説明

刈払機

【課題】 本発明は、操作杆取付け部において、緩みの発生しにくい構造をもつ刈払機を提供することを課題とする。
【解決手段】 操作杆11の先端に刈刃を備え、操作杆11の後端にクラッチケース40を介してエンジンを備える形式の刈払機において、クラッチケース40は、エンジンから操作杆11へ向かう振動を吸収する可撓連結部42の先に、環状嵌合部37及びこの環状嵌合部37を縮径するボルト39aとナット39bとからなる螺着手段39を備え、環状嵌合部37にクラッチケース40より硬質若しくは高剛性の補強リング38を備え、この補強リング38に操作杆11を当てた状態で螺着手段39を用いて環状嵌合部37を縮径することで、クラッチケース40に操作杆11を連結させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作杆の先端に設けた刈刃を原動機で駆動するようにした刈払機の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
田畑の畦等における雑草類は病害虫の巣になりやすいことから、年に数回はこれらの雑草類を刈る必要がある。雑草類の刈取り作業は重労働であることから、様々な機械が提案され、実用に供されている。このような機械のうち、刈払機は小型で取扱いが容易であることから多用されている。
【0003】
従来、作業者の負担を軽減するため、原動機から操作杆を介してバー状ハンドルに伝わる振動を抑制したいという要求に対し、クラッチカバーに防振機構を組込んだものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開昭61−146121号公報(第1図、第2図)
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11は従来の技術の基本構成を説明する図であり、刈払機100は、図右から左方向に、動力源としてのエンジン101及びクラッチケース102と、クラッチケース102に取付けた防振体103と、この防振体103を介して取付けたパイプ状の操作杆104と、操作杆104の先端部に取付けた刈刃105とからなり、エンジン101の回転力を操作杆104の内部を貫通する駆動軸106で刈刃105に動力を伝達するという装置である。
【0005】
図12は図11の要部断面図であり、刈払機100の防振体103は、クラッチケース102と操作杆104との間に介在し、クラッチドラム107を覆う部材であり、この防振体103の先端103aを締付バンド108で締付け、操作杆104に取付ける。防振体103は、エンジン101(図11参照)や駆動軸106において発生する振動を吸収し、操作杆104へ伝わる振動を抑制する機能を有する部材であるといえる。
【0006】
しかし、防振体103は、操作杆104を支持する部材であり、先端103aには常に負荷がかかる。加えて、防振体103により振動は完全に吸収されず多少の振動が残る。
【0007】
この結果、長期間の過酷な使用などにより、先端103aの締付バンド108に緩みが発生し、防振体103に取付けた操作杆104が緩むことがある。
このため、操作杆104の締付状態のチェックや締付に係る締付バンド108の増締めなど定期的なメンテナンスが不可欠であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、操作杆取付け部において、緩みが発生しにくい構造をもつ刈払機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、操作杆の先端に刈刃を備え、操作杆の後端にクラッチケースを介してエンジンを備え、このエンジンの動力で刈刃を回転させる形式の刈払機において、
クラッチケースは、エンジンから操作杆へ向かう振動を吸収する可撓連結部を備えるとともに、この可撓連結部の先に環状嵌合部及びこの環状嵌合部を縮径する螺着手段を備え、環状嵌合部にクラッチケースより硬質若しくは高剛性の補強リングを備え、この補強リングに操作杆を当てた状態で螺着手段を用いて環状嵌合部を縮径することで、クラッチケースに操作杆を連結したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明では、クラッチケースは、可撓連結部の先に環状嵌合部及びこの環状嵌合部を縮径する螺着手段を備え、クラッチケースと操作杆との連結部分に環状嵌合部を介在させ、この環状嵌合部にクラッチケースより硬質若しくは高剛性の補強リングを備え、この補強リングを螺着手段で縮径し、クラッチケースに操作杆を連結した。
