説明

分子診断テスト用装置

本発明は、分子診断テストにおいて使用される装置であって、封止されている少なくとも1つの試薬保管容器(1、710、825)と、試薬保管容器(1、710、825)を開封するための少なくとも1つのオープナ(5、715、830)と、試薬保管容器(1、710、825)及びオープナ(5、715、830)の少なくとも一方に結合されるアクチュエータ(15、20、40、700、800)であって、アクチュエータ(15、20、40、700、800)の移動によって、試薬保管容器(1、710、825)及びオープナ(5、715、830)が一緒にされることにより、オープナ(5、715、830)が試薬保管容器(1、710、825)を開封する、アクチュエータと、を有する装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子診断テストにおいて用いられる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分子診断用システムにおいては、試薬が、容器に、例えば使い捨てシステムの内部に、保管されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
合理的な貯蔵寿命を保証するために、容器は、十分な障壁特性を有することを必要とする。これは、ほとんどの場合、寿命要求を満たすが、保管された試薬に対するアクセスを困難にする密閉された容器をもたらす。試薬保管容器を有する分子診断システムの例は、国際公開第2007/093939号パンフレットに見られる。
【0004】
本発明の目的は、分子診断テストにおいて用いられる装置であって、試薬が、使用前は封止された状態で試薬保管容器に保管されることができ、試薬保管容器が、試薬がテストのために必要とされるときに開封される、装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の装置によって達成される。本発明による装置は、使用前は封止されている少なくとも1つの試薬保管容器を有する。装置は更に、保管された試薬がテストのために必要とされるとき、試薬保管容器を開封するための少なくとも1つのオープナを有する。試薬が必要とされるとき、アクチュエータが、装置を使用する人によって、動作される。アクチュエータは、試薬保管容器及びオープナの少なくとも一方に結合される。アクチュエータの動作の結果として、試薬保管容器及びオープナが移動されて、一緒にされる。この結果として、オープナは、例えばとがった先端部で試薬保管容器を封止している薄膜を突き刺すことによって、試薬保管容器を開封することができる。
【0006】
本発明による装置の実施形態は、アクチュエータが、試薬容器から中身を取り出すために試薬保管容器に選択的に接続できるマニホールドの一部であることを特徴とする。
【0007】
この実施形態は、分子診断テストに用いられる装置が、試薬保管容器に選択的に結合するためのマニホールドをすでに有しているという利点を有する。例えば試薬保管容器に選択的に結合するためのマニホールドの動作は、1又は複数の試薬容器を一気に開くために使用されることができ、これにより、このような装置の動作をより簡素にする。選択された試薬保管容器への接続が一旦確立されると、試薬保管容器の中身の少なくとも一部が、(例えばマニホールドに含まれるプランジャを使用することによって)取り出される。次に、マニホールドは、処理チェンバに結合するように動作され、試薬保管容器から取り出された中身は、(例えば上述したプランジャを再び使用することにより)マニホールドから処理チェンバへ渡される。その時、処理チャンバは、処理されるべきサンプルを含み、処理は、添加される試薬の存在を必要とする。試薬保管容器の選択は、多くの場合、マニホールドの回転又はマニホールドの他の運動を伴う。この実施形態は、試薬保管容器を開封するために、(幾つかの装置にすでに存在しているフィーチャである)マニホールドの運動を使用するという利点を有する。
【0008】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエータが回転可能であることを特徴とする。
【0009】
この実施形態は、アクチュエータが、その動作中、単一ロケーションにとどまることができるので、装置のコンパクトな構造が可能であるという利点を有する。
【0010】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエータが、アクチュエータを移動させることによって引っ張られるケーブルを使用して、試薬保管容器及びオープナの少なくとも一方に結合されることを特徴とする。
【0011】
この実施形態は、ケーブルが、試薬保管容器及びオープナの少なくとも一方にアクチュエータを結合するための簡単な可撓性手段を提供するという利点を有する。ケーブルによって与えられる可撓性は、アクチュエータが、屈曲部及び他の障害物を周って、試薬保管容器及びオープナの少なくとも一方に結合されることを可能にする。
【0012】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエータが、それぞれ異なる長さのケーブルを使用して、少なくとも2つの試薬保管容器及び/又は少なくとも2つのオープナに結合されることを特徴とする。
【0013】
この実施形態は、それぞれ異なる時間に異なる試薬保管容器が開封されることを可能にするという利点を有する。
【0014】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエータが、アクチュエーションプレートを使用して、試薬保管容器及びオープナの少なくとも一方に結合され、アクチュエーションプレートが、試薬保管容器及びオープナの一方が試薬保管容器及びオープナの他方に向かって移動する軌道を有することを特徴とする。
【0015】
