説明

制御システム、制御装置、及び制御プログラム

【課題】ネットワーク上のストレージサービスに保管されている電子データを情報処理装置において利用するにあたり、用途に応じた利用を可能とするような制御システム、制御装置、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】電子データを蓄積するデータ蓄積装置110、印刷データを受信する画像形成装置101、前記電子データの取得および印刷データの送信を実行する制御装置102とが通信可能に接続するデータ制御システムであって、前記画像形成装置101は、印刷データの取得を制御装置102に要求する印刷データ取得部414を備え、制御装置102は、データ蓄積装置110が蓄積する電子データを取得する電子データ取得部424と、画像形成装置101からの印刷データの取得要求に応じて、電子データのデータ形式を画像形成装置101において利用可能なデータ形式に変換する印刷データ変換部425と、印刷データを画像形成装置101に送信する送受信部421とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御装置、及び制御プログラムに関し、特に外部装置に蓄積された電子データを取得し、出力する制御システム、制御装置、及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
個人あるいは企業などがコンピュータを利用して何らかの処理を実行する際に、自らが備えるPCやサーバ等のハードウェアに利用したい電子データやアプリケーションソフトウェアを保管して使用する方法に代わり、ネットワーク上に、電子データを管理するサービスが提供されたりアプリケーションを利用するためのソフトウェアやソフトウェアを開発する環境が提供されたりするような形態が普及してきている。
【0003】
このように、ネットワークを介してハードウェア資源やソフトウェア資源を不特定多数のユーザに提供し、インフラ、プラットフォーム開発環境、アプリケーションサービスを提供するようなサービスはクラウドサービスと呼ばれる。
【0004】
このようなクラウドサービスの一つに、電子データをネットワーク上のハードウェア資源において保管するストレージサービスがある。ストレージサービスを利用すれば、ユーザは自身のPCやPDAといった情報処理端末の記憶領域にデータを保管する必要がなくなる。
【0005】
一方で、ユーザが印刷を行う際に、印刷データを一旦所定のサーバに蓄積しておき、ユーザは印刷装置に出向いて、印刷装置からサーバに蓄積される印刷データを取得して印刷を実行するようなプルプリントと呼ばれる印刷制御システムがある。
【0006】
特許文献1には、PC等のクライアント端末で作成した印刷データを一旦印刷サーバに蓄積しておき、ユーザがプリンタ等の印刷装置に出向き、印刷装置から印刷サーバに蓄積してある印刷データを取得して印刷を実行する印刷制御システムが記載されている。
【0007】
このような印刷制御システムによって、ユーザは印刷サーバに蓄積した印刷データを利用して印刷を実行することが出来る。
【0008】
【特許文献1】特開2009−294889
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の方法では、ユーザは所定のサーバに、予め印刷したい印刷データを蓄積しなければならず、一般に企業で運用する場合には、企業が設置する特定のサーバに蓄積してある印刷データしか利用することができなかった。
【0010】
ストレージサービスは一般にネットワーク上に複数存在し得る上に、ユーザは任意のストレージサービスを利用する。これら提供される全てのストレージサービスが統一したサービスや機能を備えているとは限らず、ユーザによって利用するストレージサービスが異なることが考えられる。
【0011】
例えば、各種のアプリケーションで作成された電子データを蓄積するストレージサービスや、送受信されるメールデータを保管するメールサーバのようなストレージサービスや、写真画像を共有するストレージサービス等、種々のストレージサービスがあり、ユーザは自らが利用したい用途に応じて、これらのサービスを任意に選択する。
【0012】
そのため、ストレージサービスに保管される電子データは、閲覧、編集、共有などの印刷以外の用途で利用されることも想定され、例えば印刷装置で印刷を行いたい場合に、必ずしも印刷装置で処理が可能なデータ形式となってストレージサービス上に保管されているとは限らない。
【0013】
また例えば、ストレージサービスに保管されている電子データのデータ形式によっては、端末側で電子データを取得しても、その端末が電子データを読み込むことの出来るアプリケーションを備えていないと電子データの内容を見ることが出来ない。
【0014】
従って、ストレージサービスに保管した電子データを、取得する機器の種類や性能あるいは活用する用途に応じた所望のデータ形式で取得することが出来ないと電子データを利便的に活用できなくなってしまう。
【0015】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、ネットワーク上のストレージサービスに保管されている電子データをプリンタ、MFP、携帯端末等の各種情報処理装置において利用するにあたり、用途に応じた利用を可能とするような制御システム、制御装置、及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1の電子データを蓄積するデータ蓄積装置と、第2の電子データを受信する情報処理装置と、前記第1の電子データの受信および前記第2の電子データの送信を実行する制御装置とがネットワークを介して通信可能に接続する制御システムであって、前記情報処理装置は、前記電子データの用途を特定する用途特定情報と、当該電子データを特定するデータ特定情報とを前記制御装置に送信する特定情報送信手段を備え、前記制御装置は、前記データ蓄積装置が蓄積する前記第1の電子データを受信する第1の電子データ受信手段と、前記情報処理装置の特定情報送信手段により送信された前記用途特定情報およびデータ特定情報とを受信する特定情報受信手段と、前記特定情報受信手段により受信した前記データ特定情報に基づいて特定される前記第1の電子データを前記用途特定情報に基づいて決定されるデータ形式に変換するよう、前記電子データのデータ形式を変換するデータ変換手段に対して要求するデータ変換要求手段と、前記データ変換手段によりデータ形式が変換された第2の電子データを取得する第2の電子データ取得手段と、前記第2の電子データを前記情報処理装置に送信する第2の電子データ送信手段とを備えることを特徴とを備えることを要旨とする。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、電子データを蓄積するデータ蓄積手段を備えるデータ蓄積装置と、電子データの用途を示す用途特定情報と電子データを特定するデータ特定情報とを送信する特定情報送信手段を備える情報処理装置とにネットワークを介して通信可能に接続する制御装置であって、前記データ蓄積装置が蓄積する前記第1の電子データを受信する第1の電子データ受信手段と、前記情報処理装置の特定情報送信手段により送信された前記用途特定情報およびデータ特定情報とを受信する特定情報受信手段と、前記特定情報受信手段により受信した前記データ特定情報に基づいて特定される前記第1の電子データを前記用途特定情報に基づいて決定されるデータ形式に変換するよう、前記電子データのデータ形式を変換するデータ変換手段に対して要求するデータ変換要求手段と、前記データ変換手段によりデータ形式が変換された第2の電子データを取得する第2の電子データ取得手段と、前記第2の電子データを前記情報処理装置に送信する第2の電子データ送信手段とを備えることを備えることを要旨とする。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、電子データを蓄積するデータ蓄積手段を備えるデータ蓄積装置と、電子データの用途を示す用途特定情報と電子データを特定するデータ特定情報とを送信する特定情報送信手段を備える情報処理装置とにネットワークを介して通信可能に接続するコンピュータに、前記データ蓄積装置が蓄積する前記第1の電子データを受信する第1の電子データ受信手段と、前記情報処理装置の特定情報送信手段により送信された前記用途特定情報およびデータ特定情報とを受信する特定情報受信手段と、前記特定情報受信手段により受信した前記データ特定情報に基づいて特定される前記第1の電子データを前記用途特定情報に基づいて決定されるデータ形式に変換するよう、前記電子データのデータ形式を変換するデータ変換手段に対して要求するデータ変換要求手段と、前記データ変換手段によりデータ形式が変換された第2の電子データを取得する第2の電子データ取得手段と、前記第2の電子データを前記情報処理装置に送信する第2の電子データ送信手段とを実行させるための制御プログラムであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ネットワーク上のストレージサービスに保管されている電子データを利用者の用途に応じて利用することが可能とする
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態における制御システムの構成例を示す図である。
【図2】第1実施形態における制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】第1実施形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第1実施形態における画像形成装置、制御装置、及びデータ蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図5】第1実施形態における認証処理の手順を説明するためのシーケンス図である。
【図6】本発明の画像形成装置において表示される画面例を示す図である。
【図7】対応情報のデータ構成例を示す図である。
【図8】電子データ管理情報の構成例を示す図である。
【図9】本発明において認証が失敗したときに表示される画面例を示す図である。
【図10】第1の実施形態における電子データリスト取得の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図11】用途情報および変換データリストの構成例である。
【図12】第1実施形態における電子データのデータ形式の変換可否判断処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】第1実施形態における印刷実行の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図14】変形例1の実施形態における認証処理の手順を説明するためのシーケンス図である。
【図15】変形例1の実施形態における電子データリストの取得手順を説明するためのシーケンス図である。
【図16】電子データリストの画面例を示す図である。
【図17】第2実施形態における制御システムの構成例を示す図である。
【図18】第2実施形態における画像形成装置、制御装置、及びメール蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図19】第2実施形態における対象データの蓄積処理の手順を説明するためのシーケンス図である。
【図20】メールデータの構成例を示す図である。
【図21】電子データ管理情報の構成例を示す図である。
【図22】第2実施形態における処理の実行手順を説明するためのシーケンス図である。
【図23】対応情報の構成例を示す図である。
【図24】変形例2の実施形態における制御システムの構成例を示す図である。
【図25】変形例2の実施形態における画像形成装置、制御装置、データ蓄積装置、及びメール蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図26】変形例2の実施形態における認証処理から印刷処理までの手順を説明するためのシーケンス図である。
【図27】対応情報の構成例を示す図である。
【図28】第3実施形態における画像形成装置、制御装置、及びデータ蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図29】第3実施形態における認証処理の手順を示すシーケンス図である。
【図30】判断方式情報の構成例を示す図である。
【図31】第4実施形態における制御システムの構成例を示す図である。
【図32】第4実施形態における情報処理装置、制御装置、及びデータ蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図33】第4実施形態における設定情報の登録手順を説明するためのシーケンス図である。
【図34】第4実施形態の設定情報の登録処理において表示される画面例を示す図である。
【図35】設定項目情報のデータ構成例を示す図である。
【図36】設定情報のデータ構成例を示す図である。
【図37】第4実施形態における電子データの取得手順を説明するためのシーケンス図である。
【図38】第4実施形態の電子データの取得処理において表示される画面例を示す図である。
【図39】第4実施形態における設定判断処理の例を示すフローチャート図である。
【図40】対応デバイス情報のデータ構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における印刷制御システムの構成例を示す図である。図1において、1台以上の画像形成装置101と制御装置102と1台以上のデータ蓄積装置110(ストレージサービス)とがネットワーク100上で接続され通信可能とされた制御システムが構成されている。
【0022】
本発明の制御システムにおいて、画像形成装置101と制御装置102はLAN等のネットワークを介して通信可能とされ、データ蓄積装置はインターネット等の広域的なネットワークを介して各装置と通信可能とされるものとして説明するがこれに限らない。データ蓄積装置は、プライベートクラウドと呼ばれるクラウドサービスとして、LAN等のネットワーク内に設置することも可能であり、また、制御装置をインターネット等の広域的なネットワーク上に設置することも可能である。つまり、各装置がデータの送受信を行える環境であれば本発明は適用可能である。
【0023】
画像形成装置101は、スキャン、印刷、コピー、及びFAX送受信等の機能を一台の筐体によって実現する複合機である。但し、印刷機能を備える印刷装置、あるいはいずれか一つの機能を備える機器が画像形成装置101として用いられてもよい。
【0024】
制御装置102は、画像形成装置101からの要求に応じてデータ蓄積装置110が蓄積している電子データを取得し、画像形成装置101に対して用途に応じたデータ形式の電子データを送信するコンピュータである。
【0025】
本実施の形態における用途に応じたデータ形式の電子データとは、例えば画像形成装置101が印刷を実行しようとする場合には印刷データが該当する。印刷データとは、画像形成装置101が受信し印刷を実行することが可能なデータ形式のデータである。従って、データ蓄積装置110から取得した電子データが画像形成装置101において印刷可能なデータであれば電子データと印刷データは同一のデータ形式となることも考えられるが、データ蓄積装置110が蓄積している電子データ(第1の電子データ)は、画像形成装置101に送信されるときには用途に応じたデータ形式の電子データ(第2の電子データ)で送信される。
【0026】
また、制御装置102は、画像形成装置101からの要求に応じた電子データの取得から、画像形成装置101への用途に応じたデータ形式の電子データの送信までの処理において、ユーザ認証等の必要な処理を実行する。
【0027】
データ蓄積装置110は、電子データを蓄積し、ネットワーク100を介してデータ蓄積装置110と通信可能なPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、Apple社のiPad(商標登録)等のタブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)及び制御装置等の情報処理装置からの要求に応じて電子データを送信するコンピュータである。
【0028】
データ蓄積装置110が蓄積する電子データは利用者が情報処理装置を利用して送信されたものに限らず、利用者が利用できる電子データが蓄積されていればよい。また、データ蓄積装置110は電子データの蓄積機能の他にも機能を備えていてよい。
【0029】
例えば、自身が蓄積する電子データを情報処理装置に送信するときにユーザ認証やパスワードの照合等の処理を実行する機能が備わっていてもよい。その場合には、データ蓄積装置110が蓄積する電子データを取得するために、認証情報やパスワード等の電子データの利用可否を判断するために必要な判断情報をデータ蓄積装置110に送信する必要がある。
【0030】
続いて、各装置のハードウェア構成について説明する。図2は本発明の実施の形態における制御装置のハードウェア構成例を示す図である。図2の制御装置102は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置200と、補助記憶装置202と、メモリ装置203と、CPU204と、インタフェース装置205とを有する。
【0031】
制御装置102での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記録した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0032】
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従って制御装置102に係る機能を実行する。インタフェース装置205は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0033】
なお、データ蓄積装置110についても、図2と同様のハードウェア構成を有していればよい。
【0034】
図3は本発明の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。図3において、画像形成装置101は、コントローラ311、スキャナ312、プリンタ313、モデム314、操作パネル315、ネットワークインタフェース316、及びSDカードスロット317等のハードウェアを有する。
【0035】
コントローラ311は、CPU3111、RAM3112、ROM3113、及びHDD3114等を有する。ROM3113には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記録されている。RAM3112は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU3111は、RAM3112にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。HDD3114には、プログラムやプログラムが利用する各種のデータ等が記録される。
【0036】
スキャナ312は、原稿より画像データを読み取るためのハードウェアである。プリンタ313は、印刷データを印刷用紙に印刷するためのハードウェアである。モデム314は、電話回線に接続するためのハードウェアであり、FAX通信による画像データの送受信を実行するために用いられる。
【0037】
操作パネル315は、ユーザからの入力の受け付けを行うめのボタン等の入力部や、液晶表示部等の表示部を備えたハードウェアである。表示部においては、入力された画像データのサムネイル画像の表示等を行うことも出来る。ネットワークインタフェース316は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない)に接続するためのハードウェアである。
【0038】
SDカードスロット317は、SDカード318に記録されたプログラムを読み取るために利用される。すなわち、画像形成装置101では、ROM3113に記録されたプログラムだけでなく、SDカード318に記録されたプログラムもRAM3112にロードされ、実行されうる。
【0039】
なお、他の記録媒体(例えば、CD−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等)によってSDカード318が代替されてもよい。すなわち、SDカード318の位置付けに相当する記録媒体の種類は、所定のものに限定されない。この場合、SDカードスロット317は、記録媒体の種類に応じたハードウェアによって代替されればよい。
【0040】
続いて、ソフトウェア構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置、制御装置およびデータ蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【0041】
同図において、画像形成装置101は、表示部411、制御部412、認証部413、データ取得部414、送受信部415、及び印刷部416等を有する。
【0042】
