説明

分散型発電装置

【課題】内部の電力負荷を用いて連系点に電流を流すことで、電流検出手段の取付方向や取付位置の誤り、および故障、配線の断線など検出することができる分散型発電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】商用電源101と分散型発電装置102との間の電線に流れる電流を検出する電流検出手段111と、商用電源101から電力が供給される負荷107と、負荷107への電力の供給及び遮断を行う開閉手段108と、開閉手段108を制御して電流検出手段111が検出する電流の変動に基づいて電流検出手段111の取付状態を診断する制御手段109とを有し、負荷は、容量性若しくは誘導性の負荷であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電源と連系して、商用電源、および交流負荷へ交流電力を供給する分散型発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の分散型発電装置は、例えば図5に示す構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下に、特許文献1に示されている分散型発電装置について説明する。
【0004】
図5は、従来の分散型発電装置のブロック図である。
【0005】
図5に示すように、分散型発電装置10は、継電器95を介して単相3線式の交流電力である商用電源98と接続され、燃料電池11、補機類12、インバータ13、制御手段14、電力検出手段15、第1の電流検出手段21、第2の電流検出手段22、電圧検出手段23を備える。ここで、燃料電池11は、水素に富む改質ガスと酸素を含有する酸化剤ガスとを導入し、改質ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素との電気化学的反応により発電して水及び熱を発生する。補機類12は、燃料電池11を駆動させるものであり、原料燃料が改質した改質ガスを生成する改質器12Aと、酸化剤ガスを燃料電池11に供給するブロワ12Bと、燃料電池11の冷却部と燃料電池11から奪った熱を蓄える貯湯槽との間で冷却水を循環させる冷却水ポンプ12C と、貯湯槽内の温水を給湯負荷(不図示)に向けて送水する給湯ポンプ12Dと、給湯負荷(不図示)へ送水する温水を補足的に加熱するヒータ12Eである。補機類12のうち、ヒータ12Eの直近上流のU相線96Uには、第1のスイッチとしてのスイッチ25が配設されている。また、ヒータ12Eの直近上流のW相線96Wには、第2のスイッチとしてのスイッチ26が配設されている。スイッチ25、26は制御手段14と電気的に接続されており、制御手段14によって電気回路の開閉が制御されるように構成されている。インバータ13は、燃料電池11と電気的に接続されており、燃料電池11が発電する直流電力を交流電力に変換する。制御手段14は、電力検出手段15で算出された電力値に基づいて、燃料電池11、補機類12、インバータ13の発停や出力調整等の制御を行う。電力検出手段15は、第1の電流検出手段21、第2の電流検出手段22で検出した電流値及び電圧検出手段23で検出した電圧値に基づいて電力値を算出する。第1の電流検出手段21は、U相線96Uに流れる電流を計測するものであり、分散型発電装置10及び電力負荷99と継電器95との間のU相線96Uに配設され、電線を介して電力検出手段15のU相ポート15Ua、15Ubに接続される。第2の電流検出手段22は、W相線96Wに流れる電流を計測するものであり、分散型発電装置10及び電力負荷99と継電器95との間のW相線96Wに配設され、電線を介して電力検出手段15のW相ポート15Wa、15Wbに接続されている。電圧検出手段23は、U相線96UとO相線96Oとの間のU−O電圧、及びW相線96WとO相線96Oとの間のW−O電圧を検出するものであり、1次側、2次側共に3本ずつの電線を有し、1次側の3本の電線は、分散型発電装置10及び電力負荷99と継電器95との間で、U相線96U、W相線96W、O相線96Oにそれぞれ接続され、2次側の3本の電線は電力検出手段15に接続され、1次側のU相線96Uに接続されている電線に対応する電線が電圧ポート15Vuに、W相線96Wに接続されている電線に対応する電線が電圧ポート15Vwに、O相線96Oに接続されている電線に対応する電線が電圧ポート15Voにそれぞれ接続されている。
【0006】
以上のように構成された分散型発電装置10は、電力検出手段15で算出される電力値
が所定範囲内になるように、制御手段14によって燃料電池11の出力を制御する。
【0007】
電力検出手段15で算出される電力値は、第1の電流検出手段21で検出した電流と電圧検出手段23で検出したU−O電圧との積と、第2の電流検出手段22で検出した電流と電圧検出手段23で検出したW−O電圧との積との和で求められる。第1の電流検出手段21、第2の電流検出手段22には方向性があるため、取付方向及び取付位置と電力検出手段15に接続する各ポートとが対応していないと電力検出手段15は正しい電力値を検出することができない。通常、第1の電流検出手段21、第2の電流検出手段22を取付ける際には取付方向や取付位置を確認して作業を行うが、作業者の経験の多寡によっては取付方向及び/ 又は取付位置を誤って、装置を施工してしまう場合もある。そのため、装置を施工した際には、第1の電流検出手段21 、第2の電流検出手段22の取付方向及び取付位置を検査する。
【0008】
次に検査工程を説明する。まず、スイッチ25をオン・オフし、U相線96Uからヒータ12Euを介してO相線96Oへ流れるヒータ12Euの負荷に応じた電流を変動させる。次に、スイッチ26をオン・オフし、W相線96Wからヒータ12Ewを介してO相線96Oへ流れるヒータ12Ewの負荷に応じた電流を変動させる。
【0009】
