説明

出題装置及びコンピュータプログラム

【課題】ユーザにとって実用性の高い漢字を優先的に学習することが可能な漢字に関する問題を出題する出題装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】出題装置1は、キーボード、マウス等から入力を受け付けた内容をかな漢字変換手段10a、手書き文字認識手段10b等の処理により漢字に変換し、変換漢字記録手段10cの処理により、変換した漢字を変換漢字データベース12aに記録する。そして出題装置1は、問題生成手段10dの処理により、変換漢字データベース12aに記録されている漢字に基づいて問題データベース12cから問題を抽出し、出題手段10eの処理により、抽出した問題を出題する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漢字に関する問題を記録した問題データベースから問題を抽出し、抽出した問題を出題する出題装置、及び該出題装置を実現するコンピュータプログラムに関し、特に実用的な漢字を学習することが可能な出題装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
漢字の学習を支援するための様々な装置が市販され、広く普及している。例えば特許文献1には、過去の試験結果から問題の難易度を特定し、レベルにあった漢字を出題する電子式学習機が開示されている。また統計的に見て間違え易い漢字を重点的に出題する等、様々な出題方法が提案されている。
【特許文献1】特開昭63−137289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら特許文献1に開示されている装置等の従来の出題装置は、単に漢字の知識を増やすことを目的としたものであり、ユーザにとって実用性の高い漢字を学習することはできないという問題がある。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが入力した漢字を記録し、記録した漢字に基づいて、出題する問題を抽出することにより、ユーザにとって実用性の高い漢字を優先的に学習することが可能な出題装置、及び該出題装置を実現するためのコンピュータプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の出題装置は、漢字に関する問題を記録した問題データベースから問題を抽出し、抽出した問題を出題する出題装置において、文字の入力を受け付ける入力手段と、受け付けた文字を漢字に変換する変換手段と、変換された漢字を記録する記録手段と、該記録手段に記録されている漢字に基づいて、前記問題データベースから問題を抽出する抽出手段とを備えることを要件とする。
【0006】
第2の出題装置は、第1の出題装置において、夫々関連する漢字を対応付けて記録する関連漢字データベースを更に備え、前記抽出手段は、前記記録手段に記録されている漢字に対応付けて関連漢字データベースに記録されている漢字に基づいて、問題を抽出する様にしてあることを要件とする。
【0007】
第3の出題装置は、第1又は第2の出題装置において、画像を表示する表示手段を更に備え、前記入力手段は、前記表示手段に表示された画像上の位置を指示する様にしてあり、前記変換手段は、前記入力手段にて指示された画像上の位置の軌跡と変換候補となる漢字との類似度に基づいて変換する様にしてあることを要件とする。
【0008】
第4の出題装置は、第3の出題装置において、前記記録手段は、漢字に対応付けて、変換に係る類似度を記録する様に構成してあり、前記抽出手段は、漢字及び該漢字に対応付けられた類似度に基づいて、問題を抽出する様にしてあることを要件とする。
【0009】
第5の出題装置は、第3又は第4の出題装置において、前記入力手段による位置の指示の開始から変換の完了までの時間を計測する計時手段を更に備え、前記記録手段は、前記変換手段が変換した漢字に対応付けて、計測した時間を記録する様に構成してあり、前記抽出手段は、漢字及び該漢字に対応付けられた時間に基づいて、問題を抽出する様にしてあることを要件とする。
【0010】
第6のコンピュータプログラムは、入力を受け付ける入力手段と、漢字に関する問題を記録した問題データベースとを備えるコンピュータに、問題データベースから問題を抽出させ、抽出した問題を出題させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記入力手段が受け付けた文字を漢字に変換する変換手段にて変換された漢字を記録させる手順と、記録させた漢字に基づいて、前記問題データベースから問題を抽出させる手順とを実行させることを要件とする。
【0011】