表示部411は、画像形成装置101が備える機能を利用するための画面を表示する。画像形成装置101が備える機能とは、画像形成装置101だけを利用して実行可能な処理を行う機能だけでなく、他の装置に対して処理を要求する機能も含む。また、表示部411に表示された画面に対して、利用者は表示部411に接触することで入力を行うことや、画像形成装置101に備えられたハードウェアキーや接続されたキーボード等により入力を行うことができ、表示部411は利用者による入力内容を設定し、制御部に入力内容を送信する。
【0043】
制御部412は、画像形成装置101が備える各機能部による処理を制御する。各機能部に処理を要求し、また、各機能部からの応答に応じた処理を制御する。
【0044】
認証部413は、利用者を識別する利用者識別情報等の認証情報に基づいた認証処理を行う。具体的には、制御装置102に対する認証の要求を送受信部415を介して行う。
【0045】
データ取得部414は、データ蓄積装置110が蓄積する電子データを利用して、当該画像形成装置で実行可能な印刷等の処理を実行するために、制御装置102に対し、データリストあるいは各処理に対応するデータ形式の電子データの取得を要求する。
【0046】
送受信部415は、ネットワーク100を介して他の装置と情報の送受信を行う。
【0047】
印刷部416は、印刷データに基づいて印刷を実行する。
【0048】
制御装置102は、送受信部421、制御部422、認証部423、電子データ取得部424、データ変換部425、対応情報取得部426及び対応情報保持部427等を有する。
【0049】
送受信部421は、ネットワーク100を介して他の装置と情報の送受信を行う。
【0050】
制御部422は、制御装置102が備える各機能部による処理を制御する。各機能部に処理を要求し、また、各機能部からの応答に応じた処理を制御する。
【0051】
認証部423は、画像形成装置101から受信した認証情報に基づく認証を行う。具体的には、自身で保持する認証情報の中に画像形成装置101から受信した認証情報が存在するか否かを判断し、存在している場合には認証に成功した旨の結果を、存在していない場合には認証に失敗した旨の結果を返す。
【0052】
電子データ取得部424は、データ蓄積装置110が蓄積する電子データを取得する。また、取得した電子データに基づき、画像形成装置101で使用可能な電子データのリストを作成する。
【0053】
データ変換部425は、データ蓄積装置110から受信した電子データを画像形成装置101において実行される処理に応じた形式のデータに変換する。但し、データ蓄積装置110から受信した電子データが画像形成装置101において処理が可能な形式のデータか否かを判断した結果、処理が可能な形式のデータであった場合にはデータ形式の変換を実行しないようにしてもよい。
【0054】
対応情報取得部426は、画像形成装置101から受信した認証情報を利用して、対応情報保持部427に記憶されている対応情報から当該認証情報と対応する判断情報を取得する。
【0055】
対応情報保持部427は、認証情報と判断情報とが対応付いた対応情報を保持する。なお、対応情報の詳細については後述する。
【0056】
変換プログラム保持部428は、電子データのデータ形式を変換するための変換プログラムおよび変換するデータ形式を判断するための情報を保持する。なお、詳細については後述する。
【0057】
データ蓄積装置110は、送受信部401、制御部402、判断部403、蓄積データ取得部404、データ蓄積部405等を有する。
【0058】
送受信部401は、ネットワーク100を介して他の装置と情報の送受信を行う。
【0059】
制御部402は、データ蓄積装置102が備える各機能部による処理を制御する。各機能部に処理を要求し、また、各機能部からの応答に応じた処理を制御する。
【0060】
判断部403は、送受信部401が受信した判断情報に基づいて、蓄積データ取得部404による電子データの取得およびデータ蓄積装置110が備える他の機能の実行を許可するか否かを判断する。
【0061】
本発明におけるデータ蓄積装置110(ストレージサービス)は、蓄積する電子データを閲覧や編集といった印刷以外の機能に用いることも可能であり、どのような機能を利用するかは、ストレージサービスが提供するサービスに依存する。
【0062】
本発明においては、利用できる機能として少なくとも蓄積する電子データを他の装置に送信するための機能が備わっていればよい。具体的に判断部403が行う処理としては、自身で保持する判断情報に他の装置から受信した判断情報が存在するか否かを判断し、存在していればデータ蓄積装置110が備える機能の実行を許可する旨の結果を、存在しなければデータ蓄積装置110が備える機能の実行を許可しない旨の結果を返す。
【0063】
なお、判断部403はストレージサービスの提供形態によっては不要とされることもあり、データ蓄積装置110が蓄積する電子データを取得するためにどのような情報を要・不要とするかの情報は、制御装置102で管理される。
【0064】
データ蓄積部405は、電子データを蓄積し、また必要であれば判断情報に基づいて利用可能な電子データを管理するための電子データ管理情報を保持する。電子データ管理情報については、各ストレージサービスが適切に設定し管理していればよい。
【0065】
以下、本発明の第1の実施の形態における印刷制御システムの処理手順について説明する。図5は第1の実施形態の印刷制御システムにおける認証処理の手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。
【0066】
画像形成装置101の起動後や省エネモードからの復帰後、あるいは利用者のログアウト後等、画像形成装置101が特定の利用者によってログインされていない定常状態において、表示部411は利用者からの認証情報(識別情報)の入力を受け付けるためのログイン画面を表示する。ステップ501において、当該ログイン画面を介して、利用者によって認証情報が入力される。
【0067】
図6(a)はログイン画面の一例である。図6(a)のログイン画面を介して、利用者は認証情報としてユーザ名及びパスワード(以下、ユーザ名及びパスワードを利用者識別情報と呼ぶ)を入力する。また、利用者識別情報はこれに限定されず、例えばユーザ名のみやパスワードのみであってもよいしユーザID等であってもよく、利用者を識別できる情報であればよい。
【0068】
なお、利用者識別情報の入力は、画像形成装置101に備わっている入力キー(ハードキーや表示部に表示されるソフトキー)や画像形成装置101に接続されたキーボード等の入力デバイスを用いて利用者が入力を行う場合の他に、画像形成装置101に接続されたカードリーダ等の読取デバイス(画像形成装置と読取デバイスが一つの筐体で構成されていてもよい)を用いて、利用者がICカード等の記憶媒体を読取デバイスに翳し、当該読取デバイスが記憶媒体から読み取った情報に基づいて利用者識別情報を取得するようにしてもよく、この限りではない。つまり、本発明は、利用者識別情報を取得するためにどのような方法を用いるかによって限定されるものではない。
【0069】
表示部411を介して受け付けられた利用者識別情報は制御部412に送信される(ステップ502)。利用者識別情報を受け取った制御部412(識別情報受信手段)は、認証部413に当該利用者識別情報を送信し、認証処理を要求する(ステップ503)。認証部413は、送受信部415(認証要求送信手段)を介して(ステップ504)、制御装置102に当該利用者識別情報を送信するとともに認証を要求する(ステップ505)。なお、認証部413は表示部を介して受け付けた利用者識別情報と自装置の記憶領域(不図示)に保持される利用者識別情報とに基づいた認証の判断を行ってもよい。
【0070】
制御装置102の送受信部421(識別情報受信手段)は、受信した当該認証要求を制御部422に送信する(ステップ506)。制御部422は送受信部421から受け取った認証要求を認証部423に送信し、利用者識別情報に基づく認証を要求する(ステップ507)。認証部423(認証手段)は、受信した利用者識別情報に基づく認証を実行する(ステップ508)。利用者識別情報に基づく認証は対応情報保持部427が保持している対応情報を利用して行われる。
【0071】
図7は、対応情報保持部427が保持する対応情報の構成例を示す図である。同図に示されるように、対応情報保持部427では、独自認証ユーザ名701、独自認証パスワード702、データ蓄積装置名703、対応ユーザ名704及び対応パスワード705とが対応づいた対応情報が管理されている。
【0072】
対応情報は、ネットワークに接続された情報処理装置から制御装置102に送信される、あるいは制御装置102がデータ管理装置110や他の情報処理装置から取得する等して、予め制御装置の記憶領域に保持しておくことが出来る。
【0073】
独自認証ユーザ名701及び独自認証パスワード702は、制御装置102における認証において利用される情報(第1の識別情報)である。データ蓄積装置名703は、利用者が利用する電子データを蓄積するデータ管理装置の名称(データ蓄積装置を識別する装置識別情報)である。対応ユーザ名704及び対応パスワード705は、データ蓄積装置名703に対応するデータ蓄積装置110にアクセスし、当該データ蓄積装置が備える機能や電子データを利用するために必要とされる判断情報(第2の識別情報)である。
【0074】
従って、判断情報は上述した目的のために使用される情報であればよく、対応ユーザ名及び対応パスワードに限らない。また、図7に示されているようにデータ管理装置名703と判断情報(対応ユーザ名704及び対応パスワード705)の組み合わせは1つの独自認証ユーザ名701に対応して複数設定することが可能であり、利用者が利用したいデータ管理装置の数だけ存在していてよい。さらに、独自認証ユーザ名701と対応ユーザ名704または独自認証パスワード702と対応パスワード705は一致していても構わない。
【0075】
なお、対応ユーザ名704及び対応パスワード705において値がハイフン(「−」)となっているのは、情報が設定されていない(NULL)状態であり、データ蓄積装置が備える機能を利用するための一連の処理において当該情報を用いないことを示している。
【0076】
以下、本発明の第1の実施形態の説明は、独自認証ユーザ名701が「ユーザA」の利用者を例にとって進める。
【0077】
図5の説明に戻る。制御装置102の認証部423は、対応情報保持部427が保持する対応情報において、独自認証ユーザ名701と、当該独自認証ユーザ名701に対応付いている独自認証パスワード702との組み合わせの中から、利用者識別情報のユーザ名及びパスワードと一致するものが存在するか否かを判断し、一致するものが存在していれば認証が成功した旨の認証結果を、存在しなければ認証が失敗した旨の認証結果を制御部422に送信する(ステップ509)。
【0078】
なお、ステップ508の認証処理は、独自認証ユーザ名701および独自認証パスワード702のみを記憶領域に保持する認証情報保持部(不図示)によって実行されてもよい。
【0079】
制御部422は、認証部423から受け取った認証結果が失敗であった場合には、送受信部421(通知手段)を介して画像形成装置101に対して認証が失敗した旨の認証結果を送信し、認証失敗の結果を受け取った画像形成装置101の表示部は例えば図9(a)のような画面を表示する。また、認証結果が成功であった場合には、対応情報取得部426に対し、当該利用者識別情報に対応付くデータ蓄積装置名703及び判断情報の取得を要求する(ステップ510)。
【0080】
対応情報取得部426は、制御部422から送信された利用者識別情報と、対応情報保持部427に保持されている対応情報から、当該利用者識別情報に対応付くデータ蓄積装置名703(蓄積先の情報)及び判断情報(対応ユーザ名704及び対応パスワード705)を取得し、制御部422に送信する(ステップ511)。
【0081】
データ蓄積装置名703及び判断情報を受信した制御部422は、送受信部421(判断要求送信手段)を介して(ステップ512)、データ蓄積装置名703から特定されるデータ蓄積装置110に対して、判断情報と共に当該判断情報に基づく判断要求を送信する(ステップ513)。判断要求とは、データ蓄積装置110に対して、データ蓄積装置110が備える機能の実行可否の判断を要求するものであり、備える機能として例えばデータ蓄積装置110が蓄積する電子データの送信等があげられる。
【0082】
データ蓄積装置110の送受信部401は、受信した判断要求を制御部402に送信する(ステップ514)。判断要求を受け取った制御部402は、判断部403(判断手段)に判断要求を送信する(ステップ515)。
【0083】
判断要求を受け取った判断部403は、判断要求に含まれる判断情報に基づいて、データ蓄積装置110が備える機能の実行可否を判断する(ステップ516)。判断情報に基づく判断はデータ蓄積部405が保持している電子データ管理情報を利用して実行される。
【0084】
図8は、データ蓄積装置110のデータ蓄積部405が保持する電子データ管理情報の構成例を示す図である。同図に示すように、電子データ管理情報は判断情報801とフォルダ名802とが対応付いている。また、判断情報801はユーザ名及びパスワードから構成される。フォルダ名802は、データ蓄積部405において電子データを格納するフォルダを識別する情報である。データ蓄積装置110において利用者が利用する電子データは、当該利用者の判断情報に対応付いたフォルダ名802によって識別されるフォルダに蓄積される。
【0085】
なお、電子データ管理情報の構成はこれに限らず、電子データはフォルダ毎に管理されていなくてもよい。つまり、データ蓄積装置110に蓄積される電子データのうち、利用者が利用できる電子データが特定できればよい。従ってストレージサービスのサービス形態によっては、判断情報801のみを保持する構成(つまり、利用者を認証する認証情報のみを保持する構成)であったり、電子データ管理情報そのものを保持しないような場合も考えられる。さらに、利用者毎に利用可能な電子データを特定するための情報はフォルダ名に限らず、電子データへのパス等の情報であっても構わない。
【0086】
図5の説明に戻る。判断部403は、電子データ管理情報の判断情報801の中に制御部402から受信した判断情報と一致するものが存在するか否かを判断する。判断部403は、受信した判断情報と一致するものが電子データ管理情報の判断情報801の中に存在すればデータ蓄積装置110が備える機能の利用を許可する旨の判断結果(以下、許可判断と呼ぶ。)を制御部402に返し、一致するものが存在しなければデータ蓄積装置110が備える機能の利用を許可しない旨の判断結果(以下、不許可判断と呼ぶ。)を制御部402に返す(ステップ517)。
【0087】
制御部402は、判断部403から受信した当該判断結果を送受信部401に送信し(ステップ518)、送受信部401は受け取った当該判断結果を制御装置102に送信する(ステップ519)。
【0088】
制御装置102の送受信部421(判断結果受信手段)は、データ蓄積装置110から受信した判断結果を制御部422に送信する(ステップ520)。制御部422は、受信した判断結果に応じた認証結果を送受信部421(通知手段)を介して(ステップ521)、画像形成装置101に送信する(ステップ522)。
【0089】
判断結果に応じた認証結果とは、データ蓄積装置110からの判断結果が許可判断であれば認証が成功した旨の認証結果となり、データ蓄積装置110からの判断結果が不許可判断であれば認証が失敗した旨の認証結果となる。
【0090】
なお、本発明において、対応情報に基づき複数のデータ蓄積装置110から判断結果を受信した場合には、少なくとも1以上のデータ蓄積装置110からの判断結果が許可判断であれば画像形成装置101に送信する認証結果は認証成功と判断し、全てのデータ蓄積装置110からの判断結果が不許可判断であれば認証失敗と判断することとするが、これに限るものではない。
【0091】
なお、ステップ508の認証は成功し、判断結果が不許可判断であったために認証が失敗した場合には、判断結果によって認証失敗となった旨の認証結果を画像形成装置101に送信してもよい。このようにすることで、画像形成装置101は、認証要求に応じて認証が成功したか失敗したかのみでなく、認証失敗の認証結果となった場合には、制御装置102の認証部423による認証結果が認証失敗となったのか、データ蓄積装置110の判断部403による判断結果に基づいて認証失敗となったのかの情報を得ることが出来る。
【0092】
画像形成装置101の送受信部415は受信した認証結果を認証部413に送信し(ステップ523)、認証部413は当該認証結果を制御部412に送信する(ステップ524)。
【0093】
制御部412は受信した認証結果が認証失敗であった場合には、認証結果を表示部411に表示させる(ステップ525)。図9は、認証が失敗した場合に表示部411に表示される画面例である。図9(a)の画面は認証が失敗したことを表示している。また、図9(b)の画面は、制御装置102の認証部423の認証結果によって認証が失敗したことを表示し、図9(c)の画面は、データ蓄積装置110の判断部403の判断結果によって認証が失敗したことを示すメッセージを表示している。
【0094】
図9(b)および(c)のように認証失敗の原因に応じて表示を異ならせることで、利用者は制御装置102における認証処理あるいはデータ蓄積装置110における判断処理のどちらが原因で認証が失敗したかを知ることが出来る。
【0095】
なお、図9(a)および図9(b)の画面において、利用者が表示されている「ユーザ名」及び「パスワード」の入力欄に値を入力し、「再実行」ボタンを押下した場合には、画像形成装置101は入力されたユーザ名及びパスワードによる認証要求を再度制御装置102に送信し、認証要求を受信した制御装置102は認証部423において当該ユーザ名及びパスワードを用いた認証処理を実行する。
【0096】
一方、図9(c)の画面において、表示されている「ユーザ名」及び「パスワード」の入力欄に値を入力し、「再実行」ボタンを押下した場合には、画像形成装置101は入力されたユーザ名及びパスワードによる認証要求を再度制御装置102に送信し、制御装置102は認証失敗がデータ蓄積装置110の判断結果に基づくものであることから、さらに受信したユーザ名及びパスワードに基づく判断要求をデータ蓄積装置110に送信する。
【0097】
制御装置102はデータ蓄積装置110から判断要求に応じた判断結果を受信し、当該判断結果が許可判断であった場合には、画像形成装置101に認証が成功した旨の認証結果を送信する。その際に、制御装置102は認証部423において認証された独自認証ユーザ名710及び独自認証パスワード702に対応し、かつ当該判断結果が許可判断となったデータ蓄積装置110のデータ蓄積装置名703に対応する判断情報(対応ユーザ名704及び対応パスワード705)を受信したユーザ名及びパスワードに更新する対応情報更新手段を備えていてもよい。
【0098】
また、複数のデータ蓄積装置110からの判断結果が不許可判断であった場合には、制御装置102は画像形成装置101に対し、不許可判断の判断結果を送信したデータ蓄積装置110の情報(データ蓄積装置名等)と共に認証結果を送信することで、画像形成装置101の表示部411は図9(d)のような画面を表示することも可能となる。
【0099】
ここで利用者が表示部411を介して、データ蓄積装置名が「データ蓄積装置A」のデータ蓄積装置110に対するユーザ名及びパスワードを入力し「再実行」ボタンを押下すると、画像形成装置101はデータ蓄積装置名とユーザ名及びパスワードとを含めた認証要求を制御装置102に送信し、制御装置102は受信したデータ蓄積装置名のデータ蓄積装置110に対して、受信したユーザ名及びパスワードに基づく判断要求を送信する。「データ蓄積装置A」及び「データ蓄積装置B」に対するユーザ名及びパスワードが入力された場合も同様にして、それぞれのデータ蓄積装置110に対して判断要求を送信する。
【0100】
一方、認証結果が認証成功であった場合には、表示部411は図6(b)のような画面を表示する。図6(b)には、判断要求による判断結果が許可判断であったデータ蓄積装置110の一覧が表示される。図7の「ユーザA」を例にした場合「データ蓄積装置A」のみが表示されることとなるが、図6(b)では複数のデータ蓄積装置110に判断要求を送信した結果、複数のデータ蓄積装置110を利用できる場合の画面例を記す。
【0101】
利用者は図6(b)の画面に表示される各データ蓄積装置110から所望のデータ蓄積装置110を選択することができ「データリスト取得」ボタンを押下することで選択したデータ蓄積装置110が蓄積する電子データに基づいた電子データリストの取得要求を画像形成装置101は受け付ける。
【0102】
図6(b)の画面は「データ蓄積装置A」と「データ蓄積装置B」が選択され、「データ蓄積装置C」は非選択となっている状態を示している。なお利用できるデータ蓄積装置110が1台しか存在しなかった場合には、画像形成装置101は図6(b)の画面を表示せずに自動的に電子データリストの取得処理を進めるようにしてもよい。
【0103】
また、判断結果が不許可判断となったデータ蓄積装置110も含めた表示画面の一例が図9(c)である。図9(c)では「データ蓄積装置A」が選択された状態で「データ蓄積装置B」が非選択の状態で「データ蓄積装置C」が選択不可の状態(グレーアウト)となっており、データ蓄積装置名が「データ蓄積装置C」のデータ蓄積装置110における判断結果が不許可判断であったことを通知するためのメッセージが共に画面に表示されている。