スイッチ25のオン・オフに同調して第1の電流検出手段21の検出電流が変動し、スイッチ26のオン・オフに同調して第2の電流検出手段22の検出電流が変動するときには、第1の電流検出手段21、第2の電流検出手段22と電力検出手段15の取付方向や取付位置が正しいと判断する。一方、スイッチ25のオン・オフに同調して第2の電流検出手段22の検出電流が変動し、スイッチ26のオン・オフに同調して第1の電流検出手段21の検出電流が変動するときには、第1の電流検出手段21が電力検出手段15のW相ポート15Wa、Wbに接続され、第2の電流検出手段22が電力検出手段15のU相ポート15Ua、Ubに接続されている、または、第1の電流検出手段21がW相線96Wに、第2の電流検出手段22がU相線96Uに取り付けられていると判断し、電力検出手段15はU相ポートに入力する値を第2の電流検出手段22が検出する電流値、W相ポートに入力する電流値が第1の電流検出手段21が検出する電流値とし、電力の演算する際に補正を行う。
【0010】
また、スイッチ25をオン・オフに同調して第1の電流検出手段21および第2の電流検出手段22の検出電流が変動したとき、2つの電流検出手段21、22がU相線96Uに取付、又はO相線96Oに取付、あるいはU相線96U及びO相線96Oに1つずつ取付られていることとなり、電力の演算補正で対応することはできないので取付のやり直しが必要と判断し、作業者へ取付のやり直しを促すように警報を発報する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−178326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記従来の構成では、電流検出手段の取付方向、取付位置、電線との結線不具合、故障など、電流検出手段の取付状態を確認するためにヒータを用いるため、確認するたびにヒータの周辺部が過熱される。分散型発電装置の施工においては、装置を設置する設置業者と電気配線を行う電気工事者が異なることがあり、装置を設置後、水配管や貯湯槽に通水する前に電流検出手段などの電気配線の取付状態の確認を行うことがある。その様な状況において、電流検出手段の取付位置の間違いや電線との結線不具合など発生した場合、取付位置の修正、結線の修正などを行った後、再度、電流検出手段の取付状
態の確認作業を行う。したがって、取付状態が正常であることが確認できるまで取付状態の確認作業が繰り返し行われるため、ヒータの周辺部分が過剰に加熱され、機器がダメージを受けるという課題を有していた。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、容量性、または誘導性の負荷への無効電力の供給/遮断により電流変動させることで電流消費することなく電流検出手段の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる分散型発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記従来の課題を解決するために、本発明の分散型発電装置は、発電機が生成した直流電力を交流電力に変換するとともに商用電源と連系する分散型発電装置であって、前記商用電源と前記分散型発電装置との間の電線に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記商用電源から電力が供給される負荷と、前記負荷への電力の供給及び遮断を行う開閉手段と、前記開閉手段を制御して前記電流検出手段が検出する電流の変動に基づいて前記電流検出手段の取付状態を診断する制御手段とを有し、前記負荷は、容量性若しくは誘導性の負荷であることを特徴とするものである。
【0015】
これによって、前記従来の課題を解決するもので、容量性、または誘導性の負荷への無効電力の供給/遮断により電流変動させることで電流消費することなく電流検出手段の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の分散型発電装置は、前記従来の課題を解決するもので、容量性、または誘導性の負荷への無効電力の供給/遮断により電流変動させることで電流消費することなく電流検出手段の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1における分散型発電装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における分散型発電装置のブロック図
【図3】同実施の形態における電圧と電流の位相差の関係図
【図4】本発明の実施の形態3における分散型発電装置のブロック図
【図5】従来の分散型発電装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の発明は、発電機が生成した直流電力を交流電力に変換するとともに商用電源と連系する分散型発電装置であって、前記商用電源と前記分散型発電装置との間の電線に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記商用電源から電力が供給される負荷と、前記負荷への電力の供給及び遮断を行う開閉手段と、前記開閉手段を制御して前記電流検出手段が検出する電流の変動に基づいて前記電流検出手段の取付状態を診断する制御手段とを有し、前記負荷は、容量性若しくは誘導性の負荷であることを特徴とし、これにより、容量性、または誘導性の負荷への無効電力の供給/遮断により電流変動させることで電流消費することなく電流検出手段の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる。
【0019】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記電線の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段と前記電流検出手段の位相差を検出する位相差検出手段とを有し、前記制御手段は、開閉手段を開閉し、前記位相差検出手段が検出する位相差に基づいて前記電流検出手段の取付状態を診断するものである。これにより、容量性、または誘導性の負荷への無効電力の供給/遮断により電圧と電流の位相差を変動させることで電流消費することなく電流検出手段の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる。
