説明

制御装置、記録システム、制御装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】記録に要する時間の長時間化を抑制しつつ、所定のシンボル画像については高い精度で記録できるようにする。
【解決手段】ホストコンピューター10は、プリンター12に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させてプリンター12に画像を記録させるプリンタードライバー実行部21を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置、制御装置と記録装置とを備える記録システム、制御装置の制御方法、及び、制御装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート等の記録媒体にバーコードを記録するバーコード印刷システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−150211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、記録媒体に記録されるバーコードは、後に光学的に読み取られることが想定されている画像であり、高い精度で記録媒体に記録されることにより、後に光学的に読み取られるときの読み取りの成功率を向上することが求められる。一般に、記録媒体を搬送しつつ、記録ヘッドによって画像を記録する記録装置では、記録に伴って発生する振動の影響、その他の記録に係る構造上の特徴に起因して、遅い記録速度で画像を記録した場合の方が、速い記録速度で画像を記録する場合と比較して、高い精度で画像を記録することができるため、遅い記録速度で画像の記録を実行することにより、バーコード等の特定のシンボル画像を高い精度で記録することは可能となるものの、できるだけ画像の記録に要する時間を長くしたくないとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、記録に要する時間の長時間化を抑制しつつ、所定のシンボル画像については高い精度で記録できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、前記記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置であって、前記記録装置に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させる記録制御部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、記録制御部は、記録媒体に記録すべき画像に所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて記録装置に画像を記録させることが可能なため、所定のシンボル画像を含む画像については、記録速度を落として画像を記録し、これにより、当該画像を高い精度で記録することが可能となる。さらに、所定のシンボル画像を含まない場合は、記録速度を落とすことなく画像の記録を実行することが可能であるため、記録に要する時間の長時間化を抑制できる。
【0006】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記記録制御部は、少なくとも、前記所定のシンボル画像を記録させる際の記録速度を変更させて、前記記録装置を制御して前記記録媒体に記録を行わせることを特徴とする。
この構成によれば、シンボル画像のみを記録速度を落として記録することが可能となり、記録速度の低下に伴う記録に要する時間の長時間化を効果的に抑制できる。
【0007】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、所定のアプリケーションを実行することにより、前記記録媒体に記録すべき画像に係る情報を含んだ記録情報データを生成するアプリケーション実行部をさらに備え、前記記録制御部は、前記アプリケーション実行部が生成した前記記録情報データに、前記記録媒体に記録すべき画像に係る情報として、前記所定のシンボル画像に係る情報が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させる制御コマンドを生成し、前記記録装置に出力することを特徴とする。
この構成によれば、記録制御部は、前記所定のシンボル画像に係る情報が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させる制御コマンドを生成し、記録装置に出力するため、記録装置は、入力された制御コマンドに基づいて、所定のシンボル画像に係る情報が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更して画像を記録できる。
また、上記のような制御コマンドを記録装置と制御装置との間でやり取り可能なように、制御プログラムや、通信のプロトコルを設定することにより、制御装置は、制御コマンドを活用して、簡易に、記録速度を変更させることができる。
【0008】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記所定のシンボル画像を含む画像を記録させる際の記録速度が入力可能なユーザーインターフェイスをさらに備え、前記記録制御部は、前記記録装置に記録させる画像に、前記所定のシンボル画像が含まれている場合は、前記所定のシンボル画像を少なくとも含む画像を記録する際の記録速度が、前記ユーザーインターフェイスに入力された記録速度となるように、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させることを特徴とする。
この構成によれば、ユーザーインターフェイスを利用して、ユーザーは、容易に所定のシンボル画像を含む画像を記録させる際の記録速度を設定できる。また、ユーザーによる設定に応じて、シンボル画像を含む画像を記録する際の記録速度を変更して、画像の記録を実行できる。
【0009】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記記録制御部は、前記記録装置に記録させる画像に、前記所定のシンボル画像が含まれている場合は、前記所定のシンボル画像を少なくとも含む画像を記録する際の記録速度が、当該所定のシンボル画像を記録するのに適した記録速度となるように、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させることを特徴とする。
この構成によれば、シンボル画像については、当該シンボル画像を記録するのに適した記録速度で記録することが可能となる。また、シンボル画像以外の画像については、記録速度を落として画像が記録されることがないため、記録に要する時間の長時間化を抑制できる。
【0010】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記記録媒体に画像を形成する記録ヘッドを備え、前記記録制御部は、前記所定のシンボル画像、及び、前記記録ヘッドにより当該所定のシンボル画像と同時並行的に記録される他の画像の全領域が一定の記録速度で記録が行われるように前記記録装置を制御することを特徴とする。
この構成によれば、記録ヘッドにより所定のシンボル画像と同時並行的に記録される他の画像については、途中で記録速度が変わることなく、全領域が一定の記録速度で記録されることとなり、途中で記録速度が変わることによるムラが発生することを効果的に防止できる。
【0011】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記所定のシンボル画像は、光学的に読み取られることが想定された画像であり、前記記録制御部は、少なくとも、前記記録装置に前記所定のシンボル画像を記録させる際の記録速度を、他の画像を記録させる際の記録速度よりも遅くさせることを特徴とする。
