説明

制御装置、制御装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】フォントデータを内蔵する記録装置による記録媒体への画像の記録の結果について、幅の異なる記録媒体に画像を記録する場合であっても、容易に、近似した記録結果とする。
【解決手段】ホストコンピューター10は、プリンターPに収納された感熱ロール紙の幅を示す幅情報を指定するユーザーインターフェイスと、このユーザーインターフェイスにより指定された幅情報に応じて、感熱ロール紙の幅にかかわらず記録結果が近似するようにフォントに係る設定を調整した上でプリンターPに記録を実行させる第1記録制御部21,第2記録制御部22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置を制御する制御装置、当該制御装置の制御方法、及び、当該制御装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォントデータを内蔵した記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に係る記録装置は、ホストコンピューター等の制御装置から記録装置に対してフォントを指定してジョブが送信されると、内蔵するフォントを用いて文字を記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−034142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したようなフォントデータを内蔵する記録装置による記録媒体への画像の記録の結果について、幅の異なる記録媒体に画像を記録する場合であっても、近似した記録結果が維持されることが求められる場合がある。例えば、レシートは、画像が記録された後に顧客に引き渡されるものであり、レシートの幅にかかわらず近似した記録結果が維持されることが常に求められる。ここで、従来の制御装置では、記録装置が使用する記録媒体の幅に変更がある度に近似した記録結果が維持されるよう変更後の幅に応じた設定を行う必要があり、また、記録装置が別の記録装置に取り替えられる度に近似した記録結果が維持されるよう変更後の記録装置に応じた設定を行う必要があり、作業が煩雑であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、フォントデータを内蔵する記録装置による記録媒体への画像の記録の結果について、幅の異なる記録媒体に画像を記録する場合であっても、容易に、近似した記録結果とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、複数種類のフォントに係るフォントデータを内蔵した記録装置に接続され、前記フォントに係る設定に基づいて前記フォントデータを指定して記録装置に記録を実行させる制御装置であって、前記記録装置で使用される前記記録媒体の幅を示す幅情報を指定するユーザーインターフェイスと、前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報に応じて、当該幅情報が示す前記記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させる記録制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、記録制御部は、ユーザーインターフェイスにより指定された幅情報に応じて、当該幅情報が示す記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するようにフォントに係る設定を調整した上で記録装置に記録を実行させる。このため、ユーザーインターフェイスを利用して幅情報を指定するという簡易な作業によって、記録媒体の幅にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。ここで、記録結果が近似とは、少なくとも、レシート等への記録結果の1枚または1行当たりなどの情報量が同一または近いことを示す。
【0006】
ここで、上記発明の制御装置であって、前記記録装置で使用される前記記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整する設定情報を、前記ユーザーインターフェイスにより指定可能な前記幅情報ごとに、前記幅情報と対応づけて記憶する設定情報記憶部をさらに備え、前記記録制御部は、前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報と対応づけて記憶された前記設定情報を参照して前記記録装置に記録を実行させるようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザーインターフェイスにより指定可能な幅情報ごとに、各幅情報と対応づけて、記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するようにフォントに係る設定を調整する設定情報が記憶される。従って、この設定情報を用いて、ユーザーインターフェイスを利用して幅情報を指定するという簡易な作業によって、記録媒体の幅にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0007】
また、上記発明の制御装置であって、前記記録制御部は、前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報に応じて、当該幅情報が示す前記記録媒体の幅にかかわらず前記記録媒体における1行あたりの記録桁数が同様となるように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させるようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザーインターフェイスを利用して幅情報を指定するという簡易な作業によって、記録媒体の幅にかかわらず、記録媒体における1行あたりの記録桁数が同様となるように、すなわち、近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0008】
また、上記発明の制御装置であって、前記フォントに係る設定には、少なくとも前記フォントの種類、及び、文字間スペースのいずれかの設定が含まれるようにしてもよい。
この構成によれば、記録制御部は、ユーザーインターフェイスにより指定された幅情報に応じて、当該幅情報が示す記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するようにフォントの種類及び文字間スペース等の設定を調整した上で、これら設定に基づいてフォントデータを指定して記録装置に記録を実行させる。このため、ユーザーインターフェイスを利用して幅情報を指定するという簡易な作業によって、自動でフォントの種類及び文字間スペースの設定が調整され、記録媒体の幅にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0009】
また、上記発明の制御装置であって、前記記録制御部は、前記幅情報が示す前記記録媒体の幅、及び、前記記録装置の記録解像度にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させるようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザーインターフェイスを利用して幅情報を指定するという簡易な作業によって、記録媒体の幅だけでなく記録装置の記録解像度にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0010】
また、上記発明の制御装置であって、前記記録制御部は、アプリケーションプログラムを実行するアプリケーション実行部の記録指示により動作して、前記記録装置に記録を実行させるものであり、前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させた場合、当該フォントに係る設定に関する情報を前記アプリケーション実行部に出力するようにしてもよい。