【0020】
第3の発明は、特に、第1の発明において、前記電線の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段が検出する電圧と前記電流検出手段が検出する電流とから無効電力を検出する無効電力検出手段とを有し、前記制御手段は、前記開閉手段を開閉して前記無効電力検出手段が検出する無効電力の変動に基づいて前記電流検出手段の取付状態を診断するものである。これにより、容量性、または誘導性の負荷への無効電力の供給/遮断により無効電力を変動させることで電流消費することなく電流検出手段の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる。
【0021】
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれかの発明において、前記発電機が生成する直流電力を交流電力に変換して前記商用電源と連系するインバータを有し、前記負荷は、前記インバータの出力側に設置されるノイズフィルタであることを特徴とし、これにより、予め備えられた容量性、誘導性の部品を共用することで機器の簡素化、低コスト化を実現することができる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるのもではない。
【0023】
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1における分散型発電装置について、詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態1における分散型発電装置のブロック図である。
【0025】
図1には、商用電源101と、分散型発電装置102と、交流負荷104を図示している。ここで、商用電源101は、第1の電線101a、第2の電線101b、第3の電線101cから成る単相三線式の交流電源であり、連系点103で商用電源101と分散型発電装置102は連系する。交流負荷104は、一般家庭で使用されるテレビ、エアコン等などで、商用電源101または分散型発電装置102から供給される交流電力を消費する機器である。なお、以下では、第1の電線101aをU相、第2の電線101bをW相、第3の電線101cを中性線であるO相と記して説明する。
【0026】
そして、分散型発電装置102は、発電機105と、インバータ106と、負荷107と、開閉手段108と、制御手段109と、電圧検出手段110と、電流検出手段111と、操作手段112と、表示手段113とから少なくとも構成される。
【0027】
ここで、発電機105は、燃料電池などで直流電力を生成する。インバータ106は、発電機105が生成する直流を交流負荷104で消費可能な交流へ変換する。負荷107は、開閉手段108を介してインバータ106の出力側に接続されるコンデンサなど容量性をもつ負荷である。なお、以下ではU相101a−O相101c間に接続された負荷を第1の負荷107a、W相101b−O相101c間に接続された負荷を第2の負荷10
7bとする。開閉手段108は、オン・オフにより商用電源101から負荷107への電力の供給/遮断を行う。なお、以下では、U相101aに設置される開閉手段を第1の開閉手段108a、W相101bに設置される開閉手段を第2の開閉手段108bとする。制御手段109は、図1に記載しない内蔵の不揮発性メモリを含む構成であり、電圧検出手段110で検出される電圧値と電流検出手段111で検出される電流値の積より算出される電力値をもとに発電機105、インバータ106を制御すると共に、開閉手段108を制御することで、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bの取付方向、取付位置、故障などの判定を行う。電圧検出手段110は、商用電源101のU相101a―O相101c間、W相101b―O相101c間の電圧を検出する。電流検出手段111は、商用電源101と分散型発電装置102の連系点103に取付けられ、電線に流れる電流の大きさおよび正負の方向を検出する。なお、以下では、U相101aの連系点103に取付けられる電流検出手段を第1の電流検出手段111a、W相101bの連系点103に取付けられる電流検出手段111を第2の電流検出手段111bとする。操作手段112は、タクトスイッチやメンブレンスイッチなどで、装置の施工・メンテナンスを行う作業者が所定の操作を行なう手段である。表示手段113はLCDや7セグメントなどで、異常表示、動作情報などの表示を行う手段である。
【0028】
以上のように構成された分散型発電装置の動作および作用について、図1を用いて説明する。
【0029】
分散型発電装置102の施工・メンテナンス時に、第1の電流検出手段111aをU相101aの連系点103、第2の電流検出手段111bをW相101bの連系点103に取付け、制御手段109に出力信号線を接続する。このあと、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bの取付方向、取付位置、電線との結線などが正しく行われたか否か、また故障、電線が断線していない否かを確認するため、操作手段112により所定の操作を行うことで取付状態の検査を行う。
【0030】
次に、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bの取付状態の検査方法について説明する。
【0031】
検査は、制御手段109が操作手段112より操作信号を受けると、取付状態の検査を開始する。
【0032】
