説明

分配用具及びその製造方法

胴体(104)と、胴体(104)によって支持された上壁(112)及び底壁(106)であって、分配可能な空洞の内容物を貯留するための空洞(124)を画定する柔軟な上壁(112)及び底壁(106)とを有する本体(104')を含む分配用具(102)であって、柔軟な上壁(112)に連結され、柔軟な上壁(112)によって形成されたヒンジ(114)周りで開くことが可能である蓋部(108)と、蓋部(108)を本体(104')に対して封止して空洞(124)を封止するシール(110)と、器具部分(150)と、ハンドル部分(152)とを更に含み、シール(110)が、破断し、蓋部(108)が柔軟な上壁(112)によって形成されたヒンジ(114)周りで開くことができ、それによって空洞の内容物が分配されることが可能になる、分配用具(102)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、内容物を貯留及び分配することができる容器に関し、また、特に一杯又は限定された杯数の内容物を分配するための使い捨ての分配用具に関連して特に有用である。これ以降、この用途に関連して本発明を説明することが好都合である。しかし、本発明は、この用途のみに限定されないことを理解されたい。
【背景技術】
【0002】
さまざまなタイプの内容物を貯留し、分配するための容器及びパッケージングは、多様な形状及びサイズで入手可能であり、いくつかの異なる機能を有する。
【0003】
一杯又は限定された杯数の製品(たとえば紅茶又はコーヒーを出された顧客が使用する砂糖)を提供すること、或いは測定された又は計量された量の製品(たとえば医薬品)を提供することが望ましい場合、使い捨てのパッケージング容器が頻繁に使用される。そのような限定された杯数のサイズを用意することにより、各々の顧客は、必要とされるものだけ入手し、使い残された又は傷んだ量を過剰に廃棄することが不要になるため、傷みの発生率及び無駄の発生率が低減される。
【0004】
傷み及び無駄の低減に加え、一杯(又は限定された杯数)用の容器を提供することにより、こぼして取り散らかすことも少なくなる。一杯用容器からコーヒーに分配された砂糖は、ボウルから供給された砂糖に比べて、こぼれて取り散らかされた状態になりにくい。これは、セルフサービス設備が設けられる場所、たとえば職場及びカフェテリアにおいて非常に有用である。そのような容器はまた、砂糖などが目的地到着時に使用されることが意図される持ち帰りの状況においても非常に有用である。
【0005】
また、より向上した機能性のための追加の機能を組み込んだ、内容物を分配するための容器を提供することも望ましいものであり、分配用具の形態であるそのような容器は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれたWO2005/065498(テイズ(Teys)ら)に開示されている。
【0006】
テイズらの分配用具は、有利には、紅茶又はコーヒーをかき混ぜるために別個のスプーンを提供する必要がないように、スプーン形状の容器から砂糖などの製品を分配する。したがって、別個の砂糖袋及びかき混ぜ用具が必要とされないため、取り散らかすことが更に少なくなる。
【0007】
テイズらの分配用具は、砂糖、コーヒー、及び多様な他の内容物が必要に応じて分配されることを可能にし、理想的には、用具は、砂糖がスプーンで提供される、又は塩/胡椒がナイフ/フォークで提供されるようにその内容物と相乗的に対にされ、その結果、顧客及び提供者(カフェ、ホテル、航空会社など)の両方が、最大の利便性及び利点を得るようになる。
【0008】
テイズらの分配用具を一方の手で操作することが可能であることが有利であり、それによってこの分配用具は、紅茶又はコーヒーのカップを他方の手で保持しなければならない状況、たとえばコーヒーが紙コップで購入され、歩きながら又は移動しながら、コップなどを置くスペースが限定される場において消費される場合に非常に有用になる。分配用具の蓋部は、片手だけを使用して、分割線又は破損ゾーンに沿って「スナップ式に」容易に開けることができ、内容物の一部又はすべてを分配し、更なる分配を防止するためにこの蓋部を閉じ、次いで、分配用具を使用し飲料をかき混ぜることができる。
【0009】
しかし、コーヒーなどの特定の繊細な内容物は、テイズらにおいて開示されたように容器内にパッケージされたとき、劣化し、貯蔵寿命が許容できないほど短いものであることが見出されている。これは、これ以降バリヤ問題と称される。水蒸気、酸素及び他の気体を通さない効果的なバリヤを形成する不浸透性の材料を提供することが、この問題の一つの側面である。この問題の他の側面は、蓋部を「スナップ式に」開き、好ましくは再度閉じることができるように適切な破面又は「スナップ作用」特性(破面特性)も有する適切なバリヤ特性を有する材料を得ることである。この問題の別の側面は、貯留空洞上のテイズらの柔軟な上壁による適切なシール(封止特性)を可能にする材料を得ることである。たとえば、60%タルカムパウダーを有するポリプロピレンは、良好な破面又は「スナップ作用」特性を有する用具を提供するが、効果的なバリヤを提供するには比較的厚くなければならず、貯留空洞上の柔軟な上壁による良好なシールを作り出すことが可能でないことが発見されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、良好なバリヤ特性を有することによって繊細な製品の貯蔵寿命を延長し、良好な「スナップ作用」、好ましくは再封止特性を有し、柔軟な上壁が容易に封止される、或いはこれらの特徴のいずれか一つ又はその組合せを有する改良された分配用具を提供することが望ましい。また、製造するのに経済的であり、効率が良く、用具に使用されるプラスチックの全体量を低減する改良された分配用具を提供することも望ましい。
【0011】
本明細書における文書、装置、作用又は知識の議論はどれも、本発明の文脈を説明するために含まれている。この議論は、そのいずれの資料も、本明細書の特許請求の範囲の優先日又はその以前に従来技術の基本又は関連技術分野における共通の一般知識の一部を構成していたということを認めるものとして解釈するべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様は、
-胴体(carcass)と、
-胴体によって支持された柔軟な上壁及び底壁であって、分配可能な空洞の内容物を貯留するための空洞を画定する柔軟な上壁及び底壁と
を有する本体を含む分配用具であって、
-柔軟な上壁に連結され、柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開くことが可能である蓋部と、
-蓋部を本体に対して封止して空洞を封止するためのシールと、
-器具部分と、
-ハンドル部分とを更に含み、
シールを破断し、蓋部を柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開くことができ、それによって空洞の内容物が分配されることが可能になる、分配用具を提供する。
【0013】
好ましくは
-本体のかなりの部分が、剛性であり、
-柔軟な上壁が、平坦であり、
-胴体及び底壁が、シェルを画定し、平坦で柔軟な上壁、胴体、及び底壁が、空洞を画定し、
-蓋部のかなりの部分が、剛性であり、
-シールが、蓋部をシェルに対して封止する。
【0014】
また、分配用具に関連して本明細書において説明した特徴のうち特定のものは、分配用具分野以外の用途を有することができることが、本発明者によって認識されている。
【0015】
分配用具は、その性質により、ハンドル部分及び器具部分を有するためにたいていは縦長の非対称のものであり、通常は一方の端部に蓋部が設けられており、更には特に幾何学的配置の好ましい要素の一部の特徴を、より一般的に剛性な分配容器で使用するように適合させることもできる。
【0016】
したがって、本発明の第2の態様は、
-胴体と、
-胴体によって支持された平坦で柔軟な上壁及び底壁であって、胴体及び底壁が、内面を有するシェルを画定し、柔軟な上壁、胴体及び底壁が、分配可能な空洞の内容物を貯留するための空洞を画定する、上壁及び底壁と
を有する、かなりの部分が剛性である本体を含む分配容器であって、
-かなりの部分が剛性であり、柔軟な上壁に連結され、平坦で柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開くことが可能である蓋部と、
-蓋部をシェルに対して封止して空洞を封止するシールとを更に含み、
シールを破断し、蓋部を平坦で柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開くことができ、それによって空洞の内容物が分配されることが可能になる、分配容器を提供する。
【0017】
上記の態様による本発明の好ましい実施形態では、ヒンジが、平坦で柔軟な上壁によってその平面内に形成され、蓋部をシェルに対して封止するシールは、上壁の平面から外れている。
【0018】
好ましくは、シェルは、断面が凹形であり、凹形の内面及び凸形の外面を有する。好ましくは、ヒンジの軸は、分配用具又は容器を横断する。好ましくは分配用具又は容器は、縦長のものであり、ヒンジの軸に対して垂直な長手方向軸を有する。
【0019】
一つの実施形態では、シールは、ヒンジの周りで蓋部を開く動作によって破断される。代替の実施形態では、シールは、それを蓋部又は本体から取り外すことによって破断され、続いて、空洞の内容物が、ヒンジの周りで蓋部を開くことによって分配される。本発明の代替の実施形態では、底壁は、胴体とは別個に形成されてよく、或いは胴体と一体的に形成されてもよい。他の実施形態では、底壁は、シールとは別個に又はシールと一体的に形成されてよい。
【0020】
好ましい実施形態では、シールは、ポリマー、ホイル、フィルム、紙、又は膜のうちの一つである。
【0021】
好ましい実施形態では、蓋部及び底壁は、その間に溝を形成するように隣接して配置され、シールが前記溝の上方を延びる。
【0022】
好ましくは、胴体は、更に、蓋部に隣接する強化リブを含む。一つの実施形態では、蓋部及びリブは、その間に(溝である)破損ゾーンを形成するように隣接して配置され、シールが前記溝の上方を延びる。別の実施形態では、リブ及び蓋部は、その間に破損ゾーンを有して一体的に形成され、シールが前記破損ゾーンの上方を延びる。
【0023】
本発明の代替の実施形態では、蓋部は胴体とは別個に形成されてよく、或いは胴体と一体的に形成されてよい。
【0024】
本発明の更に他の実施形態では、蓋部及び底壁は、その間に破損ゾーンを有して一体的に形成されてよく、シールが前記破損ゾーンの上方を延びる。
【0025】
一つの好ましい実施形態では、破損ゾーンは、乾燥時、蓋部をシェルに対して封止して空洞を封止する液相ポリマーによって被覆された一つ又は複数のピンホールを有する。
【0026】
好ましくは、分配用具又は容器は、更に、柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで蓋部が開かれた際にシールを破断するのを助ける歯又は他の突起物を含む。
【0027】
好ましくは、シール破断又は破損形態は、破く、穴をあける、切断する、降伏する、剥がす、滑らす、せん断する、固着解除するのうち一つ又は複数から選択される。破損時、シールは、蓋部又は胴体に対して摺動することができる。
【0028】
好ましい実施形態では、蓋部は、内容物の放出を防止するために、開いた後に再度閉じることが可能である。
【0029】
本発明の代替の実施形態では、シールは、凹面でよいシェルの内面に固着させることができ、或いは凸面でよいシェルの外面に固着させることもできる。したがって、シールは、空洞内にあっても外側にあってもよい。
【0030】
本発明の他の代替の実施形態では、胴体、底壁、及び蓋部は、成形プラスチックでよく、上壁は、ポリマー、紙、フィルム、ホイル、膜、又はこれらの材料の積層品でよい。
【0031】
別の実施形態では、上壁及び底壁は、ホイルでよく、プラズマ誘導ヒートシールによって胴体に封止されてよい。
【0032】
好ましくは、空洞は、防水又は空気不浸透性のものである。
【0033】
一つの実施形態では、底壁は、柔軟なものであり、それによってユーザが空洞の内容物の一部又はすべてを分配するために分配容器を圧搾することが可能になる。更に他の実施形態では、上壁又は底壁は、透過性のものである。
【0034】
好ましくは、蓋部は、剛性の親指当てを含む。
【0035】
好ましい実施形態では、用具又は容器は、第2の空洞及び第2の空洞を封止するための第2の蓋部を含む。代替の実施形態では、第3の又はそれに続く空洞及び蓋部を含むことができる。
【0036】
一つの好ましい実施形態では、用具又は容器は、更に、分配された内容物を蓋部又は破損ゾーンから離れた位置に送出するための送出チャネルを含む。
【0037】
容器の好ましい実施形態では、容器は、器具内の挿入用のカートリッジでよい。好ましくは、カートリッジは、器具内で回転可能であり、収容位置及び分配位置を有する。
【0038】
本発明の第3の態様は、分配用具又は容器を製造する方法であって、
-胴体、底壁、蓋部、及びシールを含む胴体アセンブリを形成するステップと、
-胴体アセンブリを分配される内容物によって充填するステップと、
-胴体アセンブリを平坦で柔軟な上壁で封止するステップとを含む方法を提供する。
【0039】
好ましくは、胴体アセンブリを形成するステップは、単一パス操作で、底壁を胴体に装着し、シールを蓋部に装着するステップを含む。好ましくは、胴体アセンブリは、断面が凹形であり、凹形の内面及び凸形の外面を有する。
【0040】
本発明の第4の態様は、
-胴体と、
-胴体によって支持された柔軟な上壁及び底壁であって、分配可能な空洞の内容物を貯留するための空洞を画定する柔軟な上壁及び底壁と
を有する本体を含む分配容器であって、
-柔軟な上壁に連結され、柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開くことが可能である蓋部と、
-蓋部を本体に対して封止して空洞を封止するシールとを更に含み、
柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで蓋部を開くことによってシールを破断することができ、それによって空洞の内容物が分配されることが可能になる分配容器を提供する。