この構成によれば、アプリケーションプログラムの機能を利用して、表示パネル等に記録媒体に記録した画像を表示する場合、実際に記録媒体に記録された文字のフォントを踏まえて文字を表示することが可能となり、実際に記録媒体に記録された画像と整合性を有する画像の表示が可能となる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置で使用される記録媒体の幅を示す幅情報を指定するユーザーインターフェイスを備え、前記記録装置を制御する制御装置を制御して、前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報を取得し、取得した前記幅情報に応じて、当該幅情報が示す前記記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させることを特徴とする。
この制御方法によれば、制御装置は、ユーザーインターフェイスにより指定された幅情報に応じて、当該幅情報が示す記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するようにフォントに係る設定を調整した上で記録装置に記録を実行させる。このため、ユーザーインターフェイスを利用して幅情報を指定するという簡易な作業によって、記録媒体の幅にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に記録を行う記録装置で使用される記録媒体の幅を示す幅情報を指定するユーザーインターフェイスを備え、前記記録装置を制御する制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報に応じて、当該幅情報が示す前記記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させる記録制御部として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行することにより、記録制御部として機能する制御部は、ユーザーインターフェイスにより指定された幅情報に応じて、当該幅情報が示す記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するようにフォントに係る設定を調整した上で記録装置に記録を実行させる。このため、ユーザーインターフェイスを利用して幅情報を指定するという簡易な作業によって、記録媒体の幅にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フォントデータを内蔵する記録装置による記録媒体への画像の記録の結果について、幅の異なる記録媒体に画像を記録する場合であっても、容易に、近似した記録結果とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係るPOSシステムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】POSシステムの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】第1プリンター及び第2プリンターの構成を示す表である。
【図4】フォントデータについて説明するための図である。
【図5】フォントAデータ群の構成を模式的に示す図である。
【図6】設定ウインドウの一例を示す図である。
【図7】参照設定ファイルテーブルの構成を模式的に示す図である。
【図8】設定ファイルの内容を模式的に示す図である。
【図9】ホストコンピューターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係るPOSシステム1の機能的構成を示すブロック図であり、特に、図1はPOSシステム1が備えるホストコンピューター10(制御装置)の機能的構成を詳細に示し、図2はPOSシステム1が備える第1プリンターP1(記録装置)、第2プリンターP2(記録装置)の機能的構成を詳細に示している。
POSシステム1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に適用され、店舗に来店した顧客の代金の支払いに応じてレシートを発行するシステムであり、図1に示すように、ホストコンピューター10(制御装置)と、このホストコンピューター10に接続されたPOSサーバー11と、ホストコンピューター10に接続された第1プリンターP1、及び、第2プリンターP2とを備えている。なお、以下の説明において第1プリンターP1と、第2プリンターP2とを特に区別しない場合は、プリンターPと表現する。
【0016】
POSサーバー11は、ネットワークを介してホストコンピューター10に通信可能に接続されており、店舗で販売している商品の商品コードや、名称、金額等のレシートの発行のために必要となる情報を示すデータをデータベースとして記憶する。ホストコンピューター10は、レシートの発行に際し、適宜POSサーバー11に記憶されたデータベースを参照し、必要な情報を取得する。
【0017】
ホストコンピューター10は、制御部15と、表示部16と、入力部17と、インターフェイス部18と、記憶部19と、を備えている。
制御部15は、ホストコンピューター10の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
図1に示すように、制御部15は、POSアプリケーション実行部20(アプリケーション実行部)と、第1記録制御部21と、第2記録制御部22と、を備えているが、これらについては後述する。
【0018】
表示部16は、液晶ディスプレーパネルや、有機ELパネル等の表示パネル23を備え、制御部15の制御の下、表示パネル23に各種情報を表示する。
入力部17は、キーボードや、マウス、バーコードリーダー、カードリーダー等の入力デバイスに接続され、これら入力デバイスの出力信号を制御部15に出力する。バーコードリーダーは、商品の包装紙等に記録されたバーコードの読み取りに利用され、カードリーダーは、クレジットカードや、会員カード等に記録された情報の読み取りに利用される。バーコードリーダーやカードリーダー等の入力デバイスを用いて取得した情報は、レシートの発行に係る処理に用いられる。
インターフェイス部18は、USBポートやプリンターポート等のポート26、ポート27を介して第1プリンターP1、第2プリンターP2に接続され、制御部15の制御の下、これら第1プリンターP1、第2プリンターP2との間で通信規格に準拠した通信を行う。
記憶部19は、各種データを書き換え可能に記憶する部位であり、ハードディスクや、EEPROM等の記憶装置を備えている。記憶部19に記憶されたプログラムや各種データについては後述する。
【0019】
図3は、第1プリンターP1及び第2プリンターP2のそれぞれの構成について説明するための図である。
第1プリンターP1及び第2プリンターP2のそれぞれは、ロール状に巻かれた感熱記録紙である感熱ロール紙を、ローラー状のプラテンにより搬送し、この感熱ロール紙の記録面に、発熱素子を備えたラインサーマルヘッドによって熱を与えることによりモノクロ又は多色で文字や画像を記録するサーマルヘッド式プリンターである。
そして、本実施形態に係る第1プリンターP1及び第2プリンターP2のそれぞれは、幅が80mmの感熱ロール紙、又は、58mmの感熱ロール紙を選択的に収納可能に構成されている。
図3に示すように、第1プリンターP1は、記録解像度が203dpi(ドット/インチ)のプリンターであり、この記録解像度との関係上、幅80mmの感熱ロール紙については1行あたり576ドットの画素を記録でき、また、幅58mmの感熱ロール紙については1行あたり418ドットの画素を記録できる。
一方、図3に示すように、第2プリンターP2は、記録解像度が180dpi(ドット/インチ)のプリンターであり、この記録解像度との関係上、幅80mmの感熱ロール紙については1行あたり512ドットの画素を記録でき、また、幅58mmの感熱ロール紙については1行あたり374ドットの画素を記録できる。
【0020】
