説明

分析装置制御システム及び該システム用プログラム

【課題】参照用クロマトグラムを基準として一又は複数の測定を実行するような、クロマトグラフと接続された分析装置において、分かりやすく且つ簡潔に測定条件を設定することができる分析装置制御システムを提供する。
【解決手段】予め用意されている参照用クロマトグラムを表示部14に表示するクロマトグラム表示部31と、表示されている参照用クロマトグラムに対し、測定を実行する一又は複数の時間範囲をそれぞれ範囲バーとして視覚的に重畳して表示する時間範囲表示部32と、ユーザによる指示に基づき、範囲バーの時間的位置や長さを変更する範囲変更部33と、範囲変更部33による範囲バーの時間的位置や長さの変更に基づき、範囲バーに対応する測定の時間範囲を再設定する測定時間再設定部34と、を備えたシステムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置を制御するためのシステム及び該システム用プログラムに関する。特に本発明は、クロマトグラフを含む、又はクロマトグラフと接続された分析装置の測定条件を設定するための制御システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クロマトグラフと質量分析器とが組み合わされたクロマトグラフ質量分析装置では、前段のクロマトグラフにおいて時間的に分離された試料を後段の質量分析器へ連続的に導入し、質量分析が行われる(例えば特許文献1参照)。
後段の質量分析器では、時間的に分離されて導入されてくる試料全体を対象として同一の測定を実行するのではなく、ピークが存在している個所など、クロマトグラムに変化がみられる個所のみを対象として、即ち一又は複数の時間範囲のみを対象として、それぞれ所定の測定を実行するのが普通である。
【0003】
そのため、所望の分析を実行するためには、同一試料に関する過去のクロマトグラムを用意しておき、ユーザがこの参照用クロマトグラムを参照しつつ、どの測定をどの時間に実行するかを設定するという測定の時間範囲の設定作業が必要となる。
【0004】
この時間範囲の設定作業は分析装置を制御するための制御用アプリケーション上で行われるが、これは従来、ユーザが参照用クロマトグラムを参照しつつ、所定の入力欄に時間を示す数字を入力することで行っていた。このような従来の分析装置制御用アプリケーションの画面例を図7に示す。ここでは、画面左欄において、クロマトグラフ測定時間が「セグメント1」=[0.000−10.000](分)、「セグメント2」=[10.000−20.000](分)と分割され、「セグメント1」において「イベント1」及び「イベント2」という測定が、「セグメント2」において「イベント1」という測定が手動で入力された例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-083952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のクロマトグラフ質量分析装置において質量分析器の測定条件を設定する際には、以下のような問題があった。
・ある測定条件に対応する測定の時間範囲を手動で指定する必要があったため、作業が繁雑になりやすく、また、入力ミスが生じるおそれもあった。
・制御用アプリケーションの種類によっては、測定の時間範囲を、例えば0〜10、10〜20、20〜30(分)のように、等間隔でしか設定することができないものがあり、測定時間の設定の自由度が低かった。
・参照用クロマトグラムを表示させるためには、モニタにおいて別のウインドウを開かなければならず、面倒であるとともに、測定の時間範囲とクロマトグラムとの関係が分かりにくかった。
・ある時間において複数の測定を並行して実行するような場合に、測定間の互いの関係がわかりにくかった。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされた。即ち、本発明が解決しようとする課題は、参照用クロマトグラムを基準として一又は複数の測定を実行するような、クロマトグラフと組み合わされた分析装置において、ユーザがより理解しやすく、且つまた簡潔に測定条件を設定することができる分析装置制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された分析装置制御システムは、測定対象試料をクロマトグラフによって時間的に分離しつつ、全測定時間内の一又は複数の部分時間範囲のそれぞれにおいて所定の測定を実行するように分析装置を制御するためのシステムであって、
a)予め用意されている、前記測定対象試料に対応する参照用クロマトグラムを表示部に表示するクロマトグラム表示部と、
b)表示されている参照用クロマトグラムに対し、測定を実行する一又は複数の時間範囲をそれぞれ範囲バーとして時間的に重畳して表示する時間範囲表示部と、
c)ユーザによる指示に基づき、前記時間範囲表示部によって表示されている範囲バーの時間的位置及び/又は長さを変更する範囲変更部と、
