説明

制御装置およびその制御方法

【課題】 宅内ネットワーク内に設置されたネットワーク家電装置およびネットワーク家電装置が備える機能の一部を複数連動させる。
【解決手段】
ネットワークに接続された複数の家電装置に動作を指示する制御装置であって、家電装置から送信される制御情報に対応付けて、家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を記憶する動作指示記憶部と、動作指示情報を外部から受け付ける受付部と、受け付けた動作指示情報に基づき、家電装置に対して動作を指示する受付動作指示部と、動作を指示した家電装置から動作の結果を特定する制御情報を取得する結果取得部と、取得した制御情報に対応付けられた動作指示情報を、動作指示記憶部から特定する動作指示特定部と、家電装置に対して、特定した動作指示情報に基づき動作を指示する対応動作指示部と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話やパソコンにインストールされた専用アプリケーションを用いて、インターネット接続が可能なホームゲートウェイやルーター等の配下に接続されたネットワーク家電装置に対して制御を行う技術がある。また、宅内ネットワークにおいて、ネットワーク家電装置をホームゲートウェイ配下に接続し、ホームゲートウェイからネットワーク家電装置を集中制御する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、ホームゲートウェイがネットワーク家電装置制御情報に基づいてネットワーク家電装置と制御情報とをマッピングし、ホームゲートウェイがネットワーク家電装置の電源の投入/切断、設定変更、各種動作を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−152677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記技術では、宅内ネットワーク内に設置されたネットワーク家電装置およびネットワーク家電装置が備える機能の一部を、複数連動させることはできなかった。例えば、エアコンのセンサで人の存在を感知すると、テレビから警報音を鳴らす等の組み合わせ動作を行うことはできなかった。
【0005】
本発明の目的は、宅内ネットワーク内に設置されたネットワーク家電装置およびネットワーク家電装置が備える機能の一部を複数連動させることを可能とする制御装置の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係る制御装置は、通信ネットワークに接続された複数の家電装置に動作を指示する制御装置であって、家電装置から送信される制御情報に対応付けて、家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を記憶する動作指示記憶部と、家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を外部から受け付ける受付部と、受付部により受け付けた動作指示情報に基づき、家電装置に対して動作を指示する受付動作指示部と、動作を指示した家電装置から動作の結果を特定する制御情報を取得する結果取得部と、取得した制御情報に対応付けられた家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を、動作指示記憶部から特定する動作指示特定部と、家電装置に対して、動作指示特定部により特定した動作指示情報に基づき動作を指示する対応動作指示部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る通信ネットワークに接続された複数の家電装置に動作を指示する制御装置の制御方法では、制御装置は、家電装置から送信される制御情報に対応付けて、家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を記憶する動作指示記憶部を備え、家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を外部から受け付ける受付ステップと、受付ステップにより受け付けた動作指示情報に基づき、家電装置に対して動作を指示する受付動作指示ステップと、動作を指示した家電装置から動作の結果を特定する制御情報を取得する結果取得ステップと、取得した制御情報に対応付けられた家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を、動作指示記憶部から特定する動作指示特定ステップと、家電装置に対して、動作指示特定ステップにより特定した動作指示情報に基づき動作を指示する対応動作指示ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、宅内ネットワーク内に設置されたネットワーク家電装置およびネットワーク家電装置が備える機能の一部を複数連動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る宅内ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】ホームゲートウェイの内部モジュール構成を示す図である。
【図3】ホームゲートウェイのハードウェア構成を示す図である。
【図4】家電装置の制御情報管理テーブルの構成例を示す図である。
【図5】制御情報の構成例を示す図である。
【図6】対応アクションテーブルの構成例を示す図である。
【図7】対応アクションの詳細情報テーブルの構成例を示す図である。
【図8】ISUBマッピングテーブルの構成例を示す図である。
【図9】制御指示を受け付けるSIPメッセージヘッダーの構成例を示す図である。
【図10】制御情報の取得シーケンスを示す図である。
【図11】電話着信による家電制御開始シーケンスを示す図である。
【図12】電話着信による家電制御開始失敗シーケンスを示す図である。
【図13】家電からの状態変化通知およびメール送信シーケンスを示す図である。
【図14】家電からの状態変化通知および家電制御シーケンスを示す図である。
【図15】対応アクション設定画面例を示す図である。
【図16】制御指示を受け付けるメールフォーマットの構成例を示す図である。
【図17】ホームゲートウェイからの応答メールフォーマットの例を示す図である。
【図18】メール受信による家電制御開始シーケンスを示す図である。
【図19】メール受信による家電制御開始失敗シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した制御装置であるホームゲートウェイを含む家電連動システム1について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態における家電連動システム1を示す図である。本発明における家電連動システム1は、ホームゲートウェイ100と、ホームゲートウェイ100に接続可能な一種類または複数種類の家電装置と、を含んで構成される宅内LAN(Local Area Network)10を含む。家電装置には、例えば、第一のエアコン20と、テレビ30と、電話機40と、第二のエアコン50と、が含まれる。
【0012】
第一のエアコン20には、所定の範囲内の人の存在および位置を検出する人感センサ21と、所定の位置における温度を検出する温度センサ22と、が備えられている。テレビ30には、所定の範囲内の人の存在および位置を検出する人感センサ31と、指示された出力で音声情報を出力するスピーカ32と、が備えられている。電話機40には、指示された出力で音声情報を出力するスピーカ41と、所定の感度で集音するマイク42と、が備えられている。第二のエアコン50には、所定の範囲内の人の存在および位置を検出する人感センサ51と、所定の位置における温度を検出する温度センサ52と、が備えられている。