第1の出題装置及び第6のコンピュータプログラムでは、ユーザが入力した漢字に基づく出題を行うので、例えばユーザが実際に使用している漢字を中心に出題することができ、ユーザにとって実用性に高い漢字を優先的に学習することが可能である。
【0012】
第2の出題装置では、ユーザが実際に入力した漢字だけでなく、入力した漢字に関連する漢字に基づく漢字に関する問題をも出題することが可能である。
【0013】
第3の出題装置では、マウス等の入力手段を用いた手書き入力機能等の機能により入力した漢字に基づいて出題することも可能である。
【0014】
第4の出題装置では、手書き認識機能を用いた漢字入力に際し、類似度が低い漢字が入力された場合、その漢字についての記憶が曖昧である可能性が高いと見なし、例えば類似度に基づいて抽出する頻度を調整することにより、うろ覚えの漢字を重点的に出題することが可能である。
【0015】
第5の出題装置では、手書き認識機能を用いた漢字入力に際し、入力に時間を要する漢字は、その漢字についての記憶が曖昧である可能性が高いと見なし、例えば類似度に基づいて抽出する頻度を調整することにより、うろ覚えの漢字を重点的に出題することが可能である。
【発明の効果】
【0016】
本願は、例えばかな漢字変換機能等の機能を用いてユーザが入力した漢字を記録手段に記録し、記録した漢字に基づいて、例えば記録した漢字を含む単漢字、熟語、文等の問題を優先的に出題することにより、例えばユーザが実際に使用している漢字を中心に出題することができ、ユーザにとって実用性の高い漢字を優先的に学習することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0017】
本願は、読み方が同じ漢字、形状が類似した漢字等の関連漢字に基づく出題を行うことにより、ユーザが実際に入力した漢字だけでなく、入力した漢字に関連する間違い易い漢字等の漢字に基づく問題をも出力することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0018】
本願は、マウス等の入力手段にて指示した軌跡を漢字に変換する手書き入力機能等の機能により入力した漢字に基づいて出題することも可能である等、優れた効果を奏する。
【0019】
本願は、手書き入力機能等の機能を用いて入力した漢字の類似度又は変換までに要した時間に基づいて、出題する問題を選択することにより、類似度が低い漢字、入力に時間を要する漢字は、その漢字についての記憶が曖昧である可能性が高いと見なし、例えば類似度、時間に基づいて抽出する頻度を調整することにより、うろ覚えの漢字を重点的に出題することが可能である等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の出題装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1中1は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いた本発明の出題装置である。出題装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御部10と、本発明のコンピュータプログラム100及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶部11と、補助記憶部11により読み取った各種情報を記録するハードディスク等の記録部12と、情報を一時的に記憶するRAM等の記憶部13とを備えている。そして記録部12に記録したコンピュータプログラム100を記憶部13に記憶させ、制御部10の制御にて実行することにより、コンピュータは、本発明の出題装置1として動作する。なお出題装置1には、本発明のコンピュータプログラム100だけでなく、ワードプロセッサ用ソフトウェア、メール送受信用ソフトウェア等の様々なプログラムが記録されている。
【0021】
さらに出題装置1は、時間及び時刻を計測する計時部14と、画像を表示するモニタ等の表示部15と、キーボード等の第1入力部16と、表示部15に表示された画像上の位置を指示する第2入力部17とを備えている。
【0022】
