切替弁ユニット、ドレン排出方法及びドレン排出装置
【課題】 流路の切替えに関し、流体が持つ特性を切替情報に用いて弁切替えを実現した切替弁ユニットを提供し、また、熱交換により加熱される温水の循環路をドレン回路の一部に用いることにより、ドレン排出を容易化したドレン排出方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 切替弁ユニットは、弁室(158)に設置されて流体圧を受け、流体圧が所定圧を越えると、第1の状態に移行し又は第1の状態を維持し、流体圧が所定圧未満又は解除されると、第1の状態とは異なる第2の状態に移行する弁部(160)と、弁室に流れ込む流体の温度を感知する感温部(186)と、この感温部が第1の温度を感知すると、弁部に第1の状態又は第2の状態を維持させ、感温部が第1の温度とは異なる第2の温度を感知すると、弁部の前記状態の維持を解除する制弁部(174)とを備えた構成である。ドレン排出方法及びその装置は、このような切替弁ユニットを用いた構成である。
【解決手段】 切替弁ユニットは、弁室(158)に設置されて流体圧を受け、流体圧が所定圧を越えると、第1の状態に移行し又は第1の状態を維持し、流体圧が所定圧未満又は解除されると、第1の状態とは異なる第2の状態に移行する弁部(160)と、弁室に流れ込む流体の温度を感知する感温部(186)と、この感温部が第1の温度を感知すると、弁部に第1の状態又は第2の状態を維持させ、感温部が第1の温度とは異なる第2の温度を感知すると、弁部の前記状態の維持を解除する制弁部(174)とを備えた構成である。ドレン排出方法及びその装置は、このような切替弁ユニットを用いた構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が持つ温度や圧力等の情報を用いて弁を切り替える切替弁ユニット、熱交換により発生するドレンを排出するドレン排出方法及びドレン排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料ガス等の燃焼熱を熱源とする熱交換器では熱交換によりドレンが発生するが、燃焼ガスの顕熱を回収する一次熱交換器と、燃焼ガスの潜熱を回収する二次熱交換器とを併設して効率的な熱交換を可能にしたコンデンシング(高効率)給湯器ではドレンの発生が顕著である。ドレンは、専用の排水配管を設けて外部に排水したり、浴槽に導いて浴槽水とともに排水したり、また、強酸性であることを活用する用途もある。
【0003】
ドレンの専用の排水配管を設けて排水する場合には、例えば、熱交換器から流れるドレンをドレン受けで集水し、これを中和器に導いて中和処理した後、排水配管に流される。また、熱源機の近傍に排水設備がない場合には、浴室内のドレンパンにドレンを排出する方法もある。
【0004】
このドレンの排水に関し、次のような先行特許文献が存在する。
【特許文献1】特開2003−156256号公報 この特許文献1には、ドレン排出用のドレン配管を風呂給湯配管に併設して浴室に導き、浴室内にドレンを排出させるものが開示されている。また、このドレン排出には、風呂給湯配管の往き配管が使用され、往き配管を浴槽手前で分岐してドレンを排出することも開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ドレン配管を風呂給湯配管に併設する場合には、これらを通すための配管工事が必要であり、また、風呂給湯配管の往き配管をドレン排出に使用する場合には、ドレン排出のための分岐部の設置や、ポンプも必要となる。分岐部は、その設置に制限を受ける。また、集合住宅等では、ドレンの専用の排水配管の設置が困難な場合があり、また、設置できても設置コストが問題になる。
【0006】
また、温水を循環させる循環路の一部をドレン排出に用いる場合には、両者の混合を避けるためにそれぞれを流すタイミングと管路の切替えが必要となり、通常、切替弁を設置して管路を切り替えることが行われる。切替弁に電磁弁を用いれば、電気的に弁を開閉し、流路を切り替えることが可能である。しかしながら、電気的に切り替える場合には配線が必要となる。
【0007】
そこで、本発明の第1の目的は、流路の切替えに関し、流体が持つ特性を切替情報に用いて弁切替えを実現した切替弁ユニットを提供することにある。
【0008】
また、本発明の第2の目的は、熱交換により加熱される温水の循環路をドレン回路の一部に用いることにより、ドレン排出を容易化したドレン排出方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の切替弁ユニットは、弁室に設置されて流体圧を受け、この流体圧が所定圧を越えると、第1の状態に移行し又は第1の状態を維持し、前記流体圧が所定圧未満又は解除されると、前記第1の状態とは異なる第2の状態に移行する弁部と、前記弁室に流れ込む流体の温度を感知する感温部と、この感温部が第1の温度を感知すると、前記弁部に前記第1の状態又は前記第2の状態を維持させ、前記感温部が前記第1の温度とは異なる第2の温度を感知すると、前記弁部の前記状態の維持を解除する制弁部とを備えた構成である。斯かる構成により、電気的な制御や機械的な操作を全く要することなく、流路を流れる流体の温度及び圧力を切替情報に用いて第1又は第2の状態の切替えを可能にしている。
【0010】
上記目的を達成するためには、前記弁部に重力又は重力以外の強制力を作用させて前記第1の状態から前記第2の状態に移行させる構成としてもよい。
【0011】
上記目的を達成するためには、前記弁室は、前記弁部の前記第1の状態で流路を開、前記第2の状態で流路を閉とする構成としてもよい。
【0012】
上記目的を達成するためには、前記制弁部は、前記感温部の温度感知に基づき、固定ピンを進退させる進退機構を備え、前記第1の温度で前記固定ピンを突出させて前記弁部の移動を制限し、前記第2の温度で前記固定ピンを後退させることにより前記弁部の移動制限を解除する構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の切替弁ユニットは、流体を流す第1の流路を備えるとともに、この第1の流路から分岐された第2の流路を備えるユニット本体と、このユニット本体の前記第1の流路側に設置され、前記第1の流路に流れる前記流体の流れ方向を規制する第1の逆止弁と、前記ユニット本体の前記第2の流路側に設置され、前記第1の逆止弁と異なる開弁圧を設定したことにより前記第1の逆止弁を通過させる流れ方向と逆方向の流れ方向からの流体を前記第1の流路から前記第2の流路に流す第2の逆止弁とを備える構成としてもよい。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のドレン排出方法は、熱交換により発生するドレンのドレン排出方法であって、前記熱交換により発生したドレンをドレンタンクに溜める処理と、熱交換部で加熱した温水を浴槽に循環させる際に用いる循環路の一部を含むドレン回路を通じて前記ドレンタンクから前記ドレンを流す処理と、前記ドレン以外の温水循環では前記循環路を開通させ、前記循環路をドレン排出に用いる際には前記浴槽側の前記循環路を閉じて排水側回路に開通させることにより、前記循環路を含む前記ドレン回路を通じて前記排水側回路側にドレンを排出させる処理とを含む構成である。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明のドレン排出装置は、熱交換部に発生するドレンのドレン排出装置であって、前記熱交換部により加熱した温水を浴槽に循環させる際に用いる循環路の一部を含んで前記ドレンを溜めるドレンタンクに接続されたドレン回路と、前記循環路の途上に設置されて温水循環では前記循環路を開通させ、前記循環路をドレン排出に用いる際には前記浴槽側の前記循環路を閉じるとともに排水側回路に開通させることにより、ドレンを排出させる切替弁ユニットとを備える構成である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の切替弁ユニットによれば、流体が持つ特性に応じて弁切替えができ、流体に応じた流路を選択することができ、弁切替えの電気配線が不要であり、弁切替えの切替えの容易化を図ることができる。
【0017】
本発明のドレン排出方法又はドレン排出装置によれば、既設の循環路の一部をドレン排出に兼用させるので、専用のドレン配管の設置やその工事が不要であり、ドレン排出の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、ドレン排出装置の実施形態として、ドレン回路に逆止弁を用いた給湯・追焚装置の概要を示す図である。
【0019】
この給湯・追焚装置2は、上水を加熱して給湯する給湯機能、浴槽水を再加熱するふろ追焚機能等を備えており、熱媒に温水を用いる温水暖房装置の熱源機に用いることができる。
【0020】
この給湯・追焚装置2において、給水口4に供給された水Wは、給水回路6を通って給湯側の二次熱交換器8を通過した後、一次熱交換器10を経て給湯回路12の給湯口14に至る。熱交換器10に跨がるバイパス回路16が形成されているとともに、バイパス制御弁18が設置されており、バイパス制御弁18の開閉に応じて熱交換器10で加熱されていない温水が加熱後の温水に混合されて給湯口14に至る。HWは給湯口14から出湯される温水である。また、給水回路6及び給湯回路12に流れる水量は、水制御弁20によって調整される。給水回路6の入水温は温度センサ22、給水量は流量センサ24、混合湯温は温度センサ26で検出される。28は過圧逃し弁である。熱交換器10に跨がってバイパス制御弁18が設置され、水制御弁20が設置されているのは、湯の設定温度に対する応答性を高めるためである。
【0021】
給湯回路12には注湯回路30を介して追焚回路32が連結され、注湯回路30は給湯回路12の給湯口14の内側で分岐されて温水HWを追焚回路32を介して浴槽33に供給する。注湯回路30には注湯電磁弁34、注湯量センサ36及び逆止弁38が設置されている。注湯量は注湯電磁弁34で制御されるとともに、注湯量センサ36で検出され、逆止弁38は追焚回路32側の浴槽水BWが給湯回路12側に逆流するのを防止するために設置され、浴槽水BWと上水とが逆止弁38で分離される。
【0022】
