説明

切骨具

外科処置中に、骨および骨腫瘍の摘出、さらには靭帯および繊維軟骨組織の摘出を行うための切骨具が、骨片(O)摘出のためにブレード(3,4)の各先端部を閉じることができるように滑動可能に結合された一対のブレード(3,4)と、ブレード(3,4)の推進装置(6)と、使用者(図5B)が推進装置(6)を操作するための引き金(11)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外科用器具、特に、外科処置時の骨および骨腫瘍摘出用、並びに靭帯および軟骨性組織の摘出用の切骨具(オステオトーム:osteotom)に係わり、特に、一対のブレードを含み、該ブレードが滑動可能に結合されていることで、ブレードの各先端部を互いに閉じることができるようになっている種類の切骨具に関するものである。
骨組織を摘出するための切骨具は公知であり、該切骨具は、一対の平行のブレードを含み、一方のブレードが他方のブレード上を滑動可能なことで、骨片をブレードの各先端部間にクランプして、摘出することができる。その場合、外科医は、それぞれブレードと一体の回転可能に結合された2個のレバーで形成されたハンドルを用いて、直接操作で一方のブレードを他方のブレード上で滑動させる。ブレードを閉じるには、外科医が直接に前記レバーを互いに押し合わせる。
【0002】
この公知の形式の切骨具では、また前記レバーの間に弾性抵抗部材を間挿することも考えられる。該部材により、外科医がレバーを放すと、レバーが(したがって、レバーと一体のブレードも)初めの休止位置に戻りやすくなる。
この五十年余、前記公知形式の切骨具は、骨組織の摘出、例えば脊髄、神経、成形の各外科、耳鼻咽喉外科、上顎顔面および胸郭外科等での骨組織の摘出を要する外科処置の場合に、広く使用されてきた。
【0003】
しかし、それらの公知形式の切骨具には、幾つかの重大な欠点がある。特に、本発明は、基本的に、それらの切骨具では、骨片の摘出操作時に外科医がかなりの力を要求され、しかも、それが前記弾性抵抗部材の抵抗を克復しなければならないことによるものと認識する。外科では、概して切骨具を連続的に反復使用することが要求されるので、公知形式の切骨具の操作形式は、外科医を疲労させ、特に切骨具を操作する腕を疲労させる。更に、切骨具の操作に力をこめることで、外科医が望ましくない揺動運動を切骨具に与えることがある。以上のことすべてが、外科処置の正確さや安全性に悪影響を及ぼし、関連する時間を長引かせる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の背景にある技術的な問題は、公知形式に関して以上に述べた欠点が除去できる外科器具、特に切骨具を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載された外科器具によって解決された。
同じ発明概念により、更に、本発明は請求項24に記載された外科器具キットに関するものである。
本発明は、更に請求項26に記載された外科装置を提供する。
本発明の好ましい特徴は従属請求項に記載されている。
本発明は、幾つかの重要な利点を有している。主な利点は、外科処置が精度、安全性、時間の点で最適化された点にある。事実、滑動可能なブレードの推進装置が、ブレードと、使用者が扱いやすい適当な操作部材との間に間挿されたことにより、切骨具のブレードを操作する力を外科医が直接に加えないで済むようにされた。このため、外科処置の間、使用者の注意は完全に摘出される組織に集中できる。
本発明のこのほかの利点、特徴、使用形式は、本発明の幾つかの実施例の詳細な説明により明らかになるだろう。ただし、該実施例は、単なる具体例であって本発明を制限する意図はない。説明では添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
はじめに図1を見ると、本発明の一実施例による切骨具が、全体を符号1で示されている。
切骨具1は、使用者が扱いやすい主胴2(又はハンドル)と、一対のブレード、特に第1ブレード3と第2ブレード4とを含み、これらのブレードは、この実施例では、後述する形式で主胴2に取り外し可能に結合されている。
切骨具1のシャシーとして役立つ主胴2は、外科医が片手で扱いやすい部分を含み、他方の手は外科処置中にブレードを保持するのに使用できる。
主胴2は、更に頂部閉鎖パネル21を備え、内部の構成部品に接近可能にされている。
ブレード3,4は平行に並置され、公知形式の切骨具のように、滑動可能に互いに結合されている。
【0007】
