説明

分析装置とその分注制御方法

【課題】液面揺れを抑制しつつ、分注動作に伴う分注プローブの振動を抑えることによって、分注精度の向上を可能とした分析装置とその分注制御方法を提供すること。
【解決手段】吸引対象となる容器2aの推奨回転領域Aa内に二箇所のプローブの吸引位置Pr11,Pr12が存在する場合は、容器を液体試料の吐出位置Pr1eに近い吸引位置Pr11に移動させて液体試料を吸引し、吸引対象となる容器の推奨回転領域内に二箇所のプローブのいずれか一つの吸引位置が存在する場合は、容器をその吸引位置に移動させて液体試料を吸引し、推奨回転領域内に二箇所のプローブの吸引位置が存在しない場合は、容器を最も近い吸引位置に移動させて液体試料を吸引するように第1試薬保冷庫2の回転及び分注装置の分注動作を制御する制御部を備えた分析装置とその分注制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置とその分注制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置は、試薬を保持した複数の試薬容器が円周上に配列された試薬保冷庫と、試薬と検体を反応させる反応容器が円周上に配列された反応槽とを備えている。試薬保冷庫は、回転動作の正確性維持及び試薬容器内の液面揺れを抑制するため、試薬容器を回転自在に支持したターンテーブルの回転角度が最小になる吸引位置に試薬容器及びプローブを移動させて試薬の吸引を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−48801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、分析装置は、試薬保冷庫に収容された分注対象の試薬容器を回転移動させてプローブによって試薬を吸引した後、プローブを回転させて反応槽の吐出位置へ移動し、吸引した試薬をプローブから反応容器に吐出して試薬を分注している。このとき、分注装置は、二箇所の試薬のいずれか一方の吸引位置と反応槽の吐出位置との間をプローブが移動することから、吐出位置に停止したプローブが振動する。このため、ターンテーブルの回転角度を規制して液面揺れを抑制しても、プローブの移動に伴う振動によって試薬を吐出する際の分注精度が許容範囲内でばらつくことがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、液面揺れを抑制しつつ、分注動作に伴う分注プローブの振動を抑えることによって、分注精度の向上を可能とした分析装置とその分注制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析装置は、試薬又は検体を含む液体試料を収容した容器から前記液体試料を吸引し、吸引した前記液体試料を反応容器に吐出して分注を行うプローブを備えた分注装置と、前記液体試料を収容した複数の容器を円周上に配列して予め設定された最大回転角度以下を回転し、前記プローブの移動軌跡上の少なくとも二箇所に前記プローブの吸引位置が存在する試料保持手段とを備え、前記反応容器に分注された検体を分析する分析装置であって、吸引対象となる前記容器の推奨回転領域内に前記二箇所のプローブの吸引位置が存在する場合は、当該容器を前記液体試料の吐出位置に近い前記一方の吸引位置に移動させて前記液体試料を吸引し、前記吸引対象となる容器の推奨回転領域内に前記二箇所のプローブのいずれか一つの吸引位置が存在する場合は、当該容器を当該吸引位置に移動させて前記液体試料を吸引し、前記推奨回転領域内に前記二箇所のプローブのいずれの吸引位置も存在しない場合は、当該容器を最も近い吸引位置に移動させて前記液体試料を吸引するように前記試料保持手段の回転及び前記分注装置の分注動作を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記液体試料を収容した複数の容器は、それぞれの容量に応じて最大回転角度が設定されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記推奨回転領域は、前記最大回転角度以下である所定の中心角である推奨回転角度の2倍の角度範囲であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記推奨回転領域は、少なくとも前記容量が増加するのに伴って狭くなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の分析装置は、上記の発明において、前記推奨回転領域は、境界部分を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析装置の分注制御