説明

分化した細胞の再プログラムおよび再プログラムされた細胞からの動物および胚幹細胞の生成のための高能率的な方法

本発明は、概して、体細胞核移植(SCNT)の分野、ならびにクローン動物および細胞の作製に関する。また、本開示は、哺乳類のクローニング、胚幹細胞等の多能性細胞の取得、または卵母細胞および受精した胚を使用した哺乳類の細胞の再プログラムの方法に関する。本発明はまた、概して、受精した胚を移植先として使用する、体細胞のクローン作成方法に関する。特定の実施形態において、卵母細胞は最初の移植先であり、受精した胚は第2の移植先である。特定の実施形態において、本開示は、多能性細胞を得るため、または哺乳類の細胞を再プログラムするための、哺乳類のクローン作成方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
分化した細胞の核を再プログラムする方法であって、
(a)分化した細胞、MII期の動物の除核卵子を提供し、動物の除核二細胞期胚を提供するステップであって、前記MII期の卵子および前記胚を同調させるステップと、
(b)前記分化した細胞の核を前記除核卵子に注入するステップと、
(c)前記核を含む前記卵子を活性化させるステップと、
(d)前記核を含む前記活性化された卵子を前記二細胞期へ発達させるステップと、
(e)ステップ(d)から、前記の活性化された二細胞期の卵子の少なくとも1つの核と、周辺細胞質の少なくとも一部とを取り出すステップと、
(f)前記二細胞期胚の2つの細胞の間に前記核を配置することで、ステップ(e)において取り出した前記少なくとも1つの核を前記除核二細胞期胚に融合させて、前記分化した細胞の再プログラムされた核を含む単一細胞を発生させるステップと、を含む方法。

【請求項2】
ステップ(c)において、前記卵子は、シクロヘキシミド、CsCl2,カルシウムイオノフォア、イオノマイシン、精子因子、6−DMAP、SrCl2,サイトカラシンB、またはその任意の組み合わせによって活性化される、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
ステップ(f)において、前記融合ステップは電気的に実行される、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
前記電気融合は、2つのステップ、つまり、前記核は前記陽極と並んでおり電気的ショックが与えられる第1のステップと、前記胚および前記核がおよそ90度回転され、電気的ショックが与えられる第2のステップとで実行される、請求項3に記載の方法。

【請求項5】
ステップ(f)で前記生成した単一細胞を割球、桑実胚または胚盤胞期へと発育させるステップ(g)をさらに含む、請求項1に記載の方法。

【請求項6】
前記MII期卵子はヒトの卵子である、請求項1に記載の方法。

【請求項7】
前記除核二細胞期胚はヒトの胚である、請求項1に記載の方法。

【請求項8】
前記分化した細胞はヒトの細胞である、請求項1に記載の方法。

【請求項9】
前記MII期卵子および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項1に記載の方法。

【請求項10】
前記分化した細胞および前記MII期卵子は同一の種によるものである、請求項1に記載の方法。

【請求項11】
前記分化した細胞および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項1に記載の方法。

【請求項12】
前記分化した細胞、前記MII期卵子および前記除核二細胞期の胚は同一の種によるものである、請求項1に記載の方法。

【請求項13】
前記同一の種はヒトである、請求項10に記載の方法。

【請求項14】
動物を生成する方法であって、
(a)分化した細胞、MII期の動物の除核卵子を提供し、動物の除核二細胞期胚を提供するステップであって、前記MII期の卵子および前記胚を同調させるステップと、
(b)前記分化した細胞の核を前記除核卵子へ注入するステップと、
(c)前記核を含む前記卵子を活性化するステップと、
(d)前記核を含む前記活性化された卵子が前記二細胞期へ発達できるようにするステップと、
(e)ステップ(d)から、前記二細胞期の卵子の少なくとも1つの核と、周辺細胞質の少なくとも一部とを取り出すステップと、
(f)ステップ(e)において取り出した前記少なくとも1つの核を前記除核二細胞期胚に融合させて、単一細胞を発生させるステップと、
(g)ステップ(f)から前記単一細胞を培養して、動物へと発達させるステップと、を含む方法。

【請求項15】
ステップ(c)において、前記卵子は、シクロヘキシミド、CsCl2,カルシウムイオノフォア、イオノマイシン、精子因子、6−DMAP、SrCl2,サイトカラシンB、またはその任意の組み合わせによって活性化される、請求項14に記載の方法。