この構成によれば、光学的に読み取られることが想定されたシンボル画像について、記録速度を遅くして記録することにより、高い精度での記録が可能となる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録装置と、前記記録装置に接続され、前記記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置とを備える記録システムであって、前記制御装置は、前記記録装置に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させる記録制御部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、記録制御部は、記録媒体に記録すべき画像に所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて記録装置に画像を記録させることが可能なため、所定のシンボル画像を含む画像については、記録速度を落として画像を記録し、これにより、当該画像を高い精度で記録することが可能となる。さらに、所定のシンボル画像を含まない場合は、記録速度を落とすことなく画像の記録を実行することが可能であるため、記録に要する時間の長時間化を抑制できる。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置の制御方法であって、前記記録装置に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かを判別し、判別結果に応じて、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させる記録制御部を備えることを特徴とする。
この制御方法によれば、記録媒体に記録すべき画像に所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて記録装置に画像を記録させることが可能なため、所定のシンボル画像を含む画像については、記録速度を落として画像を記録し、これにより、当該画像を高い精度で記録することが可能となる。さらに、所定のシンボル画像を含まない場合は、記録速度を落とすことなく画像の記録を実行することが可能であるため、記録に要する時間の長時間化を抑制できる。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、前記記録装置に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させる記録制御部として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、記録媒体に記録すべき画像に所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて記録装置に画像を記録させることが可能なため、所定のシンボル画像を含む画像については、記録速度を落として画像を記録し、これにより、当該画像を高い精度で記録することが可能となる。さらに、所定のシンボル画像を含まない場合は、記録速度を落とすことなく画像の記録を実行することが可能であるため、記録に要する時間の長時間化を抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、記録に要する時間の長時間化を抑制しつつ、所定のシンボル画像については高い精度で記録できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係る記録システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】記録システムにより発行されるクーポンを模式的に示す図である。
【図3】各種記録速度を設定するためのユーザーインターフェイスを示す図。
【図4】ホストコンピューターの動作を示すフローチャートである。
【図5】制御コマンドの内容を示す図である。
【図6】プリンターの動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係るホストコンピューターの動作を示すフローチャート。
【図8】第3実施形態に係るホストコンピューターが生成する制御コマンド。
【図9】クーポンの別の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る記録システム1の機能的構成を示すブロック図である。
記録システム1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に適用され、所定のクーポン5(図2)を発行するシステムである。
この記録システム1により発行されたクーポン5は、例えば、当該システムが適用された店舗のレジにおいて、購入した商品の支払いが終了した顧客に対し、レシートと共に引き渡される。
図1に示すように、記録システム1は、ホストコンピューター10(制御装置)と、プリンター12(記録装置)とを備えている。
【0018】
ホストコンピューター10は、制御部15と、表示部16と、入力部17と、インターフェイス部18と、記憶部19と、を備えている。
制御部15は、ホストコンピューター10の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
図1に示すように、制御部15は、POSアプリケーション実行部20と、プリンタードライバー実行部21(記録制御部)とを備えているが、これらについては、後述する。
【0019】
表示部16は、液晶ディスプレーパネルや、有機ELパネル等の表示パネル16aを備え、制御部15の制御の下、表示パネル16aに各種情報を表示する。
入力部17は、キーボードや、マウス、バーコードリーダー、カードリーダー等の入力デバイスに接続され、これら入力デバイスの出力信号を制御部15に出力する。バーコードリーダーは商品の包装紙等に記録されたバーコードの読み取りに利用され、カードリーダーはクレジットカードや、会員カード等に記録された情報の読み取りに利用される。
なお、記録システム1は、顧客が購入した商品や、顧客の属性(会員であるか否か等)に応じて、顧客に引き渡すために発行されるクーポン5の内容が異なる構成となっており、バーコードリーダーやカードリーダー等の入力デバイスを用いて取得した情報は、クーポン5の発行に係る処理に用いられる。
インターフェイス部18は、制御部15の制御の下、プリンター12との間で通信規格に準拠した通信を行う。
記憶部19は、各種データを書き換え可能に記憶するものであり、ハードディスクや、EEPROM等の不揮発性メモリーを備えている。
【0020】
一方、プリンター12は、ロール状に巻かれた感熱ロール紙(記録媒体)を、ローラー状のプラテンにより搬送し、この感熱ロール紙の記録面に、発熱素子を備えたラインサーマルヘッド25(記録ヘッド)によって熱を与えることにより画像を記録した上で、所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、クーポン5を発行するサーマルプリンターである。
図1に示すように、プリンター12は、プリンター側制御部30と、プリンター側表示部31と、プリンター側入力部32と、プリントエンジン33と、プリンター側記憶部34と、送受信制御部35と、受信バッファー36と、を備えている。
プリンター側制御部30は、プリンター12を中枢的に制御するものであり、上述した制御部15と同様、CPUやROM、RAMその他の周辺回路等を備えている。
プリンター側表示部31は、プリンター12の動作状態等の各種情報を表示するためのLEDや、液晶パネル、有機ELパネル等の表示パネル(不図示)を備え、プリンター側制御部30の制御の下、当該表示パネルに各種情報を表示する。
プリンター側入力部32は、プリンター12に設けられた各種操作スイッチに接続され、操作スイッチに対する操作を検出し操作信号としてプリンター側制御部30に出力する。
プリントエンジン33は、プリンター側制御部30の制御の下、用紙端センサーや用紙残量センサー等の各種センサーの検出値を監視しながら、上述したラインサーマルヘッド25のほか、感熱ロール紙を搬送するプラテンローラーを駆動するための搬送モーターや、所定の位置で感熱ロール紙を切断するためのカッター機構が備えるカッターを駆動するためのカッター駆動モーターを動作させて、感熱ロール紙に画像を記録し、画像を記録した感熱ロール紙を切断することによりクーポン5を発行する。
プリンター側記憶部34は、不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。プリンター側記憶部34には、設定情報データ37が記憶されているが、これについては後述する。
送受信制御部35は、ホストコンピューター10との間で所定のプロトコルに準拠した通信を行う。特に、送受信制御部35は、ホストコンピューター10から送信される信号を受信し、受信した信号を復調(デコード)してコマンドやデータを生成し、受信バッファー36に順次記憶する。
受信バッファー36は、送受信制御部35が出力したコマンドやデータを順次記憶する一時記憶装置である。受信バッファー36には、送受信制御部35がホストコンピューター10から受信したコマンドが、受信した順に格納される。この受信バッファー36に記憶されているコマンドやデータは、プリンター側制御部30によって、基本的に、受信した順に読み出されて、実行される。