【0013】
また、ホームゲートウェイ100と、第一のエアコン20と、テレビ30と、電話機40と、第二のエアコン50とは、互いに通信可能なネットワーク11を介して接続される。ホームゲートウェイ100は、インターネットあるいは公衆電話網90に接続された他の装置と通信可能に接続されている。なお、ホームゲートウェイ100は、ネットワーク11に接続可能な装置に対して、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によりIPアドレスの払出しを行う。DHCPクライアントが搭載されていない装置については、ホームゲートウェイ100では、ユーザーによるIPアドレスの設定を受け付ける。
【0014】
図2に示すように、ホームゲートウェイ100は、一般的なホームゲートウェイと同様に、外部通信インターフェース130を介してインターネットと接続される。また、ホームゲートウェイ100は、宅内LAN/WLAN(Wireless LAN)/PLC(Power Line Communications)通信インターフェース140を介して宅内LAN10に接続される。また、ホームゲートウェイ100は、アナログインターフェース150を介して公衆電話網90と接続される。また、ホームゲートウェイ100には、装置外面等に各種のスイッチ160が設けられている。
【0015】
また、ホームゲートウェイ100は、一般的なホームゲートウェイと同様に、ホームゲートウェイの動作を制御する制御部110と、通電状態において情報を記憶可能な記憶部170と、を備える。これに加えて、ホームゲートウェイ100は、宅内LAN10に接続された家電装置の制御を行うための宅内制御部120を備える。
【0016】
制御部110は、外部通信インターフェース130および宅内LAN/WLAN/PLC通信インターフェース140との通信を制御する通信制御部112と、宅内ネットワークに設置された電話機40をアナログインターフェース150により公衆電話網90を使用して通話を可能とするSIP制御部113と、スイッチ160を制御するためのハードスイッチ制御部114、家電装置の詳細な設定を受け付け、家電装置の状態に関する情報を出力するユーザーインターフェース制御部115と、を有する。
【0017】
また、制御部110は、通信制御部112、SIP制御部113、ハードスイッチ制御部114およびユーザーインターフェース制御部115を管理制御するためのメイン制御部111を備える。
【0018】
宅内制御部120は、通信制御部112を介して宅内LAN10に接続された家電装置との通信を制御する家電通信制御部122と、宅内LAN10に接続された家電装置に対し送信するメッセージを生成し、宅内LAN10に接続された家電装置から送信されたメッセージを解析する家電メッセージ生成/解析部123と、宅内LAN10に接続された家電装置に対する制御情報の管理を行う家電制御情報管理部124と、を備える。
【0019】
また、宅内制御部120は、家電通信制御部122、家電メッセージ生成/解析部123および家電制御情報管理部124を管理制御するための宅内制御管理部121を備える。
【0020】
図3は、ホームゲートウェイのハードウェア構成の例を示す図である。本実施形態においては、ホームゲートウェイ100は、例えば、いわゆるゲートウェイ装置や、ルーター装置である。しかし、これに限らず、PC(パーソナルコンピュータ)や、ワークステーション、サーバー装置、各種携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォンなどに分類される計算機であってもよい。
【0021】
ホームゲートウェイ100は、入力装置191と、外部記憶装置192と、演算装置193と、主記憶装置194と、宅内通信装置195と、外部通信装置197と、それぞれの装置を互いに接続するバス196と、を有する。
【0022】
入力装置191は、例えばキーボードやマウス、あるいはタッチペン、ハードスイッチ、その他ポインティングデバイスなどの入力を受け付ける装置である。
【0023】
外部記憶装置192は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの、通電状態にない場合であっても情報を記憶することができる不揮発性記憶装置である。
【0024】
演算装置193は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0025】
主記憶装置194は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0026】
宅内通信装置195は、例えばLAN/WLAN/PLC等の通信装置である。
【0027】
外部通信装置197は、インターネット等との通信を行うWAN(Wide Area Network)等の通信装置である。
【0028】
ホームゲートウェイ100の制御部110に含まれる各制御部と、宅内制御部120に含まれる各制御部とは、ホームゲートウェイ100の演算装置193に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0029】
このプログラムは、主記憶装置194または外部記憶装置192内に記憶され、実行にあたって主記憶装置194上にロードされ、演算装置193により実行される。
【0030】
また、ホームゲートウェイ100の外部通信インターフェース130およびアナログインターフェース150は、外部通信装置197によって実現される。
【0031】
ホームゲートウェイ100の宅内LAN/WLAN/PLC通信インターフェース140は、宅内通信装置195によって実現される。
【0032】
ホームゲートウェイ100のスイッチ160は、入力装置191によって実現される。
【0033】
ホームゲートウェイ100の記憶部170は、主記憶装置194または外部記憶装置192により実現される。
【0034】
なお、上記した各構成要素は、ホームゲートウェイ100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ホームゲートウェイ100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0035】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0036】
図4は、ホームゲートウェイ200の記憶部170に記憶される、家電製品の制御情報管理テーブル200の構成例を示す図である。制御情報管理テーブル200は、宅内LAN10に接続されている家電装置を特定する情報が格納される制御端末201と、制御端末201に格納されている情報により特定される家電装置が備えるネットワーク上の固有の番号であるMACアドレスが格納されるMACアドレス202と、MACアドレスに関連付けられたIPアドレスが格納されるIPアドレス203と、制御端末201に格納されている情報により特定される家電装置の機種を特定する機種名が格納される機種名204と、制御端末201に格納されている情報により特定される家電装置の制御情報をダウンロードする際に用いるURL(Uniform Resource Locator)を格納するダウンロードURL205との情報を含んでいる。なお、IPアドレス203、機種名204およびダウンロードURL205は、ホームゲートウェイ200の通常の機能により、ユーザーが手動で設定することが可能である。これに限らず、IPアドレス203、機種名204およびダウンロードURL205は、DHCPの拡張機能(独自オプション)を使用して自動設定されるものであってもよい。
【0037】
