キー24は、アルファベットキーおよび数字キーを含むキー群で構成され、単語などを入力する際に操作される。戻るキー25は、表示画面を一つ前の画面などに戻すとき、たとえば、音声出力時の表示画面を音声終了後、音声出力開始前の表示画面に戻すときなどに操作される。
【0042】
CPU13は、単語などを入力する入力処理、入力された単語を対象としてROM14に記憶される辞書データおよび音声データを検索する検索処理、辞書データおよび音声データを検索した検索結果をRAM15に記憶する記憶処理、RAM15に記憶された辞書データの検索結果などを表示する表示処理およびRAM15に記憶された音声データの検索結果を出力する音声出力処理などを実行し、学習機1全体の制御を行う制御手段である。
【0043】
ROM14は、プログラムが記憶されているプログラム記憶領域27、辞書データが記憶されている辞書データ記憶領域28および音声データが記憶されている音声データ記憶領域29などを有する記憶手段である。また、辞書データとは、意味、発音記号、関連単語などがそれぞれ単語と関連付けられているデータ、たとえば英和辞典などの辞書の内容を電子化したデータであり、さらに、単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報および不規則変化語であることを示すマークがそれぞれ単語と関連付けられているデータである。関連単語とは、時制変化および比較変化などの語形変化に関する単語である。たとえば、入力された単語が動詞の原形である場合、入力された単語に関連する関連単語とは、三人称単数現在形、過去形および過去分詞形などの変化形であり、入力された単語が動詞の変化形である場合、入力された単語に関連する関連単語とは、原形および入力された単語以外の変化形のことである。音声データとは、単語とその単語が発音された音声(音声情報)となどが関連付けられているものであり、たとえばMP3(Moving
Picture Experts Group Layer−3)形式などで記憶されている。
【0044】
RAM15は、辞書データおよび音声データを検索した検索結果を記憶させ、その記憶された検索結果を表示および出力する際に用いる。表示コントローラ16は、CPU13からの制御に基づいて、表示器11に入力された単語などを表示させる。表示器11および表示コントローラ16は、表示手段に相当する。音声デコーダ17は、スピーカ18から入力された単語が発音された音声などを出力できるようにする。たとえば、MP3形式で記憶されている音声データをスピーカ18から出力できるような形式にデコーダを行う。スピーカ18は、入力された単語が発音された音声などを出力する。音声デコーダ17およびスピーカ18は、音声出力手段に相当する。
【0045】
判定手段は、CPU13およびROM14から構成されており、入力された単語を対象としてROM14に記憶される辞書データを検索して、検索結果に基づいて入力された単語が不規則変化語であるか否かを判定する。不規則変化語とは、時制変化および比較変化など語形変化が変化規則にしたがっていない語および語形変化が変化規則にしたがっていても語形変化に伴う発音の変化が変化規則にしたがっていない語のことであり、たとえば、不規則変化動詞、不規則変化形容詞および不規則変化名詞などである。
【0046】
報知手段は、表示器11、CPU13およびROM14から構成されており、判定手段により、入力した単語が不規則変化語であると判断された場合、ROM14に記憶されている変化形マークを表示器11に表示することによって、入力した単語が不規則変化語であることを使用者に知らせる。
【0047】
学習機1は、単語を入力すると、単語およびその関連単語が発音された音声が、あらかじめ定められた順番にしたがって連続的に出力するとともに、現在出力している音声の単語または関連単語を、他の単語および関連単語と識別できるように反転表示することができる学習用出力モードがある。
【0048】
図2は、学習機1に不規則変化動詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。図2(a)は、音声を出力する前の状態を示し、図2(b)は、原形を出力している状態を示し、図2(c)は、三人称単数現在形を出力している状態を示し、図2(d)は、過去形を出力している状態を示し、図2(e)は、過去分詞形を出力している状態を示す。
【0049】
使用者が不規則変化動詞を入力すると、表示器11に音声出力前表示画面31が表示される。ここでは、不規則変化動詞として、語形変化が変化規則に従わない語である「take」を入力する。音声出力前表示画面31には、単語61、発音マーク62、発音記号63、品詞マーク64、変化形マーク65、変化形発音記号66および意味67が表示される。ここでは、図2(a)に示すように、単語61は「take」であり、発音記号63は「take」の発音記号であり、品詞マーク64は、動詞であることを示すマークであり、変化形マーク65は、「take」が不規則変化語であることを示すマークであり、変化形発音記号66は、「take」の変化形の発音記号であり、意味67は、「take」の意味である。
【0050】
使用者が変化形マーク65を選択すると、音声出力モードを開始する。まず、図2(b)に示すように、原形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に原形音声出力時表示画面32が表示される。原形音声出力時表示画面32は、発音マーク62および変化形マーク65の表示が反転され、変化形表示サブウィンド71が表示されること以外、音声出力前表示画面31と同様の表示画面である。変化形表示サブウィンド71は、入力した不規則変化語の原形を表示する原形表示部72と不規則変化語が語形変化した変化形である三人称単数現在形を表示する三単現表示部73、過去形を表示する過去形表示部74および過去分詞形を表示する過去分詞形表示部75を含む。原形音声出力時表示画面32では、原形表示部72のみが反転表示される。ここでは、原形、三人称単数現在形、過去形および過去分詞形は、それぞれ「take」、「takes」、「took」および「taken」と表示される。また、三人称単数現在形は、三人称単数と表示される。