この実施形態は、特に複数の試薬保管容器が開封される必要がある場合、試薬保管容器及びオープナを互いに向かって移動させるための簡単な手段を提供するという利点を有する。複数の試薬保管容器及び/又は複数のオープナが、単一のアクチュエーションプレートを使用して移動されることができる。
【0016】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエーションプレートが、異なる試薬保管容器及び/又は異なるオープナについて異なる軌道を有することを特徴とする。
【0017】
この実施形態は、それぞれ異なる軌道が、異なる試薬保管容器及び/又は異なるオープナが異なる速度で互いに向かって移動されることを可能にするとともに、異なる試薬保管容器が異なる時間に開けられることを可能にするという利点を有する。
【0018】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエーションプレートが更に、試薬保管容器及びオープナの一方が試薬保管容器及びオープナの他方に向かって移動される軌道と交差する他の軌道であって、試薬保管容器及びオープナが互いに対する最終位置に到達する箇所で前記軌道と交差する他の軌道を有することを特徴とする。
【0019】
この実施形態は、マニホールドの一部としてアクチュエータを使用することを可能にするという利点を有する。
【0020】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエータが、回転非対称のアクチュエーションリングを使用して試薬保管容器及びオープナの少なくとも一方に結合され、アクチュエーションリングが、試薬保管容器及びオープナの少なくとも一方を試薬保管容器及びオープナの他方に向かってを押しやることを特徴とする。
【0021】
この実施形態は、試薬保管容器及びオープナを互いに向かって移動させるための簡単な手段を提供するという利点を有する。
【0022】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエーションリングが、試薬保管容器及びオープナの一方を試薬保管容器及びオープナの他方に向かって移動させるための突出部を有することを特徴とする。
【0023】
この実施形態は、試薬保管容器及びオープナを互いに向かって移動させるための簡単な手段を提供するという利点を有する。
【0024】
本発明による装置の他の実施形態は、装置が、それぞれ異なる試薬保管容器及び/又は異なるオープナに結合される少なくとも2つのアクチュエーションリングを有することを特徴とする。
【0025】
この実施形態は、試薬保管容器を開封するために必要なアクチュエータの移動量が、個別の試薬保管容器について個別化されることを可能にするという利点を有する。
【0026】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエータが、試薬保管容器及びオープナを互いに向かって移動させるためのスレッドを有することを特徴とする。
【0027】
この実施形態は、特にアクチュエータが回転可能なマニホールドである場合、試薬保管容器及びオープナを互いに向かって移動させるための簡単なやり方を提供するという利点を有する。
【0028】
本発明による装置の他の実施形態は、アクチュエータが、成形されたリングを有し、成形されたリングが、アクチュエータの回転軸の方向で試薬保管容器及びオープナを互いに向かって移動させるために、試薬保管容器及びオープナの少なくとも一方に面する非平坦な形状の表面を有することを特徴とする。
【0029】
この実施形態は、スレッドに対する代替物を提供し、加えて、非平坦な形状の表面の正確な形状に依存して、それぞれ異なる試薬保管容器の順次の開口を可能にするという利点を有する。例えば非平坦な形状の表面上の起伏が急峻であるほど、試薬保管容器及びオープナは、互いに向かってより速く移動される。
【0030】
本発明による装置の他の実施形態は、装置が、試薬保管容器及びオープナが互いに向かって移動することを一時的に阻止するためのロッキング手段を有することを特徴とする。
【0031】
この実施形態は、試薬保管容器の意図しない開口のリスクを低減するという利点を有する。明らかに、試薬保管容器の保管中、試薬保管容器を開くことは意図されない。ロッキング手段は、意図しない開口を防ぐことができ、ロッキング手段のアンロック又は除去の後、試薬保管容器は、使用のために開かれることができる。
【0032】
本発明による装置の他の実施形態は、装置が分子診断テスト用の装置に挿入可能なカートリッジであることを特徴とする。この実施形態は、分子診断テスト用の装置に挿入可能なカートリッジが、最初にカートリッジに挿入されることなくテストされるサンプルが直接挿入される分子診断テスト用の装置よりも柔軟性がある、という利点を有する。更に、分子診断テストにおいて用いられるカートリッジは、上述の実施形態のうち任意のものから利益を得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】平行移動されることができるアクチュエータを有する本発明による装置を概略的に示す図。
【図2】ケーブルを使用して結合される回転可能なアクチュエータを有する本発明による他の装置を概略的に示す図。
【図3】アクチュエーションプレートを有する本発明による他の装置を概略的に示す図。
【図4】回転非対称のアクチュエーションリングを有する本発明による他の装置を概略的に示す図。
【図5】別の回転非対称のアクチュエーションリングを有する本発明による他の装置を概略的に示す図。
【図6】カートリッジが分子診断テスト用の装置に挿入可能である、本発明によるカートリッジを概略的に示す図。
【図7】アクチュエータが試薬保管容器及びオープナを移動させて一緒にするためのスレッドを有する本発明による他の装置を概略的に示す図。
