説明

制御装置、制御装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】記録装置への登録画像データの登録に際し、記憶領域をできるだけ効率的に使用する。
【解決手段】プリンター26に、登録画像データ46を登録する登録処理を行う場合、POSアプリケーション実行部34は、登録画像データ46に係る画像データのファイル名、及び、アプリ管理用識別情報を、プリンタードライバー実行部35に出力し、プリンタードライバー実行部35は、ファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれが、過去に行った登録処理におけるファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと同じ場合、当該過去に行った前記登録処理において登録された登録画像データ46を消去させ、新たに登録しようとしている登録画像データ46を記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶した登録画像データに基づいて画像を記録可能な記録装置に接続可能な制御装置、当該制御装置の制御方法、及び、当該制御装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レシートにトップロゴ等のロゴを記録する記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の記録装置では、予め、ロゴの画像データ(以下、「登録画像データ」という。)を記憶(登録)しておき、ロゴを記録媒体に記録する場合、自身に登録された当該ロゴに係る登録画像データに基づいて記録を実行するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−228021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常、記録装置への登録画像データの登録は、当該記録装置に接続された制御装置(ホストコンピューター等)にインストールされたプリンタードライバー(制御プログラム)の機能を利用して、当該制御装置により行われる。また、通常、記録装置は、複数の登録画像データを記憶し、いずれかの登録画像データに基づいて選択的に画像を記録可能な構成となっている。
ここで、記録装置において、登録画像データが記憶される記憶領域のサイズは、有限である。従って、制御装置による登録画像データの登録に際し、できるだけ記録装置の記憶領域を効率的に使用し、記憶領域の空き領域不足で登録画像データの登録ができないといった事態が発生することを防止したいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、記録装置への登録画像データの登録に際し、記憶領域をできるだけ効率的に使用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、登録画像データを記憶し、前記登録画像データに基づいて記録媒体に画像を記録可能な記録装置に、接続可能な制御装置であって、制御プログラムを実行することにより、前記記録装置に制御コマンドを出力して前記記録装置を制御する制御プログラム実行部と、所定のアプリケーションを実行することにより、前記記録媒体に記録すべき画像に関する情報である画像情報を生成し、前記制御プログラム実行部に出力するアプリケーション実行部と、を備え、前記記録装置に、前記登録画像データに基づいて画像を記録させる場合、前記アプリケーション実行部は、前記登録画像データに対応する識別情報を含む前記画像情報を、前記制御プログラム実行部に出力し、前記制御プログラム実行部は、入力された前記画像情報に含まれる識別情報を含む制御コマンドを生成し、前記記録装置に、出力することにより当該識別情報と対応する前記登録画像データに基づいて画像を記録させ、前記記録装置に、前記登録画像データを登録する登録処理を行う場合、前記アプリケーション実行部は、前記登録画像データとして登録しようとしている画像データのファイル名、及び、前記登録画像データを識別するための識別情報を、前記制御プログラム実行部に出力し、前記制御プログラム実行部は、入力された当該ファイル名、及び、当該識別情報のそれぞれが、過去に行った前記登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じか否か判別し、同じ場合、前記記録装置に、当該過去に行った前記登録処理において前記記録装置に登録された前記登録画像データを記憶領域から消去させることを特徴とする。
ここで、ある特定の目的で記録媒体に記録される画像については、その画像の内容を変更すべく、変更後の画像に係る登録画像データを登録する場合、変更前の画像に係る登録画像データを記憶領域から削除してもよい場合がある。例えば、レシートのトップロゴについて、その内容を変更すべく、変更後のトップロゴに係る登録画像データを登録する場合、以後は変更前のトップロゴを記録しないため、変更前のトップロゴに係る登録画像データは、記憶領域から削除してもよい。
また、上記構成のように、アプリケーション実行部と、制御プログラム実行部とが協働して記録装置に登録画像データを登録するものでは、登録に際し、事前に、所定のファイル名の画像データが準備され、アプリケーション実行部から、制御プログラム実行部に対して、当該ファイル名が出力される。その際、上述したケースのように、特定の目的で記録媒体に記録される画像の内容を変更すべく、変更後の画像に係る登録画像データを登録する場合、事前に準備される画像データのファイル名は、変更前に係るものと、変更後に係るものとで共通化されるものと考えられる。なぜなら、そうすることにより、画像の内容の変更にかかわらず特定の目的の画像に係る画像データのファイル名を統一することができ、画像データの管理が容易であり、また、画像の内容を変更する場合、画像データのファイル名を変更することなく、画像データを編集すればよいこととなり、そうしない場合と比較して、格段に利便性がよいからである。
また、上記構成のように、アプリケーション実行部と、制御プログラム実行部とが協働して記録装置に画像を記録させるものでは、画像の記録に際し、アプリケーション実行部からプリンタードライバーに出力する情報をできるだけ変更しないようにし、これにより、アプリケーションに対する改変を行わないで済むようにしたいとするニーズがある。
以上を踏まえ、上記構成によれば、登録処理に際し、制御プログラム実行部は、アプリケーション実行部から入力されたファイル名、及び、識別情報のそれぞれが、過去に行った登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じ場合、共通の目的で記録媒体に記録される画像について、画像の内容を変更すべく登録処理が行われているものとして、当該過去に行った登録処理にて登録された登録画像データを消去させる。このため、特定の目的で記録媒体に記録される画像の内容を変更すべく、変更後の画像に係る登録画像データを登録する場合、事前に準備される画像データのファイル名は、変更前に係るものと、変更後に係るものとで共通化されることを利用して、以後使用しない登録画像データを削除した上で、新たに登録しようとしている登録画像データを記憶されることが可能となり、記憶領域の効率的な使用が可能となる。さらに、上記構成によれば、新たに登録した登録画像データに基づく画像の記録を記録装置に行わせる場合、アプリケーション実行部から制御プログラム実行部に出力されるファイル名、及び、識別情報は、登録前と同じであるため、当該登録に起因したアプリケーションに対する改変を行う必要がない。
【0006】
また、本発明は、前記制御プログラム実行部は、前記登録処理において、新たに登録しようとしている前記登録画像データを記憶する空き領域が確保されるか否かを判別し、確保される場合は、新たに登録しようとしている前記登録画像データの登録を行い、確保されない場合は、前記登録画像データの登録を行わないことを特徴とする。
この構成によれば、登録処理に際し、新たに登録しようとしている登録画像データを登録するための空き領域が確保されない場合は、登録を行わないため、登録画像データの一部が記憶されなかったり、オーバーフロー等のエラーが発生したりすることを防止できる。
【0007】
また、本発明は、前記制御プログラム実行部は、新たに登録しようとしている前記登録画像データを記憶する記憶領域が確保されないことに起因して前記登録画像データの登録を行わなかった場合において、当該新たに登録しようとした前記登録画像データに係る画像の記録を前記記録装置に行わせる場合、当該新たに登録しようとした前記登録画像データに係る画像データを含む制御コマンドを生成し、出力することにより、前記記録装置に、当該制御コマンドに含まれる当該画像データに基づいて画像を記録させることを特徴とする。
この構成によれば、新たに登録しようとしている前記登録画像データを記憶する記憶領域が確保されないことに起因して当該登録画像データの登録が行われなかった場合であっても、記録装置に対応する画像の記録を行わせることができる。
【0008】
また、本発明は、前記制御プログラム実行部は、前記制御プログラム実行部は、前記登録処理において、前記アプリケーション実行部からファイル名、及び、識別情報が入力された場合、当該ファイル名に係る画像データと、同一性を有する前記登録画像データが前記記録装置に記憶されているか否かを判別し、記憶されている場合、新たに登録しようとしている前記登録画像データの前記記録装置への登録を行わず、当該同一性を有する前記登録画像データと、当該識別情報との対応付けを前記記録装置に行わせることを特徴とする。