【0051】
原形が発音された音声が出力し終わると、図2(c)に示すように、三人称単数現在形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に三単現音声出力時表示画面33が表示される。三単現音声出力時表示画面33では、三単現表示部73のみが反転表示される。
【0052】
三人称単数現在形が発音された音声が出力し終わると、図2(d)に示すように、過去形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に過去形音声出力時表示画面34が表示される。過去形音声出力時表示画面34では、過去形表示部74のみが反転表示される。
【0053】
過去形が発音された音声が出力し終わると、図2(e)に示すように、過去分詞形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に過去分詞形音声出力時表示画面35が表示される。過去分詞形音声出力時表示画面35では、過去分詞形表示部75のみが反転表示される。過去分詞形が発音された音声が出力し終わると、過去分詞形音声出力時表示画面35が表示されたままとなる。使用者が戻るキー25を押下すると、音声出力前表示画面31が表示される。
【0054】
以上のように、単語およびその関連単語の表示と、単語およびその関連単語が発音された音声とを同期させて出力することにより、使用者が単語を入力すると、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができ、さらに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができ、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0055】
図3は、学習機1に不規則変化動詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。図3(a)は、音声を出力する前の状態を示し、図3(b)は、原形を出力している状態を示し、図3(c)は、三人称単数現在形を出力している状態を示し、図3(d)は、過去形を出力している状態を示し、図3(e)は、過去分詞形を出力している状態を示す。
【0056】
使用者が不規則変化動詞を入力すると、表示器11に音声出力前表示画面36が表示される。ここでは、不規則変化動詞として、語形変化が変化規則にしたがっていても語形変化に伴う発音の変化が変化規則にしたがっていない語である「stop」を入力する。音声出力前表示画面36には、単語61、発音マーク62、発音記号63、品詞マーク64、変化形マーク65、変化形発音記号66および意味67が表示される。ここでは、図3(a)に示すように、単語61は「stop」であり、発音記号63は「stop」の発音記号であり、品詞マーク64は、動詞であることを示すマークであり、変化形マーク65は、「stop」が不規則変化語であることを示すマークであり、変化形発音記号66は、「stop」の変化形の発音記号であり、意味67は、「stop」の意味である。
【0057】
使用者が変化形マーク65を選択すると、音声出力モードを開始する。まず、図3(b)に示すように、原形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に原形音声出力時表示画面37が表示される。原形音声出力時表示画面37は、発音マーク62および変化形マーク65の表示が反転され、変化形表示サブウィンド71が表示されること以外、音声出力前表示画面36と同様の表示画面である。原形音声出力時表示画面37では、原形表示部72のみが反転表示される。ここでは、原形、三人称単数現在形、過去形および過去分詞形は、それぞれ「stop」、「stops」、「stoped」および「stoped」と表示される。
【0058】
原形が発音された音声が出力し終わると、図3(c)に示すように、三人称単数現在形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に三単現音声出力時表示画面38が表示される。三単現音声出力時表示画面38では、三単現表示部73のみが反転表示される。
【0059】
三人称単数現在形が発音された音声が出力し終わると、図3(d)に示すように、過去形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に過去形音声出力時表示画面39が表示される。過去形音声出力時表示画面39では、過去形表示部74のみが反転表示される。
【0060】
過去形が発音された音声が出力し終わると、図3(e)に示すように、過去分詞形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に過去分詞形音声出力時表示画面40が表示される。過去分詞形音声出力時表示画面40では、過去分詞形表示部75のみが反転表示される。過去分詞形が発音された音声が出力し終わると、過去分詞形音声出力時表示画面40が表示されたままとなる。使用者が戻るキー25を押下すると、音声出力前表示画面36が表示される。
【0061】