【0021】
図2は、本実施形態に係る記録システム1によって発行されるクーポン5の一例を模式的に示す図である。
本実施形態では、記録システム1によって発行されるクーポン5には、図2に示すようなバーコードの画像が記録されるものと、バーコードの画像が記録されないものと、の2種類が存在している。
なお、クーポン5に記録されたバーコードは、ホストコンピューター10がクーポン5の内容に対応する処理を実行するための識別コードであり、例えば、クーポン5が、所定の金額を差し引くことを内容とするものである場合、会計の際にバーコードリーダーによって当該クーポン5のバーコードが読み取られ、その旨の信号がホストコンピューター10に入力された場合、ホストコンピューター10は、購入金額から所定の金額を差し引く処理を実行する。
図2に一例として示すクーポン5では、その上部にトップロゴ40が記録される。このトップロゴ40の下方には、クーポン5の内容を示すクーポン情報画像41が記録される。このクーポン情報画像41の下方には、当該クーポン5に対応するバーコードの画像であるバーコード画像42が記録される。
【0022】
次いで、POSアプリケーション実行部20、及び、プリンタードライバー実行部21(記録制御部)の動作の説明を通して、図2に一例として示したクーポン5(バーコード画像42が記録されるクーポン5)を発行する場合における記録システム1の基本的な動作を説明する。
POSアプリケーション実行部20は、ホストコンピューター10に予めインストールされたPOSアプリケーションを実行することにより、クーポン5に記録すべき画像に係る情報を含む記録情報データを生成し、プリンタードライバー実行部21に出力する。
記録情報データとは、クーポン5の所定の位置に所定の画像が適切に記録されるように、画像に関する各種情報が、プリンタードライバー実行部21(後述)によって解析可能な様式で保持されたデータのことである。
具体的には、図2に示すクーポン5に係る記録情報データには、トップロゴ40として記録すべき画像を示すデータや、クーポン5の記録可能領域においてトップロゴ40が記録されるべき位置を示すデータ、トップロゴ40の大きさを示すデータが含まれる。
また、記録情報データには、クーポン5の記録可能領域においてクーポン情報画像41が記録されるべき位置を示すデータや、クーポン情報画像41に記録されるべき文字列を示すデータが含まれる。文字列に含まれる各文字は、所定の文字コードとして表現される。
さらに、図2のクーポン5のように、バーコード画像42が記録されるクーポン5に係る記録情報データには、クーポン5の記録可能領域におけるバーコード画像42の位置、大きさを示すデータのほか、記録されるべきバーコードを特定するデータが含まれる。当該データにおいて、バーコードは、当該バーコードを示す文字列と、バーコードフォントの種類との組み合わせによって特定されている。バーコードフォントとは、バーコードの各種規格に対応するフォントであり、その種類としては、例えば、JAN8(EAN)、JAN13(EAN)、CODE39、CODE93、CODE128(EAN)、ITF、CODABAR等がある。
【0023】
プリンタードライバー実行部21は、ホストコンピューター10に予めインストールされたプリンタードライバーを実行することにより、POSアプリケーション実行部20から入力された記録情報データに基づいて、プリンター12のコマンド仕様に対応した制御コマンドを生成し、プリンター側制御部30に出力する。
制御コマンドは、プリンター12にクーポン5の発行に係る一連の処理を実行させるためのコマンドであり、搬送機構に感熱ロール紙を搬送させるコマンドや、ラインサーマルヘッド25を駆動させるコマンド、切断機構に感熱ロール紙を切断させるコマンド等が含まれている。
ここで、図2に示すクーポン5の発行に係る制御コマンドには、少なくとも、トップロゴ40の記録を行わせるロゴ記録コマンド、クーポン情報画像41の記録を行わせるクーポン情報記録コマンド、及び、バーコード画像42の記録を行わせるバーコード記録コマンドの3つのコマンドが含まれている。これら記録コマンドは、所定の位置に所定の態様で所定の画像が記録されるようにラインサーマルヘッド25や、搬送機構を駆動させるコマンドである。
特に、バーコード記録コマンドには、バーコード画像42を示す画像データ(例えば、ビットマップデータ)が含まれている。プリンタードライバーには、バーコードを示す文字列と、バーコードフォントの種類との組み合わせに基づいて、当該バーコードを示す画像データを生成する機能を有するプログラムが含まれており、プリンタードライバー実行部21は、POSアプリケーション実行部20から入力された記録情報データに含まれるバーコードを示す文字列、及び、バーコードフォントの種類に基づいて、バーコード画像42を示す画像データを生成する。
【0024】
プリンタードライバー実行部21からプリンター12へ出力された制御コマンドに含まれる各コマンドは、送受信制御部35により、受信バッファー36に順次格納される。
プリンター側制御部30は、プリンター側記憶部34に記憶された設定情報データ37を参照した上で、受信バッファー36に格納された制御コマンドを、順次、読み出して実行することにより、クーポン5の発行を実行する。
設定情報データ37とは、プリンター12の記録に関する設定情報(設定値)が記述されたデータのことである。
記録に関する設定情報とは、例えば、記録濃度や、感熱ロール紙のロール紙幅等の画像の記録に関連する各種設定のことである。特に、設定情報データ37には、記録速度(後述)を示す基本記録速度情報38が記憶されている。
制御コマンドが入力されたプリンター側制御部30は、クーポン5の発行に際し、設定情報データ37に記述された各種設定情報が反映された状態でクーポン5を発行するべく、設定情報データ37を参照した上で、制御コマンドに基づいて各部を制御し、クーポン5を発行する。特に、詳細は後述するが、プリンター側制御部30は、基本記録速度情報38が示す記録速度に準拠したスピードで、画像の記録を実行する。
【0025】
ところで、クーポン5に記録されるバーコードは、バーコードリーダー等の光学読取装置により、後に光学的に読み取られることが想定された画像である。従って、高い精度でクーポン5に記録されることにより、光学的な読み取りの成功率を向上することが求められる。
また、クーポン5は、店舗のレジにおいて顧客に引き渡されるものである。従って、クーポン5を受け取る顧客は、クーポン5の発行が完了するまでの間待機する必要がある。このため、クーポン5の発行に係る処理、特に、クーポン5の発行に際して行われる感熱ロール紙への画像の記録に係る処理に要する時間をできるだけ短縮したいとするニーズがある。
以上を踏まえ、本実施形態に係る記録システム1では、以下の動作を実行する。
【0026】
図3は、プリンタードライバー実行部21により提供されるユーザーインターフェイスの一例を示す図である。図3に示すユーザーインターフェイスは、所定のOSによって提供されるGUI環境を利用して表示パネル16aに表示される。
図3(A)は、基本記録速度を入力するためのユーザーインターフェイスである基本記録速度入力ウインドウ50を示している。
記録速度とは、プリンター12が感熱ロール紙に画像を記録する際の動作の速さのことである。本実施形態に係るプリンター12では、ラインサーマルヘッド25の駆動の速さ(ラインサーマルヘッド25の発熱素子が駆動するタイミングの周期)や、ラインサーマルヘッド25の駆動に付随して動作する機構、装置の動作の速さが可変とされ、これに応じて、記録速度が調整可能となっている。同一の画像については、記録速度が速いほど、当該画像の記録に要する時間が短く、一方、記録速度が遅いほど、当該画像の記録に要する時間が長くなる。
また、基本記録速度とは、クーポン5を発行する際の基準となる記録速度のことであり、後述する例外を除き、プリンター12は、設定された基本記録速度に準拠したスピードで、画像の記録を実行する。
【0027】
上述したように、プリンター12は、ラインサーマルヘッド25を備えている。このラインサーマルヘッド25には、所定の解像度に準拠して複数の発熱素子が列をなして並んで配列されている。そして、感熱ロール紙への画像の記録は、各発熱素子が通電により所定のタイミングで適宜発熱し、当該発熱に伴って、画素が感熱ロール紙に形成されることにより、実行される。