方法は、試薬又は検体を含む液体試料を吸引し、吸引した前記液体試料を反応容器に吐出して分注を行うプローブを備えた分注装置と、前記液体試料を収容した複数の容器を円周上に配列して予め設定された最大回転角度以下を回転し、前記プローブの移動軌跡上の少なくとも二箇所に前記プローブの吸引位置が存在する試料保持手段とを備え、前記反応容器に分注された検体を分析する分析装置の分注制御方法であって、吸引対象となる前記容器の推奨回転領域を決定する推奨回転領域決定工程と、吸引対象となる前記容器の推奨回転領域内に前記二箇所のプローブの吸引位置が存在する場合は、当該容器を前記液体試料の吐出位置に近い前記一方の吸引位置に移動させ、前記吸引対象となる容器の推奨回転領域内に前記二箇所のプローブのいずれか一つの吸引位置が存在する場合は、当該容器を当該吸引位置に移動させ、前記推奨回転領域内に前記二箇所のプローブのいずれの吸引位置も存在しない場合は、当該容器を最も近い吸引位置に移動させる移動工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、吸引対象となる容器の推奨回転領域内に二箇所のプローブの吸引位置が存在する場合は、当該容器を液体試料の吐出位置に近い一方の吸引位置に移動させて液体試料を吸引し、推奨回転領域内に二箇所のプローブのいずれか一つの吸引位置が存在する場合は、当該容器を当該吸引位置に移動させて液体試料を吸引し、推奨回転領域内に二箇所のプローブのいずれの吸引位置も存在しない場合は、当該容器を最も近い吸引位置に移動させて液体試料を吸引する。このため、本発明によれば、吸引対象となる容器の回転による液面揺れを抑制するのに加え、液体試料を吐出する吐出位置迄のプローブの移動量を少なくしてプローブの振動も抑えるので、分注精度が向上するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の分析装置及び分析方法にかかる実施の形態1について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、実施の形態1の自動分析装置の概略構成を示す平面図である。図2は、第1試薬分注装置によって第1試薬を反応容器へ分注する際、試薬容器の位置とその試薬容器が搬送される吸引位置との関係を示す平面図である。
【0014】
自動分析装置1は、図1に示すように、第1試薬保冷庫2、第2試薬保冷庫3、キュベットホイール4、検体容器移送装置8、測定光学系14、容器洗浄装置15、制御部16、入力部17、及び表示部18を備えている。
【0015】
第1試薬保冷庫2は、駆動手段によって回転されるターンテーブルを有しており、上部には蓋が被着される。第1試薬保冷庫2は、図1に示すように、第1試薬を保持した複数の試薬容器2aが前記ターンテーブルに載置されて周方向に沿って円周上に配列されており、円周上の二箇所に第1試薬分注装置6のプローブ6bによる吸引位置が存在している(図2参照)。第1試薬保冷庫2は、前記ターンテーブルを回転させることによって分注対象の試薬容器2aを二箇所の吸引位置のいずれか一方へ搬送する。各試薬容器2aは、試薬名、容量など、収容した試薬に関する各種の情報を記録したバーコードラベル等の情報記録媒体(図示せず)が第1試薬保冷庫2の外周側となる端面に貼付されている。第1試薬保冷庫2は、各試薬容器2aの端面に貼付した情報記録媒体の情報を読み取る読取装置R1が外周に設けられている。第2試薬保冷庫3は、第1試薬保冷庫2と同様に構成されており、外周には読取装置R2が設けられている。第2試薬保冷庫3のターンテーブルに載置される試薬容器3aに収容された第2試薬は、第2試薬分注装置7によって反応容器5に分注される。
【0016】
ここで、第1試薬保冷庫2及び第2試薬保冷庫3は、分注対象となる試薬容器2a,3aの容量に応じて吸引位置迄回転する際に許容される試薬容器2a,3a、従ってターンテーブルの最大回転角度が決められる。例えば、第1試薬分注装置6が分注動作をする場合、プローブ6bは第1試薬の液面下3mmの位置まで下端が潜り込むとする。この場合、第1試薬保冷庫2のターンテーブルが回転を停止した直後における第1試薬の液面の揺れ(上下動)の最大変位は、例えば、最大回転角度上限まで回転した後では3mm未満に収まる。
【0017】
このような条件の下に行った実験結果から決定した最大回転角度は、例えば、容量が60mLの場合には150°、120mLの場合には120°、180mLの場合には90°となっており、容量が増加するのに伴って減少する。このようにしてターンテーブルの最大回転角度を規制することにより、第1試薬保冷庫2及び第2試薬保冷庫3は、ターンテーブルの回転停止による試薬容器2a,3aの回転停止時に、各試薬容器2a,3aに収容した試薬の液面揺れをプローブ6b,7bによる液面検知や試薬吸引に支障を生じさせない範囲に抑制している。