d)前記範囲変更部によって範囲バーの時間的位置及び/又は長さが変更されたことに基づき、該範囲バーに対応する測定の時間範囲を再設定する測定時間再設定部と、
を備えることを特徴としている。
ここで、「時間的に重畳」とは、クロマトグラムと範囲バーとが画面上で直接重なり合う場合の他、強度軸方向に分離しつつも、時間軸方向では両者が対応する時間範囲において重なっているばあいのことをいう。
【0009】
また、本発明に係る分析装置制御システムは、好適には、
e)個々の測定に関する測定条件を、前記クロマトグラム表示部によってクロマトグラムが表示されている画面においてユーザが設定可能なように表示する測定条件表示部を更に備えた構成とするのがよい。
【0010】
加えて、前記時間範囲表示部が、複数の測定に関する範囲バーを、互いに重なり合わないように、前記参照用クロマトグラムの強度軸方向にずらして表示する構成とすることもできる。
【0011】
さらに本発明は、測定対象試料をクロマトグラフによって時間的に分離しつつ、全測定時間内の一又は複数の部分時間範囲のそれぞれにおいて所定の測定を実行するように分析装置を制御するためのシステム用のプログラムであって、該プログラムを実行するコンピュータを、
a)予め用意されている、前記測定対象試料に対応する参照用クロマトグラムを表示部に表示するクロマトグラム表示部と、
b)表示されている参照用クロマトグラムに対し、測定を実行する一又は複数の時間範囲をそれぞれ範囲バーとして時間的に重畳して表示する時間範囲表示部と、
c)ユーザによる指示に基づき、前記時間範囲表示部によって表示されている範囲バーの時間的位置及び/又は長さを変更する範囲変更部と、
d)前記範囲変更部によって範囲バーの時間的位置及び/又は長さが変更されたことに基づき、該範囲バーに対応する測定の時間範囲を再設定する測定時間再設定部と、
して動作させる分析装置制御プログラムを提供する。
【0012】
本発明に係る分析装置制御システムが制御対象とする装置は、例えば液体クロマトグラフ質量分析装置のような、クロマトグラフにおいて時間的に分離された試料を対象として分析や測定を行う装置であれば、いかなるものでも構わない。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る分析装置制御システムによれば、クロマトグラフにより分離される測定対象試料に対して測定を行う際の測定条件を設定するうえで、以下のような優れた効果が得られる。
【0014】
・測定の時間範囲がそれぞれ、範囲バーとして参照用クロマトグラム上に時間的に重畳されて表示部(モニタ)上に表示されるから、ユーザは参照用クロマトグラムと、実行される測定との関係を一目で理解することができる。また、一つの試料に対して複数の測定を実行する場合には、それら複数の測定同士の関係も視覚的に即座に理解される。よって、測定条件の設定の負担が軽減されるとともに、設定ミスを防ぐことができる。
・マウスなどの入力部を操作して、ユーザが表示部上に表示されている範囲バーの長さを調節したり時間的位置を変更したりするだけで、当該測定を実行する時間範囲を変更することができるため、高い自由度で以て時間範囲を設定できるとともに、時間範囲を手動で入力する場合と比べて操作性が高く、設定ミスの減少も期待できる。
【0015】
また、個々の測定に関する測定条件を、参照クロマトグラムが表示されている画面においてユーザが設定可能なように表示する測定条件表示部を備えた構成の場合、ある測定に関して、その時間範囲だけでなく、詳細内容をも同時に確認したり設定したりすることができるため、測定条件設定作業がより簡便なものとなる。
【0016】
また、前記時間範囲表示部が、複数の測定に関する範囲バーを、互いに重なり合わないように、参照用クロマトグラムの強度軸方向にずらして表示することにより、一つの試料に対して複数の測定を実行する場合に、ユーザが測定同士の関係を一目で理解することが可能となり、測定条件をより一層適切に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る分析装置制御システムの一実施形態の概略構成を示す図。
【図2】測定条件設定画面の例。
【図3】範囲バーの長さが変更される場合の模式図。
【図4】測定名表示部の動作の一例を示す模式図。
【図5】重なり案内部の動作の一例を示す模式図。
【図6】測定関連付設定部によって関連付けがなされている場合の範囲変更部の動作の一例を示す模式図。
【図7】従来の分析装置制御用アプリケーションの画面例。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る分析装置制御システムの実施形態の例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
