説明

分散処理システム及びファイル更新方法

【課題】サービスを中断することなく、ファイル更新作業を行う分散処理システム及びファイル更新方法を提供する。
【解決手段】分散処理システムは、コンピュータ機能を有するPC21、23をネットワークに複数接続し、各PC21、22、23により被処理情報を分散処理する。当該分散処理システムに新規のアプリケーションを追加する場合、シナリオ管理サーバ31は、当該新規のアプリケーションに対応した新たなシナリオデータを記憶し、各PC21、23は、当該新規のアプリケーションに対応した、新アプリケーション実行部52を更に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおける交換機、伝送装置、無線局装置などのネットワークエレメント(ネットワーク構成要素)の設備管理処理や、その他の各種システムにおける設備装置の情報管理処理等に適用される分散処理システム及びファイル更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報処理サーバシステムは、OS(Solaris、Linuxなど)上に独自のアプリケーションを搭載し、様々なサービスの提供、情報処理等を行っている。このようなシステムにおいて、新規サービスの追加、システムの仕様変更に伴い、それに準じたアプリケーションの載せ替え作業(以下において、「ファイル更新作業」という。)が常に必要となる。ファイル更新作業は、アプリケーションソフトのソースプログラム全体の再コンパイル、及び再リンクが必要となり、そのプログラムをOS上に再インストールすることにより完了する。
【0003】
従来の情報処理システムの大半は、単一マシンを用いた集中型のシステムであった。集中型のシステムのファイル更新作業では、作業前にデータバックアップ、旧アプリケーション(以下において、「旧AP」という。)のアンインストール、新アプリケーション(以下において、「新AP」という。)のインストールという工程が必要となり、バックアップ動作を行わない場合でも、約30分程度、サービスを中断することが必要となる。
【0004】
そこで、サービスを中断する時間を最小限に抑えるため、サービス停止が許されない情報処理サーバシステムでは、同一処理を行うことができるサーバを2台用意し、それぞれ運用系、待機系として運用することが主流となっている(例えば、特許文献1参照)。この場合のファイル更新作業の手順は、以下のとおりである。
【0005】
手順1 待機系のサーバを落として、新APのインストールを行う。
【0006】
手順2 インストール終了後に待機系のサーバを立ち上げ、それと同時に待機系のサーバと運用系のサーバとを切り替える。
【0007】
手順3 もう一方のサーバ(旧運用系サーバ)を落として、新APのインストールを行う。
【0008】
手順4 新APインストール後に旧運用系サーバを待機系サーバとして立ち上げる。
【特許文献1】特開平6−59924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の手順によるファイル更新作業においても、5分程度、サービスを中断することが必要になる場合がある。このように、ファイル更新作業中に一時的にサービスの中断が生じると、例えば、その間に監視対象のサーバにおいて障害が発生した場合、監視が行えないという不都合が生じてしまう。
【0010】
そこで、上記の課題に鑑み、本発明は、サービスを中断することなく、ファイル更新作業を行うことが可能な分散処理システム及びファイル更新方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、コンピュータ機能を有する処理装置をネットワークに複数接続し、各処理装置により被処理情報を分散処理する分散処理システムであって、(イ)被処理情報を処理する際の処理装置の組み合わせ及び処理順番の指示が、処理装置の識別名を所定順番に組み合わせて記述されると共に、被処理情報の処理指示が識別名に対応付けられて記述された制御部分と、情報の格納部分とを含むシナリオデータを記憶するシナリオ管理サーバと、(ロ)処理装置の識別名と固有アドレスとが対応付けられ、識別名から固有アドレスを得る名前解決を行うDNSサーバと、(ハ)シナリオ管理サーバからシナリオデータを取得し、このシナリオデータの格納部分に被処理情報を格納し、制御部分に記述された識別名によるDNSサーバへの名前解決依頼によって固有アドレスを取得し、この取得固有アドレスの処理装置へ被処理情報が格納されたシナリオデータを送信するアダプタとを備え、(ニ)処理装置は、アダプタから受信したシナリオデータの格納部分に格納された被処理情報を、当該シナリオデータの制御部分に記述された処理指示に従って処理する第1のアプリケーション実行部と、当該処理結果を格納部分に格納し、制御部分に次の送信先の識別名が記述されている場合に、その識別名によるDNSサーバへの名前解決依頼によって固有アドレスを取得し、この取得固有アドレスの処理装置へ処理結果が格納されたシナリオデータを送信するシナリオ制御部とを有し、(ホ)当該分散処理システムに新規のアプリケーションを追加する場合、シナリオ管理サーバは、当該新規のアプリケーションに対応した新たなシナリオデータを記憶し、処理装置は、当該新規のアプリケーションに対応した、第1のアプリケーション実行部と同様の処理を行う第2のアプリケーション実行部を更に有する分散処理システムであることを要旨とする。
【0012】
第1の特徴に係る分散処理システムによると、各処理装置(PC)に搭載されたAP実行部の追加、及びシナリオデータの変更によって、サービスを中断することなく、新たなアプリケーション追加に伴うファイル更新作業を行うことができる。