【0018】
キュベットホイール4は、図1に示すように、周方向に沿って複数の反応容器5が配列され、複数の反応容器5を所定温度(例えば、37℃)に保温しながら回転し、反応容器5を周方向に沿って搬送する。このとき、キュベットホイール4は、複数の反応容器5の側面を外周面に露出させ、例えば、一周期で(1周−1反応容器)/4回転し、四周期で(1周−1反応容器)回転する。また、キュベットホイール4は、近傍に第1試薬分注装置6、第2試薬分注装置7、検体分注装置11、第1撹拌装置12、第2撹拌装置13及び測定光学系14が配置されている。
【0019】
反応容器5は、容量が数μL〜数百μLと微量なキュベットであり、測定光学系14の光源14aから出射された分析光に含まれる光の80%以上を透過する透明素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。
【0020】
第1試薬分注装置6は、第1試薬保冷庫2上の試薬容器2aから第1試薬を反応容器5に分注し、第2試薬分注装置7は、第2試薬保冷庫3上の試薬容器3aから第2試薬を反応容器5に分注する。第1試薬分注装置6及び第2試薬分注装置7は、図1に示すように、それぞれ水平面内を矢印方向に回動するアーム6a,7aに試薬を分注するプローブ6b,7bが設けられている。第1試薬分注装置6及び第2試薬分注装置7は、洗浄水によってプローブ6b,7bを洗浄するプローブ洗浄装置が近傍に設けられている。ここで、第1試薬分注装置6は、プローブ6bを第1試薬保冷庫2へ移動して第1試薬を吸引した後、プローブ6bをキュベットホイール4へ移動して反応容器5へ試薬を吐出し、プローブ6bをプローブ洗浄装置へ移動してプローブ6bを洗浄する一連の動作を繰り返す。この動作は、第2試薬分注装置7も同様である。
【0021】
検体容器移送装置8は、図1に示すように、フィーダ9に配列した複数のラック10を矢印方向に沿って1つずつ歩進させながら移送する。ラック10は、検体を収容した複数の検体容器10aを保持している。
【0022】
検体分注装置11は、水平方向に回動する駆動アーム11aとプローブ11bとを有し、検体容器移送装置8によって移送されるラック10の歩進が停止するごとに検体容器10aから反応容器5へ検体を分注する。このため、検体分注装置11は、洗浄水によってプローブ11bを洗浄するプローブ洗浄装置が近傍に設けられている。
【0023】
第1撹拌装置12は、反応容器5に第1試薬や検体が分注された際に撹拌作動し、第2撹拌装置13は、第2試薬が分注された際に撹拌作動をする。第1撹拌装置12及び第2撹拌装置13は、それぞれステッピングモータによって精密に上下動されると共に水平面内を回転するホルダ12a,13aに撹拌棒12b,13bが保持されている。第1撹拌装置12及び第2撹拌装置13は、撹拌棒12b,13bを洗浄する洗浄装置が近傍に配置されている。第1撹拌装置12及び第2撹拌装置13は、撹拌位置に搬送されてくる反応容器5が変わる都度ホルダ12a,13aを回転させて反応容器5内の試薬や検体等の液体を撹拌する撹拌棒12b,13bを変更する。
【0024】
測定光学系14は、試薬と検体とが反応した反応容器5内の液体を分析する分析光を出射するもので、図1に示すように、光源14a,分光部14b及び測光部14cを有している。光源14aから出射された分析光は、反応容器5内の液体を透過し、分光部14bと対向する位置に設けた測光部14cによって測光される。測光部14cは、制御部16と接続され、受光した分析光の光量信号を制御部16へ出力する。
【0025】
容器洗浄装置15は、反応容器5から反応液や洗剤又は洗浄水を吸引する吸引ノズルと、洗剤又は洗浄水を分注する分注ノズルとを有しており、洗剤や洗浄水の分注と吸引の動作を複数回繰り返すことにより、測光が終了した反応容器5を洗浄する。このようにして洗浄された反応容器5は、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0026】
制御部16は、例えば、マイクロコンピュータ等が使用され、自動分析装置1の各構成部と接続され、これら各構成部の作動を制御すると共に、光源14aの出射光量と測光部14cが受光した光量に基づく反応容器5内の液体の吸光度に基づいて検体の成分濃度等を分析する。制御部16は、ホストコンピュータや入力部17から入力される分析依頼情報に基づいて自動分析装置1の各構成部の作動を制御しながら分析動作を実行させる。
【0027】
