説明

切り替える方法および装置

切り替える方法および装置である。本発明の実施形態の切替方法は、伝送時間間隔を切り替えることをユーザ機器に要求するために、基地局によって送信された切替指示情報を受信する段階(S110)と、切替指示情報を確認するために使用される切替確認情報を基地局に送信する段階(S120)と、伝送時間間隔の切替を実行する段階(S130)とを含む。本発明の実施形態の切替方法は、伝送時間間隔を切り替えることをユーザに要求するための切替指示情報をユーザ機器に送信する段階と、切替指示情報を確認するために使用される切替確認情報を受信する段階とを含む。本発明の実施形態のユーザ機器は、第1の受信モジュールと、送信モジュールと、処理モジュールとを含む。本発明の実施形態の基地局は、第1の送信モジュールと、第1の受信モジュールとを含む。本発明によって、伝送時間間隔の切替の遅延は低減され、伝送時間間隔の高速の切替が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、詳細には、切り替える方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)リリース6(R6)で導入された技術である。この技術は、アップリンク方向(移動体端末から無線アクセスネットワークへの方向)のパケットサービスに関する最適化および進展である。自己適応符号化(self-adaptation encoding)、物理層ハイブリッド再送信(hybrid retransmission)、ノードBを基にした高速スケジューリング、および2ミリ秒伝送時間間隔(TTI)を基にした短フレーム送信を使用して、HSUPAは、最高のデータで伝送速度とセルスループットとを強化して、遅延を低減する。
【0003】
HSUPAは、2ミリ秒TTI送信モードを使用することによって、伝送遅延をさらに低減する。しかし、2ミリ秒TTIを基にした短フレーム送信モードは、セルの端で動作するユーザ機器(UE)には適用可能でない。したがって、UEの有効範囲は狭められる。特に、UEの総送信電力が最大送信電力に達した後の期間の場合、アップリンク有効範囲を拡張するために、2ミリ秒TTIは10ミリ秒TTIに切り替わる必要がある。詳細プロセスは以下のとおりである。
【0004】
(1)ネットワークは、制御メッセージを測定することによって、UEに関する6dイベントを設定する。
【0005】
(2)UE送信電力が、最大許容送信電力に達し、一定期間その状態にとどまったとき、UEは測定報告をネットワークに報告する。
【0006】
(3)測定報告を受信すると、無線ネットワーク制御装置(RNC)は、UEのアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定して、TTI長を再設定するために、(無線ベアラ再設定メッセージ、伝送チャネル再設定メッセージを含むことが可能な)再設定メッセージをUEに送信する。
【0007】
(4)再設定メッセージを受信すると、UEは、2ミリ秒TTIから10ミリ秒TTIへの切り替えを実行するために、ネットワークによって指定された時間に、再設定メッセージに従って、再設定を実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記で説明されたように、先行技術では、UEは、6dイベントを報告し、RNCは、その6dイベントに従って、UEの送信電力が制限されているかどうかを判定して、TTI切り替えに関してUEを設定するために再設定メッセージを開始する。したがって、UEが10ミリ秒TTI送信モードに切り替えるとき、遅延は長い。
【0009】
本発明の主な目的は、伝送時間間隔(TTI)の切り替えの遅延を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上の目的を達成するために、本発明の一実施形態は、切り替える方法を提供する。この方法は、
TTIを切り替えることをUEに要求する、基地局によって送信された切替指示情報を受信する段階と、
切替確認情報を基地局に送信する段階と、を含み、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認され、
TTIを切り替える段階をさらに含む。
【0011】
本発明のもう1つの実施形態も、切り替える方法を提供する。この方法は、
TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報をUEに送信する段階と、
切替確認情報をUEから受信する段階と、を含み、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認される。
【0012】
本発明の一実施形態は、UEを提供する。このUEは、
TTIを切り替えることを要求する、基地局から送信された切替指示情報を受信するように構成された第1の受信モジュールと、
切替確認情報を基地局に送信するように構成された送信モジュールと、を含み、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認され、
TTIを切り替えるように構成された処理モジュールをさらに含む。
【0013】
本発明の一実施形態は、基地局を提供する。この基地局は、
TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報をUEに送信するように構成された第1の送信モジュールと、
切替確認情報をUEから受信するように構成された受信モジュールと、を含み、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認される。
【0014】
これまでの技術的解決策に基づいて、本発明の実施形態では、基地局は、TTIを切り替えることをUEに直接命令する。したがって、TTIを切り替えることをUEに命令するためにノードBからRNCに通知を送信することは回避される。迅速なTTI切り替えを実施するために、TTIを切り替える遅延は短縮される。
【0015】
以下は、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による切り替える方法の流れ図である。
【図2】本発明のもう1つの実施形態による切り替える方法の流れ図である。
【図3】本発明のさらにもう1つの実施形態による切り替える方法の流れ図である。
【図4】本発明の一実施形態による切り替える方法の流れ図である。
【図5】本発明のもう1つの実施形態による切り替える方法の流れ図である。
【図6】本発明の一実施形態によるUEの構造概略図である。
【図7】本発明のもう1つの実施形態によるUEの構造概略図である。
【図8】本発明のさらにもう1つの実施形態によるUEの構造概略図である。
【図9】本発明の一実施形態による基地局の構造概略図である。
【図10】本発明のもう1つの実施形態による基地局の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の技術的解決策を明瞭にするために、本発明は、添付の図面および実施形態を参照して例示される。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施形態は、切り替える方法を提供する。この方法は、以下を含む。
【0019】
ステップS110。TTIを切り替えることをUEに要求する、基地局から送信された切替指示情報を受信する。
【0020】
ステップS120。切替確認情報を基地局に送信し、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認される。
【0021】
ステップS130。TTIを切り替える。
【0022】
UEは、移動体電話、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、プレイステーションポータブル(PSP)、およびポータブルマルチメディアプロジェクタを含むが、これらに限定されない。
【0023】
UEがTTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報を受信するとき、例えば、基地局が2ミリ秒TTIから10ミリ秒TTIに切り替えることをUEに要求するとき、UEは、受信された切替指示情報に従って、切替指示情報が受信されたことと、TTIが切り替えられることとを確認するために、切替確認情報を送信する。その後、UEはTTIを、例えば、2ミリ秒TTIから10ミリ秒TTIに切り替える。したがって、UEは、TTIを迅速に切り替えるために、TTIを切り替える遅延を短縮することができる。
【0024】
実施形態のステップS110において、基地局は、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)命令を送信することによって、またはその他の適切な方法を使用することによって、切替指示情報を搬送することが可能である。
【0025】
HS-SCCH命令物理チャネルは、以下の内容を送信する。
1. 命令タイプ: xodt,1、xodt,2、xod,3、3ビット
2. 命令内容: xord,1、xord,2、xord,3、3ビット
3. UE識別子(ID) xue,1、xue,2、...、xue,16、16ビット
【0026】
基地局がHS-SCCH命令を送信するとき、xodt,1、xodt,2、xodt,3は命令タイプを指示し、xord,1、xord,2、xord,3は命令内容を指示する。一連の符号化処理を受けているHS-SCCH命令は、無線チャネルを介してUEに通知される。これらの命令タイプおよび命令内容は、TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報を搬送するように設定可能である。
【0027】
命令タイプxodt,1、xodt,2、xodt,3が「001」に設定されているとき、命令内容xord,1もしくはxord,2のいずれか、または命令内容xord,1およびxord,2の両方は、指示情報を搬送するように設定可能である。命令タイプxodt,1、xodt,2、およびxodt,3は、「000」および「001」以外の任意の2進数の結合に設定され、命令内容xord,1、xord,2、もしくはxord,3、または命令内容xord,1、xord,2、およびxord,3の任意の結合は、指示情報を搬送するように設定可能である。
【0028】
例えば、命令タイプxodt,1、xodt,2、およびxodt,3は、「001」に設定可能であり、xord,1は、TTIを切り替えることをUEに命令するために「1」に設定可能であり、命令タイプxodt,1、xodt,2、およびxodt,3は、「001」に設定可能であり、xord,1は、TTIを切り替えないことをUEに命令するために「0」に設定可能である。