図2は、本発明の出題装置1の機能を示す機能ブロック図である。本発明の出題装置1は、本発明のコンピュータプログラム100等の各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、制御部10を、かな漢字変換手段10a、手書き文字認識手段10b、変換漢字記録手段10c、問題生成手段10d、出題手段10e、正誤判定手段10f等の各種プログラムモジュールとして機能させる。かな漢字変換手段10aは、漢字変換に関する変換辞書を有し、変換辞書を参照して第1入力部16から入力された「かな」を「漢字」に変換する機能を有する。手書き文字認識手段10bは、第2入力部17にて指示された表示部15の画像上の位置の軌跡を「漢字」に変換する機能を有する。変換漢字記録手段10cは、かな漢字変換手段10a及び手書き文字認識手段10bにて変換された漢字に関する情報を記録部12に記録する機能を有する。問題生成手段10dは、出題する問題を生成する機能を有する。出題手段10eは、問題生成手段10dが生成した問題を出題する機能を有する。正誤判定手段10fは、出題した問題に対する回答の正誤判定を行う機能を有する。
【0023】
また本発明の出題装置1は、本発明のコンピュータプログラム100等の各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、記録部12の記録領域に、変換漢字データベース(変換漢字DB)12a、関連漢字データベース(関連漢字DB)12b、問題データベース(問題DB)12c等の各種データベースを生成し、記録部12の記録領域の一部を各種データベースとして用いる。変換漢字データベース12aは、変換漢字記録手段10cによる漢字に関する情報を記録するデータベースである。関連漢字データベース12bは、読み方が同じ漢字、形状が類似した漢字等の一群の漢字を関連する漢字として記録するデータベースである。問題データベース12cは、出題の候補となる問題を記録しているデータベースであり、単漢字に関する問題、熟語に関する問題、漢字を含む文に関する問題等の漢字に関する様々な問題を記録している。
【0024】
図3は、本発明の出題装置1が備える変換漢字データベース12aの記録内容を概念的に示す説明図である。変換漢字データベース12aには、漢字、読み方、変換時期、変換頻度、類似度、変換時間等の項目毎の各種情報がレコードとして記録されている。漢字の項目には、「点」等の単漢字、「今日」等の熟語が記録されている。なお単漢字には、「良」の訓読みである「良い」の語幹部分「良」等の様に語尾を伴って用いられる漢字も含まれる。読み方の項目には、「てん」、「きょう」等の読み方が記録されており、また訓読みである「良」に対しては、語幹の読み方である「よ」が記録されている。漢字の項目及び読み方の項目を組み合わせることにより、同じ漢字でも、音読み、訓読み等の読み方によって異なる漢字として扱うことが可能である。また単漢字である「今」及び熟語である「今日」等の漢字も異なる漢字として取り扱うことが可能である。変換時期の項目には、かな漢字変換手段10a又は手書き文字認識手段10bにて最後に変換された日時が記録されている。変換頻度の項目には、かな漢字変換手段10a又は手書き文字認識手段10bにより変換された回数、又は直近の所定期間、例えば3ヶ月の間に変換された回数が記録されている。類似度の項目には、手書き文字認識手段10bによる漢字変換を行った場合に、入力された軌跡と、変換後の漢字との類似度を示す情報が記録されている。変換時間の項目には、手書き文字認識手段10bによる漢字変換を行った場合に、第2入力部17による位置の指示の開始、即ち書き始めから変換の完了までの時間が記録されている。
【0025】
図4は、本発明の出題装置1が備える関連漢字データベース12bの記録内容を概念的に示す説明図である。関連漢字データベース12bは、夫々関連する漢字を一群の漢字として関連付けたグループをレコード単位で記録するデータベースである。図4(a)は、読み方が同じ同音漢字のグループを示している。例えば「朝」、「麻」、「浅」等の漢字は、「あさ」という同じ読み方で関連付けられる一群の漢字である。図4(b)は、形状が類似した類似漢字のグループを示している。例えば「目」、「日」、「田」は、形状が類似しているとして関連付けられる一群の漢字である。
【0026】
図5は、本発明の出題装置1が備える問題データベース12cの記録内容を概念的に示す説明図である。問題データベース12cには、問題、種類、難易度、出題確率等の項目毎の各種情報がレコード単位で記録されている。問題の項目には、単漢字に関する問題、熟語に関する問題、漢字を含む文に関する問題等の漢字に関する様々な問題が記録されている。種類の項目には、「読み方」の問題、「書き方」の問題、漢字の意味等の解答を選択肢の中から選択させる「選択問題」等の問題の出題形式が記録されている。難易度の項目には、「2級」、「3級」等の難易度を示す情報が記録されている。出題確率の項目には、出題する問題として選択される確率を示す情報が記録されている。
【0027】