【0041】
本発明は、使い捨てのパッケージングに適した特性を有するプラスチックが、WO2005/065498(テイズ(Teys)ら)の分配用具などの容器を形成するために経済的厚さで使用されるとき、以下の少なくとも一つが欠けるという認識に端を発している。
【0042】
-適切な破面特性
-適切なバリヤ特性
-適切な封止特性
破損ゾーンにおけるバリヤ特性
テイズらによる用具の破損ゾーンは、蓋部を「スナップ式に開く」ことができる相対的脆弱点を提供する。バリヤ問題は、破損ゾーンにおいて特に深刻であることが、本出願の発明者によって認識されている。破損ゾーンは、容器がその脆弱点で「スナップ式」に開くために、隣接の底壁及び胴体よりも小さい厚さを有し、応力集中ゾーンを形成する。しかし、厚さが小さくなることにより、(たとえば水蒸気、空気、酸素、又は他の物質に対する)バリヤとして作用する破損ゾーンの能力もまた低減される。破損ゾーンが関連する物質(たとえば水、蒸気、空気など)に対して不浸透性になるように破損ゾーンのプラスチックの厚さを増すと、底壁の残りの部分もまた厚くされない場合「スナップ作用性」が欠如し、このとき蓋部を開くのに必要とされる力もまた適正レベルを超えることがある(そしてそのような製品を受け入れる消費者も少なくなる)。こうした厚さはまた、プラスチックコストの増大及び重量の増加を考慮すると、実用的ではない。
【0043】
有利には、破面特性(「スナップ作用性」)、封止特性、及びバリヤ特性の問題が、本発明によって対処され、その結果、適切な封止特性を有する材料を使用して分配用具の胴体及び/又は底壁を形成することができ、更に、これらの問題は、繊細な製品であっても良好な貯蔵寿命を提供し、蓋部が清潔に開き、清潔に分配し、好ましくは、弱い破面特性を有する材料が使用される場合であっても再度閉じることが可能であるという点で良好な「スナップ作用」特性を有する。破損ゾーン、すなわち蓋部と本体のシェル部の間の上方を延びるシールを提供することにより、バリヤ問題は、この領域において軽減される。
【0044】
本発明は、材料の改良ではなく構造の改良を目的とする。用具は、使用及び製造することが容易であり、破面、バリヤ、及び封止の優れた特性を有する。
【0045】
テイズ(Teys)らにおいて開示されたような分配用具では、用具(又は少なくともそのハンドル部)は、機能するために構造的剛性又は硬性を必要とするが、一つ又は複数の壁又は表面は、可撓性又は柔軟なものでよい。たとえば、コーヒーをかき混ぜるには、かき混ぜ用具(すなわちスプーンボウル)を支持する剛性のハンドル部である縦長の剛性本体が必要とされる。この構造的剛性は、シェルを画定し、凹形の胴体アセンブリの一部を形成する胴体及び底壁によって部分的にもたらされる。この剛性は、柔軟な上壁を設けることによって強化される。製造の利点は、凹形の胴体アセンブリを上部から充填する能力によって得られる。
【0046】
硬性又は剛性の凹形の胴体アセンブリを提供することにより、内容物の分配はより容易になる。蓋部が開かれると、構造的硬性又は剛性の本体は、本体の破損ゾーンの部分又は喉部が注ぎ口又はノズルとして作用することを可能にし得る。このため、たとえば袋の破れた領域からの内容物の圧搾と比べたとき達成され得るものより手際のいい、より制御可能な内容物の分配が可能になる。この利点を利用するためには、蓋部は、平坦で柔軟な上壁ではなく(剛性の胴体アセンブリの周囲に配置された)破損ゾーン内で破損が生じるようにして開かれなければならない。したがって、薄い領域、すなわち破損ゾーンは、胴体アセンブリ内に設けることができ、蓋部は、胴体アセンブリではなく、柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開く。てこ力が、柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで、用具本体及び蓋部である剛性のレバーアームにかけられたとき、応力は、破損ゾーンに集中される。分配用具が縦長であるほど、レバーアームの長さが増すためにより大きなてこ力をかけることができる。用具本体及び蓋部のかなりの部分は、本体及び蓋部がレバーアームとして機能することを可能にするために剛性である。
【0047】
そうではなく、てこ力が反対方向にかけられた場合、胴体アセンブリ又は底壁をヒンジとして使用することを試みるには、柔軟な上壁の断裂又は破損が必要となり、手際のいい方法での分配が不可能になる。また、そのような方法で蓋部を開くには、過度の力が必要とされ、ユーザは、内容物の制御をし難くなり、内容物がこぼれやすくなるはずである。
【0048】
バリヤ特性の向上
本発明の好ましい実施形態による用具のバリヤ特性は、蓋部と容器本体の間の破損ゾーン上にシールを使用することによって向上される。特定のバリヤ特性が必要とされる場合(たとえば水蒸気不浸透性)、適切なシールを破損ゾーン上に配置させることができる。バリヤ特性が、破損ゾーン内だけではなく、空洞壁全体にとっても問題である場合、シールは、空洞の壁の一部又はすべてを覆うように延在することができ、それによって全体的なバリヤ特性が向上する。特定の好ましい実施形態では、用具の底壁は、部分的又は全体的にシールによって置き換えられ、したがって使用されるプラスチックの量が低減される。
【0049】
好ましい実施形態では、胴体、底壁、及び蓋部を含む胴体アセンブリは、凹形のシェルとしてプラスチックから一体的に形成される。プラスチックは、引張負荷下で強く、(柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りの)本体から蓋部のスナップ作用によって引張力が外側プラスチックシェルにかかる。ユーザが更に力をかけると、プラスチックは降伏し、スナップ式に開く。より薄い材料又は類似物を使用して所望の破損ゾーン内に応力を集中させることにより、ユーザは、必要とされる力が小さくてすむためより容易に蓋部を開くことができる。また、より薄い材料の領域又は分割線と共に、又はその代わりに「ピンホール」を使用することにより、応力を集中させてもよい。ピンホールは、シェルの厚さを部分的に又は全体的に通って延びることができる。
【0050】
応力集中は、特に、より重い又はより厚いプラスチックが必要とされることがある場合、空洞が大きい場合に特に重要になる。また、ユーザが、余分なざらざらの縁(ragged edges)を(そのような縁部は、良好でない分配特性をもたらす恐れがあるので)有することなく、蓋部が無傷で全開するのに十分な力を容易にかけることができることも、内容物が分配されるときに重要である。破損ゾーン内に応力を集中させる能力は、分配用具の縦長の硬性又は剛性の構造によって向上する。本体及び蓋部は、破損が破損ゾーン内に確実に生じることを助ける。本体及び蓋部は、レバーアームとして作用する必要がある。用具の縦長の性質はまた、ユーザが十分なてこ力を破損ゾーン上、ヒンジの周りに生じさせることを助ける。
【0051】
胴体、底壁及び蓋部が、破損ゾーン(たとえばシェルの全体厚さを通って延びても延びなくてもよいピンホール)を有する凹形のプラスチックシェルとして一体的に形成される上記の実施形態を製造するために、シールが、破損ゾーン(シェルの内部又は外部)に装着され、シェルは、内容物によって上部から充填される。シェルは、相対的に硬性又は剛性のものであり、たとえば、シェルは、それ自体の重量及び充填後のその内容物の重量もまた支えることができる。底壁は、胴体によって支持され又は強化されるが、胴体を支持することもできる。これは、使用される材料のみならず、可撓性又は柔軟のものではなく縦長の硬性のものであるシェルの幾何学的構造にも起因する。次いで、平坦で柔軟な上壁をシェル上に装着することにより、空洞が封止され、用具の本体及び蓋部の構造的剛性が、更に高められる。
【0052】
柔軟な上壁は、シェルの上縁又はリップを封止し、構造を更に補強する平坦なシートである。平坦で柔軟な上壁は、凹形のプラスチックのシェルが幅広のより浅いシェルに変形することを防止する。その代わり、その上縁又はリップが固定された関係で保持され、したがって力は、破損ゾーン全域に集中され、作用するので、シェルは、変形しない。この効果はまた、胴体アセンブリの要素が一体的に形成されない本発明の実施形態においても留意され得る。
【0053】
本発明の一実施形態はまた、分割線又はより薄い材料の領域ではなく溝又は空隙である破損ゾーンを有用に提供する。これは製造の容易さの向上、並びに「スナップ作用性」及び再閉鎖性の向上の両方を可能にする。溝の無傷の側面は、容器のプラスチックではなくシールが破損するため、蓋部が開かれたとき、ざらざらの縁が作り出されないことを保証する。溝は、応力集中体として作用して、蓋部がそのヒンジの周りで開かれ、シールの破損がその溝で生じることを保証する。
【0054】
シールは、ホイル、フィルム、紙、若しくは膜、又はこれらの複合物、或いはポリマーなどの他の適切な材料でよい。一つの好ましい実施形態では、破損ゾーン又は溝は、乾燥して封止フィルムになる液体(好ましくはポリマー液)によってコーティングされる。別の実施形態では、接着剤を使用してシールを蓋部に、また、用具の構造に応じて底壁、強化リブ又は胴体に固着させる。
【0055】
他の実施形態は、破損ゾーン又は溝の上方を延びるシールを提供し、このシールは、蓋部及び底壁、強化リブ又は胴体に接着剤によって接着されるが、接着剤、したがってシールは、蓋部が開かれたときに破損し、それによってシールが蓋部の上方を摺動することが可能になる。或いは、ホイル又はフィルム層及び接着剤と同様の機能を提供する膜を有する複合シールが設けられる。
【0056】
シールは、溝上で使用される場合、内容物の放出を防止するためだけに使用され得る。しかし、シールはまた、製品放出が生じていない場合であっても、たとえば分割線又はより薄い材料の領域などの破損ゾーン上で使用される場合、バリヤ特性を向上させるために使用することもできる。
【0057】
シールは、その封止が内容物の放出の防止に関連するか、或いはたとえば水蒸気を通さないバリヤ封止に関連するかに関わらず、空洞を封止するというその機能を失うときに「破断される」。言い換えれば、本明細書における「空洞のシール」という用語の用法は、単に内容物の放出の防止に限定されるのではなく、バリヤ封止まで拡大することができる。
【0058】
シールは、穴があけられ、破かれ又は別の形で破壊されてよく、或いは、シールは、蓋部に付着しなくなって蓋部から剥がれる又は蓋部に対して摺動してよい(或いは、胴体、底壁、又は強化リブに付着しなくなってそれから剥がれる又はそれに対して摺動してよい)。膜又はコーティングは、摺動作動を助けることができ、シールと蓋部の間又はシールとリブ、底壁又は胴体の間に配置される。
【0059】
シールはまた、製品の不正使用を示すために使用することもでき、シールが明らかに破壊されている場合、消費者は、このシールによって生じた不正使用の明白な特徴に留意することができる。一部の実施形態では、シールは、蓋部をヒンジの周りで回転させる前に消費者によって取り外され又は剥がされる。これは、本発明の脆弱化された破損ゾーン又は溝破損ゾーンの両方のバージョンで有用になり得る。破損ゾーンが破損状態であることは、蓋部が以前に開かれたことを消費者に示すので、蓋部を「スナップ式に開く」ことはまた、更なる不正使用の明白な特徴も提供する。
【0060】
幾何学的配置及び製造の容易さの向上
本発明の好ましい実施形態では、用具の構造は、適切な幾何学的配置によって更に改良される。たとえば、破損ゾーンの一方又は両方の縁に隣接する強化リブを提供することにより、更なる構造学的剛性を分配用具にもたらし、それによってユーザが更により容易に破損ゾーン上に力をかけることが可能になる。破損ゾーンに隣接する領域を硬化させることにより、破損ゾーンの応力集中係数が増大し、したがってユーザが蓋部を開くことがより容易になる。
【0061】
そのような強化リブはまた、分配がより小さな断面積から生じるように、内容物が空洞からそこを通って分配される喉部を狭くする又は制限するために使用することもできる。これは、内容物の一部分だけの制御された分配が必要とされる状況で有用である。反対に、広く開いた喉部は、特定の内容物に対してより速い分配が望ましい場合に空洞から内容物が流れるのを容易にすることを可能にする。リブはまた、断面積を調整するために、喉部の広さではなく喉部の高さを変更するために使用することもできる。
【0062】
本発明の好ましい実施形態は、少量のプラスチックの使用及び内容物の分配のために空洞を「圧搾する」能力を可能にしながら、全体的な構造的剛性も保持する。たとえば、「硬性」の胴体を可撓性の底壁と共に使用することにより。本発明の他の実施形態は、分配された内容物が適切な場所に送出されることを可能にする。たとえば、歯磨き粉は、一体型の歯ブラシ上に分配され、送出され得る。すなわち分配用具は、歯磨き粉を備える歯ブラシである。
【0063】
用具を製造するとき、蓋部は、完全性を保証するために、好ましくは空洞が適切な内容物によって充填される前にシールによって本体に封止される。有利には、充填される空洞もまた、胴体として作り出すことができ、この胴体上には底壁が装着され、底壁もまたシールとして作用する。このため、必要とされるプラスチックの量が低減され、製造プロセスにおける追加時間もほとんど必要とされない。シール及び底壁は、単一操作で装着され、次いで空洞が、上部から充填され、この空洞は、柔軟な上壁を用いて封止される。壁には少量のプラスチックだけが必要とされるため、胴体は、所望であれば経済的なコストで、より厚いプラスチックから製造することができる。
【0064】
有利には、本発明による分配用具は、コーヒー及び医薬品などの繊細な製品の貯蔵寿命の延長を可能にする。したがって、本発明は、繊細な製品を容易に経済的な製造プロセスでパッケージングするための代替手段を提供する。
【0065】
本発明はまた、製造プロセス及び使用されるプラスチックの低減の両方の点で、数多くの製造及び環境的利点も有する。したがって、良好なバリヤ特性が必要とされない場合であっても、本発明による分配用具は、極めて有利である。
【0066】
本明細書における「胴体」という用語は、容器を形成するために容器の他の要素がその上に取り付けられる又は組み立てられる筐体、骨格又は構造を提供する容器の要素を示すために使用される。容器のさまざまな要素は、胴体と一体的に形成されてよく、或いは別個に製造してその後胴体に取り付けられてもよい。