【0029】
この実施形態では、基地局は、TTIを切り替えることをUEに命令する切替指示情報を搬送するために、HS-SCCH命令を使用する。このようにして、既存のリソースは十分に利用され、リソース利用率が改善され、動作の実施は簡単かつ容易であり、先行技術とのより良好な互換性が達成される。
【0030】
上の実施形態のステップS120において、現在のTTI内で使用されることが禁じられたトランスポートブロック(TB)に対応する拡張専用トランスポートチャネル(E-DCH)トランスポートフォーマット組合せインジケータ(enhanced dedicated transport channel (E-DCH) transport format combination indicator)(E-TFCI)をE-DCH専用物理制御チャネル(E-DPCCH)上で送信することによって、UEは切替指示確認情報を搬送することが可能である。
【0031】
例えば、基地局が2ミリ秒TTI(現在のTTI)から10ミリ秒TTIに切り替えることをUEに要求するとき、E-TFCIとTBサイズとの間の任意のマッピング表内で少なくとも1つのTBが禁じられる。禁じられたTBのサイズは利用不可である。表1および表2は、それぞれ、2ミリ秒TTIの場合のE-TFCIとTBサイズとの間のマッピングを列挙する。表1は、E-TFCIが120であるとき、対応するTBサイズは利用不可であり、そのTBは禁じられる。表2)において、E-TFCIが101であるとき、TBサイズは利用不可であり、そのTBは禁じられ、またはE-TFCIが102であるとき、TBサイズは利用不可であり、そのTBは禁じられる。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
したがって、切替指示情報を基地局から受信しているとき、例えば、基地局が2ミリ秒TTIから10ミリ秒TTIに切り替えることをUEに要求するとき、UEは、2ミリ秒TTI内で使用することが禁じられたTBに対応するE-TFCIをE-DPCCH上で送信することが可能である。例えば、UEは、切替指示情報が受信されたことを基地局に確認し、表1のE-TFCI=120を使用することによって、または表2のE-TFCI=101もしくはE-TFCI=102を使用することによって、(サービス提供セル内の基地局と非サービス提供セル内の基地局とを含めて)そのUEと通信しているすべての基地局にそのUEが2ミリ秒TTIから10ミリ秒TTIに切り替えるところであることを通知する。基地局は、切替指示情報をUEに送信した後で、使用されることが禁じられたTBに対応するE-TFCIを受信する。したがって、基地局は、E-DPCCH上で送信されたE-TFCIを不正確であると間違えることはない。
【0035】
このとき、UEは、E-DCH専用物理データチャネル(E-DPDCH)上のデータ送信を停止する。基地局がE-DPCCHを正確に復調できることをさらに確実にするために、基地局がE-DPCCHを不正確に検出すること、またはE-DPCCHを検出し損なうことを防ぐ目的で、動作不可能(disable)にされたE-DPDCHの電力をE-DPCCHに割り当てることが可能である。UEは、基地局がE-TFCIを正確に受信することを確実にするために、E-DPCCH上で、複数の連続するTTI内で同じE-TFCIを複数回送信することが可能である。このとき、基地局は肯定応答(ACK)メッセージまたは否定応答(NACK)メッセージをフィードバックする必要がない。E-TFCIを送信する時間が決定されたとき、UEは接続フレーム番号(CFN)の開始位置で5つのサブフレームまたは5の倍数のサブフレームを連続的に送信し、次いで、次のCFNの境界で10ミリ秒TTIに切り替えることが可能にされることを考慮することが好ましい。基地局が使用されることが禁じられたTBに対応するE-TFCIをCFN内で受信する限り、基地局は、デフォルト設定で、UEが次のCFN内で10ミリ秒TTIに切り替えることを考慮する。これにより、UEは、アップリンク有効範囲を迅速に拡張するためにTTIを迅速に切り替えることが可能である。
【0036】
本発明の実施形態のステップS120では、UEは、媒体アクセス制御(MAC)ヘッダまたはE-DPDCHのスケジューリング情報にインジケータを追加することよって、切替確認情報を搬送することも可能である。この場合、図2に示されるように、本発明の実施形態による切替方法は、ステップS120の後で、ステップS121、すなわち、切替確認情報に応答して、フィードバック情報を基地局から取得する段階をさらに含むことが可能である。ステップS130は、ステップS131、すなわち、フィードバック情報を基地局から受信した後で、次のCFN内でTTIを切り替える段階を含む。
【0037】
例えば、基地局が2ミリ秒TTIから10ミリ秒TTIに切り替えることをUEに要求するとき、MACヘッダまたはE-DPDCHのスケジューリング情報は、切替確認情報が受信されて、TTIが切り替えられることを確認するための切替確認情報を搬送するインジケータを含むことが可能である。このインジケータは、2つの部分に分割可能であり、すなわち、このインジケータは、メッセージタイプおよび内容を含むか、またはいくつかのビットだけを含む。例えば、インジケータPは、1ビットを含む。「P = 1」は切り替えが実行されることを指示し、「P = 0」は切り替えが実行されないことを示すと定義できる。