追焚回路32には戻り管40と往き管42とが備えられ、浴槽水BWは戻り管40、切替弁44、循環ポンプ46を通して追焚用熱交換器48に導かれて加熱された後、切替弁50を経て往き管42から浴槽33に至る。浴槽33には戻り管40及び往き管42が循環アダプタ52を介して接続されている。また、追焚回路32は温水としての浴槽水BWを循環させる循環路を構成している。そして、追焚回路32には温度センサ54、56、水位センサ58、流水スイッチ60等が設置され、浴槽水BWの温度が温度センサ54、56で検出され、浴槽水BWの水位が圧力によって水位センサ58に検出され、循環ポンプ46を駆動した際に流水の有無が流水スイッチ60により検出される。浴槽33に循環可能な浴槽水BWが存在しているとき、流水スイッチ60が導通する。矢印A、Bは浴槽水BWの循環方向を示している。
【0023】
燃焼室62には熱交換器8、10が設置されているとともに、バーナ64及び給気ファン66が設置され、燃焼室68には熱交換器48が設置されているとともに、バーナ70及び給気ファン72が設置されている。バーナ64、70には燃料ガスGが燃料ガス管74を通して供給され、この燃料ガス管74には元ガス電磁弁76、ガス比例弁78が設置されているとともに、バーナ64側には切替電磁弁80、ガス電磁弁82、切替電磁弁84、バーナ70側にはガス電磁弁86が設置されている。そして、バーナ64、70に対し、燃焼に必要な空気はそれぞれ給気ファン66、72で供給される。
【0024】
そして、熱交換器8の熱交換により発生したドレンDはドレン受け90で集水され、ドレン受け90からドレン回路92に流れる。このドレン回路92は、ドレン受け90からドレンパン94に至る管路で構成され、温水を循環する循環路である追焚回路32の戻り管40の一部を含んで構成されている。即ち、ドレン回路92は、この実施形態の場合、切替弁44、循環ポンプ46、熱交換器48、切替弁50及び戻り管40に至る管路である。ドレンパン94に流されたドレンDは排水部95を通じて外部の排水設備に排出される。そして、このドレン回路92において、ドレン受け90と切替弁44との間に設置された管路96には中和器98及びドレンタンク100が設置されており、中和器98で中和されたドレンDがドレンタンク100に溜められる。
【0025】
また、ドレン回路92の一部を構成する戻り管40には切替弁ユニット102が設置されており、この切替弁ユニット102は、開弁圧の異なる逆止弁104、106を備えており、逆止弁104は矢印Aで示すように、循環ポンプ46の動作で浴槽33から浴槽水BWを通過させ、矢印Aと逆方向に流れるドレンDが浴槽33側に流れるのを阻止する。逆止弁106は矢印Aと逆方向に流れるドレンDがドレンパン94に流出するのを許可し、矢印Aで示すように、循環ポンプ46の動作で浴槽33から高圧の浴槽水BWが流れる場合には、閉弁してドレンパン94のドレンDが排水管108を通じて戻り管40側に流れ込むのを阻止する。
【0026】
また、給湯・追焚装置2には循環ポンプ46等の各種機能部を制御するための制御装置110が設置され、センサ出力やリモコン装置112からの制御情報を受け、給湯制御、追焚制御、ドレン排出制御等の各種の制御が行われる。
【0027】
次に、中和器98及びドレンタンク100について、図2を参照して説明する。
【0028】
中和器98には酸性のドレンDを中和する中和剤114が装填されているとともに、未中和のドレンDの排出を防止するため、ドレン導入側とドレン排出側を分離する分離壁116が設置されている。中和されたドレンDの上澄み液が中和器98からドレン回路92の管路118を介してドレンタンク100に導かれる。
【0029】
ドレンタンク100にはドレンDの水位を検出する水位センサ120が設置されており、この実施形態では、長大な共通電極122に対し、下限レベルLの水位を検出する水位電極124、上限レベルHの水位を検出する水位電極126が設置されている。即ち、共通電極122のみがドレンDに没していれば、下限レベル以下の空レベル、共通電極122と水位電極124とが没していれば、下限レベルLから上限レベル未満の排水可能レベル範囲、共通電極122、水位電極124及び水位電極126が没していれば、上限レベルHが検出されることになる。そして、ドレンタンク100の底側にはドレン回路92の管路128が形成され、この管路128は切替弁44に連結されている。また、ドレンタンク100には、溜められたドレンDが許容量を越える水位としてオーバーフローレベルを越えたとき、ドレンDを排出するためのオーバーフロー排出口130が設けられている。
【0030】
次に、切替弁ユニット102について、図3を参照して説明する。
【0031】
この切替弁ユニット102は、図3(A)に示すように、T字形のユニット本体132にポート134、136、138を備えるとともに、ポート136側に逆止弁104、ポート138側に逆止弁106を備えている。ポート134、136側を第1の流路とすれば、ポート138は第1の流路を分岐して形成された第2の流路を構成している。逆止弁106には、開弁圧の高いものが使用される。そして、ポート134には戻り管40が連結され、ポート136には浴槽33の循環アダプタ52が接続され、また、ポート138には排水管108が接続される。
【0032】
斯かる構成とすれば、追焚時、循環ポンプ46の駆動により、流体である浴槽水BWが矢印Aで示す方向に流れる場合には、逆止弁104がその通流を許可し、ポート136からポート134側に浴槽水BWが流れる。このとき、逆止弁106は、その開弁圧が高いため、閉止状態を維持し、排水管108側からドレンDを引き込むことはない。
【0033】
また、ドレン排出時、ドレンDはポート134からユニット本体132に流れ込むが、逆止弁104はその通流を阻止する閉止状態となり、逆止弁106がその通流を許可するため、図3(B)の矢印Cで示すように、ポート138側にドレンDが流れる。
【0034】
次に、制御装置110について、図4を参照して説明する。
【0035】
この制御装置110において、制御部140は例えば、マイクロコンピュータ等で構成され、この制御部140には、ドレンタンク100の水位センサ120、その他のセンサ142等から検出信号が制御入力として加えられ、制御部140の制御出力が切替弁44、50、循環ポンプ46、その他の機能部144等に加えられる。制御部140に接続されたリモコン装置112には、制御部146、キースイッチ等の操作部148、表示部150、音報知部152等が備えられ、制御部140、146の相互の通信等が可能であるとともに、操作部148から操作入力が加えられ、制御出力が表示部150、音報知部152等に加えられる。
【0036】
次に、給湯動作、追焚動作及びドレン排出動作を説明する。
【0037】
給湯モードでは、給水回路6に供給された水Wが熱交換器8、10で加熱された後、給湯口14から温水HWとして出湯される。また、この給湯動作において、注湯電磁弁34を開き、切替弁50を往き管42側に切り替えることにより、注湯回路30を通して追焚回路32に温水HWが流れ、浴槽33に供給される。
【0038】
また、追焚モードでは、循環ポンプ46を動作させることにより、浴槽水BWを切替弁44を通して循環ポンプ46に流し、熱交換器48で加熱した後、切替弁50から往き管42を通して浴槽33に循環させる。
【0039】
バーナ64の燃焼熱による熱交換器8の熱交換で発生したドレンDはドレン受け90に溜められ、中和器98で中和された後、ドレンタンク100に蓄積される。
【0040】
そして、ドレンタンク100の水位センサ120が下限レベルLから上限レベルH未満の排水レベルを検出しているとき、ドレン排出モードに移行する。循環ポンプ46を駆動し、切替弁44、50を切り替えることにより、ドレンタンク100のドレンDは切替弁44、循環ポンプ46、切替弁50を介して戻り管40側に流れ、切替弁ユニット102により排水管108に流れ、ドレンパン94に排出される。ドレンタンク100の水位センサ120が下限レベルL以下を検出したとき、この排水動作が停止され、循環ポンプ46の駆動を停止する。そして、切替弁44を追焚回路32の浴槽水BWの循環側に切り替え、これに伴って注湯回路30から注水を行う。この注水作業が管路内洗浄である。そして、この注水洗浄を完了した後、切替弁50を通常の往き管42側に切り替え、ドレン排出及び管路洗浄を完了し、通常の追焚動作が可能な状態に移行する。
【0041】
このドレン排出方法について、図5を参照して説明する。図5は、逆止弁104、106を備える切替弁ユニット102を用いた場合のドレン排水方法及びそのプログラム動作を示している。
【0042】
ドレン排出モードに移行する場合、ドレンDの排出が可能か否かをチェックする(ステップS1)。注湯動作や追焚動作を実行している場合には、原則としてドレン排出は行わないが、ドレン排出の緊急性があるか否かをチェックする。即ち、ドレンタンク100の水位が上限レベルHにあるか否かをチェックし(ステップS2)、上限レベルHにある場合には、ドレンタンク100がオーバーフローするおそれがあるので、ふろ回路動作を一時停止し(ステップS3)、ドレン排出動作に移行する。ここで、ふろ回路動作とは、注湯動作や追焚動作である。
【0043】
そして、ステップS1において、ドレンDが排出可能である場合には、ドレンDは排水レベルであるか否かを判定する(ステップS4)。この場合、ドレンタンク100の水位が排水レベル、即ち、下限レベルLから上限レベルH未満の場合には、ドレンDは排水レベルとなり、その排水を開始する。そこで、循環路中の切替弁50を切り替え、循環ポンプ46より送り出されたドレンDが戻り管40へ流れるようにし(ステップS5)、ドレンタンク100からドレンDが循環ポンプ46に流れるように切替弁44を切り替える(ステップS6)。そして、循環ポンプ46を駆動し、ドレンタンク100内のドレンDを戻り管40に流し、戻り管40の切替弁ユニット102を通して排水管108からドレンパン94に排出する(ステップS7)。この排出の際、逆止弁104があるため、ドレンDは浴槽33に流れ込むことはなく、排水設備側のみに流れる。
【0044】
このようなドレン排出は、ドレンタンク100の水位が下限レベルL以下になるまで継続して行われ(ステップS8)、ドレンDの水位が下限レベルL未満になると、循環ポンプ46を停止させ(ステップS9)、ドレンDの排出が停止する。ドレンタンク100からのドレンDが循環路に流出しないように、戻り管40から循環ポンプ46が連通するように切替弁44を切り替え(ステップS10)、注湯回路30から所定量の注水を行い、ドレンDの排出に使用した管路の洗浄を行う(ステップS11)。この場合、循環路中の切替弁50を戻し、通常状態、即ち、往き管42の使用状態にする。
【0045】