【0104】
「データ蓄積装置C」は選択不可の状態、つまり「データ蓄積装置C」を選択する処理を受け付けない状態で表示されているが、選択可能に表示してもよい。この時「データ蓄積装置C」が選択されると自動的に図9(c)のような画面に遷移し、利用者に再度入力をさせるための画面を表示する。
【0105】
図10は、第1の実施形態の印刷制御システムにおけるデータリスト取得の処理手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。
【0106】
図6(b)等の画面を解して利用者が「データリスト取得」ボタンを押下すると、表示部411は電子データリスト取得要求を制御部412に送信する(ステップ1000)。制御部412はデータ取得部414に対して電子データリストの取得要求を送信する(ステップ1001)。当該電子データリストの取得要求を受信したデータ取得部414は送受信部415(データリスト要求送信手段)を介し(ステップ1002)、画像形成装置101の機種情報と共に電子データリストの取得要求を制御装置102に送信する(ステップ1003)。
【0107】
制御装置102の送受信部421(データリスト要求受信手段)は、受信した電子データリストの取得要求を制御部422に送信する(ステップ1004)。制御部422は受信した電子データリストの取得要求に応じて、電子データ取得部424に対して電子データリストの取得要求を送信する(ステップ1005)。
【0108】
電子データ取得部424(書誌情報取得手段)は、受信した電子データリストの取得要求に応じて、送受信部421を介して(ステップ1006)データ蓄積装置110から書誌情報を取得するための書誌情報取得要求を送信する(ステップ1007)。

【0109】
データ蓄積装置の送受信部401は、制御装置102から受信した書誌情報取得要求を制御部402に送信する(ステップ1008)。制御部401は受信した書誌情報取得要求に応じて、蓄積データ取得部404に対して、当該書誌情報取得要求を送信する(ステップ1009)。
【0110】
蓄積データ取得部404は、書誌情報取得要求に応じて、判断情報と電子データ管理情報から特定されるフォルダに格納されている電子データの書誌情報をデータ蓄積部405から取得する(ステップ1010)。書誌情報は、利用者がデータ蓄積装置110を利用して蓄積する電子データに関する情報である。書誌情報の例としては電子データのファイル名、データ形式、タイトル、作成者名、電子データのページ数、作成日時、蓄積日時等がある。書誌情報はこれらの電子データを特定する情報となり得る。
【0111】
なお、データ蓄積装置110における電子データの管理方法は上述したものに限られない。例えば、一律のパスワードによって蓄積してあるデータを管理している管理方法も考えられる。このようなデータ蓄積装置110において蓄積してある電子データを利用したい利用者は、パスワード(ユーザ名やパスワード等)を入力(あるいは送信)し、パスワードが一致していればデータ蓄積装置110は蓄積している電子データの利用が許可される。この場合、蓄積している電子データを複数の利用者が共通して利用することが可能であり、また、データ蓄積装置110は図8に示すような構成の電子データ管理情報を用意する必要はなく、パスワードと電子データさえ蓄積管理しておけばよい。この場合に対応情報保持部426が保持する判断情報はパスワードとなる。
【0112】
蓄積データ取得部404は、取得した書誌情報を制御部402に送信する(ステップ1011)。書誌情報を受け取った制御部402は送受信部401を介して(ステップ1012)、制御装置102に当該書誌情報を送信する(ステップ1013)。
【0113】
制御装置102の送受信部421は、受信した書誌情報を電子データ取得部424に送信する(ステップ1014)。電子データ取得部424(データリスト作成手段)は受け取った書誌情報に基づき、電子データリストを作成する(ステップ1015)。
【0114】
データ蓄積装置110の電子データを利用して処理を行う場合に、装置によって実行できる処理が異なることがある。例えば、PCであれば電子データの編集や表示の機能が備わり、MFP等の画像形成装置であれば印刷機能が備わっているといったように、電子データを利用する装置に応じた利用用途がある。従って、制御装置102では、電子データリスト取得要求を送信する装置に応じて電子データリストの作成を行う必要がある。
【0115】
また、同じ用途であっても、装置の性能によってデータ形式を決定する必要がある。例えば、電子データのデータ形式がMicrosoft(登録商標)WINDOWS(登録商標)のPowerPoint(登録商標)で作成された電子データであり、当該電子データを閲覧したいといった場合、PowerPointをインストールしているPCであればそのままのデータ形式でも電子データの読み込みが可能であるが、PowerPointをインストールしていないMFPであればそのままのデータ形式では読み込むことが出来ず正しく表示されない事態が起こり得る。この場合、MFPのオペレーションパネル等で表示が可能なデータ形式に変換しなければ表示することが出来ない。
【0116】
そのため制御装置102にアクセスする装置が、どのような機能や性能であるかを考慮して用途に応じたデータ形式変換を行う方が利便性は向上する。言い換えると、電子データリストの中に適したデータ形式への変換が行えない電子データが含まれることを利用者は望まない。
【0117】
そこで、画像形成装置101から受信した画像形成装置101の機種情報に基づいて、用いられる可能性のある、つまり装置において利用できる用途を決定し、用途に応じたデータ形式へと変換可能な電子データのリストを作成する。
【0118】
本発明の実施例において機種情報とは、電子データの利用を要求する装置の種別に関する情報である。例えば、印刷機能を持つ印刷装置、データの編集機能を持つPC等の端末装置、スマートフォン等の携帯端末装置など、装置が備えている機能や用途を決定するために装置の種別が特定できる情報である。
【0119】
そして、装置の種別から決定される各用途に応じて、利用できる電子データのリストを作成する。つまり、データ形式を変換するかあるいはそのままのデータ形式で利用することの可能な電子データのリストを作成する。電子データのデータ形式については書誌情報から特定することが出来る。
【0120】
例えば、利用用途が印刷に対応する電子データリストを作成する場合、受信した書誌情報から、制御装置102のデータ変換部425が用途に応じたデータ形式の電子データへと変換できないデータ形式の電子データが含まれていることがある。データ形式は、例えば書誌情報のファイル名の情報に含まれている拡張子により特定することが可能である。電子データがテキストデータであればファイル名の末尾が「.txt」であり、Microsoft(登録商標)WINDOWS(登録商標)のPowerPoint(登録商標)で作成されたデータであれば「.ppt」や「.pptx」等の拡張子が電子データのファイル名に付される。また、これらに限るものではなく、gif、exe、jpeg等、電子データを作成するアプリケーションがどのデータ形式を用いるかに応じて種々のデータ形式が存在する。そのため、制御装置102のデータ変換部425が印刷データに変換できないデータ形式の電子データと変換できるデータ形式の電子データを区別せず電子データリストを作成してしまうと、画像形成装置101の表示部411において印刷できない電子データが印刷可能な電子データと誤解される形で電子データリストに表示される可能性がある。
【0121】
従って、電子データ取得部424(変換可否判断手段)は、画像形成装置101から取得した機種情報と変換プログラム保持部428が保持する用途情報から判断して印刷用途の電子データリストを作成する場合に、取得した書誌情報と変換プログラム保持部428が保持する変換データリストから印刷データに変換することの出来る電子データと変換できない電子データとを判別し、変換することの出来ない電子データについては電子データリストから除外するか、あるいは変換の出来る電子データと出来ない電子データとを区別できるような情報を付加して電子データリストを作成する。
【0122】
図11は変換プログラム保持部428が保持する用途情報及び変換データリストの構成例である。図11(a)は、装置の種別に関する情報と、利用する用途とが対応付いた情報である。例えば装置の種別「MFP1」には、用途として「印刷」「データ配信」「サムネイル表示」が対応付いており、「MFP2」には「印刷」と「サムネイル表示」が対応付いている。また「Printer1」であれば「印刷」が対応付いている。他にも「携帯端末1」であれば「HTML表示」、「PC1」であれば「通常」が対応付いている。「通常」とはデータ形式の変換を行わず、そのままのデータ形式で電子データを利用することを示すものとする。なお、種別及び用途は上述のものに限らない。
【0123】
図11(b)は、用途と電子データのデータ形式と当該電子データのデータ形式を他のデータ形式に変換することが可能な変換プログラムの情報(変換可能データ形式情報)が管理されている。例えば、変換プログラム「txt to PDF」はテキスト形式の電子データをPDF形式の電子データへと変換するプログラムであり「txt to RPCS」はテキスト形式の電子データをRPCS(商標登録)形式の電子データへと変換するプログラムである。なお、PDFはAdobeSystems社によって開発されたデータ形式である。
【0124】
さらに図11(c)は、電子データのデータ形式と、当該データ形式の電子データによって処理の実効が可能な画像形成装置101の種類(バージョン情報)と、電子データのデータ形式の優先度とが対応付いた情報である(変換データ形式情報)。例えば「PDF」のデータ形式の電子データは、バージョン情報が「ver5」から「ver7」のいずれかである画像形成装置101であれば処理(本実施形態の説明においては印刷処理が該当する。)の実行が可能であることを示している。このバージョン情報は画像形成装置101から送信される機種情報に含まれている。
【0125】
電子データ取得部424は、これらの情報から電子データリストを作成することが出来る。また、用途に応じた変換プログラムが複数種類存在することや、電子データを利用する装置のバージョンや性能の違いを考慮することで、装置に依存する詳細な情報を用いた綿密な変換プログラムの決定が可能となる。
【0126】
なお、変換プログラムの特定は上述のものに限らず、例えば電子データのデータ形式から一意に変換プログラムを決定するような運用形態であるならば、図11(d)のように電子データのデータ形式と変換プログラムとが一対一で対応する情報があればよい。従って、運用形態に応じて上述したような情報の少なくとも一部分を活用すればよい。
【0127】
データリストの作成は具体的に、電子データリストの取得を要求する画像形成装置101から当該画像形成装置101の機種情報(バージョン情報を含んでいてもよい)を受信し、機種情報と用途情報とを照合して利用可能な用途に関する情報を特定し、各用途に応じて書誌情報に含まれる電子データのデータ形式に対応する変換プログラムを特定する。さらに装置のバージョン情報から適切に変換後のデータ形式を特定することで変換プログラムが決定される。
【0128】
例えば、画像形成装置101が機種情報として種別「MFP1」とバージョン情報「ver4」を送信すると、用途として「印刷」「データ配信」「サムネイル表示」が特定される。そこで印刷の用途に対応してデータリストを作成するにあたり、書誌情報から電子データのデータ形式が「.txt」であれば、PDF形式に変換する「txt to PDF」とRPCS(商標登録)形式に変換する「txt to RPCS」との2つの変換プログラムが候補として特定される。そのうちバージョン情報が「ver4」の画像形成装置101が印刷実行可能な印刷データのデータ形式はRPCSであるため、変換プログラム「txt to RPCS」によって印刷データへの変換が可能と判断する。
【0129】
また、ここで画像形成装置101のバージョン情報が「ver2」であれば、当該画像形成装置101はPDF形式もRPCS形式も対応していないため「.txt」の電子データを印刷データへと変換することは出来ないと判断する。
【0130】
図12は上述した電子データリストのフローチャートの例である。なお、電子データリストの作成は、電子データ取得部424で作成するものとして説明を進めるが、別途用途を判断する用途判断部、変換プログラムが存在するか否かを判断する変換可否判断部、電子データリストを作成するデータリスト作成部等の機能部を設けてもよい。
【0131】
図12(a)では、画像形成装置101から送信された機種情報と一致する種別情報が用途情報に存在するか否かを判断し、存在すれば該当する種別情報に対応する用途を特定する(ステップ1201)。次に書誌情報に含まれる電子データのデータ形式の情報と、図11(d)の変換データリストの電子データ形式情報と一致するものが存在するか否かを判断する(ステップ1202)。判断の結果、一致する電子データ形式が存在すれば対応する変換プログラムによって変換が可能な電子データと判断し(ステップ1203)、一致する電子データ形式が存在しなければ変換が不可能な電子データと判断する。この判断処理は、取得した書誌情報に含まれる各電子データのデータ形式情報について行われる。
【0132】
図12(b)では、ステップ1212までの処理は図12(a)のステップ1202と同じである。ステップ1212で一致する電子データ形式が存在しないと判断された場合、変換が不可能な電子データと判断され処理は終了する。一方、一致する電子データ形式が存在すると判断された場合、次に図11(c)のバージョン情報の中に画像形成装置101のバージョン情報と一致するものが存在するか否かを判断し、一致するバージョン情報が存在すれば当該バージョン情報に対応する電子データ形式の中に、ステップ1212で特定した変換プログラムにより変換される電子データ形式が存在するか否かを判断する(ステップ1213)。一致する電子データ形式が存在すれば変換が可能な電子データと判断する(ステップ1214)。一方、ステップ1213において一致するバージョン情報が存在しない、あるいは一致する電子データ形式が存在しないと判断された場合、変換が不可能な電子データと判断して、処理は終了する。
【0133】
なお、画像形成装置101からバージョン情報を取得するタイミングは、画像形成装置101が電子データリストの取得要求を送信するときに併せて送信する場合や、書誌情報を取得した段階で画像形成装置101から取得する場合など、ステップ1213の処理前であれば任意のタイミングで行えばよい。
【0134】
図12(c)では、ステップ1223までの処理は図12(b)のステップ1213と同じである。但し、ステップ1222では図11(b)の変換データリストの情報を用いて変換プログラムを特定する。ステップ1223でバージョン情報が含まれており、画像形成装置101で対応可能と判断すると、次に対応可能な電子データのデータ形式に変換する変換プログラムが複数存在するか否かを判断する(ステップ1224)。
【0135】
例えば、図11(b)および図11(c)に基づき、「.txt」形式の電子データに対して「PDF」と「RPCS」のどちらのデータ形式の電子データも画像形成装置101で対応可能であるとした場合には、変換プログラム「txt to PDF」あるいは「txt to RPCS」を用いて電子データへの変換が可能となるため、変換プログラムが複数候補存在することとなる。
【0136】
複数存在すると判断した場合、優先度の情報に基づいて、優先度の高い変換プログラムを電子データの変換に用いる変換プログラムに決定し(ステップ1225)、用途に応じたデータ形式へと変換可能な電子データであると判断する(ステップ1226)。また、複数存在しなければ、変換プログラムは1つなのでステップ1225の判断処理は行わず、用途に応じたデータ形式へと変換可能な電子データと判断する(ステップ1226)。
【0137】
なお、優先度に基づく変換プログラムの決定は、電子データリスト作成のタイミングで実行する以外に、データ蓄積装置110から取得した電子データを用途に応じた電子データに変換するタイミングで行われてもよい。電子データリストを作成するときに決定するメリットは、例えば印刷処理を行うときに印刷データのデータ形式に応じて印刷条件の設定内容が変わる場合に生じる。
【0138】
印刷条件は、カラー、モノクロ、集約、両面、ステープル、パンチ等といった印刷するときの条件であり、画像形成装置101によっては印刷データリストから印刷を実行したい印刷データを選択するときに、印刷条件の設定を行うことが可能である。
【0139】
その際に、例えばRPCS形式の印刷データであればカラー、モノクロ、集約、両面、ステープル、パンチの印刷条件が設定可能であり、PDF形式の印刷データであればモノクロ、両面の印刷条件が設定可能であるといったような、印刷データのデータ形式による設定可能な印刷条件の違いが生じる場合を想定する。
【0140】
この場合、印刷データリスト作成のタイミングで変換プログラムを決定しておくことで、印刷データのデータ形式が特定されるため、どの印刷条件を設定することが出来るか否かを認識し、必要に応じて印刷データリストに設定可能な印刷条件に関する情報を含めることが可能となる。
【0141】
図10の説明に戻る。電子データ取得部424は作成された当該電子データリストを制御部422に送信する(ステップ1016)。制御部422は受信した電子データリストを送受信部421(データリスト送信手段)を介して(ステップ1017)、画像形成装置101に送信する(ステップ1018)。
【0142】
画像形成装置101の送受信部415は、受信した電子データリストをデータ取得部414に送信し(ステップ1019)、データ取得部414は当該電子データリストを制御部412に送信する(ステップ1020)。電子データリストを受信した制御部412は当該電子データリストを表示部411に送信し、当該電子データリストに基づいた電子データリスト表示画面を表示部411に表示させるよう要求する(1021)。
【0143】
図6(d)は画像形成装置101の表示部411に表示される電子データリスト画面の一例である。図6(d)に示されるように、表示画面600には、用途に応じたタブ形式で、電子データのタイトル、作成者名、電子データのページ数が、電子データのファイル毎にリスト化されて表示されている表示領域610と、「設定変更」、「全選択」、「プレビュー表示」、「印刷」、「削除」といった各用途に応じた各処理を指示するための表示領域620とが表示される。
【0144】
表示領域610に表示されている電子データリストの中から利用者は所望の項目を選択することが出来る。表示領域620の各項目は、表示領域610において選択された電子データに対する処理を指示するための項目(ボタン)であり、利用者は表示部411を介して表示される各項目(ボタン)を接触(押下)することで各処理を画像形成装置101に対して要求する。画像形成装置101は、利用者から受け付けた要求に応じた処理を実行する。
【0145】
「設定変更」ボタンは、カラー、モノクロ、集約、両面、ステープル、パンチ等の印刷条件の設定処理を行う画面に遷移するためのボタンである。「全選択」は表示領域610に表示されている電子データリストの全リスト項目を選択するためのボタンである。「プレビュー表示」ボタンは、受信した電子データリストあるいは受信した電子データリストのうち選択された電子データのプレビュー画像を表示するためのボタンである。「印刷」ボタンは、表示領域610において選択されたリスト項目に対応する電子データの印刷を実行するよう要求するためのボタンである。「削除」ボタンは表示領域610において選択されたリスト項目に対応する電子データを削除するよう要求するためのボタンである。
【0146】
なお、書誌情報から作成された電子データリストは、用途に応じたデータ形式へと変換が可能な電子データのみで構成されても、用途に応じたデータ形式へと変換が可能な電子データおよび用途に応じたデータ形式へと変換が不可な電子データの両方が含まれていてもよい。
【0147】
用途に応じたデータ形式へと変換が可能な電子データおよび用途に応じたデータ形式へと変換が不可な電子データの両方が含まれている場合、変換が不可な電子データについては削除を要求することは出来るが、印刷は実行できないため「印刷」ボタンによる印刷の要求を受け付けることは出来ない。
【0148】
従って、例えば印刷の用途における電子データリストに表示される各電子データの項目において、印刷が可能な電子データか印刷が不可な電子データかを示す情報を付して表示するようにしてもよく、利用者が印刷データへの変換が出来ない電子データの項目を選択した場合に、「設定変更」および「印刷」項目(ボタン)を選択不可能とするように画面を制御してもよい。
【0149】
なお、画像形成装置101から制御装置102に対する電子データリスト取得要求の送信において、特定の用途(例えば、印刷等)の電子データリストが要求された場合には、制御装置102は当該用途に応じた電子データリストのみを作成し、画像形成装置101に送信するようにしてもよい。この時、画像形成装置101は、用途を特定する情報(用途特定情報)を併せて制御装置102に送信することで、制御装置102は当該用途特定情報から特定される用途に応じた電子データリストを作成することが出来る。
