説明

制御端末およびネットワークシステム

【課題】ユーザが選択したDMSとDMRが同一装置内にある場合に転送できない装置であっても、目的のコンテンツを再生させることができるようにする。
【解決手段】制御端末で選択されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、制御端末で選択されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致しているか否かを判定し、コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致していると判定した場合、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を、ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に予め定められた変換規則に基づいて変換し、変換した遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて、コンテンツ送信機能部に蓄積された該当コンテンツの再生制御メッセージを生成する、ことを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御端末、ネットワークシステムおよびコンテンツ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、UPnPTM(Universal Plug and Play) AV規格およびDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに準拠した電子機器が利用されるようになってきている。UPnPTM AV規格は、電子機器を接続するだけでネットワークに参加できるようにするUPnPTMプロトコルの上位層として、AVコンテンツの再生などを目的としたプロトコルである。DLNAガイドラインは、各電子機器に互換性を持たせ、家庭内で電子機器間のネットワークを構成できるようにする業界標準であり、電子機器間で通信する際の手順として、UPnPTMプロトコルを採用している。
【0003】
UPnPTM規格では、デバイスと、そのデバイスに対して制御を行なうコントロールポイントとが定義され、UPnPTM AV規格では、デバイスとして、コンテンツの蓄積を担当するメディアサーバ(UPnPTM AV Media Server)と、コンテンツの再生を担当するメディアレンダラ(UPnPTM AV Media Renderer)とが定義されている。コントロールポイント(UPnPTM AV Control Point)は、ネットワーク上のデバイスを発見し、その制御を行うが、UPnPTM AV規格では、コントロールポイントにおいて選択されたメディアサーバ内のコンテンツを、コントロールポイントにおいて選択されたメディアレンダラが、ネットワークを介して取得し再生できるように制御する。
【0004】
UPnPTM規格を採用したDLNAガイドラインの下では、従来は、コントロールポイント相当の制御端末(DMC(Digital Media Controller))によって指定されたコンテンツを保持するメディアサーバ相当のコンテンツ送信機能部であるDMS(Digital Media Server)と、メディアレンダラ相当のコンテンツ受信機能部であるDMR(Digital Media Renderer)とが同一装置内に存在する場合であっても、それらが別体である場合と同様、ネットワークを介してコンテンツの送受信が行われることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−56191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように、DMSとDMRとが同一装置内にある場合に、内部転送ではなく、ネットワーク転送処理が行われると、無用なリソース消費が発生してしまう問題があった。また、DMSとDMRを同一装置内に有しているコンテンツ送受信装置の仕様やリソースの使用状況によっては、コンテンツ転送が実行できない場合も生じるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザが選択したDMSとDMRが同一装置内にある場合に転送できない装置であっても、目的のコンテンツを再生させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の制御端末は、指定されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部と、前記コンテンツ送信機能部から送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部とに対してネットワーク接続可能な制御端末において、前記ネットワークに接続している1つまたは複数の前記コンテンツ送信機能部によって提示されるコンテンツ情報の一部あるいは全てを取得するコンテンツ情報取得手段と、取得したコンテンツ情報の中から再生すべきコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、選択された前記コンテンツを送信する前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、選択されたコンテンツを受信する前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致している場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報を、前記ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に予め定められた変換規則に基づいて変換する識別子変換手段と、変換した前記遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて、前記コンテンツ送信機能部および前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子と同一のデバイス識別子を有している前記遠隔制御サーバ部に対して該当コンテンツの再生制御メッセージを送る遠隔制御サーバ制御手段と、を備える。
【0009】
実施形態のネットワークシステムは、指定されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部と、前記コンテンツ送信機能部から送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部と、ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部と、前記コンテンツ受信機能部に外部から供給されたコンテンツ、または前記遠隔制御サーバ部を介した遠隔制御によって前記コンテンツ送信機能部に蓄積されたコンテンツの再生を行う再生部と、前記コンテンツ送信機能部と前記コンテンツ受信機能部と前記遠隔制御サーバ部とに対してネットワーク接続可能であって、前記ネットワークに接続している1つまたは複数の前記コンテンツ送信機能部によって提示されるコンテンツ情報の中から再生すべきコンテンツを選択する制御端末と、を備えるネットワークシステムにおいて、前記制御端末は、選択された前記コンテンツを送信する前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、選択されたコンテンツを受信する前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致している場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報を、予め定められた変換規則に基づいて前記遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に変換する識別子変換手段と、変換した前記遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて、前記コンテンツ送信機能部および前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子と同一のデバイス識別子を有している前記遠隔制御サーバ部に対して前記再生部に送信するための該当コンテンツの再生制御メッセージを送る遠隔制御サーバ制御手段と、を備える。