【0038】
UEは、基地局がデータを正確に受信することを確実にするために、E-DPDCH上で、複数の連続するTTI内でMACヘッダまたはスケジューリング情報にインジケータを追加することも可能である。この場合、UEは、ACKメッセージまたはNACKメッセージが基地局からフィードバックされるのを待つ必要がある。最後のACKメッセージまたは最後のNACKメッセージを基地局から受信した後で、UEは次のCFN内で2ミリ秒TTIから10ミリ秒TTIに切り替える。したがって、UEは、アップリンク有効範囲を迅速に拡張するために、TTIを迅速に切り替えることが可能である。
【0039】
本発明の実施形態のステップS130において、TTIを切り替えることは、TTIを切り替えるための再設定リソースと、次のCFN内でTTIを切り替えるための再設定リソースとを取得する段階を含み、この場合、UEがTTIを切り替えるための再設定リソースは、ブロードキャストモードでUEに対してRNCによって発行可能なリソースである。好ましくは、UEがTTIを切り替えるための再設定リソースは、迅速なTTI切替を円滑にして、アップリンク有効範囲を改善するために、ディフォルトリソースとしてUE内に格納可能である。
【0040】
本発明のもう1つの実施形態では、ステップS110の前にTTIを切り替える切替方法は、ステップS100、すなわち、専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対するUEの最大送信電力の比率を報告する段階を含むことが可能であり、この場合、専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対するUEの最大送信電力の比率は、UEのアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定するために、基地局によって使用される。ステップS110は、ステップS111、すなわち、図3に示されるように、基地局が、UEのアップリンク送信電力が制限されていると判定したとき、基地局によって送信された切替指示情報を受信する段階を含むことが可能である。
【0041】
好ましくは、基地局は、UEのアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定するために、UEによって報告された専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対するUEの最大送信電力の比率(UE電力ヘッドルーム(UPH))を使用する。基地局は、UEによって提供されたUPHに従って、UEの最大送信電力を計算することが可能である。最大送信電力がUEに対してRNCによって設定された最大電力を超える場合、基地局は、UEの電力が制限されていると判定する。それに応じて、UEは、アップリンク有効範囲を拡張するために、2ミリ秒TTIから10ミリ秒TTIに切り替える必要がある。
【0042】
図4に示されるように、本発明の一実施形態は、切り替え方法も提供する。この方法は以下を含む。
【0043】
ステップS210。TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報をUEに送信する。
【0044】
ステップS220。切替確認情報をUEから受信し、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認される。
【0045】
基地局は、TTIを切り替えることをUEに直接命令する。したがって、TTIを切り替えることをUEに命令するために、ノードBからRNCに通知を送信することは回避される。したがって、迅速なTTI切替を実践するために、TTIを切り替える遅延が短縮される。
【0046】
本発明の実施形態のステップS220において、基地局によって受信された切替確認情報は、現在のTTI内で使用されることが禁じられたTBに対応するE-TFCIを介して、E-DPCCH上でUEによって送信可能であるか、またはMACヘッダもしくはE-DPDCHのスケジューリング情報にそのインジケータを追加することによって、送信可能である。基地局がMACヘッダまたはE-DPDCHのスケジューリング情報にそのインジケータを追加することによって、UEによって送信された切替確認情報を受信するとき、本発明の実施形態による切替方法は、ステップS220の後で、ステップS230、すなわち、切替確認情報に応答して、フィードバック情報をUEに送信する段階を含むことが可能である。ACKメッセージまたはNACKメッセージを受信するとUEは次のCFN内でTTIを切り替える。
【0047】
図5に示されるように、本発明のもう1つの実施形態では、TTIを切り替える切替方法は、ステップS120の前に、ステップS200、すなわち、UEによって報告された専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対する最大送信電力の比率を受信する段階を含むことが可能である。ステップS210は、ステップS211、すなわち、専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対する最大送信電力の比率に従って、UEのアップリンク送信電力が制限されていると判定した後で、TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報をUEに送信する段階を含むことが可能である。ステップS211において、基地局は、HS-SCCH命令を発行することによって、またはその他の方法を使用することによって、切替指示情報を搬送することが可能である。