【0011】
補強リングは縮径して取付けため、元に戻ろうとする。この結果、螺着手段に、緩みを防止する方向にテンションを付与し、緩み止め作用を発揮する。
この結果、操作杆取付け部において、緩みが発生しにくい構造をもつ刈払機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る刈払機の側面図である。
刈払機10は、パイプ状の操作杆11に駆動軸12を通し、この駆動軸12を、操作杆11の一端に設けたエンジン13にて回転させることで、操作杆11の他端に設けた刈刃14を回転させる形式の刈払機である。さらに刈払機10は、操作杆11の長手中央部にハンドル15を平面視十文字を呈するようにハンドルホルダ16で固定したものである。
【0013】
図2は本発明に係る刈払機の使用状態を示す説明図である。
バー状のハンドル15は正面視略U字状を呈し、中央部を操作杆11に取付けるとともに左右に延びる1本のパイプ材又はバー部材からなり、左右の先端にグリップ(左のグリップ17及び右のグリップ18)を設けたものである。右のグリップ18はエンジン13を制御するスロットルレバーやロックレバーを備える操作部である。
【0014】
作業者Mは、操作杆11の長手途中に備える肩掛け用吊りベルト19を肩に掛けることで刈払機10を吊り下げることができる。そして、左右のグリップ17、18を握って操作杆11を前後左右に振りながら、エンジン13で刈刃14を回転させることで、雑草grを刈ることができる。
【0015】
図3は本発明に係る刈払機の要部断面図であり、駆動軸12とエンジン13の出力軸13aとの間にクラッチ機構30を介在させ、このクラッチ機構30をクラッチケース40に収納するようにし、このクラッチケース40を介して操作杆11の一端部11aにエンジン13を取付けたことを示す。
このような刈払機10は、操作杆11並びに駆動軸12をエンジン13の出力軸13aに同心に配置したものである。
【0016】
駆動軸12は、軸部21の一端に原動機側軸端部22を一体的に取付けるとともに、軸部21の他端に刈刃側軸端部26を一体的に取付けてなる、異種金属組合せ軸である。軸部21はチタン合金製パイプであり、原動機側軸端部22及び刈刃側軸端部26は鋼製軸端部である。
【0017】
クラッチ機構30は、駆動軸12の原動機側軸端部22にスプライン結合で取付けたクラッチドラム31と、エンジン13の出力軸13aに取付けた回転部材32と、回転部材32が高速回転したときだけ回転部材32をクラッチドラム31に連結するクラッチ部材33と、からなる遠心クラッチである。クラッチドラム31は、回転部材32を包囲するカップ状部材である。
【0018】
クラッチケース40は、操作杆11の一端部11aを取付ける操作杆取付部41と、操作杆取付部41からエンジン13側へ延びて可撓性を有する可撓連結部42と、可撓連結部42からエンジン13側へ延びてエンジン13に取付ける原動機取付部43と、からなる樹脂製一体成形品である。このようなクラッチケース40は、例えばグラス入りナイロン樹脂等の樹脂製品である。
【0019】
操作杆取付部41及び原動機取付部43は、操作杆11やエンジン13を支えることができるように比較的剛性が大きい部分である。一方、可撓連結部42は、エンジン13の振動を減衰可能な程度の可撓性を有する比較的剛性が小さい部分である。原動機取付部43は、エンジン13のケース13bにボルト止めにて取付けたものである。
このようにクラッチケース40は、操作杆取付部41と可撓連結部42と原動機取付部43とを一体に成形した一体成形品なので、部品数が少なく構成が簡単である。
【0020】
さらにこの図3は、操作杆11の他端部11cに伝動機構ケース61を介して刈刃14を取付け、駆動軸12と刈刃14との間に介在させた伝動機構62を伝動機構ケース61に収納するようにしたことを示す。
伝動機構62は、駆動軸12の刈刃側軸端部26に連結した駆動ベベルギヤ63と、駆動ベベルギヤ63に噛み合う従動ベベルギヤ64と、従動ベベルギヤ64並びに刈刃14を取付けた従動軸65とからなる。
【0021】
ところで、駆動軸12は、軸長手方向の複数箇所が回転可能に支承されたものである。具体的には駆動軸12を次の箇所で支承した。
