説明

分岐用シールド掘進機の発進方法

【課題】 全長が既設トンネルの幅より長く、既設トンネル内で発進方向に向けて予め組立てるスペースがない分岐用シールド掘進機であっても、テールシールを容易に組立てる。
【解決手段】 既設トンネル1内でテールシール21の組立を行う分岐用シールド掘進機の発進方法において、分岐用シールド掘進機2の推力を受圧する反力受部材15をセグメント組付位置20よりも径方向内側に位置するように配置して分岐用シールド掘進機2のテールシール21の組立スペース22を確保しつつ、その反力受部材15から反力をとって分岐用シールド掘進機2を発進させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設トンネル内で分岐用シールド掘進機のテールシールの組立を行う分岐用シールド掘進機の発進方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全長が既設トンネルの幅より長く、既設トンネル内で発進方向に向けて予め組立てるスペースがない分岐用シールド掘進機を発進させる場合、分岐用シールド掘進機の一部を既設トンネル外に掘進させ、分岐用シールド掘進機のカッタ部前面にかかる土圧荷重を支持しつつ、その後方の既設トンネル内において分岐用シールド掘進機のテールシールを組立てる必要がある。
【0003】
従来、分岐用シールド掘進機の推力を受圧すると共に、土圧荷重を支持すべく、図6に示すように、分岐トンネルの構築に用いられる通常のセグメントからスキンプレートを外したスケルトンセグメント61を反力受部材として使用していた。スケルトンセグメント61の一部は開放されており、その開放部によりセグメント等の搬入口62が形成される。
【0004】
分岐用シールド掘進機63のシールドジャッキ64によりスケルトンセグメント61から反力をとることで分岐用シールド掘進機63を既設トンネル65の側面に設けられたエントランス66より発進させる。そして、分岐用シールド掘進機63が既設トンネル65外に所定距離だけ掘進した後に、土圧荷重をスケルトンセグメント61により支持しつつ、分岐用シールド掘進機63のテールシール67を既設トンネル65内で組立てるようにしていた。
【0005】
なお、特許文献1は、親シールド掘進機内から親シールド掘進機の内径より小さい外径を有する子シールド掘進機を発進させるものである。
【0006】
【特許文献1】特開平8−21182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のテールシール67を比較的狭い既設トンネル65内で組立てる必要がある上に、テールシール67を通常のセグメントの外径と略同一外径を有するスケルトンセグメント61を覆うように組立てる必要があるため、分岐用シールド掘進機63のテールシール67の組立に難渋するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、全長が既設トンネルの幅より長く、既設トンネル内で発進方向に向けて予め組立てるスペースがない分岐用シールド掘進機であっても、テールシールを容易に組立てることができる分岐用シールド掘進機の発進方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、既設トンネル内でテールシールの組立を行う分岐用シールド掘進機の発進方法において、分岐用シールド掘進機の推力を受圧する反力受部材をセグメント組付位置よりも径方向内側に位置するように配置して分岐用シールド掘進機のテールシールの組立スペースを確保しつつ、その反力受部材から反力をとって分岐用シールド掘進機を発進させるようにしたことを特徴とする分岐用シールド掘進機の発進方法である。
【0010】
請求項2に係る発明は、既設トンネル内に分岐用シールド掘進機の発進用のエントランスを取付け、そのエントランスを通じて分岐用シールド掘進機を発進させるに際して、エントランスとは反対側の既設トンネル内に反力受架台を設置し、その反力受架台に反力受部材をエントランス側に向けて、かつ、セグメント組付位置よりも径方向内側に位置するように配置し、その反力受部材から反力をとって分岐用シールド掘進機を発進させるようにしたことを特徴とする分岐用シールド掘進機の発進方法である。
【0011】
請求項3に係る発明は、上記反力受部材は、その後端が上記反力受架台に保持され、前端が上記分岐用シールド掘進機のシールドジャッキのうち少なくとも二つと当接するように、かつ、上記セグメント組付位置の径方向内側の円周方向に沿って多角形状に配置され、その多角形を形成する反力受部材のうち少なくとも一つが除かれてセグメント等の搬入口が形成される請求項2記載の分岐用シールド掘進機の発進方法である。
【0012】
請求項4に係る発明は、上記反力受部材は、掘進方向に複数のピースを接続して形成され、掘進に応じてこれらピースが順次接続される請求項2又は3記載の分岐用シールド掘進機の発進方法である。
【0013】
