説明

制御装置及び通信装置

【課題】電話着信があった場合に、通話可能場所までの所要時間に応じて電話着信に係る電話回線の接続状態を決定する。
【解決手段】電話回線を介して他の通信装置と通信を行う通信装置と通信を行うための通信部を備えた制御装置において、現在位置を検出する現在位置検出部と、前記通信装置に電話着信があった場合、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定し、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を通話を行うことが安全となるまで開いた状態とする制御部と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、制御装置として、GPS(Global Positioning System)等により現在位置を検出し、その現在位置を示すマーク(現在位置マーク)を地図画像に重畳させて表示し、また、目的地までの経路を探索し、探索した経路を現在位置マークとともに表示することにより、利用者を所望の目的地まで円滑に導くようにしたナビゲーション装置が知られている。
【0003】
近年、このようなナビゲーション装置は、近距離無線通信デバイス(例えば、ブルートゥース(登録商標)デバイスなど)を備えており、近距離無線通信デバイスを用いて、ナビゲーション装置が搭載された車両の搭乗者(運転者)が保持する携帯電話と近距離無線通信を行うことが知られている。
【0004】
そして、近距離無線通信デバイスを用いて携帯電話から音声信号を取得し、ナビゲーション装置が備えるスピーカなどから音声出力する、また、ナビゲーション装置が備えるマイクを介して入力された音声信号を近距離無線通信デバイスを用いて携帯電話へ出力することにより、ハンズフリー通話が可能となる。
【0005】
ところで、このようなハンズフリー通話を用いる場合であっても、ナビゲーション装置が搭載された車両が走行中である場合には、運転者が通話に集中してしまい、前方確認などの周辺確認が疎かになり、思わぬ事故や交通違反を起こしてしまう恐れがある。
【0006】
そのため、下記の特許文献1(特開2007−13931号公報)に開示された車載通信装置では、車載通信装置に接続された携帯電話機に電話着信があったときに、ハンズフリー通話を行うことが危険である場合、ドライバーによる電話応対用の立ち寄り地の指定を受け付け、その指定立ち寄り地までの経路を算出し、電話着信に係る電話回線を一時的に開いて当該指定立ち寄り地までの予想到着時刻等の情報をその電話回線を介して発信元に送信し、当該電話回線を切断する。その後指定立ち寄り地に到着すると、当該発信元の電話機へ自動的に発呼している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−13931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1では、指定立ち寄り地までの所要時間がどのような時間であっても、発信元に予想到着時刻を送信した後に電話回線を切断しているため、指定立ち寄り地までの所要時間が短い場合(例えば、1分以下)であっても、発信元に予想到着時刻を送信した後に電話回線を切断してしまう。そのため、指定立ち寄り地に到着した後に、当該発信元の携帯電話へ自動的に発呼を行うが、当該発信元の携帯電話との電話回線が開くまで(本来の発信元の携帯電話のユーザが電話に出るまで)待たなければならない。
【0009】
そのため、指定立ち寄り地までの所要時間が短い場合であれば、電話回線を開いた状態を維持したまま、指定立ち寄り地までの案内を行うことが好ましい。
【0010】
なお、特許文献1には、車載通信装置がハンズフリー通話を行うことが危険と判定した場合に、ユーザが「ちょい待ちモード」を選択した場合、着信に係る電話回線を開いて、ハンズフリー通話を行うことが危険でないと判定するまで、電話回線を開いたまま待機要求(待ち画像)を送信することが記載されているが、「ちょい待ちモード」へ移行するか否かはユーザの選択によって行われるため、指定立ち寄り地までの所要時間が短い場合であっても、ユーザが「ちょい待ちモード」を合えて選択しなければ、必要な情報(予想到着時刻など)を送信した後に電話回線を切断してしまう。
【0011】
そこで本発明のナビゲーション装置は、上記の問題点を解消するため、ナビゲーション装置などの制御装置に接続された携帯電話などの通信装置に電話着信があった場合、或いは、携帯電話などの通信装置に電話着信があった場合に、通話が可能な通話可能場所までの所要時間及び/又は距離に基づき、電話着信に係る電話回線の接続状態を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、電話回線を介して他の通信装置と通信を行う通信装置と通信を行うための通信部を備えた制御装置において、現在位置を検出する現在位置検出部と、前記通信装置に電話着信があった場合、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定し、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を通話を行うことが安全となるまで開いた状態とする制御部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合に、電話着信に係る電話回線を通話を行うことが安全となるまで開いた状態とするため、通信装置の発着信の増大や、リダイヤル時の待ち時間を失くすことが可能となる。
【0014】
さらに、本発明の制御装置は、通話可能場所の位置を含む地図情報を記憶した地図記憶部を備え、前記制御部は、前記通信装置に電話着信があった場合、前記現在位置に基づき通話可能場所を検索し、前記現在位置から検索した通話可能場所までの経路を探索することを特徴とする。
【0015】
これにより、現在位置から最寄りの通話可能場所までの経路を探索することが可能となる。
【0016】
さらに、本発明において、前記制御部は、前記通信装置に電話着信があった場合、通話を行うことが安全か否かを判定し、安全でない場合に、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定することを特徴とする。
【0017】
これにより、通信装置に電話着信があった場合に通話を行うことが安全でなければ、現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定し、一方、通信装置に電話着信があった場合に通話を行うことが安全であれば、例えば、上記の判定を行うことなく、直ぐに電話着信に係る電話回線を開くことが可能である。