【0067】
本明細書における「上部」及び「底部」という用語は、本発明のさまざまな要素を互いに対して方向付ける目的で使用され、本明細書において特許請求される本発明の範囲を限定するものと考えられるべきではない。たとえば、使用時、「上部の柔軟な壁」が底壁若しくは側壁、又は実際には内壁を形成し、「底壁」が、上壁などになる本発明の実施形態が存在することが、企図される。
【0068】
本発明の一つ又は複数の好ましい実施形態の他の特徴及び利点は、添付の図を参照し、それと併用した書面による以下の説明から当技術者に容易に明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図1aは、柔軟な上壁を示し、図1bは、シールを示し、図1cは、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体を示す。
【図2】シールが一体型の底壁及び蓋部を有する胴体に組み付けられている、図1a〜1cの実施形態の上面斜視図である。
【図3】柔軟な上壁がシール及び一体型の底壁及び蓋部を有する胴体に組み付けられている、図1a〜1cの実施形態の上面斜視図である。
【図4】図3の実施形態の底面斜視図である。
【図5】蓋部が開かれている、図3の実施形態の底面斜視図である。
【図6】本発明の別の実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図6aは、柔軟な上壁を示し、図6bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図6cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図7】一体型の底壁を備えて形成されたシールが一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図6a〜6cの実施形態の上面斜視図である。
【図8】柔軟な上壁が、一体型の底壁を備えて形成されたシール及び一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図6a〜6cの実施形態の上面斜視図である。
【図9】図8の実施形態の底面斜視図である。
【図10】蓋部が開かれている、図8の実施形態の底面斜視図である。
【図11】本発明の別の実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図11aは、柔軟な上壁を示し、図11bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図11cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図12】一体型の底壁を備えて形成されたシールが、一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図11a〜11cの実施形態の上面斜視図である。
【図13】柔軟な上壁が、一体型の底壁を備えて形成されたシール及び一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図11a〜11cの実施形態の上面斜視図である。
【図14】図13の実施形態の底面斜視図である。
【図15】蓋部が開かれている、図13の実施形態の底面斜視図である。
【図16】本発明の別の実施形態による分配容器の分解底面斜視図であり、図16aは、柔軟な上壁を示し、図16bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図16cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図17】一体型の底壁を備えて形成されたシールが、一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図16a〜16cの実施形態の底面斜視図である。
【図18】柔軟な上壁が、一体型の底壁を備えて形成されたシール及び一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図16a〜16cの実施形態の上面斜視図である。
【図19】蓋部が開かれている、図17の実施形態の底面斜視図である。
【図20】底壁が柔軟である、本発明の別の実施形態による分配容器の底面斜視図である。
【図21】蓋部が開かれている、図20の実施形態の一つのバージョンの底面斜視図である。
【図22】蓋部が開かれており、中空である、図20の実施形態の異なるバージョンの別の底面斜視図である。
【図23】蓋部が開かれているが、中空でない、図20の実施形態の異なるバージョンの別の底面斜視図である。
【図24】本発明の一実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図24aは、柔軟な上壁を示し、図24bは、シールを示し、図24cは、一体型の底壁を有する胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図25】本発明の別の実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図25aは、柔軟な上壁を示し、図25bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図25cは、強化リブを有する胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図26】本発明の別の実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図26aは、柔軟な上壁を示し、図26bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図26cは、胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図27】本発明の一実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図27aは、柔軟な上壁を示し、図27bは、シールを示し、図27cは、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体を示す。
【図28】図27a〜27cの実施形態の底面斜視図である。
【図29】本発明の別の実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図29aは、柔軟な上壁を示し、図29bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図29cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図30】図29a〜29cの実施形態の底面斜視図である。
【図31】本発明の別の実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図31aは、柔軟な上壁を示し、図31bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図31cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図32】図31a〜31cの実施形態の底面斜視図である。
【図33】本発明の別の実施形態による分配容器の分解底面斜視図であり、図33aは、柔軟な上壁を示し、図33bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図33cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図34】蓋部が開かれている、図33a〜33cの実施形態の底面斜視図である。
【図35】本発明の一実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図35aは、柔軟な上壁を示し、図35bは、シールを示し、図35cは、一体型の底壁を有する胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図36】本発明の別の実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図36aは、柔軟な上壁を示し、図36bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図36cは、強化リブを有する胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図37】本発明の別の実施形態による分配容器の分解上面斜視図であり、図37aは、柔軟な上壁を示し、図37bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図37cは、胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図38】二つの空洞が存在する、本発明の好ましい実施形態の底面斜視図である。
【図39】二つの空洞が存在する、本発明の別の好ましい実施形態の底面斜視図である。
【図40】本発明の一実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図40aは、柔軟な上壁を示し、図40bは、シールを示し、図40cは、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体を示す。
【図41】シールが、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体に組み付けられている、図40a〜40cの実施形態の上面斜視図である。
【図42】柔軟な上壁がシール及び一体型の底壁及び蓋部を有する胴体に組み付けられている、図40a〜40cの実施形態の上面斜視図である。
【図43】図42の実施形態の底面斜視図である。
【図44】蓋部が開かれている、図42の実施形態の底面斜視図である。
【図45】本発明の別の実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図45aは、柔軟な上壁を示し、図45bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図45cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図46】一体型の底壁を備えて形成されたシールが一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図45a〜45cの実施形態の上面斜視図である。
【図47】柔軟な上壁が、一体型の底壁を備えて形成されたシール及び一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図45a〜45cの実施形態の上面斜視図である。
【図48】図47の実施形態の底面斜視図である。
【図49】蓋部が開かれている、図47の実施形態の底面斜視図である。
【図50】本発明の別の実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図50aは、柔軟な上壁を示し、図50bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図50cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図51】一体型の底壁を備えて形成されたシールが一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図50a〜50cの実施形態の上面斜視図である。
【図52】柔軟な上壁が一体型の底壁を備えて形成されたシール及び一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図50a〜50cの実施形態の上面斜視図である。
【図53】図52の実施形態の底面斜視図である。
【図54】蓋部が開かれている、図52の実施形態の底面斜視図である。
【図55】本発明の別の実施形態による分配用具の分解底面斜視図であり、図55aは、柔軟な上壁を示し、図55bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図55cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図56】一体型の底壁を備えて形成されたシールが一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図55a〜55cの実施形態の底面斜視図である。
【図57】柔軟な上壁が一体型の底壁を備えて形成されたシール及び一体型の蓋部を有する胴体に組み付けられている、図55a〜55cの実施形態の上面斜視図である。
【図58】蓋部が開かれている、図56の実施形態の底面斜視図である。
【図59】底壁が柔軟である、本発明の別の実施形態による分配用具の底面斜視図である。
【図60】蓋部が開かれている、図59の実施形態の一つのバージョンの底面斜視図である。
【図61】蓋部が開かれており、中空である、図59の実施形態の異なるバージョンの別の底面斜視図である。
【図62】蓋部が開かれているが、中空でない、図59の実施形態の異なるバージョンの別の底面斜視図である。
