説明

分岐シールド機の発進方法

【課題】本線トンネルの任意の位置から何回でも分岐シールド機を発進させることができ、発進位置の変更に対応できる分岐シールド機の発進方法を提供する。
【解決手段】鋼製セグメント4で構築された本線トンネル1の外側の地山7に薬剤を注入して地盤改良し、発進口8となる部分の周辺の鋼製セグメント4の内面にベース板9を取り付け、発進口8となる部分の鋼製セグメント4のリブ3、周方向端板5及び軸方向端板6を除去し、ベース板9に筒状の発進金物13を取り付け、発進口8となる部分の鋼製セグメント4のスキンプレート2を除去し、これにより露出した地山7と間隔を隔てて型枠19を発進金物13に取り付け、型枠19と地山7との間に形成された空間内にモルタルを注入して掘削可能壁20を構築した後、型枠19を除去して掘削可能壁20を露出させ、分岐シールド機27で掘削可能壁20を掘り抜くようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本線トンネルの内部から分岐シールド機を発進させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本線トンネルの内部から分岐シールド機を発進させる方法として、分岐シールド機の発進口となる部分が掘削可能な高靱性コンクリート材で形成された特殊セグメントを用いて本線トンネルを構築しておき、その本線トンネルの内部から分岐シールド機を特殊セグメントの掘削可能な高靱性コンクリート材の部分を掘り抜いて発進させる方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3964233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような分岐シールド機の発進方法においては、本線トンネルの分岐シールド機が発進する部分に、予め上記特殊セグメントを組み込んで本線トンネルを構築しておく必要がある。このため、特殊セグメントを用いることなく通常のセグメントのみで本線トンネルを構築してしまった場合や、本線トンネルにおける分岐シールド機の発進位置が本線トンネルの構築時に未定である場合、本線トンネルにおける分岐シールド機の発進位置を当初計画していた位置から変更する場合等、対応できない。
【0005】
また、分岐シールド機が特殊セグメントの高靱性コンクリート材の部分を切削して発進するため、分岐シールド機のカッタヘッドには鋭利な先行ビットを配置ピッチに配慮して設置し、微速制御して切削を行う必要がある。このため、施工への十分な検討、長期間に亘る施工が必要となってしまう。
【0006】
そこで、本発明の目的は、特殊セグメントを用いる必要がなく、本線トンネルの任意の位置から何回でも分岐シールド機を発進させることができ、発進位置の変更に対応できる分岐シールド機の発進方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、スキンプレートの内面にリブが取り付けられた鋼製セグメントを用いて構築された本線トンネルの内部から分岐シールド機を発進させる方法であって、本線トンネルの外側の分岐シールド機が発進する部分の地山に薬剤を注入して地盤改良し、本線トンネルから分岐シールド機が発進する発進口となる部分の周辺の鋼製セグメントの内面にベース板を取り付ける工程と、発進口となる部分の鋼製セグメントのリブ、周方向端板及び軸方向端板を除去する工程とを順不同で行った後、上記ベース板に筒状の発進金物を上記発進口となる部分に合わせて取り付け、発進口となる部分の鋼製セグメントのスキンプレートを除去し、これにより露出した地山と間隔を隔てて型枠を上記発進金物に取り付け、該型枠と上記地山との間に形成された空間内にモルタルを注入して掘削可能壁を構築した後、型枠を除去して掘削可能壁を露出させ、本線トンネルの内部から分岐シールド機を上記掘削可能壁を掘り抜いて発進させるようにしたものである。
【0008】
上記発進口となる部分の鋼製セグメントのスキンプレートを除去し、これにより露出した地山と間隔を隔てて型枠を上記発進金物に取り付ける際、発進口となる部分の鋼製セグメントのスキンプレートを下部から上部に段階的に除去し、段階的な除去に応じて露出する地山を順次覆うようにして型枠を下部から上部に段階的に発進金物に取り付け、積み上げられた型枠の高さに応じてモルタルを段階的に注入するようにしてもよい。