【0018】
さらに、本発明において、前記制御部は、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を開いたまま保留状態とすることを特徴とする。
【0019】
これにより、他の通信装置との通話(会話)が行えないため、通話を行うことが安全となるまで、移動(運転)に集中することが可能である。
【0020】
さらに、本発明において、前記制御部は、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下でない場合、前記通信部及び前記通信装置を介して電話着信に係る電話回線を開いた後、該電話回線を介して少なくとも前記所要時間を示す信号を電話着信の発信元に送信した後、該電話回線を切断することを特徴とする。
【0021】
これにより、現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下でない場合、電話着信の発信元に所要時間を知らせることができるとともに、所要時間及び/又は距離が長く電話回線を開いた状態とすることが不適当な場合には、電話回線を切断することにより、無駄な通信料などを削減することができる。
【0022】
さらに、本発明において、前記通話を行うことが安全とは、移動速度が所定値以下の場合及び/又は前記現在位置が通話可能場所である場合であることが好ましい。
【0023】
また、前記課題を解決するために、本願の請求項7にかかる発明は、電話回線を介して他の通信装置と通信を行うための通信部を備える通信装置において、現在位置を検出する現在位置検出部と、前記通信部を介して電話着信があった場合、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定し、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を通話を行うことが安全となるまで開いた状態とする制御部と、を備えることを特徴とする。
【0024】
これにより、現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合に、電話着信に係る電話回線を通話を行うことが安全となるまで開いた状態とするため、通信装置の発着信の増大や、リダイヤル時の待ち時間を失くすことが可能となる。
【0025】
さらに、本発明の通信装置は、通話可能場所の位置を含む地図情報を記憶した地図記憶部を備え、前記制御部は、前記通信部を介して電話着信があった場合、前記現在位置に基づき通話可能場所を検索し、前記現在位置から検索した通話可能場所までの経路を探索することを特徴とする。
【0026】
これにより、現在位置から最寄りの通話可能場所までの経路を探索することが可能となる。
【0027】
さらに、本発明において、前記制御部は、前記通信部を介して電話着信があった場合、通話を行うことが安全か否かを判定し、安全でない場合に、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定することを特徴とする。
【0028】
これにより、通信部を介して電話着信があった場合に通話を行うことが安全でなければ、現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定し、一方、通信部を介して電話着信があった場合に通話を行うことが安全であれば、例えば、上記の判定を行うことなく、直ぐに電話着信に係る電話回線を開くことが可能である。
【0029】
さらに、本発明において、前記制御部は、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を開いたまま保留状態とすることを特徴とする。
【0030】
これにより、他の通信装置との通話(会話)が行えないため、通話を行うことが安全となるまで、移動(運転)に集中することが可能である。
【0031】
さらに、本発明において、前記制御部は、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下でない場合、前記通信部を介して電話着信に係る電話回線を開いた後、該電話回線を介して少なくとも前記所要時間を示す信号を電話着信の発信元に送信した後、該電話回線を切断することを特徴とする。
【0032】
これにより、現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下でない場合、電話着信の発信元に所要時間を知らせることができるとともに、所要時間及び/又は距離が長く電話回線を開いた状態とすることが不適当な場合には、電話回線を切断することにより、無駄な通信料などを削減することができる。
【0033】
さらに、本発明において、前記通話を行うことが安全とは、移動速度が所定値以下の場合及び/又は前記現在位置が通話可能場所である場合であることが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
本発明では、通信装置に電話着信があった場合に、現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、電話着信に係る電話回線を通話を行うことが安全となるまで開くため、通信装置の発着信の増大や、リダイヤル時の待ち時間を失くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかる制御部が行う制御動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例にかかる通信装置の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためにナビゲーション装置および携帯電話を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置および携帯電話に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の制御装置および通信装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0037】
図1は、本発明の一実施例であるナビゲーション装置1の構成ブロック図である。ナビゲーション装置1は、制御部10、現在位置検出部11、地図記憶部12、表示部13、ブルートゥース(登録商標)通信部14、音声出力部15、音声入力部16、操作部17を備えて構成される。なお、以下の説明では、ナビゲーション装置1は車両に搭載されている場合を例示するが、これに限ることはなく、ナビゲーション装置1は自転車などに搭載されてもよいし、歩行者によって保持されてもよい。