【0013】
又、第1の特徴に係る分散処理システムにおいて、新規のアプリケーションが正常に実行された場合は、処理装置における第1のアプリケーション実行部は削除され、新規のアプリケーションが正常に実行されなかった場合は、シナリオ管理サーバは、元のシナリオデータを記憶してもよい。この分散処理システムによると、新規のアプリケーションが正常に実行されなかった場合、瞬時に旧バージョンへの切り戻しを行うことができる。
【0014】
又、第1の特徴に係る分散処理システムにおいて、アダプタは、ネットワーク構成要素から受信したメッセージ情報に含まれるバージョン情報を読み出し、シナリオ管理サーバが記憶する複数のシナリオデータの中から、バージョン情報に対応するシナリオデータを取得してもよい。この分散処理システムによると、複数のシナリオデータ(旧バージョンに対応したシナリオデータと新バージョンに対応したシナリオデータなど)を保持することにより、ネットワーク構成要素の要求に応じたシナリオデータに従って、処理を行うことができる。
【0015】
本発明の第2の特徴は、コンピュータ機能を有する処理装置をネットワークに複数接続し、各処理装置により被処理情報を分散処理する分散処理システムにおいて新規のアプリケーションを追加するファイル更新方法であって、(イ)被処理情報を処理する際の処理装置の組み合わせ及び処理順番の指示が、処理装置の識別名を所定順番に組み合わせて記述されると共に、被処理情報の処理指示が識別名に対応付けられて記述された制御部分と、情報の格納部分とを含むシナリオデータを記憶する第1のステップと、(ロ)第1のステップで記憶されたシナリオデータを取得する第2のステップと、(ハ)第2のステップで取得されたシナリオデータの格納部分に被処理情報を格納する第3のステップと、(ニ)処理装置の識別名と固有アドレスとが対応付けられ、識別名から固有アドレスを得る名前解決を行うDNSサーバから、制御部分に記述された識別名による名前解決依頼によって固有アドレスを取得する第4のステップと、(ホ)第4のステップで取得された固有アドレスの処理装置へ、第3のステップで被処理情報が格納されたシナリオデータを送信する第5のステップと、(へ)第5のステップで送信されたシナリオデータを受信した処理装置が、当該シナリオデータの格納部分に格納された被処理情報を、当該シナリオデータの制御部分に記述された処理指示に従って処理する第6のステップと、(ト)第6のステップにおける処理結果をシナリオデータの格納部分に格納する第7のステップと、(チ)制御部分に次の送信先の識別名が記述されている場合に、その識別名によるDNSサーバへの名前解決依頼によって固有アドレスを取得する第8のステップと、(リ)第8のステップで取得された取得固有アドレスの処理装置へ、第7のステップ処理結果が格納されたシナリオデータを送信する第9のステップと、(ヌ)新規のアプリケーションを追加する場合、当該新規のアプリケーションに対応した新たなシナリオデータを記憶する第10のステップとを含み、(ル)第6のステップにおいて、処理装置は、新たなシナリオデータの格納部分に格納された被処理情報を、当該新たなシナリオデータの制御部分に記述された処理指示に従って処理するファイル更新方法であることを要旨とする。
【0016】
第2の特徴に係るファイル更新方法によると、各処理装置(PC)に搭載されたAP実行部の追加、及びシナリオデータの変更によって、サービスを中断することなく、新たなアプリケーション追加に伴うファイル更新作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、サービスを中断することなく、ファイル更新作業を行う分散処理システム及びファイル更新方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0019】
本発明の実施の形態における分散処理アーキテクチャについて、図1を用いて説明する。分散処理システム10は、単機能プロセスを分散配置したPC21、22、23に、単機能プロセス部(後に詳述するAP実行部)21a、22a、23aとして、それぞれ配置する。又、シナリオ管理サーバ31は、シナリオデータを有する。このシナリオデータは、従来のメインプログラムに変わる部分であり、シナリオデータには、単機能プロセスを実行する順番が記述されている。実際には、各単機能プロセスが配置されている処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ(PC))のホスト名が記述される。この他にシナリオデータには、単機能プロセスで処理された結果が格納され、これを持ち寄って指定された単機能プロセスを呼び出し、すべて経由し終わると1つの業務が実行されたことになる。
【0020】
このアーキテクチャにおけるファイル更新作業は、各PCに搭載された単機能プロセス部(AP実行部)の追加、及びシナリオの変更によって実現することができる。
【0021】
(分散処理システム)
次に、本実施形態に係る分散処理システムについて、図2〜図7を参照して詳細に説明する。
【0022】
図2に示す分散処理システム10は、移動通信網におけるネットワークエレメント(NE)12からの故障などの警報や、装置(エレメント)状態を表すメッセージの表示、蓄積及び検索などの設備管理処理を行い、警報管理用クライアント端末機(CL)14及びメッセージ管理用クライアント端末機16へ通知する場合に適用したものである。
【0023】
尚、ネットワークエレメント12からの警報やメッセージは、ネットワークエレメント12に故障などの不具合が生じた際にネットワークエレメント12自体が自律的に送信するメッセージ情報(自律メッセージ情報)18である。つまり、メッセージ情報18には、故障などの警報情報と装置状態メッセージ情報が含まれ、メッセージ情報18は、その警報やメッセージの状態に応じて複数種類存在する。