図5は、ホームゲートウェイ200の記憶部170に記憶される、家電装置の制御情報210の構成例を示す図である。図5に示すように、制御情報210には、家電装置の機種名を特定する記述211と、ホームゲートウェイから家電装置を制御する通信で用いるポート番号212と、家電制御に用いるプロトコルとパケットのフォーマットを特定する制御パケットフォーマット213と、制御番号214、219、226で区分される一つまたは複数の制御情報と、が含まれている。制御情報210は、各家電製品にあらかじめ構成されて、例えば家電装置の提供会社が公開しているインターネット上のサーバー等に配布のために配置されている。
【0038】
制御情報210には、制御内容を特定する制御内容215、220と、当該制御内容に応じた機能コード216、221、227および制御コード217、222と、制御の結果を特定する一つまたは複数の詳細コード218、223、224、225と、が含まれる。なお、制御内容215、220の記述は省略されうる。また、詳細コード218、223、224、225の記述は、当該制御内容に応じて、複数の結果がある場合には複数記述される。機能コード216、221、227は、家電装置が備える機能ごとにあらかじめ対応付けられており、制御コード217、222は、機能コード216、221、227により対応付けられた機能の詳細な制御命令に対応付けられている。
【0039】
図6は、ホームゲートウェイ200の記憶部170に記憶される、対応アクションテーブル300の構成例を示す図である。対応アクションテーブル300には、制御の対象となる家電装置および当該装置への制御に用いる通信ポート番号とを特定する制御端末301と、制御の内容を特定する制御内容302と、当該制御内容が属する機能を特定する機能コード303と、当該制御内容を特定する制御コード304と、当該制御コードを受信したホームゲートウェイ100が行う処理を特定するHGWアクションコード305とが含まれている。
【0040】
より具体的には、HGWアクションコード305には、後述する対応アクションの詳細情報テーブル306により規定されるアクションを特定するコードの情報が格納される。なお、HGWアクションコード305は、アクションが何も設定されない場合には、いずれのコードも格納されない状態となる。
【0041】
図7は、ホームゲートウェイ200の記憶部170に記憶される、対応アクションの詳細情報テーブル306の構成例を示す図である。対応アクションの詳細情報テーブル306には、アクションを特定するコード情報であるHGWアクションコード3061と、当該アクションの詳細を特定する詳細パラメータ3062と、が含まれる。なお、HGWアクションコード3061には、一つ以上のアクションが詳細パラメータとして割り当てられる。詳細パラメータ3062には、例えば、テレビに対し警報音発生動作を指示するテレビ動作指示(警報音)に対応するISUB番号と、パラメータと、が格納される。その他にも、詳細パラメータ3062には、例えば、ホームゲートウェイ100が予め備える所定のプログラム(指定されたメールアドレスに電子メールを送信するメール送信プログラム、あるいは指定された電話番号に発呼する発呼プログラム等)の起動を指定する情報であっても良い。なお、ISUB番号の詳細は、後述する。
【0042】
図8は、ISUBマッピングテーブル310の構成例を示す図である。ISUBマッピングテーブル310には、ISUB番号311と、制御対象の家電装置を特定する制御端末312と、制御する内容を特定する制御内容313と、を含む。ISUB番号311は、制御端末312と、制御内容313と、の組み合わせを特定する番号(サブアドレス)である。すなわち、ISUBマッピングテーブル310では、ISUB番号311が特定されると、制御対象の家電装置と、制御内容と、が特定可能であるといえる。なお、図8に記載するように、ISUB番号311は、制御端末312にて「すべての家電」を特定し、制御内容313にて「EC(エアコンディショナー)、TV(テレヴィジョン)全機能開始」を特定することも可能である。ここで、「すべての家電」とは、ネットワーク11に接続されている家電装置すべてを対象とする指定である。
【0043】
図9は、ネットワーク11に接続されている家電装置を公衆電話網を介して制御するための制御指示に用いるSIPメッセージヘッダー320の構成例を示す図である。具体的には、SIPメッセージヘッダー320は、FROMヘッダー321と、TOヘッダー322と、REQUEST−URIヘッダー323と、それぞれに対応する入力値と、を含む。当該SIPメッセージヘッダー320は、発呼時のSIP INVITEデータに付与される。
【0044】
FROMヘッダー321には、SIPメッセージの発信元、すなわち家電装置の制御を指示する指示元を特定する情報が格納される。例えば、指示に用いる電話回線の電話番号と、その番号が属するドメインを特定する情報と、を含む。
【0045】
TOヘッダー322には、SIPメッセージの送信先、すなわち本実施形態においてはホームゲートウェイ100を特定する情報および当該送信先に対するサブアドレス情報と、認証のためのパスワード情報と、当該送信先が属するドメインを特定する情報と、が格納される。例えば、ホームゲートウェイ100を特定する電話番号と、所定の書式で記載されるサブアドレス情報と、所定の書式で記載されるパスワード情報と、ホームゲートウェイ100が属するドメインを特定する情報と、を含む。
【0046】
サブアドレス情報は、例えば、SIPメッセージの送信先を特定する情報との間を所定の区切り文字「;(セミコロン)」で区切られることで識別される。サブアドレス情報には、「isub=#*#」と「#」で囲まれるISUB番号が含まれる。例えば、サブアドレス情報は、「isub=#*#0001#」である。なお、「isub=」に続けられる「#*#」の記号は、予めホームゲートウェイ100に設定しておくことで、ユーザーにより変更可能としてもよい。
【0047】
パスワード情報は、ホームゲートウェイ100で行うパスワード認証に用いられる情報である。パスワード情報は通常、発呼を行ったユーザーが指定する数字または所定の記号により構成される複数桁の情報である。
【0048】
REQUEST−URIヘッダー323には、本実施形態においては、TOヘッダー322と同様の情報が格納される。
【0049】
[動作の説明]次に、ホームゲートウェイ100が実施する制御情報取得処理の動作について説明する。図10は、ホームゲートウェイ100が実施する制御情報取得処理を示すシーケンス図である。当該シーケンスは、ホームゲートウェイ100が稼動中に、ネットワーク11に新たな家電装置が接続されると、DHCPによるIPアドレス振り出し処理に続くシーケンスとして、当該家電装置を対象として実施される。また、当該シーケンスは、ホームゲートウェイ100に電源が投入された場合に実施される起動処理の一部として実施される。当該シーケンスにおいては、ネットワーク11に接続されている家電装置(図10においては、第一のエアコン20)ごとに実施される。
【0050】
まず、第一のエアコン20は、ホームゲートウェイ100に対して、機種型名と、URLと、を含む自機の情報を送信すると共に、アドレス振り出しの要求情報を送信する(ステップS001)。なお、当該シーケンスがホームゲートウェイ100の起動処理の一部として実施される場合には、ステップS001は実施されない。
【0051】
次に、ホームゲートウェイ100の通信制御部112は、第一のエアコン20に対して、IPアドレスを割り当てて、IPアドレスを送信する(ステップS002)。なお、当該シーケンスがホームゲートウェイ100の起動処理の一部として実施される場合には、ステップS002は実施されない。
【0052】
