説明

列車用自動改札機

【課題】乗務員による運賃の精算を迅速に行える列車用自動改札機を提供することにある。
【解決手段】自動改札機1は、乗車駅データが書き込まれる非接触型のICカードを用いた乗車券とデータの授受を行うICカード処理手段10と、停車駅データ取得手段12aと、運賃表データが記憶された記憶手段11と、運賃表データを用いて乗車駅から停車駅までの運賃を算出する旅客運賃算出手段12cと、旅客運賃算出手段12cで算出した運賃を用いて乗車券の精算処理を行う運賃精算手段12eとを備えるとともに、任意の乗車駅及び任意の降車駅をそれぞれ入力可能な乗降駅入力手段15と、乗降駅入力手段14でそれぞれ入力された乗車駅と降車駅との組み合わせに対応する運賃を運賃表データから取得して乗車駅から降車駅までの運賃を算出する任意運賃算出手段12dと、任意運賃算出手段12dで算出した運賃を表示する乗務員用運賃表示手段14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型ICカードからなる乗車券を用いて入出場処理を行う自動改札機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、駅に設置される自動改札機は、利用者の利便向上を図るために、乗車券を自動改札機に投入することなく非接触で自動改札が行える自動改札機が使用されるようになってきている(例えば、特許文献1)。
【0003】
上記の乗車券は、プラスチック製カードに極めて薄い半導体集積回路(ICチップ)及びループコイルアンテナを埋め込み、ループコイルアンテナを用いて非接触でデータの読み書きを行えるように構成された非接触型のICカードである。このような乗車券の種類としては、例えば、SF(Stored Fare)データ等の金額データを有するSFカードタイプ、定期券データを有する定期券タイプ、SFデータ等の金額データと定期券データとを併せ持ったタイプ等がある。
【0004】
この種の自動改札機は、非接触型のICカードを用いた乗車券が自動改札機の本体に設けられているICカードリーダライタに接触され、又はかざされると、乗車券と自動改札機との間で、乗車駅データや、SFデータ等の金額データ等の授受が行われて入出場処理が行われるように構成されている。特に乗車券の出場処理の際には、自動改札機は乗車券から運賃を徴収するために、乗車券の乗車駅データと自動改札機が設置されている駅のデータとを元にして運賃を算出するように構成されている。
【特許文献1】特開2003−223659(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような自動改札機は非常に利便性が高く、運賃の収受を迅速に行えるものであるから、特に一人の乗務員が列車の運転と運賃の収受を行う必要があるワンマン列車等に載置したいという要望があった。
【0006】
しかしながら、この種の自動改札機は、現金を取り扱うように構成されていないため、乗車券の金額データの残高が旅客の運賃以上である場合は問題なく運賃の精算を行うことはできるものの、乗車券の金額データの残高が旅客の運賃未満であるような場合は、別途駅に設置される精算機での精算処理や、入金機での乗車券の残高の積み増し(チャージ)が必要となっていた。
【0007】
そのため、自動改札機をワンマン列車等に設置した際に、旅客の持つ乗車券の残高が運賃未満であった場合は、乗務員が旅客の運賃の精算を行わなければならない。
【0008】
このとき、旅客の乗車区間がワンマン列車の運行する線区であれば、乗務員は運賃を即座に判断できるが、旅客の乗車区間によっては、乗務員が運賃を判断できない場合がある。例えば、旅客が、旅客の持つ定期券の定期区間外の駅で乗車し、定期区間を経由して定期区間外の駅で降車したような場合や、旅客が、旅客の持つ定期券の定期区間外の駅で乗車し、定期区間内の駅で降車するような場合である。
【0009】
前者のように旅客が旅客の持つ定期券の定期区間外の駅で乗車し、定期区間を経由して定期区間外の駅で降車したような場合、乗務員は、乗車駅から定期区間内で乗車駅に最も近い駅まで(第1精算区間)の運賃と、定期区間内で降車駅に最も近い駅から降車駅まで(第2精算区間)の運賃とを算出して運賃の精算を行う、所謂2区間精算を行う必要がある。ここで、前述の第2精算区間の運賃は、ワンマン列車が運行する線区内の駅までの運賃であるから乗務員が即座に判断できるが、前述の第1精算区間の運賃は、ワンマン列車が運行する線区とは別の線区内の駅間の運賃であることが多いため、乗務員が即座に運賃を判断することができないおそれがある。また、後者のように旅客が旅客の持つ定期券の定期区間外の駅で乗車し、定期区間内の駅で降車するような場合においても、前述の第1精算区間の運賃を算出する必要があり、前者と同様に乗務員が即座に運賃を判断することができないおそれがある。
【0010】
このように乗務員が運賃を判断できない場合、乗務員は、例えば無線等で運賃の問い合わせを行う必要があり、このような運賃の問い合わせ作業は、非常に時間がかかるものであるから、旅客の運賃の精算に時間がかかり、結果として、列車の遅延を引き起こすという問題が生じるおそれがあった。