【0048】
本発明のさらにもう1つの実施形態では、TTIを切り替える切替方法は、ステップS220の後で、ステップS240、すなわち、UEがTTI切替を完了したことを示す切替完了情報をRNCに送信する段階を含むことが可能である。UEがTTI切替を完了した後で、基地局は、切り替えられたTTI内の通信を準備するために、UEがTTI切替を完了したことを示す切替完了情報をRNCに送信することが可能である。好ましくは、基地局は、ノードBアプリケーションパート(Node B Application Part)(NBAP)シグナリングを発行することによって、切替完了情報を搬送する。
【0049】
したがって、本発明の実施形態による切替方法を用いると、迅速なTTI切替を実施して、UEアップリンク有効範囲を迅速に拡張するために、TTIを切り替える遅延を効果的に短縮することが可能である。加えて、本発明の実施形態によれば、切替確認情報を迅速かつ好都合に基地局に送信するために、ネットワークリソースは十分に使用可能であり、かつ異なる方法が使用される。
【0050】
以下は、TTI切替を実行するUEの一実施形態と、TTIを切り替えるために使用される基地局の一実施形態とを説明する。同様に、本発明の実施形態によるUEおよび基地局は、前述の実施形態で説明された切替方法を使用することによって、TTIを切り替える遅延を効果的に短縮して、迅速なTTI切替を完了することが可能である。
【0051】
図6を参照すると、本発明の一実施形態のUE100は、第1の受信モジュール110と、送信モジュール120と、処理モジュール130とを含む。第1の受信モジュール110は、TTIを切り替えることを要求する切替指示情報を基地局から受信するように構成される。送信モジュール120は、切替確認情報を基地局に送信するように構成され、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認される。処理モジュール130は、TTIを切り替えるように構成される。
【0052】
したがって、UEは、TTI切替を迅速に完了して、アップリンク有効範囲を拡張するために、TTIを切り替える遅延を効果的に短縮することが可能である。
【0053】
本発明のもう1つの実施形態では、図7および図8に示されるように、UE100は、専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対するUE100の最大送信電力の比率を報告するように構成された報告モジュール101をさらに含むことが可能であり、この場合、専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対する最大送信電力の比率は、UE100のアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定するために、基地局によって使用される。第1の受信モジュール110は、基地局が、UE100のアップリンク送信電力が制限されていると判定したとき、基地局によって送信された切替指示情報を受信するように構成される。
【0054】
本発明の実施形態では、送信モジュール120は、図7に示されるように、現在のTTI内で使用されることが禁じられたTBに対応するE-TFCIを介して、E-DPCCH上で切替確認情報を基地局に送信するように構成された第1の送信サブユニット121を含むことが可能である。送信モジュール120は、MACヘッダまたはE-DPDCHのスケジューリング情報にインジケータを追加することによって、切替確認情報を基地局に送信するように構成された第2の送信サブユニット122をさらに含むことが可能である。送信モジュール120は、切替確認情報を基地局に送信するように構成された、第1の送信サブユニット121と第2の送信サブユニット122の両方をさらに含むことも可能であり、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認される。
【0055】
送信モジュール120が第2の送信サブユニット122を含むとき、UE100は、切替確認情報に応答して、フィードバック情報を基地局から受信するように構成された第2の受信モジュール123をさらに含むことが可能である。第2の受信モジュール123がフィードバック情報を受信するとき、処理モジュール130はTTIを切り替える。
【0056】
図7および図8に示されるように、本発明の実施形態では、処理モジュール130は、取得ユニット131と再設定ユニット132とを含むことが可能である。取得ユニット131は、TTIを切り替えるための再設定リソースを取得するように構成される。再設定ユニット132は、再設定リソースに従って、TTIを再設定するように構成される。好ましくは、再設定リソースは、RNCによってブロードキャストされるか、またはより好ましくは、再設定リソースは、UE100内に格納されたデフォルト再設定リソースである。
