説明

利用者環境復元システムおよび利用者環境復元方法

【課題】共用端末の利用者環境を自動的に削除する。
【解決手段】利用者端末101は、利用者端末101の利用者環境情報を取得し、利用者環境情報テーブル132を生成するOS設定情報取得・記憶手段110、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112およびデータファイル取得・記憶手段113と、利用者環境情報削除の実行を指示するための監視プログラム125と、利用者環境情報を削除するための利用者環境情報削除プログラム126と、管理プログラム124と、利用者環境情報テーブル132とを外部記憶装置102に記憶するプログラム記憶手段114とを有する。共用端末103は、外部記憶装置102が接続されたとき、管理プログラム125を起動する管理プログラム起動手段138を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者端末の利用者環境を共用端末に復元する利用者環境復元システムおよびその利用者環境復元方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、企業のITシステムの高度化が進み、オフィスでのPCの利用が一般的になっている。オフィスでのPCの利用としてはさまざまな形態があるが、たとえば複数の利用者が利用することができる共用端末を提供するものがある。この形態において、従来は、利用者が利用者端末のデータファイルをフラッシュメモリ等の外部記憶装置に記憶し、共用端末に外部記憶装置を接続して利用している。
【0003】
非特許文献1には、PCのデスクトップ、フォルダ、メールソフトの各種情報、ブラウザの履歴、Cookie等をUSBメモリを用いて持ち歩ける技術が開示されている。
【非特許文献1】http://www.finaldata.jp/product/mp1_1.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術においては、利用者端末の環境情報であるOS設定情報、ネットワーク設定情報、アプリケーション設定情報がUSBメモリに保存されていないため、共用端末を利用者端末と同一の環境とするためには、利用者端末と同一の環境設定を手動で行わなければならない。したがって、共用端末の利用終了後も利用者端末の環境設定が存在することになる。
【0005】
このため、共用端末の利用終了時には、手動で行った環境設定を元に戻さなければならならず、手間がかかる。また、環境設定を元に戻すことを忘れると、共用端末から情報が漏洩することもあり、セキュリティ上問題があった。
【0006】
これらの問題を解決するためには、利用者端末の環境情報をダンプして共用端末に合ったOS設定情報、ネットワーク設定情報、アプリケーション設定情報を復元するためのスクリプト(コマンド列)を予め作成するだけでなく、共用端末の利用終了時に復元した環境惰報を削除するためのスクリプトを作成する必要がある。しかしながら、共用端末の環境惰報は一定でないため、汎用的に作成することが困難である。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、共用端末の利用者環境を自動的に削除することが可能な利用者環境復元システムおよび利用者環境復元方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、本発明においては、利用者端末の利用者環境を共用端末に復元する利用者環境復元システムにおいて、上記利用者端末は、上記利用者端末の利用者環境情報を取得し、上記利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成手段と、上記共用端末の状態に応じて利用者環境情報削除の実行を指示するための監視プログラムと、上記利用者環境情報削除の実行の指示があったとき、上記利用者環境情報テーブルに基づいて上記共用端末の上記利用者環境情報を削除するための利用者環境情報削除プログラムと、上記監視プログラムと上記利用者環境情報削除プログラムとを起動するための管理プログラムと、上記利用者環境情報テーブルとを上記外部記憶装置に記憶する記憶手段とを有し、上記共用端末は、上記外部記憶装置が上記共用端末に接続されたとき、上記管理プログラムを起動する管理プログラム起動手段を有することを特徴とする。
【0009】
この場合、上記利用者環境情報は、上記利用者端末のOSを復元するためのOS設定情報、上記利用者端末のネットワークを復元するためのネットワーク設定情報、上記利用者端末のアプリケーションを復元するためのアプリケーション設定情報の少なくとも1つを有することを特徴としてもよい。
【0010】
これらの場合、上記利用者環境情報テーブルは、上記共用端末の環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、上記共用端末の環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、上記共用端末の環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有することを特徴としてもよい。
【0011】