この構成によれば、新たに登録しようとしている登録画像データが既に登録されている場合に、重複して登録されることを防止し、記憶領域のより効率的な使用を実現しつつ、既に登録されている登録画像データに基づく画像の記録を適切に行わせることが可能となる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、登録画像データを記憶し、前記登録画像データに基づいて記録媒体に画像を記録可能な記録装置に、接続可能に構成され、制御プログラムを実行することにより、前記記録装置に制御コマンドを出力して前記記録装置を制御する制御プログラム実行部と、所定のアプリケーションを実行することにより、前記記録媒体に記録すべき画像に関する情報である画像情報を生成し、前記制御プログラム実行部に出力するアプリケーション実行部と、を備え、前記記録装置に、前記登録画像データに基づいて画像を記録させる場合、前記アプリケーション実行部は、前記登録画像データに対応する識別情報を含む前記画像情報を、前記制御プログラム実行部に出力し、前記制御プログラム実行部は、入力された前記画像情報に含まれる識別情報を含む制御コマンドを生成し、出力することにより、前記記録装置に、当該識別情報と対応する前記登録画像データに基づいて画像を記録させる制御装置の制御方法であって、前記記録装置に、前記登録画像データを登録する登録処理を行う場合、前記アプリケーション実行部により、前記登録画像データとして登録しようとしている画像データのファイル名、及び、前記登録画像データを識別するための識別情報を、前記制御プログラム実行部に出力し、前記制御プログラム実行部により、前記アプリケーション実行部から入力された当該ファイル名、及び、当該識別情報のそれぞれが、過去に行った前記登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じか否か判別し、同じ場合、前記記録装置に、当該過去に行った前記登録処理において前記記録装置に登録された前記登録画像データを記憶領域から消去させることを特徴とする。
この制御方法によれば、登録処理に際し、制御プログラム実行部は、アプリケーション実行部から入力されたファイル名、及び、識別情報のそれぞれが、過去に行った登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じ場合、共通の目的で記録媒体に記録される画像について、画像の内容を変更すべく登録処理が行われているものとして、当該過去に行った登録処理にて登録された登録画像データを消去させる。このため、特定の目的で記録媒体に記録される画像の内容を変更すべく、変更後の画像に係る登録画像データを登録する場合、事前に準備される画像データのファイル名は、変更前に係るものと、変更後に係るものとで共通化されることを利用して、以後使用しない登録画像データを削除した上で、新たに登録しようとしている登録画像データが記憶させることが可能となり、記憶領域の効率的な使用が可能となる。さらに、上記構成によれば、新たに登録した登録画像データに基づく画像の記録を記録装置に行わせる場合、アプリケーション実行部から制御プログラム実行部に出力されるファイル名、及び、識別情報は、登録前と同じであるため、当該登録に起因したアプリケーションに対する改変を行う必要がない。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、登録画像データを記憶し、前記登録画像データに基づいて記録媒体に画像を記録可能な記録装置に、接続可能な制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、前記記録装置を制御するための制御プログラムを実行することにより、前記記録装置に制御コマンドを出力して前記記録装置を制御する制御プログラム実行部と、所定のアプリケーションを実行することにより、前記記録媒体に記録すべき画像に関する情報である画像情報を生成し、前記制御プログラム実行部に出力するアプリケーション実行部と、して機能させ、さらに、前記記録装置に、前記登録画像データに基づいて画像を記録させる場合、前記登録画像データに対応する識別情報を含む前記画像情報を、前記制御プログラム実行部に出力する前記アプリケーション実行部と、入力された前記画像情報に含まれる識別情報を含む制御コマンドを生成し、出力することにより、前記記録装置に、当該識別情報と対応する前記登録画像データに基づいて画像を記録させる前記制御プログラム実行部と、として機能させ、さらに、前記記録装置に、前記登録画像データを登録する登録処理を行う場合、前記登録画像データとして登録しようとしている画像データのファイル名、及び、前記登録画像データを識別するための識別情報を、前記制御プログラム実行部に出力する前記アプリケーション実行部と、入力された当該ファイル名、及び、当該識別情報のそれぞれが、過去に行った前記登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じか否か判別し、同じ場合、前記記録装置に、当該過去に行った前記登録処理において前記記録装置に登録された前記登録画像データを記憶領域から消去させる前記登録画像データを記憶させる前記制御プログラム実行部と、として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、登録処理に際し、制御プログラム実行部は、アプリケーション実行部から入力されたファイル名、及び、識別情報のそれぞれが、過去に行った登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じ場合、共通の目的で記録媒体に記録される画像について、画像の内容を変更すべく登録処理が行われているものとして、当該過去に行った登録処理にて登録された登録画像データを消去させる。このため、特定の目的で記録媒体に記録される画像の内容を変更すべく、変更後の画像に係る登録画像データを登録する場合、事前に準備される画像データのファイル名は、変更前に係るものと、変更後に係るものとで共通化されることを利用して、以後使用しない登録画像データを削除した上で、新たに登録しようとしている登録画像データが記憶させることが可能となり、記憶領域の効率的な使用が可能となる。さらに、上記構成によれば、新たに登録した登録画像データに基づく画像の記録を記録装置に行わせる場合、アプリケーション実行部から制御プログラム実行部に出力されるファイル名、及び、識別情報は、登録前と同じであるため、当該登録に起因したアプリケーションに対する改変を行う必要がない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、記録装置への登録画像データの登録に際し、記憶領域をできるだけ効率的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】記録システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】識別情報管理テーブルの内容を模式的に示す図である。
【図3】登録画像データ記憶可能領域を模式的に示す図である。
【図4】識別情報管理テーブルの内容を模式的に示す図である。
【図5】ホストコンピューターの動作を示すフローチャートである。
【図6】登録画像データ記憶可能領域を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、記録システム10の機能的構成を示すブロック図である。
記録システム10は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に適用され、店舗に来店した顧客の代金の支払いに応じてレシートを発行するシステムであり、図1に示すように、ホストコンピューター11(制御装置)と、POSサーバー25と、プリンター26(記録装置)とを備えている。
【0014】
POSサーバー25は、LAN等のネットワークを介してホストコンピューター11に通信可能に接続されており、店舗で販売している商品の商品コードや、名称、金額等のレシートの発行のために必要となる情報を示すデータをデータベースとして記憶する。ホストコンピューター11は、レシートの発行に際し、適宜、POSサーバー25に記憶されたデータベースを参照し、必要な情報を取得する。
【0015】
ホストコンピューター11は、ホスト側制御部28と、ホスト側表示部29と、ホスト側入力部30と、インターフェイス部(I/F)31と、ホスト側記憶部32と、を備えている。
ホスト側制御部28は、ホストコンピューター11の各部を中枢的に制御するものであり、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。図1に示すように、ホスト側制御部28は、POSアプリケーション実行部34(アプリケーション実行部)と、プリンタードライバー実行部35(制御プログラム実行部)と、を備えているが、これらについては後述する。
ホスト側表示部29は、液晶表示パネル等の表示パネルを備え、ホスト側制御部28の制御の下、表示パネルに各種情報を表示する。
ホスト側入力部30は、キーボードや、マウス、バーコードリーダー、カードリーダー等の入力デバイスに接続され、これら入力デバイスの出力信号をホスト側制御部28に出力する。バーコードリーダーは商品の包装紙等に記録されたバーコードの読み取りに利用され、カードリーダーはクレジットカードや、会員カード等に記録された情報の読み取りに利用される。バーコードリーダーやカードリーダー等の入力デバイスを用いて取得した情報は、レシートの発行に係る処理に用いられる。