【0057】
図9を参照すると、本発明の一実施形態の基地局200は、TTIを切り替えることをUE100に要求する切替指示情報をUE100に送信するように構成された第1の送信モジュール210と、切替確認情報をUE100から受信するように構成された第1の受信モジュール220とを含み、切替確認情報を用いて切替指示情報が確認される。
【0058】
前述の実施形態では、図10に示されるように、基地局200は、第2の受信モジュール201と判定モジュール202とをさらに含むことが可能である。第2の受信モジュール201は、UE100によって報告された専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対する最大送信電力の比率を受信するように構成される。判定モジュール202は、専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対する最大送信電力の比率に従って、UE100のアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定するように構成される。UE100のアップリンク送信電力が制限されているとき、第1の送信モジュール210は、TTIを切り替える切替指示情報をUE100に送信するように構成される。好ましくは、第1の送信モジュール210は、HS-SCCH命令を介して、切替指示情報をUE100に送信する。
【0059】
本発明のもう1つの実施形態では、基地局200は、第1の受信モジュール220がMACヘッダまたはE-DPDCHのスケジューリング情報にインジケータを追加することによって、UE100によって送信された切替確認情報を受信するとき、切替確認情報に応答して、フィードバック情報をUE100に送信するように構成された第2の送信モジュール221をさらに含むことが可能である。UE100 は、基地局200から最後のACKメッセージまたはNACKメッセージを受信した後で、次のCFN内でTTIを切り替える。
【0060】
本発明のさらにもう1つの実施形態では、基地局200は、UE100がTTI切替を完了したことを示す切替完了情報をRNCに送信するように構成された第3の送信モジュール230をさらに含むことが可能である。好ましくは、第3の送信モジュール230は、NBAPシグナリングを介して、切替完了情報をRNCに送信する。
【0061】
したがって、本発明の実施形態による切替方法を用いると、TTI切替を迅速に完了して、UEアップリンク有効範囲を迅速に拡張するために、TTIを切り替える遅延を効果的に短縮することが可能である。加えて、本発明の実施形態によれば、切替確認情報を迅速かつ好都合に基地局に送信するために、ネットワークリソースを十分使用することが可能であり、かつ異なる方法が使用される。
【0062】
本発明の実施形態による通信方法のステップのすべてまたは一部は、関連するハードウェアに命令するプログラムによって実装可能である点を当業者は理解されよう。これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に格納可能である。プログラムが実行するとき、通信方法の対応するステップが実行される。この記憶媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、またはコンパクトディスクであってよい。
【0063】
本発明は、添付の図面を参照して、例示的な実施形態と組み合わせて説明されたが、本発明はそれらに限定されない。当業者は、本発明の原理および趣旨から逸脱せずに、様々な均等な修正および精緻化を行うことが可能であり、修正および精緻化は、本発明の保護範囲内に包含されるべきである。
【符号の説明】
【0064】
100 UE
101 報告モジュール
110 第1の受信モジュール
120 送信モジュール
121 第1の送信サブユニット
122 第2の送信サブユニット
123 第2の受信モジュール
130 処理モジュール
131 取得ユニット
132 再設定ユニット
200 基地局
201 第2の受信モジュール
202 判定モジュール
210 第1の送信モジュール
221 第2の送信モジュール
220 第1の受信モジュール
230 第3の送信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り替える方法であって、
伝送時間間隔(TTI)を切り替えることをユーザ機器(UE)に要求する切替指示情報を受信する段階を含み、前記切替指示情報は基地局によって送信され、
切替確認情報を前記基地局に送信する段階をさらに含み、前記切替確認情報を用いて前記切替指示情報が確認され、
前記TTIを切り替える段階をさらに含む方法。
【請求項2】
専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対するUEの最大送信電力の比率を報告する段階をさらに含み、前記専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対するUEの最大送信電力の比率は、UEのアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定するために前記基地局によって使用され、