【0038】
制御部10は、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御・統括するものである。
【0039】
また、制御部10は、地図記憶部12に記憶された地図情報(ノードデータ、リンクデータなど)に基づき、ユーザが操作部17を介して指定した目的地までの最適な経路を探索する。経路探索は、出発地または現在位置検出部11により検出された現在位置に対応する道路のノードから、目的地に対応するノードに至る間のリンクをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積し、総リンク長(走行距離)または総所要時間が最短となる経路を探索する。
【0040】
また、制御部10は、探索した経路に案内地点を設定し、現在位置が案内地点に到達すると、案内地点に対応する案内情報に基づく案内報知を行う。なお、案内報知とは、音声出力部15による案内情報に基づく音声案内(右左折・直進)や表示部13による交差点拡大図の表示などである。
【0041】
現在位置検出部11は、GPS受信機などで構成され、車両の現在位置や速度、進行方向を検出するものである。現在位置などは、例えば、地球上空を周回している3個以上のGPS衛星から時刻情報及び位置情報を含む電波を受信して処理することにより検出することができる。また、現在位置検出部11がジャイロセンサ、加速度センサ、方位センサ等のセンサ類を備え、また、車両に設けられた速度センサ、舵角センサ等のセンサ類からの出力を取得するインターフェイスを備える場合、これらのセンサからの出力に基づいて、現在位置などを検出してもよい。
【0042】
なお、車両の速度は、速度センサや加速度センサの出力に基づいて算出することが可能であり、また、今回検出した現在位置と直前に検出した現在位置との距離及び現在位置の検出間隔に基づいて算出することが可能である。また、車両の進行方向は、ジャイロセンサの出力又は方位センサの出力に基づいて検出することが可能である。なお、車両の速度や進行方向は、制御部10がセンサなどの出力に基づいて算出してもよい。
【0043】
地図記憶部12は、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータと、地形図データと、施設情報とを含む地図情報を記憶する。
【0044】
道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる。道路リンクデータには、始点および終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所、制限速度等のデータが付与される。道路種別とは、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報であり、種別以外にも道路の名称を含んでいてもよい。地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ等が含まれる。
【0045】
施設情報は、コンビニや駐車場、ガソリンスタンドなどの施設毎の情報であり、施設情報には、コンビニやガソリンスタンドなどの種別を示す施設種別、○○支店などの施設名称、施設位置、営業時間、ランドマークなどの施設を示す画像などが含まれる。なお、本実施例においては、施設種別がコンビニ又は駐車場である施設の施設位置を通話可能場所として説明するが、これに限ることはなく、通話可能場所は、バス停や高台の停留場所でもよいし、施設種別が飲食店や食料品店である施設の施設位置でもよい。
【0046】
また、地図情報には、案内地点において、右左折、直進、交差点名等の音声ガイダンスを行なうための音声データや交差点等の分岐地点周辺の詳細な地図画像である交差点拡大画像などを含む案内情報も含まれる。
【0047】
表示部13は、地図記憶部12に記憶された地図情報に基づく地図画像、制御部10により探索された経路、車両の現在位置を示す現在位置マーク等を表示し、また操作部17による入力作業のための画面を表示するものであり、例えば、液晶パネルによって構成される。なお、表示部13は、タッチパネルとすることで、操作部17の機能を持たせることもできる。
【0048】
ブルートゥース(登録商標)通信部14は、携帯電話2と無線通信を行うための通信インターフェイスであり、図示しないアンテナを介して携帯電話2から受信した音声信号などを復調や増幅した後、制御部10へ出力する。また、制御部10から受けた音声信号を変調などした後、図示しないアンテナを介して携帯電話2へ送信する。これにより、携帯電話2と音声信号を含む無線通信が可能でありハンズフリー通話が可能となる。なお、本実施例では、近距離無線通信の一例としてブルートゥース(登録商標)を用いる場合を例示するが、これに限ることはなく、種々の無線通信を用いてもよいし、有線通信を用いてもかまわない。
【0049】
音声出力部15は、案内情報に基づく音声ガイダンスや、その他、ナビゲーション装置1の操作に必要な音声、警告等のブザー音等を出力するスピーカなどで構成される。音声出力部15は、上記の音声などの他に、ブルートゥース(登録商標)通信部14から出力された音声信号に基づく音声出力を行う。なお、音声出力部15がスピーカを備えなくとも、ナビゲーション装置1が設けられる車両に備えられたスピーカを介して音声出力するものであってもよい。
【0050】
音声入力部16は、マイクなどで構成され、マイクが検出した音声(ナビゲーション装置1のユーザの音声など)に基づく音声信号を出力する。ブルートゥース(登録商標)通信部14は、当該音声信号を携帯電話2に送信する。
【0051】
操作部17は、ユーザによって操作され、出発地、目的地、経由地等の経路探索条件を入力するためのものである。また、操作部17は、上記のタッチパネル以外にも、ナビゲーション装置1に設けられたハードキーで構成されてもよいし、リモコンなどで構成されてもよい。さらに、ナビゲーション装置1が音声認識辞書を記憶した記憶媒体(図示せず)を備えている場合、制御部10が音声入力部16から出力された音声信号と音声認識辞書とを比較して音声認識を行うことで、ナビゲーション装置1に対する操作入力がなされてもよい。
【0052】
