説明

分岐器の開通方向表示器

【課題】本発明の目的は、機械式の構造で、雪害等を受け難い分岐器の開通方向表示器を提供することにある。
【解決手段】反射板4と遮蔽板5とを、それぞれが2本のレール40からなる線路の左右の外側に位置するように配置した。そして、転轍棒43の動きに伴い、一方の反射板4が遮蔽板5に遮蔽される位置にあるとき、他方の反射板4は遮蔽板5から外れて露出位置にあるようにした。すると、露出位置にある反射板4が保守用車両の前照灯の光を反射するので、保守用車両の運転手は、左右いずれかの反射光により分岐器の開通方向を視認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐器の開通方向表示器に関し、詳しくは、夜間における保守点検のために線路上を走行する保守用車両に対して分岐器の開通方向を表示する表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道線路の保守点検のための保守用車両は、夜間に線路を走行することがほとんどである。また、保守用車両は、通常運行される客車や貨物車の走行を制御する信号に従うこともあるが、保守用車両のために分岐器が制御された線路を走ることが多い。即ち、走行予定区間の分岐器は、通過する時間に合わせて、或いは保守用車両からの電話連絡等を受けて、制御室の遠隔操作により操作され、その分岐器により進路を変更して、保守用車両は所定の線路を走行するようになっている。そのため、進行方向にある分岐器が進入可能状態にあるか否かの確認が必要であり、その確認のために、保守用車両の運転手が運転席から視認できる様々な表示器が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示されている「分岐器開通方向表示器」は、垂直軸を中心に90度の正逆回動可能に支持され、平面視十字状に配置された表示板が、トングレールに連結された駆動ロッドの先端のリンク機構の作動を受け、90度の回動・復帰をして、表示が変更されるようになっている。
【0004】
特許文献2に開示されている「転てつ器方向確認表示器」は、図4及び図5に示すように、転轍棒43に支持された反射板44と、線路の一方の外側部分の枕木42に固定された左反射板45と右反射板46とよりなる。レール40とレール41とを分岐する分岐器が作動した時、図5(a)に示すように、保守用車両の運転手には、反射板44と右反射板46とが保守用車両の前照灯の光に反射して右方を示す矢印のように見える。また、図5(b)に示すように、保守用車両の運転手には、反射板44と左反射板45とが保守用車両の前照灯の光に反射して左方を示す矢印のように見える。このように、左反射板45と右反射板46との間を転轍棒43の動きに伴って移動する反射板44が、左反射板45又は右反射板46のいずれかに近接するようになっている。
【0005】
特許文献3に開示されている「分岐器開通方向表示器」は、転轍機の動作かんに設けられたセンサー用磁石が、動作かんの動きと共に移動することにより、分岐器の開通方向を表示する表示部の2ヶ所に設けられた磁気近接センサーのいずれかに近接して、表示部を制御するようになっている。この表示部は、発光体により分岐器の開通方向を表示するようになっており、太陽電池及びバッテリーの組み合わせによる電源を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平3−50601号公報([実用新案登録請求の範囲]を参照)
【特許文献2】実用新案登録第3028525号公報([要約][図6][図7]を参照)
【特許文献3】実用新案登録第3083776号公報([要約]を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の分岐器開通方向表示器は、線路内に設けられたリンク機構を有する機械式構造をしている。そのため、冬季等において車両の通行に伴って飛散する雪塊が、表示板の90度の正逆回動部分等に激突することが多く、回動部分が損傷したり、付着した雪が凍結して回動部分が回動不能になったりすることがあり、表示器の作動の信頼性に優れているとは言い難い。このため、冬季には表示器を外す例も見られる。
【0008】
一方、特許文献2の転てつ器方向確認表示器は、線路外に設けられているので、特許文献1の表示器に懸念されるような雪害は起こり難い。ところが、反射板44、左反射板45及び右反射板46は、常に保守用車両の前照灯の光を受けられるように露出しており、反射面に雪が付着して反射光の輝度が落ちることが起こり易い。すると、保守用車両の運転手にとって、反射板44が、左反射板45に並んでいるのか、右反射板46に並んでいるのかを判別することが難しい。