【0011】
このような問題は、駅と同様にワンマン列車内に精算機や入金機を設置すれば解決できるように思えるが、上記の精算機や入金機は、比較的大型な装置であるため、ワンマン列車に載せた際には、もともと狭いワンマン列車内のスペースがさらに狭くなってしまうという別の問題が生じることになる。また、ワンマン列車毎に精算機や入金機を設置するのはコストの面からも負担が大き過ぎるという問題もあった。
【0012】
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、乗務員による運賃の精算を迅速に行える列車用自動改札機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項1の列車用自動改札機の発明では、列車に設置される列車用自動改札機であって、乗車駅データが書き込まれる非接触型のICカードを用いた乗車券とデータの授受を行うICカード処理手段と、列車が停車中の駅を検出する停車駅検出装置から停車駅データを取得する停車駅データ取得手段と、列車用自動改札機が設置される列車が運行する路線を含む鉄道路線の駅間の運賃を有する運賃表データが記憶された記憶手段と、前記乗車駅データが示す乗車駅と前記停車駅データが示す停車駅との組み合わせに対応する運賃を前記運賃表データから取得して乗車駅から停車駅までの運賃を算出する旅客運賃算出手段と、前記旅客運賃算出手段により算出された運賃を用いて乗車券の精算処理を行う運賃精算手段とを備えるとともに、任意の乗車駅及び任意の降車駅をそれぞれ入力可能な乗降駅入力手段と、該乗降駅入力手段でそれぞれ入力された乗車駅と降車駅との組み合わせに対応する運賃を前記運賃表データから取得して乗車駅から降車駅までの運賃を算出する任意運賃算出手段と、該任意運賃算出手段により算出された運賃を表示する運賃表示手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項2の列車用自動改札機の発明では、請求項1の構成に加えて、前記運賃精算手段は、前記旅客運賃算出手段により算出された運賃と乗車券のデータとを用いて運賃の充不足を判断し、運賃が不足している際には不足運賃を算出するように構成され、前記運賃表示手段は、前記運賃精算手段で算出された不足運賃を表示するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の列車用自動改札機の発明は、乗降駅入力手段で任意の乗車駅と任意の降車駅を入力するだけの簡単な作業で、任意の乗車駅から任意の降車駅までの運賃を運賃表示手段に表示させることができるので、乗務員が旅客の運賃の精算を行う際に乗務員が精算の必要がある乗車区間の運賃を知識として有していない場合でも、乗務員が無線等で運賃を問い合わせる必要がなくなって、乗務員による運賃の精算を迅速に行えるようになるという効果を奏する。
【0016】
請求項2の列車用自動改札機の発明は、旅客の持つ乗車券の運賃が不足している際には、運賃の不足額(不足運賃)が運賃表示手段に表示されるようになっているので、乗務員が旅客の運賃の精算を行う際に、運賃表示手段の表示を見ることで乗務員が旅客に不足運賃の通知を迅速に行えるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の列車用自動改札機(以下、単に「自動改札機」と称する)1は、例えば、列車に車掌が乗務せず運転士(以下、「乗務員」と称する)一人だけが乗務して運転する所謂ワンマン列車(図示せず)に設置されるものであって、本実施形態では、降車時に乗車券の改札を行う出場用の自動改札機として用いられている。
【0018】
自動改札機1が設置されるワンマン列車は、例えば、図2(a)に示す鉄道路線図のB線区を運行するものである。ここで、図2(a)に示す鉄道路線図は、駅A1,A2,A3,A4,A5,A7,A9を有するA線区と、駅A4,A6,A8,A10を有する上記のB線区とを示しており、A線区の駅A4でA線区とB線区とが相互に乗り換え可能となっており、駅A1〜A10には、それぞれ駅番号1〜10が付されている。尚、図2(a)に示す鉄道路線図は、説明の簡略化のために、ワンマン列車が運行する鉄道路線を含む鉄道路線の一部のみを図示しているものであり、実際にはA線区と乗り換えや連絡が可能な鉄道路線等の線区を有している。
【0019】
このようなワンマン列車は、図1に示すように、自動改札機1の他に、乗車時に乗車券の改札を行う入場用の自動改札機2と、停車時に停車駅の整理番号が印刷された整理券を発行する整理券発行機3と、現金による運賃の収受を行う運賃収受装置4と、整理番号用の運賃が記載された旅客用運賃表示装置5と、停車駅検出装置6と、制御装置7とを備えている。
【0020】