次に、ホームゲートウェイ100の家電制御情報管理部124は、外部ネットワーク等の公衆電話網90へ、ステップS001で送信されたURLを送信することで制御情報を要求する(ステップS003)。例えば、家電制御情報管理部124は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)やFTP(File Transfer Protocol)によるリクエスト情報を送信する。なお、当該シーケンスがホームゲートウェイ100の起動処理の一部として実施される場合には、ステップS003では、家電制御情報管理部124は、各家電製品の制御情報管理テーブル200のダウンロードURL205に格納されたURLを外部ネットワーク等の公衆電話網90へ送信することで制御情報を要求する。
【0053】
次に、ホームゲートウェイ100の家電制御情報管理部124は、外部ネットワーク等の公衆電話網90に接続された、ステップS003で送信されたURLに対応するサーバー等から送信された制御情報を受信する(ステップS004)。
【0054】
次に、ホームゲートウェイ100の家電制御情報管理部124は、ステップS004で受信した制御情報を、記憶部170に格納する(ステップS005)。
【0055】
以上が、制御情報取得処理の処理内容である。上記の制御情報取得処理を行う事によって、ホームゲートウェイ100は、ネットワーク11に接続される家電装置に対応する制御情報を取得し利用することが可能となる。
【0056】
次に、ホームゲートウェイ100が家電装置の制御を開始する制御開始処理の動作について説明する。図11、図12は、ホームゲートウェイ100が家電装置の制御を開始する制御開始処理を示すシーケンス図である。図11は、当該制御開始処理において家電装置(図11においては第一のエアコン20)が正常に制御開始に応じる場合のシーケンスを示す。図12は、当該制御開始処理において家電装置(図12においては第一のエアコン20)が正常に制御開始に応じない場合のシーケンスを示す。これらのシーケンスは、ホームゲートウェイ100に電話回線を介して開始指示がなされた場合に実施される。
【0057】
まず、ホームゲートウェイ100のSIP制御部113は、外部ネットワーク等の公衆回線網90から、SIP INVITEメッセージを受信する(ステップS101)。
【0058】
次に、家電メッセージ生成/解析部123は、受信したSIP INVITEメッセージが、家電制御を指示するメッセージであるか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、家電メッセージ生成/解析部123は、SIP INVITEメッセージにISUB番号が含まれる場合には、家電制御を指示するメッセージであると判定し、含まれない場合には、家電制御を指示するメッセージではないと判定する。家電制御を指示するメッセージでない場合(ステップS102にて「NO」の場合)には、SIP制御部113がアナログIF着信として処理する(ステップS103)。
【0059】
家電制御を指示するメッセージである場合(ステップS102にて「YES」の場合)には、宅内制御管理部121は、受信したSIP INVITEメッセージの正当性を認証するか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、宅内制御管理部121は、受信したSIP INVITEメッセージに含まれるパスワードが、予め設定されたパスワードと一致するか否かを判定し、一致する場合には認証すると判定する。認証しない場合(ステップS104にて「NO」の場合)には、SIP制御部113は、「486 Busy」をSIP INVITEメッセージの送信元へ送信して通話を終了させる(当該シーケンスの後のステップを実施しない)(ステップS105)。
【0060】
認証する場合(ステップS104にて「YES」の場合)には、SIP制御部113は、「100 Trying」および「180 Ringing」をSIP INVITEメッセージの送信元へ送信して通話を継続させる(ステップS106)。
【0061】
次に、家電制御情報管理部124は、受信したSIP INVITEメッセージに含まれるISUB番号に基づいて、制御対象の家電装置と、制御対象の機能と、制御内容と、を特定する。そして、家電通信制御部122は、制御対象の家電装置に対して、例えばTCPセッション等を確立させる(ステップS107)。具体的には、家電制御情報管理部124は、受信したSIP INVITEメッセージに含まれるISUB番号に対応する家電装置と、制御対象の機能と、制御内容とを、ISUBマッピングテーブル310を参照して特定する。そして、家電通信制御部122は、制御対象の家電装置に対して、TCPセッションを確立させる。なお、すでに制御中である家電装置に対しては、家電通信制御部122は、あらたにTCPセッションを確立することはしない。
【0062】
次に、家電通信制御部122は、ISUB番号に対応する機能コードと制御コードとを含む制御開始要求を、TCPセッションを確立した家電装置(第一のエアコン20)に送信する(ステップ108)。
【0063】
次に、家電通信制御部122は、送信した制御開始要求の応答である詳細コードおよび当該詳細コードに付加された「成功」を特定可能な情報を家電装置(第一のエアコン20)から受信する(ステップS109)。
【0064】
その後のシーケンスでは、ホームゲートウェイ100の家電通信制御部122は、家電装置(第一のエアコン20)からの状態変化通知情報の受信を監視する(ステップS110)。また、家電装置(第一のエアコン20)では、センサ入力検知等、状態変化があれば状態変化通知を送信するよう、家電制御状態を維持する(ステップS111)。
【0065】
ステップS110の処理を開始すると、ホームゲートウェイ100のSIP制御部113は、「200 OK」をSIP INVITEメッセージの送信元へ送信する(ステップS112)。
【0066】
そして、ホームゲートウェイ100のSIP制御部113は、「ACK」をSIP INVITEメッセージの送信元から受信する(ステップS113)。
【0067】
次に、ホームゲートウェイ100の宅内制御管理部121は、家電制御開始が成功したことを伝える所定の音声ガイダンスメッセージを、SIP制御部113を介してSIP INVITEメッセージの送信元へ送信する(ステップS114)。なお、当該ガイダンスの音源はホームゲートウェイ100にあらかじめ設定されたガイダンスであるが、ユーザーが任意の音源を予めホームゲートウェイ100に登録可能であってもよい。
【0068】
そして、ホームゲートウェイ100のSIP制御部113は、「BYE」をSIP INVITEメッセージの送信元へ送信する(ステップS115)。
【0069】
そして、ホームゲートウェイ100のSIP制御部113は、「ACK」をSIP INVITEメッセージの送信元から受信する(ステップS116)。
【0070】
以上が、制御開始処理の処理内容である。上記の制御開始処理を行う事によって、ホームゲートウェイ100は、ネットワーク11に接続される家電装置に対して、各種の動作指示等の制御が可能となる。なお、ステップS114において、結果の応答をガイダンスではなく、所定のあて先への電子メールの送信によって通知可能としてもよい。
【0071】
図12は、図11と同様のシーケンス図であるが、上記したように制御開始処理において家電装置(図12においては第一のエアコン20)が正常に制御開始に応じない場合のシーケンスを示す。以下に、図11のシーケンス図と図12のシーケンス図との相違点を中心に説明する。
【0072】