【0009】
また、一対のレール41からなる分岐側の線路から本線側の線路へ斜行入線しようとする保守用車両の運転士には、右反射板46と反射板44とが重なって見えることがあり、運転手にとって、分岐器の開通方向がいずれの方向を示しているのか、表示器により判別することが難しい場合がある。
【0010】
特許文献3の分岐器開通方向表示器は、保守用車両の前照灯の光を受けて反射する表示器とは異なり、前照灯の光を反射する反射光よりも高輝度の光を発光する表示器であるので、保守用車両の運転手から視認しやすいものといえる。ところが、この表示器は、太陽電池等の電源を用いて、表示部を制御し発光体を発光させる電気式のため、落雷等の電気的障害を受け機能不全に陥ることが避け難い。
【0011】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、機械式の構造で、雪害等を受け難い分岐器の開通方向表示器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題を解決するために請求項1に記載の分岐器の開通方向表示器の発明は、鉄道線路における分岐器の開通方向を反射板により表示する開通方向表示器において、転轍棒に支持されて前記線路の外側に配置された反射板と、その反射板を、前記線路を走行する車両の前照灯の光から遮蔽する遮蔽板とよりなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、転轍棒に支持された反射板は、転轍棒の動きに伴って、保守用車両の前照灯の光を反射する位置と、遮蔽板により遮蔽されて前照灯の光を反射しない位置とのいずれかに配置される。このため、表示器は、前照灯の光を反射するかしないかのいずれかとなり、天候条件等により反射光の輝度に変化があったとしても、保守用車両の運転手は、反射光の有無により、分岐器の開通方向の表示を容易に視認することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の分岐器の開通方向表示器において、前記転轍棒と共に移動する前記反射板の移動範囲の上方には、屋根が設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、反射板は常に屋根に覆われているので、反射板に雪や雨粒が付着することが防止される。このため、天候によって反射光の輝度が落ちることがないので、保守用車両の運転手は表示器の反射光の有無を容易に視認することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の分岐器の開通方向表示器において、前記反射板と遮蔽板とはそれぞれが線路の左右の外側に設けられ、一方の反射板が遮蔽板に遮蔽される位置にあるとき、他方の反射板は遮蔽板から外れて露出位置にあることを特徴とするものである。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、線路の左右の外側にそれぞれ設けられた反射板と遮蔽板とにより、左右のうちの一方の反射板が保守用車両の前照灯の光を反射するとき、他方の反射板は光を反射しないようになっている。このため、保守用車両の運転手は、進行方向の左右いずれかの反射板の反射光を容易に視認して、分岐器の開通方向を確認することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の分岐器の開通方向表示器において、前記遮蔽板は、隣合う枕木にそれぞれが固定される立板部と、その立板部の上端から水平方向に互いに対向して延在する天板部とが一体に形成された一対の遮蔽部材よりなり、その遮蔽部材は、前記天板部において互いに重合状態に結合され、少なくとも一方の遮蔽部材の天板部には、他方の遮蔽部材との間の位置調整が可能なように、結合ボルト挿通用の長孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、遮蔽板を形成する一対の遮蔽部材は、それぞれが隣合う枕木に固定されると共に、枕木の間の間隔に対応して、遮蔽部材どうしの距離を調節して互いに結合されるようになっている。このため、枕木間の間隔が異なる分岐器に対する開通方向表示器の設置工事を容易に行うことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のうちいずれか一項に記載の分岐器の開通方向表示器において、前記屋根は、前記遮蔽板の天板部に固定された板状体からなることを特徴とするものである。