第1に、原動機側軸端部22をクラッチドラム31のボス34にスプライン結合し、このボス34を軸受35、35にて支持することで、駆動軸12の一端部をボス34並びに軸受35、35を介して原動機取付部43で支承した。
【0022】
第2に、刈刃側軸端部26を駆動ベベルギヤ63に結合し、この駆動ベベルギヤ63を軸受66、66にて支持することで、駆動軸12の他端部を駆動ベベルギヤ63並びに軸受66、66を介して伝動機構ケース61で支承した。
【0023】
第3に、駆動軸12のうち原動機側軸端部22と刈刃側軸端部26との間を、軸長手方向に一定間隔で配列した複数のブッシュ76・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)を介して操作杆11で支承した。
なお、67は従動軸支持用軸受である。
【0024】
図4は本発明に係る操作杆及びクラッチケース周りの断面図である。
操作杆取付部41及び可撓連結部42は操作杆11の一端部11aを差込むことのできる筒体である。
【0025】
操作杆取付部41は、操作杆11と操作杆取付け部41の間に環状嵌合部37を備えた補強リング38を介在させたものである。そして、補強リング38には、環状嵌合部37を縮径する螺着手段39を備えるというものである。
【0026】
原動機取付部43は、クラッチ機構30側に向って拡開したテーパ状の外筒部43aと、円筒状の内筒部43bとを同心にして一体形成したものである。原動機取付部43は内筒部43bに、遊嵌孔部43c並びに当接部43dとを備えるとともに、軸受35、35を取付けたものである。
【0027】
遊嵌孔部43cは、操作杆取付部41側から差込んだ操作杆11の一端部11bを軸方向移動可能に収納するべく、原動機取付部43に開けた穴である。さらにこの遊嵌孔部43cは、当接部43dに向って先細りテーパ状を呈するテーパ孔である。当接部43dは、遊嵌孔部43cの奥底で操作杆11の一端部11bを当てることができる端面であり、原動機取付部43に一体に形成したものである。図中、36は止め輪である。
【0028】
図5は本発明に係るクラッチケースの環状嵌合部の斜視図である。
操作杆取付部41は、筒体41aに「すり割り41b」を形成したものである。
【0029】
可撓連結部42は、クラッチケース40のうち、筒体42aに周方向に所定間隔で、多数のスリット42b・・・を形成した部分である。これらのスリット42b・・・は、筒体42aの周方向に長い溝部であって、筒体42aの軸方向に複列で千鳥状に配置したものである。例えば、筒体42aをスリット42bのある位置で輪切りにしたときに、その切断面において、2つのスリット42b、42bを筒体42aの中心に対して点対称に配列する。このように多数のスリット42b・・・を設けることにより、可撓連結部42は可撓性を有する。
【0030】
図6は本発明に係るクラッチケースの要部側面図であり、操作杆取付部41の内部に補強リング38を嵌め、操作杆取付部41の外側から、螺着手段39となるボルト39aとナット39bとで一体化すると共に、原動機取付部43の周1箇所に、原動機取付部43の内外貫通したインサートナット51を一体成形により埋設し、このインサートナット51に抜止め用ビス52をねじ込んだことを示す。
ナット39bは、ナットの頭に棒部材を差込みナットの回転を規制する穴を備えるいわゆる袋付きナットとし、ボルト39a又はナット39bを締付けることで、所定の締付けトルクを容易に得ることができるようにした。
【0031】
操作杆11は外パイプ71の周1箇所に貫通孔11dを開けたものである。インサートナット51に抜止め用ビス52をねじ込み、抜止め用ビス52の先端部を貫通孔11dに差込むことで、原動機取付部43から操作杆11(図5参照)を抜け止めすることができる。なお、抜止め用ビス52は抜止め可能な抜止め部材であればよく、例えばボルトやリベット等の部材であってもよい。
【0032】
図7は図4の7−7線断面図であり、操作杆11並びに操作杆取付部41の軸直角断面構造を示す。
操作杆11は、外パイプ71に内パイプ72を通し、これら外・内パイプ71、72間を周3個のステー73〜75で連結し、外・内パイプ71、72並びに3個のステー73〜75を一体に形成したものである。外・内パイプ71、72は、同心上に配置した丸パイプである。以下、周3個のステー73〜75のことを、図反時計回りに第1ステー73、第2ステー74、第3ステー75と呼ぶ。
【0033】
この操作杆11は、例えば、アルミニウムなどの軽合金を使用し、図のような断面形状をもつダイスを用い、押出し成形により生産することができる。
【0034】
このような操作杆11をクラッチケース40の操作杆取付け部41に取付けるため、可撓連結部42の先に、環状嵌合部37及びこの環状嵌合部37を縮径するボルト39aとナット39bとからなる螺着手段39を備え、環状嵌合部37にクラッチケース40より硬質若しくは高剛性の補強リング38を備え、この補強リング38に操作杆11を当てた状態で螺着手段39を用いて環状嵌合部37を縮径することで、クラッチケース40に操作杆11を連結させた。
【0035】
補強リング38は、操作杆11に備える外パイプ71に当てて操作杆11を保持する環状嵌合部37と、螺着手段39を通す穴36、36を備える部材である。
46は操作杆取付部41に備えるカラーであり、螺着手段39が通る穴41eを形成する部材である。
【0036】
すなわち、クラッチケース40の螺着手段39となるボルト39aが貫通する部分にカラー46を挿入し、締結剛性を高めるようにした。
カラー46は、螺着手段39から樹脂製のクラッチケース40を保護するために設ける金属製の部材であり、圧入により埋設する。
【0037】
図8は本発明に係る操作杆及びクラッチケースの分解図であり、操作杆11の一端部11aとクラッチケース40との関係を示したものである。
操作杆取付部41の貫通孔41d、可撓連結部42の貫通孔42c、及び原動機取付部43の遊嵌孔部43cは、同心上で連続したテーパ孔であって、当接部43dに向って先細りテーパ状を呈したものである。
【0038】
操作杆11の一端部11aを操作杆取付部41側から貫通孔41d、貫通孔42c及び遊嵌孔部43cへ差込んだときに、操作杆11の一端部11bは当接部43dに当る。操作杆11の一端部11bは、軸直角の平坦な端面である。当接部43dは、遊嵌孔部43cの奥底に形成した段差面である。
【0039】
遊嵌孔部43cは、奥底部分の径が、操作杆11における外パイプ71の外径よりもごく僅かだけ大径であると共に、穴入口に近づくにつれてより大径となるテーパ孔である。
【0040】
次に、上記構成のクラッチケース40の作用について上記図4に基づき説明する。
クラッチケース40は、上記図3のエンジン13を支える機能(支持機能)と、エンジン13から操作杆11に伝わる振動を減衰させる機能(防振機能)とを分離したことを特徴とする。
【0041】
具体的には、遊嵌孔部43cに差込んだ操作杆11の一端部11bに当接部43dを当てることで、操作杆11の一端部11bで原動機取付部43を軸方向に支えることができる。この結果、操作杆11の一端部11bで原動機取付部43を介してエンジン13を支えることができる。なお、原動機取付部43は、可撓連結部42並びに操作杆取付部41を介して操作杆11に連結しているので、操作杆11から抜けることはない。
【0042】
遊嵌孔部43cは、操作杆11の一端部11aを軸方向移動可能に収納することができる程度の大きい穴である。この結果、操作杆11の外周面と遊嵌孔部43cとの間に若干の隙間ができる。従って操作杆11のうち支える部分、すなわち操作杆11の一端部11b部分を中心として、エンジン13は振動し得る。
【0043】
操作杆11の一端部11bでエンジン13を支えるので、可撓連結部42はエンジン13を支える必要がない。従って可撓連結部42は、振動減衰性能をそのまま発揮することができる。
このように操作杆11でエンジン13を支えつつ、エンジン13から操作杆11に伝わる振動をより低減させることができる。
【0044】
クラッチケース40は、前述のように樹脂製を採用した。クラッチケース40を樹脂製にすると、温度変化や湿度変化による吸水性などによって、各部の寸法が変化するため、クラッチケース40に対する操作杆11の嵌合状態は変化し、好ましい嵌合が得られない場合がある。しかし、本発明によれば、硬質若しくは高剛性の補強リング38を介してクラッチケース40に操作杆11を連結したので、クラッチケース40に対する操作杆11の嵌合状態は変化しにくくなり、温度や湿度変化に影響されにくいので、好ましい嵌合を維持することができる。
【0045】
加えて、エンジンの振動を吸収する可撓連結部42の先に環状嵌合部37を設け、この環状嵌合部37は、クラッチケース40側に備え、クラッチケース40に固定した補強リング38を操作杆11に当て、螺着手段39で縮径するように構成したので、クラッチケース40に対して操作杆11を緩みにくくすることができる。
