説明

刈取り作業機

【課題】通常の草刈作業と畝上に植えられた作物の茎葉刈取り作業が簡単な部品切替で兼用可能であり、それぞれ精度の良い作業が可能である刈取り作業機を提供する。
【解決手段】刈取り作業をする刈取り部5と、刈取り部回転軸50の両端部を支えトラクタの進行方向と平行に延びる側板53と、刈取り部5の後方に配設されたゲージ輪6とを有する刈取り作業機において、先端部が刈取り部の刈取り刃51回転外周より前方且つ下方に位置し、先端部から側面視後上がりに傾斜させるとともに刈取り刃51回転外周内側に後端部を位置させて設けた茎葉誘導杆7を有し、茎葉誘導杆7は、刈取り部5の左右側板53に取付け取外し自在に保持されている刈取作業機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタに装着されて草や茎葉の刈取り作業を行う農業用機械に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の刈取り装置の従来技術として特開2005−13041号公報(従来技術1)、または実開昭58−91228号公報(従来技術2)、さらに特開2009−89660号公報(従来技術3)が開示されている。
【0003】
特開2005−13041号公報(従来技術1)には、「走行手段の走行により進行方向に移動しながら圃場上の茎葉部を切断する作業機本体と、この作業機本体に前記走行手段から離反する方向である進行方向に突出するように取り付けられ、前記茎葉部をこの茎葉部が平面視で前記作業機本体の進行方向前方領域内に位置するように誘導する茎葉誘導体とを備えることを特徴とする農作業機」の開示がされている。
【0004】
また、実開昭58−91228号公報(従来技術2)には、「甘藷等の栽培畦に沿って移動しながら畦上のつる部を細断するロータリ式のつる切断装置と、このつる切断装置の左右両側部に前方に突出するように装着され、畦部からその両側の溝部にかけて延伸しているつるを上方に引上げる杆状の一対のデバイダーとを備え、前記デバイダーは、その間隔を調整可能とすると共に、上下動調節も可能にして、栽培畦の高さおよび幅に対応して調節できるように構成したことを特徴とする甘藷等のつる処理装置」の開示がされている。
【0005】
さらに、特開2009−89660号公報(従来技術3)には、「機体と、この機体に回転可能に設けられ、複数の爪被取付部に対して着脱可能な第1刈爪と、前記爪被取付部に対して着脱可能で、回転径が前記第1刈爪の回転径より小さい第2刈爪と、前記第1刈爪と前記第2刈爪との重さの差に応じた重さのバランスウエイトとを備え、草刈作業時には、前記回転軸体の爪被取付部には前記第1刈爪が取り付けられ、茎葉処理作業時には、前記回転軸体の一の爪被取付部には前記第1刈爪が取り付けられ、前記回転軸体の他の爪被取付部には前記第2刈爪およびバランスウエイトが取り付けられることを特徴とするフレールモア。」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−13041号公報(従来技術1)
【特許文献2】実開昭58−91228号公報(従来技術2)
【特許文献3】特開2009−89660号公報(従来技術3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トラクタ後部に装着されて使用される刈取り機の場合、その使用する作業によって専用の構造となっていて、例えば畝に植えられたつる状の作物や茎葉を有する作物の刈取りと雑草等の刈取り作業のものはそれぞれ専用に設けられていて、それぞれの作業機を必要とするため、使用者は経済的に大きな負担を要することになる問題がある。また、畝上に植えられた作物の茎葉やつるを刈取るとともに破砕しようとしたときに、畝間の凹部に倒れこんだ茎葉やつるを刈取り部に適切に誘導して破砕することが適切に行われない問題がある。
【0008】
前記従来技術1または従来技術2の様な構造のものは、畝の凹部の茎葉や長い茎葉を刈取り部に誘導するための茎葉誘導体またはデバイダーを設けた構造で、畝に植え付けられた作物の茎葉処理専用の作業機となっていて、通常の草刈作業を想定したものではない。また、従来技術3の場合、通常の草刈作業ができるばかりでなく、振動発生を防止しつつ、精度良く茎葉処理作業ができるフレールモアの提供を目的としたものであるが、多数設けられた刈爪とバランスウエイトの交換が必要であり容易に変更するのには問題があるとともに、畝の高さが高い場合の凹部の茎葉を適切に誘導して刈取り処理するには適切な構造とはなっていない。