まずはじめに、第1の開閉手段108aをオン・オフし、次に第2の開閉手段108bをオン・オフする。このとき、第1の開閉手段108aをオンした場合は、U相101aと第1の負荷107aとO相101cに電流が流れる、第2の開閉手段108bをオンした場合は、W相101bと第2の負荷107bとO相101cに電流が流れる。つまり、U相101aに電流検出手段111が取付けられていれば、第1の開閉手段108aをオンした場合のみ検出電流の変動が見られる。また、W相101bに電流検出手段111が取付けられていれば、第2の開閉手段108bをオンした場合のみ検出電流の変動が見られる。また、O相101cに電流検出手段111が取付けられていれば、第1の開閉手段108aをオンした場合、第2の開閉手段108bをオンした場合、両方において検出電流の変動が見られる。また、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていなければ、第1の開閉手段108aをオンした場合、第2の開閉手段108bをオンした場合、いずれにおいても検出電流の変動が見られない。同様に、電流検出手段111が故障、電線との結線不具合、電線が断線している場合は、第1の開閉手段108aをオンした場合、第2の開閉手段108bをオンした場合、いずれにおいても検出電流の変動が見られない。ここで、第1の開閉手段108aをオンすることで第1の負荷107aに、第2の開閉手段108bをオンすることで第2の負荷107bに電流を流すが、第1の107a、第2の負荷107bは容量性であることから無効電力は消費されるが有
効電力は消費されないないため、周辺部が加熱されることがない。このことから、周辺部を加熱することなく、第1の開閉手段108a、第2の開閉手段108bをオン・オフする際に、オン前後の第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bの電流変動を取得し、取付状態を判定する。ここで、本実施の形態では、第1の開閉手段108aのオン前後の第1の電流検出手段111aの電流変動をΔI1、第2の電流検出手段111bの電流変動をΔI2とする。また、第2の開閉手段108bのオン前後の第1の電流検出手段111aの電流変動をΔI3、第2の電流検出手段111bの電流変動をΔI4とする。
【0033】
電流検出手段111の取付状態の判定は、第1の電流検出手段111aから行う。先に取得したΔI1、ΔI3が所定値範囲外の場合、O相101cに取付けられていると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔI1、ΔI3ともに所定値範囲内の場合、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていない、または、故障、電線との結線不具合、電線が断線していると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔI3のみ所定値範囲外の場合、W相101cに取付けられていると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔI1のみ所定値範囲外の場合、U相101aに正しく取付けられていると判定し、内蔵のメモリに正常情報をする。ただし、第1の電流検出手段111aが正しい方向に取付けれていれば電流の変動方向はプラスであることから、変動方向がマイナスの場合は取付方向が逆と判定し、以後、制御手段109は第1の電流検出手段111aの電流値の符号を反転し、電力演算を行う。
【0034】
次に第2の電流検出手段111bの取付状態の判定を行う。先に取得したΔI2、ΔI4が所定値範囲外の場合、O相101cに取付けられていると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔI2、ΔI4ともに所定値範囲内の場合、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていない、または、故障、電線との結線不具合、電線が断線していると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔI2のみ所定値範囲外の場合、U相101aに取付けられていると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔI4のみ所定値範囲外の場合、W相101bに正しく取付けられていると判定し、内蔵のメモリに正常情報をする。ただし、第2の電流検出手段111bが正しい方向に取付けれていれば電流の変動方向はプラスであることから、変動方向がマイナスの場合は取付方向が逆と判定し、以後、制御手段109は第2の電流検出手段111bの電流値の符号を反転し、電力演算を行う。
【0035】
以上のような取付状態の判定後は、内蔵の不揮発性メモリに異常情報が記憶されていなければ表示手段113に正常と表示、異常情報が記憶されていればその情報を表示手段113に表示することで、作業者へ取付状態の正常・異常を知らせる。
【0036】
作業者は、取付状態の確認操作後、表示手段113への結果表示により取付状態の検査が終了したこと判断する。このとき、表示手段113に表示された結果が異常情報である場合、その内容により取付け状態の修正作業を行う。そして、修正作業完了時には、再度、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bの取付状態の確認操作を行い、正常な取付け状態が確認できるまで上記作業を繰り返す。
【0037】
なお、本実施の形態では、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bの取付状態の判定に容量性の負荷107を用いたが、誘導性の負荷を用いてもかまわない。
【0038】
また、本実施の形態では、作業者の操作により取付状態の確認を行ったが、施工・メンテナンス後、定期的に、例えば、電源投入時や、発電前後、発電中に第1の電流検出手段