【請求項16】
ステップ(f)において、前記融合ステップは電気的に実行される、請求項14に記載の方法。

【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記電気融合は、2つのステップ、つまり、前記核は前記陽極と並んでおり電気的ショックが与えられる第1のステップと、前記胚および前記核がおよそ90度回転され、電気的ショックが与えられる第2のステップとで実行される、方法。

【請求項18】
前記MII期卵子はヒトの卵子である、請求項14に記載の方法。

【請求項19】
前記除核二細胞期胚はヒトの胚である、請求項14に記載の方法。

【請求項20】
前記分化した細胞はヒトの細胞である、請求項14に記載の方法。

【請求項21】
前記MII期卵子および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項14に記載の方法。

【請求項22】
前記分化した細胞および前記MII期卵子は同一の種によるものである、請求項14に記載の方法。

【請求項23】
前記分化した細胞および前記除核二細胞期胚は前記同一の種によるものである、請求項14に記載の方法。

【請求項24】
前記分化した細胞、前記MII期卵子および前記除核二細胞期胚は前記同一の種によるものである、請求項14に記載の方法。

【請求項25】
前記同一の種はヒトである、請求項22に記載の方法。

【請求項26】
胚幹細胞を生成する方法であって、
(a)分化した細胞、MII期の動物の除核卵子を提供し、動物の除核二細胞期胚を提供するステップであって、前記MII期の卵子および前記胚を同調させるステップと、
(b)前記分化した細胞の核を前記除核卵子へ注入するステップと、
(c)前記核を含む前記卵子を活性化するステップと、
(d)前記核を含む前記活性化された卵子が前記二細胞期へ発達できるようにするステップと、
(e)ステップ(d)の前記二細胞期の卵子の核と細胞質の周囲とを除去するステップと、
(f)単一細胞を発生させるために、前記二細胞期胚の2つの細胞間に前記核を配置することで、ステップ(e)において除去した前記核を前記除核二細胞期胚に融合させるステップと、
(g)前記単一細胞を、ステップ(f)から胚幹細胞が由来する可能性のある発達期に培養させるステップと、を含む方法。

【請求項27】
ステップ(c)において、前記卵子は、シクロヘキシミド、CsCl2,カルシウムイオノフォア、イオノマイシン、精子因子、6−DMAP、SrCl2,サイトカラシンB、またはその任意の組み合わせによって活性化される、請求項26に記載の方法。

【請求項28】
ステップ(f)において、前記融合ステップは電気的に実行される、請求項26に記載の方法。

【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記電気的融合は、2つのステップ、つまり、前記核は前記陽極と並んでおり電気的ショックが与えられる第1のステップと、前記胚および前記核がおよそ90度回転され、電気的ショックが与えられる第2のステップとで実行される、方法。

【請求項30】
前記MII期卵子はヒトの卵子である、請求項26に記載の方法。

【請求項31】
前記除核二細胞期胚はヒトの胚である、請求項26に記載の方法。

【請求項32】
前記分化した細胞はヒトの細胞である、請求項26に記載の方法。

【請求項33】
前記MII期卵子および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項26に記載の方法。

【請求項34】
前記分化した細胞および前記MII期卵子は同一の種によるものである、請求項26に記載の方法。

【請求項35】
前記分化した細胞および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項26に記載の方法。

【請求項36】
前記分化した細胞、前記MII期卵子および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項26に記載の方法。

【請求項37】
前記同一の種はヒトである、請求項34に記載の方法。

【請求項38】
前記胚幹細胞は、MHC対立遺伝子に対して半接合またはホモ接合であり、前記分化した細胞は、MHC対立遺伝子に対して半接合またはホモ接合であるか、または前記胚幹細胞は、相同組み換えまたはヘテロ接合性の喪失、あるいは両方によって、MHC対立遺伝子に対して半接合またはホモ接合となるよう操作されるかのいずれかであり、前記同一の種はヒトである、請求項26に記載の方法。

【請求項39】
前記方法は、胚幹細胞バンクを作成するために何度も繰り返され、前記胚幹細胞のそれぞれは、前記バンクの他の胚幹細胞とは異なるMHC対立遺伝子に対して半接合またはホモ接合である、請求項38に記載の方法。

