説明

制御機器、制御方法、およびプログラム

【課題】ネットワークを介したコンテンツのストリーミング視聴において、利便性を向上させることができるようにする。
【解決手段】制御機器21は、再生機器1からAVケーブル4を介して供給されるコンテンツのAVデータを受信し、ストリーミングデータとしてネットワーク5を介して表示装置22に送信する。制御機器21と表示装置22の間で予期せぬ通信の切断が発生した場合、制御機器21は、通信の切断によりユーザが視聴できなくなったコンテンツの未視聴部分の先頭位置を予測し、予測した先頭位置から再生されるように再生機器1を制御する。本発明は、例えば、再生機器を制御する制御機器に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御機器、制御方法、およびプログラムに関し、特に、ネットワークを介したコンテンツのストリーミング視聴において、利便性を向上させることができるようにする制御機器、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定のコンテンツをストリーミング配信するストリーミング配信サーバにインターネットを介して接続し、コンテンツを視聴(ストリーミング視聴)する視聴形態が広く普及している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年では、家庭内において、ハードディスクレコーダやパーソナルコンピュータなどの再生機器に保存されているコンテンツを、無線LAN (Local Area Network)などの家庭内ネットワークを介して、再生機器が置かれている部屋とは別の部屋でストリーミング視聴するという視聴形態も実現されている。さらには、ネットワークの帯域、速度が増大したことで、家庭内に保存されているコンテンツをインターネットを介して外出先でストリーミング視聴するという視聴形態も実現されている。
【0004】
図1は、家庭内の所定の部屋にある再生機器に保存されているコンテンツを、家庭内ネットワークを介して、再生機器がある部屋とは別の部屋でストリーミング視聴する視聴形態を実現する視聴システムの構成例を示している。
【0005】
図1の視聴システムは、再生機器1、制御機器2、および表示装置3により構成される。再生機器1と制御機器2はAV(Audio/Video)ケーブル4で接続され、制御機器2と表示装置3は、ネットワーク5で接続される。AVケーブル4は、例えば、コンポジット信号やコンポーネント信号などのアナログのAVデータを伝送するケーブルである。ネットワーク5は、例えば、無線または有線による家庭内LANである。
【0006】
再生機器1は、例えば、DVD (Digital Versatile Disc)レコーダやハードディスクレコーダなどであり、赤外線によるリモートコントロール信号(以下、赤外線信号という)を受信して、赤外線信号に基づく動作、例えば、コンテンツの再生、停止、巻き戻し、早送りなどを行う。再生されたコンテンツのAVデータは、AVケーブル4を介して制御機器2に供給される。
【0007】
制御機器2は、表示装置3に対してサーバとして機能し、表示装置3からの要求に応じて、コンテンツを再生させる赤外線信号を再生機器1に送信する。そして、制御機器2は、送信した赤外線信号に応じて、AVケーブル4を介して再生機器1から供給されるコンテンツのAVデータを受信する。制御機器2は、受信したAVデータを、所定の圧縮方式(例えば、MPEG方式)でエンコードされたストリーミングデータに変換し、ネットワーク5を介して表示装置3に供給(送信)する。なお、制御機器2は、再生機器1を制御するためのリモートコントロールコードを内部に記憶している。
【0008】
表示装置3は、制御機器2のクライアントとして機能する。表示装置3は、ユーザの操作に応じてネットワーク5を介して制御機器2と接続し、再生機器1によるコンテンツの再生を要求する。そして、表示装置3は、コンテンツの再生の要求に応じて制御機器2から送信されてくるコンテンツのAVデータ(ストリーミングデータ)を受信し、コンテンツの映像をLCD (Liquid Crystal Display)などの画面に表示する。なお、コンテンツのAVデータに基づいて表示装置3からは音声も出力されるが、本明細書では音声についての説明は省略する。
【0009】
図2は、ユーザが再生機器1で再生したコンテンツの映像を表示装置3に表示させて視聴する場合の、正常シーケンスのフローチャートを示している。
【0010】
ステップS1において、ユーザが、ストリーミング視聴を開始する操作、即ち、再生機器1でコンテンツを再生させ、再生されたコンテンツの映像を表示装置3で視聴する操作を表示装置3で行うと、ステップS2において、表示装置3は、ネットワーク5を介して制御機器2に接続し、コンテンツのストリーミング開始要求を制御機器2に送信する。
【0011】
ステップS3において、制御機器2は、表示装置3からのストリーミング開始要求を受信し、コンテンツの再生要求を赤外線信号により送信する。
【0012】
ステップS4において、再生機器1は、制御機器2からのコンテンツの再生要求を受信し、再生要求されたコンテンツのAVデータ(1)を、AVケーブル4を介して制御機器2に送信する。なお、AVデータのカッコ内の番号は、本来連続的に送信されるコンテンツのAVデータを、便宜上、所定単位量(所定時間)ごとに送信されるとしたときの、送信されるAVデータの順番を表す。
【0013】
制御機器2は、ステップS5において、再生機器1から供給されるコンテンツのAVデータ(1)を受信し、ネットワーク5を介して表示装置3に送信する。なお、制御機器2は、アナログデータとして供給されるコンテンツのAVデータをデジタルのストリーミングデータに変換してから、表示装置3に送信する。
【0014】
ステップS6において、表示装置3は、制御機器2からストリーミングデータとして供給されるコンテンツのAVデータ(1)を受信し、デコード等の所定の処理を実行して、AVデータ(1)に対応するコンテンツの映像を表示する。
【0015】
以下、上述したステップS4乃至S6の処理と同様に、AVデータ(2)およびAVデータ(3)の伝送および表示処理が、ステップS7乃至S9,ステップS10乃至S12と実行される。これにより、ユーザは、再生機器1で再生されたコンテンツの映像を、再生機器1が設置されている部屋とは別の部屋でストリーミング視聴することができる。