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、板状体からなる屋根を、一対の遮蔽部材の天板部の重合部に重合して、3枚の板状体を共締めすることにより、遮蔽板に固定することができる。このため、開通方向表示器の設置工事を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、転轍棒に支持された反射板が、転轍棒の動きに伴って、保守用車両の前照灯の光を反射する位置と、遮蔽板により遮蔽されて前照灯の光を反射しない位置とのいずれかに配置されるようになっている。このため、保守用車両の運転手が、反射光の有無により、分岐器における車両の通行可能方向を示す表示を、前後いずれの方向からも容易に視認することができる分岐器の開通方向表示器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態の分岐器の開通方向表示器を模式的に示す斜視図。
【図2】第1実施形態の分岐器の開通方向表示器を模式的に示す平面図。
【図3】第1実施形態の分岐器の開通方向表示器の作動を模式的に示す一部断面図であり、(a)は左側の反射板が現れた状態を示し、(b)は右側の反射板が現れた状態を示す。
【図4】従来技術の分岐器の開通方向表示器を模式的に示す平面図。
【図5】従来技術の分岐器の開通方向表示器の作動を示す模式図であり、(a)は右矢印状態を示し、(b)は左矢印状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1及び図2を用いて説明する。なお、従来技術と同一の構成については、その説明において用いた同一の符号を用いるものとする。
【0025】
図1及び図2に示すように、本実施形態の線路の分岐器は、枕木42の上に固定された床板49の上に2本のレール40及び2本のトングレール51が配置されている。レール40の枕木42に対する固定個所の図示は省略している。トングレール51は、転轍棒43に固定された控棒48の係止部48aにボルト締めされた連結板47を介して、転轍棒43に連結されている。このため、転轍棒43の動きに伴ってトングレール51が動くようになっている。
【0026】
左右の反射板4は、2本のレール40からなる線路の左右外側の2ヶ所において、転轍棒43に固定されたL字状板体の支持板4aの立面部の両面に、公知のプリズム型高輝度反射シートが貼着されたものである。このように、反射板4は、前後の両方向からの光を反射することができるので、線路の分岐器に対していずれの方向から走行してくる保守用車両の運転士にも視認することができる。
【0027】
遮蔽板5を形成する遮蔽部材2は、立板部2bと、その下端において外方へ延在するフランジ部2cと、立板部2bの上端においてフランジ部2cと反対側の方向へ延在する天板部2aとが、それぞれが直交するように一体に形成された板状体である。天板部2aには、一対の遮蔽部材2の天板部2aを重合状態に結合するためのボルト挿通用の長孔が形成されている。そして、隣合う枕木42にフランジ部2cをボルト締めされた一対の遮蔽部材2を、それぞれの天板部2aが対向するように配置し、それぞれの天板部2aの長孔にボルトを挿通して、遮蔽板5として結合している。
【0028】
なお、遮蔽部材2の表面を、光に対して無反射或いは難反射状態となるように加工すれば、反射板4が遮蔽板5により遮蔽されている時、保守用車両の前照灯の光を反射しない非表示状態をより際立たせることができる。この加工は、例えば、遮蔽部材2の表面に細かな凹凸模様を形成し、艶なし塗装をすること等があげられる。
【0029】
また、重合した天板部2aの上面には、板状の屋根板3が、レール40の側に延在するように配置され、天板部2aと共にボルトにより重合状態に共締めされている。屋根板3は、後述するように反射板4が転轍棒43と共に移動する時、反射板4の移動範囲を覆って、反射シートに雪や雨粒が付着することを防止できる大きさに形成されている。
【0030】
次に図3を用いて、転轍棒43の動きに伴い反射板4が左右に移動する時の反射板4と遮蔽板5との位置関係を説明する。