【0010】
実施形態のネットワークシステムは、指定されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部と、前記コンテンツ送信機能部から送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部と、ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部と、前記コンテンツ送信機能部と前記コンテンツ受信機能部と前記遠隔制御サーバ部とに対してネットワーク接続可能であって、前記ネットワークに接続している1つまたは複数の前記コンテンツ送信機能部によって提示されるコンテンツ情報の中から再生すべきコンテンツを選択する制御端末と、前記コンテンツ受信機能部に外部から供給されたコンテンツ、または前記遠隔制御サーバ部を介した遠隔制御によって前記コンテンツ送信機能部に蓄積されたコンテンツの再生を行う再生部と、を備えるネットワークシステムにおいて、前記制御端末は、選択された前記コンテンツを送信する前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、選択されたコンテンツを受信する前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致している場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報を、前記コンテンツ送信機能部および前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子と同一のデバイス識別子を有している前記遠隔制御サーバ部に送信し、前記遠隔制御サーバ部は、前記制御端末より送信された前記コンテンツのコンテンツ情報を、予め定められた変換規則に基づいて前記遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に変換し、変換した前記遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて該当コンテンツの再生制御メッセージを生成して前記再生部に送信する。
【0011】
実施形態のコンテンツ再生方法は、制御端末で選択されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、前記制御端末で選択されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致しているか否かを判定し、前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致していると判定した場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報を、ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に予め定められた変換規則に基づいて変換し、変換した前記遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて、前記コンテンツ送信機能部に蓄積された該当コンテンツの再生制御メッセージを生成する、ことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、ネットワークシステムの全体構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、DLNAに基づく各装置間の動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
【図3】図3は、図2におけるコンテンツ転送の一般的な処理動作を示す説明図である。
【図4】図4は、コンテンツ識別子の一例を示す図である。
【図5】図5は、デバイス識別子の一例を示す図である。
【図6】図6は、コンテンツ要求の一例を示す図である。
【図7】図7は、コンテンツ転送が失敗した処理動作を示す説明図である。
【図8】図8は、制御端末の機能構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、テレビジョン受像機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、テレビジョン受像機のコンテンツ送受信装置としての機能構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、DMSからのコンテンツ情報の取得動作を示す説明図である。
【図12】図12は、DMRからのコンテンツの要求動作を示す説明図である。
【図13】図13は、DMSのコンテンツの送信動作を示す説明図である。
【図14】図14は、DMRのコンテンツの受信および再生動作を示す説明図である。
【図15】図15は、テレビジョン受像機におけるコンテンツ再生動作を示す説明図である。
【図16】図16は、制御端末の制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図17】図17は、コンテンツ再生指示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態を構成する各装置は、UPnPTM AV規格およびDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに準拠した装置であるものとするが、これに限らず、後述する本実施形態に特徴的な構成は、これらの規格およびガイドラインと同等または互換性のある規格等に準拠する装置またはシステムや、独自の仕様による装置またはシステムに対しても適用可能である。
【0014】
(全体構成)
はじめに、一実施形態としてのUPnPTM AV規格およびDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに従う、すなわちこれらの規格に基づき動作する複数の電子機器を含むネットワークシステムの全体構成の概要について説明する。
【0015】
図1は、一実施形態にかかる、UPnPTM AV規格およびDLNAガイドラインに従う複数の電子機器がネットワークを介して接続されたネットワークシステムの全体構成の一例を示す図である。図1の例では、前述のUPnPTM規格上のデバイスとしての、録画機能等のコンテンツを蓄積する機能を有するテレビジョン受像機2、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置3、および、HDDレコーダ、ブルーレイ(登録商標)ディスクレコーダ等のレコーダ4と、タブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)などの制御端末1とがLAN(Local Area Network)等のネットワークNTを介して接続されている。なお、ネットワークNTは、有線ネットワークであっても無線ネットワークであっても、それらを混合したネットワークであってもよい。また、ネットワークに接続されるデバイスの数や種類は、図1の例に限るものではなく、UPnPTM AV対応の種々のデバイスを接続可能である。
【0016】
ところで、UPnPTM AV規格では、録画機能等のコンテンツを蓄積する機能を有するテレビジョン受像機2や、情報処理装置3や、レコーダ4等のコンテンツの蓄積を担当するデバイスは、メディアサーバ(UPnPTM AV Media Server)として定義され、コンテンツの再生機能を有するテレビジョン受像機2や情報処理装置3等のコンテンツの再生を担当するデバイスは、メディアレンダラ(UPnPTM AV Media Renderer)として定義されている。