111a、第2の電流検出手段111bの取付状態の判定を行い、取付状態に異常があった場合には表示手段113を用いてユーザーに警告を行ってもかまわない。これにより、施工・メンテナンス後にも第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bの故障、配線の断線、取付位置の移動などによる取付方向、取付位置の間違えを検出することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、第1の電流検出手段111aがW相101bに、第2の電流検出手段111bがU相101aに取付けられていると判定した場合、表示手段112により異常表示したが、表示手段112による異常表示をせず、制御手段109において、電力演算する際に電圧と電流を積する相を逆にする補正をおこなってもかまわない。これにより、作業者による修正作業の負担を軽減することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、分散型発電装置102内部の負荷107を用いたが、施工・メンテナンス時に、負荷107と開閉手段108で構成される機器を分散型発電装置102に接続し、制御手段109の指令をもとに開閉手段108をオン・オフさせても同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、本実施の形態では、開閉手段108のオン前後の電流変動により電流検出手段111の取付状態の判定を行ったが、開閉手段108のオフ前後の電流変動により電流検出手段111の取付状態の判定を行っても同様の効果を得ることができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態においては、容量性、または誘導性の負荷107への無効電力の供給/遮断により電流変動させることで電流消費することなく電流検出手段111の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段111の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる。
【0043】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2における分散型発電装置について、図面を用いて説明する。
【0044】
図2は、本発明の第2の実施の形態における分散型発電装置のブロック図である。また、図3は、同実施の形態における電圧と電流の位相差の関係図である。
【0045】
図2は、図1とは、負荷107の代わりにノイズフィルタ114、開閉手段108の代わりに開閉手段115、新たに位相差検出手段116を備えていることが異なる。ここで、ノイズフィルタ114は、インバータ106の出力側に接続されたコンデンサなど容量性をもつものであり、インバータ106がスイッチング動作に伴って生じる高周波ノイズを除去する。なお、以下ではU相101a−O相101c間に接続されるものを第1のノイズフィルタ114a、W相101b−O相101c間に接続されるものを第2のノイズフィルタ114bとする。開閉手段115は、図2に記載しないインバータ106と商用電源101とを連系/解列させる遮断器とは異なるものであり、ノイズフィルタ114より商用電源101側に設置され、オン・オフによりノイズフィルタ114と商用電源101とを接続する。なお、以下では、U相101aに設置される開閉手段115を第3の開閉手段115a、W相101bに設置される開閉手段115を第4の開閉手段115bとする。位相差検出手段116は、電圧と電流の位相差を検出する。なお、図2において図1と同様の構成要素については同じ符号を付け、説明を省略する。
【0046】
以下に、本実施の形態の分散型発電装置の動作・作用について、図2、3を用いて説明する。
【0047】
まず、位相差検出手段116の位相差の検出方法について説明する。位相差検出手段116には、電圧検出手段110が検出する電圧値と、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bが検出する電流値が入力される。位相差検出手段116は、電圧値がマイナスからプラスへ変化する位置を基準とし、電流値が同様にマイナスからプラスへ変化する位置との差を検出することで位相差を検出する。ここで、位相差の検出は、U相101a、W相101bごとに行う。つまり、電圧検出手段110が検出するU相101a−O相101c間の電圧値と第1の電流検出手段111aが検出する電流値によりU相101aにおける電圧と電流の位相差を検出する。また、電圧検出手段110が検出するW相101b−O相101c間の電圧値と第2の電流検出手段111bが検出する電流値によりW相101bにおける電圧と電流の位相差を検出する。
【0048】
例えば、図3を用いて電圧検出手段110が検出するU相101a−O相101c間の電圧値Vu1と第1の電流検出手段111aが検出する電流値Iu1より位相差を検出する方法について説明すると、電圧値Vu1がマイナスからプラスへ変化する時間T1と電流Iu1がマイナスからプラス変化する時間T2を計測し、T2とT1の差を予め算出する電圧値の周期(本実施の形態では、電圧値がマイナスからプラスへ変化する間隔)で除算、360を乗算することで位相差を算出する。ここで、電圧、および電流がマイナスからプラスへ変化する時間の計測を逆に行っても同様の効果が得られる。
【0049】
次に、電流検出手段111の取付状態の検査方法について説明する。ただし、検査の開始までは本実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