【0016】
図2では、説明の便宜上、コンテンツのAVデータの送信、受信、および表示の処理が、断続的に繰り返されるように記載されているが、コンテンツのAVデータの送信、受信、および表示の処理は、実際には、切れ目なく継続的に実行される。
【0017】
コンテンツのストリーミング視聴を終了する場合、ユーザは、ステップS13において、コンテンツのストリーミング視聴を終了する操作を、表示装置3に対して行う。表示装置3は、ステップS14において、ストリーミング視聴を終了する操作を受け付けると、コンテンツのストリーミング終了要求をネットワーク5を介して制御機器2に送信し、その後、制御機器2との接続を切断する。表示装置3では、コンテンツの映像の表示も停止される。
【0018】
制御機器2は、ステップS15において、コンテンツのストリーミング終了要求を表示装置3から受信し、コンテンツの停止要求を赤外線信号により再生機器1に送信する。再生機器1は、赤外線信号によるコンテンツ再生の停止要求を受信後、コンテンツの再生を停止し、AVデータの送信も停止する。
【0019】
正常シーケンスにおいては、以上のように、再生機器1で再生されたコンテンツの映像を表示装置3に表示させて視聴することができる。
【0020】
なお、ユーザが、インターネットを介して外出先でストリーミング視聴するという視聴形態は、上述した図1のネットワーク5が、家庭内のLANだけではなく、インターネットを含む構成とすることで実現可能である。
【0021】
【特許文献1】特開2002−342197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ところで、図1の視聴システムにおいては、ネットワーク5の通信品質(QoS)が一定に保たれる保証はない。例えば、ネットワーク5が家庭内LANである場合には、有線ケーブルの差込口からの抜けや無線妨害などにより、ネットワーク5がインターネットを含む場合には、ネットワークのバックボーンやインフラの影響などにより、予期せずに制御機器2と表示装置3間の通信が切断されるということが起こり得る。ここで、通信の切断とは、ネットワーク5の物理的な切断(物理層レベルまたはそれに近いレベルでの切断)のみならず、制御機器2が表示装置3宛てに送信したAVデータが表示装置3に届かない状態となる全ての状態をいう。
【0023】
図3は、図1の視聴システムにおいて、制御機器2と表示装置3間で通信の切断が予期せず発生した場合(異常シーケンス)のフローチャートを示している。
【0024】
ステップS31乃至S42の処理は、図2のステップS1乃至S12の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0025】
ステップS43において、再生機器1がコンテンツのAVデータ(4)をAVケーブル4を介して制御機器2に送信する。その後、制御機器2と表示装置3間で予期せぬ通信の切断が発生したとする。
【0026】
ステップS44において、制御機器2は、再生機器1から供給されたコンテンツのAVデータ(4)を受信し、ネットワーク5を介して表示装置3に送信する。しかしながら、制御機器2と表示装置3間の通信が切断されているので、表示装置3には、コンテンツのAVデータ(4)は届かず、表示装置3におけるコンテンツの映像の表示は停止する。
【0027】
一方、再生機器1は、再生を停止することなく、ステップS45におけるAVデータ(5)の送信,S46におけるAVデータ(6)の送信,S47におけるAVデータ(7)の送信,・・・と、再生されたコンテンツのAVデータの送信を繰り返す。その結果、後述するステップS53でコンテンツの再生要求を受信するまでに、ステップS49におけるAVデータ(9)までの送信が終了する。この間、表示装置3にコンテンツの映像は表示されず、ユーザは視聴できない。即ち、AVデータ(4)乃至AVデータ(9)は未視聴データとなる。
【0028】
所定時間経過後のステップS51において、ユーザが、コンテンツの映像の表示停止に気がつき、コンテンツのストリーミング視聴を開始する操作を、表示装置3に対して再び行うと、表示装置3は、ステップS52において、制御機器2に再度接続し、コンテンツのストリーミング開始要求を制御機器2に再び送信する。なお、制御機器2と表示装置3間の通信の切断の原因が、例えば、通信ケーブルの抜けなど、ユーザ側にある場合には、ユーザが切断の原因を適切に除去した後で、ストリーミング視聴を開始する操作を行うものとする。
【0029】
ステップS53において、制御機器2は、コンテンツのストリーミング開始要求を表示装置3から受信して、コンテンツの再生要求を赤外線信号により再生機器1に送信する。
【0030】
再生機器1は、ステップS54において、コンテンツの再生要求を受信すると、既にコンテンツのAVデータ(9)の送信まで終了しているので、次の送信すべきAVデータとして、AVデータ(10)を送信する。
【0031】
制御機器2は、ステップS55において、再生機器1から供給されたAVデータ(10)を受信し、ネットワーク5を介して表示装置3に送信する。ステップS56において、表示装置3は、制御機器2から供給されたコンテンツのAVデータ(10)を受信し、受信したAVデータ(10)に対応するコンテンツの映像を画面に表示する。
【0032】
以上の結果、ユーザは、未視聴の時間分進んだシーンから視聴することになる。すなわち、ユーザは、再生しているコンテンツのAVデータ(3)の映像までを視聴した後、AVデータ(4)乃至AVデータ(9)の映像を飛ばしてAVデータ(10)の映像を視聴することになる。例えば、AVデータ(10)の映像が、推理ドラマの結末が分かってしまう部分など、コンテンツのオチである場合には、非常に悔しい思いをすることになる。
【0033】
また、ユーザは、未視聴部分であるAVデータ(4)乃至AVデータ(9)の映像を視聴するためには、再生位置の巻き戻しを手動で行う必要がある。
【0034】