【0024】
分散処理システム10は、上記の設備管理処理の負荷分散を行うように接続された第1のPC21と、第2のPC22と、第3のPC23と、第4のPC24と、第5のPC25とを備え、これら第1〜第5のPC22〜25に、NE用アダプタ27と、CL用アダプタ29と、シナリオ管理サーバ31と、DNS(Domain Name System)サーバ33とをネットワークで接続して構成する。
【0025】
又、NE用アダプタ27及びCL用アダプタ29は、ネットワークエレメント12と各PC22〜25、並びに、各クライアント端末機14、16と各PC22〜25とのインタフェース機能を備え、何れのPC22〜25にもアクセスすることができ、更にシナリオ管理サーバ31及びDNSサーバ33へもアクセスすることができる。
【0026】
次に、これらの構成要素の説明を行う。
【0027】
シナリオ管理サーバ31は、ネットワークエレメント12からの各種のメッセージ情報18と、各クライアント端末機14、16からの警報取得要求情報14a及びメッセージ取得要求情報16a(何れも後述にて説明)とに対応付けられたシナリオデータを複数種類格納している。そして、NE用アダプタ27又はCL用アダプタ29からのメッセージ情報18又は各取得要求情報14a、16aに応じた取得要求に応じて、該当するシナリオデータをNE用アダプタ27又はCL用アダプタ29へ送信するものである。
【0028】
図3に一例を示すように、シナリオデータ36は、シナリオ制御記述部分36aと、メッセージ格納部分36bとから構成されている。
【0029】
シナリオ制御記述部分36aには、どの順番で各PC22〜25を経由し、この経由時に該当PCにて、どの様な処理を実行するかが記述されている。各PC22〜25の順番指定は、例えば枠内36cに表すように、該当PC21に対応付けられたホスト名(=単機能プロセス名)Aで記述されており、そのホスト名Aに、当該PC21がどの様な処理Xを行うかが対応付けられて記述されている。つまり、処理Xは処理指示を行う情報となる。
【0030】
メッセージ格納部分36bには、NE用アダプタ27においてメッセージ情報18が格納されると共に、該当PC22〜25において、その格納されたメッセージ情報18が読み出され、処理された結果が格納される。
【0031】
NE用アダプタ27は、ネットワークエレメント12からメッセージ情報18を受信した際に、シナリオ管理サーバ31から、そのメッセージ情報18の種別に対応するシナリオデータ36を取得し、そのシナリオデータ36のメッセージ格納部分36bに、先に受信したメッセージ情報18を格納する。そして、その格納後にシナリオデータ36の全てを、XML(eXtensible Markup Language)形式に変換する。XMLとは、データをネットワーク経由で送受信するための言語であり、ユーザが独自のタグを指定できるメタ言語の一種である。
【0032】
つまり、XML形式のシナリオデータ36では、図3に示すように、メッセージ情報18が<Message>と</Message>の双方のタグの間に記述される。又、<scenario>と</scenario>の双方のタグの間にシナリオ制御の内容が記述される。
【0033】
ここで言うシナリオ制御とは、各PC22〜25がシナリオデータ36を持ち回って、その中に記述されたメッセージ情報18を処理し、この処理結果を登録/検索したり、処理結果をシナリオデータ36に格納して次のPCへ送信したりする制御である。又、シナリオデータ36は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)をもとに送受信される。
【0034】
更に、NE用アダプタ27は、シナリオ制御記述部分36aに順番に記述されている先頭のホスト名(この例ではA)を用いて、DNSサーバ33へホスト名AからIP(Internet Protocol)アドレスを求めるための名前解決の依頼を行うことによって、DNSサーバ33からIPアドレスを取得し、このIPアドレスのPC21へシナリオデータ36を送信する。
【0035】
又、NE用アダプタ27は、各PC21〜25からシナリオデータを受信した場合、このシナリオデータを解読し、シナリオデータ中のメッセージ情報の処理結果を抽出する。そして、シナリオデータに記載されたホスト名から、DNSサーバ33によってIPアドレスを取得し、通常のデータに変換した処理結果を、取得したIPアドレスに該当するネットワークエレメント12へ送信する。
【0036】
CL用アダプタ29は、警報管理用クライアント端末機14からDB登録警報情報を検索して取得するための警報取得要求情報14aを受信した際に、シナリオ管理サーバ31から、その警報取得要求情報14aに対応するシナリオデータ36を取得し、このシナリオデータ36のメッセージ格納部分36bに、先に受信した警報取得要求情報14aを格納する。この格納後にシナリオデータ36の全てを、XML形式に変換する。そして、シナリオ制御記述部分36aに順番に記述されている先頭のホスト名を用いて、DNSサーバ33へ名前解決の依頼を行い、ホスト名AからそのPCのIPアドレスを求め、このIPアドレスのPCへ、DB検索のためのシナリオが記述されたシナリオデータ36を送信する。
【0037】
同様に、CL用アダプタ29は、メッセージ管理用クライアント端末機16からDB登録メッセージ情報を取得するためのメッセージ取得要求情報16aを受信した際に、シナリオデータ36を取得してXML形式に変換した後に、IPアドレスを取得してPCへシナリオデータ36を送信する。
【0038】