まずはじめに、第3の開閉手段115aをオン・オフし、次に第4の開閉手段115bをオン・オフする。このとき、第3の開閉手段115aをオンした場合は、U相101aと第1のノイズフィルタ114aとO相101cに電流が流れる、第4の開閉手段115bをオンした場合は、W相101bと第2のノイズフィルタ114bとO相101cに電流が流れる。つまり、第1のノイズフィルタ114a、第2のノイズフィルタ114bは容量性のため電圧に対して電流を進めることから、U相101aに電流検出手段111が取付けられていれば、第3の開閉手段115aをオンした場合のみ位相差の変動が見られる。また、W相101bに電流検出手段111が取付けられていれば、第4の開閉手段115bをオンした場合のみ位相差の変動が見られる。また、O相101cに電流検出手段111が取付けられていれば、第3の開閉手段115aをオンした場合、第4の開閉手段115bをオンした場合、両方において位相差の変動が見られる。また、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていなければ、第3の開閉手段115aをオンした場合、第4の開閉手段115bをオンした場合、いずれにおいても位相差の変動が見られない。同様に、電流検出手段111が故障、電線との結線不具合、電線が断線している場合は、第3の開閉手段115aをオンした場合、第4の開閉手段115bをオンした場合、いずれにおいても位相差の変動が見られない。ここで、第3の開閉手段115aをオンすることで第1のノイズフィルタ114aに、第4の開閉手段115bをオンすることで第2のノイズフィルタ114bに電流を流すが、第1のノイズフィルタ114a、第2のノイズフィルタ114bはコンデンサであることから無効電力は消費されるが有効電力は消費されないないため、周辺部が加熱されることがない。このことから、周辺部を加熱することなく、第3の開閉手段115a、第4の開閉手段115bをオン・オフする際に、オン前後の位相差検出手段116の位相差の変動を取得し、取付状態を判定する。ここで、本実施の形態では、第3の開閉手段115aのオン前後のU相101a−O相101c間の電圧と第1の電流検出手段111aの電流の位相差の変動をΔφ1、W相101b−O相101c間の電圧と第2の電流検出手段111bの電流の位相差の変動をΔφ2とする。また、第4の開閉手段115bのオン前後のU相101a−O相101c間の電圧と第1の電流検出手段111aの電流の位相差の変動をΔφ3、W相101b
−O相101c間の電圧と第2の電流検出手段111bの電流の位相差の変動をΔφ4とする。
【0051】
電流検出手段111の取付状態の判定は、第1の電流検出手段111aから行う。先に取得したΔφ1、Δφ3が所定値範囲外の場合、O相101cに取付けられていると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、Δφ1、Δφ3ともに所定値範囲内の場合、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていない、または、故障、電線との結線不具合、電線が断線していると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、Δφ3のみ所定値範囲外の場合、W相101cに取付けられていると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、Δφ1のみ所定値範囲外の場合は、U相101aに正しく取付けられていると判定し、内蔵のメモリに正常情報を記憶する。ただし、第1のノイズフィルタ114aは容量性のため電圧に対して電流を進める、つまり、第1の電流検出手段111aが正しい方向に取付けれていれば位相差の変動方向はプラスであることから、位相差の変動方向がマイナスの場合は取付方向が逆と判定し、以後、制御手段109は第1の電流検出手段111aの電流値の符号を反転し、電力演算を行う。
【0052】
次に第2の電流検出手段111bの取付状態の判定を行う。先に取得したΔφ2、Δφ4が所定値範囲外の場合、O相101cに取付けられていると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、Δφ2、Δφ4ともに所定値範囲内の場合、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていない、または、故障、電線との結線不具合、電線が断線していると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、Δφ2のみ所定値範囲外の場合、U相101aに取付けられていると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、Δφ4のみ所定値範囲外の場合は、W相101bに正しく取付けられていると判定し、内蔵のメモリに正常情報を記憶する。ただし、第2のノイズフィルタ114bは容量性のため電圧に対して電流を進める、つまり、第2の電流検出手段111bが正しい方向に取付けれていれば位相差の変動方向はプラスであることから、位相差の変動方向がマイナスの場合は取付方向が逆と判定し、以後、制御手段109は第2の電流検出手段111bの電流値の符号を反転し、電力演算を行う。
【0053】
以上のような取付状態の判定後は、本実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0054】
なお、本実施の形態では、容量性の負荷である第1のノイズフィルタ114a、第2のノイズフィルタ114bを用いたが、誘導性の負荷を用いてもかまわない。ただし、その場合、誘導性の負荷は電圧に対して電流を遅らせる、つまり、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bが正しい向きに取付けられていれば、第3の開閉手段115a、115bのオン前後における位相差検出手段116で検出される位相差の変動方向はマイナスになることから、取付方向の判定が逆となる。
【0055】