【0017】
一方、UPnPTM AV規格を採用するDLNAガイドラインでは、録画機能等のコンテンツを蓄積する機能を有するテレビジョン受像機2や、情報処理装置3や、レコーダ4等のコンテンツの蓄積を担当するデバイス(コンテンツ送信機能部)は、DMS(Digital Media Server)として定義され、コンテンツの再生機能を有するテレビジョン受像機2や情報処理装置3等のコンテンツの再生を担当するデバイス(コンテンツ受信機能部)は、DMR(Digital Media Renderer)として定義されている。さらに、DLNAガイドラインでは、DMRなどにコンテンツの取得や再生の指示を担当する制御端末1等のデバイスは、DMC(Digital Media Controller)として定義されている。
【0018】
本明細書においては、DLNAガイドラインの定義に基づき、コンテンツを蓄積し、DMCにコンテンツ情報を提供し、DMRからの要求に応じて指定のコンテンツをDMRに供給するデバイスをDMSと称し、DMCからの要求に応じてDMSから指定のコンテンツを受信しその再生を行うデバイスをDMRと称すこととする。
【0019】
また、上述したようなDMSおよびDMRの両方を備える装置を、コンテンツ送受信装置と称すこととする。コンテンツ送受信装置は、他の装置から見て、DMSを有する装置でもあり、DMRを有する装置でもある。本実施形態のテレビジョン受像機2は、同一装置にDMSとDMRの両機能が存在するコンテンツ送受信装置である。
【0020】
(各装置の動作の概要)
図1に示すようなネットワークシステムにおける各装置の動作の概要は、以下のようになる。
【0021】
ここで、図2はDLNAに基づく各装置間の動作の概要を説明するためのシーケンス図、図3は図2におけるコンテンツ転送の一般的な処理動作を示す説明図である。なお、各装置は、ネットワークNT内からUPnPTMプロトコルに基づいて、DMC(制御端末1)により探索済みであり、DMRの一つが、ユーザによるDMC(制御端末1)の操作により選択済みであるものとする。
【0022】
UPnPTM AV対応のDMC(制御端末1)は、ネットワークNTを介してテレビジョン受像機2やレコーダ4等のDMSにコンテンツ情報を要求し(t101)、該当のDMSからコンテンツ情報を取得する(t102)。
【0023】
次いで、DMC(制御端末1)は、コンテンツ一覧(コンテンツリスト)を、DMC(制御端末1)を操作するユーザに提示する(例えば、制御端末1の表示部に表示する)(t103:図3における(1))。
【0024】
DMSから渡されるコンテンツ情報には、各コンテンツのメタ情報(タイトル名、コンテンツ種別、アーティスト、ジャンル、再生時間、作成日、チャンネル、録画開始時刻など)やコンテンツURLなど、ユーザにコンテンツ一覧を提示するための情報やコンテンツ識別子を構成できる情報が含まれている。コンテンツ識別子は、特定コンテンツのURI(Uniform Resource Identifier)であり、UPnPTM AVトランスポートサービス(UPnPTM AV Transport Service)で規定されるSetAVTransportURIアクションの引数として、DMC(制御端末1)からDMRに通知される情報である。特定コンテンツのURIはさらに特定コンテンツを保持するDMSのデバイス識別子を含む。このデバイス識別子は、DMSのIPアドレス(IP(Internet Protocol)でネットワーク上の機器を識別するための番号)を含むが、さらにポート番号を含んでも良い。
【0025】
図4に、本実施形態において用いるコンテンツ識別子の一例を示す。この例では、“http://”に続いて、DMSのIPアドレス(192.168.0.100)とポート番号(10000)が記述され、その後に、特定のコンテンツのパス(/video/hdd/content_00000123.mpg)が記述されている。DMSが複数のコンテンツを蓄積している場合は、複数のコンテンツ識別子および属性情報が、DMSから渡されるコンテンツ情報に含まれることになる。ユーザに提示するコンテンツ情報としては、各コンテンツのファイル名(content_00000123.mpg,…)やタイトル名等を用いることができる。なお、コンテンツ識別子に含まれるIPアドレスは、本実施形態では、デバイス識別子(図5)として用いる。
【0026】
次いで、DMC(制御端末1)を操作するユーザは、提示されたコンテンツ情報から再生すべきコンテンツを選択する(t104)。
【0027】
次いで、DMC(制御端末1)は、ユーザによって選択されたコンテンツ(指定コンテンツ)のコンテンツ情報からコンテンツ識別子を抽出または生成し、ユーザにより選択されたコンテンツを再生させるため、SetAVTransportURIアクションによりコンテンツ識別子を、ユーザによって選択済みのDMRに送信する(t105:図3における(2))。なお、t105において、コンテンツを再生させるべきDMRをユーザに選択させるようにしても良い。
【0028】
DMRは、DMC(制御端末1)から受信したコンテンツ識別子に基づいて、指定のコンテンツを保持するDMSに、そのコンテンツを要求する(t106)。DMSは、DMRから要求されたコンテンツを選択されたDMRに転送する(t107:図3における(3))。そして、コンテンツが転送されたDMRは、コンテンツの再生を行う(t108)。
【0029】
なお、ネットワークNTを介して送信されるコンテンツ要求は、指定コンテンツのURIに対するHTTP GETリクエストメッセージまたはRTSPメッセージであり、DMRから外部のDMSに送信される。図6に、HTTP GETリクエストメッセージによるコンテンツ要求の一例を示す。図6の例では、“GET”に続いて、コンテンツのパス(/video/hdd/content_00000123.mpg)と、HTTPバージョン(HTTP/1.1)と、ホストのIPアドレス(192.168.0.100)とポート番号(10000)が記述されている。
【0030】
ところで、上述したように、テレビジョン受像機2は、同一装置にDMSとDMRの両機能が存在するコンテンツ送受信装置である。このようなコンテンツ送受信装置においては、図7に示すように、DMC(制御端末1)で選択したコンテンツの転送元であるDMSと転送先であるDMRが同一装置となった場合、ストリーミングの送受信に必要なリソース(ネットワーク転送用バッファメモリ、暗号化エンジン、コーデックエンジン、バス帯域、プロセッサ)の競合によって、コンテンツ転送が失敗してしまうことがある。
【0031】
そこで、本実施形態のネットワークシステムにおいては、テレビジョン受像機2を遠隔制御するタブレットなどの制御端末1(DMC)側で上述した課題を解決するようにしたものである。
【0032】
(制御端末)
図8は、制御端末1の機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、制御端末1は、制御部101、ネットワークインタフェース部102、ディスプレイ部103、操作部104、記憶部105を備える。
【0033】
制御部101は、マイクロコントローラやCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備える構成であり、制御端末1の動作を制御する。例えばCPUが、ROMに記憶された各種プログラムをRAMの作業領域に展開して順次実行し、機器内の各部へ制御信号を出力することで、各部の動作の制御を行う。
【0034】
通信手段としてのネットワークインタフェース部102は、制御部101の制御の下でネットワークNTを介した通信を行うインタフェースである。具体的には、ネットワークインタフェース部102は、前述したUPnPTM AV規格に従った通信を行い、ネットワークNTを介して接続するテレビジョン受像機2や情報処理装置3やレコーダ4などのデバイスと通信する。
【0035】