ここで、発熱素子は、通電されているか否かに応じて発熱状態(発熱素子の温度が所定の温度よりも高く感熱ロール紙に画素を形成可能な状態)と、非発熱状態(発熱素子の温度が所定の温度よりも低く感熱ロール紙に画素が形成された状態)との2つの状態のいずれかの状態となるが、発熱素子の駆動タイミングの周期が短ければ短いほど、換言すれば、記録速度が速ければ速いほど、発熱状態と非発熱状態との間で移行がスムーズに行われない可能性が高まり、これに伴って、感熱ロール紙に形成される画像のムラや、不必要な画素の形成、ドット落ち等が発生する可能性が高くなる。また、記録速度が速い場合、遅い場合と比較して、発生する振動が大きいと言うことができ、この振動の大きさに起因して、記録速度が速い場合は、比較的、記録される画像の精度が低い(画像の再現性が低い)と言うことができる。つまり、記録速度が速ければ速いほど、記録される画像の精度が落ち、一方、記録速度が遅ければ遅いほど、記録される画像の精度が高まる。
【0028】
図3(A)に示す基本記録速度入力ウインドウ50では、ユーザーは、基本記録速度を設定可能である。
具体的には、本実施形態では、記録速度がその速さに応じて13段階に区分されており、ユーザーは、基本記録速度入力ウインドウ50において、13段階に区分された記録速度のうち、1の段階の記録速度を選択することにより、基本記録速度を設定できる。
図3(A)の例を利用して説明すると、基本記録速度入力ウインドウ50では、ウインドウ内に「1st」(最も速い記録速度)〜「13th」(最も遅い記録速度)の13個の項目が表示されており、これら13個の項目のいずれか1つの項目に排他的にカーソルを合わせることができるようになっている。
そして、ユーザーは、自身が基本記録速度として設定したい記録速度に対応する項目にカーソルを合わせた上で、OKボタン51をクリックすることにより、基本記録速度を設定する。
【0029】
基本記録速度入力ウインドウ50を利用してユーザーが設定した基本記録速度は、プリンター12のプリンター側記憶部34に記憶された設定情報データ37の基本記録速度情報38に以下のようにして反映され、また、この基本記録速度情報38は画像の記録に際し、以下のように利用される。
すなわち、ユーザーが基本記録速度入力ウインドウ50を利用して基本記録速度を設定すると、プリンタードライバー実行部21は、プリンター側記憶部34に記憶された設定情報データ37の基本記録速度情報38が、ユーザーにより設定された基本記録速度を示す情報となるように、基本記録速度情報38の内容を書き換えさせる処理を実行させるコマンドを生成し、プリンター側制御部30に出力する。
当該コマンドが入力されたプリンター側制御部30は、プリンター側記憶部34を制御して、設定情報データ37の基本記録速度情報38が、ユーザーが設定した基本記録速度を示す情報となるように、基本記録速度情報38の内容を書き換える。
設定情報データ37の基本記録速度情報38の内容が書き換えられた後、プリンター側制御部30は、クーポン5の発行に伴って感熱ロール紙に画像を記録する際、設定情報データ37の基本記録速度情報38を参照し、基本記録速度情報38が示す記録速度に準拠したスピードで、画像の記録を実行する。
なお、図3(A)では、「プリンターの設定に従う」という項目が選択可能となっている。当該項目を選択した場合は、設定情報データ37の基本記録速度情報38の内容の書き換えが行われず、現時点での基本記録速度情報38が示す記録速度の準拠した画像の記録が行われる。
このように、本実施形態では、速さに応じて13段階に区分された記録速度のうち、1の記録速度を基本記録速度として設定可能となっている。基本的には、ユーザーは、画像の精度と、顧客の待機時間との兼ね合いを考慮した上で、できるだけ記録に要する時間の短縮化が図れる値となるように基本記録速度を設定する。
【0030】
図3(B)は、バーコードが記録されたクーポン5を発行する際の記録速度を設定するためのユーザーインターフェイスであるバーコード記録速度入力ウインドウ53を示している。以下、説明の便宜のため、バーコードが記録されたクーポン5を発行する際の記録速度を「バーコード記録速度」という。
上述したように、バーコード画像42は光学的に読み取ることが想定された画像であるため、当該画像についてはある程度の精度をもって記録され、これにより、高い精度で光学的に読み取り可能な状態とされることが求められている。従って、バーコード画像42については、画像の記録に要する時間の短さよりも、画像の精度の高さが優先される。
これを踏まえ、詳細は後述するが、本実施形態では、バーコード画像42が記録されるクーポン5と、バーコード画像42が記録されないクーポン5とによって、記録速度を変えて画像の記録が可能な構成となっており、例えば、バーコード画像42が記録されないクーポン5については、できるだけ速い記録速度で画像の記録を行う一方、バーコード画像42が記録されるクーポン5については、記録速度を落として画像の記録を行うことにより高い精度でバーコード画像42を記録できるようになっている。
【0031】
そして、バーコード記録速度入力ウインドウ53は、バーコード画像42が記録されるクーポン5を発行するときに適用する記録速度(バーコード記録速度)を設定するためのユーザーインターフェイスである。
ユーザーは、このバーコード記録速度入力ウインドウ53を利用して、速さに応じて13段階に区分された記録速度の中から1の記録速度を選択することにより、バーコード記録速度を設定可能である。バーコード記録速度の設定の方法は、上述した基本記録速度入力ウインドウ50における基本記録速度の設定の方法と同様である。
なお、ユーザーは、バーコード記録速度入力ウインドウ53によりバーコード記録速度を設定する際は、バーコード記録速度を、少なくともバーコード画像42が、後に高い精度で光学的に読み取られるような状態でクーポン5に記録されるような速度に設定する。これにより、バーコード画像42が記録されるクーポン5の記録速度が不必要に遅くなることを防止できる。このように、ユーザーによりバーコード記録速度が設定される結果、基本的には、基本記録速度よりもバーコード記録速度が遅く設定される。これは、バーコード画像42を含まないクーポン5については、光学的に読み取られる必要がなく、比較的、クーポン5の発行に要する時間の短縮化が重要視されるからである。
バーコード記録速度入力ウインドウ53によってバーコード記録速度が入力された場合、その入力の内容は、プリンター12のプリンター側記憶部34の設定情報データ37のバーコード記録速度情報39に以下のように反映される。
すなわち、ユーザーがバーコード記録速度入力ウインドウ53を利用して、バーコード記録速度を入力すると、プリンタードライバー実行部21は、プリンター12のプリンター側記憶部34に記憶された設定情報データ37のバーコード記録速度情報39が、ユーザーにより設定されたバーコード記録速度を示す情報となるように、バーコード記録速度情報39の内容を書き換えさせる処理を実行させるコマンドを生成し、プリンター側制御部30に出力する。
当該コマンドが入力されたプリンター側制御部30は、プリンター側記憶部34を制御して、設定情報データ37のバーコード記録速度情報39が、ユーザーが設定したバーコード記録速度を示す情報となるように、バーコード記録速度情報39の内容を書き換える。
このバーコード記録速度情報39の利用の態様については、後述する。
【0032】
次いで、クーポン5を発行する際のホストコンピューター10の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
なお、図4のフローチャートの前提として、POSアプリケーション実行部20により、発行すべきクーポン5に係る記録情報データが生成されているものとする。
また、ユーザーは、クーポン5の発行に際し、プリンタードライバーの機能により、基本記録速度入力ウインドウ50、及び、バーコード記録速度入力ウインドウ53を利用して、基本記録速度、及び、バーコード記録速度の双方を設定するものとする。
【0033】
まず、ユーザーによる基本記録速度入力ウインドウ50を利用した基本記録速度の設定に応じて、ホストコンピューター10の制御部15のプリンタードライバー実行部21は、ユーザーによって設定された基本記録速度を示す情報を取得する(ステップSA1)。
次いで、プリンタードライバー実行部21は、ステップSA1で取得した基本記録速度を示す情報に基づいて、プリンター側記憶部34に記憶された設定情報データ37に含まれる基本記録速度情報38が、ユーザーによって設定された基本記録速度を示す情報となるように、基本記録速度情報38の内容を書き換えさせる処理を実行させるコマンド(以下、「基本記録速度情報書換コマンド」という)を生成し、プリンター12に出力する(ステップSA2)。
上述したように、基本記録速度情報書換コマンドが入力されたプリンター側制御部30は、当該コマンドに基づいて、基本記録速度情報38が、ユーザーによって設定された基本記録速度を示す情報となるように、基本記録速度情報38の内容を書き換える。