次に本発明の出題装置1の処理について説明する。図6は、本発明の出題装置1の漢字記録第1処理を示すフローチャートである。漢字記録第1処理とは、かな漢字変換手段10aにて変換された漢字を記録する処理である。出題装置1は、コンピュータプログラム100を実行する制御部10の制御に基づいて、第1入力部16から、かなとして入力される文字の入力を受け付け(S101)、かな漢字変換手段10aにより、受け付けた文字を漢字に変換する(S102)。ステップS101〜S102の処理は、かな漢字変換手段10aが起動している状態であれば、出題装置1に記録されているワードプロセッサ用ソフトウェア、メール送受信用ソフトウェア等の日本語による文字の入力が可能な様々なプログラムと連動して実行される。ステップS101のかなとして入力される文字とは、かなそのものの入力だけでなく、ローマ字変換により、かなとして入力される文字をも含むことを示す。またステップS102の変換とは、変換候補の中から変換後の漢字が選択され、確定された状態を示している。
【0028】
そして出題装置1は、制御部10の制御に基づく変換漢字記録手段10cの処理により、ステップS102にて、かな漢字変換手段10aが変換した漢字を変換漢字データベース12aに記録する(S103)。ステップS103では、変換確定後の漢字、即ち単漢字又は熟語を変換漢字データベース12aに記録し、また記録する単漢字又は熟語に関連する読み方、変換時期、変換頻度等の情報も記録する。変換時期は、変換が完了した時点で計時部14が示す日時を用いる。ステップS103において、出題装置1は、記録する単漢字又は熟語と同様の漢字が既に変換漢字データベース12aに記録されているか否かを検出し、記録されていないことを検出した場合、新たなレコードとして変換漢字データベース12aに記録し、既に記録されていることを検出した場合、該当する漢字が記録されているレコードの変換時期及び変換頻度を更新する。なおステップS103の記録に際し、問題データベース12cを参照して、記録すべき漢字又は熟語の難易度が、所定の難易度より易しい場合、記録の対象から除外する様にしても良い。「一」、「上」等の変換頻度は高いが、難易度が低い漢字を出題の対象から除外するためである。
【0029】
ステップS103の処理について更に詳述する。ステップS102にて変換した漢字が単漢字又は熟語である場合、出題装置1は、ステップS103の処理として、変換後の漢字及び熟語並びにそれらに関する情報を変換漢字データベース12aに記録する。ステップS102にて、かな漢字変換手段10aの文変換機能により「きょうはよいてんきだ。」として入力された文字を「今日は良い天気だ。」等の漢字を含む文として変換した場合、出題装置1は、ステップS103の処理として、変換前の文「きょうはよいてんきだ。」及び変換後の文「今日は良い天気だ。」を比較し、かな漢字変換手段10aの変換辞書又は変換時の処理を参照して、「[今日/きょう]は、[良/よ]い[天気/てんき]だ。」という様に、単漢字又は熟語に対して、かなとの対応付けを行う。このとき「は」、「が」等の漢字を含まない文字、「い」等の語尾(送りがな)、「。」等の句読点を含む各種記号については、対応付けの対象外となる。そして出題装置1は、ステップS103の処理として、対応付けた処理の結果である「[今日/きょう]は、[良/よ]い[天気/てんき]だ。」というデータに基づいて、単漢字又は熟語と、対応付けられた読み方と、変換時期、変換頻度等の情報とを変換漢字データベース12aに記録する。この様にして漢字記録第1処理が実行される。
【0030】
図7は、本発明の出題装置1の漢字記録第2処理を示すフローチャートである。漢字記録第2処理とは、手書き文字認識手段10bにて変換された漢字を記録する処理である。出題装置1は、コンピュータプログラム100を実行する制御部10の制御に基づいて、第2入力部17からの入力を受け付け(S201)、手書き文字認識手段10bにより、受け付けた入力内容を漢字に変換する(S202)。ステップS201〜S202の処理は、手書き文字認識手段10bが起動している状態であれば、出題装置1に記録されているワードプロセッサ用ソフトウェア、メール送受信用ソフトウェア等の日本語による文字の入力が可能な様々なプログラムと連動して実行される。ステップS201における第2入力部17からの入力とは、表示部15に表示された手書きパレット等の画像上の任意の位置を指示し、更に指示している位置を移動させる入力であり、ステップS202では、第2入力部17にて指示された画像上の位置の軌跡と、変換候補となる漢字の形状との類似度を求め、類似度が所定値以上である漢字を変換候補として表示部15に表示し、変換候補の中から変換後の漢字が選択され確定されることにより、変換処理が行われる。
【0031】