この場合、上記利用者環境情報削除プログラムは、上記復元順序に記憶された情報と、上記管理権限に記憶された情報と、上記依存関係に記憶された情報とに基づいて上記共用端末の上記利用者環境情報を削除するためのプログラムであることを特徴としてもよい。
【0012】
これらの場合、上記状態は、電源断後の起動であるか否かの状態、上記外部記憶装置の接続が切断されたか否かの状態、利用が終了したか否かの状態のいずれかであることを特徴としてもよい。
【0013】
また、利用者端末の利用者環境を共用端末に復元する利用者環境復元システムにおける利用者環境復元方法において、上記利用者端末が、上記利用者端末の利用者環境情報を取得し、上記利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成ステップと、上記利用者端末が、上記共用端末の状態に応じて利用者環境情報削除の実行を指示するための監視プログラムと、上記利用者環境情報削除の実行の指示があったとき、上記利用者環境情報テーブルに基づいて上記共用端末の上記利用者環境情報を削除するための利用者環境情報削除プログラムと、上記監視プログラムと上記利用者環境情報削除プログラムとを起動するための管理プログラムと、上記利用者環境情報テーブルとを上記外部記憶装置に記憶する記憶ステップと、上記共用端末が、上記外部記憶装置が上記共用端末に接続されたとき、上記管理プログラムを起動する管理プログラム起動ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
この場合、上記利用者環境情報は、上記利用者端末のOSを復元するためのOS設定情報、上記利用者端末のネットワークを復元するためのネットワーク設定情報、上記利用者端末のアプリケーションを復元するためのアプリケーション設定情報の少なくとも1つを有することを特徴としてもよい。
【0015】
これらの場合、上記利用者環境情報テーブルは、上記共用端末の環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、上記共用端末の環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、上記共用端末の環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有することを特徴としてもよい。
【0016】
この場合、上記利用者環境情報削除ステップは、上記復元順序に記憶された情報と、上記管理権限に記憶された情報と、上記依存関係に記憶された情報とに基づいて上記共用端末の上記利用者環境情報を削除することを特徴としてもよい。
【0017】
これらの場合、上記状態は、電源断後の起動であるか否かの状態、上記外部記憶装置の接続が切断されたか否かの状態、利用が終了したか否かの状態のいずれかであることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0018】
このような利用者環境復元システム、利用者環境復元方法においては、共用端末の状態に応じて共用端末の利用者環境情報を削除するから、共用端末の利用者環境を自動的に削除することができる。
【0019】
また、利用者環境情報テーブルが、共用端末の環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、共用端末の環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、共用端末の環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有するときには、共用端末の環境を復元する権限を持った利用者のみが、正しい順序で共用端末の環境を適切に削除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
最初に、図1を用いて、利用者環境復元システムの構成について説明する。図1は、本発明に係る利用者環境復元システムの構成図である。図に示すように、この利用者環境復元システムは、利用者端末101、外部記憶装置102、共用端末103を備えている。
【0021】
利用者端末101は、アプリケーション一覧情報取得手段104、アプリケーション選択一覧情報生成手段105、アプリケーション選択一覧情報記憶手段106、データファイル一覧情報取得手段107、データファイル選択一覧情報生成手段108、データファイル選択一覧情報記憶手段109、OS設定情報取得・記憶手段110、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112、データファイル取得・記憶手段113、プログラム取得・記憶手段114、一覧情報記憶部115、利用者環境情報記憶部118、プログラム記憶部123を備えている。
【0022】
外部記憶装置102は、選択一覧情報記憶部128、利用者環境情報テーブル記憶部131、プログラム記憶部133を備えている。共用端末103は、管理プログラム起動手段138、起動ファイル記憶部139、利用者環境情報記憶部141を備えている。
【0023】