図4に詳細に示されているように、また公知形式の切骨具のように、いずれもこれらのブレード3,4は、各切断先端部31,41を有し、外科処置の間に骨片または他の生物材料の摘出のために互いに閉じることが可能である。この目的のために、第2ブレード4は、その端部41に、ブレード自体の主な延在方向に対し斜めの部分を有している。特に図4Aには、先端部41に垂直線に対し約30度の傾斜部を有するブレード4が示されている。
しかし、当業者は、本発明がどのような傾斜を有するブレードと使用するにも適していることが理解されよう。例えば図4Bに示したように、本発明は、先端部410が水平面に対し約90度傾斜している第2ブレード40と組み合わせることもできる。
【0008】
次に図3を見ると、ブレード3,4を前記のように閉じるために、既述のように、第1ブレード3が第2ブレード4に対し滑動可能になっている。第1ブレード3は、2つのブレードの間で平行の滑動が可能となるように、第2ブレード4に向いた長手方向の溝32を有している。骨片がこの溝32に、つまりブレード3,4間に噛みこまれないようにするために、細長の部材5が第2ブレード4上に長手方向に固定されている。第1ブレード3が第2ブレード4に対して後方へ移動した場合、この部材5は第1ブレード自体による骨片の引きずりを防止する。
主胴2は、内部に第1ブレード3用の推進装置を収容しており、該推進装置は、全体を符号6で示され、第2ブレード4に対する第1ブレード3の確実な滑動を容易にしている。
【0009】
この実施例の場合、推進装置6は空気式である。詳しく言えば、該推進装置は、シリンダ/ピストン・システム7と、該ピストンのステム71に各端部が回転可能に結合された伝動部材8とを含んでいる。この実施例では、伝動部材8は、事実上L字形を有し、特に自由端がステム71に回転可能に結合された第1アーム81と、ステム71に結合された端部と反対側の端部を第1ブレード3に結合された、第1アーム81と一体の第2アーム82とを含んでいる。この実施例の伝動部材8と第1ブレード3との特別な結合形式については後述する。
更に、伝動部材8は、前記アーム81,82が交差する中央区域で、主胴2に支点部材83を介してヒンジ結合されている。したがって、伝動部材8は、一種の第1級レバーを形成し、該レバーの起動力はピストンにより発せられ、その抵抗力は、第1ブレード3と、ブレード3,4間に捕捉された骨片とに関連した抵抗力である。有利な起動力/抵抗力比を達成するために、第1アーム81は第2アーム82より長くされ、好ましくは3:1の比になされている。
【0010】
空気式推進装置6は、更に管ホールダ形式の、外部から圧縮空気を供給するための、特に手術室の空気システムに切骨具1を接続するための取り入れ口9を含んでいる。
したがって、推進装置6は、前記取り入れ口9と、ピストン体の両側に圧縮空気を制御供給するための前記シリンダ/ピストン・システム7との間に間挿された空気回路を含んでいる。
前記空気回路は、公知の構成部品および形式で実現可能であり、特に、空気供給通路網および関連一方弁または複数方向弁システムを含んでいる。図3の断面図では、空気回路のこれら通路や他の構成部材の小数のものしか見えない。その代わり、図3Bには空気回路自体の全体の略示図が示されている。
図3および図3Bを参照すると、前記空気回路は、複数方向弁10を含んでいる。該弁は、直接、主胴2の部分20に設けられた操作引き金または押しボタン11と協働し、外科医が扱いやすいようにされ、推進装置6の操作や、第1ブレード3と第2ブレード4とを閉じる作業を確実に行うことができる。
【0011】
全体の構成は、使用者が引き金11を押すと、引き金の一表面12が弁10の弁体に作用し、引き金が弁体を押し下げ、ピストン体72のシリンダの下方区域13へ圧縮空気が供給されるようになっている。同時に、ピストン体72のシリンダの上方区域14からは、空気の排出が可能である。その場合、下方区域13への流入空気は、確実にピストンの上昇運動、つまり伝動部材8方向への運動を生じさせる。伝動部材8は、前記ピストン運動の作用により、図3に矢印で示したような揺動運動を誘発させられ、それにより第1ブレード3が第2ブレード4に対し前進する。
外科医が引き金を放すと、前述のことと正反対に機構が働く。特に、弾性抵抗部材15は、自動的に弁体を初期位置へ戻し、確実にシリンダの上方区域14へ空気を流入させ、下方区域13内の空気を排出させる。
【0012】