以上のように、従来の視聴システムにおいては、制御機器2と表示装置3間の接続が回復した後にコンテンツを再生した場合、ユーザが意図しないシーンからコンテンツが再生されてしまう(後半の意図しないシーンを先に見てしまう)、未視聴部分を巻き戻す操作を行う必要がある、などの問題があった。
【0035】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ネットワークを介したコンテンツのストリーミング視聴において、利便性を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明の一側面の制御機器は、コンテンツを再生する再生機器から送信されてくる前記コンテンツのAVデータを受信する受信手段と、前記コンテンツの映像を表示させる表示制御装置とネットワークを介して接続し、前記受信手段により受信された前記コンテンツのAVデータのストリーミングデータを前記表示制御装置に送信する通信手段と、前記表示制御装置との通信の切断を検出する検出手段と、前記切断が検出された場合、前記コンテンツの再生を停止させるとともに、前記表示制御装置との接続が回復した後の前記コンテンツの再生において、前記切断によりユーザが視聴できなくなった前記コンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように前記再生機器を制御する制御手段とを備える。
【0037】
本発明の一側面の制御方法は、コンテンツを再生する再生機器から送信されてくる前記コンテンツのAVデータを受信し、前記コンテンツの映像を表示させる表示制御装置とネットワークを介して接続し、受信した前記コンテンツのAVデータのストリーミングデータを前記表示制御装置に送信し、前記表示制御装置との通信の切断が検出された場合、前記コンテンツの再生を停止させるとともに、前記表示制御装置との接続が回復した後の前記コンテンツの再生において、前記切断によりユーザが視聴できなくなった前記コンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように前記再生機器を制御する。
【0038】
本発明の一側面のプログラムは、コンピュータに、コンテンツを再生する再生機器から送信されてくる前記コンテンツのAVデータを受信し、前記コンテンツの映像を表示させる表示制御装置とネットワークを介して接続し、受信した前記コンテンツのAVデータのストリーミングデータを前記表示制御装置に送信し、前記表示制御装置との通信の切断が検出された場合、前記コンテンツの再生を停止させるとともに、前記表示制御装置との接続が回復した後の前記コンテンツの再生において、前記切断によりユーザが視聴できなくなった前記コンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように前記再生機器を制御する処理を実行させる。
【0039】
本発明の一側面においては、コンテンツを再生する再生機器から送信されてくるコンテンツのAVデータが受信され、受信されたコンテンツのAVデータのストリーミングデータが表示制御装置に送信され、表示制御装置との通信の切断が検出された場合、コンテンツの再生を停止させるとともに、表示制御装置との接続が回復した後のコンテンツの再生において、切断によりユーザが視聴できなくなったコンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように再生機器が制御される。
【0040】
ネットワークとは、少なくとも2つの装置が接続され、ある装置から、他の装置に対して、情報の伝達をできるようにした仕組みをいう。ネットワークを介して通信する装置は、独立した装置どうしであっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックどうしであっても良い。
【0041】
また、通信とは、無線通信および有線通信は勿論、無線通信と有線通信とが混在した通信、即ち、ある区間では無線通信が行われ、他の区間では有線通信が行われるようなものであっても良い。さらに、ある装置から他の装置への通信が有線通信で行われ、他の装置からある装置への通信が無線通信で行われるようなものであっても良い。
【0042】
なお、プログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明の一側面によれば、ネットワークを介したコンテンツのストリーミング視聴において、利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図4は、本発明を適用した視聴システムの第1実施の形態の構成例を示している。
【0045】
なお、図4において、図1の視聴システムと対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0046】
図4の視聴システムは、再生機器1、制御機器21、および表示装置22により構成されている。再生機器1と制御機器21はAVケーブル4で接続され、制御機器21と表示装置22はネットワーク5で接続される。
【0047】
即ち、図4の視聴システムを図1の視聴システムと比較すると、制御機器21と表示装置22は、図1の制御機器2と表示装置3に対応し、再生機器1は同一である。
【0048】
制御機器21は、正常シーケンスにおいては、上述した制御機器2と同様に、表示装置22からのコンテンツのストリーミング開始要求を受信すると、コンテンツの再生要求を赤外線信号により再生機器1に送信する。また、制御機器21は、再生機器1からAVケーブル4を介して供給されるコンテンツのAVデータを受信し、そのストリーミングデータを、ネットワーク5を介して表示装置22に送信する。
【0049】
また、制御機器21は、図3を参照して説明したような、制御機器21と表示装置22間の通信の切断が発生したときの問題に対応するため、通信の切断を検出する切断検出処理と、通信の切断を検出した場合に再生機器1を制御する切断対応制御処理を行う。
【0050】
表示装置22は、制御機器21の切断検出処理において制御機器21から送信されてくるコマンドに対して応答する処理が新たに追加されている点以外は、図1の表示装置3と同様である。
【0051】
正常シーケンスにおける図4の視聴システムの処理は、図2を参照して説明した処理と同様であるので、制御機器21と表示装置22間で予期せぬ通信の切断が発生した場合における図4の視聴システムの処理について、図5を参照して説明する。
【0052】
図5のステップS61乃至S74の処理は、図3のステップS31乃至S44の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。制御機器21と表示装置22間で予期せぬ通信の切断が発生するまでの処理は、図3を参照して説明した処理と同様である。
【0053】
制御機器21と表示装置22間で予期せぬ通信の切断が発生してから所定時間経過後、ステップS75において、制御機器21は、図6を参照して後述する切断検出処理により、制御機器21と表示装置22間の通信の切断を検出する。また、制御機器21は、ステップS75において、通信の切断の発生から検出までの間の再生機器1の再生時間、すなわち、ユーザが視聴せずに再生機器1の再生が進んだ時間(以下、未視聴再生時間という)をT時間であると予測する。
【0054】
次に、ステップS76において、制御機器21は、現在の再生位置での停止(または一時停止)を要求する再生停止要求を赤外線信号により再生機器1に送信する。そして、制御機器21は、ステップS77において、再生位置の巻き戻しを要求する巻き戻し要求を赤外線信号により再生機器1に送信し、未視聴再生時間Tだけ巻き戻した時点で、ステップS78において、巻き戻しの停止を要求する巻き戻し停止要求を赤外線信号により再生機器1に送信する。なお、ステップS77およびS78における未視聴再生時間Tの巻き戻しは、巻き戻し時間Tを指定して巻き戻し時間Tの巻き戻し要求を送信することにより行ってもよい。
【0055】
上述したステップS76乃至S78の処理が、検出した通信の切断に応じて再生機器1を制御する切断対応制御処理に相当する。
【0056】
ユーザは、表示装置22にコンテンツの映像が表示されないことを認識して、必要に応じて通信切断の原因を除去した後、ステップS81において、コンテンツのストリーミング視聴を開始する操作を、表示装置22に対して再び行うと、表示装置22は、ステップS82において、ネットワーク5を介して制御機器21に接続し、コンテンツのストリーミング開始要求を制御機器21に送信する。
【0057】
ステップS83において、制御機器21は、表示装置22からのコンテンツのストリーミング開始要求を受信し、コンテンツの再生要求を赤外線信号により再生機器1に送信する。
【0058】
再生機器1は、ステップS84において、制御機器21からのコンテンツの再生要求を受信し、コンテンツの再生を再開する。このとき、通信の切断が検出されるまでの未視聴再生時間Tの間、進んだ再生位置は戻されているので、再生機器1は、通信切断によりユーザが視聴できなくなった未視聴部分の先頭位置となる、コンテンツのAVデータ(4)から送信を開始する。
【0059】
制御機器21は、ステップS85において、再生機器1から供給されるコンテンツのAVデータ(4)を受信し、ネットワーク5を介して表示装置22に送信する。ステップS86において、表示装置22は、制御機器21からネットワーク5を介して供給されるコンテンツのAVデータ(4)を受信し、受信したAVデータ(4)に対応するコンテンツの映像を画面に表示する。これにより、ユーザは、コンテンツの映像を、表示が停止したときの続きから視聴することができる。
【0060】
次に、図6を参照して、制御機器21の切断検出処理について説明する。なお、図6においては、図5で説明したステップS75乃至S78の処理も示している。
【0061】
切断検出処理では、制御機器21が、表示装置22との通信状態を確認する確認コマンドとしてのKeepAliveコマンドをT1時間間隔で表示装置22に送信する。表示装置22は、KeepAliveコマンドを受信した場合、応答コマンドとしてのAckコマンドを制御機器21に返信する。
【0062】
また、制御機器21は、KeepAliveコマンドの送信開始からT2時間をカウントし、T2時間以内にAckコマンドが制御機器21から返信されてこなかった場合、表示装置22との通信が切断されたと判定し、切断を検出する。
【0063】
具体的には、図6のステップS101において、制御機器21が、KeepAliveコマンドを送信し、それに応じて、表示装置22が、ステップS102において、Ackコマンドを返信する。
【0064】
ステップS101のKeepAliveコマンドの送信からT1時間経過後、制御機器21は、ステップS103において、KeepAliveコマンドを再び送信し、それに応じて、表示装置22が、ステップS104において、Ackコマンドを返信する。
【0065】
さらに、ステップS103のKeepAliveコマンドの送信からT1時間経過後、制御機器21は、ステップS105において、KeepAliveコマンドを再び送信する。
【0066】
ステップS104またはステップS105の処理後、制御機器21と表示装置22間の通信の切断が発生したとする。この場合、ステップS105のKeepAliveコマンドの送信に対しては、Ackコマンドが返信されてこない。そして、ステップS105のKeepAliveコマンドの送信からT2時間が経過したとき、上述したステップS75の処理として、制御機器21が、表示装置22との通信が切断されたと判定し、切断を検出する。
【0067】
ここで、制御機器21と表示装置22間で通信の切断が発生してから検出されるまでに、再生機器1がコンテンツを再生していた時間の最大値について考える。KeepAliveコマンドを送信してからAckコマンドを受信するまでの時間は無視することができるとすると、制御機器21がステップS103においてKeepAliveコマンドを送信する前に送信したAVデータについては、表示装置22が受信することができたとみてよい。従って、表示装置22との通信が切断してから再生機器1がコンテンツを再生していた時間の最大値は、ステップS103でKeepAliveコマンドを送信してからステップS75により切断を検出するまでの時間、即ち、KeepAliveコマンドの送信間隔であるT1時間と、ステップS105のKeepAliveコマンドの送信から、通信が切断されたと判定するまでの通信タイムアウト時間であるT2時間の合計時間である。そこで、制御機器21は、T1時間とT2時間の合計時間を未視聴再生時間のT時間と予測し、上述したように、ステップS77およびS78において、未視聴再生時間Tだけ、再生位置の巻き戻しを行わせる。
【0068】
以上のように、制御機器21は、KeepAliveコマンドをT1時間間隔で表示装置22に送信することにより制御機器21と表示装置22間の通信状態を確認する。換言すれば、制御機器21は、KeepAliveコマンドに対してAckコマンドが返信されてくるか否かで表示装置22との通信の切断を検出する。そして、通信の切断が検出された場合には、制御機器21は、再生機器1によりコンテンツの再生を停止させた後、未視聴再生時間Tだけ再生位置を巻き戻す処理を予め行うので、ユーザが、コンテンツの映像が表示装置22に表示されないことを認識し、必要に応じて通信切断の原因を除去した後、コンテンツのストリーミング視聴を開始する操作を再び行った場合に、未視聴部分の先頭位置から(通信切断前の続きから)コンテンツの映像を視聴することができる。
【0069】
即ち、従来の視聴システムのような、接続が回復した後、コンテンツを再び再生した場合に、ユーザが意図しないシーンからコンテンツが再生されてしまう(後半の意図しないシーンを先に見てしまう)という問題を防止することができる。
【0070】
また、ユーザは、未視聴部分を巻き戻すなどの操作を特に行わなくても、コンテンツの未視聴部分の先頭位置からコンテンツを視聴することができるので、利便性が向上する。
【0071】
図7は、制御機器21の構成例を示すブロック図である。
【0072】
制御機器21は、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)104、バス105、圧縮処理部106、AV受信部107、IR(Infrared Radiation)送信部108、および通信部109により構成されている。
【0073】
CPU101,ROM102,RAM103、EEPROM104、圧縮処理部106、AV受信部107、IR送信部108、および通信部109は、バス105により相互に接続されている。
【0074】
CPU101(コンピュータ)は、ROM102またはEEPROM104からロードされた制御プログラムに基づいて、各種の処理を実行する。例えば、CPU101は、表示装置22から供給される再生機器1の動作を命令する操作信号に基づいて、IR送信部108に所定の赤外線信号を送信させる。また例えば、CPU101は、再生機器1から供給されるコンテンツのAVデータを受信して表示装置22に送信させる処理、制御機器21と表示装置22との間の通信の切断を検出する切断検出処理、切断を検出した場合に再生機器1を制御する切断対応制御処理などを行う。
【0075】
CPU101が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディアに記録して、あるいは、LAN、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介してインストールされる。
【0076】
ROM102、RAM103、またはEEPROM104には、CPU101が実行する制御プログラムや、CPU101が所定の処理を実行するときに一時保存するデータなどを記憶する。
【0077】
圧縮処理部106、AV受信部107、IR送信部108、および通信部109は、CPU101の制御の下、所定の処理を行う。
【0078】
圧縮処理部106は、AV受信部107が再生機器1から受信したAVデータを、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式等の所定の方式で圧縮処理を施し、ストリーミング形式のデータ(ストリーミングデータ)に変換する。
【0079】
AV受信部107は、再生機器1からAVケーブル4を介して送信されてくる、再生されたコンテンツのAVデータを受信し、圧縮処理部106に供給する。IR送信部108は、CPU101から供給されたリモートコントロールコードに対応する赤外線信号を再生機器1に送信する。
【0080】
通信部109は、ネットワーク5を介して表示装置3と接続するためのネットワークI/F(Inter Face)である。通信部109は、圧縮処理部106からバス105を介して供給される、再生されたコンテンツのAVデータのストリーミングデータを表示装置3に送信するとともに、表示装置3から送信されてくる再生機器1の動作を命令する操作信号を受信し、CPU101に供給する。
【0081】
図8は、上述した切断検出処理、および切断対応制御処理を行うCPU101の機能ブロック図である。
【0082】
CPU101は、切断検出処理を行う切断検出部121と、切断対応制御処理を行う再生機器制御部122により構成されている。
【0083】
切断検出部121は、表示装置22との通信の切断を検出する。即ち、切断検出部121は、カウンタを内蔵し、通信部109を制御して、T1時間間隔でKeepAliveコマンドを表示装置22に送信させ、T2時間以内にAckコマンドが返信されてくるかを確認することにより、表示装置22との通信の切断を検出する。
【0084】
再生機器制御部122は、制御機器21と表示装置22との間の通信の切断が検出された場合、コンテンツの再生を停止させる。また、再生機器制御部122は、通信の切断によりユーザが視聴できなくなったコンテンツの未視聴部分の先頭位置を予測し、予測した先頭位置から再生されるように再生機器1を制御する。即ち、再生機器制御部122は、通信切断の検出時からT時間分だけ再生位置を巻き戻す再生機器1の制御を行う。
【0085】
次に、本発明を適用した視聴システムの第2実施の形態について説明する。
【0086】
図9は、本発明を適用した視聴システムの第2実施の形態の構成例を示している。なお、以下の第2実施の形態の説明では、上述した第1実施の形態と同一の部分についての説明は省略する。
【0087】
図9の視聴システムは、再生機器1D、制御機器21D、および表示装置22により構成される。ここで、制御機器21Dと表示装置22は、第1の実施の形態と同様のネットワーク5で接続されるが、再生機器1Dと制御機器21Dは、ネットワーク6により接続される。
【0088】