利用者端末101、共用端末103は、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)であり、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、ディスプレイ、キーボード、マウス等を有し、特にハードディスクには、ブラウザプログラムが記憶されている。さらに、携帯端末、インターネット接続機能付携帯電話、PDA等も含まれる。
【0024】
外部記憶装置102は、たとえばUSBメモリ、CD、DVD、FD、MO、メモリースティックであり、データを記憶することができる装置であれば、いかなる装置であってもよい。なお、データのセキュリティを強化するため、データを暗号化して書き込み、データを復号化して読み込むことができるものが望ましい。
【0025】
アプリケーション一覧情報取得手段104は、利用者端末101からアプリケーション一覧情報(利用者端末101にインストールされたすべてのアプリケーションの一覧情報)116を取得する。アプリケーション選択一覧情報生成手段105は、利用者がアプリケーション一覧情報取得手段104により取得されたアプリケーション一覧情報116から選択したアプリケーションの一覧情報すなわちアプリケーション選択一覧情報を生成する。アプリケーション選択一覧情報記憶手段106は、アプリケーション選択一覧情報124を外部記憶装置102に記憶する。
【0026】
データファイル一覧情報取得手段107は、利用者端末101からデータファイル一覧情報(利用者端末101に記憶されたデータファイル(フォルダを含む)の一覧情報)117を取得する。データファイル選択一覧情報生成手段108は、利用者がデータファイル一覧情報取得手段107により取得されたデータファイル一覧情報117から選択したデータファイルの一覧情報すなわちデータファイル選択一覧情報を生成する。データファイル選択一覧情報記憶手段109は、データファイル選択一覧情報130を外部記憶装置102に記憶する。
【0027】
OS設定情報取得・記憶手段110は、利用者端末101に記憶されたOS設定情報(OSを復元するための情報:サービス群、環境変数群、起動ファイル群、レジストリ群等)119を取得し、OS設定情報119を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する。
【0028】
ネットワーク設定情報取得・記憶手段111は、利用者端末101に記憶されたネットワーク設定情報(ネットワークを復元するための情報:共用情報、アクセス権限等)120を取得し、ネットワーク設定情報120を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する。
【0029】
アプリケーション設定情報取得・記憶手段112は、アプリケーション選択一覧情報124に基づいて、利用者端末101に記憶されたアプリケーション設定情報(アプリケーションを復元するための情報:設定ファイル、レジストリ、環境変数等)121を取得し、アプリケーション設定情報121を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する。データファイル取得・記憶手段113は、データファイル選択一覧情報130に基づいて、利用者端末101に記憶されたデータファイル122を取得し、データファイル122を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する。
【0030】
プログラム取得・記憶手段114は、利用者端末101に記憶された管理プログラム124、監視プログラム125、利用者環境情報削除プログラム126、利用者環境情報復元プログラム127を取得し、それぞれ管理プログラム134、監視プログラム135、利用者環境情報削除プログラム136、利用者環境情報復元プログラム137として外部記憶装置102に記憶する。また、このプログラム取得・記憶手段114は、OS設定情報取得・記憶手段110、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112およびデータファイル取得・記憶手段113によって生成された利用者環境情報テーブルを外部記憶装置102に記憶させる。
【0031】
一覧情報記憶部115は、少なくともアプリケーション一覧情報116、データファイル一覧情報117を有している。利用者環境情報記憶部118は、少なくともOS設定情報119、ネットワーク設定情報120、アプリケーション設定情報121、データファイル122を有している。
【0032】
プログラム記憶部123は、少なくとも管理プログラム124、監視プログラム125、利用者環境情報削除プログラム126、利用者環境情報復元プログラム127を有している。
【0033】
管理プログラム124、134は、外部記憶装置102に記憶された監視プログラム135と利用者環境情報削除プログラム136とを共用端末103に記憶された起動ファイル140に設定することにより、監視プログラム135と利用者環境情報削除プログラム136とを共用端末103上の常駐プログラム(常に起動されているプログラム)として起動するためのプログラムである。ここで、監視プログラム135と利用者環境情報削除プログラム136とが共用端末103上の常駐プログラムとして起動された場合には、たとえば共用端末103の電源を強制断したときでも、その後電源を投入した段階で自動的に監視プログラム135と利用者環境情報削除プログラム136とが起動されるようになる。また、管理プログラム124、134は、利用者環境情報復元プログラム127も起動する。