自動改札機1は、ワンマン列車内において降車口近傍に設置される本体1aを備え、本体1aには、図1に示すように、非接触型のICカードを用いた乗車券(以下、単に「乗車券」と称する)とデータの授受を行うICカード処理手段10と、運賃表データとして運賃三角表データが記憶された記憶手段11と、演算処理手段12と、ブザーやスピーカ等の電気音響変換装置である報知手段13とが設けられている。また、自動改札機1は、本体1aとは別体の乗務員用運賃表示手段14及び乗降駅入力手段15とを有しており、これらは運賃収受装置4と、旅客用運賃表示装置5と、制御装置7とを介して自動改札機1の本体1aに接続されている。
【0021】
尚、上記の乗車券は、プラスチック製カードに極めて薄い半導体集積回路(ICチップ)及びループコイルアンテナを埋め込み、ループコイルアンテナを用いて非接触でデータの読み書きを行えるように構成された非接触型のICカードである。このような乗車券の種類としては、例えば、SF(Stored Fare)データ等の金額データを有するSFカードタイプ、定期券データを有する定期券タイプ、SFデータ等の金額データと定期券データとを併せ持ったタイプ等がある。また尚、上記の乗車券としては、携帯電話機に半導体集積回路及びループコイルアンテナを設けたものを用いることも可能である。
【0022】
ICカード処理手段10は、乗車券と通信を行うためのループコイルアンテナ(図示せず)と、該ループコイルアンテナを通じて乗車券とデータの読み書きを行うICカードリーダライタとを有している。尚、このようなICカード処理手段10の構成は従来周知のものであるから説明を省略する。
【0023】
記憶手段11は、運賃三角表データ等が記憶される大容量メモリ(図示せず)と、大容量メモリの運賃三角表データから運賃データを取得する運賃データ取得部(図示せず)と、運賃データ取得部が取得した運賃データが一時的に記憶される高速メモリ(図示せず)とを有している。
【0024】
大容量メモリは、HDD等の記憶容量が大きい記憶装置であって、例えば運賃表データとして運賃三角表データが記憶されている。さらに大容量メモリには、上記の運賃三角表データの他に、距離三角表データや、経路判定プログラム等が記憶されており、これらは、乗車駅から降車駅までの経路が複数存在する場合に、最も運賃が安くなる経路を選択するために用いられる。尚、距離三角表データや経路判定プログラム等は、既存のものを用いることができるから、本実施形態では説明を省略する。
【0025】
上記大容量メモリに記憶されている運賃三角表データは、図2(b)に示すような運賃三角表を元に作成されている。図2(b)に示す運賃三角表は、2つの駅の組み合わせに対して該2駅間の運賃データを有しているものであって、具体的には縦に並べられた駅A1〜A10の各駅番号1〜10と横に並べられた駅A1〜A10の各駅番号1〜10との各交点に、縦の駅番号が示す駅と横の駅番号が示す駅との間の運賃が記載されている。ここで、運賃は駅の組み合わせによって決定されるものであるから、例えば縦の駅番号が1、横の駅番号が5の場合の運賃と、縦の駅番号が5、横の駅番号が1の場合の運賃とは同じ額となる。そのため、運賃三角表は、重複する記載を省いたものとなっている。
【0026】
このような運賃三角表データは、例えば配列D(l,m)(但し、l<m)として記憶手段11の大容量メモリに記憶されている。ここで、l,mはそれぞれ駅番号に対応するパラメータであり、例えば駅番号1の駅A1と駅番号5の駅A5との間の運賃は、D(1,5)の値として入力されている。
【0027】
上記運賃データ取得部は、CPU等であり、停車駅データ取得手段12aで得た停車駅データに関係する運賃データを、大容量メモリに記憶された運賃三角表データから取得して展開表データを生成して、高速メモリに記憶させるように構成されている。
【0028】
例えば、停車駅データ取得部12aより得た停車駅データが示す停車駅の駅番号がpである場合、停車駅データに関係する運賃データ、すなわち駅番号pに関係する運賃データ(D(l,m)のうちl又はmが、pである運賃データ)を運賃三角表データから取得し、展開表データとして、行番号がp(停車駅の駅番号に対応するパラメータ)、列番号がq(乗車駅の駅番号に対応するパラメータ)であるような配列M(p,q)(ただしp≠q)を作成して、高速メモリに記憶させる。ここで、M(p,q)の値は、p<qならばM(p,q)=D(p,q)であり、p>qならばM(p,q)=D(q,p)である。
【0029】
具体例を示すと、停車駅データ取得部12aより得た停車駅データが示す停車駅が駅A3である場合、駅A3に関係する運賃データとして、運賃三角表データ(D(l,m))からD(1,3)、D(2,3)、D(3,4)、D(3,5)、D(3,6)、D(3,7)、D(3,8)、D(3,9)、D(3,10)を取り出してM(3,q)を作成し、高速メモリに記憶させる(qは3を除く1〜10までの整数)。このときM(3,q)の値は、q>3ならばM(3,q)=D(3,q)であり、q<3ならばM(3,q)=D(q,3)である。
【0030】
上記高速メモリは、運賃データ取得部が大容量メモリに記憶されている運賃三角表データ(D(l,m))から取得した運賃データを下に生成した展開表データ(上記のM(p,q))が書き込まれるものである。この高速メモリには、大容量メモリよりも高速アクセスが可能なメモリが用いられており、これにより大容量メモリから運賃データを取り出す場合に比べて運賃データを迅速に取り出せるようになっている。