表示手段としてのディスプレイ部103は、LCD(Liquid Crystal Display)などであり、制御部101の制御の下で操作画面、エラー表示画面などを表示する。制御端末1は、このディスプレイ部103による画面表示により、処理結果をユーザに通知する。なお、ユーザへの通知は、制御部101の制御の下で発音するスピーカ(図示せず)などによる音声出力で行ってもよい。
【0036】
操作手段としての操作部104は、ユーザからの操作指示を受け付けるための操作キーやタッチパネルなどである。受け付けた操作指示は制御部101へ通知される。記憶部105は、RAMや書き換え可能な不揮発性メモリなどである。
【0037】
上述した制御部101は、本実施形態にかかる機能構成として、UPnP制御部101aを備える。UPnP制御部101aは、前述したUPnPTM AV規格を用いてネットワークインタフェース部102がネットワークNTを介して行う通信を制御する。具体的には、ネットワークNTに接続するデバイスの探索、探索したデバイスからのコンテンツ情報等の所定の情報の取得、探索されたデバイスに対するアクションにかかる通信を制御する。なお、各デバイスから取得した情報は、UPnP制御部101aの制御の下で、記憶部105におけるRAMなどのメモリに記憶される。
【0038】
(テレビジョン受像機のハードウェア構成)
次に、同一装置にDMSとDMRの両機能が存在するコンテンツ送受信装置の一例であるテレビジョン受像機2について、図9を用いて説明する。
【0039】
図9は、テレビジョン受像機2のハードウェア構成を示すブロック図である。図9に示すように、テレビジョン受像機2は、CPU201、ネットワークI/F202、A/V分離部203、メモリ204、オーディオデコーダ205、ビデオデコーダ206、グラフィック処理部207、映像処理出力部208、ストレージI/F209、バス210、ストリームI/F211、ビデオエンコーダ212、オーディオエンコーダ213、チューナ214、ハードディスク(HDD)215、A/V合成部216、DAC(D/Aコンバータ)220、アンプ221、スピーカ222、端子230、表示パネル240、操作部250、リモートコントローラ251及び受光部252を備えている。
【0040】
チューナ214によって受信されたアナログ映像信号は、ビデオエンコーダ212によって符号化される。また、チューナ214によって受信されたアナログ音声信号は、オーディオエンコーダ213によって符号化される。符号化された映像信号と音声信号とはA/V合成部216によって合成され、ストリームとされる。一方、チューナ214で受信されたデジタル映像信号は、例えばMPEG2TS(Transport Stream)形式のストリームとして、ストリームI/F211から入力される。ストリームは、ストレージI/F209を介して、HDD215に記録される。
【0041】
端子230は、ネットワークNTと接続するためのイーサネット(登録商標)端子等であって、ネットワークNT上の他のDMSから入力される情報は、端子230及びネットワークI/F202を通じてテレビジョン受像機2により受信される。
【0042】
HDD215に記録されたストリームや、端子230及びネットワークI/F202を介し他のDMSから入力されメモリ204に一時保持されるコンテンツのデータは、CPU201の制御の下、A/V分離部203で映像データと音声データに分離される。分離された映像データは、ビデオデコーダ206で復号される。複号された映像データは、映像処理出力部208から映像信号として出力され、表示パネル240に表示される。また、A/V分離部203で分離された音声データは、オーディオデコーダ205で復号され、DAC220、アンプ221を通りスピーカ222から出力される。
【0043】
CPU201は、HDD215や図示しないROM等の記憶媒体に保持された各種プログラムを実行することで、テレビジョン受像機2の動作を統括的に制御する。具体的には、CPU201は、グラフィック処理部207と協働して、例えば、GUI(Graphical User Interface)表示画面等を生成し、RAM等のメモリ204に保持して、適宜読み出して表示パネル240に表示する。また、CPU201は、テレビジョン受像機2に対しリモートコントローラ251等で行われた操作を、操作部250や受光部252を介して受け付けると、この操作内容に応じてチューナ214が受信する放送信号(チャンネル)を切り替えたり、GUI表示画面上での入力を検出したりする。
【0044】
(コンテンツ送受信装置としてのテレビジョン受像機の機能構成)
次に、テレビジョン受像機2のコンテンツ送受信装置としての機能構成について説明する。図10は、テレビジョン受像機2のコンテンツ送受信装置としての機能構成を示すブロック図である。なお、以下に説明する機能構成は、コンテンツ送受信装置としての、DMSおよびDMRの双方を有する任意の装置に適用できるものである。また、どの機能部を、具体的なハードウェアのどの部分が担うかは、それぞれの装置における設計事項である。
【0045】
図10に示すように、テレビジョン受像機2は、DMR(Digital Media Renderer)400およびDMS(Digital Media Server)500の他、再生部600、遠隔制御サーバ部700を備えている。
【0046】
DMR400は、制御端末1からの要求に応じてDMS(外部)から指定のコンテンツを受信し、再生部600にコンテンツを渡す。
【0047】
DMS500は、コンテンツを蓄積し、制御端末1にコンテンツ情報を提供し、DMRからの要求に応じて指定のコンテンツをDMRに供給する。
【0048】
遠隔制御サーバ部700は、タブレット端末やPDAなどの制御端末1を介してテレビジョン受像機2に保持されたコンテンツなどのネットワークNT上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する。タブレット端末やPDAなどの制御端末1には、テレビジョン受像機2などと連携させるアプリケーションがインストールされている。遠隔制御サーバ部700を用いることにより、例えば、テレビジョン受像機2が保持するコンテンツ(録画番組)に対するチャプタのような区切り(時間指定)をまとめた番組のタグリストが公開されていれば、このタグリストをネットワークNT経由で制御端末1に取り込むだけでタグリストに沿った頭出しが簡単に行える。
【0049】
再生部600は、DMR400に外部から供給されたコンテンツ、または遠隔制御サーバ部700を介した遠隔制御によってDMS500に蓄積されたコンテンツの再生を行う。
【0050】
テレビジョン受像機2のDMR400は、コンテンツ識別子受信部401と、コンテンツ要求生成部406と、コンテンツ要求送信部407と、コンテンツ受信部408と、受信コンテンツ保持部409と、コンテンツ復号化部410と、を備えている。
【0051】
コンテンツ識別子受信部401(図9:ネットワークI/F202およびCPU201)は、ネットワークNTを介して制御端末1からコンテンツ識別子を受信する機能を有している。
【0052】
コンテンツ要求生成部406(図9:CPU201)は、コンテンツ識別子受信部401で受信したコンテンツ識別子に従い、コンテンツ要求を生成する。
【0053】
コンテンツ要求送信部407(図9:ネットワークI/F202およびCPU201)は、コンテンツ要求生成部406が生成したコンテンツ要求を、ネットワークNTを介して該当のDMSに送信する。
【0054】
コンテンツ受信部408(図9:ネットワークI/F202およびCPU201)は、DMSから、コンテンツ要求送信部407が送信したコンテンツ要求に応答して送信されたコンテンツを受信する機能を有している。
【0055】
受信コンテンツ保持部409(図9:メモリ204)は、コンテンツ受信部408が受信したコンテンツを一時保持する受信バッファである。
【0056】