ここで、ハンズフリー通話は、他の携帯電話3から基地局などの電話回線を介して携帯電話2に送信される音声信号を、携帯電話2が近距離無線通信(本実施例ではブルートゥース(登録商標))を用いてナビゲーション装置1へ送信し、ナビゲーション装置1の音声出力部15から当該音声信号に基づく音声出力を行うとともに、ナビゲーション装置1の音声入力部16から出力される音声信号を近距離無線通信(本実施例ではブルートゥース(登録商標))を用いて携帯電話2へ送信し、携帯電話2から基地局などの電話回線を介して他の携帯電話3に当該音声信号が送信されることにより実現される。
【0053】
次に、図2のフローチャートを用いて、本発明のナビゲーション装置1の制御部10における制御動作の説明を行う。なお、以下の説明では、既にナビゲーション装置1と携帯電話2との間でブルートゥース(登録商標)を用いた認証処理などは完了し、ブルートゥース(登録商標)を用いた無線通信を行える状態となっているものとして説明を行う。
【0054】
まず、制御部10は、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して取得する携帯電話2からの信号に基づき他の電話機(本実施例では他の携帯電話3)からの電話着信があるか否かを判定する(ステップS201)。
【0055】
電話着信がある場合(ステップS201のYES)、制御部10は、表示部13や音声出力部15を介して着信通知を行う(ステップS202)。着信通知としては、着信があった旨を示す表示や音声案内のみでもよいし、発信元(他の携帯電話3)を示す情報として、発信元の電話番号や、氏名などを表示や音声案内してもよい。
【0056】
発信元の電話番号や氏名は、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して電話着信を示す信号とともに携帯電話2から取得してもよいし、携帯電話2のアドレス帳(電話番号と氏名が対応付けられている)を制御部10のRAMなどに記憶している場合、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して発信元の電話番号を取得し、取得した電話番号とアドレス帳とを比較して、発信元の氏名を判別してもよい。
【0057】
着信通知を行った後、制御部10は、現在、通話を行うことが安全か否かを判定する(ステップS203)。
【0058】
通話を行うことが安全か否かの判定は、種々の方法を用いることができる。例えば、速度センサの出力などに基づいて算出される車両の速度が所定値以下か否か(停止しているか否か)で判定してもよいし(例えば、走行中は安全でない)、現在位置検出部11により検出された現在位置をマップマッチングした道路の道路種別に基づいて判定してもよいし(例えば、高速道路であれば安全でない)、カメラなどの撮像部又は車車間通信を行うための通信部を備えている場合であれば、これらの出力に基づいて周囲に人がいるかを判定し、当該判定結果に基づいて判定してもよい(例えば、周囲に1人でも人がいれば安全でない)。また、現在位置が通話可能場所であるか否かで判定してもよい(現在位置が通話可能場所であれば安全)。
【0059】
なお、制御部10が地図情報を用いて現在位置検出部11により検出された現在位置をマップマッチングしてもよいが、現在位置検出部11が地図情報を用いてマップマッチングを行い、マップマッチング後の現在位置を現在位置として出力してもよい。また、制御部10が行うマップマッチングまでを含めて現在位置検出部11としてもよい。
【0060】
なお、本実施例では、通話を行うことが安全か否かの判定は、速度センサの出力などに基づいて算出される車両の速度が所定値以下か否か(停止しているか否か)で判定する場合を例示する。そのため、ステップS203では、制御部10は、車両の速度が所定値以下(例えば時速2km以下)か否かを判定する。
【0061】
ステップS203において、安全と判定した場合(車両の速度が所定値以下と判定した場合)(ステップS203のYES)、制御部10は、通話開始を示すアイコンを表示部13に表示させ、当該アイコンを操作部17を介してユーザが選択したか否かを判定する(ステップS204)。
【0062】
ユーザが通話開始を示すアイコンを操作部17を介して選択した場合(ステップS204のYES)、制御部10は、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して携帯電話2に通話開始を示す信号を送信し、電話着信にかかる電話回線を開き(すなわち、オフフックをし)、その電話回線を用いて携帯電話2を介して他の携帯電話3(発信元の他の電話機)とハンズフリー通話を開始する(ステップS205)。
【0063】
なお、通話開始を示すアイコンを操作部17を介して選択しない場合(ステップS204のNO)、制御部10は、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して取得する携帯電話2からの信号に基づき電話着信が続く限り通話開始を示すアイコンを表示部13に表示させる。
【0064】
一方、ステップS203において、安全でないと判定した場合(車両の速度が所定値以上と判定した場合)(ステップS203のNO)、制御部10は、現在位置および地図情報に基づき通話可能場所を検索する(ステップS206)。
【0065】
通話可能場所とは、上述の通り、本実施例では、施設の種別がコンビニ又は駐車場である施設の施設位置であるため、制御部10は、地図情報を参照して現在位置から最も近い施設種別がコンビニ又は駐車場である施設を検索する。なお、この際に、車両の進行方向も考慮し、例えば、進行方向を中心として±45°以内の施設種別がコンビニ又は駐車場である施設を検索することが好ましい。また、通話可能場所はユーザが操作部17を介して指定してもよい。
【0066】
なお、ステップS203において、安全でないと判定した場合、制御部10は、表示部13や音声出力部15を介して「通話を行うことが危険なため、最寄りの通話可能場所へ案内します」などの音声出力や表示を行ってもよい。
【0067】
通話可能場所を決定すると、制御部10は、地図情報に基づき現在位置から通話可能場所までの経路を探索する(ステップS207)。経路探索は、上記の通り、現在位置に対応する道路のノードから、通話可能場所に対応するノードに至る間のリンクをダイクストラ法等の手法によって探索する。
【0068】
現在位置から通話可能場所までの経路を探索すると、制御部10は、当該経路の所要時間を算出する(ステップS208)。所要時間は、経路を構成するリンクのリンク長や移動速度などに基づいて算出される。なお、所要時間を算出する際の移動速度として、そのリンク(道路)の制限速度を用いてもよいし、制限速度以外にも、ユーザが道路種別ごとに指定した速度を用いてもよいし、現在の車両の速度や、過去の平均速度を用いてもかまわない。
【0069】