【0031】
演算処理部12は、例えばCPU等を用いて構成されており、停車駅データを取得する停車駅データ取得手段12aと、入出場制御手段12bと、旅客運賃算出手段12cと、任意運賃算出手段12dと、運賃精算手段12eとをソフトウェア等により実現している。
【0032】
停車駅データ取得手段12aは、旅客用運賃表示装置5及び運賃収受装置4を介して制御装置7と通信することにより、停車駅検出装置6から制御装置7に伝送された停車駅データを、制御装置7から取得するためのものであり、制御装置7より停車駅データを得た際には、記憶手段11、及び入出場制御手段12bに停車駅データを伝送するように構成されている。
【0033】
入出場制御手段12bは、ICカード処理手段10及び報知手段13を制御して、後述する入場用(乗車用)又は出場用(降車用)の動作を行うように構成されている。
【0034】
まず、前述の入場用の動作について説明する。入場用の動作では、ICカード処理手段10に乗車券がかざされた際に、乗車券が有効なものであるかどうか(例えば、乗車券が正規のものであるどうかや、乗車券の前回乗車時の精算処理が終了しているかどうか等)を判定する。その結果、乗車券が有効なものであるならば、停車駅データ取得手段12aで取得した停車駅データを乗車駅データとして乗車券に書き込み、乗車券が無効なものであるならば、報知手段13により使用できない旨を報知する。
【0035】
次に、前述の出場用の動作について説明する。出場用の動作では、ICカード処理手段10に乗車券がかざされた際に、乗車券が有効なものであるかどうか(例えば、乗車券が正規のものであるどうか、乗車駅データが書き込まれているかどうか等)を判定する。その結果、乗車券が有効なものであるならば、入出場制御手段12bは、旅客運賃算出手段12cに旅客運賃算出開始信号を出力して旅客が支払うべき運賃の算出を行わせるとともに、精算開始信号を運賃精算手段12eに出力して、運賃の精算を開始させる。
【0036】
そして、運賃精算手段12eより後述する精算終了信号を受け取った際には、乗車券に停車駅データ取得手段12aで取得した停車駅データを降車駅データとして書き込んで出場を許可し、運賃精算手段12eより後述する運賃不足信号を受け取った際には、上記の報知手段13により運賃が不足している旨を報知する。
【0037】
一方、乗車券が無効なものであるならば、報知手段13により使用できない旨を報知するとともに、出場拒否信号を乗務員用運賃表示手段14に出力する。この出場拒否信号には、乗車券が無効である要因に関するデータ(例えば、乗車券が正規のものではないことを示すデータや、乗車駅データが書き込まれていないことを示すデータ等)を持たせている。
【0038】
以上述べた入出場制御手段12bは、本実施形態の自動改札機1が出場用の自動改札機として用いられているために、前述の出場用の動作を行うように設定されている。
【0039】
旅客運賃算出手段12cは、停車駅データ取得手段12aで取得した停車駅データを降車駅データとして用い、該降車駅データを示す降車駅と、入出場制御手段12bから送られてきた乗車駅データが示す乗車駅とを元にして旅客が支払うべき運賃を算出するためのものであり、入出場制御手段12bから旅客運賃算出開始信号を受け取った際に動作を開始するように構成されている。
【0040】
この旅客運賃算出手段12cでは、旅客の乗車区間、定期券データの有無によって運賃の算出方法が異なっており、以下に旅客運賃算出手段12cにおける運賃の算出方法について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0041】
旅客運賃算出手段12cは、入出場制御手段12bより旅客運賃算出開始信号を受け取ると、まず、ステップS1において、入出場制御手段12bから乗車券の乗車駅データ(定期券データがあれば定期券データも)を取得し、ステップS2において、定期券データの有無、又は定期券データがある際には定期券データの期限が有効であるか否かが判断され、有効な定期券データがなければ、ステップS3へ進み、有効な定期券データがあれば、ステップS4へ進む。
【0042】
ステップS3では、乗車駅データが示す乗車駅と、降車駅データが示す降車駅との組み合わせに対応する運賃を運賃三角表データから取得して、乗車駅から降車駅までの運賃F1を算出する。この場合、運賃の算出は高速メモリに記憶されたM(p,q)を用いて行われる。例えば、乗車駅が駅A2(駅番号2)、降車駅が駅A5(駅番号5)の場合であり、このとき運賃F1としてM(5,2)(=D(2,5))の値を得る。
【0043】
ステップS4では、定期券データの定期区間と乗車区間とで重複する区間があるか否かが判断され、定期区間と乗車区間とで重複する区間がある場合はステップS5へ進み、含まれない場合はステップS9へ進む。
【0044】