【図63】本発明の一実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図63aは、柔軟な上壁を示し、図63bは、シールを示し、図63cは、一体型の底壁を有する胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図64】本発明の別の実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図64aは、柔軟な上壁を示し、図64bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図64cは、強化リブを有する胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図65】本発明の別の実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図65aは、柔軟な上壁を示し、図65bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図65cは、胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図66】本発明の一実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図66aは、柔軟な上壁を示し、図66bは、シールを示し、図66cは、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体を示す。
【図67】図66a〜66cの実施形態の底面斜視図である。
【図68】本発明の別の実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図68aは、柔軟な上壁を示し、図68bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図68cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図69】図68a〜68cの実施形態の底面斜視図である。
【図70】本発明の別の実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図70aは、柔軟な上壁を示し、図70bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図70cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図71】図70a〜70cの実施形態の底面斜視図である。
【図72】本発明の別の実施形態による分配用具の分解底面斜視図であり、図72aは、柔軟な上壁を示し、図72bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図72cは、一体型の蓋部を有する胴体を示す。
【図73】蓋部が開かれている、図72a〜72cの実施形態の底面斜視図である。
【図74】本発明の一実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図74aは、柔軟な上壁を示し、図74bは、シールを示し、図74cは、一体型の底壁を有する胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図75】本発明の別の実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図75aは、柔軟な上壁を示し、図75bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図75cは、強化リブを有する胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図76】本発明の別の実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図76aは、柔軟な上壁を示し、図76bは、一体型の底壁を備えて形成されたシールを示し、図76cは、胴体に隣接して配置された蓋部を示す。
【図77】二つの空洞が存在する、本発明の好ましい実施形態の底面斜視図である。
【図78】二つの空洞が存在する、本発明の別の好ましい実施形態の底面斜視図である。
【図79】一体型の底壁及び蓋部を有する胴体を示す図である。
【図80】一体型の蓋部を有する胴体を示す図である。
【図81】一体型の蓋部を有する胴体を示す図である。
【図82】本発明の一実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図82aは、柔軟な上壁を示し、図82bは、シールを示し、図82cは、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体を示す。
【図83】シールが、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体に組み付けられている、図82a〜82cの実施形態の上面斜視図である。
【図84】柔軟な上壁が、シール及び一体型の底壁及び蓋部を有する胴体に組み付けられている図82a〜82cの実施形態の上面斜視図である。
【図85】図84の実施形態の底面斜視図である。
【図86】蓋部が開かれている、図84の実施形態の底面斜視図である。
【図87】本発明の一実施形態による分配用具の分解上面斜視図であり、図87aは、柔軟な上壁を示し、図87bは、シールを示し、図87cは、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体を示す。
【図88】シールが、一体型の底壁及び蓋部を有する胴体に組み付けられている、図87a〜87cの実施形態の上面斜視図である。
【図89】柔軟な上壁がシール及び一体型の底壁及び蓋部を有する胴体に組み付けられている、図87a〜87cの実施形態の上面斜視図である。
【図90】図89の実施形態の底面斜視図である。
【図91】蓋部が開かれている、図89の実施形態の底面斜視図である。
【図92】本発明の好ましい実施形態による分配容器の側面図である。
【図93】本発明の好ましい実施形態による分配用具の側面図である。
【図94】本発明の別の好ましい実施形態による分配用具の側面図である。
【図95】本発明の好ましい実施形態による分配用具内にカートリッジとして配置された分配容器の側部断面図である。
【図96】図95の実施形態の上面図である。
【図97】図95の実施形態の側面図である。
【図98】本発明の一実施形態による、関連する器具を備えた分配容器の分解底面斜視図であり、図98aは、ブラシを示し、図98bは、分配容器カートリッジを示す。
【図99】図98a〜98bの実施形態の、関連する器具を備えた分配容器の分解上面斜視図である。
【図100】図98a〜98bの実施形態の、関連する器具に組み付けられた分配容器の上面斜視図である。
【図101】本発明の好ましい実施形態による分配用具の上面斜視図である。
【図102】蓋部が開位置にある、図101の実施形態の上面斜視図である。
【図103】図101及び102の実施形態の分解上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
明確にするために、参照番号が本明細書において使用され、同じ番号が、同じ又は同種の機能を有する同じ又は同種の特徴を示すために本発明のさまざまな実施形態で使用されている。
【0071】
本発明の好ましい実施形態による分配用具又は容器は、その組み立てられた形態では、本体部分と、蓋部分と、シールとを含む。本体部分は、胴体によって画定されたシェルと、底壁とを有する。本体は、更に、柔軟な上壁を含み、この壁は、胴体によって支持され、また、柔軟な上壁、胴体及び底壁は、分配可能な空洞の内容物を貯留するための空洞を画定する。蓋部分は、柔軟な上壁に連結され、柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開くことが可能である。シールは、蓋部分を本体部分又はシェルに対して封止し、空洞を封止する。柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで蓋部を開くことにより、シールが破断され、それによって空洞の内容物が分配されることが可能になる。
【0072】
しかし、本発明の好ましい実施形態による分配用具又は容器は、中空(好ましくは縦長且つ凹形)の胴体アセンブリとして製造されることがより好都合であり、この胴体アセンブリは、胴体と、底壁と、シールと、蓋部を含み、上壁を装着する前に、分配される内容物によって充填されることが好都合である。したがって、内容物を分配する場合の使用において、分配用具又は容器は、二つの「端部」を有し、一方の端部は本体であり、他方は蓋部である。しかし、製造時、分配用具又は容器は、充填され、次いで上壁で封止される中空の下側シェル又は胴体アセンブリを有する。これ以降、その製造中のさまざまなステップ及び作り出された部分組立品に関しては分配容器を言及することが好都合であろう。
【0073】
本発明の好ましい実施形態が、図1aから5に示される。分配容器2が、図1a〜1cにおいて分解斜視図で示されている。図1aは、柔軟な上壁12を示し、図1bは、シール10を示し、図1cは、一体型の底壁6及び一体型の蓋部8を有する胴体4を示している。底壁6は、蓋部8に隣接してその間に溝20が形成される。図2は、定位置に組み付けられ、蓋部8を底壁6に対して封止するシール10を示しており、このシール10は、溝20の上方を延びている。
【0074】
胴体4、底壁6、蓋部8及びシール10を含む中空又は凹形の胴体アセンブリ5は、空洞24を形成する。空洞24は、(使用時に分配される)内容物によって充填され、次いで、図3に示すように、平坦で柔軟な上壁12が胴体4及び蓋部8に封止される。図4は、容器2の底面図であり、この図では、溝20の下面が、蓋部8上の親指当て22と共に確認され得る。
【0075】
内容物は、蓋部8上の親指当て22に力をかけ、柔軟な上壁12によって形成されたヒンジ14周りで蓋部8を開き、それによって比較的脆弱な応力集中点、すなわち溝20においてシール10を破断することによって分配することができる。溝20及びシール10は、ヒンジ14の軸から離れて位置しており、シール/溝10、20は、空洞24の一方の側面にあり、ヒンジ14を形成する上壁12は、他方の側面にある。内容物は、注ぎ口又はノズルとして機能する喉部25を介して空洞24から分配する又は注ぐことができる。
【0076】
開位置にある分配容器の底面斜視図が、図5に示されている。(明確にするためにシール10は図示せず)。図1a〜5に示す実施形態では、胴体アセンブリ5は、2片に破断され、このとき一体型の蓋部8は胴体4から折り離されているが、柔軟な上壁12のヒンジ連結によって胴体4上に保持されている。
【0077】
図5に示す胴体アセンブリ5の2片は、胴体4、底壁6及び上壁12からなる本体4'、及び上壁12によって本体4'上に保持された蓋部8である。胴体4及び底壁6は、空洞24の内面でもある内面を有するシェルを画定する。シール10は、この実施形態では胴体4の内面である、シェルの内面に固着される。ヒンジ14の軸は、分配容器2を横断する。容器2は縦長であり、ヒンジ14の軸に対して垂直な長手方向軸を有する。
【0078】
ヒンジ14は、平坦で柔軟な上壁12によってその平面内に形成され、蓋部8を(シェルの一部である)胴体4に対して封止するシール10は、上壁12の平面から外れている。
【0079】
シェルは、縦長且つ断面がほぼ凹形のものであり、ほぼ凹形の内面及びほぼ凸形の外面を有する。図示する実施形態では、底壁6は平坦であるが、容器は、空洞24を作り出すために上壁12を固着する前に、内容物が中に配置され得る中空を形成する。
【0080】
蓋部8のかなりの部分は剛性であり、本体4'のかなりの部分も剛性であり、それによって蓋部8及び本体4'は、ヒンジ14の周りで分配容器2を開くためにレバーアームとして使用されることが可能になる。この剛性は、部分的には胴体4の剛性、部分的には胴体4が底壁6及び上壁12によって補強されている本体4'の構造によって達成される。本体4'の剛性はまた、喉部25が、注ぐために開断面積を維持しているとき、空洞24から喉部25を介して内容物を分配するのを容易にすることを助ける。
【0081】
好ましくは、柔軟な上壁12及びシール10は、多層ホイルであり、一体型の底壁6及び一体型の蓋部8を有する胴体4は、プラスチックである。ホイルは、熱溶接プロセスを用いてプラスチックに接着される。上壁12及び底壁6は、内容物が中に貯留される空洞24を画定する。シール10は、蓋部8を底壁6に対して封止し、それによって空洞24を封止する。
【0082】
製造時、胴体4及び蓋部8は、適切な成形技術によって一体的に形成される。次いで、シール10が、溝20上に配置され、単一パス操作で胴体4に固着される。その後、空洞24は、内容物によって上部から充填される。空洞を上部から充填する能力は、末端充填(end-filling)技術よりも時間がかからず容易であり、したがってコストがかからないので、特に有利である。次いで、柔軟な上壁12を、単一パス操作で装着し、胴体アセンブリ5に熱溶接することができ、それによって封止された容器が形成される。シール10及び柔軟な上壁12は、内容物に適合するように、たとえばコーヒー顆粒に対しては水蒸気不浸透性であるなどの適切なバリヤ特性を有するように選択することができる。
【0083】
シールは、溝上で使用される場合、内容物の放出を防止するためだけに使用することができる。しかし、シールは、製品放出が生じていない場合であっても、たとえば分割線又はより薄い材料の領域などの破損ゾーン上で使用される場合にバリヤ特性を向上させるために使用することもできる。
【0084】
本発明のこの及び他の実施形態では、シールは、その封止が内容物の放出の防止に関連するか、或いはたとえば水蒸気を通さないなどのバリヤ封止に関連するかに関わらず、空洞を封止するというその機能を失うときに「破断される」。言い換えれば、本明細書における「空洞を封止する」という用語の用法は、単に内容物の放出の防止だけに限定されるものではない。
【0085】
シール10は、穴があけられ、破かれ又は別の形で破壊されてよく、或いは、シール10は、蓋部8に付着しなくなって蓋部8から剥がれる又は蓋部8に対して摺動してもよい(或いは、他の実施形態では、胴体4、底壁6、又は強化リブ7に付着しなくなってそれから剥がれる又はそれに対して摺動してもよい)。膜又はコーティングは、摺動作動を助けることができ、シール10と蓋部8の間又はシール10とリブ7、底壁6又は胴体4の間に配置されている。
【0086】