【図8】アクチュエータが、成形された表面を有する成形されたリングを備える、本発明による他の装置を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、平行移動されることが可能なアクチュエータを有する本発明による装置を概略的に示している。図1は、試薬保管容器1、オープナ5及びアクチュエータ10を示している。試薬保管容器1及びオープナ5は、例えばレール様の構造(図示せず)上に試薬保管容器1及び/又はオープナ5を取り付けることによって、互いに向かって移動可能である。アクチュエータ10は、オープナ5に向かう方向に移動可能であり、例えば図1の装置を使用する人によって手動で動作される。オープナ5に向かってアクチュエータ10を移動させるとき、アクチュエータ10は、試薬保管容器1をオープナ5に向かって押す。この明細書に示されるすべての実施形態と同様に、オープナ5は、例えばとがった先端部、中空のニードル等の、試薬保管容器1を開封するための手段を有する。本実施形態において、先端部は、試薬保管容器1上の封止部を突き刺し、その後、保管容器1に保管されていた試薬が、試薬保管容器1から取り出されることができる。とがった先端部が、例えば中空のニードルを含む場合、試薬保管容器1から試薬を取り出すことは、中空のニードルを通じて、試薬が必要とされるロケーションへ向けて、試薬を運ぶことによって達成されることができる。
【0035】
代替の構成が、破線を使用して示されている。アクチュエータ15は、試薬保管容器1に沿って移動可能であり、試薬保管容器1は、この特定の実施形態において、アクチュエータ15と協働するための突出部を有する。アクチュエータ15が、試薬保管容器1に沿って移動するとき、アクチュエータ15は、試薬保管容器1をオープナ5に向かって押す。突出部は、アクチュエータ15が、特定の試薬保管容器1を対応するオープナ5に向かって押すことを可能にし、それと同時に、アクチュエータ15が次の試薬保管容器1へ進むことを可能にする。特定の試薬保管容器1とその対応するオープナ5との間の距離、並びにアクチュエータ15及び特定の試薬保管容器1の突出部の寸法は、アクチュエータ15が突出部を通過したのち、試薬保管容器1がその対応するオープナ5の十分近くに移動されて、試薬保管容器1が開封されることができ、その中身が取り出されることができるように、選択される必要がある。図1において、試薬保管容器と対応するオープナ5との間の距離は、明確さのために非常に大きく選択されている。
【0036】
アクチュエータ15の使用は、アクチュエータ15が特定の試薬保管容器1を通過した後、試薬保管容器1及びその対応するオープナ5の相対位置が不変のままであるという利点を有する。試薬保管容器1及びその対応するオープナ5の相対位置は、一旦互いに向かって移動されると、不変のままである。これは、アクチュエータ15が、試薬保管容器1のうちの1つに選択的に結合することができるマニホールドを形成するように構成されることができるという利点を有する。マニホールドの変形例は、アクチュエータ15に対する一点鎖線の付加によって示されている。(ここでマニホールドとして働く)アクチュエータ15は、一旦すべての試薬保管容器1に沿って移動されると、特定のオープナ5に結合されることができ、結合後、試薬は、特定のオープナ5に結合された保管容器1から取り出されることができる。試薬は、アクチュエータ15に組み込まれるプランジャ18を使用して、試薬保管容器1から取り出されることができる。試薬が、試薬保管容器1から取り出されたのち、アクチュエータ15は、取り出された試薬が入れられる処理チェンバ(図示せず)に結合されることができる。試薬は、一旦処理チェンバに入ると、分子診断テストのために使用されることができる。
【0037】
突出部が、オープナ5から離れたほうに面した試薬保管容器1の側に必ずしも位置する必要があるわけではないことは、当業者に明らかである。突出部は、例えば、図3−図5の突出部55として位置付けられることもできる。更に、装置は、突出部を全く必要としないこともある。重要なことは、試薬保管容器1が、アクチュエータが力を及ぼすことができるロケーションを含み、必要に応じて、(アクチュエータ10の例ではなく、アクチュエータ15の例のように)1つの試薬保管容器1から次の試薬保管容器1へアクチュエータが移動することを可能にすることである。更に、図1に示される構成に対する他の変更もまた可能であることは当業者に明らかである。例えば、アクチュエータ10(又は代替例としてアクチュエータ15)は、試薬保管容器1及びオープナ5を互いに向かって移動させるために、試薬保管容器1に作用することに代わって、オープナ5に作用するように構成されることもできる。
【0038】
図2は、ケーブルを使用して結合される回転可能なアクチュエータを有する本発明による他の装置を概略的に示している。図2は、図1と同様に、試薬保管容器1及びオープナ5を再び示している。しかしながら、図2には、回転可能なアクチュエータ20がある。図1に示されるアクチュエータ10及びアクチュエータ15と同様に、アクチュエータ20は、図2に示される装置を動かす人によって、手動で動作されることができる。アクチュエータ20は、ケーブル25及びバー30を使用して、試薬保管容器1に結合されている。アクチュエータ20が、反時計回りに回転されると、試薬保管容器1は、オープナ5の方へ引っ張られる。再び、図1と同様に、オープナ5は、試薬保管容器1を開封するための手段を有する。
【0039】
ケーブル25が十分なたるみを備える場合、アクチュエータ20は、試薬保管容器1及びその対応するオープナ5の相対位置に影響を及ぼすことなく、試薬保管容器1がその対応するオープナ5によって開封されたのちに与えられるたるみの量の範囲内で(時計回りに及び反時計回りに)更に回転することができる。試薬保管容器1及びその対応するオープナ5の相対位置は、一旦互いに向かって移動されると、不変のままである。これは、アクチュエータ20が、試薬保管容器1のうちの1つに選択的に結合することが可能なマニホールドを形成するように構成されることができるという利点を有する。マニホールドとして働くように構成される回転可能なアクチュエータは、図4及び図5に示されている。これらの2つの図と図2との間の違いは、図2において、アクチュエータ20が、図4のアクチュエーションリング60及び図5のアクチュエータリング85に代わって、ケーブル25を使用して試薬保管容器1に結合されていることである。