図2に示すように、第1プリンターP1は、第1プリンター側制御部301と、第1プリンター側表示部311と、第1プリンター側入力部321と、第1プリントエンジン331と、第1エンジンコントローラー341と、第1プリンター側記憶部351と、インターフェイス部361と、を備えている。
第1プリンター側制御部301は、第1プリンターP1を中枢的に制御するものであり、上述した制御部15と同様、CPUやROM、RAMその他の周辺回路等を備えている。
第1プリンター側表示部311は、第1プリンターP1の動作状態等を表示するLEDを備え、第1プリンター側制御部301の制御の下、LEDを所定の態様で表示させる。
第1プリンター側入力部321は、第1プリンターP1に設けられた操作スイッチに接続され、操作スイッチに対する操作を検出し操作信号として第1プリンター側制御部301に出力する。
第1プリントエンジン331は、第1プリンター側制御部301の制御の下、上述したラインサーマルヘッド及びプラテンを含む各部により感熱ロール紙への印刷を実行する。
第1エンジンコントローラー341は、第1プリンター側制御部301の制御の下、第1プリントエンジン331を制御して、感熱ロール紙に文字や画像を記録させる。
第1プリンター側記憶部351は、フラッシュメモリーやハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。第1プリンター側記憶部351には、後述するフォントAデータ群40と、フォントBデータ群41と、フォントCデータ群42と、フォントDデータ群43とが記憶されている。
インターフェイス部361は、ホストコンピューター10との間で通信規格に準拠した通信を行う。
【0021】
第2プリンターP2は、上述した第1プリンターP1と同様の構成をしている。すなわち、第2プリンターP2は、第2プリンター側制御部302と、第2プリンター側表示部312と、第2プリンター側入力部322と、第2プリントエンジン332と、第2エンジンコントローラー342と、第2プリンター側記憶部352と、インターフェイス部362と、を備え、第2プリンター側記憶部352には、フォントAデータ群40と、フォントBデータ群41と、フォントCデータ群42と、フォントDデータ群43とが記憶されている。
【0022】
次いで、第1プリンター側記憶部351及び第2プリンター側記憶部352のそれぞれに共に記憶されたフォントAデータ群40、フォントBデータ群41、フォントCデータ群42、及び、フォントDデータ群43について説明する。
第1プリンターP1及び第2プリンターP2のそれぞれは、フォントA、フォントB、フォントC、及び、フォントDの4種類のフォントについて、各種類のフォントに係るフォントデータを記憶している。そして、フォントAデータ群40はフォントAに係るフォントデータ(以下、「フォントAデータ」という)を集合して記憶したデータであり、同様に、フォントBデータ群41はフォントBに係るフォントデータ(以下、「フォントBデータ」という)を、フォントCデータ群42はフォントCに係るフォントデータ(以下、「フォントCデータ」という)を、フォントDデータ群43はフォントDに係るフォントデータ(以下、「フォントDデータ」という)を集合して記憶したデータである。なお、フォントデータとは、文字を記録媒体に印字可能な態様で表現する実データのことであり、例えば、ビットマップフォントデータや、スケイラブルフォントデータ等が存在する。
【0023】
図4は、フォントA〜Dの各フォントの説明に用いる図である。
図4(A)に示すように、本実施形態では、フォントAデータは、横12ドット×縦24ドットのフォントデータである。ここで、図4(B)に示すように、フォントAデータには、横11ドットからなる文字部50と、この文字部50の右側に隣接した横1ドットからなるスペース部51とが形成されている。文字部50は、当該フォントAデータによって示される文字を、画素の組み合わせによって定義するエリアである。スペース部51は、フォントAデータに係る文字を隣接した状態で連続して記録する場合に、これら文字の間に、見た目上に適切なスペースが設けられるようにするために形成されたエリアである。フォントAデータのそれぞれにスペース部51が形成されているため、フォントAデータに係る文字を隣接した状態で連続して記録する場合、スペースとして数ドットの間隔を開けた上でフォントAデータに係る文字を記録するようにプリンターPを制御することなく、文字と文字の間に見た目上の適切なスペースが設けられる。
また、図4(A)に示すように、フォントBデータは横13ドット×縦24ドットのフォントデータであり、フォントCデータは横9ドット×縦17ドットのフォントデータであり、フォントDデータは横8ドット×横17ドットのフォントデータである。これらフォントデータのそれぞれには、フォントAデータと同様、文字部50と、スペース部51とが形成されている。
【0024】
図5は、フォントAデータ群40の構成を模式的に示す図である。
上述したように、フォントAデータ群40は、フォントAデータを集合して記憶したデータである。詳述すると、フォントAデータ群40には、分割された複数の記憶領域が形成されており、各記録領域には、適宜、フォントAデータが格納されている。また、各記憶領域の全てには、各記憶領域を識別するための情報としての「番地」が一意に割り振られている。図示は省略したが、フォントBデータ群41、フォントCデータ群42、及び、フォントDデータ群43は、フォントAデータ群40と同様の構成をしたデータである。
このように各データ群のそれぞれについて、一意に番地が割り振られた記憶領域に、フォントデータが格納された構成となっているため、レシートに記録すべき1つの文字に対応するフォントデータについて、当該フォントデータのフォントの種類(これにより、フォントデータが格納されているフォントデータ群が一意に定まる)と、当該フォントの種類に対応するフォントデータ群における番地と、を特定することによって、当該フォントデータを特定することができる。
なお、本実施形態では、第1プリンターP1の第1プリンター側記憶部351に記憶された各フォントデータ群と、第2プリンターP2の第2プリンター側記憶部352に記憶された各フォントデータ群との内容は完全に一致しているものとする。例えば、第1プリンターP1の第1プリンター側記憶部351に記憶されたフォントAデータ群40の「50番地」に格納されているフォントAデータと、第2プリンターP2の第2プリンター側記憶部352に記憶されたフォントAデータ群40の「50番地」に格納されているフォントAデータとは、一致している。
【0025】
次いで、制御部15が備えるPOSアプリケーション実行部20と、第1記録制御部21と、第2記録制御部22について順に説明する。これらの各機能は、制御部15のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行したり、また記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行する等、ソフトウェアとハードウェアとが協働して実現される。
【0026】
まず、POSアプリケーション実行部20について説明する。
POSアプリケーション実行部20は、記憶部19に記憶されたPOSアプリケーションプログラム60(アプリケーションプログラム)を読み出して実行することにより、レシートに記録すべき画像に係る印刷データを生成し、第1記録制御部21又は第2記録制御部22に出力する。ここでレシートに記録すべき画像には、商品の名称を示す文字に係る画像や、値段を示す文字に係る画像等の各種文字に係る画像が含まれている。POSアプリケーション実行部20が生成する印刷データにおいては、これら文字は、Unicode等の所定の文字コードとして表現されている。
【0027】
次いで、第1記録制御部21について説明する。
第1記録制御部21は、記憶部19に記憶された第1プリンタードライバー61(プログラム)を読み出して実行することにより、POSアプリケーション実行部20から入力された印刷データに基づいて第1プリンターP1のコマンド仕様に対応した印刷コマンドを生成し、生成した印刷コマンドを第1プリンターP1の第1プリンター側制御部301に出力する。すなわち、第1記録制御部21は、第1プリンタードライバー61の機能により、第1プリンターP1を制御する。