シール10及び柔軟な上壁12は、ポリマー、ホイル、フィルム、紙、若しくは膜、又はこれらの複合物、或いは他の適切な材料でよい。一つの好ましい実施形態では、溝20(すなわち破損ゾーン)は、乾燥して封止フィルムになる液体(好ましくは液相ポリマー)によってコーティングされる。別の実施形態では、接着剤を使用してシール10を蓋部8及び/又は底壁6に固定する。好ましい実施形態では、接着剤(したがってシール10)は、蓋部8が開かれたときに破損し、シール10が蓋部8又は底壁6の上方を摺動することが可能になる。或いは、ホイル又はフィルム層及び接着剤と類似の機能を提供する膜を有する複合シールを設けることができる。
【0087】
柔軟な上壁12のヒンジ連結は、蓋部8及び胴体4の構成に応じて蓋部8が再度閉じることができ得るという点で有利である。更に、蓋部8が行方不明にならないので、ゴミ化する恐れが低減する。
【0088】
別の実施形態(図示せず)では、胴体アセンブリ5は、蓋部8が開かれたときに2片に破断されないが、蓋部8が柔軟な上壁12によって形成されたヒンジ14周りで開くことが可能になるように胴体アセンブリ5が降伏し、それによってシール10が破断又はスナップ式に開かれる。図24a〜26cに示す更に他の実施形態では、胴体アセンブリ5は、基本的に、別個の部品-胴体4及び蓋部8からなり、これらの部品は、蓋部8が柔軟な上壁12によって形成されたヒンジ14周りで開くことが可能であり、それによってシール10が破断されるように組み立てられ、シール10及び柔軟な上壁12によって互いに結合される。こうした構造は、材料の「スナップ作用性」が容器の作動に影響を与えないため、代替の胴体材料が使用されることを可能にする。
【0089】
本発明の別の好ましい実施形態が、図6a〜10に示されている。分配容器2が、図6a〜6cにおいて分解斜視図で示されている。図6aは、柔軟な上壁12を示し、図6bは、一体型の底壁6を有するシール10を示し、図6cは、一体型の蓋部8及び一体型の強化リブ7を有する胴体4を示している。
【0090】
強化リブ7は、蓋部8に隣接してその間に溝20が形成される。図7は、定位置に組み付けられた一体型の底壁6を有し、蓋部8を一体型の強化リブ7に対して封止するシール10を示しており、このシール10は、溝20の上方を延びている。底壁6は、胴体の空隙3の上方を延び、胴体アセンブリ5の一部として胴体4に封止される。
【0091】
胴体4、底壁6、蓋部8及びシール10を含む胴体アセンブリ5は、空洞24を形成する。空洞24は、(使用時に分配される)内容物によって充填され、次いで、図8に示すように、平坦で柔軟な上壁12が胴体4及び蓋部8に封止される。図9は、容器2の底面図であり、この図では、溝20の下面が、蓋部8上の親指当て22と共に確認され得る。
【0092】
内容物は、蓋部8上の親指当て22に力をかけ、柔軟な上壁12によって形成されたヒンジ14周りで蓋部8を開き、それによって比較的脆弱な応力集中点、すなわち溝20においてシール10を破断することによって分配することができる。内容物は、喉部25を介して空洞24から分配される。開位置にある分配容器の底面斜視図が、図10に示されている(明確にするためにシール10は図示せず)。
【0093】
製造時、胴体4及び蓋部8は、適切な成形技術によって一体的に形成される。次いで、一体型の底壁6を有するシール10が、溝20及び胴体4内の空隙3上に配置され、単一パス操作で胴体4に固着される。その後、空洞24が、内容物によって上部から充填される。次いで、柔軟な上壁12を、単一パス操作で装着し、胴体アセンブリ5に熱溶接することができ、それによって封止された容器が形成される。
【0094】
別の実施形態(図示せず)では、胴体アセンブリ5は、蓋部8が開かれたときに2片に破断されないが、蓋部8が柔軟な上壁12によって形成されたヒンジ14周りで開くことが可能になるように胴体アセンブリ5が降伏し、それによってシール10が破断又はスナップ式に開かれる。
【0095】
別の実施形態(図示せず)では、シール10及び底壁6は、別個のものであり、シール10は、蓋部8及び強化リブ7に固着されており、底壁6は、胴体4及び強化リブ7に固着されている。これは、たとえば良好な降伏特性であるが、使用前の取り扱い及び輸送時に降伏しないようなより強い底壁6を有するシール10を有することが望ましい場合に有用であり得る。底壁6は、シール10よりも大きな表面積を有し、損傷をより受けやすい。好ましくは、製造時、シール10及び底壁6は、単一パス操作で装着される。
【0096】
本発明の別の好ましい実施形態が、図11a〜15に示されている。分配容器2が、図11a〜11cにおいて分解斜視図で示されている。図11aは、柔軟な上壁12を示し、図11bは、(一体型の底壁6を有する)シール10を示し、図11cは、(図6cとは異なり)一体型の蓋部8を有するが一体型の強化リブを有さない胴体4を示している。したがって、溝は形成されない。そうではなく、蓋部の縁9が底壁6に近接している。
【0097】
図12は、定位置に組み付けられた一体型の底壁6を有し、蓋部8を胴体4に対して封止するシール10を示している。シール10は、蓋部の縁9を越えて延び、蓋部8の内面を覆う。底壁6は、胴体の空隙3の上方を延び、胴体アセンブリ5の一部として胴体4に封止される。
【0098】
胴体4、底壁6、蓋部8及びシール10を含む胴体アセンブリ5は、空洞24を形成する。空洞24は、(使用時、喉部25を介して分配される)内容物によって充填され、次いで、図13に示すように、柔軟な上壁12が、胴体4及び蓋部8に封止される。図14は、容器2の底面図であり、この図では、蓋部の縁9の下面が、蓋部8上の親指当て22と共に確認され得る。
【0099】
内容物は、蓋部8上の親指当て22に力をかけ、柔軟な上壁12によって形成されたヒンジ14周りで蓋部8を開き、それによって比較的脆弱な応力集中点の蓋部の縁9においてシール10を破断することによって分配することができる。一体型の底壁6を有するシール10は、図示する実施形態において降伏する又は破けることによって破断する。開位置にある分配容器2の底面斜視図が、図15(明確にするためにシール10は図示せず)に示されている。
【0100】
図示していない代替の実施形態では、シールは、蓋部の縁を越えたところまで延び、その結果、蓋部に力がかけられたとき、シールは、シールの材料自体が降伏する又は破けるのではなく、蓋部に付着しなくなる。したがって、シールは、胴体に付着したままであるが、内容物の分配を妨げる過度の材料はほとんど存在しない。
【0101】
本発明の別の好ましい実施形態が、図16a〜19に示されている。分配容器2が、図16a〜16cにおいて分解斜視図で示されている。図16aは、柔軟な上壁12を示し、図16bは、一体型の底壁6を有するシール10を示し、図16cは、一体型の蓋部8を有する胴体4を示している。蓋部8は、強化リブ7を含む。
【0102】
強化リブ7は、分配容器2に構造的剛性を与えると共に、破損ゾーン21に比較的脆弱な応力集中点をもたらす。
【0103】
図17は、定位置に組み付けられた(一体型の底壁6を有する)シール10を示している。シール10は、破損ゾーン21を越えたところまで延び、この地点においてバリヤ特性を向上させる。シール10は、破損ゾーン21を封止し、蓋部の縁9まで延びてこれを封止する。向上したバリヤ特性を得るには、シール10は、破損ゾーン21をわずかに越えて蓋部の縁9上に延びる必要がある。
【0104】
底壁6は、胴体の空隙3の上方を延び、胴体アセンブリ5の一部として胴体4に封止される。胴体4、底壁6、蓋部8及びシール10を含む胴体アセンブリ5は、空洞24を形成する。空洞24は、(使用時、喉部25を介して分配される)内容物によって充填され、次いで、図18に示すように、柔軟な上壁12が胴体4及び蓋部8に封止される。破損ゾーン21及びシール10は、ヒンジ14の軸から離れて位置しており、シール/破損ゾーン10、21は、空洞24の一方の側面にあり、ヒンジ14を形成する上壁12は、他方の側面にある。
【0105】
内容物は、蓋部8上の親指当て22に力をかけ、柔軟な上壁12によって形成されたヒンジ14周りで蓋部8を開き、それによって破損ゾーン21においてシール10を破断することによって分配することができる。開位置にある分配容器の底面斜視図が、図19に示されている(明確にするためにシール10は図示せず)。代替の実施形態(図示せず)では、喉部25は、リブ7が喉部25の断面積を小さくするようにリブ7の蓋部側に破損ゾーン21を配置することによって狭くすることができる。リブ7は、蓋部が開かれたとき(蓋部分ではなく)容器の本体部分上に保持される。それによって喉部25もまた、注ぐために更に硬化される。
【0106】
本発明の代替の好ましい実施形態が、図20〜23に示されている。図20は、分配容器2の底面斜視図を示しており、この図では、底壁6は、柔軟又は可撓性のものであり、その結果、容器2が開かれると(図21に示すように)、内容物を分配するために底壁6が押さえ付け又は圧搾され得る。これは、内容物がソース、塗料、クリーム、ペーストなどの粘性の液体である場合に特に有用である。また、柔軟な底壁6(及び所望であれば柔軟な上壁)を押さえ付ける動作により、分配される内容物の量において制御がもたらされる。内容物が、より流動性の高い性質のものである場合、更なる分配を防止し、たとえば内容物の半分しか分配しないように、柔軟又は可撓性の底壁を使用することもできる。
【0107】
底壁6は、胴体4と一体的でよく、或いはたとえばシール(図示せず)と一体的でもよい。更に、本発明のこの及び他の実施形態では、底壁6をシール(図示せず)と別個にして設けることもできる。
【0108】
図22に示すように、蓋部8は中空でよく、或いは図23に示すように中実でもよい。中空の蓋部は、いくらかの内容物が蓋部「内」に詰められるので、製造時、空洞24内にパッケージされる内容物の追加を可能にし得る。このとき、内容物は、輸送及び貯蔵中に沈降することがあり、その結果、蓋部8は、内容物が無い状態になる。これは、たとえば厳密な投与量制御が必要とされる医薬品で使用する場合に不適切になることがあり、したがって中実又は閉塞された蓋部8が設けられ得る。中実又は閉塞された蓋部8を設けることはまた、容器2への構造的剛性の付加、及び図17に関連して論じた強化リブの提供に類似する「スナップ作用性」の向上ももたらす。
【0109】
本発明のこの及び他の実施形態では、柔軟な上壁12及び底壁6は、透明又は半透明並びに不透明なものでよい。このため、容器内に残存する内容物の量の正確な測定が可能になる。計量又は投与量マークもまた設けることができる。
【0110】
本発明の好ましい実施形態が、図27a〜28に示されている。分配容器2が、図27a〜27cにおいて分解斜視図で示されている。図27aは、柔軟な上壁12を示し、図27bは、シール10を示し、図27cは、一体型の底壁6及び一体型の蓋部8を有する胴体4を示している。底壁6は、蓋部8に隣接してその間に溝20が形成される。この実施形態では、シール10は、容器2の下方又は外側から装着される。図28は、定位置に組み付けられ、蓋部8を底壁6に対して封止するシール10を示し、このシール10は、溝20の上方を延びている。
【0111】
このため、製造における柔軟性が可能になる。溝20ではなく破損ゾーンが設けられる実施形態では、シールは、容器が充填され、柔軟な上壁12が装着される前又はその後に装着することができる。
【0112】
シールを下方から装着することはまた、蓋部が開かれたときにシールを破断させることを助けることができ、これは、蓋部の縁がシールを「押さえ付け」、たとえばシールが上方(又は空洞の「内側」)から装着される場合に生じることがある蓋部からの剥がれが生じにくいためである。接着力を失うことによる破損が必要とされる場合は、上方からのシールの装着が適切であり得るが、破れる又は穴をあけることによる破損が必要とされる場合は、下方からのシールの装着が適切であり得る。しかし、これは、含まれる材料の正確な特性、たとえば与えられた接着剤、膜、又は他の「滑性」物質のレオロジーによって異なるものである。
【0113】
図28に類似する本発明の好ましい実施形態が、図29a〜30に示されている。分配容器2が、図29a〜29cにおいて分解斜視図で示されている。図29aは、柔軟な上壁12を示し、図29bは、一体型の底壁6を有するシール10を示し、図29cは、一体型の蓋部8を有する胴体4を示している。この実施形態では、シール10は、容器2の下方又は外側から装着される。図30は、定位置に組み付けられ、蓋部8を強化リブ7に対して封止するシール10を示しており、このシール10は、溝20の上方及び空隙3の上方にも延びて底壁6を形成している。本発明の先行の実施形態のように、下方からのシールの装着は、利点を有することができる。
【0114】
シール10が下方から装着される本発明の更なる別の実施形態が、図31a〜32に示されている。図31aは、柔軟な上壁12を示し、図31bは、(一体型の底壁6を有する)シール10を示し、図31cは、(図29cとは異なり)一体型の蓋部8を有するが一体型の強化リブを有さない胴体4を示している。したがって、溝は形成されない。そうではなく、蓋部の縁9が、底壁6に近接している。この実施形態では、シール10は、容器2の下方又は外側から装着される。図32は、定位置に組み付けられ、蓋部8を胴体4に対して封止するシール10を示しており、このシール10は、空隙3の上方を延びて底壁6を形成している。本発明の先行の実施形態のように、下方からのシールの装着は、利点を有することができる。
【0115】
図33a〜37cは、更に、シール10は下方から装着されるが、別の点では図16a〜19及び図24a〜26cと一致する本発明の他の実施形態を示している。同じ番号は、同じ特徴を示す。
【0116】
本発明の他の実施形態では、図38及び39に示すように、空洞24は、分割壁-24a(蓋部8aは開位置にあるため開いて示す)及び24b(蓋部8bは閉位置にあるため開かずに示す)によって二つの部分に分割することができる。他の実施形態では、空洞24は、三つ以上の部分に分割され得る。図38及び39の実施形態は、各々の空洞部分に対して別々の蓋部を有しているが、すべての部分に対して単一の蓋部を設けることもできる。複数の空洞部分を提供することは、内容物を別々に提供することが望ましいが、内容物は同時に使用するように提供される必要があり得るとき、たとえばコーヒーと砂糖又は塩と胡椒、又は「2液型」の接着剤を提供する場合に有用である。
【0117】