以上のように、使用者が入力した単語が、語形変化が変化規則にしたがっていない不規則変化語だけではなくて、語形変化が変化規則にしたがっていても語形変化に伴う発音の変化が変化規則にしたがっていない不規則変化語であっても、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができ、さらに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができ、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0062】
図4は、学習機1に規則変化動詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。
【0063】
使用者が規則変化動詞を入力すると、表示器11に規則変化動詞表示画面41が表示される。ここでは、規則変化動詞である「play」を入力する。規則変化動詞表示画面41には、変化形マークが表示されないこと以外、音声出力前表示画面31と同様である。したがって、使用者が入力した単語が規則変化動詞である場合は、音声出力、変化形表示サブウィンドの表示および音声出力に同期させた反転表示を行わない。
【0064】
図5は、学習機1に動詞を入力したときの学習用出力モード示すフローチャートである。使用者がONキー21を押下する操作などによって、ステップA1の処理が行われる。ステップA1では、使用者によって、単語が入力されると、RAM15に入力された単語を記憶させ、ステップA2では、RAM15に記憶されている単語を対象として、ROM14の辞書データ記憶領域28に記憶されている辞書データを検索させる。ステップA3では、入力された単語が辞書データにあれば、ステップA4に進み、入力された単語が辞書データになければ、ステップA1に戻る。
【0065】
ステップA4では、辞書データから入力された単語に対応する表示データを読み出す。ステップA5では、入力された単語が不規則動詞か否かを判断する。たとえば、読み出された表示データに不規則変化語であることを示す変化形マークが含まれていれば、ステップA6に進み、読み出された表示データに不規則変化語であることを示す変化形マークが含まれていなければ、ステップA17に進む。ステップA17では、図4に示す規則変化動詞表示画面41のように、読み出された表示データを表示させる。
【0066】
ステップA6では、図2(a)に示す音声出力前表示画面31および図3(a)に示す音声出力前表示画面36のように、読み出された表示データを表示し、ステップA7では、変化形マークが選択されれば、ステップA8に進み、変化形マークが選択されなければ、ステップA18に進む。ステップA18では、たとえば画面のスクロール、ジャンプ操作および前画面に戻るなどの他の処理を実行する。
【0067】
ステップA8では、図2(b)に示す原形音声出力時表示画面32および図3(b)に示す原形音声出力時表示画面37のように、原形、三人称単数現在形、過去形および過去分詞形を表示する変化形表示サブウィンド71を表示させる。ステップA9では、原形が発音された音声を出力させるとともに、図2(b)に示す原形音声出力時表示画面32および図3(b)に示す原形音声出力時表示画面37のように原形表示部72のみを反転表示させる。ステップA10では、音声データの出力が終了すればステップA11に進み、終了していなければ、ステップA10に戻る。
【0068】
ステップA11では、三人称単数現在形が発音された音声を出力させるとともに、図2(c)に示す三単現音声出力時表示画面33および図3(c)に示す三単現音声出力時表示画面38のように、三単現表示部73のみを反転表示させる。ステップA12では、音声データの出力が終了すればステップA13に進み、終了していなければ、ステップA12に戻る。ステップA13では、過去形が発音された音声を出力させるとともに、図2(d)に示す過去形音声出力時表示画面34および図3(d)に示す過去形音声出力時表示画面39のように、過去形表示部74のみを反転表示させる。ステップA14では、音声データの出力が終了すればステップA15に進み、終了していなければ、ステップA14に戻る。ステップA15では、過去分詞形が発音された音声を出力させるとともに、図2(e)に示す過去分詞形音声出力時表示画面35および図3(d)に示す過去分詞形音声出力時表示画面40のように、過去分詞形表示部75のみを反転表示させる。ステップA16では、音声データの出力が終了すれば、処理を終了し、終了していなければ、ステップA16に戻る。
【0069】
以上のように単語およびその関連単語の表示と、単語およびその関連単語が発音された音声とを同期させて出力することにより、使用者が特に学習すべき不規則変化動詞の場合に、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができ、さらに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができる。したがって、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0070】
図6は、学習機1に不規則変化形容詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。図6(a)は、音声を出力する前の状態を示し、図6(b)は、原級を出力している状態を示し、図6(c)は、比較級を出力している状態を示し、図6(d)は、最上級を出力している状態を示す。
【0071】
形容詞の場合において、関連単語とは、たとえば、入力された単語が原級である場合、入力された単語に関連する関連単語とは、比較級および最上級などの変化形であり、入力された単語が変化形である場合、入力された単語に関連する関連単語とは、原級および入力された単語以外の変化形のことである。