【0009】
上記型枠と上記地山との間に形成された空間内にモルタルを注入するに先立って、上記発進金物よりも上方のベース板にその内外を連通するエア抜き管を取り付けておき、モルタルの注入に伴って上記空間内の空気を上記エア抜き管を介して排出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る分岐シールド機の発進方法によれば、特殊セグメントを用いる必要がなく、本線トンネルの任意の位置から何回でも分岐シールド機を発進させることができ、発進位置の変更に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る分岐シールド機の発進方法が適用される本線トンネルの説明図であり、(a)は側断面図、(b)は正面断面図である。
【図2】上記発進方法の第1工程を示す説明図であり、(a)は本線トンネルの側断面図、(b)は本線トンネルの正面断面図である。
【図3】上記発進方法の第2工程を示す説明図であり、(a)は本線トンネルの側断面図、(b)は本線トンネルの正面断面図である。
【図4】上記発進方法の第3工程を示す説明図であり、(a)は本線トンネルの側断面図、(b)は本線トンネルの正面断面図である。
【図5】上記発進方法の第4工程を示す説明図であり、(a)は本線トンネルの側断面図、(b)は本線トンネルの正面断面図である。
【図6】上記発進方法の第5工程を示す説明図であり、(a)は本線トンネルの側断面図、(b)は本線トンネルの正面断面図である。
【図7】上記発進方法の第6工程を示す説明図であり、(a)は本線トンネルの側断面図、(b)は本線トンネルの正面断面図である。
【図8】上記発進方法の第7工程を示す本線トンネルの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好適実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1(a)、図1(b)に、分岐シールド機が発進する本線トンネルを示す。
【0014】
本線トンネル1は、弧状に湾曲形成されたスキンプレート2の内面にリブ3が取り付けられた鋼製セグメント4を用い、図示しない本線トンネル用のシールド掘進機によって構築される。
【0015】
鋼製セグメント4は、トンネル断面の円弧に合わせて湾曲形成され地山との境界となるスキンプレート2と、スキンプレート2のトンネル周方向の端部から径方向内方に延出された周方向端板5と、スキンプレート2のトンネル軸方向の端部から径方向内方に延出された軸方向端板6と、スキンプレート2の内面にトンネル周方向に間隔を隔てて複数配設されたリブ3とを有する。
【0016】
リブ3は、トンネル軸方向前方の軸方向端板6と後方の軸方向端板6とを架け渡すようにして断面逆L字型に形成されている。これらリブ3の高さと、周方向端板5のトンネル径方向の寸法と、軸方向端板6のトンネル径方向の寸法とは、略等しく設定されている。また、これらスキンプレート2、周方向端板5、軸方向端板6及びリブ3は、鋼製である。
【0017】
トンネル軸方向に隣接する鋼製セグメント4の軸方向端板6同士は、図示しないボルトナット等の締結具で連結されており、トンネル周方向に隣接する鋼製セグメント4の周方向端板5同士も、図示しないボルトナット等の締結具で連結されている。なお、図1(a)にて台形に表示された鋼製セグメント4aは、1リングの最後に組み付けられるキーセグメントである。
【0018】
こうして構築された本線トンネル1の内部から分岐シールド機を発進させる方法を述べる。
【0019】
図2(a)、図2(b)に示すように、先ず、本線トンネル1の外側の分岐シールド機が発進する部分の地山(側部地山)7に薬剤(固化剤)を注入し、地盤改良(ドットで表す)を行う。薬剤の注入は、地上から又は本線トンネル1の内部から、或いはそれら両方から行う。
【0020】