【0009】
このため本発明の目的は、通常の草刈作業と畝上に植えられた作物の茎葉刈取り作業が簡単な部品切替で兼用可能であり、それぞれ精度の良い作業が可能である刈取り作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、トラクタ後部に装着可能に設けた装着部と、トラクタの進行方向と直交する水平方向の回転軸に放射状に複数の刈取り刃を揺動自在に設けトラクタからの動力により回転して刈取り作業をする刈取り部と、前記回転軸の両端部を支えトラクタの進行方向と平行に延びる側板と、前記刈取り部の後方に配設されたゲージ輪とを有する刈取り作業機において、先端部が前記刈取り部の刈取り刃回転外周より前方且つ下方に位置し、該先端部から側面視後上がりに傾斜させるとともに刈取り刃回転外周内側に後端部を位置させて設けた茎葉誘導杆を有し、該茎葉誘導杆は、前記刈取り部の左右側板に取付け取外し自在に保持されている刈取作業機を提案する。また、被作業時に機体を保持するスタンドの取り付け用ホルダを左右一対刈取り部の前記左右側板に有し、茎葉誘導杆は左右一対のスタンドの取り付け用ホルダに脱着自在にそれぞれ取付け可能である前記の刈取作業機を提案する。さらに、茎葉誘導杆は、平面視左右略対称の形状であり、それぞれ先端部から進行方向と平行に刈取り刃方向に後上がりに延設された主茎葉誘導杆と、先端部から側方に向かい後上がりに傾斜した側方茎葉誘導部と、主茎葉誘導杆と側方茎葉誘導部を連結した平板状平面誘導部と、正面視において前記主茎葉誘導杆と側板の間に位置し、且つ刈取り部左右側板前方端より前方位置に立設した縦誘導杆とを有する前記の刈取作業機を提案する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、茎葉誘導杆が刈取り部の左右側板に取付け取外し自在に保持されていることにより、通常の草刈時には容易に取り外して草刈作業が可能であり、畝等の茎葉を刈取り処理する場合は装着することで精度の良い刈取り作業が可能となる。また、茎葉誘導杆は各スタンドの取り付け用ホルダに脱着自在にそれぞれ取付け可能であるため、専用の取り付け部材が不要であり、生産コストの削減に寄与できる。さらに、主茎葉誘導杆と、側方茎葉誘導部と、平板状平面誘導部と、縦誘導杆とで構成された茎葉誘導杆によって畝の凹部に倒れこんだ茎葉を適切に刈取り部に誘導して切断及び破砕をすることができる。
【0012】
さらにまた、刈取り部後方に茎葉誘導杆の保持部等がないために、これにより刈取り破砕された茎葉の後方への吐き出しを阻害することもなく、茎葉の処理量が多い場合でも詰まり等の不具合を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を実施した刈取り作業機の側面図
【図2】本発明を実施した刈取り作業機の正面図
【図3】本発明を実施した刈取り作業機の平面図
【図4】本発明を実施した刈取り作業機の一部を断面した側面図
【図5】本発明を実施した刈取り作業機を畝上に位置させた要部の正面図
【図6】動力伝達部の斜視図
【図7】本発明を実施した刈取り作業機のスタンド装着状態の側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を以下の図面に基づいて説明する。図1は本発明を実施した刈取り作業機の側面図、図2は同じく刈取り作業機の正面図、図3は同じく刈取り作業機の平面図、図4は同じく刈取り作業機の一部を断面した側面図、図5は同じく刈取り作業機を畝上に位置させた要部の正面図、図6は動力伝達部の斜視図、図7は本発明を実施した刈取り作業機の茎葉誘導杆を外してスタンド装着状態の側面図を示したものである。
【0015】
本例に示す刈取り作業機1は、図示していないトラクタの後方に設けた装着部に装着され、トラクタからの動力により刈取り部5を駆動して使用されるものである。トラクタの後方に設けた左右一対のロワーリンクとその中央上方に設けたトップリンクとからなる3点リンクヒッチ機構に、刈取り作業機1の前方下方左右に設けたロワーリンクピン20,20´と前記ロワーリンクと、同じく前方上方部に設けたトップマスト22前方先端部のトップリンクピン21と前記トップリンクとを連結させ装着する。装着は3点リンク機構にこれらを定型化する連結枠(クイックカプラー又はオートヒッチと称される)を取り付けて、これを介して装着する方法もある。
【0016】