又、CL用アダプタ29は、各PC21〜25からシナリオデータを受信した場合、このシナリオデータを解読し、シナリオデータ中のメッセージ情報の処理結果を抽出する。そして、シナリオデータに記載されたホスト名から、DNSサーバ33によってIPアドレスを取得し、通常のデータに変換した処理結果を、取得したIPアドレスに該当する端末機14、16へ送信する。
【0039】
各PC22〜25は、各々が予め定められた単機能プロセスを実行するためのアプリケーションプログラムを備える。第1のPC21は、警報の管理処理を実行するためのアプリケーションプログラムを備え、第2のPC22は、自装置に内蔵されたハードディスク等の記憶手段による警報DB(データベース)に警報情報の登録処理を行うと共に、その登録された警報情報の検索処理を実行するためのアプリケーションプログラムを備える。第3のPC23は、メッセージ情報の管理処理を実行するためのアプリケーションプログラムを備え、第4及び第5のPC24、25は何れも、自装置に内蔵されたメッセージDBにメッセージ情報の登録処理を行うと共に、その登録されたメッセージ情報の検索処理を実行するためのアプリケーションプログラムを備える。
【0040】
但し、第4及び第5のPC24、25は、何れも同じ処理を行うが、同一のメッセージ情報を並列に処理するのではなく、ここではメッセージ情報の量が多いことを想定しており、それを振り分けて処理を行うよう。この処理は、シナリオデータ36に記述される。
【0041】
又、各PC22〜25は、基本的には何れも同構成であり、図4に示すように、第1のPC21を代表して説明すると、基盤プログラム40aを有してネットワークに接続されたシナリオ制御部40と、アプリケーションプログラム42aを有するAP(アプリケーションプログラム)実行部42と、DB44とを備えて構成されている。但し、DB44は、第4及び第5のPC24、25のようにデータベース用として用いる場合には、記憶容量が増量されているものとする。
【0042】
シナリオ制御部40は、ネットワークを介して送信元PCからシナリオデータ36を受信し、基盤プログラム40aによって、そのシナリオデータ36のメッセージ格納部分36bに格納されているメッセージ情報18を読み出し、AP実行部42へ出力する。
【0043】
AP実行部42は、シナリオ制御記述部分36aの処理指示に応じて、アプリケーションプログラム42aによってメッセージ情報18を処理する。この処理では、所定の付加情報をメッセージ情報18に添付するなどの処理も行う。この処理結果をDB44に登録、又は登録された処理結果を検索し、この検索された処理結果又は登録前の処理結果をシナリオ制御部40へ出力する。
【0044】
又、シナリオ制御部40は、基盤プログラム40aによって、そのAP実行部42からの処理結果を、シナリオデータ36のメッセージ格納部分36bに格納する。そして、次の転送先を求めるために、シナリオ制御記述部分36aに記述された次の送信先のホスト名を用いて、DNSサーバ33へ名前解決を依頼し、IPアドレスを取得し、このIPアドレスのPC又はクライアント端末機14、16へシナリオデータ36を送信する。
【0045】
DNSサーバ33は、NE用アダプタ27、CL用アダプタ29及び各PC22〜25の何れかで実行されるホスト名による名前解決依頼によって、ホスト名に対応するIPアドレスを、アダプタ27、29及び各PC22〜25の何れかへ返信するものである。
【0046】
又、DNSサーバ33は、基本機能として、ホスト名に複数のIPアドレスを登録できるようになっているので、そのIPアドレスの読み出しをランダムに指定することも可能である。言い換えれば、同一のホスト名で異なるIPアドレスを取得することが可能である。
【0047】
そこで、第4及び第5のPC24、25のように、情報量の多いメッセージ情報18を振り分けて登録する場合に、第4及び第5のPC24、25のホスト名を同一としておき、DNSサーバ33には、そのホスト名に2つのIPアドレスを対応付けておく。そして、前段の第3のPC23で、そのホスト名を用いて名前解決を依頼し、最初に例えば第4のPC24のIPアドレスを取得し、次に同一のホスト名で名前解決を依頼することによって第5のPC25のIPアドレスを取得する。
【0048】
又、例えば第5のPC25が接続されていない状態において、第4のPC24のみでは対応しきれないためハード増設を行う場合は、次のように実施可能となっている。まず、新たなPC25を1台増設し、第4のPC24と同機能をインストールし、IPアドレスを付与して本分散処理システム10のネットワーク上に配置する。そして、DNSサーバ33に登録されているホスト名とIPアドレスとの一覧表に、新規PC25のIPアドレスを追加することにより、増設作業を完了する。
【0049】
次に、このような構成の移動通信網における分散処理システム10によって、移動通信網における設備管理処理の分散処理を行う場合の動作を、図5〜7を参照して説明する。
【0050】
まず、図6のステップS1において、図5に示すNE用アダプタ27は、ネットワークエレメント12から送信されたメッセージ情報18を受信する。この場合、ステップS2において、NE用アダプタ27は、シナリオ管理サーバ31から、その受信メッセージ情報18の種別に対応するシナリオデータを取得し、このシナリオデータのメッセージ格納部分に、先に受信したメッセージ情報18を格納する。
【0051】
そして、ステップS3において、NE用アダプタ27は、その格納後のシナリオデータのすべてを、XML形式に変換する。又、ステップS4において、NE用アダプタ27は、シナリオデータのシナリオ制御記述部分に順番に記述されている先頭のホスト名によって、DNSサーバ33へ名前解決の依頼を行う。これによって、DNSサーバ33からIPアドレスを取得する。