そして、既述したように、排水が可能でない状態であっても、ドレンタンク100の水位が上限レベルHに到達した場合には、強制的に排出を行い、浴槽33への自動湯張りや追焚動作を一時中断し、排出処理を開始し、ドレン排出完了時には再び中断した動作を再開するようにしてもよい。
【0046】
このように、コンデンシング(高効率)給湯・追焚装置において発生するドレンDの排水配管が不用になるとともに、ドレンタンク100に溜まったドレンDは循環ポンプ46を駆動し、循環路を経由して浴槽33付近まで搬送され、切替弁ユニット102を通してドレンパン94に排出させている。
【0047】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について、図6を参照して説明する。図6は、ドレン排出装置の実施形態として、ドレン回路に切替弁ユニットを用いた給湯・追焚装置の概要を示す図である。
【0048】
この実施形態の給湯・追焚装置2では、往き管42側に切替弁ユニット154を備えたものであり、この切替弁ユニット154に接続された排水管108には逆止弁156が設置されている。この場合、切替弁ユニット154は、往き管42側に設置されているので、流体である温水HW、浴槽水BWとドレンDとの温度差を切替情報に用いることにより、ドレンDをドレンパン94に排出し、温水HWは浴槽33に流し込む構成である。このように、往き管42に切替弁ユニット154を設置した場合、第1の実施形態で設置されていた切替弁50(図1)は不要であり、切替弁50を介して戻り管40と往き管42との結合路は不要となる。その他の構成は、第1の実施形態と同一であり、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
次に、切替弁ユニット154について、図7を参照して説明する。
【0050】
この切替弁ユニット154は例えば、図7(A)に示すように、弁室158に流路を変更する弁部160を備えるとともに、弁部160によって選択的に開閉される弁座部162、164を備えている。弁室158に流体を流入させ又は流出させるための開口部としてポート166、168、170を備え、ポート168側には弁座部162、ポート170側には弁座部164が設けられている。ポート166、168側を第1の流路とすれば、ポート170は第1の流路を分岐した第2の流路を構成する。弁部160は、その支持端側を支持軸172で回動可能に支持され、その自由端側には制弁部174が設けられている。この制弁部174は、弁室158に流れ込む流体の温度が第2の温度として所定温度以上例えば、80℃を越えるとき、その温度情報により弁部160を回動可能にするとともに、流体の圧力を受けて弁部160を第1の状態として例えば、弁座部162側に移動させ、その圧力解除により第2の状態として例えば、弁座部164側に移動させる圧力及び温度を制御情報に用いる弁制御部である。この実施形態では、ポート166からの流体圧を受ける受圧片176が弁部160の自由端側に設けられており、この受圧片176に流体圧を受けることにより、弁部160が弁座部162側に移行する。また、第1の温度として所定温度未満に温度が低下したとき、弁部160を固定する手段として弁室158の壁部にはポート168側に固定ピン受け部180、ポート170側に固定ピン受け部178が形成されている。
【0051】
そして、この流体圧を持つ流体温度が既述の通り所定温度以上である場合には、その流体圧を保持し、流体温度を所定温度未満にすることにより、固定ピン受け部180に固定ピン188(図9)が突出し、弁部160が弁座部162側に保持される。また、流体温度が所定温度以上で流体圧が解除されると、弁部160は弁座部162から重力により回動し、図7(B)に示すように、第2の状態である弁座部164側に移動し、流体温度が所定温度未満に低下すると、その位置で保持されることになる。即ち、弁座部162が閉状態から開状態に移行し、弁座部164が開状態から閉状態に移行するので、ポート166から弁室158に流入した流体の流路はポート170側からポート168側に切り替えられ、その状態が固定ピン受け部178で保持される。
【0052】
斯かる構成とすれば、追焚時、図7(A)に示すように、循環ポンプ46の駆動により、高温流体として例えば、80℃に一時的に加熱した浴槽水BWを弁室158内に流し込むと、その熱によって弁部160の固定状態が解除され、その流体圧により弁部160は立ち上がり、弁座部162側に密着し、ポート168側の流路を閉じる。この結果、弁座部164側が開かれ、ポート170側の流路が開かれる。この状態で浴槽水BWの温度を80℃未満に低下させると、弁部160は弁座部162側に固定され、ポート170側の流路を開いた状態が維持される。この状態で追焚きが行われると、浴槽33の循環アダプタ52(図6)の浴槽水BWは、循環ポンプ46を通り、熱交換器48で加熱された後、往き管42を通してポート166から弁室158に入り、ポート170から循環アダプタ52を通して浴槽33に循環する。
【0053】
また、同様に、給湯時にも図7(A)に示すように、高温流体として例えば、80℃の一時的な温水により弁部160を立ち上げ、浴槽33に給湯することができる。
【0054】
そして、給湯によって生じたドレンDの排出には、追焚きや給湯が終了すると、弁室158内の温度が低下し、弁部160が弁座部162側に閉じているので、この状態で高温流体として例えば、80℃の温水HWを流し、それを停止すると、制弁部174の機能によって弁部160の固定が解除された状態となる。このとき、弁部160は、重力により弁座部164側に切り替わるとともに、固定ピン受け部178に固定される。この結果、ポート166、168側が開通する。この場合、ドレンDの通流が許可される。なお、このポート切替えについて、検出手段として例えば、受圧片176に磁石を設置し、この磁石の磁力を受けて開閉するリードスイッチを切替弁ユニット154の外壁部に取り付ければ、このリードスイッチのON、OFFにより、ポート切替えを電気的に検出することができる。
【0055】
次に、この切替弁ユニット154の概要及びその動作原理を図8、図9及び図10を参照して説明する。図8は、切替弁ユニット154の概要を示す断面図、図9は、制弁部174の動作を示す図、図10は、弁部の動作を示す図である。
【0056】
この切替弁ユニット154には、ユニット本体182に弁室158が形成されており、この弁室158には、弁部160の一端部が支持軸172によって回動可能に支持されているとともに、ポート166、168、170が形成されている。弁部160の自由端側には受圧片176が形成されているとともに制弁部174が取り付けられ、この制弁部174を収納可能な凹部184が弁室158の弁座部164の近傍に形成されている。また、弁室158の壁部には、弁座部162、164のそれぞれの近傍に固定ピン受け部178、180が形成されている。各固定ピン受け部178、180は凹部で形成されている。
【0057】
そして、弁部160に取り付けられている制弁部174は、図9(A)に示すように、流体温度を検出する感温部186と、固定ピン188を進退させる進退機構190とを備えている。進退機構190は、感温部186が第1の温度である所定温度未満例えば、80℃未満を検出した場合(低温状態)には、固定ピン188を進出させ、その先端部を固定ピン受け部178、180のいずれかに挿入させ、弁部160の移動を阻止し、その状態を維持させる。また、第2の温度である所定温度以上例えば、80℃以上の場合(高温状態)には、図9(B)に示すように、固定ピン188を後退させ、弁部160の回動可能な状態に移行させる。この場合、弁部160は弁室158に支持された支持軸172を中心に回動するが、弁部160が流体圧を受けている場合には、その流体圧にその移動が委ねられる。
【0058】
そこで、このような切替弁ユニット154を用いてポート168、170の切替動作について説明する。この切替動作には、流体圧と温度が制御情報として用いられ、ポート168側を閉じる状態を第1の状態、ポート170側を閉じる状態を第2の状態とする。
【0059】
弁部160が例えば、図10(A)の状態(第2の状態)にあるものとすると、この状態で所定圧Pの流体192が流れ込み、この流体192の温度が所定温度以上例えば、80℃以上であるとすると、既述した図9(B)に示すように、制弁部174の固定ピン188が後退し、弁部160は回動可能な状態になる。流体192が連続的に供給されているものとすれば、受圧片176に流体192が作用して弁部160を起き上がらせ、図10(B)に示すように、弁座部162に接してポート168を閉じ、ポート170側を開く。この状態で、流体192の温度を所定温度未満例えば、80℃未満に移行させると、制弁部174の固定ピン188は、図9(A)に示すように、進出して固定ピン受け部180に係合し、弁部160がポート168を閉じ、ポート170側を開いた状態で維持される。流体192はポート170側に流れる。この場合、他の流路から流体192とは異なる流体194に切り替えれば、その流体194をポート166からポート170に流すことができる。即ち、給湯又は追焚きの通路が形成されることになる。
【0060】
そして、図10(B)に示す状態で、所定温度以上例えば、80℃以上の流体192を流し込むと、制弁部174の感温部186はその熱を感知し、固定ピン188を後退させることになる。この状態で流体圧が低下すると、弁部160は重力作用により、図10(C)に示すように、ポート170側に回動し、ポート170を閉じ、ポート168を開く。この場合、制弁部174は弁部160の片面側に取り付けられており、弁部160が重力を受けてポート170側に回動するような重心が設定されている。その後、自然放熱等により弁室158の温度が所定温度未満に移行すると、固定ピン188が進出し、固定ピン受け部178に係合して固定される。この結果、ポート168側が開くので、ポート166から流入した流体192又は流体194はポート168側に流れることになる。この場合、ドレンDの排出路が形成されることになる。
【0061】
このように、切替弁ユニット154では、流体圧と流体温度とを切替情報に用いて弁部160を操作し、流路を切り替えることができる。
【0062】
次に、ドレン排出方法について、図11を参照して説明する。図11は、切替弁ユニット154を用いた給湯・追焚装置2(図6)のドレン排出方法及びそのプログラムを示している。
【0063】
ドレン排出モードに移行する場合、ドレンDの排出が可能か否かをチェックする(ステップS21)。注湯動作や追焚動作を実行している場合には、原則としてドレン排出は行わないが、ドレン排出の緊急性があるか否かをチェックする。即ち、ドレンタンク100の水位が上限レベルHにあるか否かをチェックし(ステップS22)、上限レベルHにある場合には、ドレンタンク100がオーバーフローするおそれがあるので、ふろ回路動作を一時停止し(ステップS23)、ドレン排出動作に移行する。