刈取り作業機1は、前記ロワーリンクピン20とトップマスト22およびこの前方先端部のトップリンクピン21で構成される装着部2を前方に配設するとともに、前方に向け突設させた入力軸30が前方中央部に設けられていて、該入力軸30と図示していないトラクタPTO軸とユニバーサルジョイントにより連結して動力が入力され駆動される。
【0017】
入力軸30は内部にベベルギヤ32を設けたベベルギヤケース3により保持されていて、ベベルギヤケース3の下方には茎葉や草を刈取り破砕する刈取り部5が配設され、その後方左右には刈取り部5の地上高さを調節するゲージ輪6が左右一対設けられている。また、刈取り部5の左右の側板53,53´のそれぞれの外側面には、ホルダ54,54´が設けられていて、ホルダ54,54´は断面視コ字形状で上下方向に長尺で開放側を左右外側に向けていて、このコ字状部に嵌合する角パイプで構成された取付けアーム74を有した茎葉誘導杆7,7´がこれに取付け取外し自在に設けられる。
【0018】
茎葉誘導杆7,7´の主茎葉誘導杆70は先端部が刈取り刃51回転外周より前方且つ下方に位置し、該先端部から後上がりに設けられ、後端部を刈取り部5の刈取り刃51回転外周内側に位置させて傾斜され設けられている。茎葉誘導杆7,7´は、平面視左右略対称の形状であり、それぞれ先端部から進行方向と平行に刈取り刃51方向に後上がりに延設された主茎葉誘導杆70と、先端部から側方に向かうとともに後上がりに傾斜した側方茎葉誘導部71と、主茎葉誘導杆70と側方茎葉誘導部71を連結した平板状平面誘導部72とで構成された平面視略三角形状の掬い上げ部と、正面視において主茎葉誘導杆70と側板53,53´の間に位置し、且つ刈取り部5左右側板53,53´前方端より前方位置に立設した縦誘導杆73とを有する。
【0019】
前記掬い上げ部の外側端部からは、前記取付けアーム74が延設されている。取付けアーム74には、刈取り作業機1の進行方向に貫通する装着用の孔が縦方向に複数設けられている。一方、側板53,53´に設けたホルダ54,54´には刈取り作業機1の進行方向に貫通する貫通孔が設けられていて、取付けアーム74の上下方向の孔を選択してホルダ54,54´の貫通孔に固定ピン82を挿通して取付けることにより茎葉誘導杆7,7´の刈取り部5に対する高さを調整できる。
【0020】
前記入力軸30を前方に突設保持して内部のベベルギヤ32により進行方向左右方向に回転動力を変換及び変速するベベルギヤケース3は、左右方向にパイプ状のフレームであるパイプフレーム31を固着延設させていて、左右一方のパイプフレーム31内に設けた出力軸33により動力を側方端側に伝達する。前記ベベルギヤケース3と反対側の側方端部の出力軸先端にはベルト用第1プーリ40が固着されていて、また、その下方に前記刈取り部5の回転軸50の端部に固着された第2プーリ41が設けられていて、これらのプーリに掛け渡された伝動ベルト42により出力軸33で伝達された動力は刈取り部5の回転軸50に伝達され回転駆動する。側方のプーリ及び伝動ベルト部はベルトカバー4により覆われてガードされている。
【0021】
刈取り部5は、トラクタ進行方向と直交する水平方向の回転軸50に放射状に複数の刈取り刃51を揺動自在に設け、これを回転軸50の上方を通過して前方から後方に掬い上げるように回転させ、茎葉を刈取りするとともに破砕する。刈取り刃51回転軌跡外周上方部は、刈取り部カバー52で覆われていて、切断された茎葉の飛散を防止するとともに刈取られた茎葉の一部を回転軸50周りに持ち回らせてさらに細かく破砕するように設けられている。
【0022】
刈取り部5後方左右にはゲージ輪6が設けられていて、刈取り部5上方のフレームから後方に延設したフレームに上下方向回動自在に連結されたゲージ輪取付けフレーム63に取り付けられている。ゲージ輪取付けフレーム63は、ゲージ輪6を左右に位置させるための左右水平方向に設けた角パイプ状の水平フレーム630と、水平フレーム630から前方に延設した左右の回動アーム631と、水平フレーム630中間部とベベルギヤケース3上方に延設して固着されたフレーム上方端部とそれぞれ回動自在に連結された伸縮ロッド632と、伸縮ロッド632を伸縮させる為のハンドル633とで構成されている。
【0023】
回動アーム631前方端は、刈取り部5上方のパイプフレーム31から後方に延設したフレームに水平方向の回動軸64により上下方向回動自在に連結されていて、水平フレーム630と前方のフレームに連結された伸縮ロッド632を伸縮することにより、回動アーム631の回動端側の水平フレーム630は上下に回動する。回動することにより、水平フレーム630に取り付けられたゲージ輪6は、刈取り部5に対し上下に回動し高さが調整される。