インターフェイス部31は、ホスト側制御部28の制御の下、プリンター26との間で通信規格に準拠した通信を行う。
ホスト側記憶部32は、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。このホスト側記憶部32には、POSアプリケーション20、及び、プリンタードライバー21が実行可能な状態で記憶されると共に、アプリ管理用画像データ60、及び、アプリ管理用識別情報61が記憶されているが、これらについては後述する。
【0016】
一方、プリンター26は、ロール状に巻かれた感熱ロール紙を、ローラー状のプラテンにより搬送し、この感熱ロール紙の記録面に、発熱素子を備えたラインサーマルヘッド37によって熱を与えることにより画像を記録した上で、カッターユニット38により所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、レシートを発行するサーマルヘッド式プリンターである。
図1に示すように、プリンター26は、プリンター側制御部40と、プリンター側表示部41と、プリンター側入力部42と、プリントエンジン43と、プリンター側記憶部44と、インターフェイス部45と、を備えている。
プリンター側制御部40は、プリンター26を中枢的に制御するものであり、CPUやROM、RAMその他の周辺回路等を備えている。
プリンター側表示部41は、プリンター26の動作状態等の各種情報を表示する液晶表示パネル等の表示パネルを備え、プリンター側制御部40の制御の下、当該表示パネルに各種情報を表示する。また、プリンター側表示部41は、LEDを備え、このLEDを点灯/消灯して、プリンター26の状態を報知する。
プリンター側入力部42は、プリンター26に設けられた操作スイッチに接続され、操作スイッチに対する操作を検出し、プリンター側制御部40に出力する。
プリントエンジン43は、プリンター側制御部40の制御の下、用紙端センサーや用紙残量センサー等の各種センサーの検出値を監視しながら、上述したラインサーマルヘッド37のほか、感熱ロール紙を搬送するプラテンローラーを駆動するための搬送モーターや、上述したカッターユニット38が備えるカッターを駆動するためのカッター駆動モーターを動作させて、感熱ロール紙に画像を記録し、画像を記録した感熱ロール紙を切断することによりレシートを発行する。
インターフェイス部45は、プリンター側制御部40の制御の下、プリンター26との間で通信規格に準拠した通信を行う。
プリンター側記憶部44は、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。プリンター側記憶部44には、プリンター26の動作を制御するためのファームウェアが実行可能な状態で記憶されるほか、識別情報管理テーブル50、登録画像データ46、及び、プリンター管理用識別情報47が記憶される。これらについては、後述する。
【0017】
次いで、POSアプリケーション実行部34及びプリンタードライバー実行部35の説明を通して、記録システム10がレシートを発行する際の基本的な動作について説明する。
POSアプリケーション実行部34(アプリケーション実行部)は、ホストコンピューター11に予めインストールされたPOSアプリケーション20(アプリケーション)を実行することにより、取引毎に、適宜、POSサーバー25にアクセスした上で、取引において購入された商品を示す情報や、商品の単価を示す情報、購入金額を示す情報等のレシートに記載すべき情報を取得し、取得した情報に基づいて、レシートに記録すべき画像にする情報であって、画像を記録させるために必要な情報を含む画像情報をプリンタードライバー実行部35に出力する。
プリンタードライバー実行部35(制御プログラム実行部)は、ホストコンピューター11に予めインストールされたプリンタードライバー21(制御プログラム)を実行することにより、POSアプリケーション実行部34から入力された画像情報に基づいて、プリンター26のコマンド仕様に対応した制御コマンドを生成し、プリンター側制御部40に出力する。この制御コマンドには、搬送機構に感熱ロール紙を搬送させるコマンドや、ラインサーマルヘッド37を駆動させて感熱ロール紙に画像を記録させるコマンド、カッターユニット38に感熱ロール紙を切断させるコマンド等の、プリンター26にレシートを発行させるための各種コマンドが含まれている。
制御コマンドが入力されたプリンター側制御部40は、この制御コマンドに基づいてプリントエンジン43を制御し、レシートを発行する。
【0018】
なお、POSアプリケーション20、及び、プリンタードライバー21は、UPOS(UnifiedPOS)の規格に準拠したプログラムとなっている。プリンタードライバー21には、POSアプリケーション20と、プリンタードライバー21との間のソフトウェア的なインターフェイスとして機能するプログラム(いわゆるコントロールオブジェクト)が実装されている。POSアプリケーション実行部34とプリンタードライバー実行部35との間での情報の受け渡しは、UPOSの規格に準拠して、例えば、引数を介したデータの受け渡しや、共通して使用する変数、パラーメーターの設定という形で行われる。
【0019】
本実施形態に係るホストコンピューター11は、プリンター26に、事前に登録された登録画像データ46を利用して画像を記録させることが可能である。例えば、レシートに定型的に記録されるトップロゴ、及び、ボトムロゴについて、ホストコンピューター11は、プリンター26に、事前に登録された登録画像データ46を利用して記録させることが可能となっている。
トップロゴとは、レシートの先頭に定型的に記録される画像のことであり、例えば、レシートを発行する主体のマークを示す画像である。ボトムロゴとは、レシートの末尾に定型的に記録される画像のことであり、例えば、レシートの発行主体の電話番号や、住所等を示す画像である。
以下、登録画像データ46に基づいて、プリンター26に「トップロゴ」を記録させる場合の、記録システム10の基本的な動作について例を挙げて簡単に説明する。
【0020】
登録画像データ46とは、画像バッファーに展開可能な形式の画像データ(ビットマップデータ等の、画素ごとに階調や色に関する情報を保持するデータ。)である。プリンター側記憶部44には、複数の登録画像データ46を記憶させることが可能である。
図1に示すように、本実施形態では、トップロゴの登録画像データ46として、登録トップロゴデータ46aがプリンター側記憶部44に記憶されており、また、ボトムロゴの登録画像データ46として、登録ボトムロゴデータ46bがプリンター側記憶部44に記憶されている。
また、図1に示すように、各登録画像データ46と対応付けて、プリンター管理用識別情報47が記憶されている。このプリンター管理用識別情報47は、プリンター側制御部40が、登録画像データ46を識別するために、登録画像データ46ごとに一意に割り振られたコードである。本実施形態では、登録トップロゴデータ46aのプリンター管理用識別情報47の値は、「PS1」であり、また、登録ボトムロゴデータ46bのプリンター管理用識別情報47の値は、「PS2」であるものとする。
【0021】
一方、ホストコンピューター11のホスト側記憶部32には、登録画像データ46のそれぞれに対応して、アプリ管理用画像データ60のそれぞれが記憶されている。より具体的には、登録トップロゴデータ46aに対応してアプリ管理用トップロゴデータ60aが記憶され、さらに、登録ボトムロゴデータ46bに対応してアプリ管理用ボトムロゴデータ60bが記憶されている。対応するアプリ管理用画像データ60と、登録画像データ46とは、同一性を有している。「同一性を有している」とは、画像データが完全一致する場合のほか、データ形式のみの不一致や、データ圧縮に起因して画像データの相違を含んでいる。
アプリ管理用画像データ60のそれぞれは、予め定められた所定のフォルダー(以下、「専用フォルダー」という。)に、所定のファイル名のファイルとして、格納されている。本実施形態では、アプリ管理用トップロゴデータ60aのファイル名は、ファイル名「toplogo.bmp」であり、また、アプリ管理用ボトムロゴデータ60bのファイル名は、ファイル名「bottomlogo.bmp」であるものとする。
アプリ管理用画像データ60のそれぞれには、アプリ管理用識別情報61が対応付けられている。これは、POSアプリケーション実行部34が、アプリ管理用画像データ60を識別するために、アプリ管理用画像データ60ごとに一意に割り振られたコードである。本実施形態では、アプリ管理用トップロゴデータ60aのアプリ管理用識別情報61は、「AS1」であり、また、アプリ管理用ボトムロゴデータ60bのアプリ管理用識別情報61は、「AS2」であるものとする。
アプリ管理用識別情報61は、UPOSの規格に準拠した値となっている。これは、上述したように、POSアプリケーション20、及び、プリンタードライバー21は、UPOSに準拠した情報の受け渡しを行うためである。
【0022】