【0064】
そして、ステップS21において、ドレンDが排出可能である場合には、ドレンDは排水レベルであるか否かを判定する(ステップS24)。この場合、ドレンタンク100の水位が排水レベル、即ち、下限レベルLから上限レベルH未満の場合には、ドレンDは排水レベルとなり、その排水を開始する。そこで、切替弁ユニット154を切り替え(ステップS25)、切替弁44をドレン回路92から循環ポンプ46の入側に連通するように切り替え(ステップS26)、循環ポンプ46を駆動し、ドレンDの排出を開始する(ステップS27)。そして、ドレンタンク100内のドレンDを往き管42に流し、往き管42の切替弁ユニット154を通して排水管108からドレンパン94に排出する。
【0065】
このようなドレン排出は、ドレンタンク100の水位が下限レベルL以下になるまで継続して行われ(ステップS28)、ドレンDの水位が下限レベルL未満になると、循環ポンプ46を停止させ(ステップS29)、ドレンDの排出が停止される。ドレンタンク100からのドレンDが循環路に流出しないように、切替弁44を戻り管40から循環ポンプ46に連通するように切り替え(ステップS30)、注湯回路30から所定量の注水を行い、ドレンDの排出に使用した管路の洗浄を行う(ステップS31)。この場合、循環路中の切替弁ユニット154を切り替え(ステップS32)、即ち、往き管42を通常の使用状態にする。
【0066】
そして、排水が可能でない状態であっても、ドレンタンク100内の水位が上限レベルHに達した場合には、強制的に排出を行うこととし、浴槽33への自動湯張りや追焚動作を一時中断し、排出処理を開始し、排出完了時は、再び中断した動作を再開するようにしてもよい。
【0067】
次に、切替弁ユニット154の切替えについて、図12を参照して説明する。図12は、メインルーチンのステップS25の切替弁ユニット154の切替処理を示すフローチャートである。
【0068】
ドレンDの排出モードでは、ドレン回路92をドレンタンク100からドレンパン94に開放させる必要がある。この処理では、往き管42と排水管108とを連通させている。
【0069】
ドレンDの排出モードに移行すると、例えば、注湯回路30から往き管42側に所定温度以上の温水例えば、80℃以上の高温水HWを流し(ステップS251)、切替弁ユニット154の固定ピン188を後退させる{ステップS252、図9(B)}。固定ピン188を後退させると、高温水HWの流体圧に応じて弁部160は図10(B)、図7(A)の状態となり、この状態で高温水HWの注湯が停止される(ステップS253)。切替弁ユニット154の感温部186の検出温度が低下すると、固定ピン188が進出し、弁部160は図10(B)、図7(A)の状態から図10(C)、図7(B)の状態に移行し(ステップS254)、ドレンDの通過が許可される。
【0070】
次に、切替弁ユニット154の切替えについて、図13を参照して説明する。図13は、メインルーチンのステップS32の切替弁ユニット154の切替処理を示すフローチャートである。
【0071】
ドレンDの排出モードを完了すると、ドレン回路92を遮断する必要がある。この処理では、往き管42と排水管108との連通を解除する。
【0072】
ドレンDの排出モードが完了すると、例えば、注湯回路30から往き管42側に所定温度以上の温水例えば、80℃以上の高温水HWを流し(ステップS321)、切替弁ユニット154の固定ピン188を後退させ{ステップS322、図9(B)}、弁部160を図10(B)、図7(A)の状態に移行させる。そして、固定ピン188を後退させた後、高温水HWの温度を下げて注湯を継続し(ステップS323)、切替弁ユニット154の感温部186の検出温度を低下させる(ステップS324)。固定ピン188が進出し、弁部160は図10(B)、図7(A)の状態が維持されることとなるので、この状態で往き管42への注湯を停止し(ステップS325)、この結果、給湯又は浴槽水BWの循環が許可される。
【0073】
以上述べたように、この実施形態では、コンデンシング(高効率)給湯・追焚装置において発生するドレンDの排水配管が不用となり、ドレンタンク100に溜まったドレンDは循環ポンプ46を駆動し、循環路の一部を経由して浴槽33付近まで搬送し、往き管42の循環アダプタ52付近に設置された切替弁ユニット154を以て給湯又は追焚時の循環とドレンDの排出を切替え可能な構成とし、給湯器から浴槽33に給湯や浴槽水循環を行うとともに、給湯器からドレンパン94にドレンDを流すようにしている。
【0074】
次に、上記実施形態の変形例について、図14、図15を参照して説明する。図14は、第1の実施形態の変形例を示す図、図15は、第2の実施形態の変形例を示す図である。
【0075】
第1の実施形態では、熱交換器48を介してドレンDを戻り管40に流したが、図14に示すように、切替弁196を設置し、熱交換器48を介することなく、ドレンDを循環ポンプ46を介して戻り管40に流し、排出するようにしてもよい。
【0076】
第2の実施形態では、熱交換器48を介してドレンDを往き管42に流したが、図15に示すように、切替弁198を設置し、熱交換器48を介することなく、ドレンDを循環ポンプ46を介して往き管42に流し、排出するようにしてもよい。
【0077】
第2の実施形態では、ドレンDを流すため、切替弁ユニット154を高温水HWによって弁部160の切替えを行っているが、ドレンDを高温加熱することにより、その排出と弁切替えの双方を同時に行うようにしてもよい。
【0078】
なお、切替弁ユニット102、154の用途として、上記実施形態では、熱交換器8の熱交換によって生じたドレンDの排出を切り替える場合を説明したが、本発明の切替弁ユニットは、このような給湯・追焚装置以外の流体の切替えに用いることができるものであり、実施形態に限定されるものではない。
【0079】
また、上記実施形態では、給湯・追焚装置2を例示して説明したが、本発明は、熱媒に温水を用いる暖房装置にも適用できるものであり、実施形態に限定されるものではない。
【0080】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、流体が持つ温度や圧力等の情報を用いて弁を切り替える切替弁ユニットを用いて熱交換により発生するドレンの排出制御を行っており、効率的な排出制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る給湯・追焚装置を示す図である。
【図2】中和器、ドレンタンク及び水位センサを示す図である。
【図3】第1の切替弁ユニットの構成及び動作を示す図である。
【図4】制御装置の概要を示す図である。
【図5】ドレンの排出方法及びプログラムを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る給湯・追焚装置を示す図である。
【図7】第2の切替弁ユニットの構成及び動作を示す図である。
【図8】第2の切替弁ユニットの動作原理の概要を示す断面図である。
【図9】第2の切替弁ユニットの動作原理の概要を示す断面図である。
【図10】第2の切替弁ユニットの動作の概要を示す断面図である。
【図11】ドレンの排出方法及びプログラムを示すフローチャートである。
【図12】切替弁ユニットの切替えを示すフローチャートである。
【図13】切替弁ユニットの切替えを示すフローチャートである。
【図14】給湯・追焚装置の変形例を示す図である。
【図15】給湯・追焚装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
100 ドレンタンク
102、154 切替弁ユニット
104、106、16 逆止弁
132 ユニット本体
158 弁室
160 弁部
174 制弁部
186 感温部
188 固定ピン
190 進退機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が持つ温度や圧力等の情報を用いて弁を切り替える切替弁ユニット、熱交換により発生するドレンを排出するドレン排出方法及びドレン排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料ガス等の燃焼熱を熱源とする熱交換器では熱交換によりドレンが発生するが、燃焼ガスの顕熱を回収する一次熱交換器と、燃焼ガスの潜熱を回収する二次熱交換器とを併設して効率的な熱交換を可能にしたコンデンシング(高効率)給湯器ではドレンの発生が顕著である。ドレンは、専用の排水配管を設けて外部に排水したり、浴槽に導いて浴槽水とともに排水したり、また、強酸性であることを活用する用途もある。
【0003】
ドレンの専用の排水配管を設けて排水する場合には、例えば、熱交換器から流れるドレンをドレン受けで集水し、これを中和器に導いて中和処理した後、排水配管に流される。また、熱源機の近傍に排水設備がない場合には、浴室内のドレンパンにドレンを排出する方法もある。
【0004】
このドレンの排水に関し、次のような先行特許文献が存在する。
【特許文献1】特開2003−156256号公報 この特許文献1には、ドレン排出用のドレン配管を風呂給湯配管に併設して浴室に導き、浴室内にドレンを排出させるものが開示されている。また、このドレン排出には、風呂給湯配管の往き配管が使用され、往き配管を浴槽手前で分岐してドレンを排出することも開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ドレン配管を風呂給湯配管に併設する場合には、これらを通すための配管工事が必要であり、また、風呂給湯配管の往き配管をドレン排出に使用する場合には、ドレン排出のための分岐部の設置や、ポンプも必要となる。分岐部は、その設置に制限を受ける。また、集合住宅等では、ドレンの専用の排水配管の設置が困難な場合があり、また、設置できても設置コストが問題になる。
【0006】
また、温水を循環させる循環路の一部をドレン排出に用いる場合には、両者の混合を避けるためにそれぞれを流すタイミングと管路の切替えが必要となり、通常、切替弁を設置して管路を切り替えることが行われる。切替弁に電磁弁を用いれば、電気的に弁を開閉し、流路を切り替えることが可能である。しかしながら、電気的に切り替える場合には配線が必要となる。
【0007】
そこで、本発明の第1の目的は、流路の切替えに関し、流体が持つ特性を切替情報に用いて弁切替えを実現した切替弁ユニットを提供することにある。