薬剤注入後、分岐シールド機が発進する発進口8となる部分の周辺の鋼製セグメント4の内面に、これを覆うように形成されたベース板(ハッチングで表す)9を溶接により取り付ける。ベース板9は、複数のベース板片9aからなり、各ベース板片9aは、夫々、発進口8となる部分のラインを跨ぐように隣接配置され、リブ3の頂部に溶接されると共に、周方向端板5及び軸方向端板6の少なくとも一方の頂部にも溶接される。発進口8となる部分の鉛直方向上方のベース板9には、その内外を連通するエア抜き孔10が貫通形成されている。
【0021】
図3(a)、図3(b)に示すように、発進口8となる部分の鋼製セグメント4のリブ3、周方向端板5及び軸方向端板6を除去する。詳しくは、発進口8となる部分のラインの内方のリブ3、周方向端板5、軸方向端板6及びベース板9を切断或いは溶断し、撤去する。こうしてリブ3、周方向端板5及び軸方向端板6を撤去して剛性が低下しても、その外側の地山7は地盤改良されて固められているので、発進口8となる部分のスキンプレート2が変形することはない。また、エア抜き孔10に、エア抜き配管11を取り付ける。エア抜き配管11には、開閉弁12が設けられている。
【0022】
なお、図3の工程と図2の工程とは、入れ替えてもよい。すなわち、発進口8となる部分の鋼製セグメント4のリブ3、周方向端板5及び軸方向端板6を、発進口8に合わせて或いは発進口8よりも多少大きめに切断或いは溶断して撤去した後、発進口8の開口縁となる部分が円弧状に形成されたベース板片9aを、発進口8となる部分の周辺の鋼製セグメント4の内面に取り付けても良い。
【0023】
図4(a)、図4(b)に示すように、ベース板9に、筒状の発進金物13を発進口8となる部分に合わせて取り付ける。発進金物13は、発進口8となる部分に接続される前筒部14と、前筒部14の後端に接続され内周面に環状のシール15及び軸受16が設けられた後筒部17と、後筒部17の外周に設けられた外筒部18とを有する。前筒部14の前端部は、ベース板9の内面に密着するように馬鞍状に形成されており、ベース板9の内面に溶接されている。
【0024】
図5(a)、図5(b)に示すように、発進口8となる部分の鋼製セグメント4のスキンプレート2を除去し、これにより露出した地山7と間隔を隔てて型枠(ハッチングで表す)19を発進金物13に取り付ける。そして、型枠19と地山7との間に形成された空間内に、その上部から本線トンネル1内にてモルタルを注入し、掘削可能壁(ドットで表す)20を構築していく。
【0025】
本実施形態では、図6(a)(b)、図7(a)(b)に示すように、発進口8となる部分のスキンプレート2を下部から上部に段階的(例えば3段階)に切断或いは溶断して除去し、段階的な除去に応じて露出する地山7を順次覆うようにして型枠19を下部から上部に段階的に発進金物13の前筒部14の内面に取り付け、型枠19を積み上げるように取り付ける都度モルタルを段階的に注入していく。
【0026】
先ず、図5(a)(b)に示すように、発進口8となる部分のスキンプレート2の下部の約1/3の部分を切断又は溶断して除去する。スキンプレート2の除去により地山7が本線トンネル1内に露出するが、この部分の地山は予め地盤改良されているので、水、土砂が本線トンネル1内に噴出することはない。
【0027】
スキンプレート2の除去により露出した地山7の高さまで型枠19を設置する。型枠19は、鋼製セグメント4のリブ3、周方向端板5及び軸方向端板6の頂部に接触するように湾曲された型枠板21と、型枠板21の内面に縦横に沿って複数設けられた補強リブ22とを有し、型枠板21が地山7とリブ3の高さの間隔を隔てるようにして、発進金物13の前筒部14の内面に取り付けられる。具体的には、前筒部14の内面には基部ブラケット23が溶接され、型枠板21の内面には取付ブラケット24が溶接されており、これらブラケット23、24が中間ブラケット25にボルトナット等の締結具で夫々連結されることで、型枠19が発進金物13に取り付けられる。
【0028】
型枠19と地山7との間に形成された空間内に、上部からモルタルを注入する。詳しくは、型枠19と地山7との間には、型枠19、地山7、ベース板9、リブ3、周方向端板5及び軸方向端板6で区画された空間が形成されるので、その空間内に、型枠19の上端と地山7との間に形成された開口からモルタルを注入する。モルタルは、型枠19の上端まで注入される。注入されたモルタルは、重力により上記空間における下方のリブ3まで至り、空間内を満し、硬化して掘削可能壁20となる。