したがって、第1ブレード3の運動を生じさせるためには、外科医が、引き金または押しボタン11に軽く力を加えて、弾性部材15の抵抗力を克復するだけでよいことが分かるだろう。引き金または等価システムを介しての操作は最小の力しか要しないから、公知システムの場合のように、全切骨具の不都合な運動または揺動を発生させることがない。加えて、切骨具が外科分野の他の器具または部材、例えば自己拘束式開創鉤等の邪魔になるという問題も生じない。
以上説明したように、使用者は、引き金11を介して推進装置6を操作可能である。既述の空気式システム全体の構成は、外科医が引き金11を押す速度に応じて、第2ブレード4に対する第1ブレード3の前進速度が調節され、また摘出すべき組織に加えられる切骨力が一様になるようになっている。したがって、本発明のシステムによって、ブレード滑動速度を調節でき、しかも切骨力の損失が伴うことがない。
もちろん、変化形は前記引き金11と異なる操作手段を備えることもできる。
【0013】
更に図3、図3aを見ると、切骨具6は、更にブレード3,4の閉じ速度を調節する装置16を含み、該装置は、この実施例では、主胴2の底部のところで操作可能な、図2からも一部が見て取れる流量調整器によって実現されている。この流量調整器16は、シリンダの下方区域13に関連する空気回路部分での流れ抵抗を制御しやすくする。
ここに紹介した調節装置は、異なる寸法の切骨具・ブレードに適応可能な点で特に有用なことが理解されよう。更にまた、この調節装置は、第2ブレード4に対する第1ブレード3の前進速度の調節を可能にし、切骨力が一様にされる。
加えて、図3Bに略示されているように、切骨具1は、更に外部に配置された、手術台の空気システムに組み込まれている圧力調整器Rによってブレード3,4の閉じ力を調節可能にすることができる。
もちろん、変化形の場合には、既述の実施例とは異なる切骨具・ブレードの閉じ速度及び/又は閉じ力の実施形式が考えられよう。
【0014】
この実施例では、切骨具1は、また推進装置6の作動を阻止する装置17を含んでいる。この場合、この装置17は、同じく符号17で示されたブロック弁を含み、シリンダの下方区域13と関連する空気回路部分の作用を阻止しやすくする。阻止装置17は、外科医が、例えば、主胴2の底部に配置された簡単な押しボタン機構を介して操作可能であり、これにより、切骨具を他の操作員、例えば助手に安全に手渡すことができる。実際には、阻止装置17が押してあれば、助手がブレード3,4の洗浄中に間違って引き金11を押しても、ブレードが突然閉じて怪我をする恐れはない。
【0015】
次に図3、図3Aを見ると、第1ブレード3と伝動部材8の第2アーム82との結合形式が詳細に示されている。この実施例では、アーム82の端部84は事実上U字形に構成され、第1ブレード3のノブ形状の基端部33を取り外し可能かつ回転可能に受容しやすくなっている。特に、図3に示した構成を見ると、第1ブレード3は、ブレード3自体と平行な回転軸線Xを中心として、U字形端部84内で、したがって伝動部材8に対して回転可能である。更に、図3に示した構成を見ると、第1ブレード3は、基端部33からU字形端部84を外すのに適した下方への引き抜き運動だけで伝動部材8から外すことができる。
【0016】
図3に示されているように、また図5A、図5Bとに見られるように、ブレード3,4と主胴2との、簡単に言えば推進装置6との取り外し可能な結合は、更に主胴2自体のねじ山付き端部にねじ付けるのに適したリングナット18によって実現されている。このリングナット18は、ブレード3,4を保持するためのスリーブ19と協働し、もって、主胴に対してブレード3,4を固定する。特に第1ブレード3はスリーブ19内を滑動可能にされることで、既述の形式で伝動部材8と結合可能になっている。第2ブレード4は、これに対しスリーブ19と一体に形成され、歯190によってリングナット18と錠止関係になる。
【0017】
以上に説明した構成により、リングナット18が主胴2に諦着されると、主胴とブレード3,4との唯一の相対自由度は、第2ブレード4に対する第1ブレード3の滑動に関係する自由度のみである。しかし、図5Bに見られるように、ブレード3,4を互いに一体としてブレード自体と事実上平行な回転軸線Xを中心として回転させるには、主胴2に対してリングナット18を僅かに弛めるだけで十分である。このようにして、切骨ブレードは連続的に360度の範囲にわたって回転させることができる。
【0018】