コンテンツ復号化部410(図9:ビデオデコーダ206およびCPU201)は、受信コンテンツ保持部409に保持されている暗号化されたコンテンツの復号化を行う復号化エンジンであって、受信コンテンツ保持部409に返す機能を有している。このコンテンツ復号化部410による処理は、コンテンツ保護のためのDTCP−IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)規格に基づく処理である。
【0057】
テレビジョン受像機2のDMS500は、コンテンツ情報読み出し部506と、コンテンツ情報送信部507と、コンテンツ要求受信部501と、コンテンツ読み出し部502と、送信コンテンツ保持部503と、コンテンツ暗号化部504と、コンテンツ送信部505と、を備えている。
【0058】
コンテンツ情報読み出し部506(図9:ストレージI/F209およびCPU201)は、DMC(制御端末1)から受信したコンテンツ情報の要求に基づいて、コンテンツ情報をコンテンツ蓄積部(図9:HDD215)から読み出す機能を有している。
【0059】
コンテンツ情報送信部507(図9:ネットワークI/F202およびCPU201)は、読み出したコンテンツ情報(コンテンツ一覧)をDMC(制御端末1)に送信する機能を有している。
【0060】
コンテンツ要求受信部501(図9:ネットワークI/F202およびCPU201)は、ネットワークNTを介してDMRからコンテンツ要求を受信する機能を有している。
【0061】
コンテンツ読み出し部502(図9:ストレージI/F209およびCPU201)は、受信したコンテンツ要求に基づいて、指定されたコンテンツをコンテンツ蓄積部(図9:HDD215)から読み出す機能を有している。なお、上記コンテンツ蓄積部としては、テレビジョン受像機2内に内蔵されたストレージ(図9の例では、HDD215)でもよいし、ネットワークNTや他のインタフェースを介して接続された外部のストレージでもよい。
【0062】
送信コンテンツ保持部503(図9:メモリ204)は、読み出したコンテンツを一時保持する送信バッファである。
【0063】
コンテンツ暗号化部504(図9:CPU201または図示しないエンコーダ)は、送信コンテンツ保持部503に保持された送信コンテンツの暗号化を行う暗号化エンジンであって、送信コンテンツ保持部503に返す機能を有している。このコンテンツ暗号化部504による処理は、コンテンツ保護のためのDTCP−IP規格に基づく処理である。
【0064】
コンテンツ送信部505(図9:ネットワークI/F202およびCPU201)は、暗号化され、送信コンテンツ保持部503に保持された送信コンテンツを、受信したコンテンツ要求の要求元のDMR(外部)に送信する機能を有している。
【0065】
テレビジョン受像機2の遠隔制御サーバ部700は、内部コンテンツ再生指示受信部701を備えている。
【0066】
内部コンテンツ再生指示受信部701(図9:ネットワークI/F202およびCPU201)は、制御端末1から送信されるものであって、テレビジョン受像機2内に内蔵されたストレージ(図9の例では、HDD215)に蓄積された所定のコンテンツの再生指示を受信する機能を有している。
【0067】
テレビジョン受像機2の再生部600は、コンテンツ読み出し部601と、コンテンツ再生部602と、を備えている。
【0068】
コンテンツ読み出し部601(図9:ストレージI/F209およびCPU201)は、遠隔制御サーバ部700の内部コンテンツ再生指示受信部701で受信したコンテンツの再生指示に基づいて、指定されたコンテンツをコンテンツ蓄積部(図9:HDD215)から読み出す機能を有している。なお、上記コンテンツ蓄積部としては、テレビジョン受像機2内に内蔵されたストレージ(図9の例では、HDD215)でもよいし、ネットワークNTや他のインタフェースを介して接続された外部のストレージでもよい。
【0069】
コンテンツ再生部602(図9:CPU201、A/V分離部203、映像処理出力部208、オーディオデコーダ205、DAC220、およびアンプ221)は、受信コンテンツ保持部409に保持されている復号化済みのコンテンツや、コンテンツ読み出し部601によりコンテンツ蓄積部(図9:HDD215)から読み出したコンテンツの再生を行う機能を有している。再生されたコンテンツは、コンテンツ出力装置(図9:表示パネル240およびスピーカ222)に出力されることとなる。なお、コンテンツ出力装置は、テレビジョン受像機2内に内蔵された装置であってもよいし、ネットワークNTや他のインタフェースを介して接続された外部の装置であってもよい。また、コンテンツ再生部602の出力先であるコンテンツ出力装置は、コンテンツをユーザに提示する装置に限らず、テレビジョン受像機2内に内蔵されたストレージであってもよいし、ネットワークNTや他のインタフェースを介して接続された外部のストレージであってもよい。
【0070】
ここで、基本的なテレビジョン受像機2のDMS500からのコンテンツ情報の取得動作について詳述する。図11は、テレビジョン受像機2のDMS500からのコンテンツ情報の取得動作を示す説明図である。UPnPTM AV対応のDMC(制御端末1)がネットワークNTを介してテレビジョン受像機2のDMS500にコンテンツ情報を要求すると、図11に示すように、DMS500のコンテンツ情報読み出し部506は、DMC(制御端末1)から受信したコンテンツ情報の要求に基づいて、コンテンツ情報をコンテンツ蓄積部(図9:HDD215)から読み出す。次いで、DMS500のコンテンツ情報送信部507は、読み出したコンテンツ情報(コンテンツ一覧)をDMC(制御端末1)に送信する。DMC(制御端末1)は、コンテンツ一覧(コンテンツリスト)を、DMC(制御端末1)を操作するユーザに提示する(例えば、制御端末1のディスプレイ部103に表示する)。
【0071】
次いで、基本的なテレビジョン受像機2のDMR400からのコンテンツの要求動作について詳述する。図12は、テレビジョン受像機2のDMR400からのコンテンツの要求動作を示す説明図である。図12に示すように、UPnPTM AV対応のDMC(制御端末1)がネットワークNTを介してテレビジョン受像機2のDMR400に対してユーザ操作によってコンテンツ一覧(コンテンツリスト)から選択されたコンテンツに係るコンテンツ識別子を送信すると、コンテンツ識別子受信部401は当該コンテンツ識別子を受信する。その後、DMR400のコンテンツ要求生成部406は、コンテンツ識別子受信部401で受信したコンテンツ識別子に従いコンテンツ要求を生成し、コンテンツ要求送信部407は、コンテンツ要求生成部406が生成したコンテンツ要求を、ネットワークNTを介して該当のDMS(外部)に送信する。
【0072】
次いで、基本的なテレビジョン受像機2のDMS500のコンテンツの送信動作について詳述する。図13は、テレビジョン受像機2のDMS500のコンテンツの送信動作を示す説明図である。図13に示すように、DMS500のコンテンツ要求受信部501がネットワークNTを介してDMR(外部)からコンテンツ要求を受信すると、DMS500のコンテンツ読み出し部502が受信したコンテンツ要求に基づいて指定されたコンテンツをHDD215から読み出して、DMS500の送信コンテンツ保持部503に読み出したコンテンツを一時保持する。次いで、DMS500のコンテンツ暗号化部504は、送信コンテンツ保持部503に保持された送信コンテンツの暗号化を行って送信コンテンツ保持部503に返す。そして、DMS500のコンテンツ送信部505は、暗号化され、送信コンテンツ保持部503に保持された送信コンテンツを、受信したコンテンツ要求の要求元のDMR(外部)に送信する。
【0073】
次いで、基本的なテレビジョン受像機2のDMR400のコンテンツの受信および再生動作について詳述する。図14は、テレビジョン受像機2のDMR400のコンテンツの受信および再生動作を示す説明図である。図14に示すように、DMR400のコンテンツ受信部408がDMS(外部)からコンテンツ要求送信部407が送信したコンテンツ要求に応答して送信されたコンテンツを受信すると、受信コンテンツ保持部409が受信したコンテンツを一時保持する。次いで、コンテンツ復号化部410が受信コンテンツ保持部409に保持されている暗号化されたコンテンツの復号化を行って受信コンテンツ保持部409に返す。そして、再生部600のコンテンツ再生部602が受信コンテンツ保持部409に保持されている復号化済みのコンテンツの再生を行い、表示パネル240等に出力する。