次いで、ユーザーによるバーコード記録速度入力ウインドウ53を利用したバーコード記録速度の設定に応じて、プリンタードライバー実行部21は、ユーザーによって設定されたバーコード記録速度を示す情報を取得する(ステップSA3)。
【0034】
次いで、プリンタードライバー実行部21は、ステップSA3で取得したバーコード記録速度を示す情報に基づいて、プリンター側記憶部34に記憶された設定情報データ37に含まれるバーコード記録速度情報39が、ユーザーによって設定されたバーコード記録速度を示す情報となるように、バーコード記録速度情報39の内容を書き換えさせる処理を実行させるコマンド(以下、「バーコード記録速度情報書換コマンド」という)を生成し、プリンター12に出力する(ステップSA4)。
上述したように、バーコード記録速度情報書換コマンドが入力されたプリンター側制御部30は、当該コマンドに基づいて、バーコード記録速度情報39が、ユーザーによって設定されたバーコード記録速度を示す情報となるように、バーコード記録速度情報39の内容を書き換える。
【0035】
次いで、プリンタードライバー実行部21は、POSアプリケーション実行部20が生成した記録情報データを取得する(ステップSA5)。
次いで、プリンタードライバー実行部21は、取得した記録情報データを分析し、クーポン5に記録すべき画像に、バーコード画像42が含まれているか否かを判別する(ステップSA6)。
上述したように、記録情報データにおいて、バーコードは、当該バーコードを示す文字列と、バーコードフォントの種類との組み合わせによって特定されているため、プリンタードライバー実行部21は、記録情報データに、当該バーコードを示す文字列と、バーコードフォントの種類との組み合わせを示すデータが含まれているか否かを判別することにより、クーポン5に記録すべき画像に、バーコード画像42が含まれているか否かを判別する。
クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれている場合(ステップSA6:YES)、プリンタードライバー実行部21は、記録すべき画像にバーコード画像42が含まれている場合に対応した制御コマンドを生成し、プリンター12に出力する(ステップSA7)。一方、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれていない場合(ステップSA6:NO)、プリンタードライバー実行部21は、記録すべき画像にバーコード画像42が含まれていない場合に対応した制御コマンドを生成し、プリンター12に出力する(ステップSA8)。
以下、ステップSA7、及び、ステップSA8の動作について、詳述する。
【0036】
図5は、制御コマンドの内容を示す図であり、(A)は、ステップSA7の処理によって生成される制御コマンド、つまり、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれている場合に生成される制御コマンドの内容を示し、(B)は、ステップSA8の処理によって生成される制御コマンド、つまり、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれていない場合に生成される制御コマンドの内容を示している。
なお、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれていない場合は、クーポン5には、トップロゴ40、及び、クーポン情報画像41のみが記録されるものとする。
また、図5では、制御コマンドとして、画像の記録に係るコマンド、具体的には、上述した、ロゴ記録コマンド、クーポン情報記録コマンド、及び、バーコード記録コマンドのみを示しているが、これらコマンドの他に、制御コマンドには、感熱ロール紙を搬送させるコマンドや、切断機構により感熱ロール紙を切断させるコマンド等が含まれている。
【0037】
図5(A)に示すように、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれている場合(ステップSA6:YES)、プリンタードライバー実行部21は、画像の記録に係るコマンドに先んじて、速度調整コマンドを生成し、出力する(ステップSA7)。
速度調整コマンドは、クーポン5に係る画像の記録に際し、設定情報データ37の基本記録速度情報38ではなく、バーコード記録速度情報39を参照し、当該バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準拠したスピードで画像の記録を行うことを指示するコマンドである。
速度調整コマンドが入力されたプリンター側制御部30は、設定情報データ37が保持する各種設定情報のうち、記録速度に関しては、参照する情報を、基本記録速度情報38からバーコード記録速度情報39へと切り替え、以後のクーポン5(バーコード画像42が記録されたクーポン5)への画像の記録については、バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準拠したスピードで実行する。
図5(A)に示すように、プリンタードライバー実行部21は、速度調整コマンドに続けて、ロゴ記録コマンド、クーポン情報記録コマンド、及び、バーコード記録コマンドを、順次、生成し、出力する。これらコマンドに伴って、各種画像が記録される際は、バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準拠したスピードで画像の記録が実行される。上述したように、バーコード記録速度情報39が示す記録速度は、ユーザーによって、少なくともバーコード画像42が、後に高い精度で光学的に読み取られるような状態でクーポン5に記録されるような速度に設定されているため、発行されるクーポン5に記録されたバーコード画像42については、高い精度で記録され、かつ、高い精度で光学的な読み取りが可能である。
【0038】
一方、図5(B)に示すように、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれていない場合(ステップSA6:NO)、プリンタードライバー実行部21は、速度調整コマンドを出力することなく、ロゴ記録コマンド、及び、クーポン情報記録コマンドを順次生成し、出力する(ステップSA8)。
この場合、トップロゴ40、及び、クーポン情報画像41の記録に際し、プリンター側制御部30は、設定情報データ37の基本記録速度情報38を参照し、基本記録速度情報38が示す記録速度に準拠したスピードで画像の記録を実行する。上述したように、ユーザーは、画像の記録の精度と、顧客の待機時間との兼ね合いを考慮した上で、できるだけ記録に要する時間の短縮化が図れる値となるように基本記録速度を設定しているため、当該クーポン5(バーコード画像42が記録されていないクーポン5)については、発行に要する時間を短縮化した上で、クーポン5の発行が可能となる。
【0039】
次いで、図6のフローチャートを用いて、図5(A)に示す制御コマンド、すなわち、クーポン5に記録される画像にバーコード画像42が含まれる場合に対応した制御コマンドを受信したプリンター12の動作について説明する。なお、以下の説明では、感熱ロール紙を搬送する処理や、感熱ロール紙を切断する処理等、画像の記録に係る処理以外の処理については、省略するものとする。
プリンター12のプリンター側制御部30は、制御コマンドに含まれる速度調整コマンドを読み取る(ステップSB1)。
次いで、プリンター側制御部30は、記録速度に関し、参照する情報を、基本記録速度情報38から、バーコード記録速度情報39へと切り替える(ステップSB2)。
次いで、プリンター側制御部30は、ホストコンピューター10から入力されたロゴ記録コマンドに基づいて、バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準拠したスピードで、トップロゴ40を記録する(ステップSB3)。
次いで、プリンター側制御部30は、ホストコンピューター10から入力されたクーポン情報記録コマンドに基づいて、バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準拠したスピードで、クーポン情報画像41を記録する(ステップSB4)。
次いで、プリンター側制御部30は、ホストコンピューター10から入力されたバーコード記録コマンドに基づいて、バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準拠したスピードで、バーコード画像42を記録する(ステップSB5)。