図1に、本発明に係る分析装置制御システム1の一実施形態を示す。分析装置制御システム1の実態はコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)10にメモリ12、LCD(Liquid Crystal Display)等から成るモニタ(表示部)14、キーボードやマウス等から成る入力部16、ハードディスク等の大容量記憶装置から成る記憶部20が互いに接続されている。記憶部20には分析装置制御システム用プログラム21、参照用クロマトグラム記憶部22が設けられている。記憶部20にはまた、OS(Operating System)23が記憶されている。
【0020】
本実施形態に係る分析装置制御システム1は、外部装置との直接的な接続や、外部装置等とのLAN(Local Area Network)などのネットワークを介した接続を司るためのインターフェース(I/F)18を備えており、該I/F18よりネットワークケーブルNWを介してクロマトグラフ質量分析装置である分析装置A1に接続されている。なお、本発明に係る分析装置制御システムは、I/F18を介して外部に設けられた分析装置と接続される形態に限られる必要はなく、分析装置と一体化されていても構わない。
【0021】
また、本実施形態に係る分析装置制御システム1では、OS23と分析装置制御システム用プログラム21とを別体としているが、分析装置制御システム用プログラム21がOS23の一部に組み込まれていたとしても、勿論構わない。
【0022】
図1においては、分析装置制御システム用プログラム21に係るように、クロマトグラム表示部31、時間範囲表示部32、範囲変更部33、測定時間再設定部34、測定条件表示部35、測定名表示部36、重なり案内部37、測定関連付設定部38が、それぞれ示されている。これら各部の詳細な動作については後述するが、いずれも基本的にはCPU10が分析装置制御システム用プログラム21を実行することによりソフトウエア的に実現される構成である。
【0023】
次に、本実施形態に係る分析装置制御システム1の動作について説明する。まず、ユーザが入力部16を適宜操作する(例えばモニタ14上に表示されているアイコンをダブルクリックする)ことにより分析装置制御システム用プログラム21の実行を命令し、分析装置A1を構成する質量分析器における測定条件の設定用画面をモニタ14に表示させる。このような測定条件設定画面4の例を図2に示す。測定条件設定画面4には、測定追加ボタン領域40、クロマトグラム表示領域41、測定条件名表示領域42、測定条件設定領域43が含まれている。
【0024】
クロマトグラム表示部31、時間範囲表示部32、範囲変更部33、測定時間再設定部34、測定条件表示部35、測定名表示部36、重なり案内部37、測定関連付設定部38の各部は、図2の測定条件設定画面4において、以下に説明するような動作を行う。
【0025】
[クロマトグラム表示部31]ユーザによる指示等に基づき、測定対象となる試料が設定されると、クロマトグラム表示部31は参照用クロマトグラム記憶部22に予め記憶されている参照用クロマトグラムのうち、試料に適した参照用クロマトグラムのデータを読み出し、これを測定条件設定画面4のクロマトグラム表示領域41に表示する。もちろん、ユーザが直接、所望する参照用クロマトグラムを選択するようにしてもよい。
【0026】
クロマトグラム表示領域41には、参照用クロマトグラムの全体が表示されるのが好ましい。しかし、横軸方向(即ち時間方向)に参照用クロマトグラムが長い場合や、参照用クロマトグラムの或る部分を拡大表示しているような場合においては、参照用クロマトグラムの一部しかクロマトグラム表示領域41内に表示されないことがあり得る。このような場合には、ユーザによってスクロールの指示が入力されたこと(例えば右方向スクロールを指示するボタンが押下される)等に基づき、クロマトグラム表示部31は、クロマトグラム表示領域41内における参照用クロマトグラムの表示位置を適宜変更する。
【0027】
[時間範囲表示部32]例えば測定追加ボタン領域40に配置されているボタンを押下すること等により、実行する測定をユーザが入力してゆくと、その都度、時間範囲表示部32は、クロマトグラム表示領域41に表示されている参照用クロマトグラムに対して重畳して、各測定の時間範囲を視覚的に示す範囲バーとして表示する。
本実施形態では、既に測定番号1〜5の合計5つの測定が入力されており、測定番号1の「プロダクトイオンスキャン」が39-42分の時間範囲、測定番号2の「MRM」が31-34分の時間範囲、測定番号3の「プリカーサイオンスキャン」が27-33分の時間範囲、測定番号4の「プロダクトイオンスキャン」が同じく27-33分の時間範囲、測定番号5の「ニュートラルロススキャン」が4-10分の時間範囲に実行されるよう設定されているものとする。これに対応して時間範囲表示部32は、測定番号1〜5のそれぞれに関する範囲バーB1〜B5を、クロマトグラム表示領域41の参照用クロマトグラムに時間的に重畳して表示する。各範囲バーB1〜B5は、参照用クロマトグラムの時間軸(横軸)において、上述したそれぞれの時間範囲に対応した位置に、各測定が実行される時間の長さに対応した横軸方向の長さを持って示されている。
【0028】
