説明

分泌物を除去する換気用カテーテルおよび気道確保システム

肺分泌物を除去する換気用カテーテルおよび気道確保システムを提供する。前記換気用カテーテルは、二重ルーメン部を有しており、前記二重ルーメン部の各ルーメンはそれぞれ気道確保システムに動作可能に固定され、吸気用流体は上記2つのルーメンのうちの1つを通って前記換気用カテーテルの遠位端部へ供給され、使用済みの吸気用流体、肺分泌物および肺液は、もう1つのルーメンを通って患者の肺から排出される。呼気用流体の通路は、該通路から肺分泌物を除去し、前記システムの稼働や安全性を向上させる分泌物回収システムを含んでいることが好ましい。患者の肺を空気的に密封した状態においてわずかな空気を漏出させ、患者の肺から肺分泌物の除去を促進させることのできる改良拡張式カフを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2004年11月19日に出願された米国仮出願No. 60/629,074の利益を主張する。
【0002】
本発明は、気管チューブの名で一般に知られ、気管内の換気などに使用される換気用カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の気道確保の作業には、定量の吸気用流体を送る機械的な換気装置を用いた換気処置を伴うが、この吸気用流体は、エアガスないしは酸素ガスの混合体からなり、ときには水蒸気も加えられて患者の肺に一定周期で送られる。換気装置は、吸気用流体を高圧力下の給気システムを通して瞬時に患者の肺へ供給する動作と、給気システム内の圧力を瞬時に下げ、使用済みの吸気用流体は患者の肺から排出する動作を繰り返す。この換気装置による新たな吸気用流体の供給と、使用済み吸気用流体の排出との繰り返し動作によって、患者に自発呼吸がない間、患者の体内に適切な酸素を確保する。
【0004】
近年の気道確保システムは、患者の肺へ酸素含有流体を連続して送ると同時に使用済みの流体を肺から排出させる非循環型の処置により、患者へ酸素を供給することも可能になっている。かかるシステム類型の例は米国特許第5706830号に開示されている。
【0005】
換気用カテーテルは、しばしば気管用チューブと呼ばれ、患者の肺へ吸気用流体を供給する気道確保システムにおいて、従来から、また近年の手法でも使用されている。気管用チューブを歴史的にみると、ルーメンと呼ばれる中空内管からなり、遠位端部に開口を有する1本のチューブであった。前記遠位端部は患者の口から気管へと挿入され、声帯を越えた位置に配置される。気管用チューブの他端部は、換気装置と動作可能に接続されている。このようにして、吸気用流体は気管用チューブを通って肺へ直接供給され、同じ気管用チューブを通って肺から排出される。
【0006】
患者の気管内への挿入や位置決めを行いやすいよう、気管用チューブの断面はかなり小さくてはならない。もっとも、酸素含有流体を十分に供給できる大きさを有している必要がある。
【0007】
今日までの気管用チューブの使用や操作に関する改良は、2つの問題点を解決することに重点が置かれていた。第1は、気管内にある気管用チューブの安全性及び空気漏れを改善することである。第2は、肺もしくは肺胞を空気的に隔絶する気管用チューブの機能を向上させることである。
【0008】
第1の問題に関しては、解決策の1つとして、気管用チューブの遠位端部付近に膨張式カフを取り付ける方法がとられてきた。当該カフは、チューブを挿入する時はしぼんでおり、気管内の適当な位置までチューブが挿入されたら膨張し、チューブを定位置に保ちつつ密封状態を形成する。この類のカフの構造は、ニクラソンその他の米国特許第6443156号における図1Aおよび図1Bに示されている。
【0009】
これらカフは、密封性を確保し、患者の気道が胃液や咽頭液により感染される可能性を低くするが、他方で患者の肺分泌物や肺液の出入りも塞いでしまう。患者は一般的に、一日で200〜400cmの肺分泌物や肺液を排出する。この数値は患者が肺の感染症や特定の心臓病を患っていると劇的に大きくなる。
【0010】
機械的換気の最中に生じる肺の分泌物や肺液の増加に対処するために、患者の肺から周期的に吸引を行い、副次的感染を防ぐ抗生物質を使用した処置が通常とられる。かかる周期的な吸引は、吸引の度に患者の肺に損傷を与えたり気道を感染させる危険を伴う。
【0011】