【0150】
図13は第1の実施形態の制御システムにおける印刷実行の処理手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。
【0151】
なお、印刷の実行を例に説明をするが、用途が印刷に限らないことは言うまでもなく、また、印刷以外の用途においても、同様の処理によって実現することが可能である。
【0152】
表示部411において図6(d)に示すような画面を用いて、利用者は印刷を実行したい電子データを選択し、「印刷」ボタンを押下することで印刷の実行を要求する(ステップ1301)。
【0153】
利用者からの入力を受け付けた表示部411は、選択された電子データを特定するデータ特定情報(ファイル名またはデータを識別するID等の印刷の対象となる電子データを特定する情報)および印刷の実行要求を制御部412に送信する(ステップ1302)。
【0154】
制御部412は、印刷の実行が要求されたことに応じて、データ取得部414に対し、用途として印刷が要求されたことを示す用途特定情報(例えば、ここでは印刷の実行要求)と印刷対象となる電子データを特定するデータ特定情報と共に電子データの取得要求を送信する(ステップ1303)。
【0155】
なお、プレビュー表示が要求された場合には、電子データの用途として表示が要求されたことを示す用途特定情報と、対象となる電子データを特定する情報とが送信される。
【0156】
データ取得部414は、受信した電子データ取得要求を、送受信部415(特定情報送信手段)を介して(ステップ1304)、制御装置102に送信する(ステップ1305)。
【0157】
制御装置102の送受信部421(特定情報受信手段)は、受信した電子データ取得要求を制御部422に送信する(ステップ1306)。電子データ取得要求を受信した制御部422は、電子データ取得部424に対して、印刷の対象となっている電子データの取得要求を送信する(ステップ1307)。電子データ取得部424(第1の電子データ取得手段)は、受信した電子データ取得要求に応じて、印刷対象の電子データの書誌情報(ファイル名等の一部の書誌情報のみでもよい。)と共に電子データ取得要求を送受信部421を介して(ステップ1308)、データ蓄積装置110に送信する(ステップ1309)。
【0158】
データ蓄積装置110の送受信部401は電子データ取得要求を制御部402に送信する(ステップ1310)。当該電子データ取得要求を受信した制御部402は、取得対象となっている電子データを取得するようデータ取得部404に要求する(ステップ1311)。データ取得部404は、制御部402から受信した電子データ取得要求に応じて、書誌情報から特定される電子データをデータ蓄積部405から取得する(1312)。
【0159】
続いてデータ取得部404は、取得した電子データを制御部402に送信する(ステップ1313)。制御部402は取得した電子データを、送受信部401を介して(ステップ1314)制御装置102に送信する(ステップ1315)。
【0160】
制御装置102の送受信部421(第1の電子データ受信手段)は、受信した電子データを電子データ取得部424に送信する(ステップ1316)。電子データ取得部424は取得した電子データを制御部422に送信する(ステップ1317)。
【0161】
制御部422(データ変換要求手段)は、電子データ取得部424から受け取った電子データを印刷データに変換するために、データ変換部425(データ変換手段)に対して、電子データと共に当該電子データの変換要求を送信する(ステップ1318)。印刷データ変換部425は、変換プログラム保持部428が保持する変換プログラムのうち当該電子データを印刷データに変換する変換プログラムを取得し、受信した電子データを画像形成装置101が印刷可能な形式の印刷データに変換する(ステップ1319)。この時のデータ形式は、電子データリスト作成時に決定されたデータ形式である。
【0162】
ここで、画像形成装置101からの印刷データ取得要求に、印刷対象となる印刷データの印刷条件(作成条件)が含まれていた場合には、当該印刷条件に従った印刷データに変換し、印刷条件が含まれていなかった場合には、制御装置102において予め設定してある印刷条件に従った印刷データに変換する。
【0163】
なお、制御装置102において予め設定する印刷条件は、電子データのデータ形式に依らず一律に設定してもよく、また、電子データのデータ形式に応じて設定してもよい。例えば、「.txt」のデータ形式であれば、モノクロ、両面、2in1集約(用紙1枚に2ページ分の電子データを印字する設定)の印刷条件で、「.ppt」のデータ形式であれば、カラー、両面の印刷条件で印刷データを生成するような設定を登録してもよい。
【0164】
データ変換部425は変換した当該印刷データを制御部422に送信する(ステップ1320)。データ変換部425から印刷データを受け取った制御部422は、当該印刷データを送受信部(第2の電子データ送信手段)を介して(ステップ1321)、画像形成装置101に送信する(ステップ1322)。なお、データ蓄積装置110から受信した電子データが既に画像形成装置101において印刷可能なデータ形式であった場合には、当該電子データを返還しなくても印刷の実効が可能であるため、データ変換部425による印刷データへの変換は行わなくてもよい。つまり、ステップ1318〜ステップ1320の処理は行われずに、制御部422が当該電子データ(第1の電子データ)を印刷データ(第2の電子データ)として画像形成装置101に送信する。
【0165】
画像形成装置101の送受信部415は、受信した印刷データをデータ取得部414に送信する(ステップ1323)。制御部412からの印刷データ取得要求に応じてデータ取得部414は取得した当該印刷データを制御部412に返す(ステップ1324)。
【0166】
制御部412は、表示部411を介して利用者が入力した印刷要求に応じた印刷を実行するため、印刷部416に当該印刷データを送信し、印刷の実行を指示する(ステップ1325)。印刷部416は、制御部からの印刷実行指示に基づいて、当該印刷データを出力する(ステップ1326)。
【0167】
以上の処理手順により、利用者は画像形成装置101において、ネットワーク100上のデータ蓄積装置110が蓄積管理している電子データを用いた印刷等の処理の実行が可能となる。
【0168】
また、印刷の実行に代わり、「削除」ボタンの押下によって選択された電子データの削除が要求された場合には、画像形成装置101は印刷データ取得要求に代わりデータ削除の要求と対象の電子データを特定する情報とを制御装置102に送信する。配信処理が選択された場合には、配信の用途と対象の電子データを特定する情報とが制御装置102に送信される。
【0169】
データ削除要求を受信した制御装置102は電子データ取得要求がデータ削除要求に代わった上で、ステップ1301〜1311までの処理と同様の処理フローが実行する。そしてステップ1312においてデータ取得部404は電子データを取得する代わりに、データ蓄積部405に蓄積されている要求対象の電子データの削除処理を実行し、削除できた場合には削除した旨の結果通知を、送受信部を介して制御装置102に送信する。制御装置102は受信した結果通知を画像形成装置101に送信することで、削除処理は終了する。
【0170】
上述したように、第1の実施の形態によれば、データ蓄積装置110に蓄積される電子データを利用して画像形成装置101で印刷や削除等の処理を行うことができる。
【0171】
なお、上述した第1の実施の形態の説明では、制御装置102が電子データリストの取得要求に応じて、データ蓄積装置110から書誌情報を取得し、印刷データの取得要求に応じて、データ蓄積装置110から印刷の対象となる電子データを取得するようにしたが、電子データリストの取得要求に応じて、データ蓄積装置110から書誌情報および書誌情報に対応する全ての電子データの両方を取得するようにしてもよい。但し、この時点では取得した電子データの中に印刷データへの変換が不可なデータ形式の電子データを含んでいる可能性がある。このとき、取得された書誌情報および電子データは、制御装置102の所定の記憶領域に保持され(電子データは印刷データへの変換が可能なもののみを保持するようにしてもよい。)、画像形成装置101から印刷データの取得が要求されたときに、自身で保持する電子データから印刷の対象となる電子データを取得し、当該電子データに基づく印刷データを画像形成装置101に送信する。
(変形例1)
次に、第1の実施の形態の変形例について説明する。第1の実施の形態と重複する処理についての説明は割愛する。
【0172】
第1の実施の形態の例では説明を簡易にするために制御装置102と1つのデータ蓄積装置110との間における処理の流れを説明したが、変形例1では複数のデータ蓄積装置110との間で行われる処理を説明する。
【0173】
図5の認証の処理手順において、利用者が入力した利用者特定情報と対応情報に基づき、複数のデータ蓄積装置名703、ユーザ名704及びパスワード705が該当した場合には、制御部422は複数のデータ蓄積装置110のそれぞれに対して判断部403による判断を要求し、制御装置102とそれぞれのデータ蓄積装置との間でステップ512〜ステップ520の処理を実行すればよい。
【0174】
また、図10の電子データリストの取得手順においても、電子データ取得部424は判断結果が機能の実行を許可するものであった全てのデータ蓄積装置110に対して書誌情報の取得を要求し、制御装置102と各データ蓄積装置との間でステップ1006〜ステップ1014までの処理が実行され、各データ蓄積装置110に対応した書誌情報を取得する。
【0175】
そしてステップ1015において各データ蓄積装置110から得られた書誌情報をマージした電子データリストを作成し、制御部422に当該電子データリストを送信する。このとき、電子データリストに含まれている各電子データの書誌情報(あるいは書誌情報の一部)がどのデータ蓄積装置110に対応するものかが、画像形成装置101に送信する電子刷データリストあるいは制御装置102の記憶領域に保持する電子データリストに書き込まれる。
【0176】
さらに、図13の印刷実行の処理手順においても、利用者が複数の電子データの印刷を選択し、要求した際に、電子データ取得部424は送受信部421を介して、印刷の対象となる電子データを蓄積する複数のデータ蓄積装置110のそれぞれに対して電子データ取得要求を送信し、各データ蓄積装置110から電子データを取得する(ステップ1307〜ステップ1316)。そして、データ変換部425が各電子データを印刷データに変換した後に、制御装置102は印刷データを画像形成装置に送信する。
【0177】
そこで、変形例1においては、複数のデータ蓄積装置110との処理を行ったときの詳細について説明する。
【0178】
変形例1では、複数のデータ蓄積装置110を対象とするため、データ蓄積装置110を具体的にデータ蓄積装置111とデータ蓄積装置112と分けて記載を行う。なお、2つのデータ蓄積装置で説明を進めるが、3つ以上のデータ蓄積装置が対象となっても本質的な処理の手順は変わらない。
【0179】
図14は、認証処理の手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。なお、画像形成装置101及び各データ蓄積装置111と112は機能部単位ではなく装置単位で記載する。
【0180】
画像形成装置は図5のステップ501〜ステップ504と同様の処理を行い、制御装置102に対して利用者識別情報を送信する(ステップ1401)。また、ステップ1402〜ステップ1406までの処理は図5のステップ506〜510と同様であり、認証部423による認証は成功したものとする。
【0181】
続いて、対応情報取得部426は、制御部422から送信された利用者識別情報と、対応情報保持部427に保持されている対応情報から、当該利用者識別情報に対応付く複数のデータ蓄積装置名703及び判断情報(ユーザ名704及びパスワード705)を取得し、制御部422に送信する(ステップ1407)。
【0182】
制御部422は、受信した複数のデータ蓄積装置名703から特定されるデータ蓄積装置111およびデータ蓄積装置112に対して判断要求を送信するため、まずデータ蓄積装置111に対して送受信部421を介して(ステップ1408)、判断情報と共に当該判断情報に基づく判断要求を送信する(ステップ1409)。判断要求を受信したデータ蓄積装置111は図5のステップ514〜ステップ518の処理を行ったのちに、制御装置102に判断結果を送信する(ステップ1410)。送受信部421は、受信した判断結果を制御部422に送信する(ステップ1411)。
【0183】
次に制御部422は、データ蓄積装置112に対して送受信部421を介して(ステップ1412)、判断情報と共に当該判断情報に基づく判断要求を送信する(ステップ1413)。判断要求を受信したデータ蓄積装置112は図5のステップ514〜ステップ518の処理を行ったのちに、制御装置102に判断結果を送信する(ステップ1414)。送受信部421は、受信した判断結果を制御部422に送信する(ステップ1415)。
【0184】
制御部422は各データ蓄積装置111および112の判断結果から、全ての判断結果が、機能の利用を許可しないものであったか否かを判断する(ステップ1416)。全ての判断結果が機能の利用を許可しないものであった場合には、認証が失敗した旨の認証結果を、1以上のデータ蓄積装置から機能の利用を許可する旨の判断結果が得られた場合には、機能の利用が許可されたデータ蓄積装置名の情報と認証が成功した旨の認証結果を送受信部421を介して(ステップ1417)、画像形成装置101に送信する(ステップ1418)。画像形成装置101は、認証結果に応じて表示部411に図6または図9で説明した画面を表示する。
【0185】
なお、画像形成装置101においては、認証が成功した場合に図14の画面を表示せずに、自動的に機能の利用が許可された全てのデータ蓄積装置に対する電子データリストの取得要求を制御装置102に送信してもよい。
【0186】
図15は電子データリストの取得手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。
【0187】
画像形成装置101から、複数のデータ蓄積装置(データ蓄積装置111およびデータ蓄積装置112)に対する電子データリストの取得要求が送信される(ステップ1501)。ステップ1502およびステップ1503は図10のステップ1004およびステップ1005と同様の処理を行う。
【0188】
続いて、電子データ取得部424はデータ蓄積装置111およびデータ蓄積装置112から書誌情報を取得するため、まずデータ蓄積装置111に対して送受信部421を介して(ステップ1504)、書誌情報の取得要求を送信する(ステップ1505)。書誌情報の取得要求を受信したデータ蓄積装置111は図10のステップ1008〜ステップ1012と同様の処理を行ったのちに、制御装置102に書誌情報を送信する(ステップ1506)。送受信部421は、受信した書誌情報を電子データ取得部424に送信する(ステップ1507)。
【0189】
次に電子データ取得部424は、データ蓄積装置112に対して送受信部421を介して(ステップ1508)、書誌情報の取得要求を送信する(ステップ1509)。書誌情報の取得要求を受信したデータ蓄積装置112は図10のステップ1008〜ステップ1012と同様の処理を行ったのちに、制御装置102に書誌情報を送信する(ステップ1510)。送受信部421は、受信した書誌情報を電子データ取得部424に送信する(ステップ1511)。
【0190】
電子データ取得部424は、データ蓄積装置111およびデータ蓄積装置112から送信された書誌情報に基づいて電子データリストを作成する(ステップ1512)。このとき、各データ蓄積装置から送られた書誌情報に対して、図10のステップ1015と同様の処理を行い、用途に応じたデータ形式に変換が可能な電子データと不可能な電子データとを区別し、さらに、各電子データと各電子データを蓄積しているデータ蓄積装置名とを対応付けた電子データリストが作成される。
【0191】
電子データ取得部424は、作成した電子データリストを制御部422に送信する(ステップ1513)。そして制御部422は送受信部421を介して(ステップ1514)、電子データリストを画像形成装置101に送信する(ステップ1515)。このとき、制御部422は、データ蓄積装置111から取得した書誌情報に基づく電子データリストと、データ蓄積装置112から取得した書誌情報に基づく電子データリストとを区別して送信する。
【0192】
具体的には、データ蓄積装置111から取得した書誌情報に基づく電子データリストを送受信部421を介して送信したのちに、データ蓄積装置112から取得した書誌情報に基づく電子データリストを送信し、最後に全ての電子データリストが送信し終えたことを表す終了メッセージを画像形成装置101に対して送信する。
【0193】
画像形成装置101は、制御装置102から受信した電子データリストをデータ蓄積装置名で区別して記憶領域に保持する。そして、電子データリストに基づいて図16のような画面を表示部411に表示する。
【0194】
図16の画面は、データ蓄積装置毎に電子データリストを表示する画面例である。画面1600はタブ構造で印刷データリストを表示するように構成されており、画面にはデータ蓄積装置Aの印刷データリストが表示されている。タブ1601はデータ蓄積装置A(データ蓄積装置111のデータ蓄積装置名)の印刷データリストを表示するためのタブであり、タブ1602はデータ蓄積装置B(データ蓄積装置112のデータ蓄積装置名)の印刷データリストを表示するためのタブである。利用者によるタブの切り替えに応じて、画像形成装置101は記憶領域からタブのデータ蓄積装置名に対応する印刷データリストを読み出し、表示部411において表示を切り替える。こうすることで利用者は、データ蓄積装置毎に蓄積されている電子データを確認することが出来る。
【0195】
上述したように、変形例1によれば、利用者が、自身で利用している複数のデータ蓄積装置110に蓄積される電子データを利用して画像形成装置101で印刷や削除等の処理を行うことができる。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と重複する処理についての説明は割愛する。
【0196】
図17は第2の実施の形態における印刷制御システムの構成例を示す図である。図1の印刷制御システムの構成例との違いは、データ蓄積装置としてメールサーバ等のメール蓄積装置1710が置かれている点である。
【0197】
メール蓄積装置1710は、利用者が情報処理装置を利用して送信したメールを蓄積する装置である。また、制御装置1702からの要求に応じて、メールデータを送信する機能を備える。なお、本実施の形態において、メール蓄積装置1710は複数台存在していてもよく、メール蓄積装置1710のハードウェア構成は図2に示すハードウェア構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0198】
図18は、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置、制御装置およびメール蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。なお、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
【0199】
画像形成装置1701は第1の実施の形態と変わらないため、説明を割愛する。
【0200】
制御装置1702において第1の実施の形態と異なる機能部は、メールデータ取得部1824、メールデータ解析部1825、対象データ抽出部1826、電子データ蓄積部1830であり、他の機能部については第1の実施の形態における制御装置102と変わらない。
【0201】
メールデータ取得部1824は、メール蓄積装置1810が蓄積しているメールデータを取得する。
【0202】
メールデータ解析部1825は、メールデータ取得部1824が取得したメールデータを解析し、当該メールデータに含まれる印刷条件等の用途に応じた条件情報を設定する。
【0203】
対象データ抽出部1826は、メールデータ取得部1824が取得したメールデータから、用途に応じた処理の対象となる電子データである対象データを抽出する。
【0204】
電子データ蓄積部1830は、メールデータ取得部1824が取得した対象データまたはメールデータ解析部1825により解析された条件情報に基づいてデータ変換部で変換された電子データを蓄積する。また、メールデータに含まれている利用者のアドレス情報(メール蓄積装置1710にメールデータを送信した送信者のアドレス情報)と対応付けて電子データは管理される。
【0205】
メール蓄積装置1710は、送受信部1801、メールデータ蓄積部1802を有する。
【0206】
送受信部1801は、ネットワーク1700を介して他の装置に情報を送信、または他の装置から情報を受信する。
【0207】
メールデータ蓄積部1802は、情報処理装置を利用して送信されたメールデータを蓄積する。