【0074】
次に、このようなテレビジョン受像機2において、DMC(制御端末1)で選択したコンテンツの転送元であるDMS500と転送先であるDMR400が同一装置内となった場合、制御端末1(DMC)側で上述した課題をどのように解決するかについて説明する。
【0075】
図15は、テレビジョン受像機2におけるコンテンツ再生動作を示す説明図である。UPnPTM AV対応のDMC(制御端末1)がネットワークNTを介してテレビジョン受像機2のDMS500にコンテンツ情報を要求すると、図15に示すように、DMS500のコンテンツ情報読み出し部506が、DMC(制御端末1)から受信したコンテンツ情報の要求に基づいて、コンテンツ情報をコンテンツ蓄積部(図9:HDD215)から読み出し、DMS500のコンテンツ情報送信部507が、読み出したコンテンツ情報(コンテンツ一覧)をDMC(制御端末1)に送信する点については、図11の説明と同様である。
【0076】
次いで、このようにしてコンテンツ情報(コンテンツ一覧)が送信された制御端末1における処理のうち、本実施形態の特徴となる処理を実現する機能について説明する。
【0077】
ここで、図16は制御端末1の制御部101の機能構成を示すブロック図である。図16に示すように、制御部101は、DMS制御部1011と、コンテンツ選択部1012と、デバイス識別子比較部1013と、コンテンツ識別子変換部1014と、DMR制御部1015と、遠隔制御サーバ制御部1016と、を備えている。
【0078】
DMS制御部1011は、コンテンツ情報取得手段として機能するものであって、ネットワークNTに接続している1つまたは複数のDMSを検出し、ユーザの指示・設定・プログラムなどに基づいてDMSによって提示されるコンテンツ情報の一部あるいは全てを取得し、コンテンツ選択部1012にわたす。
【0079】
コンテンツ選択部1012は、コンテンツ選択手段として機能するものであって、取得したコンテンツ情報の中から再生すべきコンテンツをユーザの指示・設定・プログラムなどに基づいて選択し、デバイス識別子比較部1013にわたす。
【0080】
デバイス識別子比較部1013は、選択されたコンテンツを保持するDMSのデバイス識別子と、ユーザの指示・設定・プログラムなどによって選択されたDMRのデバイス識別子を比較する。デバイス識別子比較部1013は、デバイス識別子が一致している場合、選択されたコンテンツのコンテンツ情報をコンテンツ識別子変換部1014にわたす。また、デバイス識別子比較部1013は、デバイス識別子が一致していない場合、選択されたコンテンツのコンテンツ情報をDMR制御部1015にわたす。
【0081】
コンテンツ識別子変換部1014は、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を、予め定められた変換規則に基づいて遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に変換し、テレビジョン受像機2の遠隔制御サーバ部700にわたす。
【0082】
このようなデバイス識別子比較部1013およびコンテンツ識別子変換部1014は、識別子変換手段として機能するものである。
【0083】
DMR制御部1015は、コンテンツ再生制御手段として機能するものであって、選択されたコンテンツのコンテンツ情報からコンテンツ識別子を抽出し、再生指示メッセージを生成し、選択されたDMRに送る(図12参照)。
【0084】
遠隔制御サーバ制御部1016は、遠隔制御サーバ制御手段として機能するものであって、遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に基づいて、DMS500等と同一のデバイス識別子を有していて選択されたコンテンツを保持するテレビジョン受像機2の遠隔制御サーバ部700に該当コンテンツの再生制御メッセージを送る。
【0085】
次に、制御端末1の制御部101のコンテンツ再生指示処理の流れについて図17のフローチャートを参照して説明する。なお、ネットワークNT上のDMRの1つが、ユーザによる制御端末1の操作により選択済みであるものとする。
【0086】
まず、DMS制御部1011が、DMS500のコンテンツ情報送信部507から送信されたコンテンツリストを取得すると(ステップS101)、コンテンツ選択部1012が、制御端末1を操作するユーザにコンテンツリストを提示して(例えば、制御端末1のディスプレイ部103に表示する)、ユーザ操作によってコンテンツリストからコンテンツを選択させる(ステップS102)。
【0087】
続いて、デバイス識別子比較部1013が、選択されたコンテンツを保持するDMS500のデバイス識別子と、ユーザの指示・設定・プログラムなどによって選択されたDMRのデバイス識別子を比較する(ステップS103)。選択されたコンテンツを保持するDMS500のデバイス識別子は、図4や図5に示したように、DMS500から渡されるコンテンツ情報にIPアドレスとして含まれている。また、ネットワークNT上のDMRは、ネットワークNT内からUPnPTMプロトコルに基づいてDMC(制御端末1)により探索されており、この探索の際に各DMRのIPアドレスが取得される。そして、ユーザの指示・設定・プログラムなどによって選択されたDMRのデバイス識別子は、このようにして取得されたIPアドレスである。
【0088】
デバイス識別子比較部1013は、デバイス識別子が一致していると判定すると(ステップS103のYes)、ステップS105に進み、選択されたコンテンツのコンテンツ情報をコンテンツ識別子変換部1014にわたす。
【0089】
一方、デバイス識別子比較部1013は、デバイス識別子が一致していないと判定すると(ステップS103のNo)、ステップS104に進み、選択されたコンテンツのコンテンツ情報をDMR制御部1015にわたす。
【0090】
ステップS104では、選択されたDMRがテレビジョン受像機2の外部のものであるので、DMR制御部1015は選択されたコンテンツのコンテンツ情報からコンテンツ識別子を抽出し、再生指示メッセージを生成し、選択されたDMR(外部)に送る。
【0091】
一方、ステップS105では、選択されたDMRがテレビジョン受像機2のDMR400であるので、コンテンツの転送元であるDMS500と転送先であるDMR400が同一装置内となっているので、コンテンツ識別子変換部1014が、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を、予め定められた変換規則に基づいて遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子(遠隔制御用のコンテンツ識別子)に変換する。
【0092】
具体的には、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を、選択されたコンテンツのObject ID、選択されたコンテンツのResource URIのパス名、選択されたコンテンツのBrowse Index、独自識別子などの遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に変換する。また、遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子がDMS500から取得したコンテンツ情報に含まれている場合には、当該コンテンツ識別子を用いる。
【0093】
また、別の例としては、テレビジョン受像機2の遠隔制御サーバ部700からコンテンツ情報(タイトル名、日付、チャンネル、録画開始時刻等)を取得し、DMS500から取得したコンテンツ情報(タイトル名、日付、チャンネル、録画開始時刻等)とテレビジョン受像機2の遠隔制御サーバ部700から取得したコンテンツ情報(タイトル名、日付、チャンネル、録画開始時刻等)との一部または全部の組み合わせから、再生するコンテンツの遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子を抽出するようにしても良い。