第2の問題に関しある発明者は、気管用チューブの中に複数の独立したルーメンを設けることで肺や肺胞を隔離することを試みた。各チューブがそれぞれ膨張式カフを備えており、肺や肺胞を隔離することができる。しかしながら、各チューブは、吸気用流体を肺へ供給し、使用済みの吸気用流体を排出する点で、単体のルーメンチューブと動作に変わりはない。かかる構造を有するチューブは、肺の分泌物や肺液を増加させることがあるため、従来の分泌物の吸引や抗生物質による治療の措置をとらなくてはならなかった。さらに、気管用チューブの断面がある程度大きくなるため、子供や幼児など気道が小さい場合には有用性が薄れてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、従来の換気用カテーテルは利点があるものの、患者の肺へ挿入が容易で、補助的な吸引装置などを使用しなくとも肺の分泌物や肺液を容易に除去できる小型の気管用チューブが必要とされている。ここに記した利点に加え、本発明は、これらの課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示する一実施例である肺分泌物を除去する換気用カテーテルは、2本のルーメンからなる二重ルーメン部を有し、各ルーメンは気道確保システムに動作可能に接続され、吸気用流体が2本のルーメンのうちの1本を通って前記換気用カテーテルの遠位端へ送られ、使用された吸気用流体、肺分泌物および肺液がもう1本のルーメンを通って排出される。
【0014】
使用済み吸気用流体が通る経路には、肺分泌物を除去する分泌物回収システムを設け、システムの動作や安全性を向上させることが好ましい。さらに、使用済み吸気用流体を外部へ放出するのでなくシステム内に留保することで、SARSなどに感染している患者から空中感染物質が放出される可能性を最小限におさえることができる。
【0015】
また、改良カフを使用してもよい。前記改良カフは、換気用カテーテルの遠位端に設置され、気管内を密封する。カフの一側面には、換気用カテーテルの動作中に患者の肺から少量の空気を逃がすチャネルが設けられている。この空気漏出チャネルにより、換気用カテーテルの動作を中断することなく、肺分泌物の除去を促進することができる。
【0016】
本発明におけるその他の利点や特徴は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0017】
肺分泌物を除去する換気用カテーテル20およびこれに関連した気道確保装置22が図1ないし13に開示されている。一般的に、換気用カテーテル20は気管用チューブとも呼ばれ、換気を行うために患者26の気管24内にまで差し込まれる。この換気用カテーテル20は、二重ルーメン部30を有している。前記二重ルーメン部30の各ルーメン32a、32bは、気道確保装置40(図6ないし8)に動作可能なように接続されており、吸気用流体(空気ないし酸素含有流体で水蒸気を含むこともある)は、2本のルーメン32a、32b(ここでは32aとする)のうちの1本(ここでは32aとする)を通って換気用カテーテル20の遠位端部42まで送られ、使用された吸気用流体、肺分泌物および肺液は、もう1本のルーメン32a、32b(ここでは32bとする)を通って患者から除去される。
【0018】
独立したルーメン32a、32bをそれぞれ通し、吸気用流体の流入と流出を分離することにより、新しく入ってくる吸気用流体を、使用された吸気用流体や肺分泌物による汚染から防ぐことができる。使用済み吸気用流体の排出経路50(図6ないし8)は、該排出経路50から運ばれてくる分泌物を回収する分泌物回収システム52を備えていることが好ましく、これによりシステムの稼働や安全性を向上させる。また、使用済み吸気用流体を外部に排出するのでなく、装置内に留保させることにより、SARS等の感染者から空中感染物質が放出されるのを最小限に抑えることができる。
【0019】
本明細書では、これらの基本的特徴を備えたいくつかの実施例が開示されている。構成要素などの不要な繰り返しをさけるため、番号を使用する。
【0020】
図1を参照するに、第1実施例である換気カテーテル20a図示されている。本実施例において、二重ルーメン部30は、患者の声帯61の川上である咽頭領域ないしは咽頭領域の手前に位置している。二重ルーメン部30における各ルーメン32a、32bは、空気圧によって互いに合流し単一ルーメン部62となり、換気用カテーテル20aの遠位端部42まで伸延している。単一ルーメン部62は患者の気管内領域70へ突出している。これにより、二重ルーメン部30を用いた分泌物除去の利点を活かしつつ、直径の小さな単一ルーメン部62を声帯を越えて気管にまで伸延させることが可能となっている。二重ルーメン部30を咽頭部より手前に位置させることにより、換気効率を向上させ、不要なスペースを省き、分泌物を除去し、そして従来より使われている直径の小さな気管カテーテルを使用することが可能となっている。