さて、登録トップロゴデータ46aに基づいてトップロゴをプリンター26に記録させる場合、POSアプリケーション実行部34は、当該登録トップロゴデータ46aに対応するアプリ管理用画像データ60であるアプリ管理用トップロゴデータ60aのファイル名「toplogo.bmp」、及び、対応するアプリ管理用識別情報61を少なくとも含む画像情報をプリンタードライバー実行部35に出力する。この画像情報には、レシートにおいてトップロゴを記録すべき位置を示す情報や、その他の登録トップロゴデータ46aに基づいて画像を記録するにあたって必要な情報が含まれている。
POSアプリケーション実行部34から画像情報が入力されると、プリンタードライバー実行部35は、画像情報に含まれるアプリ管理用識別情報61を少なくとも含む制御コマンドであって、登録画像データ46に基づいて画像を記録させる制御コマンドを生成し、プリンター26に出力する。当該制御コマンドには、画像データは含まれていない。
当該制御コマンドが入力されたプリンター26のプリンター側制御部40は、制御コマンドに含まれるアプリ管理用識別情報61を取得すると共に、識別情報管理テーブル50を参照して、記録すべき画像(本例ではトップロゴ)の登録画像データ46(本例では登録トップロゴデータ46a)を特定する。
【0023】
図2は、識別情報管理テーブル50の内容を模式的に示す図である。
識別情報管理テーブル50は、アプリ管理用識別情報61と、プリンター管理用識別情報47と、登録画像データ46の位置情報とを対応付けて記憶するテーブルのことである。
登録画像データ46の位置情報とは、プリンター側記憶部44に登録画像データ46を記録可能な記憶領域として割り振られた記憶領域である登録画像データ記憶可能領域TA(図3)において、登録画像データ46が記憶された場所を示す情報のことであり、例えば、登録画像データ46が記憶された領域の先頭アドレス、及び、末尾アドレスの組み合わせを示す情報であり、また、例えば、登録画像データ46が記憶された領域の先頭アドレス、当該登録画像データのサイズの組み合わせを示す情報である。登録画像データ46は、登録画像データ記憶可能領域TAにおいて、連続した領域に記憶されない場合もあり、この場合は、位置情報は、それぞれの領域を適切に示す情報となっている。
【0024】
ここで、新たな登録画像データ46がプリンター側記憶部44に記憶される場合、当該新たな登録画像データ46は、上述した登録画像データ記憶可能領域TA内の所定の場所に記憶される。その際、プリンター側制御部40は、記憶した登録画像データ46に対して、一意なプリンター管理用識別情報47を割り振ると共に、識別情報管理テーブル50に1件のレコードを生成し、当該レコードにおいて割り振ったプリンター管理用識別情報47と、登録画像データ46の位置情報とを対応付けて記憶する。さらに、新たな登録画像データ46の記憶に際し、ホストコンピューター11から、対応するアプリ管理用識別情報61が指定されている場合、プリンター側制御部40は、当該レコードにおいて、指定されたアプリ管理用識別情報61を対応付けて記憶する。
図2に示す識別情報管理テーブル50の例では、1件目のレコードR1において、アプリ管理用トップロゴデータ60aのアプリ管理用識別情報61(値「AS1」)と、登録トップロゴデータ46aのプリンター管理用識別情報47(値「PS1」)と、登録トップロゴデータ46aの位置情報とが対応付けて記憶されている。また、2件目のレコードR2において、アプリ管理用ボトムロゴデータ60bのアプリ管理用識別情報61(値「AS2」)と、登録ボトムロゴデータ46bのプリンター管理用識別情報47(値「PS2」)と、登録ボトムロゴデータ46bの位置情報とが対応付けて記憶されている。
【0025】
ここで、新たな登録画像データ46をプリンター側記憶部44に記憶する際、プリンター側制御部40は、アプリ管理用識別情報61とは異なるプリンター管理用識別情報47を割り振り、当該プリンター管理用識別情報47により登録画像データ46を識別しているが、これは以下の理由による。すなわち、新たな登録画像データ46の記憶に際し、専用のソフトウェアツールの機能によって登録画像データ46を記憶する場合等、登録画像データ46に対応するアプリ管理用識別情報61が指定されない場合もあるため、新たな登録画像データ46が記憶された場合は、ファームウェアの機能によりプリンター管理用識別情報47を割り振り、当該登録画像データ46を確実に識別できるようにする必要があるためである。
なお、以下の説明では、新たな登録画像データ46をプリンター側記憶部44に記憶することを、適宜、登録画像データ46をプリンター26に登録する、と表現する。
【0026】
さて、ホストコンピューター11のプリンタードライバー実行部35から制御コマンドが入力されたプリンター26のプリンター側制御部40は、当該制御コマンドに含まれるアプリ管理用識別情報61を取得し、識別情報管理テーブル50を参照し、取得したアプリ管理用識別情報61に対応する登録画像データ46の位置情報を取得し、当該位置情報が示す領域に記憶されている登録画像データ46を取得する。識別情報管理テーブル50が図2の状態であるものとした場合、本例では、プリンター側制御部40は、対応するレコードであるレコードR1を参照し、登録トップロゴデータ46aの位置情報を取得し、当該位置情報が示す領域に格納されている登録トップロゴデータ46aを取得する。
次いで、プリンター側制御部40は、取得した登録画像データ46を、所定の画像バッファーに展開し、展開したデータに基づいて、ラインサーマルヘッド37、その他の付随する機構を制御して、感熱ロール紙に画像を記録する。
このように、登録画像データ46に基づく画像の記録に際し、ホストコンピューター11からプリンター26に出力される制御コマンドにはデータ量の多い画像データが含まれないため、これら装置間で通信すべきデータ量の低減を図ることができると共に、処理に要する時間を低減でき、さらに、通信エラーの発生リスクを低減できる。
【0027】
ところで、トップロゴや、ボトムロゴは、その画像の内容が固定ではなく、適宜、変更される。例えば、トップロゴは、季節やイベントに応じて、そのデザインが変更される。
これを踏まえ、トップロゴのデザインに変更があった場合を例として、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46がどのようにしてプリンター26に登録されるかについて、まず、登録画像データ46を累積的に記憶していく場合のホストコンピューター11について説明して、この場合の課題を明らかにし、その後、記憶領域を効率的に使用できるようにされたホストコンピューター11の場合を説明する。
なお、従来は、登録画像データ46を累積的に記憶していくやり方によって、登録画像データ46の登録が行われている。
【0028】
<登録画像データを累積的に記憶していく場合>
まず、トップロゴのデザインに変更があった場合に、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46がプリンター26に登録される際の登録画像データ46を累積的に記憶していく場合のホストコンピューター11、及び、プリンター26の動作について説明する。
なお、変更前のトップロゴと、変更後のトップロゴとは、共通する特定の目的、例えば、レシートを発行した主体を明示するという目的で、記録媒体(レシートを構成する感熱ロール紙)に記録される画像である。
【0029】
トップロゴのデザインに変更があった場合、ユーザーにより、変更後のトップロゴに係るアプリ管理用画像データ60(以下、適宜、「変更後アプリ管理用トップロゴデータ」という。)が生成され、生成された画像データが上述した専用フォルダー(アプリ管理用画像データ60が格納される専用のフォルダー)に格納される。その際、ファイル名は、変更前のトップロゴに係るアプリ管理用トップロゴデータ60aと同一のファイル名(「toplogo.bmp」)とされる。
このように、アプリ管理用画像データ60のファイル名が、トップロゴの変更前と、変更後で同一とされるのは、以下の理由による。
すなわち、ファイル名を同一とすることにより、画像の内容の変更にかかわらずトップロゴに係るアプリ管理用画像データ60のファイル名を統一することができ、アプリ管理用画像データ60の管理が容易となる。また、トップロゴの内容の変更に際し、ユーザーは、ファイル名等の変更をすることなく、アプリ管理用トップロゴデータ60aを編集すれば変更後アプリ管理用トップロゴデータを生成することができ、このほか、新たに作成した変更後アプリ管理用トップロゴデータによって、アプリ管理用トップロゴデータ60aを上書き更新ができ、格段に利便性がよいからである。また、上述したように、プリンター26にトップロゴを記録させる場合、POSアプリケーション実行部34からプリンタードライバー実行部35に対して、トップロゴに係るアプリ管理用画像データ60のファイル名を含む画像情報が出力されるが、トップロゴの変更前と、変更後とで出力すべきファイル名を共通化でき、従って、トップロゴの変更に際してアプリケーションに対して改変を加えなくて済む、という利点もある。
【0030】
次いで、POSアプリケーション実行部34は、プリンター26への登録画像データ46の登録を指示する旨の情報と共に、変更後アプリ管理用トップロゴデータのファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61をプリンタードライバー実行部35に出力する。ここで出力されるアプリ管理用識別情報61の値は、アプリ管理用トップロゴデータ60aに対応するアプリ管理用識別情報61の値と同一である。これは、アプリ管理用識別情報61は、アプリ管理用画像データ60のファイル名と対応付けて記憶されており、変更後アプリ管理用トップロゴデータと、アプリ管理用トップロゴデータ60aとのファイル名は同一だからである。後の説明で明らかとなるとおり、ここで出力されるアプリ管理用識別情報61の値が、アプリ管理用トップロゴデータ60aに対応するアプリ管理用識別情報61の値と同一であるため、プリンター26にトップロゴを記録させる際に、POSアプリケーション実行部34からプリンタードライバー実行部35に対して出力される画像情報に含まれるアプリ管理用識別情報61の値が、トップロゴの変更前と、変更後と同一となり、従って、トップロゴの変更に際してアプリケーションに対して改変を加えなくて済む。