【0040】
図2に示される構成に対するさまざまな変更が可能であることが当業者に明らかである。例えば、試薬保管容器1及びオープナ5は、アクチュエータ20が、試薬保管容器1に対してではなくオープナ5に対して力を及ぼすように、位置を交替することができる。別の変更例は、試薬保管容器1又は直前の変更例におけるオープナ5が、個別のケーブルを使用してアクチュエータ20に個別に結合されることである。変更例の後者において、それぞれ異なる長さのケーブルが、それぞれ異なる結合のために使用されることができる。このようにして、それぞれ異なる試薬保管容器1は、アクチュエータ20がそれぞれ異なる角度で回転されることを必要とすることによって、それぞれ異なる時間に開封されることができる。
【0041】
図3は、アクチュエーションプレートを有する本発明による他の装置を概略的に示している。図3は再び、図1と同様に、試薬保管容器1及びオープナ5を示している。図3において、試薬保管容器1は、突出部55を有する。この特定の実施形態において、突出部55は、ビューワから離れたほうに面した試薬保管容器1の側に配置されている。結果的に、突出部55は、破線の円によって示されている。図3において、オープナ5は、ハウジング35に含まれている。ハウジング35は、回転可能なアクチュエータ40を収容する。アクチュエータ40は、アクチュエーションプレート45に結合される。アクチュエータ40が回転されるとき、アクチュエーションプレート45は、アクチュエータ40と共に回転する。アクチュエーションプレート45は、オープナ5に向かって試薬保管容器1をガイドするための軌道を含む。軌道は、破線の曲線50によって概略的に示されている。軌道は、アクチュエーションプレート45の中心に向かって螺旋を描く。軌道は、例えば溝又はリッジを含むことができる。試薬保管容器1は、アクチュエータ40の中心を通る直線に沿って移動可能である。軌道が溝を含む場合、突出部55は、それらの個々の溝に入り、軌道をたどる。結果的に、アクチュエータ40及びゆえにアクチュエーションプレート45が、反時計回りに回転すると、試薬保管容器1は、オープナ5に向かって移動される。軌道がリッジを含む場合、リッジは、アクチュエータ40の中心から離れたほうの突出部55の側で、突出部55と接触する。アクチュエータ40及びゆえにアクチュエーションプレート45が反時計回りに回転すると、突出部55は、リッジに沿って摺動し、オープナ5に向かって試薬保管容器1を移動させる。
【0042】
アクチュエーションプレート45は、試薬保管容器1がそれらの個々のオープナ5によって開封されたのち、アクチュエータ40の(時計回り及び反時計回りの両方の)更なる回転を可能にするように適応されることができる。この目的で、アクチュエータプレート45は、一点鎖線の軌道を含む。この後者の軌道は、試薬保管容器1がそれらの個々のオープナ5に対するそれらの最終位置に到達する箇所で、他方の軌道と交差する。螺旋軌道が溝を含む場合、一点鎖線の軌道は、円形の溝を含む。試薬保管容器1がそれらの個々のオープナ5に対するそれらの最終位置に一旦到達すると、突出部55は、一点鎖線の軌道に入る。アクチュエータ40及びゆえにアクチュエーションプレート45は、それらの個々のオープナ5に対する試薬保管容器1の位置に影響を及ぼすことなく、回転することができる。螺旋軌道がリッジを含む場合、一点鎖線の軌道は、リッジの開始又は終端を含む。試薬保管容器1がそれらの個々のオープナ5に対するそれらの最終位置に一旦到達すると、突出部55は、一点鎖線の軌道に入る。そののち、アクチュエータ40及びゆえにアクチュエーションプレート45の回転は、それらの個々のオープナ5に対する試薬保管容器1の位置にもはや影響を及ぼさない。一点鎖線の軌道は、ハウジング35及びアクチュエータ40が、マニホールドとして機能するように適応されることを可能にする。マニホールドは、試薬保管容器1から試薬を取り出すために、試薬保管容器1の1つに選択的に結合することができる。取り出しは、例えばマニホールドに組み込まれるプランジャを使用して、行われることができる。試薬の取り出し後、マニホールドは、処理チェンバに結合することができ、処理チャンバ内で、試薬がテスト中に使用される。マニホールドとして機能するようにアクチュエータ40のハウジング35を適応させることは、図4に関してより詳しく述べられる。
【0043】
図3に示される構成に対する変更が可能であることは当業者に明らかである。例えば、試薬保管容器1及びオープナ5の位置は、反転されることができる。別の変更例において、オープナ5は、内方ではなく外方へ螺旋を描く軌道に沿って、アクチュエータ40の中心から外側に移動するように構成されることができる。直前の2つの変更例の組み合わせにおいて、試薬保管容器1は、外方へ螺旋を描く軌道に沿って外側へ、オープナ5に向かって移動するように構成されることができる。試薬保管容器1又はオープナ5が、リッジを含む軌道に沿って、アクチュエータ40の中心から外側へ移動する場合、リッジは、アクチュエータ40の中心に面する突出部55の側で、突出部55と接触する。別の変更例において、軌道の曲率は、アクチュエータ40が試薬保管容器1及びその対応するオープナ5を一緒にするために回転しなければならない角度を規定するように、選ばれる。曲率の量は、それぞれ異なる軌道ごとに異なっていてもよい。
【0044】