【0034】
監視プログラム125、135は、共用端末103の状態(たとえば電源断後の起動であるか否かの状態、外部記憶装置102の接続が切断されたか否かの状態、利用が終了したか否かの状態)に応じて利用者環境情報削除プログラム136に利用者環境情報削除の実行を指示するためのプログラムである。すなわち、この監視プログラム135は、たとえば、共用端末103が電源断後の起動であるとき、共用端末103において外部記憶装置102の接続が切断されたとき、共用端末103の利用が終了したときには、利用者環境情報削除プログラム136に利用者環境情報削除の実行を指示するためのプログラムである。
【0035】
利用者環境情報削除プログラム126、136は、監視プログラム135から利用者環境情報削除の実行の指示があったとき、共用端末103に記憶されたOS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144、データファイル145を削除し、共用端末103に記憶された起動ファイル140を復元するためのプログラムである。なお、利用者環境情報削除プログラム126、136は、通常待機状態であり、監視プログラム135から利用者環境情報削除の実行の指示を待っている。
【0036】
利用者環境情報復元プログラム127、137は、利用者環境情報テーブルに基づいて共用端末103に利用者端末101の利用者環境を復元するためのプログラムである。すなわち、利用者環境情報復元プログラム127、137は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル132から、復元順序、管理権限、依存関係等のデータを取得し、OS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144を復元するための環境設定スクリプト(OS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144を復元するためのコマンド列)を作成するためのプログラムである。また、利用者環境情報復元プログラム127、137は、利用者環境情報テーブル132の情報に基づいて環境設定スクリプトを実行することにより、共用端末103にOS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144を復元し、OS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144を共用端末103に記憶するためのプログラムである。また、利用者環境情報復元プログラム127、137は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル132からデータファイル145を取得し、データファイル145を共用端末103に記憶することにより、共用端末103にデータファイル145を復元する。
【0037】
選択一覧情報記憶部128は、少なくともアプリケーション選択一覧情報129、データファイル選択一覧情報130を有している。利用者環境情報テーブル記憶部131は、少なくとも利用者環境情報テーブル132を有している。
【0038】
ここで、利用者環境情報テーブル132とは、OS設定情報119、ネットワーク設定情報120、アプリケーション設定情報121、データファイル122に関する情報が記憶されたテーブルである。図2は、利用者環境情報テーブルの属性を示す図である。図に示すように、利用者環境情報テーブル132は、少なくとも情報区分(データの区分:OS設定情報、ネットワーク設定情報、アプリケーション設定情報、データファイル等)、グループ名(データにアクセスするアプリケーション名)、情報種別(データの構成形式:ファイル、環境変数、レコード、レジストリ等)、パス名(データにアクセスするための参照アドレス)、データ名、設定名(データ内の参照項目)、データ型(設定値の型:文字列、文字、整数等)、設定値(設定名が持つ値)、復元順序(共用端末103を復元するための順序)、管理権限(情報区分と情報種別に応じて復元するための権限:利用者権限、管理者権限等)、依存関係(他のデータとの依存関係に基づいて復元制約があるか否かの情報)の属性から構成される。
【0039】
プログラム記憶部133は、少なくとも管理プログラム134、監視プログラム135、利用者環境情報削除プログラム136、利用者環境情報復元プログラム137を有している。
【0040】
管理プログラム起動手段138は、外部記憶装置102が共用端末103に接続されたとき、自動的に管理プログラム134を起動する。起動ファイル記憶部139は、少なくとも起動ファイル140を有している。ここで、起動ファイル140とは、共用端末103の起動時に自動的に起動するプログラムを設定するためのファイルである。すなわち、起動ファイル140に設定されたプログラムは、共用端末103の起動時に自動的に起動される。
【0041】