以上のように、本実施の形態においては、容量性、または誘導性の負荷114への無効電力の供給/遮断により電圧と電流の位相差を変動させることで電流消費することなく電流検出手段111の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段111の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる。
【0056】
また、本実施の形態においては、インバータ106の出力側に設置されるノイズフィルタ114を共用することで機器の簡素化、低コスト化を実現することができる。
【0057】
(実施の形態3)
以下に、本発明の実施の形態3における分散型発電装置について、図面を用いて説明す
る。
【0058】
図4は、本発明の第3の実施の形態における分散型発電装置のブロック図である。
【0059】
ここで、図2とは位相差検出手段116の代わりに、無効電力を検出する無効電力検出手段117を備えることが異なる。なお、図4において図2と同様の構成要素については同じ符号を付け、説明を省略する。
【0060】
以下に、本実施の形態の分散型発電装置の動作・作用について、図4を用いて説明する。
【0061】
まず、無効電力検出手段117の無効電力の検出方法について説明する。無効電力検出手段117には、電圧検出手段110が検出する電圧値と、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bが検出する電流値が入力される。無効電力検出手段117は、電圧と電流の瞬時値の積の平均値より有効電力を算出し、電圧と電流それぞれの実効値を算出し、実効値同士をかけて皮相電力を算出する。そして、皮相電力の2乗から有効電力の2乗を引いた値の平方根より無効電力を算出する。ここで、無効電力の検出は、U相101a、W相101bごとに行う。つまり、電圧検出手段110が検出するU相101a−O相101c間の電圧値と第1の電流検出手段111aが検出する電流値によりU相101aにおける無効電力を検出する。また、電圧検出手段110が検出するW相101b−O101c間の電圧値と第2の電流検出手段111bが検出する電流値によりW相101bにおける無効電力を検出する。
【0062】
次に、電流検出手段111の取付状態の検査方法について説明する。ただし、検査の開始までは本実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0063】
まずはじめに、第3の開閉手段115aをオン・オフし、次に第4の開閉手段115bをオン・オフする。このとき、第3の開閉手段115aをオンした場合は、U相101aと第1のノイズフィルタ114aとO相101cに電流が流れる、第4の開閉手段115bをオンした場合は、W相101bと第2のノイズフィルタ114bとO相101cに電流が流れる。つまり、第1のノイズフィルタ114a、第2のノイズフィルタ114bは容量性であるため電流が流れた際に商用電源101から無効電力が供給されることから、U相101aに電流検出手段111が取付けられていれば、第3の開閉手段115aをオンした場合のみ無効電力の変動が見られる。また、W相101bに電流検出手段111が取付けられていれば、第4の開閉手段115bをオンした場合のみ無効電力の変動が見られる。また、O相101cに電流検出手段111が取付けられていれば、第3の開閉手段115aをオンした場合、第4の開閉手段115bをオンした場合、両方において無効電力の変動が見られる。また、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていなければ、第3の開閉手段115aをオンした場合、第4の開閉手段115bをオンした場合、いずれにおいても無効電力の変動が見られない。同様に、電流検出手段111が故障、電線との結線不具合、電線が断線している場合は、第3の開閉手段115aをオンした場合、第4の開閉手段115bをオンした場合、いずれにおいても無効電力の変動が見られない。ここで、第3の開閉手段115aをオンすることで第1のノイズフィルタ114aに、第4の開閉手段115bをオンすることで第2のノイズフィルタ114bに電流を流すが、第1のノイズフィルタ114a、第2のノイズフィルタ114bはコンデンサであることから無効電力は消費されるが有効電力は消費されないないため、周辺部が加熱されることがない。このことから、周辺部を加熱することなく、第3の開閉手段115a、第4の開閉手段115bをオン・オフする際に、オン前後の無効電力検出手段117の無効電力の変動を取得し、取付状態を判定する。ここで、本実施の形態では、第3の開閉手段115aのオン前後のU相101aの無効電力の変動をΔQ1、W相10
1bの無効電力の変動をΔQ2とする。また、第4の開閉手段115bのオン前後のU相101aの無効電力の変動をΔQ3、W相101bの無効電力の変動をΔQ4とする。
【0064】
電流検出手段111の取付状態の判定は、第1の電流検出手段111aから行う。先に取得したΔQ1、ΔQ3が所定値範囲外の場合、O相101cに取付けられていると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔQ1、ΔQ3ともに所定値範囲内の場合、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていない、または、故障、電線との結線不具合、電線が断線していると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔQ3のみ所定値範囲外の場合、W相101cに取付けられていると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔQ1のみ所定値範囲外の場合、U相101aに正しく取付けられていると判定し、内蔵のメモリに正常情報を記憶する。ただし、第1のノイズフィルタ114aは容量性のため電圧に対して電流を進めることから、つまり、第1の電流検出手段111aが正しい方向に取付けれていれば無効電力の変動方向はプラスであることから、無効電力の変動方向がマイナスの場合は取付方向が逆と判定し、以後、制御手段109は第1の電流検出手段111aの電流値の符号を反転し、電力演算を行う。