【0052】
ここで、ステップS5において、シナリオデータの記述が並列処理のための記述であれば、ステップS6において、並列処理に係わるホスト名によってDNSサーバ33からIPアドレスが取得される。ここでは、シナリオデータに、第1及び第3のPC21、23への並列処理のための記述が行われており、ステップS4、S5、S6の処理において、各PC21、23の各IPアドレスが取得されたものとする。又、並列処理のための記述で無い場合は、ステップS7へ進む。
【0053】
次に、ステップS7において、上記で取得された各IPアドレスの第1及び第3のPC21、23へ、図5に示すようにシナリオデータ36−1を送信する。そして、ステップS8において、各PC21、23は、シナリオデータ36−1に格納されたメッセージ情報18を処理する。
【0054】
即ち、第1のPC21は、警報管理処理を実行するマシンであるが、第1のPC21のシナリオ制御部40は、基盤プログラム40aによって、そのシナリオデータ36−1に格納されているメッセージ情報18の警報情報を、AP実行部42へ読み出す。AP実行部42は、アプリケーションプログラム42aによって、その警報情報を処理する。又、第3のPC23は、メッセージ管理処理を実行するマシンであるが、第3のPC23のシナリオ制御部40は、そのシナリオデータ36−1に格納されているメッセージ情報18の装置状態を表すメッセージ情報を、AP実行部42へ読み出す。AP実行部42は、そのメッセージ情報を処理する。
【0055】
ここで、各PC21、23が現在保持しているシナリオデータ36−1には、次の送信先ホスト名及び処理が記述されているものとする。
【0056】
次に、ステップS9において、各PCは登録するか否か判断する。例えば、第1のPC21は、DB44への処理結果の登録を行うように機能化されていないので、ステップS10へ進む。登録する場合は、ステップS11へ進み、PCのDBに処理結果が登録される。
【0057】
次に、ステップS10において、シナリオデータ36−1を送信するか否かを判断する。送信しない場合は、処理を終了し、送信する場合は、ステップS12へ進む。ステップS12において、第1のPC21のシナリオ制御部40は、上記の処理結果をシナリオデータ36−1に格納する。この格納後のシナリオデータを36−2とする。このシナリオデータ36−2には、自PC21の次に並列に送信する第2のPC22と警報管理用クライアント端末機14との双方のホスト名が記述されているものとする。
【0058】
従って、第1のPC21は、ステップS13において、そのシナリオデータ36−2に記述された一方の送信先のホスト名によって、DNSサーバ33からIPアドレスを取得する。更に、図7に示すステップS14において、並列処理か否か判断する。並列処理と判断された場合、ステップS15において、シナリオデータ36−2に記述された他方の送信先のホスト名によって、DNSサーバ33からIPアドレスを取得する。
【0059】
ステップS16において、上記の取得されたIPアドレスが警報管理用クライアント端末機14のものであると判断された場合、ステップS17において、CL用アダプタ29へシナリオデータ36−2が送信され、ここで解読によってシナリオデータ36−2中の警報情報の処理結果が抽出され、この警報情報の処理結果が上記取得されたIPアドレスの警報管理用クライアント端末機14へ送信される。そして、ステップS18において、警報情報の処理結果が警報管理用クライアント端末機14に画面表示される。
【0060】
一方、ステップS16において、上記の取得されたIPアドレスが第2のPC22のものであると判断された場合、ステップS19において、そのIPアドレスの第2のPC22へシナリオデータ36−2が送信される。このシナリオデータ36−2を受信した第2のPC22では、図6のステップS8において、シナリオデータ36−2に格納された処理結果が処理される。第2のPC22は、DB44に警報情報の登録処理を行うと共に、その登録された警報情報の検知処理を実行するマシンであるため、ステップS9にて登録と判断され、ステップS11において、シナリオ制御部40で、そのシナリオデータ36−2に格納されている処理結果の警報情報が、AP実行部42へ読み出されてDB44に登録される。
【0061】
ここで、第2のPC22は、上記のように登録及び検索処理を行うマシンなので、自PC22が現在保持しているシナリオデータ36−2には、次の送信先ホスト及び処理は記述されていない。従って、次のステップS10においては、シナリオデータ36−2は送信されないと判断され、処理終了となる。
【0062】
次に、前述のステップS8において、第1のPC21と並列にシナリオデータ36−1のメッセージ情報を処理した第3のPC23の動作について説明する。
【0063】
第3のPC23は、メッセージ情報の管理処理を実行するものであって、DB44への処理結果の登録を行うように機能化されていないので、ステップS9では、処理結果が登録されないと判断され、更に、ステップS10で、シナリオデータ36−1が送信されると判断される。
【0064】
これによって、第3のPC23では、ステップS12において、シナリオ制御部40で、上記の処理結果がシナリオデータ36−1に格納される。この格納後のシナリオデータを36−3とする。
【0065】
このシナリオデータ36−3には、自PC23の次に並列に送信するメッセージ管理用クライアント端末機16、第4のPC24及び第5のPC25の各ホスト名が記述されている。但し、第4及び第5のPC24、25のホスト名は同一のものが2つ記述されており、一方のホスト名に格納情報を2分割して一方をDB44に登録し、他方のホスト名に2分割された他方の格納情報を登録する処理指示が対応付けられて記述されている。