図4は、回転非対称のアクチュエーションリングを有する本発明による他の装置を概略的に示している。図4は再び、図3と同様に、試薬保管容器1、オープナ5、ハウジング35、回転可能なアクチュエータ40及び突出部55を示している。試薬保管容器1は、アクチュエータ40の中心を通る直線に沿って移動可能である。しかしながら、図4では、アクチュエータ40は、アクチュエーションリング60に結合される。アクチュエータ40が回転すると、アクチュエーションリング60は、アクチュエータ40と共に回転する。アクチュエーションリング60は、アクチュエーション突出部65を有する。アクチュエーション突出部65が、アクチュエーションリング60の回転中、突出部55を通過すると、突出部55に結合された試薬保管容器1は、その対応するオープナ5に向かって移動される。アクチュエーション突出部65が突出部55を通過したのち、試薬保管容器1がその対応するオープナ5の十分近くに移動されることにより、試薬保管容器1が開封されることがき、その中身が取り出されることができるように、特定の試薬保管容器1の突出部55とその対応するオープナ5との間の距離、及びアクチュエーション突出部65の寸法は、選択される必要がある。図4において、突出部55と対応するオープナ5との間の距離は、明確さのために、非常に大きく選択されている。
【0045】
アクチュエーションリング60及びその突出部55との協働は、アクチュエーション突出部65が特定の突出部55を通過したのち、アクチュエータ40及びゆえにアクチュエーションリング60が更に回転する場合、試薬保管容器1及びその対応するオープナ5の相対位置が不変のままであるという利点を有する。試薬保管容器1は、一旦アクチュエータ40の中心に向かって移動されると、試薬保管容器1は当該位置にあるままである。これは、ハウジング35及びアクチュエータ40が、試薬保管容器1のうちの1つに選択的に結合することが可能なマニホールドを形成するように構成されることができるという利点を有する。アクチュエータ40及びゆえにアクチュエーションリング60を、試薬保管容器1を開封するに十分な角度回転させたのち、アクチュエータ40は、開封された試薬保管容器にチャネル70を結合するために回転することができる。次に、開封された試薬保管容器の中身の少なくとも一部が、例えばマニホールドに組み込まれたプランジャを使用して、試薬保管容器から取り出されることができる。プランジャは、例えば、図面の平面に垂直に位置付けられることができ、アクチュエータ40に組み込まれることができる。試薬が、開封された試薬保管容器から取り出されたのち、アクチュエータ40は、処理チェンバ80に結合される他のチャネル75(破線のチャネルによって示される)にチャネル70を結合するように、もう一度回転する。一旦チャネル70が他のチャネル75に結合されると、アクチュエータ40に組み込まれたプランジャを再び使用して、開封された試薬保管容器から取り出された試薬を、他のチャネル75に注入し、他のチャネル75から処理チェンバ80に注入することができる。処理チェンバ80内部で、試薬は、例えば分子診断テストに使用されることができる。
【0046】
図4に示される構成に対する変更が可能であることは当業者に明らかである。1つの変更例において、アクチュエーションリング60は、少なくとも2つのアクチュエーション突出部65を有する。2以上のアクチュエーション突出部65がある場合、試薬保管容器1が開封される前にアクチュエータ40が回転しなければならない角度は、ただ1つのアクチュエーション突出部65の場合よりも小さくなる。他の変更例においては、図4に示される2つの試薬保管容器1及びオープナ5と異なる数の複数の試薬保管容器1及びオープナ5が提供される。更に別の変更例において、図4のようにアクチュエータ40の中心を向くのではなく、アクチュエータ40の中心から離れたほうを向くアクチュエーション突出部を有するアクチュエーションリングが、試薬保管容器1に向かって外側にオープナ5を移動させるために使用されることができる。これらの変更例において、チャネルの結合は、試薬が開封された試薬保管容器から取り出されることができるようなものであることを確実にするように注意される必要がある。通常、これは、試薬保管容器から試薬を取り出すためのチャネルが、オープナに結合されることが可能でなければならないことを意味する。それゆえ、他の実施形態は、外側を向くアクチュエーション突出部を有するアクチュエーションリングに結合されるアクチュエータと、アクチュエーションリングの周りに配置される少なくとも1つの試薬保管容器と、を有する。試薬保管容器は、アクチュエーションリングの円と同心のより大きな円に沿って配置される対応するオープナに面する。各オープナは、チャネルに結合され、チャネルは、マニホールドに結合される。アクチュエーションリングが回転すると、試薬保管容器は、それらの対応するオープナに向かって移動される。一旦開封されると、試薬は、例えばマニホールドに組み込まれたプランジャを使用して、試薬保管容器から取り出されることができる。マニホールドは、オープナのうちの1つに選択的に結合されるとともに、試薬保管容器から取り出された試薬が入れられることができる処理チェンバに結合されることができる。この実施形態において、マニホールド及びアクチュエータは、一体化されていない。
【0047】
図5は、別の回転非対称のアクチュエーションリングを有する本発明による他の装置を概略的に示している。図5は再び、図4と同様に、試薬保管容器1、オープナ5、ハウジング35、アクチュエータ40及び突出部55を示している。再び、試薬保管容器1は、アクチュエータ40の中心を通る直線に沿って移動可能である。図4と同様に、図5の構成は、チャネル70、他のチャネル75及び処理チェンバ80を有することができる。しかしながら、簡潔さの理由で、これらの構成要素は、図5には示されていない。図5は、回転非対称のアクチュエーションリングの別の実施形態を示している。図5において、アクチュエーションリング85は、楕円形状を有する。再び、アクチュエーションリング85が、アクチュエータ40に結合されている。アクチュエータ40が回転すると、アクチュエーションリング85は、アクチュエータ40と共に回転する。試薬保管容器1は、開封前には、楕円形状のアクチュエーションリング85の長い方の軸を向いて位置付けられる。アクチュエータ40及びゆえにアクチュエーションリング85が回転すると、アクチュエータリング85の中心に面する側が、突出部55を押し始める。その結果、アクチュエータ40の中心を通る直線に沿って移動可能な試薬保管容器1は、それらの個々のオープナ5の方へ移動される。短い方の軸が試薬保管容器1に近づくとき(破線のアクチュエーションリング85及び破線の試薬保管容器1によって示される)、試薬保管容器1が、それらの個々のオープナ5によって開封されることができるように、楕円形状のアクチュエーションリング85の短い方の長さが、選択される。一旦開封されると、試薬は、例えば図4に示されるやり方で、試薬保管容器1から取り出されることができる。