ステップS5では、乗車駅データが示す乗車駅が、定期券データの定期区間内の駅か否かが判断され、乗車駅が定期区間内の駅に含まれる場合はステップS6へ進み、含まれない場合はステップS9へ進む。
【0045】
ステップS6では、降車駅データが示す降車駅が、定期券データの定期区間内の駅か否かが判断され、降車駅が定期区間内の駅に含まれる場合はステップS7へ進み、含まれない場合はステップS8へ進む。
【0046】
ステップS7では、旅客の乗車区間が定期券データの定期区間内であると判断され(例えば、乗車区間が駅A3〜駅A4で、定期区間が駅A2〜駅A5であるような場合)、この場合、精算が不要であることを示す精算不要信号を運賃精算手段12eに出力して処理を終了する。
【0047】
ステップS8では、旅客が定期区間内の駅で乗車し、定期区間外の駅で降車したと判断され、定期区間内で降車駅に最も近い駅から降車駅までの運賃F2を算出する。この場合、運賃の算出はM(p,q)を用いて行われる。例えば、旅客の乗車駅が駅A3(駅番号3)、降車駅が駅A9(駅番号9)、定期区間が駅A2(駅番号2)〜駅A4(駅番号4)の場合であり、このとき定期区間内で駅A9に最も近い駅A4から駅A9までの運賃、すなわちM(9,4)(=D(4,9))の値を得る。そして、算出した運賃データを運賃精算手段12eに出力して処理を終了する。
【0048】
ステップS9では、ステップS6と同様に、降車駅データが示す降車駅が、定期券データの定期区間内の駅か否かが判断され、降車駅が定期区間内の駅に含まれる場合はステップS10へ進み、含まれない場合はステップS11へ進む。
【0049】
ステップS10では、旅客が定期区間外の駅で乗車し、定期区間内の駅で降車したと判断され、乗車駅から定期区間内で乗車駅に最も近い駅までの運賃F3を算出する。この場合、運賃の算出は大容量メモリに記憶されている配列D(l,m)のlに乗車駅データが示す乗車駅の駅番号を、mに定期区間内で乗車駅に最も近い駅の駅番号をそれぞれ入力することによって行われる。
【0050】
このとき、乗車駅の駅番号が、定期区間内で乗車駅に最も近い駅の駅番号よりも大きいと、l<mという条件に反するのでD(l,m)の値を得ることができない。そのため、乗車駅の駅番号が、定期区間内で乗車駅に最も近い駅の駅番号よりも大きいときには、両者の駅番号を入れ替えるようにしている。すなわち、D(l,m)のlに、定期区間内で乗車駅に最も近い駅の駅番号を入力し、mに乗車駅の駅番号を入力するようにしている。
【0051】
上記のステップS10において、運賃F3を算出する場合としては、例えば、旅客の乗車駅が駅A10(駅番号10)、降車駅が駅A1(駅番号1)、定期区間が駅A1(駅番号1)〜駅A5(駅番号5)の場合であり、このとき、駅A10から定期区間内で駅A10に最も近い駅A4(駅番号4)までの運賃を得るのであるが、乗車駅の駅番号が、定期区間内で乗車駅に最も近い駅の駅番号よりも大きいため、両者の駅番号を入れ替えて、D(4,10)の値を得る。そして、算出した運賃データを運賃精算手段12eに出力して処理を終了する。
【0052】
ステップS11では、旅客の乗車区間と定期区間とで重複する区間があるものの、乗車駅と降車駅とが定期区間内の駅ではないと判断され、定期区間内で降車駅に最も近い駅から降車駅までの運賃F2と乗車駅から定期区間内で乗車駅に最も近い駅までの運賃F3との合計値F4を算出する。例えば、旅客の乗車駅が駅A1(駅番号1)、降車駅が駅A10(駅番号10)、定期区間が駅A2(駅番号2)〜駅A4(駅番号4)の場合である。この場合、ステップS8と同様にして、定期区間内で駅A10に最も近い駅A4(駅番号4)から駅A10までの運賃F2、すなわちM(10,4)(=D(4,10))の値を得る。また、ステップS10と同様にして、駅A1(駅番号1)から定期区間内で駅A1に最も近い駅A2(駅番号2)までの運賃F3、すなわちD(1,2)の値を得る。そして、算出した運賃F2と運賃F3の合計値F4を求め、ステップS12へ進む。
【0053】
ステップS12では、ステップS3と同様にして乗車駅から降車駅までの運賃F1を算出する。この場合、ステップS11と同様に、乗車駅が駅A1(駅番号1)、降車駅が駅A10(駅番号10)であり、M(10,1)(=D(1,10))の値を運賃F1として得る。そして、運賃F1を算出した後に、ステップS13へ進む。
【0054】
ステップS13では、ステップS11で求めた運賃F4と、ステップS12で求めた運賃F1との大小を比較し、小さいほう(すなわち運賃が安いほう)を運賃として運賃精算手段12eへ出力して処理を終了する。
【0055】
旅客運賃算出手段12cでは、以上述べたようにして旅客が支払うべき運賃の算出が行われるようになっているのである。
【0056】
任意運賃算出手段12dは、乗降駅入力手段15から後述する任意運賃算出開始信号を受け取った際に動作を開始し、乗降駅入力手段15で入力された乗車駅データと降車駅データとの組み合わせに対応する運賃データを、記憶手段11の大容量メモリに記憶された運賃三角表データより取得することにより、乗車駅から降車駅までの運賃を算出する。
【0057】