利用者環境情報記憶部141は、少なくともOS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144、データファイル145を有している。
【0042】
ここで、OS設定情報取得・記憶手段110、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112、データファイル取得・記憶手段113は、利用者端末の利用者環境情報を取得し、利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成手段に相当する。また、プログラム取得・記憶手段114は、共用端末の状態に応じて利用者環境情報削除の実行を指示するための監視プログラムと、利用者環境情報削除の実行の指示があったとき、利用者環境情報テーブルに基づいて共用端末の利用者環境情報を削除するための利用者環境情報削除プログラムと、監視プログラムと利用者環境情報削除プログラムとを起動するための管理プログラムと、利用者環境情報テーブルとを外部記憶装置に記憶する記憶手段に相当する。
【0043】
続いて、図3を用いて、利用者端末101のハードウェア構成について説明する。図3は、利用者端末のハードウェア構成を示す図である。図に示すように、この利用者端末101は、CPU302、ROM303、RAM304より構成される制御部301、入力装置305、出力装置306、入出力制御回路307、一覧情報記憶部115、利用者環境情報記憶部118、プログラム記憶部123を備えており、これらの構成要素は相互にシステムバスにより接続されている。
【0044】
制御部301は、利用者端末101を実現するための種々な演算処理を実行する。CPU302は、中央処理装置であり、ROM303に記憶されたメインプログラムや、RAM304等に展開されたプログラム、一時的に記憶されたデータ等に基づき転送や演算処理を実行する。
【0045】
入力装置305は、たとえばキーボードやマウス等のデータ入力デバイスである。この入力装置305により一覧情報記憶部115、利用者環境情報記憶部118、プログラム記憶部123へデータを入力できる。出力装置306は、LCDやCRT等の表示装置やプリンタである。入出力制御回路307は、外部装置との間でデータの入出力を実行するための制御を行う。
【0046】
一覧情報記憶部115は、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。上述のとおり、この一覧情報記憶部115は、少なくともアプリケーション一覧情報116、データファイル一覧情報117を有している。
【0047】
利用者環境情報記憶部118は、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。上述のとおり、この利用者環境情報記憶部118は、少なくともOS設定情報119、ネットワーク設定情報120、アプリケーション設定情報121、データファイル122を有している。
【0048】
プログラム記憶部123は、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。上述のとおり、このプログラム記憶部123は、少なくとも管理プログラム124、監視プログラム125、利用者環境情報削除プログラム126、利用者環境情報復元プログラム127を有している。
【0049】
続いて、図4を用いて、共用端末103のハードウェア構成について説明する。図4は、共用端末のハードウェア構成を示す図である。図に示すように、この共用端末103は、CPU402、ROM403、RAM404より構成される制御部401、入力装置405、出力装置406、入出力制御回路407、起動ファイル記憶部139、利用者環境情報記憶部141を備えており、これらの構成要素は相互にシステムバスにより接続されている。
【0050】
制御部401は、共用端末103を実現するための種々な演算処理を実行する。CPU402は、中央処理装置であり、ROM403に記憶されたメインプログラムや、RAM404等に展開されたプログラム、一時的に記憶されたデータ等に基づき転送や演算処理を実行する。
【0051】
入力装置405は、たとえばキーボードやマウス等のデータ入力デバイスである。この入力装置405により起動ファイル記憶部139、利用者環境情報記憶部141へデータを入力できる。出力装置406は、LCDやCRT等の表示装置やプリンタである。入出力制御回路407は、外部装置との間でデータの入出力を実行するための制御を行う。
【0052】
起動ファイル記憶部139は、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。上述のとおり、この起動ファイル記憶部139は、少なくとも起動ファイル140を有している。
【0053】
利用者環境情報記憶部141は、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。上述のとおり、この利用者環境情報記憶部141は、少なくともOS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144、データファイル145を有している。
【0054】