【0048】
楕円形状のアクチュエーションリング85及び協働する突出部55は、短い方の軸が特定の突出部55を通過したのち、アクチュエータ40及びゆえにアクチュエーションリング85が更に回転する場合、試薬保管容器1及びその対応するオープナ5の相対位置が不変のままであるという利点を有する。試薬保管容器1は、アクチュエータ40の中心へ向かって一旦移動されると、当該位置にあるままである。これは、ハウジング35及びアクチュエータ40が、試薬保管容器1のうちの1つに選択的に結合することが可能なマニホールドを形成するように構成されることができるという利点を有する。このようなマニホールドは、図4に関して既に述べられた。
【0049】
図5に示される構成に対する変更が可能であることは当業者に明らかである。図5において、楕円形状のアクチュエーションリング85内部において突出部は、楕円の中心に向かって移動される。代替として、楕円形状のアクチュエーションリングが、楕円の中心から離れる方へ外側に試薬保管容器又はオープナを移動させるために使用されることもできる。このような構成の一実施形態は、アクチュエータに結合された楕円形状のアクチュエーションリングを有する。この実施形態は更に、試薬保管容器の開封前に楕円の短い方の軸の近くに位置付けられる試薬保管容器と、試薬保管容器の封止された部分に面する対応するオープナと、を有する。アクチュエータ及びゆえにアクチュエーションリングが回転すると、楕円の長い方の軸が試薬保管容器に近づくので、試薬保管容器が、楕円の中心から外側に移動する。試薬保管容器及びオープナの間の距離は、楕円形状のアクチュエーションリングの長い方の軸が、試薬保管容器の位置に近づくとき、オープナが試薬保管容器を開封することができるように選択される。
【0050】
図6は、本発明によるカートリッジを概略的に示しており、カートリッジは、分子診断テスト用の装置に挿入可能である。図6は、分子診断テスト用の装置95に挿入可能なカートリッジ90を示している。分子診断テスト用の装置95は、(例えば核酸増幅において使用される)加熱器及び冷却器並びにテストされるサンプルから信号を検出するための検出手段のような、カートリッジ90を処理する手段を有する。カートリッジ90は、本発明の実施形態の任意の1つに従う試薬保管容器、オープナ及びアクチュエータを有する。カートリッジ90の分子診断テスト用装置95への挿入は、矢印によって示されている。
【0051】
図7は、本発明による他の装置を概略的に示しており、アクチュエータ700は、試薬保管容器710及びオープナ715を移動させて一緒にするためのスレッド705を有する。マニホールドとしても機能するアクチュエータ700を回すと、試薬保管容器710及びオープナ715が互いに向かって移動されることにより、試薬保管容器が、オープナによって開封され、試薬が、試薬保管容器から取り出されることができる。試薬保管容器710及びオープナ715は、それらの少なくとも一方がアクチュエータ700上のスレッドと協働するスレッドに接続されるので、互いに向かって移動する。本実施形態において、アクチュエータ700のスレッドと協働するスレッドに接続されるのは、試薬保管容器710である。試薬保管容器710は、リブ720によってそれ自身の回転を阻止される。リブ720は、図7に示される装置が配置されるハウジング内のリブ又は溝と協働することによって、所定の場所に保持される。ハウジングは、図7に示されていない。試薬保管容器710(又は代替としてオープナ715)が回転することを阻止するための多数の他の選択肢が存在することは当業者に明らかである。この例において、アクチュエータ700が適切な方向に回される場合、試薬保管容器710は、オープナ715に向かって移動する。オープナ715は、試薬保管容器720を開封するための手段725を有する。手段725は、オープナ715に面する側の試薬保管容器710を封止している薄膜を突き刺すために、例えばとがった先端、中空のニードル等を有することができる。試薬保管容器710は、それぞれ異なる試薬を保管するための1又は複数の保管コンパートメント730を有しうる。同様に、オープナ715は、オープナコンパートメント735に結合される試薬保管容器720を開封するための1又は複数の手段725を有することができ、それにより、試薬保管容器710のさまざまな保管コンパートメント730が個別に開封されることができる。アクチュエータ700は、1又は複数のオープナコンパートメント735に選択的に結合する1又は複数の開口部740を有する。試薬は、例えばアクチュエータ700内部のプランジャ(図示せず)を動作させることによって、このような開口部740を通じて、試薬保管容器710に含まれる保管コンパートメント730から、手段725及びオープナコンパートメント735を介して、取り出されることができる。
【0052】