【0008】
また、本発明の第2の目的は、熱交換により加熱される温水の循環路をドレン回路の一部に用いることにより、ドレン排出を容易化したドレン排出方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の切替弁ユニットは、弁室に設置されて流体圧を受け、この流体圧が所定圧を越えると、第1の状態に移行し又は第1の状態を維持し、前記流体圧が所定圧未満又は解除されると、前記第1の状態とは異なる第2の状態に移行する弁部と、前記弁室に流れ込む流体の温度を感知する感温部と、この感温部が第1の温度を感知すると、前記弁部に前記第1の状態又は前記第2の状態を維持させ、前記感温部が前記第1の温度とは異なる第2の温度を感知すると、前記弁部の前記状態の維持を解除する制弁部とを備えた構成である。斯かる構成により、電気的な制御や機械的な操作を全く要することなく、流路を流れる流体の温度及び圧力を切替情報に用いて第1又は第2の状態の切替えを可能にしている。
【0010】
上記目的を達成するためには、前記弁部に重力又は重力以外の強制力を作用させて前記第1の状態から前記第2の状態に移行させる構成としてもよい。
【0011】
上記目的を達成するためには、前記弁室は、前記弁部の前記第1の状態で流路を開、前記第2の状態で流路を閉とする構成としてもよい。
【0012】
上記目的を達成するためには、前記制弁部は、前記感温部の温度感知に基づき、固定ピンを進退させる進退機構を備え、前記第1の温度で前記固定ピンを突出させて前記弁部の移動を制限し、前記第2の温度で前記固定ピンを後退させることにより前記弁部の移動制限を解除する構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の切替弁ユニットは、流体を流す第1の流路を備えるとともに、この第1の流路から分岐された第2の流路を備えるユニット本体と、このユニット本体の前記第1の流路側に設置され、前記第1の流路に流れる前記流体の流れ方向を規制する第1の逆止弁と、前記ユニット本体の前記第2の流路側に設置され、前記第1の逆止弁と異なる開弁圧を設定したことにより前記第1の逆止弁を通過させる流れ方向と逆方向の流れ方向からの流体を前記第1の流路から前記第2の流路に流す第2の逆止弁とを備える構成としてもよい。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のドレン排出方法は、熱交換により発生するドレンのドレン排出方法であって、前記熱交換により発生したドレンをドレンタンクに溜める処理と、熱交換部で加熱した温水を浴槽に循環させる際に用いる循環路の一部を含むドレン回路を通じて前記ドレンタンクから前記ドレンを流す処理と、前記ドレン以外の温水循環では前記循環路を開通させ、前記循環路をドレン排出に用いる際には前記浴槽側の前記循環路を閉じて排水側回路に開通させることにより、前記循環路を含む前記ドレン回路を通じて前記排水側回路側にドレンを排出させる処理とを含む構成である。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明のドレン排出装置は、熱交換部に発生するドレンのドレン排出装置であって、前記熱交換部により加熱した温水を浴槽に循環させる際に用いる循環路の一部を含んで前記ドレンを溜めるドレンタンクに接続されたドレン回路と、前記循環路の途上に設置されて温水循環では前記循環路を開通させ、前記循環路をドレン排出に用いる際には前記浴槽側の前記循環路を閉じるとともに排水側回路に開通させることにより、ドレンを排出させる切替弁ユニットとを備える構成である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の切替弁ユニットによれば、流体が持つ特性に応じて弁切替えができ、流体に応じた流路を選択することができ、弁切替えの電気配線が不要であり、弁切替えの切替えの容易化を図ることができる。
【0017】
本発明のドレン排出方法又はドレン排出装置によれば、既設の循環路の一部をドレン排出に兼用させるので、専用のドレン配管の設置やその工事が不要であり、ドレン排出の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、ドレン排出装置の実施形態として、ドレン回路に逆止弁を用いた給湯・追焚装置の概要を示す図である。
【0019】
この給湯・追焚装置2は、上水を加熱して給湯する給湯機能、浴槽水を再加熱するふろ追焚機能等を備えており、熱媒に温水を用いる温水暖房装置の熱源機に用いることができる。
【0020】
この給湯・追焚装置2において、給水口4に供給された水Wは、給水回路6を通って給湯側の二次熱交換器8を通過した後、一次熱交換器10を経て給湯回路12の給湯口14に至る。熱交換器10に跨がるバイパス回路16が形成されているとともに、バイパス制御弁18が設置されており、バイパス制御弁18の開閉に応じて熱交換器10で加熱されていない温水が加熱後の温水に混合されて給湯口14に至る。HWは給湯口14から出湯される温水である。また、給水回路6及び給湯回路12に流れる水量は、水制御弁20によって調整される。給水回路6の入水温は温度センサ22、給水量は流量センサ24、混合湯温は温度センサ26で検出される。28は過圧逃し弁である。熱交換器10に跨がってバイパス制御弁18が設置され、水制御弁20が設置されているのは、湯の設定温度に対する応答性を高めるためである。
【0021】
給湯回路12には注湯回路30を介して追焚回路32が連結され、注湯回路30は給湯回路12の給湯口14の内側で分岐されて温水HWを追焚回路32を介して浴槽33に供給する。注湯回路30には注湯電磁弁34、注湯量センサ36及び逆止弁38が設置されている。注湯量は注湯電磁弁34で制御されるとともに、注湯量センサ36で検出され、逆止弁38は追焚回路32側の浴槽水BWが給湯回路12側に逆流するのを防止するために設置され、浴槽水BWと上水とが逆止弁38で分離される。
【0022】
追焚回路32には戻り管40と往き管42とが備えられ、浴槽水BWは戻り管40、切替弁44、循環ポンプ46を通して追焚用熱交換器48に導かれて加熱された後、切替弁50を経て往き管42から浴槽33に至る。浴槽33には戻り管40及び往き管42が循環アダプタ52を介して接続されている。また、追焚回路32は温水としての浴槽水BWを循環させる循環路を構成している。そして、追焚回路32には温度センサ54、56、水位センサ58、流水スイッチ60等が設置され、浴槽水BWの温度が温度センサ54、56で検出され、浴槽水BWの水位が圧力によって水位センサ58に検出され、循環ポンプ46を駆動した際に流水の有無が流水スイッチ60により検出される。浴槽33に循環可能な浴槽水BWが存在しているとき、流水スイッチ60が導通する。矢印A、Bは浴槽水BWの循環方向を示している。
【0023】
燃焼室62には熱交換器8、10が設置されているとともに、バーナ64及び給気ファン66が設置され、燃焼室68には熱交換器48が設置されているとともに、バーナ70及び給気ファン72が設置されている。バーナ64、70には燃料ガスGが燃料ガス管74を通して供給され、この燃料ガス管74には元ガス電磁弁76、ガス比例弁78が設置されているとともに、バーナ64側には切替電磁弁80、ガス電磁弁82、切替電磁弁84、バーナ70側にはガス電磁弁86が設置されている。そして、バーナ64、70に対し、燃焼に必要な空気はそれぞれ給気ファン66、72で供給される。
【0024】
そして、熱交換器8の熱交換により発生したドレンDはドレン受け90で集水され、ドレン受け90からドレン回路92に流れる。このドレン回路92は、ドレン受け90からドレンパン94に至る管路で構成され、温水を循環する循環路である追焚回路32の戻り管40の一部を含んで構成されている。即ち、ドレン回路92は、この実施形態の場合、切替弁44、循環ポンプ46、熱交換器48、切替弁50及び戻り管40に至る管路である。ドレンパン94に流されたドレンDは排水部95を通じて外部の排水設備に排出される。そして、このドレン回路92において、ドレン受け90と切替弁44との間に設置された管路96には中和器98及びドレンタンク100が設置されており、中和器98で中和されたドレンDがドレンタンク100に溜められる。
【0025】
また、ドレン回路92の一部を構成する戻り管40には切替弁ユニット102が設置されており、この切替弁ユニット102は、開弁圧の異なる逆止弁104、106を備えており、逆止弁104は矢印Aで示すように、循環ポンプ46の動作で浴槽33から浴槽水BWを通過させ、矢印Aと逆方向に流れるドレンDが浴槽33側に流れるのを阻止する。逆止弁106は矢印Aと逆方向に流れるドレンDがドレンパン94に流出するのを許可し、矢印Aで示すように、循環ポンプ46の動作で浴槽33から高圧の浴槽水BWが流れる場合には、閉弁してドレンパン94のドレンDが排水管108を通じて戻り管40側に流れ込むのを阻止する。
【0026】
また、給湯・追焚装置2には循環ポンプ46等の各種機能部を制御するための制御装置110が設置され、センサ出力やリモコン装置112からの制御情報を受け、給湯制御、追焚制御、ドレン排出制御等の各種の制御が行われる。
【0027】
次に、中和器98及びドレンタンク100について、図2を参照して説明する。
【0028】
中和器98には酸性のドレンDを中和する中和剤114が装填されているとともに、未中和のドレンDの排出を防止するため、ドレン導入側とドレン排出側を分離する分離壁116が設置されている。中和されたドレンDの上澄み液が中和器98からドレン回路92の管路118を介してドレンタンク100に導かれる。
【0029】
ドレンタンク100にはドレンDの水位を検出する水位センサ120が設置されており、この実施形態では、長大な共通電極122に対し、下限レベルLの水位を検出する水位電極124、上限レベルHの水位を検出する水位電極126が設置されている。即ち、共通電極122のみがドレンDに没していれば、下限レベル以下の空レベル、共通電極122と水位電極124とが没していれば、下限レベルLから上限レベル未満の排水可能レベル範囲、共通電極122、水位電極124及び水位電極126が没していれば、上限レベルHが検出されることになる。そして、ドレンタンク100の底側にはドレン回路92の管路128が形成され、この管路128は切替弁44に連結されている。また、ドレンタンク100には、溜められたドレンDが許容量を越える水位としてオーバーフローレベルを越えたとき、ドレンDを排出するためのオーバーフロー排出口130が設けられている。