印刷コマンドとは、レシートの発行に係る一連の動作をプリンターPに行わせるコマンドのことであり、例えば、画像の記録の開始を指示する記録開始コマンドや、ラインサーマルヘッドを走査させることを指示する走査コマンド、ロール紙を搬送方向に所定量だけ送ることを指示する送りコマンド等の各種コマンドを含んでいる。
【0028】
ここで、第1記録制御部21の印刷データに含まれる文字コードに対する処理について詳述する。
POSアプリケーション実行部20から印刷データが入力された場合、第1記録制御部21は、当該印刷データを解析し、印刷データに含まれる文字コードを抽出する。
次いで、第1記録制御部21は、後述する第1参照設定ファイルテーブル62を参照し、この第1参照設定ファイルテーブル62の内容に従って80ミリ用第1設定ファイル63(設定情報)及び58ミリ用第1設定ファイル64(設定情報)のいずれかの設定ファイルを参照し、参照した設定ファイルの内容に基づいて文字コードに係る文字をレシートに記録する際のフォントの種類を特定する。ここで、設定ファイルとは、レシートの発行、特に、感熱ロール紙に対する画像の記録に関する設定上の条件が記述されたファイルのことをいい、ファイルとしての形態を保ったデータのみならず、記憶部19にレジストリーとして形成された記憶領域に記憶された情報のことも含む。
【0029】
次いで、第1記録制御部21は、選択したフォントの種類に応じて、記憶部19に記憶されたフォントAデータ変換テーブル65、フォントBデータ変換テーブル66、フォントCデータ変換テーブル67、及び、フォントDデータ変換テーブル68のいずれかのテーブルを参照する。
これらテーブルは、POSシステム1で取り扱い可能な文字コードのそれぞれついて、文字コードと、当該文字コードに対応するフォントデータのフォントデータ群における番地とを対応づけて記憶したテーブルである。特に、フォントAデータ変換テーブル65は、各文字コードと、各文字コードに対応するフォントAデータのフォントAデータ群40における番地とを対応づけて記憶する。従って、第1記録制御部21は、ある1の文字コードについて、当該1の文字コードに係る文字のフォントの種類をフォントAと特定した場合、このフォントAデータ変換テーブル65を参照し、当該1の文字コートを、フォントAデータ群40における番地を示す情報に変換する。
同様に、フォントBデータ変換テーブル66は、各文字コードと、各文字コードに対応するフォントBデータのフォントBデータ群41における番地とを対応づけて記憶し、フォントCデータ変換テーブル67は、各文字コードと、各文字コードに対応するフォントCデータのフォントCデータ群42における番地とを対応づけて記憶し、フォントDデータ変換テーブル68は、各文字コードと、各文字コードに対応するフォントDデータのフォントDデータ群43における番地とを対応づけて記憶する。
【0030】
第1記録制御部21は、印刷データから抽出した文字コードのフォントの種類として特定したフォントの種類に応じて、フォントAデータ変換テーブル65、フォントBデータ変換テーブル66、フォントCデータ変換テーブル67、及び、フォントDデータ変換テーブル68のいずれかのテーブルを参照し、抽出した文字コードのそれぞれについて、各文字コードに対応するフォントデータが格納されたフォントデータ群を示す情報と、当該フォントデータ群において当該フォントデータが格納された番地を示す情報とが組み合わされた情報に変換した上で、印刷コマンドを生成し、第1プリンター側制御部301に出力する。
第1記録制御部21から印刷コマンドが入力された場合、第1プリンター側制御部301は、印刷コマンドに基づいて第1エンジンコントローラー341を制御してレシートを発行する。
特に、第1プリンター側制御部301は、レシートに記録すべき文字については、印刷コマンドに含まれたフォントデータ群を示す情報と、当該フォントデータ群における番地とを示す情報とに基づいて、文字に対応するフォントデータが格納されたフォントデータ群、及び、当該フォントデータ群における番地を特定し、特定したフォントデータに基づいて、文字に係る画像の記録を実行する。
【0031】
なお、第2記録制御部22は、記憶部19に記憶された第2プリンタードライバー69(プログラム)を読み出して実行することにより、上述した第1記録制御部21と同様の手法によって、第2プリンターP2を制御する。
【0032】
ところで、レシートは、発行された後に顧客に引き渡されるものである。従って、レシートの幅の大きさ、及び、レシートを発行するプリンターPの記録解像度にかかわらず、記録結果が近似した状態、即ち、少なくともレシートの1枚または1行の情報量が同一または近い状態が維持されることが求められる。なぜなら、顧客は、レシートにおいて購入した商品を示す文字列が記録された位置や、各商品の値段を示す文字列が記録された位置、購入金額の総計を示す文字列が記録された位置等を、レシート全体における相対的な位置として感覚的に把握している場合が多く、レシートの幅の大きさ、及び、レシートを発行するプリンターPの記録解像度にかかわらず、記録結果が近似した状態となるようにすることにより、顧客が上述した各位置を直感的に把握でき、顧客の利便性が向上するからである。
ここで、「記録結果が近似する」とは、本実施形態においては、具体的には、レシートの幅の大きさ、及び、レシートを発行するプリンターPの記録解像度にかかわらず、各レシートにおいてレシートの幅に対する1行分の文字が記録される領域の幅のバランスがそれほど相違することなく、かつ、レシートに記録された画像の見た目が悪くなることなく、各レシートの幅方向における1行あたりの文字の記録桁数(1行分の情報量)が同一(本実施形態では「42桁」)とされる、ということである。特に、「各レシートにおいて、レシートの幅に対する1行分の文字が記録される領域の幅のバランスがそれほど相違せず、かつ、レシートの記録された画像の見た目が悪くない」とは、具体的には、各レシートにおいて、左右の両端のマージン部分を除いた幅方向における領域の略全域に、1行分の文字が記録される幅方向の領域が延在している状態のことをいう。これにより、各レシートにおいて、レシートの幅に対する1行分の文字が記録される領域の幅のバランスが略同一となると共に、レシートにおいて画像が記録される領域が偏ることがなく見た目の悪化が防止される。また、これにより、レシートにおいて、購入した商品を示す文字列や、各商品の値段を示す文字列、購入金額の総計を示す文字列等の相対的な位置関係が、レシートの幅の大きさ、及び、レシートを発行するプリンターPの記録解像度にかかわらず同様の位置関係となり、記録結果が近似することとなる。
【0033】
以上を踏まえ、本実施形態では、例えば、プリンターPに収納された感熱ロール紙を幅の異なる感熱ロール紙に変更した場合や、ホストコンピューター10に接続されたプリンターPを、記録解像度の異なるプリンターPに変更した場合であっても、ユーザーが非常に簡易な設定を行うだけで、発行されるレシートの1行あたりの記録桁数が「42桁」で統一された上で、各レシートにおいて、レシートの幅に対する1行分の文字が記録される領域の幅のバランスがそれほど相違せず、かつレシートに記録された画像の見た目が悪化することが防止されており、これにより、発行されるレシートの記録結果が近似する構成となっている。
特に、POSシステム1のように、店舗に適用されるシステムでは、店舗を管理する管理者の方針や、予備として保管している感熱ロール紙の残量、プリンターPの故障の状況等に起因して、感熱ロール紙の幅を変更したり、プリンターPを記録解像度の異なるプリンターPに変更したりすることが少なからず行われるが、本実施形態によれば、ユーザーによって非常に簡易な設定が行われるだけで、発行されるレシートの記録結果が近似する構成となっている。
以下、第1プリンターP1について、幅58mmの感熱ロール紙を、幅80mmの感熱ロール紙に変更する場合を例にして、具体的に説明する。
【0034】
第1プリンターP1について、幅58mmの感熱ロール紙を、幅80mmの感熱ロール紙に変更する場合、ユーザーは、まず、第1プリンターP1から幅58mmの感熱ロール紙を取り出すと共に、幅80mmの感熱ロール紙を収容し、設定スイッチを操作して感熱ロール紙の幅を80mmに設定する。ここでの設定は、例えば、感熱ロール紙の幅が80mmに設定されている場合に、幅58mmの感熱ロール紙への記録用の印刷コマンドが入力された場合にエラーを報知する等して利用される。
次いで、ユーザーは、ホストコンピューター10のマウスやキーボード等の入力デバイスを操作して、表示パネル23に設定ウインドウ70(ユーザーインターフェイス)を表示する。この設定ウインドウ70は、第1プリンタードライバー61を実行する第1記録制御部21の機能により、表示パネル23に表示される。
【0035】
図6は、設定ウインドウ70の一例を示す図である。
図6に示すように、設定ウインドウ70は、プリンターPの各種設定を行うためのプリンター設定タブ71と、レイアウトタブ72とを備えている。
レイアウトタブ72には、用紙サイズ選択エリア73と、出力用紙選択エリア74とが形成されている。
用紙サイズ選択エリア73は、POSアプリケーション実行部20が生成する印刷データが、幅80mm及び幅58mmのいずれの感熱ロール紙に画像を記録させるための印刷データであるかを選択するエリアであり、通常、第1プリンターP1に収容された感熱ロール紙の幅と同一の値が選択される。
出力用紙選択エリア74は、第1プリンターP1に収容されている感熱ロール紙の幅、すなわち、第1プリンターP1によって画像が記録される感熱ロール紙の幅について、幅80mm及び幅58mmのいずれかを選択するエリアである。
【0036】
この設定ウインドウ70を表示パネル23に表示した後、ユーザーは、出力用紙選択エリア74において、第1プリンターP1に収容された感熱ロール紙の幅として80mmを選択する(図6の例では、「80mm幅ロール紙」を選択。)。そして、用紙サイズ選択エリア73及び出力用紙選択エリア74における選択の確定を行うためのOKボタン75を選択する。
【0037】
ここで、設定ウインドウ70の出力用紙選択エリア74において、80mm幅ロール紙が選択された後に、印刷コマンドを生成する際の第1記録制御部21の動作について説明する。
上述したように、第1記録制御部21は、印刷コマンドの生成に際し、第1参照設定ファイルテーブル62を参照し、この第1参照設定ファイルテーブル62の内容に基づいて、参照すべき設定ファイルとして、80ミリ用第1設定ファイル63、及び、58ミリ用第1設定ファイル64のいずれかを選択した上で印刷コマンドを生成する。
【0038】
図7(A)は、第1参照設定ファイルテーブル62の構成を模式的に示す図である。
図7(A)に示すように、第1参照設定ファイルテーブル62は、選択幅情報80と、参照設定ファイル情報81とを対応づけて記憶するテーブルである。選択幅情報80とは、設定ウインドウ70の出力用紙選択エリア74にてユーザーによって選択された感熱ロール紙の幅を示す情報であり、参照設定ファイル情報81とは、当該参照設定ファイル情報81と対応づけて記憶された感熱ロール紙の幅を示す情報が出力用紙選択エリア74にて選択された場合に、第1記録制御部21が参照すべき設定ファイルを示す情報である。
図7(A)に示すように、設定ウインドウ70の出力用紙選択エリア74において80mm幅ロール紙が選択された場合、印刷コマンドの生成に際して第1記録制御部21によって80ミリ用第1設定ファイル63が参照され、一方、設定ウインドウ70の出力用紙選択エリア74において58mm幅ロール紙が選択された場合、印刷コマンドの生成に際して第1記録制御部21によって58ミリ用第1設定ファイル64が参照される。
なお、記憶部19は、第1参照設定ファイルテーブル62を記憶することにより、設定情報記憶部として機能する。
【0039】
図8(A)は80ミリ用第1設定ファイル63の内容を模式的に示す図であり、図8(B)は58ミリ用第1設定ファイル64の内容を模式的に示す図である。
上述したように、これら設定ファイルは、感熱ロール紙に対する画像の記録に関する設定上の条件が記述されたファイルであり、特に、第1プリンターP1が文字を記録する場合の記録形態に関する情報を含んでいる。
この記録形態に関する情報には、図8に示すように、記録する文字のフォントの種類を示す「フォント種類」、文字と文字との間に形成するスペースの幅をドット数で表す「文字間」、行と行との間に形成する空白部分の幅(高さ)をドット数で表す「改行幅」、感熱ロール紙の両側端に設けられる非印刷部分(マージン)の幅を示す「マージン」、及び、レシートにおいて幅方向に延びる1行に記録できる文字の桁数として規定された「記録桁数」が含まれている。この記録桁数は、全ての設定ファイルにおいて、「42桁」に統一的に設定されている。第1記録制御部21は、参照した設定ファイルにおけるフォント種類、文字間、改行幅、マージン、及び、記録桁数に基づいて、これら情報に準拠した状態でレシートが発行されるように第1プリンターP1を制御する印刷コマンドを生成する。
【0040】
80ミリ用第1設定ファイル63、及び、58ミリ用第1設定ファイル64について説明する。
80ミリ用第1設定ファイル63は、第1プリンターP1によって80mm幅の感熱ロール紙に画像を記録してレシートを発行する場合において、レシートの幅方向における1行あたりの文字の記録桁数を「42桁」としたとき、適切な状態で感熱ロール紙に画像が記録されるように、フォント種類、文字間、改行幅、及び、マージンが定義されている。
具体的には、図8(A)に示すように、80ミリ用第1設定ファイル63では、フォント種類としてフォントBが定義されている。
ここで、図3に示すように、第1プリンターP1は、記録解像度が203dpiのプリンターであり、80mm幅の感熱ロール紙では1行あたり576ドットの画素を記録可能である。従って、この条件下で、フォントA〜フォントDのうち、記録する文字のフォントの種類としてフォントAを選択した場合、フォントAデータは、横12ドット×縦24ドットのフォントデータであるため(図4)、記録可能桁数が「48桁」となる。記録可能桁数とは、フォントデータを1行に連続して記録した場合において、当該フォントデータに係る文字を理論的に記録可能な桁数のことである。同様に、フォントBデータは記録可能桁数が「44桁」と、フォントCデータは記録可能桁数が「64桁」と、フォントDデータは記録可能桁数が「72桁」となる。
そして、第1プリンターP1によって80mm幅の感熱ロール紙に画像を記録してレシートを発行する場合において、レシートの幅方向における1行あたりの文字の記録桁数を「42桁」とする場合、記録する文字のフォントの種類として最適なのは、フォントBである。なぜなら、記録可能桁数が42桁を下回る場合は、記録桁数として42桁を確保できず、また、記録可能桁数が42桁を大きく上回れば上回るほど、42桁で文字を記録したときに、1行の末尾に配置されるべき文字が、感熱ロール紙の端部から離れることとなり、レシートにおける画像の見た目が悪化する傾向にあると共に、レシートの幅に対する1行分の文字が記録される領域の幅のバランスが他のレシートと相違する結果を生む。そして、フォントBデータの記録可能桁数(44桁)は、42桁以上の値であって、かつ、最も42桁に近い値であるからである。
以上を踏まえ、80ミリ用第1設定ファイル63では、フォント種類としてフォントBが定義されている。
【0041】
さらに、80ミリ用第1設定ファイル63では、図8(A)に示すように、文字間が0ドットと定義されている。これは、フォントBデータには、上述したスペース部51が設けられており、文字間スペースを設けることなく、文字と文字の間に見た目上の適切なスペースが形成されるからである。
また、80ミリ用第1設定ファイル63では、図8(A)に示すように、改行幅が6ドットと定義されている。改行幅は、感熱ロール紙の幅との関係で、見やすい状態でレシートに文字が記録されるよう適宜定義される。
また、80ミリ用第1設定ファイル63では、図8(A)に示すように、マージンとして左に5mm、右に8mmと定義されている。マージンは、記録される文字のフォントの種類、及び、感熱ロール紙の幅との関係で、見やすい状態でレシートに文字が記録されるよう適宜定義される。
また、80ミリ用第1設定ファイル63では、図8(A)に示すように、記録桁数として42桁と規定されている。これは、上述したように、本実施形態では、感熱ロール紙の幅、及び、プリンターPの記録解像度にかかわらず、各レシートにおける記録桁数が42桁に統一されるからである。
以上のように、80ミリ用第1設定ファイル63では、第1プリンターP1によって80mm幅の感熱ロール紙に画像を記録してレシートを発行する場合において、レシートの幅方向における1行あたりの文字の記録桁数が「42桁」とされ、かつ、記録桁数が「42桁」の場合に、適切な状態で感熱ロール紙に画像が記録されるように、フォント種類、文字間、改行幅、及び、マージンが定義されている。
【0042】
一方、58ミリ用第1設定ファイル64では、第1プリンターP1によって58mm幅の感熱ロール紙に画像を記録してレシートを発行する場合において、レシートの幅方向における1行あたりの文字の記録桁数を「42桁」としたとき、適切な状態で感熱ロール紙に画像が記録されるように、フォント種類、文字間、改行幅、及び、マージンが定義されている。これら情報の値は、80ミリ用第1設定ファイル63の各情報と、同一の観点、目的に基づいて定義されている。フォント種類の定義について詳述すると、記録解像度が203dpiのプリンターである第1プリンターP1によって58mm幅の感熱ロール紙に文字を記録した場合、1行あたりのドット数は418ドットなり、フォントCデータ(9×17ドットのフォントデータ)の記録可能桁数は46桁となる。そして、フォントCデータの記録可能桁数(46桁)は、42桁以上の値であって、かつ、最も42桁に近い値である。従って、58ミリ用第1設定ファイル64において、フォント種類としてフォントCが定義されている。
【0043】
さて、ユーザーによって設定ウインドウ70の出力用紙選択エリア74において80mm幅ロール紙が選択された場合、第1記録制御部21は、80ミリ用第1設定ファイル63を参照して印刷コマンドを生成し、生成した印刷コマンドを第1プリンターP1の第1プリンター側制御部301に出力する。この印刷コマンドが入力された第1プリンター側制御部301によって発行されるレシートは、記録桁数が42桁であり、かつ、左右の両端のマージン部分を除いた幅方向における領域の略全域に、1行分の文字が記録される幅方向の領域が延在している状態となる。
以上のように、第1プリンターP1について、幅58mmの感熱ロール紙を、幅80mmの感熱ロール紙に変更する場合、ユーザーは、マウスやキーボード等の入力デバイスを操作して、表示パネル23に設定ウインドウ70を表示し、出力用紙選択エリア74にて幅80mmを選択するという、非常に簡易な作業を行うだけで、幅58mmの感熱ロール紙の記録結果と近似した記録結果を維持することができる。
なお、上記説明では、幅58mmの感熱ロール紙を幅80mmの感熱ロール紙に変更する場合を例にして説明したが、逆に、幅80mmの感熱ロール紙を幅58mmの感熱ロール紙に変更した場合であっても、ユーザーは、マウスやキーボード等の入力デバイスを操作して、表示パネル23に設定ウインドウ70を表示し、出力用紙選択エリア74にて幅58mmを選択するという、非常に簡易な作業を行うだけで、幅80mmの感熱ロール紙の記録結果と近似した記録結果を維持することができる。
【0044】
また、上記説明では、第1プリンターP1について説明したが、第2プリンターP2も、設定ウインドウ70においてユーザーが選択した感熱ロール紙の幅に応じて、記録桁数が42桁であり、かつ、レシートにおいて左右の両端のマージン部分を除いた幅方向における領域の略全域に、1行分の文字が記録される幅方向の領域が延在したレシートを発行する構成となっている。
詳述すると、ユーザーは、第2プリンターP2に収納される感熱ロール紙の幅を変更した場合、第2プリンタードライバー69の機能により設定ウインドウ70を表示パネル23に表示し、出力用紙選択エリア74にて変更後の感熱ロール紙の幅を選択する。
出力用紙選択エリア74において感熱ロール紙の幅が選択された後に印刷コマンドを生成する場合、第2記録制御部22は、第2参照設定ファイルテーブル90(図7(B))の内容に基づいて、80ミリ用第2設定ファイル91(設定情報)(図8(C))及び58ミリ用第2設定ファイル92(設定情報)(図8(D))のいずれかの設定ファイルを参照し、印刷コマンドを生成する。
図7(B)の第2参照設定ファイルテーブル90に示すように、出力用紙選択エリア74において80mmが選択された場合、第2記録制御部22により80ミリ用第2設定ファイル91が参照され、一方、出力用紙選択エリア74において58mmが選択された場合、第2記録制御部22により58ミリ用第2設定ファイル92が参照される。
【0045】
また、図8(C)に示す80ミリ用第2設定ファイル91は、第2プリンターP2によって80mm幅の感熱ロール紙に画像を記録してレシートを発行する場合において、レシートの幅方向における1行あたりの文字の記録桁数を「42桁」としたとき、適切な状態で感熱ロール紙に画像が記録されるように、フォント種類、文字間、改行幅、及び、マージンが定義されている。これら各情報は、上述した80ミリ用第1設定ファイル63の各情報と同一の観点、目的に基づいて定義されている。フォント種類の定義について詳述すると、記録解像度が180dpiのプリンターである第2プリンターP2によって80mm幅の感熱ロール紙に文字を記録した場合、1行あたりのドット数は512ドットなり、フォントAデータ(12×24ドットのフォントデータ)の記録可能桁数は42桁となる。そして、フォントAデータの記録可能桁数(42桁)は、42桁以上の値であって、かつ、最も42桁に近い値である。従って、80ミリ用第2設定ファイル91において、フォント種類としてフォントAが定義されている。
また、図8(D)に示す58ミリ用第2設定ファイル92は、第2プリンターP2によって58mm幅の感熱ロール紙に画像を記録してレシートを発行する場合において、レシートの幅方向における1行あたりの文字の記録桁数を「42桁」としたとき、適切な状態で感熱ロール紙に画像が記録されるように、フォント種類、文字間、改行幅、及び、マージンが定義されている。これら各情報は、上述した80ミリ用第1設定ファイル63の各情報と同一の観点、目的に基づいて定義されている。フォント種類の定義について詳述すると、記録解像度が180dpiのプリンターである第2プリンターP2によって58mm幅の感熱ロール紙に文字を記録した場合、1行あたりのドット数は374ドットなり、フォントDデータ(8×17ドットのフォントデータ)の記録可能桁数は42桁となる。そして、フォントAデータの記録可能桁数(46桁)は、42桁以上の値であって、かつ、最も42桁に近い値である。従って、58ミリ用第2設定ファイル92において、フォント種類としてフォントDが定義されている。
第2記録制御部22から印刷コマンドが入力された第2プリンター側制御部302によって発行されるレシートは、記録桁数が42桁であり、かつ、左右の両端のマージン部分を除いた幅方向における領域の略全域に、1行分の文字が記録される幅方向の領域が延在している状態となる。
【0046】
以上のように、第2プリンターP2について、幅58mmの感熱ロール紙を、幅80mmの感熱ロール紙に変更する場合、ユーザーは、マウスやキーボード等の入力デバイスを操作して、表示パネル23に設定ウインドウ70を表示し、出力用紙選択エリア74にて幅80mmを選択するという、非常に簡易な作業を行うだけで、幅58mmの感熱ロール紙の記録結果と近似した記録結果を維持することができる。同様に、第2プリンターP2について、幅80mmの感熱ロール紙を幅58mmの感熱ロール紙に変更する場合、ユーザーは、マウスやキーボード等の入力デバイスを操作して、表示パネル23に設定ウインドウ70を表示し、出力用紙選択エリア74にて幅58mmを選択するという、非常に簡易な作業を行うだけで、幅80mmの感熱ロール紙の記録結果と近似した記録結果を維持することができる。
【0047】
さらに、本実施形態に係るPOSシステム1では、既に接続されているプリンターPに代えて、記録解像度が異なるプリンターPを接続した場合であっても、ユーザーによる非常に容易な操作のみで、変更前のプリンターPが発行したレシートにおける記録結果と、変更後のプリンターPが発行したレシートにおける記録結果とが、近似する構成となっている。
例えば、図1に示すPOSシステム1において、ポート26に接続された第1プリンターP1(記録解像度:203dpi)を、第2プリンターP2(記録解像度:180dpi)と同一の構成を有したプリンターであって第2記録制御部22によって制御可能なプリンターである第3プリンターP3に、変更した場合を想定する。この場合、ユーザーは、設定ウインドウ70を開き、出力用紙選択エリア74において、第3プリンターP3に収納された感熱ロール紙の幅を選択すれば、第2プリンタードライバー69の機能により、当該第3プリンターP3から、レシートにおける1行の記録桁数が42桁であって、かつ、左右の両端のマージン部分を除いた幅方向における領域の略全域に、1行分の文字が記録される幅方向の領域が延在している状態のレシートが発行される。これにより、プリンター変更前と、変更後において、記録結果を近似した状態とすることができる。
すなわち、本実施形態に係るPOSシステム1では、既に接続されたプリンターを記録解像度の異なるプリンターに変更した場合であっても、ユーザーが非常に簡易な操作を行えば、プリンター変更前と、変更後において、記録結果を近似した状態とすることができる。
【0048】
次いで、第1記録制御部21の動作について図9のフローチャートを用いて説明する。
なお、以下の説明では、事前に、ユーザーが、レシートを発行すべきプリンターPについて、設定ウインドウ70の出力用紙選択エリア74に正しい感熱ロール紙の幅を入力しているものとする。
まず、第1記録制御部21は、POSアプリケーション実行部20から印刷指示、及び、印刷データが入力されたか否かを判別する(ステップSA1)。入力があった場合(ステップSA1:YES)、第1記録制御部21は、印刷データから文字コードを抽出する(ステップSA2)。次いで、第1記録制御部21は、出力用紙選択エリア74において選択された感熱ロール紙の幅を示す情報を取得する(ステップSA3)。なお、感熱ロール紙の幅を示す情報は、出力用紙選択エリア74において感熱ロール紙の幅が選択されたときに、第1プリンタードライバー61において定義された変数にその旨を示す値を格納してもよく、また、記憶部19の所定の記憶領域にその旨を示すデータを記憶してもよい。
感熱ロール紙の幅を示す情報を取得した後、第1記録制御部21は、第1参照設定ファイルテーブル62を参照し、印刷コマンドを生成する際に参照すべき設定ファイルを特定する(ステップSA4)。次いで、第1記録制御部21は、ステップSA4で特定した設定ファイルを参照し(ステップSA5)、文字コードに対応する文字のフォントの種類を特定する(ステップSA6)。次いで、第1記録制御部21は、特定したフォントの種類に対応するフォントデータ変換テーブルに基づいて、印刷データに含まれる全ての文字コードについて、各文字コードに対応するフォントデータが格納されたフォントデータ群を示す情報と、当該フォントデータ群において当該フォントデータが格納された番地を示す情報とが組み合わされた情報に変換する(ステップSA7)。
次いで、第1記録制御部21は、ステップSA5で参照した設定ファイルの内容と、ステップSA7において変換した情報とに基づいて、印刷コマンドを生成し(ステップSA8)、生成した印刷コマンドを第1プリンターP1の第1プリンター側制御部301に出力する(ステップSA9)。
第1プリンター側制御部301は、印刷コマンドに基づいて、第1プリンターP1の各部を制御して、レシートを発行する。ここで、発行されたレシートは、上述したように、記録桁数が42桁であり、かつ、レシートにおいて左右の両端のマージン部分を除いた幅方向における領域の略全域に、1行分の文字が記録される幅方向の領域が延在した状態のレシートとなっている。
【0049】
さらに、第1プリンター側制御部301は、ステップSA5で特定した設定ファイルの内容を示す情報を、POSアプリケーション実行部20に出力する。図8を参照して、設定ファイルの内容を示す情報には、フォントの種類、文字間、改行幅、マージン、及び記録桁数に係る情報が含まれている。POSアプリケーション実行部20は、POSアプリケーションプログラム60の機能によりレシートに係る画像を表示パネル23に表示する際、入力された情報を利用して、当該画像を表示パネル23に表示する。これにより、実際に発行されたレシートに記録された画像と整合性を有する画像を表示することが可能となる。
なお、上述したフローチャートでは、第1プリンター側制御部301の動作について説明したが、第2プリンター側制御部302も同様の動作を実行することによって、印刷コマンドを生成する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係るホストコンピューター10は、第1プリンタードライバー61又は第2プリンタードライバー69の機能により、表示パネル23にプリンターPで使用される感熱ロール紙(記録媒体)の幅を示す幅情報を指定する設定ウインドウ70(ユーザーインターフェイスと)を表示可能である。そして、制御部15の第1記録制御部21又は第2記録制御部22は、設定ウインドウ70を利用して指定された感熱ロール紙の幅を示す情報に応じて、感熱ロール紙の幅にかかわらず記録結果が近似するようにレシートに記録される文字のフォントに係る設定(フォント種類)を調整した上でプリンターPに記録を実行させる。
これによれば、第1記録制御部21又は第2記録制御部22は、設定ウインドウ70により指定された幅情報に応じて、当該幅情報が示す感熱ロール紙の幅にかかわらず記録結果が近似するようにフォントに係る設定を調整した上でプリンターPに記録を実行させる。このため、設定ウインドウ70を利用して幅情報を指定するという簡易な作業によって、感熱ロール紙の幅にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、第1参照設定ファイルテーブル62及び第2参照設定ファイルテーブル90において、設定ウインドウ70において指定可能な感熱ロール紙の幅と、指定された感熱ロール紙の幅に対応する設定ファイルとが対応づけて記憶されている。
そして、第1記録制御部21、又は、第2記録制御部22は、設定ウインドウ70により指定された感熱ロール紙の幅と対応づけて記憶された設定ファイルを参照して、印刷コマンドを生成し、第1プリンターP1又は第2プリンターP2に出力する。
これによれば、設定ウインドウ70を利用して感熱ロール紙の幅を指定するという簡易な作業によって、感熱ロール紙の幅にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、第1記録制御部21又は第2記録制御部22は、設定ウインドウ70により指定された感熱ロール紙の幅に応じて、感熱ロール紙の幅にかかわらずプリンターPにおける1行あたりの記録桁数が42桁となるように、レシートに記録されるフォントに係る設定を調整した上でプリンターPに記録を実行させる。
これによれば、設定ウインドウ70を利用して感熱ロール紙の幅を指定するという簡易な作業によって、感熱ロール紙の幅にかかわらず、感熱ロール紙の幅における1行あたりの記録桁数が42桁となるように、すなわち、近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0053】
また、本実施形態では、設定ファイルにおいて定義されるフォントに係る設定には、フォントの種類、及び、文字間スペースの設定が含まれている。
これによれば、第1記録制御部21又は第2記録制御部22は、設定ウインドウ70により指定された感熱ロール紙の幅に応じて、感熱ロール紙の幅にかかわらず記録結果が近似するようにフォントの種類及び文字間スペースの設定を調整した上で、これら設定に基づいてフォントデータを指定してプリンターPに記録を実行させる。このため、設定ウインドウ70を利用して感熱ロール紙の幅を指定するという簡易な作業によって、フォントの種類及び文字間スペースの設定が調整され、感熱ロール紙の幅にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0054】
また、本実施形態では、第1記録制御部21又は第2記録制御部22の機能により、プリンターPの記録解像度にかかわらず記録結果が近似するようにフォントに係る設定が調整された上でプリンターPにより記録が実行される。
これによれば、設定ウインドウ70を利用して感熱ロール紙の幅を指定するという簡易な作業によって、感熱ロール紙の幅だけでなくプリンターPの記録解像度にかかわらず近似した記録結果が得られるようにすることができる。
【0055】
また、本実施形態では、第1プリンター側制御部301又は第2プリンター側制御部302は、印刷コマンドを出力してプリンターPにレシートを発行させた場合、当該印刷コマンドを生成する際に参照した設定ファイルの内容を示す情報を、POSアプリケーション実行部20に出力する。
これによれば、POSアプリケーション実行部20は、POSアプリケーションプログラム60の機能によりレシートに係る画像を表示パネル23に表示する際、入力された情報を利用して、当該画像を表示パネル23に表示することにより、実際に発行されたレシートに記録された画像と整合性を有する画像を表示することが可能となる。
【0056】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
上述した実施形態では、レシートを発行する場合について説明したが、レシートに限らず、クーポンであってもよい。すなわち、記録媒体の幅や、プリンターの記録解像度に限らず、近似する記録結果が求められるものに広く本発明を適用可能である。
また、上述した実施形態では、各フォントデータにスペース部51が形成されているため、各設定ファイルにおいて、文字間は「0ドット」と定義されていたが、例えば、フォントデータにスペース部51が形成されていない場合は、記録桁数が42桁であって、かつ、左右の両端のマージン部分を除いた幅方向における領域の略全域に、1行分の文字が記録される幅方向の領域が延在している記録結果となるように、フォントの種類に応じて、文字間が適切に定義される。
また、上述した実施形態では、ホストコンピューター10の制御部15がPOSアプリケーション実行部20、第1記録制御部21、及び、第2記録制御部22を備える構成であったが、第1プリンターP1、第2プリンターP2の、第1プリンター側制御部301、第2プリンター側制御部302がこれらを備え、第1プリンターP1、第2プリンターP2が単独で、上述した動作を実行する構成であってもよい。この場合、第1プリンターP1、第2プリンターP2がそれぞれ制御装置として機能する。
また、ホストコンピューター10の記憶部19に、フォントAデータ群40と、フォントBデータ群41と、フォントCデータ群42と、フォントDデータ群43とを記憶しておき、制御部15により設定ウインドウ70を表示する際、近似する記録結果を示すように、各フォント群のフォントデータを用いて、フォントの種類と文字間スペースを適切に選択して表示するようにしてもよい。近似した記録結果を、事前にユーザーに確認させることができる。
【符号の説明】
【0057】
10…ホストコンピューター(制御装置)、15…制御部、19…記憶部(設定情報記憶部)、20…POSアプリケーション実行部(アプリケーション実行部)、21…第1記録制御部(記録制御部)、22…第2記録制御部(記録制御部)、60…POSアプリケーションプログラム(アプリケーションプログラム)、61…第1プリンタードライバー(プログラム)、63…80ミリ用第1設定ファイル(設定情報)、64…58ミリ用第1設定ファイル(設定情報)、69…第2プリンタードライバー(プログラム)、70…設定ウインドウ(ユーザーインターフェイス)、91…80ミリ用第2設定ファイル(設定情報)、92…58ミリ用第2設定ファイル(設定情報)、P1…第1プリンター(記録装置)、P2…第2プリンター(記録装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のフォントに係るフォントデータを内蔵した記録装置に接続され、前記フォントに係る設定に基づいて前記フォントデータを指定して記録装置に記録を実行させる制御装置であって、
前記記録装置で使用される前記記録媒体の幅を示す幅情報を指定するユーザーインターフェイスと、
前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報に応じて、当該幅情報が示す前記記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させる記録制御部と、を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記記録装置で使用される前記記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整する設定情報を、前記ユーザーインターフェイスにより指定可能な前記幅情報ごとに、前記幅情報と対応づけて記憶する設定情報記憶部をさらに備え、
前記記録制御部は、
前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報と対応づけて記憶された前記設定情報を参照して前記記録装置に記録を実行させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記記録制御部は、
前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報に応じて、当該幅情報が示す前記記録媒体の幅にかかわらず前記記録媒体における1行あたりの記録桁数が同様となるように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記フォントに係る設定には、少なくとも前記フォントの種類、及び、文字間スペースのいずれかの設定が含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記記録制御部は、
前記幅情報が示す前記記録媒体の幅、及び、前記記録装置の記録解像度にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記記録制御部は、アプリケーションプログラムを実行するアプリケーション実行部の記録指示により動作して、前記記録装置に記録を実行させるものであり、前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させた場合、当該フォントに係る設定に関する情報を前記アプリケーション実行部に出力することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
記録媒体に記録を行う記録装置で使用される記録媒体の幅を示す幅情報を指定するユーザーインターフェイスを備え、前記記録装置を制御する制御装置を制御して、
前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報を取得し、取得した前記幅情報に応じて、当該幅情報が示す前記記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させることを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項8】
記録媒体に記録を行う記録装置で使用される記録媒体の幅を示す幅情報を指定するユーザーインターフェイスを備え、前記記録装置を制御する制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
前記ユーザーインターフェイスにより指定された前記幅情報に応じて、当該幅情報が示す前記記録媒体の幅にかかわらず記録結果が近似するように前記フォントに係る設定を調整した上で前記記録装置に記録を実行させる記録制御部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−173297(P2011−173297A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38149(P2010−38149)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】