【0021】
二重ルーメン部30を構成する各ルーメン32a、32bは従来周知のアダプター72に接続され、従来周知の換気システム40(図6)のコネクタに着脱可能に固定される近位端部80を有することが好ましい。ルーメン32aはコネクタを介して、換気システム100(図6)の導管102に接続されている。ルーメン32bは換気システム100の使用済み吸気用流体の排出経路に接続されている。本システム100は、予め設定された流速で吸気用流体を送るよう制御することができる。吸気用流体は、約20mmHgの圧力でルーメン32aの近位端部へ選択された周期で送られる。その後、装置内の気圧は約6mmHgにまで落とされ、換気周期における呼気段階となる。これにより、肺分泌物や肺液をルーメン32bから排出させる流動が生じる。
【0022】
さらに換気システム100は、換気システム40の吸気段階、呼気段階のどちらにおいても、二重ルーメン部30のうちの1本であるルーメン32aを通して吸気用流体が供給されると同時に、ルーメン部30のもう1本のルーメン32bを通して使用済み吸気用流体や分泌物が患者から排出されるよう設計されることが好ましい。
【0023】
換気用カテーテル20aの先端部110は、カテーテルを挿管する際に単一ルーメン部を通過させやすいよう斜めに切られ、軟らかくなっている。先端部は、気道を塞ぐことがある後屈に耐えるよう設計されることが望ましい。
【0024】
換気用カテーテルの二重ルーメン部および単一ルーメン部は、ともに医療上認可されている軟らかくて透明なエラストマーで作成されることが好ましい。必要であれば、図9に示すように、フラップ弁のようなチェック弁170を二重ルーメン部の一方ないしは双方に取り付け、ルーメン内での逆流を防ぐことができる。
【0025】
膨張式カフ140は換気用カテーテルの遠位端部42の付近に位置させることが好ましい。膨張式カフ140は、充分な不透水性を示すプラスチックなどの薄膜で形成することが好ましい。カフの端部は、単一ルーメン部62の外表面に接着されている。カフ140は、米国特許第6443156号の図1Aおよび図1Bに示される周知の方法、すなわち換気用カテーテル20a内にカフ140から補助空気ポンプへ延びるカフ膨張管を備えた装置によって膨張される。
【0026】
換気用カテーテル20aは、図3に示されるようにカフ140がしぼんだ状態のまま患者の気管内に挿入される。そしてその後、カフ140が膨張する。カフ140はひとたび膨張すると、図1及び図2に示されるように、気管の断面形状を囲む形状に拡大し、患者の肺を空気圧によりふさぐことになる。
【0027】
耐久性があり、咬傷に強い咬合阻止具150が、図1に示すように換気用カテーテルの二重ルーメン部に取り付けられていることが好ましい。二重ルーメン部のルーメン32a、32bは、咬合阻止具150の穴に通されている。さらに、咬合阻止具を二重ルーメン部に沿って摺らせることにより患者の歯や唇の位置に合わせられるよう、咬合阻止具を二重ルーメン部30に摺動可能に取り付けることが好ましい。咬合組織150は、二重ルーメン部30と並行して1つ以上の貫通孔を設けることが好ましい。これら孔は必要に応じて、気管内用のブロッキングカテーテルやファイバスコープ用に使用することができる。換気孔151も必要に応じて設けられる。
【0028】
換気システム40(図6)は、図7及び8に示されるように流出回路に分泌物回収装置52を備えていることが好ましい。該分泌物回収装置52は、分泌物回収チャンバ56を有し、該チャンバは、使用済み吸気用流体の排出路50と分岐点58を介して空気圧で通じている。分泌物が使用済み吸気用流体の排出路50内の分岐点58を通過すると、分泌物は重力で自然に、または補助ポンプ59の力を借りて回収チャンバ56へ向かって落ちる。
【0029】
また、必要に応じて、管路の適当な位置で1つ以上の紫外線発生バルブを設けたり、抗菌作用のある装置を設けてもよい。同様に、ガスが大気中に放出されるのを防ぐよう適切な抗菌フィルタを装置内部に設けてもよい。
【0030】