【0030】
次に、切替弁ユニット102について、図3を参照して説明する。
【0031】
この切替弁ユニット102は、図3(A)に示すように、T字形のユニット本体132にポート134、136、138を備えるとともに、ポート136側に逆止弁104、ポート138側に逆止弁106を備えている。ポート134、136側を第1の流路とすれば、ポート138は第1の流路を分岐して形成された第2の流路を構成している。逆止弁106には、開弁圧の高いものが使用される。そして、ポート134には戻り管40が連結され、ポート136には浴槽33の循環アダプタ52が接続され、また、ポート138には排水管108が接続される。
【0032】
斯かる構成とすれば、追焚時、循環ポンプ46の駆動により、流体である浴槽水BWが矢印Aで示す方向に流れる場合には、逆止弁104がその通流を許可し、ポート136からポート134側に浴槽水BWが流れる。このとき、逆止弁106は、その開弁圧が高いため、閉止状態を維持し、排水管108側からドレンDを引き込むことはない。
【0033】
また、ドレン排出時、ドレンDはポート134からユニット本体132に流れ込むが、逆止弁104はその通流を阻止する閉止状態となり、逆止弁106がその通流を許可するため、図3(B)の矢印Cで示すように、ポート138側にドレンDが流れる。
【0034】
次に、制御装置110について、図4を参照して説明する。
【0035】
この制御装置110において、制御部140は例えば、マイクロコンピュータ等で構成され、この制御部140には、ドレンタンク100の水位センサ120、その他のセンサ142等から検出信号が制御入力として加えられ、制御部140の制御出力が切替弁44、50、循環ポンプ46、その他の機能部144等に加えられる。制御部140に接続されたリモコン装置112には、制御部146、キースイッチ等の操作部148、表示部150、音報知部152等が備えられ、制御部140、146の相互の通信等が可能であるとともに、操作部148から操作入力が加えられ、制御出力が表示部150、音報知部152等に加えられる。
【0036】
次に、給湯動作、追焚動作及びドレン排出動作を説明する。
【0037】
給湯モードでは、給水回路6に供給された水Wが熱交換器8、10で加熱された後、給湯口14から温水HWとして出湯される。また、この給湯動作において、注湯電磁弁34を開き、切替弁50を往き管42側に切り替えることにより、注湯回路30を通して追焚回路32に温水HWが流れ、浴槽33に供給される。
【0038】
また、追焚モードでは、循環ポンプ46を動作させることにより、浴槽水BWを切替弁44を通して循環ポンプ46に流し、熱交換器48で加熱した後、切替弁50から往き管42を通して浴槽33に循環させる。
【0039】
バーナ64の燃焼熱による熱交換器8の熱交換で発生したドレンDはドレン受け90に溜められ、中和器98で中和された後、ドレンタンク100に蓄積される。
【0040】
そして、ドレンタンク100の水位センサ120が下限レベルLから上限レベルH未満の排水レベルを検出しているとき、ドレン排出モードに移行する。循環ポンプ46を駆動し、切替弁44、50を切り替えることにより、ドレンタンク100のドレンDは切替弁44、循環ポンプ46、切替弁50を介して戻り管40側に流れ、切替弁ユニット102により排水管108に流れ、ドレンパン94に排出される。ドレンタンク100の水位センサ120が下限レベルL以下を検出したとき、この排水動作が停止され、循環ポンプ46の駆動を停止する。そして、切替弁44を追焚回路32の浴槽水BWの循環側に切り替え、これに伴って注湯回路30から注水を行う。この注水作業が管路内洗浄である。そして、この注水洗浄を完了した後、切替弁50を通常の往き管42側に切り替え、ドレン排出及び管路洗浄を完了し、通常の追焚動作が可能な状態に移行する。
【0041】
このドレン排出方法について、図5を参照して説明する。図5は、逆止弁104、106を備える切替弁ユニット102を用いた場合のドレン排水方法及びそのプログラム動作を示している。
【0042】
ドレン排出モードに移行する場合、ドレンDの排出が可能か否かをチェックする(ステップS1)。注湯動作や追焚動作を実行している場合には、原則としてドレン排出は行わないが、ドレン排出の緊急性があるか否かをチェックする。即ち、ドレンタンク100の水位が上限レベルHにあるか否かをチェックし(ステップS2)、上限レベルHにある場合には、ドレンタンク100がオーバーフローするおそれがあるので、ふろ回路動作を一時停止し(ステップS3)、ドレン排出動作に移行する。ここで、ふろ回路動作とは、注湯動作や追焚動作である。
【0043】
そして、ステップS1において、ドレンDが排出可能である場合には、ドレンDは排水レベルであるか否かを判定する(ステップS4)。この場合、ドレンタンク100の水位が排水レベル、即ち、下限レベルLから上限レベルH未満の場合には、ドレンDは排水レベルとなり、その排水を開始する。そこで、循環路中の切替弁50を切り替え、循環ポンプ46より送り出されたドレンDが戻り管40へ流れるようにし(ステップS5)、ドレンタンク100からドレンDが循環ポンプ46に流れるように切替弁44を切り替える(ステップS6)。そして、循環ポンプ46を駆動し、ドレンタンク100内のドレンDを戻り管40に流し、戻り管40の切替弁ユニット102を通して排水管108からドレンパン94に排出する(ステップS7)。この排出の際、逆止弁104があるため、ドレンDは浴槽33に流れ込むことはなく、排水設備側のみに流れる。
【0044】
このようなドレン排出は、ドレンタンク100の水位が下限レベルL以下になるまで継続して行われ(ステップS8)、ドレンDの水位が下限レベルL未満になると、循環ポンプ46を停止させ(ステップS9)、ドレンDの排出が停止する。ドレンタンク100からのドレンDが循環路に流出しないように、戻り管40から循環ポンプ46が連通するように切替弁44を切り替え(ステップS10)、注湯回路30から所定量の注水を行い、ドレンDの排出に使用した管路の洗浄を行う(ステップS11)。この場合、循環路中の切替弁50を戻し、通常状態、即ち、往き管42の使用状態にする。
【0045】
そして、既述したように、排水が可能でない状態であっても、ドレンタンク100の水位が上限レベルHに到達した場合には、強制的に排出を行い、浴槽33への自動湯張りや追焚動作を一時中断し、排出処理を開始し、ドレン排出完了時には再び中断した動作を再開するようにしてもよい。
【0046】
このように、コンデンシング(高効率)給湯・追焚装置において発生するドレンDの排水配管が不用になるとともに、ドレンタンク100に溜まったドレンDは循環ポンプ46を駆動し、循環路を経由して浴槽33付近まで搬送され、切替弁ユニット102を通してドレンパン94に排出させている。
【0047】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について、図6を参照して説明する。図6は、ドレン排出装置の実施形態として、ドレン回路に切替弁ユニットを用いた給湯・追焚装置の概要を示す図である。
【0048】
この実施形態の給湯・追焚装置2では、往き管42側に切替弁ユニット154を備えたものであり、この切替弁ユニット154に接続された排水管108には逆止弁156が設置されている。この場合、切替弁ユニット154は、往き管42側に設置されているので、流体である温水HW、浴槽水BWとドレンDとの温度差を切替情報に用いることにより、ドレンDをドレンパン94に排出し、温水HWは浴槽33に流し込む構成である。このように、往き管42に切替弁ユニット154を設置した場合、第1の実施形態で設置されていた切替弁50(図1)は不要であり、切替弁50を介して戻り管40と往き管42との結合路は不要となる。その他の構成は、第1の実施形態と同一であり、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
次に、切替弁ユニット154について、図7を参照して説明する。
【0050】
この切替弁ユニット154は例えば、図7(A)に示すように、弁室158に流路を変更する弁部160を備えるとともに、弁部160によって選択的に開閉される弁座部162、164を備えている。弁室158に流体を流入させ又は流出させるための開口部としてポート166、168、170を備え、ポート168側には弁座部162、ポート170側には弁座部164が設けられている。ポート166、168側を第1の流路とすれば、ポート170は第1の流路を分岐した第2の流路を構成する。弁部160は、その支持端側を支持軸172で回動可能に支持され、その自由端側には制弁部174が設けられている。この制弁部174は、弁室158に流れ込む流体の温度が第2の温度として所定温度以上例えば、80℃を越えるとき、その温度情報により弁部160を回動可能にするとともに、流体の圧力を受けて弁部160を第1の状態として例えば、弁座部162側に移動させ、その圧力解除により第2の状態として例えば、弁座部164側に移動させる圧力及び温度を制御情報に用いる弁制御部である。この実施形態では、ポート166からの流体圧を受ける受圧片176が弁部160の自由端側に設けられており、この受圧片176に流体圧を受けることにより、弁部160が弁座部162側に移行する。また、第1の温度として所定温度未満に温度が低下したとき、弁部160を固定する手段として弁室158の壁部にはポート168側に固定ピン受け部180、ポート170側に固定ピン受け部178が形成されている。
【0051】
そして、この流体圧を持つ流体温度が既述の通り所定温度以上である場合には、その流体圧を保持し、流体温度を所定温度未満にすることにより、固定ピン受け部180に固定ピン188(図9)が突出し、弁部160が弁座部162側に保持される。また、流体温度が所定温度以上で流体圧が解除されると、弁部160は弁座部162から重力により回動し、図7(B)に示すように、第2の状態である弁座部164側に移動し、流体温度が所定温度未満に低下すると、その位置で保持されることになる。即ち、弁座部162が閉状態から開状態に移行し、弁座部164が開状態から閉状態に移行するので、ポート166から弁室158に流入した流体の流路はポート170側からポート168側に切り替えられ、その状態が固定ピン受け部178で保持される。
【0052】