続いて、制御部10は、ステップS208で算出した所要時間が所定時間以下(例えば1分以下)か否かを判定する(ステップS209)。
【0070】
所要時間が所定時間以下でない場合(ステップS209のNO)、すなわち、現在位置から通話可能場所までの道のりが遠く、所要時間が多くかかる場合、制御部10は、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して携帯電話2に通話開始を示す信号を送信し、電話着信にかかる電話回線を開き(すなわち、オフフックをし)(ステップS210)、続いて、制御部10は、ブルートゥース(登録商標)通信部14、携帯電話2および開いた電話回線を通じて他の携帯電話3へ通話可能場所までの所要時間およびリダイヤルする旨の音声信号や映像信号(文字信号)を送信する(ステップS211)。
【0071】
そして、他の携帯電話3が送信された音声信号や映像信号に基づく音声出力や表示を行うことで、他の携帯電話3のユーザが通話可能場所まで所要時間およびリダイヤルすることを認識することができる。
【0072】
なお、送信する音声信号や映像信号などは、例えば制御部10のROMなどに記憶されていてもよいし、別途記憶部を設け、当該記憶部に記憶されていてもよい。
【0073】
他の携帯電話3へ通話可能場所まで所要時間およびリダイヤルする旨の音声信号や映像信号(文字信号)を送信した後、制御部10は、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して携帯電話2に通話終了を示す信号を送信し、電話着信にかかる電話回線を切断する(すなわち、オンフックをする)(ステップS212)。
【0074】
続いて、制御部10は、表示部13に現在位置マークや地図画像、探索した経路を表示し、また、現在位置が案内地点に到達すると、案内地点に対応する案内情報に基づく案内報知を表示部13や音声出力部15を介して行うことにより経路案内を行う。そして、制御部10は、現在位置がステップS206にて検索・決定した通話可能場所に到着したか否かを判定する(ステップS213)。
【0075】
現在位置が通話可能場所に到着したか否かの判定は、通話可能場所の位置(緯度・経度)を中心とした所定範囲に近づいたか否かで判定してもよく、さらに、所定範囲内で、且つ、車両の速度が所定値以下の場合に通話可能場所に到着したと判定してもよい。
【0076】
なお、経路案内は、ステップ207にて経路を探索した時点から開始していてもよい。
【0077】
通話可能場所に到着していない場合は(ステップS213のNO)、制御部10は、経路案内を継続し、通話可能場所に到着した場合は(ステップS213のYES)、ステップS201にて電話着信があった他の携帯電話3(発信元の電話機)の電話番号への通話開始を示す信号をブルートゥース(登録商標)通信部14を介して携帯電話2へ送信し、携帯電話2が他の携帯電話3(発信元の電話)の電話番号へ発呼を行う(ステップS214)。なお、他の携帯電話3のユーザが電話に出ると(オフフックを行うと)、携帯電話2を介して他の携帯電話3とハンズフリー通話を開始する。
【0078】
一方、所要時間が所定時間以下である場合(ステップS209のYES)、すなわち、現在位置から通話可能場所までの道のりが短く、所要時間が短い場合、制御部10は、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して携帯電話2に通話開始を示す信号を送信し、電話着信にかかる電話回線を開き(すなわち、オフフックをし)(ステップS215)、続いて、制御部10は、ブルートゥース(登録商標)通信部14、携帯電話2および開いた電話回線を通じて他の携帯電話3へ通話可能場所まで所要時間および「少々お待ちください」などの待機を促す旨や保留状態とする旨の音声信号や映像信号(文字信号)を送信する(ステップS216)。
【0079】
そして、他の携帯電話3が送信された音声信号や映像信号に基づく音声出力や表示を行うことで、他の携帯電話3のユーザが通話可能場所まで所要時間およびこのまま待機すればよいことを認識することができる。
【0080】
なお、送信する音声信号や映像信号などは、例えば制御部10のROMなどに記憶されていてもよいし、別途記憶部を設け、当該記憶部に記憶されていてもよい。
【0081】
続いて、制御部10は、電話着信にかかる電話回線を開いたままの保留状態とする(ステップS217)。保留状態とは、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して取得した音声信号(他の携帯電話3から送信された音声信号)を音声出力部15から音声出力させない、また、音声入力部16から取得した音声信号をブルートゥース(登録商標)通信部14を介して携帯電話2へ送信しない状態である。すなわち、保留状態においては、ナビゲーション装置1のユーザは、他の携帯電話3のユーザの音声が聞こえることがなく、また、他の携帯電話3のユーザは、ナビゲーション装置1のユーザの音声が聞こえない状態である。
【0082】
次に、制御部10は、表示部13に現在位置マークや地図画像、探索した経路を表示し、また、現在位置が案内地点に到達すると、案内地点に対応する案内情報に基づく案内報知を表示部13や音声出力部15を介して行うことにより経路案内を行う。そして、制御部10は、現在位置がステップS206にて検索・決定した通話可能場所に到着したか否かを判定する(ステップS218)。なお、経路案内は、ステップ207にて経路を探索した時点から開始していてもよい。
【0083】
通話可能場所に到着していない場合は(ステップS218のNO)、制御部10は、経路案内を継続し、通話可能場所に到着した場合は(ステップS218のYES)、保留状態の解除を行う(ステップS219)。すなわち、ブルートゥース(登録商標)通信部14を介して取得した音声信号(他の携帯電話3から送信された音声信号)を音声出力部15から音声出力し、また、音声入力部16から取得した音声信号をブルートゥース(登録商標)通信部14を介して携帯電話2へ送信する。これによりハンズフリー通話が可能となる。
【0084】
なお、ステップS213及びステップS218における通話可能場所に到着したか否かの判定は、通話を行うことが安全か否かの判定であるため、例えば、現在位置がステップS206にて検索・決定した通話可能場所に到着していなくとも、ステップS206にて検索・決定した通話可能場所以外の通話可能場所に現在位置がいる場合や、車両の速度が所定値以下である場合も通話を行うことが安全と判定し、次の処理(ステップS214、ステップS219)に進んでもよい。