そして出題装置1は、制御部10の制御に基づく変換漢字記録手段10cの処理により、ステップS202にて、手書き文字認識手段10bが変換した漢字を変換漢字データベース12aに記録する(S203)。ステップS203では、変換確定後の漢字を変換漢字データベース12aに記録し、また記録する漢字に関連する読み方、変換時期、変換頻度、類似度、変換時間等の情報も記録する。類似度とは、軌跡と、確定された漢字との類似度である。変換時間とは、第2入力部17による位置の指示の開始から確定までに要した時間であり、計時部14にて計測される。なお読み方の項目には、かな漢字変換手段10aが有する変換辞書に示されている代表的な読み方が記録されるが空欄としても良い。この様にして漢字記録第2処理が実行される。
【0032】
上述した漢字記録第1処理及び漢字記録第2処理は、かな漢字変換手段10a及び手書き文字認識手段10bによる変換処理を、本願の出題機能と連動させる処理であり、切替ボタンの押下、メニュー選択、アイコンの指示等の所定の操作をユーザが行うことにより、実行の開始又は停止を行う。
【0033】
また漢字記録第1処理及び漢字記録第2処理において、変換漢字データベース12aに記録している漢字に関するレコードが所定数以上となった場合、変換時期及び変換頻度に基づいて、例えば変換時期が古いレコードから順に、削除する様にしても良い。
【0034】
図8は、本発明の出題装置1の出題処理を示すフローチャートである。出題処理とは、ユーザの操作により、漢字に関する問題を出題する機能の実行が指定された場合に、問題生成手段10d、出題手段10e等のプログラムモジュールが機能して漢字に関する問題を出題する処理である。出題装置1は、コンピュータプログラム100を実行する制御部10の制御に基づいて、問題生成手段10dにより、変換漢字データベース12aに記録されている漢字、即ち単漢字及び熟語を抽出し(S301)、更に抽出した漢字に関連する関連漢字を関連漢字データベース12bから抽出する(S302)。ステップS302は、ステップS301にて抽出された漢字、特に単漢字を含むグループを示すレコードが関連漢字データベース12bに記録されているか否かを判定し、記録されていると判定した場合、そのレコードに含まれる一群の漢字を関連漢字として抽出する処理である。ステップS301にて抽出した漢字だけでなく、ステップS302にて関連漢字を抽出することにより、出題する漢字の幅を広げることが可能になる。
【0035】
出題装置1は、制御部10の制御に基づく問題生成手段10dの処理により、ステップS301にて抽出した漢字及びステップS302にて抽出した関連漢字に基づいて、問題データベース12cから問題を抽出する(S303)。ステップS303において、出題装置1は、問題データベース12cに記録されている複数の問題の中から例えば乱数を用いて出題確率に応じて選択した問題を抽出する。なお記録されている問題の中で、ステップS301にて抽出した漢字及びステップS302にて抽出した関連漢字を含む問題に対しては、出題確率を高くする確率変更処理が前処理として実行される。確率変更処理を実行することにより、ステップS301にて抽出した漢字又はステップS302にて抽出した関連漢字を含む問題を、これらを含まない問題より優先して抽出することになる。また変換漢字データベース12aに記録されている類似度に基づいて出題確率を変更した上で問題を抽出する様にしても良い。即ち類似度が低い漢字は、その漢字についての記憶が曖昧であると判断して出題確率を高めることにより、うろ覚えの漢字を重点的に出題することが可能となる。さらに変換漢字データベース12aに記録されている変換時間に基づいて出題確率を変更した上で問題を抽出する様にしても良い。即ち入力に時間を要した漢字は、その漢字についての記憶が曖昧であると判断して出現確率を高めることにより、うろ覚えの漢字を重点的に出題することが可能となる。その他、変換時期、変換頻度等に応じて出題確率を変更する様にしても良く、また漢字記録第1処理により記録した漢字に基づいて「書き方」の問題を抽出し、漢字記録第2処理により記録した漢字に基づいて「読み方」の問題を抽出する等、適宜設定することが可能である。更には一般的に間違いやすいとされている漢字の優先的な抽出、過去に誤答している漢字の優先的な抽出等の既存の技術の方法を併用することも可能である。
【0036】
そして出題装置1は、制御部10の制御に基づく問題生成手段10dの処理により、抽出した問題に基づいて出題する問題を生成し(S304)、出題手段10eの処理により、生成した問題を出題する(S305)。ステップS305の出題は、生成した問題を表示部15に表示することにより実行される。この様にして出題処理が実行される。
【0037】