斯かる構成とすれば、追焚時、図7(A)に示すように、循環ポンプ46の駆動により、高温流体として例えば、80℃に一時的に加熱した浴槽水BWを弁室158内に流し込むと、その熱によって弁部160の固定状態が解除され、その流体圧により弁部160は立ち上がり、弁座部162側に密着し、ポート168側の流路を閉じる。この結果、弁座部164側が開かれ、ポート170側の流路が開かれる。この状態で浴槽水BWの温度を80℃未満に低下させると、弁部160は弁座部162側に固定され、ポート170側の流路を開いた状態が維持される。この状態で追焚きが行われると、浴槽33の循環アダプタ52(図6)の浴槽水BWは、循環ポンプ46を通り、熱交換器48で加熱された後、往き管42を通してポート166から弁室158に入り、ポート170から循環アダプタ52を通して浴槽33に循環する。
【0053】
また、同様に、給湯時にも図7(A)に示すように、高温流体として例えば、80℃の一時的な温水により弁部160を立ち上げ、浴槽33に給湯することができる。
【0054】
そして、給湯によって生じたドレンDの排出には、追焚きや給湯が終了すると、弁室158内の温度が低下し、弁部160が弁座部162側に閉じているので、この状態で高温流体として例えば、80℃の温水HWを流し、それを停止すると、制弁部174の機能によって弁部160の固定が解除された状態となる。このとき、弁部160は、重力により弁座部164側に切り替わるとともに、固定ピン受け部178に固定される。この結果、ポート166、168側が開通する。この場合、ドレンDの通流が許可される。なお、このポート切替えについて、検出手段として例えば、受圧片176に磁石を設置し、この磁石の磁力を受けて開閉するリードスイッチを切替弁ユニット154の外壁部に取り付ければ、このリードスイッチのON、OFFにより、ポート切替えを電気的に検出することができる。
【0055】
次に、この切替弁ユニット154の概要及びその動作原理を図8、図9及び図10を参照して説明する。図8は、切替弁ユニット154の概要を示す断面図、図9は、制弁部174の動作を示す図、図10は、弁部の動作を示す図である。
【0056】
この切替弁ユニット154には、ユニット本体182に弁室158が形成されており、この弁室158には、弁部160の一端部が支持軸172によって回動可能に支持されているとともに、ポート166、168、170が形成されている。弁部160の自由端側には受圧片176が形成されているとともに制弁部174が取り付けられ、この制弁部174を収納可能な凹部184が弁室158の弁座部164の近傍に形成されている。また、弁室158の壁部には、弁座部162、164のそれぞれの近傍に固定ピン受け部178、180が形成されている。各固定ピン受け部178、180は凹部で形成されている。
【0057】
そして、弁部160に取り付けられている制弁部174は、図9(A)に示すように、流体温度を検出する感温部186と、固定ピン188を進退させる進退機構190とを備えている。進退機構190は、感温部186が第1の温度である所定温度未満例えば、80℃未満を検出した場合(低温状態)には、固定ピン188を進出させ、その先端部を固定ピン受け部178、180のいずれかに挿入させ、弁部160の移動を阻止し、その状態を維持させる。また、第2の温度である所定温度以上例えば、80℃以上の場合(高温状態)には、図9(B)に示すように、固定ピン188を後退させ、弁部160の回動可能な状態に移行させる。この場合、弁部160は弁室158に支持された支持軸172を中心に回動するが、弁部160が流体圧を受けている場合には、その流体圧にその移動が委ねられる。
【0058】
そこで、このような切替弁ユニット154を用いてポート168、170の切替動作について説明する。この切替動作には、流体圧と温度が制御情報として用いられ、ポート168側を閉じる状態を第1の状態、ポート170側を閉じる状態を第2の状態とする。
【0059】
弁部160が例えば、図10(A)の状態(第2の状態)にあるものとすると、この状態で所定圧Pの流体192が流れ込み、この流体192の温度が所定温度以上例えば、80℃以上であるとすると、既述した図9(B)に示すように、制弁部174の固定ピン188が後退し、弁部160は回動可能な状態になる。流体192が連続的に供給されているものとすれば、受圧片176に流体192が作用して弁部160を起き上がらせ、図10(B)に示すように、弁座部162に接してポート168を閉じ、ポート170側を開く。この状態で、流体192の温度を所定温度未満例えば、80℃未満に移行させると、制弁部174の固定ピン188は、図9(A)に示すように、進出して固定ピン受け部180に係合し、弁部160がポート168を閉じ、ポート170側を開いた状態で維持される。流体192はポート170側に流れる。この場合、他の流路から流体192とは異なる流体194に切り替えれば、その流体194をポート166からポート170に流すことができる。即ち、給湯又は追焚きの通路が形成されることになる。
【0060】
そして、図10(B)に示す状態で、所定温度以上例えば、80℃以上の流体192を流し込むと、制弁部174の感温部186はその熱を感知し、固定ピン188を後退させることになる。この状態で流体圧が低下すると、弁部160は重力作用により、図10(C)に示すように、ポート170側に回動し、ポート170を閉じ、ポート168を開く。この場合、制弁部174は弁部160の片面側に取り付けられており、弁部160が重力を受けてポート170側に回動するような重心が設定されている。その後、自然放熱等により弁室158の温度が所定温度未満に移行すると、固定ピン188が進出し、固定ピン受け部178に係合して固定される。この結果、ポート168側が開くので、ポート166から流入した流体192又は流体194はポート168側に流れることになる。この場合、ドレンDの排出路が形成されることになる。
【0061】
このように、切替弁ユニット154では、流体圧と流体温度とを切替情報に用いて弁部160を操作し、流路を切り替えることができる。
【0062】
次に、ドレン排出方法について、図11を参照して説明する。図11は、切替弁ユニット154を用いた給湯・追焚装置2(図6)のドレン排出方法及びそのプログラムを示している。
【0063】
ドレン排出モードに移行する場合、ドレンDの排出が可能か否かをチェックする(ステップS21)。注湯動作や追焚動作を実行している場合には、原則としてドレン排出は行わないが、ドレン排出の緊急性があるか否かをチェックする。即ち、ドレンタンク100の水位が上限レベルHにあるか否かをチェックし(ステップS22)、上限レベルHにある場合には、ドレンタンク100がオーバーフローするおそれがあるので、ふろ回路動作を一時停止し(ステップS23)、ドレン排出動作に移行する。
【0064】
そして、ステップS21において、ドレンDが排出可能である場合には、ドレンDは排水レベルであるか否かを判定する(ステップS24)。この場合、ドレンタンク100の水位が排水レベル、即ち、下限レベルLから上限レベルH未満の場合には、ドレンDは排水レベルとなり、その排水を開始する。そこで、切替弁ユニット154を切り替え(ステップS25)、切替弁44をドレン回路92から循環ポンプ46の入側に連通するように切り替え(ステップS26)、循環ポンプ46を駆動し、ドレンDの排出を開始する(ステップS27)。そして、ドレンタンク100内のドレンDを往き管42に流し、往き管42の切替弁ユニット154を通して排水管108からドレンパン94に排出する。
【0065】
このようなドレン排出は、ドレンタンク100の水位が下限レベルL以下になるまで継続して行われ(ステップS28)、ドレンDの水位が下限レベルL未満になると、循環ポンプ46を停止させ(ステップS29)、ドレンDの排出が停止される。ドレンタンク100からのドレンDが循環路に流出しないように、切替弁44を戻り管40から循環ポンプ46に連通するように切り替え(ステップS30)、注湯回路30から所定量の注水を行い、ドレンDの排出に使用した管路の洗浄を行う(ステップS31)。この場合、循環路中の切替弁ユニット154を切り替え(ステップS32)、即ち、往き管42を通常の使用状態にする。
【0066】
そして、排水が可能でない状態であっても、ドレンタンク100内の水位が上限レベルHに達した場合には、強制的に排出を行うこととし、浴槽33への自動湯張りや追焚動作を一時中断し、排出処理を開始し、排出完了時は、再び中断した動作を再開するようにしてもよい。
【0067】
次に、切替弁ユニット154の切替えについて、図12を参照して説明する。図12は、メインルーチンのステップS25の切替弁ユニット154の切替処理を示すフローチャートである。
【0068】
ドレンDの排出モードでは、ドレン回路92をドレンタンク100からドレンパン94に開放させる必要がある。この処理では、往き管42と排水管108とを連通させている。
【0069】
ドレンDの排出モードに移行すると、例えば、注湯回路30から往き管42側に所定温度以上の温水例えば、80℃以上の高温水HWを流し(ステップS251)、切替弁ユニット154の固定ピン188を後退させる{ステップS252、図9(B)}。固定ピン188を後退させると、高温水HWの流体圧に応じて弁部160は図10(B)、図7(A)の状態となり、この状態で高温水HWの注湯が停止される(ステップS253)。切替弁ユニット154の感温部186の検出温度が低下すると、固定ピン188が進出し、弁部160は図10(B)、図7(A)の状態から図10(C)、図7(B)の状態に移行し(ステップS254)、ドレンDの通過が許可される。
【0070】
次に、切替弁ユニット154の切替えについて、図13を参照して説明する。図13は、メインルーチンのステップS32の切替弁ユニット154の切替処理を示すフローチャートである。
【0071】
ドレンDの排出モードを完了すると、ドレン回路92を遮断する必要がある。この処理では、往き管42と排水管108との連通を解除する。
【0072】
ドレンDの排出モードが完了すると、例えば、注湯回路30から往き管42側に所定温度以上の温水例えば、80℃以上の高温水HWを流し(ステップS321)、切替弁ユニット154の固定ピン188を後退させ{ステップS322、図9(B)}、弁部160を図10(B)、図7(A)の状態に移行させる。そして、固定ピン188を後退させた後、高温水HWの温度を下げて注湯を継続し(ステップS323)、切替弁ユニット154の感温部186の検出温度を低下させる(ステップS324)。固定ピン188が進出し、弁部160は図10(B)、図7(A)の状態が維持されることとなるので、この状態で往き管42への注湯を停止し(ステップS325)、この結果、給湯又は浴槽水BWの循環が許可される。
【0073】