【0208】
以下、本発明の第2の実施の形態における制御システムの処理手順について説明する。図19は第2の実施形態の制御システムにおける電子データの蓄積処理の手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。
【0209】
制御装置1702のメールデータ取得部1824(第1の電子データ取得手段)は、メール蓄積装置1710を監視し、送受信部1821を介して(ステップ1901)、定期的にメール蓄積装置1710に対してメールデータの取得要求を送信する(ステップ1902)。
【0210】
メール蓄積装置1710の送受信部1801は、制御装置1702からのメールデータ取得要求に応じて、メールデータ蓄積部1802に蓄積されているメールデータを送信する(ステップ1903)。
【0211】
制御装置1702の送受信部1821(第1の電子データ受信手段)は、受信したメールデータをメールデータ取得部1824に送信する(ステップ1904)。メールデータ取得部1824は取得したメールデータを制御部1822に送信する(ステップ1905)。
【0212】
制御部1822は、メールデータ取得部1824からメールデータを受信すると、対象データ抽出部1826(第3の電子データ抽出手段)に対して当該メールデータを送信すると共に各用途に応じて処理の対象となる対象データ(第3の電子データ)をメールデータから抽出するよう要求する(ステップ1906)。
【0213】
図20は、第2の実施の形態におけるメールデータの構成例を示す図である。メールデータ2000はメールデータを送信する送信者のアドレスを入力する送信者アドレス欄2010と、送信先のアドレスを入力する宛先入力欄2020と、メールの件名(表題)を入力する表題入力欄2030と、メールの本文を記入する本文記入欄2040と、ファイルを添付するファイル添付欄2050から構成され、さらに本文記入欄2040には印刷条件等を記入する条件情報記入領域2060がある。なお、メールデータの構成は図20のものに限らない。例えば、添付する電子データは本文記入欄2040に添付されてもよく、少なくとも、第2の実施の形態を達成するために必要とされる各種の情報がメールデータの中に含まれていればよい。
【0214】
送信者アドレス欄2010には、メールの送受信機能を備える情報処理装置を利用してメール蓄積装置1710にメールを送信する利用者のアドレス(宛先情報)が入力される。なお、情報処理装置が利用者のアドレスを保持していれば、送信者アドレス欄は情報処理装置により自動的に入力されていてもよく、またメールデータに含まれていればあえて表示する必要も無い。宛先入力欄2020には、メールの送信先となるメール蓄積装置1710のアドレスが入力される。表題入力欄2030には、メールの送信者が任意に入力したメ―ルの表題が設定される。本文記入欄2040の条件情報記入領域2060には、メールデータに含まれる対象データに対する条件情報(ここでは印刷条件)が記入される。
【0215】
なお、当該条件情報は、条件情報記入領域2060において所定のフォーマットに従い入力するものとするが、これに限らない。例えば、条件情報が定められた設定ファイルをファイル添付欄2050に添付するようにしてもよいし、本文に各条件情報を設定するためのキーワードを記入するようにしてもよい。また、条件情報は記入されなくてもよい。
【0216】
制御装置1702のメールデータ解析部1825は、条件情報の入力形式に従って条件情報の解析を行う。即ち、条件情報の項目と当該項目に対する値とがメールデータ解析部1825によって解析できるような取り決めの範疇であれば、第2の実施の形態の制御システムは達成できる。
【0217】
本発明の第2の実施形態の説明において送信者のアドレスは、画像形成装置1701から制御装置1702に送信される利用者識別情報に基づき、メールデータまたは処理対象の電子データを特定するために用いられる情報である。つまり、データを特定するための情報という意味においては第1の実施形態における判断情報と共通する性質がある。なお、上述した目的を達成する情報であれば送信元アドレス情報でなくてもよい。
【0218】
図19の説明に戻る。対象データの抽出要求を受信した対象データ抽出部1826は、メールデータに含まれる対象データを抽出し(ステップ1907)、制御部1822に抽出した印刷対象データを送信する(ステップ1908)。
【0219】
対象データは、メールデータのファイル添付欄2050または本文記入欄2040に添付されるファイルや、本文記入欄2040に記入される本文の内容を記述するテキストファイル等があげられる。また、本文に記入されるURL等の情報に従って特定されるリンク先のデータであっても構わない。
【0220】
次に、制御装置1702の制御部1822は、メールデータ解析部1825(作成条件取得手段)に対してメールデータを送信すると共に、当該メールデータの解析および条件情報の設定を要求する(ステップ1909)。制御部1822からの要求を受信したメールデータ解析部1825は、当該メールデータを解析することで得られた条件情報を、当該メールデータに含まれている対象データの条件情報として設定する(ステップ1910)。図20の例に従えば、メールデータ2000のファイル添付欄2050に添付される「ファイル1.ppt」の対象データを印刷用途で使用する場合には、モノクロ、両面、2in1の設定で5部印刷する旨の印刷条件が条件情報として設定される。
【0221】
メールデータ解析部1825は、メールデータを解析して設定された条件情報を制御部1822に送信する(ステップ1911)。制御部1822は、対象データ抽出部1826が抽出した対象データとメールデータ解析部1825により設定された条件情報と当該メールデータに含まれている送信元アドレス情報(データ特定情報)とを対応付けて印刷データ蓄積部1830に蓄積管理する(ステップ1912)。
【0222】
なお、ステップ1906〜1908までの印刷対象データの抽出処理に係るステップと、ステップ1909〜1911までの印刷条件の設定処理に係るステップは、どちらが先に実行されてもよい。
【0223】
図21は第2の実施形態において、電子データ蓄積部1830が保持する電子データ管理情報の構成例を示す図である。同図に示すように、電子データ管理情報は対象データを識別する対象データ識別情報2101とメールデータをメール蓄積装置1710に送信した送信者のアドレスである送信元アドレス情報2102と条件情報を識別する条件情報識別情報2103を対応付けて管理する情報である。対象データ識別情報2101は、印刷データ蓄積部1830に蓄積される対象データを識別するための情報であり、対象データ抽出部1826が抽出した対象データ毎に付与される。
【0224】
ここで言う対象データ毎とは、例えばメールデータから抽出した対象データが本文記入欄2040の本文(ここでは条件情報は除くものとする。)のテキストファイルと添付ファイル欄から抽出した2つの添付ファイル(ここでは添付ファイル1および添付ファイル2とする。)であるとすると、本文テキストファイル、添付ファイル1および添付ファイル2のそれぞれに対象データ識別情報が付与される。
【0225】
当該対象データ識別情報によって電子データ蓄積部1830に蓄積される対象データは識別されており、電子データ蓄積部1830に蓄積される対象データの中から特定の対象データを取得することが可能となっている。
【0226】
また、条件情報識別情報も同様に、メールデータ解析部1825により条件情報が取得されたときに付与される。つまり、上述した電子データ管理情報、条件情報および対象データが印刷データ蓄積部1830に蓄積されることになる。なお、条件情報については必ずしもメールデータに含まれている必要はなく、含まれていない場合には条件情報無しとして電子データ管理情報に登録される。
【0227】
以上、説明した図19の手順によってメール蓄積装置1710より取得したメールデータに基づく対象データが制御装置1702の電子データ蓄積部1830に蓄積される。
【0228】
次に、第2の実施の形態における印刷処理の手順を説明する。図22は第2の実施形態における印刷処理の手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。
【0229】
画像形成装置1701は図5のステップ501〜504と同様の処理を実行し、利用者が入力した利用者識別情報を制御装置1702に送信する(ステップ2201)。
【0230】
画像形成装置1701より利用者識別情報を受信した制御装置1702の送受信部1821は、当該利用者識別情報を制御装置1702の制御部1822に送信する(ステップ2202)。ステップ2203〜2205の処理は図5のステップ507〜509の処理と同様である。ここでは、認証部1823による認証が成功したものとして説明を進める。
【0231】
認証部1823による認証が成功した旨の認証結果を受け取った制御部は、送受信部を介して(ステップ2206)、当該認証結果を画像形成装置1701に送信する(ステップ2207)。認証結果を受信した画像形成装置1701は図5のステップ523〜ステップ525と同様の処理を行い、認証結果が認証の成功を示しているため、その後図10のステップ1000〜1002と同様の処理を行った上で、制御装置1702に対して画像形成装置1701の機種情報を送信して電子データリストの取得を要求する(ステップ2208)。
【0232】
電子データリストの取得要求を受信した制御装置1702の送受信部1821は、当該取得要求を制御部1822に送信する(ステップ2209)。電子データリストの取得要求を受信した制御部1822は、対応情報取得部1828に利用者識別情報を送信すると共に、対応情報に含まれるアドレス情報(データ特定情報)の取得を要求する(ステップ2210)。
【0233】
図23は、対応情報保持部1831が保持する対応情報の構成例を示す図である。同図に示されるように、対応情報保持部1831は、独自認証ユーザ名2301、独自認証パスワード2302、アドレス情報2303が対応づいて管理されている。独自認証ユーザ名2301、独自認証パスワード2302は図7におけるものと同様で、利用者識別情報に基づく認証処理において利用される情報である。また、アドレス情報2303は、電子データ蓄積部1830に蓄積されている対象データから特定の対象データを取得するために利用される情報であり、利用者は制御装置1702を利用して設定するか、所定の情報処理装置を利用して送信する等の処理を行い予め設定してある情報である。なお、独自認証ユーザ名及び独自認証パスワードと対応付けて、1以上のアドレス情報を設定することが可能である。
【0234】
図22の説明に戻る。対応情報取得部1828は、制御部1822から受信した利用者識別情報と対応情報保持部1831から取得する対応情報に基づいて、アドレス情報を取得する(ステップ2211)。具体的には、対応情報の中から、受信した利用者識別情報(ユーザ名及びパスワード)と一致する独自認証ユーザ名及び独自認証パスワードを特定し、さらに特定された独自認証ユーザ名及び独自認証パスワードと対応付いているアドレス情報を取得する。
【0235】
対応情報取得部1828は、取得したアドレス情報を制御部1822に送信する(ステップ2212)。制御部1822は、対応情報取得部1828より受け取ったアドレス情報と画像形成装置1701の機種情報とを電子データ取得部1829に送信すると共に、電子データ取得部1829に対して、当該機種情報と当該アドレス情報とに基づく電子データリストの取得を要求する(ステップ2213)。
【0236】
電子データリストの取得要求を受信した電子データ取得部1829は、機種情報とアドレス情報に基づいて電子データリストを作成する(ステップ2214)。具体的には、制御部1822から受信したアドレス情報と一致する対象データを特定するため、電子データ蓄積部1830に保持される電子データ管理情報の送信元アドレス情報2303を検索し、受信したアドレス情報と一致する送信元アドレス情報に対応付いている対象データ識別情報を取得し、当該対象データ識別情報により特定される対象データの書誌情報を電子データ蓄積部1830から取得した上で、当該対象データの書誌情報に基づき用途に応じた電子データリストを作成する。なお、用途に応じた電子データリストの作成手順は図12で示した通りである。
【0237】
電子データリストは、取得したメールデータに含まれる表題や、当該対象データのページ数等といった書誌情報を含むように作成される。このような書誌情報は、メールデータ解析部1825がメールデータを解析するときや対象データ抽出部1826が対象データを抽出するときに併せて取得し、書誌情報としてまとめた上で、制御部1822が対象データと対応付けて電子データ蓄積部1830に蓄積管理しておけばよい。
【0238】
電子データ取得部1829は、電子データリストの取得要求に応じて作成した電子データリストを制御部1822に送信する(ステップ2215)。電子データ取得部1829より電子データリストを受信した制御部1822は、当該電子データリストを送受信部1821を介して(ステップ2216)、画像形成装置1701に送信する(ステップ2217)。
【0239】
電子データリストを受信した画像形成装置1701は、図10のステップ1019〜1021と同様の処理を対応する各機能部で行い、電子データリストを表示部1811で表示した後に、図13のステップ1301〜1304と同様の処理を行い、制御装置1702に対して、用途(ここでは印刷とする)の情報及び対象データ識別情報と共に対象データの取得要求を送信する(ステップ2218)。なお、対象データ識別情報でなくても対象データを特定できる情報(例えば書誌情報のファイル名)であってもよい。
【0240】
送受信部1821は、対象データの取得要求を制御部1822に送信する(ステップ2219)。当該取得要求を受信した制御部1822は、対象データ識別情報とを電子データ取得部1829に送信すると共に、対象データの取得を要求する(ステップ2220)。電子データ取得部1829は、受信した対象データ識別情報に基づいて、電子データ蓄積部1830に蓄積されている対象データを取得する(ステップ2221)。
【0241】
具体的には、受信した対象デデータ識別情報に対応する対象データを取得する。なお、書誌情報の一部あるいは全部を利用する場合、印刷データ蓄積部1830において対象データと対応付いて管理されている書誌情報から受信した書誌情報と一致するものを特定し、特定された書誌情報と対応付いている対象データを取得する。
【0242】
対象データを取得した電子データ取得部1829は、当該対象データを制御部1822に送信する(ステップ2222)。対象データを受信した制御部1822は、当該対象データと用途の情報とをデータ変換部1827に送信し、対象データのデータ形式の変換を要求する(ステップ2223)。対象データのデータ形式の変換要求を受信したデータ変換部1827は、対象データのデータ形式を用途の情報に応じたデータ形式へと変換して(ステップ2224)制御部に変換された電子データを送信する(ステップ2225)。用途に応じたデータ形式に変換された電子データを受信した制御部1822は送受信部1821を介して(ステップ2226)、画像形成装置1701に対し、当該電子データを送信する(ステップ2227)。画像形成装置1701では図13のステップ1323〜1326と同様の処理を行い、取得した印刷データに基づく印刷出力を実行する。
【0243】
上述したように、第2の実施の形態によれば、利用者が、メール蓄積装置1710に蓄積したメールデータを画像形成装置1701で印刷することができる。
(変形例2)
次に、第1の実施の形態および第2の実施の形態を複合した変形例について説明する。なお第1の実施の形態および第2の実施の形態と重複する処理についての説明は割愛する。
【0244】
変形例2においては、メール蓄積装置およびデータ蓄積装置の両方が混在する印刷制御システムについて説明する。
【0245】
図24は変形例2の実施の形態における印刷制御システムの構成例を示す図である。図24からも明らかなように、図1の印刷制御システムと図17の印刷制御システムとが混在した印刷制御システムとなっており、画像形成装置2401、制御装置2402、1以上のメール蓄積装置2410及び1以上のデータ蓄積装置2420とがネットワーク2400を介して通信可能に接続されている。なお、各装置についての説明は重複するため割愛する。
【0246】
図25は、変形例2の実施の形態における画像形成装置、制御装置、メール蓄積装置およびデータ蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。なお、各機能部に関する説明は図4および図18のソフトウェア構成例の説明と重複するため、ここでは詳細な説明は割愛する。
【0247】
図26は変形例2の実施形態の印刷制御システムにおける認証処理から印刷処理までの手順を説明するためのシーケンス図である。
【0248】
なお、図19のシーケンス図を用いて説明した電子データ(対象データ)の蓄積処理は、本変形例2においても行われ、制御装置2402の電子データ蓄積部2532には、図19と同様の処理によってメール蓄積装置2410から取得したメールデータに基づく電子データが蓄積されているものとする。
【0249】
画像形成装置2401は、当該画像形成装置の利用者が入力した利用者識別情報を送信すると共に制御装置2402に対して認証を要求する(ステップ2601)。当該利用者識別情報の送信に際する画像形成装置2401の各機能部による処理は、図5のステップ501〜504と同様である。
【0250】
制御装置2402の送受信部2521は、受信した利用者識別情報および認証要求を制御部2522に送信する(ステップ2602)。制御部2522は、受信した利用者識別情報を送信すると共に当該利用者識別情報に基づく認証を認証部2523に要求する(ステップ2603)。認証部2523は、制御部2522からの認証要求に応じて、当該利用者識別情報に基づく認証を実行する(ステップ2604)。認証部2523において実行される認証処理は図5のステップ508と同様である。
【0251】
続いて、認証部2523は認証結果を制御部2522に送信する(ステップ2605)。制御部2522は、受信した認証結果が認証の失敗を示す旨であれば当該認証結果を送受信部2521を介して画像形成装置2401に送信するが(不図示)、図26のシーケンスにおいては認証が成功した旨の認証結果を受信したものとして以降の手順を説明する。
【0252】
認証結果を受信した制御部2522は、利用者識別情報を送信すると共に当該利用者識別情報に基づく判断情報の取得を対応情報取得部2529に要求する(ステップ2606)。判断情報の取得要求を受信した対応情報取得部2529は対応情報保持部2531に保持されている対応情報を用いて、制御部2522から受信した利用者識別情報に対応付く判断情報を取得する(ステップ2607)。
【0253】
図27は変形例2において対応情報保持部2531が保持する対応情報の構成例を示す図である。同図に示されるように、対応情報保持部2531では、利用者識別情報(独自認証ユーザ名2701及び独自認証パスワード2702)、データ取得先情報2703、判断情報(ユーザ名2704またはパスワード2705またはアドレス情報2706)が対応付いた対応情報が保持されている。
【0254】
図7で説明した対応情報とは、データ蓄積装置名703がデータ取得先情報2703となっている点及び判断情報の項目としてアドレス情報2706が増えている点で異なる。データ取得先情報2703(蓄積先の情報)には、「データ蓄積装置A」や「データ蓄積装置B」といったような図7と同様のデータ蓄積装置名の他に「自装置」と記されている項目がある。
【0255】
データ取得先情報2703に記された情報に従って、制御装置2502は電子データの取得先が外部のデータ蓄積装置または自装置が備える電子データ蓄積部2532のうち、いずれに該当するのかを特定することが可能となる。
【0256】
要するに、外部のデータ蓄積装置が蓄積する電子データを利用したい場合には「データ蓄積装置A」や「データ蓄積装置B」といった外部のデータ蓄積装置名がデータ取得先情報2703に設定され、自装置が備える電子データ蓄積部2532の電子データを利用したい場合には「自装置」と設定される。データ取得先情報にデータ蓄積装置が設定される場合には、判断情報が設定される一方で、アドレス情報2706は設定されない。データ取得先情報に「自装置」が設定される場合には、ユーザ名2704及びパスワード2705は設定されずに、アドレス情報2706が設定される。
【0257】
対応情報取得部2529による対応情報の取得は、図27のような対応情報に基づいて実行される。具体的には、対応情報に登録されている利用者識別情報(独自認証ユーザ名2701及び独自認証パスワード2702)の中から制御部2522より受信した利用者識別情報と一致するものを特定し、特定された利用者識別情報に対して設定されているデータ取得先情報2703と、データ取得先情報2703に対応した判断情報(ユーザ名2704またはパスワード2705またはアドレス情報2706)を取得する。
【0258】