このように、記録される画像にバーコード画像42が含まれるクーポン5については、バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準拠したスピードで画像の記録が実行され、これにより、バーコード画像42が高い精度で光学的な読み取りができる状態となる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係るホストコンピューター10のプリンタードライバー実行部21は、プリンター12に記録させる画像に、バーコード画像42(所定のシンボル画像)が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させてプリンター12に画像を記録させる。
これによれば、プリンタードライバー実行部21は、記録媒体たる感熱ロール紙に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させてプリンター12に画像を記録させることが可能なため、バーコード画像42を含む画像については、記録速度を落として画像を記録し、これにより、当該画像を高い精度で記録することが可能となる。さらに、バーコード画像42を含まない場合は、記録速度を落とすことなく画像の記録を実行することが可能であるため、記録に要する時間の長時間化を抑制できる。
【0041】
また、本実施形態に係るホストコンピューター10は、POSアプリケーションを実行することにより、感熱ロール紙に記録すべき画像に係る情報を含んだ記録情報データを生成するPOSアプリケーション実行部20を備えている。そして、プリンタードライバー実行部21は、POSアプリケーション実行部20が生成した記録情報データに、バーコードを示す文字列と、バーコードフォントの種類との組み合わせを示すデータが含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させる制御コマンド(速度調整コマンド)を生成し、プリンター12に出力する。
これによれば、プリンタードライバー実行部21は、記録情報データに、バーコードを示す文字列と、バーコードフォントの種類との組み合わせを示すデータが含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させる制御コマンドを生成し、プリンター12に出力するため、プリンター12は、入力された制御コマンドに基づいて、バーコード画像42が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更して画像を記録できる。
また、上記のような制御コマンドをホストコンピューター10とプリンター12との間でやり取り可能なように、制御プログラムや、通信のプロトコルを設定することにより、ホストコンピューター10は、制御コマンドを活用して、簡易に、記録速度を変更させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、プリンタードライバーの機能により、バーコード画像42を含む画像を記録させる際の記録速度が入力可能なユーザーインターフェイスであるバーコード記録速度入力ウインドウ53が表示パネル16aに表示可能である。そして、プリンタードライバー実行部21は、クーポン5に記録されるべき画像に、バーコード画像42が含まれている場合は、当該クーポン5に係る画像を記録する際の記録速度が、バーコード記録速度入力ウインドウ53を利用して設定された記録速度となるように、記録速度を変更させてプリンター12に画像を記録させる。
これによれば、ユーザーインターフェイスたるバーコード記録速度入力ウインドウ53を利用して、ユーザーは、容易にバーコード画像42を含む画像を記録させる際の記録速度を設定できる。また、ユーザーによる設定に応じて、バーコード画像42を記録する際の記録速度を変更して、画像の記録を実行できる。
【0043】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
上述した第1実施形態に係る記録システム1では、バーコード記録速度をユーザーが設定する構成であった。一方、本実施形態に係る記録システム1では、バーコード記録設定をユーザーが設定する必要はなく、バーコード画像42が記録されるクーポン5については、自動で、適切な記録速度が算出された上で、算出された記録速度に準じて画像の記録が実行される。
このような構成のため、プリンタードライバーは、ユーザーがバーコード記録速度を入力するためのユーザーインターフェイスであるバーコード記録速度入力ウインドウ53を表示する機能を有しておらず、また、ユーザーは、バーコード記録速度入力ウインドウ53を利用して明示的にバーコード記録速度を入力する必要がない。これにより、プリンタードライバーの開発容易性の向上、及び、ユーザーの利便性の向上が図られている。
【0044】
図7は、本実施形態に係るホストコンピューター10の動作を示すフローチャートである。
図7では、1つのクーポン5を発行する際のホストコンピューター10の動作を示しており、動作の開始時点では、既に、POSアプリケーション実行部20により当該クーポン5に係る記録情報データが生成されているものとする。
ホストコンピューター10のプリンタードライバー実行部21は、POSアプリケーション実行部20が生成した記録情報データを取得する(ステップSC1)。
次いで、プリンタードライバー実行部21は、記録情報データに、バーコードに係るデータが含まれているか否かを判別することにより、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれているか否かを判別する(ステップSC2)。
バーコード画像42が含まれていない場合(ステップSC2:NO)、プリンタードライバー実行部21は、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれていない場合に対応した制御コマンドを生成し、プリンター12に出力する(ステップSC3)。このステップSC3の動作は、図4のステップSA8の動作と同様であるため、詳細な説明を省略するが、ステップSC3では、クーポン5に記録される画像のそれぞれは、基本記録速度情報38が示す記録速度に準じて記録される。つまり、ユーザーが、顧客の待機時間を短縮すべく、記録される画像の精度との兼ね合いを考慮した上でできるだけ早く設定した記録速度に準じて画像が記録される。
【0045】
一方、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれている場合(ステップSC2:YES)、プリンタードライバー実行部21は、当該バーコード画像42を記録するのに最適な記録速度を算出する(ステップSC4)。
ここで、バーコードフォントによって、バーコードの形状の特徴、傾向は異なり、また、バーコード画像42の大きさにより、画像の記録に必要な精度(求められる画像の再現性)は異なる。これを踏まえ、事前の実験、シミュレーションにより、バーコードフォント、及び、バーコード画像42の大きさに基づいて、最適な記録速度を算出するアルゴリズムを有するプログラムが開発され、プリンタードライバーに組み込まれており、プリンタードライバー実行部21は、当該アルゴリズムに基づいて、記録速度を算出する。
次いで、プリンタードライバー実行部21は、ステップSC4で算出した記録速度を示す情報に基づいて、プリンター側記憶部34に記憶された設定情報データ37に含まれるバーコード記録速度情報39が、ステップSC4で算出した記録速度を示す情報となるように、バーコード記録速度情報39の内容を書き換えさせる処理を実行させるコマンドを生成し、プリンター12に出力する(ステップSC5)。なお、プリンター12のプリンター側制御部30は、当該コマンドに基づいて、バーコード記録速度情報39の内容を書き換える。
次いで、プリンタードライバー実行部21は、クーポン5に記録すべき画像にバーコード画像42が含まれている場合に対応した制御コマンドを生成し、プリンター12に出力する(ステップSC6)。このステップSC6の動作は、図4のステップSA7の動作と同様であるため、詳細な説明を省略するが、ステップSC6では、クーポン5に記録される画像のそれぞれは、バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準じて記録される。つまり、バーコード画像42が高い精度で記録され、これにより、高い読み取り精度を有した状態となる、という観点から算出された最適な記録速度でバーコード画像42が記録されることとなる。
【0046】