本発明の別の好ましい実施形態が、図40a〜44に示されている。分配用具102が、図40a〜40cにおいて分解斜視図で示されている。図40aは、柔軟な上壁112を示し、図40bは、シール110を示し、図40cは、一体型の底壁106、一体型の蓋部108、及びスプーンボウル154を有する一体型の器具部分150を有する胴体104を示している。したがって、分配用具は、内容物が中に貯留されるハンドル部分152及びその器具部分150を有する。
【0118】
器具部分150は、内容物と相乗的に対になるように選択することができる。たとえば、内容物が砂糖である場合、かき混ぜ用具又はスプーンボウルを有する器具部分が有利である。内容物が飲料中に分配されると、スプーンは、飲料をかき混ぜて、砂糖を溶かすために使用され得る。塩は、フォーク器具を有する用具から、胡椒はナイフ器具から分配することができ、ナイフ及びフォークは、この後、食事を食べるために使用される。塗料は、ブラシから分配することができ、このブラシは、この後、塗装に使用される。数多くの適切な(非限定的であるが)組合せが、以降に開示される。
【0119】
底壁106は、蓋部108に隣接してその間に溝120が形成される。図41は、定位置に組み付けられ、蓋部108を底壁106に対して封止するシール110を示しており、このシール110は、溝120の上方を延びている。
【0120】
胴体104、底壁106、蓋部108及びシール110を含む中空又は凹形の胴体アセンブリ105は、空洞124を形成する。空洞124は、(使用時に分配される)内容物によって充填され、次いで、図42に示すように、平坦で柔軟な上壁112が、胴体104及び蓋部108に封止される。図43は、用具102の底面図であり、この図では、溝120の下面が、蓋部108上の親指当て122と共に確認され得る。
【0121】
内容物は、蓋部108上の親指当て122に力をかけ、柔軟な上壁112によって形成されたヒンジ114周りで蓋部108を開き、それによって比較的脆弱な応力集中点、すなわち溝120においてシール110を破断することによって分配することができる。溝120及びシール110は、ヒンジ114の軸から離れて位置しており、シール/溝110、120は、空洞124の一方の側面にあり、ヒンジ114を形成する上壁112は、他方の側面にある。内容物は、注ぎ口又はノズルとして機能する喉部125を介して空洞124から分配する又は注ぐことができる。開位置にある分配用具の底面斜視図が、図44に示されている(明確にするためにシール110は図示せず)。図40a〜44に示す実施形態では、胴体アセンブリ105は、2片に破断され、このとき一体型の蓋部108は胴体104から折り離されているが、柔軟な上壁112のヒンジ連結によって胴体104上に保持されている。図44に示す胴体アセンブリ105の2片は、胴体104、底壁106及び上壁112からなる本体104'、及び上壁112によって本体104'上に保持された蓋部108である。胴体104及び底壁106は、空洞124の内面でもある内面を有するシェルを画定する。シール110は、この実施形態では胴体104の内面である、シェルの内面に固着される。ヒンジ114の軸は、分配用具102を横断する。用具102は縦長であり、ヒンジ114の軸に対して垂直な長手方向軸を有する。
【0122】
ヒンジ114は、平坦で柔軟な上壁112によってその平面内に形成され、蓋部108を(シェルの一部である)胴体104に対して封止するシール110は、上壁112の平面から外れている。
【0123】
シェルは、縦長且つ断面がほぼ凹形のものであり、ほぼ凹形の内面及びほぼ凸形の外面を有する。図示する実施形態では、底壁106は平坦であるが、容器は、空洞124を形成するために上壁112を固着する前に、内容物が中に配置され得る中空を形成する。
【0124】
蓋部108のかなりの部分は剛性であり、本体104'のかなりの部分も剛性であり、それによって蓋部108及び本体104'は、ヒンジ114の周りで分配用具102を開くためにレバーアームとして使用されることが可能になる。この剛性は、部分的には胴体104の剛性、部分的には胴体104が底壁106及び上壁112によって補強されている本体104'の構造によって達成される。
【0125】
好ましくは、柔軟な上壁112及びシール110は、多層ホイルであり、一体型の底壁106及び一体型の蓋部108を有する胴体104は、プラスチックである。ホイルは、熱溶接プロセスを用いてプラスチックに接着される。上壁112及び底壁106は、内容物が中に貯留される空洞124を画定する。シール110は、蓋部108を底壁106に対して封止し、それによって空洞124を封止する。
【0126】
製造時、胴体104及び蓋部108は、適切な成形技術によって一体的に形成される。次いで、シール110が、溝120上に配置され、単一パス操作で胴体104に固着される。その後、空洞124が、内容物によって上部から充填される。空洞124を上部から充填する能力は、末端充填(end-filling)技術よりも時間がかからず容易であり、したがってコストがかからないので、特に有利である。次いで、柔軟な上壁112を、単一パス操作で装着し、胴体アセンブリ105に熱溶接することができ、それによって封止された用具が形成される。シール110及び柔軟な上壁112は、内容物に適合するように、たとえばコーヒー顆粒に対しては水蒸気不浸透性であるなどの適切なバリヤ特性を有するように選択することができる。
【0127】
シールは、溝上で使用される場合、内容物の放出を防止するためだけに使用することができる。しかし、シールは、製品放出が生じていない場合であっても、たとえば分割線又はより薄い材料の領域などの破損ソーン上で使用される場合にバリヤ特性を向上させるために使用することもできる。
【0128】
本発明のこの及び他の実施形態では、シールは、その封止が内容物の放出の防止に関連するか、或いはたとえば水蒸気を通さないなどのバリヤ封止に関連するかに関わらず、空洞のシールというその機能を失うときに「破断される」。言い換えれば、本明細書における「空洞を封止する」という用語の用法は、単に内容物の放出の防止だけに限定されるものではない。
【0129】
シール110は、穴があけられ、破かれ又は別の形で破壊されてよく、或いは、シール110は、蓋部108に付着しなくなって蓋部108から剥がれる又は蓋部108に対して摺動してもよい(或いは、他の実施形態では、胴体104、底壁106、又は強化リブ107に付着しなくなってそれから剥がれる又はそれに対して摺動してもよい)。膜又はコーティングは、摺動作動を助けることができ、シール110と蓋部108の間又はシール110とリブ107、底壁106又は胴体104との間に配置されている。
【0130】
シール110及び柔軟な上壁112は、ホイル、フィルム、紙、若しくは膜、又はこれらの複合物、或いは他の適切な材料でよい。一つの好ましい実施形態では、溝120(すなわち破損ゾーン)は、乾燥して封止フィルムになる液体によってコーティングされる。別の実施形態では、接着剤を使用してシール110を蓋部108及び/又は底壁106に固定する。好ましい実施形態では、接着剤(したがってシール110)は、蓋部108が開かれたときに破損し、それによってシール110が蓋部108又は底壁106の上方を摺動することが可能になる。或いは、ホイル又はフィルム層及び接着剤と類似の機能を提供する膜を有する複合シールを設けることができる。
【0131】
柔軟な上壁112のヒンジ連結は、蓋部108及び胴体104の構成に応じて蓋部108が再度閉じることができ得るという点で有利である。更に、蓋部108が行方不明にならないので、ゴミ化する恐れが低減する。
【0132】
別の実施形態(図示せず)では、胴体アセンブリ105は、蓋部108が開かれたときに2片に破断されないが、蓋部108が柔軟な上壁112によって形成されたヒンジ114の周りで開くことが可能になるように胴体アセンブリ105が降伏し、それによってシール110が破断又はスナップ式に開かれる。図63a〜65cに示す更に他の実施形態では、胴体アセンブリ105は、基本的に、別個の部品-胴体104及び蓋部108からなり、これらの部品は、蓋部108が柔軟な上壁112によって形成されたヒンジ114周りで開くことが可能であり、それによってシール110が破断されるように組み立てられ、シール110及び柔軟な上壁112によって互いに結合される。こうした構造は、材料の「スナップ作用性」は用具の作動に影響を与えないため、代替の胴体材料が使用されることを可能にする。
【0133】
本発明の別の好ましい実施形態が、図45a〜49に示されている。分配用具102が、図45a〜45cにおいて分解斜視図で示されている。図45aは、柔軟な上壁112を示し、図45bは、一体型の底壁106を有するシール110を示し、図45cは、一体型の蓋部108、一体型の強化リブ107、及びスプーンボウル154を有する一体型の器具部分150を有する胴体104を示している。したがって、分配用具は、内容物が中に貯留されるハンドル部分152及びその器具部分150を有する。
【0134】
強化リブ107は、蓋部108に隣接してその間に溝120が形成される。図46は、定位置に組み付けられた一体型の底壁106を有し、蓋部108を一体型の強化リブ107に対して封止するシール110を示しており、このシール110は、溝120の上方を延びている。底壁106は、胴体の空隙103の上方を延び、胴体アセンブリ105の一部として胴体104に封止される。
【0135】
胴体104、底壁106、蓋部108及びシール110を含む胴体アセンブリ105は、空洞124を形成する。空洞124は、(使用時に分配される)内容物によって充填され、次いで、図47に示すように、柔軟な上壁112が胴体104及び蓋部108に封止される。図48は、用具102の底面図であり、この図では、溝120の下面が、蓋部108上の親指当て122と共に確認され得る。
【0136】
内容物は、蓋部108上の親指当て122に力をかけ、柔軟な上壁112によって形成されたヒンジ114周りで蓋部108を開き、それによって比較的脆弱な応力集中点、すなわち溝120においてシール110を破断することによって分配することができる。内容物は、喉部125を介して空洞124から分配される。開位置にある分配用具の底面斜視図が、図49に示されている(明確にするためにシール110は図示せず)。
【0137】
製造時、胴体104及び蓋部108は、適切な成形技術によって一体的に形成される。次いで、一体型の底壁106を有するシール110が、溝120及び胴体104内の空隙103上に配置され、単一パス操作で胴体104に固着される。その後、空洞124は、内容物によって上から充填される。次いで、柔軟な上壁112を、単一パス操作で装着し、胴体アセンブリ105に熱溶接することができ、それによって封止された用具が形成される。
【0138】
別の実施形態(図示せず)では、胴体アセンブリ105は、蓋部108が開かれたときに2片に破断されないが、蓋部108が柔軟な上壁112によって形成されたヒンジ114周りで開くことが可能になるように胴体アセンブリ105が降伏し、それによってシール110が破断又はスナップ式に開かれる。
【0139】
別の実施形態(図示せず)では、シール110及び底壁106は、別個のものであり、シール110は、蓋部108及び強化リブ107に固着されており、底壁106は、胴体104及び強化リブ107に固着されている。これは、たとえば良好な降伏特性であるが、使用前の取り扱い及び輸送時に降伏しないようなより強い底壁106を有するシール110を有することが望ましい場合に有用であり得る。底壁106は、シール110よりも大きな表面積を有し、損傷をより受けやすい。好ましくは、製造時、シール110及び底壁106は、単一パス操作で装着される。
【0140】
本発明の別の好ましい実施形態が、図50a〜54に示されている。分配用具102が、図50a〜50cにおいて分解斜視図で示されている。図50aは、柔軟な上壁112を示し、図50bは、(一体型の底壁106を有する)シール110を示し、図50cは、(図50cとは異なり) 一体型の蓋部108を有するが一体型の強化リブを有さない胴体104を示している。したがって、溝は形成されない。そうではなく、蓋部の縁109が底壁106に近接している。胴体104はまた、スプーンボウル154を有する一体型の器具部分150を有する。したがって、分配用具は、内容物が中に貯留されるハンドル部分152及びその器具部分150を有する。
【0141】
図51は、定位置に組み付けられた一体型の底壁106を有し、蓋部108を胴体104に対して封止するシール110を示している。シール110は、蓋部の縁109を越えて延び、蓋部108の内面を覆う。底壁106は、胴体の空隙103の上方を延び、胴体アセンブリ105の一部として胴体104に封止される。
【0142】
胴体104、底壁106、蓋部108及びシール110を含む胴体アセンブリ105は、空洞124を形成する。空洞124は、(使用時、喉部125を介して分配される)内容物によって充填され、次いで、図52に示すように、柔軟な上壁112が、胴体104及び蓋部108に封止される。図53は、用具102の底面図であり、この図では、蓋部の縁109の下面が、蓋部108上の親指当て122と共に確認され得る。
【0143】
内容物は、蓋部108上の親指当て122に力をかけ、柔軟な上壁112によって形成されたヒンジ114周りで蓋部108を開き、それによって比較的脆弱な応力集中点の蓋部の縁109においてシール110を破断することによって分配することができる。一体型の底壁106を有するシール110は、図示する実施形態において降伏する又は破けることによって破断する。開位置にある分配容器102の底面斜視図が、図54(明確にするためにシール110は図示せず)に示されている。
【0144】
図示していない代替の実施形態では、シールは、蓋部の縁を越えたところまで延び、その結果、蓋部に力がかけられたとき、シールは、シールの材料自体が降伏する又は破けるのではなく、蓋部に付着しなくなる。したがって、シールは、胴体に付着したままであるが、内容物の分配を妨げる過度の材料はほとんど存在しない。
【0145】
本発明の別の好ましい実施形態が、図55a〜58に示されている。分配用具102が、図55a〜55cにおいて分解斜視図で示されている。図55aは、柔軟な上壁112を示し、図55bは、一体型の底壁106を有するシール110を示し、図55cは、一体型の蓋部108を有する胴体104を示している。蓋部108は、強化リブ107を含む。胴体104はまた、かき混ぜ用具又は攪拌用具である一体型の器具部分150も有する。したがって、分配用具は、内容物が中に貯留されるハンドル部分152及びその器具部分150を有する。