具体的には、大容量メモリに記憶されている配列D(l,m)のlに乗降駅入力手段15で入力された乗車駅データが示す乗車駅の駅番号を、mに乗降駅入力手段15で入力された降車駅データが示す降車駅データの駅番号をそれぞれ入力することによって行われる。
【0058】
このとき、乗車駅の駅番号が降車駅の駅番号よりも大きいと、l<mに反するのでD(l,m)の値を得ることができないため、乗車駅の駅番号が降車駅の駅番号よりも大きい場合には、乗車駅の駅番号と降車駅の駅番号とを入れ替えるようにしている。すなわち、D(l,m)のlに降車駅の駅番号を入力し、mに乗車駅の駅番号を入力するようにしている。
【0059】
また、任意運賃算出手段12dは、乗降駅入力手段15で入力された乗車駅から降車駅までの運賃を算出した後には、算出した運賃及び乗降駅入力手段15で入力された乗車駅及び降車駅のデータを含む任意運賃表示信号を乗務員用運賃表示手段14に出力するように構成されている。
【0060】
運賃精算手段12eは、乗車券の精算処理を行うものである。この運賃精算手段12eは、入出場制御手段12bから精算開始信号を受け取った際に動作を開始し、旅客運賃算出手段12cにより算出された運賃と、入出場制御手段12bより取得した乗車券の金額データの残高(すなわち乗車券の運賃)とを用いて運賃の充不足を判断するように構成されている。
【0061】
そして、運賃精算手段12eは、上記の判断の結果、乗車券の金額データの残高が旅客運賃算出手段12cにより算出された運賃以上である際には(すなわち運賃が充足している際には)、乗車券の金額データの残高から旅客運賃算出手段12cにより算出された運賃を減算し、この処理終了後に精算終了信号を入出場制御手段12bに出力するように構成されている。
【0062】
また、運賃精算手段12eは、上記の判断の結果、旅客運賃算出手段12cにより算出された運賃が、乗車券の金額データの残高を超過している際には(すなわち運賃が不足している際には)、旅客運賃算出手段12cにより算出された運賃から乗車券の金額データの残高を減算した値を不足運賃として算出して、算出した不足運賃のデータを含む不足運賃表示信号を乗務員用運賃表示手段14に出力するように構成されている。
【0063】
さらに、旅客運賃算出手段12cから精算不要信号を受け取った際には、入出場制御手段12bに精算終了信号を出力するように構成されている。
【0064】
乗務員用運賃表示手段14は、液晶ディスプレイ(LCD)等を有する画像表示装置であり、ワンマン列車内において運転席の近傍に設置されている。この乗務員用運賃表示手段14は、任意運賃算出部12dから任意運賃表示信号を受け取った際には、該任意運賃表示信号に含まれるデータ(任意運賃算出手段12dで算出した運賃と、乗降駅入力手段15で入力された乗車駅及び降車駅のデータ)を用いて、乗降駅入力手段15で入力された乗車駅及び降車駅と、任意運賃算出手段12dで算出した運賃とを表示するように構成されている。そのため、乗務員用運賃表示手段14を見ることによって乗務員が、乗降駅入力手段15で入力した乗車駅から降車駅までの運賃を知ることができる。
【0065】
また、乗務員用運賃表示手段14は、運賃精算手段12eから不足運賃表示信号を受け取った際には、該不足運賃表示信号に含まれる不足運賃のデータを用いて、運賃精算手段12eで算出した不足運賃を表示するように構成されている。このとき、乗務員用運賃表示手段14は、不足運賃を表示するとともに、表示している運賃が不足運賃である旨の表示も行うように構成されている。さらに、乗務員表運賃表示手段14は、入出場制御手段12bより上述した出場拒否信号を受け取った際には、該出場拒否信号に含まれるデータ(例えば、乗車券が正規のものではないことを示すデータや、乗車駅データが書き込まれていないことを示すデータ等)を用いて、出場を拒否する理由(例えば、「未入場」等)を表示するように構成されている。そのため、自動改札機1により旅客の出場が拒否された際には、乗務員は、乗務員用運賃収受手段14を見ることによって、旅客にどのような対応をすべきかを直ちに判断することができる。
【0066】
乗降駅入力手段15は、駅名(乗車駅名、降車駅名)を入力するための入力キー(図示せず)や、入力した乗車駅から降車駅までの運賃の算出を開始させるための開始キー(図示せず)等を有するキーボード等のインターフェースである。この乗降駅入力装置15は、開始キーが操作された際に、入力された乗車駅に対応する乗車駅データ及び降車駅に対応する降車駅データを自動改札機1の演算処理手段12の任意運賃算出手段12dに出力するように構成されている。尚、乗降駅入力装置15としてタッチパネルを用いて、乗降駅入力装置15と乗務員用運賃表示装置14と一体に構成するようにしてもよい。
【0067】
以上により本実施形態の自動改札機1は構成されており、この自動改札機1は上述したようにワンマン列車に出場用の自動改札機として設置される。
【0068】