前記TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報を受信する段階は、前記基地局が、前記UEのアップリンク送信電力が制限されていると判定した場合、前記基地局によって送信された切替指示情報を受信する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報を受信する段階は、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)命令を介して前記基地局によって送信された切替指示情報を受信する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記切替確認情報を前記基地局に送信する段階は、現在のTTI内で使用されることが禁じられたトランスポートブロック(TB)に対応するトランスポートフォーマット組合せインジケータ(TFCI)を介して拡張専用チャネル(E-DCH)専用物理制御チャネル(E-DPCCH)上で前記切替確認情報を前記基地局に送信する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記切替確認情報を前記基地局に送信する段階は、媒体アクセス制御(MAC)ヘッダまたは拡張専用チャネル(E-DCH)専用物理データチャネル(E-DPDCH)のスケジューリング情報にインジケータを追加することによって前記切替確認情報を前記基地局に送信する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記切替確認情報に応答してフィードバック情報を前記基地局から取得する段階をさらに含み、
前記TTIを切り替える段階は、前記フィードバック情報を前記基地局から受信すると次の接続フレーム番号(CFN)で前記TTIを切り替える段階を含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記TTIを切り替える段階は、前記TTIを切り替えるための再設定リソースを取得し、次のCFN内で前記TTIを切り替える段階を含み、前記再設定リソースは、無線ネットワーク制御装置(RNC)によってブロードキャストされるか、または前記UE内に格納されたデフォルト再設定リソースである請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
切り替える方法であって、
伝送時間間隔(TTI)を切り替えることをユーザ機器(UE)に要求する切替指示情報を前記UEに送信する段階と、
切替確認情報を前記UEから受信する段階とを含み、前記切替確認情報を用いて前記切替指示情報が確認される方法。
【請求項9】
前記UEによって報告された専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対する最大送信電力の比率を受信する段階をさらに含み、前記専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対する最大送信電力の比率は、UEのアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定するために使用され、
前記TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報を前記UEに送信する段階は、前記UEによって報告されたDPCHの電力に対する最大送信電力の比率に従って前記UEのアップリンク送信電力が制限されていると判定した後で、前記切替指示情報を前記UEに送信する段階を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記TTIを切り替えることをUEに要求する切替指示情報を送信する段階は、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)命令を介して前記切替指示情報を前記UEに送信する段階を含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記切替確認情報を基地局から受信する段階は、現在のTTI内で使用されることが禁じられたトランスポートブロック(TB)に対応する拡張専用チャネル(E-DCH)トランスポートフォーマット組合せインジケータ(E-TFCI)を介してE-DCH専用物理制御チャネル(E-DPCCH)上で前記切替確認情報を前記基地局から受信する段階を含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記切替確認情報を基地局から受信する段階は、媒体アクセス制御(MAC)ヘッダまたは拡張専用チャネル(E-DCH)専用物理データチャネル(E-DPDCH)のスケジューリング情報にインジケータを追加することによって前記UEによって送信された切替確認情報を受信する段階を含む請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記切替確認情報を前記UEから受信した後で、前記切替確認情報に応答してフィードバック情報を前記UEに送信する段階をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記切替確認情報を前記UEから受信した後で、前記UEが前記TTIの切り替えを完了したことを示す切替完了情報を無線ネットワーク制御装置(RNC)に送信する段階をさらに含む請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記UEが前記TTIの切り替えを完了したことを示す切替完了情報をRNCに送信する段階は、ノードBアプリケーションパート(NBAP)シグナリングを介して前記切替完了情報を前記RNCに送信する段階を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