【0029】
次に、図6(a)(b)に示すように、発進口8となる部分のスキンプレート2の中央部の約1/3の部分を切断又は溶断して除去し、同様にして、型枠19を発進金物13の前筒部14に取り付け、型枠19、地山7、ベース板9、リブ3、周方向端板5及び軸方向端板6で区画された空間内に、その上部の開口からモルタルを型枠19の上端まで注入する。注入されたモルタルは、側方に広がり軸方向端板6まで至り、上記空間内を満し、硬化して掘削可能壁20となる。
【0030】
その後、図7(a)(b)に示すように、発進口8となる部分のスキンプレート2の上部の約1/3の部分を切断又は溶断して除去し、同様にして、型枠19を発進金物13の前筒部14に取り付ける。この型枠19の型枠板21には、それを貫通するように注入管26が設けられており、この注入管26を通して、型枠19、地山7、ベース板9、リブ3、周方向端板5及び軸方向端板6で区画された空間内に、モルタルを注入する。注入されたモルタルは、その注入圧によって上記空間内の隅々まで行き渡り、空間内の空気が開閉弁12が開状態となっているエア抜き配管11から排出される。こうして、空間内にモルタルが充満し、モルタルがエア抜き配管11から噴出したなら、開閉弁12を閉じ、モルタルの注入を終了し、注入管26の開閉弁を閉じる。
【0031】
以上の作業により、各型枠19、地山7、ベース板9、リブ3、周方向端板5及び軸方向端板6で区画された空間内の隅々にモルタルが行き渡って充填された状態となり、充填されたモルタルが硬化した後、空間内に掘削可能壁20が形成される。
【0032】
図8に示すように、全ての型枠19を除去する。すなわち、図7に示す中間ブラケット25と基部ブラケット23とを連結するボルトナット等の締結具を外し、各型枠19を筒状の発進金物13の内方にて取り外して撤去する。これにより掘削可能壁20が本線トンネル1内に露出する。分岐シールド機27を発進金物13の内部に挿入し、その分岐シールド機27を掘削可能壁20を掘り抜いて発進させる。発進した分岐シールド機27により、分岐トンネルを本線トンネル1の側部に繋げて構築する。
【0033】
本実施形態に係る分岐シールド機27の発進方法による作用効果を述べる。
【0034】
この分岐シールド機27の発進方法によれば、鋼製セグメント4のスキンプレート2をモルタルによる掘削可能壁20に置換するようにしているので、従来例のように発進口8の部分に特殊セグメントを用いて本線トンネル1を構築する必要はなく、本線トンネル1の任意の位置から何回でも分岐シールド機27を発進させることができ、発進位置の変更にも対応できる。
【0035】
分岐シールド機27は、従来例のように高靱性コンクリート材を掘り抜くのではなく、それよりも軟らかいモルタルによる掘削可能壁20を掘り抜くので、それを切削するためカッタヘッド28に装着される先行ビットの強度を落として低コスト化を図ることができ、また、掘り抜くための時間も短縮できる。なお、モルタルによる掘削可能壁20の外側の地山7は薬剤によって地盤改良されて固められているので、その掘削可能壁20は、高靱性コンクリート材よりは軟らかいとはいえ、土圧等によって破損することはない。
【0036】
また、この分岐シールド機27の発進方法によれば、発進口8となる部分の外側の地山7を地盤改良した後にスキンプレート2を切断除去してモルタルによる掘削可能壁20を構築し、その掘削可能壁20を分岐シールド機27で掘り抜くようにしたので、分岐シールド機27の発進の際の振動等によって地盤改良した地山7が仮に緩んだとしても、その地山7から本線トンネル1内への土砂水の噴発が、モルタルによる掘削可能壁20によって防止される。
【0037】
すなわち、地山7を地盤改良した後にスキンプレート2を切断除去し、モルタルによる掘削可能壁20を構築することなく、そのまま分岐シールド機27を本線トンネル1内から発進させると、分岐シールド機27の発進の際の振動等によって地盤改良した地山7が緩む可能性があり、その場合、その地山7から土砂水が本線トンネル1内に噴発する可能性があるが、本実施形態では、かかる土砂水の噴発がモルタルによる掘削可能壁20によって防止される。