請求項5に係る発明は、上記反力受部材のピースが所定段数接続された後、その反力受部材の径方向外側の位置で上記分岐用シールド掘進機のテールシールを組立てる請求項4記載の分岐用シールド掘進機の発進方法である。
【0014】
請求項6に係る発明は、上記分岐用シールド掘進機が上記既設トンネル外に所定距離だけ掘進した後、上記反力受部材前端に径方向外側へと延出する偏心反力受部材を取付け、その偏心反力受部材から反力をとりながら偏心反力受部材前端にセグメントを組付ける請求項2〜5いずれかに記載の分岐用シールド掘進機の発進方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、全長が既設トンネルの幅より長く、既設トンネル内で発進方向に向けて予め組立てるスペースがない分岐用シールド掘進機であっても、テールシールを容易に組立てることができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る分岐用シールド掘進機の発進方法の第一工程を示した側面図である。図2は、分岐用シールド掘進機の平面図である。図3は、分岐用シールド掘進機の背面図である。図4は、本発明の一実施形態に係る分岐用シールド掘進機の発進方法の第二工程を示した側面図である。図5は、本発明の一実施形態に係る分岐用シールド掘進機の発進方法の第三工程を示した側面図である。
【0018】
本実施形態の分岐用シールド掘進機の発進方法が適用される分岐用シールド掘進機は、カッタ部と、中折ジャッキを備えた前胴部と、後胴部とを有する中折式のものである。
【0019】
本実施形態の分岐用シールド掘進機の発進方法が適用される分岐用シールド掘進機は、既設トンネルの幅よりも長い全長を有しており、既設トンネル内には、分岐用シールド掘進機をその発進方向に向けて予め組立てるスペースがないものである。
【0020】
本実施形態においては、既設トンネル内から横向きに分岐用シールド掘進機を発進させる場合について説明する。
【0021】
分岐用シールド掘進機を既設トンネル内で組立てて発進させるには、まず、図1から図3に示すように、既設トンネル1の側面に分岐用シールド掘進機2の発進用のエントランス3を取付ける。エントランス3は、分岐用シールド掘進機2が挿通される円筒状のエントランス本体4を有している。エントランス本体4の内周面には、分岐用シールド掘進機2との隙間をシールするためのエントランスシール部材5、及び、分岐用シールド掘進機2の荷重を支持するための荷重支持部材6が設けられている。
【0022】
次に、エントランス3のエントランス本体4に分岐用シールド掘進機2のカッタ部7を挿通し、カッタ部7をエントランス本体4に支持させた状態で、カッタ部7後端に前胴部8を接続する。次いで、エントランス3とは反対側の既設トンネル1の側面に反力受架台9を設置する。そして、前胴部8の中折ジャッキ(図示せず)により反力受架台9から反力をとって分岐用シールド掘進機2を掘進させて、カッタ部7を既設トンネル1外に突出させる。
【0023】
次に、前胴部8後端に後胴部10の一部である第一後胴11を接続し、その第一後胴11の内周面にシールドジャッキ12を周方向に沿って複数(本実施例では八つ)取付ける。各シールドジャッキ12は、第一後胴11に固定されるシリンダ13と、シリンダ13に対してスライド自在に設けられるロッド14とを備えている。ロッド14後端部には、後述する反力受部材15と当接するための当接面16、及び、後述するジャッキシュー17を取付けるための凸状体18が設けられている。
【0024】
シールドジャッキ12の当接面16は、シールドジャッキ12のロッド14の軸19上に位置するように設定される。このようにすることで、シールドジャッキ12からの推力が長手方向に沿って真直に反力受部材15に対して加わるようになるため、反力受部材15の座屈を防止することができる。
【0025】
次に、反力受架台9に分岐用シールド掘進機2の推力を受圧するための反力受部材15を取付ける。反力受部材15は、掘進方向に複数のピース15aを接続して形成され、分岐用シールド掘進機2の掘進に応じてこれらピース15aが順次接続される。反力受部材15は、シールドジャッキ12の当接面16と当接した際に凸状体18に接触しないような形状とされる。
【0026】
反力受部材15は、エントランス3側に向けて、かつ、セグメント組付位置20よりも分岐用シールド掘進機2の径方向内側に位置するように取付けられる。このようにすることで、反力受部材15の径方向外側の位置に後述するテールシール21を組立てるための組立スペース22が形成される。
【0027】
また、反力受部材15は、その後端を反力受架台9に保持させ、前端をシールドジャッキ12の当接面16のうち少なくとも二つと当接するように、かつ、セグメント組付位置20の径方向内側の円周方向に沿って多角形状(図示例では四角形状)に配置すると共に、その多角形を形成する反力受部材15のうち少なくとも一つを除いて配置される。このようにすることで、円周方向に沿って多角形状に配置した反力受部材15の開放部によりセグメント等の搬入口23が形成される。本実施形態においては、既設トンネル1の上下方向に反力受部材15をそれぞれ配置すると共に、既設トンネル1の長手方向のうちいずれか一方に反力受部材15を配置することで、それらを掘進方向に見て略コ字状に配置している。