次いで、プリンタードライバー実行部35は、上述した専用フォルダーを参照し、入力されたファイル名のファイル(=変更後アプリ管理用トップロゴデータ)を取得し、取得した変更後アプリ管理用トップロゴデータ、及び、入力されたアプリ管理用識別情報61を含み、変更後アプリ管理用トップロゴデータを登録画像データ46として登録させる制御コマンドを生成し、プリンター26に出力する。
プリンター26のプリンター側制御部40は、入力された制御コマンドに基づいて、以下のようにして、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46の登録を実行する。
【0031】
図3は、登録画像データ46を登録する際のプリンター側制御部40の動作の説明に利用する図であり、登録画像データ記憶可能領域TAを模式的に示す図である。上述したように、登録画像データ記憶可能領域TAとは、登録画像データ46を記録可能な記憶領域として割り振られた記憶領域であり、全ての登録画像データ46は、当該登録画像データ記憶可能領域TA内に記憶される。
以下の説明では、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46の登録前の登録画像データ記憶可能領域TAの状態が、図3(A)に示す状態であるものとする。すなわち、登録画像データ記憶可能領域TAにおいて、領域ta1に、登録トップロゴデータ46a(変更前のトップロゴに係る登録画像データ46)が記憶され、領域ta2に、登録ボトムロゴデータ46bが記憶され、その他の領域が空き領域となっている。
登録画像データ記憶可能領域TAの状態が図3(A)に示す状態の場合において、プリンタードライバー実行部35から入力された制御コマンドに基づいて登録を行う場合、プリンター側制御部40は、登録画像データ記憶可能領域TAの空き領域に、制御コマンドに含まれる変更後アプリ管理用トップロゴデータを記憶する。以下、ここで記憶されたデータを「変更後登録トップロゴデータ」という。
図3(B)は、変更後登録トップロゴデータが記憶された後の登録画像データ記憶可能領域TAを示す図である。図3(B)に示すように、空き領域であった領域ta3に、変更後登録トップロゴデータが記憶されている。このように、新たな登録画像データ46について、空き領域に記憶する理由は、プリンター側制御部40は、既に登録画像データ記憶可能領域TAに記憶されている登録画像データ46について、消去可能か否かを管理できないためである。
さらに、プリンター側制御部40は、新たに登録した変更後登録トップロゴデータに対して、一意なプリンター管理用識別情報47を割り振り、識別情報管理テーブル50に1件のレコードを生成し、当該レコードにおいて、制御コマンドに含まれるアプリ管理用識別情報61と、割り振ったプリンター管理用識別情報47と、変更後登録トップロゴデータの位置情報と、を対応付けて記憶する。
ここで、識別情報管理テーブル50では、同一の値のアプリ管理用識別情報61に係るレコードが複数存在することが制限されており、新たなレコードを生成する場合において、当該新たなレコードと、アプリ管理用識別情報61の値が同一の他のレコードがある場合は、当該他のレコードは削除されるものとされる。同一の値のアプリ管理用識別情報61に係るレコードが複数存在する場合、当該同一の値を有するアプリ管理用識別情報61を含む制御コマンドが入力された場合に、いずれのレコードに基づいて、処理を行えばよいのかが分からないからである。
【0032】
図4は、プリンター側制御部40が新たに生成したレコードにおいて、制御コマンドに含まれるアプリ管理用識別情報61と、割り振ったプリンター管理用識別情報47と、変更後登録トップロゴデータの位置情報と、が対応付けて記憶された後の識別情報管理テーブル50の状態を示す図である。
以下の説明において、プリンター側制御部40によって、変更後登録トップロゴデータに割り振られたプリンター管理用識別情報47の値は、「PS3」であるものとする。
図2と、図4との比較において明らかなように、図2におけるレコードR1(登録トップロゴデータ46aに係るレコード)が削除され、新たに、レコードR3が生成される。そして、このレコードR3では、アプリ管理用識別情報61(値「AS1」)と、プリンター管理用識別情報47(値「PS3」)と、変更後登録トップロゴデータの位置情報と、が対応付けて記憶される。
【0033】
以上、特定の目的で記録される画像の内容に変更があった場合において、変更後の画像に係る登録画像データ46を登録する場合における登録画像データ46を累積的に記憶していく場合のホストコンピューター11、及び、プリンター26の動作を説明してきたが、その場合は、以下のような改善の余地があった。
すなわち、登録画像データ記憶可能領域TAは、登録画像データ46を記憶するために割り当てられた記憶領域であるが、その記憶領域の容量は有限である。従って、新たな登録画像データ46を登録画像データ記憶可能領域TAに記憶する場合に、空き領域の容量不足が発生することをできるだけ防止すべく、登録画像データ記憶可能領域TAを効率的に使用することが求められる。しかしながら、登録画像データ記憶可能領域TAに、登録画像データ46を累積的に記憶していくやり方は、記憶領域の効率的使用に改善の余地がある。
以上を踏まえ、本実施形態に係るホストコンピューター11は、以下のような動作を実行する。
【0034】
<記憶領域を効率的に使用できるようにされた場合>
図5は、登録画像データ46の登録時において、本発明が適用されたプリンタードライバー実行部35の動作を示すフローチャートである。
以下では、上述した登録画像データ46を累積的に記憶していく場合の説明と同様、トップロゴのデザインに変更があり、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46を登録する場合にはどのような処理が行われるのかを適宜例示しつつ、プリンタードライバー実行部35の動作について説明するものとする。
図5に示すように、登録画像データ46の登録に際し、まず、POSアプリケーション実行部34から、プリンター26への登録画像データ46の登録を指示する旨の情報と共に、アプリ管理用画像データ60のファイル名と、当該データに対応するアプリ管理用識別情報61が、プリンタードライバー実行部35に、入力される(ステップSA1)。上述したように、同一の目的で記録される画像の内容を変更すべく、登録画像データ46の登録を行っている場合は、プリンタードライバー実行部35に入力されるファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれは、変更前に係るファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと同一である。トップロゴのデザイン変更の例では、POSアプリケーション実行部34から、プリンタードライバー実行部35に、変更後アプリ管理用トップロゴデータのファイル名(ファイル名「toplogo.bmp」)、及び、対応するアプリ管理用識別情報61(値「AS1」)が入力される。
次いで、プリンタードライバー実行部35は、専用フォルダーを参照し、入力されたファイル名に係るアプリ管理用画像データ60を取得する(ステップSA2)。トップロゴのデザイン変更の例では、プリンタードライバー実行部35は、変更後アプリ管理用トップロゴデータを取得する。
【0035】
次いで、プリンタードライバー実行部35は、プリンター26と通信し、ステップSA2で取得したアプリ管理用画像データ60と同一性を有する登録画像データ46が、プリンター26のプリンター側記憶部44の登録画像データ記憶可能領域TAに既に記憶されているか否かを判別する(ステップSA3)。
ステップSA3の判別は、例えば、以下のようにして行われる。
例えば、プリンタードライバー実行部35は、プリンター26と通信して、プリンター26に記憶されている複数の登録画像データ46のそれぞれを、順次、取得し、取得した登録画像データ46と、アプリ管理用画像データ60とを、順次、既存の画像データ比較用のアルゴリズムにより比較することにより、上記判別を行う。このほか、所定のハッシュ関数で、変更後アプリ管理用トップロゴデータのハッシュ値と、プリンター側記憶部44に記憶された登録画像データ46のそれぞれのハッシュ値とを求め、これらハッシュ値の比較をとおして上記判別を行うようにしてもよく、また、アプリ管理用画像データ60をプリンター26に出力し、プリンター26のファームウェアの機能により、上記判別を行うようにしてもよい。その際、画像データの比較のために必要な画像処理が適切に施されるものとする。
ここで、ステップSA2で取得したアプリ管理用画像データ60と同一性を有する登録画像データ46が、プリンター26に既に記憶されているケースとして、以下のケースがある。