図8は、アクチュエータ800が成形された表面810を有する成形されたリング805を備える、本発明による他の装置を概略的に示している。成形された表面810は、1又は複数の「丘」815及び「谷」820を有する。アクチュエータ800は、丘815及び谷820を有する成形された表面810が、試薬保管容器825及びオープナ830の少なくとも一方に面するように、位置付けられる。図8において、成形されたリング805は、2つの試薬保管容器825に面している。最初に、試薬保管容器825は、谷820と位置合わせされる。そののち、成形されたリング805を回して、試薬保管容器825を丘815と位置合わせする。試薬保管容器825と成形されたリング805との間の接点が、丘815の頂上に近づくにつれて、試薬保管容器825は、オープナ830に向かって押される。試薬保管容器825は、それらが矢印890によって示される線に沿ってのみ移動することができるように、支持される(支持体は図示されてないが例えばピン/溝の支持体が適切である)。丘815の頂上の高さは、少なくとも試薬保管容器825と成形されたリング805との間の接点が頂上に達するとき、試薬保管容器825が、オープナ830によって試薬保管容器825を開かせるに十分な距離移動されるようなものである。この目的で、オープナ830は、1又は複数の試薬保管容器825を開封するための1又は複数の手段835を有する。このような手段835の例は、とがった先端、中空ニードル等である。オープナ830は、手段835に結合されるコンパートメント840を有する。それぞれ異なるコンパートメント840は、別々のオープナ830として考えられることもできる。それゆえ、図8に示されるような複数のコンパートメント840を有する単一オープナ830に代わって、別々の、相互に非接続のオープナが、使用されることができる。試薬保管容器825は、試薬保管容器825に対する成形されたリング805の使用の前に、オープナ830によって試薬保管容器825が開かれることを防ぐように、例えばばねのような弾性素子である支持素子845によって支持されることができる。図8に示されるように、成形されたリング805は、複数の試薬保管容器825の開口を同時に支援するために、複数の丘815及び谷820を有することができる。さまざまな丘815及び谷820の振幅は、異なる試薬保管容器825の順次の開口を可能にするために、又は試薬保管容器825及び試薬保管容器825を開封するためのそれらの個々の手段835の位置付けのより多くの自由度を可能にするために、相違していてもよく、同様に、それらの開封手段835は、試薬保管容器825及び開封手段835を互いに向かって開封のために移動させる方向に対して垂直な単一平面内にある必要はない。アクチュエータ800は、オープナ830内のコンパートメント840に選択的に結合するための少なくとも1つの開口部850を有する。試薬保管容器825の開封後、例えばアクチュエータ800内部のプランジャを動作させることによって(プランジャは図示せず)、試薬は、この試薬保管容器825から、手段835、コンパートメント840及び開口部850を介して、抜き取られることができる。
【0053】
明らかに、図8の構成は反転されることもでき、その場合、図8の逆のやり方に代わって、成形されたリング805は、試薬保管容器825に向かってオープナ830を移動させることができる。代替の構成は、図8の構成と比較して、単に試薬保管容器825及びオープナカメラ830の位置を交換することのみを必要とする。
【0054】
図8は更に、例えば装置の保管中に、試薬保管容器825が開封手段835によって不注意に開かれることを防ぐためのロッキング手段855を示している。ロッキング手段855は図8に示されているが、ロッキング手段855は、本願に示される実施形態の任意のものに組み込まれることができる。結局、不注意による開口を防ぐことは、任意の実施形態に利益を与える。当業者に明らかであるように、ピン及び孔/溝構造のようなさまざまなロッキング手段が可能である。図8において、手段855は、制限された回転角にわたって、アクチュエータ800を有するハウジング内に支持される突出部を有する。ハウジングは、部分的にのみ図示されており、ロッキング手段855を支持するハウジングの一部は、破線部分860によって示されている。一旦アクチュエータ800が、突出部855がハウジングによって支持される回転角度を越える角度回転されると、成形されたリング805は、試薬保管容器825が開かれるに十分なほど試薬保管容器825に近づくことを可能にされる。この後者の状況は、図8に示される状況である。ロッキング手段855の、それがハウジングの破線部分によって支持される状態から、ロッキング手段855がもはや支持されない状態への、移動は、矢印870によって示されている。
【0055】
代替の又は付加のロッキング手段は、アクチュエータ800のハウジングに含まれるピン885を保持するアクチュエータ800上の溝880を有する。再び、これらのロッキング手段は、本発明の上述の実施形態の任意のものと組み合わせられることができる。例えば、図8に示される装置の保管中、ピン885は、880Aとして示される溝880の一部に載置される。当該位置にピン885がある場合、アクチュエータ800は回転を阻止され、それゆえ、試薬保管容器825及びそのオープナ830を互いに向かって移動させることは可能でない。矢印890によって示される方向にアクチュエータ800をわずかに移動させることによって、ピン885は、880Bとして示され、アクチュエータ800の回転方向に延在する溝880の一部に入る。一旦ピン885が溝880Bに入ると、アクチュエータ800は、回転することが許され、それゆえ、成形された表面805は、試薬保管容器825及びそのオープナ830を互いに向かって移動させるように、試薬保管容器825(又はオープナ830)と相互作用することができる。明らかに、溝880A及び880B並びにピン885の位置は、反転されることができ、すなわち、溝880A及び880Bは、アクチュエータ800自体にある代わりに、アクチュエータ800を保持するハウジングに含まれることができ、ピン885は、アクチュエータ800に含まれることができる。矢印890によって示される方向にアクチュエータ800を移動させる代わりに、逆方向にアクチュエータ800を移動させることによって、アクチュエータ800が解除されるように、溝880A及び880Bが互いに対して再位置付けされることができることもまた明らかである。
【0056】