【0028】
ところで、反力受部材15を円周方向に沿った円形状に配置することも可能であるが、本実施形態のように多角形状とした方が、反力受部材15の径方向外側に形成される組立スペース22が径方向に対して広くなるため有利である。
【0029】
次に、図4に示すように、シールドジャッキ12により反力受部材15から反力をとって分岐用シールド掘進機2を所定距離だけ掘進させた後、第一後胴11後端に第二後胴24を接続する。
【0030】
次に、分岐用シールド掘進機2をさらに掘進させると共に、反力受部材15のピース15aを所定段数まで接続して、反力受部材15の径方向外側に形成された組立スペース22が長手方向に対して十分に確保されたら、第二後胴24後端にテールシール21を接続する。テールシール21は、円筒状に形成されたスキンプレート21aと、スキンプレート21aの内周面に取付けられたシール部材21bとを有している。スキンプレート21aは、周方向に複数に分割されており、それらを分岐用シールド掘進機2の径方向外側から取付けるようになっている。このようにすることで、テールシール21を反力受部材15の径方向外側の組立スペース22で組立てることができる。その組立の際、反力受部材15がテールシール21の組立の支障とならないため、テールシール21を容易に組立てることが可能となる。
【0031】
次に、分岐用シールド掘進機2を既設トンネル1外に所定距離だけ掘進させた後、反力受部材15前端に径方向外側へと延出する偏心反力受部材26を取付けると共に、シールドジャッキ12の凸状体18に後述するセグメント27及び偏心反力受部材26と当接するためのジャッキシュー17を取付ける。偏心反力受部材26は、円周方向に沿って多角形状に配置された各反力受部材15と当接するようにリング状に形成される。ここで、偏心反力受部材26を、全周にわたって配置する必要はなく、周方向に複数に分割して設けても良い。
【0032】
そして、図5に示すように、シールドジャッキ12により偏心反力受部材26から反力をとって分岐用シールド掘進機2を所定距離だけ掘進させた後、偏心反力受部材26前端にセグメント27を組付ける。以後、シールドジャッキ12によりセグメント27から反力をとって分岐用シールド掘進機2を掘進させつつ、順次セグメント27を組立てていくことで、分岐トンネルを構築していく。
【0033】
ここで、セグメント27の組立は、エントランス3のエントランスシール部材5の径方向内側の位置よりも掘進方向後方にて始めるものとする。このようにすることで、既設トンネル1をエントランス3のエントランスシール部材5により止水することができる。
【0034】
以上、本実施形態によれば、既設トンネル1内に分岐用シールド掘進機2の発進用のエントランス3を取付け、そのエントランス3を通じて分岐用シールド掘進機2を発進させるに際して、エントランス3とは反対側の既設トンネル1内に反力受架台9を設置し、その反力受架台9に反力受部材15をエントランス3側に向けて、かつ、セグメント組付位置20よりも径方向内側に位置するように配置し、その反力受部材15から反力をとって分岐用シールド掘進機2を発進させるようにしたため、分岐用シールド掘進機2のテールシール21の組立スペース22を確保しつつ、反力受部材15から反力をとって分岐用シールド掘進機2を発進させることができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、反力受部材15は、その後端が反力受架台9に保持され、前端が分岐用シールド掘進機2のシールドジャッキ12のうち少なくとも二つと当接するように、かつ、セグメント組付位置20の径方向内側の円周方向に沿って多角形状に配置され、その多角形を形成する反力受部材15のうち少なくとも一つが除かれてセグメント等の搬入口23が形成されるようにしたため、セグメント27等を搬入口23を通じて分岐用シールド掘進機2内に容易に搬入することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、反力受部材15は、掘進方向に複数のピース15aを接続して形成され、掘進に応じてこれらピース15aが順次接続されるようにしたため、反力受部材15の径方向外側に形成される分岐用シールド掘進機2のテールシール21の組立スペース22を、分岐用シールド掘進機2の長手方向に対して拡大させていくことができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、反力受部材15のピース15aが所定段数接続された後、その反力受部材15の径方向外側の位置で分岐用シールド掘進機2のテールシール21を組立てるようにしたため、反力受部材15の径方向外側に形成される分岐用シールド掘進機2のテールシール21の組立スペース22が分岐用シールド掘進機2の長手方向に対して十分に確保された状態で、テールシール21の組立を行うことができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、分岐用シールド掘進機2が既設トンネル1外に所定距離だけ掘進した後、反力受部材15前端に径方向外側へと延出する偏心反力受部材26を取付け、その偏心反力受部材26から反力をとりながら偏心反力受部材26前端にセグメント27を組付けるようにしたため、反力受架台9に新たにセグメント27を組付けていく必要がなく、反力受部材15前端に偏心反力受部材26を介してセグメント27を組付けることができる。