次に、対応情報取得部2529は、取得したデータ取得先情報2703及び判断情報を制御部2522に送信する(ステップ2608)。制御部2522は、受信したデータ取得先情報2703及び判断情報に基づいて、送受信部を介し(ステップ2609)、データ蓄積装置2420に対して判断要求を送信する(ステップ2610)。具体的には、受信したデータ取得先情報2703からデータ蓄積装置2420を特定し、特定されたデータ蓄積装置2420に対応する判断情報を送信すると共に判断要求を送信する。このとき、データ取得先情報2703にデータ蓄積装置2420を示す情報が存在しなかった場合にはデータ蓄積装置に対する判断要求は実行されない。
【0259】
データ蓄積装置2420は、制御装置2402から受信した判断情報および判断要求に従い、判断要求を実行し、判断結果を制御装置2402に送信する(ステップ2611)。なお、データ蓄積装置2420の各機能部により実行される判断要求は、図5のステップ514〜518の説明と同様である。
【0260】
制御装置2402の送受信部は、データ蓄積装置2420より受信した判断結果を制御部2522に送信する(ステップ2612)。制御部2522は受信した判断結果に基づいて、画像形成装置2401からの認証要求に対する認証結果を送受信部2521を介して(ステップ2613)、画像形成装置2401に送信する(ステップ2614)。
【0261】
なお、データ蓄積装置2420に対する判断要求が行われない場合には、制御装置2402の認証部2523による認証結果を画像形成装置2401に送信する。また、認証結果には、データ蓄積装置2420と自装置のうち、どの装置を利用することが出来るかの情報が含まれている。
【0262】
認証成功の認証結果を受信した画像形成装置2401は、次に電子データリストの取得要求を制御装置2402に送信する(ステップ2615)。画像形成装置2401における認証結果の受信から電子データリストの取得要求送信までの処理は図10のステップ1000〜1003と同様である。
【0263】
画像形成装置2401から電子データリストの取得要求を受信した制御装置2402の送受信部2521は、制御部2522に電子データリストの取得要求を送信する(ステップ2616)。制御部2522は、受信した印刷データリストの取得要求に応じて、データ取得先情報2703に基づく電子データリストの取得処理を開始する。
【0264】
データ取得先情報2703がデータ蓄積装置を示している場合、制御部2522は電子データ取得部2524に対して、当該データ蓄積装置に対する電子データリストの取得を要求する(ステップ2617)。
【0265】
電子データ取得部2524は、送受信部2521を介して(ステップ2618)、データ取得先情報2703に対応するデータ蓄積装置2420に対して書誌情報の取得要求を送信する(ステップ2619)。書誌情報の取得要求を受信したデータ蓄積装置2420は、書誌情報を制御装置2402に送信する(ステップ2620)。なお、データ蓄積装置2420の各機能部における書誌情報取得の手順は図10のステップ1008〜1012の説明と同様である。
【0266】
制御装置2402の送受信部2521を介して電子データ取得部2524は書誌情報を取得する(ステップ2621)。ここで、複数台のデータ蓄積装置2420から書誌情報を取得する場合には、制御装置2402は各データ蓄積装置2420との間でステップ2618〜2621までの処理を実行し、各データ蓄積装置2420から取得した書誌情報を取得する。なお、印刷データリストの作成については、各データ蓄積装置から書誌情報を取得する毎に作成し、取得すべきデータ蓄積装置毎の印刷データリストをマージするようにしてもよく、取得すべき全てのデータ蓄積装置から書誌情報を取得した後に印刷データリストを作成するようにしてもよい。
【0267】
次に、データ取得先情報が自装置を示している場合、電子データ取得部2524は、アドレス情報に基づき、電子データ蓄積部2532から書誌情報を取得する(ステップ2622及びステップ2623)。そしてデータ蓄積装置2420および電子データ蓄積部2523から取得された書誌情報に基づき印刷データリストを作成する(ステップ2624)。そして作成された電子データリストが制御部2522に送信される(ステップ2625)。
【0268】
この時、電子データ取得部2524は、データ蓄積装置2420から取得した書誌情報に基づく電子データリストと電子データ蓄積部2532から取得した書誌情報に基づく電子データリストとを判別できるように作成した電子データリストを管理する。例えば、電子データリストと取得先(データ蓄積装置2420または電子データ蓄積部2532)の情報とを対応付けて管理する。
【0269】
このように管理することで、特定の電子データの取得要求が画像形成装置2401から送信された時に、当該電子データをデータ蓄積装置2420から取得すればいいか、電子データ蓄積部2532から取得すればいいかを判断することが出来る。
【0270】
制御部2522は、データ取得先情報から特定される全ての取得先(データ蓄積装置2420または自装置が備える電子データ蓄積部2532)の電子データリストを取得すると、当該電子データリストを送受信部2521を介して(ステップ2626)、画像形成装置2401に送信する(ステップ2627)。
【0271】
画像形成装置2401は取得した電子データリストから利用者が選択した電子データの取得要求を用途の情報と共に制御装置2402に送信する(ステップ2628)。画像形成装置2401の各機能部によって実行される電子データリストに基づく電子データの選択および取得要求の送信手順は、図10のステップ1019〜1021から図13のステップ1301〜1305までの処理手順と同様である。
【0272】
制御装置2402の送受信部2521は、画像形成装置2401から受信した電子データの取得要求を制御部2522に送信する(ステップ2629)。制御部2522は、電子データ取得部2524に対して電子データの取得要求を送信する(ステップ2630)。この時、取得が要求される電子データは1つに限らず、取得先はデータ蓄積装置2420及び電子データ蓄積部2532の両方となることも考えられる。
【0273】
電子データの取得要求を受信した電子データ取得部2524は、取得先がデータ蓄積装置2420である電子データが要求されたか否かを判断し、取得先がデータ蓄積装置2420である電子データが要求されたと判断すると、送受信部を介して(ステップ2631)、当該電子データを蓄積しているデータ蓄積装置2420に当該電子データの取得要求を送信する(ステップ2632)。データ蓄積装置2420は、電子データの取得要求に応じた電子データを制御装置2402に送信する(ステップ2633)。制御装置2402の送受信部2521は、受信した電子データを電子データ取得部2524に送信する(ステップ2634)。
【0274】
次に電子データ取得部2524は取得先が電子データ蓄積部2532である電子データが要求されたか否かを判断し、取得先が電子データ蓄積部2532である電子データが要求されたと判断すると、電子データ蓄積部2532から電子データを取得する(ステップ2635及びステップ2636)。
【0275】
画像形成装置2401から取得が要求された全ての電子データを取得した電子データ取得部2524は、当該電子データを制御部2522に送信する(ステップ2637)。制御部2522は、データ変換部2528に対し、受信した電子データを用途に応じたデータ形式に変換する要求であるデータ形式変換要求を送信する(ステップ2638)。データ形式変換要求を受信したデータ変換部2528は、変換プログラム保持部2533が保持する用途情報及び変換データリストに基づいて特定されるデータ形式に変換するための変換プログラムを用いて受信した電子データのデータ形式を変換し(ステップ2639)、変換後の電子データを制御部2522に送信する(ステップ2640)。
【0276】
制御部2522は、電子データ取得部2524から変換後の電子データを取得すると、送受信部を介して(ステップ2641)、当該全ての変換後の電子データを画像形成装置2401に送信する(ステップ2642)。なお、用途に応じたデータ形式の電子データの取得に際して、何らかの理由により取得できなかった電子データが存在した場合には、制御装置2402は、取得出来なかった電子データに対するエラー通知を画像形成装置2401に対して送信する。
【0277】
用途に応じたデータ形式の電子データの取得要求に応じた電子データを受信した画像形成装置2401は当該電子データによるに基づいて要求された処理を実行する。
【0278】
上述したように、変形例2のようなメール蓄積装置およびデータ蓄積装置の両方が混在する制御システムであっても、利用者は画像形成装置から印刷をすることができる。
(第3実施形態)
以下、本発明の第3の実施の形態における印刷制御システムの処理手順について説明する。なお、上述した実施の形態および変形例と重複する部分の説明については割愛する。第3の実施の形態における制御システムの構成例は図1の制御システムの構成例と変わらず、画像形成装置、制御装置及び1台以上のデータ蓄積装置から構成される。但し、図1の制御システムの構成例に限定されるものではなく、図17や図24のような制御システムの構成例においても適用することが可能である。
【0279】
第3の実施の形態における特徴は、制御装置が複数のデータ蓄積装置と判断要求のやり取りを行うにあたり、データ蓄積装置によって異なる方式(プロセス)が要求される点である。
【0280】
例えば、これまで上述した判断要求のプロセスは、利用者識別情報に対応したユーザ名及びパスワード(あるいはパスワードのみやユーザ名のみ等)を送信し、データ蓄積装置が備える機能の利用の可否を判断するものであった。ユーザ名及びパスワードの組み合わせに関して言えば、判断要求は認証要求とも言えるものであったが、要するに利用者識別情報と対応付いた情報による判断要求が認められれば、データ蓄積装置が蓄積している電子データを利用することが可能となった。
【0281】
しかし、データ蓄積装置がこのように統一した判断プロセスを備えているとは限らず、例えば、判断要求を送信する前に、機器認証を要求するものや、接続認証を要求するもの等、判断要求を送信するまでに、何らかの処理が必要なデータ蓄積装置が存在することも考えられるため、第3の実施形態においてはこのような判断プロセスの違いにも対応できる制御システムについて説明する。
【0282】
なお、本実施の形態における機器認証とは、データ蓄積装置に対して自身(機器)を識別する機器識別情報をデータ蓄積装置に送信し、データ蓄積装置が通信接続の確立を許可する特定の機器であることを認証した場合に、当該データ蓄積装置との通信が可能となるような認証方式のことである。
【0283】
また本実施の形態における接続認証とは、データ蓄積装置と通信接続を確立するために何らかのパスワードによる認証を必要とするような認証方式であり、接続認証におけるパスワードは、利用者毎に個別ではなく、共通したパスワードである。なお、認証方式はこれに限らず、データ蓄積装置が提供するサービス形態等に応じたものが採用される。
【0284】
図28は本発明の第3の実施の形態における画像形成装置、制御装置およびデータ蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。なお、重複する機能部についての説明は割愛する。
【0285】
制御装置282の方式判定部2827は、方式情報保持部2829が保持しているデータ蓄積装置毎の判断方式情報を取得する。また、判断方式情報を要求する機能部に対して取得した判断方式情報を送信する。
【0286】
制御装置282の方式情報保持部2829はデータ蓄積装置毎の判断方式情報を保持する。なおデータ蓄積装置毎の判断方式情報の詳細については後述する。
【0287】
データ蓄積装置283の判断部は、外部装置から送信される通信接続要求(機器認証要求や接続認証要求等)あるいは判断要求等の要求に基づいて、各要求に対する可否を判断する。なお、第3の実施の形態においては、複数台のデータ蓄積装置283A、283B、283Cが存在するものとして説明を進めるが、1台以上のデータ蓄積装置が存在していればよい。
【0288】
図29は、第3の実施の形態の制御システムにおける認証処理の手順を示すシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。また、便宜上、画像形成装置及びデータ管理装置については装置単位で記載する。
【0289】
画像形成装置281は、利用者によって入力された利用者識別情報に基づく認証要求を制御装置282に送信する(ステップ2901)。制御装置282の送受信部2821は、受信した利用者識別情報及び認証要求を制御部2822に送信する(ステップ2902)。制御部2822は認証要求に応じて、認証部2823に対し、受信した利用者識別情報を送ると共に認証を要求する(ステップ2903)。認証要求を受信した認証部2823は、当該利用者識別情報の認証を実行する(ステップ2904)。認証部2823による認証が実行されると、認証部2823は認証結果を制御部2822に送信する(ステップ2905)。なお、ここでは、認証が成功したものとする。
【0290】
認証成功の認証結果を受信した制御部2822は、対応情報取得部2826に対して当該利用者識別情報と対応付く対応情報の取得を要求する(ステップ2906)。当該要求を受信した対応情報取得部2826は、対応情報保持部2828を参照し、受信した利用者識別情報と対応付いている対応情報(少なくともデータ蓄積装置名および判断情報を含む)を取得する(ステップ2907)。次いで、対応情報取得部2826は、取得した対応情報を制御部に送信する(ステップ2908)。ここでは、図7において独自認証ユーザ名「ユーザC」に対応付く対応情報が得られたものとして説明を進める。つまり、対応情報取得部は独自認証ユーザ名「ユーザC」に対応付く対応情報として、データ蓄積装置名が「データ蓄積装置A」、「データ蓄積装置B」、「データ蓄積装置C」、更に各データ蓄積装置と対応する対応ユーザ名および対応パスワードを少なくとも取得したことになる。
【0291】
対応情報を取得した制御部2822は、方式判定部2827(方式判定手段)に対し、当該対応情報に含まれているデータ蓄積装置名の情報を送信すると共に、各データ蓄積装置における判断方式情報の取得を要求する(ステップ2909)。方式判定部2827は、当該要求に応じて方式情報保持部2829を参照し、制御部2822から受信したデータ蓄積装置名と対応する判断方式情報を取得する(ステップ2910)。
【0292】
図30は第3の実施形態において方式情報保持部2829が保持する判断方式情報の構成例を示す図である。なお、同図に示される各種の情報は、利用者が設定するか、制御装置282が外部装置から必要な情報を受信する等の処理を行うことで保持することが可能であり、第3の実施形態においては予め保持されているものとする。
【0293】
方式情報保持部2829では、判断方式情報として、データ蓄積装置名3001およびデータ蓄積装置に応じて通信接続を確立するための(あるいはデータ蓄積装置が備える機能を利用するための)手順に関する情報が管理されている。本実施形態においては手順に関する項目として「第1手順」3002及び「第2手順」3003が設定してあるが、必要に応じて第3手順やそれ以上の手順が設定されていてもよい。第1手順3002には、データ蓄積装置との間で最初に実行すべき処理に関する情報が設定されている。第2手順3003には、第1手順に示された処理が実行された後にデータ蓄積装置との間で実行すべき処理に関する情報が設定されている。つまり、方式情報保持部2829には実行すべき処理の順番と実行すべき処理に関する情報とがデータ蓄積装置に対応付いた判断方式情報が設定され、管理されている。
【0294】
例えば、データ蓄積装置名が「データ蓄積装置A」に対応する手順として、第1手順に「機器認証」、第2手順に「判断要求」が設定されている。また、各手順において括弧で記載されている「MACアドレス」および「ユーザ名及びパスワード」は、各処理において必要とされる情報である。「データ蓄積装置B」に対応する手順としては、第1手順に「接続認証」、第2手順に「判断要求」が設定され、括弧内に接続認証において必要なパスワードである「XXXXX」、判断要求において必要な情報である「ユーザ名」が設定されている。「データ蓄積装置C」に対応する手順としては、第1手順に「判断要求」が設定され、括弧内に必要とされる情報として「ユーザ名及びパスワード」が設定されている。各処理において必要とされる情報については「MACアドレス」、「ユーザ名」、「ユーザ名及びパスワード」といった情報の属性や、処理において用いられる「XXXXX」といったパスワードそのものの情報が設定できる。なお、図30のデータ構成例では、手順において「機器認証」、「接続認証」、「判断要求」といった処理の名称を記載しているが、単純に必要とされる情報が記載されているのみでも構わない。更に、機器認証において要される機器を識別する機器識別情報としてMACアドレスが設定されているが、機器識別情報はこれに限らず、機器のシリアル番号や、IPアドレス等であってもよい。つまり、各手順において必要とされる情報の属性(あるいは処理において用いられる情報ものもの)は上述したものに限らない。
【0295】
図29の説明に戻る。方式判定部2827は、方式情報保持部2829より取得した判断方式情報を制御部2822に送信する(ステップ2911)。今回の例では「ユーザC」に対応するデータ蓄積装置として「データ蓄積装置A」、「データ蓄積装置B」、「データ蓄積装置C」の3つの装置が該当するため、各装置における判断方式情報が制御部2822に送信される。制御部2822は、受信した判断方式情報により、各データ蓄積装置に対し、通信接続を確立するために(あるいはデータ蓄積装置が備える機能を利用するために)要する処理を実行する。ここでデータ蓄積装置名が「データ蓄積装置A」に該当するデータ蓄積装置をデータ蓄積装置283A、「データ蓄積装置B」に該当するデータ蓄積装置をデータ蓄積装置283B、「データ蓄積装置C」に該当するデータ蓄積装置をデータ蓄積装置283Cとして説明を進める。
【0296】
制御部2822は「データ蓄積装置A」に対応する手順に従い、送受信部を介して(ステップ2912)、自装置のMACアドレス及び通信接続要求(機器認証要求)をデータ蓄積装置283Aに送信する(ステップ2913)。データ蓄積装置283Aの判断部2833は、受信した制御装置282のMACアドレスを用いて、機器認証を実行する。ここでデータ蓄積装置283Aにおける機器認証の方法は問わない。例えば、通信接続を許可する機器の機器識別情報のリストを所定の記憶領域に保持しておき、保持される機器識別情報のリストの中に受信した機器識別情報と一致するものが存在すれば機器認証が成功した(通信接続を許可する)と判断してもよいし、通信接続を許可しない機器の機器識別情報のリストを所定の記憶領域に保持しておき、保持される機器識別情報のリストの中に受信した機器識別情報と一致するものが存在すれば機器認証が失敗した(通信接続を許可しない)と判断してもよい。
【0297】
データ蓄積装置283Aは判断部2833による機器認証の結果から、通信接続要求に対する結果を制御装置282に送信する(ステップ2914)。ここでは、機器認証が成功し、通信接続を許可する旨の結果がデータ蓄積装置283Aより送信されたものとする。
【0298】
制御装置282の送受信部2821は、受信した結果を制御部2822に送信する(ステップ2915)。制御部2822は通信接続が許可された旨の結果を受信したことに応じて、次手順である判断要求を、「データ蓄積装置A」に対応する判断情報(ユーザ名及びパスワード)と共に、送受信部2821を介して(ステップ2916)、データ蓄積装置283Aに送信する(ステップ2917)。データ蓄積装置283Aは、自装置の判断部2833による判断結果を制御装置282に送信する(ステップ2918)。なお、データ蓄積措置283Aにおける判断処理は図5のステップ514〜518で説明した通りである。
【0299】
制御装置282の送受信部2821は、受信した判断結果を制御部2822に送信する(ステップ2919)。このようにして、制御装置282はデータ蓄積装置283Aが備える機能の利用が許可されたか否かについての情報を得ることが出来る。
【0300】
次に、制御部2822は、「データ蓄積装置B」に対応する手順に従い、送受信部を介して(ステップ2920)、パスワード「XXXXX」及び通信接続要求(接続認証要求)をデータ蓄積装置283Bに送信する(ステップ2921)。データ蓄積装置283Bの判断部2833は、受信したパスワード「XXXXX」を用いて、接続認証を実行する。つまり、パスワード「XXXXX」が通信接続を許可するパスワードであるか否かを判定する。データ蓄積装置283Bは判断部2833による接続認証の結果から、通信接続要求に対する結果を制御装置282に送信する(ステップ2922)。ここでは、接続認証が成功し、通信接続を許可する旨の結果がデータ蓄積装置283Bより送信されたものとする。
【0301】
制御装置282の送受信部2821は、受信した結果を制御部2822に送信する(ステップ2923)。制御部2822は通信接続が許可された旨の結果を受信したことに応じて、次手順である判断要求を、「データ蓄積装置B」に対応する判断情報(ユーザ名)と共に、送受信部2821を介して(ステップ2924)、データ蓄積装置283Bに送信する(ステップ2925)。データ蓄積装置283Bは、自装置の判断部2833による判断結果を制御装置282に送信する(ステップ2926)。