【0146】
強化リブ107は、分配用具102に構造的剛性を与えると共に、破損ゾーン121に比較的脆弱な応力集中点をもたらす。
【0147】
図56は、定位置に組み付けられた(一体型の底壁106を有する)シール110を示している。シール110は、破損ゾーン121を越えたところまで延び、この地点においてバリヤ特性を向上させる。シール110は、破損ゾーン121を封止し、蓋部の縁109まで延びてこれを封止する。向上したバリヤ特性を得るには、シール110は、破損ゾーン121をわずかに越えて蓋部の縁109上に延びる必要がある。
【0148】
底壁106は、胴体の空隙103の上方を延び、胴体アセンブリ105の一部として胴体104に封止される。胴体104、底壁106、蓋部108及びシール110を含む胴体アセンブリ105は、空洞124を形成する。空洞124は、(使用時、分配される)内容物によって充填され、次いで、図57に示すように、柔軟な上壁112が、胴体104及び蓋部108に封止される。破損ゾーン121及びシール110は、ヒンジ114の軸から離れて位置しており、シール/破損ゾーン110、121は、空洞124の一方の側面にあり、ヒンジ114を形成する上壁112は、他方の側面にある。
【0149】
内容物は、蓋部108上の親指当て122に力をかけ、柔軟な上壁112によって形成されたヒンジ114周りで蓋部108を開き、それによって破損ゾーン121においてシール110を破断することによって分配することができる。開位置にある分配用具の底面斜視図が、図58に示されている(明確にするためにシール110は図示せず)。代替の実施形態(図示せず)では、喉部125は、リブ107が喉部125の断面積を小さくするようにリブ107の蓋部側に破損ゾーン121を配置することによって狭くすることができる。リブ107は、蓋部が開かれたとき(蓋部分ではなく)用具の本体部分上に保持される。それによって喉部125もまた、注ぐために更に硬化される。
【0150】
本発明の代替の好ましい実施形態が、図59〜62に示されている。図59は、分配用具102の底面斜視図を示しており、この図では、底壁106は、柔軟又は可撓性のものであり、それによって用具102が開かれると(図60に示すように)、内容物を分配するために底壁106が、押さえ付け又は圧搾され得る。これは、内容物がソース、塗料、クリーム、ペーストなどの粘性の液体である場合に特に有用である。また、柔軟な底壁106(及び所望であれば柔軟な上壁)を押さえ付ける動作により、分配される内容物の量において制御がもたらされる。内容物が、より流動性の高い性質のものである場合、更なる分配を防止し、たとえば内容物の半分しか分配しないように、柔軟又は可撓性の底壁を使用することもできる。
【0151】
底壁106は、胴体104と一体的でよく、或いはたとえばシール(図示せず)と一体的でもよい。更に、本発明のこの及び他の実施形態では、底壁106をシール(図示せず)と別個にして設けることもできる。
【0152】
図61に示すように、蓋部108は中空でよく、或いは図62に示すように中実でもよい。中空の蓋部は、一部の内容物が蓋部「内」に詰められるので、製造時、空洞124内にパッケージされる内容物の追加を可能にし得る。このとき、内容物は、輸送及び貯蔵中に沈降することがあり、それによって蓋部108は、内容物が無い状態になる。これは、たとえば厳密な投与量制御が必要とされる医薬品で使用する場合に不適切になることがあり、したがって中実又は閉塞された蓋部108が設けられ得る。中実又は閉塞された蓋部108を設けることはまた、用具102への構造的剛性の付加、及び図56に関連して論じた強化リブの提供に類似する「スナップ作用性」の向上ももたらす。
【0153】
本発明のこの及び他の実施形態では、柔軟な上壁112及び底壁106は、透明又は半透明並びに不透明なものでよい。このため、用具内に残存する内容物の量の正確な測定が可能になる。計量又は投与量マークもまた設けることができる。
【0154】
本発明の好ましい実施形態が、図66a〜67に示されている。分配用具102が、図66a〜66cにおいて分解斜視図で示されている。図66aは、柔軟な上壁112を示し、図66bは、シール110を示し、図66cは、一体型の底壁106及び一体型の蓋部108を有する胴体104を示している。胴体104はまた、一体型の器具部分150も有する。したがって、分配用具は、内容物が中に貯留されるハンドル部分152及びその器具部分150を有する。
【0155】
底壁106は、蓋部108に隣接してその間に溝120が形成される。この実施形態では、シール110は、用具102の下方又は外側から装着される。図67は、定位置に組み付けられ、蓋部108を底壁106に対して封止するシール110を示し、このシール110は、溝120の上方を延びている。
【0156】
このため、製造における柔軟性が可能になる。溝120ではなく破損ゾーンが設けられる実施形態では、シールは、用具が充填され、柔軟な上壁112が装着される前又はその後に装着することができる。
【0157】
シールを下方から装着することはまた、蓋部が開かれたときにシールを破断させることを助けることもでき、これは、蓋部の縁がシールを「押さえ付け」、たとえばシールが上方(又は空洞の「内側」)から装着される場合に生じることがある蓋部からの剥がれを生じにくいためである。接着力を失うことによる破損が必要とされる場合は、上方からのシールの装着が適切であり得るが、破れる又は穴をあけることによる破損が必要とされる場合は、下方からのシールの装着が適切であり得る。しかし、これは、含まれる材料の正確な特性、たとえば与えられた接着剤、膜、又は他の「滑性」物質のレオロジーによって異なるものである。
【0158】
図69の実施形態に類似した本発明の好ましい実施形態が、図68a〜69に示されている。分配用具102が、図68a〜68cにおいて分解斜視図で示されている。図68aは、柔軟な上壁112を示し、図68bは、一体型の底壁106を有するシール110を示し、図68cは、一体型の蓋部108を有する胴体104を示している。胴体104はまた、一体型の器具部分150も有する。したがって、分配用具は、内容物が中に貯留されるハンドル部分152及びその器具部分150を有する。この実施形態では、シール110は、用具102の下方又は外側から装着される。図69は、定位置に組み付けられ、蓋部108を強化リブ107に対して封止するシール110を示しており、このシール110は、溝120の上方及び空隙103の上方にも延びて底壁106を形成している。本発明の先行の実施形態のように、下方からのシールの装着は、利点を有することができる。
【0159】
シール110が下方から装着される本発明の更なる別の実施形態が、図70a〜71に示されている。図70aは、柔軟な上壁112を示し、図70bは、(一体型の底壁106を有する)シール110を示し、図70cは、(図68cとは異なり)一体型の蓋部108を有するが一体型の強化リブを有さない胴体104を示している。したがって、溝は形成されない。そうではなく、蓋部の縁109が、底壁106に近接している。胴体104はまた、一体型の器具部分150も有する。したがって、分配用具は、内容物が中に貯留されるハンドル部分152及びその器具部分150を有する。この実施形態では、シール110は、用具102の下方又は外側から装着される。図71は、定位置に組み付けられ、蓋部108を胴体104に対して封止するシール110を示しており、このシール110は、空隙103の上方を延びて底壁106を形成している。本発明の先行の実施形態のように、下方からのシールの装着は、利点を有することができる。
【0160】
図72a〜76cは、更に、シール110は下方から装着されるが、別の点では図55a〜58及び図63a〜65cと一致する本発明の他の実施形態を示している。同じ番号は、同じ特徴を示す。
【0161】
本発明の他の実施形態では、図77及び78に示すように、空洞124は、分割壁-124a(蓋部108aは開位置にあるため開いて示す)及び124b(蓋部108bは閉位置にあるため開かずに示す)によって二つの部分に分割することができる。他の実施形態では、空洞124は、三つ以上の部分に分割され得る。図77及び78の実施形態は、各々の空洞部分に対して別々の蓋部を有しているが、すべての部分に対して単一の蓋部を設けることもできる。複数の空洞部分を提供することは、内容物を別々に提供することが望ましいが、内容物は同時に使用するように提供される必要があり得るとき、たとえばコーヒーと砂糖又は塩と胡椒、又は「2液型」の接着剤を提供する場合に有用である。
【0162】
図79〜80は、本発明の他の実施形態を更に示しており、ここでは、溝20の縁又は蓋部の縁9には、歯30、突起物又は他の応力集中手段が設けられ、その結果、蓋部8が開かれたとき、歯30、突起物又は他の応力集中手段は、シールの破損を引き起こすのを助ける(図示せず)。
【0163】
図82a〜91は、本発明の更に他の実施形態を示しており、ここでは、破損ゾーン21が、複数の小さな割れ目又は「ピンで刺した穴」又は「ピンホール」を応力集中体として用いて作り出され、それによって蓋部8が開かれたときに破損が生じるゾーン21が作り出される。図示していない他の実施形態では、複数ではなく単一の「ピンで刺した穴」又は「ピンホール」を設けることができる。これらの「ピンで刺した穴」又は「ピンホール」は、胴体アセンブリの厚さを完全に通り抜けて延びる穿孔でもよく、或いはその代わりにその厚さを一部分だけ通り抜けて延びる穿孔でもよい。好ましい実施形態では、シール10は、乾燥時に空洞を封止する(たとえば、ピンホール上に塗装された)液相ポリマーとして装着される。(一部の用途では)、周辺領域を液相ポリマーでコーティングする必要はないが、ピンホール(複数可)そのものだけ被覆する必要があることが留意される。
【0164】
カプセルに入れられた「気泡」又は他の包含物を提供することもまた、その地点において応力集中を生じさせ、蓋部8が開かれたときに降伏を引き起こすのに必要とされる力を低減させる。蓋部の幅を延びる溝ではなく小さな溝又は穴もまた設けることができる。破損ゾーン21は、「ピンで刺した穴」又は他の処置によって慎重に脆弱化されてよく、或いは本発明の幾何学的構成から生じる相対的脆弱領域でもよい。したがって、強化リブの戦略的配置、蓋部のサイズ若しくは硬性、又は他の要因を使用して相対的脆弱領域、したがって破損ゾーンを作り出すことができる。シール10は、このとき、破損ゾーン21の上方を延びている。
【0165】
図92は、本発明の好ましい実施形態による分配容器2の側面図を示しており、この図では、蓋部8は容器2の右端に位置している。
【0166】
図93は、本発明の好ましい実施形態による分配用具102の側面図を示しており、この図では、蓋部108は、用具102の右端の、用具102の器具部分150とは反対側の端部に位置している。図94は、代わりに器具部分150が蓋部108上に取り付けられている分配用具102の側面図を示している。したがって、用具102は、器具部分150とは反対側の端部から分配するように形成されても、器具部分150と同じ端部から分配するように形成されてもよい。これは、さまざまな用途に対して有用である。たとえば、分配用具102の内容物が一杯のコーヒーで使用される砂糖である場合、(図93に示すように)「反対側の端部」からユーザが必要とする量を分配し、次いで、用具102を使用してかき混ぜるときに用具102を垂直に保持することによって更なる分配を防止し、砂糖の更なる放出を防止することが望ましい。内容物が、たとえば水に混入される医薬品などの計量された投与量又は設定量のものである場合、全投与量が分配されることが望ましく、したがって分配が器具部分150と「同じ端部」から行われる図94に示すように配置された用具102を設けることによってすべての内容物が分配されることを保証することが有用である。
【0167】
たとえば歯ブラシ上の歯磨き粉など、特定の内容物を器具部分150に直接分配することが望ましいこともある。したがって、器具部分150と「同じ端部」からの分配が望ましい。
【0168】
内容物が、器具部分上に送出されることを保証するために、分配された内容物が器具部分に送出されるように導管又は送出チャネルを設けることが必要になることがある。図95a〜97のアプリケータブラシ/スワブは、そのような構成を実証している。分配容器は、フレームワーク又は器具内にカートリッジとして配置させることができ、その結果、その組合せが分配用具となる。或いは、図95a〜97に示すように、分配用具は、送出チャネル170と共に一体的に形成される。
【0169】
図95aは、本発明の好ましい実施形態による分配用具102の側部断面図を示しており、この図では、(アプリケータブラシ/スワブである)器具部分150は、蓋部108と「同じ」端部にある。しかし、器具部分150は、蓋部108上に固定された関係で取り付けられていない。送出チャネル170が設けられ、図95bに示すように蓋部108が開かれたとき、分配用具102の内容物が、送出チャネル170内に分配される。次いで、内容物が、器具部分150に誘導され、蓋部から離れた位置にある待機中の器具部分150の上面に送出される。
【0170】
送出チャネル170が、開放空間として示されており、図96の上面図に示すように、この開放空間により、ユーザは蓋部108を開くために蓋部108の下方の親指を親指当て122上に挿入することが可能になる。しかし、送出チャネル107が見えず、ユーザが蓋部を開くことを可能にするためのアクセス路を形成しない、本発明の他の実施形態もまた企図される。そのような実施形態では、蓋部108自体は、用具102の外側から見えないことがあり、用具102の外側部分においてユーザによってかけられる力は、蓋部から離れた位置に送出するために、内側の蓋部を開き、シールを破断(図示せず)して送出チャネルに内容物を分配するのに十分なものである。
【0171】
図97は、図95a及び95bの実施形態の側面図である。
【0172】