【請求項40】
前記ステップ(g)は動物の子宮に前記培養細胞を移植するステップを含む、請求項14に記載の方法。

【請求項41】
前記移植した細胞および前記細胞が移植された前記動物は同一の種である、請求項40に記載の方法。

【請求項42】
ステップ(g)は、
(i)ステップ(f)からの前記単一細胞を前記桑実胚期へ培養するステップと、
(ii)前記桑実胚から割球を単離するステップと、
(iii)前記割球を培養して、2つ以上の割球のクラスタを生成するステップと、
(iv)前記培養された2つ以上の割球のクラスタを、前記胚または胎児細胞に直接的または間接的に接触させるステップと、
(v)ES細胞が生成されるまで(iv)の前記2つ以上の割球のクラスタを培養するステップと、を含む、請求項26に記載の方法。

【請求項43】
胚幹(ES)細胞を生成する方法であって、
(a)哺乳類の親の胚から生検された割球と前記親の胚とを、共に12時間〜18時間培養するステップと、
(b)ラミニンをさらに含み、マウスの胚線維芽細胞(MEF)を播種した胚盤胞培地に前記割球を移すステップと、
(c)ES細胞が生成されるまで、前記(b)の割球を培養するステップと、を含む、方法。

【請求項44】
MEFは有糸分裂的に不活性化されている、請求項43に記載の方法。

【請求項45】
ステップ(c)は、胚小胞形成を低減する状態において培養するステップを含む、請求項43に記載の方法。

【請求項46】
前記胚盤胞培地は2.5μg/mlのラミニンを含む、請求項45に記載の方法。

【請求項47】
前記ステップ(c)は、MEF細胞が播種された胚盤胞培地内で5日間培養するステップを含む、請求項45に記載の方法。

【請求項48】
請求項43に記載の方法であって、ステップ(c)はさらに、前記割球が約20の細胞の細胞塊を形成するまで培養するステップと、ES細胞が播種された培地に前記細胞塊を転移させるステップとを含む、方法。

【請求項49】
前記ES細胞は、マーカーを発現する、または標識される、請求項48に記載の方法。

【請求項50】
前記親の胚は、胚盤胞培地に転移され、胚盤胞で発達できるようにされていた、請求項43に記載の方法。

【請求項51】
前記割球は、
(a)前記胚を固定化するステップと、
(b)前記割球が単離するまで前記固定化胚をタッピングするステップと、によって前記胚から単離される、請求項43に記載の方法。

【請求項52】
胚幹細胞を生成する方法であって、
(a)分化した細胞、MII期の動物の除核卵子を提供し、動物の除核二細胞期胚を提供するステップであって、前記MII期の卵子および前記胚を同調させるステップと、
(b)前記分化した細胞の核を前記除核卵子へ注入するステップと、
(c)前記核を含む前記卵子を活性化するステップと、
(d)前記核を含む前記活性化された卵子を前記二細胞期へ発達させるステップと、
(e)ステップ(d)の前記二細胞期の卵子の核と細胞質の周囲とを除去するステップと、
(f)単一細胞を発生させるために、前記二細胞期胚の2つの細胞間に前記核を配置することで、ステップ(e)において除去した前記核を前記除核二細胞期胚に融合させるステップと、
(g)桑実胚が親の胚として使用できる、桑実胚を生成させるためにステップ(f)から前記単一細胞を培養させるステップと、
(h)前記桑実胚から前記割球を単離するステップと、
(i)前記割球と前記親の胚とを、共に12時間〜18時間培養するステップと、
(j)ラミニンをさらに含み、マウスの胚線維芽細胞(MEF)を播種した胚盤胞培地に前記割球を移すステップと、
(k)ES細胞が生成されるまで、前記(j)の割球を培養するステップと、を含む、方法。

【請求項53】
前記MEFは有糸分裂的に不活性化されている、請求項52に記載の方法。

【請求項54】
ステップ(k)は、胚小胞形成を低減する状態において培養するステップを含む、請求項52に記載の方法。

【請求項55】
前記胚盤胞培地は2.5μg/mlのラミニンを含む、請求項54に記載の方法

【請求項56】
ステップ(k)は、MEF細胞が播種された胚盤胞培地内で5日間培養するステップを含む、請求項54に記載の方法。

【請求項57】
請求項52に記載の方法であって、ステップ(k)はさらに前記割球が約20の細胞の細胞塊を形成するまで培養するステップと、ES細胞が播種された培地に前記細胞塊を転移させるステップとを含む、方法。