図9は、本発明の出題装置1の解答受付及び判定処理を示すフローチャートである。解答受付及び判定処理とは、出題処理により出題した問題に対する解答を受け付け、受け付けた解答の正誤を判定する処理である。出題装置1は、コンピュータプログラム100を実行する制御部10の制御に基づく正誤判定手段10fの処理により、出題した問題に対する解答を、第1入力部16及び/又は第2入力部17から受け付け(S401)、受け付けた解答の正誤を判定し(S402)、正誤の判定の結果を表示部15に表示する(S403)。ステップS401の受付は、出題内容及び形式に応じて、第1入力部16からのかな入力、第2入力部17からの指示位置の軌跡の入力等の入力を受け付ける適切な方法で実行される。なお出題内容及び形式に応じて解答を受け付ける処理は、既に公開又は実施されている公知技術を用いた処理を転用することで実行される。この様にして解答受付及び判定処理が実行される。
【0038】
前記実施の形態は、無数にある本発明の実施の形態の一部を示したものであり、本発明はこれに限らず、漢字変換の内容を出題に反映させる様々な方法に展開することが可能である。また前記実施の形態に示した様に、スタンドアローンとして起動する単独のコンピュータを出題装置として用いるのではなく、一又は複数のクライアントマシンからアクセス可能なサーバマシンにて本発明のコンピュータプログラムを実行し、複数のユーザの変換結果に基づいて出題する等、様々な形態に展開することが可能である。
【0039】
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0040】
(付記1)
漢字に関する問題を記録した問題データベースから問題を抽出し、抽出した問題を出題する出題装置において、
文字の入力を受け付ける入力手段と、
受け付けた文字を漢字に変換する変換手段と、
変換された漢字を記録する記録手段と、
該記録手段に記録されている漢字に基づいて、前記問題データベースから問題を抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする出題装置。
【0041】
(付記2)
前記抽出手段は、前記記録手段に記録されている漢字を含む問題を、記録されている漢字を含まない問題より優先して抽出する様にしてあることを特徴とする付記1に記載の出題装置。
【0042】
(付記3)
前記問題データベースは、漢字に関する問題として、単漢字に関する問題、熟語に関する問題及び漢字を含む文に関する問題の少なくとも一つを記録していることを特徴とする付記1又は付記2に記載の出題装置。
【0043】
(付記4)
夫々関連する漢字を対応付けて記録する関連漢字データベースを更に備え、
前記抽出手段は、前記記録手段に記録されている漢字に対応付けて関連漢字データベースに記録されている漢字に基づいて、問題を抽出する様にしてある
ことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の出題装置。
【0044】
(付記5)
前記関連漢字データベースは、読み方が同じ漢字及び/又は形状が類似した漢字を関連する漢字として記録していることを特徴とする付記4に記載の出題装置。
【0045】
(付記6)
画像を表示する表示手段を更に備え、
前記入力手段は、前記表示手段に表示された画像上の位置を指示する様にしてあり、
前記変換手段は、前記入力手段にて指示された画像上の位置の軌跡と変換候補となる漢字との類似度に基づいて変換する様にしてある
ことを特徴とする付記1乃至付記5のいずれかに記載の出題装置。
【0046】
(付記7)
前記記録手段は、漢字に対応付けて、変換に係る類似度を記録する様に構成してあり、
前記抽出手段は、漢字及び該漢字に対応付けられた類似度に基づいて、問題を抽出する様にしてあることを特徴とする付記6に記載の出題装置。
【0047】
(付記8)
前記入力手段による位置の指示の開始から変換の完了までの時間を計測する計時手段を更に備え、
前記記録手段は、前記変換手段が変換した漢字に対応付けて、計測した時間を記録する様に構成してあり、
前記抽出手段は、漢字及び該漢字に対応付けられた時間に基づいて、問題を抽出する様にしてあることを特徴とする付記6又は付記7に記載の出題装置。
【0048】
(付記9)
入力を受け付ける入力手段と、漢字に関する問題を記録した問題データベースとを備えるコンピュータに、問題データベースから問題を抽出させ、抽出した問題を出題させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記入力手段が受け付けた文字を漢字に変換する変換手段にて変換された漢字を記録させる手順と、