続いて、図5を用いて、図1に示した利用者環境復元システムの動作すなわち本発明に係る利用者環境復元方法について説明する。図5は、本発明に係る利用者環境復元方法の動作を示すフローチャートである。
【0055】
まず、アプリケーション一覧情報取得手段104は、利用者端末101からアプリケーション一覧情報116を取得する(ステップS501)。つぎに、アプリケーション選択一覧情報生成手段105は、利用者がアプリケーション一覧情報取得手段104により取得されたアプリケーション一覧情報116から選択したアプリケーションの一覧情報すなわちアプリケーション選択一覧情報を生成する(ステップS502)。つぎに、アプリケーション選択一覧情報記憶手段106は、アプリケーション選択一覧情報124を外部記憶装置102に記憶する(ステップS503)。つぎに、データファイル一覧情報取得手段107は、利用者端末101からデータファイル一覧情報117を取得する(ステップS504)。つぎに、データファイル選択一覧情報生成手段108は、利用者がデータファイル一覧情報取得手段107により取得されたデータファイル一覧情報117から選択したデータファイルの一覧情報すなわちデータファイル選択一覧情報を生成する(ステップS505)。つぎに、データファイル選択一覧情報記憶手段109は、データファイル選択一覧情報130を外部記憶装置102に記憶する(ステップS506)。
【0056】
つぎに、OS設定情報取得・記憶手段110は、利用者端末101に記憶されたOS設定情報119を取得し、OS設定情報119を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する(ステップS507)。つぎに、ネットワーク設定情報取得・記憶手段111は、利用者端末101に記憶されたネットワーク設定情報120を取得し、ネットワーク設定情報120を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する(ステップS508)。
【0057】
つぎに、アプリケーション設定情報取得・記憶手段112は、アプリケーション選択一覧情報124に基づいて、利用者端末101に記憶されたアプリケーション設定情報121を取得し、アプリケーション設定情報121を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する(ステップS509)。つぎに、データファイル取得・記憶手段113は、データファイル選択一覧情報130に基づいて、利用者端末101に記憶されたデータファイル122を取得し、データファイル122を利用者環境情報テーブルのデータとして記憶する(ステップS510)。
【0058】
つぎに、プログラム取得・記憶手段114は、利用者端末101に記憶された管理プログラム124、監視プログラム125、利用者環境情報削除プログラム126、利用者環境情報復元プログラム127を取得し、それぞれ管理プログラム134、監視プログラム135、利用者環境情報削除プログラム136、利用者環境情報復元プログラム137として外部記憶装置102に記憶する。また、このプログラム取得・記憶手段114は、利用者環境情報テーブルを外部記憶装置102に記憶させる(ステップS511)。
【0059】
つぎに、管理プログラム起動手段138は、外部記憶装置102が共用端末103に接続されたとき、自動的に管理プログラム134を起動する。つぎに、管理プログラム起動手段138により起動された管理プログラム134は、外部記憶装置102に記憶された監視プログラム135と利用者環境情報削除プログラム136とを共用端末103に記憶された起動ファイル140に設定することにより、監視プログラム135と利用者環境情報削除プログラム136とを共用端末103上の常駐プログラムとして起動する。また、この管理プログラム134は、利用者環境情報復元プログラム127を起動する(ステップS512)。
【0060】
つぎに、管理プログラム134により起動された利用者環境情報復元プログラム137は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル132から、復元順序、管理権限、依存関係等のデータを取得し、OS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144を復元するための環境設定スクリプトを作成する。また、利用者環境情報復元プログラム137は、利用者環境情報テーブル132の情報に基づいて環境設定スクリプトを実行することにより、共用端末103にOS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144を復元し、OS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144を共用端末103に記憶する。また、利用者環境情報復元プログラム137は、外部記憶装置102に記憶された利用者環境情報テーブル132からデータファイル145を取得し、データファイル145を共用端末103に記憶することにより、共用端末103にデータファイル145を復元する(ステップS513)。
【0061】