図4及び5には、第2実施例である換気用カテーテル20bが示されている。本実施例において、二重ルーメン部30は、単一ルーメン部の中央に向かって延びる縦長の隔壁31により、ルーメン32aと32bとを区分するよう形成されている。隔壁31は、ルーメン32aと32bが結合し単一ルーメン部62となるように、換気用カテーテル20bの遠位端部から離れた位置において取り除かれている。第1実施例の換気用カテーテル20a(図1ないし3)と同様に、本実施例における換気用カテーテル20aの酸素含有流体は、ルーメン32aを通って単一ルーメン部62へ供給され、使用済み吸気用流体は、ルーメン32bを通って患者から排出される。
【0031】
図10及び図11には、第3実施例である換気用カテーテル20cが示されている。本実施例において、重複ルーメン部30は換気用カテーテル20cの全長に渡って伸びる単一ルーメン部の一部をなしており、ファイバー内視鏡のような補助装置を挿入するに十分真っ直ぐな管路を有している。重複ルーメン部30の第2ルーメン32bが、図示されるように前記単一ルーメンと直角に交って、換気用カテーテル20cの重複ルーメン部30を形成している。
【0032】
図11及び図12には、低圧力の膨張式カフ140が換気用カテーテル20cの遠位端部42の付近に取り付けられている。本態様におけるカフ140は、不透水性を示すプラスチックなどの薄い膜で作成されることが好ましい。カフの端面は単一ルーメン部62の外面に接着するが、膨張したカフ140の一側面には凹陥部190が形成されている。
【0033】
カフ140は従来周知の方法、例えば米国特許第6443156号の図1A及び図2Bに開示されているような方法、すなわち換気用カテーテル20a内にカフ140から補助空気ポンプへ延びるカフ膨張管を備えることで膨張される。
【0034】
換気用カテーテル20cは、カフ140が膨張していない状態で患者の気管内に挿入される。そしてその後で、カフ140は膨張する。カフ140はひとたび膨張すると、図11及び図12に示されるように、気管24の断面形状を囲む形状に拡大し、患者の肺を空気圧でふさぐ。凹陥部190は、カフ140と気管壁71の間に小さな空洞192を形成するので、患者の肺からわずかに空気を漏らすことができる。凹陥部190の大きさは、換気用カテーテル20cを通る吸気用流体の約10%が空洞192から排出されるよう設計されることが好ましい。
【0035】
常に空気を漏出させることで、肺分泌物の除去が促進される。肺分泌物は、カフ141の空洞192を通って、患者の下咽頭まで上がってくるため、換気用カテーテルを中断させることなく、これら分泌物を吸引することができる。
【0036】
図13を参照するに、第4実施例の換気用カテーテル20dが示されている。本カテーテルは、図1の第1実施例と似ているが、第1実施例で取り付けられている膨張式カフ140(図1)を有していない。この、カフを有しない構造は、幼児や小さな子供のように気管が小さい場合に有益である。
【0037】
本発明は好ましい実施例を用いて説明してきたが、発明の範囲は、これら実施例に限られるものでない。例えばカフ140(図10及び図11)やチェック弁170(図9)は、開示されている実施例におけるカテーテル20aないし20dのいずれにも適用することができる。したがって、本発明の範囲は様々な変形例に及び、添付の請求項で定められる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明における第1実施例の換気用カテーテルにおいて、膨張式カフが膨らみ、患者の気管に挿入されている状態を示す等角図。
【図2】図1に示した換気用カテーテルの線2−2に沿った横断面図。
【図3】図1に示した換気用カテーテルの膨張式カフを収縮した状態で示す図。
【図4】本発明における第2実施例の換気用カテーテルにおいて、第1の膨張式カフが膨らんでいる状態を示す等角図。
【図5】図4に示した換気用カテーテルの線5−5に沿った横断面図。
【図6】図1に示した換気用カテーテルと接続されている気道確保システムの回路図。
【図7】他の気道確保システムにおいて患者の肺に酸素含有流体を送る流入回路示す回路図。
【図8】図7で示した回路図において、患者の肺から気道確保システムを通って送られる排出回路を示す回路図。
【図9】本発明における第3実施例の換気用カテーテルを示す回路図。
【図10】図8で示した第3の換気用カテーテルをカフがしぼんだ状態で示す図。
【図11】第4実施例の換気用カテーテルに第2のカフが取付けられた状態で示す等角図。
【図12】図11で示した第4実施例の換気用カテーテルの線12−12における横断面図。
【図13】本発明における第5実施例の換気用カテーテルを示す等角図。
【符号の説明】
【0039】
20 換気用カテーテル
30 二重ルーメン部
31 隔壁