【請求項58】
前記ES細胞は、マーカーを発現する、または標識される、請求項57に記載の方法。

【請求項59】
前記親の胚は、胚盤胞培地に転移され、胚盤胞で発達できるようにされていた、請求項52に記載の方法。

【請求項60】
前記割球は、
(a)前記桑実胚を固定化するステップと、
(b)前記割球が単離するまで、前記桑実胚をタッピングするステップとを含み、前記胚から単離される、請求項52に記載の方法。

【請求項61】
請求項52に記載の方法であって、ステップ(c)において、前記卵子は、シクロヘキシミド、CsCl2,カルシウムイオノフォア、イオノマイシン、精子因子、6−DM AP、SrCl2,サイトカラシンB、またはその任意の組み合わせによって活性化される、方法。

【請求項62】
ステップ(f)において、前記融合ステップは電気的に実行される、請求項52に記載の方法。

【請求項63】
請求項62に記載の方法であって、前記電気的融合は、2つのステップ、つまり、前記核は前記陽極と並んでおり電気的ショックが与えられる第1のステップと、前記胚および前記核がおよそ90度回転され、電気的ショックが与えられる第2のステップとで実行される、方法。

【請求項64】
前記MII期卵子はヒトの卵子である、請求項52に記載の方法。

【請求項65】
前記除核二細胞期胚はヒトの胚である、請求項52に記載の方法。

【請求項66】
前記分化した細胞はヒトの細胞である、請求項52に記載の方法。

【請求項67】
前記MII期卵子および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項52に記載の方法。

【請求項68】
前記分化した細胞および前記MII期卵子は同一の種によるものである、請求項52に記載の方法。

【請求項69】
前記分化した細胞および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項52に記載の方法。

【請求項70】
前記分化した細胞、前記MII期卵子および前記除核二細胞期胚は同一の種によるものである、請求項52に記載の方法。

【請求項71】
前記同一の種はヒトである、請求項70に記載の方法。

【請求項72】
前記胚幹細胞は、MHC対立遺伝子に対して半接合またはホモ接合であり、前記分化した細胞は、MHC対立遺伝子に対して半接合またはホモ接合であるか、または前記胚幹細胞は、相同組み換えまたはヘテロ接合性の喪失、あるいは両方によって、MHC対立遺伝子に対して半接合またはホモ接合となるよう操作されるかのいずれかであり、前記同一の種はヒトである、請求項52に記載の方法。

【請求項73】
前記方法は、胚幹細胞バンクを作成するために何度も繰り返され、前記胚幹細胞のそれぞれは、前記バンクの他の胚幹細胞とは異なるMHC対立遺伝子に対して半接合またはホモ接合である、請求項72に記載の方法。

【請求項74】
前記胚盤胞培地は非ES細胞への分化を阻害することができる因子を含む、請求項52に記載の方法。

【請求項75】
前記胚盤胞培地は、密着結合を阻害することができる因子を含む、請求項52に記載の方法。

【請求項76】
前記胚盤胞培地は、前記栄養外胚葉分化経路を阻害することができる因子を含む、請求項52に記載の方法。

【請求項77】
前記胚盤胞培地は細胞を脱分極することができる因子を含む、請求項52に記載の方法。

【請求項78】
胚幹(ES)細胞を生成する方法であって、
(a)哺乳類の親の胚から生検された割球を培養するステップと、
(b)ラミニンをさらに含む、胚盤胞培地に前記割球を移すステップと、
(c)ES細胞が生成されるまで、前記(b)の割球を培養するステップと、を含む、方法。

【請求項79】
前記ステップ(c)は、胚小胞形成を低減する状態において培養するステップを含む、請求項78に記載の方法。

【請求項80】
前記胚盤胞培地は2.5μg/mlのラミニンを含む、請求項78に記載の方法。

【請求項81】
前記親の胚は胚盤胞培地に移され、胚盤胞に発達させた、請求項78に記載の方法。

【請求項82】
前記割球は、
(a)前記胚を固定化するステップと、
(b)前記割球が単離するまで前記固定化胚をタッピングするステップと、によって前記胚から単離される、請求項78に記載の方法。

【請求項83】
前記(a)の割球は前記哺乳類の親の胚と共に培養される、請求項78に記載の方法。

【請求項84】
前記割球は、以前に得られたヒトの幹細胞と共に培養されない、請求項78に記載の方法。

【図3】
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【図9A−9C】
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【図11A−11C】
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【図12A−12I】
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【図14】
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【図15A−15I】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−518857(P2010−518857A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550931(P2009−550931)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/002380
【国際公開番号】WO2008/103462
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(509236520)アドバンスド セル テクノロジー, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】