特に、制御部16は、試薬を分注する際に、第1試薬保冷庫2の回転と第1試薬分注装置6の分注動作或いは第2試薬保冷庫3の回転と第2試薬分注装置7の分注動作を制御する。例えば、第1試薬を反応容器5へ分注する際、制御部16は、第1試薬保冷庫2の回転と第1試薬分注装置6の分注動作を以下のように制御する。
【0028】
ここで、第1試薬保冷庫2は、図2に示すように、複数の試薬容器2aが配列された円周上に第1試薬分注装置6のプローブ6bの移動軌跡MLと交差する二箇所の吸引位置Pr11,Pr12が存在し、点Cを回転中心とする。プローブ6bは、洗浄槽Wtで内外を洗浄された後、吸引位置Pr11又は吸引位置Pr12において試薬容器2aから第1試薬を吸引する。第1試薬を吸引後、プローブ6bは、キュベットホイール4上の吐出位置Pr1eへ移動され、反応容器5に第1試薬を吐出し、洗浄槽Wtで内外を洗浄された後、新たな第1試薬を吸引しに行き、この動作を繰り返す。
【0029】
このとき、図2に示すように、試薬吸引対象の試薬容器2aの推奨回転領域Aa内に吸引位置Pr11と吸引位置Pr12が存在する場合、制御部16は、その試薬容器2aを吐出位置Pr1eに近い一方の吸引位置Pr11へ移動させて第1試薬を吸引するように第1試薬保冷庫2の回転と第1試薬分注装置6の分注動作を制御する。
【0030】
ここで、推奨回転領域Aaとは、前記最大回転角度以下である所定の中心角である推奨回転角度θr(図2参照)の2倍の角度範囲をいう。推奨回転角度θrは、ターンテーブルの回転停止による試薬容器2a,3aの回転停止時に、各試薬容器2a,3aに収容した試薬の液面揺れをプローブ6b,7bによる液面検知や試薬吸引に支障を生じない十分低い状態に維持し得るターンテーブルの回転角度をいう。
【0031】
本発明は、推奨回転角度によって決まる推奨回転領域Aa内でプローブ6b,7bの移動距離が小さくなる吸引位置を選択することで、試薬の液面揺れを抑制しつつ、分注動作に伴うプローブ6b,7bの振動を抑制し、分注精度の向上を図っている。推奨回転領域Aaは、両端の境界部分を含んでいる。ここで、図2において、θmaxは、ターンテーブルの最大回転角度を示し、図3及び図4においても同様である。
【0032】
また、図3に示すように、試薬吸引対象の試薬容器2aの推奨回転領域Aa内に吸引位置Pr11が存在する場合、制御部16は、その試薬容器2aを吸引位置Pr11へ移動させて第1試薬を吸引するように第1試薬保冷庫2の回転と第1試薬分注装置6の分注動作を制御する。
【0033】
一方、図4に示すように、試薬吸引対象の試薬容器2aの推奨回転領域Aa内に吸引位置Pr11,Pr12のいずれの吸引位置も存在しない場合、制御部16は、試薬容器2aを吸引位置Pr11又は吸引位置Pr12のうち最も近い方へ移動させて第1試薬を吸引するように第1試薬保冷庫2の回転及び第1試薬分注装置6の分注動作を制御する。但し、この場合、制御部16は、試薬吸引対象の試薬容器2aの容量に応じた最大回転角度以下で回転するように第1試薬保冷庫2のターンテーブルの回転を制御する。
【0034】
このように、試薬を吸引する際、第1試薬分注装置6は、プローブ6bの回転移動に伴う中心角の小さい吸引位置Pr11へプローブ6bが移動する頻度が中心角の大きい吸引位置Pr12へ移動する頻度よりも増加する。従って、第1試薬分注装置6は、吸引位置Pr12で試薬を吸引する場合に比べて、吐出位置Pr1e迄のプローブ6bの移動量が少なく抑えられ、移動時間が短縮されると共に、吐出位置Pr1eに停止した際の振動が低減される。この結果、自動分析装置1は、プローブ6bの振動が低減された状態で試薬を反応容器5へ吐出する頻度が増加するので、第1試薬分注装置6の分注精度が向上する。
【0035】
ここで、試薬容器2aの推奨回転角度θr、従って、推奨回転角度領域は、具体的には分注対象の試薬容器2aの容量によって決まり、予め制御部16に記憶されている。第1試薬保冷庫2は、最大回転角度以下であって、所定の中心角である推奨回転角度θr(図2参照)が予め試薬容器2aの容量ごとに設定されている。
【0036】
例えば、上述した分注動作時のプローブ6bの第1試薬内への潜り込み量が液面下3mmの際、第1試薬保冷庫2のターンテーブルが、例えば、最大回転角度上限まで回転した直後における第1試薬の液面の揺れ(上下動)の最大変位が3mm未満に収まる場合、推奨回転角度まで回転した後では1.5mm以内に収まる。
【0037】
このような条件の下に行った実験結果から決定した推奨回転角度θrは、表1に示すように、例えば、試薬容器2aの容量が60mLの場合には100°、120mLの場合には80°、180mLの場合には60°となっており、容量が増加するのに伴って減少した。即ち、第1試薬保冷庫2の推奨回転領域Aaは、試薬容器2aの容量が増加するのに伴って範囲が狭くなった。ここで、図2は、試薬容器2aの容量が60mLの場合を示している。