【0038】
なお、地山7を地盤改良した後にスキンプレート2を切断除去する際に生じる振動等は、分岐シールド機27の発進の際の振動等に比べると大幅に小さいので、スキンプレート2を切断除去する作業工程において、地盤改良した地山7が緩む可能性は極めて小さい。
【0039】
また、本実施形態では、発進口8となる部分のスキンプレート2を下部から上部に段階的に除去し、段階的な除去に応じて露出する地山7を順次覆うようにして型枠19を下部から上部に段階的に設置し、積み上げられた型枠19の高さに応じてモルタルによる掘削可能壁20を段階的に形成するようにしたので、発進口8となる部分にて、スキンプレート2の段階的な除去に応じて部分的に露出した地山7を、その都度型枠19及びモルタル製の掘削可能壁20で覆うことができる。
【0040】
すなわち、発進口8となる部分の地山7のスキンプレート2が除去された部分は、除去の都度速やかに型枠19及びモルタルで覆われ、同地山のスキンプレート2が除去されていない部分は、そのスキンプレート2で覆われた状態となる(図5、図6参照)。よって、地山7が本線トンネル1内に直接露出する時間を可及的に短くでき、地山7が直接露出することによる不安感を小さくできる。
【符号の説明】
【0041】
1 本線トンネル
2 スキンプレート
3 リブ
4 鋼製セグメント
5 周方向端板
6 軸方向端板
7 地山
8 発進口
9 ベース板
11 エア抜き管
13 発進金物
19 型枠
20 掘削可能壁
27 分岐シールド機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンプレートの内面にリブが取り付けられた鋼製セグメントを用いて構築された本線トンネルの内部から分岐シールド機を発進させる方法であって、
本線トンネルの外側の分岐シールド機が発進する部分の地山に薬剤を注入して地盤改良し、
本線トンネルから分岐シールド機が発進する発進口となる部分の周辺の鋼製セグメントの内面にベース板を取り付ける工程と、発進口となる部分の鋼製セグメントのリブ、周方向端板及び軸方向端板を除去する工程とを順不同で行った後、上記ベース板に筒状の発進金物を上記発進口となる部分に合わせて取り付け、
発進口となる部分の鋼製セグメントのスキンプレートを除去し、これにより露出した地山と間隔を隔てて型枠を上記発進金物に取り付け、該型枠と上記地山との間に形成された空間内にモルタルを注入して掘削可能壁を構築した後、型枠を除去して掘削可能壁を露出させ、
本線トンネルの内部から分岐シールド機を上記掘削可能壁を掘り抜いて発進させるようにした
ことを特徴とする分岐シールド機の発進方法。
【請求項2】
上記発進口となる部分の鋼製セグメントのスキンプレートを除去し、これにより露出した地山と間隔を隔てて型枠を上記発進金物に取り付ける際、
発進口となる部分の鋼製セグメントのスキンプレートを下部から上部に段階的に除去し、段階的な除去に応じて露出する地山を順次覆うようにして型枠を下部から上部に段階的に発進金物に取り付け、積み上げられた型枠の高さに応じてモルタルを段階的に注入するようにした請求項1に記載の分岐シールド機の発進方法。
【請求項3】
上記型枠と上記地山との間に形成された空間内にモルタルを注入するに先立って、
上記発進金物よりも上方のベース板にその内外を連通するエア抜き管を取り付けておき、モルタルの注入に伴って上記空間内の空気を上記エア抜き管を介して排出するようにした請求項1又は2に記載の分岐シールド機の発進方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−12419(P2011−12419A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155934(P2009−155934)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(000150110)株式会社竹中土木 (101)
【Fターム(参考)】