例えば、ある1のユーザーが登録しようとしている登録画像データ46について、既に同一の内容の登録画像データ46を他のユーザーが登録していたケースや、他の用途で使用している登録画像データ46が偶発的に一致しているケース、トップロゴのデザイン変更の例で言えば、変更前のトップロゴの内容と、変更後のトップロゴの内容とが、実際には、一致していたケース等が考えられる。
【0036】
ステップSA3の判別の結果、同一性を有する登録画像データ46がプリンター26に既に記憶されている場合(ステップSA3:YES)、プリンタードライバー実行部35は、POSアプリケーション実行部34から入力されたアプリ管理用識別情報61と、当該同一性を有する登録画像データ46との対応付けを行わせる制御コマンドを生成して、出力することにより、プリンター26に、当該対応付けを行わせる(ステップSA4)。
当該制御コマンドが入力されたプリンター側制御部40は、当該同一性を有する登録画像データ46を特定し、識別情報管理テーブル50に、1件のレコードを生成すると共に、当該レコードにおいて、当該同一性を有する登録画像データ46に対応するプリンター管理用識別情報47と、当該同一性を有する登録画像データ46の位置情報と、プリンタードライバー実行部35から指定されたアプリ管理用識別情報61とを対応付けて記憶する。これにより、以後、プリンタードライバー実行部35は、ステップSA1で入力されたアプリ管理用識別情報61に基づいて、既に記憶されていた同一性を有する登録画像データ46に基づく画像の記録をプリンター26に実行させることが可能となる。
【0037】
このように、プリンタードライバー実行部35は、新たな登録画像データ46の登録に際し、既に同一性を有する登録画像データ46が登録されている場合は、新たな登録画像データ46の登録を行わず、当該同一性を有する登録画像データ46と、アプリ管理用識別情報61との対応付けをプリンター26に行わせ、これにより、当該アプリ管理用識別情報61をキーとして当該同一性を有する登録画像データ46に基づく画像の記録を行わせることが可能な状態とする。これにより、同一性を有する登録画像データ46が重複して登録されることを防止し、登録画像データ記憶可能領域TAのより効率的な使用を実現しつつ、既に登録されている登録画像データ46に基づく画像の記録を適切に行わせることが可能となる。
【0038】
一方、ステップSA3の判別の結果、同一性を有する登録画像データ46がプリンター26に記憶されていない場合(ステップSA3:NO)、プリンタードライバー実行部35は、過去に行われた登録画像データ46の登録において、ステップSA1でPOSアプリケーション実行部34から入力されたファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと、同一のファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれが、POSアプリケーション実行部34から入力されたことがあるか否かを判別する(ステップSA5)。
プリンタードライバー実行部35は、登録画像データ46の登録に際し、POSアプリケーション実行部34から入力されたファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61を累積的に記憶し、管理する構成となっており、過去に行われた全ての登録について、それぞれの登録に係るファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61が何であるかを取得可能である。
以下の説明では、登録画像データ46の登録に係る処理を、適宜、「登録処理」という。
また、以下の説明では、同一のファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61に係る、過去に行われた登録処理によって登録された登録画像データ46のことを、適宜、「過去分登録画像データ」という。
【0039】
ここで、現在行っている登録処理においてPOSアプリケーション実行部34から入力されたファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと、過去に行われた登録処理において入力されたファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと、が同一である、ということについて、トップロゴのデザインの変更を例に挙げて、具体的に説明する。
上述したように、トップロゴのデザインが変更された場合、変更後のトップロゴに係るアプリ管理用画像データ60(変更後アプリ管理用トップロゴデータ)のファイル名は、変更前のトップロゴに係るアプリ管理用画像データ60(アプリ管理用トップロゴデータ60a)のファイル名と同一とされる。そして、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46の登録に際し、POSアプリケーション実行部34からプリンタードライバー実行部35に出力されるファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61は、変更前のトップロゴに係るアプリ管理用画像データ60のファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61と同一である。これを踏まえ、現在行っている登録処理に係るファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと、過去に行われた登録処理に係るファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと、が同一であるということは、すなわち、過去において、既に、トップロゴに係る登録画像データ46(本例の場合は、登録トップロゴデータ46a)の登録が行われており、現在行っている登録処理は、トップロゴの内容(デザイン)の変更に伴って行われる登録処理である、ということである。
より一般化すると、現在行っている登録処理に係るファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと、過去に行われた登録処理に係るファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと、が同一である場合、過去において、既に、共通する特定の目的で記録される画像に係る登録画像データ46の登録が行われており、現在行っている登録処理は、当該画像の内容の変更に伴って行われる登録処理である、ということである。
【0040】
さて、ステップSA5の判別の結果、過去に行われた登録処理において、ステップSA1で入力されたファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61と同一のファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61が入力されたことがある、と判別した場合(ステップSA5:YES)、プリンタードライバー実行部35は、適切な制御コマンドを出力して、プリンター26に、仮に過去に行われた登録処理において登録された登録画像データ46(過去分登録画像データ)を登録画像データ記憶可能領域TAから削除したとした場合に予想される当該登録画像データ記憶可能領域TAの空き領域の容量を算出させる(ステップSA6)。プリンター26のファームウェアの機能に、当該算出を行う機能が実装されている。
【0041】
次いで、プリンタードライバー実行部35は、ステップSA2で取得したアプリ管理用画像データ60のデータサイズを取得し(ステップSA7)、当該データサイズと、ステップSA6にて算出させた、過去分登録画像データの消去後に予想される登録画像データ記憶可能領域TAの空き領域の容量と、を比較し、当該空き領域に、アプリ管理用画像データを、登録画像データ46として、記憶可能であるか否かを判別する(ステップSA8)。その際、必要なマージンや、必要な画像処理によるデータサイズの変動等が適切に考慮されて判別が行われる。トップロゴのデザインの変更の例では、プリンタードライバー実行部35は、変更後アプリ管理用トップロゴデータのデータサイズと、図3(A)に示す登録画像データ記憶可能領域TAの空き領域の容量とを比較し、当該空き領域に、変更後アプリ管理用トップロゴデータを登録画像データ46として記憶可能であるか否かを判別する。
空き領域にアプリ管理用画像データ60を記憶可能である場合(ステップSA8:YES)、プリンタードライバー実行部35は、適切な制御コマンドを出力して、プリンター26に、登録画像データ記憶可能領域TAから、過去分登録画像データを消去させる(ステップSA9)。トップロゴのデザインの変更の例では、プリンタードライバー実行部35は、プリンター26に、過去の登録処理において登録された登録画像データ46である登録トップロゴデータ46aを、登録画像データ記憶可能領域TAから削除させる。
【0042】
次いで、プリンタードライバー実行部35は、アプリ管理用画像データ60、及び、アプリ管理用識別情報61を含む適切な制御コマンドを出力して、登録画像データ記憶可能領域TAにおいて過去分登録画像データが消去された記憶領域に対応する領域に、変更後アプリ管理用トップロゴデータを、登録画像データ46として、記憶させる(ステップSA10)。上述したように、当該変更後アプリ管理用トップロゴデータの記憶に応じて、プリンター側制御部40は、識別情報管理テーブル50における所定レコードの削除を行うと共に、識別情報管理テーブル50において、アプリ管理用識別情報61、プリンター管理用識別情報47、及び、新たに登録した登録画像データ46の対応付けを行う。