図12のステップS101〜ステップS108までのシーケンスおよびステップS112〜ステップS116までのシーケンスについては、図11のシーケンスと相違はない。図12のシーケンス図では、ステップS109において、家電通信制御部122は、送信した制御開始要求の応答である詳細コードおよび当該詳細コードに付加された「失敗」を特定可能な情報を家電装置(第一のエアコン20)から受信する。そのため、ホームゲートウェイ100の家電通信制御部122は、ステップS107において制御対象の家電装置に対して確立されたTCPセッション等をクローズさせる(ステップS120)。家電制御状態に入ることができないためである。
【0073】
以上が、制御開始処理失敗時の処理内容である。
【0074】
図13は、家電からの状態変化通知および対応アクションがメール送信である場合のシーケンスを示す図である。図13では、図11のシーケンスにより制御開始状態となった状態において、制御開始状態にある家電装置(図13においては第一のエアコン20)でセンサ入力を検知した場合に開始されるシーケンスを示す。
【0075】
まず、家電装置(図13においては第一のエアコン20)がセンサ入力を受け付ける(ステップS201)。具体的には、第一のエアコン20の温度センサ22にて異常温度を感知する。
【0076】
次に、ホームゲートウェイ100の家電通信制御部122は、家電装置(図13においては第一のエアコン20)から送信される詳細コードの情報を含む状態変化通知を受信する(ステップS202)。
【0077】
家電メッセージ生成/解析部123は、受信した詳細コードに対応付けられたHGWアクションが存在するか否かを、対応アクションテーブル300のHGWアクションコード305を参照して判定する(ステップS203)。なお、図13のシーケンスでは、対応アクションがメール通知である場合を説明する。なお、対応するHGWアクションコード305がない場合(ステップS203にて「NO」の場合)には、家電通信制御部122は、ステップS201以前と同様の監視状態に移行させる。
【0078】
対応するHGWアクションコード305が存在する場合(ステップS203にて「YES」の場合)には、家電通信制御部122は、所定の状態変化通知への応答に対応する制御コードを含む状態変化通知応答を家電装置(図13においては第一のエアコン20)へ送信する(ステップS204)。
【0079】
そして、宅内制御管理部121は、HGWアクションコード305に対応する対応アクションの詳細情報テーブル306の詳細パラメータ306で定められたあて先へ、所定の内容の電子メールを、送信する(ステップS205)。具体的には、宅内制御管理部121は、状態変化通知の詳細コードおよび当該コードに対応する制御内容が記述された電子メールを送信する。
【0080】
以上が、家電からの状態変化通知および対応アクションがメール送信である場合に行われる処理である。当該処理によると、制御開始されている家電からの状態変化通知がなされると、予め設定されたメール送信アクションが実行され、ユーザーはメールにより家電の状態変化を知ることができる。
【0081】
図14は、家電からの状態変化通知および対応アクションが他の家電の動作制御である場合のシーケンスを示す図である。図14では、図11のシーケンスにより制御開始状態となった状態において、制御開始状態にある家電装置(図14においては第一のエアコン20)でセンサ入力を検知した場合に開始されるシーケンスを示す。
【0082】
まず、家電装置(図14においては第一のエアコン20)がセンサ入力を受け付ける(ステップS211)。具体的には、第一のエアコン20の温度センサ22にて異常温度を感知する。
【0083】
次に、ホームゲートウェイ100の家電通信制御部122は、家電装置(図14においては第一のエアコン20)から送信される詳細コードの情報を含む状態変化通知を受信する(ステップS212)。
【0084】
家電メッセージ生成/解析部123は、受信した詳細コードに対応付けられたHGWアクションが存在するか否かを、対応アクションテーブル300のHGWアクションコード305を参照して判定する(ステップS213)。なお、図14のシーケンスでは、対応アクションが他の家電装置であるテレビを鳴動させる場合を説明する。なお、対応するHGWアクションコード305がない場合(ステップS213にて「NO」の場合)には、家電通信制御部122は、ステップS211以前と同様の監視状態に移行させる。
【0085】
対応するHGWアクションコード305が存在する場合(ステップS213にて「YES」の場合)には、家電通信制御部122は、所定の状態変化通知への応答に対応する制御コードを含む状態変化通知応答を家電装置(図14においては第一のエアコン20)へ送信する(ステップS214)。
【0086】
そして、家電通信制御部122は、HGWアクションコード305に対応するHGWアクションコード3061に設定された詳細パラメータ3062で指定された家電装置(図14のシーケンスでは、テレビ30)に対して、例えばTCPセッション等を確立させる(ステップS215)。具体的には、家電制御情報管理部124は、ステップS212で受信した詳細コードに対応するHGWアクションコード305を対応アクションテーブル300から特定し、特定したHGWアクションコード305に基づいて対応アクションの詳細情報テーブル306から詳細パラメータ3062の情報を取得する。そして、詳細パラメータ3062で特定される制御対象の機器と、制御対象の機能と、制御内容とを特定する。そして、家電通信制御部122は、制御対象の家電装置に対して、TCPセッションを確立させる。
【0087】
次に、家電通信制御部122は、詳細コードに対応する機能コードと制御コードとを含む制御開始要求(図14では、スピーカ制御要求)を、TCPセッションを確立した家電装置(テレビ30)に送信する(ステップ216)。
【0088】
次に、家電通信制御部122は、送信したスピーカ制御要求の応答である詳細コードおよび当該詳細コードに付加された「成功」を特定可能な情報を含む制御要求応答を、家電装置(テレビ30)から受信する(ステップS217)。
【0089】
そして、家電通信制御部122は、詳細コードに対応する機能コードと制御コードとを含む動作要求(図14では、警報音鳴動指示)を、TCPセッションを確立した家電装置(テレビ30)に送信する(ステップ218)。
【0090】
動作要求(図14では、警報音鳴動指示)を受信した家電装置(テレビ30)では、要求に従い要求された動作(図14では、鳴動)を行う(ステップS219)。
【0091】
そして、家電通信制御部122は、送信した動作要求の応答である詳細コードおよび当該詳細コードに付加された「成功」を特定可能な情報を含む動作要求応答(図14では、警報音鳴動指示応答)を、家電装置(テレビ30)から受信する(ステップS220)。
【0092】
そして、ホームゲートウェイ100の家電通信制御部122は、ステップS215において制御対象の家電装置に対して確立されたTCPセッション等をクローズさせる(ステップS221)。家電制御状態を終えるためである。
【0093】
以上が、家電からの状態変化通知および対応アクションが他の家電装置の動作である場合に行われる処理である。当該処理によると、制御開始されている家電からの状態変化通知がなされると、予め設定された他の家電装置への動作指示が実行され、ユーザーが予め計画した家電装置の連動を実現することができる。
【0094】
図15は、HGWアクションをユーザーが設定するアクション設定画面350の例を示す図である。アクション設定画面350は、ホームゲートウェイ100の通常の機器設定処理と同様に、ユーザーインターフェース制御部115により、設定を行うパソコン等の端末装置の画面に表示される画面である。当該アクション設定画面350にて入力された情報は、家電制御情報管理部124により対応アクションテーブル300および対応アクションの詳細情報テーブル306の所定のデータとして格納される。
【0095】