【0302】
制御装置282の送受信部2821は、受信した判断結果を制御部2822に送信する(ステップ2927)。このようにして、制御装置282はデータ蓄積装置283Bが備える機能の利用が許可されたか否かについての情報を得ることが出来る。
【0303】
次に、制御部2822は、「データ蓄積装置C」に対応する手順に従い、判断要求を「データ蓄積装置C」に対応する判断情報(ユーザ名及びパスワード)と共に、送受信部2821を介して(ステップ2928)、データ蓄積装置283Cに送信する(ステップ2929)。データ蓄積装置283Cは、自装置の判断部2833による判断結果を制御装置282に送信する(ステップ2930)。
【0304】
制御装置282の送受信部2821は、受信した判断結果を制御部2822に送信する(ステップ2931)。このようにして、制御装置282はデータ蓄積装置283Cが備える機能の利用が許可されたか否かについての情報を得ることが出来る。
【0305】
制御部2822は、以上の処理により得られた各データ蓄積装置における判断結果に基づき、画像形成装置281からの認証要求に対する認証結果を、送受信部2821を介して(ステップ2932)、画像形成装置281に送信する(ステップ2933)。
【0306】
以降、第1の実施形態、第2の実施形態および変形例において説明した処理と同様にして、画像形成装置281は、制御装置282を介して、利用を許可されたデータ蓄積措置823が蓄積する電子データを用いた、電子データリストの作成や、用途に応じたデータ形式の電子データを用いた各種処理の実行を行うことが出来る。
【0307】
上述したように、制御装置が各データ蓄積装置との間で必要とされる処理に関する情報を保持し、その情報に従って各データ蓄積装置との通信を行うことにより、利用者はデータ蓄積装置が蓄積するデータを利用するための処理プロセスを意識せずに、画像形成装置から当該データを利用することが可能となる。
【0308】
なお、第1の実施形態から第3の実施形態まで、画像形成装置による印刷を実行する場合の説明を行ったが、本発明の適用範囲は印刷に限らない。印刷以外の用途で電子データを取得する場合にも適用が可能であり、また画像形成装置以外の情報処理装置に対しても用途に応じた電子データを提供することが可能である。
【0309】
例えば、iPad(商標登録)等のタブレット端末から制御装置(印刷に限らないため制御装置ではなく制御装置と記載したが。)にアクセスし、データ蓄積装置が蓄積する電子データを取得することも可能である。
【0310】
このとき、データ蓄積装置から取得する電子データのデータ形式が「.ppt」であり、タブレット端末において「.ppt」のデータ形式の電子データを開くことの出来ない場合(例えばPowerPoint等のppt形式の電子データを読み込めるプログラムがインストールされていない場合)、タブレット端末において利用できるデータ形式に変換した電子データを送信すればよい(例えば、インターネット接続環境がありWebブラウザを備えていればHTML形式等の電子データに変換する等。)。
【0311】
当該タブレット端末が「.ppt」のデータ形式の電子データを読み込めるか否かは、制御装置がデータ形式と当該データ形式の電子データを読み込むことの可能なプログラムの情報を保持し、タブレット端末が備えるプログラムの一覧を取得して、判断すればよい。
【0312】
あるいは、タブレット端末から、所望のデータ形式を指定する情報を送信し、制御装置が指定されたデータ形式に変換した電子データをタブレット端末に送信する方法も可能である。
【0313】
つまり、制御装置は電子データの取得を要求する装置が備える機能(プログラム)が読込可能なデータ形式にデータ蓄積装置から取得した電子データを変換して送信すればよい。
(第4実施形態)
以下、本発明の第4の実施の形態におけるデータ制御システムの処理手順について説明する。なお、重複する説明については割愛する。
【0314】
第1から第3の実施の形態においては、画像形成装置において印刷を実行する印刷制御システムについての説明を行ってきたが、第4の実施の形態における特徴は、データ蓄積装置に蓄積する電子データの活用を印刷に限らずに、用途に応じた活用を可能とする点にある。
【0315】
図31は第4の実施の形態におけるデータ制御システムの構成例を示す図である。図31において、情報処理装置3110と1台以上のデータ蓄積装置3120と1台以上の情報処理装置3131、3132…313N(総括して説明する場合は情報処理装置3130とする。)と制御装置3140とが有線・無線を問わないネットワーク3100上で接続され通信可能とされた印刷制御システムが構成されている。
【0316】
また、第4の実施の形態においては、説明の便宜上、1台以上の情報処理装置3131、3132…313Nがオフィス等の建物の中の会議スペースである「A会議室」内に存在するものとして説明を進めるが、これに限るものではない。
【0317】
情報処理装置3110は、データ蓄積装置3120が蓄積する電子データを情報処理装置3130で利用する設定を行い、当該設定の情報である設定情報を制御装置に送信する装置である。例えば、PC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、Apple社のiPad(商標登録)等のタブレット端末及びPDA(Personal Digital Assistant)等があげられる。
【0318】
情報処理装置3130は、制御装置3140に対して、データ蓄積装置3120が蓄積する電子データを取得するよう要求し、制御装置3140から電子データを受信する装置である。例えば、PC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、Apple社のiPad等のタブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、画像形成装置及びプロジェクター等があげられる。
【0319】
制御装置3140は、情報処理装置3130からの要求に応じてデータ蓄積装置3120が蓄積する電子データを取得し、情報処理装置3130において利用できるデータ形式の電子データに適宜変換して、情報処理装置3130に送信する装置である。
【0320】
図32は、本発明の第4の実施の形態における情報処理装置、制御装置およびデータ蓄積装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【0321】
情報処理装置3110の設定部3214は、情報処理装置3130で利用する電子データに関する設定を行うために必要な設定項目情報を制御装置3140から取得する。また、取得した設定項目情報を用いて情報処理装置3130で利用する電子データに関する設定を行う。
【0322】
情報処理装置3130の表示部3231は、電子データを自身が備えるディスプレイに表示、または壁面等に電子データの映像を投影する。電子データ取得部3234は、制御装置3140に対し電子データの取得を要求する。
【0323】
制御装置3140の設定登録部3247は、情報処理装置3110からの設定項目情報の取得要求に応じて、適宜設定に必要な情報を送信する。また、情報処理装置3110から送信される設定情報を設定情報保持部3252に登録する。なお設定項目情報および設定情報の詳細については後述する。
【0324】
制御装置3140の設定判断部3248は、情報処理装置3130からの電子データの取得要求に応じて、設定情報保持部3252が保持する設定情報を読み出し、データ蓄積装置3120から取得する電子データを判断する。
【0325】
制御装置3140の設定情報保持部3252は、設定項目情報の一部または全部および設定情報を保持する。
【0326】
以下、本発明の第4の実施の形態におけるデータ制御システムの処理手順について説明する。図33は第4の実施形態のデータ制御システムにおける設定情報の登録手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。
【0327】
情報処理装置3110は、情報処理装置3130で利用する電子データに関する設定を行うため、利用者からの認証情報の入力を受け付けるためのログイン画面を表示部3211に表示する。図34(a)はログイン画面の一例であり、利用者は当該ログイン画面を介して、利用者識別情報(識別情報)を入力する。
【0328】
表示部3211は、入力された利用者識別情報を制御部3213に送信する(ステップ3301)。利用者識別情報を受信した制御部3213は、当該利用者識別情報を設定部3214に送信し、設定項目情報の取得を要求する(ステップ3302)。
【0329】
設定部3214は、送受信部(項目情報取得要求送信手段)を介して(ステップ3303)利用者識別情報と共に設定項目情報の取得要求を制御装置3140に送信する(ステップ3304)。
【0330】
制御装置3140の送受信部3241(項目情報取得要求受信手段)を介して、設定項目情報の取得要求を受信した制御部3242は(ステップ3305)、利用者識別情報を認証部3243に送信すると共に認証を要求する(ステップ3306)。
【0331】
認証部3243は、利用者識別情報と対応情報に基づいて認証を行い(ステップ3307)、認証結果を制御部3242に返す(ステップ3308)。制御部3242は、認証結果が認証失敗を示す旨であれば、送受信部3241を介して認証が失敗した旨の結果を情報処理装置3110に送信する。
【0332】
一方、認証が成功した旨の認証結果を受信した制御部3242は、電子データリストを取得するためステップ3309〜ステップ3322の処理を行う。なお電子データリストの取得は図5のステップ510〜ステップ520までの判断要求に係る処理を行った後に図10のステップ1005〜ステップ1014までの処理を行うことで取得した書誌情報に基づいて、電子データ取得部3244が電子データの一覧リストを作成し、制御部3242に電子データリストを送信すればよいため、詳細な説明は省略する。
【0333】
次に制御部3242は、設定登録部3247に対して設定項目情報の取得を要求する(ステップ3323)。設定登録部3247は、設定情報保持部3252が保持する設定項目情報を取得し(ステップ3324)、当該設定項目情報を制御部3242に送信する(ステップ3325)。
【0334】
図35は設定項目情報のデータ構成例を示す図である。
【0335】
図35(a)は、ユーザリストでありユーザを特定する情報(識別情報)としてユーザ名が登録してある。なお、ユーザを特定する情報であればユーザ名に限らなくてもよい。図35(b)は会議室リストであり会議室に関する情報として会議室名と場所の情報が登録してある。
【0336】
設定項目情報を受信した制御部は、電子データ(第1の電子データ)の一覧リストを含めた設定項目情報を送受信部3241(項目情報送信手段)を介して(ステップ3326)、情報処理装置3110に送信する(ステップ3327)。
【0337】
情報処理装置3110の送受信部3212は、受信した設定項目情報を設定部3214に送信し(ステップ3328)、設定部3214は受信した設定項目情報と設定画面を表示するための画面情報を制御部3213に送信する(ステップ3329)。
【0338】
制御部3213は、受信した設定項目情報および画面情報に基づいた設定画面を表示部3211に表示させる(ステップ3330)。利用者は表示部3211に表示された設定画面に対して、利用する電子データに関する各種の設定を行う(ステップ3331)。
【0339】
図34(b)は設定画面の一例である。ユーザは表示部3211に対する接触操作あるいは所定の操作によって「日時」「場所」「参加者」「資料」「添付」の各項目を入力する。「日時」は電子データを利用する時間に関する情報である。「場所」は電子データを利用する場所に関する情報が設定され、会議室リストに基づいて会議室名一覧の中から選択される。なお、当該設定画面においては場所の情報も合わせて表示している。「参加者」は電子データを利用するユーザに関する情報が設定され、ユーザリストに基づいてユーザ名一覧の中から選択される。なお、必ずしも複数のユーザ名が選択されている必要は無く、また、ログインした利用者はデフォルトで参加者に設定しておいてもよい。
【0340】
「資料」は活用する電子データを特定する情報であり、電子データの一覧リストに基づいて電子データ一覧の中から選択される。当該設定画面では電子ファイルのファイル名が表示されている。なお、電子データは1つに限らず、複数選択されても良い。「添付」は当該情報処理装置3110が保持する電子データを活用したい場合に当該電子データを添付する。
【0341】
以上より、図34(b)の設定画面例においては、2011年5月25日13時00分から15時00分の間、2階の会議室Aを、ユーザA、ユーザB、ユーザCが使用し、「ファイル1.ppt」と「ファイル2.doc」の電子データを活用する旨の設定内容が入力されたことを示している。
【0342】
なお、本実施の形態において、情報処理装置3110は会議室リストおよびユーザリストを制御装置3140から取得しているが、予め保持していても良い。この場合、制御装置3140からは電子データの一覧リストのみが設定項目情報として送信される。
【0343】
図33の説明に戻る。表示部3211において図34(b)の「登録」ボタンが押下されると、表示部3211はその旨を制御部3213に送信し(ステップ3332)、制御部3213は設定画面において入力された設定内容を登録するように設定部3214に要求する(ステップ3333)。
【0344】
登録要求を受信した設定部3214は、送受信部を介して(ステップ3334)、制御装置3140に当該設定内容の情報と共に登録要求を送信する(ステップ3335)。制御装置3140の送受信部3241は、当該登録要求を制御部3242に送信し(ステップ3336)、制御部3242は設定登録部3247に対して、当該設定内容の情報(以下、設定情報と呼ぶ)を登録するよう要求する(ステップ3337)。
【0345】
登録要求を受け付けた設定登録部3247(設定情報登録手段)は設定情報保持部3252に当該設定情報を登録する(ステップ3338)。ここで、設定内容において「添付」項目に添付された電子データについては、制御装置3140のHDD等の記憶領域にログイン処理における利用者識別情報と対応付けて保持していてもよく、またログイン処理における利用者識別情報を用いて蓄積可能な任意のデータ蓄積装置3120に蓄積するようにしてもよい。
【0346】
なお、電子データをデータ蓄積装置3120に蓄積する場合には、図示しない制御装置3140の電子データ登録部(電子データ蓄積要求手段)が送受信部3241を介して、データ蓄積装置3120に対し電子データを送信すると共に蓄積を要求すればよい。
【0347】
その後、データ蓄積装置3120は蓄積要求に応じて電子データを蓄積し(必要であれば判断情報と対応付けて蓄積する。)、制御装置3140に当該電子データの蓄積が完了した旨を通知する。電子データ登録部は送受信部3241を介して完了通知を受信することで、当該電子データの蓄積が完了したと判断する。
【0348】
図36は、設定登録部3247によって設定情報保持部3252に登録される設定情報のデータ構成例を示す図である。図36(a)は、添付された電子データを自身の記憶領域に保持した場合の例であり、図36(b)は、添付された電子データをデータ蓄積装置3120に蓄積した場合の例である。
【0349】
情報処理装置3110において設定された各項目に加えて、さらに「登録者」および「蓄積先」が登録される。「登録者」にはログイン処理において入力されたユーザ名が登録され、「蓄積先」には「資料」項目に登録されるファイル名の電子データが蓄積されるデータ蓄積装置3120を識別する情報(ここではデータ蓄積装置名)が登録されている。
【0350】
次に、設定登録部3247は設定情報を登録すると、登録が完了した旨の登録結果を制御部3242に送信する(ステップ3339)。なお、添付された電子データをデータ蓄積装置3120に蓄積した場合には、当該電子データの蓄積先の情報も併せて送信する。
【0351】
登録完了の登録結果を受信した制御部3242は送受信部3241を介して(ステップ3340)、情報処理装置3110に当該登録結果を送信する(ステップ3341)。
【0352】
情報処理装置3110の送受信部3212は、受信した登録結果を設定部3214に送信し(ステップ3342)、設定部3214は当該登録結果を制御部3213に送信する(ステップ3343)。登録結果を受信した制御部3213は、表示部3211において登録結果を表示させる(ステップ3344)。
【0353】
図34(c)は表示部3211において表示される登録結果の画面例である。ここでは、添付した電子データがデータ蓄積装置Aに蓄積され、その旨を示す登録結果が表示されている。以上により、設定情報の登録処理が完了する。
【0354】
次に、本発明の第4の実施の形態のデータ制御システムにおいて、設定情報に基づく電子データの取得処理を説明する。図37は第4の実施の形態のデータ制御システムにおける電子データの取得手順を説明するためのシーケンス図である。同図のステップは、同図に示される各機能部が、当該機能部の属する装置のCPUに実行させる。
【0355】
情報処理装置3130は、電子データ(第2の電子データ)を取得するために、利用者からの認証情報の入力を受け付けるためのログイン画面を表示部3231に表示する。図38(a)はログイン画面の一例であり、利用者は当該ログイン画面を介して、利用者識別情報を入力する。
【0356】
表示部3211は、入力された利用者識別情報を制御部3213に送信する(ステップ3701)。利用者識別情報を受信した制御部3233は、当該利用者識別情報を電子データ取得部3234(電子データ要求手段)に送信し、電子データの取得を要求する(ステップ3702)。
【0357】
電子データ取得部3234は、送受信部3232を介して(ステップ3703)利用者識別情報と共に電子データの取得要求を制御装置3140に送信する(ステップ3704)。
【0358】
制御装置3140の送受信部3241を介して、設定項目情報の取得要求を受信した制御部3242は(ステップ3705)、利用者識別情報を認証部3243に送信すると共に認証を要求する(ステップ3706)。
【0359】
認証部3243は、利用者識別情報と対応情報に基づいて認証を行い(ステップ3707)、認証結果を制御部3242に返す(ステップ3708)。制御部3242は、認証結果が認証失敗を示す旨であれば、送受信部3241を介して認証が失敗した旨の結果を情報処理装置3110に送信する。
【0360】
図38(b)は認証失敗の結果を受信した情報処理装置3130の表示部3231に表示される画面例である。
【0361】
一方、認証が成功した旨の認証結果を受信した制御部3242は、設定情報保持部3252が保持する設定情報に基づいて取得すべき電子データが存在するか否かの設定判断要求を設定判断部3248に送信する(ステップ3709)。
【0362】
設定判断要求を受信した設定判断部3248(設定判断手段)は、設定情報保持部3252が保持する設定情報に基づいて取得すべき電子データが存在するか否かの設定判断を実行する(ステップ3710)。
【0363】
図39は設定判断部3248によって実行される設定判断する処理の例を示すフローチャート図である。
【0364】
設定判断部3248は、設定情報保持部3252が保持する設定情報の参加者情報を参照し、情報処理装置3130から送信された利用者識別情報のユーザ名に該当するユーザ名が存在するか否かを判断する(ステップ3901)。ユーザ名が存在しなければ、取得すべき電子データが存在しない旨の設定判断結果を下す。
【0365】
一方、ユーザ名が存在した場合、設定判断部3248は該当したユーザ名に対応する設定情報の日時情報を参照し、現在時が当該日時情報の範囲内に含まれている設定情報が存在するか否かを判断する(ステップ3902)。現在時が日時情報に含まれている設定情報が存在しなければ、取得すべき電子データが存在しない旨の設定判断結果を下す。
【0366】
なお、現在時が日時情報の範囲内に含まれているか否かに基づいて判断を行うのではなく、現在時が日時情報から前後して所定時間内に含まれているか否かに基づいて判断を行っても良い。
【0367】
例えば、ユーザが会議開始5分前に会議室に到着して会議開始前に会議用資料(電子データ)を取得したい場合を考慮して、前後に時間幅を持たせる場合が考えられるためである。
【0368】
現在時が日時情報に含まれている設定情報が存在した場合、当該設定情報に基づいて取得すべき電子データを特定する(ステップ3903)。具体的には、資料情報または添付情報に登録されている電子データのファイル名と、当該電子データの蓄積先(添付情報だけであれば不要である。)、当該設定情報の登録者の情報を特定する。
【0369】
次に、設定判断部3248は、会議室名の情報と当該会議室に設置されている情報処理装置等のデバイスに関する情報を対応付けた対応デバイス情報とに基づいて、当該設定情報の会議室名に対応するデバイスを特定し、情報処理装置3130が対応するデバイスに含まれているか否かを判断する(ステップ3904)。
【0370】
図40は、対応デバイス情報のデータ構成例である。なお対応デバイス情報は設定情報保持部3252に予め登録されている情報である。
【0371】
対応デバイス情報は、「会議室名」「デバイス種」「デバイスID」「共有使用」「データ形式」の各項目から成る。「会議室名」は設定情報におけるものと同様であり、他の項目が「会議室名」に対応付いて登録されている。
【0372】
「デバイス種」はデバイスの種類を表すものであり、例えばPC、プロジェクター、MFPといったデバイスの種類に関する情報が登録される。デバイスIDは各デバイスを識別する情報であり、電子データ取得の要求元である情報処理装置等を識別するために用いる情報である(要求元識別情報)。デバイスIDの例として、デバイスの製造番号、IPアドレス、MACアドレス等の他に、電子データ取得アプリケーションプログラムとしてデバイスに搭載されるアプリケーションのID(アプリケーションID)等であってもよく、またこれに限らない。
【0373】
「共有使用」は、共有して電子データを使用してもよいデバイスであるか否かについての情報である。図40ではデバイス種がプロジェクターのデバイスに対して共有使用してもよい旨の設定が登録されている。なお、共有使用の情報を用いた処理の詳細は後述する。
【0374】
「データ形式」は、デバイスにおいて使用可能な、あるいは使用させたいデータ形式に関する情報である。制御装置3140は、電子データを送信するデバイスに応じて当該電子データを「データ形式」項目に設定されているデータ形式に変換した上で送信する。なおデータ変換処理の詳細は後述する。
【0375】
これら対応デバイス情報の登録は、予め管理者等のユーザによって行われるものとするが、必ずしも全ての項目をユーザ操作によって登録する必要はなく、装置間で自動的に取得することも可能である。例えば、電子データ取得部3234を電子データ取得アプリケーションプログラムとして情報処理装置3130がインストールしたタイミングで、自動的に登録するようにしてもよい。
【0376】
例えば、「デバイス種」「デバイスID」「データ形式」については情報処理装置3130が自動的に自身から情報を取得して制御装置3140に送信することが出来る。データ形式については、自信に搭載されているアプリケーションプログラムに基づいて、当該アプリケーションプログラムでファイルの展開処理が可能な拡張子(データ形式)を特定することで自動的に取得できる。
【0377】
ステップ3904において、設定判断部3248は、対応デバイス情報から設定情報の会議室名に対応するデバイスのデバイスIDを参照し、情報処理装置3130が利用者識別情報を送信する時に(ステップ3704の処理時に)併せて送信したデバイスIDと一致するものが存在するか否かを判断する。
【0378】
一致するデバイスIDが存在しない場合、取得すべき電子データが存在しない旨の設定判断結果を下す。一方、一致するデバイスIDが存在すると判断した場合、当該デバイスIDに対応するデータ形式の情報を取得し、情報処理装置3130に送信する電子データのデータ形式および変換プログラムを決定する(ステップ3905)。なお、情報処理装置3130のデバイスIDの取得は、上述した利用者識別情報の送信時に限らず、また、制御装置3140が情報処理装置3130からデバイスIDを取得するようにしてもよい。
【0379】
登録されるデータ形式が1つであれば当該データ形式で決定されるが、複数存在した場合のデータ形式の決定方法としてはいくつかの方法が考えられる。例えば、優先的に使用するデータ形式を設定しておき、電子データを当該データ形式に変換する変換プログラムが存在すれば当該データ形式に決定し、存在しなければ他のデータ形式あるいは次に優先されるデータ形式を対象に変換プログラムの存否を判断するループ処理を実行してもよい。
【0380】
また、共有使用デバイスが存在すれば、当該共有使用デバイスにおいて使用可能なデータ形式と共通するデータ形式に変換する変換プログラムが存在するか否かを判断し、当該変換プログラムが存在すれば当該データ形式に決定する方法を採っても良い。プロジェクター等による投影画像は参加者が共有して見る可能性が高いため、投影される電子データのデータ形式に統一することで表示形態に差がなくなり利便性を高めることが出来る。
【0381】
またさらに、上記方法に限るものではなく、変換プログラムが存在すれば任意のデータ形式を採用しても良いし、複数のデータ形式に対応した変換プログラムが存在すれば、情報処理装置3130に変換可能なデータ形式の候補を送信して利用者に選択させるようにしても良い。
【0382】
なお、電子データのデータ形式を対応デバイス情報に登録されたデータ形式に変換する変換プログラムが存在しなければ、取得すべき電子データが存在しない旨の設定判断結果を下す。一方で登録されたデータ形式に変換する変換プログラムが存在すれば、取得すべき電子データが存在する旨の設定判断結果を下す。
【0383】
図37の説明に戻る。設定判断部3248は設定判断結果を制御部3242に送信する(ステップ3711)。設定判断結果が、取得すべき電子データが存在しない旨を示していれば、制御部3242は送受信部3241を介して情報処理装置3130にエラー通知を送信し、情報処理装置3130は図38(b)の画面を表示する。
【0384】
一方、設定判断部3248は取得すべき電子データが存在する旨の判断を下すと、設定判断結果として、当該電子データのファイル名、蓄積先(電子データを自身で保持する場合は不要である。)、登録者および変換プログラムに関する情報を制御部3242に送信する。
【0385】
次に、制御部3242は、設定判断結果として取得した登録者の情報を対応情報取得部3246に送信すると共に判断情報の取得を要求する(ステップ3712)。対応情報取得部3246は、対応情報保持部3251が保持する対応情報に基づいて、当該登録者と一致する独自認証ユーザ名に対応した判断情報を取得し(ステップ3713)、当該判断情報を制御部3242に送信する(ステップ3714)。
【0386】
その後、制御装置3140の各機能部は、取得した判断情報を用いて、電子データの蓄積先となっているデータ蓄積装置3120から当該電子データを取得し、変換プログラムを用いて取得した電子データのデータ形式を変換する(ステップ3715〜ステップ3727)。なお、判断情報を用いた電子データの取得に関する説明は、他の実施の形態において説明したものと本質的に変わらないため、ここでは省略する。
【0387】
なお、電子データを自身の記憶領域に保持している場合は、当該記憶領域から登録者の情報とファイル名が一致する電子データを取得すればよい。
【0388】
そして、制御部3242は、変換プログラムによって変換された電子データ(第2の電子データ)を、送受信部を介して(ステップ3728)情報処理装置3130に送信する(ステップ3729)。電子データを受信した情報処理装置3130の送受信部3232は、当該電子データを電子データ取得部3234に送信し(ステップ3730)、電子データ取得部3234は当該電子データを制御部3233に送信する(ステップ3731)。
【0389】
電子データを受信した制御部3233は、当該電子データをHDD等の所定の記憶領域に保存し、表示部3231において電子データの取得が完了した旨を通知する画面を表示させる(ステップ3732)。
【0390】
図38(c)は、表示部3231において表示される電子データ取得完了の画面例である。なお、取得した電子データが複数存在すれば、どのファイル(電子データ)をオープンして表示部3231に表示させるかを選択させるようにしてもよい。
【0391】
ここで、情報処理装置3130がプロジェクター等の共有デバイスであった場合において、図37のシーケンスおよび図39のフローチャートと処理の異なる部分を説明する。
【0392】
プロジェクター3131においては、利用者識別情報の入力を必ずしも必要とせず、また入力する操作部を備えていないことも考えられる。この場合、プロジェクター3131の電源がONになったタイミングまたはONの状態になってから所定時間が経過したタイミングで、プロジェクター3131は電子データの取得要求を制御装置3140に送信する。
【0393】
電子データの取得要求を受信した制御装置3140は、送信されたデバイスIDが対応デバイス情報において共有使用となっているか否かを設定判断部3248に判断させ、共有使用となっていた場合には、ステップ3706〜3708の認証処理を行わずに、デバイスIDから特定される会議室名と現在時の情報を用いて該当する設定情報を特定し、取得すべき電子データのファイル名、登録者、蓄積先を特定し、対応デバイス情報に基づいて変換プログラムを決定し、ステップ3712以降の処理を実行する。
【0394】
なお、プロジェクター3131は電源がONになったタイミングの他、利用者のリモコン操作等による指示に応じて電子データの取得要求を送信するようにしてもよい。
【0395】
また制御装置3140は、電子データを送信したデバイスIDおよび参加者の履歴情報を所定の記憶領域において管理するようにしてもよく、デバイスIDが共有使用となっていると判断した場合に、当該履歴情報を参照し、共有使用となっていない少なくとも1以上のデバイスに対して電子データの送信が実行されているか否かを判断した上で、実行されている場合にのみ電子データの取得を認めるようにしても良い。
【0396】
このようにすることで、少なくとも1人の参加者に対する認証が行われていることが保証されるため、会議室に参加者(利用者)がいることを確認した上でプロジェクターによる電子データの投影が行われることとなり、情報漏洩のセキュリティを向上させることが出来る。
【0397】
以上より、種々のデバイスに対して用途に応じた電子データの取得および活用が可能となる。
【0398】
なお、本発明においては、制御装置または制御装置が認証部を備え、自身において認証の判断を行っていたが、認証部および認証情報を外部装置が備え、情報処理装置から受信した利用者識別情報を外部装置に送信し、外部装置において当該利用者識別情報による認証の判断を行い、外部装置から認証結果を受信することで認証処理を実行する構成としてもよい。
【0399】
また、画像形成装置等の情報処理装置から送信される認証情報は利用者識別情報に限らず、利用者が利用するICカード等の記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報であってもよいし、利用者の生体情報を用いてもよく、またこの限りではない。
【0400】
また、制御装置および制御装置において実行されていた変換プログラムによるデータ変換処理を外部装置において実行させてもよい。この場合、制御装置は電子データを送信すると共にデータ変換処理を外部装置に要求するか、さらに変換したい電子データのデータ形式を指定して要求することで変換された電子データを取得する構成となる。
【0401】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0402】
101、1701、2401、281…画像形成装置。102、1702、2402、282…制御装置。110、111、112、11N、2420、2421、2422、242N、283、28A、283B、283C、3120…データ蓄積装置。200…ドライブ装置。201…記録媒体。202…補助記憶装置。203…メモリ装置。204…UPU。205…インターフェース装置。311…コントローラ。312…スキャナ。313…プリンタ。314…モデム。315…操作パネル。316…ネットワークインタフェース。317…SDカードスロット。318…SDカード。3111…CPU。3112…RAM。3113…ROM。3114…HDD。401、415、421、1801、1815、1821、2501、2503、2515、2521、2815、2821、2831、3212、3221、3232、3241…送受信部。402、412、422、1812、1822、2505、2512、2522、2812、2822、2832、3213、3222、3233、3242…制御部。403、2505、2833、3223…判断部。404、2506、2834、3224…蓄積データ取得部。405、2507、2835,3225…データ蓄積部。411、1811、2511、2811、3211、3231…表示部。413、423、1813、1823、2513、2523、2813、2823、3243…認証部。414、1814、1829、2514、2530、2814…データ取得部。416、1816、2516、2816…印刷部。424、2524、2824、3234、3244…電子データ取得部。425、1827、2528、2825…データ変換部。426、1828、2529、2826、3246…対応情報取得部。427、1831、2531、2828、3251…対応情報保持部。428、1832、2533、2830、3253…変換プログラム保持部。1710、2410…メール蓄積装置。1802、2502…メールデータ蓄積部。1824、2525…メールデータ取得部。1825、2526…メールデータ解析部。1826、2527…対象データ抽出部。1830、2532…電子データ蓄積部。2000…メールデータ構成画面。2827…方式判定部。2829…方式情報保持部。3110、3130、3132、3133、313N…情報処理装置。3131…プロジェクター。3140…制御装置。3214…設定部。3245…データ変換部。3247…設定登録部。3248…設定判断部。3252…設定情報保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子データを蓄積するデータ蓄積装置と、第2の電子データを受信する情報処理装置と、前記第1の電子データの受信および前記第2の電子データの送信を実行する制御装置とがネットワークを介して通信可能に接続する制御システムであって、
前記情報処理装置は、
前記電子データの用途を特定する用途特定情報と、当該電子データを特定するデータ特定情報とを前記制御装置に送信する特定情報送信手段を備え、
前記制御装置は、
前記データ蓄積装置が蓄積する前記第1の電子データを受信する第1の電子データ受信手段と、
前記情報処理装置の特定情報送信手段により送信された前記用途特定情報およびデータ特定情報とを受信する特定情報受信手段と、
前記特定情報受信手段により受信した前記データ特定情報に基づいて特定される前記第1の電子データを前記用途特定情報に基づいて決定されるデータ形式に変換するよう、前記電子データのデータ形式を変換するデータ変換手段に対して要求するデータ変換要求手段と、
前記データ変換手段によりデータ形式が変換された第2の電子データを取得する第2の電子データ取得手段と、
前記第2の電子データを前記情報処理装置に送信する第2の電子データ送信手段と
を備えることを特徴とするデータ制御システム。

【請求項2】
電子データを蓄積するデータ蓄積手段を備えるデータ蓄積装置と、電子データの用途を示す用途特定情報と電子データを特定するデータ特定情報とを送信する特定情報送信手段を備える情報処理装置とにネットワークを介して通信可能に接続する制御装置であって、
前記データ蓄積装置が蓄積する前記第1の電子データを受信する第1の電子データ受信手段と、
前記情報処理装置の特定情報送信手段により送信された前記用途特定情報およびデータ特定情報とを受信する特定情報受信手段と、
前記特定情報受信手段により受信した前記データ特定情報に基づいて特定される前記第1の電子データを前記用途特定情報に基づいて決定されるデータ形式に変換するよう、前記電子データのデータ形式を変換するデータ変換手段に対して要求するデータ変換要求手段と、
前記データ変換手段によりデータ形式が変換された第2の電子データを取得する第2の電子データ取得手段と、
前記第2の電子データを前記情報処理装置に送信する第2の電子データ送信手段と
を備えることを特徴とする制御装置。

【請求項3】
前記情報処理装置の種類と利用可能なデータ形式とが対応付いたる変換データ形式情報を保持する変換データ形式情報保持手段と、
前記変換データ形式情報に基づいて変換するデータ形式を特定するデータ形式特定手段とを備え、
前記特定情報受信手段は、前記情報処理装置の種類に関する情報を受信し、
前記データ変換要求手段は、
前記第1の電子データを前記データ形式特定手段により特定された前記データ形式に変換するよう要求することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1の電子データのデータ形式から変換可能な他のデータ形式に関する情報である変換可能データ形式情報を保持する変換可能データ形式情報保持手段と、
前記変換データ形式情報と前記変換可能データ形式情報に基づき、前記第1の電子データを前記情報処理装置において利用可能なデータ形式に変換することが出来るか否かを判断する変換可否判断手段と、
を備え、
前記データ変換要求手段は、前記変換可否判断手段により、前記情報処理装置において利用可能なデータ形式に変換することが出来ると判断された場合に、前記データ変換手段に変換を要求することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1の電子データから、前記データ変換手段によるデータ形式変換処理の対象となる第3の電子データを抽出する第3の電子データ抽出手段を備え、
前記第データ変換要求手段は、
前記第3の電子データ抽出手段により抽出された前記第3の電子データのデータ形式を変換するよう要求することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1の電子データを解析し、データ形式を変換して前記第2の電子データを作成するときの作成条件を取得する作成条件取得手段を備え、
前記データ変換要求手段は、
前記作成条件に基づいてデータ形式の変換処理を要求することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記情報処理装置から利用者認証に用いられる第1の識別情報を受信する識別情報受信手段を備え、
前記データ変換要求手段は、
前記第1の電子データのうち、前記第1の識別情報に基づいて特定される前記第1の電子データを対象に、変換処理を要求することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記識別情報と、使用可能な前記第1の電子データを識別する第2の識別情報とが対応付いた対応情報を保持する対応情報保持手段と、
前記対応情報に基づいて、前記情報処理装置から受信した前記第1の識別情報と対応付く前記第2の識別情報を取得するデータ特定情報取得手段と、
を備え、
前記データ変換要求手段は、
前記第1の電子データのうち、前記第2の識別情報に基づいて識別される前記第1の電子データを対象に、変換処理を要求することを特徴とする請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記第1の識別情報に基づく認証処理を実行する認証手段と、
前記認証手段による認証処理に基づいて得られる認証結果が認証成功であった場合に、前記対応情報が保持する前記第2の識別情報に対応する蓄積先の情報に基づき、前記第2の識別情報をデータ蓄積装置に送信し、前記第1の電子データの取得が可能か否かの判断を要求する判断要求送信手段と、
前記判断要求手段に応じた判断結果を前記データ蓄積装置から受信する判断結果受信手段と、
認証処理に基づいて得られる前記認証結果が認証失敗であった場合、または、前記判断結果により電子データの取得が不可であった場合に、利用者認証が失敗した旨を前記情報処理装置に通知する通知手段と、
を備え、
前記対応情報保持手段は、
前記第1の電子データを識別する前記第2の識別情報と、当該第1の電子データを取得するデータ蓄積装置の蓄積先の情報とが対応付いた前記対応情報を保持し、
前記第1の電子データ取得手段は、
前記判断要求手段により、前記第1の電子データの取得が可能な旨の判断結果を受信した前記データ蓄積装置から前記第1の電子データを取得することを特徴とする請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
電子データを蓄積するデータ蓄積手段を備えるデータ蓄積装置と、電子データの用途を示す用途特定情報と電子データを特定するデータ特定情報とを送信する特定情報送信手段を備える情報処理装置とにネットワークを介して通信可能に接続するコンピュータに、
前記データ蓄積装置が蓄積する前記第1の電子データを受信する第1の電子データ受信手段と、
前記情報処理装置の特定情報送信手段により送信された前記用途特定情報およびデータ特定情報とを受信する特定情報受信手段と、
前記特定情報受信手段により受信した前記データ特定情報に基づいて特定される前記第1の電子データを前記用途特定情報に基づいて決定されるデータ形式に変換するよう、前記電子データのデータ形式を変換するデータ変換手段に対して要求するデータ変換要求手段と、
前記データ変換手段によりデータ形式が変換された第2の電子データを取得する第2の電子データ取得手段と、
前記第2の電子データを前記情報処理装置に送信する第2の電子データ送信手段と
を実行させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2013−73358(P2013−73358A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211065(P2011−211065)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】