【0038】
【表1】

【0039】
入力部17は、制御部16へ検体数や検査項目等の分析指令を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部18は、分析結果や警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。
【0040】
以上のように構成される自動分析装置1は、制御部16の制御の下に作動し、回転するキュベットホイール4によって周方向に沿って搬送されてくる複数の反応容器5に第1試薬分注装置6、検体分注装置11及び第2試薬分注装置7によって第1試薬,検体及び第2試薬が順次分注されると共に、第1撹拌装置12及び第2撹拌装置13によって分注された試薬や検体が順次攪拌される。
【0041】
そして、試薬と検体が攪拌された反応容器5は、測定光学系14を通過する際に、反応液の光学的特性が測光部14cで測定され、制御部16によって成分濃度等が分析される。そして、反応液の測光が終了した反応容器5は、洗浄装置15によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0042】
このとき、制御部16は、例えば、第1試薬を反応容器5へ分注する際、以下のようにして第1試薬保冷庫2の回転及び第1試薬分注装置6の分注動作を制御する。このとき、制御部16が実行する分析装置の分注制御方法を図5に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
【0043】
先ず、制御部16は、分注対象の試薬容器2aを特定する(ステップS100)。試薬容器2aの特定は、制御部16に入力される分析依頼情報と読取装置R1からの各試薬容器2aの情報記録媒体からの情報とによって実行する。
【0044】
次に、制御部16は、特定した試薬容器2aに対応した第1試薬保冷庫2の推奨回転領域Aaを決定する(ステップS102)。
【0045】
その後、制御部16は、第1試薬の吸引位置を決定する(ステップS104)。吸引位置は、推奨回転領域Aa内に二箇所のプローブの吸引位置Pr11,Pr12が存在する場合は、吐出位置Pr1eに近い一方の吸引位置Pr11となる。これに対して、推奨回転領域Aa内にいずれか一つの吸引位置が存在する場合は、その位置が吸引位置となる。また、これら以外の場合は、吸引対象となる試薬容器2aに近い方が吸引位置となる。
【0046】
次に、制御部16は、特定した分注対象の試薬容器2aを吸引位置へ移動させる(ステップS106)。このとき、制御部16は、第1試薬保冷庫2のターンテーブルの回転を制御することによって特定した試薬容器2aを吸引位置へ移動させる。
【0047】
次いで、制御部16は、移動した吸引位置においてプローブ6bに第1試薬を吸引させる(ステップS108)。このとき、制御部16は、第1試薬分注装置6を制御してアーム6aを吸引位置へ移動させ、プローブ6bに第1試薬を吸引する。
【0048】
その後、制御部16は、吸引した第1試薬を反応容器5に吐出させる(ステップS110)。このとき、制御部16は、第1試薬分注装置6を制御してアーム6aを第1試薬の吸引位置からキュベットホイール4上の吐出位置Pr1eへ移動させ、プローブ6bから反応容器5へ第1試薬を所定量吐出させる。
【0049】
次に、制御部16は、分析依頼に基づく総ての第1試薬の分注が終了した否かを判定する(ステップS112)。総ての第1試薬の分注が終了していない場合(ステップS112,No)、制御部16は、ステップS100に戻って引き続くステップを繰り返す。一方、総ての第1試薬の分注が終了している場合(ステップS112,Yes)、制御部16は、分析装置の分注制御方法を終了する。
【0050】
以上のように、実施の形態1の自動分析装置1は、分注対象の試薬容器2aの推奨回転領域Aa内に二つの吸引位置Pr11,Pr12が存在する場合には、この試薬容器2aを吐出位置Pr1eに近い一方の吸引位置へ搬送して第1試薬を吸引し、推奨回転領域Aa内に一方の吸引位置が存在する場合には、この吸引位置へ試薬容器2aを搬送して第1試薬を吸引する。吸引位置Pr11,Pr12が、分注対象の試薬容器2aの推奨回転領域Aa外に位置する場合には、自動分析装置1は、この試薬容器2aを最も近い吸引位置へ搬送して第1試薬を吸引する。
【0051】
従って、自動分析装置1は、自動分析装置1は、分注対象の試薬容器2aを吸引位置へ搬送する回転角度を小さくすることで液面揺れを抑制するのに加え、第1試薬分注装置6のプローブ6bの移動距離を減少するので、プローブ6bの移動による振動を抑制することができる。この結果、第1試薬分注装置6は、第1試薬保冷庫2の回転に起因した試薬容器2aの液面揺れを抑制しつつ、プローブ6bの振動を緩和した状態で試薬を反応容器5へ吐出するので、分注精度が向上する。