【0065】
次に第2の電流検出手段111bの取付状態の判定を行う。先に取得したΔQ2、ΔQ4が所定値範囲外の場合、O相101cに取付けられていると判定し、内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔQ2、ΔQ4ともに所定値範囲内の場合、U相101a、W相101c、O相101cいずれにも取付けられていない、または、故障、電線との結線不具合、電線が断線していると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔQ2のみ所定値範囲外の場合、U相101aに取付けられていると判定し、同様に内蔵のメモリに異常情報を記憶する。また、ΔQ4のみ所定値範囲外の場合、W相101bに正しく取付けられていると判定し、内蔵のメモリに正常情報を記憶する。ただし、第2のノイズフィルタ114bは容量性のため電圧に対して電流を進めることから、つまり、第2の電流検出手段111bが正しい方向に取付けれていれば無効電力の変動方向はプラスであることから、無効電力の変動方向がマイナスの場合は取付方向が逆と判定し、制御手段109は第2の電流検出手段111bの電流値の符号を反転し、電力演算を行う。
【0066】
以上のような取付状態の判定後は、本実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0067】
なお、本実施の形態では、容量性の負荷である第1のノイズフィルタ114a、第2のノイズフィルタ114bを用いたが、誘導性の負荷を用いてもかまわない。ただし、その場合、誘導性の負荷は電圧に対して電流を遅らせる、つまり、第1の電流検出手段111a、第2の電流検出手段111bが正しい向きに取付けられていれば、第3の開閉手段115a、115bのオン前後における無効電力検出手段117で検出される無効電力の変動方向はマイナスになることから、取付方向の判定が逆となる。
【0068】
以上のように、本実施の形態においては、容量性、または誘導性の負荷114への無効電力の供給/遮断により無効電力を変動させることで電流消費することなく電流検出手段111の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段111の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のように、本発明にかかる分散型発電装置は、容量性、または誘導性の負荷への無効電力の供給/遮断により電流変動させることで電流消費することなく電流検出手段の取付状態を確認することが可能となるため、装置の施工・メンテナンス時における電流検出手段の取付状態の確認作業において、機器にダメージを与えることなく確認作業ができる
ため、燃料電池発電装置、太陽光発電装置、風力発電装置、太陽熱発電装置などの分散型発電装置等の用途にも適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
101 商用電源
102 分散型発電装置
105 発電機
106 インバータ
107a 第1の負荷
107b 第2の負荷
108a 第1の開閉手段
108b 第2の開閉手段
109 制御手段
110 電圧検出手段
111a 第1の電流検出手段
111b 第2の電流検出手段
114a 第1のノイズフィルタ
114b 第2のノイズフィルタ
115a 第3の開閉手段
116 位相差検出手段
117 無効電力検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機が生成した直流電力を交流電力に変換するとともに商用電源と連系する分散型発電装置であって、前記商用電源と前記分散型発電装置との間の電線に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記商用電源から電力が供給される負荷と、前記負荷への電力の供給及び遮断を行う開閉手段と、前記開閉手段を制御して前記電流検出手段が検出する電流の変動に基づいて前記電流検出手段の取付状態を診断する制御手段とを有し、前記負荷は、容量性若しくは誘導性の負荷である分散型発電装置。
【請求項2】
前記電線の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段と前記電流検出手段の位相差を検出する位相差検出手段とを有し、前記制御手段は、開閉手段を開閉し、前記位相差検出手段が検出する位相差に基づいて前記電流検出手段の取付状態を診断する請求項1に記載の分散型発電装置。
【請求項3】
前記電線の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段が検出する電圧と前記電流検出手段が検出する電流とから無効電力を検出する無効電力検出手段とを有し、前記制御手段は、前記開閉手段を開閉して前記無効電力検出手段が検出する無効電力の変動に基づいて前記電流検出手段の取付状態を診断する請求項1に記載の分散型発電装置。
【請求項4】
前記発電機が生成する直流電力を交流電力に変換して前記商用電源と連系するインバータを有し、前記負荷は、前記インバータの出力側に設置されるノイズフィルタである請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散型発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−222923(P2012−222923A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85139(P2011−85139)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】