自動改札機2は、ワンマン列車に入場用の自動改札機として設置されるものであって、自動改札機1と同様のICカード処理手段(図示せず)と、記憶手段(図示せず)と、演算処理手段(図示せず)と、報知手段(図示せず)とを有しているが、演算処理手段12の入出場制御手段12bが入場用の動作を行うように設定されている点で、上記の自動改札機1と異なっている。尚、入場用の動作については上述したとおりであるから、説明を省略する。
【0069】
整理券発行機3は、停車駅検出装置6で検出した駅の整理番号(ワンマン列車が運行する路線の駅に付された整理番号)を、紙製の整理券の表面に印刷して、発行するものである。運賃収受装置4は、運賃の精算を行うためのものであり、現金や整理券を投入するための運賃投入口(図示せず)や、投入された現金と運賃との差額を返却するための返却口(図示せず)等を有している。旅客用運賃表示装置5は、整理券に印刷される各駅の整理番号の組み合わせに対応する運賃が記載されているものであって、旅客が自分の所持している整理券に印刷された整理番号と、目的駅の整理番号とを参照して、支払うべき運賃を検索するのに用いられる。尚、このような整理券発行機3、運賃収受装置4、及び旅客用運賃表示装置5の構成は従来からワンマン列車に用いられているものを用いているから、詳細な説明は省略する。
【0070】
停車駅検出装置6は、ワンマン列車に設置されてワンマン列車が停車している駅を検出するためのものであり、例えば、ワンマン列車の運転方向を検出する運転方向センサや、ワンマン列車の乗車扉の開閉を検出する扉開閉センサ、一定速度検出センサ、さらにはパルス数をカウントすることで進行距離を算出できる速度発電機等を用いて停車駅を検出するように構成されている。
【0071】
尚、停車駅の検出方法としては、上記の例に限られるものではなく、駅に近づいた際に、駅と通信することで、停車駅がどの駅であるかを取得するようなものであってもよい。
【0072】
制御装置7は、例えば、マイコン等であって、乗務員の手動操作により制御装置7の各種制御機能を動作させるための操作入力装置(図示せず)を有しており、ワンマン列車内において乗務員が運転席に座ったまま操作できる場所に設けられている。
【0073】
また、制御装置7には、旅客用運賃表示装置5と、運賃収受装置4と、自動改札機1と、自動改札機2と、整理券発行機3とがデイジーチェーン接続されるとともに、乗務員用運賃表示手段14と、乗降駅入力手段15と、停車駅検出装置6とが接続されており、これらと通信可能となっており操作入力装置の入力に応じて、自動改札機1、自動改札機2、整理券発行機3、運賃収受装置4、旅客用運賃表示装置5、及び停車駅検出装置6の動作を遠隔制御できるように構成されている。尚、これらの接続方法としてはデイジーチェーンに限られるものではない。
【0074】
さらに、制御装置7は、停車駅検出装置6より停車駅データを取得して、自動改札機1、自動改札機2、整理券発行機3、運賃収受装置4、及び旅客用運賃表示装置5に出力するように構成されている。加えて、制御装置7は、乗務員の手動操作により自動改札機1を制御して、入出場制御装置12bに精算終了信号を出力したり、乗車券の乗車駅データをリセットしたりすることができるように構成されており、これにより乗務員が旅客より現金で運賃を徴収した際に、乗車券の出場処理を行えるようになっている。
【0075】
以上述べたように、本実施形態の自動改札機1は、自動改札機2と、整理券発行機3と、運賃収受装置4と、旅客用運賃表示装置5と、停車駅検出装置6と、操作装置7とともにワンマン列車に設置されており、以下に、任意の駅間の運賃を算出する際の動作について図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0076】
まず、ステップS20では、乗降駅入力手段15の入力キーを用いて乗車駅と降車駅とを入力する。そして、ステップS20で入力した内容で運賃(乗車駅から降車駅までの運賃)の算出を開始する場合には、乗降駅入力手段15の開始キーを操作する。尚、開始キーが操作されるまでは、ステップS21においてループするようになっているため、乗車駅や降車駅を修正する場合には、開始キーを押さずに再度入力キーを操作すればよい。
【0077】
開始キーが操作されるとステップS22に進み、ステップS22では、乗降駅入力手段15に入力された乗車駅及び降車駅にそれぞれ対応する乗車駅データ及び降車駅データが、任意運賃算出開始信号とともに任意運賃算出手段12dに出力され、ステップS23へ進む。そして、ステップS23では、任意運賃算出手段12dにより、乗車駅データが示す乗車駅と、降車駅データが示す降車駅との組み合わせに対応する運賃を上述した方法にて運賃三角表データから取得して、乗車駅から降車駅までの運賃を算出する作業が行われる。例えば、乗車駅が駅A2(駅番号2)、降車駅が駅A4(駅番号4)である場合は、D(2,4)の値を運賃として得る。そして、運賃を算出した後には、任意運賃算出手段12dは、算出した運賃のデータ及び乗車駅及び降車駅のデータを含む任意運賃表示信号を乗務員用運賃表示手段14に出力する。
【0078】