上述の実施形態は、本発明を説明するものであり、制限するものではなく、当業者であれば、添付の請求項の範囲を逸脱することなく、多くの代替の実施形態を設計することが可能であることに注意すべきである。請求項において、括弧内に置かれた任意の参照符号は、請求項を制限するものとして解釈されるべきでない。「有する、含む」という語は、請求項に列挙されるもの以外の構成要素又はステップの存在を除外しない。「a」又は「an」という語は、複数のこのような構成要素の存在を除外しない。いくつかの手段を列挙するシステムの請求項において、これらの手段のいくつかは、同じ一つのコンピュータ可読のソフトウェア又はハードウェアアイテムによって実現されることができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子診断テストに用いられる装置であって、
少なくとも1つの試薬保管容器であって、最初は封止されている試薬保管容器と、
前記試薬保管容器を開封するための少なくとも1つのオープナと、
前記試薬保管容器及び前記オープナの少なくとも一方に結合されるアクチュエータであって、前記アクチュエータの移動によって、前記試薬保管容器及び前記オープナが一緒にされることにより、前記オープナが前記試薬保管容器を開封する、アクチュエータと、
を有する装置。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記試薬保管容器から中身を取り出すために前記試薬保管容器に選択的に接続可能なマニホールドの一部である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクチュエータは回転可能である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータを移動させることによって引っ張られるケーブルを使用して、前記試薬保管容器及び前記オープナの少なくとも一方に結合される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、それぞれ異なる長さのケーブルを使用して、少なくとも2つの試薬保管容器及び/又は少なくとも2つのオープナに結合される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、アクチュエーションプレートを使用して、前記試薬保管容器及び前記オープナの少なくとも一方に結合されており、前記アクチュエーションプレートは、前記試薬保管容器及び前記オープナの一方が前記試薬保管容器及び前記オープナの他方に向かって移動される軌道を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記アクチュエーションプレートは、それぞれ異なる試薬保管容器及び/又は異なるオープナについて異なる軌道を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記アクチュエーションプレートは更に、前記試薬保管容器及び前記オープナの一方が前記試薬保管容器及び前記オープナの他方に向かって移動される前記軌道と交差する他の軌道であって、前記試薬保管容器及び前記オープナが互いに対するそれらの最終位置に到達する箇所で前記軌道と交差する他の軌道を有する、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記アクチュエータは、回転非対称のアクチュエーションリングを使用して、前記試薬保管容器及び前記オープナの少なくとも一方に結合され、前記アクチュエーションリングは、前記試薬保管容器及び前記オープナの少なくとも一方を前記試薬保管容器及び前記オープナの他方に押しやる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記アクチュエーションリングは、前記試薬保管容器及び前記オープナの一方を前記試薬保管容器及び前記オープナの他方へ移動させるための突出部を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、それぞれ異なる試薬保管容器及び/又は異なるオープナに結合される少なくとも2つのアクチュエーションリングを有する、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記アクチュエータは、前記試薬保管容器及び前記オープナを互いに向かって移動させるためのスレッドを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項13】
前記アクチュエータは、成形されたリングを有し、前記成形されたリングは、前記試薬保管容器及び前記オープナを前記アクチュエータの回転軸の方向において互いに向かって移動させるために、前記試薬保管容器及び前記オープナの少なくとも一方に面する非平坦な形状の表面を有する、請求項3又は請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は、前記試薬保管容器及び前記オープナが互いに向かって移動することを一時的に阻止するためのロッキング手段を有する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、分子診断テスト用の装置に挿入可能なカートリッジである、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−528123(P2011−528123A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518049(P2011−518049)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053031
【国際公開番号】WO2010/007575
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】