【0043】
図6は、トップロゴのデザインの変更の例において、ステップSA10の処理を実行した後の、登録画像データ記憶可能領域TAの状態を模式的に示す図である。
図3(B)と、図6との比較で明らかなように、トップロゴのデザインの変更の例では、ステップSA9、SA10の一連の処理により、既に記憶されていた登録トップロゴデータ46aが領域ta1から削除され、当該領域ta1に対応する領域ta1’に、変更後登録トップロゴデータ(上述したように、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46)が記憶される。なお、変更後登録トップロゴデータが登録画像データ記憶可能領域TAにおいて配置される際の態様は任意であり、例えば、領域ta1の容量に比して、変更後登録トップロゴデータのサイズが大きい場合は、領域ta1と、空き領域に分割して、当該データが記憶される。このような場合であっても、ステップSA8の判別が行われているため、登録画像データ記憶可能領域TA内に、変更後登録トップロゴデータを確実に格納可能である。
ここで、トップロゴのデザインが変更された場合、以後は、変更前のトップロゴに代えて、変更後のトップロゴの記録が行われることとなり、変更前のトップロゴに係る登録トップロゴデータ46aは利用しないこととなる。従って、本実施形態のように、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46の登録に際し、所定の条件を満たす場合は、登録画像データ記憶可能領域TAから登録トップロゴデータ46aが削除された上で、変更後のトップロゴに係る登録画像データ46が記憶されるため、利用しない不必要なデータが適切に削除された上で、新たな登録画像データ46が記憶されることとなり、当該登録画像データ記憶可能領域TAの記憶領域の有効活用を適切に実行可能である。
また、本実施形態では、トップロゴの変更があった場合において、登録画像データ46に基づいてプリンター26にトップロゴを記録させる際に、POSアプリケーション実行部34からプリンタードライバー実行部35に出力されていた画像情報に含まれるファイル名と、アプリ管理用識別情報61が、トップロゴの変更の前後で同一である。従って、変更に対応して、POSアプリケーション20に対する改変という、煩雑な作業を行う必要がない。
このように、本実施形態に係るプリンタードライバー実行部35は、登録処理に際し、POSアプリケーション実行部34から入力されるファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61を利用して、特定の目的を持って記録される画像に変更があり、当該変更に起因して登録処理が行われていることを把握し、既に登録されている登録した登録画像データ46であって、以後は利用しなくなる登録画像データ46を的確に判断し、利用しない登録画像データ46を記憶領域から削除した上で、変更後の新たな登録画像データ46を登録する構成であるため、有効活用を適切に実行可能である。
【0044】
一方、ステップSA8において、空き領域にアプリ管理用画像データ60を記憶可能でない場合(ステップSA8:NO)、プリンタードライバー実行部35は、適切な制御コマンドを出力して、登録しようとしているアプリ管理用画像データ60の登録画像データ46としての記憶を実行しない(ステップSA11)。
次いで、プリンタードライバー実行部35は、以後、プリンター26に登録画像データ46に基づいて画像を記録させる際に、POSアプリケーション実行部34から、ステップSA1で入力されたアプリ管理用識別情報61、及び、所定のファイル名が入力された場合、当該アプリ管理用識別情報61ではなく、当該所定のファイル名に係るアプリ管理用画像データ60を含む制御コマンドを生成し、プリンター26に出力することにより、当該アプリ管理用画像データ60に基づいて画像を記録させる旨の、設定を行う(ステップSA12)。当該設定は、プリンタードライバー21にて定義された変数や、フラグ等を用いて行われる。
このように、本実施形態では、新たに登録しようとしている登録画像データ46について、登録画像データ記憶可能領域TAの空き領域が確保されないことに起因して登録が行われなかった場合であっても、プリンタードライバー実行部35は、画像の記録に際しPOSアプリケーション実行部34から入力される画像情報に含まれるファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61に基づいて、当該登録しようとしていた登録画像データ46が示す画像を、プリンター26に記録させることが可能である。
【0045】
さて、ステップSA5の判別の結果、過去に行われた登録処理において、ステップSA1で入力されたファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61と同一のファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61が入力されたことがない、と判別した場合(ステップSA5:NO)、プリンタードライバー実行部35は、適切な制御コマンドを出力して、プリンター26に、当該ファイル名に係るアプリ管理用画像データ60の登録に係る各種処理を行わせる(ステップSA13)。その際、アプリ管理用画像データ60が登録画像データ46として登録画像データ記憶可能領域TAに記憶されるのに十分な空き領域が確保されているか否か等の判別が適切に行われた上で記憶が実行されると共に、識別情報管理テーブル50におけるアプリ管理用識別情報61と、プリンター管理用識別情報47と、新たに登録した登録画像データ46の位置情報との対応付けが適切に行われる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態では、ホストコンピューター11のプリンタードライバー実行部35は、登録処理に際し、POSアプリケーション実行部34から入力されたファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれが、過去に行った登録処理におけるファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61のそれぞれと同じ場合、プリンター26に、当該過去に行った登録処理においてプリンター26に登録された登録画像データ46を登録画像データ記憶可能領域TAから消去させ、新たに登録しようとしている登録画像データ46を記憶させる。
この構成によれば、トップロゴのデザイン変更等、特定の目的で記録される画像についてその内容に変更があった場合、プリンタードライバー実行部35は、POSアプリケーション実行部34から入力されるファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61を利用して、プリンター26に既に登録されている登録画像データ46であって、今後使用しない登録画像データ46を的確に判別し、当該登録画像データ46を削除した上で、新たに登録しようとしている登録画像データ46を記憶するため、記憶領域の効率的な使用が可能となる。さらに、上記構成によれば、トップロゴのデザイン変更等、特定の目的で記録される画像についてその内容に変更があった場合において、新たに登録した登録画像データ46に基づく画像の記録をプリンター26に行わせる場合、POSアプリケーション実行部34からプリンタードライバー実行部35に出力されるファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61は、登録の前後を通じて同じであるため、当該登録に起因したPOSアプリケーション20に対する改変を行う必要がない。
【0047】
また、本実施形態では、プリンタードライバー実行部35は、登録処理において、過去に行った登録処理においてプリンター26に登録された登録画像データ46を消去した場合に、新たに登録しようとしている登録画像データ46を記憶する空き領域が確保されるか否かを判別し、確保されない場合は、登録画像データ46の登録を行わない。
この構成によれば、登録処理に際し、新たに登録しようとしている登録画像データ46を登録するための空き領域が確保されない場合は、登録を行わないため、登録画像データ46の一部が記憶されなかったり、オーバーフロー等のエラーが発生したりすることを防止できる。
【0048】
また、本実施形態では、プリンタードライバー実行部35は、新たに登録しようとしている登録画像データ46を記憶する記憶領域が確保されないことに起因して登録画像データ46の登録を行わなかった場合において、当該新たに登録しようとした登録画像データ46に係る画像の記録をプリンター26に行わせる場合、当該新たに登録しようとした登録画像データ46に係る画像データを含む制御コマンドを生成し、出力することにより、プリンター26に、当該制御コマンドに含まれる当該画像データに基づいて画像を記録させる。
この構成によれば、新たに登録しようとしている登録画像データ46を記憶する記憶領域が確保されないことに起因して当該登録画像データ46の登録が行われなかった場合であっても、プリンター26に、対応する画像の記録を行わせることができる。
【0049】