アクション設定画面350は、家電装置から受信する詳細コードごとに表示される。アクション設定画面350には、チェック入力欄351と、アクション表示欄352と、詳細入力欄353と、が設けられる。チェック入力欄351は、当該詳細コードをホームゲートウェイ100が受信した際に、対応するアクション表示欄352に示すアクションを、実行するアクションとして設定するか否かを特定する情報が入力される。具体的には、家電制御情報管理部124は、チェックボックスにONが入力されれば設定し、そうでない場合には設定しないものとして格納する。
【0096】
詳細入力欄353は、対応するアクション表示欄352に示すアクションの詳細な内容について入力を受け付ける。例えば、メール通知アクションに関しては、メールを送信するアドレスの入力欄354が表示され、メールアドレスの入力を受け付ける。また、ガイダンス通知のアクションに関しては、ガイダンス通知を発信する電話番号の入力欄355が表示され、電話番号の入力を受け付ける。また、制御端末に動作指示を送信するアクションに関しては、動作させる内容を選択可能な選択入力欄356が表示され、選択を受け付ける。なお、当該動作の詳細は、対応アクションテーブル300の情報をユーザーインターフェース制御部115が読み出してリストすることにより構成される。
【0097】
以上が、電話回線を介して開始指示がなされた場合に実施される、ホームゲートウェイ100の動作を中心に説明した。
【0098】
以下に、電子メールを介して開始指示がなされた場合に実施される、ホームゲートウェイ100の動作を説明する。なお、電子メールを介して開始指示がなされた場合であっても、基本的な処理の流れは電話回線を介して開始指示がなされた場合とは大きく異なるわけではない。そのため、電子メールを介して開始指示がなされた場合に差異がある部分を中心に説明する。
【0099】
図16は、ネットワーク11に接続されている家電装置をインターネット網を介して制御するための制御指示に用いる電子メールフォーマット400の構成例を示す図である。具体的には、電子メールフォーマット400は、FROMフィールド401と、TOフィールド402と、SUBJECTフィールド403と、DATAフィールド404と、それぞれに対応する入力値と、を含む。当該電子メールフォーマット400は、通常の電子メールフォーマットと同様である。
【0100】
FROMフィールド401には、電子メールの発信元、すなわち家電装置の制御を指示する指示元を特定する情報が格納される。例えば、指示の送信元の電子メールアドレスを含む。
【0101】
TOフィールド402には、電子メールの送信先、すなわち本実施形態においてはホームゲートウェイ100を特定するメールアドレス情報が格納される。
【0102】
SUBJECTフィールド403には、「HGWCTL」等の所定の定型情報と、メール制御コードが格納される。メール制御コードは、ISUB番号と同一のコードである。電子メールの場合にはISUB番号の概念に相当するデータがないためである。
【0103】
DATAフィールド404には、制御コードおよび認証のためのパスワードが格納される。例えば、制御コードと、所定の書式で記載されるパスワード情報と、を含む。パスワード情報は、ホームゲートウェイ100で行うパスワード認証に用いられる情報である。パスワード情報は通常、発呼を行ったユーザーが指定する数字または所定の記号により構成される複数桁の情報である。
【0104】
図17は、ホームゲートウェイ100から、制御指示の結果を指示者に通知するための電子メールフォーマット410の構成例を示す図である。具体的には、電子メールフォーマット410は、FROMフィールド411と、TOフィールド412と、SUBJECTフィールド413と、DATAフィールド414と、それぞれに対応する入力値と、を含む。当該電子メールフォーマット410は、通常の電子メールフォーマットと同様である。
【0105】
FROMフィールド411には、電子メールの発信元、すなわち本実施形態においてはホームゲートウェイ100を特定するメールアドレス情報が格納される。
【0106】
TOフィールド412には、電子メールの送信先、すなわち本実施形態においては家電装置の制御を指示した指示元を特定する情報が格納される。例えば、指示の送信元の電子メールアドレスを含む。
【0107】
SUBJECTフィールド413には、コマンド実行結果が格納される。例えば、「成功」「失敗」等の制御指示結果を特定する情報である。
【0108】
DATAフィールド414には、コマンド実行結果と、制御コードおよび詳細情報を含む情報が格納される。例えば、コマンド実行結果としてSUBJECTフィールド413に格納される情報と同一の情報が格納される。また、制御コードには、指示者が指示した制御コードが格納される。また、詳細情報には、制御指示結果の詳細を示す情報、例えば詳細コードを含む情報が格納される。
【0109】
図18、図19は、ホームゲートウェイ100が家電装置の制御を開始する制御開始処理を示すシーケンス図である。図18は、当該制御開始処理において家電装置(図18においては第一のエアコン20)が正常に制御開始に応じる場合のシーケンスを示す。図19は、当該制御開始処理において家電装置(図19においては第一のエアコン20)が正常に制御開始に応じない場合のシーケンスを示す。これらのシーケンスは、ホームゲートウェイ100が所定の間隔(例えば、1分ごと)で実施する。
【0110】
まず、ホームゲートウェイ100のメイン処理部111は、インターネット上等のメールサーバー93に対して、電子メールの受信をポーリングする(ステップS301)。なお、メールサーバー93は、インターネット接続プロバイダーが提供するPOP3等のメールサーバーであり、予めホームゲートウェイ100に設定されているものとする。また、ホームゲートウェイ100には、メール送受信のためにPOP3、SMTPサーバーのドメインまたはIPアドレスを予め複数設定することが可能である。用途によりメールアドレスを分けることを可能としたい場合があるからである。
【0111】
メイン処理部111は、メールサーバー93へ到着している電子メールを受信する(ステップS302)。なお、メイン処理部111は、メールサーバー93上の受信電子メールをメールサーバー上に残す設定としているのが望ましい。
【0112】
家電メッセージ生成/解析部123は、受信した電子メールが、家電制御を指示する電子メールであるか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、家電メッセージ生成/解析部123は、電子メールのSUBJECTフィールド403に「HGWCTL」等の所定の定型情報が含まれる場合には、家電制御を指示する電子メールであると判定し、含まれない場合には、家電制御を指示する電子メールではないと判定する。家電制御を指示する電子メールでない場合(ステップS303にて「NO」の場合)には、メイン処理部111は電子メールを破棄する(ステップS304)。
【0113】
家電制御を指示する電子メールである場合(ステップS303にて「YES」の場合)には、宅内制御管理部121は、受信した電子メールの正当性を認証するか否かを判定する(ステップS305)。具体的には、宅内制御管理部121は、受信した電子メールのDATAフィールド404に含まれるパスワードが、予め設定されたパスワードと一致するか否かを判定し、一致する場合には認証すると判定する。認証しない場合(ステップS305にて「NO」の場合)には、宅内制御管理部121は、認証結果を「失敗」とする所定の電子メールを送信元のメールアドレスへ送信して処理を終了させる(当該シーケンスの後のステップを実施しない)(ステップS306)。
【0114】