【0052】
なお、第1試薬保冷庫2の回転に起因する試薬容器2aに保持された液体の液面揺れを抑えることができれば、図2から明らかなように、第1試薬保冷庫2の推奨回転角度θrを大きくすることができ、従って推奨回転領域Aaを第1試薬保冷庫2の全範囲にすることも可能である。このように、試薬容器2aに保持された液体の液面揺れを抑えることができれば、試薬吐出位置Pr1eへの移動によるプローブ6bの振動を抑えるうえで、第1試薬分注装置6は、吸引位置Pr11で第1試薬を吸引すればよいことになる。
【0053】
また、自動分析装置1は、第2試薬分注装置7によって第2試薬保冷庫3の試薬容器3aから第2試薬を吸引する場合にも、上述の分注制御方法が適用される。
【0054】
(変形例)
ここで、自動分析装置1の試薬保冷庫は、第1試薬保冷庫2及び第2試薬保冷庫3に代えて、図6に示す試薬保冷庫2Aのように、共通のターンテーブルを有する第1試薬保冷庫2bの内側に第2試薬保冷庫2cを同心円上に二重に配置した構成とし、第1試薬分注装置6と同様に構成される試薬分注装置6Aによって試薬を分注してもよい。
【0055】
このとき、第1試薬保冷庫2b及び第2試薬保冷庫2cは、それぞれ第1試薬を保持した複数の試薬容器2aと第2試薬を保持した複数の試薬容器2aが前記ターンテーブルに載置されて周方向に沿って円周上に配列されている。第1試薬や第2試薬は、アーム6aの回転に伴うプローブ6bの移動軌跡MLが第1試薬保冷庫2b及び第2試薬保冷庫2cとそれぞれ二箇所の吸引位置Pr11,Pr12及び吸引位置Pr13,Pr14で交差する試薬分注装置6Aによって分注される。そして、試薬保冷庫2Aとキュベットホイール4との間には、試薬分注装置6Aのプローブ6bを洗浄する洗浄槽Wtが設けられている。
【0056】
このとき、第1試薬保冷庫2bは、容量60mLと容量120mLの試薬容器2aを使用することができる。但し、第2試薬保冷庫2cは、容量60mLの試薬容器2aしか設置することができず、容量120mLの試薬容器2aは設置することができない。これら試薬容器2aの容量と第1試薬保冷庫2b及び第2試薬保冷庫2cの推奨回転角度の関係を表2に示す。
【0057】
【表2】

【0058】
図6に示す試薬保冷庫2Aを使用した場合でも、制御部16は、第1試薬保冷庫2bと第2試薬保冷庫2cのそれぞれについて上述の分注制御方法を適用することによって、試薬分注装置6Aを使用した試薬の分注精度を向上させることができる。
【0059】
(実施の形態2)
次に、本発明の分析装置にかかる実施の形態2について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態1の分析装置は、各試薬保冷庫の近傍に試薬分注装置が1つ設けられていたのに対し、実施の形態2の分析装置は、各試薬保冷庫の近傍に2つの試薬分注装置が設けられ、キュベットホイール4に複数の反応容器5が同心円上に内外2列配列されている。図7は、実施の形態2の自動分析装置の概略構成を模式的に示す平面図である。
【0060】
自動分析装置20は、図7に示すように、第1試薬保冷庫2の近傍に第1試薬分注装置6B,6Cが、第2試薬保冷庫3の近傍に第2試薬分注装置7B,7Cが、それぞれ設けられ、検体容器移送装置8に代えて、検体テーブル19を備えている。また、キュベットホイール4は、複数の反応容器5が同心円上に内外2列に配列されている。
【0061】
第1試薬分注装置6Bは、図7に示すように、プローブの移動軌跡ML1が第1試薬保冷庫2とそれぞれ二箇所の吸引位置Pr11,Pr12で交差し、いずれか一方の吸引位置で試薬容器2aから吸引した第1試薬をキュベットホイール4の外側に配列された反応容器5に吐出する。また、第1試薬分注装置6Cは、プローブの移動軌跡ML1が第1試薬保冷庫2とそれぞれ二箇所の吸引位置Pr13,Pr14で交差し、いずれか一方の吸引位置で試薬容器2aから吸引した第1試薬をキュベットホイール4の内側に配列された反応容器5に吐出する。第1試薬分注装置6B,6Cは、プローブを洗浄する洗浄槽Wt1がキュベットホイール4外側のプローブの移動軌跡ML1上に設けられている。
【0062】
一方、第2試薬分注装置7Bは、図7に示すように、プローブの移動軌跡ML2が第2試薬保冷庫3とそれぞれ二箇所の吸引位置Pr21,Pr22で交差し、いずれか一方の吸引位置で試薬容器3aから吸引した第2試薬をキュベットホイール4の外側に配列された反応容器5に吐出する。また、第2試薬分注装置7Cは、プローブの移動軌跡ML2が第2試薬保冷庫3とそれぞれ二箇所の吸引位置Pr23,Pr24で交差し、いずれか一方の吸引位置で試薬容器3aから吸引した第2試薬をキュベットホイール4の内側に配列された反応容器5に吐出する。第2試薬分注装置7B,7Cは、プローブを洗浄する洗浄槽Wt2がキュベットホイール4外側のプローブの移動軌跡ML2上に設けられている。