【0072】
使用者が不規則変化形容詞を入力すると、表示器11に音声出力前表示画面42が表示される。ここでは、不規則変化形容詞として、「good」を入力する。音声出力前表示画面42には、単語61、発音マーク62、発音記号63、品詞マーク64、変化形マーク65、変化形発音記号66および意味67が表示される。ここでは、図6(a)に示すように、単語61は「good」であり、発音記号63は「good」の発音記号であり、品詞マーク64は、形容詞であることを示すマークであり、変化形マーク65は、「good」が不規則変化語であることを示すマークであり、変化形発音記号66は、「good」の変化形の発音記号であり、意味67は、「good」の意味である。
【0073】
使用者が変化形マーク65を選択すると、音声出力モードを開始する。まず、図6(b)に示すように、原級が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に原級音声出力時表示画面43が表示される。原級音声出力時表示画面43は、発音マーク62および変化形マーク65の表示が反転され、変化形表示サブウィンド76が表示されること以外、音声出力前表示画面42と同様の表示画面である。変化形表示サブウィンド76は、入力した不規則変化語の原級を表示する原級表示部77と不規則変化語が語形変化した変化形である比較級を表示する比較級表示部78および最上級を表示する最上級表示部79を含む。原級音声出力時表示画面43では、原級表示部77のみが反転表示される。ここでは、原級、比較級および最上級は、それぞれ「good」、「better」および「best」と表示される。
【0074】
原級が発音された音声が出力し終わると、図6(c)に示すように、比較級が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に比較級音声出力時表示画面44が表示される。比較級音声出力時表示画面44では、比較級表示部78のみが反転表示される。比較級が発音された音声が出力し終わると、図6(d)に示すように、最上級が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に最上級音声出力時表示画面45が表示される。最上級音声出力時表示画面45では、最上級表示部79のみが反転表示される。最上級が発音された音声が出力し終わると、最上級音声出力時表示画面45が表示されたままとなる。使用者が戻るキー25を押下すると、音声出力前表示画面42が表示される。
【0075】
以上のように、使用者が入力した単語が不規則変化動詞でなくて不規則変化形容詞であっても、不規則変化動詞を入力した場合と同様、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができ、さらに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができ、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0076】
図7は、学習機1に形容詞を入力したときの学習用出力モード示すフローチャートである。使用者がONキー21を押下する操作などによって、ステップB1の処理が行われる。ステップB1では、使用者によって、単語が入力されると、RAM15に入力された単語を記憶させ、ステップB2では、RAM15に記憶されている単語を対象として、ROM14の辞書データ記憶領域28に記憶されている辞書データを検索させる。ステップB3では、入力された単語が辞書データにあれば、ステップB4に進み、入力された単語が辞書データになければ、ステップB1に戻る。
【0077】
ステップB4では、辞書データから入力された単語に対応する表示データを読み出す。ステップB5では、入力された単語が不規則形容詞か否かを判断する。たとえば、読み出された表示データに不規則変化語であることを示す変化形マークが含まれていれば、ステップB6に進み、読み出された表示データに不規則変化語であることを示す変化形マークが含まれていなければ、ステップB15に進む。ステップB15では、読み出された表示データを表示させる。
【0078】
ステップB6では、図6(a)に示す音声出力前表示画面42のように、読み出された表示データを表示し、ステップB7では、変化形マークが選択されれば、ステップB8に進み、変化形マークが選択されなければ、ステップB16に進む。ステップB16では、たとえば画面のスクロール、ジャンプ操作および前画面に戻るなどの他の処理を実行する。
【0079】
ステップB8では、図6(b)に示す原級音声出力時表示画面43のように、原級、比較級および最上級を表示する変化形表示サブウィンド76を表示させる。ステップB9では、原級が発音された音声を出力させるとともに、図6(b)に示す原級音声出力時表示画面43のように、原級表示部77のみを反転表示させる。ステップB10では、音声データの出力が終了すればステップB11に進み、終了していなければ、ステップB10に戻る。
【0080】
ステップB11では、比較級が発音された音声を出力させるとともに、図6(c)に示す比較級音声出力時表示画面44のように、比較級表示部78のみを反転表示させる。ステップB12では、音声データの出力が終了すればステップB13に進み、終了していなければ、ステップB12に戻る。ステップB13では、最大級が発音された音声を出力させるとともに、図6(d)に示す最大級音声出力時表示画面45のように、最大級表示部79のみを反転表示させる。ステップB14では、音声データが終了すれば、処理を終了し、終了していなければ、ステップB13に戻る。
【0081】