【0024】
伸縮ロッド632は、内部にメスねじ部とこれに螺入するオスねじのシャフトとを設けてあり、オスねじのシャフトに固着されたフレーム側前端部のハンドル633を回転させると軸方向に伸縮させることができる。
【0025】
前記水平フレーム630左右には、これに対し左右スライド及び固定自在に設けたスライドホルダー62がそれぞれ設けられていて、スライドホルダー62には上下方向取り付け位置調節自在であり下方部にゲージ輪6を水平方向に回動させる水平回動軸600を保持するボス610を有する上下調節アーム61が設けられ、さらに上下調節アーム61には上下調節アーム61のボス610に挿入される水平回動軸600を有して水平回動軸600の回転中心からオフセットした位置に中心を有する水平方向のゲージ輪回転軸601を設けたキャスターフレーム60が水平回動軸600を挿入して水平回動自在に取付けられている。ゲージ輪6は、水平方向のゲージ輪回転軸601によりキャスターフレーム60に回転自在に保持される。
【0026】
スライドホルダー62は、角パイプ状の水平フレーム630に挿入される矩形部を有し、矩形部を締め付けねじにより緊縮させ水平フレーム630に圧着して固定可能で、締め付けねじを緩めることでスライド自在となり、畝幅等に合わせて左右位置を調整できる。
【0027】
上下調節アーム61は、上下方向に取付け孔が複数設けられていて、この孔を選択して取り付けることにより上下の調節が可能で、前記伸縮ロッド632により調節する上下範囲からさらに調節が可能である。
【0028】
刈取り部5の左右の側板53,53´の左右外側面に設けられ、茎葉誘導杆7,7´を保持しているホルダ54,54´は、被作業時には茎葉誘導杆7,7´が取り外されて、図7のように刈取り作業機1を載置面より浮かせて保持するスタンド8が装着される。スタンド8は、水平方向のパイプフレームと垂直方向のパイプフレームで構成されたスタンドフレーム81と水平方向のパイプフレーム下方に設けたキャスター輪80であり、垂直方向のパイプフレームに茎葉誘導杆7,7´の取付けアーム74と同じく貫通孔が設けられていて、同じく固定ピン82を挿通して固定する。トラクタから外された刈取り作業機1はスタンド8のキャスター輪80により、格納庫等での移動が容易に行える。
【0029】
また、茎葉誘導杆7,7´を装着しない状態では、畝等が無い平坦な場所での通常の草等の刈取り作業に使用することができる。
【0030】
次にこの発明の刈取り作業機の作動について説明する。刈取り作業機1の前方部に設けた装着部2によりトラクタに装着し、刈取り作業機1の前方側中央部に設けた入力軸30をトラクタPTO軸からの動力により回転駆動し、入力軸30を前方に突設して設けたベベルギヤケース3の内部のベベルギヤにより入力軸30の動力は進行方向左右一方向に回転動力を変換及び変速して伝動され、パイプフレーム31内に設けた出力軸により動力を側方端側に伝達する。ベベルギヤケース3と反対側の側方端部の出力軸33先端には第1プーリ40が固着されていて、また、その下方に前記刈取り部5の回転軸50の端部に固着された第2プーリ41が設けられていて、これらのプーリに掛け渡された伝動ベルト42により出力軸33により伝達された動力は刈取り部5の回転軸50に伝達され回転駆動する。回転軸50には放射状に複数の刈取り刃51が揺動自在に設けられていて、これを切断された草や茎葉が回転軸50の上方を通過して前方から後方に掬い上げるように回転させ、トラクタの進行により草や茎葉を刈取りするとともに破砕させる。刈取り刃51回転軌跡外周上方部は、刈取り部カバー52で覆われていて、切断された草や茎葉の飛散を防止するとともに刈取られた茎葉の一部を刈取り刃51の掬い面の作用により回転軸50周りに持ち回らせてさらに細かく破砕させる。
【0031】
畝上に植えられた作物の茎葉を刈取る場合は、図5に示すように刈取り作業機1の略左右中央部を畝Aの中心に位置させると共に、左右のゲージ輪6を畝と畝との凹部に位置させ、さらに茎葉誘導杆7,7´の主茎葉誘導杆70前方端を畝の裾部分近傍に位置させ作業を行う。刈取り部5の刈取り刃51の回転外周が畝の頂上部に位置するようにゲージ輪6を調整することで、畝の頂上部にある茎葉の根元を切断することができる。また、前方先端部から後上がりに刈取り部5の刈取り刃回転外周内側に後端部を位置させ傾斜させて設けた主茎葉誘導杆70は、前方先端部が地面に垂れ下がった茎葉の下に入り、傾斜面を滑らせて起こし上げて刈取り部5に誘導する。先端部から側方に向かい後上がりに傾斜した側方茎葉誘導部71と、主茎葉誘導杆70と側方茎葉誘導部71を連結した平板状平面誘導部72とにより、さらに茎葉の下に潜り込みやすく、茎葉先端側を徐々に起こし上げる。