【0066】
又、DNSサーバ33には、上記同一のホスト名に、第4及び第5のPC24、25のIPアドレスが対応付けられているものとする。
【0067】
従って、第3のPC23では、まず、ステップS13において、そのシナリオデータ36−3に記述されたメッセージ管理用クライアント端末機16への送信先のホスト名によって、DNSサーバ33からIPアドレスが取得される。更に、図6に示すステップS14では並列処理と判断されるので、ステップS15において、シナリオデータ36−3に記述された第4のPC24への送信先のホスト名によって、DNSサーバ33からIPアドレスが取得され、更に、第5のPC25への送信先のホスト名によって、DNSサーバ33からIPアドレスが取得される。
【0068】
ステップS16において、上記の取得されたIPアドレスがメッセージ管理用クライアント端末機16のものであると判断された場合、ステップS17において、CL用アダプタ29へシナリオデータ36−3が送信される。ここで、解読によってシナリオデータ36−3中のメッセージ情報の処理結果が抽出され、このメッセージ情報の処理結果が上位取得されたIPアドレスのメッセージ管理用クライアント端末機16へ送信される。そして、ステップS18において、メッセージ情報の処理結果がメッセージ管理用クライアント端末機16に画面表示される。
【0069】
一方、ステップS16において、上記の取得された2つのIPアドレスが第4及び第5のPC24、25のものであると判断された場合、ステップS19において、それらのIPアドレスの第4及び第5のPC24、25へ、シナリオデータ36−3が送信される。
【0070】
このシナリオデータ36−3を受信した一方のPC24では、図6のステップS8において、シナリオデータ36−3に格納された処理結果が、シナリオ制御記述部分の処理指示に応じて処理される。ここでは、第4のPC24は、DB44に警報情報の登録処理を行うと共に、その登録された警報情報の検索処理を実行するマシンであるため、ステップS9において登録と判断され、ステップS11において、シナリオ制御部40で、シナリオデータ36−3のシナリオ制御記述部分の処理指示に応じて、格納処理結果の前半分の情報が、AP実行部42へ読み出されてDB44に登録される。
【0071】
又、第4のPC24は、上記のように登録及び検索処理を行うマシンなので、自PC24が現在保持しているシナリオデータ36−3には、次の送信先ホスト名及び処理は記述されていない。従って、次のステップS10においては、シナリオデータ36−3は送信されないと判断され、処理終了となる。
【0072】
同様に、シナリオデータ36−3を受信した他方のPC25においても、ステップS8、S9の処理を経て、ステップS11において、格納処理結果の後半分の情報がDB44に登録され、ステップS10においてシナリオデータ36−3は送信されないと判断され、処理終了となる。
【0073】
(ファイル更新方法)
次に、上述した分散処理システムを用いたファイル更新方法について、図8及び図9を参照して説明する。
【0074】
まず、図9のステップS101において、各PCに新AP実行部を追加する。具体的には、新AP部が記載されたファイルを各PCへコピーする。図8では、第1のPC21及び第3のPC23に新AP実行部52を追加している。
【0075】
次に、図9のステップS102において、ステップS101で追加した新AP実行部名に変更した、テキストベースの新シナリオデータを作成する。そして、ステップS103において、この新シナリオデータをシナリオ管理サーバ31へ登録する。シナリオは事前に一括で作成しておき、登録はデータベース機能により、瞬時に登録することが可能である。図8では、シナリオ管理サーバ31に保存されるシナリオが、旧シナリオデータから新シナリオデータへ変更されている。
【0076】
この状態でサービスが開始されると、ステップS104に示すように、新AP実行部によるサービスが行われる。そして、ステップS105において、正常に動作しているか否かを確認し、正常に動作している場合は、ステップS106において、旧AP実行部を削除する。正常に動作していない場合は、ステップS107において、シナリオ管理サーバ31に保持されている新シナリオデータを旧シナリオデータへ戻す。
【0077】
又、上記の方法は、監視対象のネットワークエレメント(NE)が一斉にバージョンアップした場合に有効であるが、数百台のNEを監視するなど、旧バージョンと新バージョンとが混在したNEを監視する必要が生じる場合がある。NEから受信する警報及びメッセージの中には、NEのバージョン情報を含んでいることから、この情報を利用し、NE用アダプタ27において、NEバージョンを呼び出すことにより、複数のシナリオデータから特定のバージョンのシナリオデータを使用してもよい。このファイル更新方法について、図10及び図11を参照して説明する。
【0078】
まず、図11のステップS201において、各PCに新AP実行部を追加する。具体的には、新AP部が記載されたファイルを各PCへコピーする。図10では、第1のPC21及び第3のPC23に新AP実行部52を追加している。
【0079】
次に、図11のステップS202において、ステップS201で追加した新AP実行部名に変更した、テキストベースのVer.2シナリオデータを作成する。そして、ステップS203において、Ver.2シナリオデータをシナリオ管理サーバ31へ登録する。シナリオ管理サーバ31には、既にVer.1シナリオデータが登録されており、図10に示すように、シナリオ管理サーバ31はVer.1とVer.2の2種類のシナリオデータを保持する。