以上のように、動詞を入力した場合と同様、形容詞を入力した場合も、規則変化形容詞の場合は、単語が発音される音声を出力せずに、使用者が特に学習すべき不規則変化形容詞の場合は、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができ、さらに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができる。したがって、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0082】
図8は、学習機1に不規則変化名詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。図8(a)は、音声を出力する前の状態を示し、図8(b)は、単数形を出力している状態を示し、図8(c)は、複数形を出力している状態を示す。
【0083】
名詞の場合において、関連単語とは、たとえば、入力された単語が単数形である場合、入力された単語に関連する関連単語とは、複数形であり、入力された単語が変化形である場合、入力された単語に関連する関連単語とは、入力された単語ではない単数形のことである。
【0084】
使用者が不規則変化名詞を入力すると、表示器11に音声出力前表示画面46が表示される。ここでは、不規則変化名詞として、「woman」を入力する。音声出力前表示画面46には、単語61、発音マーク62、発音記号63、品詞マーク64、変化形マーク65、変化形発音記号66および意味67が表示される。ここでは、図8(a)に示すように、単語61は「woman」であり、発音記号63は「woman」の発音記号であり、品詞マーク64は、形容詞であることを示すマークであり、変化形マーク65は、「woman」が不規則変化語であることを示すマークであり、変化形発音記号66は、「woman」の変化形の発音記号であり、意味67は、「woman」の意味である。
【0085】
使用者が変化形マーク65を選択すると、音声出力モードを開始する。まず、図8(b)に示すように、単数形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に単数形音声出力時表示画面47が表示される。単数形音声出力時表示画面47は、発音マーク62および変化形マーク65の表示が反転され、変化形表示サブウィンド80が表示されること以外、音声出力前表示画面46と同様の表示画面である。変化形表示サブウィンド80は、入力した不規則変化語の単数形を表示する単数形表示部81と不規則変化語が語形変化した変化形である複数形を表示する複数形表示部82を含む。単数形音声出力時表示画面47では、原級表示部81のみが反転表示される。ここでは、単数形および複数形は、それぞれ「woman」および「women」と表示される。
【0086】
単数形が発音された音声が出力し終わると、図8(c)に示すように、複数形が発音された音声が出力されるとともに、表示器11に複数形音声出力時表示画面48が表示される。複数形音声出力時表示画面48では、複数形表示部82のみが反転表示される。複数形が発音された音声が出力し終わると、複数形音声出力時表示画面48が表示されたままとなる。使用者が戻るキー25を押下すると、音声出力前表示画面46が表示される。
【0087】
以上のように、使用者が入力した単語が不規則変化動詞でなくて不規則変化名詞であっても、不規則変化動詞を入力した場合と同様、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができ、さらに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができ、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0088】
図9は、学習機1に名詞を入力したときの学習用出力モード示すフローチャートである。使用者がONキー21を押下する操作などによって、ステップC1の処理が行われる。ステップC1では、使用者によって、単語が入力されると、RAM15に入力された単語を記憶させ、ステップC2では、RAM15に記憶されている単語を対象として、ROM14の辞書データ記憶領域28に記憶されている辞書データを検索させる。ステップC3では、入力された単語が辞書データにあれば、ステップC4に進み、入力された単語が辞書データになければ、ステップC1に戻る。
【0089】
ステップC4では、辞書データから入力された単語に対応する表示データを読み出す。ステップC5では、入力された単語が不規則名詞か否かを判断する。たとえば、読み出された表示データに不規則変化語であることを示す変化形マークが含まれていれば、ステップC6に進み、読み出された表示データに不規則変化語であることを示す変化形マークが含まれていなければ、ステップC13に進む。ステップC13では、読み出された表示データを表示させる。
【0090】
ステップC6では、図8(a)に示す音声出力前表示画面46のように、読み出された表示データを表示し、ステップC7では、変化形マークが選択されれば、ステップC8に進み、変化形マークが選択されなければ、ステップC14に進む。ステップC14では、たとえば画面のスクロール、ジャンプ操作および前画面に戻るなどの他の処理を実行する。
【0091】
ステップC8では、図8(b)に示す単数形音声出力時表示画面47のように、単数形および複数形を表示する変化形表示サブウィンド80を表示させ、ステップC9では、単数形が発音された音声を出力させるとともに、図8(b)に示す単数形音声出力時表示画面47のように、単数形表示部81のみを反転表示させる。ステップC10では、音声データの出力が終了すればステップC11に進み、終了していなければ、ステップC10に戻る。