つぎに、管理プログラム134により起動された監視プログラム135は、共用端末103が電源断後の起動であるか否かの状態、共用端末103において外部記憶装置102の接続が切断されたか否かの状態、共用端末103の利用が終了したか否かの状態に応じて利用者環境情報削除プログラム136に利用者環境情報削除の実行を指示する。すなわち、この監視プログラム135は、共用端末103が電源断後の起動であるとき、共用端末103において外部記憶装置102の接続が切断されたとき、共用端末103の利用が終了したときには、利用者環境情報削除プログラム136に利用者環境情報削除の実行を指示する(ステップS514)。
【0062】
つぎに、管理プログラム134により起動された利用者環境情報削除プログラム136は、監視プログラム135から利用者環境情報削除の実行の指示があったとき(ステップS515)、共用端末103に記憶されたOS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144、データファイル145と、外部記憶装置102に記憶された復元順序、管理権限および依存関係のデータとに基づいて、OS設定情報142、ネットワーク設定情報143、アプリケーション設定情報144、データファイル145を削除し、共用端末103に記憶された起動ファイル140を復元する(ステップS516)。一方、利用者環境情報削除の実行が指示されないときには、再度ステップS514、S515を実行する。
【0063】
ここで、ステップS507〜S510は、利用者端末が、利用者端末の利用者環境情報を取得し、利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成ステップに相当する。また、ステップS511は、利用者端末が、共用端末の状態に応じて利用者環境情報削除の実行を指示するための監視プログラムと、利用者環境情報削除の実行の指示があったとき、利用者環境情報テーブルに基づいて共用端末の利用者環境情報を削除するための利用者環境情報削除プログラムと、監視プログラムと利用者環境情報削除プログラムとを起動するための管理プログラムと、利用者環境情報テーブルとを外部記憶装置に記憶する記憶ステップに相当する。また、ステップS512は、共用端末が、外部記憶装置が共用端末に接続されたとき、管理プログラムを起動する管理プログラム起動ステップに相当する。
【0064】
このような利用者環境復元システム、利用者環境復元方法においては、共用端末103の状態に応じて共用端末103の利用者環境情報を削除するから、共用端末103の利用者環境を自動的に削除することができる。
【0065】
また、利用者環境情報テーブル132が、共用端末103の環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、共用端末103の環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、共用端末103の環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有するときには、共用端末103の環境を復元する権限を持った利用者のみが、正しい順序で共用端末103の環境を適切に削除することができる。
【0066】
すなわち、共用端末103から外部記憶装置102が抜き取られた場合でも、即時に共用端末103の利用者環境情報を元に戻すから、共用端末103に利用者端末101の利用者環境が残らない。また、たとえば共用端末103で強制電源断を行い、共用端末103の再起動後においても、共用端末103の利用者環境情報を元に戻すから、共用端末103から利用者環境情報を複写しようとする不正処理を防止することができる。
【0067】
また、上述した実施の形態においては、監視プログラム125が電源断後の起動であるか否かの状態、上記外部記憶装置102の接続が切断されたか否かの状態、利用が終了したか否かの状態に応じて利用者環境情報削除プログラム136に利用者環境情報削除の実行を指示しているが、これに限らず、監視プログラム125が共用端末103のプロセスを監視し、利用者環境情報にアクセスする不正プロセスをブロックするようにしてもよい。
【0068】
この場合、利用者端末101の利用者環境情報の流出を防止することができる。
【0069】
また、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る利用者環境復元システムの構成図である。
【図2】利用者環境情報テーブルの属性を示す図である。
【図3】利用者端末のハードウェア構成を示す図である。
【図4】共用端末のハードウェア構成を示す図である。
【図5】本発明に係る利用者環境復元方法の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
101…利用者端末
102…外部記憶装置
103…共用端末
114…プログラム取得・記憶手段
119…OS設定情報
120…ネットワーク設定情報
121…アプリケーション設定情報
122…データファイル
124…管理プログラム
125…監視プログラム
126…利用者環境情報削除プログラム
132…利用者環境情報テーブル
138…管理プログラム起動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末の利用者環境を共用端末に復元する利用者環境復元システムにおいて、