図98a〜98bは、本発明の一実施形態による関連器具を備えた分配容器の分解底面斜視図を示し、図98aは、(ブラシ350を有する)器具390を示し、図98bは、分配容器カートリッジ302を示している。カートリッジ302は、器具390と係合するように適合される。器具390には、適切な送出チャネル(図示せず)を設けることができ、或いは使用時、カートリッジ302を取り外し、その内容物を器具390上に分配し、カートリッジ302をその後の使用のために再び封止する(そして器具390上に格納する)ことができ、或いは単に捨てるだけでもよい。そのような構成は、極めて好都合である。器具390は、最初カートリッジ302を組み付けて提供し、交換カートリッジ302を補充品として提供することができる。
【0173】
図99a〜99bは、図98a〜98bの実施形態の分解上面斜視図を示し、図100は、組み付けられた位置における図98a〜98bの実施形態の上面斜視図を示している。図示しない別の実施形態では、カートリッジは、器具内で回転可能のものでよく、貯留位置及び分配位置を有する。カートリッジの回転により、たとえば、分配するために器具からカートリッジを取り外すのではなく、カートリッジの一方の端部から内容物を分配することを容易にすることが可能になり得る。
【0174】
図101〜103は、フルーツジュースなどの液体の分配のために分配用具の斜視図及び分解図を示している。用具は、部分的に胴体204と一体的に形成された飲料ストローである器具部分250を有する。
【0175】
柔軟な「上」壁212は、ヒンジを形成し、そのヒンジの周りで蓋部208が回転して分配用具を開き、使用する器具部分250(飲料ストロー)の端部を露出させる。図示する実施形態では、飲料ストロー250の一つの壁は、柔軟な「上」壁212によって作り出される。壁212は、通常の使用時、「側」壁となるが、製造時、分配用具は、「上部」開口部を有するように方向付けされ、「上部から充填され」、次いで陳列又は使用に合せて方向を変える前に上壁212で封止され得ることが留意される。
【0176】
有利には、飲料ストローの入口は、自然な飲み位置において用具を傾けるだけで、内容物の最後の部分がストローから容易に吸引されることを保証するように配置され、このときストローの入口は最も低い地点又はその近くに位置している。
【0177】
分配用具に組み込むことができる器具(それだけには限定されないが)としては、かき混ぜ用具、攪拌棒、スプーン、フォーク、ナイフ、箸、飲料ストロー、ブラシ(数多くのタイプ)、爪楊枝、フロスピック、モップ、トング、ピンセット、かみそり、こて及び鋤、へら、並びに櫛が含まれる。
【0178】
分配用具の内容物は、好ましくは、最大の効果を得るために器具と相乗的に対にされる。一部の非限定的な例としては、砂糖又は栄養ドリンク濃縮液が入ったスプーン又はかき混ぜ用具、わさび及び醤油が入った箸、カクテル用かき混ぜ用具とアルコールショット、かき混ぜ/攪拌へらを備えた2液型接着剤、ブラシを備えた補修又は子供用塗料、歯ブラシ付きの歯磨き粉、歯科用フロスピックとうがい薬、アプリケータパッド/ブラシを備えた医薬品又は口唇ヘルペスクリームなどの軟膏、料理油が入ったへら又はバーベキュートング、サラダドレッシングが入ったサラダ給仕用スプーン、消毒用軟膏を備えたピンセット、マリネ用ソースを備えたブラシ、シェービング用クリームを備えたかみそり、種を備えた園芸用こて又は鋤、カラー淡彩を備えた塗装用かき混ぜ用具、洗剤を備えた洗刷毛、パテ又は填隙剤を備えたへら、消毒剤又は床用クレンザーを備えたモップ、ヘアートリートメント又はスタイリング製品を備えた櫛又はブラシが含まれ得る。
【0179】
本発明による分配容器又は用具から好都合に分配され得る内容物は、粉末、顆粒、液体、又はその他の形態に関わらず、それだけに限定されないが、以下を含む。
【0180】
紅茶、コーヒー、砂糖、砂糖代用品及び人工甘味料、ペースト、マリネ、乾燥果実及びナッツ、牛乳、ココア、トッピング、コーディアル、アルコール飲料を含む飲料用添加物シロップ及び粉末、粒状チョコレート、チョコレート、砂糖菓子などの製菓、塩及び胡椒、スパイス、ハーブ、ソース、ドレッシング、スプレッド、醤油、マスタード、マヨネーズを含む調味料を含む食品及び飲料製品。
【0181】
エネルギー/ビタミンサプリメント及び濃飲料、食品サプリメント、ダイエット及びスリミング用混合物及び粉末を含む(ヒト及び動物用)栄養補助食品。
【0182】
薬物、クリーム、ピル、咳用シロップ、頭痛及び抗炎症錠剤などの一般用医薬品を含む、(ヒト及び動物用)医薬品、薬剤、及び調合薬。
【0183】
歯磨き粉、うがい薬、フロス、シャンプー、染料、髪結い紐及びピンなどのヘア製品及びトリートメント、シェービングクリーム、消毒剤及び殺菌剤、爪楊枝、マッサージオイル、保湿用クリーム、日焼け止め、石鹸及び液体石鹸を含む個人用ケア製品。
【0184】
洗浄液及び洗剤、クレンザー、家具用オイル、漂白剤を含む家庭用製品。
【0185】
インク、輪ゴム、紙クリップ、ホッチキス、押しピン、釘及びびょう、接着剤を含むオフィス製品。
【0186】
ねじ、ワッシャ、釘、びょうを含む金物製品。
【0187】
種、肥料、毒薬、開花促進剤(flower booster)を含む園芸及び植物用製品。
【0188】
接着剤、並びに芸術家及び子供用塗料、家庭用塗料、塗料淡彩、パテ充填剤を含む塗料製品を含む、家庭用及び工業用化学製品。
【0189】
容器又は用具は、その必要とされる目的に応じて、多様な形状又はサイズで製造することができる。たとえば、オレンジジュースを分配するために、ストローを含む矩形の箱を設けることができ、或いは、ピラミッド型の又は他の三次元形状のものを設けることもできる。適切な形状の胴体のフレームワークは、蓋部がその周りで回転する「上部の柔軟な壁」を支持することができ、他の壁もまた柔軟でよい。定型の「硬性」形状の利点は、製造、流通、及び流通鎖における取り扱いが容易になる一方で、柔軟な側壁が使用可能であることにより、使用される(プラスチックなどの)「非天然」材料の量を削減することができ、環境への影響が低減されることである。
【0190】
本発明は、本発明の基本的な特性の趣旨から逸脱することなく、複数の形態で実施することができるため、上記で説明した実施形態は、別段の定めがないかぎり、本発明に限定されるものではなく、付属の特許請求の範囲に規定された本発明の趣旨及び範囲内で広範囲に解釈されるべきであることを理解されたい。さまざまな改変形態及び等価の構成は、本発明及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体と、
前記胴体によって支持された柔軟な上壁及び底壁であって、分配可能な空洞の内容物を貯留するための空洞を画定する柔軟な上壁及び底壁と
を有する本体を含む分配用具であって、
前記柔軟な上壁に連結され、前記柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開くことが可能である蓋部と、
前記蓋部を前記本体に対して封止して前記空洞を封止するシールと、
器具部分と、
ハンドル部分とを更に含み、
前記シールを破断し、前記蓋部を前記柔軟な上壁によって形成された前記ヒンジの周りで開くことができ、それによって前記空洞の内容物が分配されることが可能になる、分配用具。
【請求項2】
前記本体のかなりの部分が、剛性であり、
前記柔軟な上壁が、平坦であり、
前記胴体及び底壁が、シェルを画定し、前記平坦で柔軟な上壁、胴体、及び底壁が前記空洞を画定し、
前記蓋部のかなりの部分が、剛性であり、
前記シールが、前記蓋部を前記シェルに対して封止する、請求項1に記載の分配用具。
【請求項3】
胴体と、
前記胴体によって支持された平坦で柔軟な上壁及び底壁であって、胴体及び底壁が、シェルを画定し、柔軟な上壁、胴体及び底壁が、分配可能な空洞の内容物を貯留するための空洞を画定する、上壁及び底壁と
を有する、かなりの部分が剛性である本体を含む分配容器であって、
かなりの部分が剛性であり、前記柔軟な上壁に連結され、前記平坦で柔軟な上壁によって形成されたヒンジの周りで開くことが可能である蓋部と、
前記蓋部を前記シェルに対して封止して前記空洞を封止するシールとを更に含み、
前記シールを破断し、前記蓋部を前記平坦で柔軟な上壁によって形成された前記ヒンジの周りで開くことができ、それによって前記空洞の内容物が分配されることが可能になる、分配容器。
【請求項4】
前記ヒンジが、前記平坦で柔軟な上壁によってその平面内に形成され、前記蓋部を前記シェルに対して封止する前記シールが、前記上壁の平面から外れている、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項5】
前記分配用具又は容器が、縦長のものであり、前記ヒンジの軸に対して垂直な長手方向軸を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項6】
前記シールが、前記ヒンジの周りで前記蓋部を開く動作によって破断される、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項7】
前記シールが、ポリマー、ホイル、フィルム、紙、又は膜の一つである、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項8】
前記底壁が、前記胴体と一体的に形成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項9】
前記底壁が、前記シールと一体的に形成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項10】
前記胴体が、更に、前記蓋部に隣接する強化リブを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項11】
前記蓋部及びリブが、その間に溝を形成するように隣接して配置され、前記シールが、前記溝の上方を延びる、請求項10に記載の分配用具又は容器。
【請求項12】
前記蓋部及び底壁が、その間に溝を形成するように隣接して配置され、前記シールが、前記溝の上方を延びる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項13】
前記リブ及び蓋部が、その間に破損ゾーンを有して一体的に形成されており、前記シールが、前記破損ゾーンの上方を延びる、請求項10に記載の分配用具又は容器。
【請求項14】
前記蓋部及び底壁が、その間に破損ゾーンを有して一体的に形成されており、前記シールが、前記破損ゾーンの上方を延びる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項15】
前記破損ゾーンが、乾燥時、前記空洞を封止する液相ポリマーによって被覆された一つ又は複数のピンホールを有する、請求項13又は14のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項16】
前記蓋部が、前記柔軟な上壁によって形成された前記ヒンジの周りで開かれるときに前記シールを破断することを助ける歯部又は他の突起部を更に含む、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項17】
前記シェルが、内面を有し、前記シールが、前記シェルの前記内面に固着される、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項18】
前記胴体が、成形プラスチックであり、前記柔軟な上壁が、紙、フィルム、又はホイルである、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項19】
前記胴体が、プラスチックであり、前記上壁及び底壁が、ホイルであり、プラズマ誘導ヒートシールによって前記胴体に封止される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項20】
前記蓋部が、剛性の親指当てを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項21】
前記用具又は容器が、第2の空洞及び前記第2の空洞を封止するための第2の蓋部を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項22】
前記空洞の前記内容物を更に含む、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項23】
分配された内容物を前記蓋部から離れた位置に送出するための送出チャネルを更に含む、前記請求項のいずれか一項に記載の分配用具又は容器。
【請求項24】
前記容器が、器具内への挿入用のカートリッジである、請求項3〜23のいずれか一項に記載の分配容器。
【請求項25】
前記カートリッジが、前記器具内で回転可能であり、収容位置及び分配位置を有する、請求項24に記載の分配容器。
【請求項26】
分配用具又は容器を製造する方法であって、
胴体、底壁、蓋部及びシールを含む胴体アセンブリを形成するステップと、
胴体アセンブリを分配される内容物によって充填するステップと、
前記胴体アセンブリを平坦で柔軟な上壁で封止するステップとを含む方法。
【請求項27】
胴体アセンブリを形成する前記ステップが、単一パス操作で、前記底壁を前記胴体に装着し、前記シールを前記蓋部に装着するステップを含む、請求項24に記載の分配容器を製造する方法。
【請求項28】
添付の図1a〜100に示したそれぞれの実施形態のいずれか一つを参照して上記で実質的に説明した分配用具又は容器。
【請求項29】
添付の図1a〜100に示したそれぞれの実施形態のいずれか一つを参照して上記で実質的に説明した分配用具又は容器を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【公表番号】特表2010−516579(P2010−516579A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547490(P2009−547490)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/AU2008/000104
【国際公開番号】WO2008/092200
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(507092218)サンズ イノベーションズ ピーティーワイ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】