なお、上述したように、記録速度が遅い場合の方が、速い場合よりも、高い精度での画像の記録が可能である。従って、ステップSC4で算出される記録速度が、基本記録速度よりも遅い値である場合にこそ、高い精度でのバーコード画像42の記録、及び、記録に要する時間の長時間化の抑制の双方を実現できる。
これを踏まえ、ステップSC4において、プリンタードライバー実行部21は、算出された記録速度と、基本記録速度とを比較し、算出された記録速度が基本記録速度よりも速い場合は、バーコード記録速度の値を、算出された記録速度の値とせずに、基本記録速度と同一の値とするようにしてもよい。
この場合、プリンタードライバー実行部21は、基本記録速度が、バーコード画像42を適切に記録可能な記録速度よりも速い場合に、バーコード画像42が記録されるクーポン5に画像を記録するときの記録速度を、バーコード画像42が記録されないクーポン5に画像を記録するときの記録速度よりも遅くすることにより、バーコード画像42の記録の精度を向上していることとなる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態では、プリンタードライバー実行部21は、プリンター12に記録させる画像に、バーコード画像42が含まれている場合は、バーコード画像42を少なくとも含む画像を記録する際の記録速度が、当該バーコード画像42を記録するのに適した記録速度となるように、記録速度を変更させてプリンター12に画像を記録させる。
これによれば、バーコード画像42を含むクーポン5については、当該バーコード画像42を記録するのに適した記録速度で記録することが可能となる。また、バーコード画像42含まないクーポン5については、記録速度を落として画像が記録されることがないため、記録に要する時間の長時間化を抑制できる。
【0048】
また、本実施形態では、バーコード画像42は、光学的に読み取られることが想定された画像であり、プリンタードライバー実行部21は、バーコード画像42が記録されるクーポン5に対して画像を記録させる際の記録速度を、バーコード画像42が記録されないクーポン5に対して画像を記録させる際の記録速度よりも遅くさせる。
これによれば、光学的に読み取られることが想定されたバーコード画像42について、記録速度を遅くして記録することにより、高い精度での記録が可能となる。
【0049】
<第3実施形態>
次いで、第3実施形態に係る記録システム1について説明する。
本実施形態では、第1実施形態に係る記録システム1と、図4のステップSA7の動作が相違している。
以下、本実施形態に係るホストコンピューター10の図4のステップSA7における動作について詳述する。
【0050】
図8は、本実施形態に係るホストコンピューター10のプリンタードライバー実行部21が、ステップSA7において生成する制御コマンドの内容を模式的に示す図である。
上述した第1実施形態に係るプリンタードライバー実行部21は、ステップSA7において、ロゴ記録コマンド、クーポン情報記録コマンド、及び、バーコード記録コマンドに先んじて速度調整コマンドを出力することにより、クーポン5に記録される画像の全てをバーコード記録速度情報39が示す記録速度に準じて記録させ、これにより、バーコード画像42の精度の向上を実現していた。一方で、本実施形態では、トップロゴ40、及び、クーポン情報画像41については、基本記録速度に準じて画像の記録を行わせ、一方、バーコード画像42についてのみ、バーコード記録速度に準じて画像の記録を行わせ、これにより、画像の記録に要する時間の短縮化を実現している。なお、上述したように、画像の記録に要する時間の長時間化の抑制、及び、高い精度でのバーコード画像42の記録の実現、という観点から、基本記録速度の方が、バーコード記録速度よりも速く設定されている。
【0051】
図8を参照し、ステップSA7において、プリンタードライバー実行部21は、速度調整コマンドを出力することなく、ロゴ記録コマンド、及び、クーポン情報記録コマンドを出力する。これにより、トップロゴ40、及び、クーポン情報画像41については、プリンター側制御部30により、設定情報データ37の基本記録速度情報38が参照され、基本記録速度情報38が示す記録速度に準じたスピードで画像の記録が実行される。
そして、プリンタードライバー実行部21は、クーポン情報記録コマンドの出力後に、臨時速度調整コマンドを出力し、この臨時速度調整コマンドに続けてバーコード記録コマンドを出力する。
臨時速度調整コマンドは、当該コマンドに続いて出力される記録コマンドに基づいて、画像を記録する際は、臨時的に、バーコード記録速度情報39を参照して、バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準じたスピードで画像を記録することを指示するコマンドである。従って、臨時速度調整コマンドに続いて、バーコード記録コマンドが出力された場合、プリンター側制御部30は、当該バーコード記録コマンドに基づいてバーコード画像42を記録するに際して、基本記録速度情報38ではなく、バーコード記録速度情報39を参照し、当該バーコード記録速度情報39が示す記録速度に準拠したスピードで画像を記録する。
【0052】
このように、本実施形態では、臨時速度調整コマンドを利用して、バーコード記録コマンドに基づくバーコード画像42の記録のみが、バーコード記録速度に準拠して記録されることとなり、バーコード画像42以外の画像が不必要に遅い記録速度に準拠して記録されることを防止でき、記録に要する時間の短縮化をより一層実現できる。
【0053】
さらに、本実施形態では、以下のような処理を行い、クーポン5に記録される画像にムラが発生することを効果的に防止している。
【0054】
図9は、クーポン5の別の例を模式的に示す図である。
なお、クーポン5への画像の記録は、搬送方向(矢印Y1)に感熱ロール紙が移動し、これに伴って、相対的にラインサーマルヘッド25が矢印Y2方向へ移動しつつ実行される。ラインサーマルヘッド25は、感熱ロール紙の幅方向の全域に延在しており、ラインサーマルヘッド25によって、幅方向に一列に延びる行単位で、画素が形成される。例えば、行G1に含まれる画素のそれぞれは、ラインサーマルヘッド25において幅方向に延びて配置された発熱素子のそれぞれによって同時に形成される。
図9に示すクーポン5では、バーコード画像42の左方に、ボトムロゴ55が記録されている。
このボトムロゴ55は、搬送方向の矢印Y1が示す方向側の端部RTが、バーコード画像42の矢印Y1が示す側の端部BTよりも搬送方向側に存在し、また、搬送方向とは反対の矢印Y2が示す方向側の端部RBが、バーコード画像42の矢印Y2が示す方向側の端部BBよりも矢印Y2が示す方向側に存在している。
【0055】
図9に示す画像のうち、端部RTと端部RBの間の領域Aに対応する画像をクーポン5に記録する場合、本実施形態では、プリンタードライバー実行部21は、領域Aに対応する画像(ボトムロゴ55、及び、バーコード画像42が含まれた画像)の画像データ(例えば、ビットマップデータ)を生成すると共に、当該画像データを記録させる制御コマンド(以下、「領域A記録コマンド」という)を生成し、プリンター12に出力する。当該領域A記録コマンドが入力されたプリンター側制御部30は、領域Aを示す画像データに基づいて、クーポン5の領域Aに対応する画像を記録する。
【0056】
ここで、基本的には、バーコード記録速度は、基本記録速度よりも遅く設定されている。従って、できるだけバーコード記録速度に準拠した画像の記録を少なくし、基本記録速度に準拠して画像を記録すれば、画像の記録に要する時間の短縮化を図ることができる。
この観点から言えば、領域Aを、領域a1、領域a2、及び、領域a3に区分し、領域a1、及び、領域a3については、基本記録速度に準拠して画像を記録し、領域a2については、バーコード記録速度に準拠して画像を記録するようにすれば、バーコード画像42の精度の向上を実現しつつ、最も効率よく、かつ、最大限に、画像の記録に要する時間の短縮化を図ることができる。
しかしながら、この場合、ボトムロゴ55については、領域a1−a3の各領域で記録速度が異なることとなり、記録速度の変化に伴って、各領域の境目にムラが生じ、これに起因してボトムロゴ55の画像の質が低下する可能性がある。
これを踏まえ、本実施形態では、プリンタードライバー実行部21は、バーコード画像42の幅方向において重なる部分がある画像、換言すれば、ラインサーマルヘッド25によって画素を形成する際に、バーコード画像42を構成する画素と同時並行的に形成される画素を含む画像については、当該画像の全領域をバーコード記録速度に準拠した一定の記録速度で記録するよう、プリンター12を制御する。
