分散型データベースシステム及びそれに用いられるプログラム
【課題】
開発保守作業等の費用を抑えたデータベースシステムを提供すること。
【解決手段】
メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、データ所有者用コンピュータは、基礎データ作成手段と、この基礎データに基づき交換データを作成する交換データ作成手段と、この交換データを電子メールに添付してデータ収集者用コンピュータへ送付する電子メール送受信手段と、を有し、データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信する電子メール送受信手段と、前記交換データ作成手段が作成した前記交換データに基づいて収集データを作成する収集データ作成手段と、を有するデータベースシステムとする。
開発保守作業等の費用を抑えたデータベースシステムを提供すること。
【解決手段】
メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、データ所有者用コンピュータは、基礎データ作成手段と、この基礎データに基づき交換データを作成する交換データ作成手段と、この交換データを電子メールに添付してデータ収集者用コンピュータへ送付する電子メール送受信手段と、を有し、データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信する電子メール送受信手段と、前記交換データ作成手段が作成した前記交換データに基づいて収集データを作成する収集データ作成手段と、を有するデータベースシステムとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを収集、管理、利用するデータベースシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、分散して存在するデータを収集、管理、利用する方法として、電子化されたデータをインターネット等の電気通信回線を介して収集する方法が考えられており、例えば下記非特許文献1、2には、データを収集、管理するデータベースと、インストールされたブラウザを介してこのデータの登録、編集、検索を行うことが可能なクライアント装置、を有するデータベースシステムに関する技術が記載されている。
【0003】
【非特許文献1】大西克彦、 “大阪大学における基礎データ収集のためのデータベース構築事例”、[online]、平成15年9月、大学評価 第3号、[平成16年11月検索]、インターネット<URL:http://svrrd2.niad.ac.jp/rue/n003/a00302.pdf>
【非特許文献2】大家隆弘、他3名、 “徳島大学における教職員データベース”、[online]、平成15年9月、大学評価 第3号、[平成16年11月検索]、インターネット<URL:http://svrrd2.niad.ac.jp/rue/n003/a00303.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献1、2に記載されたデータベースシステムでは、データサーバで一括してデータを収集、管理を行うものであるため、データベースシステムの開発に多額の費用を要し、またこのデータベースシステムの運用においてデータのチューニング等の保守作業が必要である一方、データサーバで一括してデータの収集、管理を行っているためこの保守作業に関しても多額の費用を要してしまうといった問題がある。
【0005】
以上本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、開発保守作業等の費用を抑えたデータベースシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、具体的には以下の手段を採用する。
【0007】
まず、第一の手段として、 メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、データ所有者用コンピュータは、基礎データ作成手段と、この基礎データに基づき交換データを作成する交換データ作成手段と、この交換データを電子メールに添付してデータ収集者用コンピュータへ送付する電子メール送受信手段と、を有し、データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信する電子メール送受信手段と、前記交換データ作成手段が作成した前記交換データに基づいて収集データを作成する収集データ作成手段と、を有するデータベースシステムとする。
【0008】
またこの手段において、データ所有者用コンピュータにおける基礎データ作成手段は、項目データと該項目データに対応したデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成し、データ所有者用コンピュータにおける交換データ作成手段は、項目データとこの項目データに対応したデータからなるデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成することとするのも望ましい。
【0009】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータにおける収集データ作成手段は、複数のデータ所有者コンピュータから電子メールに添付して送付された複数の交換データを結合して収集データを作成することも望ましい。
【0010】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータは、データ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段と、この電子メールアドレスに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択し、管理データとして作成するアドレス管理手段と、を有し、メール送受信手段は、アドレス管理手段が選択した電子メールアドレスに対しデータ所有者用コンピュータが作成する交換データの送信を要求する電子メールを送信することも望ましい。
【0011】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータは、メール送受信手段が受信した電子メールに添付された交換データを格納する交換データ抽出手段、を有し、データ収集者用コンピュータにおける収集データ作成手段は、交換データ抽出手段が格納した交換データに基づいて収集データを作成することも望ましい。
【0012】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータにおける収集データ作成手段は、交換データから収集データを作成した後、交換データを消去することも望ましい。
【0013】
またこの手段において、交換データはマークアップ言語を用いて作成されていることも望ましく、例えばXMLを用いるXML形式で作成されていることも望ましい。
【0014】
また、第二の手段として、項目データ及びこの項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成し、基礎データにおける複数のデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成し、この作成した交換データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するデータ送信方法とする。
【0015】
またこの手段において、交換データはマークアップ言語を用いて作成されることも望ましく、例えばXMLを用いるXML形式で作成されていることも望ましい。
【0016】
また、第三の手段として、複数のデータ所有者用コンピュータに対して交換データの送信を要求し、複数のデータ所有者用コンピュータが送信した複数の交換データを取得し、取得した複数の交換データを結合することによって収集データの作成を行うデータ収集方法とする。
【0017】
また、この手段において、前記交換データはXMLで作成されていることも望ましい。
【0018】
また、第四の手段として、コンピュータに、複数のデータ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段、データ所有者用コンピュータに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択するアドレス管理手段、アドレス管理手段により選択されたデータ所有者用コンピュータに対して交換データの送付を要求する電子メールを送信するメール送受信手段、データ所有者用コンピュータから送付された電子メールに添付された交換データを取得する交換データ抽出手段、交換データ抽出手段が抽出した交換データから収集データを作成する収集データ作成手段、として機能させるためのプログラムとする。
【0019】
またこの手段において、アドレス管理手段は、前記交換データの収集状況の確認も行うことも望ましい。
【0020】
またこの手段において、交換データ抽出手段は、収集データを作成した後、前記交換データを削除することも望ましい。
【0021】
また、第五の手段として、コンピュータに、項目データ及びこの項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成する基礎データ作成手段、この基礎データ作成手段により作成された基礎データにおける複数のデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成する交換データ作成手段、この交換データ作成手段が作成した交換データを電子メールに添付してデータ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段、として機能させるためのプログラムとする。
【0022】
また、第六の手段として、メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、データ所有者用コンピュータは、項目データとこの項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成する基礎データ作成手段と、この基礎データを電子メールに添付してデータ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段と、を有し、データ収集者用コンピュータは、データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信するメール送受信手段と、電子メールに添付された基礎データにおける項目データとこの項目データに対応したデータからなるデータの組のうちの一部を選択して収集データを作成する収集データ作成手段と、を有するデータベースシステムとする。
【0023】
なおこの手段において、データ収集者用コンピュータにおける収集データ作成手段は、複数のデータ所有者コンピュータから電子メールに添付して送付された複数の前記基礎データを結合して収集データを作成することものぞましい。
【0024】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータは、データ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段と、電子メールアドレスに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択し、管理データとして作成するアドレス管理手段と、を有し、メール送受信手段は、アドレス管理手段が選択した電子メールアドレスに対しデータ所有者用コンピュータが作成する基礎データの送信を要求する電子メールを送信することを有することも望ましい。またこの手段において、基礎データ作成手段は、予め定められた項目から選択すべき入力時に、別途用意された入力支援用外部ファイルを用いることも望ましく、データ所有者用コンピュータに対し、交換データの送付を要求する電子メールに、データ所有者を識別できるトークンを含ませ、データ所有者用コンピュータから送信する電子メールにそのトークンを含んで返信することで、データ所有者を識別するデータ所有者識別手段を有することも望ましい。
【0025】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータは、メール送受信手段が受信した電子メールに添付された交換データを格納する基礎データ抽出手段、を有し、収集データ作成手段は、前記基礎データ抽出手段が格納した基礎データに基づいて収集データを作成することも望ましい。
【0026】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記基礎データから前記収集データを作成した後、前記基礎データを消去することも望ましい。
【発明の効果】
【0027】
以上により、開発保守作業等の費用を抑えたデータベースシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
(実施形態1)
図1は本実施形態のデータベースシステム(以下「本データベースシステム」という)の概要を示す図である。
【0030】
図1に示されるデータベースシステム1は、データの収集、管理、利用を行うためのデータベースシステムであって、例えば、大学において投稿論文や研究成果等の業績データの収集等に用いることができる。
【0031】
図1に示すデータベースシステム1は、データ所有者用コンピュータ2、データ収集者用コンピュータ3、データ所有者用メールサーバ41、データ収集者用メールサーバ42、を備えて構成されている。
【0032】
データ所有者用メールサーバ41及びデータ収集者用メールサーバ42はネットワーク5に接続されており、データ所有者側コンピュータ2はデータ所有者用メールサーバ41に、データ収集者用コンピュータ3はデータ収集者用メールサーバ42に夫々接続されている。これによりデータ所有者用コンピュータ2とデータ収集者用コンピュータ3は電子メールの送受信が可能となっている。
【0033】
データ収集者用メールサーバ41及びデータ収集者用メールサーバ42はそれぞれ記録媒体を有しており、データ所有者用コンピュータ2、データ収集者用コンピュータ3から送信される電子メールを格納することができる。なお、本実施形態では説明を簡単にするため、データ所有者用コンピュータ2、データ収集者側コンピュータ3の各々には電子メールアドレスが一対一に対応して配布されているものとして説明する。
【0034】
データ所有者用コンピュータ2は、データベースシステム1において収集、利用されるデータ(以下「収集データ」という)の元となるデータ所有者個々の基礎的なデータ(以下「基礎データ」という)を所有するコンピュータである。データ所有者用コンピュータ2はハードディスク等の記録媒体を有しており、この記録媒体に基礎データを格納することができる。
【0035】
データ所有者用コンピュータ2の記録媒体には、上記の基礎データを作成するプログラム(以下、「基礎データ作成プログラム」という。)及び基礎データを変換して交換可能な所定の書式にするためのプログラム(以下「交換プログラム」という。)も格納されており、データ所有者用コンピュータ2は基礎データ作成プログラムを実行することで基礎データを作成する基礎データ作成手段、更には、交換プログラムを実行させることで交換可能な書式に変換された基礎データ(以下「交換データ」という。)を作成する交換データ作成手段を実現することができる。
【0036】
またデータ所有者用コンピュータ2は、接続したデータ所有者用メールサーバ41へ電子メールを送信する、及びデータ所有者用メールサーバ41からメールを受信するためのプログラム(以下単に「メール送受信プログラム」という。)も記録媒体に格納しており、これを実行させることで電子メールの送受信手段を実現する。データ所有者用メールサーバ41の記録媒体に格納された電子メールは、この電子メールに付された相手先の電子メールアドレスに基づいてその電子メールアドレスが接続するメールサーバに電子メールを送信する。本実施形態では、データ所有者用コンピュータ2は電子メールに交換データを添付することによりデータ所有者用コンピュータ3へ交換データを送信することができる。なお後述するが、同様にデータ収集者用コンピュータ3の記録媒体にもメール送受信プログラムが格納されており、これを実行することで電子メールの送受信が可能となっている。
【0037】
なお、本データベースシステム1はデータ所有者用コンピュータ2が格納する基礎データに基づいてデータを収集することを目的とするものであるため、データ所有者用コンピュータ2の数は1でも可能ではあるが、複数あることが極めて好ましい。また、データ所有者用コンピュータ2が複数ある場合において、複数のデータ所有者側コンピュータ2は同一のメールサーバに接続されていても良いし異なるメールサーバに接続されていてもよい。
【0038】
データ収集者用コンピュータ3は、収集データを作成するコンピュータであって、ハードディスク等の記録媒体を有しており、この記録媒体に収集データを格納することができる。
【0039】
データ収集者用コンピュータ3は、上記の交換データから必要な項目のデータを抽出、集計し、収集データを作成するプログラム(以下単に「収集プログラム」という。)を記録媒体に格納している。なお、これら記載からも分かるように、収集データは必要な項目のデータを抽出、集計するものであるため、交換データは項目データとその項目データに対応したデータからなる組を1以上有するデータであって、収集プログラムによる収集が可能な程度まで変換されたデータ構造となっている。
【0040】
データ収集者用コンピュータ3は、データ所有者側コンピュータ2と同様、電子メールを送受信するためのメール送受信プログラムも記録媒体に格納しており、これを実行することで電子メールをデータ所有者用メールサーバ41に送信し、結果、データ所有者用コンピュータ2とデータ収集者用コンピュータ3間の電子メールの送受信を可能とする。
【0041】
またデータ収集者用コンピュータ3の数は1でも可能ではあるが、収集データの作成を必要とする機会は多数存在しうるため、複数でももちろん可能であり、数に特段の制限は無い。また、データ収集者用コンピュータ3が複数ある場合において、複数のデータ収集者用コンピュータ3は同一のメールサーバに接続されていても良いし異なるメールサーバに接続されていてもよい。
【0042】
以上、本データベースシステム1によると、データ所有者用コンピュータ2が基礎データから交換データを作成してデータ所有者用メールサーバ41に送信し、データ所有者用メールサーバ41が交換データをデータ収集者用メールサーバ42にネットワーク5を介して転送し、データ収集者用メールサーバ42は更に交換データをデータ収集者用コンピュータ3に送信し、データ収集者用コンピュータ3はこれを記録媒体に格納するとともに交換データから収集データを作成することによって、従来必要としていたデータベースサーバを必要とせず、多額のコストを削減可能なデータベースシステムを実現することができる。また、本データベースシステムでは電子メールを介してデータの収集を行うことができるため、データ所有者、データ収集者それぞれに別途のID・パスワードの配布、管理が不要となるという利点がある。更に、従来のデータベースサーバでは、データ所有者用コンピュータはネットワークに接続されていない環境でデータの作成等を行うことができず、またネットワークに接続されデータの作成等を行う場合であってもデータベースサーバが定めた項目についてのデータしか作成することができなかったが、本データベースシステムではデータ所有者用コンピュータがネットワークに接続されていない場合であっても、基礎データの作成、交換データの作成を行うことができ、また交換データの作成という処理を経ることで、データ所有者が作成する基礎データの項目の自由度を広げることができる。
【0043】
なお本実施形態におけるネットワークとしては様々な態様が考えられ、インターネット、LAN等が好適であるが、電子メールを介してのデータの授受である限りにおいてこれらに限定されることは無い。
【0044】
次に本データベースシステムの詳細について更に詳細に説明する。
【0045】
本データベースシステム1におけるデータ所有者用コンピュータ2は、記録媒体を備えており、この記録媒体に格納されたプログラムを実行することで種々の処理を行うことができる。図2にデータ所有者用コンピュータ2の機能ブロック図を示す。
【0046】
図2に示す機能ブロック図を用いて表現するとデータ所有者用コンピュータ2は、基礎データ記録手段201、交換データ作成手段202、メール送受信手段203、を備えている。
【0047】
基礎データ作成手段201は、基礎データを作成、記録する手段であって、具体的には上述したとおり、記録媒体に格納されたプログラムを実行することで実現される。実行するプログラムについては種々用いることができ、例えば表計算を行うためのアプリケーションプログラム、データベースを作成するためのアプリケーションプログラム等様々なプログラムを利用することができる。より具体的には、例えばMicrosoft社のExcel(登録商標)やAccess(登録商標)を使用し、所定の入力フォームを作成しその入力フォームに必要事項を入力させることで項目データとその項目データに対応したデータの組を1以上有する基礎データを実現することができる。なお図3にこの例における入力フォームの表示例を示す。
【0048】
図3は、基礎データ作成手段201が作成し表示する入力フォームの表示例である。入力フォームはデータ所有者が氏名、性別、発表した論文、著書等の各項目について記載するためのものであって、この入力にもとづいて基礎データが作成される。基礎データは項目データとその項目に対応したデータの組を複数有する構成となっているが、そのそれぞれについて公開とするか非公開とするかを選択することによって項目データとこの項目データに対応するデータからなる複数のデータの組のうちの一部のデータの組のみを選択させることも有用である。例えば図3の例をとると、論文、著書の各備考欄に対し公開とするか非公開とするかの分類情報を付すことができる。これによりデータ所有者はデータを送信する前に公開するか否かについての制限を加えること、独自で整理しやすいようにコメントを付すこと等が可能となり、データサーバで一括管理する方法に比べて操作の自由度を向上させることができる。またデータ収集者側にとっても、備考などの余分なデータを受信することが殆ど無くなり、迅速にデータ収集を行うことが可能となる。
【0049】
なお、上記基礎データにおける項目データに付す分類情報には公開、非公開のいずれかを選択させるようにすることも簡便でよいが、例えばデータ所有者側が要求した場合にだけ選択が可能となるなどの選択を加えた三つの選択(公開、非公開、条件付非公開)とするように段階をつけた秘密レベルの分類情報とすること、また、項目データ等に対し分類情報を選択ではなく予め定めて付しておくことも望ましい。
【0050】
基礎データの保存形式はアプリケーションプログラム固有の形式で保存することができるが、交換データへの変換を考慮して交換データに近い形で保存することも可能であり、例えば一例として図4で示すようなマークアップ言語のXMLを用いた形式で基礎データを保存することができる。
【0051】
図4は図3の例における入力フォームの記載に基づいたXML形式のデータ構造を示すものである。図4では項目とその項目データに対応したデータが記載されており、例えば図3の例で非公開したものについては「private」と、公開としたものについては「public(若しくは無記載)」とするなど項目に秘密レベルの分類情報を付すことが可能となる。なお、性別や生年月日などの項目データは条件付非公開「confidential」となっている。
【0052】
交換データ作成手段202は、上記の基礎データ作成手段201が作成した基礎データに基づいて交換データを作成、記録するための手段であり、具体的には記録媒体に格納された上述の交換プログラムを実行することで実現される。具体的には、基礎データにおいて公開と選択されている項目データ及び項目データに対応するデータのみを抽出するプログラムによって実現することができる。一例として、図4で示した基礎データを基に交換プログラムを実行し交換データを作成した場合における交換データのデータ構造について図5に示す。図5では、上記した分類情報のうち「confidential」及び「private」の項目データを削除し、新たにそれ以外の項目データ及び項目データに対応するデータを交換データの構成要素として選択している。
【0053】
交換プログラムは基礎データを基に交換データを作成できる限りにおいて特段の制限は無いが、交換の容易性の観点から例えば、上述のMicrosoft社のExcel(登録商標)を使用した場合の例であれば、アプリケーションプログラムに付随して設けられているマクロを使用してマクロプログラムを作成し、記録媒体に格納させることによって交換データを作成する例等が考えられる。また、交換データとしては上述のとおり、項目データと項目データに対応したデータとの組を1以上有し、収集プログラムによる抽出が可能な程度まで変換されたデータである必要を考慮すると、XMLによって記述されたデータ形式を採用することが望ましい。なお、図5に図3で示した入力フォームへの入力事項をXML形式に直した交換データの記述例を示す。
【0054】
メール送受信手段203は、接続するデータ所有者用メールサーバ41に電子メールを送信する又はデータ所有者用メールサーバ41から電子メールを受信するための手段であって、具体的には記録媒体に格納されたメール送受信プログラムを実行することにより実現する。メール送受信プログラムは電子メールを送受信できる限りにおいて特段には制限が無く、独自のメール送受信プログラムを作成することはもちろんであるが、一般に市販されているメール送受信プログラムを使用することができる。また、上記のXMLによって記述された交換データを採用する場合、交換データを添付ファイルとして電子メールに添付してメールサーバ41に送信することで後述の収集プログラムによるデータの抽出、集計をより容易に実行させることが可能となる。
【0055】
以上により、データ所有者はデータ所有者用コンピュータ2を用いて基礎データ及び交換データを作成するため、自身の側で公開を望まないデータの流出を防ぐことができ、更には送信の必要が無いデータであっても基礎データに含ませることができ、データ所有者用コンピュータの管理における自由度を広げることができる。
【0056】
次に、図6にデータ収集者用コンピュータ3の機能ブロック図を示す。
【0057】
図6に示す機能ブロック図の表現を用いると、データ収集者用コンピュータ3は、電子メールアドレス記録手段301、アドレス管理手段302、メール送受信手段303、交換データ抽出手段、収集データ作成手段305、収集データ利用手段306、を備えて構成されている。
【0058】
電子メールアドレス記録手段301は、データ所有者用コンピュータ2の情報を記録する手段であって、具体的には、データ所有者用コンピュータ2全ての電子メールアドレス、その電子メールアドレスに対応するデータ所有者が所有する項目データの種類、等の各種データを記録媒体に格納し、読み込み可能とすることによって実現することができる。また、この電子メールアドレス等の各種データの作成、修正を行うプログラムも必要であり、このプログラムを格納し実行する場合も電子メールアドレス記録手段301の実現に含まれる。
【0059】
データ収集者用コンピュータ3は、全てのデータ所有者用コンピュータ2を選択して電子メールを送ることもできるが、所有する項目データの種類等を考慮し、収集したいデータを所有しているデータ所有者用コンピュータの一部又は全部を選択し電子メールを送ることも望ましい。このようにすることでデータ収集者用コンピュータ側では不要な手続きを省略し負担を軽くすることができるし、データ所有者用コンピュータ2側にも不必要な操作をさせずにすむ。データ所有者用コンピュータ2に送付される電子メールには、データ所有者側コンピュータ2が作成する交換データの送付要求が付される。
【0060】
上記電子メールアドレスの選択処理は、具体的にはアドレス管理手段302が行う。アドレス管理手段302は、電子メール記録手段301が格納する電子メールアドレス等のデータから一部の電子メールアドレスを選択し、この選択した電子メールアドレスを有するデータ所有者側コンピュータ2に電子メールを送付するようメール送受信手段303に指示を行うためのプログラムを実行することにより実現する。なお、電子メールアドレスを選択する処理は、データ収集者用コンピュータ3を操作するデータ収集者からの入力を受け付けて実行することも当然によく、選択された電子メールアドレス等については管理データとして作成、格納することにより実現される。
【0061】
メール送受信手段303は、記録媒体に格納されたメール送受信プログラムを実行することによって実現することができる。メール送受信手段303は、アドレス管理手段302が選択した電子メールアドレスへ電子メールを送信し、データ所有者側コンピュータ2が電子メールを返信してきた場合はその電子メールを受信するプログラムを実行することにより実現できる。もちろん上述と同様、メール送受信プログラムはメールを送受信できる限りにおいて特段には制限が無く、独自のメール送受信プログラムを作成することはもちろん、一般に市販されているメール送受信プログラムを使用することができる。
【0062】
またアドレス管理手段302は、選択し電子メールを送付したデータ所有者用コンピュータのうちのどのデータ所有者用コンピュータからデータの送付があったかについての確認作業も行う。この作業は上記で作成した管理データとデータ収集者用メールサーバ42に送信された電子メールの電子メールアドレスとを比較参照するプログラムを実行することにより実現することができる。
【0063】
交換データ抽出手段304は、データ所有者用コンピュータ2より送付された交換データをデータ収集者用メールサーバ42から抽出してデータ収集者用コンピュータ3の記録媒体に格納するための手段であって、このように動作するプログラム格納、実行することにより実現することができる。なおデータ収集者用メールサーバ42から交換データを抽出した後は、データ収集者用メールサーバ42から電子メールを削除させるよう指示を出すことも機密を保持する上で非常に有用である。
【0064】
また、交換データの抽出において、選択したコンピュータではないデータ所有者側コンピュータから電子メールが送信される場合、選択したコンピュータからの電子メールであっても交換データが添付されていない等の問題が生ずると考えられるため、選択したコンピュータ以外のコンピュータから送付された電子メールは処理対象としない、選択したコンピュータから送付された電子メールであっても交換データが添付されていない場合にはエラーメッセージを添付した電子メールを返信する、ようにすることも有用である。この処理は、アドレス管理手段302が作成した管理データを参照することで収集の状況を確認しながら行うことが望ましい。
【0065】
収集データ作成手段305は、選択したデータ所有者用コンピュータから返信された電子メールに添付される交換データを基に収集データを作成、記録するための手段であって、より具体的には、交換データ抽出プログラムが格納した交換データから項目データ毎のデータを収集するプログラムを実行することにより実現できる。
【0066】
例えば図3〜5で示したようなXML形式の交換データ例で説明すると、収集データ作成手段は、電子メールに添付された交換データから必要とされる項目データ及びその項目データに対応したデータを抽出する作業を、返信された複数の交換データに対し行い、一つのXMLファイルに結合することにより実現できる。図7に図3〜図6で示した例における収集データの構造の例を示す。図7に示されるように、収集データは、格納された複数の交換データから必要な項目データ及びそれに対応するデータを順次格納して一つに結合する(図7の例では山田花子と鈴木一郎のデータを結合した部分を示す)。
【0067】
また収集データ作成手段305は、収集データを作成した後、収集した交換データを消去させる機能を備えさせることも有用である。これにより、データ所有者用コンピュータのみがデータを保有することによりデータの漏洩防止や機密の保持、複数のデータが混在することによるファイル取扱いの煩雑さの防止を実現できる。
【0068】
また収集データ作成手段305は、選択したデータ所有者用コンピュータからの返信が全て到着した後に作業を開始させることも可能ではあるが、実際には返信が100%到達してから作業を行うこととすると、100%の返信がなければ作業を開始することができないこと、100%到達してから作業を開始すると返信待ちの時間を有効に使うことがでいないことから、データ収集者用メールサーバ42に選択したデータ所有者用コンピュータからの返信があり次第順次交換データの抽出、格納、収集データの作成、格納を行うようにすることは極めて望ましい。なおこの場合において、収集状況を確認するためにアドレス管理手段の作成する管理データを適宜参照することも有用である。
【0069】
収集データ作成手段305により作成された収集データは、収集データ利用手段306
により利用される。収集データ利用手段306は、記録媒体に格納された収集データに対し交換や加工を施すプログラムが実行されることにより実現される。例えば、収集した業績データをホームページに掲載したいような場合は、データ項目とそれに対応するデータとを表示するようプログラムを組むことで実現することができる。特に図3〜5、図7で示すようなXML形式の場合は非常に簡便に利用することができるようになる。
【0070】
以上述べたとおり、本データベースシステムの動作は明らかとなったが、図8に本データベースシステムによる処理の概略フローを示す。本フローについて説明する。まずデータ所有者用コンピュータ2は、基礎データ作成を行い、更にそれに基づいて交換データ作成を行う。一方、データ収集者用コンピュータ3は、交換データの送信をデータ所有者用コンピュータ2に対して行う。データ所有者用コンピュータ2はこの交換データの送信要求に基づき、作成した交換データを電子メールに添付して送信し、メールサーバ(データ所有者用メールサーバ41及びデータ収集者用メールサーバ42)はこの電子メールを格納する。データ収集者用コンピュータ3は、このメールサーバが格納した電子メールに添付された交換データの取得を行い、交換データ抽出手段により交換データに不備があるか否かを確認する。ここで、交換データに不備がある場合はデータ所有者用コンピュータ2にデータ修正の依頼を行い、不備が無い場合は収集データ作成手段により収集データ作成を行うこととなる。
【0071】
以上により、本データベースシステムは、各データを分散して配置することで従来必要としていたデータベースサーバを必要とせず、多額のコストを削減可能なデータベースシステムを実現することができる。また、本データベースシステムでは電子メールを介してデータの収集を行うことができるため、データ所有者、データ収集者それぞれに別途のID・パスワードの配布、管理が不要となるという利点がある。更に、従来のデータベースサーバでは、データ所有者用コンピュータはネットワークに接続されていない環境でデータの作成等を行うことができず、またネットワークに接続されデータの作成等を行う場合であってもデータベースサーバが定めた項目についてのデータしか作成することができなかったが、本ベースシステムではデータ所有者用コンピュータがネットワークに接続されていない場合であっても、基礎データの作成、交換データの作成を行うことができ、また交換データの作成という処理を経ることで、データ所有者が作成する基礎データの項目の自由度を広げることができる。なお、このデータベースは大学における成果などの管理のほか多目的に利用できる。
【0072】
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1とほぼ同様の構成であるが、データ所有者用コンピュータ2における交換データ作成手段がデータ収集者側コンピュータ3に配置されている点が実施形態1と異なる。
【0073】
即ち図9にあるようにデータ所有者側コンピュータ2は、基礎データ作成手段211と、この基礎データ作成手段が作成した基礎データを電子メールに添付して送信する電子メール送受信手段212とを有しており、図10にあるようにデータ収集者側コンピュータ3は、データ所有者側コンピュータの電子メールアドレス全てを記録する電子メールアドレス記録手段311と、電子メールアドレス記録手段311が記録した電子メールアドレスのうち一部のデータ所有者側コンピュータの電子メールアドレスを選択するアドレス管理手段312と、アドレス管理手段が選択したデータ所有者用コンピュータ2の電子メールアドレスに基礎データの送付を要求する電子メールを送信し、基礎データが添付されて送付された電子メールを受信するメール送受信手段313と、この基礎データを抽出して格納する基礎データ抽出手段314と、この基礎データから交換データを作成する交換データ作成手段315と、この交換データ作成手段315が作成した交換データから必要な部分のみ抽出して結合し、収集データを作成する収集データ作成手段316と、この収集データを利用する収集データ利用手段317と、を有して構成されている。
【0074】
本実施形態においては、基礎データを作成した後、その基礎データを電子メールに添付して送付し、データ収集者側で基礎データから交換データを作成してそのうち必要な項目のみを抽出、結合する。本実施形態では、データ所有者用コンピュータ2が作成した基礎データをそのまま転送するため、基礎データのうち公開したくないデータが含まれている場合であってもデータ収集者用コンピュータ3に送付されてしまうという場合もあるが、データ所有者側の操作の負担を軽減することができる利点がり、また、実施形態1と同様、各データを分散して配置することで従来必要としていたデータベースサーバを必要とせず、多額のコストを削減可能なデータベースシステムを実現することができ、特にデータ所有者側の手間を省くことができる。
【0075】
(実施形態3)
本実施形態は実施形態2とほぼ同様の構成であるが、データ所有者識別手段が追加されている点が実施形態2と異なる。
【0076】
即ち、図11にあるようにデータ所有者用コンピュータ3は、データ所有者用コンピュータの電子メールアドレス全てを記録する電子メールアドレス記録手段321と、電子メールアドレス記録手段が記録した電子メールアドレスのうち一部のデータ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを選択するアドレス管理手段322と、アドレス管理手段が選択したデータ所有者用コンピュータの電子メールアドレスにデータ所有者を識別できるトークンを付して基礎データの送付を要求する電子メールを送信し、基礎データとそのトークンが添付されて送付された電子メールを受信するメール送受信手段323と、受信したメールに含まれるトークンによりデータ所有者を識別しアドレス管理手段322により受信を記録するデータ所有者識別手段328と、送付された電子メールから基礎データを抽出する基礎データ抽出手段324と、この基礎データから交換データを作成する交換データ作成手段325と、この交換データから必要な部分のみ抽出して結合し、収集データを作成する収集データ作成手段326と、この収集データを利用する収集データ利用手段327と、を有して構成されている。これにより、データ所有者本人の認証を行うことができるようになる。なおデータ所有者用コンピュータの構成は図9と同様である。また、本実施形態は実施形態2にデータ所有者識別手段328を加えた点が異なっているが、実施形態1に対しても同様な追加を行うことができる。
【0077】
(実施形態4)
本実施形態は実施形態1とほぼ同様の構成であるが、メール送受信手段でS/MIMEによる暗号化を用いる点が実施形態1と異なる。図2におけるメール送受信手段203により交換データをメール送信するとき、S/MIMEを利用して交換データを暗号化して送信し、図6におけるメール送受信手段303によりメール受信するとき復号する点が異なる。本実施形態では、交換データが暗号化され、安全にメール送受信でき、その結果データの漏洩を防止できる利点がある。また、S/MIMEは公開鍵暗号方式を利用しているため、管理の必要な鍵の数を少なく抑えることができる利点がある。本実施形態は実施形態1のメール送受信手段でS/MIMEを利用する点が異なっているが、実施形態2、実施形態3に対しても同様の変更を行うことができる。即ち、図9の電子メール送受信手段212でS/MIMEを利用した暗号化を行い、図10のメール送受信手段313、図11のメール送受信手段323で復号を行う構成である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施形態1に係るデータベースシステムの全体概要図
【図2】データ所有者用コンピュータにおける機能ブロック図。
【図3】基礎データ入力画面の例を示す図。
【図4】図3に基づく基礎データをXMLデータにした場合の例を示す図。
【図5】図3に基づく基礎データを交換データに変換した場合の例を示す図。
【図6】データ収集者用コンピュータにおける機能ブロック図。
【図7】図4に基づく交換データから収集データを作成した場合の例を示す図。
【図8】実施形態1に係るデータベースシステムによる処理のフロー図。
【図9】実施形態2に係るデータベースシステムにおけるデータ所有者側コンピュータの機能ブロック図。
【図10】実施形態2に係るデータベースシステムにおけるデータ収集者側コンピュータの機能ブロック図。
【図11】実施形態3に係るデータベースシステムにおけるデータ収集者側コンピュータの機能ブロック図。
【符号の説明】
【0079】
1‥データベースシステム、2…データ所有者用コンピュータ、201、211…基礎データ作成手段、202、315、325…交換データ作成手段、203、212…電子メール送受信手段、3‥データ収集者用コンピュータ、301、311…電子メールアドレス記録手段、302、312…アドレス管理手段、303、313…電子メール送受信手段、304…交換データ抽出手段、314、324…基礎データ抽出手段、305、316、326…収集データ作成手段、306、317、327…収集データ利用手段、41‥データ所有者用メールサーバ、42…データ収集者用メールサーバ、5…ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを収集、管理、利用するデータベースシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、分散して存在するデータを収集、管理、利用する方法として、電子化されたデータをインターネット等の電気通信回線を介して収集する方法が考えられており、例えば下記非特許文献1、2には、データを収集、管理するデータベースと、インストールされたブラウザを介してこのデータの登録、編集、検索を行うことが可能なクライアント装置、を有するデータベースシステムに関する技術が記載されている。
【0003】
【非特許文献1】大西克彦、 “大阪大学における基礎データ収集のためのデータベース構築事例”、[online]、平成15年9月、大学評価 第3号、[平成16年11月検索]、インターネット<URL:http://svrrd2.niad.ac.jp/rue/n003/a00302.pdf>
【非特許文献2】大家隆弘、他3名、 “徳島大学における教職員データベース”、[online]、平成15年9月、大学評価 第3号、[平成16年11月検索]、インターネット<URL:http://svrrd2.niad.ac.jp/rue/n003/a00303.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献1、2に記載されたデータベースシステムでは、データサーバで一括してデータを収集、管理を行うものであるため、データベースシステムの開発に多額の費用を要し、またこのデータベースシステムの運用においてデータのチューニング等の保守作業が必要である一方、データサーバで一括してデータの収集、管理を行っているためこの保守作業に関しても多額の費用を要してしまうといった問題がある。
【0005】
以上本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、開発保守作業等の費用を抑えたデータベースシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、具体的には以下の手段を採用する。
【0007】
まず、第一の手段として、 メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、データ所有者用コンピュータは、基礎データ作成手段と、この基礎データに基づき交換データを作成する交換データ作成手段と、この交換データを電子メールに添付してデータ収集者用コンピュータへ送付する電子メール送受信手段と、を有し、データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信する電子メール送受信手段と、前記交換データ作成手段が作成した前記交換データに基づいて収集データを作成する収集データ作成手段と、を有するデータベースシステムとする。
【0008】
またこの手段において、データ所有者用コンピュータにおける基礎データ作成手段は、項目データと該項目データに対応したデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成し、データ所有者用コンピュータにおける交換データ作成手段は、項目データとこの項目データに対応したデータからなるデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成することとするのも望ましい。
【0009】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータにおける収集データ作成手段は、複数のデータ所有者コンピュータから電子メールに添付して送付された複数の交換データを結合して収集データを作成することも望ましい。
【0010】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータは、データ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段と、この電子メールアドレスに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択し、管理データとして作成するアドレス管理手段と、を有し、メール送受信手段は、アドレス管理手段が選択した電子メールアドレスに対しデータ所有者用コンピュータが作成する交換データの送信を要求する電子メールを送信することも望ましい。
【0011】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータは、メール送受信手段が受信した電子メールに添付された交換データを格納する交換データ抽出手段、を有し、データ収集者用コンピュータにおける収集データ作成手段は、交換データ抽出手段が格納した交換データに基づいて収集データを作成することも望ましい。
【0012】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータにおける収集データ作成手段は、交換データから収集データを作成した後、交換データを消去することも望ましい。
【0013】
またこの手段において、交換データはマークアップ言語を用いて作成されていることも望ましく、例えばXMLを用いるXML形式で作成されていることも望ましい。
【0014】
また、第二の手段として、項目データ及びこの項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成し、基礎データにおける複数のデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成し、この作成した交換データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するデータ送信方法とする。
【0015】
またこの手段において、交換データはマークアップ言語を用いて作成されることも望ましく、例えばXMLを用いるXML形式で作成されていることも望ましい。
【0016】
また、第三の手段として、複数のデータ所有者用コンピュータに対して交換データの送信を要求し、複数のデータ所有者用コンピュータが送信した複数の交換データを取得し、取得した複数の交換データを結合することによって収集データの作成を行うデータ収集方法とする。
【0017】
また、この手段において、前記交換データはXMLで作成されていることも望ましい。
【0018】
また、第四の手段として、コンピュータに、複数のデータ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段、データ所有者用コンピュータに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択するアドレス管理手段、アドレス管理手段により選択されたデータ所有者用コンピュータに対して交換データの送付を要求する電子メールを送信するメール送受信手段、データ所有者用コンピュータから送付された電子メールに添付された交換データを取得する交換データ抽出手段、交換データ抽出手段が抽出した交換データから収集データを作成する収集データ作成手段、として機能させるためのプログラムとする。
【0019】
またこの手段において、アドレス管理手段は、前記交換データの収集状況の確認も行うことも望ましい。
【0020】
またこの手段において、交換データ抽出手段は、収集データを作成した後、前記交換データを削除することも望ましい。
【0021】
また、第五の手段として、コンピュータに、項目データ及びこの項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成する基礎データ作成手段、この基礎データ作成手段により作成された基礎データにおける複数のデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成する交換データ作成手段、この交換データ作成手段が作成した交換データを電子メールに添付してデータ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段、として機能させるためのプログラムとする。
【0022】
また、第六の手段として、メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、データ所有者用コンピュータは、項目データとこの項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成する基礎データ作成手段と、この基礎データを電子メールに添付してデータ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段と、を有し、データ収集者用コンピュータは、データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信するメール送受信手段と、電子メールに添付された基礎データにおける項目データとこの項目データに対応したデータからなるデータの組のうちの一部を選択して収集データを作成する収集データ作成手段と、を有するデータベースシステムとする。
【0023】
なおこの手段において、データ収集者用コンピュータにおける収集データ作成手段は、複数のデータ所有者コンピュータから電子メールに添付して送付された複数の前記基礎データを結合して収集データを作成することものぞましい。
【0024】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータは、データ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段と、電子メールアドレスに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択し、管理データとして作成するアドレス管理手段と、を有し、メール送受信手段は、アドレス管理手段が選択した電子メールアドレスに対しデータ所有者用コンピュータが作成する基礎データの送信を要求する電子メールを送信することを有することも望ましい。またこの手段において、基礎データ作成手段は、予め定められた項目から選択すべき入力時に、別途用意された入力支援用外部ファイルを用いることも望ましく、データ所有者用コンピュータに対し、交換データの送付を要求する電子メールに、データ所有者を識別できるトークンを含ませ、データ所有者用コンピュータから送信する電子メールにそのトークンを含んで返信することで、データ所有者を識別するデータ所有者識別手段を有することも望ましい。
【0025】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータは、メール送受信手段が受信した電子メールに添付された交換データを格納する基礎データ抽出手段、を有し、収集データ作成手段は、前記基礎データ抽出手段が格納した基礎データに基づいて収集データを作成することも望ましい。
【0026】
またこの手段において、データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記基礎データから前記収集データを作成した後、前記基礎データを消去することも望ましい。
【発明の効果】
【0027】
以上により、開発保守作業等の費用を抑えたデータベースシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
(実施形態1)
図1は本実施形態のデータベースシステム(以下「本データベースシステム」という)の概要を示す図である。
【0030】
図1に示されるデータベースシステム1は、データの収集、管理、利用を行うためのデータベースシステムであって、例えば、大学において投稿論文や研究成果等の業績データの収集等に用いることができる。
【0031】
図1に示すデータベースシステム1は、データ所有者用コンピュータ2、データ収集者用コンピュータ3、データ所有者用メールサーバ41、データ収集者用メールサーバ42、を備えて構成されている。
【0032】
データ所有者用メールサーバ41及びデータ収集者用メールサーバ42はネットワーク5に接続されており、データ所有者側コンピュータ2はデータ所有者用メールサーバ41に、データ収集者用コンピュータ3はデータ収集者用メールサーバ42に夫々接続されている。これによりデータ所有者用コンピュータ2とデータ収集者用コンピュータ3は電子メールの送受信が可能となっている。
【0033】
データ収集者用メールサーバ41及びデータ収集者用メールサーバ42はそれぞれ記録媒体を有しており、データ所有者用コンピュータ2、データ収集者用コンピュータ3から送信される電子メールを格納することができる。なお、本実施形態では説明を簡単にするため、データ所有者用コンピュータ2、データ収集者側コンピュータ3の各々には電子メールアドレスが一対一に対応して配布されているものとして説明する。
【0034】
データ所有者用コンピュータ2は、データベースシステム1において収集、利用されるデータ(以下「収集データ」という)の元となるデータ所有者個々の基礎的なデータ(以下「基礎データ」という)を所有するコンピュータである。データ所有者用コンピュータ2はハードディスク等の記録媒体を有しており、この記録媒体に基礎データを格納することができる。
【0035】
データ所有者用コンピュータ2の記録媒体には、上記の基礎データを作成するプログラム(以下、「基礎データ作成プログラム」という。)及び基礎データを変換して交換可能な所定の書式にするためのプログラム(以下「交換プログラム」という。)も格納されており、データ所有者用コンピュータ2は基礎データ作成プログラムを実行することで基礎データを作成する基礎データ作成手段、更には、交換プログラムを実行させることで交換可能な書式に変換された基礎データ(以下「交換データ」という。)を作成する交換データ作成手段を実現することができる。
【0036】
またデータ所有者用コンピュータ2は、接続したデータ所有者用メールサーバ41へ電子メールを送信する、及びデータ所有者用メールサーバ41からメールを受信するためのプログラム(以下単に「メール送受信プログラム」という。)も記録媒体に格納しており、これを実行させることで電子メールの送受信手段を実現する。データ所有者用メールサーバ41の記録媒体に格納された電子メールは、この電子メールに付された相手先の電子メールアドレスに基づいてその電子メールアドレスが接続するメールサーバに電子メールを送信する。本実施形態では、データ所有者用コンピュータ2は電子メールに交換データを添付することによりデータ所有者用コンピュータ3へ交換データを送信することができる。なお後述するが、同様にデータ収集者用コンピュータ3の記録媒体にもメール送受信プログラムが格納されており、これを実行することで電子メールの送受信が可能となっている。
【0037】
なお、本データベースシステム1はデータ所有者用コンピュータ2が格納する基礎データに基づいてデータを収集することを目的とするものであるため、データ所有者用コンピュータ2の数は1でも可能ではあるが、複数あることが極めて好ましい。また、データ所有者用コンピュータ2が複数ある場合において、複数のデータ所有者側コンピュータ2は同一のメールサーバに接続されていても良いし異なるメールサーバに接続されていてもよい。
【0038】
データ収集者用コンピュータ3は、収集データを作成するコンピュータであって、ハードディスク等の記録媒体を有しており、この記録媒体に収集データを格納することができる。
【0039】
データ収集者用コンピュータ3は、上記の交換データから必要な項目のデータを抽出、集計し、収集データを作成するプログラム(以下単に「収集プログラム」という。)を記録媒体に格納している。なお、これら記載からも分かるように、収集データは必要な項目のデータを抽出、集計するものであるため、交換データは項目データとその項目データに対応したデータからなる組を1以上有するデータであって、収集プログラムによる収集が可能な程度まで変換されたデータ構造となっている。
【0040】
データ収集者用コンピュータ3は、データ所有者側コンピュータ2と同様、電子メールを送受信するためのメール送受信プログラムも記録媒体に格納しており、これを実行することで電子メールをデータ所有者用メールサーバ41に送信し、結果、データ所有者用コンピュータ2とデータ収集者用コンピュータ3間の電子メールの送受信を可能とする。
【0041】
またデータ収集者用コンピュータ3の数は1でも可能ではあるが、収集データの作成を必要とする機会は多数存在しうるため、複数でももちろん可能であり、数に特段の制限は無い。また、データ収集者用コンピュータ3が複数ある場合において、複数のデータ収集者用コンピュータ3は同一のメールサーバに接続されていても良いし異なるメールサーバに接続されていてもよい。
【0042】
以上、本データベースシステム1によると、データ所有者用コンピュータ2が基礎データから交換データを作成してデータ所有者用メールサーバ41に送信し、データ所有者用メールサーバ41が交換データをデータ収集者用メールサーバ42にネットワーク5を介して転送し、データ収集者用メールサーバ42は更に交換データをデータ収集者用コンピュータ3に送信し、データ収集者用コンピュータ3はこれを記録媒体に格納するとともに交換データから収集データを作成することによって、従来必要としていたデータベースサーバを必要とせず、多額のコストを削減可能なデータベースシステムを実現することができる。また、本データベースシステムでは電子メールを介してデータの収集を行うことができるため、データ所有者、データ収集者それぞれに別途のID・パスワードの配布、管理が不要となるという利点がある。更に、従来のデータベースサーバでは、データ所有者用コンピュータはネットワークに接続されていない環境でデータの作成等を行うことができず、またネットワークに接続されデータの作成等を行う場合であってもデータベースサーバが定めた項目についてのデータしか作成することができなかったが、本データベースシステムではデータ所有者用コンピュータがネットワークに接続されていない場合であっても、基礎データの作成、交換データの作成を行うことができ、また交換データの作成という処理を経ることで、データ所有者が作成する基礎データの項目の自由度を広げることができる。
【0043】
なお本実施形態におけるネットワークとしては様々な態様が考えられ、インターネット、LAN等が好適であるが、電子メールを介してのデータの授受である限りにおいてこれらに限定されることは無い。
【0044】
次に本データベースシステムの詳細について更に詳細に説明する。
【0045】
本データベースシステム1におけるデータ所有者用コンピュータ2は、記録媒体を備えており、この記録媒体に格納されたプログラムを実行することで種々の処理を行うことができる。図2にデータ所有者用コンピュータ2の機能ブロック図を示す。
【0046】
図2に示す機能ブロック図を用いて表現するとデータ所有者用コンピュータ2は、基礎データ記録手段201、交換データ作成手段202、メール送受信手段203、を備えている。
【0047】
基礎データ作成手段201は、基礎データを作成、記録する手段であって、具体的には上述したとおり、記録媒体に格納されたプログラムを実行することで実現される。実行するプログラムについては種々用いることができ、例えば表計算を行うためのアプリケーションプログラム、データベースを作成するためのアプリケーションプログラム等様々なプログラムを利用することができる。より具体的には、例えばMicrosoft社のExcel(登録商標)やAccess(登録商標)を使用し、所定の入力フォームを作成しその入力フォームに必要事項を入力させることで項目データとその項目データに対応したデータの組を1以上有する基礎データを実現することができる。なお図3にこの例における入力フォームの表示例を示す。
【0048】
図3は、基礎データ作成手段201が作成し表示する入力フォームの表示例である。入力フォームはデータ所有者が氏名、性別、発表した論文、著書等の各項目について記載するためのものであって、この入力にもとづいて基礎データが作成される。基礎データは項目データとその項目に対応したデータの組を複数有する構成となっているが、そのそれぞれについて公開とするか非公開とするかを選択することによって項目データとこの項目データに対応するデータからなる複数のデータの組のうちの一部のデータの組のみを選択させることも有用である。例えば図3の例をとると、論文、著書の各備考欄に対し公開とするか非公開とするかの分類情報を付すことができる。これによりデータ所有者はデータを送信する前に公開するか否かについての制限を加えること、独自で整理しやすいようにコメントを付すこと等が可能となり、データサーバで一括管理する方法に比べて操作の自由度を向上させることができる。またデータ収集者側にとっても、備考などの余分なデータを受信することが殆ど無くなり、迅速にデータ収集を行うことが可能となる。
【0049】
なお、上記基礎データにおける項目データに付す分類情報には公開、非公開のいずれかを選択させるようにすることも簡便でよいが、例えばデータ所有者側が要求した場合にだけ選択が可能となるなどの選択を加えた三つの選択(公開、非公開、条件付非公開)とするように段階をつけた秘密レベルの分類情報とすること、また、項目データ等に対し分類情報を選択ではなく予め定めて付しておくことも望ましい。
【0050】
基礎データの保存形式はアプリケーションプログラム固有の形式で保存することができるが、交換データへの変換を考慮して交換データに近い形で保存することも可能であり、例えば一例として図4で示すようなマークアップ言語のXMLを用いた形式で基礎データを保存することができる。
【0051】
図4は図3の例における入力フォームの記載に基づいたXML形式のデータ構造を示すものである。図4では項目とその項目データに対応したデータが記載されており、例えば図3の例で非公開したものについては「private」と、公開としたものについては「public(若しくは無記載)」とするなど項目に秘密レベルの分類情報を付すことが可能となる。なお、性別や生年月日などの項目データは条件付非公開「confidential」となっている。
【0052】
交換データ作成手段202は、上記の基礎データ作成手段201が作成した基礎データに基づいて交換データを作成、記録するための手段であり、具体的には記録媒体に格納された上述の交換プログラムを実行することで実現される。具体的には、基礎データにおいて公開と選択されている項目データ及び項目データに対応するデータのみを抽出するプログラムによって実現することができる。一例として、図4で示した基礎データを基に交換プログラムを実行し交換データを作成した場合における交換データのデータ構造について図5に示す。図5では、上記した分類情報のうち「confidential」及び「private」の項目データを削除し、新たにそれ以外の項目データ及び項目データに対応するデータを交換データの構成要素として選択している。
【0053】
交換プログラムは基礎データを基に交換データを作成できる限りにおいて特段の制限は無いが、交換の容易性の観点から例えば、上述のMicrosoft社のExcel(登録商標)を使用した場合の例であれば、アプリケーションプログラムに付随して設けられているマクロを使用してマクロプログラムを作成し、記録媒体に格納させることによって交換データを作成する例等が考えられる。また、交換データとしては上述のとおり、項目データと項目データに対応したデータとの組を1以上有し、収集プログラムによる抽出が可能な程度まで変換されたデータである必要を考慮すると、XMLによって記述されたデータ形式を採用することが望ましい。なお、図5に図3で示した入力フォームへの入力事項をXML形式に直した交換データの記述例を示す。
【0054】
メール送受信手段203は、接続するデータ所有者用メールサーバ41に電子メールを送信する又はデータ所有者用メールサーバ41から電子メールを受信するための手段であって、具体的には記録媒体に格納されたメール送受信プログラムを実行することにより実現する。メール送受信プログラムは電子メールを送受信できる限りにおいて特段には制限が無く、独自のメール送受信プログラムを作成することはもちろんであるが、一般に市販されているメール送受信プログラムを使用することができる。また、上記のXMLによって記述された交換データを採用する場合、交換データを添付ファイルとして電子メールに添付してメールサーバ41に送信することで後述の収集プログラムによるデータの抽出、集計をより容易に実行させることが可能となる。
【0055】
以上により、データ所有者はデータ所有者用コンピュータ2を用いて基礎データ及び交換データを作成するため、自身の側で公開を望まないデータの流出を防ぐことができ、更には送信の必要が無いデータであっても基礎データに含ませることができ、データ所有者用コンピュータの管理における自由度を広げることができる。
【0056】
次に、図6にデータ収集者用コンピュータ3の機能ブロック図を示す。
【0057】
図6に示す機能ブロック図の表現を用いると、データ収集者用コンピュータ3は、電子メールアドレス記録手段301、アドレス管理手段302、メール送受信手段303、交換データ抽出手段、収集データ作成手段305、収集データ利用手段306、を備えて構成されている。
【0058】
電子メールアドレス記録手段301は、データ所有者用コンピュータ2の情報を記録する手段であって、具体的には、データ所有者用コンピュータ2全ての電子メールアドレス、その電子メールアドレスに対応するデータ所有者が所有する項目データの種類、等の各種データを記録媒体に格納し、読み込み可能とすることによって実現することができる。また、この電子メールアドレス等の各種データの作成、修正を行うプログラムも必要であり、このプログラムを格納し実行する場合も電子メールアドレス記録手段301の実現に含まれる。
【0059】
データ収集者用コンピュータ3は、全てのデータ所有者用コンピュータ2を選択して電子メールを送ることもできるが、所有する項目データの種類等を考慮し、収集したいデータを所有しているデータ所有者用コンピュータの一部又は全部を選択し電子メールを送ることも望ましい。このようにすることでデータ収集者用コンピュータ側では不要な手続きを省略し負担を軽くすることができるし、データ所有者用コンピュータ2側にも不必要な操作をさせずにすむ。データ所有者用コンピュータ2に送付される電子メールには、データ所有者側コンピュータ2が作成する交換データの送付要求が付される。
【0060】
上記電子メールアドレスの選択処理は、具体的にはアドレス管理手段302が行う。アドレス管理手段302は、電子メール記録手段301が格納する電子メールアドレス等のデータから一部の電子メールアドレスを選択し、この選択した電子メールアドレスを有するデータ所有者側コンピュータ2に電子メールを送付するようメール送受信手段303に指示を行うためのプログラムを実行することにより実現する。なお、電子メールアドレスを選択する処理は、データ収集者用コンピュータ3を操作するデータ収集者からの入力を受け付けて実行することも当然によく、選択された電子メールアドレス等については管理データとして作成、格納することにより実現される。
【0061】
メール送受信手段303は、記録媒体に格納されたメール送受信プログラムを実行することによって実現することができる。メール送受信手段303は、アドレス管理手段302が選択した電子メールアドレスへ電子メールを送信し、データ所有者側コンピュータ2が電子メールを返信してきた場合はその電子メールを受信するプログラムを実行することにより実現できる。もちろん上述と同様、メール送受信プログラムはメールを送受信できる限りにおいて特段には制限が無く、独自のメール送受信プログラムを作成することはもちろん、一般に市販されているメール送受信プログラムを使用することができる。
【0062】
またアドレス管理手段302は、選択し電子メールを送付したデータ所有者用コンピュータのうちのどのデータ所有者用コンピュータからデータの送付があったかについての確認作業も行う。この作業は上記で作成した管理データとデータ収集者用メールサーバ42に送信された電子メールの電子メールアドレスとを比較参照するプログラムを実行することにより実現することができる。
【0063】
交換データ抽出手段304は、データ所有者用コンピュータ2より送付された交換データをデータ収集者用メールサーバ42から抽出してデータ収集者用コンピュータ3の記録媒体に格納するための手段であって、このように動作するプログラム格納、実行することにより実現することができる。なおデータ収集者用メールサーバ42から交換データを抽出した後は、データ収集者用メールサーバ42から電子メールを削除させるよう指示を出すことも機密を保持する上で非常に有用である。
【0064】
また、交換データの抽出において、選択したコンピュータではないデータ所有者側コンピュータから電子メールが送信される場合、選択したコンピュータからの電子メールであっても交換データが添付されていない等の問題が生ずると考えられるため、選択したコンピュータ以外のコンピュータから送付された電子メールは処理対象としない、選択したコンピュータから送付された電子メールであっても交換データが添付されていない場合にはエラーメッセージを添付した電子メールを返信する、ようにすることも有用である。この処理は、アドレス管理手段302が作成した管理データを参照することで収集の状況を確認しながら行うことが望ましい。
【0065】
収集データ作成手段305は、選択したデータ所有者用コンピュータから返信された電子メールに添付される交換データを基に収集データを作成、記録するための手段であって、より具体的には、交換データ抽出プログラムが格納した交換データから項目データ毎のデータを収集するプログラムを実行することにより実現できる。
【0066】
例えば図3〜5で示したようなXML形式の交換データ例で説明すると、収集データ作成手段は、電子メールに添付された交換データから必要とされる項目データ及びその項目データに対応したデータを抽出する作業を、返信された複数の交換データに対し行い、一つのXMLファイルに結合することにより実現できる。図7に図3〜図6で示した例における収集データの構造の例を示す。図7に示されるように、収集データは、格納された複数の交換データから必要な項目データ及びそれに対応するデータを順次格納して一つに結合する(図7の例では山田花子と鈴木一郎のデータを結合した部分を示す)。
【0067】
また収集データ作成手段305は、収集データを作成した後、収集した交換データを消去させる機能を備えさせることも有用である。これにより、データ所有者用コンピュータのみがデータを保有することによりデータの漏洩防止や機密の保持、複数のデータが混在することによるファイル取扱いの煩雑さの防止を実現できる。
【0068】
また収集データ作成手段305は、選択したデータ所有者用コンピュータからの返信が全て到着した後に作業を開始させることも可能ではあるが、実際には返信が100%到達してから作業を行うこととすると、100%の返信がなければ作業を開始することができないこと、100%到達してから作業を開始すると返信待ちの時間を有効に使うことがでいないことから、データ収集者用メールサーバ42に選択したデータ所有者用コンピュータからの返信があり次第順次交換データの抽出、格納、収集データの作成、格納を行うようにすることは極めて望ましい。なおこの場合において、収集状況を確認するためにアドレス管理手段の作成する管理データを適宜参照することも有用である。
【0069】
収集データ作成手段305により作成された収集データは、収集データ利用手段306
により利用される。収集データ利用手段306は、記録媒体に格納された収集データに対し交換や加工を施すプログラムが実行されることにより実現される。例えば、収集した業績データをホームページに掲載したいような場合は、データ項目とそれに対応するデータとを表示するようプログラムを組むことで実現することができる。特に図3〜5、図7で示すようなXML形式の場合は非常に簡便に利用することができるようになる。
【0070】
以上述べたとおり、本データベースシステムの動作は明らかとなったが、図8に本データベースシステムによる処理の概略フローを示す。本フローについて説明する。まずデータ所有者用コンピュータ2は、基礎データ作成を行い、更にそれに基づいて交換データ作成を行う。一方、データ収集者用コンピュータ3は、交換データの送信をデータ所有者用コンピュータ2に対して行う。データ所有者用コンピュータ2はこの交換データの送信要求に基づき、作成した交換データを電子メールに添付して送信し、メールサーバ(データ所有者用メールサーバ41及びデータ収集者用メールサーバ42)はこの電子メールを格納する。データ収集者用コンピュータ3は、このメールサーバが格納した電子メールに添付された交換データの取得を行い、交換データ抽出手段により交換データに不備があるか否かを確認する。ここで、交換データに不備がある場合はデータ所有者用コンピュータ2にデータ修正の依頼を行い、不備が無い場合は収集データ作成手段により収集データ作成を行うこととなる。
【0071】
以上により、本データベースシステムは、各データを分散して配置することで従来必要としていたデータベースサーバを必要とせず、多額のコストを削減可能なデータベースシステムを実現することができる。また、本データベースシステムでは電子メールを介してデータの収集を行うことができるため、データ所有者、データ収集者それぞれに別途のID・パスワードの配布、管理が不要となるという利点がある。更に、従来のデータベースサーバでは、データ所有者用コンピュータはネットワークに接続されていない環境でデータの作成等を行うことができず、またネットワークに接続されデータの作成等を行う場合であってもデータベースサーバが定めた項目についてのデータしか作成することができなかったが、本ベースシステムではデータ所有者用コンピュータがネットワークに接続されていない場合であっても、基礎データの作成、交換データの作成を行うことができ、また交換データの作成という処理を経ることで、データ所有者が作成する基礎データの項目の自由度を広げることができる。なお、このデータベースは大学における成果などの管理のほか多目的に利用できる。
【0072】
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1とほぼ同様の構成であるが、データ所有者用コンピュータ2における交換データ作成手段がデータ収集者側コンピュータ3に配置されている点が実施形態1と異なる。
【0073】
即ち図9にあるようにデータ所有者側コンピュータ2は、基礎データ作成手段211と、この基礎データ作成手段が作成した基礎データを電子メールに添付して送信する電子メール送受信手段212とを有しており、図10にあるようにデータ収集者側コンピュータ3は、データ所有者側コンピュータの電子メールアドレス全てを記録する電子メールアドレス記録手段311と、電子メールアドレス記録手段311が記録した電子メールアドレスのうち一部のデータ所有者側コンピュータの電子メールアドレスを選択するアドレス管理手段312と、アドレス管理手段が選択したデータ所有者用コンピュータ2の電子メールアドレスに基礎データの送付を要求する電子メールを送信し、基礎データが添付されて送付された電子メールを受信するメール送受信手段313と、この基礎データを抽出して格納する基礎データ抽出手段314と、この基礎データから交換データを作成する交換データ作成手段315と、この交換データ作成手段315が作成した交換データから必要な部分のみ抽出して結合し、収集データを作成する収集データ作成手段316と、この収集データを利用する収集データ利用手段317と、を有して構成されている。
【0074】
本実施形態においては、基礎データを作成した後、その基礎データを電子メールに添付して送付し、データ収集者側で基礎データから交換データを作成してそのうち必要な項目のみを抽出、結合する。本実施形態では、データ所有者用コンピュータ2が作成した基礎データをそのまま転送するため、基礎データのうち公開したくないデータが含まれている場合であってもデータ収集者用コンピュータ3に送付されてしまうという場合もあるが、データ所有者側の操作の負担を軽減することができる利点がり、また、実施形態1と同様、各データを分散して配置することで従来必要としていたデータベースサーバを必要とせず、多額のコストを削減可能なデータベースシステムを実現することができ、特にデータ所有者側の手間を省くことができる。
【0075】
(実施形態3)
本実施形態は実施形態2とほぼ同様の構成であるが、データ所有者識別手段が追加されている点が実施形態2と異なる。
【0076】
即ち、図11にあるようにデータ所有者用コンピュータ3は、データ所有者用コンピュータの電子メールアドレス全てを記録する電子メールアドレス記録手段321と、電子メールアドレス記録手段が記録した電子メールアドレスのうち一部のデータ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを選択するアドレス管理手段322と、アドレス管理手段が選択したデータ所有者用コンピュータの電子メールアドレスにデータ所有者を識別できるトークンを付して基礎データの送付を要求する電子メールを送信し、基礎データとそのトークンが添付されて送付された電子メールを受信するメール送受信手段323と、受信したメールに含まれるトークンによりデータ所有者を識別しアドレス管理手段322により受信を記録するデータ所有者識別手段328と、送付された電子メールから基礎データを抽出する基礎データ抽出手段324と、この基礎データから交換データを作成する交換データ作成手段325と、この交換データから必要な部分のみ抽出して結合し、収集データを作成する収集データ作成手段326と、この収集データを利用する収集データ利用手段327と、を有して構成されている。これにより、データ所有者本人の認証を行うことができるようになる。なおデータ所有者用コンピュータの構成は図9と同様である。また、本実施形態は実施形態2にデータ所有者識別手段328を加えた点が異なっているが、実施形態1に対しても同様な追加を行うことができる。
【0077】
(実施形態4)
本実施形態は実施形態1とほぼ同様の構成であるが、メール送受信手段でS/MIMEによる暗号化を用いる点が実施形態1と異なる。図2におけるメール送受信手段203により交換データをメール送信するとき、S/MIMEを利用して交換データを暗号化して送信し、図6におけるメール送受信手段303によりメール受信するとき復号する点が異なる。本実施形態では、交換データが暗号化され、安全にメール送受信でき、その結果データの漏洩を防止できる利点がある。また、S/MIMEは公開鍵暗号方式を利用しているため、管理の必要な鍵の数を少なく抑えることができる利点がある。本実施形態は実施形態1のメール送受信手段でS/MIMEを利用する点が異なっているが、実施形態2、実施形態3に対しても同様の変更を行うことができる。即ち、図9の電子メール送受信手段212でS/MIMEを利用した暗号化を行い、図10のメール送受信手段313、図11のメール送受信手段323で復号を行う構成である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施形態1に係るデータベースシステムの全体概要図
【図2】データ所有者用コンピュータにおける機能ブロック図。
【図3】基礎データ入力画面の例を示す図。
【図4】図3に基づく基礎データをXMLデータにした場合の例を示す図。
【図5】図3に基づく基礎データを交換データに変換した場合の例を示す図。
【図6】データ収集者用コンピュータにおける機能ブロック図。
【図7】図4に基づく交換データから収集データを作成した場合の例を示す図。
【図8】実施形態1に係るデータベースシステムによる処理のフロー図。
【図9】実施形態2に係るデータベースシステムにおけるデータ所有者側コンピュータの機能ブロック図。
【図10】実施形態2に係るデータベースシステムにおけるデータ収集者側コンピュータの機能ブロック図。
【図11】実施形態3に係るデータベースシステムにおけるデータ収集者側コンピュータの機能ブロック図。
【符号の説明】
【0079】
1‥データベースシステム、2…データ所有者用コンピュータ、201、211…基礎データ作成手段、202、315、325…交換データ作成手段、203、212…電子メール送受信手段、3‥データ収集者用コンピュータ、301、311…電子メールアドレス記録手段、302、312…アドレス管理手段、303、313…電子メール送受信手段、304…交換データ抽出手段、314、324…基礎データ抽出手段、305、316、326…収集データ作成手段、306、317、327…収集データ利用手段、41‥データ所有者用メールサーバ、42…データ収集者用メールサーバ、5…ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、
メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、
前記データ所有者用コンピュータは、基礎データ作成手段と、該基礎データに基づき交換データを作成する交換データ作成手段と、該交換データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段と、を有し、
前記データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信するメール送受信手段と、前記交換データ作成手段が作成した前記交換データに基づいて収集データを作成する収集データ作成手段と、を有することを特徴とするデータベースシステム。
【請求項2】
前記データ所有者用コンピュータにおける基礎データ作成手段は、項目データと該項目データに対応したデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成し、
前記データ所有者用コンピュータにおける交換データ作成手段は、前記項目データと該項目データに対応したデータからなるデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項3】
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記複数のデータ所有者コンピュータから電子メールに添付して送付された複数の前記交換データを結合して収集データを作成することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項4】
前記データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段と、該電子メールアドレスに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択し、管理データとして作成するアドレス管理手段と、を有し、
前記メール送受信手段は、前記アドレス管理手段が選択した電子メールアドレスに対し前記データ所有者用コンピュータが作成する交換データの送信を要求する電子メールを送信することを有することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項5】
前記データ収集者用コンピュータは、前記メール送受信手段が受信した電子メールに添付された交換データを格納する交換データ抽出手段、を有し、
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記交換データ抽出手段が格納した交換データに基づいて収集データを作成することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項6】
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記交換データから前記収集データを作成した後、前記交換データを消去することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項7】
前記交換データは、マークアップ言語を用いて作成されていることを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項8】
項目データ及び該項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成し、
該基礎データにおける前記複数のデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成し、
該作成した交換データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するデータ送信方法。
【請求項9】
前記交換データはマークアップ言語を用いて作成されることを特徴とする請求項8記載のデータ送信方法。
【請求項10】
複数のデータ所有者用コンピュータに対して交換データの送信を要求し、
前記複数のデータ所有者用コンピュータが送信した複数の交換データを取得し、
前記取得した前記複数の交換データを結合することによって収集データの作成を行うデータ収集方法。
【請求項11】
前記交換データはマークアップ言語を用いて作成されていることを特徴とする請求項10記載のデータ収集方法。
【請求項12】
コンピュータに、
複数のデータ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段、
前記データ所有者用コンピュータに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択するアドレス管理手段、
該アドレス管理手段により選択されたデータ所有者用コンピュータに対して交換データの送付を要求する電子メールを送信するメール送受信手段、
データ所有者用コンピュータから送付された電子メールに添付された交換データを取得する交換データ抽出手段、
前記交換データ抽出手段が抽出した交換データから収集データを作成する収集データ作成手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
前記アドレス管理手段は、前記交換データの収集状況の確認も行うことを特徴とする請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
前記交換データ抽出手段は、収集データを作成した後、前記交換データを削除することを特徴とする請求項12記載のプログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
項目データ及び該項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成する基礎データ作成手段、
該基礎データ作成手段により作成された基礎データにおける前記複数のデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成する交換データ作成手段、
該交換データ作製手段が作成した交換データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、
メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、
前記データ所有者用コンピュータは、項目データと該項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成する基礎データ作成手段と、該基礎データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段と、を有し、
前記データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信するメール送受信手段と、前記電子メールに添付された前記基礎データにおける前記項目データと該項目データに対応したデータからなるデータの組のうちの一部を選択して収集データを作成する収集データ作成手段と、を有することを特徴とするデータベースシステム。
【請求項17】
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記複数のデータ所有者コンピュータから電子メールに添付して送付された複数の前記基礎データを結合して収集データを作成することを特徴とする請求項16記載のデータベースシステム。
【請求項18】
前記データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段と、該電子メールアドレスに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択し、管理データとして作成するアドレス管理手段と、を有し、
前記メール送受信手段は、前記アドレス管理手段が選択した電子メールアドレスに対し前記データ所有者用コンピュータが作成する基礎データの送信を要求する電子メールを送信することを有することを特徴とする請求項16記載のデータベースシステム。
【請求項19】
前記データ収集者用コンピュータは、前記メール送受信手段が受信した電子メールに添付された基礎データを格納する基礎データ抽出手段、を有し、
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記交換データ抽出手段が格納した基礎データに基づいて収集データを作成することを特徴とする請求項16記載のデータベースシステム。
【請求項20】
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記基礎データから前記収集データを作成した後、前記基礎データを消去することを特徴とする請求項16記載のデータベースシステム。
【請求項21】
前記基礎データ作成手段は、予め定められた項目から選択すべき入力時に、別途用意された入力支援用外部ファイルを用いることを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項22】
前記データ所有者用コンピュータに対し、交換データの送付を要求する電子メールに、データ所有者を識別できるトークンを含ませ、前記データ所有者用コンピュータから送信する電子メールにそのトークンを含んで返信することで、データ所有者を識別するデータ所有者識別手段を有することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項23】
前記交換データの送付にS/MIMEを利用することを特徴とする請求項8記載のデータ送信方式。
【請求項1】
メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、
メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、
前記データ所有者用コンピュータは、基礎データ作成手段と、該基礎データに基づき交換データを作成する交換データ作成手段と、該交換データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段と、を有し、
前記データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信するメール送受信手段と、前記交換データ作成手段が作成した前記交換データに基づいて収集データを作成する収集データ作成手段と、を有することを特徴とするデータベースシステム。
【請求項2】
前記データ所有者用コンピュータにおける基礎データ作成手段は、項目データと該項目データに対応したデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成し、
前記データ所有者用コンピュータにおける交換データ作成手段は、前記項目データと該項目データに対応したデータからなるデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項3】
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記複数のデータ所有者コンピュータから電子メールに添付して送付された複数の前記交換データを結合して収集データを作成することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項4】
前記データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段と、該電子メールアドレスに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択し、管理データとして作成するアドレス管理手段と、を有し、
前記メール送受信手段は、前記アドレス管理手段が選択した電子メールアドレスに対し前記データ所有者用コンピュータが作成する交換データの送信を要求する電子メールを送信することを有することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項5】
前記データ収集者用コンピュータは、前記メール送受信手段が受信した電子メールに添付された交換データを格納する交換データ抽出手段、を有し、
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記交換データ抽出手段が格納した交換データに基づいて収集データを作成することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項6】
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記交換データから前記収集データを作成した後、前記交換データを消去することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項7】
前記交換データは、マークアップ言語を用いて作成されていることを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項8】
項目データ及び該項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成し、
該基礎データにおける前記複数のデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成し、
該作成した交換データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するデータ送信方法。
【請求項9】
前記交換データはマークアップ言語を用いて作成されることを特徴とする請求項8記載のデータ送信方法。
【請求項10】
複数のデータ所有者用コンピュータに対して交換データの送信を要求し、
前記複数のデータ所有者用コンピュータが送信した複数の交換データを取得し、
前記取得した前記複数の交換データを結合することによって収集データの作成を行うデータ収集方法。
【請求項11】
前記交換データはマークアップ言語を用いて作成されていることを特徴とする請求項10記載のデータ収集方法。
【請求項12】
コンピュータに、
複数のデータ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段、
前記データ所有者用コンピュータに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択するアドレス管理手段、
該アドレス管理手段により選択されたデータ所有者用コンピュータに対して交換データの送付を要求する電子メールを送信するメール送受信手段、
データ所有者用コンピュータから送付された電子メールに添付された交換データを取得する交換データ抽出手段、
前記交換データ抽出手段が抽出した交換データから収集データを作成する収集データ作成手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
前記アドレス管理手段は、前記交換データの収集状況の確認も行うことを特徴とする請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
前記交換データ抽出手段は、収集データを作成した後、前記交換データを削除することを特徴とする請求項12記載のプログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
項目データ及び該項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成する基礎データ作成手段、
該基礎データ作成手段により作成された基礎データにおける前記複数のデータの組のうちの一部を選択して交換データを作成する交換データ作成手段、
該交換データ作製手段が作成した交換データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
メールサーバを介してネットワークに接続される複数のデータ所有者用コンピュータと、
メールサーバを介してネットワークに接続されるデータ収集者用コンピュータと、を有してデータの収集を行うデータベースシステムであって、
前記データ所有者用コンピュータは、項目データと該項目データに対応するデータからなるデータの組を複数有する基礎データを作成する基礎データ作成手段と、該基礎データを電子メールに添付して前記データ収集者用コンピュータへ送付するメール送受信手段と、を有し、
前記データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータが送付した電子メールを受信するメール送受信手段と、前記電子メールに添付された前記基礎データにおける前記項目データと該項目データに対応したデータからなるデータの組のうちの一部を選択して収集データを作成する収集データ作成手段と、を有することを特徴とするデータベースシステム。
【請求項17】
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記複数のデータ所有者コンピュータから電子メールに添付して送付された複数の前記基礎データを結合して収集データを作成することを特徴とする請求項16記載のデータベースシステム。
【請求項18】
前記データ収集者用コンピュータは、前記データ所有者用コンピュータの電子メールアドレスを記録する電子メールアドレス記録手段と、該電子メールアドレスに記録された電子メールアドレスの少なくとも一部を選択し、管理データとして作成するアドレス管理手段と、を有し、
前記メール送受信手段は、前記アドレス管理手段が選択した電子メールアドレスに対し前記データ所有者用コンピュータが作成する基礎データの送信を要求する電子メールを送信することを有することを特徴とする請求項16記載のデータベースシステム。
【請求項19】
前記データ収集者用コンピュータは、前記メール送受信手段が受信した電子メールに添付された基礎データを格納する基礎データ抽出手段、を有し、
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記交換データ抽出手段が格納した基礎データに基づいて収集データを作成することを特徴とする請求項16記載のデータベースシステム。
【請求項20】
前記データ収集者用コンピュータにおける前記収集データ作成手段は、前記基礎データから前記収集データを作成した後、前記基礎データを消去することを特徴とする請求項16記載のデータベースシステム。
【請求項21】
前記基礎データ作成手段は、予め定められた項目から選択すべき入力時に、別途用意された入力支援用外部ファイルを用いることを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項22】
前記データ所有者用コンピュータに対し、交換データの送付を要求する電子メールに、データ所有者を識別できるトークンを含ませ、前記データ所有者用コンピュータから送信する電子メールにそのトークンを含んで返信することで、データ所有者を識別するデータ所有者識別手段を有することを特徴とする請求項1記載のデータベースシステム。
【請求項23】
前記交換データの送付にS/MIMEを利用することを特徴とする請求項8記載のデータ送信方式。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−236287(P2006−236287A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59482(P2005−59482)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】
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