図3(a)に示すように、転轍機50の作動により転轍棒43が右に移動して、左側のトングレール51が左側のレール40から離れ、右側のトングレール51が右側のレール40に接している。この時、転轍棒43に支持されている左側の反射板4は、遮蔽板5内に遮蔽された状態から外れて露出しており、保守用車両の前照灯の光を反射する位置にある。一方、右側の反射板4は、遮蔽板5内に遮蔽され、保守用車両の前照灯の光が当たらない位置にあるので、前照灯の光を反射しない。従って、この開通方向表示器1を見た保守用車両の運転手は、進行方向の左側の反射板4の反射光のみを視認することになり、車両が分岐器を通過して左側の進路を走行するようになっていることを確認できる。即ち、開通方向表示器1は、保守用車両の通行可能方向を運転手に示すものである。
【0031】
そして、図3(b)に示すように、転轍棒43が左に移動して、左側のトングレール51が左側のレール40に接し、右側のトングレール51が右側のレール40から離れている時は、開通方向表示器1の状態は、図3(a)に示すものとは左右反対となる。即ち、右側の反射板4は、遮蔽板5から外れて露出しており、保守用車両の前照灯の光を反射する。一方、左側の反射板4は、遮蔽板5により遮蔽され、前照灯の光を反射しない。従って、この開通方向表示器1を見た保守用車両の運転手は、進行方向の右側の反射板4の反射光のみを視認することになり、車両が分岐器を通過して右側の進路を走行するようになっていることを確認できる。
【0032】
なお、上記説明において、図1の左下から右上へ向かう方向に向かって走行する保守用車両について記述したが、遮蔽板5は、レール40に沿った方向のいずれの方向に対しても反射板4を遮蔽することができるので、開通方向表示器1は、逆方向に向かって走行してくる保守用車両に対しても同様の作用となる。
【0033】
例えば、図3(b)に示すように、分岐器が本線と右の分岐側出線との間で通行可能となっている場合、分岐側出線から本線へと斜行入線しようとする保守用車両の運転手は、右側の遮蔽板5から外れて露出している反射板4を視認することになる。この時、保守用車両の運転手は、進行方向左側の反射板4を、何物にも遮られることなく容易に視認することができる。
【0034】
従って、上記第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、2本のレール40からなる線路の左右の外側において、転轍棒43に支持された反射板4と、隣合う枕木42に跨って架設された遮蔽板5とを設けた。そして、転轍棒43の動きに伴って、左右のうちの一方の反射板4が保守用車両の前照灯の光を反射するとき、他方の反射板4は遮蔽板5に遮蔽されて光を反射しないようにした。このため、保守用車両の運転手は、進行方向の左右いずれかの反射板4の反射光を容易に視認して、分岐器の開通方向を確認することができる。
【0035】
(2)上記実施形態では、反射板4の移動範囲を常に覆う屋根板3を設けたので、反射シートに雪や雨粒が付着することを防止することができる。このため、天候によって反射光の輝度が落ちることがないので、保守用車両の運転手は、開通方向表示器1の反射光を容易に視認することができる。
【0036】
(3)上記実施形態では、隣合う枕木42にそれぞれ固定された遮蔽部材2の天板部2aどうしを、重合状態にボルト結合することにより、遮蔽板5を形成した。そして、天板部2aのボルト挿通用の孔を長孔として、隣合う枕木42の間の間隔に対応して天板部2aどうしの重合位置を調節できるようにした。このため、枕木42間の間隔が異なる分岐器に対する開通方向表示器1の設置工事を容易に行うことができる。
【0037】
(4)上記実施形態では、反射板4の移動範囲を覆うことが可能な大きさの板状体からなる屋根板3を、一対の遮蔽部材2の天板部2aの重合部に重合して、3枚の板状体を共締めすることにより、遮蔽板5に固定するようにした。このため、開通方向表示器1の設置工事を容易に行うことができる。
【0038】
(5)上記実施形態では、線路の左右の外側のそれぞれに、表裏両面に高輝度反射シートが貼着された反射板4を有する開通方向表示器1を設けるようにした。このため、分岐器が本線と右の分岐側出線との間で通行可能となっている場合、分岐側出線から本線へと斜行入線しようとする保守用車両の運転手は、進行方向左側の反射板4を、何物にも遮られることなく容易に視認することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図1〜3を援用して説明する。
【0040】
本実施形態の開通方向表示器1は、図1〜3を用いて説明した第1実施形態の開通方向表示器1の左側のみ、或いは右側のみの反射板4、遮蔽板5及び屋根板3等よりなるものであり、分岐器の2本のレール40からなる線路の外側の左右のいずれかに設けられたものである。