図9の例で言えば、領域Aに対応する画像をプリンター12に記録させる際、プリンタードライバー実行部21は、記録に要する時間の短縮化を目的として、領域Aを領域a1−a3に区分して、各領域の画像を異なる記録速度に準拠して記録させる制御コマンドを生成するのではなく、領域Aの全域を、一定のバーコード記録速度に準拠して記録させる制御コマンドを生成してプリンター12に出力する。これにより、ボトムロゴ55の全領域が一定の記録速度に準拠して記録されることとなり、ボトムロゴ55の画像の質の低下を効果的に防止できる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態では、プリンタードライバー実行部21は、プリンター12に、少なくとも、バーコード画像42を記録させる際の記録速度を変更させる。
これによれば、バーコード画像42のみを記録速度を落として記録することが可能となり、記録速度の低下に伴う記録に要する時間の長時間化を効果的に抑制できる。
【0058】
また、本実施形態では、プリンタードライバー実行部21は、バーコード画像42、及び、ラインサーマルヘッド25により当該バーコード画像42と同時並行的に記録される他の画像について、これらバーコード画像42、及び、他の画像の全領域が一定の記録速度で記録が行われるようにプリンター12を制御する。
これによれば、ラインサーマルヘッド25により所定のシンボル画像と同時並行的に記録される他の画像については、途中で記録速度が変わることなく、全領域が一定の記録速度で記録されることとなり、途中で記録速度が変わることによるムラが発生することを効果的に防止できる。
【0059】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、感熱ロール紙に画像を記録してクーポン5を発行する場合を例にして発明を説明したが、これに限らず、レシート等の他の帳票を発行する場合や、カット紙等の他の記録媒体に画像を記録する場合にも適用可能である。すなわち、本発明は、記録速度を落としてでも高い精度で記録することが求められるシンボル画像を記録する場合に、広く適用可能である。
また、本実施形態では、シンボル画像として、1次元バーコードに係るバーコード画像42を例として発明を説明したが、シンボル画像は、1次元バーコードに限らず、2次元バーコードであってもよく、また例えば、光学文字認識されることが想定された文字列であってもよい。すなわち、シンボル画像は、記録速度を落としてでも高い精度で記録することが求められる画像であればよい。
また、本実施形態では、ラインプリンターを例にして説明したが、シリアルプリンターに対しても本発明を適用可能であり、また、サーマルプリンターに限らず、インクジェットプリンターや、ドットインパクトプリンター等の他の形式のプリンターにも本発明を適用可能である。
例を挙げて説明すると、図9を参照し、記録ヘッドが幅方向に走査しつつ、画像を記録するインクジェットプリンターであるものとする。この場合、プリンタードライバー実行部21は、バーコードの領域xに対応する領域については、記録ヘッドの走査速度を落として画像を記録するようプリンター12を制御することにより、バーコード画像42を高い精度で記録しつつ、記録に要する時間の短縮化を図ることができる。すなわち、記録速度と記録される画像の精度との間に相関関係がある記録装置、及び、当該記録装置を制御する制御装置、及び、これら記録装置及び制御装置を備えるシステムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…記録システム、10…ホストコンピューター(制御装置)、12…プリンター(記録装置)、15…制御部、20…POSアプリケーション実行部、21…プリンタードライバー実行部(記録制御部)、25…ラインサーマルヘッド(記録ヘッド)、42…バーコード画像(シンボル画像)、53…バーコード記録速度入力ウインドウ(ユーザーインターフェイス)、55…ボトムロゴ(他の画像)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置であって、
前記記録装置に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させる記録制御部を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記記録制御部は、
少なくとも、前記所定のシンボル画像を記録させる際の記録速度を変更させて、前記記録装置を制御して前記記録媒体に記録を行わせることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
所定のアプリケーションを実行することにより、前記記録媒体に記録すべき画像に係る情報を含んだ記録情報データを生成するアプリケーション実行部をさらに備え、
前記記録制御部は、
前記アプリケーション実行部が生成した前記記録情報データに、前記記録媒体に記録すべき画像に係る情報として、前記所定のシンボル画像に係る情報が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させる制御コマンドを生成し、前記記録装置に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記所定のシンボル画像を含む画像を記録させる際の記録速度が入力可能なユーザーインターフェイスをさらに備え、
前記記録制御部は、
前記記録装置に記録させる画像に、前記所定のシンボル画像が含まれている場合は、前記所定のシンボル画像を少なくとも含む画像を記録する際の記録速度が、前記ユーザーインターフェイスに入力された記録速度となるように、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記記録制御部は、
前記記録装置に記録させる画像に、前記所定のシンボル画像が含まれている場合は、前記所定のシンボル画像を少なくとも含む画像を記録する際の記録速度が、当該所定のシンボル画像を記録するのに適した記録速度となるように、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記記録媒体に画像を形成する記録ヘッドを備え、
前記記録制御部は、
前記所定のシンボル画像、及び、前記記録ヘッドにより当該所定のシンボル画像と同時並行的に記録される他の画像の全領域が一定の記録速度で記録が行われるように前記記録装置を制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
前記所定のシンボル画像は、光学的に読み取られることが想定された画像であり、
前記記録制御部は、
少なくとも、前記記録装置に前記所定のシンボル画像を記録させる際の記録速度を、他の画像を記録させる際の記録速度よりも遅くさせることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の制御装置。
【請求項8】
記録装置と、前記記録装置に接続され、前記記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置とを備える記録システムであって、
前記制御装置は、
前記記録装置に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させる記録制御部を備えることを特徴とする記録システム。
【請求項9】
記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置の制御方法であって、
前記記録装置に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かを判別し、判別結果に応じて、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させる記録制御部を備えることを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項10】
記録装置を制御して記録媒体に記録を行わせる制御装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
前記記録装置に記録させる画像に、所定のシンボル画像が含まれているか否かに応じて、記録速度を変更させて前記記録装置に画像を記録させる記録制御部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−113608(P2012−113608A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263598(P2010−263598)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】