伝送時間間隔(TTI)を切り替えることを要求する切替指示情報を基地局から受信するように構成された第1の受信モジュールと、
切替確認情報を送信するように構成された送信モジュールと、を含み、前記切替確認情報を用いて前記切替指示情報が確認され、
前記TTIを切り替えるように構成された処理モジュールをさらに含むユーザ機器(UE)。
【請求項17】
専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対するUEの最大送信電力の比率を報告するように構成された報告モジュールをさらに含み、前記DPCHの電力に対するUEの最大送信電力の比率は、UEアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定するために前記基地局によって使用され、
前記第1の受信モジュールは、前記基地局が、前記UEのアップリンク送信電力が制限されていると判定した場合、前記基地局によって送信された切替指示情報を受信するようにさらに構成される請求項16に記載のUE。
【請求項18】
前記送信モジュールは、現在のTTI内で使用されることが禁じられたトランスポートブロック(TB)に対応する拡張専用チャネル(E-DCH)トランスポートフォーマット組合せインジケータ(E-TFCI)を介してE-DCH物理制御チャネル(E-DPCCH)上で前記切替確認情報を前記基地局に送信するように構成された第1の送信サブユニットを含む請求項16に記載のUE。
【請求項19】
前記送信モジュールは、媒体アクセス制御(MAC)ヘッダまたは拡張専用チャネル(E-DCH)専用物理データチャネル(E-DPDCH)のスケジューリング情報にインジケータを追加することによって前記切替確認情報を前記基地局に送信するように構成された第2の送信サブユニットを含む請求項16に記載のUE。
【請求項20】
前記切替確認情報に応答してフィードバック情報を前記基地局から受信するように構成された第2の受信モジュールをさらに含み、
前記処理モジュールは、前記第2の受信モジュールが前記フィードバック情報を受信した場合、前記TTIを切り替えるようにさらに構成される請求項19に記載のUE。
【請求項21】
前記処理モジュールは、
前記TTIを切り替えるための再設定リソースを取得するように構成された取得ユニットと、
前記再設定リソースに従って前記TTIを再設定するように構成された再設定ユニットと、を含み、
前記再設定リソースは、無線ネットワーク制御装置(RNC)によってブロードキャストされるか、または前記UE内に格納されたデフォルト再設定リソースである請求項16に記載のUE。
【請求項22】
伝送時間間隔(TTI)を切り替えることをユーザ機器(UE)に要求する切替指示情報を前記UEに送信するように構成された第1の送信モジュールと、
切替確認情報を前記UEから受信するように構成された受信モジュールと、を含み、前記切替確認情報を用いて前記切替指示情報が確認される基地局。
【請求項23】
前記UEによって報告された専用物理制御チャネル(DPCH)の電力に対する最大送信電力の比率を受信するように構成された第2の受信モジュールと、
前記DPCHの電力に対する最大送信電力の比率に従ってUEのアップリンク送信電力が制限されているかどうかを判定するように構成された判定モジュールと、をさらに含み、
前記第1の送信モジュールは、前記判定モジュールが、前記UEのアップリンク送信電力が制限されていると判定した場合、前記切替指示情報を前記UEに送信するようにさらに構成される請求項22に記載の基地局。
【請求項24】
前記第1の受信モジュールが、媒体アクセス制御(MAC)ヘッダまたは拡張専用チャネル(E-DCH)専用物理データチャネル(E-DPDCH)のスケジューリング情報にインジケータを追加することによって前記UEによって送信された切替確認情報を受信した場合、前記切替確認情報に応答してフィードバック情報を前記UEに送信するように構成された第2の送信モジュールをさらに備える請求項22に記載の基地局。
【請求項25】
前記UEが前記TTIの切り替えを完了したことを示す切替完了情報を無線ネットワーク制御装置(RNC)に送信するように構成された第3の送信モジュールをさらに含む請求項22に記載の基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−525095(P2012−525095A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507568(P2012−507568)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【国際出願番号】PCT/CN2009/071493
【国際公開番号】WO2010/124438
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】