また、本実施形態では、プリンタードライバー実行部35は、登録処理においてPOSアプリケーション20からファイル名、及び、アプリ管理用識別情報61が入力された場合、当該ファイル名に係るアプリ管理用画像データ60と、同一性を有する登録画像データ46がプリンター26に記憶されているか否かを判別し、記憶されている場合、新たに登録しようとしている登録画像データ46の登録を行わず、当該同一性を有する登録画像データ46と、当該アプリ管理用識別情報61との対応付けをプリンター26に行わせる。
この構成によれば、新たに登録しようとしている登録画像データ46が既に登録されている場合に、重複して登録されることを防止し、記憶領域のより効率的な使用を実現しつつ、既に登録されている登録画像データ46に基づく画像の記録を適切に行わせることが可能となる。
【0050】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、制御装置たるホストコンピューター11に接続される記録装置は、サーマル式のプリンターであったが、記録装置の記録形式はこれに限らず、インクジェット式、ドットインパクト式等であってもよい。すなわち、登録画像データ46に基づいて画像を記録可能な記録装置であればよい。
また例えば、図1に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また例えば、ホスト側制御部28の機能を、ホストコンピューター11に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図3、4で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
11…ホストコンピューター(制御装置)、20…POSアプリケーション(アプリケーション)、21…プリンタードライバー(制御プログラム)、26…プリンター(記録装置)、34…POSアプリケーション実行部(アプリケーション実行部)、35…プリンタードライバー実行部(制御プログラム実行部)、46…登録画像データ、46a…登録トップロゴデータ(登録画像データ)、46b…登録ボトムロゴデータ(登録画像データ)、TA…登録画像データ記憶可能領域(記憶領域)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録画像データを記憶し、前記登録画像データに基づいて記録媒体に画像を記録可能な記録装置に、接続可能な制御装置であって、
制御プログラムを実行することにより、前記記録装置に制御コマンドを出力して前記記録装置を制御する制御プログラム実行部と、
所定のアプリケーションを実行することにより、前記記録媒体に記録すべき画像に関する情報である画像情報を生成し、前記制御プログラム実行部に出力するアプリケーション実行部と、を備え、
前記記録装置に、前記登録画像データに基づいて画像を記録させる場合、
前記アプリケーション実行部は、前記登録画像データに対応する識別情報を含む前記画像情報を、前記制御プログラム実行部に出力し、前記制御プログラム実行部は、入力された前記画像情報に含まれる識別情報を含む制御コマンドを生成し、前記記録装置に、出力することにより当該識別情報と対応する前記登録画像データに基づいて画像を記録させ、
前記記録装置に、前記登録画像データを登録する登録処理を行う場合、
前記アプリケーション実行部は、前記登録画像データとして登録しようとしている画像データのファイル名、及び、前記登録画像データを識別するための識別情報を、前記制御プログラム実行部に出力し、前記制御プログラム実行部は、入力された当該ファイル名、及び、当該識別情報のそれぞれが、過去に行った前記登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じか否か判別し、同じ場合、前記記録装置に、当該過去に行った前記登録処理において前記記録装置に登録された前記登録画像データを記憶領域から消去させることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御プログラム実行部は、
前記登録処理において、新たに登録しようとしている前記登録画像データを記憶する空き領域が確保されるか否かを判別し、確保される場合は、新たに登録しようとしている前記登録画像データの登録を行い、確保されない場合は、前記登録画像データの登録を行わないことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御プログラム実行部は、
新たに登録しようとしている前記登録画像データを記憶する記憶領域が確保されないことに起因して前記登録画像データの登録を行わなかった場合において、当該新たに登録しようとした前記登録画像データに係る画像の記録を前記記録装置に行わせる場合、
当該新たに登録しようとした前記登録画像データに係る画像データを含む制御コマンドを生成し、出力することにより、前記記録装置に、当該制御コマンドに含まれる当該画像データに基づいて画像を記録させることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御プログラム実行部は、
前記登録処理において、前記アプリケーション実行部からファイル名、及び、識別情報が入力された場合、当該ファイル名に係る画像データと、同一性を有する前記登録画像データが前記記録装置に記憶されているか否かを判別し、記憶されている場合、新たに登録しようとしている前記登録画像データの前記記録装置への登録を行わず、当該同一性を有する前記登録画像データと、当該識別情報との対応付けを前記記録装置に行わせることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
登録画像データを記憶し、前記登録画像データに基づいて記録媒体に画像を記録可能な記録装置に、接続可能に構成され、
制御プログラムを実行することにより、前記記録装置に制御コマンドを出力して前記記録装置を制御する制御プログラム実行部と、
所定のアプリケーションを実行することにより、前記記録媒体に記録すべき画像に関する情報である画像情報を生成し、前記制御プログラム実行部に出力するアプリケーション実行部と、を備え、
前記記録装置に、前記登録画像データに基づいて画像を記録させる場合、
前記アプリケーション実行部は、前記登録画像データに対応する識別情報を含む前記画像情報を、前記制御プログラム実行部に出力し、前記制御プログラム実行部は、入力された前記画像情報に含まれる識別情報を含む制御コマンドを生成し、出力することにより、前記記録装置に、当該識別情報と対応する前記登録画像データに基づいて画像を記録させる制御装置の制御方法であって、
前記記録装置に、前記登録画像データを登録する登録処理を行う場合、
前記アプリケーション実行部により、前記登録画像データとして登録しようとしている画像データのファイル名、及び、前記登録画像データを識別するための識別情報を、前記制御プログラム実行部に出力し、前記制御プログラム実行部により、前記アプリケーション実行部から入力された当該ファイル名、及び、当該識別情報のそれぞれが、過去に行った前記登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じか否か判別し、同じ場合、前記記録装置に、当該過去に行った前記登録処理において前記記録装置に登録された前記登録画像データを記憶領域から消去させることを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項6】
登録画像データを記憶し、前記登録画像データに基づいて記録媒体に画像を記録可能な記録装置に、接続可能な制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
前記記録装置を制御するための制御プログラムを実行することにより、前記記録装置に制御コマンドを出力して前記記録装置を制御する制御プログラム実行部と、
所定のアプリケーションを実行することにより、前記記録媒体に記録すべき画像に関する情報である画像情報を生成し、前記制御プログラム実行部に出力するアプリケーション実行部と、して機能させ、さらに、
前記記録装置に、前記登録画像データに基づいて画像を記録させる場合、
前記登録画像データに対応する識別情報を含む前記画像情報を、前記制御プログラム実行部に出力する前記アプリケーション実行部と、入力された前記画像情報に含まれる識別情報を含む制御コマンドを生成し、出力することにより、前記記録装置に、当該識別情報と対応する前記登録画像データに基づいて画像を記録させる前記制御プログラム実行部と、として機能させ、さらに、
前記記録装置に、前記登録画像データを登録する登録処理を行う場合、
前記登録画像データとして登録しようとしている画像データのファイル名、及び、前記登録画像データを識別するための識別情報を、前記制御プログラム実行部に出力する前記アプリケーション実行部と、入力された当該ファイル名、及び、当該識別情報のそれぞれが、過去に行った前記登録処理におけるファイル名、及び、識別情報のそれぞれと同じか否か判別し、同じ場合、前記記録装置に、当該過去に行った前記登録処理において前記記録装置に登録された前記登録画像データを記憶領域から消去させる前記登録画像データを記憶させる前記制御プログラム実行部と、として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−105407(P2013−105407A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250272(P2011−250272)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】