【0032】
正面視において前記主茎葉誘導杆70と側板53,53´の間に位置し、且つ刈取り部左右側板前方端より前方位置に立設した縦誘導杆73は、畝に植えられて根元がまだ刈取り部5によって刈取られていない茎葉をトラクタの進行とともに根元を固定したまま引きずるとともに先端側に滑らせて先端側を畝中央側に誘導する。
【0033】
刈取り部5の地上高さは、刈取り部5の後方左右に設けたゲージ輪6の高さを調節することで任意に設定可能で、茎葉刈取り機1の中央部上方部に設けた伸縮ロッド632の長さをその前方端に設けたハンドル633を回転させて伸縮させ調整する。
【0034】
刈取り作業終了後は、茎葉誘導杆7,7´を側板53,53´のホルダ54,54´から外し、代わりにスタンド8を装着してトラクタから連結を解除する。また、茎葉誘導杆7,7´を外した状態では、通常の平坦な場所での刈取り作業が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、トラクタ等の走行機後方に装着されて使用され、草刈作業や畝等に植えられた作物の茎葉の刈取り処理作業に使用する農業用機械に利用される。
【符号の説明】
【0036】
1 刈取り作業機
2 装着部
20,20´ ロワーリンクピン
21 トップリンクピン
22 トップマスト
3 ベベルギヤケース
30 入力軸
31 パイプフレーム
32 ベベルギヤ
33 出力軸
4 ベルトカバー
40 第1プーリ
41 第2プーリ
42 伝動ベルト
5 刈取り部
50 回転軸
51 刈取り刃
52 刈取り部カバー
53,53´ 側板
54,54´ ホルダ
6 ゲージ輪
60 キャスターフレーム
600 水平回動軸
601 ゲージ輪回転軸
61 上下調節アーム
610 ボス
62 スライドホルダー
63 ゲージ輪取付フレーム
630 水平フレーム
631 回動アーム
632 伸縮ロッド
633 ハンドル
64 回動軸
7,7´ 茎葉誘導杆
70 主茎葉誘導杆
71 側方茎葉誘導部
72 平面誘導部
73 縦誘導杆
74 取付けアーム
8 スタンド
80 キャスター輪
81 スタンドフレーム
82 固定ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタ後部に装着可能に設けた装着部と、トラクタの進行方向と直交する水平方向の回転軸に放射状に複数の刈取り刃を揺動自在に設けトラクタからの動力により回転して刈取り作業をする刈取り部と、前記回転軸の両端部を支えトラクタの進行方向と平行に延びる側板と、前記刈取り部の後方に配設されたゲージ輪とを有する刈取り作業機において、
先端部が前記刈取り部の刈取り刃回転外周より前方且つ下方に位置し、該先端部から側面視後上がりに傾斜させるとともに刈取り刃回転外周内側に後端部を位置させて設けた茎葉誘導杆を有し、該茎葉誘導杆は、前記刈取り部の左右側板に取付け取外し自在に保持されていることを特徴とした刈取作業機。
【請求項2】
被作業時に機体を保持するスタンドの取り付け用ホルダを左右一対刈取り部の左右側板に有し、茎葉誘導杆は左右一対のスタンドの取り付け用ホルダに脱着自在にそれぞれ取付け可能であることを特徴とした請求項1記載の刈取作業機。
【請求項3】
茎葉誘導杆は、平面視左右略対称の形状であり、それぞれ先端部から進行方向と平行に刈取り刃方向に後上がりに延設された主茎葉誘導杆と、先端部から側方に向かい後上がりに傾斜した側方茎葉誘導部と、主茎葉誘導杆と側方茎葉誘導部を連結した平板状平面誘導部と、正面視において前記主茎葉誘導杆と側板の間に位置し、且つ刈取り部左右側板前方端より前方位置に立設した縦誘導杆とを有することを特徴とした請求項1又は2記載の刈取作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−234625(P2011−234625A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106030(P2010−106030)
【出願日】平成22年5月1日(2010.5.1)
【出願人】(000171746)株式会社ササキコーポレーション (192)
【Fターム(参考)】