【0085】
以上説明した通り、本発明においては、ナビゲーション装置1に接続された携帯電話2に着信があった場合に、通話を行うことが危険な場合、通話が可能な通話可能場所までの所要時間に基づき、着信に係る電話回線の接続状態を決定することができ、携帯電話2の発着信の増大や、リダイヤル時の待ち時間を失くすことが可能となる。
【実施例2】
【0086】
なお、上記実施例1では、携帯電話2とナビゲーション装置1とをブルートゥース(登録商標)を用いて接続したが、携帯電話2が地図情報を記憶する地図記憶部12を備え、携帯電話2にて経路探索・経路案内が行われる場合であれば、携帯電話2とナビゲーション装置1とを接続しなくとも、携帯電話2のみで本発明を実現することが可能である。以下、本発明の実施例2にかかる通信装置を、図3の携帯電話2のブロック図を用いて説明する。携帯電話2は、制御部20、現在位置検出部21、地図記憶部22、表示部23、通信部24、音声出力部25、音声入力部26、操作部27を備えて構成される。
【0087】
制御部20は、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従って携帯電話2の各部の動作を制御・統括するものである。
【0088】
また、制御部20は、地図記憶部22に記憶された地図情報に基づき、経路探索を行い、表示部23や音声出力部25を介して経路案内(案内報知)を行う。
【0089】
現在位置検出部21は、GPS受信機などで構成され、車両の現在位置や速度、進行方向を検出するものである。なお、現在位置検出部21がジャイロセンサ、加速度センサ、方位センサ等のセンサ類を備え、また、車両に設けられた速度センサ、舵角センサ等のセンサ類からの出力を有線通信や無線通信により取得するインターフェイスを備える場合、これらのセンサからの出力に基づいて、現在位置などを検出してもよい。なお、車両の速度は、速度センサや加速度センサの出力に基づいて算出することが可能であり、また、速度センサ、舵角センサ等のセンサ類からの出力に基づく速度や進行方向を有線通信や無線通信により取得するインターフェイスを備えている場合は、当該インターフェイスを介して取得することも可能である。
【0090】
地図記憶部22は、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータと、地形図データと、施設情報とを含む地図情報を記憶する。
【0091】
表示部23は、地図記憶部22に記憶された地図情報に基づく地図画像、制御部20により探索された経路、車両の現在位置を示す現在位置マーク等を表示し、また操作部27による入力作業のための画面を表示するものであり、例えば、液晶パネルによって構成される。
【0092】
通信部24は、基地局などの電話回線を用いて他の携帯電話3(他の電話機)と無線通信を行うための通信インターフェイスであり、図示しないアンテナを介して受信した音声信号などを制御部20へ出力し、また、制御部20から受けた音声信号などを図示しないアンテナを介して他の携帯電話3へ送信する。そして、制御部20が通信部24から取得した音声信号を音声出力部25を介して音声出力することで、他の携帯電話3との通話が可能となる。
【0093】
音声出力部25は、案内情報に基づく音声ガイダンスや、その他、携帯電話2の操作に必要な音声、警告等のブザー音等を出力するスピーカなどで構成される。音声出力部25は、上記の音声などの他に、通信部24から出力された音声信号に基づく音声出力を行う。なお、音声出力部25がスピーカを備えなくとも、車両内に備えられた通信機器(車両に備えられたスピーカと接続される通信機器)と有線又は無線通信を行い、車両に備えられたスピーカを介して音声出力するものであってもよい。
【0094】
音声入力部26は、マイクなどで構成され、マイクが検出した音声(携帯電話2のユーザの音声など)に基づく音声信号を出力する。
【0095】
操作部27は、ユーザによって操作され、目的地、経由地等の経路探索条件を入力するためや、通話を開始・終了するために用いられ、例えば、テンキーや通話ボタンで構成される。
【0096】
このように構成された携帯電話2であれば、図2に示すフローチャートの処理を携帯電話2の制御部20が行うことにより、携帯電話2とナビゲーション装置1とをブルートゥース(登録商標)を用いて接続した場合と同様の効果を得ることができる。
【0097】
まず、制御部20は、通信部24を介して他の携帯電話3(他の電話機)からの電話着信があるか否かを判定する(ステップS201)。
【0098】
電話着信がある場合(ステップS201のYES)、制御部20は、表示部23や音声出力部25を介して着信通知を行う(ステップS202)。着信通知としては、着信があった旨を示す表示や音声案内のみでもよいし、発信元(他の携帯電話3)を示す情報として、発信元の電話番号や、氏名などを表示や音声案内してもよい。
【0099】
着信通知を行った後、制御部20は、現在、通話を行うことが安全か否かを判定する(ステップS203)。
【0100】
通話を行うことが安全か否かの判定は、種々の方法を用いることができる。例えば、移動速度が所定値以下か否か(停止しているか否か)で判定する。
【0101】
ステップS203において、安全と判定した場合(車両の速度が所定値以下と判定した場合)(ステップS203のYES)、ユーザが通話ボタン(操作部27)を押下したか否かを判定する(ステップS204)。
【0102】
ユーザが通話ボタン(操作部27)を押下した場合(ステップS204のYES)、制御部20は、通信部24を介して電話着信にかかる電話回線を開く(すなわち、オフフックをする)(ステップS205)。
【0103】
一方、ステップS203において、安全でないと判定した場合(車両の速度が所定値以上と判定した場合)(ステップS203のNO)、制御部20は、現在位置および地図情報に基づき通話可能場所を検索する(ステップS206)。
【0104】
通話可能場所が決定すると、制御部20は、地図情報に基づき現在位置から通話可能場所までの経路を探索する(ステップS207)。
【0105】
現在位置から通話可能場所までの経路を探索すると、制御部20は、当該経路の所要時間を算出する(ステップS208)。所要時間は、経路を構成するリンクのリンク長や移動速度などに基づいて算出される。
【0106】
続いて、制御部20は、ステップS208で算出した所要時間が所定時間以下(例えば1分以下)か否かを判定する(ステップS209)。
【0107】