【0046】
補強リング38は縮径して取付けため、元に戻ろうとする。この結果、螺着手段39に、緩みを防止する方向にテンションを付与し、緩み止め作用を発揮する。
この結果、操作杆取付け部41において、緩みが発生しにくい構造をもつ刈払機を提供することができる。
【0047】
操作杆11が緩みにくくなるので、緩みのチェックや増締めなどのメンテナンス頻度が減る。加えて、緩みによる振動が無くなるので、各部品の劣化も減る。
この結果、部品の耐久性を向上することができる。
【0048】
なお、上記本発明の実施の形態において、操作杆取付部41に操作杆11の一端部11aを取付ける構造は、上記図8の構造に限定されるものではなく、任意である。
また、可撓連結部42は、エンジン13の振動を減衰可能な程度の可撓性を有するものであればよいものであり、上記図5に示す多数のスリット42b・・・を設けた構成に限定されるものではなく、例えば蛇腹状の構成であってもよい。
さらにまた、図6に示す抜止め用ビス52の有無は任意である。
【0049】
図9は図4の別実施例図であり、操作杆取付部41は、操作杆11と操作杆取付け部41の間に補強リング38を介在させ、補強リング38には、環状嵌合部37を縮径する螺着手段39を取付けるというものである。
【0050】
図10は図9の10−10線断面図であり、補強リング38に備える穴36、36の一方をねじ穴36aとすると共に、他方をクラッチケース40との共締めとし、一方はねじ穴36aに螺着手段39をねじ込むことで、ナットを省略するという構造である。
クラッチケース40との共締めは他方のみとしたので、操作杆取付け部41Bの形状を小さくすることができる。
【0051】
操作杆取付け部41Bの形状を小さくできるので、作業者と接触する可能性は減り、重量面やコスト面でメリットがある構造といえる。
操作杆がクラッチケース40から外れないようにするため、クラッチカバー40側に操作杆固定ねじ55を設け、操作杆11側に固定穴56を設ける。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、刈払機に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る刈払機の側面図である。
【図2】本発明に係る刈払機の使用状態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る刈払機の要部断面図である。
【図4】本発明に係る操作杆及びクラッチケース周りの断面図である。
【図5】本発明に係るクラッチケースの環状嵌合部の斜視図である。
【図6】本発明に係るクラッチケースの要部側面図である。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】本発明に係る操作杆及びクラッチケースの分解図である。
【図9】図4の別実施例図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【図12】図11の要部断面図である。
【符号の説明】
【0054】
10…刈払機、11…操作杆、13…エンジン、14…刈刃、37…環状嵌合部、18…補強リング、39…螺着手段、40…クラッチケース、42…可撓連結部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作杆の先端に刈刃を備え、操作杆の後端にクラッチケースを介してエンジンを備え、このエンジンの動力で刈刃を回転させる形式の刈払機において、
前記クラッチケースは、エンジンから操作杆へ向かう振動を吸収する可撓連結部を備えるとともに、この可撓連結部の先に環状嵌合部及びこの環状嵌合部を縮径する螺着手段を備え、前記環状嵌合部にクラッチケースより硬質若しくは高剛性の補強リングを備え、この補強リングに前記操作杆を当てた状態で前記螺着手段を用いて環状嵌合部を縮径することで、クラッチケースに操作杆を連結したことを特徴とする刈払機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−42697(P2006−42697A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229743(P2004−229743)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】