上記利用者端末は、
上記利用者端末の利用者環境情報を取得し、上記利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成手段と、
上記共用端末の状態に応じて利用者環境情報削除の実行を指示するための監視プログラムと、上記利用者環境情報削除の実行の指示があったとき、上記利用者環境情報テーブルに基づいて上記共用端末の上記利用者環境情報を削除するための利用者環境情報削除プログラムと、上記監視プログラムと上記利用者環境情報削除プログラムとを起動するための管理プログラムと、上記利用者環境情報テーブルとを上記外部記憶装置に記憶する記憶手段とを有し、
上記共用端末は、
上記外部記憶装置が上記共用端末に接続されたとき、上記管理プログラムを起動する管理プログラム起動手段を有する
ことを特徴とする利用者環境復元システム。
【請求項2】
上記利用者環境情報は、
上記利用者端末のOSを復元するためのOS設定情報、上記利用者端末のネットワークを復元するためのネットワーク設定情報、上記利用者端末のアプリケーションを復元するためのアプリケーション設定情報の少なくとも1つを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の利用者環境復元システム。
【請求項3】
上記利用者環境情報テーブルは、
上記共用端末の環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、上記共用端末の環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、上記共用端末の環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の利用者環境復元システム。
【請求項4】
上記利用者環境情報削除プログラムは、
上記復元順序に記憶された情報と、上記管理権限に記憶された情報と、上記依存関係に記憶された情報とに基づいて上記共用端末の上記利用者環境情報を削除するためのプログラムである
ことを特徴とする請求項3に記載の利用者環境復元システム。
【請求項5】
上記状態は、電源断後の起動であるか否かの状態、上記外部記憶装置の接続が切断されたか否かの状態、利用が終了したか否かの状態のいずれかである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の利用者環境復元システム。
【請求項6】
利用者端末の利用者環境を共用端末に復元する利用者環境復元システムにおける利用者環境復元方法において、
上記利用者端末が、上記利用者端末の利用者環境情報を取得し、上記利用者環境情報に基づいて利用者環境情報テーブルを生成する情報テーブル生成ステップと、
上記利用者端末が、上記共用端末の状態に応じて利用者環境情報削除の実行を指示するための監視プログラムと、上記利用者環境情報削除の実行の指示があったとき、上記利用者環境情報テーブルに基づいて上記共用端末の上記利用者環境情報を削除するための利用者環境情報削除プログラムと、上記監視プログラムと上記利用者環境情報削除プログラムとを起動するための管理プログラムと、上記利用者環境情報テーブルとを上記外部記憶装置に記憶する記憶ステップと、
上記共用端末が、上記外部記憶装置が上記共用端末に接続されたとき、上記管理プログラムを起動する管理プログラム起動ステップとを有する
ことを特徴とする利用者環境復元方法。
【請求項7】
上記利用者環境情報は、
上記利用者端末のOSを復元するためのOS設定情報、上記利用者端末のネットワークを復元するためのネットワーク設定情報、上記利用者端末のアプリケーションを復元するためのアプリケーション設定情報の少なくとも1つを有する
ことを特徴とする請求項6に記載の利用者環境復元方法。
【請求項8】
上記利用者環境情報テーブルは、
上記共用端末の環境を復元する順序に関する属性である復元順序と、上記共用端末の環境を復元する権限に関する属性である管理権限と、上記共用端末の環境を復元する制約の有無に関する属性である依存関係とを有する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の利用者環境復元方法。
【請求項9】
上記利用者環境情報削除ステップは、
上記復元順序に記憶された情報と、上記管理権限に記憶された情報と、上記依存関係に記憶された情報とに基づいて上記共用端末の上記利用者環境情報を削除する
ことを特徴とする請求項8に記載の利用者環境復元方法。
【請求項10】
上記状態は、電源断後の起動であるか否かの状態、上記外部記憶装置の接続が切断されたか否かの状態、利用が終了したか否かの状態のいずれかである
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の利用者環境復元方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−223754(P2009−223754A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69202(P2008−69202)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】