本発明のこの態様、すなわちブレード3,4が主胴2に対し回転可能にされている構成により、使用者は、主胴を(したがって器具を保持し操作する手を)常に最も適切かつ楽な位置に維持でき、かつ切骨ブレード3,4を主胴2に対し360度、どの使用角度にも位置決めできる。この点が、公知形式のシステムに対する重要な利点である。公知システムでは、使用者は、所望の角度にブレードを位置させたり、同じ外科処置中に数器具を変更するさいにも、器具全体を回転させねばならず、また各器具が、操作レバーに対し固定角度を有するブレードを備えるように前もって設定しておかれる。
【0019】
更に、ブレード3,4と主胴2との取り外し可能な結合と、ここに説明したそのような結合形式とにより、主胴に結合されたブレード対を容易に交換できることで、常に使用者は、行うべき特殊外科処置に最も適したブレードを使用できることが理解されよう。特にブレード対の交換は、2〜3の簡単な動作、すなわちリングナット18を回動させ、引き金11を押して伝動部材8の、したがって伝動部材と結合したブレード3を前進させ、ブレード3のノブ形状部分33と第2アーム82のU字形端部84との間の結合を解除することで実施できる。次いで、逆の動作を行えば、新たなブレード対の結合が達せられる。
【0020】
こうしたことから、本発明の切骨具は、外科用キット、例えば外科医が扱うのに適した前記主胴2と、主胴に、つまり滑動可能なブレード推進装置に取り外し可能に結合された複数切骨ブレード対とを含むキットの形式でも得ることができよう。
またキット形式で切骨具を備えることに伴う利点は、各種のブレードに対応して器具全体を変える必要のある従来型切骨具に比して、手術台上や滅菌バスケット内の全組み立て体の寸法が小さくなる点である。
加えて、主胴と(したがって推進装置と)ブレードとの取り外し可能な結合も、またブレードの変形時や摩耗時に前記具の分解または交換が不要となる利点を伴っている。
【0021】
これまでの説明ですでに、切骨具1の使用形式は明らかと思われるので、簡単に再確認しておこう。
外科医は、実施すべき外科処置または外科処置段階に最適な切骨ブレード3,4を選択し、迅速に、既述の形式にしたがって主胴2に取り付けることができる。
その場合、ブレード取り付け前に切骨具1が、手術台の空気システムに取り入れ口9を介して接続される。
この時点で、図5A〜図5Cに示したように、外科医は、容易かつ僅かな力で、引き金11を介して推進装置を操作し、目標組織部分Oを摘出できる。
また外科処置中に、既述の形式に従って、ブレード3,4をハンドル20に対して回転させ、引き金11自体または調節装置16によってブレード操作速度を調節したり、調整器Rによって閉じ力を調節することも可能である。
更に、切骨具1が助手に渡されたり、あるいはまた、いずれにせよ使用しないときには、阻止手段17を押して、操作員の安全が確保される。
【0022】
これまでの説明で、本発明の器具が外科処置の精度を改善できることがよりよく理解されたと思われる。
事実、とりわけ、すでに指摘したように、外科医は、レバーでブレードを直接操作する作業に注意をそらされることなく、ブレードの動作に注意を集中できる。外科医の大脳皮質(特に前運動皮質回)は、きわめて僅かに、引き金11を反復的に押すことに関わるだけである一方、視覚皮質は、切骨作業に関連する組織(例えば歯根嚢胞、硬膜内板(dural casing)、硬膜外静脈洞、頭蓋基底血管および神経組織など)を見分ける目的に専らかつ顕著に関係する。
また、本発明の器具がブレード用の推進装置やブレード用の操作手段を備えることにより、外科処置を実施する外科医が引き金に加える力の程度とは関係なく切骨ブレードの閉じ力を、使用者によるブレード直接操作の場合よりむしろ増強かつ均等にすることが理解されよう。
【0023】
加えて、推進装置6用の適当な操作手段11を備えることで、摘出予定にない組織を挟んだと気づいた場合、ブレードの動作を、減圧または引き金を放すことにより、減速または即時停止できる。これらの場合、外科医および器具の応動時間は、ブレードの手動操作を要する従来システムに比して、はるかに短縮される。
更に、この切骨具は、操作レバーの開口のため嵩高にならざるを得ない公知形式のシステムより嵩が小さい。これにより、切骨具が外科処置室内の他の器具や部材の邪魔になるという既述の問題の発生が防止される。
【0024】
更に、公知形式のシステムでは、広く離間しているブレードのレバーを片手で握らねばならないことが別の大きな欠点である。小さい手の外科医には掴むのが厄介だからである。言うまでもなく、この欠点も、同じように、本発明の切骨具によって克服された。なぜなら主胴が小さい寸法のハンドルを有することができるからである。