【0063】
検体テーブル19は、図7に示すように、駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って検体を収容した複数の検体容器19aが着脱自在に収納されている。検体テーブル19は、キュベットホイール4との間に検体分注装置11B,11Cが設けられている。検体分注装置11Bは、プローブの移動軌跡MLsが検体テーブル19とそれぞれ二箇所の吸引位置Ps1,Ps2で交差し、いずれか一方の吸引位置で検体容器19aから吸引した検体をキュベットホイール4の外側に配列された反応容器5に吐出する。また、検体分注装置11Cは、プローブの移動軌跡MLsが検体テーブル19とそれぞれ二箇所の吸引位置Ps3,Ps4で交差し、いずれか一方の吸引位置で検体容器19aから吸引した検体をキュベットホイール4の内側に配列された反応容器5に吐出する。検体分注装置11B,11Cは、プローブを洗浄する洗浄槽Wtsがキュベットホイール4外側のプローブの移動軌跡MLs上に設けられている。
【0064】
このとき、自動分析装置20は、制御部16の制御の下に作動し、実施の形態1と同様にして反応容器5に分注される検体を分析する。そして、制御部16は、実施の形態2で説明した分注制御方法によって第1試薬保冷庫2、第2試薬保冷庫3及び検体テーブル19の回転並びに第1試薬分注装置6B,6C、第2試薬分注装置7B,7C及び検体分注装置11B,11Cの分注動作を制御する。
【0065】
従って、例えば、第1試薬分注装置6Bによって第1試薬保冷庫2内に保冷されている第1試薬を反応容器5へ分注する際、制御部16は、実施の形態1と同様にして第1試薬保冷庫2の回転に伴う試薬容器2aに収容された第1試薬の液面揺れを抑制つつ、第1試薬分注装置6Bの分注動作を制御することにより、プローブの振動を緩和した状態で試薬を反応容器5へ吐出する。
【0066】
このため、第1試薬分注装置6Bが試薬を吸引する際、プローブは、吸引位置Pr12よりも回転移動に伴う中心角の小さい吸引位置Pr11へ移動する頻度が増加する。このため、第1試薬分注装置6Bは、吸引位置Pr12で試薬を吸引する場合に比べて、試薬吐出位置Pr1e迄のプローブの移動量が少なく、プローブの移動時間が短縮される。この結果、第1試薬分注装置6Bは、プローブが試薬吐出位置Pr1eへ移動後の時間を振動の緩和時間とすることができ、プローブの振動が緩和された状態で試薬を反応容器5へ吐出する頻度が増加するので、分注精度が向上する。このことは、本発明の分注制御方法を適用する限り第1試薬分注装置6C、第2試薬分注装置7B,7C及び検体分注装置11B,11Cにおいても成立する。
【0067】
従って、自動分析装置20は、分注対象の試薬容器2a,3a及び検体容器19aを吸引位置へ搬送する第1試薬保冷庫2、第2試薬保冷庫3及び検体テーブル19の回転角度を小さく抑えつつ、第1試薬分注装置6B,6C、第2試薬分注装置7B,7C及び検体分注装置11B,11Cのプローブを短時間で吐出位置へ移動させることができる。このため、第1試薬分注装置6B,6C、第2試薬分注装置7B,7C及び検体分注装置11B,11Cのプローブは、吐出位置へ移動後、第1試薬、第2試薬及び検体を吐出する迄の間、移動による振動を緩和することができる。この結果、自動分析装置20は、第1試薬分注装置6B,6C、第2試薬分注装置7B,7C及び検体分注装置11B,11Cがプローブの振動を緩和した状態で試薬及び検体を反応容器5へ吐出する頻度が増加するので、分注精度が向上する。
【0068】
なお、上記各実施の形態は、主に試薬を分注する場合について説明した。しかし、本発明の分析装置とその分注制御方法は、検体を分注する場合にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施の形態1の自動分析装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】推奨回転領域内に二箇所のプローブの吸引位置が存在する場合に試薬容器を移動する吸引位置を説明する平面図である。
【図3】推奨回転領域内に二箇所のプローブのいずれか一つの吸引位置が存在する場合に試薬容器を移動する吸引位置を説明する平面図である。
【図4】推奨回転領域内に二箇所のプローブの吸引位置のいずれもが存在しない場合に試薬容器を移動する吸引位置を説明する平面図である。