記録させた漢字に基づいて、前記問題データベースから問題を抽出させる手順と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の出題装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の出題装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の出題装置が備える変換漢字データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明の出題装置が備える関連漢字データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図5】本発明の出題装置が備える問題データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図6】本発明の出題装置の漢字記録第1処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の出題装置の漢字記録第2処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の出題装置の出題処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の出題装置の解答受付及び判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 出題装置
10 制御部
11 補助記憶部
12 記録部
13 記憶部
14 計時部
15 表示部
16 第1入力部
17 第2入力部
10a かな漢字変換手段
10b 手書き文字認識手段
10c 変換漢字記録手段
10d 問題生成手段
10e 出題手段
10f 正誤判定手段
12a 変換漢字データベース
12b 関連漢字データベース
12c 問題データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
漢字に関する問題を記録した問題データベースから問題を抽出し、抽出した問題を出題する出題装置において、
文字の入力を受け付ける入力手段と、
受け付けた文字を漢字に変換する変換手段と、
変換された漢字を記録する記録手段と、
該記録手段に記録されている漢字に基づいて、前記問題データベースから問題を抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする出題装置。
【請求項2】
夫々関連する漢字を対応付けて記録する関連漢字データベースを更に備え、
前記抽出手段は、前記記録手段に記録されている漢字に対応付けて関連漢字データベースに記録されている漢字に基づいて、問題を抽出する様にしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の出題装置。
【請求項3】
画像を表示する表示手段を更に備え、
前記入力手段は、前記表示手段に表示された画像上の位置を指示する様にしてあり、
前記変換手段は、前記入力手段にて指示された画像上の位置の軌跡と変換候補となる漢字との類似度に基づいて変換する様にしてある
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の出題装置。
【請求項4】
前記記録手段は、漢字に対応付けて、変換に係る類似度を記録する様に構成してあり、
前記抽出手段は、漢字及び該漢字に対応付けられた類似度に基づいて、問題を抽出する様にしてあることを特徴とする請求項3に記載の出題装置。
【請求項5】
前記入力手段による位置の指示の開始から変換の完了までの時間を計測する計時手段を更に備え、
前記記録手段は、前記変換手段が変換した漢字に対応付けて、計測した時間を記録する様に構成してあり、
前記抽出手段は、漢字及び該漢字に対応付けられた時間に基づいて、問題を抽出する様にしてあることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の出題装置。
【請求項6】
入力を受け付ける入力手段と、漢字に関する問題を記録した問題データベースとを備えるコンピュータに、問題データベースから問題を抽出させ、抽出した問題を出題させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記入力手段が受け付けた文字を漢字に変換する変換手段にて変換された漢字を記録させる手順と、
記録させた漢字に基づいて、前記問題データベースから問題を抽出させる手順と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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