説明

分子構造の異なる部材同士を接合する方法

【課題】従来の接合方法において、同一の分子構造を持つ部材同士が一般的で、異種材料の部材同士を接合する場合、接合部材として金属類や繊維類や接着剤を使用したものが利用されており、異種材料の部材同士を接合する場合などは、接合部材として金属類や繊維類を使用した場合はコストがかかる。接着剤を使用した場合、コストは安いが接合強度が低い。
【解決手段】本発明は上記目的を達成するために、異種材料の部材同士を接合する場合、接合部材として、補助粘着及び補助接着を生じる材料からなる中間材を配し、中間材と部材を適宜溶着手段を用いて、分子レベルで接合させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子構造の異なる部材同士を容易に接合できる接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の接合方法において、同一の分子構造を持つ部材同士が一般的で、異種材料の部材同士を接合する場合、接合部材として金属類や繊維類や接着剤が使用されている(例えば、特許文献1参照)
【0003】
特許文献1の内容においては、特定の部材同士のみを溶着させる方法である。
【特許文献1】特許公報(B−2)第2992807号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に述べた従来の接合方法では、異種材料の部材同士を接合する場合、接合部材として金属類や繊維類を使用した場合はコストがかかる。接着剤を使用した場合、コストは安いが接合強度が低い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、本発明は上記目的を達成するために、異種材料の部材同士を接合する場合、接合部材として、補助粘着及び補助接着を生じる材料からなる中間材を配し、中間材と部材を適宜溶着手段を用いて、分子レベルで接合させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したような構成の通りであり、補助粘着及び補助接着を生じる材料からなる中間材は容易に製造できるため低コストであり、異種材料の部材同士を容易にできるため更に低コストである。また、異種材料の部材と接合部材を分子レベルで接合する事により、接着剤を使用して接合する場合よりも接合強度が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
【0008】
図において、被接合部材1は、異種材料の一部であり接合する際に基材となる部材である。
【0009】
図において、被接合部材2は、被接合部材1と分子構造の異なる部材であり、接合する際に被接合部材1に対する被着部材である。
【0010】
図において、中間材3は被接合部材1に対して補助粘着及び補助接着を生じる樹脂構造を持ち、4は補助粘着及び補助接着を生じている部分であり、被接合部材2の材質が変わる際中間材3はその被接合部材2が持つ分子構造と同じ材質の組み合わせとなる。例えば、被接合部材1が鉄であり、被接合部材2がポリプロピレン(PP)の場合、中間材3はポリプロピレン(PP)と同一の分子構造となる。
【0011】
中間材3は被接合部材2と同じ分子構造の組み合わせで構成されており、材質によって異なる溶着手段を選択する。例えば、中間材3がポリプロピレン(PP)の場合、この中間材と被接合部材2を溶着する手段は超音波溶着や熱板溶着あるいはインパルス溶着があり、材質をポリ塩化ビニル(PVC)にした場合は高周波溶着を選択する。また、ポリエチレンテレフタラート(PET)は超音波溶着、ポリエチレン(PE)は熱板溶着及びインパルス溶着を選択する。
【0012】
図において、溶着部分5は、接合したい樹脂部材が熱可塑性であれば、樹脂の融点を超えるまで昇温し圧力を加えることにより分子レベルで結合させる技術方法であり、溶着手段は部材を昇温する方法によって、超音波溶着、高周波溶着、熱板溶着、インパルス溶着などがある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を示す接合構造
【符号の説明】
【0014】
1 被接合部材
2 被接合部材
3 中間材
4 補助粘着及び補助接着を生じている部分
5 溶着部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子構造の異なる被接合部材と被接合部材の間に、補助粘着及び補助接着を生じる材料からなる中間材を配し、この中間材と被接合部材を適宜溶着手段を用いて分子レベルで接合させることを特徴とする異種材料の接合構造。

【図1】
image rotate