【0041】
従って、この開通方向表示器1は、転轍棒43の動きに伴って、反射板4が遮蔽板5内に遮蔽され、保守用車両の前照灯の光を反射しない非表示と、反射板4が遮蔽板5から外れて露出し、保守用車両の前照灯の光を反射する反射光による表示とのいずれかの状態にある。このため、保守用車両の運転手は、開通方向表示器1からの反射光を視認することにより、例えば進行を可とする表示として確認することができ、開通方向表示器1からの反射光を視認できない時は、停止の表示として認識することができる。
【0042】
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)上記実施形態では、2本のレール40からなる線路の左右外側のいずれかに、反射板4、遮蔽板5及び屋根板3等よりなる開通方向表示器1を設けた。そして、転轍棒43の動きに伴って移動する反射板4を、遮蔽板5から外れて露出し、保守用車両の前照灯の光を反射する位置と、遮蔽板5内に遮蔽されて前照灯の光を反射しない位置とのいずれかに配置されるようにした。このため、表示器は、前照灯の光を反射するかしないかのいずれかとなるため、保守用車両の運転手は、反射光の有無により、開通方向表示器1の表示を容易に視認することができる。
【0043】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 開通方向表示器1を、保守用車両に対して分岐器の開通方向を表示する表示器としたが、保守用車両に限定されず、夜間において分岐器の開通方向の表示を確認する必要がある種々車両に対して分岐器の開通方向を表示する表示器とすること。
・ 遮蔽板5を一対の遮蔽部材2のそれぞれの天板部2aを重合状態で結合することにより形成したが、遮蔽板5を2枚の立板部と1枚の天板部とより一体に形成された板状体とすること。
・ 板状の屋根板3を遮蔽板5を形成する遮蔽部材2の天板部2aに固定したが、天板部2aの一部をレール40側へ突出させて屋根部とすること。
【符号の説明】
【0044】
1…開通方向表示器、2…遮蔽部材、2a…天板部、2b…立板部、4…反射板、5…遮蔽板、42…枕木、43…転轍棒。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道線路における分岐器の開通方向を反射板により表示する開通方向表示器において、転轍棒に支持されて前記線路の外側に配置された反射板と、その反射板を、前記線路を走行する車両の前照灯の光から遮蔽する遮蔽板とよりなることを特徴とする分岐器の開通方向表示器。
【請求項2】
前記転轍棒と共に移動する前記反射板の移動範囲の上方には、屋根が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の分岐器の開通方向表示器。
【請求項3】
前記反射板と遮蔽板とはそれぞれが線路の左右の外側に設けられ、一方の反射板が遮蔽板に遮蔽される位置にあるとき、他方の反射板は遮蔽板から外れて露出位置にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の分岐器の開通方向表示器。
【請求項4】
前記遮蔽板は、隣合う枕木にそれぞれが固定される立板部と、その立板部の上端から水平方向に互いに対向して延在する天板部とが一体に形成された一対の遮蔽部材よりなり、その遮蔽部材は、前記天板部において互いに重合状態に結合され、少なくとも一方の遮蔽部材の天板部には、他方の遮蔽部材との間の位置調整が可能なように、結合ボルト挿通用の長孔が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の分岐器の開通方向表示器。
【請求項5】
前記屋根は、前記遮蔽板の天板部に固定された板状体からなることを特徴とする請求項2ないし4のうちいずれか一項に記載の分岐器の開通方向表示器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−260511(P2010−260511A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114712(P2009−114712)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(390021577)東海旅客鉄道株式会社 (413)
【出願人】(593206986)株式会社関ヶ原製作所 (18)
【Fターム(参考)】