【0094】
なお、テレビジョン受像機2の内部では、コンテンツ識別子の体系が、USB HDD、ネットワーク/LAN接続型HDDであるNAS(Network Attached Storage)などのコンテンツ種別によって異なる場合がある。このような場合には、コンテンツ種別も考慮した変換規則を予め定めておき、DMS500のコンテンツ情報からコンテンツ種別とコンテンツ識別子とをそれぞれ抽出し、遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に変換する。
【0095】
また、コンテンツ識別子変換部1014は、変換規則を記憶するものではなく、遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子への変換の際に、変換規則をテレビジョン受像機2に問い合わせるようにしても良い。
【0096】
その後、遠隔制御サーバ制御部1016は、遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に基づいて、DMS500等と同一のデバイス識別子を有していて選択されたコンテンツを保持するテレビジョン受像機2の遠隔制御サーバ部700に対して該当コンテンツの再生制御メッセージを送る(ステップS106)。
【0097】
なお、遠隔制御サーバ制御部1016は、制御メッセージの送信先の装置が遠隔制御サーバ部を有していない場合、すなわち制御メッセージの送信先となる遠隔制御サーバ部が存在しない場合、再生不能の旨をユーザに警告する(例えば、制御端末1のディスプレイ部103に表示する)。
【0098】
このようにコンテンツの転送元であるDMS500と転送先であるDMR400が同一装置内となっている場合においては、図15に示すように、遠隔制御サーバ部700の内部コンテンツ再生指示受信部701は、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を変換した遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に基づく再生制御メッセージを受信すると、当該再生制御メッセージを再生部600のコンテンツ読み出し部601に渡す。
【0099】
そして、再生部600のコンテンツ読み出し部601は、遠隔制御サーバ部700の内部コンテンツ再生指示受信部701で受信したコンテンツの再生指示(再生制御メッセージ)に基づいて、指定されたコンテンツをコンテンツ蓄積部(図9:HDD215)から読み出し、コンテンツ再生部602に渡す。
【0100】
再生部600のコンテンツ再生部602は、コンテンツ読み出し部601によりコンテンツ蓄積部(図9:HDD215)から読み出したコンテンツの再生を行い、表示パネル240等に出力する。
【0101】
以上、本実施形態のネットワークシステムの構成および動作について説明した。UPnPTM AV規格およびDLNAガイドラインに準拠した電子機器によるネットワークシステムでは、ユーザはDMSを区別することなくコンテンツを選択するため、選択されたコンテンツを保持するDMSと選択されたDMRが同一の機器である場合もある。こうした場合であっても、以上に説明したとおり、本実施形態のネットワークシステムによれば、ユーザが選択したDMSとDMRが同一装置内にある場合に転送できない装置に対して、同装置のローカルコンテンツを再生可能な遠隔制御サービスを利用することにより、ネットワークストリーミングの送受信処理を行うことなく、内部再生と同等の処理を行わせることができるので、当該装置のリソース消費を削減でき、同時処理の制限を緩和して目的のコンテンツを再生させることができる。
【0102】
また、制御端末を操作するユーザは、コンテンツを保持する送信側の装置とコンテンツを受信する側の装置の同一性を意識することなく、コンテンツを転送させることができる。
【0103】
なお、本実施形態においては、制御端末1のコンテンツ識別子変換部1014において、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を、予め定められた変換規則に基づいて遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に変換するようにしたが、これに限るものではない。例えば、デバイス識別子比較部1013においてデバイス識別子が一致していないと判定した場合、選択されたコンテンツのコンテンツ情報をテレビジョン受像機2の遠隔制御サーバ部700に送り、遠隔制御サーバ部700側でコンテンツ情報を予め定められた変換規則に基づいて遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に変換し、変換した遠隔制御サーバ向けのコンテンツ識別子に基づいて該当コンテンツの再生制御メッセージを生成するようにしても良い。
【0104】
なお、本実施形態の制御端末1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、本実施形態の制御端末1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、本実施形態の制御端末1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の制御端末1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0105】
本実施形態の制御端末1で実行されるプログラムは、上述した各部(DMS制御部1011、コンテンツ選択部1012、デバイス識別子比較部1013、コンテンツ識別子変換部1014、DMR制御部1015、遠隔制御サーバ制御部1016)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから〜プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、DMS制御部1011と、コンテンツ選択部1012と、デバイス識別子比較部1013と、コンテンツ識別子変換部1014と、DMR制御部1015と、遠隔制御サーバ制御部1016と、が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0106】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1 制御端末
400 コンテンツ受信機能部
500 コンテンツ送信機能部
600 再生部
700 遠隔制御サーバ部
1011 コンテンツ情報取得手段
1012 コンテンツ選択手段
1013,1014 識別子変換手段
1015 コンテンツ再生制御手段
1016 遠隔制御サーバ制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部と、前記コンテンツ送信機能部から送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部とに対してネットワーク接続可能な制御端末において、
前記ネットワークに接続している1つまたは複数の前記コンテンツ送信機能部によって提示されるコンテンツ情報の一部あるいは全てを取得するコンテンツ情報取得手段と、
取得したコンテンツ情報の中から再生すべきコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、
選択された前記コンテンツを送信する前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、選択されたコンテンツを受信する前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致している場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報を、前記ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に予め定められた変換規則に基づいて変換する識別子変換手段と、