上述した第1の実施の形態においては、再生機器1と制御機器21との間のリモートコントロール信号およびAVデータのやりとりがアナログ信号により行われていた。これに対し、第2の実施の形態では、再生機器1Dと制御機器21Dとの間のリモートコントロール信号およびAVデータのやりとりがデジタル信号により行われる点のみが第1の実施の形態と異なる。再生機器1Dは、例えば、パーソナルコンピュータやコンテンツサーバなどとすることができる。
【0089】
ここで、制御機器21Dと表示装置22との間では、所定の制御プロトコルAを用いて通信が行われており、再生機器1Dと制御機器21Dとの間では、所定の制御プロトコルBを用いて通信が行われているとする。なお、ネットワーク5とネットワーク6は、同一のネットワークであってもよいし、異なるネットワークであってもよい。
【0090】
制御機器21Dは、表示装置22に対してはサーバとして機能するが、再生機器1Dに対してはAVデータを要求するクライアントとして動作する。制御機器21Dは、再生機器1Dから受信するコンテンツのAVデータを、表示装置22に送信するストリーミングデータの形式と同一の形式で受信しても良いし、異なる形式のデータで受信してもよい。表示装置22に送信するストリーミングデータの形式と同一の形式で再生機器1DからAVデータを受信した場合、制御機器21Dは、圧縮処理部106が行う処理を省略することができる。一方、表示装置22に送信するストリーミングデータの形式と異なる形式で再生機器1DからAVデータを受信した場合、制御機器21Dの圧縮処理部106が、受信したコンテンツのAVデータ(デジタルデータ)を、表示装置22に送信するストリーミングデータの形式に変換する。
【0091】
図10を参照して、表示装置22との通信切断発生時における図9の視聴システムの処理について説明する。なお、図10において、最初のストリーミング視聴開始に関する処理は第1実施の形態と同様のため省略されている。
【0092】
図10に示される処理においては、制御機器21Dが、再生機器1Dから受信したコンテンツのAVデータのデータ量と、表示装置22に送信したコンテンツのAVデータのデータ量を記憶しておき、通信が切断されたときに、再生機器1Dにどの時点から再生を開始させるかを判断して再生開始の要求を出す。
【0093】
具体的には、ステップS141において、再生機器1Dは、コンテンツのAVデータ(11)を制御機器21Dに送信する。ステップS142において、制御機器21Dは、AVデータ(11)を受信し、表示装置22に送信する。また、ステップS142において、制御機器21Dは、これまでに再生機器1Dから受信したコンテンツのAVデータのデータ量が全体10240kバイト(kbytes)のうちの1000kバイトであることを記憶する。
【0094】
ステップS143において、制御機器21が、KeepAliveコマンドを送信し、それに応じて、表示装置22が、ステップS144において、Ackコマンドを返信する。制御機器21Dは、ステップS145において、Ackコマンドを受信したことにより、コンテンツのAVデータの全体の10240kバイト(kbytes)のうちの1000kバイトのAVデータが表示装置22に送信済みである(表示装置22が確実に受信した)ことを記憶する。
【0095】
ステップS146において、再生機器1Dは、コンテンツのAVデータ(12)を制御機器21Dに送信する。ステップS147において、制御機器21Dは、AVデータ(12)を受信し、表示装置22に送信する。またステップS147において、制御機器21Dは、これまでに再生機器1Dから受信したコンテンツのAVデータのデータ量が全体10240kバイト(kbytes)のうちの1188kバイトであることを記憶する。
【0096】
ステップS143におけるKeepAliveコマンドの送信からT1時間経過後のステップS148において、制御機器21は、KeepAliveコマンドを送信する。しかしながら、制御機器21と表示装置22の間の通信が切断しており、Ackコマンドが返信されなかったとする。
【0097】
ステップS149において、再生機器1Dは、コンテンツのAVデータ(13)を制御機器21Dに送信する。ステップS150において、制御機器21Dは、AVデータ(13)を受信し、表示装置22に送信する。ステップS150の時点では、ステップS148のKeepAliveコマンドの送信からT2時間が未だ経過しておらず、通信の切断を検出していないので、制御機器21Dは、受信したAVデータ(13)を表示装置22に送信する。しかしながら、既に通信は切断されているので、このAVデータ(13)は、表示装置22には到達しない。
【0098】
そして、ステップS148のKeepAliveコマンドの送信からT2時間経過後、ステップS151において、制御機器21Dは、Ackコマンドが返信されてこないことから、通信の切断を検出する。そして、ステップS152において、制御機器21Dは、再生停止要求コマンドを再生機器1Dに送信する。再生機器1Dは、再生停止要求コマンドに基づいて、現在の再生位置で再生を停止する。
【0099】
ユーザが、表示装置22にコンテンツの映像が表示されないことを認識して、必要に応じて通信切断の原因を除去した後、コンテンツのストリーミング視聴を開始する操作を再び行うと、表示装置22は、ステップS153において、制御機器21Dに接続し、コンテンツのストリーミング開始要求をネットワーク5を介して制御機器21Dに送信する。
【0100】
ステップS154において、制御機器21Dは、表示装置22からの制御プロトコルAによるストリーミング開始要求を受信し、制御プロトコルBによるストリーミング開始要求に変換して、再生機器1に送信する。ここで、制御機器21Dは、これまでに再生機器1Dから受信したコンテンツのAVデータのデータ量が全体10240kバイト(kbytes)のうちの1188kバイトであり、一方、表示装置22が確実に受信したコンテンツのAVデータのデータ量が全体10240kバイト(kbytes)のうちの1000kバイトであることを記憶している。従って、ステップS154では、制御機器21Dは、コンテンツ全体の10240kバイト(kbytes)のうちの1000kバイト目の次からコンテンツを再生するように再生開始位置を指定して、ストリーミング開始要求を送信する。