【0039】
さらに、本実施形態によれば、偏心反力受部材26は、円周方向に沿って多角形状に配置された各反力受部材15と当接するようにリング状に形成されるようにしたため、偏心反力受部材26前端にセグメント27を容易に組付けることができる。
【0040】
本発明は以上説明した実施形態には限定はされない。
【0041】
例えば、本発明が適用される分岐用シールド掘進機は、中折式のものに限定されるものではなく、単胴式等のものであっても良い。
【0042】
また、分岐用シールド掘進機を既設トンネル内から上向きに発進させるようにしても良い。
【0043】
また、反力受部材を、セグメント組付位置の径方向内側の円周方向に沿って三角形状或いは五角形状以上の多角形状に配置しても良い。
【0044】
また、シールドジャッキにおける反力受部材との当接面を、必ずしもシールドジャッキのロッドの軸上に設ける必要はなく、シールドジャッキの配置バランス等に応じて、ロッドの軸上よりもシールド掘進機の径方向内側に設けても良い。
【0045】
さらに、本明細書及び請求の範囲における「既設トンネル」は、水平方向のみならず上下方向に形成されたトンネルをも含み、広くは立坑も含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る分岐用シールド掘進機の発進方法の第一工程を示した側面図である。
【図2】分岐用シールド掘進機の平面図である。
【図3】分岐用シールド掘進機の背面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る分岐用シールド掘進機の発進方法の第二工程を示した側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る分岐用シールド掘進機の発進方法の第三工程を示した側面図である。
【図6】従来の分岐用シールド掘進機の発進方法を示した平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 既設トンネル
2 分岐用シールド掘進機
3 エントランス
9 反力受架台
12 シールドジャッキ
15 反力受部材
15a ピース
20 セグメント組付位置
21 テールシール
22 組立スペース
23 搬入口
26 偏心反力受部材
27 セグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設トンネル内でテールシールの組立を行う分岐用シールド掘進機の発進方法において、分岐用シールド掘進機の推力を受圧する反力受部材をセグメント組付位置よりも径方向内側に位置するように配置して分岐用シールド掘進機のテールシールの組立スペースを確保しつつ、その反力受部材から反力をとって分岐用シールド掘進機を発進させるようにしたことを特徴とする分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項2】
既設トンネル内に分岐用シールド掘進機の発進用のエントランスを取付け、そのエントランスを通じて分岐用シールド掘進機を発進させるに際して、エントランスとは反対側の既設トンネル内に反力受架台を設置し、その反力受架台に反力受部材をエントランス側に向けて、かつ、セグメント組付位置よりも径方向内側に位置するように配置し、その反力受部材から反力をとって分岐用シールド掘進機を発進させるようにしたことを特徴とする分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項3】
上記反力受部材は、その後端が上記反力受架台に保持され、前端が上記分岐用シールド掘進機のシールドジャッキのうち少なくとも二つと当接するように、かつ、上記セグメント組付位置の径方向内側の円周方向に沿って多角形状に配置され、その多角形を形成する反力受部材のうち少なくとも一つが除かれてセグメント等の搬入口が形成される請求項2記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項4】
上記反力受部材は、掘進方向に複数のピースを接続して形成され、掘進に応じてこれらピースが順次接続される請求項2又は3記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項5】