以上述べたように、この実施形態では、コンデンシング(高効率)給湯・追焚装置において発生するドレンDの排水配管が不用となり、ドレンタンク100に溜まったドレンDは循環ポンプ46を駆動し、循環路の一部を経由して浴槽33付近まで搬送し、往き管42の循環アダプタ52付近に設置された切替弁ユニット154を以て給湯又は追焚時の循環とドレンDの排出を切替え可能な構成とし、給湯器から浴槽33に給湯や浴槽水循環を行うとともに、給湯器からドレンパン94にドレンDを流すようにしている。
【0074】
次に、上記実施形態の変形例について、図14、図15を参照して説明する。図14は、第1の実施形態の変形例を示す図、図15は、第2の実施形態の変形例を示す図である。
【0075】
第1の実施形態では、熱交換器48を介してドレンDを戻り管40に流したが、図14に示すように、切替弁196を設置し、熱交換器48を介することなく、ドレンDを循環ポンプ46を介して戻り管40に流し、排出するようにしてもよい。
【0076】
第2の実施形態では、熱交換器48を介してドレンDを往き管42に流したが、図15に示すように、切替弁198を設置し、熱交換器48を介することなく、ドレンDを循環ポンプ46を介して往き管42に流し、排出するようにしてもよい。
【0077】
第2の実施形態では、ドレンDを流すため、切替弁ユニット154を高温水HWによって弁部160の切替えを行っているが、ドレンDを高温加熱することにより、その排出と弁切替えの双方を同時に行うようにしてもよい。
【0078】
なお、切替弁ユニット102、154の用途として、上記実施形態では、熱交換器8の熱交換によって生じたドレンDの排出を切り替える場合を説明したが、本発明の切替弁ユニットは、このような給湯・追焚装置以外の流体の切替えに用いることができるものであり、実施形態に限定されるものではない。
【0079】
また、上記実施形態では、給湯・追焚装置2を例示して説明したが、本発明は、熱媒に温水を用いる暖房装置にも適用できるものであり、実施形態に限定されるものではない。
【0080】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、流体が持つ温度や圧力等の情報を用いて弁を切り替える切替弁ユニットを用いて熱交換により発生するドレンの排出制御を行っており、効率的な排出制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る給湯・追焚装置を示す図である。
【図2】中和器、ドレンタンク及び水位センサを示す図である。
【図3】第1の切替弁ユニットの構成及び動作を示す図である。
【図4】制御装置の概要を示す図である。
【図5】ドレンの排出方法及びプログラムを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る給湯・追焚装置を示す図である。
【図7】第2の切替弁ユニットの構成及び動作を示す図である。
【図8】第2の切替弁ユニットの動作原理の概要を示す断面図である。
【図9】第2の切替弁ユニットの動作原理の概要を示す断面図である。
【図10】第2の切替弁ユニットの動作の概要を示す断面図である。
【図11】ドレンの排出方法及びプログラムを示すフローチャートである。
【図12】切替弁ユニットの切替えを示すフローチャートである。
【図13】切替弁ユニットの切替えを示すフローチャートである。
【図14】給湯・追焚装置の変形例を示す図である。
【図15】給湯・追焚装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
100 ドレンタンク
102、154 切替弁ユニット
104、106、16 逆止弁
132 ユニット本体
158 弁室
160 弁部
174 制弁部
186 感温部
188 固定ピン
190 進退機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室に設置されて流体圧を受け、この流体圧が所定圧を越えると、第1の状態に移行し又は第1の状態を維持し、前記流体圧が所定圧未満又は解除されると、前記第1の状態とは異なる第2の状態に移行する弁部と、
前記弁室に流れ込む流体の温度を感知する感温部と、
この感温部が第1の温度を感知すると、前記弁部に前記第1の状態又は前記第2の状態を維持させ、前記感温部が前記第1の温度とは異なる第2の温度を感知すると、前記弁部の前記状態の維持を解除する制弁部と、
を備えたことを特徴とする切替弁ユニット。
【請求項2】
前記弁部に重力又は重力以外の強制力を作用させて前記第1の状態から前記第2の状態に移行させることを特徴とする請求項1記載の切替弁ユニット。
【請求項3】
前記弁室は、前記弁部の前記第1の状態で流路を開、前記第2の状態で流路を閉とする構成を備えることを特徴とする請求項1記載の切替弁ユニット。
【請求項4】
前記制弁部は、前記感温部の温度感知に基づき、固定ピンを進退させる進退機構を備え、前記第1の温度で前記固定ピンを突出させて前記弁部の移動を制限し、前記第2の温度で前記固定ピンを後退させることにより前記弁部の移動制限を解除する構成としたことを特徴とする請求項1記載の切替弁ユニット。
【請求項5】
流体を流す第1の流路を備えるとともに、この第1の流路から分岐された第2の流路を備えるユニット本体と、
このユニット本体の前記第1の流路側に設置され、前記第1の流路に流れる前記流体の流れ方向を規制する第1の逆止弁と、
前記ユニット本体の前記第2の流路側に設置され、前記第1の逆止弁と異なる開弁圧を設定したことにより前記第1の逆止弁を通過させる流れ方向と逆方向の流れ方向からの流体を前記第1の流路から前記第2の流路に流す第2の逆止弁と、
を備えたことを特徴とする切替弁ユニット。
【請求項6】
熱交換により発生するドレンのドレン排出方法であって、
前記熱交換により発生したドレンをドレンタンクに溜める処理と、
熱交換部で加熱した温水を浴槽に循環させる際に用いる循環路の一部を含むドレン回路を通じて前記ドレンタンクから前記ドレンを流す処理と、
前記ドレン以外の温水循環では前記循環路を開通させ、前記循環路をドレン排出に用いる際には前記浴槽側の前記循環路を閉じて排水側回路に開通させることにより、前記循環路を含む前記ドレン回路を通じて前記排水側回路側にドレンを排出させる処理と、
を含むことを特徴とするドレン排出方法。
【請求項7】
熱交換部に発生するドレンのドレン排出装置であって、
前記熱交換部により加熱した温水を浴槽に循環させる際に用いる循環路の一部を含んで前記ドレンを溜めるドレンタンクに接続されたドレン回路と、
前記循環路の途上に設置されて温水循環では前記循環路を開通させ、前記循環路をドレン排出に用いる際には前記浴槽側の前記循環路を閉じるとともに排水側回路に開通させることにより、ドレンを排出させる切替弁ユニットと、
を備えることを特徴とするドレン排出装置。
【請求項1】
弁室に設置されて流体圧を受け、この流体圧が所定圧を越えると、第1の状態に移行し又は第1の状態を維持し、前記流体圧が所定圧未満又は解除されると、前記第1の状態とは異なる第2の状態に移行する弁部と、
前記弁室に流れ込む流体の温度を感知する感温部と、
この感温部が第1の温度を感知すると、前記弁部に前記第1の状態又は前記第2の状態を維持させ、前記感温部が前記第1の温度とは異なる第2の温度を感知すると、前記弁部の前記状態の維持を解除する制弁部と、
を備えたことを特徴とする切替弁ユニット。
【請求項2】
前記弁部に重力又は重力以外の強制力を作用させて前記第1の状態から前記第2の状態に移行させることを特徴とする請求項1記載の切替弁ユニット。
【請求項3】
前記弁室は、前記弁部の前記第1の状態で流路を開、前記第2の状態で流路を閉とする構成を備えることを特徴とする請求項1記載の切替弁ユニット。
【請求項4】
前記制弁部は、前記感温部の温度感知に基づき、固定ピンを進退させる進退機構を備え、前記第1の温度で前記固定ピンを突出させて前記弁部の移動を制限し、前記第2の温度で前記固定ピンを後退させることにより前記弁部の移動制限を解除する構成としたことを特徴とする請求項1記載の切替弁ユニット。
【請求項5】
流体を流す第1の流路を備えるとともに、この第1の流路から分岐された第2の流路を備えるユニット本体と、
このユニット本体の前記第1の流路側に設置され、前記第1の流路に流れる前記流体の流れ方向を規制する第1の逆止弁と、
前記ユニット本体の前記第2の流路側に設置され、前記第1の逆止弁と異なる開弁圧を設定したことにより前記第1の逆止弁を通過させる流れ方向と逆方向の流れ方向からの流体を前記第1の流路から前記第2の流路に流す第2の逆止弁と、
を備えたことを特徴とする切替弁ユニット。
【請求項6】
熱交換により発生するドレンのドレン排出方法であって、
前記熱交換により発生したドレンをドレンタンクに溜める処理と、
熱交換部で加熱した温水を浴槽に循環させる際に用いる循環路の一部を含むドレン回路を通じて前記ドレンタンクから前記ドレンを流す処理と、
前記ドレン以外の温水循環では前記循環路を開通させ、前記循環路をドレン排出に用いる際には前記浴槽側の前記循環路を閉じて排水側回路に開通させることにより、前記循環路を含む前記ドレン回路を通じて前記排水側回路側にドレンを排出させる処理と、
を含むことを特徴とするドレン排出方法。
【請求項7】
熱交換部に発生するドレンのドレン排出装置であって、
前記熱交換部により加熱した温水を浴槽に循環させる際に用いる循環路の一部を含んで前記ドレンを溜めるドレンタンクに接続されたドレン回路と、
前記循環路の途上に設置されて温水循環では前記循環路を開通させ、前記循環路をドレン排出に用いる際には前記浴槽側の前記循環路を閉じるとともに排水側回路に開通させることにより、ドレンを排出させる切替弁ユニットと、
を備えることを特徴とするドレン排出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−3039(P2006−3039A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181796(P2004−181796)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000170130)高木産業株式会社 (87)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000170130)高木産業株式会社 (87)
【Fターム(参考)】
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