更に、推進装置を空気式に構成することは容易であり、費用効果もよく、手術台にすでに存在する構造物と完全に適合可能である。更に、このような構成は、手術室の滅菌要求とはおそらく両立不可能の潤滑システムを必要としない。加えて、空気式推進は、必要とされるブレード閉じ力および速度と完全かつ直ちに適応可能である。
【0025】
本発明には、以上に説明した実施例とは別の数実施例および変化形が可能であることが理解されよう。
例えば、本発明の切骨具は、神経ナビゲーション・システム、例えば1つ以上の位置センサと協働するように、または協働するために接続する手段を備えることができ、したがって前記神経ナビゲーション・システムを有する外科器具と関連させて使用することができる。これによって、摘出すべき骨のマッピングが可能になり、したがって、任意に、MR、TC、視診法(scopy)によって調べた保存すべき解剖組織の3次元仮想表示を利用して、すでに済んだ作業とこれから行うべき作業とのリアルタイムでの評価が可能になる。何らかの反復的な、予めコード化された外科処置を自動式に実施しやすくするロボット・システムと統合した変化形も、可能である。
以上、本発明を好適実施例について説明した。他の実施例も可能だが、それらはすべて本発明の概念に含まれ、かつ本発明の特許請求の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による切骨具の一実施例の上方から見た斜視図。(実施例1)
【図2】図1の切骨具の下方から見た斜視図。
【図3】図1の切骨具の縦断面図。
【図3A】図1の切骨具の、図3のB−B線に沿った横断面図。
【図3B】図1の切骨具の空気回路の一部を略示した図。
【図4A】図4Bと共に、図1の切骨具のブレード細部および該細部の変化形を示す側面図。
【図4B】図4Aと共に、図1の切骨具のブレード細部および該細部の変化形を示す側面図。
【図5A】図5B、図5Cと共に、図1の切骨具の使用形式を説明する斜視図であり、それぞれ、外科処置で使用中の切骨具を示す。
【図5B】図5A、図5Cと共に、図1の切骨具の使用形式を説明する斜視図であり、それぞれ、外科処置で使用中の切骨具を示す。
【図5C】図5A、図5Bと共に、図1の切骨具の使用形式を説明する斜視図であり、それぞれ、外科処置で使用中の切骨具を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科処置中に骨、軟骨、その他類似組織の摘出に適する外科器具(1)において、
一対の並置ブレード(3,4)と、
前記一対のブレード(3,4)のうちの一方のブレード(3)に接続または接続可能であり、かつ、前記ブレードのうちの他方のブレード(4)に対するブレード(3)の滑動を規定する推進装置(6)と、
使用者が前記推進装置(6)を操作するための操作手段(11)とを含み、
前記一対の並置ブレード(3,4)は、組織片(O)の摘出のために、それらの先端部(31,41)のうちの一方が他方に対して閉じることができるように滑動可能に組み合わされている外科器具(1)。
【請求項2】
前記一対のブレード(3,4)のうちの前記滑動可能なブレード(3)が、前記推進装置(6)に対して取り外し可能に接続され、または、接続可能である請求項1に記載された外科器具(1)。
【請求項3】
使用者が前記操作手段(11)を解放すると、前記一対のブレード(3,4)のうちの前記滑動可能なブレード(3)が自動的に休止位置に戻るように構成されている請求項1または請求項2に記載された外科器具(1)。
【請求項4】
外科処置中に前記一対のブレード(3,4)が、前記両ブレード自体と事実上平行な回転軸線(X)を中心として、前記操作手段(11)に対して回転できるように構成されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項5】
前記操作手段が引き金手段(11)を含む請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項6】
使用者による取り扱いに適し、かつ、前記一対のブレード(3,4)に接続され、または、接続可能である主胴(2)を含む請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項7】
前記操作手段(11)が前記主胴(2)に配設されている請求項6に記載された外科器具(1)。
【請求項8】
使用者が片手で取り扱い易くなされた部分(20)を前記主胴(2)が含み、その部分(20)に前記操作手段(11)が配設されている請求項7に記載された外科器具(1)。
【請求項9】
前記推進装置(6)が前記主胴(2)内に収容されている請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項10】