上記反力受部材のピースが所定段数接続された後、その反力受部材の径方向外側の位置で上記分岐用シールド掘進機のテールシールを組立てる請求項4記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項6】
上記分岐用シールド掘進機が上記既設トンネル外に所定距離だけ掘進した後、上記反力受部材前端に径方向外側へと延出する偏心反力受部材を取付け、その偏心反力受部材から反力をとりながら偏心反力受部材前端にセグメントを組付ける請求項2〜5いずれかに記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設トンネル内でテールシールの組立を行う分岐用シールド掘進機の発進方法において、分岐用シールド掘進機の推力を受圧する反力受部材をセグメント組付位置よりも径方向内側に位置するように配置し、その反力受部材の径方向外側から上記テールシールを上記分岐用シールド掘進機の後端に組立てた後に、上記反力受部材から反力をとって分岐用シールド掘進機を発進させるようにしたことを特徴とする分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項2】
既設トンネル内でテールシールの組立を行う分岐用シールド掘進機の発進方法において、分岐用シールド掘進機の推力を受圧する反力受部材をテールシールのシール部材の自由端よりも径方向内側に位置するように配置し、その反力受部材の径方向外側から上記テールシールを上記分岐用シールド掘進機の後端に組立てた後に、上記反力受部材から反力をとって分岐用シールド掘進機を発進させるようにしたことを特徴とする分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項3】
上記既設トンネル内に反力受架台を設置し、その反力受架台に上記反力受部材を取付け、上記既設トンネル内に上記反力受架台に対向させてエントランスを取付け、そのエントランスを通じて上記分岐用シールド掘進機を発進させる請求項1又は2記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項4】
上記反力受部材は、その後端が上記反力受架台に保持され、前端が上記分岐用シールド掘進機のシールドジャッキのうち少なくとも二つと当接するように、かつ、セグメント組付位置の径方向内側の円周方向に沿って多角形状に配置され、その多角形を形成する反力受部材のうち少なくとも一つが除かれてセグメント等の搬入口が形成される請求項記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項5】
既設トンネル内に分岐用シールド掘進機の発進用のエントランスを取付け、そのエントランスを通じて分岐用シールド掘進機を発進させるに際して、エントランスとは反対側の既設トンネル内に反力受架台を設置し、その反力受架台に反力受部材をエントランス側に向けて、かつ、セグメント組付位置よりも径方向内側に位置するように配置し、その反力受部材から反力をとって分岐用シールド掘進機を発進させる方法であって、上記反力受部材は、その後端が上記反力受架台に保持され、前端が上記分岐用シールド掘進機のシールドジャッキのうち少なくとも二つと当接するように、かつ、上記セグメント組付位置の径方向内側の円周方向に沿って多角形状に配置され、その多角形を形成する反力受部材のうち少なくとも一つが除かれてセグメント等の搬入口が形成されることを特徴とする分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項6】
上記反力受部材は、掘進方向に複数のピースを接続して形成され、掘進に応じてこれらピースが順次接続される請求項1〜5いずれかに記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項7】
上記反力受部材のピースが所定段数接続された後、その反力受部材の径方向外側の位置で上記テールシールを組立てる請求項記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
【請求項8】
上記分岐用シールド掘進機が上記既設トンネル外に所定距離だけ掘進した後、上記反力受部材前端に径方向外側へと延出する偏心反力受部材を取付け、その偏心反力受部材から反力をとりながら偏心反力受部材前端にセグメントを組付ける請求項1〜7いずれかに記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−97332(P2006−97332A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284761(P2004−284761)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【特許番号】特許第3705294号(P3705294)
【特許公報発行日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】