所要時間が所定時間以下でない場合(ステップS209のNO)、すなわち、現在位置から通話可能場所までの道のりが遠く、所要時間が多くかかる場合、制御部20は、通信部24を介して電話着信にかかる電話回線を開き(すなわち、オフフックをし)(ステップS210)、続いて、制御部20は、通信部24および開いた電話回線を通じて他の携帯電話3へ通話可能場所まで所要時間およびリダイヤルする旨の音声信号や映像信号(文字信号)を送信する(ステップS211)。
【0108】
そして、他の携帯電話3が送信された音声信号や映像信号に基づく音声出力や表示を行うことで、他の携帯電話3のユーザが通話可能場所まで所要時間およびリダイヤルすることを認識することができる。なお、送信する音声信号や映像信号などは、例えば制御部20のROMなどに記憶されていてもよいし、別途記憶部を設け、当該記憶部に記憶されていてもよい。
【0109】
他の携帯電話3へ通話可能場所まで所要時間およびリダイヤルする旨の音声信号や映像信号(文字信号)を送信した後、制御部20は、通信部24を介して電話着信にかかる電話回線を切断する(すなわち、オンフックをする)(ステップS212)。
【0110】
続いて、制御部20は、表示部23に現在位置マークや地図画像、探索した経路を表示し、また、現在位置が案内地点に到達すると、案内地点に対応する案内情報に基づく案内報知を表示部23や音声出力部25を介して行うことにより経路案内を行う。そして、制御部20は、現在位置がステップS206にて検索・決定した通話可能場所に到着したか否かを判定する(ステップS213)。なお、経路案内は、ステップS207にて経路を探索した時点から行ってもよい。
【0111】
通話可能場所に到着していない場合は(ステップS213のNO)、制御部20は、経路案内を継続し、通話可能場所に到着した場合は(ステップS213のYES)、ステップS201にて電話着信があった他の携帯電話3(発信元の電話)の電話番号へ通信部24を介して発呼を行う(ステップS214)。
【0112】
一方、所要時間が所定時間以下である場合(ステップS209のYES)、すなわち、現在位置から通話可能場所までの道のりが短く、所要時間が短い場合、制御部20は、通信部24を介して電話着信にかかる電話回線を開き(すなわち、オフフックをし)(ステップS215)、続いて、制御部20は、通信部24および開いた電話回線を通じて他の携帯電話3へ通話可能場所まで所要時間および「少々お待ちください」などの待機を促す旨や保留状態とする旨の音声信号や映像信号(文字信号)を送信する(ステップS216)。
【0113】
そして、他の携帯電話3が送信された音声信号や映像信号に基づく音声出力や表示を行うことで、他の携帯電話3のユーザが通話可能場所まで所要時間およびこのまま待機すればよいことを認識することができる。
【0114】
なお、送信する音声信号や映像信号などは、例えば制御部20のROMなどに記憶されていてもよいし、別途記憶部を設け、当該記憶部に記憶されていてもよい。
【0115】
続いて、制御部20は、電話着信にかかる電話回線を開いたままの保留状態とする(ステップS217)。保留状態とは、通信部24を介して取得した音声信号(他の携帯電話3から送信された音声信号)を音声出力部25から音声出力させない、また、音声入力部26から取得した音声信号を通信部24を介して他の携帯電話3へ送信しない状態である。すなわち、保留状態においては、携帯電話2のユーザは、他の携帯電話3のユーザの音声が聞こえることがなく、また、他の携帯電話3のユーザは、携帯電話2のユーザの音声が聞こえない状態である。
【0116】
次に、制御部20は、表示部23に現在位置マークや地図画像、探索した経路を表示し、また、現在位置が案内地点に到達すると、案内地点に対応する案内情報に基づく案内報知を表示部23や音声出力部25を介して行うことにより経路案内を行う。そして、制御部20は、現在位置がステップS206にて検索・決定した通話可能場所に到着したか否かを判定する(ステップS218)。なお、経路案内は、ステップS207にて経路を探索した時点から行ってもよい。
【0117】
通話可能場所に到着していない場合は(ステップS218のNO)、制御部20は、経路案内を継続し、通話可能場所に到着した場合は(ステップS218のYES)、保留状態の解除を行う(ステップS219)。すなわち、通信部24を介して取得した音声信号(他の携帯電話3から送信された音声信号)を音声出力部25から音声出力し、また、音声入力部26から取得した音声信号を通信部24を介して他の携帯電話3へ送信する。
【0118】
なお、ステップS213及びステップS218における通話可能場所に到着したか否かの判定は、通話を行うことが安全か否かの判定であるため、例えば、現在位置がステップS206にて検索・決定した通話可能場所に到着していなくとも、ステップS206にて検索・決定した通話可能場所以外の通話可能場所に現在位置がいる場合や、車両の速度が所定値以下である場合も通話を行うことが安全と判定し、次の処理(ステップS214、ステップS219)に進んでもよい。
【0119】
以上説明したとおり、ナビゲーション装置1と携帯電話2とが近距離無線通信により接続されていなくとも、携帯電話2が地図記憶部22を備え、経路探索・経路案内が可能であれば、電話着信があった場合に、通話が可能な通話可能場所までの所要時間に基づき、着信に係る電話回線の接続状態を決定することができ、携帯電話2の発着信の増大や、リダイヤル時の待ち時間を失くすことが可能となる。
【0120】
なお、本発明は上記実施例に限らず種々の変更が可能である。例えば、上記実施例では、ナビゲーション装置1や携帯電話2が地図情報を記憶する地図記憶部12(22)を備えていたが、これに限ることはなく、ナビゲーション装置1や携帯電話2が地図記憶部12(22)を備えなくとも、例えば、ナビゲーション装置1や携帯電話2が地図情報を記憶する地図DBを有するサーバと無線通信を行うための通信部を備えており、当該サーバから地図情報を無線通信を介して取得してもよい。
【0121】
また、現在位置を無線通信を介してサーバへ送信してもよく、その場合、サーバが受信した現在位置に基づいて最寄りの通話可能場所を検索し、受信した現在位置から検索した通話可能場所までの経路を探索し、当該経路の情報(リンク・ノードデータや案内地点、所要時間など)や経路周辺の地図情報を、サーバからナビゲーション装置1や携帯電話2が受信してもよい。
【0122】
なお、そのほかにも、通話を行うことが安全でない場合(ステップS203のNO)においても、ユーザが操作部17(27)を介して通話開始を示す操作(例えば、通話ボタンを押下)をしたか否かを判定し、通話開始を示す操作をした場合に、次の処理(ステップS206)に進むようにしてもよい。また、予めユーザが操作部17(27)を介して、走行中に(通話を行うことが安全でない場合に)電話着信があった際に、図2のフローチャートに示すように現在位置から通話可能場所までの経路を探索し、通話可能場所までの所要時間に応じて電話着信にかかる電話回線の接続状態を決定するか否かを設定していてもよい。