認証する場合(ステップS305にて「YES」の場合)には、家電制御情報管理部124は、受信した電子メールのSUBJECTフィールド403に含まれるメール制御コードに基づいて、制御対象の家電装置と、制御対象の機能と、制御内容と、を特定する。そして、家電通信制御部122は、制御対象の家電装置に対して、例えばTCPセッション等を確立させる(ステップS307)。具体的には、家電制御情報管理部124は、受信した電子メールに含まれるメール制御コードに対応する家電装置と、制御対象の機能と、制御内容とを、ISUBマッピングテーブル310を参照して特定する。そして、家電通信制御部122は、制御対象の家電装置に対して、TCPセッションを確立させる。
【0115】
次に、家電通信制御部122は、メール制御コードに対応する機能コードと制御コードとを含む制御開始要求を、TCPセッションを確立した家電装置(第一のエアコン20)に送信する(ステップ308)。
【0116】
次に、家電通信制御部122は、送信した制御開始要求の応答である詳細コードおよび当該詳細コードに付加された「成功」を特定可能な情報を家電装置(第一のエアコン20)から受信する(ステップS309)。
【0117】
その後のシーケンスでは、ホームゲートウェイ100の家電通信制御部122は、家電装置(第一のエアコン20)からの状態変化通知情報の受信を監視する(ステップS310)。また、家電装置(第一のエアコン20)では、センサ入力検知等、状態変化があれば状態変化通知を送信するよう、家電制御状態を維持する(ステップS311)。
【0118】
ステップS310の処理を開始すると、ホームゲートウェイ100の宅内制御管理部121は、「成功」を実行結果としてステップS309で受信した詳細コードを含む電子メールを組み立て、送信元へ送信する(ステップS312)。
【0119】
以上が、制御開始処理の処理内容である。上記の制御開始処理を行う事によって、ホームゲートウェイ100は、ネットワーク11に接続される家電装置に対して、各種の動作指示等の制御が可能となる。
【0120】
図19は、図18と同様のシーケンス図であるが、上記したように制御開始処理において家電装置(図19においては第一のエアコン20)が正常に制御開始に応じない場合のシーケンスを示す。以下に、図18のシーケンス図と図19のシーケンス図との相違点を中心に説明する。
【0121】
図19のステップS301〜ステップS308までのシーケンスおよびステップS312のシーケンスについては、ステップS312において「失敗」を実行結果として電子メールを組み立て、送信元へ送信する以外には、図18のシーケンスと相違はない。図19のシーケンス図では、ステップS309において、家電通信制御部122は、送信した制御開始要求の応答である詳細コードおよび当該詳細コードに付加された「失敗」を特定可能な情報を家電装置(第一のエアコン20)から受信する。そのため、ホームゲートウェイ100の家電通信制御部122は、ステップS307において制御対象の家電装置に対して確立されたTCPセッション等をクローズさせる(ステップS320)。家電制御状態に入ることができないためである。
【0122】
以上が、制御開始処理失敗時の処理内容である。
【0123】
以上、本発明の第一の実施形態を適用した制御装置および家電連動システムについて説明した。本発明の第一の実施形態を適用した制御装置および家電連動システムによると、宅内ネットワーク内に設置されたネットワーク家電装置およびネットワーク家電装置が備える機能の一部を複数連動させることが可能となる。
【0124】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態においては、パスワードによる認証回数に制限は特にないが、これに限られず、制限を設けるようにしてもよい。例えば、宅外からの制御の際に、連続して所定回数パスワードが誤っているコードを同一の送信元から受信した場合は、宅外からの制御を一時的にロックする(以降の電子メールあるいはSIP INVITEメッセージを全て認証しない)機能を有するようにしてもよい。例えば、宅内制御管理部121は、受信したSIP INVITEメッセージまたは電子メールの正当性を認証しないと判定する。これにより、極めてプライベートな空間である居宅等について、より強度なセキュリティを持たせることができる。
【0125】
上記した実施形態の変形は、単独で適用されてもよいし、部分的に組み合わされて適用されるようにしてもよい。
【0126】
また、例えば、上記第一の実施形態においては、家電装置は電源がOFFになっている状態で制御が開始される例を示しているが、これに限られず、家電装置が動作中であっても、強制的に割り込んで制御を行うことを可能としてもよい。その場合には、例えば、制御コードの桁数を増やすあるいは所定の桁数を割り振る等により、強制実行を行うか否かを特定する強制実行フラグ等を実装させるようにしてもよい。
【0127】
また、例えば、上記第一の実施形態においては、家電装置の制御内容には電源の投入/切断は記載されていないが、これに限られず、家電装置の電源の投入/切断を含むようにしてもよい。
【0128】
また、例えば、上記第一の実施形態においては、HGWアクションコードには一つのコードしか設定されていない例を示したが、これに限られず、複数のHGWアクションコードを設定するようにしてもよいし、一つのHGWアクションコードについて複数の家電装置に対して複数の制御を行うようにしてもよい。
【0129】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。なお、上記の実施形態では、本発明を宅内ネットワークに適用した例について説明したが、本発明は宅内ネットワークに限らず、車両内部のネットワークや企業内ネットワーク、企業間ネットワーク等のネットワーク全般に適用することができる。また、上記の実施形態では、インターネット等の通信はHTTPやFTP、POP、SMTP、TCP/IP等の既存のプロトコルによる通信を想定しているが、これに限らず、他のプロトコルによる通信であってもよい。
【符号の説明】
【0130】
1・・・家電連動システム、10・・・宅内LAN、11・・・ネットワーク、20・・・第一のエアコン、21・・・人感センサ、22・・・温度センサ、30・・・テレビ、31・・・人感センサ、32・・・スピーカ、40・・・電話、41・・・スピーカ、42・・・マイク、50・・・第二のエアコン、51・・・人感センサ、52・・・温度センサ、90・・・インターネット/公衆回線網、93・・・メールサーバー、100・・・ホームゲートウェイ、110・・・制御部、120・・・宅内制御部、130・・・外部通信インターフェース、140・・・宅内LAN/WLAN/PLC通信インターフェース、150・・・アナログインターフェース、160・・・スイッチ、170・・・記憶部、191・・・入力装置、192・・・外部記憶装置、193・・・演算装置、194・・・主記憶装置、195・・・宅内通信装置、196・・・バス、197・・・外部通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続された複数の家電装置に動作を指示する制御装置であって、
家電装置から送信される制御情報に対応付けて、家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を記憶する動作指示記憶部と、
前記家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を外部から受け付ける受付部と、
受付部により受け付けた前記動作指示情報に基づき、前記家電装置に対して動作を指示する受付動作指示部と、
動作を指示した前記家電装置から前記動作の結果を特定する前記制御情報を取得する結果取得部と、