【0092】
ステップC11では、複数形が発音された音声を出力させるとともに、図8(c)に示す複数形音声出力時表示画面48のように、複数形表示部82のみを反転表示させる。ステップC12では、音声データの出力が終了すれば、処理を終了し、終了していなければ、ステップC11に戻る。
【0093】
以上のように、動詞および形容詞を入力した場合と同様、名詞を入力した場合も、規則変化形容詞の場合は、単語が発音される音声を出力せずに、使用者が特に学習すべき不規則変化形容詞の場合は、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができ、さらに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができる。したがって、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0094】
次に、英和辞典などの辞書の内容を電子化しただけの従来の辞書データを用いて、上記の表示処理および音声出力などを行う学習機について説明する。この学習機は、上述のような学習用出力モードを実施するために、別途、メモリーカードのような着脱可能な外部メモリを用いる。
【0095】
図10は、本発明の第2の実施形態である学習機2の電気的構成を示すブロック図である。学習機2は、ROM14の代わりに、ROM51を有し、外部インターフェイス52を有すること以外、学習機1と同様である。
【0096】
ROM51は、プログラム記憶領域53、辞書データ記憶領域54および音声データ記憶領域55を有する。辞書データ記憶領域54は、意味、発音記号、関連単語などがそれぞれ単語と関連付けられているデータ、たとえば英和辞典などの辞書の内容を電子化した辞書データのみが記憶されている。プログラム記憶領域53および音声データ記憶領域55は、ROM14のプログラム記憶領域27および音声データ記憶領域29と同様である。
【0097】
外部インターフェイス52は、外部メモリ56と接続され、外部メモリ56に記憶されている情報を取得可能とする。外部メモリ56は、メモリーカードなどで実現され、不規則変化語リスト記憶領域57および変化形マーク記憶領域58などを有する。不規則変化語リスト記憶領域57は、不規則変化語のリストが記憶されている不規則変化語記憶手段である。変化形マーク記憶領域58は、変化形マークの画像情報が記憶されているマーク記憶手段である。
【0098】
図11は、不規則変化語リスト記憶領域57に記憶されている不規則変化語リストである。図11(a)は、不規則変化動詞のリストであり、図11(b)は、不規則変化形容詞のリストであり、図11(c)は、不規則変化名詞のリストである。
【0099】
判定手段は、CPU13、ROM14および外部メモリ56から構成されており、入力された単語を対象としてROM51に記憶されている辞書データおよび外部メモリ56に記憶されている不規則変化語リストを検索して、それらの検索結果に基づいて入力された単語が不規則変化語であるか否かを判定する。
【0100】
報知手段は、表示器11、CPU13、ROM14および外部メモリ56から構成されており、判定手段により、入力した単語が不規則変化語であると判断された場合、外部メモリ56に記憶されている変化形マークを表示器11に表示することによって、入力した単語が不規則変化語であることを使用者に知らせる。
【0101】
図12は、ROM51の辞書データ記憶領域54に記憶されている辞書データに基づく表示データのデータ構造である。辞書データには、単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報および不規則変化語であることを示す変化形マークの画像情報が記憶されていないので、判定手段によって、入力した語が不規則変化語であると判断された場合は、外部メモリ56の変化形マーク記憶手段58に記憶されている変化形マークの画像情報を参照して表示させる。
【0102】
図13は、学習機2に動詞を入力したときの学習用出力モード示すフローチャートである。使用者がONキー21を押下する操作などによって、ステップD1の処理が行われる。ステップD1では、使用者によって、単語が入力されると、RAM15に入力された単語を記憶させ、ステップD2では、RAM15に記憶されている単語を対象として、ROM51の辞書データ記憶領域54に記憶されている辞書データを検索させる。ステップD3では、入力された単語が辞書データにあれば、ステップD4に進み、入力された単語が辞書データになければ、ステップD1に戻る。
【0103】
ステップD4では、辞書データから図12に示すような入力された単語に対応する表示データを読み出す。ステップD5では、入力された単語が不規則変化語であるか否かを判断する。たとえば、入力された単語を対象として、図11に示すような不規則変化語リスト記憶領域57に記憶されている不規則変化語リストを検索して、不規則変化語リストに該当すれば、ステップD6に進み、不規則変化語リストに該当しなければ、ステップD19に進む。ステップD19では、図4に示す規則変化動詞表示画面41のように、読み出された表示データを表示させる。
【0104】
ステップD6では、読み出した表示データを検索して、ステップD7では、変化形マークが合成される位置を決定して、変化形マーク記憶手段58に記憶されている変化形マークの画像情報を参照して表示データに合成する。たとえば、表示データの品詞マークのあとに、変化形マーク記憶手段58に記憶されている変化形マークの画像情報のアドレスを挿入する。ステップD8では、図2(a)に示す音声出力前表示画面31および図3(a)に示す音声出力前表示画面36のように、合成された表示データを表示し、ステップD9では、変化形マークが選択されれば、ステップD10に進み、変化形マークが選択されなければ、ステップD20に進む。ステップD20では、たとえば画面のスクロール、ジャンプ操作および前画面に戻るなどの他の処理を実行する。