変換した前記遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて、前記コンテンツ送信機能部および前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子と同一のデバイス識別子を有している前記遠隔制御サーバ部に対して該当コンテンツの再生制御メッセージを送る遠隔制御サーバ制御手段と、
を備える制御端末。
【請求項2】
選択された前記コンテンツを送信する前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、選択されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致していないと前記デバイス識別子比較手段が判定した場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報からコンテンツ識別子を抽出して選択された前記コンテンツ受信機能部に対して該当コンテンツの再生制御メッセージを送るコンテンツ再生制御手段を更に備える、
請求項1記載の制御端末。
【請求項3】
前記遠隔制御サーバ制御手段は、前記再生制御メッセージの送信先となる前記遠隔制御サーバ部が存在しない場合、再生不能の旨を報知する、
請求項1記載の制御端末。
【請求項4】
前記識別子変換手段は、前記遠隔制御用のコンテンツ識別子への変換の際に、前記変換規則を外部機器に問い合わせる、
請求項1記載の制御端末。
【請求項5】
前記識別子変換手段は、前記遠隔制御用のコンテンツ識別子が前記コンテンツ送信機能部から取得した前記コンテンツ情報に含まれている場合には、当該コンテンツ識別子を用いる、
請求項1記載の制御端末。
【請求項6】
前記識別子変換手段は、前記遠隔制御サーバ部を介してコンテンツ情報を取得し、当該コンテンツと前記コンテンツ送信機能部によって提示されるコンテンツ情報との一部または全部の組み合わせから、前記遠隔制御用のコンテンツ識別子を抽出する、
請求項1記載の制御端末。
【請求項7】
前記デバイス識別子比較手段が比較するデバイス識別子は、IP(Internet Protocol)で前記ネットワーク上の機器を識別するための番号であるIPアドレスである、
請求項1記載の制御端末。
【請求項8】
指定されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部と、
前記コンテンツ送信機能部から送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部と、
ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部と、
前記コンテンツ受信機能部に外部から供給されたコンテンツ、または前記遠隔制御サーバ部を介した遠隔制御によって前記コンテンツ送信機能部に蓄積されたコンテンツの再生を行う再生部と、
前記コンテンツ送信機能部と前記コンテンツ受信機能部と前記遠隔制御サーバ部とに対してネットワーク接続可能であって、前記ネットワークに接続している1つまたは複数の前記コンテンツ送信機能部によって提示されるコンテンツ情報の中から再生すべきコンテンツを選択する制御端末と、
を備えるネットワークシステムにおいて、
前記制御端末は、
選択された前記コンテンツを送信する前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、選択されたコンテンツを受信する前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致している場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報を、予め定められた変換規則に基づいて前記遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に変換する識別子変換手段と、
変換した前記遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて、前記コンテンツ送信機能部および前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子と同一のデバイス識別子を有している前記遠隔制御サーバ部に対して前記再生部に送信するための該当コンテンツの再生制御メッセージを送る遠隔制御サーバ制御手段と、
を備えるネットワークシステム。
【請求項9】
指定されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部と、
前記コンテンツ送信機能部から送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部と、
ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部と、
前記コンテンツ送信機能部と前記コンテンツ受信機能部と前記遠隔制御サーバ部とに対してネットワーク接続可能であって、前記ネットワークに接続している1つまたは複数の前記コンテンツ送信機能部によって提示されるコンテンツ情報の中から再生すべきコンテンツを選択する制御端末と、
前記コンテンツ受信機能部に外部から供給されたコンテンツ、または前記遠隔制御サーバ部を介した遠隔制御によって前記コンテンツ送信機能部に蓄積されたコンテンツの再生を行う再生部と、
を備えるネットワークシステムにおいて、
前記制御端末は、選択された前記コンテンツを送信する前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、選択されたコンテンツを受信する前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致している場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報を、前記コンテンツ送信機能部および前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子と同一のデバイス識別子を有している前記遠隔制御サーバ部に送信し、
前記遠隔制御サーバ部は、前記制御端末より送信された前記コンテンツのコンテンツ情報を、予め定められた変換規則に基づいて前記遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に変換し、変換した前記遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて該当コンテンツの再生制御メッセージを生成して前記再生部に送信する、
ネットワークシステム。
【請求項10】
制御端末で選択されたコンテンツを送信するコンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、前記制御端末で選択されたコンテンツを受信するコンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致しているか否かを判定し、
前記コンテンツ送信機能部のデバイス識別子と、前記コンテンツ受信機能部のデバイス識別子とが一致していると判定した場合、選択された前記コンテンツのコンテンツ情報を、ネットワーク上のコンテンツに対する遠隔操作を制御する遠隔制御サーバ部における遠隔制御用のコンテンツ識別子に予め定められた変換規則に基づいて変換し、
変換した前記遠隔制御用のコンテンツ識別子に基づいて、前記コンテンツ送信機能部に蓄積された該当コンテンツの再生制御メッセージを生成する、
ことを含むコンテンツ再生方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate