説明

制御装置、記憶装置、サーボ情報復調プログラム及びサーボ情報復調方法

【課題】ヘッドの高速シークに伴って発生する該ヘッドの復調移動速度のオーバーフローを補正して、より正確な復調移動速度を得ることを可能とする。
【解決手段】本発明の磁気ディスク装置300の位置及び速度復調回路100は、同一セクタ内のサーボ情報であるEven1及びEven2のサーボ再生信号の位相差に基づいて磁気ヘッドの移動速度を復調する差分算出部105と、差分算出部105により算出された復調移動速度のオーバーフローを検出して該オーバーフローの補正値を計算するオーバーフロー検出部108とを備え、オーバーフロー検出部108により検出されたオーバーフローを補正値に基づいて補正してより正確な復調速度を出力する構成を取ることによって、ヘッドの高速シーク時においてもより正確な復調移動速度を得ることを可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調する制御装置、記憶装置、サーボ情報復調プログラム及びサーボ情報復調方法に関し、特に、ヘッドの移動速度を補正してより正確な移動速度を取得することが可能な制御装置、記憶装置、サーボ情報復調プログラム及びサーボ情報復調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気ディスク装置、光磁気ディスク装置、光ディスク装置などの記憶装置の記憶媒体の記録密度が格段に向上している。これによって、記憶装置の小型化や記録容量の拡大を図ることが可能となり、記憶装置の利便性が高まってきている。
【0003】
かかる高密度化された記憶媒体において、目標とするトラックにヘッドを正確に位置付けるために、サーボ制御と呼ばれる自動制御が利用されている。記憶媒体には、サーボ制御に使用するサーボ情報(サーボ・データ)と呼ばれる信号パターンが書き込まれている。サーボ情報には、少なくとも、トラック番号と、ヘッドのトラック中心に対する相対的位置を復調するためのサーボ・パターンとが含まれている。
【0004】
ヘッドを目標とするトラック中心に正確に位置付けるためには、サーボ・パターンを復調して得られたヘッドのトラック中心に対する相対的位置を利用したヘッドの微細な位置制御とともに、ヘッドの速度制御が重要である。サーボ情報のサーボ・パターンを利用すると、ヘッドの詳細な位置とともに移動速度を復調することが可能である。
【0005】
そして、次にヘッドを位置付ける目標トラックの位置までの移動に必要とされるヘッドの移動速度と、現在のトラックにおけるヘッドの移動速度との差に応じて、ヘッドの回転を制御するボイスコイルモータに供給する電流を制御することにより、ヘッドを迅速かつ正確に目標トラックの位置に位置付けることが可能となる。
【0006】
しかし、復調されたヘッドの移動速度は、サーボ情報を復調して得られたヘッドの位置情報に基づいて推定されたものであるため、真の移動速度とはならず、誤差を含む移動速度となる。
【0007】
そこで、例えば、特許文献1には、サーボ情報を復調してヘッドの位置情報を復調する構成において、従前に算出した次にヘッドを位置付ける目標トラックの位置までの移動距離に基づき、現在ヘッドが位置するトラックから次にヘッドを位置付ける目標トラックまでの移動距離の範囲を補正し、現在ヘッドが位置するトラックにおけるヘッドの移動速度をより正確に算出することが可能なヘッド移動速度制御装置が開示されている。
【0008】
また、例えば、特許文献2〜7には、サーボ情報から読み取られる信号を使用して、ヘッドの位置情報とともに移動速度も復調するサーボ情報復調方法が開示されている。これらのサーボ情報復調方法によれば、ヘッドの移動速度を復調された位置情報から演算するのではなく、サーボ情報から直接復調するので、より正確に移動速度を復調することが可能となる。
【0009】
【特許文献1】特開平5−159488号公報
【特許文献2】特開平8−180620号公報
【特許文献3】特開平2−168411号公報
【特許文献4】特開2000−123506号公報
【特許文献5】特開2003−338145号公報
【特許文献6】特開2003−346438号公報
【特許文献7】特開2000−173210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に代表される従来技術では、サーボ情報を復調して得られたヘッドの位置情報に基づき目標トラックまでの移動に必要なヘッドの移動距離を補正してヘッドの移動速度を算出するものであるので、復調されたヘッドの移動速度は推定によるものに過ぎず、なお正確な移動速度の復調に限界があった。
【0011】
また、上記特許文献1〜7に代表される従来技術では、近年、より高速に行われるようになってきているヘッドのシーク制御に伴って発生するヘッドの復調速度のオーバーフローが考慮されておらず、ヘッドのオーバーフローが発生しない範囲でしか正確なヘッドの移動速度を復調することができなかった。よって、ヘッドのオーバーフローが発生した場合には、正確な移動速度を復調することが不可能であった。
【0012】
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、推定によらずにヘッドの移動速度を復調し、かつ、ヘッドの高速シークに伴って発生するヘッドの復調速度のオーバーフローを補正して、より正確な復調速度を得ることを可能とする制御装置、記憶装置、サーボ情報復調プログラム及びサーボ情報復調方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した問題を解決し、目的を達成するため、本発明は、記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調する制御装置であって、前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調部と、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正部と
を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調する制御装置を備えた記憶装置であって、前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調部と、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正部とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調するサーボ情報復調処理手順を該記憶装置の制御装置に実行させるサーボ情報復調プログラムであって、前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調手順と、前記速度復調手順により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正手順とを制御装置に実行させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調するサーボ情報復調方法であって、前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調ステップと、前記速度復調ステップにより復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正ステップとを含んだことを特徴とする。
【0017】
これらの発明によれば、ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正するので、高速のヘッド移動においても正確な移動速度を復調することが可能となるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記速度復調部は、1セクタの前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、1セクタのサーボ情報に基づき、正確な移動速度を復調することが可能となるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、前記速度復調部は、前記サーボ情報の位相差分に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、サーボ情報の位相差分というサーボ情報から直接に正確な移動速度を復調することが可能となるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明は、上記発明において、前記速度補正部は、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、前記サーボ情報を再生した再生信号が1周期だけ異なる最も近いトラック間を前記ヘッドが移動するときの移動速度を、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度に加算する、又は前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度から減算することによって補正することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該復調速度を、サーボ情報の再生信号の周期性に基づく値で補正するので、高速のヘッド移動においても正確な移動速度を復調することが可能となるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、記憶装置において、高速のヘッド移動においてもサーボ情報から直接復調したヘッドの移動速度を利用して正確なヘッド移動制御を行うことが可能となり、記憶媒体に対して効率的かつ迅速に情報の読み書きを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照し、本発明の制御装置、記憶装置、サーボ情報復調プログラム及びサーボ情報復調方法に係る実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、記憶媒体として磁気ディスク、記憶装置として磁気ディスク装置に本発明を適用した場合を示すこととするが、本発明はこれに限らず、他の記憶媒体及びディスク装置、例えば、光ディスク及び光ディスク装置、若しくは光磁気ディスク又は光磁気ディスク装置などにも適用可能である。
【実施例】
【0026】
図1は、本発明の実施例に係る磁気ディスク装置300の外観を概略的に示す図である。この磁気ディスク装置300は、箱型の筐体301を有する。筐体301は、例えば平板な直方体であって、磁気ディスクを収納する磁気ディスク収納空間を有する箱型の筐体本体302を有する。筐体本体302は、アルミニウムなどの金属から鋳造により成形されるものである。筐体本体302には、カバー303が取り付けられる。カバー303により筐体本体302の磁気ディスク収納空間が密閉される。カバー303は、例えばプレス加工により1枚の金属板から成形されるものである。該金属板は、例えば振動吸収性の積層材から構成されていてもよいものである。
【0027】
筐体本体302の底面の外側には、プリント基板304が取り付けられる。プリント基板304には、図示しないCPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の処理装置やハードディスク・コントローラ等のLSI(Large Scale Integration)チップのほか、該磁気ディスク装置300とホストコンピュータとを電気的に接続するための物理的インターフェースであるコネクタ305が取り付けられる。これらの主制御部やハードディスク・コントローラの作動により磁気ディスク装置300の全体制御が実現する。コネクタ305には、例えば、当該磁気ディスク装置300が搭載されるホストコンピュータの主制御基板からの制御信号用ケーブルや電源用ケーブル(共に図示せず)が接続される。主制御部やハードディスク・コントローラは電源用ケーブルから供給される電力により作動する。
【0028】
次に、図1に示した磁気ディスク装置300の内部構造を概略的に説明する。図2は、図1に示した磁気ディスク装置300の内部構造を概略的に示す図である。同図に示すように、当該磁気ディスク装置300のカバー303を取り外すと、磁気ディスク収納空間に記憶媒体としての磁気ディスク210が少なくとも1枚収納されていることがわかる。磁気ディスク210は、スピンドルモータの回転軸211に軸着される。スピンドルモータ209は、例えば7,200rpmや10,000rpmといった高速度で磁気ディスク210を回転させることができる。
【0029】
なお、磁気ディスク210は、金属又はガラス製の円盤(ディスク)状の基板に磁性膜を形成した記憶媒体である。磁気ディスク210へデータの記録を行う場合には、磁気ディスク210のデータを記録する記録領域に磁気ヘッドから磁界をかけ、表面上の磁性体の磁化状態を変化させることによってデータを記録する。また、磁気ディスク210からデータを読み出して再生する場合には、再生対象となる磁気ディスク210上の記録領域に磁気ヘッドを移動させ、磁気ディスク210の磁性体の磁化状態を読み取ってデータを再生する。
【0030】
さらに磁気ディスク収納空間には、ヘッドアクチュエータ214が収納されている。このヘッドアクチュエータ214は、垂直方向に延びる支軸213に回転自在に支持されるアクチュエータブロック218を有する。アクチュエータブロック218には、支軸213から水平方向に剛体のアクチュエータアーム217が延設される。アクチュエータブロック218は、例えば鋳造によりアルミニウムから成形されている。
【0031】
アクチュエータアーム217の先端には、ヘッドサスペンション216が取り付けられる。ヘッドサスペンション216は、アクチュエータアーム217の先端から前方に向かって延びる。そして、ヘッドサスペンション216の先端には、浮上ヘッドスライダ212が支持されている。このようにして浮上ヘッドスライダ212は、アクチュエータブロック218に連結されることとなる。浮上ヘッドスライダ212は、磁気ディスク210の表面に向き合うこととなる。
【0032】
浮上ヘッドスライダ212にはいわゆる磁気ヘッド(若しくは、単に「ヘッド」と呼ぶ)、即ち、図示しない電磁変換素子が搭載される。この電磁変換素子は、例えばスピンバルブ膜やトンネル接合膜の抵抗変化を利用して磁気ディスク210から情報を読み出す巨大磁気抵抗効果(GMR)素子やトンネル接合磁気抵抗効果(TMR)素子といった読み出し素子と、薄膜コイルパターンで生成される磁界を利用して磁気ディスク210に情報を書き込む薄膜磁気ヘッドといった書き込み素子とで構成されることとなる。
【0033】
浮上ヘッドスライダ212には、ヘッドサスペンション216から磁気ディスク210の表面に向かって押圧力が作用する。磁気ディスク210の回転により磁気ディスク210の表面で生成される気流の働きで浮上ヘッドスライダ212に浮力が発生する。ヘッドサスペンション216の押圧力と浮力とのバランスで磁気ディスク210の回転中に比較的に高い剛性で浮上ヘッドスライダ212は浮上し続けることが可能である。
【0034】
アクチュエータブロック218には、例えば、ボイスコイルモータ(VCM)等の動力源219が接続される。この動力源219の働きでアクチュエータブロック218は支軸213を中心として回転することが可能となる。こうしたアクチュエータブロック218の回転によりアクチュエータアーム217及びヘッドサスペンション216の揺動が実現される。浮上ヘッドスライダ212の浮上中に支軸213回りでアクチュエータアーム217が揺動すると、浮上ヘッドスライダ212は半径方向に磁気ディスク210の表面を横切ることができる。複数枚の磁気ディスク210が筐体本体302内に組み込まれる場合には、隣接する磁気ディスク210同士の間で2本のアクチュエータアーム217、即ち2個のヘッドサスペンション216が配置されることとなる。
【0035】
次に、図1に示した磁気ディスク装置300の内部の磁気ディスク収納空間に収納される磁気ディスク210の表面にパターンニングされるサーボ情報について説明する。図3は、図1に示した磁気ディスク装置300の内部の磁気ディスク収納空間に収納される磁気ディスク210の表面にパターンニングされるサーボ情報の概略を示す図である。サーボ情報とは、磁気ヘッドを位置決めするために使用される情報である。同図に示すように、磁気ディスク210には、回転中心から半径方向に円弧状に延びるサーボ情報400が磁気パターンとして記録される。
【0036】
同図に示すように、磁気ディスク210の表面において、サーボ情報400は、該磁気ディスク210の中心から外周へ、略半径方向に沿った円弧として等間隔に配置されている。サーボ情報400が円弧状となるのは、次の理由による。即ち、先端に磁気ヘッドを有する浮上ヘッドスライダ212が取り付けられたヘッドアクチュエータ214は、支軸213の中心軸213cを回転軸として扇状に半回転するが、磁気ヘッドが端点400aと端点400bとの間のサーボ情報400をなぞる場合に、中心軸213cから磁気ヘッドまでの距離が一定となるようにするためである。
【0037】
次に、図3に示したサーボ情報のパターンについて説明する。図4は、図3に示したサーボ情報のパターンを概略的に示す図である。同図は、サーボ情報400の1セクタ内のサーボ・パターンを半径方向の一部を抽出して拡大表示して概略的に示す図である。サーボ情報400の1セクタ内のサーボ・パターンには、磁気ヘッドが読み進む順序でサーボマーク、グレイコード及びセクタ、Even1、Odd、Even2が配されている。これらの情報が図中の破線で示した各トラック中心に沿って読み出されることによって、サーボ信号が再生されることとなる。
【0038】
サーボマークは、サーボ情報の開始を示す情報である。グレイコード及びセクタは、2進化された10進数が格納される領域であり、磁気ディスクのトラック番号(グレイコードで記録されている)及びセクタ番号が格納される領域である。グレイコードが磁気ディスクのトラック番号を記憶し、セクタが磁気ディスクのセクタ番号を記憶する。Even1及びEven2は、磁気ヘッドの位置又は移動速度の復調のために使用されるサーボ情報である。Even1及びEven2は、磁気ディスクの円周方向に対して同一の角度を有する同様の斜線パターンであり、同一トラックの同一セクタ内のEven1及びEven2から再生されるサーボ信号の位相差から、磁気ヘッドの移動速度が復調可能である。また、Oddは、Even1及びEven2とあわせて磁気ディスクの位置情報を復調するために使用されるサーボ情報であり、Even1及びEven2と対向する角度を有した斜線パターンである。
【0039】
このように、同一トラックの1セクタ内のサーボ情報から読み出されたEven1及びEven2のみに基づいて磁気ヘッドの移動速度が復調され、より効率的で正確な磁気ヘッドの移動速度の復調が可能となる。
【0040】
なお、本発明は、上記したサーボ・パターンを有するサーボ情報に限られるものではない。また、1セクタのサーボ情報に基づいて磁気ヘッドの移動速度を復調可能であるサーボ・パターンに限らず、複数セクタの亘るサーボ情報に基づいて磁気ヘッドの移動速度を復調可能するサーボ・パターンであってもよい。
【0041】
次に、図1に示した磁気ディスク装置の構成を説明する。図5は、図1に示した磁気ディスク装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、磁気記憶媒体である磁気ディスク210が、スピンドルモータ209の回転軸211に設けられている。スピンドルモータ209は、磁気ディスク210を回転する。支軸213の動作を制御するアクチュエータにはヘッドアクチュエータ214が取り付けられており、このヘッドアクチュエータ214の先端に磁気ヘッドを備え、磁気ヘッドを磁気ディスク210の半径方向に移動させる。
【0042】
前述のアクチュエータは、回転軸を中心に回転するボイスコイルモータ(VCM)で構成される。図5では、磁気ディスク装置300に、2枚の磁気ディスク210が搭載され、4つの磁気ヘッドが、同一のアクチュエータで同時に駆動されることとなる。
【0043】
磁気ヘッドは、リード素子と、ライト素子とからなる。磁気ヘッドは、スライダに、磁気抵抗素子を含むリード素子を積層し、その上にライトコイルを含むライト素子を積層して、構成される。
【0044】
位置及び速度復調回路100は、磁気ヘッドが読み取ったアナログ信号の位置信号及び速度信号をデジタル信号に変換する。データ記録再生部206は、磁気ヘッドの読み取り及び書込みを制御する。スピンドルモータ駆動部207は、スピンドルモータ209を駆動する。VCM(ボイスコイルモータ)駆動部208は、前述のアクチュエータ内のボイスコイルモータに駆動電流を供給し駆動する。
【0045】
MCU(マイクロコントローラ)205は、位置及び速度復調回路100からのデジタル位置信号から磁気ヘッドの磁気ディスク210における現在位置を復調し、復調した現在位置と目標位置との誤差と、磁気ヘッドの目標移動速度と現在移動速度との誤差とに従い、VCM駆動指令値を演算する。即ち、位置復調、速度復調及びサーボ制御を行う。なお、MCUに限らず、CPU、MCUであってもよい。
【0046】
ROM(リード・オンリー・メモリ)204は、MCU205の制御プログラム等を格納する。HDC(ハードディスク・コントローラ)201は、サーボ信号のセクタ番号を基準にして、1周内の位置を判断し、データを記録・再生する。HDC201に接続されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)202は、HDC201が記録・再生するデータを一時記憶する。RAM203は、リードデータやライトデータを一時記憶する。HDC201は、ATAやSCSI等のインターフェースを介し、ホストコンピュータと通信する。バス215は、上記各構成要素を接続する。
【0047】
次に、図5に示した位置及び速度復調回路の構成について説明する。図6は、図5に示した位置及び速度復調回路の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、位置及び速度復調回路100は、サーボ情報読み取り部101と、合成器102及び103と、差分算出部104及び105と、遅延部106と、差分器107と、オーバーフロー検出部108と、合成器109とを有する。なお、合成器102、合成器103、差分器107及び合成器109は、入力信号に対して所定の演算を行った結果を出力する演算器である。
【0048】
サーボ情報読み取り部101は、サーボ情報を読み取って磁気ヘッドの位置及び移動速度を復調する処理部である。サーボ情報読み取り部101は、位置情報読み取り部101aと、Even1読み取り部101bと、Odd読み取り部101cと、Even2読み取り部101dとをさらに有する。
【0049】
位置情報読み取り部101aは、グレイコード及びセクタを読み取って復調したアナログ信号のトラック番号を合成器102へ入力する。Even1読み取り部101bは、Even1を読み取って復調したアナログ信号を合成器103及び差分算出部105へ入力する。Odd読み取り部101cは、Oddを読み取って復調したアナログ信号を差分算出部104へ入力する。Even2読み取り部101dは、Even2を読み取って復調したアナログ信号を合成器103及び差分算出部105へ入力する。
【0050】
Even1を復調したアナログ信号とEven2を復調したアナログ信号との入力を受け付けた合成器103は、この2つのアナログ信号の平均をベクトル演算により求めて差分算出部104へ入力する。差分算出部104は、前述の平均とOdd読み取り部101cから入力されたアナログ信号との差分を算出し、合成器102へ入力する。
【0051】
また、Even1を復調したアナログ信号とEven2を復調したアナログ信号との入力を受け付けた差分算出部105は、この2つの信号の位相差を算出し、磁気ヘッドの復調移動速度Vrawを出力する。このVrawは、遅延部106と、差分器107と、合成器109とへ入力される。
【0052】
位置情報読み取り部101aが出力するアナログ信号と差分算出部104から出力されたアナログ信号とが入力された合成器102は、この2つの入力信号に基づき磁気ヘッドの位置情報を復調してデジタル信号へ変換して外部へ出力する。
【0053】
Vrawを入力された遅延部106は、該Vrawを1サンプル分遅延させることにより、Vrawの1周期前にサンプルされた磁気ヘッドの移動速度を得て、差分器107へ入力する。VrawとVrawの1サンプル前の値との入力を受け付けた差分器107では、Vrawの1サンプル前の値の符号を反転させたものをVrawと合成した結果をオーバーフロー検出部108へ入力する。
【0054】
オーバーフロー検出部108は、差分器107の出力結果の入力を受け、該入力信号の差分の絶対値が所定閾値を超えるか否かを判定して、入力信号の差分の絶対値が所定閾値以上となった場合に、Vrawに加算して該Vrawを補正する補正値Vofsを算出する。このVofsは合成器109へ入力される。
【0055】
VrawとVofsとの入力を受け付けた合成器109は、VrawをVofsで補正した結果を磁気ヘッドの復調速度としてデジタル変換して外部へ出力する。
【0056】
次に、図6に示した位置及び速度復調回路で実行される位置及び速度復調処理手順を説明する。図7は、図6に示した位置及び速度復調回路で実行される位置及び速度復調処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、サーボ情報読み取り部101は、サーボ情報を取得する(ステップS101)。続いて、合成器103は、読み取ったサーボ情報のうちEven1及びEven2の位相値の平均を算出する(ステップS102)。続いて、差分算出部104は、Even1とEven2の平均値とOddとの位相差分を求める(ステップS103)。
【0057】
次に、差分算出部104は、ステップS103で求めた位相差分値からオフセットを求める(ステップS104)。ここで、オフセットとは、トラック番号を読み取ったトラックに対してサーボ・パターンを復調して得られたトラックのずれ量を表す情報である。続いて、合成器102は、トラック番号とオフセットを加算して、磁気ヘッドの正しい位置を算出する(ステップS105)。
【0058】
次に、差分算出部105は、Even1とEven2の位相差を計算し(ステップS106)、ステップS106で計算した位相差に相当するトラック幅を、磁気ヘッドがEven1の中心からEven2の中心へ至る間に経過する時間Tで割って磁気ヘッドの移動速度を求め(ステップS107)、復調速度算出処理を実行する(ステップS108)。
【0059】
次に、磁気ディスク装置のMCU205は、現在シーク(磁気ヘッドの磁気ディスク210の半径方向への移動)中か否かを判定し(ステップS109)、シークと判定された場合には(ステップS109肯定)、シーク制御を実行し(ステップS110)、シークと判定されなかった場合には(ステップS109否定)、トラック追随制御を実行する(ステップS111)。なお、トラック追随は、トラック追従又はフォローイングとも呼ばれる。
【0060】
次に、図7に示した復調速度算出処理について説明する。図8は、図7に示した復調速度算出処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、差分算出部105は、速度誤差Vrawを取得する(ステップS201)。続いて、遅延部106は、Vrawの位相を遅延させて、Vrawの1周期前にサンプルされた速度であるVrawOldを算出する。続いて、差分器107は、VrawからVrawOldを差し引き、これをVdiffとする(ステップS202)。
【0061】
次に、オーバーフロー検出部108は、VdiffがSlice(所定閾値)を超えるか否かを判定し(ステップS203)、所定閾値を超えると判定された場合に(ステップS203肯定)、Vofsに−StepOverFlowをセットして(ステップS204)ステップS205へ移り、所定閾値を超えると判定されなかった場合に(ステップS203否定)、ステップS205へ移る。
【0062】
また、ステップS205では、オーバーフロー検出部108は、VdiffがSlice(所定閾値)を下回るか否かを判定し(ステップS205)、所定閾値を下回ると判定された場合に(ステップS205肯定)、VofsにStepOverFlowをセットして(ステップS206)ステップS207へ移り、所定閾値を超えると判定されなかった場合に(ステップS205否定)、ステップS207へ移る。
【0063】
なお、前述のStepOverFlowは、磁気ディスク上のトラックのうち、サーボ情報を再生した再生信号が1周期だけ異なるトラック間のうち最も近いものの距離をL、Even1及びEven2それぞれの中心間の移動に要する時間をTとした場合に、L/Tに一致する値である。即ち、時間Tの間にサーボ・パターンから再生された再生信号の1周期を超えるように磁気ヘッドが移動すると、サーボ・パターンから再生された生成信号の周期性によって、1周期を超えた部分のみ磁気ヘッドが移動したとしか認識されず、この1周期に相当する磁気ヘッドの移動は認識されないこととなる。このために、前述のL/Tを復調速度に加算又は復調速度から減算することによって、認識されなかった1周期に相当する磁気ヘッドの移動を復調速度に反映させる必要がある。
【0064】
最後に、ステップS207では、合成器109は、VrawにVofsを加算した結果を磁気ヘッドの復調速度Vとして出力する。
【0065】
次に、高速シークにおけるボイスコイルモータへ供給される電流、磁気ヘッドの速度及び位置それぞれの時間変化を示すシーク波形の変化について説明する。図9は、シーク波形の変化の概要を示す図である。同図は、時刻の変化に伴い、コアース制御期間から整定制御期間を経てトラック追随制御期間へ至る際の電流、磁気ヘッドの速度及び位置の変化を示す。なお、コアース制御は、速度制御であり、整定制御及びトラック追随制御は、位置制御である。
【0066】
高速シークのコアース制御期間においては、ボイスコイルモータに所定量の電流が供給される。この供給電流の増加・減少に応じて、磁気ヘッドの速度が上昇・下降する。そして、コアース制御期間中においては、シーク制御に応じて磁気ヘッドが位置するトラックが変化する。
【0067】
なお、コアース制御では、加速、定速、減速と、制御モードを切り替える。この加速モードは、電流を流して速度を上昇させる制御である。定速モードは、電流をゼロにして、速度を一定速度に保つ制御である。減速モードは、加速モードとは反対方向に電流を流し、速度を目標位置又はその付近でゼロに近くする制御である。距離が小さい場合には、定速モードは含まれない。
【0068】
また、コアース制御期間、整定制御期間及びトラック追随制御期間を通して、ボイスコイルモータへの電流供給は、セクタ毎にサーボ情報を復調して検出された位置誤差に応じて、この位置誤差を補正するように適切に制御される。そのため、コアース制御期間が終了し整定制御期間に入り、さらにトラック追従制御期間に入ると、磁気ヘッドを目標トラック中心に追随させるために、セクタ毎にサーボ情報を復調して検出された位置誤差に応じて、この位置誤差を補正する適切な電流がボイスコイルモータへ供給されることとなる。
【0069】
さらに、制定制御期間において、高速シーク時にボイスコイルモータへ供給されたシーク電流の大きさによってヘッドアクチュエータ214及び磁気ヘッドの機械共振が増幅され、磁気ヘッドの振動が残ることがある。このような整定制御期間中の振動をオーバーシュートと呼ぶ。このオーバーシュートが大きい場合には、このオーバーシュートを収束させ、磁気ヘッドをトラック中心に追随させるまで長い整定制御期間が必要になる。
【0070】
そこで、本実施例によれば、高速シーク時における復調速度のオーバーフローを補正して正確な復調速度を取得し、この正確な復調速度に基づいて磁気ヘッドの速度を精密に制御することを可能とした。特に、整定制御期間において磁気ヘッドのオーバーシュートによる速度を制御することも可能となり、以って、磁気ヘッドの大きなオーバーシュートを抑制し、整定制御期間における磁気ヘッドの不要な変動を抑え、整定制御期間の短縮を図ることが可能となった。
【0071】
次に、図10及び11を参照して、オーバーフロー補正前の復調速度及びオーバーフロー補正後の復調速度の概要について説明する。図10は、オーバーフロー補正前の復調速度の概要を示す図であり、図11は、オーバーフロー補正後の復調速度の概要を示す図である。各図において、ボイスコイルモータに供給される電流と復調速度との関係を示す。
【0072】
図10に示すように、オーバーフロー補正前では、電流の変化に応じて復調速度が得られるが、高速シークのために復調速度にオーバーフローが発生してずれが生じるために、復調速度の波形が不連続となる。
【0073】
そこで、本実施例では、図11に示すように、上記復調速度のオーバーフローを補正することによって、復調速度に生じたずれによる段差を補正することによって、復調速度を本来の連続波形に補正することが可能となる。このようにして得られたより正確な復調速度に基づいて、磁気ヘッドの精密なフィードバック制御が可能となる。
【0074】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で更に種々の異なる実施例で実施されてもよいものである。また、実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
【0075】
上記実施例で説明した各種処理は、予め用意されたプログラムを、磁気ディスク装置300に備えられたMCU(若しくは、CPU、MPU等)の処理装置で実行することによって実現することができる。図5に示した例では、上述の各種処理を実現する各種プログラムがROM204に記憶されており、MCU205が該各種プログラムを読み出して実行することにより、上述した位置及び速度復調回路100の機能を実現する各種プロセスが起動される。
【0076】
なお、これら各種プログラムは、予めROM204に記憶されている必要はなく、必要に応じて、可搬型の物理記憶媒体若しくはネットワークを介して接続される外部のコンピュータシステムから読み出され、MCU205において実行されることとしてもよい。
【0077】
また、上記各種処理は、予めROM204に記憶されているコードがMCU205により読み出されて実行されるものに限らず、結線論理回路(ワイヤードロジック)で実現されてもよいものである。
【0078】
(付記1)記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調する制御装置であって、
前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調部と、
前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正部と
を備えたことを特徴とする制御装置。
【0079】
(付記2)前記速度復調部は、1セクタの前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする付記1に記載の制御装置。
【0080】
(付記3)前記速度復調部は、前記サーボ情報の位相差分に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする付記1又は2に記載の制御装置。
【0081】
(付記4)前記速度補正部は、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、前記サーボ情報を再生した再生信号が1周期だけ異なる最も近いトラック間を前記ヘッドが移動するときの移動速度を、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度に加算する、又は前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度から減算することによって補正することを特徴とする付記1、2又は3に記載の制御装置。
【0082】
(付記5)記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調する制御装置を備えた記憶装置であって、
前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調部と、
前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正部と
を備えたことを特徴とする記憶装置。
【0083】
(付記6)前記速度復調部は、1セクタの前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする付記5に記載の記憶装置。
【0084】
(付記7)前記速度復調部は、前記サーボ情報の位相差分に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする付記5又は6に記載の記憶装置。
【0085】
(付記8)前記速度補正部は、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、前記サーボ情報を再生した再生信号が1周期だけ異なる最も近いトラック間を前記ヘッドが移動するときの移動速度を、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度に加算する、又は前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度から減算することによって補正することを特徴とする請求項5、6又は7に記載の記憶装置。
【0086】
(付記9)記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調するサーボ情報復調処理手順を該記憶装置の制御装置に実行させるサーボ情報復調プログラムであって、
前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調手順と、
前記速度復調手順により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正手順と
を制御装置に実行させることを特徴とするサーボ情報復調プログラム。
【0087】
(付記10)前記速度復調手順は、1セクタの前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする付記9に記載のサーボ情報復調プログラム。
【0088】
(付記11)前記速度復調手順は、前記サーボ情報の位相差分に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする付記9又は10に記載のサーボ情報復調プログラム。
【0089】
(付記12)前記速度補正手順は、前記速度復調手順により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、前記サーボ情報を再生した再生信号が1周期だけ異なる最も近いトラック間を前記ヘッドが移動するときの移動速度を、前記速度復調手順により復調された前記ヘッドの復調速度に加算する、又は前記速度復調手順により復調された前記ヘッドの復調速度から減算することによって補正することを特徴とする付記9、10又は11に記載のサーボ情報復調プログラム。
【0090】
(付記13)記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調するサーボ情報復調方法であって、
前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調ステップと、
前記速度復調ステップにより復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正ステップと
を含んだことを特徴とするサーボ情報復調方法。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明によれば、ヘッドの高速シークに伴って発生する該ヘッドの復調移動速度のオーバーフローを補正して、より正確な復調移動速度を得て、ヘッドのフィードバック制御をより精密に行いたい場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】磁気ディスク装置の外観を概略的に示す図である。
【図2】磁気ディスク装置の内部構造を概略的に示す図である。
【図3】サーボ情報の概略を示す図である。
【図4】サーボ情報のパターンを概略的に示す図である。
【図5】磁気ディスク装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】位置及び速度復調回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】位置及び速度復調処理手順を示すフローチャートである。
【図8】復調速度算出処理手順を示すフローチャートである。
【図9】シーク波形の変化の概要を示す図である。
【図10】オーバーフロー補正前の復調速度の概要を示す図である。
【図11】オーバーフロー補正後の復調速度の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
100 位置及び速度復調回路
101 サーボ情報読み取り部
101a 位置情報読み取り部
101b Even1読み取り部
101c Odd読み取り部
101d Even2読み取り部部
102、103、109 合成器
104、105 差分算出部
106 遅延部
107 差分器
108 オーバーフロー検出部
206 データ記録再生部
207 スピンドルモータ駆動部
208 VCM駆動部
209 スピンドルモータ
210 磁気ディスク
211 スピンドルモータの回転軸
212 浮上ヘッドスライダ
213 支軸
213c 中心軸
214 ヘッドアクチュエータ
215 バス
216 ヘッドサスペンション
217 アクチュエータアーム
218 アクチュエータブロック
219 動力源
300 磁気ディスク装置
301 筐体
302 筐体本体
303 カバー
304 プリント基板
305 コネクタ
400 サーボ情報
400a、400b 端点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調する制御装置であって、
前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調部と、
前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正部と
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記速度復調部は、1セクタの前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記速度復調部は、前記サーボ情報の位相差分に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記速度補正部は、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、前記サーボ情報を再生した再生信号が1周期だけ異なる最も近いトラック間を前記ヘッドが移動するときの移動速度を、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度に加算する、又は前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度から減算することによって補正することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の制御装置。
【請求項5】
記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調する制御装置を備えた記憶装置であって、
前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調部と、
前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正部と
を備えたことを特徴とする記憶装置。
【請求項6】
前記速度復調部は、1セクタの前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする請求項5に記載の記憶装置。
【請求項7】
前記速度復調部は、前記サーボ情報の位相差分に基づき前記ヘッドの移動速度を復調することを特徴とする請求項5又は6に記載の記憶装置。
【請求項8】
前記速度補正部は、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、前記サーボ情報を再生した再生信号が1周期だけ異なる最も近いトラック間を前記ヘッドが移動するときの移動速度を、前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度に加算する、又は前記速度復調部により復調された前記ヘッドの復調速度から減算することによって補正することを特徴とする請求項5、6又は7に記載の記憶装置。
【請求項9】
記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調するサーボ情報復調処理手順を該記憶装置の制御装置に実行させるサーボ情報復調プログラムであって、
前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調手順と、
前記速度復調手順により復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正手順と
を制御装置に実行させることを特徴とするサーボ情報復調プログラム。
【請求項10】
記憶装置の記憶媒体からヘッドを介して読み取られたサーボ情報を復調するサーボ情報復調方法であって、
前記サーボ情報に基づき前記ヘッドの移動速度を復調する速度復調ステップと、
前記速度復調ステップにより復調された前記ヘッドの移動速度の変量が所定閾値を超えた場合に、該移動速度を補正する速度補正ステップと
を含んだことを特徴とするサーボ情報復調方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−59672(P2008−59672A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234447(P2006−234447)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】