【0105】
ステップD10では、図2(b)に示す原形音声出力時表示画面32および図3(b)に示す原形音声出力時表示画面37のように、原形、三人称単数現在形、過去形および過去分詞形を表示する変化形表示サブウィンド71を表示させる。ステップD11では、原形が発音された音声を出力させるとともに、図2(b)に示す原形音声出力時表示画面32および図3(b)に示す原形音声出力時表示画面37のように、原形表示部72のみを反転表示させる。ステップD12では、音声データの出力が終了すればステップD13に進み、終了していなければ、ステップD12に戻る。
【0106】
ステップD13では、三人称単数現在形が発音された音声を出力させるとともに、図2(c)に示す三単現音声出力時表示画面33および図3(c)に示す三単現音声出力時表示画面38のように、三単現表示部73のみを反転表示させる。ステップD14では、音声データの出力が終了すればステップD15に進み、終了していなければ、ステップD14に戻る。ステップD15では、過去形が発音された音声を出力させるとともに、図2(d)に示す過去形音声出力時表示画面34および図3(d)に示す過去形音声出力時表示画面39のように、過去形表示部74のみを反転表示させる。ステップD16では、音声データの出力が終了すればステップD17に進み、終了していなければ、ステップD16に戻る。ステップD17では、過去分詞形が発音された音声を出力させるとともに、図2(e)に示す過去分詞形音声出力時表示画面35および図3(d)に示す過去分詞形音声出力時表示画面40のように、過去分詞形表示部75のみを反転表示させる。ステップD18では、音声データの出力が終了すれば、処理を終了し、終了していなければ、ステップD18に戻る。
【0107】
以上のように、単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報および単語が不規則変化語であることを示すマークが記憶されていないような従来の記憶手段であっても、不規則変化語記憶手段である外部メモリ56から取得した不規則変化語情報を用いて、使用者が入力した単語が、不規則変化語か否かを判定することができ、さらに、マーク記憶手段である変化形マーク記憶領域58から取得したマークを報知手段により、表示手段に表示することができる。
【0108】
また、本発明は、使用者が入力した単語が不規則変化語であるか否かを、記憶手段に記憶されている単語とその単語に関連する関連単語との関係が規則変化にしたがっているか否かで判定するようにしてもよい。これによって、不規則変化語情報および単語が不規則変化語であることを示すマークが記憶されていないような従来の記憶手段であって、さらに、外部メモリを用いずに、入力した単語およびその関連単語の綴字と入力した単語およびその関連単語の発音とを関連付けて確認することができ、さらに、あらかじめ定められた順番で連続的に確認することができる。したがって、高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0109】
上記本実施形態は、規則変化語を入力した場合、不規則変化語を入力した場合に行う音声出力、変化形表示サブウィンドの表示および音声出力に同期させた反転表示などの音声出力モードを行わない。しかし、規則変化語を入力した場合も、音声出力モードを行っても充分に高い学習効果を使用者に発揮させることができる。
【0110】
その場合、変化形マークを選択することによって、音声出力モードが開始される代わりに、たとえば、学習機は、ファンクションキーに音声出力キーを有し、その音声出力キーを押下することによって、音声出力モードが開始されるようにしてもよい。
【0111】
また、上記本実施形態は、英単語を学習するための学習機であるが、本発明は、不規則変化をする単語であれば、英単語に限らず、実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の第1の実施形態である学習機1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】学習機1に不規則変化動詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。
【図3】学習機1に不規則変化動詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。
【図4】学習機1に規則変化動詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。
【図5】学習機1に動詞を入力したときの学習用出力モード示すフローチャートである。
【図6】学習機1に不規則変化形容詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。
【図7】学習機1に形容詞を入力したときの学習用出力モード示すフローチャートである。
【図8】学習機1に不規則変化名詞を入力したときの学習用出力モードの動作例を示す図である。
【図9】学習機1に名詞を入力したときの学習用出力モード示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態である学習機2の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】不規則変化語リスト記憶領域57に記憶されている不規則変化語リストである。