【0080】
次に、図11のステップS204において、NEから警報あるいはメッセージを受信したNE用アダプタ27は、警報あるいはメッセージに含まれるNEのバージョン情報を読み出し、シナリオ管理サーバ31から、該当するバージョン情報のシナリオデータを呼び出す。
【0081】
図10では、NEのバージョンが1であるので、NE用アダプタ27は、Ver.1シナリオデータを呼び出し、各PCは、Ver.1シナリオデータの記述に従って、旧AP実行部52によって処理が行われる。尚、NEのバージョンが2である場合は、NE用アダプタ27は、Ver.2シナリオデータを呼び出し、各PCは、Ver.2シナリオデータの記述に従って、新AP実行部51によって処理が行われる。
【0082】
(作用及び効果)
上述した本実施形態において、新AP実行部52の追加は、単純にPCにファイルを登録(コピー)する作業のため、PCを停止する必要がなく、再起動を行う必要もない。よって業務を継続したまま、ファイル更新が必要なサーバに対して、新AP実行部52の追加を行うことができる。又、シナリオデータを変更、あるいは追加する際にも、シナリオ管理サーバ31を停止する必要がなく、再起動を行う必要もない。
【0083】
このため、本実施形態に係る分散処理システム及びファイル更新方法によると、サービスを中断することなく、ファイル更新作業を行うことができる。即ち、ファイル更新作業のサービス中断時間を最小限に抑えることができる。
【0084】
又、従来では、ファイル更新時に、ごく一部の機能の追加に対しても、プログラム全体としてのファイル化作業(再コンパイル)が必要であった。しかし、本実施形態では、ファイル更新はすべてのサーバに対して行われるのではなく、新規サービスが必要となるPCと、それに対応したシナリオデータの追加のみである。このように、局所的に対応すればよいため、一部の機能のファイル更新に対して、柔軟に対応することができる。
【0085】
又、新APに問題が生じて切り戻し作業(旧バージョンに戻す)が必要になった場合、従来のシステムでは、新APのアンインストール及び旧APのインストール作業が必要となり、この場合も新APインストール処理と同程度の時間を要する。しかし、本実施形態では、シナリオデータを旧バージョンに戻すことにより、瞬時に旧バージョンへの切り戻しを行うことができる。
【0086】
更に、図10及び図11に示すファイル更新方法では、旧バージョンに対応したファイル(Ver.1シナリオデータ)と新バージョンに対応したファイル(Ver.2シナリオデータ)を共に保持することにより、ネットワーク構成要素の要求に応じたシナリオデータに従って、処理を行うことができる。このため、複数のNEバージョンに対応した環境に適用可能である。
【0087】
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0088】
例えば、本実施形態において、移動通信網におけるネットワークエレメント(NE)12からの情報を処理する分散処理システムについて説明したが、この分散処理システムは、移動通信網に限られるわけではなく、その他のネットワークについても適用可能である。
【0089】
又、図9において、新AP実行部を追加(ステップS101)した後、新シナリオデータへ変更する(ステップS103)と説明したが、新シナリオデータへ変更した後、新AP実行部を追加してもよい。同様に、図11において、新AP実行部を追加(ステップS201)した後、Ver.2シナリオデータを追加する(ステップS203)と説明したが、Ver.2シナリオデータを追加した後、新AP実行部を追加してもよい。
【0090】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態に係るアーキテクチャを説明する概要図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る分散処理システムの構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るシナリオデータの一記述例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る分散処理システムのパーソナルコンピュータの構成ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る分散処理方法を説明するシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る分散処理方法を示すフローチャートである(その1)。
【図7】本発明の実施の形態に係る分散処理方法を示すフローチャートである(その2)。
【図8】本発明の実施の形態に係るファイル更新方法を説明するシーケンス図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るファイル更新方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係る他のファイル更新方法を説明するシーケンス図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る他のファイル更新方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
10…分散処理システム
12…ネットワークエレメント
14…警報管理用クライアント端末機
14a…警報取得要求情報
16…メッセージ管理用クライアント端末機
16a…メッセージ取得要求情報
18…メッセージ情報
21…第1のPC
22…第2のPC
23…第3のPC
24…第4のPC
25…第5のPC
27…NE用アダプタ