前記一対のブレード(3,4)が前記主胴(2)に対して取り外し可能に結合され、または、結合可能である請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項11】
前記推進装置(6)が空気式である請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項12】
前記推進装置(6)が、前記一対のブレード(3,4)のうちの前記滑動可能なブレード(3)の滑動を行なわせるようになされたピストン(7)を含む請求項11に記載された外科器具(1)。
【請求項13】
前記ピストン(7)が、伝動部材(8)の介在によって前記一対のブレード(3,4)のうちの前記滑動可能なブレード(3)に連結されている請求項12に記載された外科器具(1)。
【請求項14】
前記伝動部材(8)がレバーであり、該レバーの両端が、それぞれ前記一対のブレード(3,4)のうちの前記滑動可能なブレード(3)と、前記ピストン(7)のステム(71)とに回転可能に結合され、さらに、前記レバーの中央部分が外科器具(1)のシャシー(2)に回転可能に結合されている請求項13に記載された外科器具(1)。
【請求項15】
前記推進装置(6)が、空気式の前記ピストン(7)の供給弁(10)を含み、前記操作手段(11)が前記供給弁(10)と協働するようになっている請求項11から請求項14までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項16】
前記推進装置(6)が、外部から圧縮空気を供給するための取り入れ口(9)を含む請求項11から請求項15までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項17】
前記ブレード(3,4)の閉じる力を調節するための手段(R)を含む請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項18】
前記一対のブレード(3,4)の相対的滑動速度を調節するための手段(11,16)を含む請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項19】
滑動速度を調節するための前記手段が、流量調節手段(16)を含む請求項11から請求項16までのいずれか1項に従属する場合の請求項18に記載された外科器具(1)。
【請求項20】
前記操作手段自体の使用者による操作速度に、前記一対のブレード(3,4)の前記相対的滑動速度が依存するように、前記操作手段(11)が構成されている請求項18または請求項19に記載された外科器具(1)。
【請求項21】
前記推進装置(6)の作動を阻止するための手段(17)を含む請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項22】
前記一対のブレード(3,4)の間に骨片が噛みこまれないようにするための手段(5)を含む請求項1から請求項21までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項23】
神経ナビゲーション・システムと協働する手段を含む請求項1から請求項22までのいずれか1項に記載された外科器具(1)。
【請求項24】
請求項1から請求項23までのいずれか1項に記載された外科器具(1)と、前記推進装置(6)に取り外し可能に結合できる複数の切骨ブレード(3,4)とを含む外科器具一式。
【請求項25】
空気供給装置に接続するための手段(9)を含む請求項24に記載された外科器具一式。
【請求項26】
請求項1から請求項23までのいずれか1項に記載された外科器具(1)と、該外科器具に組み合わされた神経ナビゲーション・システムとを含む外科用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−513792(P2006−513792A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570118(P2004−570118)
【出願日】平成15年4月4日(2003.4.4)
【国際出願番号】PCT/IT2003/000205
【国際公開番号】WO2004/086988
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(505369088)
【出願人】(505369099)
【Fターム(参考)】