【図12】ROM51の辞書データ記憶領域54に記憶されている辞書データに基づく表示データのデータ構造である。
【図13】学習機2に動詞を入力したときの学習用出力モード示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
1,2 学習機
11 表示器
12 キー入力部
13 CPU
14,51 ROM
15 RAM
16 表示コントローラ
17 音声デコーダ
18 スピーカ
21 ONキー
22 OFFキー
23 ファンクションキー
24 英数字キー
25 戻るキー
26 変化形マーク選択キー
27,53 プログラム記憶領域
28,54 辞書データ記憶領域
29,55 音声データ記憶領域
52 外部インターフェイス
56 外部メモリ
57 不規則変化語リスト記憶領域
58 変化形マーク記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単語入力を行う入力手段と、
単語と前記単語に関連する関連単語と前記単語および前記関連単語に対応する音声情報とが記憶されている記憶手段と、
前記単語および前記関連単語を表示する表示手段と、
前記音声情報を出力する音声出力手段と、
前記入力手段によって単語が入力されたときに、入力された単語と前記入力された単語に関連する関連単語とを表示手段に表示させる制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記入力された単語および前記入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報を出力させるとともに、現在出力されている音声情報の単語または関連単語を、表示手段に表示されている他の単語および関連単語と識別できるように表示させる出力制御を行うことを特徴とする出力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記出力制御を行う際に、前記入力された単語および前記入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報を、あらかじめ定められた順番にしたがって連続的に出力させることを特徴とする請求項1記載の出力装置。
【請求項3】
前記入力された単語が、不規則変化語であるか否かを判定する判定手段を有し、
前記制御手段は、前記判定手段によって、前記入力された単語が不規則変化語であると判定された場合、前記出力制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の出力装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記単語と前記単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報とを関連して記憶しており、
前記判定手段は、前記不規則変化語情報に基づいて判定することを特徴とする請求項3記載の出力装置。
【請求項5】
単語が不規則変化語であるか否かを示す不規則変化語情報が記憶されている不規則変化語記憶手段から前記不規則変化語情報を取得可能に構成され、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている単語と前記不規則変化語記憶手段から取得した前記不規則変化語情報とに基づいて判定することを特徴とする請求項3記載の出力装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている単語と前記単語に関連する関連単語とに基づいて判定することを特徴とする請求項3記載の出力装置。
【請求項7】
前記判定手段によって、前記入力された単語が不規則変化語であると判定された場合、前記入力された単語が不規則変化語であることを使用者に知らせる報知手段を有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の出力装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記単語と前記単語が不規則変化語であることを示すマークとを関連して記憶しており、
前記報知手段は、前記マークを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項7に記載の出力装置。
【請求項9】
単語が不規則変化語であることを示すマークが記憶されているマーク記憶手段から前記マークを取得可能に構成され、
前記報知手段は、前記マーク記憶手段から取得した前記マークを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項7に記載の出力装置。
【請求項10】
単語入力を行う入力手段と、単語と前記単語に関連する関連単語と前記単語および前記関連単語に対応する音声情報とが記憶されている記憶手段と、前記単語および前記関連単語を表示する表示手段と、前記音声情報を出力する音声出力手段と、前記入力手段によって単語が入力されたときに、入力された単語と前記入力された単語に関連する関連単語とを表示手段に表示させる制御手段とを有する出力装置による出力方法であって、
前記制御手段が、前記入力された単語および前記入力された単語に関連する関連単語に対応する音声情報を出力させ、現在出力されている音声情報の単語または関連単語を、表示手段に表示されている他の単語および関連単語と識別できるように表示させることを特徴とする出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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