前記取得した制御情報に対応付けられた家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を、前記動作指示記憶部から特定する動作指示特定部と、
前記家電装置に対して、前記動作指示特定部により特定した動作指示情報に基づき動作を指示する対応動作指示部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記受付部は、SIPプロトコルにより前記動作指示を受け付ける、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の制御装置であって、
前記受付部は、さらに、電子メールにより前記動作指示を受け付ける、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御装置であって、さらに、
前記受付部が受け付ける動作指示には、パスワードが含まれており、
前記パスワードを認証する認証部を備え、
前記受付動作指示部は、前記認証部により認証されない場合には動作を指示しない、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置であって、さらに、
前記結果取得部により取得した結果を、前記受付部への動作指示情報の送信元へ送信する結果送信部、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の制御装置であって、さらに、
前記家電装置に指示する動作が、前記家電装置が備えるセンサ機能の開始である場合に、開始した前記センサ機能により前記家電装置が検知した結果を特定する前記制御情報を取得する検知結果取得部、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記動作指示記憶部は、さらに、家電装置から送信される制御情報ごとに、複数の家電装置に対する複数の動作の指示を含む動作指示情報を記憶し、
前記動作指示特定部は、前記動作指示記憶部から、前記取得した制御情報に対応付けられた複数の家電装置に対する複数の動作の指示を含む動作指示情報を特定し、
前記対応動作指示部は、前記複数の家電装置に対して、前記動作指示特定部により特定した動作指示情報に基づき複数の動作を指示する、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記受付部は、複数の家電装置に対する複数の動作の指示を含む動作指示情報を外部から受け付け、
前記受付動作指示部は、前記受付部により受け付けた前記動作指示情報に基づき、複数の前記家電装置に対して複数の動作を指示し、
前記結果取得部は、動作を指示した前記家電装置から前記動作の結果を特定する前記制御情報を複数取得する、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項9】
請求項4に記載の制御装置であって、
同一の送信元による動作指示に対し、所定回数連続して前記認証部による認証がなされない場合、認証部は、以降の動作指示を全て認証しない、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項10】
通信ネットワークに接続された複数の家電装置に動作を指示する制御装置の制御方法であって、
前記制御装置は、
家電装置から送信される制御情報に対応付けて、家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を記憶する動作指示記憶部を備え、
前記家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を外部から受け付ける受付ステップと、
受付ステップにより受け付けた前記動作指示情報に基づき、前記家電装置に対して動作を指示する受付動作指示ステップと、
動作を指示した前記家電装置から前記動作の結果を特定する前記制御情報を取得する結果取得ステップと、
前記取得した制御情報に対応付けられた家電装置に対する動作の指示を含む動作指示情報を、前記動作指示記憶部から特定する動作指示特定ステップと、
前記家電装置に対して、前記動作指示特定ステップにより特定した動作指示情報に基づき動作を指示する対応動作指示ステップと、
を実施することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の制御方法であって、
前記受付ステップでは、SIPプロトコルにより前記動作指示を受け付ける、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の制御方法であって、
前記受付ステップでは、さらに、電子メールにより前記動作指示を受け付ける、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか一項に記載の制御方法であって、さらに、
前記受付ステップで受け付ける動作指示には、パスワードが含まれており、
前記パスワードを認証する認証ステップを実施し、
前記受付動作指示ステップでは、前記認証ステップにより認証されない場合には動作を指示しない、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか一項に記載の制御方法であって、さらに、
前記結果取得ステップにより取得した結果を、前記受付ステップで受け付ける動作指示情報の送信元へ送信する結果送信ステップ、
を実施することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか一項に記載の制御方法であって、さらに、
前記家電装置に指示する動作が、前記家電装置が備えるセンサ機能の開始である場合に、開始した前記センサ機能により前記家電装置が検知した結果を特定する前記制御情報を取得する検知結果取得ステップ、
を実施することを特徴とする制御方法。
【請求項16】
請求項10〜15のいずれか一項に記載の制御方法であって、
前記動作指示記憶部は、さらに、家電装置から送信される制御情報ごとに、複数の家電装置に対する複数の動作の指示を含む動作指示情報を記憶し、
前記動作指示特定ステップでは、前記動作指示記憶部から、前記取得した制御情報に対応付けられた複数の家電装置に対する複数の動作の指示を含む動作指示情報を特定し、
前記対応動作指示ステップでは、前記複数の家電装置に対して、前記動作指示特定ステップにより特定した動作指示情報に基づき複数の動作を指示する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項17】
請求項10〜16のいずれか一項に記載の制御方法であって、
前記受付ステップでは、複数の家電装置に対する複数の動作の指示を含む動作指示情報を外部から受け付け、
前記受付動作指示ステップでは、前記受付ステップにより受け付けた前記動作指示情報に基づき、複数の前記家電装置に対して複数の動作を指示し、
前記結果取得ステップでは、動作を指示した前記家電装置から前記動作の結果を特定する前記制御情報を複数取得する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項18】
請求項13に記載の制御方法であって、
同一の送信元による動作指示に対し、所定回数連続して前記認証ステップによる認証がなされない場合、認証ステップでは、以降の動作指示を全て認証しない、
ことを特徴とする制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−124567(P2012−124567A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271491(P2010−271491)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】