【0101】
上述した例では、制御プロトコルAと制御プロトコルBが異なるプロトコルであるとしたが、制御プロトコルAと制御プロトコルBは同一のプロトコルであってもよい。
【0102】
そこで、図11を参照して、制御プロトコルAと制御プロトコルBが同一のプロトコルである場合の、表示装置22との通信切断発生時における図9の視聴システムの処理について説明する。なお、図11においても、最初のストリーミング視聴開始に関する処理は省略されている。
【0103】
制御プロトコルAと制御プロトコルBが同一のプロトコルである場合には、表示装置22が、コンテンツのAVデータをどれだけ受信したかを記憶し、通信が切断されたときに、それまで受信したAVデータの次から再生を開始するように要求を出す。
【0104】
具体的には、ステップS161において、再生機器1Dは、コンテンツのAVデータ(11)を制御機器21Dに送信する。ステップS162において、制御機器21Dは、AVデータ(11)を受信し、表示装置22に送信する。ステップS163において、表示装置22は、これまでに制御機器21Dから受信したコンテンツのAVデータの容量が、全体の10240kバイト(kbytes)のうちの1000kバイトであることを記憶する。
【0105】
ステップS164において、制御機器21Dが、KeepAliveコマンドを送信し、それに応じて、ステップS165において、表示装置22が、Ackコマンドを返信する。
【0106】
ステップS166において、再生機器1Dは、コンテンツのAVデータ(12)を制御機器21Dに送信する。ステップS167において、制御機器21Dは、AVデータ(12)を受信し、表示装置22に送信する。ステップS168において、表示装置22は、これまでに制御機器21Dから受信したコンテンツのAVデータの容量が、全体の10240kバイト(kbytes)のうちの1188kバイトであることを記憶する。
【0107】
ステップS164におけるKeepAliveコマンドの送信からT1時間経過後のステップS169において、制御機器21がKeepAliveコマンドを送信する。しかしながら、制御機器21と表示装置22の間の通信が切断しており、Ackコマンドが返信されなかったとする。
【0108】
ステップS170において、再生機器1Dは、コンテンツのAVデータ(13)を制御機器21Dに送信する。ステップS171において、制御機器21Dは、AVデータ(13)を受信し、表示装置22に送信する。ステップS171の時点では、ステップS169のKeepAliveコマンドの送信からT2時間が未だ経過しておらず、通信の切断を検出していないので、制御機器21Dは、受信したAVデータ(13)を表示装置22に送信するが、既に通信は切断されているので、このAVデータ(13)は、表示装置22には到達しない。
【0109】
そして、ステップS172において、制御機器21Dは、ステップS169のKeepAliveコマンドの送信からT2時間経過してもAckコマンドが返信されてこないことから、通信の切断を検出する。続いて、ステップS173において、制御機器21Dは、再生停止要求コマンドを再生機器1Dに送信する。再生機器1Dは、再生停止要求コマンドに基づいて、現在の再生位置で再生を停止する。
【0110】
その後、ユーザが、表示装置22にコンテンツの映像が表示されないことを認識して、必要に応じて通信切断の原因を除去した後、コンテンツのストリーミング視聴を開始する操作を再び行うと、表示装置22は、ステップS174において、制御機器21Dに接続し、コンテンツのストリーミング開始要求をネットワーク5を介して制御機器21Dに送信する。このとき、表示装置22は、再生機器1Dから制御機器21Dを介してこれまでに受信したコンテンツのAVデータの容量を記憶しているので、その記憶しているAVデータの容量に基づいて、コンテンツの再生開始位置を指定して、ストリーミング開始要求を送信する。具体的には、表示装置22は、コンテンツ全体の10240kバイト(kbytes)のうちの1188kバイト目までの受信は確認しているので、1188kバイト目の次からコンテンツを再生するようにストリーミング開始要求を送信する。
【0111】
ステップS175において、制御機器21Dは、表示装置22からのストリーミング開始要求を受信し、再生機器1に送信する。制御機器21Dと表示装置22の間でやり取りされる制御プロトコルと、再生機器1Dと制御機器21Dの間でやり取りされる制御プロトコルは同一のプロトコルであるため、制御機器21Dは、表示装置22から受信したストリーミング開始要求をそのまま再生機器1に送信(転送)することができる。
【0112】
以上のように、再生機器1Dと制御機器21Dとの間のリモートコントロール信号およびAVデータのやりとりがデジタル信号で行われる場合には、再生開始位置を指定してストリーミング開始要求を送信することで、ユーザは、第1実施の形態と同様に、未視聴部分の先頭位置から(通信切断前の続きから)視聴することができる。また、未視聴部分を巻き戻すなどの操作も必要ない。
【0113】
なお、上述した例では、送信した(表示装置22が確実に受信した)コンテンツのデータ量を元に、再生開始位置を指定しているが、送信したコンテンツのAVデータに含まれる、コンテンツの先頭位置からの再生時間(タイムスタンプ)を元に、再生開始位置を指定することも可能である。ただし、再生機器1Dが、各指定方法に対応していることが必要である。
【0114】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0115】
例えば、上述した第1実施の形態において、通信切断を検出してから所定時間以内に、表示装置22から再接続の要求が送信されてこなかった場合、制御機器21は、再生機器1の電源をオフ(スタンバイモードを含む)させるようにすることができる。これにより、再生機器1の省電力化に貢献することができる。第2実施の形態についても同様である。
【0116】
制御機器21のコンテンツのストリーミングデータの送信先の装置は、必ずしも表示装置3のように表示手段(表示画面)を備えるものでなくてもよい。すなわち、コンテンツのストリーミングデータの送信先の装置は、制御機器21から供給されるコンテンツのストリーミングデータを受信し、受信したストリーミングデータの映像を、接続されている他の表示手段に表示させる表示制御装置であってもよい。