29…CL用アダプタ
31…シナリオ管理サーバ
33…DNSサーバ
36…シナリオデータ
36a…シナリオ制御記述部分
36b…メッセージ格納部分
40…シナリオ制御部
40a…基盤プログラム
42…AP実行部
42a…アプリケーションプログラム
44…DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ機能を有する処理装置をネットワークに複数接続し、各処理装置により被処理情報を分散処理する分散処理システムであって、
前記被処理情報を処理する際の前記処理装置の組み合わせ及び処理順番の指示が、前記処理装置の識別名を所定順番に組み合わせて記述されると共に、前記被処理情報の処理指示が前記識別名に対応付けられて記述された制御部分と、情報の格納部分とを含むシナリオデータを記憶するシナリオ管理サーバと、
前記処理装置の識別名と固有アドレスとが対応付けられ、前記識別名から前記固有アドレスを得る名前解決を行うDNSサーバと、
前記シナリオ管理サーバから前記シナリオデータを取得し、このシナリオデータの前記格納部分に前記被処理情報を格納し、前記制御部分に記述された識別名による前記DNSサーバへの名前解決依頼によって固有アドレスを取得し、この取得固有アドレスの処理装置へ前記被処理情報が格納されたシナリオデータを送信するアダプタとを備え、
前記処理装置は、前記アダプタから受信したシナリオデータの前記格納部分に格納された被処理情報を、当該シナリオデータの制御部分に記述された処理指示に従って処理する第1のアプリケーション実行部と、当該処理結果を前記格納部分に格納し、前記制御部分に次の送信先の識別名が記述されている場合に、その識別名による前記DNSサーバへの名前解決依頼によって固有アドレスを取得し、この取得固有アドレスの処理装置へ前記処理結果が格納されたシナリオデータを送信するシナリオ制御部とを有し、
当該分散処理システムに新規のアプリケーションを追加する場合、
前記シナリオ管理サーバは、当該新規のアプリケーションに対応した新たなシナリオデータを記憶し、
前記処理装置は、当該新規のアプリケーションに対応した、前記第1のアプリケーション実行部と同様の処理を行う第2のアプリケーション実行部を更に有することを特徴とする分散処理システム。
【請求項2】
前記新規のアプリケーションが正常に実行された場合は、前記処理装置における前記第1のアプリケーション実行部は削除され、前記新規のアプリケーションが正常に実行されなかった場合は、前記シナリオ管理サーバは、元のシナリオデータを記憶することを特徴とする請求項1に記載の分散処理システム。
【請求項3】
前記アダプタは、ネットワーク構成要素から受信したメッセージ情報に含まれるバージョン情報を読み出し、前記シナリオ管理サーバが記憶する複数のシナリオデータの中から、前記バージョン情報に対応するシナリオデータを取得することを特徴とする請求項1に記載の分散処理システム。
【請求項4】
コンピュータ機能を有する処理装置をネットワークに複数接続し、各処理装置により被処理情報を分散処理する分散処理システムにおいて新規のアプリケーションを追加するファイル更新方法であって、
前記被処理情報を処理する際の前記処理装置の組み合わせ及び処理順番の指示が、前記処理装置の識別名を所定順番に組み合わせて記述されると共に、前記被処理情報の処理指示が前記識別名に対応付けられて記述された制御部分と、情報の格納部分とを含むシナリオデータを記憶する第1のステップと、
前記第1のステップで記憶されたシナリオデータを取得する第2のステップと、
前記第2のステップで取得されたシナリオデータの前記格納部分に前記被処理情報を格納する第3のステップと、
前記処理装置の識別名と固有アドレスとが対応付けられ、前記識別名から前記固有アドレスを得る名前解決を行うDNSサーバから、前記制御部分に記述された識別名による名前解決依頼によって固有アドレスを取得する第4のステップと、
前記第4のステップで取得された固有アドレスの処理装置へ、前記第3のステップで被処理情報が格納されたシナリオデータを送信する第5のステップと、
前記第5のステップで送信されたシナリオデータを受信した処理装置が、当該シナリオデータの前記格納部分に格納された被処理情報を、当該シナリオデータの制御部分に記述された処理指示に従って処理する第6のステップと、
前記第6のステップにおける処理結果を前記シナリオデータの前記格納部分に格納する第7のステップと、
前記制御部分に次の送信先の識別名が記述されている場合に、その識別名による前記DNSサーバへの名前解決依頼によって固有アドレスを取得する第8のステップと、
前記第8のステップで取得された取得固有アドレスの処理装置へ、前記第7のステップ処理結果が格納されたシナリオデータを送信する第9のステップと、
新規のアプリケーションを追加する場合、当該新規のアプリケーションに対応した新たなシナリオデータを記憶する第10のステップとを含み、
前記第6のステップにおいて、前記処理装置は、前記新たなシナリオデータの前記格納部分に格納された被処理情報を、当該新たなシナリオデータの制御部分に記述された処理指示に従って処理することを特徴とするファイル更新方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−4017(P2006−4017A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177553(P2004−177553)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.Solaris
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】