32a,32b ルーメン
42 遠位端部
52 分泌物回収システム
56 分泌物回収チャンバ
61 声帯
62 単一ルーメン部
140 拡張式カフ
150 咬合阻止具
170 チェック弁
190 凹陥部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未使用の吸気用流体の通路と呼気用流体の通路とを有し、気道確保システムに動作可能に固定される換気用カテーテルであって、
前記気道確保システムから送られる未使用の吸気用流体を患者の体内へ流入させ、使用済みの吸気用流体を前記患者の体内から前記気道確保システムへ還流させる遠位端部と、
第1のルーメンと第2のルーメンとを有し、前記患者の口腔から咽喉の間に収まる大きさの二重ルーメン部とを有し、
前記第1のルーメンは前記未使用の吸気用流体の通路と空気圧を介して接続され、前記第2のルーメンは前記呼気用流体の通路と空気圧を介して接続されている、換気用カテーテル。
【請求項2】
前記二重ルーメン部は、前記第1のルーメンおよび前記第2のルーメンを区画する縦長に伸びた隔壁を内部に有する単一ルーメンからなる、請求項1に記載の換気用カテーテル。
【請求項3】
前記第1のルーメン及び前記第2のルーメンは、空気圧により結合され、前記換気用カテーテルの前記遠位端部から少し手前の位置に単一ルーメン部を形成する、請求項1に記載の換気用カテーテル。
【請求項4】
前記二重ルーメン部は、前記第2のルーメンが前記第1のルーメンにほぼ垂直に固定されることによって形成されており、前記第1のルーメンから前記単一ルーメン部にわたりほぼ真っ直ぐな通路が形成されている、請求項4に記載の換気用カテーテル。
【請求項5】
さらに前記単一ルーメン部に動作可能に固定されている膨張式カフを含む、請求項2に記載の換気用カテーテル。
【請求項6】
前記膨張式カフは外表面に沿って細長いチャネルを有しており、前記カフが患者の気管内で膨張したときに気道漏出通路を形成する、請求項5に記載の換気用カテーテル。
【請求項7】
前記気道漏出通路は、前記気道確保システムから供給される前記吸気用流体の約10%を漏出可能とする大きさである、請求項6に記載の換気用カテーテル。
【請求項8】
さらに前記二重ルーメン部に摺動可能に取り付けられた咬合阻止具を含む、
請求項1に記載の換気用カテーテル。
【請求項9】
前記咬合阻止具は、前記換気用カテーテルの前記未使用の吸気用流体の通路と接続された少なくとも一本のチャネルを含む、請求項8に記載の換気用カテーテル。
【請求項10】
前記未使用の吸気用流体はガスである、請求項1に記載の換気用カテーテル。
【請求項11】
前記二重ルーメン部は前記患者の声帯の上流に位置しており、前記単一ルーメン部は前記患者の前記声帯を越えて気管内へ伸びている、請求項3に記載の換気用カテーテル。
【請求項12】
前記呼気用流体の通路は、肺分泌物及び肺液を前記呼気用流体の通路を通して前記患者から回収する分泌物回収装置を含む、請求項1に記載の換気用カテーテル。
【請求項13】
前記分泌物回収装置は、分泌物を回収する分泌物用チャンバを含む、請求項12に記載の換気用カテーテル。
【請求項14】
さらに、前記第1のルーメンもしくは前記第2のルーメンの少なくともどちらか1つが、空気の逆流を防ぐためのチェック弁を含む、請求項1に記載の換気用カテーテル。
【請求項15】
さらに、前記チェック弁が設けられていない前記第1のルーメンもしくは前記第2のルーメンが第2のチェック弁を含む、請求項14に記載の換気用カテーテル。
【請求項16】
さらに、前記換気用カテーテルの前記遠位端部より少し手前の前記呼気用流体の通路における逆流を防ぐために第2のルーメンにチェック弁を含む、請求項1に記載の換気用カテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−520290(P2008−520290A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541610(P2007−541610)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001783
【国際公開番号】WO2006/053446
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507163736)サターン バイオメディカル システムズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】