ステップS24では、任意運賃表示信号を受け取った乗務員用運賃表示手段14によって、乗降駅入力手段15で入力された乗車駅名及び降車駅名と、任意運賃算出手段12dで算出された運賃とが表示され、処理が終了される。
【0079】
以上述べたように本実施形態の自動改札機1によれば、乗降駅入力手段15により任意の乗車駅と任意の降車駅とを入力するだけの簡単な作業で、任意の乗車駅から任意の降車駅までの運賃を乗務員用運賃表示手段14に表示させることができるので、乗務員が旅客の運賃の精算を行う際に、乗務員が精算の必要のある乗車区間の運賃を知識として有していない場合であっても、乗務員が無線等で運賃の問い合わせを行わなくて済み、これにより乗務員による運賃の精算を迅速に行えるようになるという効果を奏する。また、無線等で運賃の問い合わせを行わなくて済むことによって、乗務員の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0080】
加えて、旅客の持つ乗車券の運賃が不足している際には、運賃の不足額(不足運賃)が乗務員用運賃表示手段14に表示されるようになっているので、乗務員が旅客の運賃の精算を行う際に、乗務員用運賃表示手段14の表示を見ることで乗務員が旅客に不足運賃の通知を迅速に行え、これにより乗務員による運賃の精算を迅速に行えるようになるという効果を奏する。
【0081】
また、入出上制御手段12bにより旅客の出場が拒否された際には、旅客の出場を拒否する理由(例えば、「未入場」等)が乗務員用運賃表示手段14に表示されるようになっているので、乗務員は、乗務員用運賃収受手段14を見ることで旅客にどのような対応をすべきかを直ちに判断することができるという効果を奏する。
【0082】
尚、上記の例では、任意の駅間の運賃を算出する際に、単純に乗車駅から降車駅までの運賃を算出するように構成されているが、乗車駅と降車駅とを入力する際に、あわせて定期区間を入力することで、図3に示すフローチャートの如く、定期区間を考慮した運賃の算出を行えるようにしてもよい。また尚、上記の例では、自動改札機1をワンマン列車に設置した例を示しているが、ツーマン(ツーメン)列車に設置するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の自動改札機のブロック図である。
【図2】(a)は、本発明の自動改札機が設置される列車の鉄道路線図であり、(b)は、本発明の自動改札機に用いられる運賃三角表の一例である。
【図3】本発明の自動改札機における旅客運賃算出動作のフローチャートである。
【図4】本発明の自動改札機における任意運賃算出動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 自動改札機
10 ICカード処理手段
11 記憶手段
12a 停車駅データ取得手段
12c 旅客運賃算出手段
12d 任意運賃算出手段
12e 運賃清算手段
14 乗務員用運賃表示手段
15 乗降駅入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車に設置される列車用自動改札機であって、乗車駅データが書き込まれる非接触型のICカードを用いた乗車券とデータの授受を行うICカード処理手段と、列車が停車中の駅を検出する停車駅検出装置から停車駅データを取得する停車駅データ取得手段と、列車用自動改札機が設置される列車が運行する路線を含む鉄道路線の駅間の運賃を有する運賃表データが記憶された記憶手段と、前記乗車駅データが示す乗車駅と前記停車駅データが示す停車駅との組み合わせに対応する運賃を前記運賃表データから取得して乗車駅から停車駅までの運賃を算出する旅客運賃算出手段と、前記旅客運賃算出手段により算出された運賃を用いて乗車券の精算処理を行う運賃精算手段とを備えるとともに、任意の乗車駅及び任意の降車駅をそれぞれ入力可能な乗降駅入力手段と、該乗降駅入力手段でそれぞれ入力された乗車駅と降車駅との組み合わせに対応する運賃を前記運賃表データから取得して乗車駅から降車駅までの運賃を算出する任意運賃算出手段と、該任意運賃算出手段により算出された運賃を表示する運賃表示手段とを備えていることを特徴とする列車用自動改札機。
【請求項2】
前記運賃精算手段は、前記旅客運賃算出手段により算出された運賃と乗車券のデータとを用いて運賃の充不足を判断し、運賃が不足している際には不足運賃を算出するように構成され、前記運賃表示手段は、前記運賃精算手段で算出された不足運賃を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の列車用自動改札機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−264899(P2007−264899A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87265(P2006−87265)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(391039173)株式会社ジェイアール西日本テクノス (26)
【Fターム(参考)】