また、時間範囲表示部32は、測定番号1〜5のそれぞれに対応する範囲バーB1〜B5が互いに重なり合わないように、クロマトグラム表示領域41上で、それぞれを参照用クロマトグラムの強度軸方向(縦軸方向)にずらして表示する。
【0029】
[範囲変更部33]範囲変更部33は、ユーザがマウスなどの入力部16を適宜操作したことに基づき、クロマトグラム表示領域41の範囲バーの長さを調整する。図3には、ドラッグ操作によって、範囲バーの長さが変更される場合の模式的な図を示す。これ以外にも、範囲バーの位置を変える、又は範囲バーの長さを短くする、といった操作に対応して、範囲変更部33は対象となる範囲バーの長さや位置を、クロマトグラム表示領域41上で変更する。
【0030】
[測定時間再設定部34]上述したように範囲変更部33によって或る範囲バーの位置や長さが変更されると、測定時間再設定部34は、その範囲バーに対応する測定の条件における時間範囲を再設定する。
【0031】
[測定条件表示部35]測定条件表示部35は、測定条件設定画面4の一部に、測定に関する詳細な測定条件を示し、またユーザにそれら測定条件の変更を許可するための測定条件設定領域43を表示する。図2の例では、測定条件名表示領域42に列挙して登録されている5つの測定のうち、測定番号2の測定が選択されている。そこで測定条件表示部35は測定条件設定領域43に測定番号2の測定名(測定の種類)、測定の時間範囲設定欄、コメント欄を表示する。もちろん、測定条件の種類はこれらに限定されるものではなく、測定の種類に応じて、関連する測定条件の内容を表示することができる。
【0032】
なお、ユーザが測定条件表示部35において時間範囲を手動で数値入力することによって変更した場合には、時間範囲表示部32は、この入力に合わせてクロマトグラム表示領域41における範囲バーの長さや表示位置が適切なものとなるように再描画する。
【0033】
[測定名表示部36]測定名表示部36は、クロマトグラム表示領域41に表示されている範囲バーと、各範囲バーに対応する測定名とが、測定条件設定画面4において視覚的に結びつくように表示を行う。ここで、「視覚的に結びつくように表示を行う」方法はいかなるものでも良い。例えば、図2の例のように、測定条件名表示領域42に上下方向に列挙されている各測定名の上下方向の位置に対応して範囲バーB1からB5を配置することができる。また、図4に示すように、クロマトグラム表示領域41内に表示されている各範囲バーの近傍に、対応する測定名を表示することもできる。または、色を合わせることにより、範囲バーと、各範囲バーに対応する測定名とを視覚的に結びつけることもできる。
【0034】
[重なり案内部37]図2における範囲バーB2、B3、B4のように、一つの時間範囲内で複数の測定が重なって実行されることがあり得る。図5は、重なり案内部37が、範囲バーが存在している領域の上に、その時間範囲に幾つの測定が実行される状態を判定するための概念図である。この例では、二つの範囲バーが時間的に重なっている領域を「2」とし、複数の測定の重なりを検出する。
【0035】
また、重なり案内部37は、同一の時間範囲に実行することができない種類の測定が重なっている場合に、時間的な重なりが存在していることを示しても良い。同時に実行できない測定の重なりが存在していることを警告ダイアログボックス等を表示させることでユーザの注意を促すようにしてもよい。
【0036】
[測定関連付設定部38]測定関連付設定部38は、ユーザの指示(例えば、複数の測定が指定された状態で「関連付け」ボタンが押下される)又は予め定められた条件に基づき複数の測定を関連付ける。例えば、図2の例では、測定番号3「プリカーサイオンスキャン」と測定番号4「プロダクトイオンスキャン」とが互いに関連付けられている。これらの関連付けは、測定に親子関係があるような場合や、常に同時に実行されなければならない場合など、各種の場合が考えられるが、具体的にどのような関連付けがなされるかは、いずれも予め分析装置制御システム自体に設定しておくものとする。この関連付けの種類によって、対応し合う複数の範囲バーの連動の形態が決定される。
【0037】
測定関連付設定部38によって関連付けがなされた測定の範囲バーの一つの位置や長さが変更されると、範囲変更部33は、その変更があった範囲バーの位置や長さも合わせて変更する。図6には、関連付けられた測定の二つの範囲バーのうち、下方にある一つの範囲バーの長さが変更されたことに基づき、範囲変更部33が、上方にある他方の範囲バーの長さも同様に変更する様子を示す。
【0038】
以上、本発明に係る分析装置制御システムについて実施例を用いて説明したが、上記は例に過ぎないことは明らかであり、本発明の趣旨の範囲内で適宜に変更や修正、又は追加を行っても構わない。例えば、範囲バーの形状は長方形に限られず、始点と終点が明確でありさえすればいかなる形状としても良い。
【符号の説明】
【0039】
1…分析装置制御システム
10…CPU
12…メモリ
14…モニタ
16…入力部
18…I/F
20…記憶部
21…分析装置制御システム用プログラム
22…参照用クロマトグラム記憶部
23…OS
31…クロマトグラム表示部
32…時間範囲表示部