【図5】制御部が実行する分析装置の分注制御方法を説明するフローチャートである。
【図6】実施の形態1の分注制御方法で使用する自動分析装置の試薬保冷庫に係る変形例を説明する平面図である。
【図7】実施の形態2の自動分析装置の概略構成を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 自動分析装置
2 第1試薬保冷庫
2a 試薬容器
3 第2試薬保冷庫
3a 試薬容器
4 キュベットホイール
5 反応容器
6 第1試薬分注装置
6b プローブ
7 第2試薬分注装置
7b プローブ
8 検体容器移送装置
9 フィーダ
10 ラック
11 検体分注装置
12 第1撹拌装置
13 第2撹拌装置
14 測定光学系
15 容器洗浄装置
16 制御部
17 入力部
18 表示部
20 自動分析装置
6B,6C 第1試薬分注装置
7B,7C 第2試薬分注装置
11B,11c 検体分注装置
19 検体テーブル
19a 検体容器
Aa 推奨回転領域
C 回転中心
ML 移動軌跡
ML1,ML2,MLs 移動軌跡
Pr11,Pr12 吸引位置
Pr13,Pr14 吸引位置
Pr21,Pr22 吸引位置
Pr23,Pr24 吸引位置
Ps1〜Ps4 吸引位置
R1,R2 読取装置
Wt 洗浄槽
Wt1,Wt2,Wts 洗浄槽
θr 推奨回転角度
θmax 最大回転角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬又は検体を含む液体試料を収容した容器から前記液体試料を吸引し、吸引した前記液体試料を反応容器に吐出して分注を行うプローブを備えた分注装置と、前記液体試料を収容した複数の容器を円周上に配列して予め設定された最大回転角度以下を回転し、前記プローブの移動軌跡上の少なくとも二箇所に前記プローブの吸引位置が存在する試料保持手段とを備え、前記反応容器に分注された検体を分析する分析装置であって、
吸引対象となる前記容器の推奨回転領域内に前記二箇所のプローブの吸引位置が存在する場合は、当該容器を前記液体試料の吐出位置に近い前記一方の吸引位置に移動させて前記液体試料を吸引し、前記吸引対象となる容器の推奨回転領域内に前記二箇所のプローブのいずれか一つの吸引位置が存在する場合は、当該容器を当該吸引位置に移動させて前記液体試料を吸引し、前記推奨回転領域内に前記二箇所のプローブのいずれの吸引位置も存在しない場合は、当該容器を最も近い吸引位置に移動させて前記液体試料を吸引するように前記試料保持手段の回転及び前記分注装置の分注動作を制御する制御手段を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記液体試料を収容した複数の容器は、それぞれの容量に応じて最大回転角度が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記推奨回転領域は、前記最大回転角度以下である所定の中心角である推奨回転角度の2倍の角度範囲であることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
前記推奨回転領域は、少なくとも前記容量が増加するのに伴って狭くなることを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記推奨回転領域は、境界部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項6】
試薬又は検体を含む液体試料を吸引し、吸引した前記液体試料を反応容器に吐出して分注を行うプローブを備えた分注装置と、前記液体試料を収容した複数の容器を円周上に配列して予め設定された最大回転角度以下を回転し、前記プローブの移動軌跡上の少なくとも二箇所に前記プローブの吸引位置が存在する試料保持手段とを備え、前記反応容器に分注された検体を分析する分析装置の分注制御方法であって、
吸引対象となる前記容器の推奨回転領域を決定する推奨回転領域決定工程と、
吸引対象となる前記容器の推奨回転領域内に前記二箇所のプローブの吸引位置が存在する場合は、当該容器を前記液体試料の吐出位置に近い前記一方の吸引位置に移動させ、前記推奨回転領域内に前記二箇所のプローブのいずれか一つの吸引位置が存在する場合は、当該容器を当該吸引位置に移動させ、前記推奨回転領域内に前記二箇所のプローブのいずれの吸引位置も存在しない場合は、当該容器を最も近い吸引位置に移動させる移動工程と、
を含むことを特徴とする分析装置の分注制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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