【0123】
さらに、上記実施例では、ステップS209において、現在位置から通話可能場所までの経路の所要時間が所定時間以下か否かを判定したが、これに限ることはなく、例えば、現在位置から通話可能場所までの距離が所定距離(例えば、500m)より短いか否かで判定してもよい。この場合、現在位置から通話可能場所までの距離とは、探索した現在位置から通話可能場所までの経路の距離であってもよいし、現在位置から通話可能場所までを直線で結んだ直線距離であってもよい。また、ステップS209では、現在位置から通話可能場所までの経路の所要時間が所定時間以下か否か、及び、現在位置から通話可能場所までの距離が所定距離より短いか否かを判定してもよく、両方(所要時間及び距離)とも所定値(所定時間、所定距離)以下の場合に、ステップS215の処理に進んでもよい。
【0124】
また、通話可能場所は移動種別(車、歩行者、自転車など)に応じて変更されてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 ・・・ナビゲーション装置
2 ・・・携帯電話
3 ・・・他の携帯電話
10・・・制御部
11・・・現在位置検出部
12・・・地図記憶部
13・・・表示部
14・・・ブルートゥース(登録商標)通信部
15・・・音声出力部
16・・・音声入力部
17・・・操作部
20・・・制御部
21・・・現在位置検出部
22・・・地図記憶部
23・・・表示部
24・・・通信部
25・・・音声出力部
26・・・音声入力部
27・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線を介して他の通信装置と通信を行う通信装置と通信を行うための通信部を備えた制御装置において、
現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記通信装置に電話着信があった場合、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定し、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を通話を行うことが安全となるまで開いた状態とする制御部と、を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、通話可能場所の位置を含む地図情報を記憶した地図記憶部を備え、
前記制御部は、前記通信装置に電話着信があった場合、前記現在位置に基づき通話可能場所を検索し、前記現在位置から検索した通話可能場所までの経路を探索することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信装置に電話着信があった場合、通話を行うことが安全か否かを判定し、安全でない場合に、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を開いたまま保留状態とすることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下でない場合、前記通信部及び前記通信装置を介して電話着信に係る電話回線を開いた後、該電話回線を介して少なくとも前記所要時間を示す信号を電話着信の発信元に送信した後、該電話回線を切断することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記通話を行うことが安全とは、移動速度が所定値以下の場合及び/又は前記現在位置が通話可能場所である場合であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
電話回線を介して他の通信装置と通信を行うための通信部を備える通信装置において、
現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記通信部を介して電話着信があった場合、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定し、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を通話を行うことが安全となるまで開いた状態とする制御部と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記通信装置は、通話可能場所の位置を含む地図情報を記憶した地図記憶部を備え、
前記制御部は、前記通信部を介して電話着信があった場合、前記現在位置に基づき通話可能場所を検索し、前記現在位置から検索した通話可能場所までの経路を探索することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記通信部を介して電話着信があった場合、通話を行うことが安全か否かを判定し、安全でない場合に、前記現在位置から通話可能場所までの所要時間及び/又は距離が所定値以下か否かを判定することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下である場合、前記電話着信に係る電話回線を開いたまま保留状態とすることを特徴とする請求項7〜請求項9の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記所要時間及び/又は距離が所定値以下でない場合、前記通信部を介して電話着信に係る電話回線を開いた後、該電話回線を介して少なくとも前記所要時間を示す信号を電話着信の発信元に送信した後、該電話回線を切断することを特徴とする請求項7〜請求項10の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通話を行うことが安全とは、移動速度が所定値以下の場合及び/又は前記現在位置が通話可能場所である場合であることを特徴とする請求項7〜請求項11の何れか1項に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−129757(P2012−129757A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278698(P2010−278698)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】