【0117】
本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0118】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】従来の視聴システムの構成例を示す図である。
【図2】従来の視聴システムの正常シーケンスのフローチャートである。
【図3】従来の視聴システムの異常シーケンスのフローチャートである。
【図4】本発明を適用した視聴システムの第1実施の形態の構成例を示す図である。
【図5】図4の視聴システムの異常シーケンスのフローチャートである。
【図6】切断検出処理を説明するフローチャートである。
【図7】制御機器の構成例を示すブロック図である。
【図8】制御機器のCPUの機能ブロック図である。
【図9】本発明を適用した視聴システムの第2実施の形態の構成例を示す図である。
【図10】図9の視聴システムの第1の異常シーケンスのフローチャートである。
【図11】図9の視聴システムの第2の異常シーケンスのフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 再生機器, 4 AVケーブル, 5 ネットワーク, 21 制御機器, 22 表示装置, 101 CPU, 102 ROM, 103 RAM, 104 EEPROM, 106 圧縮処理部, 107 AV受信部, 108 IR送信部, 109 通信部, 121 切断検出部, 122 再生機器制御部, 1D 再生機器, 21D 制御機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを再生する再生機器から送信されてくる前記コンテンツのAVデータを受信する受信手段と、
前記コンテンツの映像を表示させる表示制御装置とネットワークを介して接続し、前記受信手段により受信された前記コンテンツのAVデータのストリーミングデータを前記表示制御装置に送信する通信手段と、
前記表示制御装置との通信の切断を検出する検出手段と、
前記切断が検出された場合、前記コンテンツの再生を停止させるとともに、前記表示制御装置との接続が回復した後の前記コンテンツの再生において、前記切断によりユーザが視聴できなくなった前記コンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように前記再生機器を制御する制御手段と
を備える制御機器。
【請求項2】
前記再生機器は、前記コンテンツのAVデータをアナログ信号で出力する機器であり、
前記制御手段は、前記切断が発生してから検出されるまでの間に前記コンテンツの再生が進んだ時間を予測し、予測した時間だけ前記コンテンツの再生位置を戻すことにより、前記切断によりユーザが視聴できなくなった前記コンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように前記再生機器を制御する
請求項1に記載の制御機器。
【請求項3】
前記検出手段は、前記通信手段を制御して、T1時間間隔で前記表示制御装置との通信状態を確認する確認コマンドを前記表示制御装置に送信させ、前記確認コマンドの送信からT2時間以内に応答コマンドが返信されてくるかを確認することにより、前記通信の切断を検出し、
前記制御手段は、T1時間とT2時間の合計時間を、前記切断が発生してから検出されるまでの間に前記コンテンツの再生が進んだ時間と予測する
請求項2に記載の制御機器。
【請求項4】
前記再生機器は、前記コンテンツのAVデータをデジタル信号で出力する機器であり、
前記制御手段は、送信した前記コンテンツのAVデータのデータ量、または、送信した前記コンテンツのAVデータに含まれるタイムスタンプに基づいて、前記切断によりユーザが視聴できなくなった前記コンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように前記再生機器を制御する
請求項1に記載の制御機器。
【請求項5】
前記検出手段は、T1時間間隔で前記表示制御装置との通信状態を確認する確認コマンドを前記表示制御装置に送信させ、前記確認コマンドの送信からT2時間以内に応答コマンドが返信されてくるかを確認することにより、前記通信の切断を検出する
請求項4に記載の制御機器。
【請求項6】
コンテンツを再生する再生機器から送信されてくる前記コンテンツのAVデータを受信し、
前記コンテンツの映像を表示させる表示制御装置とネットワークを介して接続し、受信した前記コンテンツのAVデータのストリーミングデータを前記表示制御装置に送信し、
前記表示制御装置との通信の切断が検出された場合、前記コンテンツの再生を停止させるとともに、前記表示制御装置との接続が回復した後の前記コンテンツの再生において、前記切断によりユーザが視聴できなくなった前記コンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように前記再生機器を制御する
制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
コンテンツを再生する再生機器から送信されてくる前記コンテンツのAVデータを受信し、
前記コンテンツの映像を表示させる表示制御装置とネットワークを介して接続し、受信した前記コンテンツのAVデータのストリーミングデータを前記表示制御装置に送信し、
前記表示制御装置との通信の切断が検出された場合、前記コンテンツの再生を停止させるとともに、前記表示制御装置との接続が回復した後の前記コンテンツの再生において、前記切断によりユーザが視聴できなくなった前記コンテンツの未視聴部分の先頭位置から再生されるように前記再生機器を制御する
処理を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−57051(P2010−57051A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221654(P2008−221654)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】