33…範囲変更部
34…測定時間再設定部
35…測定条件表示部
36…測定名表示部
37…重なり案内部
38…測定関連付設定部
A1…分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象試料をクロマトグラフによって時間的に分離しつつ、全測定時間内の一又は複数の部分時間範囲のそれぞれにおいて所定の測定を実行するように分析装置を制御するためのシステムであって、
a)予め用意されている、前記測定対象試料に対応する参照用クロマトグラムを表示部に表示するクロマトグラム表示部と、
b)表示されている参照用クロマトグラムに対し、測定を実行する一又は複数の時間範囲をそれぞれ範囲バーとして時間的に重畳して表示する時間範囲表示部と、
c)ユーザによる指示に基づき、前記時間範囲表示部によって表示されている範囲バーの時間的位置及び/又は長さを変更する範囲変更部と、
d)前記範囲変更部によって範囲バーの時間的位置及び/又は長さが変更されたことに基づき、該範囲バーに対応する測定の時間範囲を再設定する測定時間再設定部と、
を備えることを特徴とする分析装置制御システム。
【請求項2】
e)個々の測定に関する測定条件を、前記クロマトグラム表示部によって参照用クロマトグラムが表示されている画面においてユーザが設定可能なように表示する測定条件表示部
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の分析装置制御システム。
【請求項3】
前記時間範囲表示部が、複数の測定に関する範囲バーを、互いに重なり合わないように、前記参照用クロマトグラムの強度軸方向にずらして表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の分析装置制御システム。
【請求項4】
各範囲バーに対応する測定名を、範囲バーと測定名とが視覚的に結びつくように表示する測定名表示部
を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分析装置制御システム。
【請求項5】
複数の測定が時間的に重なっている時間範囲を検出し、該時間範囲において範囲バーの重なりが存在していることを視覚的に表示する重なり案内部
を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分析装置制御システム。
【請求項6】
ユーザの指示又は予め定められた条件に基づき複数の測定を関連付ける測定関連付設定部を更に備え、
前記範囲変更部が、前記測定関連付け部によって関連付けられている測定の一つに対応する範囲バーの時間的位置及び/又は長さが変更されると、該測定に関連付けられている他の測定に対応する範囲バーの時間的位置及び/又は長さも同様に変更する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分析装置制御システム。
【請求項7】
測定対象試料をクロマトグラフによって時間的に分離しつつ、全測定時間内の一又は複数の部分時間範囲のそれぞれにおいて所定の測定を実行するように分析装置を制御するためのシステム用のプログラムであって、該プログラムを実行するコンピュータを、
a)予め用意されている、試料に対応する参照用クロマトグラムを表示部に表示するクロマトグラム表示部と、
b)表示されている参照用クロマトグラムに対し、測定を実行する一又は複数の時間範囲をそれぞれ範囲バーとして時間的に重畳して表示する時間範囲表示部と、
c)ユーザによる指示に基づき、前記時間範囲表示部によって表示されている範囲バーの時間的位置及び/又は長さを変更する範囲変更部と、
d)前記範囲変更部によって範囲バーの時間的位置及び/又は長さが変更されたことに基づき、該範囲バーに対応する測定の時間範囲を再設定する測定時間再設定部と、
して動作させることを特徴とする分析装置制御システム用プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、更に、
e)個々の測定に関する測定条件を、前記クロマトグラム表示部によって参照用クロマトグラムが表示されている画面においてユーザが設定可能なように表示する測定条件表示部
として動作させることを特徴とする請求項7に記載の分析装置制御システム用プログラム。
【請求項9】
前記時間範囲表示部が、複数の測定に関する範囲バーを、互いに重なり合わないように、前記参照用クロマトグラムの強度軸方向にずらして表示する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の分析装置制御システム用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−58982(P2011−58982A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209835(P2009−209835)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】